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令和2年度 施工効率向上プロジェクト 令和2年6月 北海道開発局 事業振興部技術管理課

令和2年度 施工効率向上プロジェクト...令和2年度 施工効率向上プロジェクト 令和2年6月 北海道開発局 事業振興部技術管理課 施工効率向上プロジェクトの経緯

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令和2年度施工効率向上プロジェクト

令和2年6月

北海道開発局

事業振興部技術管理課

■施工効率向上プロジェクトの経緯平成12年度 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(入契法) (平成13年2月16日施行)平成17年度 公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法) (平成17年4月1日施行)平成21年度 施工効率向上プロジェクト(北海道開発局)平成24年度 業務成果品質向上プロジェクト(北海道開発局)平成26年度 品確法、入契法、建設業法の改正、発注関係事務の運用に関する指針(運用指針)平成28年度 政府による「働き方改革実現会議」において「働き方改革実行計画」が決定平成29年度 「建設工事における適正な工期設定等のガイドライン」策定(建設業の働き方改革に関する関係

省庁連絡会議(8月28日))北海道開発局「建設業等の働き方改革推進本部」を設置(10月24日)「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定

平成30年度 平成30年度北海道開発局建設業等の働き方改革実施方針策定(4月23日)令和 元年度 令和元年度北海道開発局建設業等の働き方改革実施方針策定(5月7日)

新・担い手3法(建設業法、入契法、品確法の一体的改正)の公布・施行(6月14日)発注関係事務の運用に関する指針(運用指針)(1月30日)

令和 2年度 令和2年度北海道開発局建設業等の働き方改革実施方針策定(4月27日)

■施工効率向上プロジェクトの目的工事の川上から川下にいたる一連の流れを「着手前」「工事中」「完成後」の3つの段階に分け、各段階において

受発注者が各々の責務を果たしお互い連携し、公共工事の品質確保、生産性向上を図る。

■北海道開発局における施工効率向上プロジェクトの取組品質確保、生産性向上 を図るために、PDCAサイクルによる建設生産システムの向上を推進

Plan :建設業を取り巻くその時々の環境を踏まえて取組強化項目を設定Do :取組項目を踏まえた工事実施Check:工事フォローアップ調査等により、受発注者に取組内容状況を確認Action:課題などの確認・対策検討

施工効率向上プロジェクトの経緯と目的

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新・担い手3法(品確法と建設業法・入契法の一体的改正)

「発注関係事務の運用に関する指針(運用指針)」改正の主なポイント

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予定価格の設定に当たっては、市場における労務単価

及び資材・機材等の取引価格、工期、施工の実態等を

的確に反映した積算を行う。また労務費、機械経費、間接

経費を補正するなどにより、週休2日等に取り組む際に

必要となる経費を適正に計上する。

ダンピング受注を防止するため、低入札価格調査制度

又は最低制限価格制度の適切な活用を徹底する。予定価

格は、原則として事後公表とする。

歩切りは、公共工事の品質確保の促進に関する法律第

7条第1項第1号の規定に違反すること等から、これを

行わない。

必ず実施すべき事項(工事)

① 予定価格の適正な設定

② 歩切りの根絶

③ 低入札価格調査基準又は最低制限価格の設定・活用の徹底等

⑥ 適切な設計変更

工期の設定に当たっては、工事の内容、規模、方法、

施工体制、地域の実情等を踏まえた施工に必要な日数

のほか、工事に従事する者の休日、工事の実施に必要

な準備・後片付け期間、天候その他のやむを得ない事

由により工事の実施が困難であると見込まれる日数等を

考慮する。また、週休2日を実施する工事については、

その分の日数を適正に考慮する。

発注者は積極的に計画的な発注や施工時期の平準化のための取組を実施する。具体的には、中長期的な工事の発注見通しについて、

地域ブロック単位等で統合して公表する。また、繰越明許費・債務負担行為の活用や入札公告の前倒しなどの取組により施工時期の平準化に取り組む。

④ 施工時期の平準化【新】

⑤ 適正な工期設定【新】

地域発注者協議会等を通じて、各発注者の発注関係事

務の実施状況等を把握するとともに、各発注者は必要

な連携や調整を行い、支援を必要とする市町村等の発

注者は、地域発注者協議会等を通じて、国や都道府県

の支援を求める。

⑦ 発注者間の連携体制の構築

設計図書に示された施工条件と実際の工事現場の状

態が一致しない場合等において、設計図書の変更及び

これに伴って必要となる請負代金の額や工期の変更を

適切に行う。その際、工期が翌年度にわたることとなっ

たときは、繰越明許費を活用する。

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「発注関係事務の運用に関する指針(運用指針)」改正の主なポイント

入札に付しても入札者又は落札者がなかった場合等、

標準積算と現場の施工実態の乖離が想定される場合は、

見積りを活用することにより予定価格を適切に見直す。

必要に応じて完成後の一定期間を経過した後において

施工状況の確認及び評価を実施する。

各発注者は受注者からの協議等について、速やかか

つ適切な回答に努める。設計変更の手続の迅速化等を

目的として、発注者と受注者双方の関係者が一堂に会

し、設計変更の妥当性の審議及び工事の中止等の協

議・審議等を行う会議を、必要に応じて開催する。

実施に努める事項(工事)

④ 見積りの活用

⑧ 完成後一定期間を経過した後における施工状況の確認・評価

⑦ 受注者との情報共有、協議の迅速化

工事の発注に当たっては、工事の性格や地域の実情

等に応じ、価格競争方式、総合評価落札方式、技術提

案・交渉方式等の適切な入札契約方式を選択するよう努

める。

② 入札契約方式の選択・活用

工事に関する情報の集約化・可視化を図るため、

BIM/CIMや3次元データを積極的に活用するとともに、

さらに情報を発注者と受注者双方の関係者で共有でき

るよう、情報共有システム等の活用の推進に努める。ま

た、ICTの積極的な活用により、検査書類等の簡素化や

作業の効率化に努める

① ICTを活用した生産性向上【新】

③ 総合評価落札方式の改善【新】

豊富な実績を有していない若手技術者や、女性技術

者などの登用、民間発注工事や海外での施工経験を有す

る技術者の活用も考慮して、施工実績の代わりに施工

計画を評価するほか、災害時の活動実績を評価するな

ど、適切な評価項目の設定に努める。さらに、国土交

通省が認定した一定水準の技術力等を証する民間資格

を総合評価落札方式における評価の対象とするよう努

める。

労働力や資材・機材等の確保のため、実工期を柔軟

に設定できる余裕期間制度の活用といった契約上の工

夫を行うよう努める。

⑤ 余裕期間制度の活用

下請業者への賃金の支払いや適正な労働時間確保に

関し、その実態を把握するよう努める。

⑥ 工事中の施工状況の確認【新】

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令和2年度 北海道開発局建設業等の働き方改革実施方針北海道開発局

○ 生産年齢人口が減少する中、社会インフラの整備・維持管理や災害対応に重要な役割を果たしている建設産業の担い手確保・育成に向け、建設業等の働き方

改革は急務となっている。

○ 政府の「働き方改革実行計画」を受け、「建設工事における適正な工期設定等のためのガイドライン」が策定され、国交省では「建設業働き方改革加速化プ

ログラム」を策定し取組を加速。

○ 開発局では工事・業務の円滑な執行と品質を確保しつつ建設業等の働き方改革の実現を図るため、「北海道開発局建設業等の働き方改革推進本部」を設置。

○ 令和元年度には「働き方改革関連法」の施行、「新・担い手3法」の公布(改正品確法の施行、「発注関係事務の運用に関する指針」の改正)されたことを

踏まえ、以下の取組を推進。

○ これらの取組にあたっては、新型コロナウイルス感染症の状況や政府の対策等を踏まえ適切に対応。

取組の趣旨

・ 条件明示を徹底し、必要な工期を確実に見込む。・ 条件変更等により工程に影響が及ぶ場合は、必要に応じて工期の延長及び繰り越し手続き等の適切な処理を行う。・ 余裕期間制度の余裕期間を最大6ヵ月に拡大し積極的な活用を図る。

・ 原則、全ての工事を対象に週休2日工事の試行を実施する。・ 契約後速やかに週休2日の取組内容について受発注者で共有する。また、休日に作業が発生するような依頼は行わない等、円滑な実施となるよう配慮する。・ 週休2日による施工の実施が確認された工事については、工事成績評定に反映する。また、優良工事等表彰については、本取組の実施状況を含めて選考する。・ 建設業全体の意識改革を進めるため、関係団体等と連携し、「統一土曜閉所」の取組を拡大実施する。

・ 当初予算におけるゼロ国債の設定による早期発注や2ヶ年国債の設定により、施工時期の平準化を図る。

・ 発注者協議会において、各発注機関の発注見通しを統合し、開発局HPにおいて公表する。また、より多くの機関の参加が得られるよう働きかけを行う。・ 改正品確法及び運用指針の主旨について、引き続き、関係団体等へ周知を徹底する。

・ スケジュール管理表の活用により、適正な履行期間を確保するとともに、履行期限が年度末に集中しないよう分散化し平準化を図る。 また、必要に応じて履行期間の延長及び繰り越し手続き等、適切な処理を行う。

取組(1)適正な工期設定・施工時期の平準化

①適正な工期設定

②週休2日確保促進に向けた試行工事の実施

③施工時期の平準化

⑤設計業務等における適正な工期設定

④発注者協議会等の取組

・ 社会保険の法定福利費、安全衛生経費等の必要経費にしわ寄せが生じないよう、社会保険加入状況の調査等をもとに、業者に対する指導を行う。・ 「建設業社会保険推進・処遇改善北海道地方連絡協議会」の関係者が情報を共有し、一体となって社会保険加入推進の取組を実施し、加入の徹底を図る。

・ 立入検査時に標準見積書等の活用状況を確認し、未利用の場合は、業者に対して活用の指導を行う。

取組(2)社会保険の法定福利費や安全衛生経費の確保

②標準見積書の活用促進

①社会保険の加入促進

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令和2年度 北海道開発局建設業等の働き方改革実施方針北海道開発局

・ 不適切な契約手続き等に起因する元下契約のトラブルを未然に防ぐため、書面による契約締結の徹底が図られるよう、法制度の継続的な周知・啓発を行う。

・ 元請負人から下請負人への下請代金の支払いが法に定める期間及び方法によって、適切に行われるよう周知・啓発を行う。・ 下請企業に対する適正な労務賃金の支払いを促進する観点から、「労務費見積り尊重宣言」促進モデル工事を試行する。

取組(4)下請契約における取引適正化

・ 工事・業務の発注において、技術者育成型、女性登用モデル工事、WLB認定評価型等の試行を推進する。・ 官民の女性技術者が視野や知見を広げ活躍できるよう相互の交流支援の取組を行う。

・ 時間外の依頼はしない、依頼の期限日は十分な時間的余裕を持つ等の業務環境改善について、受発注者間で確認し、円滑な実施となるよう配慮する。・ 日々の業務執行の効率化を図るため、テレビ会議を拡大する。 ・ 現場環境では 「快適トイレ」の導入等、男女ともに働きやすい環境を整備する。

・ やりがいや魅力を伝えるため学生や保護者を対象とした現場見学会等の取組を行う。 ・ 建設技能者の処遇改善に繋げるため「建設キャリアアップシステム」の普及促進を図る。

取組(5)その他働き方改革に資する取組

①書面による契約締結の徹底

①建設業等の若手・女性活躍応援の取組

②業務環境の改善

○ 受発注者間の円滑なコミュニケーションを図りつつ、各取組を積極的かつ適切に実施する。○ 意見交換会やアンケート等で意見収集を行い、取組内容の見直し改善について検討する。○ 現場レベルでの意識の浸透及び実施の徹底を図る。○ 工事・業務の実施にあたっては、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、感染防止対策の周知・徹底を図り、必要に応じて一時中止措置や、工期又は履行期間の延長を行う等、適切に対応する。

取組の進め方

③担い手確保等に向けた取組

②下請代金の支払方法の適正化

・ ICT活用推進部会において、ICT活用工事の増進、ICTを活用した維持管理の推進等について検討を行う。・ ICT活用工事の部分活用や新規工種拡大(9工種⇒11工種)による取組を推進する。 ・工事・業務へのBIM/CIM活用の拡大及び業務プロセス改善等の検討を行う。

・ 流動性を高めた現場打ちコンクリートの採用、新技術・工法の活用、部材のプレキャスト化等の施工効率化(コンクリート工等)に資する工法を積極的に採用する。

・ 工事書類について、書類作成に係るマニュアルの改訂や関係団体との意見交換を踏まえ、書類作成の簡素化のより一層の周知・徹底を図る。・ 工事完成検査時の書類の簡素化を試行する。 ・ 情報共有システムを活用したオンライン電子納品の運用を推進する。

・ ICTや非破壊試験、映像記録等を活用し、監督検査の効率化を図る。 ・ ウエアラブルカメラ等を活用した建設現場の遠隔臨場に関する監督・検査を試行する。

・ 受注者、地方自治体等への技術支援、職員の技術力向上のため、講習会や研修等を実施する。また、関係団体との勉強会など他機関と連携した取組を推進する。・ 「北海道開発局i-Con奨励賞」により、受注者の意欲向上や優れた取組事例を広く周知し、取組を推進する。・ 北海道開発技術研究発表会において、i-Constructionを含めた生産性向上をテーマとする新たな表彰部門を創設する。

①ICTの全面的な活用

②全体最適の導入

③書類の簡素化

④監督検査の効率化

⑤普及促進

取組(3)生産性向上

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■平成30年11月から平成31年3月までに完了した工事を対象

■回答数:832工事

【条件明示や工期設定等についての意見】

「(概ね)適切であった」の回答割合が約9割であり、一定の評価はいただいているところであるが、

(やや)不適切の割合が1割程度あり、いくつかご意見もいただいている。

《適切な条件明示》 (概ね)適切 88% (やや)不適切 12%

(適切の意見)当初未計上部分およびその他変更の要因となる事項について初回打合せ時に明確にされていた。

(不適切の意見)関係機関との協議が未成立であり、設計図書にて把握しきれない問題が多くあった。また、関係機関

等との協議による数量等の変更が多く、調査・作図・数量算出等に多くの日数を費やした。

《設計内容の現場条件との一致》 (概ね)適切 88% (やや)不適切 12%

(適切の意見)提案内容を迅速に吟味して頂き、関係機関との協議等各種の対応もスピーディーに進めて頂き、着手も

スムースできたので、概ね良い季節に施工が出来たと感じています。工事量が増えた分については、工期延伸を行うこと

で適切な速度にて施工を行うことができたと感じています。

(不適切の意見)コンサル成果の現地照査不足で多くの日数が費やされる。

《適切な工期設定》 (概ね)適切 87% (やや)不適切 13%

(適切の意見) 発注者との協議や下請け業者との工程会議等で休日を確保できる体制に出来ました。

(不適切の意見)円滑化会議をなかなか開いてもらえず、重機による準備作業も止められたため、5月の良い時期にほ

ぼ何もできなかった。

《適切な設計変更》 (概ね)適切 95% (やや)不適切 5%

(適切の意見) 設計変更については真摯に対応していただけた近年の対応は非常によくなってきていると感じます。

(不適切の意見)設計変更について早い段階で協議していたが、なかなか対応してもらえなかった。設計変更用の図面

を作成したが計上してもらえなかった。

北海道開発局工事フォローアップ調査での受注者からのご意見

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【各種会議についての意見】

各種会議について、一定の評価をいただいており、会議の満足度は高い。

《工事円滑化会議》 (概ね)機能した 96% (やや)機能しなかった 4%

(機能した意見) 着手事前事項として発注者側・受注者側双方の考え方・捉え方が理解出来たので大変良かった。又

概数計上・変更項目も事前協議でき有意義な会議でした。

(機能しなかった意見)協議事項は処理されて工事に大きな影響はなかったが会議は形だけとなった。

《技術調整会議》 (概ね)機能した 97% (やや)機能しなかった 3%

(機能した意見) 現場条件が当初と変わり設計変更を行ったが、最初に提示された工法が工期内での施工が難し

かったため技術調整会議を実施した。それにより、工期内での施工可能な形に変わり工期内に完成出来た。

(機能しなかった意見)特殊な工種において、当初との差異があり施工方法に検討を要しました。受注側からの工法提

案・また監督員からの工法提案をご教示していただくなど、何回か試行錯誤したのちに工事を開始することができ、無事

に完了することができました。その中で技術調整会議が必要だったのではないかと思われました。

《設計変更確認会議》 (概ね)機能した 96% (やや)機能しなかった 4%

(機能した意見) 日々の打合せにより設計変更内容は確認できていたが、会社の上司も参加する場で変更内容を確

認できる事は良いと思う。又、現場での創意工夫や苦労した点なども話す機会を設けて頂き、総括監督員や主任監督員

に現場をアピールできた事は大変良かったと思う。

(機能しなかった意見)設計変更の対象となる工種および概算金額が示された。ただしこの後、本部による査定が入り、

示されていた金額より減となったが、その理由について明確な説明は無かった。

《現場レベルでの意見交換》 (概ね)機能した 95% (やや)機能しなかった 5%

(機能した意見) 毎月、安全協議会・運搬協議会実施後に意見交換会等が実施され、又、土量の運搬時期・台数等を

隣接工事同士の連携などが図られた。

(機能しなかった意見)現場レベルでの意見交換会という設問がわかりませんが、隣接工事5社で、協議会をつくり、月1

回の打合せや週間工程表のやり取り、特に工区内業者とは常に打合せを行っていました。

北海道開発局工事フォローアップ調査での受注者からのご意見

※未開催除く

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工事フォローアップ調査での受注者からのご意見

【書類の簡素化についての意見】

書類の簡素化については、「(概ね)適切であった」と回答でほぼ全割合を占めており、二重納品の防止に

ついては、対応できている状況となっているが、自由意見において改善要望等をいただいている。

《書類の簡素化》 (概ね)適切 98% (やや)不適切 2%

(適切の意見) 工事書類事前協議及び検査前協議により、工事書類の二重納品はなかった。日常的に整理する書類

で、紙のものは紙納品、電子データのものは電子納品と、二重納品はなく、数年前と比較してかなり簡素化されていると

感じます。

(不適切の意見)監督員との事前打合せで電子納品に納める書類は納品しているが、検定はほぼ印刷した書類で確認

している。

《その他》書類の簡素化に関する自由意見

・働き方改革を進めるうえでICTや週休二日制の導入や書類の簡素化など今後のビジョンとしては方針がハッキリして来

て取り組みも徐々に進んできているので良い事だと思うが、取り組みに対して現場の実情が追い付いてないのが現状だ

と思われる。

・書類の簡素化で仕様書とおりすべて電子納品として検定をうけましたが、検定時、電子納品していないものについても

確認があり、納品物以外の自分のパソコンにいれてあるデータをみせたりしました。

・段階確認時に監督員の立会した場合でも写真・説明図などの資料添付を求められたので改善してほしい。

・書類の簡素化について、発注者にも周知してほしい。発注者から日中、頻繁に電話がかかって来るので現場作業に支

障がある。メールで要件を伝えてほしい。作業時間外(18時以降)でも電話がくるので、時間外はメール等での対応にして

ほしい。

・書類の簡素化について講習会等の開催頻度を多くして頂ければと思います。

■「発注関係事務の運用に関する指針」(運用指針)、 「働き方改革実施方針」の適切な実施と工事フォローアップ調査結果を基に、下記の取組を強化する。

①週休2日の促進に向けた工期設定条件の確認・共有を徹底(継続)・「工事円滑化会議」において、発注者が設定した工期設定の基礎となる各工事の性格、地域の実情、降雨・降雪などの自然条件、建設労働者の休日等による不稼働日、関係機関との協議状況等の制約条件について受発注者で確認・共有を徹底し、週休2日の取組促進を図る。・受注者希望方式において、週休2日の取り組みの協議が整わなかったもの(受注者が週休2日の取組を希望しないものを含む)については、受発注者間で要因について協議・確認すること。

②工事書類の簡素化・直近の基準改定等を踏まえ改訂した「土木工事書類作成マニュアル」「工事検査技術マニュアル」を活用し、作成書類の厳格化などの周知徹底を図る。・電子納品に関する受発注者の事前協議「工事円滑化会議」、「設計変更確認会議」を徹底し、二重納品の防止対策を行う。

③業務環境の改善(継続)令和元年度の重点項目として取り組みを開始しており、効果検証に向けて取り組みを継続する。・工事円滑化会議の場などで、業務時間外や現場閉所日に作業依頼や連絡、メールを行わないこと、業務時間外にかかるおそれのある時間に打合せは設定しないなど取組内容の確認をする。・ワンデーレスポンス、ASPの活用による効率的な業務遂行に努める。

令和2年度の3つの取り組み強化内容(重点項目)

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重点取組項目① 工期設定条件の確認・共有(継続)

12

【令和元年度の状況】■達成率:70% ※対象工事(N=1,438件)のうち、週休2日を達成した割合

注:割合は令和2年3月末時点の状況

【週休2日に取り組まなかった理由】・余裕をもった工期の設定では、なかった。・週休2日に取り組んだ結果、最終的に受注者の責に寄らず工期が不足した場合や降雨、降雪などの気象条件による柔軟な工期変更が可能となるかが不安 など

【令和2年度の取組】・発注者が設定した工期設定の基礎情報(各工事の性格、地域の実情、降雨・降雪などの自然条件、建設労働者の休日等による不稼働日、関係機関との協議状況等の制約条件)を工事着手時の「工事円滑化会議」で受発注者協議により確認・共有を徹底する。

・新工種の追加、数量変更等の条件明示と異なる現地状況等が確認された場合など、受注者の責に帰すことができない事由により工期の延長が認められる場合には、適切に工期変更を行う。

・工事完了時に週休2日が達成できていなくてもペナルティ(工事成績での減点など)がないこと、週休2日に取り組んだ結果、週休2日(4週8休以上)が達成できていない場合については、工事費は4週6休以上から補正されることなどを監督職員から受注者に確実に説明する。

・受注者希望方式において、週休2日の取り組みの協議が整わなかったもの(受注者が週休2日の取組を希望しないものを含む)については、受発注者間で要因について協議・確認すること。

重点取組項目② 工事書類の簡素化

【令和2年度の取組】・従前のマニュアルに加え、工事書類作成のためのQ&Aを作成・直近の基準改定など踏まえ、「土木工事書類作成マニュアル」「工事検査技術マニュアル」の改定・作成書類の厳格化や二重納品の防止に向け、HPや各種会議による周知徹底を図る。

・段階確認・立会時の書類・写真の提出について・・・17件段階確認・立会願としては、工事現場よりASP等を通じて提出をお願いいたしま

す。(支援業務と工事別契約のため)現場技術員が臨場した場合は、説明資料の作成は現場技術員が自ら作成しなけ

ればならないため説明資料の作成は不要です。監督(調査)職員(現場技術員含む)が臨場確認した箇所については、出来形管

理写真及び段階確認の状況写真の撮影は不要です。段階確認書に受注者が作成する出来形管理資料に確認した実測値を確認者が

手書きで記入したものを添付。(添付する資料を新たに作成する必要はない)

・イメージアップ実施状況の書類について・・・10件イメージアップ(現場環境改善費)の実施報告書は提出を求めていません。

(マニュアル等は今年度中に改定予定。)

・検査時の施工プロセスの確認書類について ・・・10件施工プロセスチェックや打ち合わせ等より検査・確認済みの事項は、チェックシー

トによる事実確認までとし、書類の再確認は相応の必要が生じた場合のみとする旨、事前協議による作成書類以外は評価対象外であるため、評価に影響与えない旨の事務連絡をH31.3.4に、検査官・技術管理課宛に発出済。

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【書類の簡素化についての意見・提案】・工事書類に関しての業務負担軽減に向けた地方建協との意見交換を実施し、延べ400件を超える意見・提案をいただいた。・いただいた意見を分類分けした結果、仕様書・各マニュアル等で定められた作成書類の徹底及び再周知が必要である「作成書類の厳格化」についての意見が約5割(48%)を占める。

作成書類の

厳格化

203件

基準類の見直

118件

法令の改正等

24件

その他

76件

■目的

工事を円滑かつ効率的に進めるため、受発注者間における仕事の進め方として、ワンデーレスポンス・ASPを推進しているが、これに加えて、計画的に工事を履行しつつ、非効率なやり方の業務環境等を改善し、より一層、魅力ある仕事、現場の創造に努めることを目的とする。

■実施内容(緊急対応等の場合は除く)

工事着手時に行う工事円滑化会議の場などで受発注者で必ず確認する①依頼日、時間に関すること・業務時間外の依頼はしない。また、定時退庁日、休前日は15時以降の依頼はしない。・依頼の期限日は十分な時間的余裕をもって行うこととし、休日明け日(月曜日等)を依頼の期限日としない。

また、定時退庁日、休前日の依頼の期限日は、2日後(休日を除く)以降とする。②打ち合わせに関すること・業務時間外にかかるおそれのある16時以降開始の打ち合わせは設定しない。・テレビ会議を活用した打合せの活用③業務時間外の連絡に関すること・業務時間外の連絡は行わない。・受発注者でASPを使用するなどして現場閉所日を情報共有し、現場閉所日には連絡を行わない(メールも含む)

■対象工事・全工事を対象とする

(緊急対応等の場合は除く)

■留意点・受注者によって現場閉所日などが異なることから、柔軟に取組むこと。・工事の進捗に差し支えないよう、工事工程のクリティカルパスの確認・共有を適切に実施し、取組を行うこと。

重点取組項目③ 業務環境の改善(継続)

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勤務時間内月 依頼の期限に注意!火水 15時以降の依頼に注意!木金 15時以降の依頼に注意!土日月 依頼の期限に注意!

■監督職員が注意すべき事項

⑨現場レベルでの意見交換会

川上

工事発注準備

業務成果の品質確保

入札・契約

(技術調整会議)

④工事円滑化会議

工事の実施

設計変更指示

⑤設計変更確認会議

工事完成検査

工事成績評定

川下

〈着手前〉 〈工事中〉 〈完成後〉

工事検査技術マニュアル

:重点取り組み事項

③条件明示の徹底土木工事条件明示手引き

(案)

「業務成果」品質向上

プロジェクト

①適正な工期設定

工事フォローアップ調査

施工効率向上プロジェクトの取組概要

15出前講座の実施(適時)、相談窓口の設置(本局、開建)

適切な設計変更の徹底⑩設計図書の照査ガイドライン⑪設計変更ガイドライン⑫設計変更事例集(条件明示事例集)⑬工事一時中止に係るガイドライン(案)

②クリティカルパスの共有による工程管理

⑥ 業務環境の改善⑦ ワンデーレスポンス ⑧ ASPの活用

⑭工事書類の簡素化

■目的適正な工期設定を行うことで、工事の品質確保を図るとともに、建設産業の働き方改革として、建設現場における週休2日を推進。

■適正な工期の設定工事の性格、地域の実情、自然条件、建設労働者の休日等による不稼働日等を踏まえ、以下に留意の上、工事施工に必要な日数を確保するなど適正な工期設定を行う。

【留意事項等】

準備期間と後片付け期間を含めた実工事期間であること。準備期間と後片付け期間は、工事規模や地域の状況に応じて設定すること。

工期の設定に当たっては、休日(土日、祝日、年末年始休暇及び夏期休暇)、降雨日、降雪期、出水期等の作業不能日数、地元関係者との協議等の必要な日数を見込む。

過去に施工した同種工事の日数の状況と比較して著しく乖離がある場合は、必要に応じて日数の見直しを行う。

災害復旧工事、完成時期や施工時期が限定されている工事等の制約条件のある工事については、制約条件を踏まえて必要な工期を設定すること。このような場合は、入札説明書及び特記仕様書等に制約条件等明記すること。

工期の設定に当たっては、工期設定支援システムを活用する。

① 適正な工期設定

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◆施工当初段階において、受発注者間で工事工程のクリティカルパスと関連する未解決課題の対応者及び対応時期について共有することをルール化。(H29年度から全工事)

◆新工種の追加、条件変更、数量変更等により工程変更が生じた際にも、「変更の実施工程とクリティカルパスの確認・共有」を徹底する。

① 発注者が示した設計図書を踏まえ、受注者が施工計画書を作成。

② 施工計画に影響する事項がある場合には、その内容及び受発注者の責任を明確化。

③ 施工途中において受注者の責によらない工程の遅れが発生した場合には、それに伴う必要日数について工期変更を必ず実施。

②クリティカルパスの共有による工程管理

工事工程のクリティカルとなる部分を確認し、担当者及び時期を明確にする。

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■目的

発注時に工事実施上の前提条件を明示することで、受注者が計画的に工事を実施する環境が整えられる。このことにより品質向上、手戻り防止が図られるとともに、円滑な設計変更が可能となる。

特記仕様書にて、工事の着手時期、工事の進捗を考慮すべき要因、工程に影響を及ぼす事項等を確実に示すことで受注後の施工計画(労働者確保、資機材調達計画、計画工程等)立案に寄与。

■条件明示の留意点

発注者が積算上考えている施工及び施工時期の前提条件等や未了協議の進捗状況等、その目処を明示。突然の阻害要因の判明や急な作業指示作業や中止指示は、受注者に過度の負担をかける。(機械、労務、資材の手配)条件明示がなくても、工事請負契約書第18条により、設計変更が可能。

■実施時期設計書審査の各段階(本部、事務所等)で条件明示を確認

■対象 : 全工事

■条件明示の確認事項 ~ 設計変更事例集参照

③ 条件明示の徹底

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■目的工事着手前および新工種の追加等において、受発注者が現場条件、施工計画、工事工程等について確認し、円滑な工事の実施を図る。

■参加者○受注者:現場代理人、主任(監理)技術者、受注会社代表等○発注者:総括監督員、主任監督員(主催)、監督員、必要に応じ副所長、

本部担当課出席○(必要に応じて)設計コンサルタント、地質技術者等

(この場合、従来の技術調整会議に相当)○また、必要に応じて、専門工事業者の工事円滑化会議への参加も検討する。

■実施時期○工事着手前および新工種発生時、受注者からの開催依頼時等

(必要に応じて複数回の開催や現地での開催)○初回は現地調査終了後など、工事内容を踏まえて適宜判断する。

■対象 : 全工事。(関係工事(注)

をまとめて、複数工事での開催も可能)

(注)関係工事とは、現場条件の情報共有が必要な工事を指しており、関係工事の例として、道路建設工事のトンネル工事、橋梁工事、改良工事、舗装工事が同一区間に複数存在する場合等である。

④ 工事円滑化会議~1

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④工事円滑化会議~2

打合せ(確認)事項 主体 チェック

○当初設計の考え方、方針、未計上部分についての確認 発注者

○関係機関との協議状況、工事着手時期の制約の有無・条件明示内容の補足・確認

発注者

○工事請負契約第18条~第24条、設計変更ガイドラインに基づいた設計変更フロー等、設計変更手続きの確認

発注者

○当初設計図書の不一致、不整合、誤謬又は脱漏等、当初設計に示された施工条件との不一致、設計図書の照査結果の確認等 【工事請負契約書第18条関係】

受注者

○実施工程とクリティカルパスの確認・共有・クリティカルパスとなる作業着手時期と対外協議状況

※工程に影響する事項は処理対応者(「発注者」または「受注者」)を明確にする。

受注者

○工事成果品の提出媒体(電子、紙)の事前協議・提出媒体の明確化(電子、紙)、必要最小限化

受発注者

○設計変更内容についての確認(工種増、工区増、大幅な工事内容の変更等、重要な案件)

受発注者

○工事一時中止、工期延伸等の確認 受発注者

◎チェックリスト

■打ち合わせ(確認)事項は、原則全項目とする(状況に応じて項目の加除も可能)■受注者の責によらない場合は、工期の延伸が可能となるため、クリティカルとなる事項は処理対応者を

明確にし、必要に応じ工期延伸等の協議を行う。

会議で必ず確認共有

「受注者との情報共有、協議の迅速化」

「適正利潤の確保」「適切な設計変更」「適正な工期を前提」

工事内容の変更が想定されている項目(概数発注分を含む)を洗い出

し作業内容を確認すること

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④工事円滑化会議~3 専門工事業者の参加(試行)

○ 円滑な工程管理にあたっては、受発注者間で工事工程のクリティカルパス及び工程に影響する要因等を事前に共有しておくことが重要。

○以下の工事においては、下請企業も交えて協議を行うことが効率的と考え、専門工事業者の工事円滑化会議への参加を試行する。

① 全体工事工程に影響を与える工種等担当 (例 : クリティカルな工種など)

② 特殊工法の工種を担当 (例 : 基礎工、法面工など)

③ 重要事項を担当 (例 : 地元要望等の工種など)④ その他 (例 : 下請企業が参加することが有効と考えられる場合)

会議イメージ

留意事項

・専門工事業者が多い場合は、職長の代表のみが会議に参加するなど、効率的に実施する。

・効果把握のため工事終了後に発注者、元請企業、専門工事業者それぞれにアンケートを実施する。

発注者受注者

元請け監理技術者

下請け管理技術者

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■目的工事完成前に、設計変更手続きや工事完成検査が円滑に行われるよう、

設計変更内容、技術提案の履行状況、工事書類の簡素化等について、受注者と発注者が確認共有する。

■確認事項①設計変更内容(設計変更対象項目、対象数量等)②技術提案(総合評価落札方式)の履行確認③工事書類(電子納品、検査方法等)~二重納品防止

■参加者○受注者:現場代理人、受注会社代表等○発注者:総括監督員、主任監督員(主催)、監督員、

必要に応じ副所長、本部担当課出席

■実施時期 : 工期末の1ヶ月半~2ヶ月前を基本とするが、設計変更や施工方法の変更による数量等が確定する段階等、受発注者の協議により必要に応じ複数回開催、現地での開催

■対象 : 全工事

⑤ 設計変更確認会議

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⑥ 業務環境の改善■目的

工事を円滑かつ効率的に進めるため、受発注者間における仕事の進め方として、ワンデーレスポンス・ASPを推進しているが、これに加えて、計画的に工事を履行しつつ、非効率なやり方の業務環境等を改善し、より一層、魅力ある仕事、現場の創造に努めることを目的とする。

■実施内容(緊急対応等の場合は除く)

工事着手時に行う工事円滑化会議の場などで受発注者で必ず確認する①依頼日、時間に関すること・業務時間外の依頼はしない。また、定時退庁日、休前日は15時以降の依頼はしない。・依頼の期限日は十分な時間的余裕をもって行うこととし、休日明け日(月曜日等)を依頼の期限日としない。

また、定時退庁日、休前日の依頼の期限日は、2日後(休日を除く)以降とする。②打ち合わせに関すること・業務時間外にかかるおそれのある16時以降開始の打ち合わせは設定しない。・テレビ会議を活用した打合せの活用③業務時間外の連絡に関すること・業務時間外の連絡は行わない。・受発注者でASPを使用するなどして現場閉所日を情報共有し、現場閉所日には連絡を行わない(メールも含む)

■対象工事・全工事を対象とする

(緊急対応等の場合は除く)

■留意点・受注者によって現場閉所日などが異なることから、柔軟に取組むこと。・工事の進捗に差し支えないよう、工事工程のクリティカルパスの確認・共有を適切に実施し、取組を行うこと。

勤務時間内月 依頼の期限に注意!火水 15時以降の依頼に注意!木金 15時以降の依頼に注意!土日月 依頼の期限に注意!

■監督職員が注意すべき事項

■目的➢工事現場では、発注者の意志決定を必要とする様々な事象が発生する。対応が遅れ、

受注者側に待ち時間が生じ、実働工期が短くなると受注者に過度な負担をかけることになり、工事の品質等にも影響が及ぶことになる。このため、意志決定を迅速に行うことで「現場を待たせない」「速やかに回答する」という対応を組織的、システム的なものとし工事現場における生産性の向上を図る。

■対象➢全工事

■実施方法➢受注者は工事施工中において、問題が発生した場合には、監督職員への質問、指示

依頼と併せて、作業内容や工程等を検討して、いつまでに回答が必要かを、速やかに文書にて監督職員へ報告する。

➢受注者からの質問への回答は、基本的には「その日のうちに」行う。➢即日回答が困難な場合は「回答期限」を確認し、次の段取りができるようにする。

○日々の打合せ協議は、ASPの活用により決裁の迅速化、情報共有化を図る。○監督員個人だけで対応するのでは無く、組織的に共有し対応することが重要。○総括監督員までの情報共有及び意思決定の迅速化と本部と事務所の迅速な連携に

こころがける。

⑦ ワンデーレスポンス

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■目的➢工事中における受発注者間の施工プロセスに関する様々な情報を共有し、日々の

打合せ・協議を円滑にすることで施工の効率化を図る。➢ワークフロー機能(電子決裁機能)による書類の電子化により情報の共有および決

裁の迅速化、ワンデーレスポンス化を図る。

○ASPにより電子化した書類は、完成検査時においても電子検査で活用することとし、検査

のために紙を印刷することはしない。

■方針➢《河川、道路部門》は平成27年度から本格運用。通信環境が整っている工事は、原則

全ての工事が対象。➢《農業部門》は、工事を指定して試行実施。※《港湾・空港部門》は独自システムで全国展開済み

○工事円滑化会議等の議事録、週間工程表などを、ASPにより受発注者間で供覧し、情報

共有を図る。

⑧ 情報共有システム(ASP)の活用

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■目的➢現場レベル(事務所、開建担当課等の単位)における受注者との意見交換会を開催し、

受発注者間のコミュニケーションを活性化をさせ、協議の円滑化を図る。

■参加者➢事務所担当係長(または専門官)と現場代理人は必ず出席すること。➢受発注者間で出席者のレベルを調整し、受注者本社及び事務所課長や所長、開建

本部の担当者も適宜出席するものとする。

■実施方法➢受注者の意見、要望、苦情を聞くことを中心として現場レベルで開催。➢受注者側が事前に意見をとりまとめるなど、受注者が忌憚のない意見を出すことが出

来る環境に配慮する。 また、あまり大人数にならないように課ごとで開催するなど開催規模を工夫すること。

○受発注者間において、対等の立場で意見が出せる関係づくりから、生産性の向上を図る。○工事中における日々の打合せや各種会議もコミュニケーション活性化の一環。

○開催にあたっては、安全パトロールの機会を利用するなど、受発注者の時間的拘束を少なくするよう配慮すること。

○これまでも「受発注者間のコミュニケーション向上」を目的とした意見交換会を実施している現場については、改めて趣旨を明確にし、継続して取り組むこと。

⑨ 現場レベルでの意見交換会

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受注者に「設計図書の照査」が義務づけられている。以下の場合、必要に応じ工期又は請負代金額を変更する必要がある。

①「設計図書と工事現場の不一致、設計図書の誤謬又は脱漏、予期し得ない施工条件

等が認められた場合。」

②「発注者の意図による事情変更により設計図書が変更又は訂正された場合」

■受注者が実施する「設計図書の照査」の項目及び内容

受注者は、工事請負契約書及び工事仕様書に基づいて設計照査を行うこととなるが、具体的には、「チェックリスト」「設計図書の照査要領」の照査の項目を実施する。

⑩ 「設計図書の照査ガイドライン」~1

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■設計図書の照査ガイドライン(案)(平成27年9月)工事請負契約書第18条(条件変更等)および工事仕様書における「設計図書の照査」についての基本的な考え方や照査の範囲を明示し、円滑な請負契約の執行に資することを目的として作成。

■「設計図書の照査」の範囲を超えるもの(事例)設計変更が可能なケース

1.現地測量の結果、横断図を新たに作成する必要があるもの。又は縦断計画の見直しを伴う横断図の再作成が

必要となるもの。

2.施工の段階で判明した推定岩盤線の変更に伴う横断図の再作成が必要となるもの。ただし、当初横断図の推

定岩盤線の変更は「設計図書の照査」に含まれる。

3.現地測量の結果、排水路計画を新たに作成する必要があるもの。

4.構造物の位置や計画高さ、延長が変更となり構造計算の再計算が必要となるもの。

5.構造物の載荷高さが変更となり、構造計算の再計算が必要となるもの。

6.現地測量の結果、構造物のタイプが変更となるもの。(標準設計で修正可能なものであっても照査の範囲をこえ

るものとして扱う)。

7.構造物の構造計算書の計算結果が設計図と違う場合の構造計算の再計算及び図面作成が必要となるもの。

8.基礎杭が試験杭等により変更となる場合の構造計算及び図面作成。

9.土留め等の構造計算において現地条件や施工条件が異なる場合の構造計算及び図面作成。

10.「設計要領」・「各種示方書」等との対比設計。

11.設計根拠まで遡る見直し、必要とする工費の算出。

12.舗装修繕工事の縦横断設計(当初の設計図書において縦横断面図が示されており、その修正を行う場合とする。

なお、設計図書で縦横断図が示されておらず土木工事共通仕様書「14-4-3路面切削工」「14-4-5切削オーバー

レイ工」「14-4-6オーバーレイ工」等に該当し縦横断設計を行うものは設計照査に含まれる) 。 28

(設計変更するために必要な資料)

北海道開発局⑩ 「設計図書の照査ガイドライン」~2

■照査項目チェックリスト

(1)照査項目チェックリストの作成手順

受注者は、施工前及び施工途中において「設計図書の照査」を実施するが、「設計図書の照査項目及び内容」に基づき照査を行うこととし、その照査結果について、以降に示す照査項目チェックリストについては、様式第9号に添付して監督職員に報告する等に活用する。

①施工前に行う設計図書の照査時に、工事内容から判断して照査が必要と考えられる項目には「照査対象」欄の「有」にチェックをし、必要ないと考えられる項目には「無」にチェックを入れる。

なお、施工前には確認できないが、将来的に照査が必要な項目にも「有」にチェックを入れる。

②照査完了時、「照査実施」欄の「済」にチェックをし、日付を記入する。

③照査を完了した項目について、工事請負契約書第18条第1項第1号から第5号に該当する事実がある場合には「該当事実」欄の「有」にチェック、ない場合には「無」にチェックを入れる。

④チェックリストを様式第9号に添付して、照査結果を監督職員に提出する。「該当事実」が「有」の場合は、監督職員にその事実が確認できる資料を添付して提出する。

29

⑩ 「設計図書の照査ガイドライン」~3

(2)照査項目チェックリスト作成にあたっての留意事項

①施工前及び施工途中の各照査段階において、照査を実施した項目にチェックと日付を記載し、完了している照査項目、今回実施した照査項目、照査対象であるが未照査項目を明確にする。

②1つの照査項目の中に複数の確認事項がある場合、打合せ簿、備考欄、別紙等を用いて確認済の内容がわかるようにする。

③照査内容の項目が発注者の認識と異なる恐れがあると判断される場合は、備考欄等に具体の確認項目を明確にしておく。

④照査項目や内容を追加する必要がある場合は、項目を追加して利用する。

⑤工事によって照査の必要がない項目も含まれることになるが、「照査対象」欄の「無」にチェックすることも照査の一部と考えられることから、チェックリストから項目を削除することは行わないこと。

30

⑩ 「設計図書の照査ガイドライン」~4

31

⑩ 「設計図書の照査ガイドライン」~5

■照査項目チェックリスト(抜粋)

■設計変更ガイドライン(平成27年9月)工事請負契約書第18条(条件変更等)の第1項から第5項に示された、設計図書の変更の進め方について、具体例やフローを示して解説。設計変更の円滑化を目的として作成。

○設計図書の内容と実際の現場が異なる事実を発見したら、工事着手前に受注者から監督職員へ、その旨通知することから設計変更協議が開始。

○工事中における設計変更等を円滑に進めていくためには、受発注者双方が第18条から第24条について理解することが重要。工事円滑化会議等で活用すること。

⑪ 「設計変更ガイドライン」~1

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■以下のような場合においては、原則として設計変更できない。(ただし、災害時等緊急の場合はこの限りではない。)

➢設計図書に条件明示のない事項において、発注者と「協議」を行わず受注者が独自に判断して施工を実施した場合

➢発注者と「協議」をしているが、協議の回答がない時点で施工を実施した場合➢「承諾」で施工した場合➢工事請負契約書(第18条~24条)・仕様書(1-1-1-13~15)に定められている所定の手続きを

経ていない場合➢正式な書面(様式第9号等)によらない事項(口頭のみの指示・協議等)の場合➢「特別契約書」に記載されている施工計画等で受注者の責により履行する必要がある場合

設計変更が不可能なケース

⑪ 「設計変更ガイドライン」~2

33

■以下のような場合においては、所定の手続きを踏むことにより、設計変更が可能である。

➢仮設(任意仮設を含む)において、条件明示の有無にかかわらず、当初発注時点で予期し得なかった状況が現場で確認された場合

➢当初発注時点で想定している工事着手時期に、受注者の責によらず工事着手出来ない場合

➢所定の手続き(協議等)を行い、発注者の「指示」によるもの(「協議」の結果として、軽微なものは金額の変更を行わない場合もある)

➢受注者が行うべき「設計図書の照査」の範囲を超える作業を実施する場合(「設計図書の照査」の範囲を超える作業については、P33を参照)

➢受注者の責によらない工期の延期・短縮を行う場合で、協議により必要があると認められる場合

■ただし、設計変更にあたっては下記事項に留意し、受注者へ指示する。➣当初設計の考え方や設計条件を再確認した上で、「協議」にあたる。➣当該事業(工事)での変更の必要性を明確にし、設計変更は契約書第19条に基づき書面で行う。

(規格の妥当性、変更対応の妥当性(別途発注ではないか)等)➣設計変更に伴う契約変更の手続きは、その必要が生じた都度、遅滞なく行うものとする。

設計変更が可能なケース

■ 受注者は、工事の施工に当たり、次の各号の一に該当する事実を発見したときは、その旨を直ちに監督職員に通知し、その確認を請求しなければならない。

(1) 公示用設計書、図面、仕様書、特記仕様書、現場説明書及び現場又は机上説明に対する質問回答書が一致しないこと。(これらの優先順位が定められている場合を除く。)

(2) 設計図書に誤謬(ごびゅう)又は脱漏(だつろう)があること。

(3) 設計図書の表示が明確でないこと。

(4) 工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないこと。

(5) 設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別な状態が生じたこと。

⑪ 「設計変更ガイドライン」~3

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工事請負契約書第18条第1項(条件変更等)

➣受発注者間で認識の共有を図るため、設計変更を行うにあたって、契約変更に先だち指示を行う場合は、指示書等にその内容に伴う増減額の概算額を記載することを原則とする。

➣ただし、受注者からの協議により変更する場合にあっては、協議時点で受注者から見積書の提出を受けた場合に限り、概算額を記載する。

➣ここで記載する概算額は、「参考値」であり、契約変更額を拘束するものではない。➣また、緊急的に行う場合または何らかの理由により概算額の算定に時間を要する場合があり、そのよ

うな場合は、「後日通知する」ことを添えて指示を行うものとする。

【発注者からの指示の場合】1.発注者から指示を行い、契約変更手続きを行う前に受注者へ作業を行わせる場合は、必ず書面(指示書等)

にて指示を行う。2.指示書等には、変更内容による変更見込み概算額を記載することを原則とする。3.概算額は、百万円単位を基本(百万円以下の場合は十万円単位)とする。

【受発注者間の協議により変更する指示書の場合】1.受発注者間の協議に基づき、契約変更手続きを行う前に受注者へ作業を行わせる場合は、必ず書面(指示

書等)にて指示を行う。2.指示書等には、変更内容による変更見込み概算額を記載することを原則とする。3.概算額の明示にあたっては、協議時点で受注者から見積書の提出があった場合に、その見積書の妥当性

を確認し、妥当性が確認された場合は、その見積書の額を指示書に記載する。受注者から見積書の提出がない場合は、概算額を記載しない。

4.概算額は、百万円単位を基本(百万円以下の場合は十万円単位)とする。

35

⑪ 「設計変更ガイドライン」~4

■指示書等への概算額の記載

【様式第10号】(重要な場合)の記載例

【様式第9号】(軽微な場合)の記載例

様式第10号

平成  年  月  日

  (受注者)現場代理人 殿

         主任監督員(監督員)

         国土交通技官  印

(工事名)の工事内容を一部変更するので、下記の指示により施工されたい。

1 指示の内容

工種 指示項目 変更区域 現契約 変更指示 備考

特記事項

ここで記載する概算額は、「参考値」であり、契約変更額を拘束するものではない。

添付資料名 添付図面 なし

工 事 内 容 の 変 更 指 示 書

( 第  回 )

概算金額:約○百万円増(減)額の見込み(消費税含む)

様式第9号

指示、 承諾、 協議、 提出、 報告、 通知 書 (第 回)

指示、 承諾

協議、 提出

報告、 通知

【 】 年 月 日

上記事項について 指示、 承諾、 協議、 通知、 受理 する。

特記事項

工事内容の変更の対象と しない

する。ただし、詳細については別途指示する。

【 】 年 月 日

上記事項について 了解しました。 承諾願います。

協議、 提出、 報告 します。

特記事項

(主旨)

 本様式は、工事に必要な指示、承諾、協議等を迅速かつ的確に行うためのものである。

概算金額:約○百万円増(減)額の見込み(消費税含む)

ここで記載する概算額は、「参考値」であり、契約変更額を拘束するものではない。

 監督職員

受 注 者

平成

平成

 

工 事 名

工 種 、細 目等

事 項

添 付 資 料 名 図 面 全 葉

確認欄

監理技術者 主任技術者総括監督員 主任監督員 監 督 員 現場代理人

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⑪ 「設計変更ガイドライン」~5

■指示書等への概算額の記載例

■設計図書の照査に必要な資料の作成

受注者は、当初設計等に対して「工事請負契約書」第18条第1項に該当する事実が発見された場合、監督職員にその事実が確認できる資料を書面により提出し、確認を求めなければならない。

なお、これらの資料作成については受注者が行う照査の範囲であり、契約変更の対象としない。

「工事請負契約書」第18条第1項に基づき設計変更するために必要な資料の作成については、「工事請負契約書」第18条第4項に基づき発注者が行うものであるが、受注者に対応してもらう場合、以下の手続きにより実施するものとする。

① 設計図書の照査に基づき設計変更が必要な内容については、受発注者間で確認する。② 設計変更するために必要な資料の作成について、協議の上、発注者が書面により指示

する。③ 発注者は、書面による指示に基づき受注者が作成した設計変更するために必要な資料

を確認する。④ 書面による指示に基づいた設計変更するために必要な資料の作成に係る費用について

は、契約変更の対象とする。⑤上記費用の算定は、局単価及び設計業務等標準積算基準書を基本とする。

(ただし局単価及び基準書による費用の算定が行えない場合は、受注者の見積もりにより積算することとし、詳細については、発注者と協議すること。)

■設計変更するために必要な資料の作成

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⑪ 「設計変更ガイドライン」~6

工事請負契約書第18条1項第1号~第5号に該当する事実を発見受注者 発注者

受注者:立会 発注者:直ちに調査の実施

【第18条第2項】

通知し確認を請求

【第18条第1項】

受注者の意見を聴いて調査結果をとりまとめ意見【第18条第3項】

14日以内(受注者の意見を聴いた上で期間延長可)にその結果を受注者に通知(とるべき措置がある場合、当該指示を含む)

受理

必要があると認められるときは、設計図書の訂正又は変更を行う(訂正:第1号、変更:第2号)

設計図書の変更を行うが、工事目的物の変更を伴わないものについて受発注者協議(第3号)

変更内容・根拠の明確化、変更設計図書(数量計算書等)の作成

必要があると認められるときは、工期若しくは請負代金の変更を行う

協議 ①工期の変更(第23条)②請負代金額の変更(第24条)

【第18条第4項】

【第18条第5項】

工事円滑化会議を活用

発注者で行うが、受注者に依頼する場合は、実態に合わせて契約変更すること。

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⑪設計変更ガイドライン~7 設計変更手続きフロー

■指定・任意の正しい運用

仮設、施工方法等には、指定と任意があり、発注においては指定と任意の部分を明確にする必要がある。

任意については、受注者が自らの責任で行うもので、仮設、施工方法等の選択は、受注者に委ねられている。(設計変更の対象としない)

【基本事項】➣任意については、その仮設、施工方法の一切の手段の選択は受注者の責任で行う。➣任意については、その仮設、施工方法に変更があっても原則として設計変更の対象としない。➣ただし、指定・任意ともに当初積算時の想定と現地条件が異なることによる変更は行う。

指定・任意については、工事請負契約書第1条第3項に定められているとおり、適切に扱う必要がある。

発注者は、任意の趣旨を踏まえ、適切な対応をするように注意が必要。※任意における下記のような対応は不適切

◆○○工法で積算しているので、「○○工法以外での施工は不可」との対応

◆標準歩掛ではバックホウで施工となっているので、「クラムシェルの施工は不可」との対応

ただし、任意であっても、当初積算時の想定と現場条件が異なる場合は、設計変更を行う。

【留意事項】指定・任意の使い分けにおいては、下記の事項に留意する。

◆新技術の活用について受注者から申し出があった場合に、「積算上の工法で施工」するよう対応

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⑪ 設計変更ガイドライン~8 (関連事項)

■目的設計変更を円滑に行うため、関係団体(日本建設業連合会、日本道路建設

業協会、北海道建設業協会、北海道舗装事業協会、北海道土地改良建設協会、北海道港湾空港建設協会)からの協力を得て、具体的な事例に基づき一問一答方式で事例集を作成し、開発局ホームページにて公表。

■対象 :河川、道路、港湾・空港、農業事業

■事例集の構成 (平成31年3月 第9版)第Ⅰ部 入札段階における対応(条件明示) 10事例第Ⅱ部 工事実施段階における対応(設計事例) 118事例(7事例追加5事例更新)第Ⅲ部 実効性を高めるために(契約条項等)

■経緯等・平成21年8月 全国に先駆けて公表

・平成22年2月 発注段階での条件明示事例を追記

・平成22年度~平成25年度 内容を充実させるため、第Ⅱ部の設計事例を追加・平成26年度 第Ⅰ部事例の改定及び第Ⅱ部の事例追加・平成27年度 第Ⅱ部の設計事例を追加・平成30年度 第Ⅰ部事例の改定及び第Ⅱ部の事例追加

⑫ 設計変更事例集(第9版)

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H31.3改定

設計変更事例集の中で明示方法について、不適切な例と本来行うべき対応を掲載。

⑫ 条件明示事例(設計変更事例集 第9版より)

現状の対応および問題点 条件明示方法 変更対応

特記仕様書に「関係機関との協議が未成立である」と明示されていたが、いつから着工できるのか不明であった。

関係機関との協議が未完了がある場合は、特記仕様書へ「協議内容」及び協議の「成立見込時期」を記載すること。

当初想定していた施工条件が関連機関等との協議により変更になった場合には、現場の状況に合わせて設計変更を行う。

【特記仕様書の記載例】

関係機関、自治体等との協議が未成立な場合、その時期・結果などにより、当該工事の工程などに制約を受ける。○

関連機関等 制約内容 協議内容 成立見込時期 その他

○○市○○課P1橋脚躯体工、杭基礎工、仮締切工、・・等河川敷地内での作業

○○川 河川法第○条協議

平成29年○月下旬漁業組合との協議により、H29.○~H29.○は、河川内での作業不可

★協議等の成立時期などを見据えて、工事(工種)着手がいつから開始できるかがわかるように記載する。★協議の「成立見込時期」の精度に留意する。

協議の成立見込時期に遅延が生じ、施工工程に影響を及ぼす場合、工事一時中止(一部中止含む)及び工期延伸等を状況に応じて実施し、適正工期を確保する。

41

◆受注者の責に帰すことができない事由により工事を施工できないと認められる場合は、「①工事用地等の確保ができない等のため受注者が工事を施工できないと認められるとき」と「②暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、地すべり、落盤、火災、騒乱、暴動その他の自然的又は人為的な事象であって受注者の責に帰すことができないものにより工事目的物等に損害を生じ若しくは工事現場の状態が変動したため受注者が工事を施工できないと認められるとき」の2つが規定されている。 【関係法令:工事請負契約書第20条】

◆上記の2つの規定以外にも、発注者が必要があると認めるときは、工事の全部又は一部の施工を一時中止することができる。※一時中止を指示する場合は、「施工できないと認められる状態」にまで達しているこ

とが必要であり、「施工できないと認められる状態」は客観的に認められる場合を意味する。

①工事用地等の確保ができない等のため工事を施工できない場合

○発注者の義務である工事用地等の確保が行われないため(工事請負契約書第16条) 施工できない場合

○設計図書と実際の施工条件の相違又は設計図書の不備が発見されたため(工事請負契約書第18条)施工を続けることが不可能な場合・・・等

②自然的又は人為的な事象のため工事を施工できない場合

○「自然的又は人為的事象」は、埋蔵文化財の発掘又は調査、反対運動等の妨害活動も含まれる。

○「工事現場の状態の変動」は、地形等の物理的な変動だけでなく、妨害活動を行う者による工事現場の占拠や著しい威嚇行為も含まれる 42

北海道開発局⑬ 工事一時中止に係るガイドライン(案)~1

工事を中止すべき場合

中止の指示・通知

工事再開通知・工期短縮の必要性判断

請負代金・工期の変更

標準積算 見積積算

契 約 変 更

工事完成

工事施工不可要因の発生

中止期間3ヶ月以内

中止期間が3ヶ月を超えるなど、標準積算によりがたい

中止の必要有り

受注者 発注者

【工事中止の通知】

【発注者の中止指示義務】【工事を中止すべき場合】

【基本計画書の作成】

【請負代金額又は工期の変更】

【増加費用の考え方】変更が

必要

変更は不要

工事施工不可要因の発見

中止の対象となる工事内容、工事区域、中止期間の見通し及び工事現場を適正に維持管理するために、最小限必要な管理体制等の基本的事項を指示する

※必要に応じて工事一時中止「協議」

基本計画書の提出・工事中止に伴う増加費用・必要工期

工事請負代金・工期変更の検討

受 発 注 者 間 協 議

「協議」

工事発注

工事の一時中止を検討

工期短縮計画書の提出・工期短縮に伴う増減費用

工期短縮が可能であるか

工期短縮の要請「協議」

工期短縮不要

工期短縮不可の場合、その旨を「回答」工期短縮が可能

【工期短縮計画書の作成】

「協議」

増加費用は、一時中止にかかる費用計上の他、工期短縮を行った場合は、それに必要な費用を適切に計上する。

43

工期短縮必要

標準積算によりがたい場合は、別途、見積による積上げ積算とする。

⑬工事一時中止に係るガイドライン(案)~2 基本フロー

■目的

➢工事検査書類(発注者への提出義務)以外の資料や電子と紙による二重納

品について排除することを目的とする。

■実施内容➢電子納品に関する受発注者の事前協議(工事円滑化会議)を徹底し、発注者

へ提出。あるいは提示する書類の種類《電子又は紙》毎の区分を明確にする。また、変更する場合も受発注者で協議を行う。

➢二重納品の防止対策として、特記仕様書への条件明示を徹底する。

○作成が必要な書類の統一化、ルール化を図るため、下記のマニュアル等を参照。

・土木工事共通仕様書、工事技術検査マニュアル、土木工事書類作成マニュアル(案)(平成30年3月改定)・電子納品に関する手引き(CAD製図基準(SFXP21形式)の徹底)

⑭ 工事書類の簡素化

44※北海道開発局ホームページ

http://www.hkd.mlit.go.jp/ky/jg/koujikanri/ud49g7000000l2w9.html

・工事着手前に「工事書類作成のための事前協議」を行う。変更する場合も受発

注者で協議する。 (工事円滑化会議時)

・電子により提出、提示することとなった書類については、検査時その他の場合

において紙での提出、提示は行わないものとする。

○工事仕様書での明示[平成28年度より]

・評定にあたっては、事前協議による作成書類以外について、評価の対象外とする。

⑭工事書類の簡素化 二重納品防止対策~1

45

○地方整備局工事成績評定実施要領改正(技術審議官通達)[平成27年度より]

・施工計画書は全ての事項について当初に提出することを求めず、工事概要、現場組織表、緊急時の体制及び対応は必須とし、それ以外の事項は係わる作業に着手前に逐次提出することで差し支えない。

○施工計画書の提出時期の柔軟な対応

○工事書類の簡素化に向けて引き続き意見交換を行いながら検討を進めます。

契約書

紙のみ

原則電子のみ

電子のみ

紙と電子

設計図書

契約図書

契約関係書類 現場代理人等通知書

工程表

請負代金内訳書

工事書類 工事帳票

工事写真

工事打合せ簿

材料確認願

段階確認書

確認立会願

施工計画書

工事履行報告書

関係機関協議資料

品質管理資料

出来形管理資料

工事完成図書 工事出来形図

工事管理台帳

品質記録台帳

地質土質調査成果

工事関係書類

工事写真(ダイジェスト)

工事完成図

道路施設基本データ

重要構造物図面道路のみ

施工管理データXML TS出来形(土工・舗装)のみ

施設管理台帳

※工事完成図書とは、維持管理、後工事、復旧工事に必要となる重要な書類です。

5年間保存(粗雑工事への瑕疵担保責任追及のため)

30年間保存(現存する限り延長)

※受注者は「営業に関する図書」(完成図、打合せ記録簿、施工体系図など)を建設業法施行規則の一部改正等(H20.11.28施行)により、10年間保存する義務があります。

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協議を行う書類 体系図

⑭工事書類の簡素化 二重納品防止対策~2

H30~

⑭工事書類の簡素化 二重納品防止対策~3

「提出」に分類される書類

○契約関係書類・現場代理人等通知書・請負代金内訳書・工程表・着工届・建退共掛金収納書

○工事書類・工事帳票

・施工計画書・施工体制台帳・施工体系図・工事打合せ簿(様式9号全て)・段階確認書・確認立会願・創意工夫、社会性等に関する実施状況・材料品質証明資料・履行報告書

・工事写真

○その他・再生資源利用促進計画書(実施書)・再生資源利用計画書(実施書)

提出・納品が必要な資料

「提示」に分類される資料

○契約関係書類・建退共証紙受払簿

○工事書類・関係機関協議資料(許可後の資料)・近隣協議資料・安全教育訓練実施資料

○その他・産業廃棄物管理表(マニフェスト)

提出・納品の必要がない資料

提示・連絡資料は納品義務無し!検定後、受注者は10年間

保存の義務有り

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「連絡」に分類される資料○工事書類

・休日、夜間作業届(口頭、FAX、電子メールなど)(ただし、現道上の工事は提出が必要)

出前講座

■目的➢建設生産システムの向上に向けた施工効率向上プロジェクトの内容を周知徹

底することを目的として開発建設部単位や事務所単位で、受発注者を一堂に会し、本局の担当者等から説明を行う。

・本局担当者、各開建担当者を講師とした説明会を需要に応じて開催・CPD登録の実施拡大(土木学会、全国土木施工管理技士会連合会、農業農村工学会

他13団体が相互承認されておりCPD登録が可能)

■実施内容➢各開建本部または事務所にて、工事安全協議会等の場を活用して実施➢出前講座メニュー

①施工効率向上プロジェクト②設計変更ガイドライン・設計変更事例集・条件明示の説明③工事書類の簡素化・工事検査技術マニュアルの説明④その他 要望に応じて

出前講座

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■目的➢工事成果の品質確保を図るため、工事の受注者からの相談窓口を設置。➢現場で監督職員等と直接コミュニケーションを取ることを取組強化しているところである

が、それでも直接相談しづらいことや、工事完了後の相談等があれば、相談窓口を活用。

○相談された内容について、相談者(会社・個人)に不利益を生じることはありません。

相談窓口の設置

49※出展:北海道開発局ホームページ