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IASS WP 2020-J001 日本における ICT を活用したスマート農業の実態把握に 向けたパイロット・スタディ 早稲田大学社会科学総合学術院 鷲津 明由 日本福祉大学経済学部 中野

日本における ICT を活用したスマート農業の実態把握に 向け …...0121 03 豚 3421 01 パーソナルコンピュータ 0121 04 鶏卵 3421 02 電子計算機本体(パソコンを除く。)

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IASS WP 2020-J001

日本における ICT を活用したスマート農業の実態把握に

向けたパイロット・スタディ

早稲田大学社会科学総合学術院 鷲津 明由

日本福祉大学経済学部 中野 諭

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日本における ICTを活用したスマート農業の実態把握に向けたパイロット・スタディ

A pilot study of grasping the current status of smart agriculture using ICT in Japan

2020年 4月

鷲津 明由1

中野 諭2

1.はじめに

2015年に,国連が 2030年までの「持続可能な開発目標 SDGs」を提唱した。これは,環

境問題のみならず,経済や社会に存在する様々な諸課題の同時解決を目指すという内容で

ある。日本ではそれを受けて 2018年に第 5次環境基本計画が策定され,「地域循環共生圏」

の概念が打ち出された。「地域循環共生圏」によって,「環境・経済・社会が統合的に向上し

た持続可能な地域を実現する」ために,「重点戦略に位置付けられた施策の実施等を通じて

経済社会システム、ライフスタイル、技術といったあらゆる観点からイノベーションを創出

するとともに,(中略)広域的なネットワークをパートナーシップにより構築」すること,特

に「都市と農山漁村が相互補完によって相乗効果を生み出しながら経済社会活動を行う」こ

とを目指す3,とされている。図 1は環境省による地域循環共生圏の概念図である。

図 1 地域循環共生圏の概念図 (出典:環境省 3)

一方,高齢化が進み,労働力不足が深刻となっている日本の農業現場において,ロボット

1 早稲田大学社会科学総合学術院 2 日本福祉大学経済学部 3 環境省 平成 30年環境白書

http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/h30/html/hj18010201.html

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技術や ICT を活用して,超省力・高品質生産を実現するための,スマート農業の実現のた

めの取り組みが進められている4。このようなスマート農業は,図 1 のうち農村における経

済社会活動のために必要なイノベーションであると期待できる。ただし南石(2019)は,スマ

ート農業は,自動化技術やロボット技術等の個別的なイノベーションによってだけではな

く,それらを活用した生産管理と経営管理の革新をも組み合わせた「技術パッケージ」によ

って特徴づけられると指摘している。そしてパッケージとしての技術革新は,組織の革新,

市場の革新という幅広い革新に波及する。したがって,次世代の農業政策を議論する際には

農業の社会的機能・役割を客観的に評価することが重要になり,各農業経営主体が自身の棲

み分け領域を明確にするために各自の社会的役割を明確に理解することが必要と指摘して

いる。

南石(2019)が指摘するような,スマート農業にかかわるイノベーションの社会的効果分析

のために,産業連関分析は有効である。産業連関表は,1930年代に Leontiefによって,経

済の一部に生じた技術変化が,経済主体間の相互依存関係を通じて経済全体にもたらす効

果を分析するために開発された(Leontief, 1951)。 産業連関表では細かく分類された部門間

の相互依存関係を,定量的にとらえることができる。ある部門の生産物が,他の部門の投入

物として需要されることを通じて,部門間に相互依存が発生するのである。Nakano and

Washizu (2018)は産業連関分析を用いて,スマートフード/農業の技術導入が,食料品産業

や農業と,様々なレベルの情報サービス産業との間に新たな経済循環をもたらすことを明

らかにした。同論文は地域問題には触れていないものの,農業が農村で,情報サービス産業

が都市で実施されるとすれば,その結果はスマート技術が図 1 のような農村と都市の経済

循環を創造することを示唆している。

本研究プロジェクトの最終的な目的は,Nakano and Washizu (2018)の研究を特に農業

に注目して拡張し,スマート農業が環境・経済・社会・地域にもたらす効果を,詳しく産業

連関分析することにある。図 2は先行研究(Nakano and Washizu, 2018)に基づいて予測し

たスマート農業導入時の産業連関構造である。産業連関表では図の縦方向と横方向に 1 次

産業から 3 次産業までの経済部門が同じ順序で並んでいる。さらにこの並び順を上から下

へ,または左から右へ生産物の加工度の(逆)順(製品←中間原材料←素材)に並び替えて表示

すると,一つの経済体系の内部に存在する産業連関構造が見えやすくなることが知られて

いる5(尾崎, 2004)。図 2でも部門の並び順は加工度の(逆)順であると想定している。例えば

スマート農業で用いる自動操舵システムを内蔵したトラクタにはセンサや通信装置などの

様々な情報財が内蔵されているだろう。そこで図ではトラクタ←情報財というように部門

の並び順が示されている。農業をはじめ多くの 1 次産業は 2 次産業に原材料を供給する産

4 農林水産省,スマート農業の実現に向けた取組と今後の展開方向について

https://www.maff.go.jp/j/seisan/gizyutu/hukyu/h_event/attach/pdf/smaforum-28.pdf 5 このように生産部門の並び順を整理すると産業連関表の下部を底辺とする直角三角形の

産業構造が出現することから,尾崎はこれを産業構造の三角性と呼んだ。

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業としてモノづくり部門の最下部に位置付けられる。尾崎(2004)はモノづくり部門に存在す

る産業構造の三角性について注目したが,Nakano and Washizu (2018)はサービス部門(図

2 の右下部分)にも産業構造の三角性が存在する可能性を指摘した。つまり「最終的に農家

に提供される栽培・経営管理サービス(農業マネジメントサービス)←スマート農業管理のた

めのスマートフォン・アプリを開発する IT 企業のサービス(2 次情報サービス)←通信設備

やサーバーを提供する大手通信産業のサービス(1 次情報サービス)」というようなサービス

財のフローが存在し,それが新たな経済循環構造を引き起こしていると指摘した。さらにス

マート化によって,モノづくり部門とサービス部門間の相互依存関係はより深まると考え

られる。スマート化したモノづくり部門の生産活動には情報通信サービスの活用が不可欠

であり,スマート化したサービス部門の生産活動には情報通信技術(ICT)を内蔵するスマー

ト機材の利用が不可欠になるからである。図 2 では農業が,モノづくり部門とサービス部

門の相互依存関係の中心に位置していることを示している。図 2 に描いたように,それぞ

れの部門に属する産業が立地する地域情報を重ね合わせれば,これは農村部と都市部の相

互依存関係の記述であるとも解釈できる。

図 2 スマート農業がもたらす産業連関構造の概念図

2. 研究の目的

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産業連関表は,原則として 5 年に一度総務省が,関係府省庁との共同事業として公表し

ており,最新の表は 2015 年についてまとめられている6。表 1 は本研究プロジェクトでス

マート農業に関連すると想定した産業連関表の部門(基本分類)である。

表 1 スマート農業に関連する産業連関部門(基本列分類)

列コード 部門名 列コード 部門名

農業関係部門 電子部品部門

0111 01 米 3211 01 半導体素子

0111 02 麦類 3211 02 集積回路

0112 01 いも類 3211 03 液晶パネル

0112 02 豆類 3211 04 フラットパネル・電子管

0113 01 野菜(露地) 3299 01 記録メディア

0113 02 野菜(施設) 3299 02 電子回路

0114 01 果実 3299 09 その他の電子部品

0115 01 砂糖原料作物

0115 02 飲料用作物 情報通信関係部門

0115 09 その他の食用耕種作物 3411 01 有線電気通信機器

0116 01 飼料作物 3411 02 携帯電話機

0116 02 種苗 3411 03 無線電気通信機器(携帯電話機除く)

0116 03 花き・花木類 3411 04 ラジオ・テレビ受信機

0116 09 その他の非食用耕種作物 3411 09 その他の電気通信機器

0121 01 酪農 3412 01 ビデオ機器・デジタルカメラ

0121 02 肉用牛 3412 02 電気音響機器

0121 03 豚 3421 01 パーソナルコンピュータ

0121 04 鶏卵 3421 02 電子計算機本体(パソコンを除く。)

0121 05 肉鶏 3421 03 電子計算機附属装置

0121 09 その他の畜産 3919 06 情報記録物

0131 01 獣医業 5911 01 固定電気通信

0131 02 農業サービス(獣医業除く) 5911 02 移動電気通信

1111 01 食肉 5911 03 電気通信に附帯するサービス

1111 02 酪農品 5921 01 公共放送

1111 09 その他の畜産食料品 5921 02 民間放送

1115 01 農産保存食料品 5921 03 有線放送

1131 02 有機質肥料(別掲を除く。) 5931 01 情報サービス

2011 01 化学肥料 5941 01 インターネット附随サービス

2084 01 農薬 5951 01 映像,音声,文字情報制作(新聞,出版除く)

3011 01 農業用機械 5951 02 新聞

4131 03 農林関係公共事業 5951 03 出版

本研究プロジェクトでは表 1 の各部門を,図 2 の各位置に当てはめ,部門間の相互依存

関係を丁寧に記述することにより,スマート農業がもたらす経済効果を定量的に分析する

ことを目指す。2015年産業連関表の基本列分類は,日本のすべての経済活動を行(投入物の

種類)509部門×列(生産活動部門の種類)391部門で表章している。しかし,たとえば「3011-

01 農業用機械」については,スマート農機と通常農機が細分化されていない。トラクタと

収穫機も区別されていない。また,米,麦,野菜(露地/施設),酪農などの農業も,スマー

6 総務省「産業連関表」https://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/data/io/index.htm

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ト農業と通常農業,平地と中山間地の農業などの区別はない。図 2 の部門間相互依存関係

を詳しく知るには,表 1の部門分類を,分析目的に合うように細分化する必要がある。そし

て,必要に応じた部門の細分化には,本研究プロジェクトで新しく定義する生産活動部門に

投入される財やサービスを調査する必要がある。そのように整備された「スマート農業分析

用産業連関表」を用いれば,スマート農業普及下での,部門間,地域間(都市部と農村部の

間)の経済循環関係7,およびそれに伴う環境効果の分析8が可能になる。

産業連関分析を用いてスマート農業が社会全体にもたらす効果を評価する際,スマート

農業の普及の程度に応じた感度分析は重要な研究テーマである。したがって,スマート農業

技術の実態把握に加えて,その技術が現段階でどの程度普及しているのか,今後の見通しと

してどの程度スマート化が進展するのか,どの分野の農業で,またはどのような特徴を持つ

農業主体においてスマート化の傾向が強いかなどについて,統計データを用いた分析が必

要である。Precision Agriculture などの海外ジャーナルには,スマート農業の普及実態と

その受入見通しについて,アンケート調査結果に基づき統計分析を実施した成果が報告さ

れている(Köksal1, Ö. and Tekinerdogan; 2019)。日本では,南石(2019)が稲作分野のスマ

ート農業の実践例について詳しい調査報告をしている。しかし日本におけるスマート農業

の取り組みはまだ始まったばかりであり,農業のスマート化に関連して全国レベルで調査

を展開し,計量分析を行った先行事例はみられない。

そのような中で,日本農業法人協会による「農業法人白書・統計表」では,会員の農業法

人および法人化志向農業者を対象に行った統計調査の結果がまとめられている。同調査は

2010 年より毎年,それぞれの年で注目されている農業政策課題を中心に質問項目を設定し

て調査を実施している。それらのうち 2011 年の調査において「情報通信技術(ICT)の導入

状況」,2014年の調査において「農業機械・ICTの取り組み」に関する状況が調査されてい

る。本研究の目的は,2011年と 2014年の「農業法人白書・統計表」のこれらの調査結果か

ら読み取れる黎明期のスマート農業の実態を整理するとともに,スマート農業の普及に影

響する要因を,プロビット分析によって特定することである。

なお,本研究ではスマート農業を「ICTを用いて栽培,作業,経営等のマネジメントを強

化し,インプットの効率化とアウトプットの拡大によって,生産性が高度に高められた農業」

と定義する。

7 農業が農村で,製造業,サービス業が都市部で行われると大まかに考えれば,部門間の

分析は地域間の分析とも解釈できる。そのほか分析対象としたい特定の地域を抜き出して

その他地域との関係を記述するような地域間産業連関分析(浅利・土居, 2016)を応用するな

ども想定される。 8 環境効果の分析は,「スマート農業分析用産業連関表」を国立環境研究所が推計している

「産業連関表による環境負荷原単位データブック(3EID)」

https://www.cger.nies.go.jp/publications/report/d031/jpn/page/what_is_3eid.htmnikannr

enndukerukotoniyotte に関連付けることによって実施することができる。

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3.データについて

本研究で用いるのは許可を得て日本農業法人協会から提供された 2011 年と 2014 年の

「農業法人白書・統計表」の調査結果のうち,農業機械の利用状況と ICT の導入取組につ

いての回答結果をまとめた個票データである。個々のデータは,法人の個人情報が特定され

ないように,協会が付番した ID番号で管理されている。2011年と 2014年の調査項目は全

く同一ではないため,本研究では提供された元データを次のように時系列分析が可能なよ

うに整理して利用した。

まず,各法人の属性に関する基礎データについては,生産第 1 位部門(稲作,麦類作,雑

穀・いも類・豆類など,16項目の農業生産品目のうち,生産第 1位部門と回答された部門),

従業者数(役員,正社員,常勤パートの合計数),生産農家ダミー(生産,販売,加工・製造な

ど 8 項目の事業内容に関する質問のうち,主たる事業を「生産」と答えた法人を示すダミ

ー),事業展開数(8 項目の事業内容に関する質問のうち主たるまたは従たる事業として回答

された項目の数),生産部門数(16 項目の農業生産品目のうち回答のあった生産品目の数),

経営面積 ha,家畜飼養頭羽数を,各法人について整理した。

また,農業機械の利用状況と ICT の導入取組に関する回答結果については,以下の項目

について,各法人の回答結果を示す 0 or 1 のダミー変数を作成した:農業機械購入先に重

視する項目(価格,修理・整備対応など 8項目のうち各法人が選択した 3つの項目),必要な

機械が販売されていないときの対応(メーカーへの制作を高額でも依頼,多少高額でも依頼,

など 5項目),導入済みのシステム(簡易,社内作成・市販品等,共同開発・外部委託),導入

済みハード(モバイル端末,カメラ類,センサ類,バーコードラベル・ICタグ,GPS9),導

入検討中のシステム(同前),導入検討中のハード(同前),導入済みの ICT活用目的(販売額の

増加,品質向上,安心安全の見える化,コスト削減,労働時間の削減,人材育成・技能向上),

導入検討中 ICT活用目的(同前)。

2011 年と 2014 年の両方にデータが得られる法人のみを分析の対象としたが,そのうち

生産第 1位部門と従業員数について回答していない法人のデータについては除外した。

4.分析結果

4-1.スマート農業実証プロジェクトの概要

農業法人白書・統計表の分析結果の読み取りに先立ち,この小節ではスマート農業の実態

について把握するため,「スマート農業実証プロジェクト」の概要をまとめる。スマート農

業にたいして,実際にどのような取り組みがなされているかを確認することは,結果の読み

取りに資するからである。

「スマート農業実証プロジェクト」とは,2019年 6月に閣議決定された「成長戦略」を

受けて推進されているものである。高齢化等により農業の担い手不足が深刻化する中で,ロ

9 なお,2011年調査にはこれらの項目に加えて「パソコン」が選択肢に含まれていたが,

2014年調査では「パソコン」の選択肢が除かれているので,この項目は除外した。

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ボット技術や AI,IoT 等の先端技術を活用した「スマート農業」の実現により,農業の生

産性向上や労働力不足の解消を図ることを目的とする。スマート農業の社会実装を速やか

に推進するため,国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)を事業実施

主体とする「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト」および「スマート農業加速化実

証プロジェクト」(両者は並行して実施されているため,本研究では総称してスマート農業

実証プロジェクトと呼ぶ)が公募され,2019年度には 69プロジェクトが採択された10。

表 1は 69のスマート農業実証プロジェクトが掲げている目標と,実証している技術の内

容を,カテゴリーに分けて整理した表である。表頭の経営の種類は農研機構による分類であ

るが,それぞれの分類ごとに目標,実証技術に特徴がみられる。

大規模および中山間の水田作では労働時間の削減と収量アップが大きな目標であるが,

中山間の場合,付加価値の向上(米の品質向上のほか,高付加価値の商品作物栽培への展開)

にも関心が向けられている。これらが実証している技術は,自動運転が可能で,センシング

機能を搭載した高性能のトラクタ,田植機,コンバインの採用である。例えば,GPS ガイ

ダンスモニター(カーナビのようなもの)を搭載したトラクタや,刈取しながら収量と食味

(タンパク値)が分析できるような食味・収量センサ付きコンバインの採用である。食味・収

量センサで収集された情報は,クラウドシステムにより管理され,スマートフォンを通じて

農機に送信される11。水田作では水管理システム12の実証例も多い。中山間水田作では,ラ

ジコン草刈り機の実証例が多い。

同じ水田作でも輸出用米を生産する経営体は,収量アップと生産費の低減による生産性

の徹底した向上を目指していることが特徴である。そのために,高性能のトラクタ,田植機,

コンバインに加え,ドローンを用いた空撮による圃場の状態把握,農薬散布が実施されてい

る。

畑作では,比較的少数の品目(じゃがいもやサトウキビ)の大規模生産を行う経営体または,

中山間地域で生産性の向上を図ることが難しい経営体が,データ管理を徹底することによ

り作業時間を削減するというプロジェクト内容であった。

露地野菜では収量アップが主な目標で,そのために大型トラクタによって作業時間を短

縮したり,ドローン空撮やセンシングによる栽培管理システムを導入したりしている。ラジ

コン草刈り機,アシストスーツの実証も多くのプロジェクトで行われている。

施設園芸,果樹・茶では,作業時間の削減が目標として掲げられる事例が多いが,そのた

めに取り上げられる技術としては,市況を見極め効果的な出荷を行うための経営・栽培管理

システム,収穫予測システム,受注管理システムに重点が置かれていることが特徴的である。

10 農研機構ウェブページ http://www.naro.affrc.go.jp/smart-nogyo/index.html 11 株式会社クボタウェブページ https://ksas.kubota.co.jp/farming_course/function/ 12 農研機構のウェブページによれば「支線・配水施設を管理する土地改良区、給水口を管

理する担い手農家,双方が連携して利用できる農業用水の管理制御システム」と解説され

ている。

http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/nire/2017/17_068.html

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果樹・茶ではその他に,ラジコン草刈り機,アシストスーツの実証が行われている。

畜産では作業時間を削減するために動物の管理(給餌や発情時期などの管理)が大きな目

標である。そのために作業プロセス (給餌や搾乳,牛の健康管理など)そのものの自動化や

管理システム開発が重要視されている。

スマート農業実証プロジェクトで採用されている諸技術の大きな特徴は,一つの名称で

呼称されている技術が,内容的には個別的な複数の技術要素の融合体であるという点であ

る。例えば食味・収量センサ付きコンバインは,コンバインに食味・収量センサを内蔵して

いるし,さらにクラウドシステムと連携した栽培管理システムも含めた技術体系となって

いる。水田の水管理システムは,土地改良区と担い手農家という異なる主体の所有する設備

機器を統合するような技術体系である。この点は次節の農業法人白書・統計表の分析結果の

読み取りの際に留意すべき重要なポイントになると思われる。

4-2. 農業法人白書・統計表の集計結果

3節で説明した通り,われわれは,提供された農業法人白書・統計表の個票データのうち,

2011 年と 2014 年について比較可能なデータを抽出した。表 2 と 3 では,それらを各法人

が「生産第 1位部門である」と回答した 16の生産部門に格付け,16部門別に各データの平

均値を算出して両年について比較している。

表 2 は各法人の属性を示す基礎データの平均値の比較である。全部門平均値を見ると,

従業者数,事業展開数,生産部門数,経営面積のすべてについて 2011 年より 2014 年値の

ほうが大きく,経営の大規模化,多角化が進んでいるように見える。しかし,部門別にみる

と状況が異なる場合がある。稲作部門については全体の傾向と一致しているが,露地野菜,

施設野菜部門については,これらの項目すべてについて 2014 年の平均値が縮小しており,

集約化の傾向が見て取れる。酪農はおおむね拡大傾向である。生産事業を主としていると答

えた法人の比率は 16部門中 12部門で増加している。

表 3 は農業機械購入時の意識についてたずねた質問に該当すると答えた法人の割合を示

す。例えば全体で見た場合,農業機械購入先に重視する項目 3つまでに「価格」を選択した

法人の割合は,2011 年の 46.3%から 2014 年には 26.6%に減少している。メンテ対応,メ

ーカー,性能,付き合いなど,一般的に機械購入で重視されそうな項目が選択肢として挙げ

られているが,いずれも重視項目としてはみなされなくなっているようである。4-1節でみ

たように,スマート農業化で使用される農業機械は,それぞれ単体として役割を果たすとい

うよりも,全体システムの一部構成要素となっているので,評価の仕方が変化しているのか

もしれない。その中で,稲作,果樹,施設花き部門では「購入先が近い」という理由が割合

を上げている。スマート化により農業機械が複雑化するにつれ,なるべく身近な販売店が必

要とされるようになっている場合,今後農村地域に農業機械のメインテナンスに関連する

事業機会が増える可能性が考えられるので,担い手農家のニーズについて注意深い調査を

していく必要がある。必要な機械が販売されていないときの対応について,全体の傾向を見

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ると,メーカーに対価を支払って製作依頼をしたり,自作したりする割合は減り,研究機関

と連携して製作するという割合が微増している。また,稲作部門では,少額の対価ならメー

カーに製作依頼をするというケースも割合を増やしている。4-1節の観察結果によると,ス

マート化により,メーカーが開発した機械設備類とクラウド管理システムが一体化した技

術の融合体が構築されるようになっている。そして,機械設備そのもの,クラウド管理シス

テムそのものはどの農家に対しても共通であるものの,内部パラメタのコントロールによ

り各農家の状況にマッチした技術融合体を作成することが可能になると推察される。その

場合,内部パラメタのコントロールを,技術の提供元と農家の現場とのどのような取引関係

で実行するのかについて,詳しい調査が必要である。

表 4 と 5 はシステムやハードの導入状況および導入の検討状況について両年を比較して

いる。まず,表 4 で何らかのシステムを「導入している」と答えた法人の割合(3 つの項目

の合計値)は全体で 2011 年に 58.7%,2014 年に 23.6%であり,稲作部門ではそれぞれ,

80.2%と 51.2%である。また何らかのハードを「導入している」と答えた法人の割合(5つの

項目の合計値)は全体で 2011年に 35.6%,2014年に 12.1%であり,稲作部門ではそれぞれ,

23.9%と 7.9%である。このように,システムやハードの導入割合はほとんどの部門で 2011

年から 14年にかけて減少しているという結果であった。一方,表 6で何らかの目的で ICT

を「活用している」と答えた法人の割合(6つの項目の合計値)は,全体で 2011年に 12.8%,

2014年に 25.9%であり,稲作部門ではそれぞれ,0.5%と 54.0%である。また表 7の ICTの

「活用を検討中」の法人の割合は,全体で 2011 年に 14.0%,2014 年に 19.2%であり,稲

作部門ではそれぞれ,15.3%と 27.9%である。多くの部門で ICT の活用が着実に進んでい

る状況がわかる。稲作部門で 2014年に活用されている割合が最も高かった ICTの目的は,

「販売額の増加」(16.7%)であり,それに「コストの削減」「労働時間の削減」(各 9.8%)が続

く。同じく活用を検討中の割合が最も高かった目的は「安全安心の見える化」(10.2%)であ

り,それに「品質の向上」(8.8%)が続く。ICT の活用目的が生産プロセスのスリム化から,

生産物の品質向上にシフトしている状況がみられる。

表 4~7の観測事実を総括すると,ICTの活用が進行しているとみられる一方で,システ

ムやハードの導入は進んでいない(もしくは後退している)という結果であった。しかしこの

事実は,4-1 節にみたスマート農業の現状を見ると理解可能であるように思われる。4-1 節

でも言及した通り,食味・収量センサ付きコンバインを利用している場合に,センサは農業

機械にあらかじめ組み込まれているので,「センサの導入」を訊ねる質問に対して,回答者

が「している」と答えられない可能性が考えられる。また,水田の水管理システムを構成す

るセンサや監視カメラなどの機器類の所有者は必ずしも担い手農家とは限らず,その場合

にカメラ類やセンサ類の導入を訊ねる質問に対して,「している」と答えられない可能性も

ある。またソフトウェアシステムについて,4-1節の状況を見るとクラウド(農機メーカーや

IT企業のサーバーにあるソフトウェア)が利用され,担い手農家はスマートフォンなどの簡

単な機器があれば分析の結果を利用できる状況である。この場合のソフトウェアを,回答者

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10

が表 4または表 5の表頭に示された「表計算ソフト(簡易ソフト)」「既往ソフト(市販品ソフ

ト等)」「独自ソフト(共同開発ソフト等)」のいずれにも該当しないとみなし,回答をしなか

った可能性も考えられる。

以上から,担い手農家のスマート化の現状を把握するには,ソフトウェアシステムやハー

ド機器類がどのように利用されているのかを現場の状況を把握し,回答者の実感に合うよ

うな選択肢を準備して慎重に調査を行う必要があると考えられた。

2011年調査には農業機械のメインテナンス状況や ICTの導入状況に,もう少し詳しい調

査項目があるので,表 8と 9にその集計結果を示す13。表 8で農業機械のメインテナンス状

況を稲作部門中心に見ていくと,点検の頻度は年に 1 回のケースが最も多く,点検整備は

自社で実施と販売店に依頼が約 3 割ずつである。ただし軽微な修理は自社で実施が 5 割で

ある。今後ハイテクなスマート農業機械の普及が進み,点検整備等を自社で実施することが

難しくなるケースも考えられるので,そのような場合にメインテナンスサービスを通じて,

担い手農家と販売店(ないしメーカー)の経済的相互依存関係が深まっていくのではないか

と予測される。そのような相互依存関係が新たに発生していくのかを注視する必要がある。

表 9 の ICT の導入状況を同様に稲作部門中心に見ると,生産,販売,経理に 2.5 割から 3

割の法人がシステム取扱者を置いている。ただし専任のシステム取扱者を置いている法人

は 26%である。ICTにかかる年間コストの平均値は,稲作部門では 7.28万円で,うち,販

売管理のために必要なコストが 2.46万円と最も高い。ICTにかかる年間コストの平均値が

最も高いのは施設野菜部門の 102.85万円であるが,そのうち最も大きいのが労務管理のた

めのコスト(37.35万円)である。生産部門ごとに ICT利用による課題解決の目的に特徴があ

ると考えられるが,表 6 と表 7 の比較が示すように,各部門が直面する課題は時点間で変

化していると考えられるので,各分野の直面する表 9 の内容の最新状況を調査することが

望まれる。また,4-1節で,スマート農業技術の特徴はクラウドシステムを活用した要素技

術融合にあると指摘したが,そのような融合システムの下でこれらのコストの低減が実現

されているのかについても検証が望まれる。

4-2. 農業法人白書・統計表データを用いたプロビット分析

3 節で整備した 2011 年と 2014 年のデータを用いて,農業のスマート化を促進する要因

を探るためにプロビット分析を実施した。すなわち,システムやハードの導入(または導入

検討中)のある/なし,あるいは ICT活用(または活用検討中) ある/なしの回答状況を被説

明変数として,いろいろな説明要因に回帰させることにより,システムやハードの導入また

は ICTの活用に対して統計的に説明力を持つ要因を分析した。表 10と 11に分析の結果を

示す。

まず表 10 はシステムやハードの導入(または導入検討中)のある/なしについての回帰分

13 なお,表 8と 9は 2011年調査で,生産第 1位部門について回答のあるすべての法人の

集計結果であり,表 2~7とはサンプル構成が異なる。

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11

析の結果である。ここでは,ある法人が表 4 または表 5 の表頭にあるシステムやハードの

種類のどれか一つでも導入(または導入検討中)ありと回答している場合,その法人はシステ

ムやハードの導入(または導入検討中)ありとみなし,被説明変数としている。また説明要因

として取り上げたのは表 10 の表側に掲げる各項目である。表 10 ではプロビット分析を実

施した結果,統計的に有意に計算された14限界効果15を表示した。それぞれの分析は 3種類

のデータセット(2011年と 2014年のプールデータ,2011年データ,2014年データ)に対し

て行った。2014 年データによる分析結果によればシステムやハードは,ある法人が農業機

械購入時にメンテ対応やメーカーを重視したり,必要な機械が販売されていないとき何ら

かの方法で製作を試みようしたりする場合に,導入されている確率が高くなることが分か

った。また 2011年のデータ分析によれば生産第 1位部門が稲作でない場合に,システムや

ハードの導入が検討されている確率が高かったが,2014年では生産第 1位部門の違いより

も農業機械購入時や必要な機械が販売されていないときの意識が検討確率に影響すること

が分かった。

表 11 は ICT の活用(または活用検討中)のある/なしについての回帰分析の結果である。

ここでは,ある法人が表 6 または表 7の表頭にある ICTの活用目的のどれか一つでも活用

(または活用検討中)ありと回答している場合,その法人は ICTの活用(または活用検討中)あ

りとみなし,被説明変数としている。ICT 活用済みの分析について,2011年には,稲作部

門以外で活用が進んでいることが顕著であったが,2014 年には部門間の差異はほとんどな

くなり農業機械購入時や必要な機械が販売されていないときの意識が活用の確率に影響す

るようになった。特に,ある法人が農業機械購入時に性能を重視する場合,必要な機械が販

売されていないとき高額でもメーカーに製作を依頼したり自作したりする場合に,ICT 活

用済みである確率が高い。ICT の活用と農業機械の購入意識が連動しているというこの観

測事実は,4-1節のスマート農業に実情をよく説明しているように思われる。ICT活用検討

中の分析について,2011 年データではある法人が必要な機械が販売されていないときに自

作をすると答えた場合に検討中の確率が高まる。一方 2014年データでは,ある法人が農業

機械購入時にメンテ対応やメーカーを重視すると答えた場合に検討中の確率が高まってい

る。ここでも ICTの活用と農業機械の購入意識の連動性を見ることができる。

4-1節では,ICTの活用がシステムやハードに対する農家の専門知識を必ずしも必要とし

なくなり,農家が必要な農業機械の導入を模索するプロセスで必然的に ICT の活用が進ん

でいるという状況が読み取れたが,以上の結果はその状況と矛盾しないように思われる。ま

た, ICTの活用の検討を促す要因として,機械購入時にメンテ対応やメーカーが重視され

るという事実は,今後,図 2で示したものづくり部門,農業,サービス部門の連関間関係,

または農村部と都市部の連関関係が強化されていくという仮説を支持するように思われる。

14 限界効果のすべての計算結果を標準誤差とともに付表 1と 2に示す。 15 ある法人が,ある説明要因に当てはまる場合,その法人がシステムやハードの導入(ま

たは導入検討中)ありである確率がどの程度上がるかを示す指標。

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ただし,表 10 や 11 の分析で用いた被説明変数が,現在進んでいる機械設備類とクラウド

管理システムが一体化した技術の融合体という「スマート農業」の代理変数とは言い切れな

い可能性もあるので,今後 4-1 節の実証事業の内容を踏まえるなどして,「スマート農業」

の本質をより的確にとらえた調査を実施し,得られた変数を用いて分析を行っていく必要

がある。

5.おわりに

本研究プロジェクトは,SDGs,およびそれを受けて第 5次環境基本計画で掲げられた地

域循環共生圏の形成等の目標を実現するために,スマート農業の実現が重要な役割を果た

すとの認識の下,スマート農業の実情を計量分析することにより,スマート農業が社会や環

境,経済にもたらす総合的効果を評価するとともに,スマート農業が農業の現場にスムース

に定着していくための要因を考察することを最終的な目的としている。

本研究ではスマート農業を「ICTを用いて栽培,作業,経営等のマネジメントを強化し,

インプットの効率化とアウトプットの拡大によって,生産性が高度に高められた農業」と定

義しており,それは個々の機械設備類とクラウド管理システムが一体化した技術の融合体

という特徴を持つと考える。

本報告では,上記目標へのファーストアプローチとして,2019 年に閣議決定された「成

長戦略」を受けて推進されている「スマート農業実証プロジェクト」の内容を精査するとと

もに,許可を得て日本農業法人協会から提供された 2011 年と 2014 年の「農業法人白書・

統計表」の個票データの分析を行った。その結果,ICTの活用がシステムやハードに対する

農家の専門知識を必ずしも必要としなくなり,農家が必要な農業機械の導入を模索するプ

ロセスで必然的に ICT の活用が進んでいるという状況や,機械購入時にメンテ対応やメー

カーが重視されるという事実などから今後の地域循環共生圏の進化の可能性を伺うことが

できた。ただし,2011年と 14年の「農業法人白書・統計表」のデータが,現在進んでいる

機械設備類とクラウド管理システムが一体化した技術の融合体という「スマート農業」をと

らえきれているとは言い切れないので,今後「スマート農業」の本質について調査をアップ

デートしたり,拡充したりする必要がある。

謝辞

本研究は,科学研究費補助金(課題番号 15KT0121,16K12663, 19KT0037),早稲田大学特

定課題研究助成費(2019C-308),環境省・(独)環境再生保全機構の環境研究総合推進費(2-

1707)の下で実施した。

また,データ提供にご協力くださった公益社団法人 日本農業法人協会に御礼を申し上げる。

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13

表 1:スマート農業実証プロジェクト(2019年度)の概要*

経営の種類

水田作_

大規模

水田作_

中山間

水田作_

輸出用米 畑作

露地野菜・花卉

施設園芸

果樹・茶

畜産 総計

観測数 14 12 4 6 11 8 11 3 69

労働時間・作業の削減 64.3% 66.7% 25.0% 66.7% 54.5% 75.0% 81.8% 100.0% 66.7%

草刈効率アップ,自動化,ロボット 8.3% 16.7% 12.5% 4.3%

収量・収益アップ,土地利用率アップ 57.1% 66.7% 100.0% 33.3% 81.8% 50.0% 63.6% 33.3% 62.3%

生産費(原料費)削減,施肥・農薬効率アップ 28.6% 25.0% 100.0% 33.3% 27.3% 25.0% 9.1% 33.3% 29.0%

付加価値(食味,高価値作物導入,加工) 21.4% 41.7% 50.0% 9.1% 12.5% 18.2% 33.3% 21.7%

データの収集,管理,計画生産,予測 14.3% 25.0% 50.0% 27.3% 50.0% 9.1% 100.0% 27.5%

規模拡大,シェアリング 7.1% 8.3% 25.0% 27.3% 8.7%

非熟練者育成 7.1% 18.2% 4.3%

トラクタ(自動制御,センサ機能) 85.7% 83.3% 100.0% 50.0% 81.8% 55.1%

田植機(自動制御,センサ機能) 85.7% 91.7% 100.0% 39.1%

水管理システム,潅水システム(施設),散水(果樹・茶園) 85.7% 58.3% 50.0% 33.3% 9.1% 37.5% 45.5% 46.4%

可変施肥(ブロードキャスタ) 50.0% 16.7% 25.0% 16.7% 18.2% 18.8%

農薬散布(空中散布,地上散布) 50.0% 66.7% 25.0% 16.7% 27.3% 27.3% 33.3% 34.8%

センシング(空撮,衛星,フィールドサーバ),カメラ,発情検知器

57.1% 66.7% 100.0% 66.7% 63.6% 25.0% 45.5% 66.7% 58.0%

収穫機(自動制御,センサ機能) 92.9% 75.0% 100.0% 50.0% 27.3% 12.5% 9.1% 49.3%

ロボット,ラジコン草刈機,施肥機,アシストスーツ,梱包機,剪定機,搾乳ロボット,自動給餌

14.3% 75.0% 25.0% 16.7% 54.5% 37.5% 81.8% 100.0% 49.3%

環境制御,施肥,搬送,選果,制御貯蔵,混合飼料(TMR),牛の健康管理などの生産プロセス管理システム

16.7% 9.1% 62.5% 54.5% 100.0% 23.2%

経営・栽培管理システム(クラウド),データ収集,収穫予測システム,受注管理システム,出荷支援システム

42.9% 41.7% 25.0% 66.7% 81.8% 87.5% 81.8% 33.3% 60.9%

*農研機構ウェブページ http://www.naro.affrc.go.jp/smart-nogyo/index.html から得られる情報より筆者作成。

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表 2:農業法人の基礎データの生産第 1位部門別平均値の比較 (左:2011年,右:2014年)

観測数 平均従業者数 生産事業を主として

いる法人の割合 平均事業展開数 平均生産部門数

平均経営面積

(ha)

平均家畜飼養

頭羽数

1 稲作 222 215 7.9 12.1 45.0% 79.5% 3.01 3.42 2.50 3.07 32.7 46.3 81.7 1.4

2 麦類 2 3 2.0 8.0 100.0% 66.7% 2.50 3.00 2.50 3.00 45.7 48.8

3 雑穀いも豆 14 15 19.6 17.9 71.4% 66.7% 3.29 3.20 1.57 1.93 55.4 81.0

4 工芸 13 14 14.5 16.9 38.5% 78.6% 3.38 2.64 1.31 1.43 17.1 14.3 23.1

5 露地野菜 116 163 45.6 41.4 31.0% 77.3% 2.56 2.25 2.03 1.95 17.0 15.5 18.1 0.01

6 施設野菜 86 96 22.9 21.6 64.0% 92.7% 2.37 2.24 1.86 1.82 6.1 9.4 26.8 0.01

7 果樹 71 69 15.8 14.8 59.2% 73.9% 3.10 3.29 1.34 1.54 15.2 14.8 4.8 0.6

8 露地花き 7 37 8.6 6.6 28.6% 97.3% 2.00 1.35 1.57 1.89 9.4 3.9

9 施設花き 54 42 13.6 15.1 74.1% 71.4% 1.83 2.52 1.48 1.90 2.3 3.4

10 きのこ 17 21 23.6 25.2 47.1% 100.0% 1.82 1.76 1.24 1.38 1.0 1.1

11 酪農 65 77 14.3 20.9 61.5% 96.1% 1.75 2.38 1.63 1.51 75.0 100.3 517.1 407.0

12 肉牛 26 24 10.0 13.2 69.2% 100.0% 1.46 1.42 1.46 1.25 9.8 11.5 1310.5 2455.9

13 養豚 31 40 17.3 19.6 64.5% 92.5% 1.61 1.53 1.48 1.53 2.1 3.9 9735.0 677.6

14 採卵 45 51 38.4 36.5 51.1% 92.2% 2.33 2.49 1.29 1.20 0.9 0.8 233403.3 218.0

15 ブロイラー 11 3 39.5 30.7 45.5% 33.3% 2.36 1.67 1.73 1.67 4.3 0.5 55909.1

16 その他 15 15 23.1 12.7 53.3% 100.0% 2.53 1.33 1.80 1.07 8.9 2.8 401.7 2.7

全体 795 885 20.2 21.7 52.1% 84.2% 2.51 2.55 1.88 2.02 22.1 27.7 14486.6 145.6

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15

表 3:農業機械購入時の意識について該当すると答えた法人の割合の比較(単位:%) (左:2011年,右:2014年)

農業機械購入先に重視する項目 3 つまで 必要な機械が販売されていないとき

価格 メンテ

対応 メーカー 性能 販売店

付合い JA

付合い 購入先が近い

その他 製作依頼(高額)

製作依頼(中額)

製作依頼(少額)

自作 研究機関と連携

1 稲作 72.5 45.6 62.6 43.3 8.6 5.1 66.2 29.3 10.8 6.0 3.6 3.3 1.8 3.3 0.5 7.4 2.3 1.9 9.0 6.0 10.4 20.5 6.8 4.7 1.4 2.3

2 麦類 50.0 33.3 100.0 33.3 50.0 33.3 50.0

50.0

50.0

50.0 33.3

33.3

3 雑穀いも

21.4 26.7 14.3 13.3

21.4 26.7

20.0 7.1

6.7 7.1 20.0 14.3 6.7 7.1 6.7 7.1

4 工芸 46.2 14.3 30.8 21.4 7.7

38.5 21.4

15.4

7.1 7.7

7.7 14.3 7.7 7.1 15.4 7.1

5 露地野菜 31.0 17.2 25.0 12.3 6.0 4.9 26.7 18.4 11.2 4.3

0.6 1.7 1.2

0.9

15.5 4.3 7.8 6.7 3.4 4.3 3.4 1.2

6 施設野菜 25.6 13.5 23.3 12.5 10.5 5.2 22.1 11.5 5.8 4.2 2.3

4.7 1.0

1.2 3.1 7.0 6.3 9.3 5.2 1.2 2.1 4.7 2.1

7 果樹 43.7 27.5 42.3 29.0 25.4 7.2 42.3 27.5 9.9 1.4 1.4

2.8 10.1

2.9 1.4 1.4 8.5 7.2 12.7 11.6 8.5 1.4 4.2 4.3

8 露地花き 42.9 18.9 28.6 24.3

8.1 42.9 10.8

14.3 5.4

2.7

14.3 13.5 14.3 2.7

2.7 28.6 5.4

9 施設花き 16.7 19.0 20.4 23.8 5.6 11.9 16.7 16.7 7.4 4.8

1.9 7.1

1.9 7.1 11.1 2.4

9.5 1.9 2.4

10 きのこ 23.5 19.0 17.6 23.8 5.9

17.6 23.8

5.9

14.3 11.8

4.8

11 酪農 80.0 20.8 72.3 19.5 21.5 6.5 60.0 16.9 6.2 6.5

4.6 2.6

1.3 1.5 1.3 32.3 5.2 15.4 9.1 1.5

12 肉牛 57.7 29.2 34.6 29.2 15.4 8.3 38.5 20.8 11.5 4.2 3.8

3.8

15.4 12.5 7.7 16.7 7.7

13 養豚 35.5 30.0 38.7 27.5 6.5 2.5 35.5 22.5 6.5 2.5

3.2

3.2

9.7 10.0 19.4 2.5 3.2 5.0

5.0

14 採卵 15.6 15.7 20.0 21.6 6.7 2.0 13.3 15.7

2.0

2.0

6.7 9.8 11.1 3.9

3.9

15 ブロイラ

27.3 33.3 27.3

27.3 33.3

33.3

18.2

9.1 33.3 9.1

9.1 33.3

16 その他 26.7 46.7 20.0 40.0 13.3

26.7 40.0 6.7

13.3

6.7

6.7 6.7 20.0 40.0

33.3

全体 46.3 26.6 40.9 25.4 10.6 5.3 40.8 21.2 8.1 4.4 1.8 1.2 2.6 2.6 0.1 2.1 1.5 1.1 8.7 6.8 12.3 9.7 5.8 5.1 2.5 2.7

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16

表 4:システム・ハードの導入状況の比較(単位:%) (左:2011年,右:2014年)

システムの導入済み ハードの導入済み

表計算ソフト

(簡易ソフト)

既往ソフト

(市販品ソフ

ト等)

独自ソフト

(共同開発ソ

フト等)

合計* モバイル端末 カメラ類 センサ類 バーコードラ

ベル,ICタグ GPS 合計:

稲作 11.7 18.6 40.1 17.2 28.4 15.3 80.2 51.2 4.5 2.3 13.1 2.3 2.7 0.5 3.6 2.3 0.5 23.9 7.9

麦類 100.0 33.3 50.0 150.0 33.3 33.3 33.3

雑穀いも豆 7.1 6.7 7.1 6.7 14.3 13.3 7.1 14.3 7.1 14.3 42.9

工芸 7.7 7.1 23.1 23.1 7.1 53.8 14.3 7.7 7.1 15.4 7.1 7.1 23.1 7.1 7.1 46.2 35.7

露地野菜 8.6 3.1 12.9 0.6 6.9 1.2 28.4 4.9 5.2 1.8 11.2 1.8 6.9 6.9 2.5 0.9 1.2 31.0 7.4

施設野菜 16.3 7.3 19.8 6.3 9.3 3.1 45.3 16.7 4.7 5.2 15.1 3.1 11.6 4.2 8.1 5.2 1.2 1.0 40.7 18.8

果樹 25.4 14.5 23.9 8.7 12.7 2.9 62.0 26.1 7.0 4.3 22.5 4.3 16.9 4.3 9.9 7.2 1.4 1.4 57.7 21.7

露地花き 8.1 14.3 5.4 14.3 5.4 28.6 18.9 14.3 2.7 2.7 14.3 5.4

施設花き 9.3 14.3 14.8 9.5 4.8 24.1 28.6 11.1 4.8 11.1 7.1 7.4 2.4 7.4 4.8 2.4 37.0 21.4

きのこ 23.5 14.3 17.6 9.5 5.9 4.8 47.1 28.6 11.8 4.8 23.5 9.5 5.9 14.3 41.2 28.6

酪農 40.0 2.6 43.1 2.6 18.5 1.3 101.5 6.5 1.5 18.5 2.6 6.2 1.3 23.1 3.9 1.5 50.8 7.8

肉牛 15.4 8.3 30.8 15.4 4.2 61.5 12.5 11.5 8.3 11.5 4.2 11.5 8.3 4.2 34.6 25.0

養豚 22.6 5.0 29.0 2.5 16.1 67.7 7.5 6.5 22.6 9.7 2.5 3.2 41.9 2.5

採卵 20.0 5.9 22.2 3.9 17.8 2.0 60.0 11.8 8.9 11.1 3.9 11.1 6.7 3.9 37.8 7.8

ブロイラー 9.1 33.3 9.1 18.2 33.3 33.3 33.3 66.7

その他 6.7 13.3 26.7 6.7 6.7 40.0 40.0 60.0 6.7 20.0 6.7 6.7 13.3 6.7 40.0 20.0

全体 16.2 10.1 26.9 7.2 15.6 6.3 58.7 23.6 5.4 2.7 14.3 2.9 7.7 1.8 7.7 3.8 0.5 0.8 35.6 12.1

*左に掲げる項目の単純合計。したがって回答者が 2 つ以上の項目を利用している場合には 100%を超えることがありうる。

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17

表 5:システム・ハードの導入の検討状況の比較(単位:%) (左:2011年,右:2014年)

システムの導入検討中 ハードの導入検討中

表計算ソフト

(簡易ソフト)

既往ソフト

(市販品ソフ

ト等)

独自ソフト(共

同開発ソフト

等)

合計* モバイル端末 カメラ類 センサ類 バーコード,ICタグ

GPS 合計*

稲作 4.1 3.7 4.1 3.7 0.5 0.5 8.6 7.9 0.5 1.9 0.5 1.9 2.3 0.9 2.7 3.7 2.3 1.4 8.1 9.8

麦類

雑穀いも豆 6.7 6.7 6.7 6.7

工芸 7.1 7.7 7.1 7.7 14.3 7.7 7.7 7.1 7.1 15.4 14.3

露地野菜 6.0 5.5 1.7 0.6 6.0 13.8 6.1 2.5 2.5 0.6 0.9 0.6 0.6 0.9 6.7

施設野菜 2.3 1.0 4.7 3.1 1.2 2.1 8.1 6.3 2.3 2.1 3.5 4.7 2.3 12.8 2.1

果樹 10.1 4.2 8.7 4.2 5.8 8.5 24.6 1.4 8.7 1.4 2.9 2.8 2.9 5.6 8.7 1.4 11.3 24.6

露地花き 5.4 5.4 14.3 14.3 10.8 14.3 2.7 14.3 5.4 2.7 28.6 10.8

施設花き 7.1 3.7 4.8 3.7 11.9 5.6 4.8 7.4 5.6 2.4 18.5 7.1

きのこ

酪農 3.1 7.8 1.5 5.2 1.5 1.3 6.2 14.3 1.5 3.9 1.5 3.9 1.3 1.3 2.6 3.1 13.0

肉牛 8.3 4.2 4.2 16.7 4.2 4.2 8.3

養豚 6.5 7.5 3.2 5.0 2.5 9.7 15.0 3.2 3.2 2.5 3.2 3.2 12.9 2.5

採卵 4.4 3.9 6.7 3.9 2.0 11.1 9.8 3.9 2.0 2.0 3.9 11.8

ブロイラー 33.3 33.3 66.7

その他 6.7 6.7 6.7 6.7

全体 3.0 5.2 3.3 3.5 1.9 1.5 8.2 10.2 1.4 2.8 1.8 2.1 1.5 1.0 2.1 2.3 0.6 0.8 7.4 9.0

*左に掲げる項目の単純合計。

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18

表 6:情報通信技術(ICT)活用状況の比較(単位:%) (左:2011年,右:2014年)

ICT活用目的導入済み

販売額の増加 品質向上 安心安全の見える

化 コスト削減 労働時間の削減

人材育成・技能向上

合計*

稲作 16.7 7.9 9.3 0.5 9.8 9.8 0.5 0.5 54.0

麦類

雑穀いも豆 7.1 13.3 7.1 7.1 21.4 13.3

工芸 7.7 7.1 7.7 7.1 7.7 7.1 7.7 7.1 7.7 7.1 7.1 38.5 42.9

露地野菜 0.9 0.6 3.4 5.2 0.6 2.6 0.6 0.9 2.5 1.7 1.8 14.7 6.1

施設野菜 4.7 5.2 3.5 2.1 1.2 3.1 1.2 1.0 4.2 1.2 2.1 11.6 17.7

果樹 8.5 11.6 2.8 4.3 4.2 5.8 9.9 2.9 5.6 2.9 2.8 4.3 33.8 31.9

露地花き 2.7 2.7 5.4 2.7 13.5

施設花き 1.9 4.8 2.4 2.4 4.8 2.4 1.9 2.4 3.7 19.0

きのこ 5.9 11.8 4.8 5.9 4.8 11.8 11.8 47.1 9.5

酪農 3.1 3.1 3.9 1.5 1.3 1.5 1.3 2.6 1.3 9.2 10.4

肉牛 7.7 8.3 3.8 8.3 7.7 4.2 7.7 4.2 4.2 26.9 29.2

養豚 6.5 3.2 2.5 6.5 2.5 5.0 2.5 16.1 12.5

採卵 4.4 3.9 4.4 2.0 6.7 3.9 6.7 3.9 4.4 2.0 4.4 2.0 31.1 17.6

ブロイラー 33.3 33.3

その他 33.3 33.3 6.7 73.3

全体 2.4 6.9 2.5 4.1 2.3 4.5 3.0 4.0 1.6 4.6 1.0 1.8 12.8 25.9

*左に掲げる項目の単純合計。

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19

表 7:情報通信技術(ICT)活用の検討状況の比較(単位:%) (左:2011年,右:2014年)

ICT活用目的導入検討中

販売額の増加 品質向上 安心安全の見える化

コスト削減 労働時間の削減 人材育成・技能向上 合計*

稲作 0.9 0.9 3.2 8.8 4.1 10.2 3.2 2.3 1.8 2.3 2.3 3.3 15.3 27.9

麦類 33.3 33.3 66.7

雑穀いも豆 6.7 6.7 13.3

工芸 7.1 7.7 7.1 7.1 7.7 15.4 21.4

露地野菜 2.6 0.6 0.6 3.4 2.5 0.9 1.2 3.4 4.9 0.9 4.3 11.2 14.1

施設野菜 7.0 4.7 2.1 4.7 3.5 4.2 5.8 1.0 5.8 1.0 31.4 8.3

果樹 1.4 5.8 1.4 2.9 1.4 7.2 1.4 7.2 1.4 4.3 1.4 7.2 8.5 34.8

露地花き 8.1 5.4 2.7 16.2

施設花き 3.7 4.8 3.7 2.4 3.7 11.9 3.7 4.8 4.8 14.8 28.6

きのこ 4.8 4.8 9.5

酪農 1.5 5.2 1.5 3.9 1.5 5.2 1.5 3.9 1.5 7.7 18.2

肉牛 3.8 4.2 4.2 3.8 8.3

養豚 6.5 3.2 6.5 2.5 3.2 5.0 3.2 22.6 7.5

採卵 2.2 2.2 2.0 2.0 2.2 3.9 2.2 3.9 2.2 2.0 11.1 13.7

ブロイラー 33.3 33.3 66.7

その他 6.7 13.3 20.0

全体 2.4 1.7 1.9 3.8 2.6 4.1 2.4 3.3 2.4 3.5 2.3 2.8 14.0 19.2

*左に掲げる項目の単純合計。

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20

表 8:2011年調査における農業機械のメインテナンス状況

点検整備 点検頻度 軽微な修理

自社で実施 販売店に委託 JAに委託 2 年に 1 回 年 1 回 年 2 回 年 3 回 自社で実施 販売店に依頼 JAに依頼

稲作 35.5% 30.6% 17.9% 4.6% 40.4% 11.7% 8.0% 50.3% 10.2% 6.2%

麦類 66.7% 66.7% 33.3% 33.3%

雑穀いも豆 16.0% 20.0% 20.0% 4.0% 20.0% 12.0% 8.0% 28.0% 4.0% 8.0%

工芸 26.9% 30.8% 7.7% 30.8% 3.8% 19.2% 30.8% 19.2% 3.8%

露地野菜 31.3% 40.6% 8.3% 2.1% 42.7% 7.3% 10.4% 38.5% 24.0% 5.2%

施設野菜 23.1% 27.7% 6.9% 0.8% 26.9% 9.2% 5.4% 27.7% 16.2% 4.6%

果樹 32.9% 24.7% 4.7% 3.5% 22.4% 7.1% 7.1% 23.5% 18.8% 4.7%

露地花き 33.3% 11.1% 33.3% 11.1% 22.2% 22.2% 11.1%

施設花き 12.5% 26.8% 5.4% 5.4% 21.4% 1.8% 3.6% 14.3% 10.7% 5.4%

きのこ 15.4% 15.4% 11.5% 19.2% 3.8% 11.5% 30.8% 11.5%

酪農 38.8% 44.9% 6.1% 28.6% 8.2% 16.3% 57.1% 8.2%

肉牛 29.7% 32.4% 5.4% 2.7% 27.0% 16.2% 13.5% 37.8% 18.9% 2.7%

養豚 26.6% 31.3% 3.1% 21.9% 4.7% 15.6% 26.6% 17.2%

採卵 23.0% 19.7% 1.6% 8.2% 8.2% 9.8% 23.0% 8.2%

ブロイラー 33.3% 33.3% 8.3% 33.3% 8.3% 16.7% 41.7% 8.3%

その他 25.0% 20.8% 4.2% 25.0% 8.3% 25.0% 12.5%

全体 18.6% 19.7% 5.9% 2.3% 19.8% 5.6% 5.9% 23.2% 9.4% 2.7%

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21

表 9:2011年調査における ICTの導入状況

システム取扱者の有りの割合 ICTにかかる年間コスト平均(万円)

生産 販売 経理 (再掲*)専任 (再掲*)兼務 生産 販売 加工 観光 会計 労務 合計

稲作 29.9% 25.0% 30.2% 26.2% 59.0% 1.25 2.46 0.73 0.65 1.58 0.60 7.28

麦類 33.3% 33.3%

雑穀いも豆 36.0% 24.0% 36.0% 48.0% 48.0% 0.60 0.60 0.28 0.72 0.32 2.52

工芸 34.6% 26.9% 26.9% 19.2% 69.2% 9.96 8.08 0.19 3.35 0.12 21.69

露地野菜 30.2% 25.0% 27.1% 17.7% 64.6% 6.92 4.52 0.15 1.29 1.05 13.93

施設野菜 25.4% 20.0% 24.6% 31.5% 38.5% 25.87 13.46 1.51 20.40 4.27 37.35 102.85

果樹 23.5% 22.4% 21.2% 24.7% 42.4% 3.24 5.66 1.36 1.61 2.28 0.74 14.89

露地花き 11.1% 11.1% 11.1% 33.3% 1.11 1.11 2.22

施設花き 26.8% 23.2% 26.8% 26.8% 50.0% 5.75 1.07 0.41 0.32 7.55

きのこ 42.3% 30.8% 42.3% 69.2% 46.2% 12.15 1.26 9.47 6.08 28.96

酪農 30.6% 18.4% 34.7% 55.1% 28.6% 9.22 0.10 0.10 0.65 0.29 10.37

肉牛 18.9% 13.5% 18.9% 27.0% 24.3% 10.57 0.54 0.14 9.38 6.14 26.76

養豚 26.6% 17.2% 18.8% 20.3% 42.2% 7.03 7.78 0.23 0.16 13.28 3.22 31.70

採卵 29.5% 16.4% 19.7% 18.0% 47.5% 0.33 0.41 0.52 0.25 1.51

ブロイラー 8.3% 8.3% 8.3% 25.0% 0.83 9.17 0.83 0.83 11.67

その他 25.0% 25.0% 25.0% 25.0% 50.0% 5.00 0.42 5.42

全体 18.0% 14.6% 17.3% 17.5% 32.4% 4.14 2.64 0.35 1.75 1.82 3.45 14.15

*質問票では生産,販売,経理の管理部門ごとに専任/兼任別の管理者の有無を聞いている。ここでいう専任とは,各管理部門の専任者ありの割合を合計した値であ

り,同一人物が販売と経理を担当しているケースなどが識別できていない。

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22

表 10:プロビットモデル 限界効果 (有意な結果のみ)

(被説明変数:システム・ハード導入/検討の有無)

(1) (2) (3) (4) (5) (6)

データ プール 2011 年 2014 年 プール 2011 年 2014 年

被説明変数

説明変数

システム・ハード導入済

システム・ハード導入済

システム・ハード導入済

システム・

ハード導入検討

システム・

ハード導入検討

システム・

ハード導入検討

従業者数(対数) 0.137*** 0.131** 0.349***

生産を主な事業 -0.641*** -0.284** -0.556**

事業展開数 0.160***

生産第 1 位部門ダミー(基準は「稲作」)

麦類作 1.222** 0.823*

雑穀・いも類・豆類

工芸農作物 -2.033*** 0.756*

露地野菜 -0.343** 0.409** 0.465*

施設野菜 0.265* 0.603* 0.560*

果樹 0.516** 0.748**

露地花き・花木

施設花き・花木 0.700*** 0.854***

きのこ類 0.770*

酪農

肉用牛

養豚 0.575* 0.652** 0.859**

採卵鶏 0.348* 0.555** 0.704*

ブロイラー -1.659** 2.706***

その他 0.655** 1.539**

生産部門数 -0.145*** -0.215*** 0.157**

経営面積 ha 0.00158** 0.00201* 0.00189*

農業機械購入先に重視する項目 3 つまで

価格 0.833*** 1.056*** 0.389** 0.529**

メンテ対応 0.461*** 1.150*** 0.501**

メーカー 0.421*** 0.868*** 0.513*** 1.290***

性能 0.499*** 0.365** 0.454** 0.498**

販売店との付き合い 0.387*** 0.673*** 0.790*** 0.502*

JAとの付き合い 1.264***

購入先が近い 0.650*** 0.913***

その他 2.003*** 3.045***

必要な機械が販売されていないとき

メーカーに製作依頼(高額) 0.717** 1.133** 0.609* 0.952**

メーカーに製作依頼(中額) 0.675*** 0.470*** 0.639***

メーカーに製作依頼(少額) 0.763*** 0.356**

自作 0.289* 0.875*** 0.463** 0.629** 0.612**

研究機関と連携 0.504** 0.744** 0.795*** 0.880** 0.840**

Constant -1.473*** -1.335*** -3.137*** -2.970*** -2.595*** -3.184***

Observations 1,680 792 885 1,637 712 846

*** p<0.01, ** p<0.05, * p<0.1

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23

表 11:プロビットモデル 限界効果 (有意な結果のみ)

(被説明変数:ICT活用/検討の有無)

(1) (2) (3) (4) (5) (6)

データ プール 2011 年 2014 年 プール 2011 年 2014 年

被説明変数

説明変数 ICT活用済

ICT活用済

ICT活用済 ICT活用検討

ICT活用検討

ICT活用検討

従業者数(対数) 0.271*** 0.218** 0.226*** 0.272***

生産を主な事業 -0.703***

事業展開数

生産第 1 位部門ダミー(基準は「稲作」)

麦類作 1.003*

雑穀・いも類・豆類 1.934**

工芸農作物 2.175*** -1.681**

露地野菜 1.228**

施設野菜 0.416* 1.676*** 0.852***

果樹 0.696*** 1.631*** 0.534*

露地花き・花木

施設花き・花木 1.289* 0.868*** 0.925** 0.919***

きのこ類 0.595* 1.980***

酪農 0.718**

肉用牛 0.853*** 1.671*** 0.730*

養豚 1.790*** 0.917**

採卵鶏 0.635** 1.969***

ブロイラー

その他 0.920**

生産部門数 0.155*** 0.177***

経営面積 ha 0.00206*** 0.00297*** 0.00265**

農業機械購入先に重視する項目 3 つまで

価格 0.588*** 1.203*** 0.410* 0.371** 0.531* 0.470**

メンテ対応 0.427*** 0.562** -0.494** 0.815***

メーカー 0.316** 0.476* 0.330** 0.901***

性能 0.332** 0.769*** 0.338*** 0.461**

販売店との付き合い 0.627** 0.396** 0.457*

JAとの付き合い

購入先が近い 0.767*** 0.859***

その他 2.216*** 2.810***

必要な機械が販売されていないとき

メーカー製作依頼(高額) 1.199*** 1.978***

メーカー製作依頼(中額) 0.470*** 0.703*** 0.517*** 0.538* 0.424*

メーカー製作依頼(少額) 0.560*** 0.592** 0.641*** 0.622** 0.508**

自作 0.980*** 0.894*** 1.222*** 0.499*** 1.055***

研究機関と連携 0.842*** 0.818** 0.737*** 0.983** 0.882**

Constant -3.635*** -4.375*** -2.617*** -3.511*** -3.092*** -3.374***

Observations 1,675 746 882 1,680 732 870

*** p<0.01, ** p<0.05, * p<0.1

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24

参考文献

[1] 浅利一郎,土居英二,2016,地域間産業連関分析の理論と実際,日本評論社

[2] 尾崎巌,2004,日本の産業構造,慶応義塾大学出版会

[3] 南石晃明編著,2019,稲作スマート農業の実践と次世代経営の展望,養賢堂

[4] Köksal1, Ö., Tekinerdogan, B., 2019, “Architecture design approach for

IoT‑based farm management information systems,” Precision Agriculture, 20,

926–958, https://doi.org/10.1007/s11119-018-09624-81 3.

[5] Leontief, W.,1951, The Structure of American Economy 1919-1939, International

Arts and Sciences Press, N.Y.

[6] Nakano, S. and Washizu, A., 2018, " Induced Effects of Smart Food/Agri-

Systems in Japan: Towards a Structural Analysis of Information Technology",

Telecommunications Policy , 42(10) , 824-835 ,

https://doi.org/10.1016/j.telpol.2018.08.001

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25

付表 1:プロビットモデル 限界効果 (被説明変数:システム・ハード導入/検討の有無)

(1) (2) (3) (4) (5) (6)

プール 2011 年 2014 年 プール 2011 年 2014 年

VARIABLES

システム・ハード導入済

システム・ハード導入済

システム・ハード導入済

システム・ハード導入検

システム・ハード導入検討

システム・ハード導入検討

従業者数(対数) 0.137*** 0.131** 0.349*** 0.0433 0.0271 -0.00759

(0.0457) (0.0593) (0.110) (0.0601) (0.0877) (0.0876) 生産農家である -0.641*** -0.284** -0.556** 0.120 0.00315 0.195

(0.0886) (0.116) (0.226) (0.117) (0.164) (0.242) 事業展開数 0.0649 0.160*** -0.0272 0.0719 0.0595 0.0180

(0.0408) (0.0589) (0.0838) (0.0534) (0.0884) (0.0759)

生産第 1 位部門ダミー(基準は「稲作」) 麦類作 1.222** 0.823*

(0.486) (0.474) 雑穀・いも類・豆類 -0.383 -0.703 0.0297 -0.275 -0.0701

(0.418) (0.584) (0.539) (0.572) (0.720) 工芸農作物 -0.0968 -0.145 -2.033*** 0.481 0.756* 0.247

(0.315) (0.397) (0.673) (0.330) (0.448) (0.641) 露地野菜 -0.343** -0.318 -0.203 0.409** 0.465* 0.259

(0.155) (0.213) (0.343) (0.184) (0.280) (0.279) 施設野菜 0.265* 0.132 0.603* 0.272 0.560* -0.107

(0.160) (0.213) (0.341) (0.228) (0.314) (0.404) 果樹 0.0228 -0.0170 0.142 0.516** 0.368 0.748**

(0.165) (0.219) (0.327) (0.210) (0.352) (0.314) 露地花き・花木 -0.270 -0.227 -0.226 0.421 0.758 -0.219

(0.346) (0.619) (0.553) (0.324) (0.689) (0.458) 施設花き・花木 0.226 0.0754 0.517 0.700*** 0.854*** 0.240

(0.218) (0.278) (0.424) (0.219) (0.312) (0.368) きのこ類 0.328 0.0908 0.770*

(0.306) (0.428) (0.457) 酪農 -0.225 -0.196 -0.245 0.142 -0.389 0.487

(0.168) (0.227) (0.391) (0.219) (0.406) (0.332) 肉用牛 0.321 0.289 0.107 0.125 0.600

(0.258) (0.331) (0.477) (0.341) (0.473) 養豚 0.246 0.575* -0.109 0.652** 0.859** 0.495

(0.241) (0.313) (0.499) (0.271) (0.414) (0.399) 採卵鶏 0.348* 0.437 0.195 0.555** 0.704* 0.260

(0.211) (0.268) (0.468) (0.280) (0.404) (0.426) ブロイラー -0.492 -1.659** 2.706*** 0.265 1.615

(0.664) (0.750) (0.686) (0.843) (1.251) その他 0.655** 0.291 1.539** -0.332 0.409 (0.300) (0.380) (0.683) (0.696) (0.657) 生産部門数 -0.145*** -0.215*** -0.0670 0.0859 0.0226 0.157**

(0.0442) (0.0682) (0.0788) (0.0557) (0.119) (0.0725) 経営面積 ha 0.00158** 0.00201* 0.00189* -8.81e-05 0.000711 -2.40e-05

(0.000651) (0.00111) (0.00107) (0.000917) (0.00101) (0.00137)

農業機械購入先に重視する項目 3 つまで 価格 0.833*** 1.056*** 0.341 0.389** 0.529** 0.282

(0.133) (0.195) (0.219) (0.153) (0.261) (0.221) メンテ対応 0.461*** 0.227 1.150*** 0.227 -0.0308 0.501**

(0.119) (0.163) (0.229) (0.140) (0.222) (0.223) メーカー 0.421*** 0.274 0.868*** 0.513*** -0.0400 1.290***

(0.130) (0.171) (0.251) (0.153) (0.263) (0.233) 性能 0.499*** 0.365** 0.454** 0.132 -0.0621 0.498**

(0.112) (0.156) (0.210) (0.132) (0.220) (0.195) 販売店との付き合い 0.387*** 0.149 0.394 0.673*** 0.790*** 0.502*

(0.150) (0.197) (0.257) (0.162) (0.226) (0.301) JAとの付き合い 0.0869 -0.142 0.277 0.416 1.264***

(0.298) (0.417) (0.491) (0.324) (0.486) 購入先が近い 0.157 0.0599 0.468 0.650*** 0.0259 0.913***

(0.227) (0.320) (0.343) (0.214) (0.399) (0.298) その他 2.003*** 3.045*** -0.245 -0.0642

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26

(0.385) (0.395) (0.568) (0.667)

必要な機械が販売されていないとき メーカーに製作依頼(高額) 0.717** 1.133** 0.458 0.609* 0.0412 0.952**

(0.303) (0.501) (0.484) (0.354) (0.636) (0.458) メーカーに製作依頼(中額) 0.0869 -0.0635 0.675*** 0.470*** 0.276 0.639***

(0.150) (0.199) (0.258) (0.163) (0.263) (0.240) メーカーに製作依頼(少額) 0.0797 0.0318 0.763*** 0.356** 0.383 0.213

(0.124) (0.170) (0.236) (0.146) (0.237) (0.229) 自作 0.289* 0.232 0.875*** 0.463** 0.629** 0.612**

(0.159) (0.215) (0.281) (0.184) (0.252) (0.277) 研究機関と連携 0.504** 0.403 0.744** 0.795*** 0.880** 0.840** (0.243) (0.384) (0.326) (0.261) (0.393) (0.409) Constant -1.473*** -1.335*** -3.137*** -2.970*** -2.595*** -3.184***

(0.182) (0.246) (0.453) (0.274) (0.413) (0.484) Observations 1,680 792 885 1,637 712 846

Robust standard errors in parentheses

*** p<0.01, ** p<0.05, * p<0.1

付表 2:プロビットモデル 限界効果 (被説明変数:ICT活用/検討の有無)

(1) (2) (3) (4) (5) (6)

プール 2011 年 2014 年 プール 2011 年 2014 年

VARIABLES ICT活用

済 ICT活用

済 ICT活用

済 ICT活用検

討 ICT活用検

討 ICT活用検

従業者数(対数) 0.271*** 0.218** 0.167 0.226*** 0.0757 0.272***

(0.0680) (0.105) (0.112) (0.0612) (0.0889) (0.0880)

生産農家である -0.00263 0.214 -0.703*** -0.000403 -0.0751 -0.310

(0.119) (0.189) (0.220) (0.113) (0.171) (0.205)

事業展開数 -0.00325 -0.0566 -0.0491 0.0699 0.114 -0.0448

(0.0571) (0.0847) (0.0861) (0.0517) (0.0966) (0.0751)

生産第 1 位部門ダミー(基準は「稲作」)

麦類作 0.467 1.003*

(0.596) (0.546)

雑穀・いも類・豆類 0.333 1.934** -0.712 -0.405 0.0910

(0.534) (0.833) (0.652) (0.595) (0.646)

工芸農作物 0.466 2.175*** -1.681** 0.395 0.714 0.0770

(0.439) (0.655) (0.673) (0.339) (0.445) (0.512)

露地野菜 -0.0186 1.228** -0.418 0.232 0.453 0.178

(0.219) (0.524) (0.341) (0.197) (0.304) (0.297)

施設野菜 0.416* 1.676*** 0.0528 0.253 0.852*** -0.229

(0.238) (0.579) (0.392) (0.214) (0.301) (0.416)

果樹 0.696*** 1.631*** 0.515 0.308 0.125 0.534*

(0.212) (0.528) (0.321) (0.210) (0.419) (0.312)

露地花き・花木 0.135 -0.101 0.492 0.185

(0.436) (0.537) (0.331) (0.464)

施設花き・花木 0.484 1.289* 0.366 0.868*** 0.925** 0.919***

(0.315) (0.744) (0.443) (0.228) (0.361) (0.349)

きのこ類 0.595* 1.980*** 0.240 -0.192 -0.365

(0.349) (0.692) (0.592) (0.530) (0.682)

酪農 -0.361 0.599 -0.574 0.164 -0.510 0.718**

(0.258) (0.597) (0.409) (0.213) (0.473) (0.294)

肉用牛 0.853*** 1.671*** 0.730* 0.124 0.0409 0.0661

(0.271) (0.619) (0.403) (0.349) (0.523) (0.527)

養豚 0.394 1.790*** 0.0482 0.327 0.917** -0.243

(0.323) (0.668) (0.487) (0.341) (0.462) (0.518)

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27

採卵鶏 0.635** 1.969*** 0.333 0.123 0.327 0.0655

(0.294) (0.649) (0.479) (0.317) (0.527) (0.472)

ブロイラー -0.771 0.391 -0.650 0.859

(0.898) (0.586) (0.689) (0.584)

その他 0.394 0.920** -0.115 0.709

(0.344) (0.450) (0.585) (0.616)

生産部門数 0.0425 -0.0765 0.0258 0.155*** 0.0996 0.177***

(0.0543) (0.121) (0.0772) (0.0479) (0.0922) (0.0685)

経営面積 ha 0.00206*

** 0.00217 0.00297*

** 0.000452 0.00265** -0.000217

(0.000798) (0.00134) (0.00104) (0.000854) (0.00111) (0.00129)

農業機械購入先に重視する項目 3 つまで

価格 0.588*** 1.203*** 0.410* 0.371** 0.531* 0.470**

(0.175) (0.345) (0.234) (0.155) (0.288) (0.231)

メンテ対応 0.427*** 0.0422 0.562** 0.214 -0.494** 0.815***

(0.152) (0.287) (0.231) (0.151) (0.243) (0.238)

メーカー 0.316** 0.335 0.476* 0.330** -0.405 0.901***

(0.155) (0.264) (0.257) (0.155) (0.287) (0.228)

性能 0.332** 0.121 0.769*** 0.338*** 0.185 0.461**

(0.142) (0.215) (0.215) (0.128) (0.244) (0.192)

販売店との付き合い 0.301 0.356 0.627** 0.396** 0.457* 0.140

(0.192) (0.324) (0.264) (0.168) (0.245) (0.271)

JAとの付き合い -0.111 0.152 0.340 0.230 0.634

(0.371) (0.485) (0.325) (0.645) (0.546)

購入先が近い 0.363 -0.173 0.332 0.767*** 0.252 0.859***

(0.246) (0.394) (0.373) (0.219) (0.406) (0.317)

その他 2.216*** 2.810*** -0.327 -0.224

(0.408) (0.463) (0.585) (0.679)

必要な機械が販売されていないとき メーカーに製作依頼(高額) 1.199*** 0.110 1.978*** 0.0458 0.259

(0.353) (0.453) (0.583) (0.398) (0.509) メーカーに製作依頼(中額) 0.470*** 0.139 0.703*** 0.517*** 0.538* 0.424*

(0.175) (0.277) (0.270) (0.172) (0.291) (0.247) メーカーに製作依頼(少額) 0.560*** -0.0767 0.592** 0.641*** 0.622** 0.508**

(0.144) (0.253) (0.248) (0.141) (0.251) (0.212)

自作 0.980*** 0.894*** 1.222*** 0.499*** 1.055*** 0.303

(0.182) (0.289) (0.288) (0.184) (0.265) (0.287)

研究機関と連携 0.842*** 0.630 0.818** 0.737*** 0.983** 0.882**

(0.221) (0.396) (0.338) (0.253) (0.419) (0.403)

Constant -3.635*** -4.375*** -2.617*** -3.511*** -3.092*** -3.374***

(0.298) (0.745) (0.432) (0.281) (0.409) (0.446)

Observations 1,675 746 882 1,680 732 870

Robust standard errors in parentheses

*** p<0.01, ** p<0.05, * p<0.1