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2 YASKAWA NEWS No. 278 YASKAWA NEWS No. 278 3 ● 世界のロボット販売シェア 2005 年度) ● 用途別ロボット販売シェア 2005 年度) 液晶搬送ロボット アーク溶接ロボット 塗装ロボット データ出所: IFR JARA の各統計資料から推定 安川電機 200573,90024.3% 18,00052% 42% 安川電機 43% 安川電機 安川電機 (世界シェア) (国内シェア) (国内シェア) 1 号機の MOTOMAN 出荷から 1988 年の累計出荷台数 1 万台達成まで 11 年かかりました。その後、 2 3 年に 1 万台の ペースで生産を続け、初出荷から 22 年目の 1998 10 月に 5 万台 を達成し、累計出荷台数で世界トップクラスになりました。 この累計 5 万台の記録から 5 年後の 2003 年に 10 万台を達成 しました。その後更にペースを上げ、 3 年間で 5 万台を出荷し、 発売以来 30 年目となる 2006 10 18 日に当社ロボット工場 (北九州市八幡西区)で累計出荷台数 15 万台に到達、世界一の 累計出荷台数を更新しました。 急速に伸びる出荷台数 ロボットの生産体制再構築及び生産能力強化を目的として、 2006 1 月にロボット新工場「 MOTOMAN STATION (モートマンステーション)」が竣工し、生産の重要な拠点 として順調に稼動しています。 この新工場を含め、同じ敷地内にある既存の工場・設備強化 と再構築により、当社ロボットの生産能力は従来比 50 %増の 2000 台/月となり、世界最大の生産拠点となりました。 当社は、 1977 年に日本で初めての全電気式産業用ロボット MOTOMAN (モートマン)を出荷して以来、 30 年目の 2006 10 18 日に累計出荷台数 15 万台を達成し、産業用多関節ロボット で世界一の累計出荷台数を更新しました。このうち、 1998 年から 販売を開始した液晶ガラス基板搬送ロボットの累計出荷台数も、 業界で初めて 1 万台を突破しました。 また、「 MOTOMAN 」シリーズは 2005 年に続き、 2006 年度 も販売台数世界トップシェアを確保する見通しです。アーク溶接 用途をはじめとしてスポット溶接用、塗装用、液晶ガラス搬送用、 半導体ウエハ搬送用などの受注が引き続き好調です。 MOTOMAN 出荷 15 万台目となる 液晶ガラス基板搬送用ロボット MOTOMAN CSL2500D 2006 年の当社ロボット事業トピックスをもとに、進化する産業用ロボット MOTOMAN をご紹介します。 当社の産業用ロボット及びそのシステム製品は、主に自動車 関連、機械、電機、金属、物流などの分野でアーク溶接やスポット 溶接、塗装、ハンドリング、シーリング、パレタイジング用途 などで使われています。そして液晶やプラズマディスプレイパネル などの FPD (フラットパネルディスプレイ)製造分野で活躍 するガラス基板搬送用クリーンロボット、半導体製造分野を対象 にしたウエハ搬送用クリーンロボット、真空ロボット、搬送 システム製品などを生産しています[半導体関連製品の販売・ サービス事業を、 2006 6 20 日に設立した安川ブルックス オートメーション(株)に移管しました]。 可搬質量は最小 3kg から最大 500kg までで、基本形機種や 様々な応用展開機種を取りそろえています。また、各種アプリ ケーションにおける使いやすさを徹底的に追求した「用途最適形 ロボット」を開発し、順次市場に投入しています。 一方、製造分野にとどまらず、次世代に向けたサービス産業 分野への取り組みも積極的に展開しています。 2006 6 月には、 北九州市と当社は同市のロボット産業振興に向けた連携を強化 する包括提携を結びました。今回の合意により、( 1 )次世代 サービスロボットビジネスの創出に向けた連携強化( 2 )ロボット 技術者の育成強化( 3 )ロボット産業振興策の拡大の 3 項目で 具体策を詰め、生活支援分野などのサービスロボット実用化に 向け、積極的に推進していきます。また、三井物産株式会社殿と の提携を通じて、今後非製造用業務支援ロボット分野への展開 も図ってまいります。 MOTOMAN は世界トップシェアの 産業用ロボットです。 0 2 4 6 8 10 12 14 16 4 6 0 2 8 10 12 14 16 18 20 30 77 96 98 94 92 02 04 06 00 90 88 86 84 82 80 78 年間出荷台数 (千台) 累計出荷台数 (万台) 海外 国内 累計出荷台数 累計出荷台数は 19881万台、 1998105万台、 200311月に10万台、 20061018日に15万台   突破 累計出荷台数 15 万台突破! MOTOMAN の出荷台数の推移と累計出荷台数 2006 10 18 日現在) 1万台 5万台 15万台 10万台 MOTOMAN STATION ロボット新工場 MOTOMAN STATION 新工場 新会社 安川ブルックス オートメーション 「今年の ロボット」大賞 優秀賞 北九州市 と技術提携 累計出荷 15 万台 MOTOMAN 三井物産(株)殿 と技術提携 2006 日経 優秀製品・ サービス賞 優秀賞 拡大する生産規模 広がる適用分野

MOTOMAN OMAN YASKAWA NEWS No. 278 · 2015-02-17 · motoman-dia10 と motoman-ia20 が 産業用ロボッ ト部門で 優秀賞を受賞しました。 経済産業省はロボッ

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Page 1: MOTOMAN OMAN YASKAWA NEWS No. 278 · 2015-02-17 · motoman-dia10 と motoman-ia20 が 産業用ロボッ ト部門で 優秀賞を受賞しました。 経済産業省はロボッ

2 YASKAWA NEWS No. 278 YASKAWA NEWS No. 278  3

● 世界のロボット販売シェア  (2005年度)

● 用途別ロボット販売シェア  (2005年度)

液晶搬送ロボット アーク溶接ロボット 塗装ロボット

データ出所: IFR、JARAの各統計資料から推定

安川電機

2005年 73,900台

24.3%18,000台

52% 42%

安川電機

43%

安川電機 安川電機

(世界シェア) (国内シェア) (国内シェア)

 第1号機のMOTOMAN出荷から1988年の累計出荷台数1万台達成まで11年かかりました。その後、2~3年に1万台のペースで生産を続け、初出荷から22年目の1998年10月に5万台を達成し、累計出荷台数で世界トップクラスになりました。

この累計5万台の記録から5年後の2003年に10万台を達成しました。その後更にペースを上げ、3年間で5万台を出荷し、発売以来30年目となる2006年10月18日に当社ロボット工場(北九州市八幡西区)で累計出荷台数15万台に到達、世界一の累計出荷台数を更新しました。

急速に伸びる出荷台数

 ロボットの生産体制再構築及び生産能力強化を目的として、

2006年1月にロボット新工場「MOTOMAN STATION(モートマンステーション)」が竣工し、生産の重要な拠点

として順調に稼動しています。

 この新工場を含め、同じ敷地内にある既存の工場・設備強化

と再構築により、当社ロボットの生産能力は従来比50%増の2000台/月となり、世界最大の生産拠点となりました。

 当社は、1977年に日本で初めての全電気式産業用ロボット

「MOTOMAN」(モートマン)を出荷して以来、30年目の2006年

10月18日に累計出荷台数15万台を達成し、産業用多関節ロボット

で世界一の累計出荷台数を更新しました。このうち、1998年から

販売を開始した液晶ガラス基板搬送ロボットの累計出荷台数も、

業界で初めて1万台を突破しました。

 また、「MOTOMAN」シリーズは2005年に続き、2006年度

も販売台数世界トップシェアを確保する見通しです。アーク溶接

用途をはじめとしてスポット溶接用、塗装用、液晶ガラス搬送用、

半導体ウエハ搬送用などの受注が引き続き好調です。

MOTOMAN出荷15万台目となる 液晶ガラス基板搬送用ロボット

MOTOMAN-CSL2500D

2006年の当社ロボット事業トピックスをもとに、進化する産業用ロボットMOTOMANをご紹介します。

 当社の産業用ロボット及びそのシステム製品は、主に自動車

関連、機械、電機、金属、物流などの分野でアーク溶接やスポット

溶接、塗装、ハンドリング、シーリング、パレタイジング用途

などで使われています。そして液晶やプラズマディスプレイパネル

などのFPD(フラットパネルディスプレイ)製造分野で活躍するガラス基板搬送用クリーンロボット、半導体製造分野を対象

にしたウエハ搬送用クリーンロボット、真空ロボット、搬送

システム製品などを生産しています[半導体関連製品の販売・

サービス事業を、2006年6月20日に設立した安川ブルックスオートメーション(株)に移管しました]。

 可搬質量は最小3kgから最大500kgまでで、基本形機種や様々な応用展開機種を取りそろえています。また、各種アプリ

ケーションにおける使いやすさを徹底的に追求した「用途最適形

ロボット」を開発し、順次市場に投入しています。

 一方、製造分野にとどまらず、次世代に向けたサービス産業

分野への取り組みも積極的に展開しています。2006年6月には、北九州市と当社は同市のロボット産業振興に向けた連携を強化

する包括提携を結びました。今回の合意により、(1)次世代サービスロボットビジネスの創出に向けた連携強化(2)ロボット技術者の育成強化(3)ロボット産業振興策の拡大の3項目で具体策を詰め、生活支援分野などのサービスロボット実用化に

向け、積極的に推進していきます。また、三井物産株式会社殿と

の提携を通じて、今後非製造用業務支援ロボット分野への展開

も図ってまいります。

MOTOMANは世界トップシェアの 産業用ロボットです。

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年間出荷台数 (千台)

累計出荷台数 (万台)

海外 国内 累計出荷台数

累計出荷台数は 1988年1万台、 1998年10月5万台、2003年11月に10万台、 2006年10月18日に15万台   突破 !

累計出荷台数15万台突破!

● MOTOMANの出荷台数の推移と累計出荷台数  (2006年10月18日現在)

1万台

5万台

15万台

10万台

MOTOMAN STATIONロボット新工場

MOTOMAN

STATION新工

新会社

安川ブルック

オートメーシ

ョン

「今年の

ロボット」大

優秀賞

北九州市

と技術提携

累計出荷 15万台 MOTOMAN

三井物産(株

)殿

と技術提携

2006年

日経

優秀製品・

サービス賞

優秀賞

拡大する生産規模

広がる適用分野

Page 2: MOTOMAN OMAN YASKAWA NEWS No. 278 · 2015-02-17 · motoman-dia10 と motoman-ia20 が 産業用ロボッ ト部門で 優秀賞を受賞しました。 経済産業省はロボッ

2つの優秀賞を受賞! 新世代産業用ロボットが注目を集めています。

第1回 「今年のロボット」大賞 優秀賞 を受賞

2006年 日経優秀製品・サービス賞 優秀賞 を受賞

2005年、販売を開始した新世代産業用

ロボット「双腕ロボットMOTOMAN-DA20/

DIA10」と「腕ロボットMOTOMAN-IA20」は、

人手に頼っている組立工程、物流工程をその

ままロボットに置き換えられる最適ロボット

として誕生しました。国内少子高齢化による

労働力不足問題を解決するとともに、製造

ラインの効率化に大きく貢献できるものと確信

しています。

なお、新世代産業用ロボット「MOTOMAN-

DIA10/IA20」が第1回「今年のロボット」

大賞優秀賞を、「MOTOMAN-DA20」が

2006年 日経優秀製品・サービス賞 優秀賞

を受賞しました。今後も「人と共存するロボット」

として、お客様からのご要望やアイデアを取り

入れながら進化を続け、シリーズ化も視野に

入れながら事業の柱に育てていきます。

賞 名 主 催 者 受賞製品

:第1回 2006年「今年のロボット」大賞 産業用ロボット部門 優秀賞 :経済産業省 ほか :人共生形上半身ロボット(DIA20)、腕ロボット (IA20)

賞 名 主 催 者 受賞製品

:2006年 日経優秀製品・サービス賞 優秀賞 日経産業新聞賞 :日本経済新聞社 :双腕の産業用ロボット「MOTOMAN-DA20」

 双腕の新世代産業用ロボット「MOTOMAN-DA20」が2006年 日経優秀製品・サービス賞 優秀賞 日経産業新聞賞を受賞しました。

 「日経優秀製品・サービス賞」は毎年1回特に優れた新製品・新サービスを表彰するもので、今回で25回目を迎えます。ノミネートは公募によらず、主催者が独自に日本経済新聞、日経産業新聞、

日経MJ(日経流通新聞)、日経金融新聞の4紙に掲載された製品・サービスの中から選定し、審査委員会を経て決定されます。審査

は技術開発性、価格対効果度、業績寄与度、成長性、独自性、産業・

社会へのインパクトの6つの観点に基づき行われました。  今回、「MOTOMAN-DA20」がノミネートされたとのご連絡をいただき、最終審査に臨みました。実際のロボットの展示は

できませんでしたが、展示会でのデモ映像をご覧いただき、また

当社が新たに開発しロボットの関節部分に使用している小形

アクチュエータの実物を用いながら、審査員の方々にご説明しました。

 2007年2月1日に、ホテルオークラ東京(東京都港区虎ノ門)で表彰式が開催され、当社から利島社長が出席されました。

 経済産業省他が主催する第1回「今年のロボット」大賞で、当社の新世代産業用ロボット MOTOMAN-DIA10とMOTOMAN-IA20 が産業用ロボット部門で優秀賞を受賞しました。

 経済産業省はロボット産業を世界をリードする新産業の1つに成長させるべく、ロボット実用化に必要な技術開発や安全性確保

の取り組みを進めています。その一環として、我が国のロボット

技術の革新と用途拡大及び需要の喚起を促すため、関係機関と

の共催により「今年のロボット」大賞を新たに創設しました。

第1回の今回、152件の応募がありました。  審査はまず書類による1次審査の後、審査事務局の技術小委員会による現地調査(当社ロボット工場での聞き取り調査や生産

工場視察)が行われ、その後、経済産業省本庁(東京都千代田区

霞ヶ関)でプレゼンテーションによる二次審査が行われました。

審査内容は、将来の市場創出への貢献度や期待度から、「(1)社会的必要性 (2)ユーザーの視点に立った評価 (3)技術的先進性」とされ、これらの基準に基づいて審査されました。審査委員会に

よる厳正な審査の結果、2006年に活躍し、将来の市場創出への

貢献度や期待度が高いロボット1件が優秀賞として選ばれました。  表彰式及び受賞製品展示会は、2006年12月21日に機械産業記念館(通称TEPIA、東京都港区青山)において行われました。多くの報道関係者が集まる中、受賞企業各社へ表彰状が手渡され、

最後に主催者側を代表し甘利経済産業大臣のごあいさつで締め

くくられました。

MOTOMAN-IA20

MOTOMAN-DIA10

MOTOMAN-DA20

MOTOMAN

STATION

新工場

新会社

安川ブルック

オートメーシ

ョン

「今年の ロボット」大賞 優秀賞

北九州市

と技術提携

三井物産(株

)殿

と技術提携

2006年 日経 優秀製品・ サービス賞 優秀賞

本特集に関するお問い合わせ先: ロボット事業部 事業企画部

TEL: (093)645-7703 FAX: (093)631-8140

累計出荷

15万台

MOTOMAN

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