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これからの社会における 新たな働き⽅と⼈材育成 2018年1⽉25⽇(⽊) 経済産業省 経済産業政策局 産業⼈材政策室 室⻑補佐 橋本 賢⼆

これからの社会における 新たな働き⽅と⼈材育成 · •機械が⾃ら学習し、⼈間を超える⾼度な判断が可能に(⼈⼯知能(ai)) •多様かつ複雑な作業についても⾃動化が可能に(ロボット)

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これからの社会における新たな働き⽅と⼈材育成

2018年1⽉25⽇(⽊)

経済産業省経済産業政策局 産業⼈材政策室

室⻑補佐 橋本 賢⼆

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産業界を取り巻く環境変化

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20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 2055 2060 2065

平成29年推計値(日本の将来推計人口)

実績値(国勢調査等)

人口(千人)

生産年齢人口割合

51.4%

高齢化率38.4%

合計特殊出生率1.44

生産年齢人口(15~64歳)割合

高齢化率(65歳以上人口割合)合計特殊出生率

15~64歳人口

14歳以下人口

65歳以上人口60.8%(2015)

26.6%(2015)

1.46(2015)

12,710万人

11,913

3,716

6,875

1,321

8,808

3,381

4,529

896

(出所) 総務省「国勢調査」及び「人口推計」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計):出生中位・死亡中位推計」(各年10月1日現在人口)厚生労働省「人口動態統計」

⽇本の⼈⼝の推移⽇本の⼈⼝は少⼦化により、⼈⼝減少局⾯を迎えている。このままで⾏けば2065年には総⼈⼝が9000万⼈を割り込み、⾼齢化率(65歳以上)は40%近い⽔準になると推計されている。

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0102030405060

2010 2020 2030 2040 2050 2060日本 アメリカ 中国 インド

1990〜2000年頃に世界GDPのうち、⽇本は14%程度を占めていたが、今は8.5%程度まで低下している。

将来については、アメリカ、中国、インドが⼤きく経済成⻑する⼀⽅、⽇本経済は伸び悩み、⽇本の相対的なGDPシェアは低下する⾒込み。

0%

20%

40%

60%

80%

100%

1970 1980 1990 2000 2010日本 アメリカ イギリス フランス

ドイツ 中国 インド その他

(出所)OECD

(出所)World Bank

主要国のGDP予測世界における主要国のGDPシェアの推移 (兆ドル)

GDPで⾒る世界における⽇本

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新興国・地域の中間層推移(予測)

通商⽩書(2011)第3-1-1-2図

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第四次産業⾰命 ① 〜技術のブレークスルー

•実社会のあらゆる事業・情報が、データ化・ネットワークを通じて⾃由にやりとり可能に(IoT)

•集まった⼤量のデータを分析し、新たな価値を⽣む形で利⽤可能に(ビッグデータ)

•機械が⾃ら学習し、⼈間を超える⾼度な判断が可能に(⼈⼯知能(AI))

•多様かつ複雑な作業についても⾃動化が可能に(ロボット)

→ これまで実現不可能と思われていた社会の実現が可能に。

これに伴い、産業構造や就業構造が劇的に変わる可能性。

データ量の増加 処理性能の向上 AIの⾮連続的進化

世界のデータ量は2年ごとに倍増。

ハードウェアの性能は、指数関数的に進化。

ディープラーニング等によりAI技術が⾮連続的に発展。

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⾏動予測異常検知

環境変化にロバストな

⾃律的⾏動

⽂脈にあわせて「優しく触る」「持ち上げる」技術

⾔語理解

⼤規模知識理解

① ② ④③ ⑤ ⑥

画像による診断広告

防犯・監視セキュリティマーケティング

⾃動運転物流・建設農業の⾃動化製造の効率化

介護調理・掃除

翻訳海外向けEC

教育秘書ホワイトカラー⽀援

2014 2020 2025⽶国・カナダがリード

2030

5

画像認識の精度向上

2007

Deep Learningをベースとする技術の進展

コンピュータができて以来初めて「画像認識」ができる

ロボット・機械に熟練した動きができる

⽂の「意味」が分かる(⽂と映像の相互変換ができる)

認識運動の習熟

⾔葉の意味理解

画像認識 マルチモーダルな認識

ロボティクス インタラクション シンボルグラウンディング

知識獲得

出所:第11回新産業構造部会 東⼤松尾准教授資料

(参考)Deep Learning(深層学習)技術の発展と社会への影響

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第四次産業⾰命 ② 〜新たなビジネスモデルこの技術のブレークスルーは、

① ⼤量⽣産・画⼀的サービスから、個々のニーズに合わせたカスタマイズ⽣産・サービスへ(個別化医療、即時オーダーメイド服、各⼈の理解度に合わせた教育)

② 社会に眠っている資産と、個々のニーズを、コストゼロでマッチング(Uber、Airbnb等)③ ⼈間の役割、認識・学習機能のサポートや代替(⾃動⾛⾏、ドローン施⼯管理・配送)④ 新たなサービスの創出、製品やモノのサービス化(設備売り切りから、センサーデータを活

⽤した稼働・保全・保険サービスへ)、データ共有によるサプライチェーン全体での効率性の⾶躍的向上(⽣産設備と物流・発送・決済システムの統合)を可能にする

⑤ 第四次産業⾰命の技術は全ての産業における⾰新のための共通の基盤技術であり、様々な各分野における技術⾰新・ビジネスモデルと結びつくことで、全く新たなニーズの充⾜が可能に(ゲノム編集技術×バイオデータ=新規創薬、新種作物、バイオエネルギー等)

第1次産業⾰命 第2次産業⾰命 第3次産業⾰命 第四次産業⾰命

動⼒を獲得(蒸気機関)

動⼒が⾰新(電⼒・モーター)

⾃動化が進む(コンピュータ)

⾃律的な最適化が可能に(⼤量の情報を基に⼈⼯知能が⾃ら考えて最適な⾏動を取る)

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全ての分野で、⾰新的な製品・サービスが創出(共通基盤技術×産業コア技術×データ)

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共通基盤技術⼈⼯知能、

IoT、ロボット

運転制御技術

⽣産管理技術

バイオインフォマティクス

エネルギー需要設備制御技術

事故データ、カメラ情報データ

事故・ヒヤリハットデータ

⽣物データ

顧客データ

無⼈⾃動⾛⾏による移動サービス無⼈⾃動⾛⾏⾞ 等

異常・予兆の早期検知等による安全性・⽣産性向上、保険・格付けの⾼度化 等

新規創薬、機能性⾷品、先端材料製造、バイオエネルギー 等

エネルギーディマンドリスポンス、⾒守りサービス 等

技術 関連データ ⾰新的な製品・サービス

ゲノム編集

医薬品開発技術介護に係る技術

健康医療データ介護データ

個別化医薬品⾃⽴に向けた介護ケアプラン 等

⾦融技術 購買・商流データ、⾦融市場データ

取引・決済データによる与信、資産運⽤アドバイスサービス⾼度化等

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第四次産業⾰命による就業構造変⾰の姿(イメージ)

市場喪失し、仕事の量は減り、質も低下グローバル市場を獲得し、質・量ともに⼗分な仕事

現状放置 ⽬指すべき姿

(例)グローバル企業の経営戦略策定トップレベルのデータサイエンティスト・研究開発 等海外に流出 内外から集積

(例)・様々なビジネスの企画⽴案・データサイエンティスト等のハイスキルの仕事のサポート業務(ビジネスプロセスの変化をオペレーションレベルに落とし込む橋渡役)

・今後激増するカスタマイズ化された商品・サービスの企画・マーケティング

(例)ヒューマン・インタラクション・⼈が直接対応することがサービスの質・価値の向上につながる⾼付加価値な営業・販売やサービス

多くの仕事が低賃⾦化

新たな雇⽤ニーズに対応

AIやロボット等を創り、新たなビジネスのトレンドを創出する仕事

AIやロボット等を使って、共に働く仕事

AIやロボット等と住み分けた仕事

AI やロボット等に代替されうる仕事

⼤きく減少従来型のボリュームゾーンである

低付加価値な製造ラインの⼯員・営業販売・バックオフィス等は

AIやロボット等で代替

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⼀億総活躍働き⽅改⾰

⼈⽣100年時代

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政府における検討

2016年6⽉ 「⼀億総活躍プラン」策定⇒ 保育・介護に⼒点

本年3⽉ 「働き⽅改⾰実⾏計画」策定⇒ ⻑時間労働是正、同⼀労働同⼀賃⾦(格差是正)に⼒点

同年9⽉ 「⼈⽣100年時代構想会議」発⾜⇒ 教育の負担軽減・無償化、リカレント教育、⼈事採⽤の多元化 など

「働き⽅改⾰」に焦点

「⽣産性向上」への回帰⼈⽣100年時代(LIFE SHIFT)への注⽬

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働き⽅改⾰ 第1章

⻑時間労働への規制強化

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働き⽅改⾰ 第2章

⽣産性 愛着・思い⼊れやる気

⽣産性

エンゲージメント

⾼付加価値

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⽣産性

エンゲージメント

・・・低い• ⽇本の時間当たり労働⽣産性は、OECD35か国中、20位

※2015年OECDデータより

・・・⾮常に低い• 「熱意あふれる社員」の割合は、6%。139か国中、132位• 周囲に不満をまき散らしている無気⼒な社員」の割合は、24%• 「やる気のない社員」の割合は、70% ※2017年ギャラップ社調査より

成果、⽣産性に基づく評価へ

「労働時間」の問題はボウリングの「ファースト・ピン」。「⻑時間労働是正」と「⽣産性向上」をセットで。「何時間働いたか」、「何年勤続してきたか」ではなく、

「成果」と「⽣産性」で評価される仕組みへ。

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求められる資質・能⼒

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“9Principles”(2017 伊藤穣⼀、ジェフ・ハウ著)

1.権威より創発

2.プッシュよりプル

3.地図よりコンパス

4.安全よりリスク

5.従うより不服従

6.理論より実践

7.能⼒より多様性

8.強さより回復⼒

9.モノよりシステム

意思決定が各種の従業員やステークホルダーたちの集団で、創発されるようになっており、多くの組織の未来を変えつつある。ネットワーク時代の⼈的資源の最⾼の使い道は、必要なものだけを、必要とされるときだけに使って、⼈々をプロジェクトに引き込むこと。これから求められるのは、⾏くべき⽅⾓だけを⽰すコンパスであり、抽象的な思考は、有⽤なコンパスのひとつとなる。イノベーションの費⽤が低下したことにより、リスクの性質が変化。アジャイルであり続け回復⼒を維持できるよう、リスクを活⽤し、環境の変化に応じて⾃らも変化する。イノベーションには創造性が必要で、創造性はしばしば制約からの⾃由を必要とする。進歩のためにはルールを破らなければならない。加速する未来では変化が新しい常態となるので、「失敗」を安上がりな学習機会として受け⼊れることが普通になっている。多様性は組織にとって戦略的に重要となりつつあり、認知的に多様な労働⼒を持つ組織は問題解決に優位性を持つ。失敗の費⽤が急減しているので、強さよりも回復⼒を重視することで、組織は活⼒があり、堅牢で、ダイナミックなシステムを発達させることができる。イノベーションは速度と効率性以上に新技術の総合的な影響についても考慮する必要があり、そのためには、⾃分たちの活動するコミュニティをもっと理解する必要。

絶え間なく変化する現代の特徴は、「⾮対称性」、「複雑性」、「不確実性」であり、成功のカギは分化、指針、世界観

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第四次産業⾰命による産業構造や就業構造の変化に対応するためには、以下の4つの知性を備えることが必要。

① 状況把握の知性(精神)―知識を理解し、応⽤する能⼒ 新たなトレンドを予想し、全体像を組み⽴てる能⼒ 多様性のあるネットワークの価値を理解する

② 感情的知性(⼼)―思考や感情を処理し、統合する能⼒。あるいは⾃分⾃⾝とそれらを関連づけたり、それら同⼠を関連づけたりする能⼒ 状況把握を補完する存在 ⾃⼰認識、⾃⼰統制、モチベーション、共感、ソーシャルスキルの重要な基盤

③ 啓⽰的知性(魂)―公益のために変化をもたらし、⾏動するための個⼈および共通の⽬的意識や信頼感、その他の美徳を活⽤する能⼒ 共通の運命感に基づく新たな集団的意識や道徳的意識へと、創造的な欲求を伸ばし、

⼈間性を⾼めることを⽬指す 連帯によって共通の⽬的意識を持ち、共通利益を⽬指した意思決定を常態化すること

による信頼の獲得・維持④ 物理的知性(⾁体)―⾃⾝の健康や幸福だけでなく、個⼈及びシステム双⽅の変⾰に

必要なエネルギーを注ぐ、私たちの周りにいる⼈々の健康や幸福の追求と維持をする能⼒ 個⼈の健康や幸福の維持・追及 健康な体とプレッシャーの下でも動じない⼼

“The Fourth Industrial Revolution“(2016年 クラウス・シュワブ著)

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The Center for Curriculum Redesign(CCR)の枠組み

カリキュラム・リデザイン・センター

DeSeCo(OECD)

キー・コンピテンシー

(EU)21世紀型スキル(ATC21S)

知識 道具を相互作⽤的に活⽤する

外国語によるコミュニケーション数学、科学技術デジタルコンピテンシー起業家精神

情報リテラシーICTリテラシ-

スキル 異質な集団で交流する

⺟国語によるコミュニケーション

創造性とイノベーション批判的思考、問題解決、意思決定コミュニケーション協働(チームワーク)

⼈間性 ⾃律的に活動する

社会的能⼒と市⺠としての能⼒⾃発性⽂化的意識と表現

⼈⽣とキャリア発達シチズンシップ(地域と世界)⽂化的意識と⽂化的能⼒個⼈の責任と社会的責任

メタ学習 省察性 学び⽅の学習 学び⽅の学習メタ認知

メタ認知どのように省察し、どのように適応するか

知識何を知り、

何を理解しているか

スキル知ってることを

どのように使うか

⼈間性どのようにふるまうか

どのように世界と関わるか

学際的知識伝統的知識(例:数学)現代的知識(例:起業家精神)テーマ(例:グローバルリテラシー)

創造性批判的思考⼒コミュニケーション協働

マインドフルネス好奇⼼勇気レジリエンス倫理リーダーシップ

メタ認知成⻑的思考態度

21世紀の学習者

出典:C・ファビル他著、岸学監訳「21世紀の学習者と教育の4つの次元」北⼤路書房

CCR(The Center for Curriculum Redesign):21世紀における幼稚園から⾼校までの教育のスタンダードを再設計することによって、⼈間の能⼒を拡⼤し、集団的な反映をもたらすことを⽬指した国際的組織、研究センター

CCR(The Center for Curriculum Redesign)では、各国の教育機関や専⾨機関などによって作られた既存の枠組みや様々な産業のCEOへの調査を基に、21世紀コンピテンシーの枠組みとして、「知識」、「スキル」、「⼈間性」、「メタ認知」を挙げている。

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「⼈⽣100年時代」の⼈⽣設計 第四次産業⾰命による技術⾰新は産業構造を⼤きく変化させるだけでなく、⼈材投資の回

収スピードが速くなることから、教育〜就職〜退職という⼀本槍のキャリアには限界。 ⼈⽣100年時代においては、キャリアオーナーシップに基づいた⾃律的なキャリア形成とそれ

を⽀援する職場・教育環境の充実が不可⽋。

これまでのキャリア形成の課題

結婚・育児マミートラック第⼆新卒⼤

学卒業

就職 知識・技術の陳腐化

産業構造の変化

介護役職定年 定

年退職

再就職困難健康・⽣活不安

・孤独

⼈⽣100年時代の

キャリア形成

天寿全う

新たなスキルの獲得

先端知識・技術の吸収

知識・技術の体系化

個々⼈のキャリアオーナーシップに基づいた⾃らのキャリアの⽅向性

⼤学卒業

知識・技術を活かした多様で柔軟な働き⽅⼦会社や海外での修羅場経験

社内外での転職起業留学

知識・技術を活⽤した中堅・中⼩・ベンチャー企業や地域活動の⽀援

就職

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これから必要となる能⼒・資質

出所:経済産業省新産業構造部会の議事等より作成

第四次産業⾰命で求められる能⼒・スキルのイメージ

産業・ビジネス固有の専⾨的知識 機能的な専⾨知識(例:経営戦略、マーケティング)専⾨知識 X

基幹能⼒ マネージメント創造性 ヒューマンタッチ・コミュニケーション問題発⾒・解決

マインド チャレンジ精神 多様性・異⽂化理解⾃⼰研鑽意識

リテラシー ⾔語⼒(⺟語)・数的能⼒(いわゆる「読み書き算盤」)

これまでも重視

英語によるコミュニケーションの基盤となる⾔語⼒情報・データやITに関するリテラシー

(問題発⾒・解決のために情報・データやITを使いこなす⼒)

新たに重視

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⼈材⼒強化研究会の検討状況

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⼈材投資 「⼀億総学び」時代に

・議⻑・議⻑代理・副議⻑

・議員

英ロンドンビジネススクール教授早稲⽥⼤学総⻑(教育再⽣実⾏会議座⻑)

松尾清⼀榊原定征神津⾥季⽣宮島⾹澄樋⼝美雄⾼橋進宮本恒靖

品川泰⼀⽶良はるか三上洋⼀郎

若宮正⼦

名古屋⼤学総⻑⽇本経済団体連合会会⻑⽇本労働組合総連合会会⻑⽇本テレビ報道局解説委員慶應⼤学商学部教授⽇本総合研究所理事⻑元サッカー⽇本代表主将、現ガンバ⼤阪U-23監督ユーキャン代表取締役社⻑READYFOR株式会社代表取締役GNEX代表取締役CEO、慶応⼤学総合政策学部2年1935年⽣まれ。⾼卒後、定年まで銀⾏勤務。定年後パソコンを購⼊、82歳でスマホ⽤ゲームアプリ開発

(有識者)リンダ・グラットン鎌⽥薫

安倍晋三 内閣総理⼤⾂茂⽊敏充 ⼈づくり⾰命担当⼤⾂林芳正 ⽂部科学⼤⾂加藤勝信 厚⽣労働⼤⾂⿇⽣太郎 副総理 兼 財務⼤⾂菅 義偉 官房⻑官世耕弘成 経済産業⼤⾂野⽥聖⼦ ⼥性活躍担当⼤⾂松⼭政司 ⼀億総活躍担当⼤⾂

<⼈⽣100年時代構想会議 9⽉11⽇発⾜>

検討テーマ1)「教育の負担軽減・無償化」、「リカレント教育」2)⼤学改⾰3)企業の⼈材採⽤の多元化、多様な形の⾼齢者雇⽤4)全世代型の社会保障

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Explorer

(参考) “ LIFE SHIFT “ ( 2016年 リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著)

⼈が100年も“健康に”⽣きる社会が到来する時、従来の3つの⼈⽣のステージ(教育を受ける/仕事をする/引退して余⽣を過ごす)のモデルは⼤きく変質する。

<100年ライフにおいて必要性が増すもの>・教育(専⾨技能を⾼め、世界中の競合との差別化が必要)・多様な働き⽅(70才超まで働くことを想定し、独⽴した⽴場での職業を考える)・無形資産(お⾦だけでなく、経験や⼈的ネットワークなど)

教育 仕事 引退

Independent producer Portfolio stage

⾃分の⽣き⽅に関して考える時期、知識やスキルの再取得(職業訓練・学び直しなど)

組織に雇われず、独⽴した⽴場で⽣産的な活動に携わる⼈(フリーランスなど)

異なる活動を同時並⾏で⾏う(例)週3仕事、週1ボランティア、週1NPO活動など

〜25 25〜60 60〜

22

個⼈の状況に応じて、それぞれのタイミングで3つのステージを⾏ったり来たりするように

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23(出典) 9⽉11⽇ 第1回「⼈⽣100年時代構想会議」 リンダ・グラットン議員プレゼン資料

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24(出典) 9⽉11⽇ 第1回「⼈⽣100年時代構想会議」 リンダ・グラットン議員プレゼン資料

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我が国産業における⼈材⼒強化に向けた検討 「⼈⽣100年時代」を踏まえ、①リカレント教育の充実、②(特に⼤企業から中

⼩企業等への)転職・再就職の円滑化、それらのベースとなる③必要とされる⼈材像の明確化や確保・活⽤、④産業界として果たすべき役割をパッケージで検討することが必要。

必要な⼈材像とキャリア構築⽀援の在り⽅

働き⼿・送出し企業の課題

「我が国産業における⼈材⼒強化に向けた研究会」(平成29年10⽉〜、年度内にとりまとめ予定)

中⼩企業等における中核⼈材の確保・活⽤受⼊れ企業・労働市場の課題

キャリアの基盤となる「社会⼈基礎⼒」の⾒直し

従業員のキャリア構築に向けた企業の責任

産業政策からみる必要な⼈材像の明確化

リカレント教育の在り⽅

中⼩企業における中核⼈材の具体的なニーズ把握

中⼩企業が取組むべき具体的なステップとその共通⼿法

中⼩企業が中核⼈材確保に必要なサポートや有効なスキームの⽅向性

ダイバーシティ経営等の推進パッケージで検討

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近年の働き⽅や⽣き⽅の変化

職務の無限定⻑時間労働年功序列新卒⼀括採⽤終⾝雇⽤正規/⾮正規の格差OJT中⼼仕事と家庭の峻別他律的キャリアの受容妥協・忍耐

<これまで>Work for Life

⼈⼝減少⼈⽣100年

第四次産業⾰命による急激な

産業構造の変化

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働き⽅や⽣き⽅

⽣産性が置き去りIoT時代に通⽤しないスキル学び直しの機会の未整備

⼈⼿不⾜の深刻化⼈材流動性の低さ

専⾨性の追求⽣産性の向上成果による評価多様な働き⼿の参加労働移動の円滑化⼈材の最適活⽤Off-JTの活⽤仕事と家庭の両⽴⾃律的キャリア形成モチベーションの維持

<これから>Work as Life

働き⽅や⽣き⽅

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これまでの議論の振り返り

(全体)• 「社会⼈基礎⼒」は普及。年齢毎に重要な能⼒に濃淡が付く。• 「新・社会⼈基礎⼒」も、「解りやすさ」を重視してまとめることが必要。• 「⼯」型⼈材が必要。基礎⼒と、専⾨性と、⾼いレベルでの汎⽤性。• 「メシが⾷える⼤⼈」を育てることが重要。/「⽣き抜く⼒」を明確にしていく必要がある。

何を学ぶのか(⼈⽣100年時代に必要な能⼒)(体験・経験の総量)• 「体験総量」を上げる「没頭体験」が必要。①主体的体験→②メンター獲得→③衝撃体験→④脱⽪⾏動

(依存先からの期待の殻を脱ぎ、本当に⾃分のやりたいことに焦点化)が必要。• 主体性を持った「経験学習」が重要。経験機会を他社に求める「複業」が有効。「能⼒開発」よりも

「機会開発」。• 仕事を通した「なりえるものになる経験」により、しなやかで強い環境適応⼒が養われる。• 最近の社員は、「忍耐」がない、「我慢」ができない社員が多い。選り好みすることと、成⻑に必要な

「経験」を得ることは違う。• 活躍している⼈材は、「転職の経験や起業」など異⽂化体験を持つ⼈が多い。

どう学ぶのか

(学歴では無く、能⼒・スキルによるマッチング)• ⼈材像・能⼒を明確にしてマッチングするインフラが必要。 「学歴」による採⽤結果の差はなくなって

いく。

学んだ後、どう活躍(評価)するか

(キャリア⾃律)• キャリア形成を⽀えるためには、「主体的ジョブデザイン⾏動」「ネットワーキング⾏動」「スキル開

発⾏動」が重要で、キャリア評価指標との相関も強い。• 「組織に隷属せず」「⾼い志を持ち」「ピンで⽴てる」⼈材を育てることが必要。「何がしたいのか」

などビジョンを持てる⼈が必要。• ⾃分で考え⾃分で動く⼈材が欲しい。

(OS)• 上辺のスキルを⾝につける⼈が多い。基礎であるOSをアップデートしないと、最新のアプリケーション

(スキル)は使えない。「何故学ぶのか」や「何の課題を解決したいのか」などを意識できるようにすべき。

(マインドセット/主体性)• 「マインドセット」や「キャリアの選択肢」を⾒つめ直す機会が必要。• ⾔われたことは出来るが、「考える⼒」が弱い。「⾒えないものが⾒える⼒」や「詰める⼒、やり切る

⼒」を⾝につけさせ、⼈間としての芯が必要。その基礎は「主体性」。• プロ⼈材は、①他者の推薦、②⾃分のスキルへの⾃信、③スキルに伴う実績、④再現性が重要。• ⾃分らしいキャリア形成には、「⽬標より習慣」「普遍性の⾼い学び能⼒」「健全な仕事感」の3つが

要件。• 「地位や年齢に関係なく誰もが学ぶこと」が重要。

(新たな働き⽅で必要になるスキル)• 仕事/⽣活/睡眠の単純な3層ではなく、それぞれの業務・役割でのストレス負荷で分類して考えるべき。

(=Work As Life)• チームのパフォーマンス総量を上げる「パートナー⼒」も重要。• 主体的に動き、多様な⼈たちとの繋がりを作っていくことが必要。• 世の中は「分業」と「協業」が存在。受験は「分業⼒」。⼤きな仕事は「協業⼒」が必要。• 「制約、協調」等ではなく、「⾃由、コミュニケーション」が重要。• IQではなくEQが重要。組織的訓練が必要だが、学校では育成しきれない。• 「相⼿との壁を越えて多様性を活かす対話⼒」「⺠主的で参画的なコミュニティをつくる⼒」。

(第四次産業⾰命によって必要になるスキル)• IQ/EQに加え、DQ(デジタルテクノロジーを効果的に使う能⼒)も重要。• 教育は、「抽象思考⼒」「価値判断⼒」「問題発⾒能⼒」を培うものでなければならない。• 「未来を予想する⼒」と「⾦融的投資能⼒」も必要。• 「変化に前向きに対処する⼒」「問題を俯瞰してシステムとして物事を考える⼒」「テクノロジーを道

具にする(活⽤する)⼒」、「ソーシャルとビジネスを融合する⼒」「⾼い倫理観を持ち正しい選択をする⼒」などが重要。

(学び直す⽅法・内容)• リフレクション(現実を⾒る、今までの経験を棚卸しする)から始めることが重要。企業内で育成して

くためにはマネージャーの役割が重要。• 「働く時間」と「学ぶ時間」を明確に区切るのではなく、「働きながら学ぶ」ことも推進していくべ

き。• 感情の役割を理解し、知識を活かす深い学びを⾏うための学びの再定義が必要。• ⾃分で決めるということが重要。「⼀⼈旅部」を作った。

(学び直す必要性の理解)• 学び直しを促進するには「如何に⾃分事に出来るか」が重要であり、強制的に⾃分事になる環境を作る

ことも必要。• 学習者がマインドセットさえ持てば、学習できる環境は整っている。• ⾃⼰投資をしない意識やカルチャーが⽇本型雇⽤形態の弊害。/50-60代の9割強の⼈が、⾃らのキャ

リアに時間もお⾦も掛けていない。「⾃分株式会社」への投資が必要。

• 「キャリア⾃律と個⼈⼀⼈⼀⼈によるモチベーション開発に軸⾜を置いた⼈事制度」が必要。• キャリア⾃律に向けた企業の役割は、「トップコミットメントの伝達」「個⼈のマインドセットへの働

きかけ」「キャリア形成のための多様な機会提供」が必要。

(組織設計・組織開発)• 社内研修では、個別業務スキルではなく、今後の10-20年の⼈⽣の設計、世界のトップたちを相⼿にど

のように仕事をしていくのか、などの「気付き」を与える内容が必要。• ニートやフリーターを戦⼒化するには、①導⼊研修・朝礼の実施、②チーム制による業務体型、③キャ

リアパスの提⽰、が重要。これらによって、①社会性の向上、②コミュニケーション能⼒の向上、③社内外での活躍(キャリア意識)が獲得できる。

• ⼈が変わるためには「共感」が重要であり、そのキーは中間管理職。「管理」ではなく、「モニタリング」や「メンテナンス」。「空気」を作っていける中間管理職が必要。

• ⼤きな変⾰は難しいので、まずは第⼀歩として、新しい出向モデル、兼業・副業モデルを作るべき。また、副業や出向が、個⼈のキャリアにとってポジティブなものと発信することが必要。

• 「できる⼈を採⽤する」のではなく、「取った⼈を戦⼒化する」ということが重要。

(評価する環境)• ⼈材は環境・⽂化があって育つもの。⼈事の役割は環境を整えること。「社内複業」も含め、異なる体

験が必要。⼈事評価も加点⽅式で挑戦の後押しが必要。• 「何をするか(学ぶか)」ではなく、「誰と仕事をやるか」が、従業員からの関⼼が⾼い。組織⻑に

は、「まず部下に感⼼を持って欲しい。」と伝えている。• 能⼒があっても⾃⼰肯定感が低い⼈が多い。企業側が、能⼒や資格を評価して、⾃⼰肯定感を⾼める環

境を作ることが必要。• 公平・公正な評価がなされないと、個⼈のモチベーションは下がる。

(学び直しへの理解)• 学びが評価されない。「その研修が、どうしたら企業の収益向上につながるのか」という発想が⽇本企

業は弱い。組織内で、⼈材育成を⾏う部⾨と評価を⾏う部⾨の⼀体的取組が必要。• 社会⼈⼤学等に通う半数は、職場に隠している。周辺の理解が必要。• 学び直し進めるには、①サポートする環境 > ②お⾦ > ③時間の順で重要。

(適切なタイミングでのアクション)• ⼤企業の⼈材が、40歳前後で市場に出る仕組みが必要。

(活躍の場の設計)• 地⽅の中⼩企業等で経営を経験することは良い学びの場。• ⼤企業からの転職者に期待するのは「改⾰主導リーダー」か「特定⾼度技能⼈材」のいずれか。特にマ

インドセットが重要。

【個⼈】

【企業/社会】

(出典)経済産業省「我が国産業における⼈材⼒強化に向けた研究会」⼈材像WG第5回 資料5

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⼈材育成の課題

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必要な能⼒に関する企業・学⽣の意識のズレ

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出典:経済産業省「大学生の『社会人観』の把握と『社会人基礎力』の認知度向上実証に関する調査」平成21年度

「社会に出て活躍するために必要な能⼒」の認識については、⼤きな相違はない。しかし、「不⾜していると思う能⼒」の認識には、企業と学⽣の間にギャップが⾒られる。産業界が期待している能⼒の『リアリティ』を知ることが必要。

Q.⾃分が既に⾝につけていると思う能⼒は?(対学⽣)学⽣が既に⾝につけていると思う能⼒は?(対企業)

Q.⾃分に不⾜していると思う能⼒は?(対学⽣)学⽣に不⾜していると思う能⼒は?(対企業)

粘り強さチームワーク⼒

(学⽣の認識)「⼗分出来ている」(企業の認識)「まだまだ⾜りない」

ビジネスマナー

主体性コミュニケーション⼒

語学⼒

PCスキル業界の専⾨知識

(学⽣の認識)「まだまだ⾜りない」(企業の認識)「出来ている(これからで良い)」

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新規学卒就業者のうち3年以内に離職した者の割合(平成25年3⽉卒業者)

七・五・三問題 新規学卒就業者の卒業後3年以内離職率は、概ね中学で7割、⾼校で

5割、⼤学で3割の⽔準で推移している。 景気動向に関わらず数値が⼤きく変わらないのは、教育と企業の⼈材育成

に構造的なミスマッチがあるからではないか。

(出典)厚⽣労働省「新規学卒者の離職状況(平成25年3⽉卒業者の状況)」

⼤学 31.9%(前年⽐0.4ポイント減)

⾼校 40.9%(同0.9ポイント増)

中学 63.7%(同1.6ポイント減)

中学卒

⾼校卒

短⼤卒

⼤学卒

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(参考)就職したい企業ランキング2017順 位 18年⼤卒(⽂系総合) 18年学卒(理系総合) 中途採⽤第1位 全⽇本空輸(ANA) ソニー トヨタ⾃動⾞第2位 JTBグループ 味の素 グーグル第3位 ⽇本航空(JAL) 資⽣堂 ソニー第4位 三菱東京UFJ銀⾏ 明治グループ 全⽇本空輸(ANA)第5位 東京海上⽇動⽕災保険 サントリーグループ パナソニック第6位 三井住友銀⾏ トヨタ⾃動⾞ 楽天第7位 エイチ・アイ・エス(HIS) 東⽇本旅客鉄道 ⽇本航空(JAL)第8位 みずほフィナンシャルグループ カゴメ Apple Japan第9位 損害保険ジャパン⽇本興亜 アサヒビール サントリーホールディングス第10位 伊藤忠商事 東海旅客鉄道 東⽇本旅客鉄道第11位 資⽣堂 NTTデータ ヤフー第12位 オリエンタルランド パナソニック 武⽥薬品⼯業第13位 ⽇本⽣命 全⽇本空輸(ANA) 三菱商事第14位 博報堂/博報堂DY ⽇⽴制作所 オリエンタルランド第15位 バンダイ オハヨー乳業 本⽥技研⼯業

引⽤:マイナビ「就職企業⼈気ランキング」、DODA「転職⼈気企業ランキング2017」

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⾼等教育機関における25(30)歳以上⼊学者の割合の国際⽐較⽇本の短期⾼等教育機関、「学⼠」課程及び「修⼠」課程における社会⼈⼊学者の割合は、低いものにとどまっている。

出典:OECD Education at a Glance(2016)(諸外国)及び「平成28年度学校基本統計(⽇本)。⽇本の数値は2016年。⽇本以外の諸外国数値については、⾼等教育段階別の初回⼊学者の割合(留学⽣を含まない)。⽇本の数値については、それぞれ①単位⼤学、②学⼠課程、③修⼠課程及び専⾨職学位課程、④博⼠課程として算出(留学⽣を含む)。

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3分の2の働き⼿が、「特定分野のスペシャリスト」を志向。

4.1 

6.5 

6.7 

8.3 

15.6 

18.8 

24.2 

19.1 

39.3 

51.6 

48.7 

36.8 

32.2 

34.6 

23.0 

28.5 

32.5 

41.9 

17.8 

9.7 

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

仕事重視志向

グローバル志向

独⽴志向

異なる職場経験志向

スペシャリスト志向

キャ

リア

パス

に対

する

考え

とても当てはまる どちらかというと当てはまるどちらかというと当てはまらない まったく当てはまらない

問.あなたのキャリアパスに対する考えについて教えてください。

(当てはまるものそれぞれ1つずつ)(n=1307)スペシャリスト志向:67.2%

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将来取り組みたいことは、「趣味や⽣活に関する学び」。 ⼈⽣100年時代を⾒据えて将来取り組みたいことは、「趣味や⽣活に関する

学び」「キャリア⾃律やスキルアップを図る研修」「兼業・副業」の順。 ⼀⽅、「⼤学院進学等のための⾃⼰啓発休業」は最下位。

問.⼈⽣100年時代とも⾔われる中、今後の「社内での活躍」を⾒据えて、将来取り組みたいことをお選びください。(それぞれいくつでも (n=1307)

28.2

23.6

22.7

16.6

16.4

16.1

15.4

14.3

13.8

11.4

8.6

7.4

3.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

趣味や生活に関する学び

キャリア自律やスキルアップを図る研修

兼業・副業

ライフプランを設計する研修

社外コミュニティーへの参加

読書等からの学び

当てはまるものは特にない

業務時間外に通学・通信学習等

OJTによる先輩や同僚からの指導

出向等、困難な職務を体験する修羅場経験

活躍/キャリアチェンジ/定年以降のキャリアを考えたこと…

大学院や留学などへの企業からの派遣

大学院進学等のための自己啓発休業

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半数以上の働き⼿は、講座受講や勉強会などの「社外活動」を何もしていない。問.あなたは現在、次の社外活動をしていますか。当てはまるもの全てお答えください。(いくつでも) (n=1307)

51.3

18.2

11.7

10.8

9.8

8.0

7.9

4.4

3.7

1.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

社外活動はしていない

資格取得等に向けた講座受講など

習い事や趣味の集まり

町内会・PTAなど地域活動

(職業上のスキルや専門的知識と関係のある)セミナー・勉強会参加

(職業上のスキルや専門的知識とは直接関係のない)兼業・副業

(職業上のスキルや専門的知識を活かした)兼業・副業

(職業上のスキルや専門的知識と関係のない)セミナー・勉強会参加

上記以外のボランティア活動

プロボノの活動(職業上のスキルや専門的知識を生かしたボランティア活

動)

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• 企業も個⼈もニーズを感じていない

• サービスを提供しても就職を保証できない(ピント外れの講座を提供)

• 講座を展開してもスケールしない

• 学び直す時間・お⾦がない

• 会社/周囲の理解がない

• 学び直す必要がない(終⾝雇⽤)

• 社会が求める知識を学び直す場がない(学び直しても就職できない)

• 学び直した成果が評価できない

• OJTが基本• 中途採⽤者の育成

にコストをかけられない

• ⼥性、リストラ等で⼀時離職した者が必要以上に採⽤されにくい

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社会⼈が学び直さない(リカレント教育が盛んでない)理由 【仮説】

企業 個⼈ サービス事業者⼤学等

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【問い合わせ先】経済産業省産業人材政策室TEL:03-3501-2259

ご清聴ありがとうございました。産業⼈材政策に関する情報はこちらをご覧ください

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