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2019年9月6日
村野 剛太
DX・・・Digital Transformation
DXにおけるITの役割とLean
東京海上日動システムズ株式会社エグゼクティブオフィサーデジタルイノベーション本部長
© Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.
◆ 東京海上グループについて
◆ これまでの取組み
◆ 課題認識
◆ 課題への対応状況
◆ 最後に
目次
1
© Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.
◆ 東京海上グループについて
◆ これまでの取組み
◆ 課題認識
◆ 課題への対応状況
◆ 最後に
2
© Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.
東京海上グループの概要
3
出典: https://www.tokiomarinehd.com/
東京海上ホールディングス配下の多くのグループ会社を通じて、国内外のお客様に広くサービスを提供しています。
東京海上日動火災
日新火災イーデザイン損保東京海上ミレア少額短期保険東京海上ウエスト少額短期保険
東京海上日動あんしん生命
東京海上アセットマネジメント東京海上日動あんしんコンサルティング東京海上日動キャリアサービス東京海上日動ベターライフサービス東京海上日動ファシリティーズ東京海上日動メディカルサービス
他100社超
Tokio Marine North AmericaPhiladelphia InsuranceTokio Marine HCCDelphi Financial GroupTokio Marine KILNTokio Marine Asia
他100社超
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東京海上日動・東京海上日動システムズ会社概要
4
●業務内容1. 損害保険業(1)保険引受(2)資産の運用
2. 業務の代理・事務の代行(1)損害保険業に係る業務の代理・事務の代行(2)生命保険業に係る業務の代理・事務の代行
3. 投資信託の販売業務4. 自動車損害賠償保障事業委託業務
●設立 1879年8月2004年10月東京海上火災、日動火災が合併して東京海上日動火災保険(株)が発足
●社員数 17,203名
●業務内容東京海上グループのIT戦略を担うシステム会社東京海上グループ情報システムの企画・提案・設計・開発・保守・運用・システム活用支援
●設立 1983年9月2004年10月東京海上火災、日動火災のシステムグループ3社が合併して東京海上日動システムズ(株)が発足
●社員数 1,357名
(2019年3月31日現在) (2019年4月1日現在)
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東京海上日動のIT体制
5
中央集権的なITガバナンス
個人商品業務
企業商品業務
契約業務サービス
損害サービス
営業企画
業務サービス部(約25部)
お客様
代理店
社内(営業)
(損害サービス)経理
資産運用
etc
IT部門
東京海上日動システムズ
約1,300名
東京海上日動IT企画部
約40名
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◆ 東京海上グループについて
◆ これまでの取組み
◆ 課題認識
◆ 課題への対応状況
◆ 最後に
6
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これまでの取組み(IT戦略・IT態勢強化)
7
開発運用態勢/
ガバナンス
態勢強化
IT戦略
システムズを機軸とした集約体制△損保 △生保
アプリケーションオーナー制度△制度スタート △開発計画連動 △今日的見直し
グループガバナンス△評価ツール導入 △ガバナンス基本方針 △GITC
モバイル
省力化
付加価値
お客様接点強化
(社員・代理店)(お客様)
次世代モデル デジタル戦略
抜本損害
抜本改革(契約管理) 少量多品種(契約)
働き方変革
2005 2010 20152000
基幹系再構築
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付加価値提供・お客様接点強化
音声認識
Smart speaker災害情報等のスキル登録
近年の取組み①
8
PersonalizedShort Movies
事故を未然に防止
amazon ランキング 大賞201820位受賞 ※金融系の会社は2社のみ
IoT
ドライブレコーダーを提供テレマティクスサービス
『あるく保険』ウェアラブル端末
AOSORA(ソラコムの保険)
AI
docomoのAI保険
SNS
DC年金チャットボット
水災・地震のSMS通知
モバイル
モバイルエージェント(他社証券も一括管理可能)
火災 e-FNOL(スマホから事故通知)
災害情報:Alexaスキル
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インバウンドのお客様接点
分析・データ活用
付加価値提供・お客様接点強化
ブロックチェーン
海上貨物保険証券への適用実証実験
ブロックチェーンを用いた医療情報送信実証実験
AI
照会応答サポート
(FAQ)AIによる手書き漢字認識
(保険金請求書)
近年の取組み②
9
業務効率化・利便性向上
自動車会社との協業
RPA
海旅・付保証明書作成控除証明書再発行 等
情報銀行
人工衛星画像のAI解析
水災範囲、浸水高等を推定
迅速な保険金支払い
Tokyo Starter Kit(旅行保険を自動付帯)
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◆ 東京海上グループについて
◆ これまでの取組み
◆ 課題認識
◆ 課題への対応状況
◆ 最後に
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保険業界を取り巻く中長期的な環境変化
11
大規模災害の多発3
人口動態の変化2
テクノロジーの進化1
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テクノロジーの進化によって、ITのもたらす価値が「業務効率化」だけでなく「新たなサービスの創出」にまで拡大しており、東京海上グループにおけるビジネスに踏み込んだ提
案が求められている。
IT活用領域の拡大
サイバー攻撃、モバイル、クラウド等、今後もセキュリティリスクの増大が見込まれており、高度化・多様化するシステムリスクへの適切かつ迅速な対応が求められている。
セキュリティリスクの増大
デジタル時代に入り、ビジネスの変化はますます加速しており、最
新テクノロジーの活用や更なる生産性向上、コスト効率化が求
められている。
ビジネススピードの加速
グローバル保険グループのIT戦略を支える当社には、グローバルな視点にもとづいたビジネス戦略の実現やテクノロジーの選択・活用が求められている。
グローバル化の進展
事業環境変化とIT部門に求められる課題
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何をすべきか?:目指していく姿
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強固な顧客基盤とマーケティング力
お客様志向の商品・サービス
高効率・高品質なオペレーションを可能にする仕組み(インフラ)
•お客様視点でのプロセス再構築と利便性向上•UX(User Experience)、CX(Customer Experience)を基軸としたプロセス設計•商品・サービスR&D機能の強化•スタートアップ企業との積極的な連携
•顧客データベースの刷新(会社データと代理店データの相互有効利用、外部顧客データとの連携強化等)•お客様と会社・代理店のデジタル接点強化•デジタルマーケティング機能の強化
•EAアーキテクチャーとレガシーシステムの刷新•API(外部システム連携を容易にする仕組み)によるオープン化•AI、RPA等によるオペレーションの自動化・省力化•お客様での手続き完結(セルフ化)の促進•極限までシンプルな社内プロセス
社内カルチャー変革(イノベーション、お客様中心、失敗を許容、機動性…)
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◆ 東京海上グループについて
◆ これまでの取組み
◆ 課題認識
◆ 課題への対応状況
◆ 最後に
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デジタルイノベーション
従来のシステム開発
既存システム
イノベーション
IT部門
システムズ
システム連動支援
構築・改善
トライ&エラー
IT部門がイノベーションを牽引
ベンダ・スタートアップ
デジタルイノベーションに向けた態勢をIT部門に構築
15
IT部門 業務サービス部門
商品企画部
損害企画部
販売企画部
事務企画部
システムズ・商品開発
システムズ・損害開発
システムズ・販売開発
システムズ・事務開発
システムズ・運用 オーナー
制度
業務サービス部門 営業部門
商品企画部
販売企画部
〇〇営業部
△△営業部
IT企画システムズ
イノベーション部隊
協 業
DevOpsHD
デジタル戦略室
(DevOps・・・開発運用協働型開発)
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デジタルイノベーションフレームワークを策定
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モックアップ(MD)
全店
本番データ
ユーザ
なし
関係者
プロトタイプ
(PD)
PoC
(PoC)先行店②①
モックアップ作成
試作品作成フィージビリティ
技術検証コスト見積り
なし
全部あり
③
POC環境構築環境移行
稼働スタート
撤退
やり直し
⑤
アイディアを形に✓ 概要図✓ UI・UXイメー
ジ✓ 動作不要
技術検証・動作検証✓ 主要機能が実装(手段・MWは不問)
✓ UI・UXは仮✓ 新技術を使用する場合
は、技術検証も兼ねる
コンセプト通りか機能検証本格ビジネス投資判断材料✓ UI・UXは仮でも良い✓ 運用機能の欠損可(ゼロ可)
✓ 一部機能の欠損可✓ 主要機能の正常稼働✓ 本番データ・一般ユーザ
環境 ローカル、開発、anywhere
案件化状態本番運用可能な状態へユーザビリティUP
DevOps ?既存WF?
➢ デジ推➢ 開発ベンダー
➢ デジ推➢ システムズ開発部?➢ ベンダー
➢ デジ推➢ システムズ開発部?➢ 開発ベンダー
一部あり
一般・代理店・社内
本番S/I
本番(PoC用)
試行 開発
不足機能追加操作性向上運用機能追加
本番
④本格開発(FD)
開発
ビジネス側
システム側
定義
体制
⓪アイデアプール(IP)
なし
検討
➢ システムズ開発部➢ 開発ベンダー
撤退
撤退
撤退
撤退
・ニーズを迅速にとらえて、試し、本番に移行できるフレームワークを作成。
・まずは、IT部門内で利用を進めてきたが、現在はビジネスとの共有、協働を進め、スピードアップを図っている。
(PoC・・・Proof of Concept)
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共通領域VPC
アプリケーション領域
サイバーセキュリティ対策等の運用系は、ここに一括実装
サービス利用者
Lean開発のための仕組みを整備
お客様向けサービスをスピーディに開発し、提供するためにクラウド上にSoE基盤を構築・高速開発に必要な仕掛けを整備(Infrastructure as Code、Agile、CI/CD、API)
◆新しいアプリケーション開発プロセスを策定◆「小さく開発し早くリリースする」を実現
企画・計画スプリント(β版)
スプリント(β版)
スプリント(β版)
本格利用(S/I)
テスト要件定義 開発 資源反映
標準構成・標準設計をCloudFormationで定義し、ガバナンスを確立
目次
1 はじめに 4
1.1 開発運用協働型基盤について 4
1.2 利用シーン 5
1.2.1 利用シーンと対応するテンプレートパターン 5
1.2.2 テンプレートパターン:Web3階層 6
2 提供機能 7
2.1 機能一覧 7
2.2 責任分解点 11
2.3 制約事項と注意事項 13
3 構築フロー 15
3.1 環境構築フロー15
3.2 環境変更フロー16
3.3 環境廃止フロー17
4 お問い合わせ 18
5 利用料 19
5.1 見積り方法 19
CI/CD・・・継続的インテグレーション/デリバリー
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DXにおけるIT部門の役割が拡大
18
2017
2018
2019・デジタルイノベーションフレームワークの策定・Lean開発のための仕組の整備
・4つの「D」を集約した組織の設置・デジタル相談スキームの導入
イノベーション部隊を作り、ビジネス部門に常駐
ビジネス部門の常駐者を増員
ビジネス部門に隣接する銀座に本部を設置
多摩センターシステムズ本社
銀座新本部
丸の内ビジネス部門
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システムズに、デジタルイノベーション本部を設置
19
イノベーション部隊を設けて3年目の今年4月、ビジネス部門に近接する銀座に本部を設置
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D
デジタル本部の目指すもの
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◆ ビジネス部門からの様々な新しい要望に対して、ALLシステムズで解決を図るための窓口となり、新しいソリューションの採用によって、より早く・安く・多く、システム化を実現する。
◆ 特にデジタル案件については、提案から試行、開発、保守を1組織で担当し、システムズ社員主体でスピーディーに推進する。
◆ 銀座ビルの地の利を活かし、丸の内のビジネス部門や社外と迅速に連携し、社内外に認知されたデジタル拠点として、新たな付加価値を共創する。
DXに必要な4つの“D”を集約した、前線基地
XData
Delivery
Design
Development
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デジタル本部の態勢
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デジタルイノベーション推進部
インテグレーター 数名
丸の内に席を置き、フリーに活動
✓案件相談・新技術相談の窓口✓モックアップの作成✓PoCの実施・検証✓技術適用性の評価・試行
デジタルイノベーション開発部
Lean開発 数十名
✓ モックアップやPoCを内製✓ 案件化プロジェクトを内製✓ UI/UX人材、AI人材
顧客接点 数十名
✓ 東京海上日動HP/代理店HP✓ モバイルエージェント✓ 契約者マイページ
本部付けデータ分析チーム
データサイエンティストデータスチュアード
ビジネス部門からの委託を受けて、データ分析を行う
計 十数名
全体統括・推進 数名
・デジタル分野こそ、外部だけに依存せず、社員がグリップする。・いずれのロールも、社員が過半数を占めている。
デジタルイノベーション本部
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デジタル相談スキームの導入
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相談受付・前さばき
・ビジネス部門から随時、受付
・相談会前の前さばき
相談会
・定例枠で法務・セキュリティ
担当も交えて詳細をヒアリング
実行
・レビューー会で承認されたもの
について、PoC等の対応を進める
「デジタル案件の適切な検証と実現を効率的に実施すること」を目的に、案件化前のサポートの
強化を開始した。
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⚫ 新たなビジネスモデル、サービスに、今後コアになりうる分野が潜んでいる→ 流行りとなる技術や世の中で何が起こっているか把握が必要→ ビジネス部門への人材輩出
⚫ いずれ基幹系システムと何らかの連携が発生する→ ITが関与し、連携を意識した設計が必要
⚫ ”新しい技術”を使うのであれば→ スキルを習得した人材が必要
スキルを習得するには、構築経験が必要
⚫ 既存開発プロセス:Waterfall ⇔イノベーションプロセス:Agile、DevOps→ 早くトライ&エラーが出来る手法の採用、マインド醸成
デジタルイノベーションにおけるIT部門の役割
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◆ 東京海上グループについて
◆ これまでの取組み
◆ 課題認識
◆ 課題への対応状況
◆ 最後に
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1.当社のシステム化は経営管理の高度化に資することを主たる目的とする。
2.長期のシステム化計画にもとづいて総合的に実施する。
3.システム化の効果は、短期的な採算をみるにとどまらず長期的採算を十分考慮する。
4.システム化に適する業務はすべてシステム化する。
5.コンピュータの購入には、実験費ないし研究開発的支出を認める。
6.部門ごとにシステム化担当のスタッフを組織上明確にする。
7.システム化の効果を高めるために、事務組織および手続きを根本的に改める。
8.コンピュータの処理能力を増強する。
9.システム化に関連した人事管理を充実する。
我々のDNA(東京海上が1961年に定めた「事務機械化9原則」)
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© Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.
ありがとうございました