32
2K1603 タングステン・モリブデン TUNGSTEN AND MOLYBDENUM

»ï¬µÂïKÞæÒÃïタングステン粉末 タングステン粉末は、超硬合金、放射線遮蔽用高密度合金、電気接点、高温炉発熱体、溶射被膜、各種棒および板材等の原料とし

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Page 1: »ï¬µÂïKÞæÒÃïタングステン粉末 タングステン粉末は、超硬合金、放射線遮蔽用高密度合金、電気接点、高温炉発熱体、溶射被膜、各種棒および板材等の原料とし

2K1603

タングステン・モリブデン TUNGSTEN AND MOLYBDENUM

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目次 東芝のタングステンモリブデン関連史 3 タングステンの製造工程 4 モリブデンの製造工程 5 タングステン粉末/モリブデン粉末 6 粉末の特性評価 7 タングステン加工部品 8 モリブデン加工部品 10 エルコナイト®(接点材料) 12 ヘビアロイ(高密度合金) 14 タングステン線・棒 16 レニウムタングステン線(レニタン®) 17 トリエーテッドタングステン線(トリタン®) 18 照明用ドープタングステン線 19 ドープタングステン線 20 モリブデン線棒 21 タングステン線の一般的特性 22 モリブデン線の一般的特性 25 分析・製品試験装置 26 ご使用上の注意事項 28 物理的・機械的性質 30 化学的性質 31

東芝マテリアル株式会社横浜市磯子区

江西東芝電子材料有限公司中国 江西省

10000

東芝のタングステン・モリブデン関連史 (A HISTORY OF TUNGSTEN AND MOLYBDENUM IN TOSHIBA)

1909(明治42年) 東京電気三田工場で「押出タングステン製法」の研究を開始1910(  43年) GE、クーリッジによって引き線タングステンの製作に成功1911(  44年) フィラメントを輸入し、東芝でも引き線タングステンのランプを発売1912(  45年) 東芝堀川町工場に技術課を設置引き線タングステンの研究を開始1914(大正 2年) 東芝マツダ研究所が設立工業部技術課から実験室が独立1916(   5年) GEで技術研修、精錬からフィラメントまでの製造設備完成、ランプ材料自給開始1919(   8年) メタルタングステン工場完成1921(  10年) 二重コイル発明1925(  14年) 内面つや消し電球の製作成功1929(昭和 4年) ドープタングステン開発・・・Cメタル(K、Si、Naドープ)1931(   6年) エルコナイト(電気接点合金)製造開始 モリブデン精製・還元開始1933(   8年) GEの精錬方式研修、モリブデンメタル還元開始 Nメタル(Si、K、Alドープ)開発1936(  11年) 新マツダ電球(ガス入り二重コイル)発売 モリブデン、精錬から線、板、箔までの一貫生産体制完成1940(  16年) X線管用ローターノードの製造開始1941(  16年) 送信管用タングステンNVワイヤ(トリタン)製造開始1942(  17年) 砂町工場を設置し、タングステン精錬を主として発足1944(  19年) 超硬用タングステン精錬を開始1947(  22年) W30製品化、砂町工場で管球用メタルの還元開始1948(  23年) サグテスターを開発、検査に採用 モリブデン精錬開始 送信管用トリタン、W53(1%ThO2)、W56(2%ThO2)製品化1949(  24年) EK(W23)、EC(W31)製品化1950(  25年) 堀川町冶金課を廃止、砂町工場に製錬工程を移管1953(  28年) PTC(Ptクラッドモリブデン)の開発1955(  30年) スパッタコイル開発、WHA試作開始1962(  37年) TIG電極棒外販開始1963(  38年) マンドレル用Moワイヤ (M20) 製品化1969(  44年) 車載用耐振性Wワイヤ (W71) 開発、製品化1971(  46年) スパッタ用Wワイヤ (W41) ワイヤ開発、製品化1980(  55年) タングスラム社向けタングステンプラント引渡し1983(  58年) 3%ReWワイヤ(H30)開発製品化1984(  59年) 中国株州向けタングステンプラント引渡し 耐熱変形モリブデン板(M80)開発・商品化1985(  60年) 半導体配線用MoーSiターゲット製品化1986(  61年) ハロゲンランプ用新タングステンワイヤ(W91)製品化1990(平成 2年) Re-Wターゲット製品化1996(   8年) 15%ReWワイヤ(H35)開発製品化1997(   9年) 26%ReWワイヤ(H36)開発製品化1999(   11年) 中国江西省に江西東芝電子材料有限公司設立2000(   12年) プローブピン用3%ReW(H37)開発製品化2003(   15年) 東芝マテリアル株式会社発足 熱電対用5%ReW(H38)、26%ReW(H39)開発製品化 マグネトロン用Mo焼結部品韓国電子材料へ製造移管

江西東芝電子材料有限公司(中国・江西省)

- 2 - - 3 -

東芝マテリアル株式会社(横浜市磯子区)

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目次 東芝のタングステンモリブデン関連史 3 タングステンの製造工程 4 モリブデンの製造工程 5 タングステン粉末/モリブデン粉末 6 粉末の特性評価 7 タングステン加工部品 8 モリブデン加工部品 10 エルコナイト®(接点材料) 12 ヘビアロイ(高密度合金) 14 タングステン線・棒 16 レニウムタングステン線(レニタン®) 17 トリエーテッドタングステン線(トリタン®) 18 照明用ドープタングステン線 19 ドープタングステン線 20 モリブデン線棒 21 タングステン線の一般的特性 22 モリブデン線の一般的特性 25 分析・製品試験装置 26 ご使用上の注意事項 28 物理的・機械的性質 30 化学的性質 31

東芝マテリアル株式会社横浜市磯子区

江西東芝電子材料有限公司中国 江西省

10000

東芝のタングステン・モリブデン関連史 (A HISTORY OF TUNGSTEN AND MOLYBDENUM IN TOSHIBA)

1909(明治42年) 東京電気三田工場で「押出タングステン製法」の研究を開始1910(  43年) GE、クーリッジによって引き線タングステンの製作に成功1911(  44年) フィラメントを輸入し、東芝でも引き線タングステンのランプを発売1912(  45年) 東芝堀川町工場に技術課を設置引き線タングステンの研究を開始1914(大正 2年) 東芝マツダ研究所が設立工業部技術課から実験室が独立1916(   5年) GEで技術研修、精錬からフィラメントまでの製造設備完成、ランプ材料自給開始1919(   8年) メタルタングステン工場完成1921(  10年) 二重コイル発明1925(  14年) 内面つや消し電球の製作成功1929(昭和 4年) ドープタングステン開発・・・Cメタル(K、Si、Naドープ)1931(   6年) エルコナイト(電気接点合金)製造開始 モリブデン精製・還元開始1933(   8年) GEの精錬方式研修、モリブデンメタル還元開始 Nメタル(Si、K、Alドープ)開発1936(  11年) 新マツダ電球(ガス入り二重コイル)発売 モリブデン、精錬から線、板、箔までの一貫生産体制完成1940(  16年) X線管用ローターノードの製造開始1941(  16年) 送信管用タングステンNVワイヤ(トリタン)製造開始1942(  17年) 砂町工場を設置し、タングステン精錬を主として発足1944(  19年) 超硬用タングステン精錬を開始1947(  22年) W30製品化、砂町工場で管球用メタルの還元開始1948(  23年) サグテスターを開発、検査に採用 モリブデン精錬開始 送信管用トリタン、W53(1%ThO2)、W56(2%ThO2)製品化1949(  24年) EK(W23)、EC(W31)製品化1950(  25年) 堀川町冶金課を廃止、砂町工場に製錬工程を移管1953(  28年) PTC(Ptクラッドモリブデン)の開発1955(  30年) スパッタコイル開発、WHA試作開始1962(  37年) TIG電極棒外販開始1963(  38年) マンドレル用Moワイヤ (M20) 製品化1969(  44年) 車載用耐振性Wワイヤ (W71) 開発、製品化1971(  46年) スパッタ用Wワイヤ (W41) ワイヤ開発、製品化1980(  55年) タングスラム社向けタングステンプラント引渡し1983(  58年) 3%ReWワイヤ(H30)開発製品化1984(  59年) 中国株州向けタングステンプラント引渡し 耐熱変形モリブデン板(M80)開発・商品化1985(  60年) 半導体配線用MoーSiターゲット製品化1986(  61年) ハロゲンランプ用新タングステンワイヤ(W91)製品化1990(平成 2年) Re-Wターゲット製品化1996(   8年) 15%ReWワイヤ(H35)開発製品化1997(   9年) 26%ReWワイヤ(H36)開発製品化1999(   11年) 中国江西省に江西東芝電子材料有限公司設立2000(   12年) プローブピン用3%ReW(H37)開発製品化2003(   15年) 東芝マテリアル株式会社発足 熱電対用5%ReW(H38)、26%ReW(H39)開発製品化 マグネトロン用Mo焼結部品韓国電子材料へ製造移管

江西東芝電子材料有限公司(中国・江西省)

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タングステンの製造工程(TUNGSTEN MANUFACTURING PROCESS)

APT

(パラタングステン酸

アンモニウム)

酸化物 純タングステン

粉末

純タングステン

粉末

分解・焙焼 還 元

成形・焼結

成形・焼結

転打・線引 表面処理

切削・研磨

鍛 造

インゴット

インゴット

線 メッキ線

電解研磨線

ブラック線

純タングステン

粉末

板・各種部品

カソードヒータ部品

ドープ

タングステン

粉末

ドープ

タングステン

粉末

ドープ・還元

高密度合金

複合材/ターゲット

鍛造・圧延

含浸・加工

成形・焼結 インゴット

モリブデンの製造工程(MOLYBDENUM MANUFACTURING PROCESS)

A D M 

(モリブデン酸

 アンモニウム)

酸化物

純モリブデン

粉末

ドープ

モリブデン

粉末

分 解

鍛造・圧延

成形・焼結

成形・焼結

成形・焼結

成形・焼結

造 粒

圧延・転打・線引 表面処理

鍛造・圧延

インゴット

インゴット

インゴット

線 メッキ線

電解研磨線

ブラック線

棒(ヒータ部品)

純モリブデン

粉末

板・各種部品

マグネトロン用部品

モリブデン板

耐高温クリープ材

- 4 - - 5 -

還 元

ドープ・還元

純モリブデン

粉末

ドープ

モリブデン

粉末

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タングステンの製造工程(TUNGSTEN MANUFACTURING PROCESS)

APT

(パラタングステン酸

アンモニウム)

酸化物 純タングステン

粉末

純タングステン

粉末

分解・焙焼 還 元

成形・焼結

成形・焼結

転打・線引 表面処理

切削・研磨

鍛 造

インゴット

インゴット

線 メッキ線

電解研磨線

ブラック線

純タングステン

粉末

板・各種部品

カソードヒータ部品

ドープ

タングステン

粉末

ドープ

タングステン

粉末

ドープ・還元

高密度合金

複合材/ターゲット

鍛造・圧延

含浸・加工

成形・焼結 インゴット

モリブデンの製造工程(MOLYBDENUM MANUFACTURING PROCESS)

A D M 

(モリブデン酸

 アンモニウム)

酸化物

純モリブデン

粉末

ドープ

モリブデン

粉末

分 解

鍛造・圧延

成形・焼結

成形・焼結

成形・焼結

成形・焼結

造 粒

圧延・転打・線引 表面処理

鍛造・圧延

インゴット

インゴット

インゴット

線 メッキ線

電解研磨線

ブラック線

棒(ヒータ部品)

純モリブデン

粉末

板・各種部品

マグネトロン用部品

モリブデン板

耐高温クリープ材

- 4 - - 5 -

還 元

ドープ・還元

純モリブデン

粉末

ドープ

モリブデン

粉末

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タングステン粉末

タングステン粉末は、超硬合金、放射線遮蔽用高密度合金、電気接点、高温炉発熱体、溶射被膜、各種棒および板材等の原料として広く使われます。また、分析用、助燃剤やメタライズ用としても使用されます。

下記以外の粒径および純度については ご相談ください。

※ タングステン粉末の純度(W)は、Fe、Mo、Ca、Si、Al、Mg の百分率を100から差し引いた残分とします。※ ただし、Ca、Si、Al、Mgの合計は40ppm以下とします。

品 種 名TYPE

WC1-30

WD1-45

WD1-60

平均粒径(μm)2.5~3.4

3.5~5.4

5.1~6.3

W (wt%)

≧99.9

≧99.9

≧99.9

Fe (ppm)

≦100

≦100

≦100

Mo (ppm)

≦150

≦150

≦150

Ca (ppm)

≦30

≦30

≦30

Si (ppm)

≦30

≦30

≦30

Al (ppm)0

≦20

≦20

≦20

Mg (ppm)

≦10

≦10

≦10

O (wt%)

≦0.1

≦0.1

≦0.1

化  学  成  分

タングステン粒

タングステン粉末

品 種 名TYPE

WJ1-05

WJ1-12

平均粒径(mm)0.3~0.8

0.84~1.5

W (wt%)

≧99.97

≧99.97

C (ppm)

≦8

≦8

S (ppm)

≦5

≦5

化  学  成  分

- 6 - - 7 -

湿式粒度分布測定装置 走査型電子顕微鏡

示差熱分析装置

■ 粉体の特性評価

■ タングステンパウダー

写真左より APT(タングステンアンモニウムパラソルト、(NH4)2WO4)                PO(ピュアーオキサイド(WO3)                          BO(ブルーオキサイド)

                                    タングステンメタルパウダー

(TUNGSTEN METAL POWDER)

※WD1-60は受注生産となります。 最小引受量;200kg

モリブデン粉末(MOLYBDENUM METAL POWDER)

モリブデン粉末は、メタライズ用、溶射用粉末、エレクトロニクス用線材、棒材、板材のほか、各種耐熱部品材料、高温炉部材、ガラス溶融用電極棒、原子力部品関係の原料など、多くの分野で使用されています。

下記以外の粒径および純度については ご相談ください。

※1 モリブデン粉末の純度(Mo)は、Fe、Ca、Si、Al、Mg の百分率を100から差し引いた残分とします。

品 種 名TYPE

M10

平均粒径(μm)3.9~4.5

Mo※1 (wt%)

≧99.9

Fe (ppm)

≦100

Ca (ppm)

≦10

Si (ppm)

≦100

Al (ppm)

≦20

Mg (ppm)

≦10

O (wt%)

≦0.5

化  学  成  分

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タングステン粉末

タングステン粉末は、超硬合金、放射線遮蔽用高密度合金、電気接点、高温炉発熱体、溶射被膜、各種棒および板材等の原料として広く使われます。また、分析用、助燃剤やメタライズ用としても使用されます。

下記以外の粒径および純度については ご相談ください。

※ タングステン粉末の純度(W)は、Fe、Mo、Ca、Si、Al、Mg の百分率を100から差し引いた残分とします。※ ただし、Ca、Si、Al、Mgの合計は40ppm以下とします。

品 種 名TYPE

WC1-30

WD1-45

WD1-60

平均粒径(μm)2.5~3.4

3.5~5.4

5.1~6.3

W (wt%)

≧99.9

≧99.9

≧99.9

Fe (ppm)

≦100

≦100

≦100

Mo (ppm)

≦150

≦150

≦150

Ca (ppm)

≦30

≦30

≦30

Si (ppm)

≦30

≦30

≦30

Al (ppm)0

≦20

≦20

≦20

Mg (ppm)

≦10

≦10

≦10

O (wt%)

≦0.1

≦0.1

≦0.1

化  学  成  分

タングステン粒

タングステン粉末

品 種 名TYPE

WJ1-05

WJ1-12

平均粒径(mm)0.3~0.8

0.84~1.5

W (wt%)

≧99.97

≧99.97

C (ppm)

≦8

≦8

S (ppm)

≦5

≦5

化  学  成  分

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湿式粒度分布測定装置 走査型電子顕微鏡

示差熱分析装置

■ 粉体の特性評価

■ タングステンパウダー

写真左より APT(タングステンアンモニウムパラソルト、(NH4)2WO4)                PO(ピュアーオキサイド(WO3)                          BO(ブルーオキサイド)

                                    タングステンメタルパウダー

(TUNGSTEN METAL POWDER)

※WD1-60は受注生産となります。 最小引受量;200kg

モリブデン粉末(MOLYBDENUM METAL POWDER)

モリブデン粉末は、メタライズ用、溶射用粉末、エレクトロニクス用線材、棒材、板材のほか、各種耐熱部品材料、高温炉部材、ガラス溶融用電極棒、原子力部品関係の原料など、多くの分野で使用されています。

下記以外の粒径および純度については ご相談ください。

※1 モリブデン粉末の純度(Mo)は、Fe、Ca、Si、Al、Mg の百分率を100から差し引いた残分とします。

品 種 名TYPE

M10

平均粒径(μm)3.9~4.5

Mo※1 (wt%)

≧99.9

Fe (ppm)

≦100

Ca (ppm)

≦10

Si (ppm)

≦100

Al (ppm)

≦20

Mg (ppm)

≦10

O (wt%)

≦0.5

化  学  成  分

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タングステン加工部品(TUNGSTEN MACHINED PARTS)

タングステン加工部品(TUNGSTEN MACHINED PARTS)

■ 放電灯用電極 (DISCHARGE LAMP PARTS)

キセノンランプ、その他の特殊電極としてガス入り放電灯の電極として純タングステンおよび特殊元素を添加したタングステンの部品を 製造しております。

放電灯用電極

品 種 名TYPEW5XW51W53W54W56

提供サイズ※1

(mm)0.1-20

0.018-100.1-200.25-200.50-20

各種放電電極用トリタン®

※1 この他のサイズについても ご相談を承っております。

金メッキ、白金クラッド、酸化処理などをタングステン(モリブデン)ワイヤの表面に行って、複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ、空気清浄機などに使われています。

■ コロナ放電用部品

コロナ放電用ワイヤ、部品

種類 品名 Pt被覆 メッキ厚(μm)    備  考

Mo

W白金クラッドW線 PCW-A 30wt% Ptパイプをクラッドして製造白金クラッドW線 PCW-C 15wt% Ptパイプをクラッドして製造AuメッキW線 WEX 0.3~2 AuメッキAuメッキW線-スキンパス線 WEX  2 Auメッキ後、伸線を行い表面を平滑にしたものWホワイト線 W3136 -  - 電解で表面を仕上げたものWブラック線 W3110 -  - ブラックのまま(黒鉛コーティング)W酸化線 WOX 酸化膜をつけたものW酸化みがき線 WOXB 酸化膜の平滑性を上げたもの

白金クラッドMo線 PTC-B 20wt% Ptパイプをクラッドして製造

■ その他タングステン加工部品

炉用耐熱構造材料(板、棒、ブロック)、各種ノズル、カソード用 多孔質体、その他特殊用途の加工部品をお客様のご仕様により製作しております。・タングステン炉用耐熱構造材料・金属溶融用タングステンボート

高融点材料溶融用大型タングステンボート・るつぼ

タングステン(W)は融点が高いことと高速の電子線を照射すると強力なX線を発生することから、各種のX線管の焦点面に用いられます。東芝では回転陽極、固定陽極のいずれも製作しており、国内では最高の実績を誇っております。用途に応じ、レニウムタングステン(ReW)を中心に製作しております。

回転電極では高出力に耐え、かつ高強度を維持するためにReWと 微量元素添加のモリブデン(Mo)で構成されるReW-Mo複合ターゲットを主力に製造しております。前述のようにW単体の陽極や軟X線発生源用として微量元素添加Moだけからなる陽極も製造しております。

■ X線管用陽極 "ロータノード ®"  ( X-RAY TUBE ANODE "ROTANODE® ")

X線管用ロータノードⓇ

■ TIG溶接用電極棒 (WELDING ELECTRODES)

TIG溶接(Tungsten Inert Gas Welding)は被覆材やフラックスが不要のため、溶接部が腐食されるおそれが全くなく、溶接部の延性、強さ、機密性の優れた溶接が出来ます。アルミニウム合金、ステンレス鋼、マグネシウム合金、銅合金、ニッケル合金、炭素鋼などに使われます。

東芝TIG溶接棒は純タングステンおよびトリエーテッドタングステン(トリタン®)があります。詳細は東芝TIG電極棒カタログをご覧ください。

なお、TIG溶接棒のご使用に際しては使用上の注意(巻末 注.5(3))を遵守願います。

W3005W5605

化学処理 99.9697.75

  -  1.7~2.05

仕上げ区分FINISHING

緑 GREEN赤 RED

カラーコードSYMBOL COLOR

化学成分CHEMICAL COMPOSITION   W(wt%) ThO2(wt%)

品 種 名TYPE

化学処理

■ タングステンプローブピン (TUNGSTEN PROBE PIN)

タングステンは高い靱性と耐摩耗性を持つ金属材料で、その特長は 半導体や液晶パネル等高密度集積回路の検査用プローブピン(コンタクトピン)に使われます。

H37は半導体検査装置などに使用されるプローブピン用として開発した "レニタン®"です。プローブピンにおいては高強度で高導電性であると同時に滑らかな表面ををもっている材料が求められています。

結晶中に電子顕微鏡レベルの微細な介在物やドープ孔の見られない厳選されたピンをご提供しております。

東芝名称と材質種類の関係、標準サイズと表面処理、先端加工仕上形状等を下表に示します。

ストレートピン テーパー加工 (テーパー角度2°~10°) ナイフエッジ   その他各種の形状に対応します。

ピン先端部の仕上加工形状 標準サイズ、表面処理φ0.05~φ0.5×L対応可能な表面処理: 電解研磨仕上げ 金またはニッケルメッキ それらの全面または部分メッキ

W31 純タングステン

東芝名称

H37* 3%レニウム-タングステン

H36 26%レニウム-タングステン

H30 3%レニウム-タングステン材質種類

Pd 合金その他の材質も取り扱っております。*新タイプ

レニウムタングステン(H37) プローブピンを用いたプローバー(例)

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タングステン加工部品(TUNGSTEN MACHINED PARTS)

タングステン加工部品(TUNGSTEN MACHINED PARTS)

■ 放電灯用電極 (DISCHARGE LAMP PARTS)

キセノンランプ、その他の特殊電極としてガス入り放電灯の電極として純タングステンおよび特殊元素を添加したタングステンの部品を 製造しております。

放電灯用電極

品 種 名TYPEW5XW51W53W54W56

提供サイズ※1

(mm)0.1-20

0.018-100.1-200.25-200.50-20

各種放電電極用トリタン®

※1 この他のサイズについても ご相談を承っております。

金メッキ、白金クラッド、酸化処理などをタングステン(モリブデン)ワイヤの表面に行って、複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ、空気清浄機などに使われています。

■ コロナ放電用部品

コロナ放電用ワイヤ、部品

種類 品名 Pt被覆 メッキ厚(μm)    備  考

Mo

W白金クラッドW線 PCW-A 30wt% Ptパイプをクラッドして製造白金クラッドW線 PCW-C 15wt% Ptパイプをクラッドして製造AuメッキW線 WEX 0.3~2 AuメッキAuメッキW線-スキンパス線 WEX  2 Auメッキ後、伸線を行い表面を平滑にしたものWホワイト線 W3136 -  - 電解で表面を仕上げたものWブラック線 W3110 -  - ブラックのまま(黒鉛コーティング)W酸化線 WOX 酸化膜をつけたものW酸化みがき線 WOXB 酸化膜の平滑性を上げたもの

白金クラッドMo線 PTC-B 20wt% Ptパイプをクラッドして製造

■ その他タングステン加工部品

炉用耐熱構造材料(板、棒、ブロック)、各種ノズル、カソード用 多孔質体、その他特殊用途の加工部品をお客様のご仕様により製作しております。・タングステン炉用耐熱構造材料・金属溶融用タングステンボート

高融点材料溶融用大型タングステンボート・るつぼ

タングステン(W)は融点が高いことと高速の電子線を照射すると強力なX線を発生することから、各種のX線管の焦点面に用いられます。東芝では回転陽極、固定陽極のいずれも製作しており、国内では最高の実績を誇っております。用途に応じ、レニウムタングステン(ReW)を中心に製作しております。

回転電極では高出力に耐え、かつ高強度を維持するためにReWと 微量元素添加のモリブデン(Mo)で構成されるReW-Mo複合ターゲットを主力に製造しております。前述のようにW単体の陽極や軟X線発生源用として微量元素添加Moだけからなる陽極も製造しております。

■ X線管用陽極 "ロータノード ®"  ( X-RAY TUBE ANODE "ROTANODE® ")

X線管用ロータノードⓇ

■ TIG溶接用電極棒 (WELDING ELECTRODES)

TIG溶接(Tungsten Inert Gas Welding)は被覆材やフラックスが不要のため、溶接部が腐食されるおそれが全くなく、溶接部の延性、強さ、機密性の優れた溶接が出来ます。アルミニウム合金、ステンレス鋼、マグネシウム合金、銅合金、ニッケル合金、炭素鋼などに使われます。

東芝TIG溶接棒は純タングステンおよびトリエーテッドタングステン(トリタン®)があります。詳細は東芝TIG電極棒カタログをご覧ください。

なお、TIG溶接棒のご使用に際しては使用上の注意(巻末 注.5(3))を遵守願います。

W3005W5605

化学処理 99.9697.75

  -  1.7~2.05

仕上げ区分FINISHING

緑 GREEN赤 RED

カラーコードSYMBOL COLOR

化学成分CHEMICAL COMPOSITION   W(wt%) ThO2(wt%)

品 種 名TYPE

化学処理

■ タングステンプローブピン (TUNGSTEN PROBE PIN)

タングステンは高い靱性と耐摩耗性を持つ金属材料で、その特長は 半導体や液晶パネル等高密度集積回路の検査用プローブピン(コンタクトピン)に使われます。

H37は半導体検査装置などに使用されるプローブピン用として開発した "レニタン®"です。プローブピンにおいては高強度で高導電性であると同時に滑らかな表面ををもっている材料が求められています。

結晶中に電子顕微鏡レベルの微細な介在物やドープ孔の見られない厳選されたピンをご提供しております。

東芝名称と材質種類の関係、標準サイズと表面処理、先端加工仕上形状等を下表に示します。

ストレートピン テーパー加工 (テーパー角度2°~10°) ナイフエッジ   その他各種の形状に対応します。

ピン先端部の仕上加工形状 標準サイズ、表面処理φ0.05~φ0.5×L対応可能な表面処理: 電解研磨仕上げ 金またはニッケルメッキ それらの全面または部分メッキ

W31 純タングステン

東芝名称

H37* 3%レニウム-タングステン

H36 26%レニウム-タングステン

H30 3%レニウム-タングステン材質種類

Pd 合金その他の材質も取り扱っております。*新タイプ

レニウムタングステン(H37) プローブピンを用いたプローバー(例)

Page 10: »ï¬µÂïKÞæÒÃïタングステン粉末 タングステン粉末は、超硬合金、放射線遮蔽用高密度合金、電気接点、高温炉発熱体、溶射被膜、各種棒および板材等の原料とし

- 10 -

モリブデン加工部品(MOLYBDENUM MACHINED PARTS)

東芝モリブデン板製品は、純モリブデン(M10)を基本材質として製造しております。管球用材料として広く使われるほかに、炉用構造部品(しゃへい板、板状ヒータ、熱処理用ボート、支持構造材料)、半導体素子基板用など、各種の用途に広く使われています。

■ モリブデン板・箔 (MOLYBDENUM PLATE AND SHEET)

■ ガラス溶融用モリブデン電極  (MOLYBDENUM ELECTRODE FOR GLASS MELTING)

 電気溶融によるガラス溶融にはモリブデンの電極が用いられます。詳細はガラス溶融用モリブデン電極カタログをご覧ください。

品 種 名TYPE

名   称NAME

M1070 モリブデンシート

モリブデンプレート

板  厚 mmTHICKNESS

圧延方法 PROCESS

0.1~2.0

M1070

冷間圧延

冷間圧延

熱間圧延

熱間鍛造

工業界規格記号

MF1R

MP1R2.0~10

0.5~

10~100

東芝モリブデン円板製品は、半導体整流素子用の基板として多用されています。

■ モリブデン円板 (MOLYBDENUM DISC)

品 種 名TYPE

直 径(mm)DIAMETER

厚さ(mm)THICKNESS

BMA5.0~40

40~100

0.4~2.0

0.4~10.0

厚さの公差(mm)TOLERANCE

±0.05~±0.1

±0.05~±0.1

- 11 -

モリブデン加工部品(MOLYBDENUM PARTS FOR SEVERAL APPLICATIONS)

モリブデンは融点が2600℃以上ある耐熱材料で、大きさや形状もいろいろなものを作ることができます。東芝ではヒーター、ボート、高温炉の加熱チャンバー、レフレクター、保護管、ノズルなどを製作しております。

蒸着物質を加熱するためのボートや蒸着制御用のマスクなどがあります。

電子レンジの心臓部であるマグネトロン管にはモリブデン部品が使われています。

宇宙空間で用いられる衛星搭載用のアンテナには金メッキをしたモリブデン細線を特殊な方法で編み上げたモリブデンメッシュが用いられています。

■ 真空蒸着用部品 ( PARTS FOR VACUUM METALLIZING)

■ 高温炉用部品 ( PARTS FOR HIGH TEMPERATURE FURNACE)

■ マグネトロン用部品 ( PARTS FOR MAGNETRON)

■ アンテナ用モリブデンメッシュ (Mo MESH FOR ANNTENA)

品 種 名TYPE

M1070

名称

純モリブデンシート

加工方法板 厚 mm

冷間圧延熱間圧延

鍛造

0.1~2.01.0~10.010~50

鍛造または圧延上がりのほかに、表面仕上げ処理として、化学処理、ホーニング、研磨仕上げなどがあります。

フィラメントコイル、上エンドおよび下エンドA'ssy マグネトロン発振管

NAME PROCESS

Page 11: »ï¬µÂïKÞæÒÃïタングステン粉末 タングステン粉末は、超硬合金、放射線遮蔽用高密度合金、電気接点、高温炉発熱体、溶射被膜、各種棒および板材等の原料とし

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モリブデン加工部品(MOLYBDENUM MACHINED PARTS)

東芝モリブデン板製品は、純モリブデン(M10)を基本材質として製造しております。管球用材料として広く使われるほかに、炉用構造部品(しゃへい板、板状ヒータ、熱処理用ボート、支持構造材料)、半導体素子基板用など、各種の用途に広く使われています。

■ モリブデン板・箔 (MOLYBDENUM PLATE AND SHEET)

■ ガラス溶融用モリブデン電極  (MOLYBDENUM ELECTRODE FOR GLASS MELTING)

 電気溶融によるガラス溶融にはモリブデンの電極が用いられます。詳細はガラス溶融用モリブデン電極カタログをご覧ください。

品 種 名TYPE

名   称NAME

M1070 モリブデンシート

モリブデンプレート

板  厚 mmTHICKNESS

圧延方法 PROCESS

0.1~2.0

M1070

冷間圧延

冷間圧延

熱間圧延

熱間鍛造

工業界規格記号

MF1R

MP1R2.0~10

0.5~

10~100

東芝モリブデン円板製品は、半導体整流素子用の基板として多用されています。

■ モリブデン円板 (MOLYBDENUM DISC)

品 種 名TYPE

直 径(mm)DIAMETER

厚さ(mm)THICKNESS

BMA5.0~40

40~100

0.4~2.0

0.4~10.0

厚さの公差(mm)TOLERANCE

±0.05~±0.1

±0.05~±0.1

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モリブデン加工部品(MOLYBDENUM PARTS FOR SEVERAL APPLICATIONS)

モリブデンは融点が2600℃以上ある耐熱材料で、大きさや形状もいろいろなものを作ることができます。東芝ではヒーター、ボート、高温炉の加熱チャンバー、レフレクター、保護管、ノズルなどを製作しております。

蒸着物質を加熱するためのボートや蒸着制御用のマスクなどがあります。

電子レンジの心臓部であるマグネトロン管にはモリブデン部品が使われています。

宇宙空間で用いられる衛星搭載用のアンテナには金メッキをしたモリブデン細線を特殊な方法で編み上げたモリブデンメッシュが用いられています。

■ 真空蒸着用部品 ( PARTS FOR VACUUM METALLIZING)

■ 高温炉用部品 ( PARTS FOR HIGH TEMPERATURE FURNACE)

■ マグネトロン用部品 ( PARTS FOR MAGNETRON)

■ アンテナ用モリブデンメッシュ (Mo MESH FOR ANNTENA)

品 種 名TYPE

M1070

名称

純モリブデンシート

加工方法板 厚 mm

冷間圧延熱間圧延

鍛造

0.1~2.01.0~10.010~50

鍛造または圧延上がりのほかに、表面仕上げ処理として、化学処理、ホーニング、研磨仕上げなどがあります。

フィラメントコイル、上エンドおよび下エンドA'ssy マグネトロン発振管

NAME PROCESS

Page 12: »ï¬µÂïKÞæÒÃïタングステン粉末 タングステン粉末は、超硬合金、放射線遮蔽用高密度合金、電気接点、高温炉発熱体、溶射被膜、各種棒および板材等の原料とし

エルコナイト® (ELCONITE®)

エルコナイト® (ELCONITE® )

焼結電気接点材料エルコナイト®

放電加工用電極材料エルコナイト®エルコナイトは、タングステン、炭化タングステン、グラファイト等の高融点材料と、銀、銅等の高電導材料を組み合わせ複合させた焼結合金の名称で、各金属の含有量および添加剤の種類により種々の材料が選択できます。エルコナイトには、電気接点材料と放電加工電極材料があります。

・構成金属の基本特性を有効に利用し、溶解法の合金系材料には無い優れた電気特性を有しております。・成分の組み合わせが広範囲にわたる複合体が得られます。・耐アーク性、耐溶着性、耐消耗性に優れています。・高導電度、低接触抵抗です。

特長

■ 標準品種と特性

■ 標準品種と特性

■ 標準サイズ

■ エルコナイトの用途と代表品種

■ 取り扱い上の注意

(1)真空開閉器用 TC-201、TC-306、TC-381(2)車両用 TCA-381、ACD-5Z3(3)ノーフューズ遮断器 TCA-601、TCA-705

(1)標準品種の特長をよく理解していただき、組成の選定に注意してください。(2)内部酸化法によるAg-CdO接点では、特性の最も良好な表面層を切削するような加工をできるだけ避けてください。(3)TCA接点材料は比較的難加工性ですので(硬くて脆い)、複雑な形状の設計は避けてください。(4)タングステン系を機械加工する場合のバイトおよびカッターの材質には超硬タンガロイH種を推奨します。(5)台金へのロー付けにはBAg-3、BAg-1または近似するロー材を推奨します。(6)仕上げ加工を終えた製品は油類・ゴミの付着を避け、キズや酸化または硫化が起こらないように保管には十分ご注意ください。(7)電気的な負荷条件の違いによって接点材の接点特性データが大きく変わる場合がありますのでご注意ください。

(4)変圧器、  負荷時タップ切り替え用 TC-301M(5)気中、油中遮断器用 TC-200、TC-401、TA-200、

TCA-601(6)抵抗溶接電極用 TCC-381、TA-201、TC-201、

TA-501、TC-301

エルコナイト放電加工用電教材には大別して 銅系および銀系の2種類があります。標準材料のED1および特殊成分を添加し加工速度や耐消耗特性を改善したED2材種は当社独自の材料としてご好評をいただいております。

特長

各種電気接点 放電加工電極例

- 12 - - 13 -

Page 13: »ï¬µÂïKÞæÒÃïタングステン粉末 タングステン粉末は、超硬合金、放射線遮蔽用高密度合金、電気接点、高温炉発熱体、溶射被膜、各種棒および板材等の原料とし

エルコナイト® (ELCONITE®)

エルコナイト® (ELCONITE® )

焼結電気接点材料エルコナイト®

放電加工用電極材料エルコナイト®エルコナイトは、タングステン、炭化タングステン、グラファイト等の高融点材料と、銀、銅等の高電導材料を組み合わせ複合させた焼結合金の名称で、各金属の含有量および添加剤の種類により種々の材料が選択できます。エルコナイトには、電気接点材料と放電加工電極材料があります。

・構成金属の基本特性を有効に利用し、溶解法の合金系材料には無い優れた電気特性を有しております。・成分の組み合わせが広範囲にわたる複合体が得られます。・耐アーク性、耐溶着性、耐消耗性に優れています。・高導電度、低接触抵抗です。

特長

■ 標準品種と特性

■ 標準品種と特性

■ 標準サイズ

■ エルコナイトの用途と代表品種

■ 取り扱い上の注意

(1)真空開閉器用 TC-201、TC-306、TC-381(2)車両用 TCA-381、ACD-5Z3(3)ノーフューズ遮断器 TCA-601、TCA-705

(1)標準品種の特長をよく理解していただき、組成の選定に注意してください。(2)内部酸化法によるAg-CdO接点では、特性の最も良好な表面層を切削するような加工をできるだけ避けてください。(3)TCA接点材料は比較的難加工性ですので(硬くて脆い)、複雑な形状の設計は避けてください。(4)タングステン系を機械加工する場合のバイトおよびカッターの材質には超硬タンガロイH種を推奨します。(5)台金へのロー付けにはBAg-3、BAg-1または近似するロー材を推奨します。(6)仕上げ加工を終えた製品は油類・ゴミの付着を避け、キズや酸化または硫化が起こらないように保管には十分ご注意ください。(7)電気的な負荷条件の違いによって接点材の接点特性データが大きく変わる場合がありますのでご注意ください。

(4)変圧器、  負荷時タップ切り替え用 TC-301M(5)気中、油中遮断器用 TC-200、TC-401、TA-200、

TCA-601(6)抵抗溶接電極用 TCC-381、TA-201、TC-201、

TA-501、TC-301

エルコナイト放電加工用電教材には大別して 銅系および銀系の2種類があります。標準材料のED1および特殊成分を添加し加工速度や耐消耗特性を改善したED2材種は当社独自の材料としてご好評をいただいております。

特長

各種電気接点 放電加工電極例

- 12 - - 13 -

Page 14: »ï¬µÂïKÞæÒÃïタングステン粉末 タングステン粉末は、超硬合金、放射線遮蔽用高密度合金、電気接点、高温炉発熱体、溶射被膜、各種棒および板材等の原料とし

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ヘビアロイ(WHA)ヘビアロイ(WHA)

■ 特長と用途

ヘビアロイはタングステンベースの高密度合金の総称です。タングステンはその理論密度は19.3と大変高いことが特長の元素ですが、融点が3400℃もあるため緻密なタングステンインゴットを作るには焼結法を用いる必要があります。タングステンの融点に比べると比較的低温度でかつ均質に焼結するために、Ni、Cu、Feなどを添加して高密度のタングステン合金ヘビアロイが作られます。タングステンの含有量(90%~96%)と添加元素の種類によって分類されております。

1. 密度が17~18.4Mg/m3と極めて高い2. 振動減衰性が大きい 3. ヤング率が大きい4. 精密機械加工が容易5. 熱伝導率が高く、熱膨張計数が小さい6. 高温強度が高く、耐熱衝撃性に富んでいる7. 耐酸化性、耐食性に優れている

タングステンヘビアロイは高密度、高振動減衰性、高ヤング率などの優れた機械的特性を有した材料です。さらにタングステンは放射線のしゃへい性と抜群の耐熱性を持っており、ヘビアロイは放射線装置のキーマテリアルとして広く使われています。また、ヘビアロイは粉末冶金技術で作られますので、小型から大型製品まで対応が可能です。

● 医療用・工業用X線装置、γ線装置の放射線しゃへい部品、アイソトープ容器

● バランサー、フライホイール

● ボーリングバー、内径研削用クイール

● ダイカスト用金型部品、中子ピン、スリーブ

● 各種電極

● 熱処理用治工具

■ 標準品種と特性

特 性 Type

密度

熱伝導率

熱膨張計数(RT~500℃)

電気抵抗

抗張力

降伏点

伸び

硬度

高温硬度(Hv)

高温抗張力N/mm2(kgf/mm2)

衝撃強度

抗折力

熱衝撃試験(吸熱急冷)(RT~600℃)

(Mg/m3)

(W/m・K)(cal/cm・sec・℃)

×10-6/℃

×10-6 Ωcm

N/mm2(kgf/mm2)

N/mm2(kgf/mm2)

%

HRA

200℃400℃600℃800℃

400℃

600℃

800℃

1000℃

(kg・m/cm2)

N/mm2(kgf/mm2)

WHA-H65

17.5

5.2

740(75)

3

57~64

----

1520(155)

WHA-H63

17.0

110(0.25)

5.5

10.2

690(70)

590(60)

5

58~64

----

0.80

1370(140)

WHA-H60

18.0

130(0.31)

4.7

7.2

780(80)

710(72)

2

59~66

165135125105

390 (40) 340 (35) 200 (20) 100 (10)

0.70

1670(170)

1000回クラック、酸化、変形なし

WHA-H55

18.0

120(0.29)

4.6

7.6

1180(120)

1080(110)

2

65~70

250240225200

540 (55) 440 (45) 340 (35) 150 (15)

0.75

1960(200)

1000回クラック、酸化、変形なし

■ 化学的特性

大気中での耐酸化性は強く、常温で長時間放置しても表面状態の変化はほとんどありません。400℃以上になると表面に僅かな酸化被膜を生じますが1,000℃位まで使用可能です。また、各種雰囲気中での耐食性は良好で通常のNiメッキ、Crメッキしたものと同等に扱えます。

■ 機械加工性ヘビアロイは純タングステンとは異なり、容易に機械加工が出来ます。旋削加工、フライス加工、穴あけ、ねじ切り、研削加工などの精密

加工仕上げが容易です。 ● バイトチップ

材質:超硬合金(タンガロイTH種)形状:上すくい角 0° にげ角 6°~8°   刃先ノーズ半径 0.5 ~0.8mm

● 旋削条件の一例被削材:WHA-H60 荒 削 り:切込0.5~1.0mm、送り0.2~0.25mm/rev 仕上削り:切込0.05~0.1mm、送り0.08~0.1mm/rev  切削速度:100~125/min   切削油使用せず

 件

0.1

0.01

1.00.9

0.2

0.3

0.4

0.5

0.60.70.8

0.9

0.2

0.3

0.4

0.5

0.60.70.8

γ線

線量

率(

任意

単位

)0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0

(H60)WHA-A

(H63)WHA-B

Pb

■ 放射線遮蔽特性

γ線 減衰曲線 (Co60 Broad Beam,球形電離槽使用) 厚さ cm

 上図から、Co60を線源として遮蔽効果を測定したもので、同一の遮蔽効果を得るには、鉛に比較して、厚みで 2/3、容積で 1/3、重量で 1/2 ですむことがわかります。

● 機械加工工具(クイール、ボーリングバー)に使用する場合の参考特性

Page 15: »ï¬µÂïKÞæÒÃïタングステン粉末 タングステン粉末は、超硬合金、放射線遮蔽用高密度合金、電気接点、高温炉発熱体、溶射被膜、各種棒および板材等の原料とし

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ヘビアロイ(WHA)ヘビアロイ(WHA)

■ 特長と用途

ヘビアロイはタングステンベースの高密度合金の総称です。タングステンはその理論密度は19.3と大変高いことが特長の元素ですが、融点が3400℃もあるため緻密なタングステンインゴットを作るには焼結法を用いる必要があります。タングステンの融点に比べると比較的低温度でかつ均質に焼結するために、Ni、Cu、Feなどを添加して高密度のタングステン合金ヘビアロイが作られます。タングステンの含有量(90%~96%)と添加元素の種類によって分類されております。

1. 密度が17~18.4Mg/m3と極めて高い2. 振動減衰性が大きい 3. ヤング率が大きい4. 精密機械加工が容易5. 熱伝導率が高く、熱膨張計数が小さい6. 高温強度が高く、耐熱衝撃性に富んでいる7. 耐酸化性、耐食性に優れている

タングステンヘビアロイは高密度、高振動減衰性、高ヤング率などの優れた機械的特性を有した材料です。さらにタングステンは放射線のしゃへい性と抜群の耐熱性を持っており、ヘビアロイは放射線装置のキーマテリアルとして広く使われています。また、ヘビアロイは粉末冶金技術で作られますので、小型から大型製品まで対応が可能です。

● 医療用・工業用X線装置、γ線装置の放射線しゃへい部品、アイソトープ容器

● バランサー、フライホイール

● ボーリングバー、内径研削用クイール

● ダイカスト用金型部品、中子ピン、スリーブ

● 各種電極

● 熱処理用治工具

■ 標準品種と特性

特 性 Type

密度

熱伝導率

熱膨張計数(RT~500℃)

電気抵抗

抗張力

降伏点

伸び

硬度

高温硬度(Hv)

高温抗張力N/mm2(kgf/mm2)

衝撃強度

抗折力

熱衝撃試験(吸熱急冷)(RT~600℃)

(Mg/m3)

(W/m・K)(cal/cm・sec・℃)

×10-6/℃

×10-6 Ωcm

N/mm2(kgf/mm2)

N/mm2(kgf/mm2)

%

HRA

200℃400℃600℃800℃

400℃

600℃

800℃

1000℃

(kg・m/cm2)

N/mm2(kgf/mm2)

WHA-H65

17.5

5.2

740(75)

3

57~64

----

1520(155)

WHA-H63

17.0

110(0.25)

5.5

10.2

690(70)

590(60)

5

58~64

----

0.80

1370(140)

WHA-H60

18.0

130(0.31)

4.7

7.2

780(80)

710(72)

2

59~66

165135125105

390 (40) 340 (35) 200 (20) 100 (10)

0.70

1670(170)

1000回クラック、酸化、変形なし

WHA-H55

18.0

120(0.29)

4.6

7.6

1180(120)

1080(110)

2

65~70

250240225200

540 (55) 440 (45) 340 (35) 150 (15)

0.75

1960(200)

1000回クラック、酸化、変形なし

■ 化学的特性

大気中での耐酸化性は強く、常温で長時間放置しても表面状態の変化はほとんどありません。400℃以上になると表面に僅かな酸化被膜を生じますが1,000℃位まで使用可能です。また、各種雰囲気中での耐食性は良好で通常のNiメッキ、Crメッキしたものと同等に扱えます。

■ 機械加工性ヘビアロイは純タングステンとは異なり、容易に機械加工が出来ます。旋削加工、フライス加工、穴あけ、ねじ切り、研削加工などの精密

加工仕上げが容易です。 ● バイトチップ

材質:超硬合金(タンガロイTH種)形状:上すくい角 0° にげ角 6°~8°   刃先ノーズ半径 0.5 ~0.8mm

● 旋削条件の一例被削材:WHA-H60 荒 削 り:切込0.5~1.0mm、送り0.2~0.25mm/rev 仕上削り:切込0.05~0.1mm、送り0.08~0.1mm/rev  切削速度:100~125/min   切削油使用せず

 件

0.1

0.01

1.00.9

0.2

0.3

0.4

0.5

0.60.70.8

0.9

0.2

0.3

0.4

0.5

0.60.70.8

γ線

線量

率(

任意

単位

0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0

(H60)WHA-A

(H63)WHA-B

Pb

■ 放射線遮蔽特性

γ線 減衰曲線 (Co60 Broad Beam,球形電離槽使用) 厚さ cm

 上図から、Co60を線源として遮蔽効果を測定したもので、同一の遮蔽効果を得るには、鉛に比較して、厚みで 2/3、容積で 1/3、重量で 1/2 ですむことがわかります。

● 機械加工工具(クイール、ボーリングバー)に使用する場合の参考特性

Page 16: »ï¬µÂïKÞæÒÃïタングステン粉末 タングステン粉末は、超硬合金、放射線遮蔽用高密度合金、電気接点、高温炉発熱体、溶射被膜、各種棒および板材等の原料とし

タングステン線・棒(TUNGSTEN ROD AND WIRE)

- 16 -

連続式クラック検査装置(CD) 自動CD装置

東芝タングステン線・棒製品には三種の基本材質があります。 1) レニウムタングステン 2) トリエーテッドタングステン 3) ドープタングステンこれらはさらに特徴を備えて細分化されており、各種のご用途に最適な材料を取りそろえて おります。

材質区分CLASIFICATION 

品種名TYPE

特  長CHARACTERISTICS 

主な用途APPLICATIONS 

小型低ワット耐振電球用フィラメントトリエーテッドタングステン

(トリタン®)

H36 26%Re-W 電気抵抗、機械強度をさらに高めた合金ワイヤ 電子管用等の高抵抗フィラメント

■ クラック検査

レニウムタングステン

(レニタン®)

W53 送信管、マグネトロン用、各種放電電極用1.0%ThO2-W 電子管用標準トリタン®

W54 送信管、マグネトロン用、各種放電電極用1.7%ThO2-W 電子管用標準トリタン®

W56 TIG溶接棒、各種放電電極2.0%ThO2-W 放電電極用トリタン®

H37 半導体素子検査用プローブピン3%Re-W プローブピン用レニタン®

熱電対用 +側H38 5%Re-W 白金熱電対に比べ熱起電力が大きく リニアリティーが良好でかつ高温度域 (2300℃)まで計測可能H39 熱電対用 -側26%Re-W

W51 0.7%ThO2-W ThO2の分散による高い高温強度とCo添加により改善された耐振性をあわせもつランプフィラメント用タングステン

W5X 0.5%ThO2-W 放電電極用トリタン® 各種放電電極

H30 室温から高温に至るまでの強度と 再結晶後の延性に優れたタングステン

電子管用ヒータ、特殊耐振電球用、プローブピン

3%Re-W

W31 ノンサグ性に優れる標準ドープタングステン 電球・蛍光灯用フィラメント、管球用ヒータドープタングステン

レニウムタングステン線(レニタン®)(RENIUM-TUNGSTEN WIRES)

東芝のレニウムタングステン(レニタン®)ワイヤは、独自に開発したレニウムとタングステンの合金化技術と最適な加工技術の確立によって実現したクラック等の欠陥が少ない均質な高機能タングステンワイヤーです。

レニタンワイヤはタングステン単元素のワイヤに比べて大きな電気比抵抗を持ちますが、あわせてその機械的特性にも特長があります。これらの特性はレニウムの含有量に応じて異なり、東芝では各種のご用途にあわせて最適な材質をラインアップしております。

H30は3wt%レニウム-Wの基本組成にAl、Si、Kをドープ剤として添加して合金化しますので、そのワイヤーはノンサグ性に優 れ る と と も に 、 ド ー プ タ ン グ ス テ ン の よ う な 二 次 再 結 晶 化 後 の 強 さ の 急 激 な 低 下 を 起 こ し ま せ ん 。 ※図ー1をご参照ください

また、最適な熱処理によってドープタングステンでは見られない高い延性が得られます。この特性を利用して各種の電子管用ヒーターや耐震性の要求される小型電球などに広く利用され、多くのお客様より大変ご好評を頂いております。

H36はレニウム添加量を増加することにより、電気抵抗および引張強さなどをさらに高めたレニタンです。

品 種 名TYPEH30H36H37H38H39

ドープ剤を添加し、ノンサグ性に優れた3%レニウムタングステン合金ワイヤ26%レニウム添加タングステンで、さらに電気抵抗、機械強度の高い合金ワイヤ半導体検査用等のプローブピン用に開発した3%レニウムタングステンワイヤ5%レニウム添加タングステンで、熱電対の+側に使用される合金ワイヤ26%レニウム添加タングステンで、熱電対の-側に使用される合金ワイヤ

特    長

■ 製  品

■ 化学成分品 種 名

TYPEH30H36H37H38H39

3 26 3 5 

26 

≦100≦  5≦  5≦ 100≦  5

≦30≦30≦30≦30≦30

≦50≦50≦50≦50≦50

≧99.95≧99.95≧99.95≧99.95≧99.95

Re(wt%) K Fe Mo W(wt%)*

図ー1 熱処理後の引張強さの変化(H30 15μm)

0500

100015002000250030003500400045005000

1700 2200 2700熱処理温度 ℃×5分間保持

引張

強さ

 N

/mm

2

H30

W31

図ー2 熱処理後の伸びの変化(H30 15μm)

図ー3 各種東芝レニタンワイヤの電気比抵抗 図ー4 レニウム量による電気比抵抗の変化

01234

56789

1700 2200 2700熱処理温度(℃)×5分間保持

伸び

 %

H30

W31

0

100

200

300

400

500

600

0 200 400 600 800 1000測定温度  ℃

電気

比抵

抗 

nΩ・m H36

H30, H37

W31(比較)

0

100

200

300

400

500

600

0 10 20 30含有Reのwt%

電気

比抵

抗 

nΩ-m

20℃100℃

500℃

900℃

(ppm) (ppm) (ppm)

測定温度

- 17 -

*W(wt%)はRe分を除いた タングステンの純度を示します。

AsAs

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タングステン線・棒(TUNGSTEN ROD AND WIRE)

- 16 -

連続式クラック検査装置(CD) 自動CD装置

東芝タングステン線・棒製品には三種の基本材質があります。 1) レニウムタングステン 2) トリエーテッドタングステン 3) ドープタングステンこれらはさらに特徴を備えて細分化されており、各種のご用途に最適な材料を取りそろえて おります。

材質区分CLASIFICATION 

品種名TYPE

特  長CHARACTERISTICS 

主な用途APPLICATIONS 

小型低ワット耐振電球用フィラメントトリエーテッドタングステン

(トリタン®)

H36 26%Re-W 電気抵抗、機械強度をさらに高めた合金ワイヤ 電子管用等の高抵抗フィラメント

■ クラック検査

レニウムタングステン

(レニタン®)

W53 送信管、マグネトロン用、各種放電電極用1.0%ThO2-W 電子管用標準トリタン®

W54 送信管、マグネトロン用、各種放電電極用1.7%ThO2-W 電子管用標準トリタン®

W56 TIG溶接棒、各種放電電極2.0%ThO2-W 放電電極用トリタン®

H37 半導体素子検査用プローブピン3%Re-W プローブピン用レニタン®

熱電対用 +側H38 5%Re-W 白金熱電対に比べ熱起電力が大きく リニアリティーが良好でかつ高温度域 (2300℃)まで計測可能H39 熱電対用 -側26%Re-W

W51 0.7%ThO2-W ThO2の分散による高い高温強度とCo添加により改善された耐振性をあわせもつランプフィラメント用タングステン

W5X 0.5%ThO2-W 放電電極用トリタン® 各種放電電極

H30 室温から高温に至るまでの強度と 再結晶後の延性に優れたタングステン

電子管用ヒータ、特殊耐振電球用、プローブピン

3%Re-W

W31 ノンサグ性に優れる標準ドープタングステン 電球・蛍光灯用フィラメント、管球用ヒータドープタングステン

レニウムタングステン線(レニタン®)(RENIUM-TUNGSTEN WIRES)

東芝のレニウムタングステン(レニタン®)ワイヤは、独自に開発したレニウムとタングステンの合金化技術と最適な加工技術の確立によって実現したクラック等の欠陥が少ない均質な高機能タングステンワイヤーです。

レニタンワイヤはタングステン単元素のワイヤに比べて大きな電気比抵抗を持ちますが、あわせてその機械的特性にも特長があります。これらの特性はレニウムの含有量に応じて異なり、東芝では各種のご用途にあわせて最適な材質をラインアップしております。

H30は3wt%レニウム-Wの基本組成にAl、Si、Kをドープ剤として添加して合金化しますので、そのワイヤーはノンサグ性に優 れ る と と も に 、 ド ー プ タ ン グ ス テ ン の よ う な 二 次 再 結 晶 化 後 の 強 さ の 急 激 な 低 下 を 起 こ し ま せ ん 。 ※図ー1をご参照ください

また、最適な熱処理によってドープタングステンでは見られない高い延性が得られます。この特性を利用して各種の電子管用ヒーターや耐震性の要求される小型電球などに広く利用され、多くのお客様より大変ご好評を頂いております。

H36はレニウム添加量を増加することにより、電気抵抗および引張強さなどをさらに高めたレニタンです。

品 種 名TYPEH30H36H37H38H39

ドープ剤を添加し、ノンサグ性に優れた3%レニウムタングステン合金ワイヤ26%レニウム添加タングステンで、さらに電気抵抗、機械強度の高い合金ワイヤ半導体検査用等のプローブピン用に開発した3%レニウムタングステンワイヤ5%レニウム添加タングステンで、熱電対の+側に使用される合金ワイヤ26%レニウム添加タングステンで、熱電対の-側に使用される合金ワイヤ

特    長

■ 製  品

■ 化学成分品 種 名

TYPEH30H36H37H38H39

3 26 3 5 

26 

≦100≦  5≦  5≦ 100≦  5

≦30≦30≦30≦30≦30

≦50≦50≦50≦50≦50

≧99.95≧99.95≧99.95≧99.95≧99.95

Re(wt%) K Fe Mo W(wt%)*

図ー1 熱処理後の引張強さの変化(H30 15μm)

0500

100015002000250030003500400045005000

1700 2200 2700熱処理温度 ℃×5分間保持

引張

強さ

 N

/mm

2

H30

W31

図ー2 熱処理後の伸びの変化(H30 15μm)

図ー3 各種東芝レニタンワイヤの電気比抵抗 図ー4 レニウム量による電気比抵抗の変化

01234

56789

1700 2200 2700熱処理温度(℃)×5分間保持

伸び

 %

H30

W31

0

100

200

300

400

500

600

0 200 400 600 800 1000測定温度  ℃

電気

比抵

抗 

nΩ・m H36

H30, H37

W31(比較)

0

100

200

300

400

500

600

0 10 20 30含有Reのwt%

電気

比抵

抗 

nΩ-m

20℃100℃

500℃

900℃

(ppm) (ppm) (ppm)

測定温度

- 17 -

*W(wt%)はRe分を除いた タングステンの純度を示します。

AsAs

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照明用ドープタングステン線(DOPED TUNGSTEN WIRES FOR LAMPS)

東芝照明用ドープタングステンワイヤは、粉末製造工程でドープ剤を添加し、通電によって焼結したインゴットを、最適な条件で塑性加工することによって結晶組織の大きさ・形状を制御したノンサグワイヤです。

W31 は東芝ノンサグワイヤで、電球・蛍光灯の他ハロゲンランプ等に長年使用され、多くのお客様より御好評を頂いております。

東芝の照明用ドープタングステンワイヤ W31 は厳しい品質管理のもとで製造を行っております。

ノンサグ性の評価は当社規格によるサグテストで管理を行っております。表1にのサグテスト値の標準規格を示します。

W31 S=12mm以下 S=12mm以下 -

サグテストとは、JIS H4460で加熱変形試験として規定されており、80%FC(2910℃)(FC:Fusion Current)で評価されます。

当 社 ではこれに準 拠し、さらに高 温 の 9 0 % F C (3040℃)での強制試験を行っております。

また、高温耐変形性に優れる線の評価方法として、試料を水平に保持することにより変形の駆動力を高めた、水平保持型強制加熱変形試験を実施しております。

W31のサグテスト規格値

φ1.0mmワイヤの二次再結晶組織

φ0.4mmワイヤ二次再結晶組織

- 18 - - 19 -

サグテスト後の結晶粒界に現れた整列ドープ孔

1L=1

30mm

1/2L=

65mm

12mm

Smm

サグ値=S(mm)

垂直保持型サグテスト

水平保持強制サグテスト

品 種 名 JIS法 線径:0.4mm 試料:垂直保持 最高加熱温度:80%FC

強制試験法 線径:0.4mm 試料:垂直保持 最高加熱温度:90%FC

水平保持強制試験法 線径:0.4mm 試料:水平保持 最高加熱温度:90%FC

Δh mm

サグ値=Δh (mm)

トリエーテッドタングステン線・棒(トリタン®)(THORIATED TUNGSTEN WIRES)

品 種 名TYPEW5XW51W53W54W56

電子放出性に優れ、高温変形を起こしにくい 0.5%トリア添加タングステンノンサグ性に優れ、振動に強い電球用フィラメント 0.7%トリア添加タングステン電子放出性に優れ、高温変形を起こしにくい 1.0%トリア添加タングステン電子放出性に優れ、高温変形を起こしにくい 1.7%トリア添加タングステン電子放出性に優れ、電極摩耗の少ない 2.0%トリア添加タングステン 

特    長

1. 製  品

2. 化学成分

■ 放電電極用トリタン®

■ 電子管用トリタン®ワイヤ

トリア(ThO2:二酸化トリウム)を含有したタングステンワイヤは、合金化されたトリウムによる仕事関数の低減によってより多くの熱電子を放出することが出来るため、電子管、放電灯用電極やティグ溶接(TIG溶接棒)などに使われています。また、トリアが高融点物質であるためその分散強化効果によって高温での機械的特性を高め、変形を起こしにくいタングステンであることも良く知られています。

東芝では重要成分であるトリアを均質に分散させるために、独自の合金化技術と加工技術を駆使し、電子放射特性と機械特性の優れた高品質のトリタン®製品をご提供しております。

■ 耐震電球フィラメント用トリタン®ワイヤ

電子管用トリタン®W53、W54では、高温での強さを維持するためにドープタングステン同様に長大な再結晶粒の形成が必要です。

最適な再結晶粒形成には適切な熱処理条件を選択することが大切で、通常は二次再結晶完了温度よりもやや高い温度(50%FC前後)での保持が適しています。また、表面の炭化層の厚みも耐変形性に大きな影響を与えるため、炭化条件への注意も必要です。

W51はトリア(ThO2)を微細に分散させたトリタン®で、トリア粒子の分散強化によって高温強さに優れる、耐振電球用のフィラメント材料です。しかし2450℃ではトリアとタングステンが反応し分散効果が失われるため、この温度付近以上ではドープタングステンよりも強度は低くなります。低lm/W電球にはW51が最適です。

後述の参考資料「高温におけるタングステンの強さ特性」をご参照ください

■ TIG溶接電極用トリタン®

トリタン®は電子放射性に優れ、低温度でアークが安定するため 母材への溶け込みが少ないTIG溶接電極として用いられます。

トリタン®は電子放射性に優れ、電極消耗が少ない放電電極として用いられます。

0.50.71.01.72.0

≦ 30≦ 30≦ 30≦ 30≦ 30

≦ 50≦ 50≦ 50≦ 50≦ 50

≧99.95≧99.95≧99.95≧99.95≧99.95

ThO2(wt%) Fe Mo W(wt%)*(ppm) (ppm)

-100~200

---

Co (ppm)品 種 名

TYPEW5XW51W53W54W56

トリタン®コイル(マグネトロン)

*W(wt%)はThO2分を除いた タングステンの純度を示します。

放電電極用トリタン®

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照明用ドープタングステン線(DOPED TUNGSTEN WIRES FOR LAMPS)

東芝照明用ドープタングステンワイヤは、粉末製造工程でドープ剤を添加し、通電によって焼結したインゴットを、最適な条件で塑性加工することによって結晶組織の大きさ・形状を制御したノンサグワイヤです。

W31 は東芝ノンサグワイヤで、電球・蛍光灯の他ハロゲンランプ等に長年使用され、多くのお客様より御好評を頂いております。

東芝の照明用ドープタングステンワイヤ W31 は厳しい品質管理のもとで製造を行っております。

ノンサグ性の評価は当社規格によるサグテストで管理を行っております。表1にのサグテスト値の標準規格を示します。

W31 S=12mm以下 S=12mm以下 -

サグテストとは、JIS H4460で加熱変形試験として規定されており、80%FC(2910℃)(FC:Fusion Current)で評価されます。

当 社 ではこれに準 拠し、さらに高 温 の 9 0 % F C (3040℃)での強制試験を行っております。

また、高温耐変形性に優れる線の評価方法として、試料を水平に保持することにより変形の駆動力を高めた、水平保持型強制加熱変形試験を実施しております。

W31のサグテスト規格値

φ1.0mmワイヤの二次再結晶組織

φ0.4mmワイヤ二次再結晶組織

- 18 - - 19 -

サグテスト後の結晶粒界に現れた整列ドープ孔

1L=1

30mm

1/2L=

65mm

12mm

Smm

サグ値=S(mm)

垂直保持型サグテスト

水平保持強制サグテスト

品 種 名 JIS法 線径:0.4mm 試料:垂直保持 最高加熱温度:80%FC

強制試験法 線径:0.4mm 試料:垂直保持 最高加熱温度:90%FC

水平保持強制試験法 線径:0.4mm 試料:水平保持 最高加熱温度:90%FC

Δh mm

サグ値=Δh (mm)

トリエーテッドタングステン線・棒(トリタン®)(THORIATED TUNGSTEN WIRES)

品 種 名TYPEW5XW51W53W54W56

電子放出性に優れ、高温変形を起こしにくい 0.5%トリア添加タングステンノンサグ性に優れ、振動に強い電球用フィラメント 0.7%トリア添加タングステン電子放出性に優れ、高温変形を起こしにくい 1.0%トリア添加タングステン電子放出性に優れ、高温変形を起こしにくい 1.7%トリア添加タングステン電子放出性に優れ、電極摩耗の少ない 2.0%トリア添加タングステン 

特    長

1. 製  品

2. 化学成分

■ 放電電極用トリタン®

■ 電子管用トリタン®ワイヤ

トリア(ThO2:二酸化トリウム)を含有したタングステンワイヤは、合金化されたトリウムによる仕事関数の低減によってより多くの熱電子を放出することが出来るため、電子管、放電灯用電極やティグ溶接(TIG溶接棒)などに使われています。また、トリアが高融点物質であるためその分散強化効果によって高温での機械的特性を高め、変形を起こしにくいタングステンであることも良く知られています。

東芝では重要成分であるトリアを均質に分散させるために、独自の合金化技術と加工技術を駆使し、電子放射特性と機械特性の優れた高品質のトリタン®製品をご提供しております。

■ 耐震電球フィラメント用トリタン®ワイヤ

電子管用トリタン®W53、W54では、高温での強さを維持するためにドープタングステン同様に長大な再結晶粒の形成が必要です。

最適な再結晶粒形成には適切な熱処理条件を選択することが大切で、通常は二次再結晶完了温度よりもやや高い温度(50%FC前後)での保持が適しています。また、表面の炭化層の厚みも耐変形性に大きな影響を与えるため、炭化条件への注意も必要です。

W51はトリア(ThO2)を微細に分散させたトリタン®で、トリア粒子の分散強化によって高温強さに優れる、耐振電球用のフィラメント材料です。しかし2450℃ではトリアとタングステンが反応し分散効果が失われるため、この温度付近以上ではドープタングステンよりも強度は低くなります。低lm/W電球にはW51が最適です。

後述の参考資料「高温におけるタングステンの強さ特性」をご参照ください

■ TIG溶接電極用トリタン®

トリタン®は電子放射性に優れ、低温度でアークが安定するため 母材への溶け込みが少ないTIG溶接電極として用いられます。

トリタン®は電子放射性に優れ、電極消耗が少ない放電電極として用いられます。

0.50.71.01.72.0

≦ 30≦ 30≦ 30≦ 30≦ 30

≦ 50≦ 50≦ 50≦ 50≦ 50

≧99.95≧99.95≧99.95≧99.95≧99.95

ThO2(wt%) Fe Mo W(wt%)*(ppm) (ppm)

-100~200

---

Co (ppm)品 種 名

TYPEW5XW51W53W54W56

トリタン®コイル(マグネトロン)

*W(wt%)はThO2分を除いた タングステンの純度を示します。

放電電極用トリタン®

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- 20 - - 21 -

ドープタングステン線・棒(DOPED TUNGSTEN ROD AND WIRE)

東芝のドープタングステン線は、Al、Si、Kをドープ剤として添加した標準ノンサグワイヤをベースに、高温耐振性、 耐黒化性等、各種の照明用ランプの厳しい要求に応えた、高品質のタングステンワイヤです。

品 種 名TYPE

W31

一般照明、ハロゲンランプフィラメント用

特    長CHARACTERISTICS

■ 製  品

■ 化学成分

品 種 名TYPE

W31 ≦100 ≦30 ≦30 - - ≧99.95

K(ppm) Fe(ppm) Mo(ppm) Co(ppm) Ca(ppm) W(wt%)

種 名TYPE

01

10

25

36

40

44

工業会規格の記号

VWW1D

VWW1DS

VWW1EH

VWW1ES

VWW1E

VWW1ES

線引

○○

真直加工

 ○

電解研磨加工

  ○○○○

熱処理

  ○   

寸法範囲(φmm)

0.018~1.00

0.011~0.30

0.025~0.21

0.018~0.30

0.0032~1.00

0.0036~0.018

■ 仕上げ区分(2) ドープタングステン線 DOPED TUNGSTEN WIRE

品 種 名TYPE

01

10

60

転打 線引 真直加工 機械研磨 寸法範囲(φmm)

0.40~15.0 

0.40~2.50

0.50~15.0

VWB1SVWB1DVWB1D

VWB1DS

○○○ ○

■ 仕上げ区分(1) ドープタングステン棒 DOPED TUNGSTEN ROD

工業会規格の記号

○ ○ ○ VWB1G

モリブデン線・棒(MOLYBDENUM WIRE AND ROD)

東芝モリブデン線・棒製品には基本材質として、(1)純モリブデン(M10)、(2)ドープモリブデン(M40)の2種類があります。これらをそれぞれのご用途に応じてオーダーサイズに加工し仕上げ処理を施します。

品 種 名TYPE

特   長CHARACTERISTICS

主な用途APPLICATIONS

アンカー、サポート、シングルコイル用マンドレル、炉用ヒーター

放電灯用アウターリード、各種ガラス封着部品、炉用ヒーター

ドープモリブデン。再結晶温度・高温強さが高く、熱処理後の延性に優れる。

M10

M40

純モリブデン

■ 製  品

■ 仕上げ区分(1) モリブデン棒 (MOLYBDENUM ROD)

品 種 名TYPE

寸法範囲 φmmSIZE

工業会規格記号

1.00~50.0

1.00~50.0

0.30~30.03.01~50.00.75~3.00

01 MB1SMB1D

MB1G

MB1DS

MB1G

転打 機械研磨線引 真直加工

○ ○

○ ○○

○○

ホーニング

6065

51

10

■ 仕上げ区分(2) モリブデン線 (MOLYBDENUM WIRE)

工業会規格記号品 種 名TYPE

寸法範囲 φmmSIZE

20

40

MW1DH

MW2DH

MW1E

MW2E

線引 熱処理 電解研磨

01 MW1S

MW2D○ 0.025~1.00

0.025~1.00

0.050~1.00

製品

M10

M40

M10

M40

M10

M40

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ドープタングステン線・棒(DOPED TUNGSTEN ROD AND WIRE)

東芝のドープタングステン線は、Al、Si、Kをドープ剤として添加した標準ノンサグワイヤをベースに、高温耐振性、 耐黒化性等、各種の照明用ランプの厳しい要求に応えた、高品質のタングステンワイヤです。

品 種 名TYPE

W31

一般照明、ハロゲンランプフィラメント用

特    長CHARACTERISTICS

■ 製  品

■ 化学成分

品 種 名TYPE

W31 ≦100 ≦30 ≦30 - - ≧99.95

K(ppm) Fe(ppm) Mo(ppm) Co(ppm) Ca(ppm) W(wt%)

種 名TYPE

01

10

25

36

40

44

工業会規格の記号

VWW1D

VWW1DS

VWW1EH

VWW1ES

VWW1E

VWW1ES

線引

○○

真直加工

 ○

電解研磨加工

  ○○○○

熱処理

  ○   

寸法範囲(φmm)

0.018~1.00

0.011~0.30

0.025~0.21

0.018~0.30

0.0032~1.00

0.0036~0.018

■ 仕上げ区分(2) ドープタングステン線 DOPED TUNGSTEN WIRE

品 種 名TYPE

01

10

60

転打 線引 真直加工 機械研磨 寸法範囲(φmm)

0.40~15.0 

0.40~2.50

0.50~15.0

VWB1SVWB1DVWB1D

VWB1DS

○○○ ○

■ 仕上げ区分(1) ドープタングステン棒 DOPED TUNGSTEN ROD

工業会規格の記号

○ ○ ○ VWB1G

モリブデン線・棒(MOLYBDENUM WIRE AND ROD)

東芝モリブデン線・棒製品には基本材質として、(1)純モリブデン(M10)、(2)ドープモリブデン(M40)の2種類があります。これらをそれぞれのご用途に応じてオーダーサイズに加工し仕上げ処理を施します。

品 種 名TYPE

特   長CHARACTERISTICS

主な用途APPLICATIONS

アンカー、サポート、シングルコイル用マンドレル、炉用ヒーター

放電灯用アウターリード、各種ガラス封着部品、炉用ヒーター

ドープモリブデン。再結晶温度・高温強さが高く、熱処理後の延性に優れる。

M10

M40

純モリブデン

■ 製  品

■ 仕上げ区分(1) モリブデン棒 (MOLYBDENUM ROD)

品 種 名TYPE

寸法範囲 φmmSIZE

工業会規格記号

1.00~50.0

1.00~50.0

0.30~30.03.01~50.00.75~3.00

01 MB1SMB1D

MB1G

MB1DS

MB1G

転打 機械研磨線引 真直加工

○ ○

○ ○○

○○

ホーニング

6065

51

10

■ 仕上げ区分(2) モリブデン線 (MOLYBDENUM WIRE)

工業会規格記号品 種 名TYPE

寸法範囲 φmmSIZE

20

40

MW1DH

MW2DH

MW1E

MW2E

線引 熱処理 電解研磨

01 MW1S

MW2D○ 0.025~1.00

0.025~1.00

0.050~1.00

製品

M10

M40

M10

M40

M10

M40

Page 22: »ï¬µÂïKÞæÒÃïタングステン粉末 タングステン粉末は、超硬合金、放射線遮蔽用高密度合金、電気接点、高温炉発熱体、溶射被膜、各種棒および板材等の原料とし

- 22 -

タングステン線の一般的特性(MECHANICAL PROPERTIES OF TUNGSTEN WIRE )

■ 熱処理特性 (MECHANICAL PROPERTIES OF ANNEALED TUNGSTEN WIRE)

■ 高温におけるタングステンの強さ特性 (STRENGTH AT HIGH TEMPERATURE)

タングステンワイヤの熱処理後の機械的特性は材質によって異なり、それぞれの材質の持つ特性を最適な熱処理で引き出すことで、用途にあった最適な材料となります。これはタングステン独特の二次再結晶後の組織をドープ剤の働きによって制御出来るためで、熱処理やフラッシング処理条件と深い関係があります。

東芝の各種のタングステンワイヤの熱処理後の特性を図に示しますが、二次再結晶が完了する温度ではW51が最も高くW41が低いことがわかります。ランプ用のフィラメントの場合は最終的には二次再結晶組織状態で使われますが、最終のランプで良好な再結晶組織を得るためには、このような再結晶挙動を考慮に入れて、最適な熱処理、フラッシング条件をご選択されることが大切です。

タングステンはその性質上、熱処理をすると加工組織が消失し靱性が下がり脆くなります。(延性-脆性遷移温度の上昇が起こる)従って、特に太線で加熱処理後の取り扱いには注意を要します。

二次再結晶組織状態まで加熱されますと、以降の加工は、常温でほとんど不可能になります。

高温状態での各種タングステンワイヤーの強さについて、右図にデータを示します。

ドープ剤(Al、K、Si)を添加したタングステンワイヤは、再結晶後に長大再結晶組織を形成し、また残留ドープ剤が整列した微細なドープ孔を発現させます。これらの働きが高温下でのタングステンワイヤの強さの維持に役立っています。

W51はトリア(ThO2)を微細に分散させたトリタン®(トリエー

テッドタングステンワイヤー)で、トリア粒子の分散強化によって高温強さが維持されるので耐振電球用のフィラメントに最適な材料です。

しかし2450℃ではトリアとタングステンは反応し分散効果が失われるため、この温度付近以上ではドープタングステンよりも高温での強さは低くなります。

Asdrawn

400 800 1,200 1,600 2,000 2,400

Annealing Temperature(°C)

2,450

1,960

1,470

980

490

Tens

ile S

tren

gth

(N/m

m2)

W51

W31Wire size φ0.39mm

W41

各種東芝製Wワイヤの熱処理後における引張り強さ

Asdrawn

400 800 1,200 1,600 2,000 2,400

熱処理温度(°C)

破壊

する

まで

の折

り曲

げ回

30

20

10

0

Bend angle : 90°Bend edge : 0.5mmRTemp.   :R.T.Wire  :φ0.39mm

Asdrawn

400 800 1,200 1,600 2,000 2,400熱処理温度 (℃)

延性

-脆

性遷

移温

度 (℃

)

200

100

0

-100

Bend angle : 90°Bend edge : 0.5mmRWire : φ0.39mm

1,700 1,900 2,100 2,300 2,500 2,700 2,900

300

200

100高温

引張

強さ

(N/m

m2)

試験温度(℃)

W51

W31

un-doped W

各種東芝タングステン材料の高温引張強さ

- 23 -

タングステン線の一般的特性(MECHANICAL PROPERTIES OF TUNGSTEN WIRE )

7 8 910 20 30 40 50サグ量 (mm)

20

108

6

4

3

2

1

結晶

粒の

アス

ペク

ト比

(L/W

)

φ0.39mm65%FC 30s90%FC 5min

タングステンワイヤにおけるサグ量と結晶組織の関連

■ ノンサグ性と再結晶 (NON-SAG CHARACTERISTICS AND RECRISTLIZATION)

■ 室温での特性 (PROPERTIES OF DRAWN WIRE AT ROOM TEMPERATURE)

サグテストを行った後のタングステンの再結晶組織を金属顕微鏡で観察しますと、図で示しましたようにノンサグ性に優れた材料は長大な結晶粒を有しています。再結晶粒のアスペクト比(結晶粒の幅に対する長さの比)が大きいほどサグを起こしにくいことがわかります。

タングステン線は線径が細くなるにつれて引張り強さが増し、同時に靱性も増加し二次加工性が向上します。このため細線ではコイリングが容易になりますが、高速コイリングを行う場合、あるいは線径がφ0.2mm以上の線の加工の場合には温間での加工をお勧めします。特にトリタン®ではトリア粒子の分散により二次加工性がドープタングステンよりも劣りますので、マンドレル径、コイリング速度、加熱温度に注意する必要があります。

W53ワイヤの熱処理条件または炭化層の厚みとサグ値との関係

8

9

10

11

12

13

14

15

30 40 50 60 70 80 90熱処理電流 (%FC)

サグ

値 (m

m)

heating time20min

9

8

10

11

0 100 200炭化層の厚み(μ)

サグ

値 (m

m)

φ0.885mmCarbonization current : 49%FCSag test : 55%FC 3min

1.0 10.0 1002,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

線径 (mg/200mm(MG))

タングステン線の引張強さ室温

 引

張強

さ (N

/mm

2)

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- 22 -

タングステン線の一般的特性(MECHANICAL PROPERTIES OF TUNGSTEN WIRE )

■ 熱処理特性 (MECHANICAL PROPERTIES OF ANNEALED TUNGSTEN WIRE)

■ 高温におけるタングステンの強さ特性 (STRENGTH AT HIGH TEMPERATURE)

タングステンワイヤの熱処理後の機械的特性は材質によって異なり、それぞれの材質の持つ特性を最適な熱処理で引き出すことで、用途にあった最適な材料となります。これはタングステン独特の二次再結晶後の組織をドープ剤の働きによって制御出来るためで、熱処理やフラッシング処理条件と深い関係があります。

東芝の各種のタングステンワイヤの熱処理後の特性を図に示しますが、二次再結晶が完了する温度ではW51が最も高くW41が低いことがわかります。ランプ用のフィラメントの場合は最終的には二次再結晶組織状態で使われますが、最終のランプで良好な再結晶組織を得るためには、このような再結晶挙動を考慮に入れて、最適な熱処理、フラッシング条件をご選択されることが大切です。

タングステンはその性質上、熱処理をすると加工組織が消失し靱性が下がり脆くなります。(延性-脆性遷移温度の上昇が起こる)従って、特に太線で加熱処理後の取り扱いには注意を要します。

二次再結晶組織状態まで加熱されますと、以降の加工は、常温でほとんど不可能になります。

高温状態での各種タングステンワイヤーの強さについて、右図にデータを示します。

ドープ剤(Al、K、Si)を添加したタングステンワイヤは、再結晶後に長大再結晶組織を形成し、また残留ドープ剤が整列した微細なドープ孔を発現させます。これらの働きが高温下でのタングステンワイヤの強さの維持に役立っています。

W51はトリア(ThO2)を微細に分散させたトリタン®(トリエー

テッドタングステンワイヤー)で、トリア粒子の分散強化によって高温強さが維持されるので耐振電球用のフィラメントに最適な材料です。

しかし2450℃ではトリアとタングステンは反応し分散効果が失われるため、この温度付近以上ではドープタングステンよりも高温での強さは低くなります。

Asdrawn

400 800 1,200 1,600 2,000 2,400

Annealing Temperature(°C)

2,450

1,960

1,470

980

490

Tens

ile S

tren

gth

(N/m

m2)

W51

W31Wire size φ0.39mm

W41

各種東芝製Wワイヤの熱処理後における引張り強さ

Asdrawn

400 800 1,200 1,600 2,000 2,400

熱処理温度(°C)

破壊

する

まで

の折

り曲

げ回

30

20

10

0

Bend angle : 90°Bend edge : 0.5mmRTemp.   :R.T.Wire  :φ0.39mm

Asdrawn

400 800 1,200 1,600 2,000 2,400熱処理温度 (℃)

延性

-脆

性遷

移温

度 (℃

)

200

100

0

-100

Bend angle : 90°Bend edge : 0.5mmRWire : φ0.39mm

1,700 1,900 2,100 2,300 2,500 2,700 2,900

300

200

100高温

引張

強さ

(N/m

m2)

試験温度(℃)

W51

W31

un-doped W

各種東芝タングステン材料の高温引張強さ

- 23 -

タングステン線の一般的特性(MECHANICAL PROPERTIES OF TUNGSTEN WIRE )

7 8 910 20 30 40 50サグ量 (mm)

20

108

6

4

3

2

1

結晶

粒の

アス

ペク

ト比

(L/W

)

φ0.39mm65%FC 30s90%FC 5min

タングステンワイヤにおけるサグ量と結晶組織の関連

■ ノンサグ性と再結晶 (NON-SAG CHARACTERISTICS AND RECRISTLIZATION)

■ 室温での特性 (PROPERTIES OF DRAWN WIRE AT ROOM TEMPERATURE)

サグテストを行った後のタングステンの再結晶組織を金属顕微鏡で観察しますと、図で示しましたようにノンサグ性に優れた材料は長大な結晶粒を有しています。再結晶粒のアスペクト比(結晶粒の幅に対する長さの比)が大きいほどサグを起こしにくいことがわかります。

タングステン線は線径が細くなるにつれて引張り強さが増し、同時に靱性も増加し二次加工性が向上します。このため細線ではコイリングが容易になりますが、高速コイリングを行う場合、あるいは線径がφ0.2mm以上の線の加工の場合には温間での加工をお勧めします。特にトリタン®ではトリア粒子の分散により二次加工性がドープタングステンよりも劣りますので、マンドレル径、コイリング速度、加熱温度に注意する必要があります。

W53ワイヤの熱処理条件または炭化層の厚みとサグ値との関係

8

9

10

11

12

13

14

15

30 40 50 60 70 80 90熱処理電流 (%FC)

サグ

値 (m

m)

heating time20min

9

8

10

11

0 100 200炭化層の厚み(μ)

サグ

値 (m

m)

φ0.885mmCarbonization current : 49%FCSag test : 55%FC 3min

1.0 10.0 1002,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

線径 (mg/200mm(MG))

タングステン線の引張強さ室温

 引

張強

さ (N

/mm

2)

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- 24 -

タングステン線の一般的特性(MECHANICAL PROPERTIES OF TUNGSTEN WIRE )

■ 機械加工に際して (NOTES FOR MACHINING)

■ クラックに対するご注意

■ TIG溶接棒の特性について

0.2mm以上のタングステンの太線、棒、板を曲げ、打ち抜き、切断などの加工をする際には、脆性ー延性遷移温度が室温より高いため加熱して加工する必要があります。モリブデンも同様ですがタングステンより容易です。加熱温度の目安として右のグラフをご参照ください。

切削加工の条件例を表に示します。タングステンに比べるとモリブデンは加工が容易ですが、熟練度が要求されます。

東芝では皆様からの加工依頼にいつでもお応えしております。

クラックを生じたタングステンやモリブデン材料をさらに圧縮、折り曲げ、ねじりなどの二次加工を行いますと、そのクラックは材料の内部を伝播します。

二次加工の前にクラックを発生させないように取り扱ってください。また、万一クラックを発生させてしまった場合には、 クラック部分を除去してから加工をしてください。クラックの除去にあたっては、グラインダー等による研磨が最適です。

東芝のTIG溶接棒には純タングステンとトリタン があります。純タングステンは直流正極性、平衡型交流および直流逆特性溶接の一般用ですが、トリタンは純タングステンに比べますと電子放射性が著しく優れるためアークの発生が容易で、かつ動作中の電極温度が低いため溶接棒の母材への溶け込みが起こらず、欠点数の少ない溶接を行うことができます。

特に2%トリア入り(W56)は広い電流容量範囲で安定したアークが得られます。

200

400

600

800

1000

1200

21 3 4 5 6板の厚さ(mm)

WおよびMoの板の加工で東芝が推奨する温度

推奨

加工

温度

(℃)

1

Tungsten

Molybdenum

     加 工 条 件モリブデン タングステン

加工方法

切削加工(旋盤)

バイト材質バイト形状切込量 ①荒仕上げ    ②仕上げ切削速度送り速度切削油ドリル回転数切削油砥石研削油

穴あけ加工モリブデン(ボール盤)タングステン(旋盤)研削加工平面研磨盤

ハイス (SKH-4)

1.5mm0.5mm90~110mm/min.0.07~0.13mm/revなしSKH-4300~400rpm水溶性切削油GC601~80K水溶性切削油

ハイス (SKH-8)上すくい角0°0.2~0.3mm0.05mm60~80mm/min.0.05~0.2mm/rev使用不可SKH-4150~250rpmなしGC60H水溶性切削油

ステンレスの場合と同じ(上すくい角15~20°)

注;孔の深さはドリル径に  対して3倍位まで

R

使用前  使用後 使用前  使用後

トリタンW56純タングステン

電極消耗量mg

0

20

40

60

80

100

アークタイム(秒) アークタイム(秒)3 5 10 20 50 100 200 500

純タングステン純タングステン

トリタン

トリタン

アーク電流AC 500A アーク電流AC 150A

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

電極消耗量mg

3 5 10 20 50 100200 500

TIG溶接棒■ 高温特性 (HIGH TEMPERATURE CHARACTERISTICS)

- 25 -

モリブデン線の一般的特性(MECHANICAL PROPERTIES OF MOLYBDENUM WIRE)

モリブデン線は部品として加工する前に熱処理を施し、柔軟性を大きくした一次再結晶状態で通常使用されます。

M40はドープ剤の添加効果により、M10,M20に比べて二次再結晶温度(図のⅤの領域に相当)が高くなると同時に長大な再結晶粒を形成します。このため高温下でご使用になる場合や再結晶後の強度を要求されるご用途に適しています。

■ 各種モリブデン線の特性値

As drawn 1000 1200 1400 1600 1800

熱処理時間(℃×5min.)800

熱処理温度と折曲げ強さの関係

折り

曲げ

回数(

回/

0.

5R

-9

0°)

1100 1300 1500 1700

M10

M40

0

5

10

15

20

モリブデンシートの絞り特性を示すエリクセン特性を下図に示します。

0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7

Eric

hseb

Cup

ping

Tes

t Valu

e

1

2

3

4

5

6

7

Thickness (mm)

Erichsen cupping test value of Molybdenum sheet

モリブデンを高温構造材としてご設計いただくとき、高温強さデータとして下記のグラフをご参考にしてください。その場合、たとえば耐力としては図より求まる強さ値に60~70%を乗じ、さらに安全係数を3~5倍に見て設計するとよいと考えます。但しご用途によっては、他の元素との反応、酸化による消耗、蒸発などの劣化を併せてご考慮いただく必要があります。

Test Temperature (℃)200 400 600 800 000 12001400

Tensile strength of Molybdenum at high temperature

600

500

400

300

200

100Te

nsile

stre

ngth

(N/m

m2 )

As wrouhgt,50-70% reduced

As sintered

Test Temperature (℃)200 400 600 800 000 12001400

Hardness of Molybdenumat high temperature

Mic

ro V

icke

rs h

ardn

ess

num

ber

300

250

200

150

100

50

As drawn 1,000 1,200 1,400 1,600 1,800

熱処理時間(℃×5min.)800

熱処理温度と引張強さの関係

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

2,000

引張

強さ(

N/m

m2

1,100 1,300 1,500 1,700

M40M10

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- 24 -

タングステン線の一般的特性(MECHANICAL PROPERTIES OF TUNGSTEN WIRE )

■ 機械加工に際して (NOTES FOR MACHINING)

■ クラックに対するご注意

■ TIG溶接棒の特性について

0.2mm以上のタングステンの太線、棒、板を曲げ、打ち抜き、切断などの加工をする際には、脆性ー延性遷移温度が室温より高いため加熱して加工する必要があります。モリブデンも同様ですがタングステンより容易です。加熱温度の目安として右のグラフをご参照ください。

切削加工の条件例を表に示します。タングステンに比べるとモリブデンは加工が容易ですが、熟練度が要求されます。

東芝では皆様からの加工依頼にいつでもお応えしております。

クラックを生じたタングステンやモリブデン材料をさらに圧縮、折り曲げ、ねじりなどの二次加工を行いますと、そのクラックは材料の内部を伝播します。

二次加工の前にクラックを発生させないように取り扱ってください。また、万一クラックを発生させてしまった場合には、 クラック部分を除去してから加工をしてください。クラックの除去にあたっては、グラインダー等による研磨が最適です。

東芝のTIG溶接棒には純タングステンとトリタン があります。純タングステンは直流正極性、平衡型交流および直流逆特性溶接の一般用ですが、トリタンは純タングステンに比べますと電子放射性が著しく優れるためアークの発生が容易で、かつ動作中の電極温度が低いため溶接棒の母材への溶け込みが起こらず、欠点数の少ない溶接を行うことができます。

特に2%トリア入り(W56)は広い電流容量範囲で安定したアークが得られます。

200

400

600

800

1000

1200

21 3 4 5 6板の厚さ(mm)

WおよびMoの板の加工で東芝が推奨する温度

推奨

加工

温度

(℃)

1

Tungsten

Molybdenum

     加 工 条 件モリブデン タングステン

加工方法

切削加工(旋盤)

バイト材質バイト形状切込量 ①荒仕上げ    ②仕上げ切削速度送り速度切削油ドリル回転数切削油砥石研削油

穴あけ加工モリブデン(ボール盤)タングステン(旋盤)研削加工平面研磨盤

ハイス (SKH-4)

1.5mm0.5mm90~110mm/min.0.07~0.13mm/revなしSKH-4300~400rpm水溶性切削油GC601~80K水溶性切削油

ハイス (SKH-8)上すくい角0°0.2~0.3mm0.05mm60~80mm/min.0.05~0.2mm/rev使用不可SKH-4150~250rpmなしGC60H水溶性切削油

ステンレスの場合と同じ(上すくい角15~20°)

注;孔の深さはドリル径に  対して3倍位まで

R

使用前  使用後 使用前  使用後

トリタンW56純タングステン

電極消耗量mg

0

20

40

60

80

100

アークタイム(秒) アークタイム(秒)3 5 10 20 50 100 200 500

純タングステン純タングステン

トリタン

トリタン

アーク電流AC 500A アーク電流AC 150A

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

電極消耗量mg

3 5 10 20 50 100200 500

TIG溶接棒■ 高温特性 (HIGH TEMPERATURE CHARACTERISTICS)

- 25 -

モリブデン線の一般的特性(MECHANICAL PROPERTIES OF MOLYBDENUM WIRE)

モリブデン線は部品として加工する前に熱処理を施し、柔軟性を大きくした一次再結晶状態で通常使用されます。

M40はドープ剤の添加効果により、M10,M20に比べて二次再結晶温度(図のⅤの領域に相当)が高くなると同時に長大な再結晶粒を形成します。このため高温下でご使用になる場合や再結晶後の強度を要求されるご用途に適しています。

■ 各種モリブデン線の特性値

As drawn 1000 1200 1400 1600 1800

熱処理時間(℃×5min.)800

熱処理温度と折曲げ強さの関係

折り

曲げ

回数(

回/

0.

5R

-9

0°)

1100 1300 1500 1700

M10

M40

0

5

10

15

20

モリブデンシートの絞り特性を示すエリクセン特性を下図に示します。

0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7

Eric

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Cup

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Tes

t Valu

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1

2

3

4

5

6

7

Thickness (mm)

Erichsen cupping test value of Molybdenum sheet

モリブデンを高温構造材としてご設計いただくとき、高温強さデータとして下記のグラフをご参考にしてください。その場合、たとえば耐力としては図より求まる強さ値に60~70%を乗じ、さらに安全係数を3~5倍に見て設計するとよいと考えます。但しご用途によっては、他の元素との反応、酸化による消耗、蒸発などの劣化を併せてご考慮いただく必要があります。

Test Temperature (℃)200 400 600 800 000 12001400

Tensile strength of Molybdenum at high temperature

600

500

400

300

200

100

Tens

ile s

treng

th (N

/mm

2 )

As wrouhgt,50-70% reduced

As sintered

Test Temperature (℃)200 400 600 800 000 12001400

Hardness of Molybdenumat high temperature

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ber

300

250

200

150

100

50

As drawn 1,000 1,200 1,400 1,600 1,800

熱処理時間(℃×5min.)800

熱処理温度と引張強さの関係

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

2,000

引張

強さ(

N/m

m2

1,100 1,300 1,500 1,700

M40M10

Page 26: »ï¬µÂïKÞæÒÃïタングステン粉末 タングステン粉末は、超硬合金、放射線遮蔽用高密度合金、電気接点、高温炉発熱体、溶射被膜、各種棒および板材等の原料とし

- 26 - - 27 -

ガス質量分析(Q-MS)装置

FE-SEMICP-MS

クリーンルーム内の分析業務

分析・製品試験装置 分析・製品試験装置

振動試験装置

三次元測定装置 表面粗さ測定装置

微量硫黄および炭素分析装置 ICP発光分光分析装置

フレームレス原子吸光分析装置 走査型オージェ分光分析装置

■ 分析装置

■ 製品試験装置

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ガス質量分析(Q-MS)装置

FE-SEMICP-MS

クリーンルーム内の分析業務

分析・製品試験装置 分析・製品試験装置

振動試験装置

三次元測定装置 表面粗さ測定装置

微量硫黄および炭素分析装置 ICP発光分光分析装置

フレームレス原子吸光分析装置 走査型オージェ分光分析装置

■ 分析装置

■ 製品試験装置

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- 28 - - 29 -

(6)ランプ製造時に用いられる赤燐、ジルコニウム等のゲッター成分の付着によっても脆化することがありますのでご注意ください。

(7)モリブデン構造材料(ヒータ炉部品、電極等)のご使用の際も、汚染脆化、再結晶脆化を十分考慮した上でご使用いただくことが長寿命化につながります。

(8)その他、汚染脆化に関する詳細は技術資料をご請求ください。

4.機械加工(FORMING)

(1)2mm以上の線・棒・板の加工(折り曲げ、打ち抜き、切断等)の際には加熱加工をした方が加工し易くなります。加工温度は、600~800℃が目安ですが、最適温度は素材の加工度によって異なります。

(2)クラックを生じた繊維組織の線・棒・板に圧縮、折り曲げ、しごき、ねじり等の力を加えると、そのクラック(層状クラック)は伝播します。従って、切断や打ち抜きの際には、切り口にクラックを入れない様に、カッタの刃先とクリアランスは常に管理する必要があります。

5.安全上の注意 (CAUTION) (1)タングステン、モリブデン金属粉の摂取を避けるため、粉塵を吸い込まない様に防塵マスクを着用し、食事や喫煙前には石鹸で

手を洗う必要があります。

(2)線・棒の曲げ、機械加工時は保護眼鏡を着用する必要があります。

(3)トリエーテッドタングステン(トリタン®)線は、NORMガイドライン(正式名称:ウラン又はトリウムを含む原材料、製品等の安全確保に関するガイドライン)適用製品です。

  詳しくは、文部科学省のホームページを参照をお願いします。

   ウラン・トリウムガイドライン ホームページ http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/21/06/1279520.htm

(4)放射線の外部被ばく防止のため、人から離れた場所、人が常時立ち入らない場所で保管してください。

(5)ティグ溶接時の先端加工の際は、研磨屑の吸入を避けるため集塵を確実に行い.マスクを着用する必要があります。また、溶接時に発生するヒュームを吸い込まない様にマスクを着用する必要があります。

(6)トリタン®の航空機および船舶での輸送時の注意事項

  当社トリタン製品を船舶および航空機で輸送する場合は、日本国内および海外に関わらず、危険物として輸送上の制約を受けます。本輸送(国連番号:UN2909)では、

・輸送物表面における線量当量率は5マイクロシーベルト毎時を超えないこと

・輸送物の内表面に国内輸送物は、「放射性」、国際輸送物は「Radioactive」の文字表示があること。

・輸送前に運送業者へ危険物として申告し、所定の梱包条件、受入条件を満たすこと。

 が求められます。

  当社製品やその組立て製品に関して、上記安全規則に沿った輸送にご理解頂くようお願い致します。

6.その他(NOTES)

  (1)溶接には、テイグ溶接、バット溶接、電子ビーム溶接、プラズマ溶接等の方法が用いられています。しかし、溶接部は非常に脆くなることを承知の上で施工する必要があります。

  (2)研磨方法としては、化学研磨、電解研磨、グラインダ研磨、バレル研磨等の方法がありますが、それぞれの場合に適した方法を選ぶ必要があります。  

参考文献「タングステン・モリブデン技術資料」

タングステン・モリブデン工業会編集

2009年2月25日発行

ご使用上の注意事項 (Don'ts and Musts in using)

ご使用上の注意事項 (Don'ts and Musts in using)

1.保管に際して(PRESERVATION)

(1)タングステン、モリブデン粉のうちタングステン粉の2μm以下及びモリブデン粉の3μm以下の微粉末は、消防法上第2類の可燃性固体に分類されており、消防法に基づく保管が必要となります。これらの微粉末は火炎を近づけたり、高温で長時間放置したりすると着火燃焼するので注意が必要です。

(2)線引仕上げ線(ブラックワイヤ)は、空気中に放置しても、比較的長期間保存に耐えるので保管が容易です。しかし、熱処理線、化学処理線、電解研磨処理線などは酸化され易いので、これらの線を1週間以上保管するときは湿度60%以下、温度28℃以下で、かつ化学薬品類から隔離された環境が必要です。従いまして、デシケータや空調室(恒温恒湿)等に保管し、表面を素手で触れないように、取扱には十分な注意が必要です。

(3)冷間圧延板、機械加工仕上げ品等も表面が酸化し易いので、乾燥雰囲気での保管が必要です。

(4)10μm程度の極細線では、酸化により線同士が固着し、引き出し不能となることもあります。工程待ちの間でもデシケータ等に保管し、スプールのフランジでワイヤに傷を付けないようにするなど、細心の注意をした管理が必要となります。

(5)スプ-ル巻き細線では、スプールを横にした状態で振動や急激な温度変化を与えることは巻き崩れや「もつれ」等を発生する原因になります。なるべく木箱に縦に並べてください。

2.ご使用に際して(PROCESSING)

(1)表面処理仕上げ線を空気中に放置し、酸化変色した場合、再生のため水素炉処理を行っても、表面がマット状になり延性は劣化します。従いまして、延性を保つには電解研磨による再生をおすすめします。

(2)酸化の程度にもよりますが、モリブデン板の表面が軽く酸化された場合、例えば、冷間圧延した鏡面仕上げ板が青色酸化膜が付着した場合などは、水あるいは湯を浸したきれいな布で拭くことによって酸化皮膜を除去できる場合があります。

(3)スプール巻きワイヤは、原則として線の巻き替えをしないでください。巻き替えが必要な場合でも、真直性を重視する線では、逆張力(Back Tension)が強すぎると真直性を損ないますので、加わる逆張力は線の引張り強さの10%を超えない様にしてください。

(4)加工度の小さいタングステン、モリブデン(棒、板など)は常温では脆い傾向を持っていますので、取り扱い上衝撃や振動を与えることはお避けください。

3.汚染脆化(EMBRRITLEMENT BY CONTAMINATION)

(1)ブラックワイヤのグラファイト層を水素炉で除去する際には、湿潤水素を用い、1300~1500℃程度で処理してください。また、表面処理仕上げ線の熱処理に際しては、前工程での油脂、汗等の付着防止およびその除去を徹底するようご注意ください。

(2)モリブデン板の熱処理(加工歪の除去)をする際には還元性雰囲気(望ましくは乾燥水素)を用い、850~950℃程度で処理を行います。また、酸化膜を除去した板(化学処理、冷間圧延、機械加工仕上げ等)の場合には、グラファイトを除去した線と同様、前工程での油脂、汗類の付着防止およびその除去を徹底するようご注意ください。

(3)モリブデンを600℃で熱処理する場合には、原則として窒素ガスを使用しないでください。

(4)800℃以上の熱処理を行う化学研磨、熱処理、電解研磨、機械仕上げ材料では、ニッケル、鉄、コバルトおよび、その合金製部品、例えば、ピンセット、ガイドプーリ、炉用ボート等との接触を避ける必要があります。なぜなら、接触部に溶融状のピンホールが発生したり、脆化が発生するのを防ぐためです。また、鉄錆びの粉末等が付着した線を熱処理すると同様の現象が発生します。

(5)材料(線・棒・板等)の熱処理に際しては、水素炉の保守に細心の注意を払い、常にきれいな状態にしておくことが必要です。

  ①炉ヒータの交換の際には、著しく変色した耐火物の再使用は危険です。新品を補充するようにしてください。

  ②炉ヒータの交換後の炉の空焼きは十分に行う必要があります。

  ③タングステン・モリブデン熱処理用炉には他の材料、治具、部品を入れないでください。例えば、鉄、ニッケル、カーボン、ステンレス、真ちゅう等の部品はお避けください。また、同様材料の熱処理炉とは区別してください。

Page 29: »ï¬µÂïKÞæÒÃïタングステン粉末 タングステン粉末は、超硬合金、放射線遮蔽用高密度合金、電気接点、高温炉発熱体、溶射被膜、各種棒および板材等の原料とし

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(6)ランプ製造時に用いられる赤燐、ジルコニウム等のゲッター成分の付着によっても脆化することがありますのでご注意ください。

(7)モリブデン構造材料(ヒータ炉部品、電極等)のご使用の際も、汚染脆化、再結晶脆化を十分考慮した上でご使用いただくことが長寿命化につながります。

(8)その他、汚染脆化に関する詳細は技術資料をご請求ください。

4.機械加工(FORMING)

(1)2mm以上の線・棒・板の加工(折り曲げ、打ち抜き、切断等)の際には加熱加工をした方が加工し易くなります。加工温度は、600~800℃が目安ですが、最適温度は素材の加工度によって異なります。

(2)クラックを生じた繊維組織の線・棒・板に圧縮、折り曲げ、しごき、ねじり等の力を加えると、そのクラック(層状クラック)は伝播します。従って、切断や打ち抜きの際には、切り口にクラックを入れない様に、カッタの刃先とクリアランスは常に管理する必要があります。

5.安全上の注意 (CAUTION) (1)タングステン、モリブデン金属粉の摂取を避けるため、粉塵を吸い込まない様に防塵マスクを着用し、食事や喫煙前には石鹸で

手を洗う必要があります。

(2)線・棒の曲げ、機械加工時は保護眼鏡を着用する必要があります。

(3)トリエーテッドタングステン(トリタン®)線は、NORMガイドライン(正式名称:ウラン又はトリウムを含む原材料、製品等の安全確保に関するガイドライン)適用製品です。

  詳しくは、文部科学省のホームページを参照をお願いします。

   ウラン・トリウムガイドライン ホームページ http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/21/06/1279520.htm

(4)放射線の外部被ばく防止のため、人から離れた場所、人が常時立ち入らない場所で保管してください。

(5)ティグ溶接時の先端加工の際は、研磨屑の吸入を避けるため集塵を確実に行い.マスクを着用する必要があります。また、溶接時に発生するヒュームを吸い込まない様にマスクを着用する必要があります。

(6)トリタン®の航空機および船舶での輸送時の注意事項

  当社トリタン製品を船舶および航空機で輸送する場合は、日本国内および海外に関わらず、危険物として輸送上の制約を受けます。本輸送(国連番号:UN2909)では、

・輸送物表面における線量当量率は5マイクロシーベルト毎時を超えないこと

・輸送物の内表面に国内輸送物は、「放射性」、国際輸送物は「Radioactive」の文字表示があること。

・輸送前に運送業者へ危険物として申告し、所定の梱包条件、受入条件を満たすこと。

 が求められます。

  当社製品やその組立て製品に関して、上記安全規則に沿った輸送にご理解頂くようお願い致します。

6.その他(NOTES)

  (1)溶接には、テイグ溶接、バット溶接、電子ビーム溶接、プラズマ溶接等の方法が用いられています。しかし、溶接部は非常に脆くなることを承知の上で施工する必要があります。

  (2)研磨方法としては、化学研磨、電解研磨、グラインダ研磨、バレル研磨等の方法がありますが、それぞれの場合に適した方法を選ぶ必要があります。  

参考文献「タングステン・モリブデン技術資料」

タングステン・モリブデン工業会編集

2009年2月25日発行

ご使用上の注意事項 (Don'ts and Musts in using)

ご使用上の注意事項 (Don'ts and Musts in using)

1.保管に際して(PRESERVATION)

(1)タングステン、モリブデン粉のうちタングステン粉の2μm以下及びモリブデン粉の3μm以下の微粉末は、消防法上第2類の可燃性固体に分類されており、消防法に基づく保管が必要となります。これらの微粉末は火炎を近づけたり、高温で長時間放置したりすると着火燃焼するので注意が必要です。

(2)線引仕上げ線(ブラックワイヤ)は、空気中に放置しても、比較的長期間保存に耐えるので保管が容易です。しかし、熱処理線、化学処理線、電解研磨処理線などは酸化され易いので、これらの線を1週間以上保管するときは湿度60%以下、温度28℃以下で、かつ化学薬品類から隔離された環境が必要です。従いまして、デシケータや空調室(恒温恒湿)等に保管し、表面を素手で触れないように、取扱には十分な注意が必要です。

(3)冷間圧延板、機械加工仕上げ品等も表面が酸化し易いので、乾燥雰囲気での保管が必要です。

(4)10μm程度の極細線では、酸化により線同士が固着し、引き出し不能となることもあります。工程待ちの間でもデシケータ等に保管し、スプールのフランジでワイヤに傷を付けないようにするなど、細心の注意をした管理が必要となります。

(5)スプ-ル巻き細線では、スプールを横にした状態で振動や急激な温度変化を与えることは巻き崩れや「もつれ」等を発生する原因になります。なるべく木箱に縦に並べてください。

2.ご使用に際して(PROCESSING)

(1)表面処理仕上げ線を空気中に放置し、酸化変色した場合、再生のため水素炉処理を行っても、表面がマット状になり延性は劣化します。従いまして、延性を保つには電解研磨による再生をおすすめします。

(2)酸化の程度にもよりますが、モリブデン板の表面が軽く酸化された場合、例えば、冷間圧延した鏡面仕上げ板が青色酸化膜が付着した場合などは、水あるいは湯を浸したきれいな布で拭くことによって酸化皮膜を除去できる場合があります。

(3)スプール巻きワイヤは、原則として線の巻き替えをしないでください。巻き替えが必要な場合でも、真直性を重視する線では、逆張力(Back Tension)が強すぎると真直性を損ないますので、加わる逆張力は線の引張り強さの10%を超えない様にしてください。

(4)加工度の小さいタングステン、モリブデン(棒、板など)は常温では脆い傾向を持っていますので、取り扱い上衝撃や振動を与えることはお避けください。

3.汚染脆化(EMBRRITLEMENT BY CONTAMINATION)

(1)ブラックワイヤのグラファイト層を水素炉で除去する際には、湿潤水素を用い、1300~1500℃程度で処理してください。また、表面処理仕上げ線の熱処理に際しては、前工程での油脂、汗等の付着防止およびその除去を徹底するようご注意ください。

(2)モリブデン板の熱処理(加工歪の除去)をする際には還元性雰囲気(望ましくは乾燥水素)を用い、850~950℃程度で処理を行います。また、酸化膜を除去した板(化学処理、冷間圧延、機械加工仕上げ等)の場合には、グラファイトを除去した線と同様、前工程での油脂、汗類の付着防止およびその除去を徹底するようご注意ください。

(3)モリブデンを600℃で熱処理する場合には、原則として窒素ガスを使用しないでください。

(4)800℃以上の熱処理を行う化学研磨、熱処理、電解研磨、機械仕上げ材料では、ニッケル、鉄、コバルトおよび、その合金製部品、例えば、ピンセット、ガイドプーリ、炉用ボート等との接触を避ける必要があります。なぜなら、接触部に溶融状のピンホールが発生したり、脆化が発生するのを防ぐためです。また、鉄錆びの粉末等が付着した線を熱処理すると同様の現象が発生します。

(5)材料(線・棒・板等)の熱処理に際しては、水素炉の保守に細心の注意を払い、常にきれいな状態にしておくことが必要です。

  ①炉ヒータの交換の際には、著しく変色した耐火物の再使用は危険です。新品を補充するようにしてください。

  ②炉ヒータの交換後の炉の空焼きは十分に行う必要があります。

  ③タングステン・モリブデン熱処理用炉には他の材料、治具、部品を入れないでください。例えば、鉄、ニッケル、カーボン、ステンレス、真ちゅう等の部品はお避けください。また、同様材料の熱処理炉とは区別してください。

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      タングステン TUNGSTEN 項   目  ITEM      モリブデン MOLYBDENUM

74 原   子   番   号 42

183.85 原    子    量 95.95

体心立方晶 結    晶    系 体心立方晶

3387 ℃ 融         点 2623 ℃

5527 ℃ 沸         点 4827 ℃

190.3 kJ/kg 融   解     熱 289.7 kJ/kg

20℃ 19.3 Mg/m3 密         度 20℃ 10.2 Mg/m3

20℃ 0.14kJ/(kg・K) 20℃ 0.26 kJ/(kg・K)

100℃ 0.14kJ/(kg・K) 比  熱(20~100℃) 100℃ 0.26 kJ/(kg・K)

500℃ 0.14kJ/(kg・K) 500℃ 0.28 kJ/(kg・K)

1000℃ 0.15kJ/(kg・K) 1000℃ 0.31 kJ/(kg・K)

1500℃ 0.34 kJ/(kg・K)

20℃ 167.5W/(m・K) 20℃ 142.4 W/(m・K)

100℃ 159.2W/(m・K) 熱  伝  導  度 100℃ 138.2 W/(m・K)

500℃ 121.5W/(m・K) 500℃ 121.5 W/(m・K)

1000℃ 111.0W/(m・K) 1000℃ 104.7 W/(m・K)

2000℃ 92.98W/(m・K) 1500℃ 83.77 W/(m・K)

100℃ 4.5×10-6/K 100℃ 5.2×10-6/K

500℃ 4.6×10-6/K 線 膨 張 係 数 500℃ 5.7×10-6/K

1000℃ 4.6×10-6/K 1000℃ 5.75×10-6/K

2000℃ 5.4×10-6/K 1500℃ 6.51×10-6/K

3000℃ 6.6×10-6/K

2200℃ 5.33×10-6Pa 1500℃ 8.53 ×10-7 Pa

2500℃ 6.67×10-4Pa 蒸    気    圧 1800℃ 5.47×10-5 Pa

3000℃ 1.33×10-1Pa 2000℃ 5.47×10-3 Pa

  2500℃ 1.33 Pa

20℃ 55 nΩ・m 20℃ 57 nΩ・m

100℃ 72 nΩ・m 100℃ 76 nΩ・.m

500℃ 180 nΩ・m 電 気 比 抵 抗 500℃ 176 nΩ・m

1000℃ 330 nΩ・m 1000℃ 310 nΩ・m

2000℃ 650 nΩ・m 1500℃ 460 nΩ・m

3000℃ 1000 nΩ・m 2500℃ 770 nΩ・m

4.6×10-3/K 電気抵抗率の温度係数 4.2×10-3/K

4.5 eV 仕  事  函  数 4.2eV

25℃ 403 GPa ヤ  ン  グ  率 25℃ 327 GPa

25℃ 155 GPa 剛    性    率 25℃ 121 GPa

物理的・機械的性質 (PHYSICAL AND MECHANICAL PROPERTIES)

化学的性質 (CHEMICAL PROPERTIES)

タングステン TUNGSTEN  対 象 物 質 モリブデン MOLYBDENUM

水   蒸   気

空 気 お よ び 酸 素

水     素

炭     素

一 酸 化 炭 素

二 酸 化 炭 素

ア ン モ ニ ア 水

ハ ロ ゲ ン

硫 化 水 素

硫     黄

亜 硫 酸 ガ ス

窒     素

亜 硝 酸 ガ ス

塩     酸

硫     酸

硝     酸

水 酸 化 ナト リ ウ ム

亜 硝 酸 ソ ー ダ

王     水

フ ッ 化 水 素 酸

反応せず

約700℃で酸化を始める

室温でわずかに酸化(変色)する約300℃で酸化し始め約500℃以上でMoO3を形成し急激に酸化する

反応せす

900℃で脆イヒし始め、1300~1400℃でMo2Cを形成する

約1000℃から炭イヒ物を形成する

約1200℃から酸イヒ物を形成する

室温でわずかに反応する

室温て弗化物を形成する250℃で塩化物を形成する沃索とは赤熱状態でも反応しない

約1200℃で硫化物を形成する

600℃以上で硫化物を形成する

赤熱状態で酸化する

600℃以上で脆化が認められ、約1500℃以上で窒化物を形成する

赤熱状態で酸化する

加熱希塩酸に徐々に溶けるわずかに溶ける

室温~110℃濃硫酸に徐々に溶け、200~250℃ですみやかに溶ける室温で希硫酸にわずかに溶け、加熱希硫酸に徐々に溶ける

容易に溶ける

水溶液に殆んど影響されない溶融塩とは急速に反応する

溶融塩に急激に溶解する

室温で溶け、加熱すればすみやかに溶ける

室温でわずかに溶ける

- 30 - - 31 -

反応せず

赤熱状態ですみやかに酸化する

室温でわずかに酸化(変色)する約400~500℃で酸化し始め、700℃以上てWO3を形成し急激に酸化する

反応せず

約800℃より吸収し始め脆化する1400~1600℃でWCを形成する

約850℃より脆化し、約1000℃から炭化物を形成する

約1200℃から酸化物を形成する

室温で反応せず

室温で弗化物を形成する250~300℃で塩化物を形成する赤熱状態で臭化物を形成する熱状態で沃化物を形成する

赤熱状態で表面反応が起る

赤熱状態でわずかに反応する

赤熱状態で酸化する

約2300℃以上で窒化物を形成する

赤熱状態で酸化する

室温で反応せず、約100℃で希・濃塩酸にわずかに溶ける

室温で希硫酸に反応せず、濃硫酸にわずかに溶ける。加熱希硫酸にわずかに溶け、加熱濃硫酸に溶ける

室温でわずかに溶ける

水溶液にわずかに溶ける溶融塩とは急速に反応する

溶融塩に急激に溶解する

加熱溶液に溶ける

室温でわずかに溶ける

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      タングステン TUNGSTEN 項   目  ITEM      モリブデン MOLYBDENUM

74 原   子   番   号 42

183.85 原    子    量 95.95

体心立方晶 結    晶    系 体心立方晶

3387 ℃ 融         点 2623 ℃

5527 ℃ 沸         点 4827 ℃

190.3 kJ/kg 融   解     熱 289.7 kJ/kg

20℃ 19.3 Mg/m3 密         度 20℃ 10.2 Mg/m3

20℃ 0.14kJ/(kg・K) 20℃ 0.26 kJ/(kg・K)

100℃ 0.14kJ/(kg・K) 比  熱(20~100℃) 100℃ 0.26 kJ/(kg・K)

500℃ 0.14kJ/(kg・K) 500℃ 0.28 kJ/(kg・K)

1000℃ 0.15kJ/(kg・K) 1000℃ 0.31 kJ/(kg・K)

1500℃ 0.34 kJ/(kg・K)

20℃ 167.5W/(m・K) 20℃ 142.4 W/(m・K)

100℃ 159.2W/(m・K) 熱  伝  導  度 100℃ 138.2 W/(m・K)

500℃ 121.5W/(m・K) 500℃ 121.5 W/(m・K)

1000℃ 111.0W/(m・K) 1000℃ 104.7 W/(m・K)

2000℃ 92.98W/(m・K) 1500℃ 83.77 W/(m・K)

100℃ 4.5×10-6/K 100℃ 5.2×10-6/K

500℃ 4.6×10-6/K 線 膨 張 係 数 500℃ 5.7×10-6/K

1000℃ 4.6×10-6/K 1000℃ 5.75×10-6/K

2000℃ 5.4×10-6/K 1500℃ 6.51×10-6/K

3000℃ 6.6×10-6/K

2200℃ 5.33×10-6Pa 1500℃ 8.53 ×10-7 Pa

2500℃ 6.67×10-4Pa 蒸    気    圧 1800℃ 5.47×10-5 Pa

3000℃ 1.33×10-1Pa 2000℃ 5.47×10-3 Pa

  2500℃ 1.33 Pa

20℃ 55 nΩ・m 20℃ 57 nΩ・m

100℃ 72 nΩ・m 100℃ 76 nΩ・.m

500℃ 180 nΩ・m 電 気 比 抵 抗 500℃ 176 nΩ・m

1000℃ 330 nΩ・m 1000℃ 310 nΩ・m

2000℃ 650 nΩ・m 1500℃ 460 nΩ・m

3000℃ 1000 nΩ・m 2500℃ 770 nΩ・m

4.6×10-3/K 電気抵抗率の温度係数 4.2×10-3/K

4.5 eV 仕  事  函  数 4.2eV

25℃ 403 GPa ヤ  ン  グ  率 25℃ 327 GPa

25℃ 155 GPa 剛    性    率 25℃ 121 GPa

物理的・機械的性質 (PHYSICAL AND MECHANICAL PROPERTIES)

化学的性質 (CHEMICAL PROPERTIES)

タングステン TUNGSTEN  対 象 物 質 モリブデン MOLYBDENUM

水   蒸   気

空 気 お よ び 酸 素

水     素

炭     素

一 酸 化 炭 素

二 酸 化 炭 素

ア ン モ ニ ア 水

ハ ロ ゲ ン

硫 化 水 素

硫     黄

亜 硫 酸 ガ ス

窒     素

亜 硝 酸 ガ ス

塩     酸

硫     酸

硝     酸

水 酸 化 ナト リ ウ ム

亜 硝 酸 ソ ー ダ

王     水

フ ッ 化 水 素 酸

反応せず

約700℃で酸化を始める

室温でわずかに酸化(変色)する約300℃で酸化し始め約500℃以上でMoO3を形成し急激に酸化する

反応せす

900℃で脆イヒし始め、1300~1400℃でMo2Cを形成する

約1000℃から炭イヒ物を形成する

約1200℃から酸イヒ物を形成する

室温でわずかに反応する

室温て弗化物を形成する250℃で塩化物を形成する沃索とは赤熱状態でも反応しない

約1200℃で硫化物を形成する

600℃以上で硫化物を形成する

赤熱状態で酸化する

600℃以上で脆化が認められ、約1500℃以上で窒化物を形成する

赤熱状態で酸化する

加熱希塩酸に徐々に溶けるわずかに溶ける

室温~110℃濃硫酸に徐々に溶け、200~250℃ですみやかに溶ける室温で希硫酸にわずかに溶け、加熱希硫酸に徐々に溶ける

容易に溶ける

水溶液に殆んど影響されない溶融塩とは急速に反応する

溶融塩に急激に溶解する

室温で溶け、加熱すればすみやかに溶ける

室温でわずかに溶ける

- 30 - - 31 -

反応せず

赤熱状態ですみやかに酸化する

室温でわずかに酸化(変色)する約400~500℃で酸化し始め、700℃以上てWO3を形成し急激に酸化する

反応せず

約800℃より吸収し始め脆化する1400~1600℃でWCを形成する

約850℃より脆化し、約1000℃から炭化物を形成する

約1200℃から酸化物を形成する

室温で反応せず

室温で弗化物を形成する250~300℃で塩化物を形成する赤熱状態で臭化物を形成する熱状態で沃化物を形成する

赤熱状態で表面反応が起る

赤熱状態でわずかに反応する

赤熱状態で酸化する

約2300℃以上で窒化物を形成する

赤熱状態で酸化する

室温で反応せず、約100℃で希・濃塩酸にわずかに溶ける

室温で希硫酸に反応せず、濃硫酸にわずかに溶ける。加熱希硫酸にわずかに溶け、加熱濃硫酸に溶ける

室温でわずかに溶ける

水溶液にわずかに溶ける溶融塩とは急速に反応する

溶融塩に急激に溶解する

加熱溶液に溶ける

室温でわずかに溶ける

Page 32: »ï¬µÂïKÞæÒÃïタングステン粉末 タングステン粉末は、超硬合金、放射線遮蔽用高密度合金、電気接点、高温炉発熱体、溶射被膜、各種棒および板材等の原料とし

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