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- 1 - 地 域 再 生 計 画 1 地域再生計画の名称 競争力と持続力を持つ交流6次化による地域資源の活用 -「ふるさと愛」プロジェクト- 2 地域再生計画の作成主体の名称 南アルプス市 3 地域再生計画の区域 南アルプス市の全域 4 地域再生計画の目標 南アルプス市は、山梨県の西側に位置し、北は八ヶ岳、南には富士山を望み、名前の由 来である南アルプス山脈のふもとにある美しい自然に囲まれた地域である。 市の総面積は264.07k㎡、東西に細長い形をしており、御勅使川扇状地やそれに続 く低地にかけ、里山、果樹地帯、そして田園地帯へと広がる。人口73,425人で市内 のほとんどを山林・農地が占めており、すももをはじめとした果樹栽培などが盛んである。 近年は企業誘致が進み比較的多くの工業団地を抱え、山岳地帯や里山地帯を対象とした 登山客等の観光収入など、第1次産業にとどまらず産業構造が多様化している。しかし、 依然として就労環境は良好とは言えず、農業従事者の高齢化や後継者不足の他、全国的な 不況の影響もあり、管内有効求人倍率は例年全国平均以下の数値となっている。 こうした課題解決のため、本市ではプロジェクトチーム「ふるさと愛」プロジェクト室 を新たに設置し、山岳地帯・里山地帯・樹園地帯・田園地帯の4つのエリアを連携させ、 地域経済をより活性化させる計画を推進してきたところである。 具体的には、田園地帯や樹園地帯を対象に、農林業の6次産業化振興を目的とした総合 特別区認定による規制の特例措置の申請、さらに拠点地域とすべく市内IC周辺開発によ る「6次産業化拠点施設(仮称)」(以下 拠点施設)の建設計画や、豊かな自然資源を生 かした他市町村との交流体験事業が進められている。また、健康長寿をテーマに、市内の 子供からお年寄りまで楽しめる山として、「櫛形山 くしがたやま 」に誰でも利用できるトレッキングコー スの開発が計画され、南アルプス山系を訪れる熟練登山客、ふもとの里山に訪れる初級登 山客の両者が楽しめる景勝地の創出と、伊奈ヶ湖 周辺の施設を活用した新たな客層の開拓 を目標に事業が行われている。 これらの計画を実現するには、上記事業によって予想される雇用創出を踏まえ、地域経

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- 1 -

地 域 再 生 計 画

1 地域再生計画の名称

競争力と持続力を持つ交流6次化による地域資源の活用

-「ふるさと愛」プロジェクト-

2 地域再生計画の作成主体の名称

南アルプス市

3 地域再生計画の区域

南アルプス市の全域

4 地域再生計画の目標

南アルプス市は、山梨県の西側に位置し、北は八ヶ岳、南には富士山を望み、名前の由

来である南アルプス山脈のふもとにある美しい自然に囲まれた地域である。

市の総面積は264.07k㎡、東西に細長い形をしており、御勅使川扇状地やそれに続

く低地にかけ、里山、果樹地帯、そして田園地帯へと広がる。人口73,425人で市内

のほとんどを山林・農地が占めており、すももをはじめとした果樹栽培などが盛んである。

近年は企業誘致が進み比較的多くの工業団地を抱え、山岳地帯や里山地帯を対象とした

登山客等の観光収入など、第1次産業にとどまらず産業構造が多様化している。しかし、

依然として就労環境は良好とは言えず、農業従事者の高齢化や後継者不足の他、全国的な

不況の影響もあり、管内有効求人倍率は例年全国平均以下の数値となっている。

こうした課題解決のため、本市ではプロジェクトチーム「ふるさと愛」プロジェクト室

を新たに設置し、山岳地帯・里山地帯・樹園地帯・田園地帯の4つのエリアを連携させ、

地域経済をより活性化させる計画を推進してきたところである。

具体的には、田園地帯や樹園地帯を対象に、農林業の6次産業化振興を目的とした総合

特別区認定による規制の特例措置の申請、さらに拠点地域とすべく市内IC周辺開発によ

る「6次産業化拠点施設(仮称)」(以下 拠点施設)の建設計画や、豊かな自然資源を生

かした他市町村との交流体験事業が進められている。また、健康長寿をテーマに、市内の

子供からお年寄りまで楽しめる山として、「櫛形山くしがたやま

」に誰でも利用できるトレッキングコー

スの開発が計画され、南アルプス山系を訪れる熟練登山客、ふもとの里山に訪れる初級登

山客の両者が楽しめる景勝地の創出と、伊奈ヶ湖い な が こ

周辺の施設を活用した新たな客層の開拓

を目標に事業が行われている。

これらの計画を実現するには、上記事業によって予想される雇用創出を踏まえ、地域経

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済活性化を担う人材育成や、地域企業との連携、また魅力的な商品開発のための研究が必

要不可欠である。本市の魅力を再開発し、各種分野における需要を満たし発展させ「ふる

さと愛」プロジェクトを実現するため、実践型地域雇用創造事業を利用し雇用状況の改善

を図る。

事業によって見込まれる雇用者数

・雇用拡大メニュー 18名(H25年度 5名、H26年度 6名、H27年度 7名)

・人材育成メニュー 82名(H25年度22名、H26年度24名、H27年度36名)

・就職促進メニュー 33名(H25年度 7名、H26年度13名、H27年度13名)

・雇用創出実践メニュー 18名(H25年度 6名、H26年度 6名、H27年度 6名)

合計 151名(H25年度40名、H26年度49名、H27年度62名)

5 地域再生を達成するために行う事業

5-1 全体の概要

南アルプス市内外の経済団体等からなる「南アルプス市地域雇用創造協議会」

を中心として、実践型地域雇用創造事業を活用することで地域再生計画の目標の

達成に向け、市が掲げる「ふるさと愛」プロジェクトをテーマとした企業力アッ

プ、人材育成、南アルプスの魅力発信により地域振興をはかる。

「ふるさと愛」プロジェクトについては、次のとおり。

1 交流長寿プロジェクト

都市住民、大学、元気高齢者等と連携・協力し、都市農村交流により活性

化を図る。

2 自然を学び楽しむプロジェクト

櫛形山の池いけ

の茶屋ち ゃ や

登山道から富士山、南アルプスを望むトレッキングコー

スと、芦安温泉、果樹観光を楽しめるパッケージ商品づくりを、市民と共

に研究し交流人口の拡大による地域活性化を図る。

3 IC開発6次化プロジェクト

沿線地域活性化やIC周辺開発のグランドデザイン作成、自由市場・農産

物加工場・フルーツ公園・食と観光の拠点等の整備構想、農業6次産業の

事業主体の設立など、地域活性化の取り組みを事業化し地域の活性化と農

業の高収益化を実現する。

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4 地域エネルギー活用プロジェクト

スマートグリッドの導入、市内発電所の整備、停電しないまちの実現、再

生エネルギーの積極的な導入により、化石燃料依存から自立するまちを目

指す。

5-2 特定政策課題に関する事項

該当無し

5-3 法第5章の特別の措置を適用して行う事業

該当無し

5-4 その他の事業

5-4-1 基本方針に基づく支援措置による取り組み

実践型地域雇用創造事業(厚生労働省)【B0906】

○ 実施主体 南アルプス市地域雇用創造協議会

( 南アルプス市・南アルプス市商工会・巨摩こ ま

野の

農業協同組合・東京都市大学都市

生活学部教授・東京工科大学デザイン学部教授・㈱山梨中央銀行峡西南ブロック・

農業生産法人・農業後継者会・南アルプス市特産品企業組合・南アルプス青年会

議所・観光農園・特定非営利活動法人)

○ 実施内容

農林業6次産業化分野、観光産業分野、自然エネルギー産業分野の三つに重点

を置き、それらに関連した人材の育成と企業の事業拡大を図ることで、両者をマ

ッチングさせ、雇用の拡大を図る。

Ⅰ 雇用拡大メニュー … 事業主を対象としたセミナーを開催

Ⅱ 人材育成メニュー … 地域求職者を対象としたセミナーを開催

Ⅲ 就職促進メニュー … 就職情報の発信や合同就職面接会など

Ⅳ 雇用創出実践メニュー … 地域求職者を雇い入れ、特産品開発などの

地域活性化事業を実施することで雇用拡大を促す

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Ⅰ 雇用拡大メニュー

(1) 6次化人材育成セミナー

概要 農業の6次産業化(生産×加工×流通)とは何か、マーケティングノウハウまで全 7 回

の講義で学ぶ

対象 市内の企業及び創業予定者

受講

効果

地域の農産品を活かした6次産業化を目指し、地域資源の発掘からマーケティング戦

略を考える。事業立ち上げに必要な事業計画、資金計画について演習を交えて立案

することで、事業展開時に必要な知識について総合的な習得を図る。

講座

規模

毎年一回開催 全7回の講義(机上・実習)を受講し修了とする。予定受講者は 20 社

程度

(2) Webビジネスセミナー

概要 地域資源の販路を拡大するためにインターネットを活用するノウハウを全6回の

講義で学ぶ

対象 市内の企業及び創業予定者

受講

効果

マーケティングの基礎力、商品分析力、顧客分析力を身につけ、インターネット

を利用して売上を向上させることを目的とする。

地域商品紹介ページの作成やメールマガジンの作成を通じて、効果的な情報発信

によるリピーター創出に取組めるスキル習得を目指す。

講座

規模

毎年一回開催 全6回の講義(机上・実習)を受講し修了とする。予定受講者は

20 社程度。

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(3) 自然エネルギーセミナー

概要 南アルプス市における木質資源について、エネルギー化を重点とした事業化の可

能性について学ぶ

対象 市内の企業及び創業予定者

受講

効果

毎年多くの果樹剪定枝が出ているが、大部分は未利用のまま処分されている。ま

た面積の 70%以上が森林であり、多くの木質資源が存在している。これらの木質

資源をエネルギーとしての活用を中心に、産業化することを目標とする。具体的

には、現在の日本におけるエネルギー政策や木質資源導入による他地域の成功事

例について学ぶ。また、南アルプス市の木質資源の現状や課題等を研究すること

により、本市の課題であった急傾斜での森林材搬送技術や木材加工時に発生する

建設廃材の活用技術、剪定枝の効果的な活用法等を習得し雇用拡大へつなげる。

講座

規模 毎年一回開催 全6回の講義を受講し修了とする。予定受講者は5社程度

(4) 実践メニュー成果公開セミナー

事業主や創業予定者等を対象に、重点分野である「農林業6次産業化」「観光」

「自然エネルギー」の三つの分野において、実践メニューの成果について、レシ

ピ、事例発表など4つの事業に分けて公開することで、新たな商品展開や事業展

開につなげ雇用創出を目指す。また、公開した成果は、雇用拡大セミナーや人材

育成セミナーの中でも積極的に活用し、地域での利用を促進させる。

平成26年度:予定受講者 10社

【農林業6次産業化】

① フルーツ加工品レシピ公開セミナー

・ 開催日数:1日(4時間/日)

・ 開催回数:適宜

【観光】

② 観光プラン公開セミナー

・ 開催日数:1日(4時間/日)

・ 開催回数:適宜

・ 平成27年度:予定受講者 20社

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【農林業6次産業化】

① フルーツ加工品レシピ公開セミナー

・ 開催日数:1日(4時間/日)

・ 開催回数:適宜

② 特産品栽培・加工方法公開セミナー

・ 開催日数:1日(4時間/日)

・ 開催回数:適宜

【観光】

③ 観光プラン公開セミナー

・ 開催日数:1日(4時間/日)

・ 開催回数:適宜

【自然エネルギー】

④ 木質バイオマス活用セミナー

・ 開催日数:1日(4時間/日)

・ 開催回数:適宜

Ⅱ 人材育成メニュー

(1) 6次化人材育成研修

概要 農業の6次産業化(生産×加工×流通)とは何か、農業基礎技術から経営、マ

ーケティングノウハウまで全 10 回の講義で学ぶ

対象 農業経験を問わず、市内の求職者及び在職者を対象

受講

効果

本市面積の多くを占める農地は、農業後継者の減少等の要因により遊休農地が

増加し有効活用されていない。南アルプス市が進める6次産業化のまちづくり

は、農地を貴重な資源として見つめなおし、生産から加工・流通までを個人で

行えることを目標としている。これに伴って、地域求職者(スキルアップを目

指す在職者も可)を対象に経営・販売促進並びに農業技術の基礎知識などを学

び、農作物を自ら栽培し、加工、流通まで行うスキルを身に付ける「6次産業

化人材育成セミナー」を開催し、農業収益の向上、農地の魅力の向上を目指す。

講座

規模

全 10 回の講義(机上・実地)を受講し修了とする。予定受講者は 20 名程度

年間2回開催とし、合計 40 名程度が受講予定(平成 25 年度のみ1回)

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(2) 接客接遇能力スキルアップセミナー

概要 小売業・サービス業に必要な接客スキルを全4回の講義で学ぶ

対象 経験を問わず、市内の求職者を対象

受講

効果

「お客様をもてなす心」「心を具現化するサービススキルの定着」を目的に、

接客マナーの基本から、現場を想定したケーススタディまで、即実践に役立つ

よう体験学習を豊富に交えながら、小売業・サービス業に必要な接客対応力を

身につける。

併せて、クレームの初期対応から解決までのプロセスを学び、トラブルへの発

展を未然に防ぐ能力を身につける。

講座

規模

毎年一回開催 全4回の講義(机上・実習)を受講し修了とする。予定受講者

は 20 名程度。

(3) 会計能力スキルアップセミナー

概要 業種を問わず総務系事務職で必要とされる会計能力のスキル向上を全7回の講

義で学ぶ

対象 就業経験を問わず、市内の求職者を対象

受講

効果

簿記は、企業規模の大小や業種、業態を問わずに、日々の経営活動を記録・計

算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにする技能。その中でも基本的な

仕訳の演習を通じて身につける。

併せて、会計ソフトの操作について演習を通じて習得し、会計業務の即戦力人

材を育成する。

講座

規模

毎年一回開催 全7回の講義(机上・実習)を受講し修了とする。予定受講者

は 15 名程度

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(4) 販売能力スキルアップセミナー

概要 販売に必要な POP が描ける人材を育成する全4回の講義

対象 経験を問わず、市内の求職者を対象

受講

効果

「その場で買わせる広告」である POP 広告は、販売員3人分の働きをするとも

云われる。マーカーや筆を使用した「売れる」手描きショーカードを実際に制

作し、業種を問わず事業所の情報板として活用できるスキル習得を目指す。

講座

規模

毎年一回開催 全4回の講義(実習)を受講し修了とする。予定受講者は 15 名

程度

(5) Web販売スキルアップセミナー

概要 ソーシャルネットワークをビジネスに活用するノウハウを全8回の講義で学ぶ

対象 経験を問わず、市内の求職者を対象

受講

効果

ブログや Facebook を使ってビジネスで効果を挙げるための基本的なノウハウ

を学ぶ講座。

Facebook ページを実際に制作し、その使い方も習得する。

また、その中で使用する写真の善し悪しで成果は大きく差が出ることから、商

品撮影の基本となる露出やライティング等、実習を交えながら身につける。

講座

規模

毎年一回開催 全8回の講義(机上・実習)を受講し修了とする。予定受講者

は 15 名程度

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(6) 起業塾

概要 起業の心構え、ビジネスプラン(事業計画)作成研修、融資制度や事例の紹介

などを全 10 回の講義で学ぶ

対象 経験を問わず、創業、起業を考えている市内の求職者を対象

受講

効果

創業、起業を考えている方を対象に、事業を開始するための心構え、ビジネス

プラン(事業計画)作成研修、融資制度や創業事例の紹介など、実際に創業を

前提とした支援を行う。

本講座の前段では、創業融資の借入時に必要な事業計画書が作成できる内容と

する。

また、資金や営業力に乏しい起業家には、IT を活用した販促が必要不可欠であ

るため、後段では、商品(サービス)が売れるホームページづくりの基礎を学

び、簡易ながらもホームページが開設できる能力を身につける内容とする。

講座

規模

毎年一回開催 全 10 回の講義(机上・実習)を受講し修了とする。予定受講者

は 10 名程度

(7) 南アルプスネイチャーガイド育成セミナー

概要 南アルプスを訪れる人々に安全で楽しく、心に残る登山を提供するための知識と技術

を学ぶ

対象 市内の求職者及び在職者

受講

効果

南アルプス市は、その7割以上が山林であり、名前の由来でもある南アルプスのふも

とに位置している。山岳観光は南アルプス市の観光において中核をなしているにも関

わらず、南アルプスにはアウトドアレジャーに特化したガイドがいないのが現状であ

る。

南アルプスの前衛である櫛形山、夜叉神峠および伊奈ヶ湖周辺の自然の知識や登

山者の安全管理、レスキュー技術などを習得するセミナーを開催することにより、来訪

者に安全で楽しく、壮大な自然体験の場を提供できるようなスキルを身に付けたガイ

ドの育成を目指す。

講座

規模

毎年一回開催し、全 18 回の講義(机上・実習)を受講し修了とする。予定受講者は

10 名程度

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(8) 自然エネルギー活用人材育成セミナー

概要 南アルプス市における木質資源について、エネルギー化を重点とした事業化の可

能性について学ぶ

対象 市内の求職者及び在職者

受講

効果

当市では、毎年多くの果樹剪定枝が出ているが、大部分は未利用のまま処分され

ている。また面積の 70%以上が森林であり、多くの木質資源が存在している。こ

れらの木質資源について、エネルギーとしての活用を中心に産業化することを目

標とする。

具体的には、現在の日本におけるエネルギー政策や木質資源導入による他地域の

成功事例や南アルプス市の木質資源の現状や課題等を研究し、当市の課題であっ

た急傾斜での森林材搬送技術や木材加工時に発生する建設廃材の活用技術、ペレ

ットの製造技術等を習得することで、今後展開される自然エネルギー産業での求

人需要を満たす人材を育成する。

講座

規模 毎年一回開催 全6回の講義を受講し修了とする。予定受講者は8名程度

Ⅲ 就職促進メニュー

(1) 南アルプス雇用創造協議会HP作成、Facebook登録事業

・ 協議会が実施する事業の周知

・ Facebookを利用した事業参加者への周知、アフターフォロー

(2) 求職者と企業の合同就職説明会

・ セミナー受講者と企業の他、地域内の求職者と求人企業を対象に合同就職説

明会を労働局、ハローワークと共に実施する。

・ 開催日数: 1日(3時間/日)

・ 開催回数: 2回

・ 参加予定人数:170人(85人×2回)

Ⅳ 雇用創出実践メニュー

【農林業6次産業化事業】

○農林業6次産業化分野(農業を軸とした、製造・加工、流通業による雇用拡大)

○事業を実施するために雇い入れる地域求職者数 4名

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・ 加工品開発事業

ピューレ製造機を使用することにより、数種の果実ピューレを開発し、同

製造機から派生的にジャム、ジュースの開発を併せて行い、それぞれ試験販

売による価格調査を行う。また、長期に鮮度保持可能な冷蔵設備を新たにリ

ースすることで、完熟フルーツ販売期間と、原材料の保存期間の延長を図る。

(市内菓子製造店舗の空き敷地を利用)

・ 特産品開発事業

新たな栽培品目を栽培し、通年販売が可能な体制を確立する。

養蜂によるハチミツの生産と受粉用ミツバチとしての運用体制の確立、醸

造用ぶどう栽培からワインの醸造、蕎麦の生産から加工・流通までの販売体

制確立することにより、遊休農地の開拓を促進させ雇用の創出に取組む。

・ 開発品試験販売事業

本市に訪れる観光客が多い東京都で、価格調査のためマルシェジャポン(青

山を予定)に出店し試験販売を行う。また、市内ホールを利用した市民向け、

事業所向け試験販売会を行う。(平成26・27年度)

【観光産業事業】

○観光産業分野(旅行業、サービス業、飲食業による雇用拡大)

○事業を実施するために雇い入れる地域求職者数 1名

櫛形山などの山岳観光を展開させた滞在型観光プランの開発、伊奈ヶ湖周辺施設を活

用した団体向けプラン等をモニターツアーを通して検証する。

平成25年度

・ 実施プランPR用リーフレット作成

・ 伊奈ヶ湖でのカヌー・ヨット体験(日帰り)

・ 櫛形山ノルディックウォーキングツアー

・ 初めてのトレイルランニング

・ 自然の推移を学びながら登る「エコトレッキングツアー(櫛形山)」

・ 冬の南アルプスを眺める「冬の夜叉神峠トレッキング」

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平成26年度

・ 実施プランPR用リーフレット作成

・ 伊奈ヶ湖でのカヌー・ヨット体験(一泊二日)

・ トレッキングを楽しみながら、バーナー・コッヘルなどで簡易料理を楽しむ

「山café」

・ 「カモシカ発見!自然動物観察ツアー」

・ 「花の百名山」櫛形山ツアー

・ 自然の推移を学びながら登る「エコトレッキングツアー(夜叉神峠)」

・ 自然豊かな「櫛形山冬の自然観察ツアー」

平成27年度

・ 実施プランPR用リーフレット作成

・ 自然環境維持について学び、共に体験する「親子で感じる櫛形山の自然再生

ツアー」(当該事業のみ年3回実施)

・ 幻想の森櫛形山「原生林ツアー」

・ 冬山初心者の第一歩「初めてでも安心!基礎から始める雪山ツアー」

・ 登山客の駐車拠点で行う「チャレンジ!クライミングウォール15m!」

【自然エネルギー産業事業】

○自然エネルギー産業分野(環境分野と建設業・運搬業)

○事業を実施するために雇い入れる地域求職者数 1名

・間伐材や剪定枝を利用した市内産ペレットの作成、ペレット造粒機によるペレット

新商品の開発

・ マルチング材

・ 舗装材(ペレット製、ウッドチップ製、おがくず製等)

・ 肥料 等

5-4-2 支援措置によらない取り組み

農林業6次産業化分野、観光産業分野、自然エネルギー産業分野における取組み

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取組の概要 実施主体 成 果

【農林業6次産業化分野における

取組み】

「ふるさと愛」プロジェクト室の設

南アルプス市 山岳地帯・里山地帯・樹園地帯・田園地

帯の4つのエリアを連携させ、地域経済を

より活性化させる施策を推進

「ふるさと愛」プロジェクト推進協

議会の開催

南アルプス市 農林業の6次化推進に向け協議会を組織

し計画を推進

地域活性化総合特別区申請 南アルプス市 農林業の6次産業化振興を目的とした総

合特別区申請による規制の特例措置、さ

らに拠点地域とすべく市内IC周辺開発

や、豊かな自然資源を生かした交流体験

事業の実施

【観光産業分野における取組み】

新トレッキングコースの設置 南アルプス市 豊かな自然資源を生かした新たな客層開

拓を目指したコースの建設

平成25年7月完成予定

自然観察指導員養成 南アルプス市

民間

流行に左右されないリピーター客層の開

拓と通過型観光から滞在型観光への転換

を目的に自然観察指導員講習会を開催

南アルプス世界自然遺産登録推

進協議会の設立

南アルプス市

山梨・長野・静

岡3県の市町

豊かな自然環境を周知する目的で、ユネ

スコエコパークの登録へ向け推進部会を

組織し、登録検討委員会を設置

平成25年度申請予定

【自然エネルギー産業分野にお

ける取組み】

カーボン・オフセットモデル事業

の実施

南アルプス市 市内の果樹園から出る剪定枝を収集しペ

レットへ加工した後、ハウス農家の協力の

もとA重油の代替燃料として使用し、栽培

したトマトをテスト販売

小水力発電事業 南アルプス市 自然エネルギーの有効利用を目的に既

存の砂防堰堤の高低差を利用し発電を行

う小水力発電を導入

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上記以外の就労・経営支援の取り組み

① 南アルプス市企業ガイダンス

a 内容:平成17年度より市内外の約30社の企業と新規学卒者・求職者・再就

職者を対象に合同就職説明会を開催

b 実施主体:山梨労働局・ハローワーク甲府・南アルプス市

c 事業規模:平成24年度予算額 434千円

d 成果:(a)これまでの実績: 参加企業延べ242社 就職内定者96人

(b)今後の見込み:引き続き実施予定

② 南アルプス市小口資金融資制度

a 内容:平成15年度より市内中小企業者の経営の安定や設備投資促進を目的に

設置

b 実施主体:南アルプス市

c 事業規模:資金融資1企業7,500千円以内

d 成果:(a)これまでの実績:

平成24年度までの累計融資額 172,000千円

累計融資件数 40件

(b)今後の見込み:引き続き実施予定

③ 南アルプス市産業立地事業費助成金

a 内容:平成17年度より企業立地を促進し雇用機会拡大を目的に設置

b 実施主体:南アルプス市

c 事業規模:助成金額6,000千円~200,000千円

d 成果:(a)これまでの実績:

平成24年度までの累計助成額 171,000千円

企業誘致数 4社 市内雇用者数 93人

(b)今後の見込み:平成27年3月31日まで実施予定

④ 南アルプス市商工業事業資金利子補給制度

a 内容:平成15年度より市内商工業者の経営安定や事業発展を目的に設置

b 実施主体:南アルプス市

c 事業規模:1企業220千円以内

d 成果:(a)これまでの実績:

平成24年度前期までの累計利子補給額 14,000千円

累計件数 237件

(b)今後の見込み:引き続き実施予定

Page 15: 地 域 再 生 計 画...- 1 - 地 域 再 生 計 画 1 地域再生計画の名称 競争力と持続力を持つ交流6次化による地域資源の活用 -「ふるさと愛」プロジェクト-

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⑤ 南アルプス市勤労者生活安定資金預託金貸付

a 内容:平成15年度より市内勤労者の生活の維持及び向上を目的に設置

b 実施主体:南アルプス市

c 事業規模:貸付金額1人当り500千円以内

d 成果:(a)これまでの実績:

平成24年度までの累計貸付額 11,000千円

累計利用者 26人

(b)今後の見込み:引き続き実施予定

⑥ 地球温暖化対策機器設置費補助金

a 内容:平成22年度より太陽光発電システム、太陽熱利用システム、ペレット

ストーブなどの地球温暖化対策機器を対象に、一般家庭・事業所への設置・普

及を目的に設置

b 実施主体:南アルプス市

c 事業規模:補助金額最大200千円

d 成果:(a)これまでの実績:

平成23年度までの累計利用者 577人

補助金額 28,310千円

(b)今後の見込み: 引き続き実施予定

6 計画期間

認定の日から平成27年度の3月末まで

7 目標の達成状況に係る評価に関する事項

評価については、年度ごとに年度末など数値等が確定した後行う。 具体的には、セミナー利用者へのアンケート調査やハローワーク、企業への聞取り

等によって新規雇用者数、創業起業者数の数値を把握し雇用創出効果を検証する。