4
安  全 18 JR EAST GROUP CSR REPORT 2015 2014年度は、鉄道運転事故が210件発生しました。このうち、鉄道人身障害事故が全体の約77%を占めて います。 鉄道運転事故 列車事故が3件発生しました。 ・ 2014年12月18日に篠ノ井線桑ノ原信号場・稲荷山駅間にて、乗用車と衝撃し、普通列車が脱線しました。 ・ 2015年1月24日に篠ノ井線桑ノ原信号場・稲荷山駅間にて、線路内に立ち往生している乗用車と衝撃し、脱 線しました。乗用車の運転手が軽傷を負われました。 ・ 2015年1月25日に米坂線羽前沼沢・手ノ子駅間にて、雪の塊と衝撃し、脱線しました。  列車事故 踏切障害事故が44件発生しました。主な原因として、踏切内での停滞(トリコ)が14件、直前横断が16件発生 しており、全体の約7割を占めています。 踏切障害事故 鉄道人身障害事故が163件発生しました。お客さまのプラットホーム上における列車への接触や、プラット ホームから転落して列車と衝撃した事故は80件発生しており、このうち飲酒をされていたお客さまが約7割を占 めています。 鉄道人身障害事故 発生しておりません。 鉄道物損事故 列車事故 列車衝突事故、列車脱線事故、列車火災事故 踏切障害事故 踏切道において、列車または車両が道路を通行する人又は車両等と衝突し、又は接触した事故 鉄道人身障害事故 列車又は車両の運転により人の死傷を生じた事故 鉄道物損事故 列車又は車両の運転により五百万円以上の物損を生じた事故 JR東日本の安全の現状 ■ 鉄道運転事故の発生状況 (件) (年度) 0 100 200 300 400 500 `14 `13 `12 `11 `10 `09 `08 `07 `06 `05 `04 `03 `02 `01 `00 `99 `98 `97 `96 `95 `94 `93 `92 `91 `90 `89 `88 `87 165 90 90 72 72 3 168 92 92 73 73 3 209 122 122 86 86 1 210 108 108 95 95 7 247 128 128 116 116 3 240 115 115 123 123 2 1 287 116 116 156 156 14 1 315 130 130 176 176 8 376 124 124 247 247 5 134 1 2 1 113 137 1 111 121 152 142 136 160 1 144 1 121 136 92 96 164 147 171 210 144 90 90 57 57 56 56 57 57 69 69 92 92 47 47 68 68 64 64 65 65 89 89 66 66 86 86 84 84 106 106 108 108 131 131 163 163 107 107 43 43 57 57 74 74 32 32 42 42 43 43 46 46 40 40 56 56 84 84 51 51 69 69 71 71 75 75 36 36 34 34 36 36 44 44 36 36 6 4 2 2 2 2 3 1 3 2 1 3 4 1 4 4 3 1 2 鉄道物損事故 鉄道人身障害事故 踏切障害事故 列車事故

JR東日本グループ CSR報告書 2015・ 2015年1月24日に篠ノ井線桑ノ原信号場・稲荷山駅間にて、線路内に立ち往生している乗用車と衝撃し、脱

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: JR東日本グループ CSR報告書 2015・ 2015年1月24日に篠ノ井線桑ノ原信号場・稲荷山駅間にて、線路内に立ち往生している乗用車と衝撃し、脱

安  全

18

JR EAST GROUP CSR REPORT 2015

 2014年度は、鉄道運転事故が210件発生しました。このうち、鉄道人身障害事故が全体の約77%を占めています。

鉄道運転事故

 列車事故が3件発生しました。・ 2014年12月18日に篠ノ井線桑ノ原信号場・稲荷山駅間にて、乗用車と衝撃し、普通列車が脱線しました。・ 2015年1月24日に篠ノ井線桑ノ原信号場・稲荷山駅間にて、線路内に立ち往生している乗用車と衝撃し、脱

線しました。乗用車の運転手が軽傷を負われました。・ 2015年1月25日に米坂線羽前沼沢・手ノ子駅間にて、雪の塊と衝撃し、脱線しました。 

列車事故

 踏切障害事故が44件発生しました。主な原因として、踏切内での停滞(トリコ)が14件、直前横断が16件発生しており、全体の約7割を占めています。

踏切障害事故

 鉄道人身障害事故が163件発生しました。お客さまのプラットホーム上における列車への接触や、プラットホームから転落して列車と衝撃した事故は80件発生しており、このうち飲酒をされていたお客さまが約7割を占めています。

鉄道人身障害事故

 発生しておりません。鉄道物損事故

列車事故 列車衝突事故、列車脱線事故、列車火災事故

踏切障害事故 踏切道において、列車または車両が道路を通行する人又は車両等と衝突し、又は接触した事故

鉄道人身障害事故 列車又は車両の運転により人の死傷を生じた事故

鉄道物損事故 列車又は車両の運転により五百万円以上の物損を生じた事故

JR東日本の安全の現状

■ 鉄道運転事故の発生状況

■列車事故:列車衝突事故、列車脱線事故、列車火災事故を指す■踏切障害事故:踏切道において、列車または車両が道路を通行する人又は車両等と衝突し、又は接触した事故■鉄道人身障害事故:列車又は車両の運転により人の死傷を生じた事故■鉄道物損事故:列車又は車両の運転により五百万円以上の物損を生じた事故

(件)

鉄道物損事故鉄道人身障害事故踏切障害事故列車事故

'09 '11'04 '05 '06 '07 '08'03'02'01'00'99'98'97'96'95'94'93'92'91'90'89'88'87 '10 '12 (年度)'13 '14050100150200250300350400450500

16 4 2 2 2231321343317321485 2 4 4 31

1341 21113

1371

111121152142136

1601165168209210

2472401

1

376

144 11211369296

164

287315

147171210

144

4357 74 32 42 4346405684

5169717572738695116123156176

247

36 34 36 4436

9057 5657

6992

476864658966

86849092122108

128115116

130

124124

106 108131

163

1079057 5657

6992

476864658966

86849092122108

128115116

130

106 108131

163

107

4357 74 32 42 4346405684

5169717572738695116123156176

247

36 34 36 44366 4 2 2 2231321343317321485 1 4 4 31 2

社内のルール (P10 参照 )とは別に、国土交通省が定めた規則で、鉄道運転事故が発生するおそれがあると認められる事態のこと

インシデント

(件)

(年度)

鉄道物損事故

0

100

200

300

400

500

`14`13`12`11`10`09`08`07`06`05`04`03`02`01`00`99`98`97`96`95`94`93`92`91`90`89`88`87

1659090

72723

1689292

73733

209122122

8686

1

210108108

9595

7

247128128

116116

3

240115115

123123

2

1287

116116

156156

14

1315

130130

176176

8

376124124

247247

5

1341 21113

1371111121

1521421361601 144 1121 136

9296

164 147 171210

14490905757 5656

5757 69699292

474768686464656589896666

86868484 106106 108108131131

163163

107107

43435757 74743232 4242 4343464640405656

84845151696971717575

3636 3434 3636 444436366 4 2 2 223132134 1 4 4 31 2

列車事故 列車衝突事故、列車脱線事故、列車火災事故を指す

列車又は車両の運転により人の死傷を生じた事故

列車又は車両の運転により五百万円以上の物損を生じた事故

踏切障害事故

鉄道人身障害事故

踏切道において、列車または車両が道路を通行する人又は車両等と衝突し、又は接触した事故

鉄道物損事故鉄道人身障害事故踏切障害事故列車事故

Page 2: JR東日本グループ CSR報告書 2015・ 2015年1月24日に篠ノ井線桑ノ原信号場・稲荷山駅間にて、線路内に立ち往生している乗用車と衝撃し、脱

安  全

19

JR EAST GROUP CSR REPORT 2015

 2014年度はグループ会社等社員の死亡災害が5件発生しました。「グループ安全計画2018」の目標として定めた「お客さまの死傷事故・社員の死亡事故0」に向け、グループ会社等と一体となって、「安全体制とルールが定められているか」「定められたルールが守られているか」などについて確認していきます。

労働災害の発生状況

■ 死亡災害の発生状況(グループ会社等社員を含む)

■ 休業以上災害(当社社員)

'96

10

8

6

4

2

0

120

100

80

60

40

20

0

'97 '98 '99 '00 '01 '02 '03 '04 '05 '06 '07 '08 '09 '10 '11 '12 '13

'12 '13 '14

'14

■触車 ■感電 ■墜落 ■衝撃 ■転落 ■交通事故 ■圧迫 ■挟まれ ■その他 ■自然災害    

■死亡 ■3大労災 ■重傷 ■軽傷    

■死亡 ■3大労災 ■転落■交通事故 ■圧迫・衝撃■捻転・転倒 ■挟まれ■暴行 ■その他

120

100

80

60

40

20

0'12 '13 '14

■駅 ■運転士 ■車掌 ■車両 ■施設 ■電気 ■その他   

120

100

80

60

40

20

0'12 '13 '14

■駅 ■運転士 ■車掌 ■車両 ■施設 ■電気 ■建設 ■清掃 ■その他   

120

100

80

60

40

20

0'12 '13 '14

120

100

80

60

40

20

0'12 '13 '14

■死亡 ■3大労災 ■重傷 ■軽傷

■死亡 ■3大労災 ■転落■交通事故 ■圧迫・衝撃■捻転・転倒 ■挟まれ■暴行 ■その他

120

100

80

60

40

20

0'12 '13 '14

114 115

84

106

88

106

(人)

(人)

(人)

(年度)

(年度)(年度)(年度)

(年度) (年度) (年度)

(人)

(人) (人)(人)

8488

106

8488

106

(職種別)(原因別)

(職種別)(原因別)114 115

106114 115

106

9 9

6 6 6

5 5 5 5 54 4 4

12 2 2 2

'96

10

8

6

4

2

0

120

100

80

60

40

20

0

'97 '98 '99 '00 '01 '02 '03 '04 '05 '06 '07 '08 '09 '10 '11 '12 '13

'12 '13 '14

'14

■触車 ■感電 ■墜落 ■衝撃 ■転落 ■交通事故 ■圧迫 ■挟まれ ■その他 ■自然災害    

■死亡 ■3大労災 ■重傷 ■軽傷    

■死亡 ■3大労災 ■転落■交通事故 ■圧迫・衝撃■捻転・転倒 ■挟まれ■暴行 ■その他

120

100

80

60

40

20

0'12 '13 '14

■駅 ■運転士 ■車掌 ■車両 ■施設 ■電気 ■その他   

120

100

80

60

40

20

0'12 '13 '14

■駅 ■運転士 ■車掌 ■車両 ■施設 ■電気 ■建設 ■清掃 ■その他   

120

100

80

60

40

20

0'12 '13 '14

120

100

80

60

40

20

0'12 '13 '14

■死亡 ■3大労災 ■重傷 ■軽傷

■死亡 ■3大労災 ■転落■交通事故 ■圧迫・衝撃■捻転・転倒 ■挟まれ■暴行 ■その他

120

100

80

60

40

20

0'12 '13 '14

114 115

84

106

88

106

(人)

(人)

(人)

(年度)

(年度)(年度)(年度)

(年度) (年度) (年度)

(人)

(人) (人)(人)

8488

106

8488

106

(職種別)(原因別)

(職種別)(原因別)114 115

106114 115

106

9 9

6 6 6

5 5 5 5 54 4 4

12 2 2 2

'96

10

8

6

4

2

0

120

100

80

60

40

20

0

'97 '98 '99 '00 '01 '02 '03 '04 '05 '06 '07 '08 '09 '10 '11 '12 '13

'12 '13 '14

'14

■触車 ■感電 ■墜落 ■衝撃 ■転落 ■交通事故 ■圧迫 ■挟まれ ■その他 ■自然災害    

■死亡 ■3大労災 ■重傷 ■軽傷    

■死亡 ■3大労災 ■転落■交通事故 ■圧迫・衝撃■捻転・転倒 ■挟まれ■暴行 ■その他

120

100

80

60

40

20

0'12 '13 '14

■駅 ■運転士 ■車掌 ■車両 ■施設 ■電気 ■その他   

120

100

80

60

40

20

0'12 '13 '14

■駅 ■運転士 ■車掌 ■車両 ■施設 ■電気 ■建設 ■清掃 ■その他   

120

100

80

60

40

20

0'12 '13 '14

120

100

80

60

40

20

0'12 '13 '14

■死亡 ■3大労災 ■重傷 ■軽傷

■死亡 ■3大労災 ■転落■交通事故 ■圧迫・衝撃■捻転・転倒 ■挟まれ■暴行 ■その他

120

100

80

60

40

20

0'12 '13 '14

114 115

84

106

88

106

(人)

(人)

(人)

(年度)

(年度)(年度)(年度)

(年度) (年度) (年度)

(人)

(人) (人)(人)

8488

106

8488

106

(職種別)(原因別)

(職種別)(原因別)114 115

106114 115

106

9 9

6 6 6

5 5 5 5 54 4 4

12 2 2 2

■ 休業以上災害(グループ会社等社員)

Page 3: JR東日本グループ CSR報告書 2015・ 2015年1月24日に篠ノ井線桑ノ原信号場・稲荷山駅間にて、線路内に立ち往生している乗用車と衝撃し、脱

安  全

20

JR EAST GROUP CSR REPORT 2015

 2014年度は、インシデントが8件発生しました。

 2014年度は、輸送障害が1,318件発生しました。

インシデント

輸送障害

輸送障害 鉄道運転事故以外で、車両や設備の故障、係員の取扱い誤り、災害などにより、列車の運転を休止したもの又は旅客列車では30 分以上、それ以外の列車では 1 時間以上の遅延を生じたもの

部外原因 線路内立入りや自殺など、当社の原因によらないもの

部内原因 係員や車両、設備など、当社の原因によるもの

その他:3件・速度規制の通告漏れによる 速度超過(2件)・踏切無しゃ断(1件)

車両障害:2件・走行中にドア開扉(1件)・車両部品落失(1件)

施設障害:3件・踏切無しゃ断(2件)・落石(1件)

インシデント 社内のルール (P17 参照 )とは別に、国土交通省が定めた規則で、鉄道運転事故が発生するおそれがあると認められる事態

’14

1,500

2,000

0

500

1,000

’11 ’12 ’13

386 423 417

579 630 592

475 445 376

386 423 417

1,440 1,4981,3851,440 1,4981,385

475 445 376

376

587

355

376

1,3851,318355

部内原因

輸送障害

線路内立入りや自殺など、当社の原因によらないもの

係員や車両、設備など、当社の原因によるもの

部外原因

鉄道運転事故以外で、車両や設備の故障、係員の取扱い誤り、災害などにより、列車の運転を休止したもの又は旅客列車では30分以上、それ以外の列車では1時間以上の遅延を生じたもの

災害部外原因部内原因

Page 4: JR東日本グループ CSR報告書 2015・ 2015年1月24日に篠ノ井線桑ノ原信号場・稲荷山駅間にて、線路内に立ち往生している乗用車と衝撃し、脱

安  全

21

JR EAST GROUP CSR REPORT 2015

 2014年度はありませんでした。(2015年度)・4月12日 山手線神田・秋葉原駅間 電化柱が倒壊し線路を支障した重大インシデントについて

●事象 6 時 10 分頃、京浜東北線の乗務員が神田・秋葉原駅間を走行中、電化柱が倒れたのを見たため非常停止した。メンテナンス関係社員が確認したところ、山手線内回りと外回りの線間に敷設されていた 2 本 1 組の電化柱が神田駅方線路方向に倒れ、山手線内回りと外回りの線路を一部支障した。また、倒れた電化柱の隣にあった 2 本 1組の電化柱が傾斜した。これによる列車との衝撃等はなかった。

●警告内容(要約)「鉄道の安全確保について」(警告)・山手線・京浜東北線神田駅~秋葉原駅間において、架線設備の改良工事により撤去が予定されていた電化柱が倒

れて線路を支障し、山手線および京浜東北線が長時間にわたり運転を見あわせ、利用者に多大な影響を及ぼした。・工事の施工方法や施工管理など背後要因を含め原因を究明し、再発防止のための措置を講じること。

●主な対策(1)リスク管理および技術支援体制の強化   ①設計・施工における安全上の確認を適切に行うための、技術的な支援機能の強化。   ②施工に関して安全上十分な確認を要する設備を「特殊構造設備」として管理。   ③特殊構造設備の改修・施工に際し、リスク検討の場を新たに設置。

(2)判断基準の制定および情報伝達の徹底   ①電化柱の傾斜等を認めた場合の列車抑止の判断基準を制定。   ②関係者間の情報伝達の徹底。

(3)安全意識の再徹底と技術継承への取組み強化 これまでも安全意識の向上、技術継承については、当社の重要な課題として取り組んできた。今後、さらなる安全意識の徹底、技術継承、技術力の向上に取り組む。

国土交通省からの警告

■ 神田秋葉原間平面図

京浜東北線(北行)

山手線(内回り)

山手線(外回り)

京浜東北線(南行)

← 神田方

新本5

新副6号新副5-1号

き電ちょう架線山手外回り引留

副5-1号新副5-1号

【副5-1 号柱】電柱部:約6m×2本、約1t基礎部:約5t

【副6-1 号柱】電柱部:約6m×2本、約1t基礎部:約5t

写真①

写真①

写真②写真②

副6-1号 新副6号

支線

支線

トロリ線

副5-1 副6-1

本5新本6

本6秋葉原方 →

3/25夜間に撤去

GL0.69m

0.7m

0.7m

1.7m 1.7m1.0m1.0m

1.5m

:新設電化柱凡例 :既設電化柱

← 神田駅方

← 神田駅方

副6-1号柱※倒れた電化柱

副5-1号柱※傾いた電化柱