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2016/3 1 JSiSE支部講演 卒業研究と問題解決 2016/3 仲林 [email protected]

JSiSE支部講演 卒業研究と問題解決 · 頼性が高いもの.(略)教育実践を伴う評価に基づく高い有 用性の提示は要求されないが,研究の位置づけが関連研

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2016/3 1

JSiSE支部講演

卒業研究と問題解決

2016/3

仲林 清

[email protected]

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概要

JSiSEのご紹介

卒業研究と問題解決

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JSiSEのご紹介

2016/3 3

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2016/3 6

賞金

最優秀賞10万円

優秀賞5万円

最終審査

交通費5万円支給

ラーニング・イノベーション

グランプリ2016

LIGP 2016

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研究論文とは?(JSiSEの定義)

1-a) 原著論文 研究,開発,検討の結果をまとめたものであり,新規性, 信頼性が高いもの.(略)教育実践を伴う評価に基づく高い有用性の提示は要求されないが,研究の位置づけが関連研究との比較検討により明確になっていること.

1-b) 実践論文 情報システム・機器を利用した教育実践の結果をまとめたもので,その仕組みや条件が明確に記述され,汎用性の高い知見や方法が客観的な形式で導出されており,有用性,信頼性が高いもの.(略)高い新規性は要求されないが,研究の位置づけが関連研究との比較検討により明確になっていること.

2016/3 7

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研究論文とは?(JSiSEの定義)

1-a) 原著論文 研究,開発,検討の結果をまとめたものであり,新規性, 信頼性が高いもの.(あるいは,多くの研究を独自の視点でまとめ,将来の研究分野の方向性を示したものであり,新規性,信頼性が高いもの.)教育実践を伴う評価に基づく高い有用性の提示は要求されないが,研究の位置づけが関連研究との比較検討により明確になっていること.

1-b) 実践論文 情報システム・機器を利用した教育実践の結果をまとめたもので,その仕組みや条件が明確に記述され,汎用性の高い知見や方法が客観的な形式で導出されており,有用性,信頼性が高いもの.(あるいは,情報システム・機器利用教育に関わるデータを包括的にまとめたもので,有用性,信頼性が高いもの.)高い新規性は要求されないが,研究の位置づけが関連研究との比較検討により明確になっていること.

それぞれにレターバージョン(原著⇒ショートノート,実践⇒実践速報)あり

2016/3 8

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原著論文と実践論文の区別

この原著論文と実践論文とでは,上記に示したように,研究論文としての特徴は異なりますが,いずれも新規性,有用性,および信頼性が認められる高いレベルのフルペーパーです.したがって,原著論文と実践論文は,研究論文としての価値や質において,全く同一のレベルであることを,本学会として保証します.

何に着目するかが異なる

論文としてのオリジナリティの点では同価値

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論文の構成

(あらまし)

背景

目的

解決方針検討

解決策実装(システム開発・授業計画)

実験・評価

考察

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論文の「新規性」「有用性」の

観点で最も大事なパートは?

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問題とは? 問題解決とは?

問題とは:理想(あるべき姿)と現状のギャップ

問題解決は,目標の設定,現状と目標(あるべき姿)との差異(ギャップ)の発見,それら特定の差異を減少させるために,適当な記憶の中にある,もしくは探索による,ある道具又は過程の適用という形で進行する.

ハーバート A.サイモン(1979) 意思決定の科学

2016/3 11

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問題解決のステップは?

目標の設定,現状と目標(あるべき姿)との差異(ギャップ)の発見,それら特定の差異を減少させるために,適当な記憶の中にある,もしくは探索による,ある道具又は過程の適用という形で進行する.

2016/3 12

問題

発見

課題

設定

課題

解決

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問題解決過程で

最も難しい=最も重要なのは?

2016/3 13

問題

発見

課題

設定

課題

解決

中 難 易

学校の問題のように誰かが与えてくれるわけではない

問題を実行可能な課題に,論理的・効果的・挑戦的に分解する

課題が設定されればあとは実行するだけ.プログラミング・実験など

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問題解決過程と論文構成

2016/3 14

論文構成 問題解決

過程 備考

背景 問題発見 何が問題なのか?

他に解決例はないか?

目的

課題設定

何に焦点を当てるか?

それがどうなればよいか?

解決方針検討 解決策としてどのような

手段があり得るか?

解決策実装 課題解決

システム開発など

実験評価 目的が達成されたか?

考察 振り返り 達成されなかったとしたらなぜか?

残った課題は?

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問題解決過程と論文構成

重要なのは?

2016/3 15

論文構成 問題解決

過程 備考

背景 問題発見 何が問題なのか?

他に解決例はないか?

目的

課題設定

何に焦点を当てるか?

それがどうなればよいか?

解決方針検討 解決策としてどのような

手段があり得るか?

解決策実装 課題解決

システム開発など

実験評価 目的が達成されたか?

考察 振り返り 達成されなかったとしたらなぜか?

残った課題は?

研究初心者(特に理系)は

表層的にこれが研究の

価値だと勘違いしがち

価値を生むのは,目的と考察

特に新しい観点からの問題の「提起」 これがないと評価の視点も決まらない

あとから目的(=価値)を考えるというのは最悪

価値を生むのは,目的と考察

特に新しい観点からの「課題設定」 これがないと評価の視点も決まらない

あとから目的(=価値)を考えるというのは最悪

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問題解決過程で

最も難しい=最も重要なのは?

2016/3 16

問題

発見

課題

設定

課題

解決

中 難 易

学校の問題のように誰かが与えてくれるわけではない

問題を実行可能な課題に,論理的・効果的・挑戦的に分解する

課題が設定されればあとは実行するだけ.プログラミング・実験など

論理的=信頼性

効果的=有用性

挑戦的=新規性

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論文の構成

(再定義)

問題発見=背景 あるべき姿(目標)と現状のギャップを示す

課題設定(=問題定義・提起)=目的・解決方針 問題を解くべき課題として明確化⇒自分がやりたいこと

定義された課題をどうやって解決するのか,なぜその解決策が良いのか

課題解決=実装・実験・評価 解決方針を実際に実行してみる

考察 解決方針によって定義した問題が解決されたのか?

されなかったとしたらなぜか? 残った課題は?

2016/3 17

問題解決力

=答えの無い問題を解く

=問題定義力

これらが緊密に連携していること

意見(主張)を事実で裏付けていること By 「理科系の作文技術」

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問題解決過程の詳細 「意見・主張を事実で裏付ける」 by 理科系の作文技術

2016/3 18

問題

発見

課題

設定

課題

解決

What Who

When Where

Why How

何が起きているのか?

誰が何処でいつ関わっているのか?

原因は何なのか?

論理的にできるだけ深掘り

複数の原因のうち,効果の高いものを,効率的に解決する

推測を入れない

事実(先行研究でも可) を確認する

いきなりここに飛ばない!

意欲向上→ゲーム

能動的学習⇒PBL

「なぜ」を繰り返す

推論も入るが

論理的に

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問題発見・課題設定・課題解決に

使える技法

カードBS 発散的にアイデアを出す

ロジックツリー

Whatツリー,Whyツリー,Howツリー

MECEに深掘り

マトリックス

課題の優先度を判断

評価軸を決める 緊急 vs 重要,効果 vs 効率,規模 vs 手間

2016/3 19

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問題定義(目的)の具体例

仲林の論文

組織における問題解決を主題とするビデオとオンラインレポートを活用した授業実践

教育システム情報学会誌32(2), 171-185,

2015

2016/3 20

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背景

組織におけるジェネリックスキルの重要性

大学生に対する要求

学士力,社会人基礎力

サークル活動やバイトで獲得されることはあるが,蓋然性を持たない.また,学術的な知識と切り離されて形成されるために,論理的な発展の余地を持たない(金子2007).

キャリア教育・PBLなどの実践は多数

2016/3 21

問題発見

Fact

Fact(文献)を利用して

深掘りし,課題(Why)に

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本実践の目的

対象とするジェネリックスキル

問題解決力,リーダシップ,自ら学ぶ力

スキルの直接的な育成が目的ではない

ジェネリックスキルに関する学生の経験・既有知識(サークル・バイトなど)を座学で言語化・体系化

コルブ:経験⇒省察⇒概念化⇒試行

2016/3 22

課題設定

前ページのFactを

利用してオリジナルな

課題設定=問題提起

別のFactからも

課題設定の

妥当性を裏付け

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コルブの経験学習

2016/3 23

具体的経験

内省的観察

抽象的概念化

能動的実験

実際の経験は

あるはず

Promote these steps

by classroom lecture この段階を授業で促進

課題設定のFactによる裏付け

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授業設計の観点:構成主義的学習観

不定型で正解が無い主題の学習を促進するため,主題に関する真正な状況・文脈を提示する.

学習主題に関して学習者が有していると思われる既有知識を活用する.

正解が無い主題に関する多様な観点を学ぶため,学習者が他者の考えを知り,それと対比しながら自らの考えを深める機会を与える.

学習者の自発的な行動を強化して動機付けを行う.

2016/3 24

課題解決(How)の裏付け

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授業設計

2016/3 25

学術的・体系的

知識付与

レポート

既有知識・経験

観点に基づく

ビデオ視聴

学習主題に関する

内省・概念化

他者レポート

閲読・吟味

他学習者

レポート

既有知識

経験

課題解決(How)

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問題定義を見直す

研究中に問題定義が変わることはありえる

問題定義を繰り返し問い直すことが重要

きれいに問題定義できることはまれ

上司や周囲の言うことも場合によっては疑ってかかる

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研究のまとめ方(Wikipedia)

テーマの選択

論文提出までのスケジュール

文献資料の収集?

先行研究?

独自の主張を検討?

論文の骨組みと素案づくり

執筆,全体の見直し・調整など

2016/3 27

本当?

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理科系の作文技術(p29)

もっとも私は研究のための文献検索に関して異端的な見解を持っている:仕事をはじめる前に文献を読みすぎると,新鮮な気持ちで仕事に取りくめなくなる.むしろ,めくら蛇におじずで(仲林注 仮説を立てて)一途にぶつかって行くほうがいい.ただし,仕事が完成して論文を書くときには,ちゃんと文献を洗って,引用すべきものは引用しなければならない・・・・

2016/3 28

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2016/3 29

仮説思考

情報収集と問題解決

現状を分析するには情報が必要

では,情報は多ければ多い方が良いか?

単なる事実が多数あっても問題は分析できない

問題を分析する切り口(仮説)が必要

仮説を立てて効率的に情報を集める

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2016/3 30

仮説思考(Abduction)

演繹(deduction):規則→事実

帰納(induction):事実→規則

問題事象(事実) ↓ 問題を説明可能な規則(仮説) ↕ 仮説を立証・反証する事実

仮説は思いつきや短絡的な解決策とは異なる

仮説が立証できなければ,他の仮説を探す

仮説設定能力は経験で向上する!!

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卒論・修論を書く(個人的な)意味・意義

社会に出る前に問題解決過程を経験する

問題発見→課題設定→課題解決→振返り

これらが緊密に連携していること

意見(主張)を事実で根拠付けていること

2016/3 31

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ちなみに・・・ (厳密な対応ではありませんが)

2016/3 32

論文構成 ADDIE ウォーターフォール

問題解決

過程

背景 (現状把握) (現状把握) 問題発見

目的 Analyze 要件定義 課題設定

解決方針検討 Design 外部設計

解決策実装 Develop 内部設計 課題解決

実験評価 Implement 実装・試験

考察 Evaluate 評価 振り返り

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ちなみに・・・ 作文過程に関する認知科学の知見 ブルーアー:授業が変わる―認知心理学と教育実践が手を結ぶとき(1997) 北大路

2016/3 33

プランニング:課題の表象とアウトラインを作成 生成:書く内容を想起

組織化:書く内容を(再)編成

目標設定:文章の質・効果を評価する目標(基準)を設定

翻訳:プランを文章に変換

推敲:書いたものとプランを比較⇒プランが無いと推敲不可能 評価

校正

モニタ:上記3つの過程を実行・統制

熟達者は過程が明確に分かれる

初心者は未分化:生成からいきなり翻訳,推敲が無い,など

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ちなみに・・・ 自己調整学習

教育目標の達成を目指して学習者が自ら作り出す思考・感情・行為 自らの学習過程(メタ認知・動機付け・行動)に積極的に関与

自己調整学習方略・自己効力感・目標への関与が重要

場面限定的・文脈依存的 全ての場面で自己調整している学習者は存在しない!!

2016/1 34

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自己調整の循環モデル

予見段階

遂行段階

自己内省段階

2016/1 35

課題分析 -目標設定・方略計画

自己動機づけ -自己効力・結果予期

-課題興味・目標志向

自己判断 -自己評価・原因帰属

自己反応 -自己満足・感情

-適応的決定・防衛的決定

セルフコントロール -課題方略・自己指導

-イメージ化・時間管理

-環境構成・援助要請

-関心の喚起

-結果の自己調整

自己観察 -自己記録

-メタ認知モニタリング

1日の勉強

1回の試験,

などのサイクル

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査読の典型的パターン

論文の構成

問題提起→解決方針→実験・実証→考察

パターン

論旨不明⇒新規性・有用性が判断不能

新規性不足・不明

有用性不足・不明

信頼性不足・不明

2016/3 36

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論旨不明

⇒新規性・有用性が判断不能

論文の構成 問題提起→解決方針→実験・実証→考察

そもそも問題が提起されていない!!

提起されている問題が不明確

提起されている問題と,解決方針,実験・実証,考察の内容が食い違っている

提起されている問題,解決方針,実験・実証,考察のいずれかの間に論理的飛躍がある

2016/3 37

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研究とは問題を 「解くこと?」「作ること?」 ありがちなパターン VS 正しいパターン

とりあえず教育実践

とりあえずアンケート

最後に研究課題(仮説)をムリヤリ設定

まず研究課題(仮説)を設定

仮説からアンケート

(評価項目)設計

最後に教育実践

2016/3 38

社会でも,できない奴の

仕事のパターン

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余談

仮説思考・論点思考

研究はすべて「仮説」から出発する

解いている問題の「価値」をよく考える

「研究者は難しい問題を解く.コンサルタントは意味があるが易しい問題を解く」 ⇒そんなことはない!!

工学で大事なのは明快で価値のある仮説・問題

2016/3 39

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お勧め

「中公新書 624 理科系の作文技術」

2016/3 40 就活にも役に立つ!!

超ロングセラー

不要なことは書くな

目標規定文

重点先行主義

トピックセンテンス

逆茂木型を避けろ

はっきり言い切れ

事実と意見を分けよ

感情を交えるな

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卒論・修論を書く(個人的な)意味・意義

問題解決過程を経験する 問題発見→課題設定→課題解決→振返り

これらが緊密に連携していること

意見(主張)を事実で根拠付けていること

まず研究課題(仮説)を明確に設定!!

やってから考えるのでなく,やる前に考える!!

先にやって(やらせて)しまう研究者(指導者)が多い⇒できない奴の仕事のパターン!!

2016/3 41

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プロとアマ

2016/3 42

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新規性・有用性・質

課題の健全性 課題・実験・評価の一貫性

文章・構成の論理性

文法の正しさ 図表の見栄え

2016/3 43

早い段階で

決まってしまう

最も価値を産む

やって当たり前

どうとでもなる

価値を産まない

論文構成要素

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やってみないとわからない

⇒振返りが大切

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