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ITS・自動運転を巡る最近の動向 (国内の動向を中心に) 平成29210内閣官房IT総合戦略室 資料1 (注)本資料の一部は、報道情報等に基づき作成。このため、必ずしも正確ではない可能性がある。

ITS・自動運転を巡る最近の動向 · • 2016: 年5月、県内15市町において自動運転の実証実 験を行うと発表。2016年6月の幸田町を皮切りに、

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ITS・自動運転を巡る最近の動向(国内の動向を中心に)

平成29年2月10日内閣官房IT総合戦略室

資料1

(注)本資料の一部は、報道情報等に基づき作成。このため、必ずしも正確ではない可能性がある。

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1目次

国内における最近の動向日本企業の開発・連携を巡る動向(主に前回会合(2016年12月)以降の動き)

日本における実証実験を巡る動向

関係府省庁における自動運転に係る主な取組

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2日本企業の開発・連携を巡る動向 2017年1月に開催されたCES等において、日本の自動車メーカーは、自動運転に係る新たなコンセプトを発表。レベルの高い自動運転を目指すだけでなく、ドライバーが運転に関与する前提で、AI等を活用し、事故リスクを限りなく小さくするという方向が特徴。

また、日本企業においても、国内外の企業との連携を図る動きが活発化。

企業名 概要

トヨタ 2017年1月、ラスベガスで行われた家電見本市CES(Consumer Electronics Show)において、コンセプト車「愛i」を発表。• ドライバーの感情、疲労度、覚醒状態に応じて、五感に働きかけ、より安全運転に誘導。• ドライバーが危険な状態に陥った際、自動運転モードに切り替わり、クルマが自動で安全状態に導く。• 運転に不安を感じたドライバーに自動運転モードへの切り替えを提案。• 今後数年内に国内において公道実証実験を計画。

日産 2017年1月、CESにおいて、米航空宇宙局(NASA)と協力して、完全自動運転車が不測の事態に見舞われても、遠隔操作で安全に走行させるシステム「SAM」を開発したと発表。

同月、電気自動車「リーフ」に自動運転技術「プロパイロット」を搭載することを発表。 同月、無人運転車の開発に向け、DeNAとの提携を発表。

• 今年から国家戦略特区にて無人運転技術の開発に集中的に取組。• 2020年までに首都圏にて実証実験を行う計画。

ホンダ 2016年12月、Googleを傘下に持つAlphabetの子会社Waymoと自動運転技術の共同研究に向けた検討を開始したと発表。• Waymoのセンサーやソフトウェア、車載コンピューターなどをホンダの提供する車両へ搭載し、共同で米国での公道実証実験に使用する予定。

2017年1月、CESにおいて、自動運転機能を備えたコンセプトカー「Honda NeuV」を発表。• ドライバーの表情や声の調子からストレス状況を判断して安全運転のサポートを行う。

マツダ 運転中の急病時などのリスク回避のために、システムが自動運転機能を作動させ、安全に停止させる技術を2020年以降に実現化することを目指すとの報道あり(2017年1月)。

自動車メーカー系

トヨタ ホームページより

日産ホームページより

ホンダ ホームページより

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3日本における実証実験を巡る動向 これまでの、自動車メーカー、サプライヤーによる独自の公道実証に加え、国主導プロジェクトによる公道実証実験が2017年度以降本格化。また、各地域においても、IT・新興企業系や大学・地方自治体主導による小規模な実証実験が数多く行われている。

団体等 概要

愛知県• 2016年5月、県内15市町において自動運転の実証実験を行うと発表。2016年6月の幸田町を皮切りに、2017年1月の安城市まで順次実証実験を実施中。

東北大学• 2016年8月、仙台市、宮城県、東北経済連合会と共同でコンソーシアムを設立。東北大キャンパスや市内の過疎地域などで実証実験を実施予定。

金沢大学 • 2016年9月、石川県珠洲市で2015年から実施している自動運転車の公道実証実験を公開。

輪島商工会議所

• 2016年11月、石川県輪島市で自動運転による電動カート(ヤマハ製)の公道での実証実験を実施。

群馬大学• 2016年12月、桐生キャンパスに「次世代モビリティ社会実装研究センター」を発足。すでに、桐生市内の公道を利用して自動運転の実証実験を開始済み。

省庁 概要

内閣府(SIP)

• 2016年11月、大規模実証実験の実施を発表。2017年9月~2019年3月にかけて、自動車専用道、一般道、テストコースでの実証を行う予定。

• 2016年12月、沖縄でのバス自動運転実証実験を2017年3月から開始することを発表。

内閣府(特区)

• 2016年11月、秋田県仙北市で、公道での自動運転バスの実証実験を実施。

• 羽田空港に近い公道で2018年度に実証実験を行うべく、国・東京都・大田区などで検討を開始するとの報道あり(2017年1月)。

経済産業省国土交通省

• 「スマートモビリティシステム研究開発・実証事業」において、トラックの隊列走行やラストワンマイル自動運転の公道実証を2018年度以降に行うべく、現在検討中。

国土交通省• 中山間地域における道の駅を拠点とした自動運転サービスの社会実験を2017年度早期に開始できるよう国土交通省自動運転戦略本部において検討中。

国主導プロジェクト IT・新興企業系(例)企業名 概要

DeNA• 2016年8月、幕張のショッピングセンター内で、自動運転バス・ロボットシャトルを試験運転。

• 2016年12月、九州大学、NTTドコモ、福岡市とともに、大学キャンパス内で自動運転バスの走行実験を実施。

SBドライブ • 北九州市、八頭町、白馬村、浜松市等と協定を締結し、次世代モビリティサービス実用化に向けた取組開始。

大学・地方自治体等(例)

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4大規模実証実験○ 平成29年9月頃から、関東地方を中心に高速道路や一部の一般道なども用いて、大規模実証実験を実施予定。関係メーカー等参加の下、ダイナミックマップの検証等を実施。○ オープンな場で、より多くの目で評価し、今後の研究開発にフィードバック。○ 海外メーカーを含め、国内外に参加を呼び掛け、国際連携、更なる産学官協調を促進。

<実施期間>平成29年度~30年度(29年9月頃から開始予定)

<参 加 者>各自動車メーカー、部品メーカー、大学・研究機関、海外メーカー等※1

<主な実験内容※2等(関係者にて精査中)>■ 高速道路 (各自動車メーカーが当面進める自動走行システム開発への対応)

・カーブなど様々な走路環境でのダイナミックマップの有効性、精度検証

・車車間通信による分合流部走行支援に係る実証・2~3時間(200~300km)連続走行時のドライバー状態検証等

■ 一般道 (東京都における次世代都市交通システムの実用化に向けた検証等)

・次世代都市交通システム試作車を用いた走行検証・公共車両優先システム(PTPS)を用いた機能検証等

■ テストコース・テストベッド (安全を確保した上での実験、反復評価等)

・サイバー攻撃などセキュリティ上の脅威に対する動作検証等

都の新型バス整備計画エリア(東京都心~臨海地域)で実施

日本自動車研究所自動走行テストコース(つくば)等で実施

※1 現在、参加を呼び掛けているところ。※2 実施期間中に順次行う予定。

首都高や関東近郊の高速道路で実施

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<1.本取組の概要>■ 自動走行技術の活用により、沖縄における高齢者や障がい者の方々が利用しやすい、新たな公共バスシステムの実現を目指し、以下の取組を実施。

✔ 今年度のSIPでの取組を、関係者のご支援を得て、拡充し、年度内に沖縄県内で公共バスの正着制御の技術実証等を実施

✔ 平成29年度及び30年度は、所要のSIP予算の確保を図りつつ、沖縄県内での公道実証等の実施を検討

✔ 沖縄担当部局の取組と連携しつつ、将来の自動運転技術の活用による沖縄県での公共バスの利便性向上、地域社会の活性化等を目指す。また、関係省庁との連携により、今後の地方展開の推進や運用面・制度面の検討など環境整備の促進、公共交通分担率の向上等に向けたモデルケースの確立を図る。

<2.実施内容・実施場所等>

都市郊外での生活の足となる路線バスでの実装を想定し、マイクロバス車両を用いて実証

高齢者等が乗り降りしやすいよう、バス停にほぼ隙間なく正確に横付けする正着制御技術等をデモ予定

沖縄でのバス自動運転実証実験○ 平成29年3月(予定)から、内閣府沖縄担当部局や沖縄県、関係市町村などの協力を得つつ、沖縄でバス自動運転の実証実験を実施。

■ 平成30年度にかけ、ステップ・バイ・ステップで自動運転バスに関する技術実証実験等を実施。今年度は沖縄県南城市の「あざまサンサンビーチ」周辺道路での実施を予定。

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・ 公道400mを走行・ 一般モニター62人が試乗

平成28年11月13日平成28年3月27日平成28年2月29日~3月11日

・ 公道2.4kmを走行・ ロボットタクシー車両・ 一般モニター51人が乗車

・ 旧荒浜小学校の校庭を周回

自動走行

<レベル3>住居と商業施設間を送迎

<レベル4>全国初公道での無人バス走行

<レベル4>小学校校庭での実証実験

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【事業目的】ドライバー不足の解消や大幅なCO2排出量削減が期待される後続車無人の隊列走行について、社会実装を目指し、必要な技術開発、社会受容性や事業面の検討等を行う。

トラックの隊列走行の社会実装に向けた実証

有人

無人

無人

隊列走行のイメージ

①先頭車両にはドライバーが乗車し、有人でトラックを運転。

②先頭車両と後続車両を電子的に連結することで隊列を形成。 ③後続車両は自動走行システムを

使って無人走行。

④3台目以降の後続車両も電子的な連結と自動走行システムを使って無人走行。

【事業内容】

○隊列走行がビジネスとして成立する事業モデルの検討及び明確化

○隊列走行の実現に必要な技術開発及び実証

○隊列走行に必要な技術の制度的取扱や事業環境課題に関する関係省庁と連携した検討

大型25トンカーゴ型トラック

車両イメージ

<スケジュール>2016年度・実証で走行する場所を選定・隊列走行の事業モデルの検討を開始・電子牽引システム等の要素技術開発を推進

2017年度以降

・テストコース走行で開発した技術の評価、安全性の検証を実施・関係省庁と連携して制度的取扱について検討

2018年度・高速道路の走行を含めた実証実験を実施

(日野自動車提供)

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【事業目的】自動走行技術を活用した新たな交通システムであるラストマイル自動走行(端末交通システム)の社会実装を目指し、必要な技術開発、社会受容性や事業面の検討等を行う。

ラストマイル自動走行(端末交通システム)の社会実装に向けた実証

ラストマイル自動走行のイメージ(郊外地域の場合)

最寄駅等最終目的地(自宅等)

①利用者(高齢者等)は無人自動走行車を呼び出し乗車。

②無人自動走行。 ③利用者は最終目的地

(自宅等)で降車。

④無人自動走行車が自動回送。

※歩行者等がいない自動走行車専用の空間での走行。安全確保の技術に応じて、公道を含むケースも検討。

小型カート

小型バス

車両イメージ※他にも、市街地、住宅団地、観光地、私有地などでの活用が想定される

遠隔操作・監視

管制センター

【事業内容】

○ラストマイル自動走行がビジネスとして成立する事業モデルの検討及び明確化

○ラストマイル自動走行の実現に必要な技術開発及び実証

○ラストマイル自動走行に必要な技術の制度的取扱や事業環境課題に関する関係省庁と連携した検討

<スケジュール>2016年度・実証場所を公募により選定・事業モデルの検討を開始・要素技術開発を推進

2017年度以降・開発した技術の評価、安全性の検証を実施・関係省庁と連携して制度的取扱について検討

2018年度・実証実験を実施

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中山間地域における道の駅を拠点とした自動運転サービス

生活の足の確保(買物・病院、公共サービス等)

物流の確保(宅配便・農産物の集出荷等)

地域の活性化(観光・働く場の創造等)

貨客混載

中山間地域

超高齢化等が進行する中山間地域において、人流・物流を確保するため、「道の駅」を

拠点とした自動運転サービスを路車連携で社会実験・実装する。

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10関係府省庁における自動運転に係る主な取組<成長戦略等における自動運転に係る検討> 未来投資会議(内閣官房)

• 「これまでの議論の経緯と今後の検討の方向性」(2017年1月27日) 国家戦略特別区域諮問会議(内閣府)

• 「Regulatory Sandbox(規制の砂場、ゼロベース特区)について」(2016年12月12日)<研究開発と技術面での検討> SIP自動走行システム(内閣府)

• 省庁横断的な研究開発の推進(2014年~) 第6期先進安全自動車(ASV)推進検討会(国土交通省)

• 自動運転の実現に向けたASVの推進を検討(2016年11月~)<将来像に向けた推進策の検討> 自動走行ビジネス検討会 将来ビジョンWG(経済産業省・国土交通省)

• 自動走行進化の将来像等を検討(2016年10月~) 国土交通省自動運転戦略本部(国土交通省)

• G7交通大臣会合、未来投資会議等の議論等を踏まえつつ、的確に対応するため設置(2016年12月~) Connected Car 社会の実現に向けた研究会(総務省)

• 「Connected Car」がもたらす新たな社会像やその推進方策等の検討(2016年12月~)<制度面、社会受容面等の検討> 自動運転の段階的実現に向けた調査検討委員会(警察庁)

• 道路交通法に関連する課題を検討(2016年6月~) 自動運転における損害賠償責任に関する研究会(国土交通省)

• 自動運転における自賠法の損害賠償責任のあり方について検討(2016年11月~) 自動走行の民事上の責任及び社会受容性に関する研究(経済産業省・国土交通省)

• 自動走行に関するユーザー期待と技術のギャップ、事故時の責任関係を整理し、社会受容性を検証(2016年10月~) 自動走行システムの高度化及び普及展開に向けた社会面・産業面の分析に関する調査(SIP)(内閣府)

• 社会面・産業面に対するプラス・マイナス両面のインパクトの明確化(2016年11月~)

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11未来投資会議における自動運転関係の今後の検討方向

Ⅰ.Society5.0の実現に向けたイノベーションの社会実装A:戦略分野の推進2.移動サービスの高度化、「移動弱者」の解消、物流革命の実現• 公共交通の無人自動運転、運転支援機能を備えた車の普及等による高齢者等の事故低減、ラストワンマイルにおける「生活の足」確保に必要な制度やインフラ面の整備方針の具体化を検討する。また、中山間地域の「道の駅」等を核とする自動走行システムについて、パイロット事業への着手を検討する。

• 「官民ITS 構想・ロードマップ2016」の見直しにおいて、レベル4(完全自動走行)をはじめとする自動走行に必要な制度及びインフラの洗い出し、事業者のニーズ等を踏まえつつ、公道実証に必要な措置等について検討する。

• オープンデータの推進により自動走行用地図の整備・維持・更新するための仕組みや具体的方策の検討を進める。

• 高速道路での公道実証に向け、トラックの隊列走行・自動走行についての法制上の課題やインフラ整備方針について検討する。(略)

• 「次世代都市交通システム・自動走行技術の活用(改革2020プロジェクト)」について、最新の実施状況等を踏まえ、更なる推進策について検討する。

B:横断的事項1.データの官民共有• 医療・介護、自動走行、農業、地域の取引データなど、個別分野におけるデータ利活用基盤の整備や、企業間のデータ流通を促進するためのルール整備等について検討する。

Ⅱ.公的部門の民間開放とIT化の徹底2.公的部門のオープンデータ化とIT化(1)オープンデータについて、民間ニーズを踏まえた優先分野を特定し、民間が利用しやすい形でのデータ公開を徹底する政府統一的な取組の推進(略)

• IT戦略本部の下、官民の専門家からなる司令塔を設置して民間ニーズに即して東京オリンピック・パラリンピック(公共交通機関の運行情報等)や自動走行用地図等の重点分野を定め、2020年までを集中取組期間として必要な施策を検討する。

Ⅲ.リスクテイク/チャレンジできる社会2.国家戦略特区の加速的推進• 自動走行やドローン等の「近未来技術の実証」をより円滑かつ迅速に行えるよう、諸外国の「規制の砂場(レギュラトリー・サンドボックス)」を参考に、安全性を確保しつつ、東京都や秋田県仙北市、千葉県千葉市などにおいて実証実験を行うとともに、事前の手続きを抜本的に簡素化する仕組みの構築を検討する。

• 第4回未来投資会議(平成29年1月27日)資料7-2 「これまでの議論の経緯と今後の検討の方向性」(自動走行関係の記載部分)

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12国家戦略特区における近未来技術の実証について - 自動走行など -

平成27年1月 近未来技術実証特区検討会の設置

具体的プロジェクトの公募、必要な規制改革事項の抽出(道路交通法、航空法、電波法団体など)

6月 「日本再興戦略」改訂2015 閣議決定完全自動走行(レベル4)の実現に向け、特区等において、安全性に関するデータ収集等に必要な公道実証実験を積極的かつ安全に行うための環境を整備。

平成28年2月 【実証実験】 藤沢市 買い物支援<一般モニター参加>

3月 【実証実験】 仙台市 災害危険区域での実証

6月 日本再興戦略 2016 閣議決定「レベル4」までの技術開発を目指すため、車内に運転者が不在であっても遠隔装置を通じた監視等や、ハンドル及びアクセルの無い自動運転車両による走行などが、公道における実証実験として可能となるよう所要の措置を講ずる。

11月 【実証実験】 仙北市 ハンドル及びアクセルの無い車両による地域の移動支援<一般モニター参加>

11月、 12月 国家戦略特区諮問会議での議論(有識者議員提出資料)「事後チェックルール」を徹底した、いわゆる「サンドボックス特区」の導入

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国家戦略特区 追加の規制改革事項などについて

2、 Regulatory Sandbox(規制の砂場、ゼロベース特区)について-国家戦略特区における自動走行などの「近未来技術の実証」-

・ 国家戦略特区においては、「改訂日本再興戦略2015」(平成27年6月30日閣議決定)に基づき、昨年より、- 完全自動走行(レベル4)を見据えた「自動走行」や、- 医療・農業等も含めた様々な分野における健全な利活用を念頭に置いた「ドローン(小型無人機)」等の分野について、規制改革の実現とともに、首長の強いリーダーシップの下、神奈川県・仙台市・仙北市・千葉市等において、度重なる「実証実験」を行ってきた。

・ 先月(11月)も、- 13日、仙北市(田沢湖周辺)の「公道における無人バス走行」、- 22日、千葉市(稲毛海浜公園)の「海上におけるドローン宅配」などで、我が国初の試みを特区発で実施している。これらの実施に当たっては、もちろん規制担当官庁にも協力いただいている。しかしながら、十分安全性にも配慮し、かつ、それぞれ「数百メートルの実証実験」にも関わらず、多くの

方面との事前の協議や手続きが必要とされているのが実態である。・ 特区ですら、このような実態であることを考えれば、昨年11月、総理から指示のあった「自動走行について、(全国で)2017年までに必要な実証を可能とする」「ドローンについて、早ければ2019年までに、荷物配送を可能とする」旨の目標を達成することは到底困難と言わざるを得ない。

・ したがって、少なくとも特区においては、原則自由な実証実験を可能とする「Regulatory Sandbox(規制の砂場、ゼロベース特区)」の仕組みを早急に導入し、これを、実験成果の性能に基づいた評価基準は設けるが、仕様等に関する事前規制は設けないものとすべきである。また、その際、情報公開・監視・第三者評価・紛争処理体制などの「事後チェックルール」を徹底すべきである。

・ なお、「自動走行の実証」と併せて、地域における人手不足解消や高齢者による運転事故のリスク軽減の観点からも、前通常国会で成立した改正特区法に盛り込んだ「自家用自動車の活用」も、積極的に実施すべきである。

国家戦略特区における近未来技術の実証について - 自動走行など -

【平成28年12月12日 第26回国家戦略特別区域諮問会議】 安倍総理挨拶(抜粋)

【平成28年12月12日 第26回国家戦略特別区域諮問会議】 有識者議員提出資料(抜粋)

○ ディー・エヌ・エーの南場会長からは、完全自動走行の実現に向けた、特区での取組や課題について、お話を伺いました。我が国発のイノベーションが、運転者の負担を軽減し、地域の人手不足や高齢者事故の解消につながると、改めて確信いたしました。

○ 国家戦略特区を更に一歩進め、自動走行やドローンなどの近未来技術の実証実験が、一層スムーズに、またスピーディに行えるよう、安全性を確保しつつ、手続を抜本的に簡素化する仕組みを直ちに検討してまいります。

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委員長: 葛巻清吾プログラムディレクター (トヨタ)構成 : ITS関係省庁、自動車メーカー、

学識経験者、自動車関連団体等が参加

総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)

ガバニングボード

自動走行システム推進委員会

システム実用化WG

国際連携WG

次世代都市交通WG※

地図構造化TF[Ⅰ] 自動走行システムの開発・検証[Ⅱ] 交通事故死者低減・渋滞低減のための基礎技術の整備

「自動走行システム」プロジェクト

[Ⅳ] 次世代都市交通への展開

[Ⅲ] 国際連携の構築

地図情報の高度化に関する調査・検討

※CSTI「2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた科学技術イノベーションの取組に関するタスクフォース」推進会議WG4を兼ねる。

戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「自動走行システム」(平成26年度~30年度(予定))では、産学官共同で取り組むべき共通課題(協調領域)について、研究開発等の取組を推進。

平成29年3月(予定)から、沖縄で自動運転バスの実証実験を実施。また同年秋(9月目途)から、関東地方等の高速道路や一般道などで大規模実証実験を実施予定。

戦略的イノベーション創造プログラム(SIP) 自動走行システム

大規模実証実験の実施内容・場所・規模の検討

大規模実証実験企画 TF

<重要技術テーマ>・ダイナミックマップ※1

・HMI(Human Machine Interface)※2

・情報セキュリティ・歩行者事故低減技術・次世代都市交通

(プロジェクト名称)SIP 自動走行システム (略称 : SIP-adus )

Cross-Ministerial Strategic Innovation Promotion ProgramInnovation of Automated Driving for Universal Services

(SIP予算配分)平成26年度 : 約 25.35 億円平成27年度 : 約 23.58 億円平成28年度 : 約 27.13 億円

※1 自動走行用の高精度な3次元デジタル地図※2 人とシステムの間で運転を交代する場合に安全、

円滑に行うためのインターフェース技術等

〔PD取りまとめの下、内閣府、警察庁、総務省、経産省、国交省等が連携して推進〕

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先進安全自動車(ASV)推進計画について

•車両単体での運転支援システムや通信を利用した運転支援システム等を搭載した先進安全自動車(Advanced Safety Vehicle)の開発・実用化・普及を促進することにより、交通事故死傷者数を低減し、世界一安全な道路交通を実現

•有識者、日本国内の四輪・二輪の全メーカー、関係団体、関係省庁等で構成されるASV推進検討会を設置

1991~1995年度 1996~2000年度 2001~2005年度 2006~2010年度 2011~2015年度 2016年度~

第2期実用化のための条件整備

第1期技術的可能性の検討

第3期普及促進と新たな技術開発

第4期事故削減への貢献と挑戦

第5期飛躍的高度化の実現

第6期

(主な成果) ASV車両の試作と技術的可能性の検証

ASV技術の効果予測手法の開発と効果の試算

(主な成果) 路車間通信型システムの実証実験の実施

ASV車両35台のデモ走行と技術展示

(主な成果) 「ASVの基本理念」の細則化と「運転支援の考え方」の策定

情報交換型運転支援システムの公開実験

(主な成果) 大規模実証実験 「通信利用型システム実用化基本設計書」のとりまとめ

(主な成果) 「ドライバー異常時対応システム基本設計書」のとりまとめ

「通信利用歩行者事故防止支援システム基本設計書」のとりまとめ

(主な検討項目)自動運転を念頭においた先進安全技術のあり方の整理路肩退避型等発展型ドライバー異常時対応システムの技術的要件の検討

Intelligent Speed Adaptation(ISA)の技術的要件の検討実現されたASV技術を含む自動運転技術の普及

「自動運転の実現に向けたASVの推進」

日野自動車(株)ホームページ

車両横滑り時制動力・駆動力制御装置(ESC)

本田技研工業(株)ホームページ 富士重工業(株)ホームページ日産自動車(株)ホームページ

定速走行・車間距離制御装置(ACC)

車線維持支援制御装置(LKAS)

衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)

実用化された主なASV技術

中央分離帯

ドライバーに異常発生。運転が困難な状態に…

(路肩退避型)ドライバー異常時対応システム作動開始

路肩等に向かってゆっくり進み停止

減速を開始し、周囲の安全を確認しながら車線変更

第6期(2016~2020年度)

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2015年6月 中間とりまとめ(産学官オールジャパンで検討が必要な取組を確認)2016年3月 今後の取組方針

◆平成28年度将来ビジョン検討WG第1回:2016年10月 5日第2回: 11月14日第3回: 12月20日◆自動走行ビジネス検討会(2017年2月)将来ビジョン検討WGの検討結果の報告等。とりまとめた上で、自動走行の実現に向けた取組方針を公表予定。

検討体制

今年度の自動走行ビジネス検討会

スケジュール

① 将来像(一般道路における一般車両の自動走行(レベル2、3、4)等)② 協調領域の深化・拡充

自動走行ビジネス検討会

座長:鎌田実(東京大学)自動車メーカーサプライヤー研究所学識有識者等

自動走行ビジネス検討会 自動走行ビジネス検討会は、経産省製造産業局長と国交省自動車局長の私的検討会として、2015年2月に設置。 我が国自動車産業が、成長が見込まれる自動走行分野において世界をリードし、交通事故等の社会課題の解決に貢献するた

め、必要な取組を産学官オールジャパンで検討。

将来ビジョン検討WG

主査 :鎌田実(東京大学)副主査:清水和夫(ジャーナリスト)自動車メーカーサプライヤー研究所

自動走行の将来像の共有協調領域における取組の前提として、自動走行の将来像の共有が必要。

競争領域と協調領域の戦略的切り分け1自動走行の実用化に向けては、これまでの枠を超えた連携も求められることから、戦略的協調が不可欠。欧米では活発な取組が進展。

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国際的なルールづくりに向けた体制の整備基準(強制規格)、標準(任意規格)全体の戦略を検討する場がなく、また、人材や予算といったリソースも不足。

3 4 産学連携の促進欧米に比べて我が国の産学連携は低調。多種多様な人材を擁する大学の活用が期待されるところ、自動走行を契機として産学連携の促進を検討すべき。

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国土交通省自動運転戦略本部の設置について

交通事故の削減、地域公共交通の活性化、渋滞の緩和、国際競争力の強化等の自動車及び道路を巡る諸課題の解決に大きな効果が期待される自動車の自動運転について、G7交通大臣会合、未来投資会議等の議論や産学官の関係者の動向を踏まえつつ、国土交通省として的確に対応するため、平成28年12月9日、省内に国土交通省自動運転戦略本部を設置。

○自動運転の実現に向けた環境整備1.車両に関する国際的な技術基準 国連WP29における国際基準の策定、国際会議の対応方針

2.自動運転車の事故時の賠償ルール自動運転における自動車損害賠償保障法の損害賠償責任のあり方

本部長 国土交通大臣副本部長 副大臣、政務官構成員 事務次官、技監、国土交通審議官、関係局長等事務局 自動車局、道路局

第1回国土交通省自動運転戦略本部(平成28年12月9日開催)

○自動運転の実現に向けた実証実験・社会実装4.トラック隊列走行の実証実験車両の開発や実装に向けたスケジュール

5.中山間地域における道の駅を拠点とした自動運転サービス 実証実験に関する取組み方針、実装に向けたスケジュール

○自動運転技術の開発・普及促進3.高齢者事故対策高齢者事故対策を目的とした自動運転技術の開発及び普及促進策

3 月 中 旬 第2回国土交通省自動運転戦略本部開催平成30年度概算要求前 第3回国土交通省自動運転戦略本部開催(中間とりまとめ)

設置の趣旨

本部員

検討事項

スケジュール(予定)

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自動運転の段階的実現に向けた調査検討委員会 調査検討委員会の委員等

【委員長】

藤原靜雄 中央大学大学院法務研究科教授

【委員】

稲垣敏之 筑波大学副学長

今井猛嘉 法政大学大学院法務研究科教授

岩貞るみこ 自動車ジャーナリスト

大久保惠美子公益社団法人被害者支援都民センター理事

木村光江 首都大学東京法科大学院教授

須田義大 東京大学生産技術研究所次世代モビリティ研究センター長・教授

横山利夫 一般社団法人日本自動車工業会自動運転検討会主査

【オブザーバー】

内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室参事官内閣府政策統括官(科学技術・イノベーション担当)付参事官(社会システム基盤)付企画官内閣府地方創生推進事務局審議官総務省総合通信基盤局電波部移動通信課新世代移動通信システム推進室長法務省刑事局刑事課参事官経済産業省製造産業局自動車課電池・次世代技術・ITS 推進室長国土交通省道路局道路交通管理課高度道路交通システム(ITS)推進室長国土交通省自動車局技術政策課国際業務室長

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自動運転の段階的実現に向けた調査検討委員会 調査検討委員会における検討事項

交通の安全と円滑を図る観点から、自動運転の段階的実現に向けた環境の整備を図ることを目的として、

次の取組を実施。

高速道路での準自動パイロットの実用化に向けた運用上の課題に関する検討

限定地域での遠隔型自動走行システムによる無人自動走行移動サービスの公道実証実験の実施に向けた

現行制度の特例措置の必要性及び安全確保措置に関する検討

自動走行の制度的課題等に関する調査研究(平成27年度)

において今後更に検討すべきものと整理されたその他の課題

の議論

調査検討の具体的方法

システム開発者、研究者等からのヒアリング

諸外国における制度や国際的な議論に関する資料の収集・分析

遠隔型自動走行システムに関する公道実証実験等の海外視察

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自動運転における損害賠償責任に関する研究会 概要

1.検討事項

自動運転における自賠法の損害賠償責任の課題について、迅速な被害者救済の確保、関係行政機関における制度面の取組み等に留意して検討を行う。

第1回:平成28年11月2日(水)・ 自動運転を巡る国内・国際動向について・ 自賠法における検討事項

第2回:平成29年2月・ 外国における事故時の責任関係のあり方の検討について

・ 関係業界・関係者等からのヒアリングについて

第3回:平成29年3月・ 論点整理及び今後の検討の方向性について(取りまとめ)

※ 関係行政機関における制度面の取組み等に留意し、来年度も引き続き検討を進める。

2.スケジュール

(委員)落合 誠一 東京大学名誉教授(座長)窪田 充見 神戸大学大学院法学研究科教授古笛 恵子 弁護士藤田 友敬 東京大学大学院法学政治学研究科教授藤村 和夫 日本大学法学部教授

(オブザーバー)一般社団法人日本損害保険協会全国共済農業協同組合連合会損害保険料率算出機構一般財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構株式会社三菱総合研究所一般社団法人日本自動車会議所一般社団法人日本自動車工業会一般財団法人日本自動車研究所内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室金融庁監督局保険課法務省民事局付

3.委員等 (敬称略)

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1.検討の前提

自動運転では、システムの欠陥・障害、データの誤謬、通信遮断、サイバー攻撃による障害

等による事故が想定され、事故原因・責任関係の複雑化が予想されるため、事故時の責任関係

に係る制度面での取組みが必要となっている。

3.主な論点(自賠法第3条)

4.その他の課題 ①事故発生時における責任関係・割合の在り方、②事故原因の調査・分析体制の在り方

2.検討における留意点

① 迅速な被害者救済の観点から、自賠法が責任

主体として「運行供用者」概念を創設、挙証責

任の転換を図った趣旨を踏まえることが必要。

② 自動車ユーザーの納得感、社会的受容性のた

めには、刑事上の責任(道路交通法等)等の議

論を踏まえ検討することが必要。

③ 自動車メーカーの開発動向や、自動車の安全

基準に関する検討、国際的議論の状況等を踏ま

え、具体的ケースを想定した検討が必要。

④ 迅速な被害者救済の観点から、自動車の「構

造上の欠陥」等につき、運行供用者が、発生原

因・時期を問わず責任を負う現行実務の取扱い。

① 自賠法の責任主体である「運行供用者」について、

どのように考えるか。

② 所有者等が運転しない自動運転は、「運行」と認め

られるか。

③ 自賠法の保護の対象である「他人」について、どの

ように考えるか。

④ 「自動車の運行に関し注意を怠らなかったこと」に

ついて、どのように考えるか。

⑤「自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかったこ

と」について、どのように考えるか。

自賠法における検討事項

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自動走行の民事上の責任及び社会受容性に関する研究 自動走行システム社会導入のために、事故時の被害者救済・責任追及・原因究明に係る自動走行特有の課題整理及び自動

走行技術のユーザー理解促進に係る取組を、ユーザー・事業者・法律界・社会基盤の有識者と議論。 シンポジウム等により、議論結果を広く周知し国民の理解を促進するとともに、国民の意見も募り更なる取組を推進。 また、事故時のユースケースを整理し、民事上の責任に関する模擬裁判を実施して事故リスク・争点を深掘りつつ、製造事業者

及びユーザーが準備・実施すべきこと、双方のコミュニケーションの在り方を検討。

検討体制:有識者委員会<下記分野の専門家から構成>•自動車技術•民法•民訴法•保険法•刑法•交通事故関係弁護士•消費者

◆平成28年度有識者委員会:4回海外調査:米、独模擬裁判:2事例シンポジウム:2017年3月7日

スケジュール

責任を負う個人/法人 製品等 責任 責任根拠

運転者 -

刑事責任

自動車運転死傷行為処罰法

刑法

道路交通法

行政処分 道路交通法

民事責任

不法行為責任 民法

運行供用者 - 運行供用者責任 自動車損害賠償保障法

使用者 - 使用者責任 民法

事業者

損害保険会社 自動車損害賠償責任保険 填補責任 自動車損害賠償保障法/契約

完成車メーカー

自動車

製造物責任 製造物責任法部品メーカー

ソフトウェア等サービス事業者等

不法行為責任(製造物責任法の対象外)

民法販売事業者 瑕疵担保責任

整備事業者 整備・修理 債務不履行

民間設備管理者

設備・管理

不法行為責任・使用者責任・工作物責任

高速道路会社 営造物責任に準ずる責任 道路整備特別措置法等

行政 営造物責任 国家賠償法

安心して市場に商品を投入、ユーザーへの適切な説明

技術のメリットを享受し安心・安全に使用、自動走行技術に関する理解

安心・安全のために必要な制度や環境を整備

自動走行の価値及び役割:ステークホルダーがそれぞれ取組むこと、連携して取組むことの方向性

現行法上の根拠法

模擬裁判の様子

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25自動走行システムの高度化及び普及展開に向けた社会面・産業面の分析に関する調査

【調査内容・調査フロー】①社会・産業に対するインパクトの明確化及び中長期シナリオ策定に向けた基礎検討

1)社会・産業に対するプラス・マイナス両面のインパクトの明確化

②産学官が連携したオープンな検討体制の構築

2)社会・産業に対するインパクトにかかる検証・評価する課題の基本概念の整理

3)シナリオ策定を目途とした検討スケジュールの立案

4)大学の専門家等を中心にした検討体制の構築

5)今後の継続かつオープンな産学官連携体制の構築に向けた具体的な案や進め方の提案

インパクトの具体的な項目について、調査・研究のレビュー等よりできるだけ広範な視点から項目の整理を行う。

それぞれの項目において、数値的な指標やリスク等を定め、検証・評価する課題について、インパクトの波及メカニズム等を含む基本概念の整理を行う。

社会的トレンド等を踏まえた、「いつまでに、誰が、何を、どこまで行う」などを明示した検討スケジュールを明示する。

工学、社会等広範な分野から、若手を中心とした10名程度の大学の専門家を中心とした検討体制を構築する。

持続的な資金の流れの仕組みのあるべき姿など産学官の連携方法を含めた、具体的な案や進め方を提案する。

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26自動走行システムの高度化及び普及展開に向けた社会面・産業面の分析に関する調査

【大学の専門家等を中心にした検討体制の構築】

氏名 所属 専門

糸久 正人 法政大学社会学部 准教授 技術経営

今井 猛嘉 法政大学大学院法務研究科 教授 刑法

植原 啓介 慶応大学環境情報学部環境情報学科 准教授 情報通信

○大口 敬 東京大学生産技術研究所 教授 交通制御工学

垣内 秀介 東京大学大学院法学政治学研究科 教授 民法法社会

北村 友人 東京大学大学院教育学研究科 准教授 安全教育

塩見 康博 立命館大学理工学部環境システム工学科 准教授 土木交通

菅沼 直樹 金沢大学理工研究域機械工学系 准教授 機械工学

中村 彰宏 横浜市立大学大学院国際マネジメント研究科 教授 公共経済

森本 章倫 早稲田大学理工学術院社会環境工学科 教授 都市計画

ポンサトーン・ラクシンチャラーンサク

東京農工大学 機械システム工学科 機械力学制御

山崎 吾郎 大阪大学 COデザインセンター 特任准教授 応用倫理