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MBD (モデル ベース定義)による品質 の改善、コストの削減、 ‑効率の向上 ホワイト ペーパー まとめ 2次元設計ツールから3次元CADソリューションに移行し、製品開発の革新が進む中 で、 3次元モデルベースの定義(MBD)が製造テクノロジに統合されています。その結 果、従来の2次元エンジニアリング図面から生産性が大幅に向上し、製造の迅速化を達 成しています。 MBD、いわゆる図面レス製造ソリューションは、 3次元設計によるメリッ トを製造分野に拡大します。こうした時間やコストの削減などのメリットは、改善され緊 密に統合された生産向けの製品製造情報(PMI)の伝達とともに、スクラップや手戻り の削減、精度の改善、スループットの迅速化に貢献しています。 SOLIDWORKS ® MBD フトウェアは、 PMIデータの生成、整理、カスタマイズ、共有を自動化することで、理解 しやすく、より多くの情報を盛り込んだ3次元デジタル フォーマット(SOLIDWORKS品およびアセンブリ、 eDrawings3次元PDFなど)による生産を実現し、製品開発およ び製造業務の競争力を飛躍的に高めます。 2次元エンジニアリング図面 モデルベース定義

MBD(モデル ベース定義)による品質 の改善、コストの削 …...MBD(モデル ベース定義)による品質の改善、コストの削減、効率の向上

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MBD(モデル ベース定義)による品質の改善、コストの削減、‑効率の向上

ホワイト ペーパー

まとめ2次元設計ツールから3次元CADソリューションに移行し、製品開発の革新が進む中で、3次元モデルベースの定義(MBD)が製造テクノロジに統合されています。その結果、従来の2次元エンジニアリング図面から生産性が大幅に向上し、製造の迅速化を達成しています。MBD、いわゆる図面レス製造ソリューションは、3次元設計によるメリットを製造分野に拡大します。こうした時間やコストの削減などのメリットは、改善され緊密に統合された生産向けの製品製造情報(PMI)の伝達とともに、スクラップや手戻りの削減、精度の改善、スループットの迅速化に貢献しています。SOLIDWORKS® MBDソフトウェアは、PMIデータの生成、整理、カスタマイズ、共有を自動化することで、理解しやすく、より多くの情報を盛り込んだ3次元デジタル フォーマット(SOLIDWORKS部品およびアセンブリ、eDrawings、3次元PDFなど)による生産を実現し、製品開発および製造業務の競争力を飛躍的に高めます。

2次元エンジニアリング図面

モデルベース定義

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MBD(モデル ベース定義)による品質の改善、コストの削減、効率の向上 1

モデルベース定義: より効率的な図面レス製造アプローチ現在、最も大きな成功を収めているメーカーのほとんどは、製品開発環境を2次元ツールから3次元設計システムに移行することで、大幅な生産性の向上を達成しています。3次元に移行することで設計環境は一変しました。世界中の企業は、市場投入までの時間を短縮し、製造性に配慮しながら設計を改善し、不要なコストを削減し、さらなる技術革新に取り組むことができます。製品開発者や設計エンジニアは3次元設計の効果を認め、数多く報告されているさまざまなメリットを理解しています。しかし、3次元CADシステムを導入しても、いざ設計を社内の製造部門や社外の生産パートナーに渡す段階になると、依然として2次元の紙媒体によるエンジニアリング図面を使用せざるを得ない状況です。

3次元ソリッド モデルは、理解しやすく可視化も容易です。2次元図面から3次元形状を推定する必要がなく、ファイル データ構造の中に必要なすべての製品製造情報(PMI)が収録されています。こうしたメリットにもかかわらず、製造に必要なすべての情報の伝達には2次元図面がいまだに重宝されています。3次元モデリングは製品開発を確実に迅速化します。しかし、広く普及し、今なお使用されている2次元図面が生産をサポートしている現状では、製造面に対する3次元の効果が十分に発揮されていません。

製造メーカーが紙媒体の2次元図面にこだわる理由は何でしょうか? 使い慣れているから、長年使い続けてきたから、変化に対して抵抗があるからと、 いずれも理由としては妥当ですが、完全な3次元統合図面レス製造ソリューションの前では説得力に欠けます。製造メーカーは、2次元図面に生産サポートを依存している現状をなぜ懸念するべきなのでしょうか? 図面は、データム基準、座標系、寸法、公差、部品表(BOM)、注釈、表面仕上げ、溶接手法や他の各種情報など、製品や構成部品の製造に必要なすべての情報を伝達するための効果的な手段として、今後も活用できるツールではないのでしょうか?

3次元は、製品設計と同様に、製造も飛躍的に発展させることができます。3次元が製造にもたらす可能性を無視することは、スマートフォンを通話やメールの送受信にしか使用しないようなものです。MBDは、3次元が製造にもたらす可能性を開放します。PMIを効率よく正確にコストを抑えて3次元モデルに統合し、これまで2次元図面に頼ってきた設計意図の伝達を支援します。

3次元設計ツールとともに、手ごろな価格になってきたモニタやノートブックPC、タブレットやスマートフォンなどのデジタル閲覧システムを集約し、製品データ管理システムのリビジョン/アクセス管理などと組み合わせることで、3次元モデルをより効率的に活用し、モデルベース定義(MBD)を通じて製造をサポートできます。モデルベース エンタープライズ(MBE)には、以下のような4つの基本段階があります:

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航空宇宙や自動車業界で初めて導入され、本書で紹介している先進的ないくつかのメーカーが採用しているMBDは現在、競争上の優位性を求めるあらゆる製造会社が求めるソリューションです。Dassault Systèmes SolidWorks Corporationは、モデルベース定義ソリューションの開発におけるリーダーシップを遺憾なく発揮してきました。初の3次元図面アプリケーションであるSOLIDWORKS eDrawingsを1999年に発売し、初のMBD寸法ツールであるDimXpertを2008年に発売しました。そして2015年、初の完全な統合図面レス製造ソリューションのSOLIDWORKS MBDソフトウェアをリリースしました。

図面中心 MBD

設計には3次元モデルを使用し、 製造には2次元図面を使用する

MBE

設計と製造とともに、 組織全体のその他の

機能部署で3次元モデルを使用する

モデル中心

設計と製造に2次元図面を使用する 設計と製造に3次元図面を使用する

SOLIDWORKS MBDソフトウェアは、初の完全な統合図面レス製造ソリューションです。3次元による時間、コスト、品質面のメリットを生産分野にもたらします。

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2次元による製造の欠点SOLIDWORKS MBDソフトウエアソリューションによる図面レスのMBD型生産に移行することで得られるさまざまなメリットを享受するために、メーカーは、まず現状の2次元図面を継続した場合の制約を理解する必要があります。製造向けに紙媒体の2次元エンジニアリング図面を使用すると、時間、リソース、コスト要件の増加、一貫性のない品質、スクラップや手戻りの増加、新たな業界標準への非準拠の問題など、さまざまな不利益が生じます。

2次元図面の生成によって製造までの予定時間が長引いている

2次元エンジニアリング図面を生成して細部を仕上げると、製造準備プロセスのステップが増加し、最終的に市場投入までの時間が長引くことになります。3次元CADプログラムは、2次元エンジニアリング図面の生成に要するいくつかの作業を自動化しますが、設計を変更しなければならない場合や、設計変更(ECO)の処理を円滑に進めなければならない場合は、時間がさらに長くなります。複数の生産サイクルの中で作成される多数の2次元エンジニアリング図面を印刷、配布、更新、メンテナンスする必要があり、膨大な時間と労力が求められます。3次元ソリッド モデルからPMIを抽出して文書化するために追加の労力が必要になる2次元図面の生成は、単純に時間の浪費です。

2次元図面の生成はコストがかかる

米国 国防総省やさまざまな民間サプライヤの調査によると、エンジニアリング予算全体の3分の1までは、初期生産サイクルでの2次元図面の作成やメンテナンスや製品を長期的に保管するためのサポートに費やされるという結果が出ています。これは相当なコストです。特に、すべての情報が3次元モデルに既に埋め込まれている場合は、2次元図面が担う目的に対して明らかに不釣合いと言えるでしょう。2次元図面の作成、詳細設定、更新に関連する人件費に加えて、製造メーカーは、図面生成とメンテナンスをサポートするための印刷、プロット、用紙、保管コストを負担することになります。さらに、一貫性のない品質や、不要なスクラップまたは手戻りに関連する表面化しないコストもあります。

2次元図面から加工する場合、部品が3次元でどのように見えるか予測しながら作業を進める必要がありますが、これは困難で間違えやすい作業です。

3次元でモデルを明確に確認できないと、寸法の解釈が困難になります。

2次元図面では、3次元モデルの豊富なデータによる品質は達成できません。

アノテーション付きの図面を作成するには、追加ステップと膨大な量のドキュメントが必要になり、製品ライフサイクルの管理とメンテナンスや、特にリリース後の維持管理は困難を極めます。

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2次元は品質問題を引き起こす可能性がある

2次元図面は理解されにくく、誤解を招きやすいだけでなく、関連する3次元設計と一致しないことも多々あります。調査によると、この不一致は最大60%の現場で発生し、生産の下流工程で大きな問題、一貫性のない品質、不要な廃棄物を生み出します。この不一致の発生率は企業によって異なりますが、2次元図面は、3次元形式の直感性を一旦退化させ、その後、2次元表現を生産に適した3次元へと再構築することをメーカーに強いています。このプロセスにより、メーカーは品質リスクに直面することになります。誤解や誤りを招き、製品の不具合を引き起こし、製造中に改良の必要が生じ、スクラップや手戻りの量が増えます。

新たな業界標準は3次元が基本となる

製造メーカーは長年にわたって2次元エンジニアリング図面で生産をサポートしてきましたが、一部の大手顧客は基本的な取引条件として3次元による生産データの支給を求めるようになっています。たとえば、米国 国防総省は、MBDによる3次元製造の多大なメリットを認め、2013年に国防総省全体のサプライ チェーンに対してモデルベースの成果物の要件を完全に定義するために、軍用規格31000、リビジョンA(Military Standard-31000 Revision A)を発表しました。サプライ チェーンがこの要件に完全に準拠した場合、年間数億ドル規模のコスト削減を達成できると期待されています。同様に、大手民間企業もMBD関連の対象範囲を設定し、サイクルタイム目標を定めています。こうしたトレンドにより、サプライ チェーン全体、機械工場、小規模な製造事業体に強い波及効果を生み出しています。

…事例紹介

Automatic Handling International, Inc.は、カスタム仕分けおよび梱包システムの世界的なメーカーです。パルプや製紙、ティッシュやタオル、不織布、ガラス繊維、農業、採石、鉄鋼業界の大手企業に製品を販売しています。継続的な社内外の改善を使命とするAutomatic Handling社は、最新のテクノロジと実績のある機械設計を統合することで、顧客の効率アップとコスト削減を支援します。

同社は、オープンなSOLIDWORKSアプリケーション プログラミング インタフェース(API)、SOLIDWORKS PDM製品データ管理ソフトウェア、SOLIDWORKS eDrawings®ファイ

ルを導入してワークフローを自動化し、自然な相乗効果を達成するとともに、完全なペーパーレスの効率的なMBD製造アプローチを実現しました。「SOLIDWORKS APIを使用し、PDMを活用することで、作業現場のコンピュータ端末を通じてSOLIDWORKS eDrawingsファイルと製造および生産情報指示を統合し、紙媒体の図面やトラベラーなどを完全に排除できました」と、メディア グループ マネージャのNathan Pienta氏は語ります。「エンジニアリング部門が製造部門に設計をリリースすると、システムが自動的にeDrawings、注文書、作業指示を瞬時に作成するので、生産と組み立てを迅速に進めることができます」

オープンなSOLIDWORKS APIを使用し、独自のMBD製造アプローチを開発したAutomatic Handling International社は、製造移行に要する時間を80%短縮し、紙媒体の図面をデジタル3次元生産モデルに置き換えて、機械担当者と組み立て担当者の開発プロセスでの能力を高め、印刷、用紙、管理コストを排除しました。

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図面レス製造のメリット図面レス生産を導入することで、製造メーカーは、製造分野でも、3次元製品開発の場合と同様に多くのメリットを得ることができます。MBD製造アプローチは、設計分野での2次元から3次元への移行よりもスムーズに組み込むことができ、迅速に投資効果(ROI)を達成できます。これは、3次元デジタル形式で支給される情報が、2次元エンジニアリング図面に収録されているPMIデータと同一だからです。3次元は2次元よりも明確で理解しやすく、MBD情報をより効率的に生成して生産に活用できます。さらに、生産担当者はデジタル デバイスを活用することで、PMIに電子的にアクセスし、製造する部品や組み立てる製品を3次元で実際に確認できるようになり、大量の紙の山から開放されます。

製品の市場投入期間の短縮

MBDでは、生産のための2次元エンジニアリング図面を生成する必要がなく、紛らわしい2次元図面の解釈を何度も正す時間と労力を削減できます。また、重要な寸法のみを指定し、残りはモデルを使用することで、詳細なPMデータが得られます。このため、製造メーカーは、生産サイクルと市場投入までの時間を短縮できます。MBDによる生産では、部品や製品を製造段階に移行した後の設計変更(ECO)にも迅速に対応できます。モデルを変更すると、リンクされていない複数の文書ではなく単一のマスター モデルで、関連するすべてのPMIが自動的に更新されます。さまざまな図面ビューを手動で細かく更新する必要はありません。MBDは、プロセスを自動化し、貴重な時間を節約して生産を継続させます。

生産コストの削減

図面レスのMBD生産では、製造コストを削減できます。デジタル デバイスを導入した場合のコスト削減効果は明らかです。2次元詳細設定に関連する人件費や、印刷、プロット、用紙コストといった図面の印刷やメンテナンスに関連する経費など、さまざまな分野でコスト削減を達成できます。また、品質の改善もコスト削減に貢献します。スクラップや手戻りが減少し、保証金請求や返品も少なくなります。また、サプライヤは3次元PMIを再利用することで、2次元図面ごとに3次元モデルを再構築する必要がなくなるので、購入部品の調達コスト削減にも貢献します。MBDは、容易にアクセスできる製造情報の「デジタル スレッド」を数年にわたって提供することで、製品ライフサイクル全体の維持費削減にも効果を発揮します。

品質の向上、設計変更の迅速化

MBDは、一貫性のない品質を招く2次元図面の制約を解消します。MBDによる生産では、部品を製造したり、その部品を製品として組み立てるために必要なPMIを網羅した詳細な3次元ビューに迅速にアクセスできるため、エラーや欠陥、現場での故障につながる誤った解釈や予期しない問題を最小限に抑えることができます。ECOを2次元で処理しようとすると、納期や予算が破綻し、絶望的な状況になりがちですが、MBDでは、ECOを容易かつ合理的に処理できます。このため、製造メーカーは品質の改善と変更を即座に実践できるようになり、より一貫した高い品質レベルを確保できます。

新たな規格への準拠

製造メーカーが生産用の2次元エンジニアリング図面を必要とした場合と同様に、MBD形式でのPMIの納入を求める新たな規格と目標が登場しています。民間企業や政府機関、国際組織は、このモデルベース定義への移行を加速しています。たとえば、2013年に米国国防総省全体のサプライ チェーンに対してモデル ベースの成果物の要件を完全に定義するために、米国軍用規格31000、リビジョンA(Military-Standard-31000 Revision A)を発表しました。他にも、ASME Y14.41、ISO 16792、DIN ISO 16792、GB/T 24734などの規格があります。

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SOLIDWORKS MBDソフトウェア: 3次元のメリットを製造分野に拡大SOLIDWORKSは、SOLIDWORKS 3次元設計ソリューションを使用して製品開発を行う製造メーカーが3次元環境の品質、コスト、効率のメリットが得られるように、SOLIDWORKS MBDソフトウェアをリリースしました。これはSOLIDWORKS CADソフトウェア対応の統合された図面レス製造ソリューションです。開発担当者と製造担当者のニーズに配慮して開発されたSOLIDWORKS MBDソフトウェアを導入することで、製造メーカーは標準に準拠した3次元形式でのPMI生産データの定義、整理、発行を自動化できます。

モデルベース定義のリーダーとして

初の完全な統合MBD CADソリューションであるSOLIDWORKS MBD図面レス製造ソリューションを開発したSOLIDWORKSは、効果的なMBDソリューションの革新を引き続きリードします。SOLIDWORKS MBDソフトウェアは、初の商用3次元図面アプリケーションであるSOLIDWORKS eDrawingsソフトウェアや、製品を3次元で定義するための初のMBD寸法ツールであるDimXpertなど、他の重要なMBD関連のソリューションを踏襲しています。SOLIDWORKS MBDソフトウェアは、こうしたツールを土台とし、寸法、公差、表面仕上げなどの3次元PMIをクリーンかつ構造化された方法で整理するソリューションとして構成されています。

…事例紹介

ブラジルでカスタム デザインの家具と商品ディスプレイが必要なときは、Viecelli Móveis Ltda.がまず候補に上がります。同社は、ブラジルで小売店や専門店、レストランやショッピング モール、医療や法律などの専門オフィスで使用するカスタム家具やディスプレイ システムを手がけるトップ メーカーです。

Viecelli Móveis社は、オープンなSOLIDWORKS APIを使用して、重要な設計および生産情報をSOLIDWORKS 3次元モデルから抽出し、その情報をエンタープライズ リソース プランニング(ERP)システムと統合しています。このワークフローによって、Viecelli Móveis社は、関連するSOLIDWORKS eDrawingsファイルから部品表(BOM)、ジオメトリ、寸法、材料情報を自動的に抽出し、板金ベンドと組み立てを自動化して、2次元図面の作成に必要な時間と労力を排除しています。

「eDrawingsを使用することで、概念設計から開発、製造から組み立てまで、製品開発に携わるすべての人員が開発プロセス全体を視覚化できます」とオーナーのAnderson Viecelli氏は語ります。「組み立て部署も紙の図面を使用せず、 モバイル デザインを使用してeDrawingsにアクセスし、組み立てに必要な部品情報を取得しています。プロセスの迅速化だけでなく、より緻密な制御が可能になり、品質改善とスループットの増加も達成できます」

オープンなSOLIDWORKS APIを使用して独自のMBDアプローチを開発することで、Viecelli Móveis社は、市場投入までの時間を50%短縮し、設計サイクルを30%短縮して、スクラップと手戻りを50%削減し、開発コストを20%削減しました。

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SOLIDWORKS MBDソフトウェア: SOLIDWORKS CADソフトウェア対応の統合図面レス製造ソリューション

SOLIDWORKS MBDソフトウェアを使用することで、製造メーカーは、生産用のPMIデータをより効率的かつ効果的に伝達できるようになり、2次元図面に関する時間、コスト、品質の問題を排除できます。ユーザーは、SOLIDWORKS DimXpertを利用してモデル寸法を定義し、SOLIDWORKS MBDの各機能でメタプロパティ リンクや3次元ビューなどのPMIを個別の製造標準や具体的な部門別の要件に合わせて定義、整理、公開できます。

SOLIDWORKS MBDとSOLIDWORKS CADソフトウェアを統合することで、SOLIDWORKS CADユーザー インタフェースの直感性が継承されます。SOLIDWORKS MBDソフトウェアは、SOLIDWORKS CADファイル、eDrawings、3D PDFなど、主な3D PMI出力形式もすべてサポートします。ユーザーは、ソフトウェアのさまざまな定義済みテンプレートを活用したり、具体的な成果物に合わせてテンプレートをカスタマイズできます。さらに、MBD生産への移行過程として、SOLIDWORKS MBDソフトウェアをSOLIDWORKS 2次元図面と併用することもできます。

SOLIDWORKS MBDソフトウェアは、包括的な3次元ビューを提供します。これは2次元による従来の図面ビューの3次元バージョンです。モデルの位置、向き、ズーム倍率、アノテーション ビューの取り込みに加え、断面図や分解図などのビュー設定、構成、表示状態を3次元で表現できます。

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SOLIDWORKS MBDソフトウェアは、3次元CADモデルの価値を、製造、組み立て、品質保証、調達など、あらゆる生産関連部署まで拡大します。ユーザーは、多くの3次元出力テンプレートの要素をカスタマイズできます。レイアウトや会社/部署のロゴ、3次元視点やサムネイル、テキスト説明、メタプロパティ リンク、表などをカスタマイズしたり、各社固有の製造成果物に合わせてPMIを変更できます。また、提案依頼(RFP)や見積り依頼(RFQ)などのニーズへの対応から検査報告のサポートまで、さまざまなカスタマイズが可能です。生産担当者は、PMIを3次元で表示するだけでなく、パン、ズーム、回転、測定、断面表示や他の3次元ツールの使用により、実際の3次元モデルを操作することもできます。

SOLIDWORKS MBDソフトウェアは、製造メーカーによるPMI

生産データの定義、整理、カスタマイズを自動化するだけでなく、MBDデータをSOLIDWORKS

CADファイルやeDrawings、3D

PDFなどの主要な標準準拠3次元形式でエクスポートできます。

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SOLIDWORKS MBDソフトウェアのメリット

• モデルベースのコミュニケーションで、調達コストを削減し、迅速なサプライヤの対応を実現できます。

• 設備および製造コストが減少します。

• 2次元図面をクリーンアップする時間を短縮できます。

• 製造ドキュメントを作成してメンテナンスする時間を短縮できます。

• アノテーションや寸法の数が減少します。

• 設計変更が減少します。

• ECOプロセスを合理化できます。

• 承認作業が必要なファイルの数が減少します。

• エラーが減少します。

• モデルと図面間の不一致を排除します。

• 3次元モデルを直接操作して明確にコミュニケーションできます。

• スクラップと手戻りが減少します。

• 新たな業界標準に準拠します。

• 会社やサプライ チェーンの既存のプロセスにシームレスに適合します。

• 3D PDF、eDrawings、SOLIDWORKSファイルなど、広く普及している業界フォーマットでエクスポートできます。

• SOLIDWORKSでは、DWGファイルをスケッチや2次元図面に読み込めるので、ユーザーは従来のデータから3次元モデルを構築できます。

• 2次元図面をベースにした部品の再モデリングに無駄にかかる時間を節約します。

• インテリジェントで直感的な3次元データを共有し、モデル、PMI、ビュー、メタプロパティに直接保存できるので、ユーザーとサプライヤは従来の2次元図面に基づく部品の再モデリングを省いて時間を節約できます。既存の製品を新しいモデルに迅速にアップグレードし、3次元データに基づいて設備や備品をより簡単に設計できます。

SOLIDWORKS DimXpertを使用することで、ユーザーは製品および形状寸法を3次元空間で容易に定義することができ、管理するドキュメント数も減らすことができます。直感的な3次元環境で操作することで、アノテーション付きの3次元モデルをよりクリーンに明確で分かりやすい形で表現できます。

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…事例紹介

Wuzhong Instrument Co., Ltd.(WZI社)は、工業用制御バルブ製品の世界的なリーディング メーカーです。同社は中国工場で制御バルブを開発し、世界中に輸出しています。

3次元のメリットを製造分野に拡大するために、WZI社は作業現場にタッチスクリーン端末を導入してSOLIDWORKS eDrawings Viewerをインストールし、MBDアプローチを製造現場で活用できるようにしました。

「SOLIDWORKSを導入したことで、3次元デジタル形式の製品製造情報(PMI)を作業現場で活用できるようになりました」とプロジェクト マネージャのZhang Jingwen氏は説明します。「公差と寸法情報をスケッチに埋め込み、通常の製品についてはモデルの既定値を設計に使用します。例外については、SOLIDWORKS DimXpertを使用して公差と寸法情報を追加します。このアプローチで製造の自動化を達成し、SOLIDWORKSによって開発と生産の両面で効果が得られました」

SOLIDWORKSソフトウェアによるMBD製造を導入したWZI社は、生産の自動化と迅速化を達成し、NCコードの生成時間を80%短縮し、寸法設定に要する時間を40%短縮して、ECOの処理を合理化できました。同時に、2次元作業を完全に排除し、紙媒体の図面への依存から完全に脱却できました。

SOLIDWORKS MBDソフトウェアで図面レス製造のメリットを実現3次元設計のメリットを製造分野に拡大するには、効果的なMBD生産ソリューションが必要です。2次元エンジニアリング図面の作成、サポート、メンテナンスに費やしている時間、予算、リソースをあらためて確認し、2次元生産アプローチから生じる不正確さ、予期しない問題、品質に関する問題を考えてみてください。PMIデータの開発を自動化するとともに、より厳格に管理された3次元デジタル形式でのコミュニケーションを可能にし、3次元での可視化、確認、カスタマイズ ツールを備えた3次元ソリューションは、2次元図面に関するこうした問題に十分に対処できるのではないでしょうか? このソリューションには、競争力を更に高める効果が秘められてないでしょうか?

SOLIDWORKS MBD図面レス製造ソリューションは、3次元設計ツールとデジタル表示デバイスを集約することで、生産向けPMIの準備と提供を合理化し、時間と予算を節約しながら品質を高めることができます。このMBDソリューションを導入することで、ユーザーは、データム基準や座標系、寸法や公差、BOMや注釈、表面仕上げや溶接手法、その他さまざまな生産情報を分かりやすい3次元形式で効率よく効果的に伝達できるようになります。SOLIDWORKS MBDソフトウェアの3次元機能により、ユーザーは、製品開発に革新をもたらしたときと同様に、生産計画と製造プロセスを近代化できます。

SOLIDWORKS MBDソフトウェアが3次元のメリットを製造分野にどのように拡大するか確認するには、www.solidworks.co.jp をご覧ください。

ダッソー・システムズの3Dエクスペリエンス・プラットフォームでは、12の業界を対象に各ブランド製品を強力に統合し、各業界で必要とされるさまざまなインダストリー・ソリューション・エクスペリエンスを提供しています。 ダッソー・システムズは、3Dエクスペリエンス企業として、企業や個人にバーチャル・ユニバースを提供することで、持続可能なイノベーションを提唱します。世界をリードするダッソー・システムズのソリューション群は製品設計、生産、保守に変革をもたらしています。ダッソー・システムズのコラボレーティブ・ソリューションはソーシャル・イノベーションを促進し、現実世界をより良いものとするためにバーチャル世界の可能性を押し広げています。ダッソー・システムズ・グループは140カ国以上、あらゆる規模、業種の約19万社のお客様に価値を提供しています。より詳細な情報は、www.3ds.com (英語)、www.3ds.com/ja (日本語)をご参照ください。

アメリカ大陸Dassault Systèmes SolidWorks Corporation175 Wyman StreetWaltham, MA 02451 USA+1 781 810 [email protected]

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