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NACURE® 酸、ブロック酸触媒シリーズ
技術情報
1
2014年09月
DNNDSA触媒
2
ジノニルナフタレンジスルホン酸(DNNDSA) 触媒 の利点について下記に示します。 • 優れた密着性 • 秀でた腐食&湿気耐久性 • 洗剤耐久性 • 溶剤系および水系塗料において優れた特性 密着性試験 ポリエステル/HMMM一般工業向けエナメルは、ブロックDNNDSA触媒である、NACURE X49-110により触媒となり(表1参照)、その150℃硬化におけるp-TSA触媒 と比較して、秀でた碁盤目試験結果を示します。 同エナメルは、リン酸処理鋼板と未処理アルミニウムパネルで実施しました。
SO3H
C9H19HO3S
H19C9
DNNDSA
特性 DNNDSA NACURE X49-110
p-TSA (25%,アミン)
鉛筆硬度 H-2H 2-3H
リン酸処理鋼板への密着性 96% 24%
特性 DNNDSA NACURE X49-110
DDBSA (ブロック酸触媒)
鉛筆硬度 H-2H H-2H
ペンデュラム硬さ 116 116
表面未処理アルミニウムへの密着性
90% 20%
表1 密着性試験(硬化条件 : 150℃15分)
表2 碁盤目試験(硬化条件 : 150℃15分)
DNNDSAにおける密着性利点は、DDBSAのそれと比較して明白です。 表面未処理アルミニウムへの碁盤目試験(表2参照)において、著しい改良 が見られました。
DNNSA触媒
3
ジノニルナフタレン(モノ)スルホン酸(DNNSA) 触媒の利点について下記に示します。 • 疎水性触媒 • 優れた耐腐食性 • オーバーベーク耐久性 • 「テレグラフィング」に対する優れた耐久性 • 優れた基材への濡れ特性 • 塗料の導電性を減少 • プライマーやPCM鋼板塗料向けに最適
C9H19
SO3H
H19C9
DNNSA
ハイソリッドアクリルエナメル 塗料の試験前に、オイルを 含むハンドクリームを手に
つけて、試験用鋼板上に押し付けます。 DNNSA触媒は、 • 濡れ性改善 • 金属表面への 「テレグラフィング」抑制 をもたらします。
写真1 「テレグラフィング」
以下に、オイル状物質による表面欠陥の「テレグライフィング」耐久性を示します。 (写真1)
DNNSA触媒
4
DNNSAとDNNDSAの両触媒は、写真2に示したp-TSAに比べて、 秀でた耐腐食性を示します。 以下に、300時間の塩水噴霧試験結果を示します。(写真2)
ブロックp-TSA ブロックDNNSA
写真2 塩水噴霧試験( 300時間)
DDBSA触媒
5
ドデシルベンゼンスルホン酸触媒の利点に ついて下記に示します。 • 幅広い溶解性 • 高光沢 • UV耐久性 • ハイソリッドや水系塗料に対する優れた 相溶性 自動車ベースコート・トップコートに対して 優れた特性を持ち、加えて一部のDDBSA触媒については、
SO3H
C12H25
DDBSA
• FDA 21 CFR, Sec. 175.300 (b) (3) xii & xiii (a&b) • EC Directive 10/2011 に適合しています。
p-TSA触媒
6
p-トルエンスルホン酸(p-TSA)触媒の利点 について下記に示します。 • 最高の架橋応答性 • 低温架橋 • 優れたUV耐久性 • 優れた光沢 • 溶剤系および水系における優れた特性
0
20
40
60
80
100
120
140
160
DDBSA p-TSA
ペンデュラム硬さ
/ サイクル
93℃ 107℃ 121℃
評価樹脂系 : ハイソリッドポリエステル / HMMMクリヤー 架橋条件 : 93, 107, 121℃15分
図1 ハイソリッドポリエステルメラミンでの硬化温度と硬さ
リン酸触媒
7
リン酸をベースとした弱酸においては、下記系を推奨します。
• 部分アルキル、高イミノそして高分子メラミン架橋剤
• ハイブリッドそしてカルボキシ-エポキシ塗料
• シロキサン架橋
また、リン酸触媒の利点について下記に示します。
• 優れた光沢と耐化学薬品性
• 優れた密着性
0
20
40
60
80
100
120
リン酸A リン酸B NACURE 4000
密着性
/ %
アルミニウム 鋼鉄
評価樹脂系:アクリル / 高分子メラミンクリヤー
図2 リン酸触媒での密着性評価
どのような触媒が適切か?
8
触媒の添加量と同様に化学的構造は、接着、耐食性、可撓性、耐衝撃性 などの塗膜物性に重大な影響を及ぼします。これらの結果は、酸の種類に よる違いだけでなく、同じ化学種における異なる商品の間においても問題 が発生する可能性があります。 架橋剤の種類は、触媒の選択にも影響します。ハイソリッド、水系塗料では HMMM(ヘキサメトキシメチルメラミン)のような単分子架橋剤が使用される か、混合エーテル、メラミン、水酸基またはカーバーメート基をもつこれらの 架橋剤の反応では、DNNDSAまたはp-TSAの様な強酸を用いて、最適に架橋 されます。 より反応性の高い架橋剤、つまりより高分子タイプで高レベルでイミノ基を 含む材料は、リン酸のようなより弱い酸または、アミンブロックスルホン酸と より良い効果を示します。 表3には、架橋剤種類と酸触媒が、それぞれどのような種類が最も適切か を示しました。NACURE 酸触媒、ブロック酸触媒を用いることで、殆どすべて の架橋条件に対応可能です。
架橋剤種類 一般的 分類
酸種
完全アルキル化単分子メラミンホルムアルデヒド樹脂 完全メチル化・完全ブチル化混合エーテル ウレアホルムアルデヒド樹脂 ベンゾグアナミン樹脂 グリコールウリル樹脂
強酸 pKa<1
p-TSA DNNDSA DDBSA DNNSA
完全アルキル化高イミノメラミンホルムアルデヒド樹脂 部分アルキル化高分子メラミンホルムアルデヒド樹脂
弱酸 pKa1-3
リン酸、 金属塩 カルボン酸
表3 架橋剤の種類と適切な酸種
■ 酸強度の比較 p-TSA > DNNDSA > DDBSA > DNNSA > リン酸 > カルボン酸
酸触媒の溶解性
9
■ 酸触媒の親水性・疎水性 親水性 疎水性 p-TSA - DDBSA - DNNDSA - DNNSA
溶媒 p-TSA DDBSA DNNDSA DNNSA
水 溶解 溶解 一部溶解 不溶
アルコール
グリコール
グリコールエーテル
溶解 溶解 溶解 溶解
ケトン
エステル 溶解 溶解 溶解 溶解
脂肪族炭化水素
芳香族炭化水素 不溶 溶解 溶解 溶解
表4 酸触媒の溶解性
10
連絡先 : 楠本化成株式会社 添加剤事業部
東京営業部 大阪営業部 名古屋支店 福岡支店
: 03-3292-8685 : 06-6452-2011 : 052-212-4760 : 092-475-7971
E-mail : [email protected]