5
日本の住宅の約4割が無断熱状態 産業部門:0.8倍 運 輸 部門:1.8倍 業務部門:2.9倍 新築住宅対策は2020年に省エネ基準 適合義務化に向けた動き 世帯数の増加 30年前の1.5倍に増加 既築住宅を断熱化することが喫緊の課題 家庭部門の消費エネルギーが増加している 既築住宅への対策が必要 家庭部門は40年前に比べ まだまだ多い無断熱状態の住宅 約4割が無断熱住宅 2倍に増加 (それぞれ40年前と比較) 出所:統計データ、事業者アンケート等により推計(平成24年) ※国土交通省作成 1865 2182 2532 2965 3284 3520 3781 4116 4436 4726 4997 5246 5123 6063 6240 0.96 0.97 1.01 1.05 1.08 1.10 1.11 1.11 1.13 1.14 1.15 1793 2109 2559 3106 3545 3861 4201 4588 5025 5389 5759 1.16 1.22 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 1958 1963 1968 1973 1978 1983 1988 1993 1998 2003 2008 2013 2030 住宅数 世帯数 1世帯当たり住宅数 ( 万 戸・万世帯) 出所:国土交通省資料、 住宅ストック推計値:一般財団法人ベターリビングサステナブル居住研究センター作成 世帯数推計値:国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計」(2014年4月推計) (年度) 平成11年 基 準 5% 平成4年基準 19% 平成4年基準 19% 昭和55年基準 37% 無断熱 39% 1973 1977 1981 1985 1989 1993 1997 2001 2005 2009 2013 7,500 5,000 2,500 0 600 500 400 300 200 100 0 (兆円、2005年価格) (年度) (原油換算万kℓ) 実質GDP 2.5倍 1973 → 2013 出所:「長期エネルギー需給見通し」より作成

日本の住宅の約4割が無断熱状態...日本の住宅の約4割が無断熱状態 産業部門:0.8倍 運輸部門:1.8倍 業務部門:2.9倍 新築住宅対策は2020年に省エネ基準

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Page 1: 日本の住宅の約4割が無断熱状態...日本の住宅の約4割が無断熱状態 産業部門:0.8倍 運輸部門:1.8倍 業務部門:2.9倍 新築住宅対策は2020年に省エネ基準

日本の住宅の約4割が無断熱状態

産業部門:0.8倍運輸部門:1.8倍業務部門:2.9倍

新築住宅対策は2020年に省エネ基準適合義務化に向けた動き

世帯数の増加30年前の1.5倍に増加

既築住宅を断熱化することが喫緊の課題

家庭部門の消費エネルギーが増加している

既築住宅への対策が必要

家庭部門は40年前に比べ

まだまだ多い無断熱状態の住宅約4割が無断熱住宅

2倍に増加(それぞれ40年前と比較)

出所:統計データ、事業者アンケート等により推計(平成24年)※国土交通省作成

1865 2182 2532 2965 3284 3520 3781 4116 4436 4726 4997 5246 5123

6063 6240

0.96 0.971.01 1.05 1.08 1.10 1.11 1.11 1.13 1.14 1.15

17932109

25593106

35453861

42014588

5025 5389 5759 1.161.22

0.0

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1.0

1.2

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0

1000

2000

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4000

5000

6000

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1958 1963 1968 1973 1978 1983 1988 1993 1998 2003 2008 2013 2030

住宅数 世帯数 1世帯当たり住宅数

(万戸・万世帯)

出所:国土交通省資料、   住宅ストック推計値:一般財団法人ベターリビングサステナブル居住研究センター作成   世帯数推計値:国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計」(2014年4月推計)

(年度)

平成11年基準5%

平成4年基準19%

平成4年基準19%

昭和55年基準37%

無断熱39%

1973 1977 1981 1985 1989 1993 1997 2001 2005 2009 2013

7,500

5,000

2,500

0

600

500

400

300

200

100

0

(兆円、2005年価格)

(年度)

(原油換算万kℓ)

実質GDP

2.5倍1973→2013

出所:「長期エネルギー需給見通し」より作成

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断熱化で健康性向上

家庭内での事故による死亡がこの20年間で増加しています。この中には“ヒートショック”によるものが含まれている、と言われています。

より快適で、より健康な住まいを実現していくヒートショックへの対策

さまざまな症状の改善に寄与

壁や窓の結露を改善

● 断熱性能が低い住宅は、冬の暖房時の部屋間の温度差が  大きく、ヒートショックのリスクが高いと言われています。  また、夏場の住宅内での熱中症への影響についても言わ  れています。

断熱化し、温度差を小さくすることでヒートショックのリスクを軽くすることにつながります。

● 高断熱化住宅に住むことで、さまざまな健康改善の  効果が見られます。

断熱住宅に住むことで、体調不良の改善率が高くなります。

断熱化することで結露の発生を抑え、健康な住まいを実現できます。

断熱性能の低い住宅で暖房

冷えている窓や壁に室内の水蒸気が結露

血圧の急激な上昇・下降ヒートショック

急な温度変化

カビ・ダニの増殖

1995

出所:厚生労働省 人口動態統計 , 2012 年度

出所:岩前篤:断熱性能と健康,   日本建築学会 第 40 回 熱シンポジウム講演会,2010.10

この20 年間で、交通事故死が減少しているのに対し、家庭内事故死は増加する一方。超高齢化する社会と、住宅の断熱性能の低さが大きく影響している。

(年 )

16000

12000

8000

4000

0

2003 2012

不慮の事故死亡数(人)

中毒  火災  窒息  転倒・転落  溺死その他(熱中症死を含む)交通事故死は年々減少 家庭

内事故は年々上昇

増加し続ける家庭内事故

転居前 転居後アレルギー性鼻炎 28.9%→

→→→→→→→→→

21.0%アレルギー性結膜炎 13.8% 9.3%高血圧症 8.6% 3.6%アトピー性皮膚炎 7.0% 2.1%気管支喘息 6.7% 4.5%関節炎 3.9% 1.3%肺 炎 3.2% 1.2%糖尿病 2.6% 0.8%心疾患 2.0% 0.4%脳血管疾患 1.4% 0.2%

■ 高断熱住宅による健康改善効果

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断熱化で暖冷房コストを削減

住宅の断熱性能が向上することによって、暖冷房の効きがよくなり、省エネルギー・暖冷房費の削減につながります。

暖冷房費の削減効果

断熱改修にかかるコスト※金額は材料費・工事費の合計。ただし、計上されていない費目があります。

λ値(熱伝導率):材料の熱の伝わりやすさを表す値(値が小さいほど、熱の伝わりが少なく、断熱性能が高い)R値(熱抵抗値):材料の熱の伝わりにくさを表す値(値が大きいほど、熱が伝わりにくく、断熱性能が高い)U値(熱貫流率):部位の熱の伝わりやすさを表す値(値が小さいほど、熱の伝わりが少なく、断熱性能が高い)※モデルプラン:住宅事業主の判断基準のモデルプラン(2階建て 延べ床面積120.08㎡)。部分改修は主たる居室のみとし、約30㎡と想定したもの。※実際の工事内容によって費用は変動します。

使用した建材の性能値 λ値=0.041以下 R値=2.7以上 λ値=0.041以下 λ値=0.041以下 U値=2.33以下

床面積あたりの改修コスト(円/㎡) 約4,000円/㎡ 約5,000円/㎡ 約9,000円/㎡ 約10,000円/㎡

モデルプラン(※)での全体改修コスト(円) 約47万円 約61万円 約106万円 約118万円

モデルプランでの部分改修コスト(円) 約11万円 約15万円 約26万円 約29万円

天 井 床 外 壁 窓

これらの組み合わせで1/3が

補助対象に!

出所:低炭素社会に向けた住まいと住まい方推進会議   一定の仮定を置いた試算です。地域等により年間暖冷房費は異なります。備考:住宅の省エネルギー基準とはエネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)に   基づき住宅の断熱性等の基準を定めたものです。昭和55年に初めて制定され、平成4年、   平成11年、平成25年に改正されています。平成25年改正では省エネルギー性能の評価   方法が変更になりましたが、求められる断熱建材の性能は平成11年基準と同水準です。

22

3239

5660

50

40

30

20

10

0昭和55年以前

年間暖冷房費▶

昭和55年基準 平成4年基準 平成11年基準

(GJ/年・戸)

約5割低減

・ 熱の出入りの約9割は外皮(躯体)から・ 住宅自体を断熱化することで、 消費エネルギーの削減につながります。

断熱化は省エネルギーに大きく貢献

夏 屋根11%

換気6%

外壁7%開口部 73%開口部 73%

床 3%

夏の冷房時(昼)に開口部から熱が入る割合

これまでの「高性能建材導入促進事業」の補助金交付実績より、部位別の断熱改修(高性能建材の導入)にかかる平均費用を算出

73%

暖房23.1%

冷房2.6%

動力・照明他37.8%

厨房8.7%

給湯27.8%

平成25年度35,960×106J/世帯

冬の暖房時の熱が開口部から流出する割合 58%

冬 屋根 5%

換気15%

外壁15%開口部 58%開口部 58%

床 7%

約133,000円/年 約92,000円/年 約75,000円/年 約52,000円/年

出所:資源エネルギー庁「エネルギー白書」2015

断熱リフォームで、暖冷房費が約半分に

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既築住宅の断熱改修を支援

既築住宅の断熱改修を補助

平成27年度補正予算額

住宅省エネリノベーション促進事業

戸建住宅において断熱改修を同時に行う場合、以下の設備の導入費用を支援

住宅の窓・断熱材等の外皮改修、集合住宅の窓の改修

<事業の概要>

・高性能な断熱材、窓等を用いた断熱改修を支援・戸建て住宅においては、断熱改修と同時に高性能※な 家庭用設備(給湯設備等)の入れ替えも支援

家庭用蓄電池 高効率給湯設備 等

ガラスの交換 窓の取り換え 天井・壁・床等の断熱改修

※ トップランナー制度対象設備の場合はトップランナー基準以上を対象とする

100億円

補助金を活用して、断熱改修をすることで、様々なメリットが生まれます。

断熱改修工事の約1/3を支援!

健康性の向上やより快適なくらしの実現!

年間の暖冷房費の削減!

戸建て住宅の断熱改修イメージ

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建材トップランナー制度の導入

自らエネルギーを使用しない分野に初めてのトップランナー制度

建材トップランナー制度の必要性

建材トップランナー制度の対象建材と目標基準値

エネルギーを消費する機械器具がトップランナー制度の対象(自動車やエアコン等)

<断熱材>

<窓>

住宅の断熱性能向上には、熱が出入りする外皮(開口部・天井・壁・床)の断熱が絶対不可欠

建材の高性能化により、住宅の消費エネルギー量削減を実現

熱伝導率:熱の伝わりやすさを示す指標。数値が小さいほど断熱性能が良い

目標基準値:複層ガラスは中空層厚みに応じて設定。サッシは窓面積に応じて設定。      また引き違いの他、FIX、上げ下げ、縦すべり出し、横すべり出しのそれぞれの開閉形式区分ごとに別途設定

自らエネルギーを消費しないが、エネルギー消費に影響を与える建築材料をトップランナー制度に

〈 建材トップランナー制度 〉

断熱材・窓の技術革新を促進 住宅の断熱性能の底上げ

いままで

※目標年度は2022年度

サッシ

アルミサッシ(単板・複層ガラス) アルミ樹脂複合サッシ 樹脂サッシ

複層ガラス

複層ガラス Low-E複層ガラス封着材

スペーサー乾燥剤

乾燥中空層

1枚ガラス 1枚ガラス

乾燥剤

Low-E膜

乾燥中空層

スペーサー

封着材

建材トップランナー制度対象建材

目標基準値(熱伝導率[W/(m・K)]) 0.04156

ロックウール断熱材

0.03781

押出法ポリスチレンフォームグラスウール断熱材

0.03232