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ラウドロックは LINKIN PARK 抜きには語れない21世紀最重要アルバム『Living Things』日本先行リリース 00 年の冬頃、今はなき心斎橋タワレコのレジ横にあったラウド ロック・コーナーの試聴機に入っていた 1 枚の輸入盤を再生した 瞬間、興奮で全身に鳥肌が立ったのを今でも鮮明に記憶している。 LIMP BIZKIT とも KORN とも異なる、ハイブリッドなエレクト ロ・サウンドやスリリングに交錯するラップとシャウトのツイン・ ヴォーカル、そしてなにより聴くものを魅了する美しすぎるメロ ディ、そのすべてが衝撃だった。LINKIN PARK の1st アルバム 『Hybrid Theory』がそれである。 LINKIN PARKは、ロサンゼルスで高校の友人だった Brad Delson (Gt) と Mike Shinoda (Vo) が、ANTHRAX と PUBLIC ENEMY のジョイント・コンサートに衝撃を受け、バンド結成を決意。同じ 学校のRob Bourdon (Dr) と、絵画を学んでいた DJのJoe Hahn を誘い、96 年から HYBRID THEORY という名前で活動を始め、 アリゾナ出身のChester Bennington (Vo) が 98 年に加入したと ころから本格始動するが、同名のバンドがすでにいたために、LINKIN PARK と改名する。 そして 00 年 10 月『Hybrid Theory』がリリースされると、世 界各国のロック・ファンが彼らに夢中になり、全世界で 2,500 万 枚を超え、01 年アメリカで最も売れたアルバムとして認定される。 その後彼らは03年『Meteora』、07年『Minutes To Midnight』、 そして 10 年『A Thousand Suns』とオリジナル・アルバムを 3 枚リリースするが、リリース毎にロック+ヒップホップというミク スチャー・スタイルから脱却していき、『A Thousand Suns』に 至ってはロックに括るのでさえ違和感を覚えるほどにボーダレスに 進化をみせた。この作品はアメリカをはじめ各国にて1位を獲得(日 本でもオリコン 2 位)するが、元来彼らが得意としていたヘヴィ なロック・サウンドから大きく遠ざかり、原子爆弾の開発者、オッ ペンハイマーが核実験を目撃した時に口にした言葉を引用したとい う重苦しいアルバム・タイトル、そしてテーマはファンの間でも賛 否両論を呼んだ作品となった。 次のフル・アルバムのリリースまで 3 年から 4 年の期間が開くと思わ れたが、彼らの創作意欲は止まることなく、今年 4 月には早くもニュー・ アルバムからの先行シングル「Burn It Down」をリリースしている。 Chester は、新曲「Burn It Down」についてこう語っている。 “この曲を 1st シングルに選んだ理由は、バンドのノイジーで激しい 過去と、優美でエレクトロの影響を帯びた現在を織り交ぜた、ニュー・ アルバムで成し遂げようとしている全ての要素を示した楽曲だから。 だからこそファースト・シングルに選んだんだ” そしてシングル・リリースから 2 ヶ月後の 12 年 6 月、ついにニュー・ アルバム『Living Things』をリリースすることとなった。 Mikeのラップが冒頭から炸裂するTrack.4「Lies Greed Misery」 や、アグレッシヴな演奏から始まり、Mikeの性急なラップや Chester が曲のタイトルである Victimized”を血管が千切れるほどのスクリー ムで連呼するTrack.7「Victimized」などは聴き手のアドレナリンを 増幅させるには十分すぎるものとなっている。“初期サウンドの復活” などと安易なものでは決してないが、或いは、『Hybrid Theory』の アップデート版的解釈と言えなくもない。『Hybrid Theory』の熱量 を『A Thousand Suns』に注入したといった感じだろうか。ただ決 して懐古主義になることなく、先行シングルであるTrack.3「Burn It Down」やTrack.8「Roads Untraveled」、Track.12「Powerless」 など哀愁溢れる、神々しい重厚なシンセが包み込む LP 流バラード はもちろん、60 年代的なメロディ展開とエレクトロ・サウンドのミッ クス具合が面白い Track.9「Skin to Bone」、混沌とした前衛クラ ブ・ミュージックと例えたくなる Track.10「Until it Breaks」など、 さらなる進化を求めた異彩を放つ作品となっている。(ムラオカ) LINKIN PARK 『Living Things』 [WARNER MUSIC JAPAN] 2012.6.20 ON SALE!! WPCR-14496 \2,580(税込)

ラウドロックはLINKIN PARK 抜きには語れない― 世紀 …gekirock.com/magazine/2012/06/pdf/linkin_park_CS4.pdf ·  · 2012-05-30LINKIN PARKは、ロサンゼルスで高校の友人だったBrad

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ラウドロックはLINKIN PARK抜きには語れない― 21世紀最重要アルバム『Living Things』日本先行リリース

00 年の冬頃、今はなき心斎橋タワレコのレジ横にあったラウド

ロック・コーナーの試聴機に入っていた 1 枚の輸入盤を再生した

瞬間、興奮で全身に鳥肌が立ったのを今でも鮮明に記憶している。

LIMP BIZKIT とも KORN とも異なる、ハイブリッドなエレクト

ロ・サウンドやスリリングに交錯するラップとシャウトのツイン・

ヴォーカル、そしてなにより聴くものを魅了する美しすぎるメロ

ディ、そのすべてが衝撃だった。LINKIN PARK の 1st アルバム

『Hybrid Theory』がそれである。

LINKIN PARKは、ロサンゼルスで高校の友人だった Brad Delson

(Gt) と Mike Shinoda (Vo) が、ANTHRAX と PUBLIC ENEMY

のジョイント・コンサートに衝撃を受け、バンド結成を決意。同じ

学校のRob Bourdon (Dr) と、絵画を学んでいた DJのJoe Hahn

を誘い、96 年から HYBRID THEORY という名前で活動を始め、

アリゾナ出身のChester Bennington (Vo)が 98 年に加入したと

ころから本格始動するが、同名のバンドがすでにいたために、LINKIN

PARK と改名する。

そして 00 年 10 月『Hybrid Theory』がリリースされると、世

界各国のロック・ファンが彼らに夢中になり、全世界で 2,500 万

枚を超え、01 年アメリカで最も売れたアルバムとして認定される。

その後彼らは 03 年『Meteora』、07 年『Minutes To Midnight』、

そして 10 年『A Thousand Suns』とオリジナル・アルバムを 3

枚リリースするが、リリース毎にロック+ヒップホップというミク

スチャー・スタイルから脱却していき、『A Thousand Suns』に

至ってはロックに括るのでさえ違和感を覚えるほどにボーダレスに

進化をみせた。この作品はアメリカをはじめ各国にて1位を獲得(日

本でもオリコン 2 位)するが、元来彼らが得意としていたヘヴィ

なロック・サウンドから大きく遠ざかり、原子爆弾の開発者、オッ

ペンハイマーが核実験を目撃した時に口にした言葉を引用したとい

う重苦しいアルバム・タイトル、そしてテーマはファンの間でも賛

否両論を呼んだ作品となった。

次のフル・アルバムのリリースまで 3年から 4年の期間が開くと思わ

れたが、彼らの創作意欲は止まることなく、今年 4月には早くもニュー・

アルバムからの先行シングル「Burn It Down」をリリースしている。

Chester は、新曲「Burn It Down」についてこう語っている。

“この曲を1st シングルに選んだ理由は、バンドのノイジーで激しい

過去と、優美でエレクトロの影響を帯びた現在を織り交ぜた、ニュー・

アルバムで成し遂げようとしている全ての要素を示した楽曲だから。

だからこそファースト・シングルに選んだんだ”

そしてシングル・リリースから 2 ヶ月後の12 年 6 月、ついにニュー・

アルバム『Living Things』をリリースすることとなった。

Mikeのラップが冒頭から炸裂するTrack.4「Lies Greed Misery」

や、アグレッシヴな演奏から始まり、Mikeの性急なラップやChester

が曲のタイトルである“Victimized”を血管が千切れるほどのスクリー

ムで連呼するTrack.7「Victimized」などは聴き手のアドレナリンを

増幅させるには十分すぎるものとなっている。“初期サウンドの復活”

などと安易なものでは決してないが、或いは、『Hybrid Theory』の

アップデート版的解釈と言えなくもない。『Hybrid Theory』の熱量

を『A Thousand Suns』に注入したといった感じだろうか。ただ決

して懐古主義になることなく、先行シングルであるTrack.3「Burn It

Down」やTrack.8「Roads Untraveled」、Track.12「Powerless」

など哀愁溢れる、神々しい重厚なシンセが包み込む LP 流バラード

はもちろん、60 年代的なメロディ展開とエレクトロ・サウンドのミッ

クス具合が面白い Track.9「Skin to Bone」、混沌とした前衛クラ

ブ・ミュージックと例えたくなる Track.10「Until it Breaks」など、

さらなる進化を求めた異彩を放つ作品となっている。(ムラオカ)

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