4
編    著 長野県地質図活用普及事業研究会(代表 原山 智 信州大学教授) 研究会連絡先 〒381-0075 長野市北郷2054-120 長野県環境保全研究所 自然環境部内 富樫 均 TEL:026-239-1031  E-mail:[email protected] NPO法人長野県GIS協会 長野県デジタル地質図2015 長野県デジタル地質図2015(DVD版) 成果品DVDは、県内の公共機関等へ寄贈し、 広く活用されることを目指しています。 ■ビューアソフト 【動作環境】Windows Vista/7/8/10※ ■ソフトウエア 画像データを利用する場合は、画像処理ソフトウェアを、ベクトルデータを使 用する場合は、それぞれのフォーマットに対応した地理情報システム( GIS: Geographical Information System)のソフトウェアがそれぞれ必要です。 ■収納ファイル(データフォーマット・ほか)は次のとおりです。 (ただし、SHP形式のフォルダは圧縮フォルダに収められている。) ●2001年12月 県地質図改訂の必要性に関する意見交換会(会場:信州大学理学部) (信州大学、県内の自然史系博物館、県自然保護研究所の研究者) ●2005年11月 県地質図作成のための事業提案(県事業への提案) ●2006年 2 月 県地質図作成のための準備会合(会場:長野県庁) (信州大学、自然史系博物館、県環境保全研究所の研究者) ●2006年 4 月 県の主要事業として、新版長野県地質図作成事業開始。 (作成に協力した研究者 計42名) ●2010年 3 月 原図案のとりまとめをもって県事業終了。図の完成は研究者に託される。 ●2010年~ 原図編集とデジタル化統合準備作業を継続。(県内の研究者有志による) ●2015年 3 月 (一社)北陸地域づくり協会による研究助成事業、「オリジナル統一凡例に よる5万分の1長野県地質図の活用普及事業」として採択決定。 ●2015年 4 月 地質図のデジタル化・統合処理に着手。 ●2015年 9 月 日本地質学会第122年学術大会ならびに地質情報展2015(ながの)にお いてこれまでの取り組みを紹介。 ●2015年11月 長野県デジタル地質図2015完成。 長野県デジタル地質図を作成するに あたっては、県下各地の研究者など、 多くの皆様のご協力、ご支援をいた だきました。 新版地質図は、統一凡例による新た な地質図として作成しましたが、その 編集は、以下の方々による分担と協 議によって行われました。 長野県地質図活用普及事業研究会 (平成27年11月現在) 構  成:原山 智(信州大学)・古本吉倫(国立長野高専)・松下英次(国立長野高専)・大塚 勉(信州大学)・ 富樫 均(長野県環境保全研究所)・山浦直人(土木・環境しなの技術支援センター) 研究助成:一般社団法人北陸地域づくり協会(〒950-0197 新潟市江南区亀田工業団地二丁目3番4号) 長野県デジタル地質図2015作成までの経緯 ※ビューアの起動はDVDより起動すると時間がかかります。ビューアをPC へコピーしてご利用いただくことも可能です。[必要ハードディスク容量: 200 MB 以上( PCへコピーする場合)] ファイル構成 01 はじめにお読みください(Read me) (TXT形式) 02 長野県デジタル地質図(2015)の解説 (PDF形式) 03 1/20万長野県地質図インデックスマップ 基本版 (PDF形式) 04 1/20万長野県地質図インデックスマップ 高解像度版 (PDF形式) 05 長野県デジタル地質図(2015)統一地質凡例 (PDF形式) 06 地質図区画検索 (HTML形式) 07 1/5万長野県デジタル地質図_PDF ※49図郭 (PDF形式) 08 1/5万長野県デジタル地質図_SHP (SHP形式) 09 1/5万長野県デジタル地質図_KML (KML形式) 10 長野県デジタル地質図(2015)ビューア (EXE形式) 使用するにあたって 編集委員:原山 智(代表) 赤羽貞幸・石田 桂・小坂共栄・ 松島信幸・三宅康幸・村松 武・ 小野和行・大塚 勉・清水岩夫・ 田辺智隆・富樫 均・山浦直人 井川 満島 根羽 時叉 赤石岳 中津川 大河原 飯田 妻籠 市野瀬 赤穂 上松 加子母 高遠 八ヶ岳 木曽福島 伊那 御嶽山 金峰山 諏訪 蓼科山 十石峠 乗鞍岳 塩尻 和田 松本 小諸 上高地 御代田 坂城 上田 信濃池田 軽井沢 槍ヶ岳 長野 須坂 立山 大町 草津 戸隠 岩菅山 中野 白馬岳 妙高山 苗場山 高田東部 松之山温泉 地質図(図幅)からデジタル地質図へ 長野県全域は国土地理院 5万分1地形図で、49枚分を 占めます。赤枠は、デジタル 化のために試行を重ねた先 行地域です。 ●既存情報と新知見のすべてを新しい凡例に 変換し、地質境界を引き直した49枚の原図 を編集する。 ●デジタルトレースとベクトルデータ化処理を 行い、シームレス化する。 ●一部を簡略化し、 1/20万地質図と して編集したイン デックスマップ。 ●任意の場所の地質を知りたい…。 ●必要な範囲の図がすぐほしい…。 これまでの 地質図は 全県分の5万分の1 デジタル地質図の 完成 原図の編集とリライト デジタル化 これまでの状況 約半世紀ぶりに 刷新された長野県 地質図になりました。

ついに完成! 日本の屋根 信州をまるごと統一凡例で …...Digital geological map of Nagano Prefecture. ver.2015 ついに完成!「日本の屋根」信州をまるごと統一凡例でまとめた

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Digital geological map of Nagano Prefecture. ver.2015

ついに完成!「日本の屋根」信州をまるごと統一凡例でまとめた

本事業は(一社)北陸地域づくり協会研究助成事業です。

長野県地質図活用普及事業研究会

編    著 長野県地質図活用普及事業研究会(代表 原山 智 信州大学教授)研究会連絡先 〒381-0075 長野市北郷2054-120 長野県環境保全研究所 自然環境部内 富樫 均 TEL:026-239-1031  E-mail:[email protected]. lg. jp制 作 協 力 NPO法人長野県GIS協会

長野県デジタル地質図2015

長野県デジタル地質図2015(DVD版)

成果品DVDは、県内の公共機関等へ寄贈し、広く活用されることを目指しています。

■ビューアソフト【動作環境】Windows Vista/7/8/10※

■ソフトウエア画像データを利用する場合は、画像処理ソフトウェアを、ベクトルデータを使用する場合は、それぞれのフォーマットに対応した地理情報システム(GIS:Geographical Information System)のソフトウェアがそれぞれ必要です。

■収納ファイル(データフォーマット・ほか)は次のとおりです。 (ただし、SHP形式のフォルダは圧縮フォルダに収められている。)

●2001年12月 県地質図改訂の必要性に関する意見交換会(会場:信州大学理学部) (信州大学、県内の自然史系博物館、県自然保護研究所の研究者)●2005年11月 県地質図作成のための事業提案(県事業への提案)●2006年 2 月 県地質図作成のための準備会合(会場:長野県庁) (信州大学、自然史系博物館、県環境保全研究所の研究者)●2006年 4 月 県の主要事業として、新版長野県地質図作成事業開始。 (作成に協力した研究者 計42名)●2010年 3 月 原図案のとりまとめをもって県事業終了。図の完成は研究者に託される。●2010年~ 原図編集とデジタル化統合準備作業を継続。(県内の研究者有志による)●2015年 3 月 (一社)北陸地域づくり協会による研究助成事業、「オリジナル統一凡例に

よる5万分の1長野県地質図の活用普及事業」として採択決定。●2015年 4 月 地質図のデジタル化・統合処理に着手。●2015年 9 月 日本地質学会第122年学術大会ならびに地質情報展2015(ながの)にお

いてこれまでの取り組みを紹介。●2015年11月 長野県デジタル地質図2015完成。

長野県デジタル地質図を作成するにあたっては、県下各地の研究者など、多くの皆様のご協力、ご支援をいただきました。

新版地質図は、統一凡例による新たな地質図として作成しましたが、その編集は、以下の方々による分担と協議によって行われました。

長野県地質図活用普及事業研究会(平成27年11月現在)構  成:原山 智(信州大学)・古本吉倫(国立長野高専)・松下英次(国立長野高専)・大塚 勉(信州大学)・     富樫 均(長野県環境保全研究所)・山浦直人(土木・環境しなの技術支援センター)研究助成:一般社団法人北陸地域づくり協会(〒950-0197 新潟市江南区亀田工業団地二丁目3番4号)

長野県デジタル地質図2015作成までの経緯

※ビューアの起動はDVDより起動すると時間がかかります。ビューアをPCへコピーしてご利用いただくことも可能です。[必要ハードディスク容量:200MB以上(PCへコピーする場合)]

ファイル構成01 はじめにお読みください(Read me) (TXT形式)02 長野県デジタル地質図(2015)の解説 (PDF形式)03 1/20万長野県地質図インデックスマップ 基本版 (PDF形式)04 1/20万長野県地質図インデックスマップ 高解像度版 (PDF形式)05 長野県デジタル地質図(2015)統一地質凡例 (PDF形式)06 地質図区画検索 (HTML形式)07 1/5万長野県デジタル地質図_PDF ※49図郭 (PDF形式)08 1/5万長野県デジタル地質図_SHP (SHP形式)09 1/5万長野県デジタル地質図_KML (KML形式)10 長野県デジタル地質図(2015)ビューア (EXE形式)

使用するにあたって

編集委員:原山 智(代表) 赤羽貞幸・石田 桂・小坂共栄・ 松島信幸・三宅康幸・村松 武・ 小野和行・大塚 勉・清水岩夫・ 田辺智隆・富樫 均・山浦直人

長野県デジタル地質図2015

 東日本大震災や土石流や火山噴火災害が各地で発生し、地形や地質の成り立ちへの関心が高まっています。長野県デジタル地質図2015は、長野県全域を対象にオリジナルな統一地質凡例と最新の研究データをもとに、縮尺5万分1の精度でまとめられたシームレスデジタル地質図です。全県の統一地質図は、長野県地学会が1957(昭和32)年にまとめて以降、半世紀以上にわたりその内容がほとんど改訂されないままになっていました。本図では、図の精度を格段に向上させ、地層の種類と形成年代をもとに、多種多様な地質を約240種類に分類し、活断層の位置等も詳しく記されています。本図は、多くの研究者の献身的な協力により、着手から約10年の歳月をかけて編纂されました。 このデジタル地質図が、長野県における地震・火山・土石流災害などへの対策や、観光、環境保全、研究、教育等の幅広い分野へ活用されますよう期待します。

 地質図は、山や盆地などの大地が、どのような物質からつくられているのかを、地形図の上に示した図です。地層や岩石などが色分けされ、記号とともにそれらの分布が図に示されます。各地域の地層がいつの時代にどのようにできたのか、あるいはどんな自然現象が起こったのか、そしてそこがどういう性質をもつ場所なのかなど、地質図には過去から現在までのさまざまな歴史的情報が盛り込まれています。

 全県をまとめた縮尺20万分の1の長野県地質図は、1957年に長野県地学会によって編集されました。その後、部分改訂の機会はありましたが、精度が粗いことと、地質や年代区分が古い考え方のままであったため、内容を刷新する必要がありました。 長野県の地形や地質はとても複雑です。さまざまな地殻変動の痕跡がよく残されていることから、長野県の地質は日本列島の成り立ちの縮図でもあります。地質や地盤は私たちの日々の暮らしや健康、そして産業などに深く関わっています。最新の研究成果をもとに作成された新しい長野県地質図は、防災をはじめ、観光、環境保全、教育などの分野において幅広く活用することができます。

長野県地質図を新しくした理由

①基になる地形図の縮尺が従来の1/20万から1/5万に拡大された。それにより、地質表現が詳細になり、情報量が飛躍的に増加した。

②統一地質凡例の構築により、長野県内に分布する多種多様な地質を約240の記号で簡潔に統一表示することが可能となった。

③地球科学に関する新しい研究成果、扇状地や段丘等、これまでの地質図で省略されることが多かった新しい第四紀の時代の地質分布が、詳しく表現された。

④GIS(地理情報システム)上で取り扱えるようデジタル化し、切れ目のない(シームレスな)地質情報となった。

どこが変わったのか

地質図とは

長野県デジタル地質図の作成にあたり

長野県地質図活用普及事業研究会

代表 原山 智(信州大学教授)

平成27年11月

大町市周辺(部分)

井川満島根羽

時叉 赤石岳中津川

大河原飯田妻籠

市野瀬赤穂上松加子母

高遠 八ヶ岳木曽福島 伊那御嶽山 金峰山

諏訪 蓼科山 十石峠乗鞍岳 塩尻

和田松本 小諸上高地 御代田

坂城 上田信濃池田 軽井沢槍ヶ岳

長野 須坂立山 大町 草津

戸隠 岩菅山中野白馬岳

妙高山 苗場山山飯滝小

高田東部 松之山温泉

地質図(図幅)からデジタル地質図へ

 長野県全域は国土地理院5万分1地形図で、49枚分を占めます。赤枠は、デジタル化のために試行を重ねた先行地域です。

●既存情報と新知見のすべてを新しい凡例に変換し、地質境界を引き直した49枚の原図を編集する。

●デジタルトレースとベクトルデータ化処理を行い、シームレス化する。

●一部を簡略化し、1/20万地質図として編集したインデックスマップ。

●任意の場所の地質を知りたい…。●必要な範囲の図がすぐほしい…。

これまでの地質図は

全県分の5万分の1デジタル地質図の完成

原図の編集とリライト

デジタル化

これまでの状況

約半世紀ぶりに

刷新された長野県

地質図になりました

Digital geological map of Nagano Prefecture. ver.2015

ついに完成!「日本の屋根」信州をまるごと統一凡例でまとめた

本事業は(一社)北陸地域づくり協会研究助成事業です。

長野県地質図活用普及事業研究会

編    著 長野県地質図活用普及事業研究会(代表 原山 智 信州大学教授)研究会連絡先 〒381-0075 長野市北郷2054-120 長野県環境保全研究所 自然環境部内 富樫 均 TEL:026-239-1031  E-mail:[email protected]. lg. jp制 作 協 力 NPO法人長野県GIS協会

長野県デジタル地質図2015

長野県デジタル地質図2015(DVD版)

成果品DVDは、県内の公共機関等へ寄贈し、広く活用されることを目指しています。

■ビューアソフト【動作環境】Windows Vista/7/8/10※

■ソフトウエア画像データを利用する場合は、画像処理ソフトウェアを、ベクトルデータを使用する場合は、それぞれのフォーマットに対応した地理情報システム(GIS:Geographical Information System)のソフトウェアがそれぞれ必要です。

■収納ファイル(データフォーマット・ほか)は次のとおりです。 (ただし、SHP形式のフォルダは圧縮フォルダに収められている。)

●2001年12月 県地質図改訂の必要性に関する意見交換会(会場:信州大学理学部) (信州大学、県内の自然史系博物館、県自然保護研究所の研究者)●2005年11月 県地質図作成のための事業提案(県事業への提案)●2006年 2 月 県地質図作成のための準備会合(会場:長野県庁) (信州大学、自然史系博物館、県環境保全研究所の研究者)●2006年 4 月 県の主要事業として、新版長野県地質図作成事業開始。 (作成に協力した研究者 計42名)●2010年 3 月 原図案のとりまとめをもって県事業終了。図の完成は研究者に託される。●2010年~ 原図編集とデジタル化統合準備作業を継続。(県内の研究者有志による)●2015年 3 月 (一社)北陸地域づくり協会による研究助成事業、「オリジナル統一凡例に

よる5万分の1長野県地質図の活用普及事業」として採択決定。●2015年 4 月 地質図のデジタル化・統合処理に着手。●2015年 9 月 日本地質学会第122年学術大会ならびに地質情報展2015(ながの)にお

いてこれまでの取り組みを紹介。●2015年11月 長野県デジタル地質図2015完成。

長野県デジタル地質図を作成するにあたっては、県下各地の研究者など、多くの皆様のご協力、ご支援をいただきました。

新版地質図は、統一凡例による新たな地質図として作成しましたが、その編集は、以下の方々による分担と協議によって行われました。

長野県地質図活用普及事業研究会(平成27年11月現在)構  成:原山 智(信州大学)・古本吉倫(国立長野高専)・松下英次(国立長野高専)・大塚 勉(信州大学)・     富樫 均(長野県環境保全研究所)・山浦直人(土木・環境しなの技術支援センター)研究助成:一般社団法人北陸地域づくり協会(〒950-0197 新潟市江南区亀田工業団地二丁目3番4号)

長野県デジタル地質図2015作成までの経緯

※ビューアの起動はDVDより起動すると時間がかかります。ビューアをPCへコピーしてご利用いただくことも可能です。[必要ハードディスク容量:200MB以上(PCへコピーする場合)]

ファイル構成01 はじめにお読みください(Read me) (TXT形式)02 長野県デジタル地質図(2015)の解説 (PDF形式)03 1/20万長野県地質図インデックスマップ 基本版 (PDF形式)04 1/20万長野県地質図インデックスマップ 高解像度版 (PDF形式)05 長野県デジタル地質図(2015)統一地質凡例 (PDF形式)06 地質図区画検索 (HTML形式)07 1/5万長野県デジタル地質図_PDF ※49図郭 (PDF形式)08 1/5万長野県デジタル地質図_SHP (SHP形式)09 1/5万長野県デジタル地質図_KML (KML形式)10 長野県デジタル地質図(2015)ビューア (EXE形式)

使用するにあたって

編集委員:原山 智(代表) 赤羽貞幸・石田 桂・小坂共栄・ 松島信幸・三宅康幸・村松 武・ 小野和行・大塚 勉・清水岩夫・ 田辺智隆・富樫 均・山浦直人

長野県デジタル地質図2015

 東日本大震災や土石流や火山噴火災害が各地で発生し、地形や地質の成り立ちへの関心が高まっています。長野県デジタル地質図2015は、長野県全域を対象にオリジナルな統一地質凡例と最新の研究データをもとに、縮尺5万分1の精度でまとめられたシームレスデジタル地質図です。全県の統一地質図は、長野県地学会が1957(昭和32)年にまとめて以降、半世紀以上にわたりその内容がほとんど改訂されないままになっていました。本図では、図の精度を格段に向上させ、地層の種類と形成年代をもとに、多種多様な地質を約240種類に分類し、活断層の位置等も詳しく記されています。本図は、多くの研究者の献身的な協力により、着手から約10年の歳月をかけて編纂されました。 このデジタル地質図が、長野県における地震・火山・土石流災害などへの対策や、観光、環境保全、研究、教育等の幅広い分野へ活用されますよう期待します。

 地質図は、山や盆地などの大地が、どのような物質からつくられているのかを、地形図の上に示した図です。地層や岩石などが色分けされ、記号とともにそれらの分布が図に示されます。各地域の地層がいつの時代にどのようにできたのか、あるいはどんな自然現象が起こったのか、そしてそこがどういう性質をもつ場所なのかなど、地質図には過去から現在までのさまざまな歴史的情報が盛り込まれています。

 全県をまとめた縮尺20万分の1の長野県地質図は、1957年に長野県地学会によって編集されました。その後、部分改訂の機会はありましたが、精度が粗いことと、地質や年代区分が古い考え方のままであったため、内容を刷新する必要がありました。 長野県の地形や地質はとても複雑です。さまざまな地殻変動の痕跡がよく残されていることから、長野県の地質は日本列島の成り立ちの縮図でもあります。地質や地盤は私たちの日々の暮らしや健康、そして産業などに深く関わっています。最新の研究成果をもとに作成された新しい長野県地質図は、防災をはじめ、観光、環境保全、教育などの分野において幅広く活用することができます。

長野県地質図を新しくした理由

①基になる地形図の縮尺が従来の1/20万から1/5万に拡大された。それにより、地質表現が詳細になり、情報量が飛躍的に増加した。

②統一地質凡例の構築により、長野県内に分布する多種多様な地質を約240の記号で簡潔に統一表示することが可能となった。

③地球科学に関する新しい研究成果、扇状地や段丘等、これまでの地質図で省略されることが多かった新しい第四紀の時代の地質分布が、詳しく表現された。

④GIS(地理情報システム)上で取り扱えるようデジタル化し、切れ目のない(シームレスな)地質情報となった。

どこが変わったのか

地質図とは

長野県デジタル地質図の作成にあたり

長野県地質図活用普及事業研究会

代表 原山 智(信州大学教授)

平成27年11月

大町市周辺(部分)

井川満島根羽

時叉 赤石岳中津川

大河原飯田妻籠

市野瀬赤穂上松加子母

高遠 八ヶ岳木曽福島 伊那御嶽山 金峰山

諏訪 蓼科山 十石峠乗鞍岳 塩尻

和田松本 小諸上高地 御代田

坂城 上田信濃池田 軽井沢槍ヶ岳

長野 須坂立山 大町 草津

戸隠 岩菅山中野白馬岳

妙高山 苗場山山飯滝小

高田東部 松之山温泉

地質図(図幅)からデジタル地質図へ

 長野県全域は国土地理院5万分1地形図で、49枚分を占めます。赤枠は、デジタル化のために試行を重ねた先行地域です。

●既存情報と新知見のすべてを新しい凡例に変換し、地質境界を引き直した49枚の原図を編集する。

●デジタルトレースとベクトルデータ化処理を行い、シームレス化する。

●一部を簡略化し、1/20万地質図として編集したインデックスマップ。

●任意の場所の地質を知りたい…。●必要な範囲の図がすぐほしい…。

これまでの地質図は

全県分の5万分の1デジタル地質図の完成

原図の編集とリライト

デジタル化

これまでの状況

約半世紀ぶりに

刷新された長野県

地質図になりました

付加体大陸地殻

海溝底

海洋地殻

海洋プレートの沈み込み付加体形成の模式図

黒実線 黒破線

赤太点線

赤実線 赤破線 赤点線

青実線 青破線 青点線

はんれい岩

玄武岩

石灰岩

チャート

整然層

未区分

混在岩

礫岩超苦鉄質岩・蛇紋岩

基質の区分と補助記号 異地性岩体とその記号

(各帯共通)(時代対応は上図参照)

付加体区分の補足

変成岩類(一部源岩は別表示)

火 成 岩 類変形岩

深成岩類斑状~

細粒貫入岩(岩脈・岩株・斑岩類)

火 山 岩 類

非アルカリ岩質

その他

堆積岩類主体で基質と異地性岩体等からなり,各帯の中は「整然層」と「混在岩」と「未区分」に分けられる。混在岩中の矢印は,基質と異地性岩体との関係性を示す。

付加体(付加コンプレックス)

岩屑なだれ堆積物(未固結)

火山山麓扇状地(未固結)

低-中圧型

領家帯三波川帯

高圧(非表示)

接触変成

苦鉄質〜超苦鉄質

(付加体は別)

Gb,Pd

中性珪長質

苦鉄質中性珪長

Qd,To

Gr,GdDbDpQp,

Gp

ミグマタイト

正片麻岩

高温Ⅱ

マイクロナイト

カタクレーサイト

高温Ⅰ

中 温

低 温

玄武岩質安山岩質流紋岩質~デイサイト質

主として火砕岩

(p)

主として火砕岩

(p)

主として溶岩

( l)

主として溶岩

( l)

主として火砕岩

(p)

主として溶岩

( l)

半固結~固結岩未固結(地形要素を含む)

温泉堆積物

礫質・砂質・泥質

泥質

砂・泥質

砂質〜礫質

降下火砕物層厚5m+

氷河堆積物

(モレーン及びアウトウォッシュ)

崩壊堆積物河成堆積物湖成堆積物

主に泥質

湖成堆積物・

水域

主に砂質~礫質

崩積物土石流

段丘丘陵

扇状地

崖錐

谷底平地

現河床

自然堤防

はんらん原

後背湿地・

湿原

堆積岩類(第四紀の地質区分には地形要素を含む)

地質時代の年代値はInternational Chronostratigraphic Chart(2015)による

岩相・岩質区分

地質時代

mf

nl fp a vp f4 d4

g32

g31 g3

gd3

d2

t 42t 41t 36~t31t 25~t21

t0

t4tl

t2

t1

t dt3f3

f2

m4

m3

I4

I3I

I2

I1

H

r w

Q3

Q2

Q1

N3

N2

N1

PG4

PG3

PG2

PG1

K2

K1

J3

J2

J1

TR3

TR2

TR1

PC

Pu

lm4

lm3

lm

Q2g

Q1g Q1s Q1m

N3m

S

N2m

N1mN1sN1g

K2s

K1s

J1-2s

PG4mPG4sPG4g

vd4 Hvr hvr

Q3vr q3vr

Q2vr q2vr

Q1vr q1vr

N3vr n3vr

N2vr N2vr

N1vr N1vr

PG1vr PG1vr

K2vr K2vr

Hf4

Hf3

Hf2

Sb

飛騨外縁帯

Hg

0gnR

Hf1

vd3

vd2

vd

vd1

N3s

N2s

N32mN31mN24mN23mN22mN21m

N3g

N2g

N32gN31gN24gN23gN22gN21g

N32sN31sN24sN23sN22sN21s

lm2

 北部フォッサマグナ標準層序

(猿丸相当層)→(柵相当層)→

(小川相当層)→(青木相当層)→(別所相当層)→(内村相当層)→

(内山層など)→

(来馬層群など→)

(手取層群など→)

(↓戸台層など)

(丘陵面→)

四万十帯(S)

秩父帯(C)三波川変成帯(Sb)

美濃帯および領家変成岩源岩(M)

整然層 未区分 混在岩

整然層 未区分 混在岩

K1-2Sc

c

c

cTR1-J3Cc

c

c gr

cc

TR1-J3Mc

結晶片岩源岩 整然層 未区分 混在岩

飛騨外縁帯(Hg)混在岩未区分整然層

結晶片岩の源岩

新生代

中生代

古生代

時代未詳

ペルム紀

トリアス紀

ジュラ紀

白亜紀

古第三紀

新第三紀

第四紀

石炭紀

人工地盤→完新世

更新世

鮮新世

中新世

(数字は×100万年前)

(※※ N2以前は固結を前提に(l)溶岩または(p)火砕岩で岩相を区別)

(※ N3以後では先頭が大文字は固結,小文字は未固結を表す)

長野県デジタル地質図2015 統一地質凡例(ver.0.8)

359-299-252-

242-

237-

201-

174-

164-

145-

101-

66.0-

56.0-

41.2-

33.9-

23.0-

16.3-

5.3-

2.58-

0.78-

0.13-

0.01-

その他の記号

:褶曲構造(上より背斜,向斜,転倒背斜,転倒向斜の構造を示す)

:氷河地形(圏谷壁の上縁)

長野県地質図活用普及事業研究会(2015)※活断層は中期更新世から現在までの間に活動し、今後も活動する可能性が高いと判断される断層

断層の種別 変位が連続して追跡できるもの

存在が推定されるもの 伏在しているもの

(1)地質断層

(2)活断層(地形学的根拠)

(3)活断層(地質学的根拠のみ)

(4)地震断層

断層の区分

K2g

K1g

K2m

K1m

J1-2g J1-2m

K1-2mx

da4

da3

da2

da

da1

Hva hva

Q3va q3va

Q2va q2va

Q1va q1va

N3va n3va

N2va N2va

N1va N1va

Hvb hvb

Q3vb q3vb

Q2vb q2vb

Q1vb q1vb

N3vb n3vb

N2vb N2vb

N1vb N1vb

Q2hf Q2hi

Q2hf Q2hi

Q1hf Q1hi

N3hf N3hi

N2hf N2hi

N1hf

PG1hf

K2hf

Nhi

Q2hm

Q2hm

Q1hm

N3hm

N2hm

N1hm

K2hm

K1-2hm

Q1pf

N3pf

N2pf

N1pf

Q1pi

N3pi

N2pi

N1pi

Q1pm Q1my

ca

N3pm

N2pm

N1pm

K2pf

PG1pf

K2pi K2pm

J1pf

TR3pf

J1pi J1pm

Ppf Ppm

K2my

K1-2pf K1-2pi K1-2pm

K2mg

K1-2mg

(礫層tg)

K1-2S

b Is

K2Sm

J2-3CmJ1-3CJ1-3CcJ2-3Mm

b

Is

Is

c m am b Is U

Is

PHgc

PuHg

PHgmPHg Isb

bam

Isb

J1-3MJ1-3Mc

J1-2Sb

その1

その2

その3

その4

デジタル地質図はこんな活用ができる数値地形モデルと合わせることで、地質図の立体表現ができます。立体化により、地質情報がさらに理解しやすくなります。

 長野県デジタル地質図2015では、長野県全域の詳細な地質情報が統一的に表現されています。同時に、それらは一般のGIS(地理情報システム)ソフトで扱うことのできるファイル形式でまとめられています。そのため、地盤や各種の防災関連調査はもとより、観光、教育、環境保全などの分野において、調査・設計・企画・学習などに幅広く活用することができます。

デジタル地質図の活用

 地質分布や活断層分布等を、既存の地すべり分布や土砂災害警戒区域情報、あるいは避難施設や道路等のインフラ設備と重ねることにより、より実効的な防災マップの作成に役立てられます。

さまざまな情報と重ねることで、防災・減災対策等に効果的に使えます。

 GPS(全地球測位システム)機能をもつタブレットPC等にあらかじめ地質情報を入れておくことにより、災害現場等において、必要なときに、必要な地質情報を、その場で確認することができます。

災害現場等において、即座に地質情報を確認できます。

 野外学習において、実際に地形や風景を見ながら現地で地質情報を確認することができます。また数値地形モデルにデジタル地質情報をはりつけることにより、地質分布を立体表示することができます。立体表示された地質図は、これまで地質に関心が薄かった方や子どもたちが、大地の成り立ちを直感的に理解することを可能にします。

「大地の成り立ち」の学習に、効果的に使えます。

 地質は山岳地や景勝地の成因に深く関わるため、魅力的な観光地案内をするのに地質図が役立ちます。日本は、世界でも第一級の地殻変動帯です。日本を訪れる外国人観光客に、日本の自然のすばらしさを伝えるうえでも、地質図は欠かすことのできない基本資料となります。

山岳地・景勝地などの魅力的な観光案内に役立ちます。

 長野県デジタル地質図2015の作成のために、統一地質凡例を構築しました。凡例に示した色と記号は、縦軸の地質時代と、横軸の岩相・岩質の区分に対応します。この新しい凡例には様々な工夫があり、これにより、全国一の複雑さと多様さをもつ長野県の地質を、約240の記号で統一的かつ簡潔にまとめることができました。凡例は「通常の堆積岩類」と「付加体」と「火成岩・変成岩等」に大きく分けられ、その中がさらに詳しく区分されています。

統一地質凡例とは? プレートテクトニクス理論とともに、1970年代後半以降に一般に認識されるようになった新しい地質区分です。海洋プレートの沈み込みにともない、陸側に付加されて出来る特殊な構造をもつ堆積物を意味します。付加体は日本列島の骨格をなす地質と考えられています。長野県デジタル地質図2015では、付加体の分布がわかりやすいように、区分や表現方法を工夫しています。

付加体とは? 本地質図では新生代第四紀中期更新世(概ね数十万年前)以降に活動し、今後も活動する可能性が高いと判断される断層を活断層としました。 凡例にあるように、長野県デジタル地質図2015では、断層についても新たな区分を設け、その位置を詳しく示しています。

活断層とは?

災害情報との結合(必要なソフトの利用により)●震央や災害箇所をデジタル地質図に容易に表示できます。●災害箇所等と地質との関係分析に役立ちます。

地質図の立体表示黒姫山

善光寺平

飯縄山

千曲川

高妻山

地すべり分布との重ね合わせ例

白馬村(2014年11月)

南木曽町(2014年7月)

犀川河床(生坂ダム)

御嶽山(2014年9月)

伊那谷と木曽山脈

槍ヶ岳 浅間山

付加体大陸地殻

海溝底

海洋地殻

海洋プレートの沈み込み付加体形成の模式図

黒実線 黒破線

赤太点線

赤実線 赤破線 赤点線

青実線 青破線 青点線

はんれい岩

玄武岩

石灰岩

チャート

整然層

未区分

混在岩

礫岩超苦鉄質岩・蛇紋岩

基質の区分と補助記号 異地性岩体とその記号

(各帯共通)(時代対応は上図参照)

付加体区分の補足

変成岩類(一部源岩は別表示)

火 成 岩 類変形岩

深成岩類斑状~

細粒貫入岩(岩脈・岩株・斑岩類)

火 山 岩 類

非アルカリ岩質

その他

堆積岩類主体で基質と異地性岩体等からなり,各帯の中は「整然層」と「混在岩」と「未区分」に分けられる。混在岩中の矢印は,基質と異地性岩体との関係性を示す。

付加体(付加コンプレックス)

岩屑なだれ堆積物(未固結)

火山山麓扇状地(未固結)

低-中圧型

領家帯三波川帯

高圧(非表示)

接触変成

苦鉄質〜超苦鉄質

(付加体は別)

Gb,Pd

中性珪長質

苦鉄質中性珪長

Qd,To

Gr,GdDbDpQp,

Gp

ミグマタイト

正片麻岩

高温Ⅱ

マイクロナイト

カタクレーサイト

高温Ⅰ

中 温

低 温

玄武岩質安山岩質流紋岩質~デイサイト質

主として火砕岩

(p)

主として火砕岩

(p)

主として溶岩

( l)

主として溶岩

( l)

主として火砕岩

(p)

主として溶岩

( l)

半固結~固結岩未固結(地形要素を含む)

温泉堆積物

礫質・砂質・泥質

泥質

砂・泥質

砂質〜礫質

降下火砕物層厚5m+

氷河堆積物

(モレーン及びアウトウォッシュ)

崩壊堆積物河成堆積物湖成堆積物

主に泥質

湖成堆積物・

水域

主に砂質~礫質

崩積物土石流

段丘丘陵

扇状地

崖錐

谷底平地

現河床

自然堤防

はんらん原

後背湿地・

湿原

堆積岩類(第四紀の地質区分には地形要素を含む)

地質時代の年代値はInternational Chronostratigraphic Chart(2015)による

岩相・岩質区分

地質時代

mf

nl fp a vp f4 d4

g32

g31 g3

gd3

d2

t 42t 41t 36~t31t 25~t21

t0

t4tl

t2

t1

t dt3f3

f2

m4

m3

I4

I3I

I2

I1

H

r w

Q3

Q2

Q1

N3

N2

N1

PG4

PG3

PG2

PG1

K2

K1

J3

J2

J1

TR3

TR2

TR1

PC

Pu

lm4

lm3

lm

Q2g

Q1g Q1s Q1m

N3m

S

N2m

N1mN1sN1g

K2s

K1s

J1-2s

PG4mPG4sPG4g

vd4 Hvr hvr

Q3vr q3vr

Q2vr q2vr

Q1vr q1vr

N3vr n3vr

N2vr N2vr

N1vr N1vr

PG1vr PG1vr

K2vr K2vr

Hf4

Hf3

Hf2

Sb

飛騨外縁帯

Hg

0gnR

Hf1

vd3

vd2

vd

vd1

N3s

N2s

N32mN31mN24mN23mN22mN21m

N3g

N2g

N32gN31gN24gN23gN22gN21g

N32sN31sN24sN23sN22sN21s

lm2

 北部フォッサマグナ標準層序

(猿丸相当層)→(柵相当層)→

(小川相当層)→(青木相当層)→(別所相当層)→(内村相当層)→

(内山層など)→

(来馬層群など→)

(手取層群など→)

(↓戸台層など)

(丘陵面→)

四万十帯(S)

秩父帯(C)三波川変成帯(Sb)

美濃帯および領家変成岩源岩(M)

整然層 未区分 混在岩

整然層 未区分 混在岩

K1-2Sc

c

c

cTR1-J3Cc

c

c gr

cc

TR1-J3Mc

結晶片岩源岩 整然層 未区分 混在岩

飛騨外縁帯(Hg)混在岩未区分整然層

結晶片岩の源岩

新生代

中生代

古生代

時代未詳

ペルム紀

トリアス紀

ジュラ紀

白亜紀

古第三紀

新第三紀

第四紀

石炭紀

人工地盤→完新世

更新世

鮮新世

中新世

(数字は×100万年前)

(※※ N2以前は固結を前提に(l)溶岩または(p)火砕岩で岩相を区別)

(※ N3以後では先頭が大文字は固結,小文字は未固結を表す)

長野県デジタル地質図2015 統一地質凡例(ver.0.8)

359-299-252-

242-

237-

201-

174-

164-

145-

101-

66.0-

56.0-

41.2-

33.9-

23.0-

16.3-

5.3-

2.58-

0.78-

0.13-

0.01-

その他の記号

:褶曲構造(上より背斜,向斜,転倒背斜,転倒向斜の構造を示す)

:氷河地形(圏谷壁の上縁)

長野県地質図活用普及事業研究会(2015)※活断層は中期更新世から現在までの間に活動し、今後も活動する可能性が高いと判断される断層

断層の種別 変位が連続して追跡できるもの

存在が推定されるもの 伏在しているもの

(1)地質断層

(2)活断層(地形学的根拠)

(3)活断層(地質学的根拠のみ)

(4)地震断層

断層の区分

K2g

K1g

K2m

K1m

J1-2g J1-2m

K1-2mx

da4

da3

da2

da

da1

Hva hva

Q3va q3va

Q2va q2va

Q1va q1va

N3va n3va

N2va N2va

N1va N1va

Hvb hvb

Q3vb q3vb

Q2vb q2vb

Q1vb q1vb

N3vb n3vb

N2vb N2vb

N1vb N1vb

Q2hf Q2hi

Q2hf Q2hi

Q1hf Q1hi

N3hf N3hi

N2hf N2hi

N1hf

PG1hf

K2hf

Nhi

Q2hm

Q2hm

Q1hm

N3hm

N2hm

N1hm

K2hm

K1-2hm

Q1pf

N3pf

N2pf

N1pf

Q1pi

N3pi

N2pi

N1pi

Q1pm Q1my

ca

N3pm

N2pm

N1pm

K2pf

PG1pf

K2pi K2pm

J1pf

TR3pf

J1pi J1pm

Ppf Ppm

K2my

K1-2pf K1-2pi K1-2pm

K2mg

K1-2mg

(礫層tg)

K1-2S

b Is

K2Sm

J2-3CmJ1-3CJ1-3CcJ2-3Mm

b

Is

Is

c m am b Is U

Is

PHgc

PuHg

PHgmPHg Isb

bam

Isb

J1-3MJ1-3Mc

J1-2Sb

その1

その2

その3

その4

デジタル地質図はこんな活用ができる数値地形モデルと合わせることで、地質図の立体表現ができます。立体化により、地質情報がさらに理解しやすくなります。

 長野県デジタル地質図2015では、長野県全域の詳細な地質情報が統一的に表現されています。同時に、それらは一般のGIS(地理情報システム)ソフトで扱うことのできるファイル形式でまとめられています。そのため、地盤や各種の防災関連調査はもとより、観光、教育、環境保全などの分野において、調査・設計・企画・学習などに幅広く活用することができます。

デジタル地質図の活用

 地質分布や活断層分布等を、既存の地すべり分布や土砂災害警戒区域情報、あるいは避難施設や道路等のインフラ設備と重ねることにより、より実効的な防災マップの作成に役立てられます。

さまざまな情報と重ねることで、防災・減災対策等に効果的に使えます。

 GPS(全地球測位システム)機能をもつタブレットPC等にあらかじめ地質情報を入れておくことにより、災害現場等において、必要なときに、必要な地質情報を、その場で確認することができます。

災害現場等において、即座に地質情報を確認できます。

 野外学習において、実際に地形や風景を見ながら現地で地質情報を確認することができます。また数値地形モデルにデジタル地質情報をはりつけることにより、地質分布を立体表示することができます。立体表示された地質図は、これまで地質に関心が薄かった方や子どもたちが、大地の成り立ちを直感的に理解することを可能にします。

「大地の成り立ち」の学習に、効果的に使えます。

 地質は山岳地や景勝地の成因に深く関わるため、魅力的な観光地案内をするのに地質図が役立ちます。日本は、世界でも第一級の地殻変動帯です。日本を訪れる外国人観光客に、日本の自然のすばらしさを伝えるうえでも、地質図は欠かすことのできない基本資料となります。

山岳地・景勝地などの魅力的な観光案内に役立ちます。

 長野県デジタル地質図2015の作成のために、統一地質凡例を構築しました。凡例に示した色と記号は、縦軸の地質時代と、横軸の岩相・岩質の区分に対応します。この新しい凡例には様々な工夫があり、これにより、全国一の複雑さと多様さをもつ長野県の地質を、約240の記号で統一的かつ簡潔にまとめることができました。凡例は「通常の堆積岩類」と「付加体」と「火成岩・変成岩等」に大きく分けられ、その中がさらに詳しく区分されています。

統一地質凡例とは? プレートテクトニクス理論とともに、1970年代後半以降に一般に認識されるようになった新しい地質区分です。海洋プレートの沈み込みにともない、陸側に付加されて出来る特殊な構造をもつ堆積物を意味します。付加体は日本列島の骨格をなす地質と考えられています。長野県デジタル地質図2015では、付加体の分布がわかりやすいように、区分や表現方法を工夫しています。

付加体とは? 本地質図では新生代第四紀中期更新世(概ね数十万年前)以降に活動し、今後も活動する可能性が高いと判断される断層を活断層としました。 凡例にあるように、長野県デジタル地質図2015では、断層についても新たな区分を設け、その位置を詳しく示しています。

活断層とは?

災害情報との結合(必要なソフトの利用により)●震央や災害箇所をデジタル地質図に容易に表示できます。●災害箇所等と地質との関係分析に役立ちます。

地質図の立体表示黒姫山

善光寺平

飯縄山

千曲川

高妻山

地すべり分布との重ね合わせ例

白馬村(2014年11月)

南木曽町(2014年7月)

犀川河床(生坂ダム)

御嶽山(2014年9月)

伊那谷と木曽山脈

槍ヶ岳 浅間山