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外皮・躯体と設備・機器の総合エネルギーシミュレーションツール「BEST」の開発(その133) ダブルスキン熱性能値の計算値と実測値の比較 Development of an Integrated Energy Simulation Tool for Buildings and MEP Systems, the BEST (Part 133) Measured Value and Calculated Value of the Double Skin Thermal Performance 正 会 員○芝原 崇慶(竹中工務店) 特別会員 村上 周三(建築環境・省エネルギー機構) 技術フェロー 石野 久彌(首都大学東京名誉教授) 技術フェロー 郡 公子(宇都宮大学) 正 会 員 左 勝旭(竹中工務店) Takayoshi SHIBAHARA* 1 Shuzo MURAKAMI* 2 Hisaya ISHINO* 3 Kimiko KOHRI* 4 Katsuaki HIDARI* 1 * 1 Takenaka Corporation * 2 Institute for Building Environment and Energy Conservation * 3 Tokyo Metropolitan University * 4 Utsunomiya University Double Skin facade was applied to the I-Buliding. SHGC and U-value of the Double Skin facade were measured for short-term. In this paper, measurement value and calculated results of the BEST were compared. As a result, That the measured values and the calculated values match was confirmed. 1.はじめに Iビル 1) の外装には、自然換気のできる全周ダブル スキンを採用し、自然エネルギー利用と外皮負荷のミ ニマム化を実現している。本報では、I ビルにおける ダブルスキンの熱性能値(日射熱取得率と熱貫流率) の測定結果 2) とBEST専門版に組み込まれる予定であ るダブルスキンの計算プログラムを用いて算出した ダブルスキン熱性能値の計算結果の比較結果を示すまた、Iビルを標準条件としたケーススタディを行た結果についても示す。 2.自然換気のできる全周ダブルスキンオフィスの概要 本ダブルスキン(図1)は、アウタースキンとインナ ースキンの間隔を約800㎜確保し、3層(高さ 13.5m) を1区画として、外気の給排気口の高低差を大きくす ることで排熱換気の駆動力を高める計画としている最大の特徴はダブルスキンと自然換気の両立である自然換気口の開口はトンネル形状とし、 ダブルスキン を貫通し自然の風を事務室内に導入する。 ダブルスキ ン内に設置されたブラインドは太陽位置等に応じて 自動制御されている。 基準階事務室(図2)は、約60m×約60mの正方形でコア部を除くほぼ全周に、先に示したダブルスキンが 配置されている。事務室面積は2,355㎡、 事務室奥行 は約18mである。 3層1区画の 下部から 外気を導入 Low-E 複層ガラス 自動制御 電動ブラインド 上部から暖まった 空気を排出 ダブルスキン内部 オフィスへの 外気取入 外気を導入 暖まった空気を排出 熱排出時の流れ 自然換気時の流れ 図1.ダブルスキンの構造概念図 空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集{2014.9.3〜5(秋田)} -13- 第5巻 OS-4

O ç E ë Ì Æ Ý õ E @ í Ì G l M [ V ~ [ V c [ u BEST v Ì J i » Ì 133 j · 2016. 10. 17. · S H G C and U -value of the D ouble S kin facade w ere m easured for short-term

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外皮・躯体と設備・機器の総合エネルギーシミュレーションツール「BEST」の開発(その 133)

ダブルスキン熱性能値の計算値と実測値の比較

Development of an Integrated Energy Simulation Tool for Buildings and MEP Systems, the BEST (Part 133)

Measured Value and Calculated Value of the Double Skin Thermal Performance

正 会 員○芝原 崇慶(竹中工務店) 特別会員 村上 周三(建築環境・省エネルギー機構)

技術フェロー 石野 久彌(首都大学東京名誉教授) 技術フェロー 郡 公子(宇都宮大学)

正 会 員 左 勝旭(竹中工務店)

Takayoshi SHIBAHARA*1 Shuzo MURAKAMI*2 Hisaya ISHINO*3 Kimiko KOHRI*4 Katsuaki HIDARI*1

*1 Takenaka Corporation *2 Institute for Building Environment and Energy Conservation

*3 Tokyo Metropolitan University *4 Utsunomiya University

Double Skin facade was applied to the I-Buliding. SHGC and U-value of the Double Skin facade were measured for

short-term. In this paper, measurement value and calculated results of the BEST were compared. As a result, That the

measured values and the calculated values match was confirmed.

1.は じめ に

I ビル 1)の外装には、自然換気のできる全周ダブル

スキンを採用し、自然エネルギー利用と外皮負荷のミ

ニマム化を実現している。本報では、I ビルにおける

ダブルスキンの熱性能値(日射熱取得率と熱貫流率)

の測定結果 2)と BEST 専門版に組み込まれる予定であ

るダブルスキンの計算プログラムを用いて算出した

ダブルスキン熱性能値の計算結果の比較結果を示す。

また、Iビルを標準条件としたケーススタディを行っ

た結果についても示す。

2.自 然 換 気 の で き る 全 周 ダ ブ ル ス キ ン オ フィス の 概 要

本ダブルスキン(図 1)は、アウタースキンとインナ

ースキンの間隔を約 800 ㎜確保し、3 層(高さ 13.5m)

を 1 区画として、外気の給排気口の高低差を大きくす

ることで排熱換気の駆動力を高める計画としている。

最大の特徴はダブルスキンと自然換気の両立である。

自然換気口の開口はトンネル形状とし、ダブルスキン

を貫通し自然の風を事務室内に導入する。ダブルスキ

ン内に設置されたブラインドは太陽位置等に応じて

自動制御されている。

基準階事務室(図 2)は、約 60m×約 60m の正方形で、

コア部を除くほぼ全周に、先に示したダブルスキンが

配置されている。事務室面積は 2,355 ㎡、事務室奥行

は約 18m である。

3層 1区 画 の下 部 か ら

外 気 を 導 入

室内

外部

Low-E複 層 ガラ ス

自 動 制 御電 動 ブ ラ イ ン ド

上 部 か ら暖 ま った空 気 を 排 出

ダブ ル ス キ ン 内 部

オフィス へ の外 気 取 入

外 気 を 導 入

暖 ま った空 気 を 排 出

室内

外部

熱 排 出 時 の 流 れ

自 然 換 気 時 の 流 れ

図 1.ダブルスキンの構造概念図

空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集{2014.9.3 〜 5(秋田)} -13-

第5巻

OS-4

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3.シミュレーション条件

表 1 にシミュレーション条件を示す。ダブルスキンの

形状は、実際の計画(図1)を模擬した入力とした。

階高4.5m×3層(高さ13.5m)のダブルスキンであり、ガ

ラスはLow-E複層ガラス(空気層=12mm)、ブラインドは暗

色である。実際の建物では、ブラインドは自動制御され

ているが、本計算では全閉としてシミュレーションを実

施した。

計算時間間隔は 1 時間とし、気象データは拡張アメダ

ス標準年(東京)を使用した。後に示す日射熱取得率およ

び熱貫流率の計算結果は 1 時間毎の計算値を頻度分布や

平均値として示している。

4.ダブルスキン熱性能値の測定概要

本報で示すダブルスキン熱性能値の測定・算定結果は、

文献 2)を参照している。測定期間は2011年8月10日~9

月19日(日射熱取得率)と2011年12月15日~12月25日

(熱貫流率)である。

熱貫流率は、日射が無く日中の蓄熱の影響が小さい 0

~6 時、かつ貫流熱量が安定する室内外温度差が 10℃以

上、かつ貫流熱量が 15W/㎡ K 以上となることを満たす測

定値を採用して算定されている。

日射熱取得率は、鉛直面日射量が100W/㎡を超える時間

帯における測定値から算定されている。

なお、熱貫流率と日射熱取得率は、時刻毎(1分毎)の計

測値を用いて各々計算し、その平均値により算定されて

いる。ブラインドは自動制御を生かした状態での測定で

ある。

5.計算値と実測値の比較

5.1 ダブルスキン内温度

図 3 に、ダブルスキン内温度の計算値と実測値の比較

を示す。実測値は、2011/8/10 16:00の西面におけるもの

である。このときの外気温度は 33.2℃、鉛直面日射量は

578W/㎡であった。計算値はこれと類似する太陽位置・気

象条件におけるものである。計算値のほうが、上下温度

分布が大きくなっているものの、平均温度では実測値と

計算値は概ね一致していることが確認された。

5.2 日射熱取得率

図 4 に日射熱取得率の計算値と実測値の比較を示す。

方位毎・層毎(今回計画のダブルスキンは3層である)にグ

ラフ化しており、計算値については年間の頻度分布と平

均値を示している。実測値は南方位・西方位について測定

された結果を参考値として併記している。

計算値と実測値は概ね一致している。また、1~3 層に

従って日射熱取得率が大きくなる点でも、傾向は一致し

ている。層毎の値の変化は、計算値の方が大きい傾

表1.シミュレーション条件 項目 計算条件

ダブルスキン 窓高さ:2.8m、腰壁高さ:1.7m ダブルスキン奥行:0.9m 吹抜層数:3、上下換気口:0.06㎡/m ガラス:透明+Low-E複層(空気層12mm) ブラインド:暗色(常閉) ペリメータ奥行:5m ※腰壁・奥行はインナーガラスと庇形状を考慮して 設定した。

内部発熱 照明:5W/㎡×75%、コンセント:10W/㎡×75% ※BEMSにて収集した実績値を参考に設定した。 人員:0.1人/㎡、外気量2.5CMH/㎡

室内温湿度条件 下限:22℃40%、上限:26℃50% 空調運転時間 8~20時、8~9時は予冷熱運転(外気カット) 気象条件 拡張アメダス標準年(東京)

図 2.基準階平面図

図 3.ダブルスキン内温度の計算値と実測値

実測値 測定日:2011/8/10 16:00 測定場所::西面 鉛直面日射量:57.8W/㎡ 外気温度:33.2℃

計算値 8/1 16:00(EA 気象デ ー タ・東京) 鉛直面日射量 564W/㎡ 外気温度 29.6℃

0

4 .5

9

1 3 .5

3 0 3 2 3 4 3 6 3 8 4 0 4 2 4 4 4 6 4 8

高さ

[m]

ダ ブ ル ス キ ン 内 温 度 [℃ ]

実 測 値

計 算 値

向となっているが、先に示したダブルスキン内の上下温

度差は計算値の方が大きくなっていることも要因である

と考えられる。今回計画ではダブルスキンを貫通する自

然換気取入口が設置されている等の理由で、上下温度差

が生じにくくなっている可能性もある。上下による熱特

性値の差が小さいことは、テナントビルとしては良い方

向である。

方位毎の日射熱取得率の計算値に着目すると、日射熱

取得率の上下差は方位によらずほぼ一定である。

空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集{2014.9.3 〜 5(秋田)} -14-

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0 .0

0 .2

0 .4

0 .6

0 .8

1 .0

1 .2

1 .4

1 層 2 層 3 層 1 層 2 層 3 層 1 層 2 層 3 層 1 層 2 層 3 層

南 西 北 東

熱貫

流率

[W/m

2K]

計 算 値実 測 値

図 4.今回計画ダブルススキンの日射熱取得率計算値(頻度分布)と実測値

図 5.今回計画ダブルススキンの熱貫流率計算値と実測値

ディ条件は、表2の通りとした。

Low-Eから透明複層とすると、日射熱取得率は0.065か

ら0.135、熱貫流率は1.11から1.88(西方位・2層)となり、

ダブルスキンの熱性能値は大幅に悪化する。ブラインド

を中間色、明色とすると、日射熱取得率は、0.071、0.082

と若干の変化がある(西方位・2層)。

上下換気口面積を2倍、1/2倍とすると、日射熱取得率

は 0.065 から 0.053、0.079 となり、熱貫流率は 1.11 か

ら1.14、1.08となる。今回の計算では上下換気口を常開

としてシミュレーションを行ったが、上下換気口の開閉

制御を適切に行うことが省エネルギーに繋がるといえ

る。

7.まとめ

1) Iビルに導入されているダブルスキンの日射熱取得

率・熱貫流率の実測結果とBESTによる計算結果の比較

を行った。

2) 夏期西面におけるダブルスキン内温度の実測値と計算

値を比較すると、計算値の方が上下温度差が若干大き

いものの平均温度としては概ね一致することが確認さ

れた。

5.3 熱貫流率

図 5 に熱貫流率の実測値の比較を示す。実測値は南方

位・北方位について示している。

計算値と実測値は概ね一致している。また、1~3 層に

従って熱貫流率が小さくなる点でも傾向は一致してい

る。日射による影響等を排除できている点では、北方位

の実測値の方が信頼性があり、計算値との一致程度も良

好である。

6.ケーススタディ

図 6 に、今回計画建物をベースに、ダブルスキンの構

成要素を変化させた場合の計算結果を示す。ケーススタ

南 西 北 東

3層2層

1層

0

0 .0 5

0 .1

0 .1 5

0 .2

0.01

0.02

0.03

0.04

0.05

0.06

0.07

0.08

0.09 0.

10.

110.

120.

13

発生

頻度

[-]

日 射 熱 取 得 率 [- ]

平 均: 0 .0 4 5(実 測 値: 0 .0 4 9)

0

0 .0 5

0 .1

0 .1 5

0 .2

発生

頻度

[-]

平 均 : 0 .0 6 1(実 測 値 : 0 .0 5 5)

0.01

0.02

0.03

0.04

0.05

0.06

0.07

0.08

0.09 0.

10.

110.

120.

13

日 射 熱 取 得 率 [- ]

平 均 : 0 .0 4 9(実 測 値 : 0 .0 3 9)

平 均: 0 .0 6 5(実 測 値: 0 .0 3 9)

平 均 : 0 .0 8 0(実 測 値 : 0 .0 5 2)

0.01

0.02

0.03

0.04

0.05

0.06

0.07

0.08

0.09 0.

10.

110.

120.

13

日 射 熱 取 得 率 [- ]

平 均 : 0 .0 5 4

平 均 : 0 .0 7 1

平 均 : 0 .0 8 6

0.01

0.02

0.03

0.04

0.05

0.06

0.07

0.08

0.09 0.

10.

110.

120.

13

日 射 熱 取 得 率 [- ]

平 均 : 0 .0 5 0

平 均 : 0 .0 6 6

平 均 : 0 .0 8 0

0

0 .0 5

0 .1

0 .1 5

0 .2

0 .2 5

発生

頻度

[-]

平 均 : 0 .0 7 5(実 測 値 : 0 .0 5 9)

空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集{2014.9.3 〜 5(秋田)} -15-

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【謝辞】

本報は 、(財)建築環境・省エネ ル ギー 機構内に設置され た産官学

連携による環境負荷削減の ため の 建築物の総合的なエ ネ ル ギー 消

費量算出ツー ル 開発に関す る「BEST コンソー シア ム」・「BEST 企画

委員会(村上周三委員長)」お よび 専門版開発委員会(石野久彌委員

長)、統合化 WG(石野久彌主査)の活動成果の一部で あり、関係各

位に謝意を表す るもの で ある。統合化 WG 名簿(順不同) 主査:石野

久彌(首都大学東京名誉教授)、委員:内海康雄(宮城工業高等専門

学校)、大西晴史(関電工)、木下泰斗(日本板硝子)、工月良太(東京

ガ ス)、郡公子(宇都宮大学)、菰田英晴(鹿島建設)、佐藤誠(佐藤

ER)、芝原崇慶(竹中工務店)、新武康(清水建設)、田中拓也(大成

建設)、長井達夫(東京理科大学)、二宮秀與(鹿児島大学)、野瀬暁

則(大林組)、野原文男、長谷川巌、滝澤総、二宮博史、丹羽勝巳、

久保木真俊(以上、日建設計)、柳井崇、品川浩一、山本佳嗣(以上、

日本設計)、事務局:生稲清久、石田真理(建築環境・省エ ネル ギー

機構)

【参考文献】

1)左、和田、高橋、廣田、武藤、小林、石井、西原、田辺:環境配慮

技術を導入した先進的なテナ ントオ フィスにお ける執務環境評価(そ

の 1)放射空調・パ ー ソナ ル 環境制御の計画、日本建築学会大会学

術講演梗概集、pp.401-402、2013 年 8 月

2)菊池、左、和田、田中、山田、堀、直井:ダブ ル スキンファサ ー ドに

よる日射遮蔽と室内自然通風の一体的な計画と実施(第 2 報)短期実

測による性能評価、空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集、

pp.269-272、2012 年 9 月

3)郡、石野:熱負荷計算の ため の窓性能値に関す る研究 第 3 報

ダブ ル スキン、エアフロー ウィンドウの熱性能式の提案、日本建築学

会環境系論文集 No.682、pp.997-1002、2012 年 12 月

0.00

0.05

0.10

0.15

0.20

0.25

日射

熱取

得率

[-]

0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

3.00

3.50

今回

計画

透明

単板

透明

複層

中間

色ブ

ライント

明色

ブライ

ンド

ブライ

ンド無

開口

2倍

開口

1/2

熱貫

流率

[W/m

2K]

今回

計画

透明

単板

透明

複層

中間

色ブ

ライント

明色

ブライ

ンド

ブライ

ンド無

開口

2倍

開口

1/2

今回

計画

透明

単板

透明

複層

中間

色ブ

ライント

明色

ブライ

ンド

ブライ

ンド無

開口

2倍

開口

1/2

今回

計画

透明

単板

透明

複層

中間

色ブ

ライント

明色

ブライ

ンド

ブライ

ンド無

開口

2倍

開口

1/2

図 6.ダブルスキン熱性能値のケーススタディ

(a)南方位 (B)西方位 (C)北方位 (D)東方位

3)南面・西面の日射熱取得率の実測値と計算値を比較す

ると、1~3 層に従って値が大きくなる傾向などが再現

されていることが確認された。計算値の方が全般的に

小さい値を示しているが、測定値はブラインドスラッ

トが自動制御されているのに対し、計算値では全閉と

していることが原因と考えられる。

4) 熱貫流率は、実測値と計算値は概ね一致した。

5) 実測値と計算値は概ね一致しており、実測により確認

された熱性能値の妥当性と、本建物における省エネル

ギー性の実現が確認された。また、BEST によるシミュ

レーションの妥当性もあわせて確認された。

6) Iビルのダブルスキンを標準条件としてケーススタデ

ィを行った結果を示した。室内側ガラス種類・ブライ

ンド種類・上下換気口サイズによる日射熱取得率と熱

貫流率の計算結果は、基本計画段階における検討資料

として活用できると思われる。

表2.ケーススタディ条件 項目 計算条件

室内側ガラス 今回計画:透明+Low-E複層(空気層12mm) Case1:透明単板ガラス Case2:透明複層ガラス

ブラインド 今回計画:暗色ブラインド Case3:中間色ブラインド Case4:明色ブラインド Case5:ブラインド無し

上下換気口 今回計画:上下共に0.06㎡/m Case6:今回計画の2倍 Case7:今回計画の1/2倍

空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集{2014.9.3 〜 5(秋田)} -16-