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NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITEnaosite.lb.nagasaki-u.ac.jp/dspace/bitstream/10069/... · の業績紹介と共に警示されて居る. Salmonellaに共汎する1i

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TitleS. paratyphi Aの抗原構造に関する研究 : 第1報 S. paratyphi Aに於ける所謂Vi抗原の存否に関する検討特に著者のLabile antigen L. Viに就いて

Author(s) 倉田, 豊

Citation 長崎大学風土病研究所業績 3. p.1002-1018, 1954

Issue Date 1954-12-25

URL http://hdl.handle.net/10069/4867

Right

NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITE

http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp

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1002 長崎医学会雑誌第29巻第12号1002-1018頁

S. paratyphi Aの抗原構造に関する研究

第1報 S. paratyphi Aに於ける所謂Vi抗原の存否に関する検討

特に著者のLabile antigen L.Viに就いて

長崎大学風土病研究所血清学部(主任高橋庄四郎助教授)

倉田豊くら   た         ゆたか

(昭和29年11月第7回日本細菌学会九州鞄方会に於て発表)

緒        言

S. paratyphi Aのantigenic schema古一ま従

来1,2,12: a :- として表示されて居る

那,其の所謂0並にH抗原の細部に亘る性

状を先人の菓報中に求めてみると,奉菌種は

甚だ複雑な抗原的構成を示すものの様に想わ

れる.

H原に園しては Bruner & Edwardsl^

(19ヰ1)に依って分離されたvariantl, 2, 12 :

-:1,5即S.paratyphiA〔以下P. Aと略記)

の所謂non-speci丘c phase 〔phase 2)に就いて

の報告がある.之の場合のH抗原1,5は安定

性の強いものと云われるが. homologousの

免壇血清添加培地通過に際して得られたnor-

mal phase (phase 1 ;a), induced phase 〔phase

2;1,5--., arti丘cial phase3並に4)中のphase

2に認められるinduced antigenである.

其の後此のnon-speci丘c phaseはEdwards,

Barnes & Babcock望> (1950)によって自然林

として患者(enteric fever)尽から分離され

て居る.

然るに, Diagnostic Antigenic Schema3)

(1952) |こよれば1950年度antigenic formula4

に殻けると等しくP.Aは所謂diphasic form

ではなく,従来通り mono-phasicformとし

て記載されて居る.

0, H抗原の何れを問わすindu亡ed antigen

と考えられて居るものがnatural antigenと

して存在し得ることは抗原分析に際して肖意

されてよい現象である.

0原に関しては,小島教辞5>(1940)は夙に

豪兎免疫に際して0凝集素の発現稗困難なこ

とを Bhatnager, Freeman & Gera6>(1937)

の業績紹介と共に警示されて居る.

Salmonellaに共汎する1i 12原に就いて

のform variation並に12の分析原に関する

Kauffmann7>(1940)8>(1941)の業績は P.A

の抗原分析に際しでも亦重要な基盤をなすもt

のである.

0原に就いては,筒此他所謂不安定性抗原

(labile antigen)の問題がある.現行の抗原真

には全Salmonellaを通じて唯Vi原が記入

されて居るのみであるが,古くはK. Aoki9^

〔1931)10> (1937)のβ spez. Re乞eptorを塞げ

ることが出来る.

Felix &:Pittll>(1934〕1望5(1936)はS. typhi

に於ける所謂Vi抗原に関する報告後'更に他

種Salmonellaに就いても本抗原の英訳を試み'

塩酸或は埋却(100-C 2.5H)処理吸収原を以て

生菌免疫血清を吸収する術式に依って, P, A,

s. paratyphiB (以下Paratyphi B或はP・B

と記す。他菌種も之に準する〕. Aertrycke

等に於けるVi抗原の存在を撞唱した.然し

其の成績表から推論を敢てすれば'氏等の所

謂Vi原と称するものは,現行のSalmonella

s亡hema記載のViとは共の意味を異にするも

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S. paratyphi Aの抗原構造に関する研究            10031

のと解せられる.

之に対してKau庁mann13>(1936)はPara-

typhi B, Aertryckeを供試して0抗原5の

部分原の存在と性状を例示し,締着の鋭を批し

判して居る.然しこの場合P.Aは供試され

て居ないので想定の域を脱し得ないわけであ

ら.

其の後Felix】4> (1952)はO.OSnNaOH処

理によってP・AにVi.抗原を証明し得たと発

表したが,之に対してもKauffmann15>(1953)

は0.1 n NaOH (37-C20H)処理班に従つ

て, 0抗原2の凝集原性は本処置に際して破

壊されるが,免疫原性は弱化するのみで残存

賛 駄

主賓なものに託て略述する.而して虫に記載され

る事項は第2報以下にも適用されるものである.1.供託培地

菌株県存並に凝集反応原の堵養にほ1.5#普通肉

汁寒天斜面増蝿OPH 7.3-7・4)が)集落性状観察の目的には上記の肉汁を特に肉エキス〔旭東ヱ-A

1)ツヒ肉エキス)で置換したものの平板増地〔PH同

上〕が∫ 又吸収菌大量増蓉には3%普通肉汁寒天平

表 Ll: 供試菌株

すること並に No special HVi antigen o王

S・para. の表現を以てI此の度はP・Aを

供試しての結果として再びFelixの所説を否

定している.斯くてFelix, Kauffmannの論争

は未だ結論に達したとは考え難いのである.

叔上に明な様にP・ Aの抗原構造将に非耐

性0原に関しては侍不明領域が残されており,

併も之は抗感染免疫との関連性も考えられる

分野に属している.

著者は1950年来,未知の所謂不安定性抗原・

の証明を主超としてP・A抗原の分析に努め

て来たのであるが,故に制かの所産を収め得

たので報告する.

揺.式

板持地〔PH同上〕が供試された.

1.5^培地の場合は卯」Kよる透化処置が施されているがJ 3%培地でほ省略されている.卵白供試

の有軌ま後記する集落内色像所見に関係があるので特に附記Lたわけである.

2・供託昔棟

P・Aが主材であるが東研究に供試された菌株の中

特に必要と思われるものを一括表示すると表Aの様軒こなる

供試株路符号

P.A - C

P.A - D

P.A - R

Durazzo

菌   株   名 抗  原  構  造

1

iS. paratyphi A 1015

I 1, 2,I2i> 12s:昆‥_

ク ク 〃      ク :〟:〟

ー :◆ ■-

S. paratyphi A var. duraヱ      2. 12i, 12s

I

Paratyphi B

Reading

Ch. suis

Oslo

S. paratyphi I王var. odens 8085

S. reading

S. cholerae suis var. Kunzeiidorf

S. oslo1350

4,12i,〔12望〕 : b : 1,2-

4, 12t,〔12望〕 :e,h : 1,5-

61,丁        - :1,5-

6, 7

Typhi T2

Typhi O 901 W

Enteritidis

Rostock

Uypm R2

S. typhi T望

S・ typhi・O 901 W

S. enteritidis 1891

S. rostock

S. typni R2 rough

Vi 9,12i,  12s: d : -

9,12i> 12s, 12*: - :

a;> 9, 121,〔12望〕,12s�"g>m: -

(I)J 9, 1   gサP: -

⊥- : d : -

Senftenberg S. senflenberg I, 3,1     :g,s,t: -

〔註〕 〔 〕 means that these antigens are subject to form-variation. (F. Kauffmann持) 〔1941〕)

( 〕 indicates that a portion of the antigen is lacking. (The Kiuff皿inn-White schemaし1951〕〕

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1004                 倉        田

〔話」 (1)兼表出外の供試菌株に就いては必要に

応じて其の都度記赦する.

(2〕 P. A-C株 P. A-D株は所謂集落内色陰に

依って原株から分離されたもので後述される.

(3) P. A-R株は原棟の継代ブイヨン陳旧培糞が

全集落R塾化.した時期に'特に運動陰性株として分

離されたものである.

〔4〕供試練は絶て集落軌 ブイヨン培養 Miilon

氏反応I硫酸銅反応 Trypaflavin反応J生理的食

塩水〔以下0.85プ NaClと記す〕内自発凝集反応J

且因子血清内被凝性等各種所見に依って'そのS性

R性の純化に不断由注意が払われたものである.特

にP. Aの場合は先づ血清反応以外の荻上の諸検査

に従って固定したと想われるR塾が分離されJ継い

でR免疫血清調製,之によるS塾分鞄' S免疫血清

調製,本血清による上記R塾菌の吟味と云う純化過

表 B:   供 試 血 清

担が反覆されることに依って所謂S性が確認され

たP.AのS塾が出発原株として供試されている.

P.A-C, P.A-D株ほ之から分紐されたものである

ことを明記Lておきたい.

猶自現に従えば免疫学的に純粋で併も安定性のあ

るS塾の分輯並に之が保存は爾く容易な業ではない.

其の原因に就いて当研究部で攻究の途上にあるがJ

既に一部の所産は収め得ていることを附記Lてぉく.

5.供託免疫血清'

供試家兎免疫血清の種類及び調麹法等は一括-Lて

表Bに示されている`i免疫法は殆ど常法に準じてい

るが,時に免疫菌株はP.A- S塾菌免疫に際してR-

抗体の直生を最少限に止める為め免疫注射の都度集

落像及び諸反応による性状が確められたものである.

血清にほ防隔剤とLて0.01プ左にMerthiolateが添加

されている. 56ロC30M非働性処置ほ施されていない.

免疫原凝集価

51200

6400

51200

6400

免  疫  過  程

0.125mgO.25mgO.5mg2.Omg・4.Omg〔 5回静注〕家兎2.5kgを基準とし督1週間間隔を以て免疫,終了1避後採血,以下同じ

血 清 種 別 免疫菌株 免疫原処置

P.A-Cl 血 清  P.A-C 生 菌

P.A-C2  血 清

P.A-Co  血 清

ク        ク

ク        ク

0.2 0.6 2.0 4.0 〔4回〕

0.2 0.5 2.0 4.0 〔4!司〕

P.A-D  血 清

51200

6400

o.1250.250.52.04.0(5回〕喜2002。。

P.A-D 〟

25600

25600

3200

1600

o.20.42.0 4―.05.0 〔5回〕 (

0.125 0.25 0.5 2.0 4.0 〔5回〕

P.A-R  血 清 lann田

P.A-Ct)1 血 清

p.A-C

P.A-810.10.20.40.8 1.6(5回〕家兎】kgを基準とし5-7日間隔を出て

6-7日後席血'以下同じ免壁堕了血 清 P.A 〔1015〕 〟

6400

3200

p・九-127 血清 P.A(1015)|56-C30M25600

32000.1 0.2 0.4 0.8 1.6 2.4 〔6固〕

i

0.10.20.40.81.6て5回〕家兎1kgを基準とし5日間隔を以て免疫.終了5日後採血'以下同じ

Durazzo   血 清 Durazzo 〟25600

6400

Reading-O血清 Reading lOCPC2.5Hけ1 0.2 0.4 0.8 1.6 〔5回〕 E 雪喜呂呂

paratyphiB-OH血清ParalyphiB 56-C30M 0.1 0.2 0-4 0-8 1.6 〔5回〕 1…≡oO呂

Typhi T望-OH血清 Typhi T日 生 菌0.08 0.2 0.4 0.8 1.6 〔5回〕〔本別はP.A-8】の場合に同じ〕

51200

12800

56-C30M0.10.20.40.81.6〔5回〕E至…6008。。

l至芸冨o.冒

TyphiO901W-OJft'頁riyphi。9。1W

E

l^Korm-aldehyde

Niloese  血 清  Niloese 0.2 0.2 0.4 0.8 1,6 2.4 〔6回〕

〔註〕免疫環境集托酌ま夫々上段が生菌反応原'下段が死菌〔10(PC 30M〕反応原によるものである.

拭 40プ左Formalin水を100タ托見敬して0.85プ古NaClを出て1ヲ古墳を調製,発破による処置菌液

は免疫期間中氷室保存の型式で供試された.

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S. paratyphi Aの抗原構造に関する研究           1005

4・吸収.楯式

抗原分析の成否は原則として抗原配合の明かな

heterologous 或ほ homologousの所謂脱落変異塾

〔minus vana叫Ioss variant〕の存否に帰着する.従

って此の条件が満たされない場合の抗原分析法は目

的に応じて創案されねばならない.この意味に放て

未研究の場合各様の吸収術式が採られたのであるが,

その詳細は夫々課当の頁下に記載される.

当稿(第1朝〕に放ける吸収原処理法はFelix &

Pitt-12)の業報に準じて施行されたものであるが記載

簡略で詳細は不明である.未熟こ放ける吸収原処置

型式に就いてほ後述される.

吸収商量の算定ほ昔=M CT :原血清終末f誌,

C:被吸収稀釈血清畳(cc〕' F:稀釈倍数, 4‥恒

数∫m:吸収菌量〔mg〕J 〔証〕 Tは最高額集価で反

応原の種類を問わない〕で元される高橋案.(未発表〕

賛 助

Ⅰ・供託資料〔菌株J血清〕のS, Rに閲す魯鈍

度梅南

1・苗穂に於け与純度

〔1)集落像

著者ほP・A原疎から何れも安定性の強いA, B,

C, Dの4塾株を分離しているが,未実験には此の

中のP.A-C. P.A-D2株を供試した.この2株は

共に正円タ 平滑J中等度隆起J・湿潤,光沢,半透明

で一見してS塾集落としての肉眼的性状を示すもの

である.購いて言えばCはDに比Lて僅かに丘隆度

高く透明度も劣る憤向が認められるが,之等は常に

第1国iiiロ     1? A- D

隻落内負丁象

め「≡:::

(I)

壷‥^!

**1

登誌

アA ⊥頁.

ほ)>.

に拠っている.而して本案によlる計算値を吸収菌量

の1単位とする.

吸収試験は, 37-C4-6H保温,毎時限適宜浬拝J

室温放置18-20H後遠心,上選曲清分離の型式で

殆ど常法に準じて行われている.

5・凝集五感術式

O.Bcc式(血清O.Scc三菌液1 gt.凝集反応に依る.

S型反応原とLての0.85^ NaCl)生菌液の濃度は

Img/lccで, R型反応原としては同濃度の蒸溜水菌

液が供試されている.上記菌液の夫々100ロC30M処

置菌液は即ち死菌反応原である.耐性検査に際して

は勿論各種温度による処置反応原が供試されている.

成績は菌液混和後 37-C2H 〔時に6H)限所見並

に之に続く室温放置約22〔 -18) H限所見に基いて

判定されている.以下成標記載ほ必要以外後者の場

合に限られている.

成 績

必ずしも鑑別標識ではあり碍ない.

C, D両者の肉眼的識別はJ唯に著者等の所謂内

包像16a〕〔1952)1ォb?(1953)に放てのみ成さわ得るも

のでJ CJ D像ほ大略第1図の様な内部性状を戻し

ている. C塾はシヤ-レに対する所謂観察角度の変

転に伴って赤色調から漸次著明に白色詞を帯びて来

るがJ D塾はこの扶育色調で終止する"��5「/uP�1"�P.A-Rは

所謂Arkwrightao) M920〕 21) (1921〕記載の性状と

大体一致する.その内色像は穎粒が光線を強く屈折

Lて,誌鳶色を呈するが'観察角度に応じて類粒は粗

雑な縦走性索状を表す様になる.

〔謡)

1・集落内白腹の象形と色調は観察角度によつ

て種々に変化する.例えばP.A-R(1ト〔2)

は其の変化のr域を京したものである.

2. P-A-C像‥内邑像構成線が蔵純な同心円

性を京すもの.

P.A-D像:陰線が空針状を呈する直線的

なものJ同じく繊細であるが一

輪太くその針状先端に位置し

て繊細穎粒の散見する場合も

ある. C,D塾共に陰部ほ赤色

帯残部は青色繋.

P.A-R陵:末文参照.

3・色像の形J登'色調の変化は複雑であるので

詳細は省略する.亦A,B,C,D,R像の問

には勿論移行塑が存在するが之に就いても

省略する..

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1006                  倉        田

集落諾性状の安定性は叙上由色陵の其れと原則的

に平行する.斯くてA, B, C, D督塾は数年来同

一性状下に保存されている一.

〔2) s, R性に関係ある謡性状

P.A-C, P.A-D, P.A-R各棟の諸性状ほ第1襲

に明かな様に夫々S塾, R塑性状に一致する.爾余

の供試様に就いてほ省路するがP・Aと同一所見或ほ

乏に準ずるものである.

第l表:   S型〔P.A-C.-D〕並にR塾(P.A-R〕の性状

・菌 株

性 状    \ \F.A-C P.A-D

集  落  形  態 smooth smooth

P.A-R

rough

集 落 内 色 陵 C D R

運        動 + +

ETブイヨン増糞(24H)均 濁  竹

沈 澱

自 発 遊至 集 反 応

Millon氏 反  応

均 濁  ≠

洗 濯童

上 部 清 澄

沈 澱  ≠

十什

1ト

200倍Trypaflavin反応 (士〕i

(士)

==コ

10%硫酸銅反応 1什

P.A-R血清に対する凝集価

20x  +

40x 土又は-

80x

20x  +

IQ^^KS

Box

25600 x

〔註) 1・運動は0・3プ左普通寒天高層増地内37-C 48H限所見である.

2. 200倍Trypa鮎vin反応(土〕→はslide agglutinationによる場合辛じて

数分後「ルー,べ」によって観察し得る程度の痕跡的所見を意味している.

稿を更にするがTrypaflavin反応賜性物質ほ必ずしもR性物質のみでは

ない.

3. P.A-R血清ほS塾菌による吸収に依って所謂R因子血清化したもので

ある.

2.免疫血清に放け魯鈍産

出上の所見から明かな様にP.A-R以外の供試練

ほS塾として純化されたものであったに拘らずJ第

3表に京す様に之に依って得られた家兎免疫血清中

には比頃的著明なR抗体の出現が認められたものが

ある.その原因に関しては当研究部に放って他日報

告される予琵である.然し乍ら束研究の主材である

P.AのS血清に就いては耽述の儀に時に免壁環の純

度に適意されたのであって,免疫条件(表B参婿〕

或旺其の他の所見(第4表参箱)等を辞せて参渇すれ

I

-I ・・--L

ば,収め得たS抗体価に対するR抗体の産生度とし

ては蓋し最少限に止め得たものと・考えて居る.

3.正常違背乗に1料ナ魯鈍度

P.A-C, P.A-D血清調製に供した家兎の正常血

清と P.A-C, P.A-D, P.A-R椋の問に放ける凝

集反応は第4表に示す様に何れも200x以下である.

Ⅰ.供託資料〔菌株'血清〕の抗原配合

1. P.氏-C, P,A-Dに就て

p.Aの各種因子血清に対する供試菌棟の凝集反応

成債を緒言己すると第2表の俵になる.凍表所見に依

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S. paratyphi Aの抗原構造に関する研究 100ア

井2轟:      供試菌株の各因子血清に対する避集反応

因 子 二血 清

孟巨 に

調 製 法

応 原

並 に

処   置・

I

因千血

2

因千血

2

因千血清

12望

因千血.滑

12i12s

a

国千血

a

医Ⅰ

千血清

1    1    1  ¥  I 1 1 1

P.A- P.A- P.A-810901W.T望-OH P.A-H P.A-D

COl ecu      - -OH

(loo^c(ioo-c(ioo-crs6-c2.5H)2.5H)2.5H)30M)

�"I�"I�"I�"2-222T望丁望DurazzoSenften一同左〔100-C・100-CIH〕(にberlOO-<1H頁1"'

p.A-C 生

p.A-D 生

1- 2, 12t,12s:a:-

2, 121,12s:a:-

〔生 菌〕〔ホルマ. (生菌)1)ン〕

●            I

2    2

P.A-C P.A-D

〔100-C 〔100-C

2H 〕 2H〕

800  25600 12800

800   士   -800

800

1600       800  100 J 100800        400

・~ ~~~~~~   ~ ■      l    ~.      . ..

釦0  200 1600 12800800        800

一エ                コ===コ=・」 =;岩こ⊆==記

200  1600

100   800

~~~~                  ・ l         ..・・--        ,

800   800

800   400

100

100

土   25600 12800

51200

12800

3200  12800

3200   3200

800  12800

400 12800

~■          ・・  ~ .~l              -- I-- I

800  6400

400  3200l

l: =二    こ--

t

200

nin

3200   800

死  1600   800

3200   800

死  3200

Durazzo 生死  800

もー2i,C12O:b:l,2... P-B 生死

4. 12i,〔122^:e,h:l,5- ・Reading 生死

800

800

6・丁:a:e,n,xOslo憤死

i=j=二二-■i■一山一一一---ニーこニ=■■vi,9,12i,12a」:d:-T望生死

121,12,*.12*一言忘言ーJ登I誌諒ご

ーニー=一ニニーニュー-「(1〕;9,12iC123D,123:g,m:-Enteritidis憤死

て===_l・一〔1〕・9・-g,p:-Rostock生死400200

1,3サ19:g>M:-Senflenberg生死128006400

(証〕 1・因子血清調製法はKauffmann4C)(1951)の術式に準じている.●

1 :被吸収血清, 〔 〕内は免疫原処置●

2 :吸 収 原I ( 〕内は現収額処置

2・死菌反応原ほ100-C 30M薗液〔以下特筆しないものほ之に準ずる〕.

3・血清稀釈倍数は100xから始まる.士は100x土の意.無記号は絶て例えば200x+度以上,

地表の場合も之に同じ.

4・ T望:  -S.typhiT望

O 901 W: - S. 1yphiO901W

P. B:    s. paraiyphi B

T-Ro S., typhi R2

:本稿全蓑について同じ.

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1008                   倉         田

第3表:  供試菌棟'各血清問に於ける交叉凝集反応

T望

-OH

〔生菌〕

Vi 9

12i12sa

Reading! -OH

(100-c 〔56つc

2.5H) 30M)

12i 4 12i〔12.〕 〔12望〕

b:1.2

^-81DurazzoP.AP.Aニa

〔100-cC56-c2.5m30M〕〔生菌)2.5H〕

122¢12t12s12i12注a

ど.A

-COi

aoo亡) c

2.5H〕

I 2

12i 12s

\JfJl(^頁l晶p.A-c.

抗皮応

P.A-C

P.A-D

Durazzo

P.B

Reading

Ch. suis

Olso

√ra

O 901W

〔生菌〕

原配A1 2口12i12*

a

㍗.A-D

(生菌)

1 2

12i123a

0901W

(56- C30M)

9 12il鮎12s

Niloese

(ホルマ

リン〕

1 3

19

Zo

生 51200 25600 3200死 6400 .3200 ′ 1600

生死6406望320。。3冒6400。o-..l.~生死51乱800

生益8002。。800200200

Enlerilichs

Ro s toclく

Senftenberg

ど.A-R

T-Ko

(註〕

3200

200

1600  25600

1600   3200

6400  6400

3200   3200

800  25600

8 00  6400

1600  1 600

400   800

生死8002。。ョoo200土1600400800400

._I--l-`生死チo望200士土士200100

~-J__=l~~..l.~一生5120012800100士25600

1600   800

200   土

800   80 0

800  3200  3200

800   800  3200

こ              r T-「

800 1600  3200

200  叫 400  800  3200一         ・     一              コ                             ≡≡≡≡≡=≡≡    こ=こ

200  1600 3200

100  800  1600

_.一                -                                                                                                                                        -

3200  6400  1600  400   士

1600  3200  400  100   士

3200  6400  800  3200   士

1600  3200  400   800-   -I-一二

400   400  土   200   土200   土   土  100

400   200  土   200

死100士士土

工・・こ-ユニニ-・TT・・TT==-こ・三-ニ生死40呂80。。1呂20040。80032。。8003200車士士4001600呂o640oo冒2800

3200 13200 1600 16400  3200  士  3200  6400 12800 125600壁死 400

生 6400死 3200

400

100  800 1600 1600, -  800  3200 32001 12800

200  1600  12800 12800

3200 100   100   800 123001 6400

士   200  1600  6400 12800

士  100   400 3200  3200

100  800   800  200  200

士   100 100

25600 400   300  200

3200 3200  3200  400

800

3200 3200  3200  3200

1600   800  1600

生1600 |3200 400 1600 3200

生≡還l芸640032。。6400…≡o.士生 200 400 100

200   200

土    士

某3表 附 表

P.A-R血清ほS型菌による

吸収に依り因子血清化したも

のである.

P.A各棟のR血清内所見の詳

細は右記附表の通りである.

200

800

12800

3200

200

I Hffl

_I:_-;-: -==-R因子血清

P.A-R

全血清P.A-R

正常血清

P.A-A

P.A-B

ど.A-C.

P.A-D

12.5x4-25 x士50 x-

25 x-f

50 x-

12.5x+25 x士50 x-

12.5x4-25 x士50 x-

HO

200

200

100

100

50

50

25

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S. paratypもi Aの抗原構造に関する研究             1009

第4表    P.A血清中の正常凝集素

血 清

反応原 \  \

P.A-A

免疫家兎正常血清

HIIC

25p.A_A  生

p.A_B  壁

p.A-C  生

p.A-D  生

P.A-R 壁

P.A - H

200

って, P.A-C, P.A-D棟ほ何れも抗原表に京され

ている全ての抗原1, 2, 12i, 123 : aを備えてお

りJ抗血清も亦夫々の対応抗体を含むことが明か

である.

虫に注目すべき所見はP・A-D棟は運動陽性であ

り且第2表に明かな様にH抗体直生能力も著明に持

っているに拘らず,その反応原性を殆ど全く京さな

い(100x+〕事実である.之がH反応阻止因子に

因るものか,或は叉他の機転に因るものか,その本

態に関しては誘客攻究の途上にある.

2・其Φ他に就いて

南条の菌棟に放ける1〕. A共通抗原に関する抗原

配合は第2表に一括表示Lた通りである.即ち爾後

の実験に放ては主として0原1にSenftenberg,

0原2にDurazzo. Hi Hu原にParatyphiB, Reading

(共に121〕及びTyphi T望, 0901W;又a原にOslo,

1.5 H原にCh. suisを夫々反応原或ほ吸収原として

供試することにした.

3・供託蕃棟並に各種発癌血清の問に於ける凝集

五感

第3表ほ供試された14菌株と11碇血清の間に於け

る凝集反応所見である.抗原分析に際して吸除され

ねばならない不要な既知抗原抗体童の算定'吸収後

の所謂後反応検査に意義を持って来る反応原の被墳

性検査'未知抗体分離の成否を規定すると憩われる

供試免疫血清の最高凝集価の決定等の為めになされ

た実験でJ第2表の内容を前撞として本義所見を親

察すれば理解しやすい.

未表に供試された資料各個の示す所見の意義に関

しては必要に応じて解説される.

皿. Felix等の所謂Vi抗原の探索過程

50

25

100

P.A- C3

ー200

P.A-D

'/

50

50

200       200

25

iyphi, Paratyphic C等に放けるVi抗原との混同

を避ける為め中子,本稿に放てはFelix等がP・Aに

認めたと称するVi抗原抗体を氏14)に従って以下

A.Vi抗原抗体と略記する.

Felix等は温熱, HCl, NaOH等による各処理法

を探って居るがJ当研究部でほ温熱の影響を検索の

目的とする関係から?その処置外力を温熱(100-C

2.5 H〕に限還L,本処置に依り菌体抗原組成の脱

落を認め得るや∫抗体の残遥を認め得たとして其の

抗原的純度如何等を検討し苦し既知抗体の混在す

る場合は之を純化し更に所見に応じて之を分析する

.意図の下に実験が進められている.虫にその探索過

程に就いて略述する.

1. Felix等はTyphi V塾の示す所謂O-inagglu-

tinabilityに準ずる現象は認められなかったと報じて

居る.著者も亦本式象の有無を確かめる為めにP.A

-0血清(COi〕を供試して非或は難凝集性集落の

分離に努めたのであるがJ現在迄は之を証し得てい

ない.

2・依って氏等の100-C 2・5H処置法に準じた

P・A菌を出て吸収を試みたが,この場合H原の吸収

能力は殆ど消失すること,並に供試血清のH抗体含

有量が甚だ高価を示す為多量の吸収菌が必要であ

ると共にJ計算菌量を供試LてもT一回で完全に吸収

することの置々困難であることを予備莫故に放て確

め得たのでJ H抗体吸除の為にはhelerologous

のH原J凍稿では Oslo の特異相が必要量の督1/盟

第1次,第2次に分って供試されて居る.而してP.A

宛-0抗体吸除の為には homo・logous P.Aの100-C

2.5H処置吸収原が上記の第2次H抗体吸収に際し

て同時忙投入されている.   L

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I

1010                  倉        田

吸収原ほ先づ必要生菌量が其の大路1U倍量の0.85プ古

NaClを以て平等液化され'低温より漸次上昇する

状態に置かれない様に肖意して(理由ほ第2報に記

述される〕,直接100-C煮沸浴槽内に静置,加温2.5H

後流水冷軌珪拝或は悦服等の操作を加ふることな

く〔理由同上〕直ちに遠・日放澱〔3200-3400 R. P. M:

1.5H〕J上帝の除去されたものである.

此の際氏等は吸収菌量が適量の場合はA-Vi凝集

棄を証明L碍ないと記載して居るので'著者は先づ

吸収菌量1単位を以て試みたのであるがJ其の結果

は第5表(No.1)に示す様にH抗体と共に0抗体の

一部も猶残存して居るこ.とを知り得た.

茅5表        L.Vi抗体分離過程

実 験 番 号 No. 1

j

No. 2

破吸収血清T、ー-→    \

吸J況

反       原伝

原 \

P.A- C8

第1次Oslo (生〕

第2次Oslo 〔生〕P.A-C

(100-C2.5H〕

P.A- C3

第1次

Oslo (生〕

Senftenberg〔生)

P.A-C

〔100-C2.5H)

第2次Os一o (生〕

Senftenberg 〔生〕

P.A-C

P.A-D

Durazzo

P.B

Oslo

O901 W

Senf tenberg

P.A-K

生    1600

100- C 30M

100-c2.5H

400

生     400

生    1600

生    1600

生     400

1600

3.上記所見に基いてP・A吸収原を2単位に迄増

量すると共に0抗体1の残存を着席し遇tl抗体吸

収能がP.Aに優ると考えられるSenftenberg 〔第2

表参照〕生菌の716単位量が同時に添加供試された・

斯くて第5蓑(No.2〕に示す所産を収め得た・哉

にその現収償還を辿ってみると第1次吸収後のP・

A-C血清内にはP.A-Cに対して生菌1600x相当

の抗体童が残存し, 100-C2・5tI処置萄反応原では

陰性で100つC2.5H処置吸収原対応の抗体並にO 901

Wと共通の12抗体等は完全に吸除されたものと

思われるが1猶H抗体a(400x〕. 0抗尉(lOOx)と

想われるものの残存所見も同時に認められる.放つ

1600

s nffi

nm

(士)

800

200

て第2次吸収に放てはOslo及びSenflenbe唱の大

量(5単位〕を出て吸L況してみると既知抗原は一応

除外されJ陽性反応を示すものはP・A菌のみに限

られてくる.

太秦所見からすれば第2次吸収血清に対してP.A

が示している反応は100-C 2.5モ‡処理による脱税

性抗原組成に対応する抗体に因るものと想定されて

よいわけである.未反応Φ凍態と考えられる抗原抗

体忙対して著者は仮りにLViなる記号を附してお

く.勿論LViを直にFelix等の所謂A.Viと見放

L得るか否かに就いては多くの吟味が必要である.

両者の措係或はLVi血清の因子的純度等に関して

I

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S. paratyphi Aの抗原構造に関する研究 1011

は後記考察の項下に詳述される.

W. L..Vl抗原並にL,Vi抗体の性状

1. L.Vl抗原抗体豆腐の凝集塊

LViに就いて云うと乏は0. ・性癖卿こ属Lてほ居る

が'.特に微細穎粒状に慎むくもので,未反応は37a

C2H限では殆ど発現を認めない.萄終売価は800x

A.Vi反応墳塊に関してFelix等はLo及Vり疑集 程度で氏等の1000-2000xより低いものである・

に見られる典型的恵粒状であると称Lているが   2- L.Vi抗原の特異性

第6表     L.Vi抗 原 の 特 異 性

反  応  原

1, 2, 12i, 12s :a:-

血    清

▲叱二十ーー、∫-Vi血清

ISKI-篇 壁

1> 4, 5. 12-1.〔122〕 : b : 1,2-.

6, T 1,5-

6, 8 :d:1,2--

Vi, 9, I2i, 12珪:d:-

~                   l l■  -I-

(1〕. 9, 12i,〔122M2s :g,m:-

1, 3, 19 :d:*i

Ia,   Ic, lVi

S. paralyphi B 6617   生

S. paralyphi C 〃Hirschfeld"壁

S. muen血en      生

~  ~ ~ ~ .~~.~ ~                           ・- ~                 .

s. typhi T望      生

S.enteritidis       生

S.niloese     ・生 -

Ballerup lO7     生

LVi血清に対する他種Salmonella或はBallerup

の被布勢性検査の結果は第]6蓑に示す通り何れも陰i

性であった.即ちTypbi.T望,頁allerup等の一Vi原と-.

ほ異なるもので束抗原の特盈性の点ではFelix等の

所説と合致する所見と云うことになる.

3. L.Vi抗原Φ五感原種耐性

LVi原の温熱に対する反応原性耐性は第7表の

通りで100-C 30Mに耐えるが100ロC60M二で消滅

する.即ち本所見は原則として100-CIOMで消失

するTvphiViに比すれば遠かに強耐性で,所謂Vi

原とは区別されてよいものと考えられる.

亦対照に行われた1, 2, 12等の既知0抗原郵こ

R抗原に比Lても遠かに弱耐性を示すもので,乏等

諸抗原との間にも明確な善が認められるものである.

4- L.Vi抗原の尭癌原性耐性

L Vi抗体は生菌免疫血清から分離されたもので

ある.その免疫原性耐性の限界迄ほ未だ決定し得て

居ないが100-C2.5H処置死菌免疫血清からほ未抗

体を方熟し得なかったことから,少くも100⊂C

800

2.5H非耐性原と云うことがffi来る.

亦このことは従来の所謂o抗体とほ其の性状を異

にすることを窺うに足る所見である.

5二 L.Vi抗原の吸収慮性耐性

一般に吸収性能消失の轟件にほ昏々の場合が考え

られる.`例へば或る外力によって(1〕抗原自体が

破壊される場合'この際抗原性組成板塀媒内に滞酷

Lて屠る場合と黙らざる垣合がある. 〔2〕破壊され

ないが溶媒中に抽出されているために菌体自体には

性能が認められない場合'.この場合滞離した組成の

性能も喋々に考えられる. 〔3〕破壊されないが例え

ば揖轟浬拝等の機械的操作に俵つで〔2〕の場合と大

体同じ状態におかれる場合'この場合は従つ.て菌体

からの脱落が完全でないと或は殆ど完全でも菌寛が

多量に失すると目的の抗体ほ残肖Lないわけである.

⊥・ Vi原が叔上の何れに属するか著者の場合未換

である.戴には唯LViの吸収原性は100CC2.5H

非耐性であることJ並に実験例ほ省略するが60ロC

15-60Mでは同時に揖畳洗源操作が施されたのであ

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1012                 倉        田

るが性能は消失しないこと即ち60-C 60M耐性であー ることを記するに止めておく・

第丁.未:   LVi抗原の反応原性耐性

血   清

反応原並に処置

LVi

1

I

因千血清

2

因千血清

12i 12a

T望-OH

血清

P.A-R

血清

P.A-C

P.A-D

Duraz zo

Senftenberg

P.A-R

100- c30M

100- c 60M

IOOロc 2H

100- c30M

100- c60M

IOOロc 2H

100-c 2H

100-c 2H

100- c30M

100- c60M

IOOロc 2H

mm

800

」3

戟忙吸収性能消失の条件に触れたのは10(FC2.5

H処置に際して揖壷溌源操作が加味されない場合と

黙らぎる場合とでは後考の場合別個の条件が附加さ

れて居るにしても吸収結果には顕著な差が認められ

ること,即ち当稿に述べられるL.Vi原は前者の場合

であり,第2報に予定されているものは後者の夙に

属することを虫に予め対比しておきたいためである・

6. L.Vl抗体Φ耐性

LVi抗体の耐熱性決定にはLVi血清並に対照

として1, 2各因子血清 Niloese血清〔1, 3, 19;

o抗体1共通〕, Tヨ血清(Vi,9, 12i, 12n; 12i> 12托

抗体共通つが供試された.何れも25陪稀釈の濃度に放

て 60-C, 65-C, 70-C, 75-C 温浴督1tI後一 生

菌凝集価を検したもので第8表の所見を得た.即

ちL.Vi抗体ほ60-C-65-C では全く不変 70-C

で多少の影響があり得るかの感じを受けるが先づ不

変と看蝕し得る所見である. 75-Cに於て初めて完

滅する.之はS,typhiのVi抗体より造に頚耐性で

o抗体よりも寧ろH抗体耐性の通念に撰似している.

対照群に放てはT望-OH血清内P・A共通抗体の

800

800

800

3200

640 0

1600

3200

640 0

1600

800

1600

800

800

800

800

800

800

1 2800

12800

. 12800

12800

800

800

耐・性が精々強く 65CCまで殆ど不変 70-Cでも滅

弱はするが猶耐性を示している.之は勿論0抗体12

の耐性と考えねばならないが0原12は未来の0原に

閲す卑定義に全くほ一致しない抗原である(之に託

てほ口原12に関する研究上して稿を新にする予定

である〕.其他の0血清中1抗体含有のNilo-ese血

清内でほ70-Cで完滅し所謂0抗体耐性の通念に一

致する所見を示している.唯P.A-COi血清かち調

製された1因子血清内では70-Cに放て猶耐性を示

す点で Niloese 血清内所見と一致しないのである

がI之ほCOl弄1血清に放ける()望抗体(70〔C60M耐

性〕の混在によるものと考えられる. 0望抗原抗体

価並に上記の本坑体混在の原因に就いては第3報に

放て記述される予定である.従って(1抗体1の耐性

としてはNiloese血清内所見を探るものである.節

くてL. Vi抗体は既知0抗体に比して強耐性である

ことを知ることが出来る.

虫に以上を結合するとLVi抗体はH抗体に近い

耐性を示してU,H抗体耐性の中間に位置するもの

と解される様である.

-1

l

I

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S. paratypht Aの抗原構造に関する研究 1013

第8轟      L.Vi抗 体 の 耐 性

反 応 原-L=

血清並に処置

P.A-C

生 菌

P.A-D

生 菌

P.A-R

生 菌

LVi血清

未処置60-c IH

65-c IH

70-c IH

75-c IH

800

800

800

800 ⊥

1因子血清

未処置60-c IH

65-C IH

70-c IH

75-c IH

3200

1600

200

200

Niloese 血清

I,3,19:d:Z6

未処置60-c IH

65-c IH

70-c IH

75-c IH

1600

800

SHE

2因子血清

宋処置60-c l日

65-c IH

70-c IH

75-c IH

未処置60-c IH

65-c IH

7(Pc 】H

75-c IH

未処置60-c lH

65りc IH

70-c IH

75-c IH

Ts-OH血清

Vi,9,12i,12*:d

800

1600

800

400

800

800

800⊥

400

400

400

100

12800

P.A-R血清

0

12800

12800

12800

〔話〕 -,土: 100x-, 100x士800⊥, 800 : 800x⊥ 800x+度以上蝕も之に準ずる.

因みに叙上諾抗原並に夫々の対応抗体問に親られ 基にして考えるならば抗原の菌体に放ける位置的関

る連立的耐性関係ほ所謂0, H抗原抗体間の概念を 係を想定する上の一助となり得るものである.

V L.Vi抗原Φ抗原駒摘自性に閲す古賀睦曲者盛        ・

既述の吸収過程を経て叙上諸性状を有する

L. Vi抗原が分析された.此は100-C 2.5H

という比較的張力な外力処置による菌体抗原

の組成別に起る部分的脱落が主因をなすもの

と想われるが'斯かる脱落処置吸収原を用い

た場合,その分離抗体の純度並に分離抗倖と

脱落抗原の対応性の問題は分析の意義を決定

する上に重要である.

而して抗体の純度に関する問題は甚だ複雑

であって'如何なる場合も分析鳳分離抗件

に就いては第2次分析の可能性如何が議せら

れねばならない.然し乍ら箕際問題としては

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1014 倉        田

確実な所謂minus form等の分離に成功しな

い限E)甚だ困難な問題である.斯かる場合必

要なことは問題の抗夙抗体の独自性にBgす

る確証で,既知抗原抗体と共通性を示さない

ことが実証されるならば,第2次的分析の根

拠に接する迄は分離抗原抗体を以て一応夫々

単一性抗原或は田子的純血持と看撤して対処

することも許されてよいことである.

鼓にL.Vi抗原抗体が叙上の見解に一致L

得るか香か,即ちL.Viの抗原的独自性が所

謂既知のantigenic s⊂hemaに於けるP・A固

有の各抗原(1, 2, 12i, 12s: a:1,5--'検討

の都合上1,5H原を附記する〕に就いて以下

分析的に検討される.此の際商飴の2-3の既

知抗原抗体をも考察の対象とLノて,叙上諸因

・子に就いて抗原抗体の両面から吟味する予定

で盾る.

I. H抗原:-a

100-C 2.5H加盟に依ってH原の吸収原性

が低下乃至消滅することは明かであって'そ

の漁連動陰性でH抗体産生能力のない免疫原

による免疫血清がこの際の資料としては適当

と思われるのであるが,未だ斯かる菌株を分

離し得ていない.従って血清中の過剰H抗体

吸収の為にはP.Aとはa原のみを共通する

Osloの第1相が用いられた.この場合Oslo

の反応原性が問題になるが第2表'第3衷に

依って大体P・Aと同等のものと見倣される.

然るに第5衷(No.2)第2次分離抗体に対し

てOslo, Durazzo共に陰性であり,叉既述のI

H反応原性陰性のP.A-- D掛ま陽性を示し

ている.他面本反応原は100C-30Mでも猶

耐性を保持し,反応塊も雲賀状でなく微細額

粒状で而も37-C2H限では避塊も殆ど出現

しないのである.ヽ

以上の諸点を綜合して本反応はa抗原抗体

に困るものではないと判定される.

2. H抗原:-1,5

Bruner&Edwardsl^等の所謂第2相0> 2,

12=1,5)を適用tノた場合を想定しても前項の

反応原耐性或は反応塊所見から之を否定する

ことが控来る.更忙供試P.A-C 血清中に

H抗体1.5は殆ど含まれていないのであって

〔第3表参照〕 H掠1・5も亦本居応に関与し

ないと言える.

3. 0薪:原:-1

F. KauffmannT)に依れぼ0抗原1には1++

form, 14- form, 1士form と呼ぼれる3型の

1 variation (1 Formwechsel)があり Senf-

tenbcrg, Niloeseでは常に]J--L formのみ

が現われると言われる.本冥験に供試した

p.A菌株及びP.A血清は夫々顕著に0抗原,抗

体1を含有するものであり'亦本稿に於ける

SenftenbergはP.Aよりも其の反応原性が強い

と見倣されるもので(第2表参照〕この意味

でL.Vi抗体分離に際してSenftenbergが仇

試されたことは既述の適中である(第5表参

照).●而して第5義(No.2)に示す様に第2

次吸収に於て大量のSenftenbergを用い0抗

体1を完全に吸収L・てもP・Aの反応は依然残

存する.文第6塞に示す様にC原1を有する

Niloeseも陰性である.

反応原の耐性からみても1民子血清に対す

るP.A, Senftenbergの100亡C2H反応原は

生菌値に比・L低下L患いが L.Vi抗体に対

するP.Aは100-C60Mで既に消失している

のである〔第7表参照〕.猶抗体の耐性の而

からはNiloese血清円l抗体価は65-Cで明

かな低下を示し75-Cでは完滅しているのに

反して L.Vi血清では等しく 75-Cで完滅

しているが70-C IHでは殆ど全く不変の強耐

性所見が認められるのである(第8表参照).

更に叉,遠別こ記述することは次項の2' 12

各原の場合にも適相されることであるが,

100-C 2.5H処置死菌免疫血清内に2' 12J

抗体と共に1抗体も産生されているに拘らす

L.Vi抗体の分離は不成功に終っていること

も反論の一つとなる.

斯くて,現行の定革に従えば1抗原も亦

L。Vi反応に関与していないものと判定する.

4. 0抗原:-2

o抗原2を有する菌柾がP・A以外に記載さ

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S. paratyphi Aの抗原構造に関する研究

れてない為本項考案は困難を感するのであるI

が次の様に進めてみる P.A血清(P.A-COi,

P.A-81〕から調製された2因子血清に対す

る反応原性はP.A-C, P.A-D, Durazzo共

に同価を示している(第2表参照〕.然るに

第5表(No.2)第2次吸収でDurazzo反応

は陰性化している.本現象はDurazzo2原の

被静吐から推して上記残存抗体が2抗体であ

っては成立し得ないもこのである.叉?凶子血

清に対する反応原性は P.A, Durazzo共に

100-C2Hで低下しないが(第7表),逆に

0抗体2の耐性は既に60-C IH処遣によつ

て城東の兆.をみせ, 65-Cでは半i嵐70-Cに

於て�"&完滅している点で(第8表) L.Vi抗原\l

抗体とは一致しなvl,即ち以上の諸点巻綜合

して0原2を否定しても大過はないものと考

えられる.

51 q抗原・' T12i, 12s

Kauffmann8>に依ると12原は12i, 122, 123

なる部分厚から成るcommon antigenで其の

所謂12 variationに際しては12望が.登与するの

みで12i, 12s時其の対象とはならないと云う.

而して121―12Bの代表株はP・ A並にTyphi

T望12,-12.~.12.り代表株はTyphiT4(杏

実験には同氏の文献に従ってTyphi T4と同

様に12の全部分原草食むTyphi O 901 Wが供

試された)となっている.供試P.A, Durazzo,

Typhi T望各棟及び各血清は夫*12i, 12蕗抗

原流体を Typhi O901 W株鹿にその免疫

血清は12i, 122, 128抗原抗体を持っている

が P.A株並にP・A血清(P.A-C, P.A-D)

はSalmonella schemaに示される処に一致L

て122抗原抗体を欠如して葺いる(第2表参

梶).

(註〕 PIA-C, P.A-Dと異ってDurazzoは12望

因子血清内で200x揚性を示している.也

清不足の為その本態を究め碍なかったので

あるがJ第3表Paratyphi B-OH血清に

対する所見を参考にしてみると12雪原反応

とは考え難いものである.

第5表叩o.2)所見で東1次吸収に於て既

にO901W株は陰性であり,叉第・6表の示

1015

す様に12i, 123を有するTyphi T2, G琵rtner

も全く陰性である.第8真の抗体の耐性から

みる」12i, 123抗体(T2血清)は65-CIH

では不変, 70-CではP.A-C, P.A-D林間

に多少の差は認められるが略-/aにまで低下

するに拘らす, L.Vi抗体は70-Cでも殆ど全

く不変で12抗体より精々強耐性を示している.

叉反応原耐性に於ては12原は一般0抗原と同

じく10Q-C2Hでも低下Lない(第7蔵参

照).                ・

以上の考察に伏'o121, 12aも亦否定される.

6・ R抗原〔rough,R-anti!ien)

R抗原R抗体が介入してくると問題が繁雑

になる患それがあるので実験当初からRに関

しては特に慎重を期して来た.即ち既述の様

に供試菌株は, ・出発菌株の選定は勿論,爾後

S型の保全に肖意L.て供試の都度その安定性

が確証されたものである;供試PこA血清(P・

A-C3)のR抗体価は200×であるが正常血

清に対しても同価を示し,斯くて第3, 4,

5蓑所見から明かな様に供試P・A血清ラ亦従

ってL,Vi血清内たはR抗体は殆ど全く陰性

と考え得る・のである」他面叉L.Vi原陽性殊

にR原株特有由R性諸反応(第1表参照)香

示す傾向が認められるわけでもない.従って

従来の定義に規定されているS, Rの範囲に於

てはL.Vi原はS原に属せしめ得るもので,

軌こL.Vi反応にR凶手は関与していないと

判定しておく..

丁.爪抗原(mu占Φid antigenつ

F. Kaムffmann17> (1936)に依れぼ粘液塾菌

の生菌(又はホルマ1)ン処理菌, 60-C処理

菌)免疫血清中には所謂slime agglutininが

存在し,粘液型菌の食塩水浮醇液を反応原と

した場合, '20-160-x程度のM凝集価加認め

られると言う.本案験供試のP.A株は所謂粘

液型としての培養所見を示すものでは●なく,\

叉L.Vi反応価は800×程度に達する事実を

参考としてM抗原も虫咋除外されて■よい.

8.正常我等乗

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j

1016                 倉

供試血清円の正常凝集素に因る反応も-応

考慮されねばならないJ然し第ヰ表の様に低

価である点,或は亦正常凝集素の種類によつ

てはその耐性が甚だ弱く 56-C 30M加温処

置に依ってその結合作用を消失するものがあ

少,之の種の正常凝集素は L.Vi抗体の耐

性とは比すLづくもないこと等を参照すrると正

常凝集尭との関係は一応無視してもよいと考

えられる.

丑に正常凝集素に就いて考案を放てした理

由と所産に就いては他部員によって報貸され

る予定である.

9- L.Vi庶Φ所属l=閲す魯考轟

L.Vi原がS性原であり0抗原であること,

並に0府中最も考察を必要とするのは0抗TJ頁.A

2との関係であることは,既述の実験成績或

は考察から首肯される.

Felix等のP.A等に於けるVi原存在鋭に

対して: KaunmannがParatyphi B等に於け

る0原5を資料として部分原鋭を撞喝したこ

とは既述した処であるが,本理論を本稿実験

に導入してみると所謂L.Vi原を0原2の部

分原と観るべきか香かの問題が生れて来る.

L.Vi原の反応原性耐性が100-C 30Mに耐

性を示す点はS型TyphiのVi抗原14)よ

り強耐性であり'或る意味では所謂不安定

性抗原(labile antigen)の域に入れるよりも0

原2の部分原とみたがよいとも一応考えら

れる.然し乍ら2原の反応原性は100-C2H

でも耐性を示し叉L.Vi原は100-C2.5H処

遣によ?て免疫原性を失う点から観れば簡く

簡単に断ずるわけに■もゆかない. 5原は其の

襲Kauffmann4c> (1951)によって其の所属が

変更され,今日では5なる0原記号で用いら

れてはいるが,その本態は所謂K抗原として,

-痕に5原と共存する0原4とは別格の取扱

いを受けている.

高橋18>(1939)19>0949)はParatyphi Bに

於てヰ種の所謂不安定性抗原を分析している.

斯かる事案からすれぼFelix等のVi原が

S. typhiの所謂Virulence an亡igenと全く

一致する性状の抗原ではあり得ないにしても1

日・ =L二=ニー

必ずしも0嘩2の部分原と解する必要はない

と考えられる.

1Q. form variationに閲す古寺轟

供試P.A-C, -D, Durazzoは第5真に明か

な様に L.Viに関して克夫4-+,+,-の関係

を示して居る.而して現在のP.A-A,- B,-

C,-D型は充分な純化過程を経て強い安定性

を示すものになって居るがI純化当初は各型

相互間に夫々の派生が認められたものである.

叙上の所見には, I, 6, 12原等に認められ

る所謂 form variation に撰するものを想わ

しめるものがある.

form variationに就いては複報に於て記述

する予定であるが,丑では1国子血清が例え

ばP.A免疫血清をDura乞210で吸牧して得ら

れた場合I其の本態は(I+L,Vi)血清であ

り得る場合が考えられることを提唱してぉき

たい.之に就いては尚第3報に於て触れる予

定である.

亦1並にL.Vi抗原抗体夫々の耐劫性から

推して, l抗原模索の為には少くも100-C60

M以上による加熱処置反応原が供試さるべき

こと,叉L.Vi原検索相の血清は70つCIHの

処置が施される時益々合目的であることも本

稿実験をと依って収め得られた所産である.

Vi,凡Vi, L.Vi間に漉ける鑑別同定とL.Vi

Φ精白性に関する考察

戯上の諸考察を掩括すると,既知の各種抗

原を逐一否定することに依って,著者の術式

に於て分離された血清L.Viに対しては一応

其の抗原的独自性が認められたことになる.

然しながら侍考察を要す畠疑点が残されて

居る.

(1)先づFelix等のA.Vi原と著者のL.Vi

原,並にTyphi Vi腐(T.Vi)との間に於け

る鑑別同定の問題である. A.Viは氏等によれ

ぼ嘗てViと呼ぼれたに拘らすL.Vi原と共に

明かにT.Vi原とは性状を異にするものであ

る。著者はFelixに嘩する捷を試みた他,既

述した様忙振整洗聴損作の加味された 60-C

15⊥60M処置法も反覆施行したのであるが,

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S. paratypm Aの抗原構造K一関する研究

何れの場合も.Felix等の記載と全く一致する

所見は得られて居ない.

次に著者はFelix等]望)の記載が簡略なた

め氏の法に準するものとtノて100-C2.5H加

熱(非洗聴)法を採ったのであるが,.最近の

氏の柴報14)からすれば,氏のA,Viは加熱

洗聴韓に拠るものと解するのが妥当の様忙考

えられる.戟には即ち方法論からしてA.Vi

と L.Viは一致しないものとの判定を一応

ーFしておくことにすろ.

斯くて著者はL.Vi4=A.寸i幸Viとし A.Vi

原は之を証明し得なかったとするKauffmann

の所説に讃意を表する.然し何A.Viに就い

ては検討すべきものが残されて居る.第2報

以下に於て言及する予定である.

(2〕次はL.Viの独自性に萌する問題である.

叙上1-8項に於ける考察並に見解からP.A

に於ける既知抗原と L.Viは異なること即ち

1.本研究はS. paratyphi A に於ける未

知抗原嘩忙所謂非耐性抗原の証明を意図して

行われたものである.

2.本研究に際しては矧こ供試資料のS,R

純度に就いて肖意された.亦長期に亘る海料

の性状固定と供試株分溺の目的を以て菅者等

の集落内色像が適月ヨされたが'本像所見に依

ってS. paratyphi Aは4種の集落型(A,B,

C,D) K&別され,本稿では其の中2種(C,

D)が主材として供試されている.

3.実験はFelix& Pittの提唱したS.pa-

ratyphiAに於けるVi抗原の存否,並に其の

抗原的独自性或は特異性等を確める目的の下

に,先づ氏等の100-C2.5H加熱吸牧原珪に

準する術式が採用された.

4.斯くて従来のantigemcschemaには記

載が無く,而して下記する様な性状を持つ或

種の非耐性抗原の存在が確認された.

5.本抗原の諸性状を要約すると次の様に

なる.

(1)本抗原は既知の所謂0,H並にViと

は異なる琉原で,抗原的独自性を示して居る.

1017

其の準自性は認められたことに怒る. I

故に他のSal皿onellaに対する特異性であ

るが, Felix等の所謂Vi 〔A.Vi)なる用語は

現行のSalmonella schemaに放ける様に其の

凝集原性に基いて定義された外形的なものを

意味するものではなく, ・所謂Virulenceに関

聯.することを語義の主体とした普遍性のある

内容的略号と解すべきことはFelix14>(1952〕

の報告に明かな処である.斯かる意味に於け

るA. Vi抗原の某在並に其の特異性に関して

は'著者は自験に基いて氏等の柴蹟を葺持す

るものである.

要約すれぼS. paratyphi Aに放ける所謂

A二vi抗原の存在はKauffmannと等しく一応

之を否定する.然し特異性を有する非耐性原

の存在に対しては Felix & Pittの所説に讃

意を表する.

舌五Ft口

(2)本抗原は Salmonellaの既知菌撞金

側に迄は及び得てないが,少くも各 Group

より任意に選出された菌種との聞に特異性を

示すものである.

〔3〕木枕原の反応原性は100-C30Mで梢

減退, 100-C IHで完.#する.

(4)本抗原の吸収原性は60-C IH耐性,

100-C 2.5H非耐性である.

(5〕本抗原の免疫原性は100-C2.5H非耐

性である.

(6)豪兎生菌免疫(0.05-+1.6mg/kg ヰ-

5回)に際して得られる本抗原対応の抗体価

は800-1600x (之に就いては侍壊報参照)

である.

(7)本抗体の性能は70-CIH迄は不変で

あるが75-C IH処置に依って完滅する.

(8)本抗原抗体反応塊は微細期粒状で,節

謂0型反応塊の性状を示して居る.亦本反応

塊は, 37-C2-6H限では殆ど重く発現しな

い.

本抗原は対応抗体の分離過程から推しても

Somatic antigen と考えられるが,亦之等は

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1018                   倉        田

絶てL. Viを一応所謂Iabile antigenと看倣

し得る所見でもある.

(9〕本坑原は1,6, 12原等に親られるfo一皿

variation を示し得る抗原かと考えている.

現在P.A-C, P.A-D, Durazzoが夫夫

Form++, Form十 Form-に相当する所見

と A,B,C,D各集落型問の分離状態が知ら

れて居るが form variationに就いては複報

に於て吏めて触れる予定である.

p.A-C, -D, Durazzoに於ける本抗原の

配合状態から明かな様に二,例えば従来の吸収

衝式に従って0因子血清1等を調製するに当

っては,供試賀材の抗原構造に関して充分な

吟味が必要である.之に就いては侍後報に於

て詳述される。

〔10〕本抗原には 0-inagglutinability は認

められない.

6.所謂A.Vi原と命名されるFelix&pittの抗原の存在には戯上の所産からして現

在の処同意L得ない.この点ではF. Kau任-

mannの反論に諾意を表する.

然しS. paratyphi Aに於ける特異性'非

耐性原の実在に関するFelix等の撞唱に対し

ては,自験に立って之を支持する.

参考文献‥ 終静こ放て一括掲載する.

〔昭29. ll. 1受付 輯別掲載〕

′l