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化学気相堆積装置(CVD(株)サムコ PD-10C 操作マニュアル 第4版 2018 5 東京工業大学 未来産業技術研究所 メカノマイクロプロセス室 * 本装置の操作に必要な条件:入室講習を終了していること

化学気相堆積装置(CVD (株)サムコ PD-10C化学気相堆積装置(CVD) (株)サムコ PD-10C 操作マニュアル 第4版 2018 年5 月 東京工業大学 未来産業技術研究所

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化学気相堆積装置(CVD)

(株)サムコ PD-10C 操作マニュアル

第 4 版 2018 年 5 月

東京工業大学 未来産業技術研究所

メカノマイクロプロセス室

* 本装置の操作に必要な条件:入室講習を終了していること

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はじめに

本装置はプラズマCVD装置として,TEOS(テトラエトキシシラン)を用いて酸化シリコン(SiO2)の

成膜を行う装置である.また,フッ素系プラズマによるエッチング,酸素プラズマによるアッシングや

表面処理を行うことができる装置である.

本マニュアルでは,装置概要,装置立ち上げ,成膜,終了の順に示し,つづいて,アッシング・エッチ

ングに手順について示してあります.

* 装置の音や振動等を聞く習慣を身につけることで,異常の早期発見に対応して下さい.

* ガス,シリンダ(ボンベ),レギュレータの取り扱いについては,「特殊ガス・薬品類」のマニュ

アル参照のこと.

* 装置の異常や故障を発見した場合や,ガス残量が少なくなってきた場合には下記まで連絡してくだ

さい.

担当者:技術部 マイクロプロセス部門 技術職員 長谷部 浩一

R2 A-203 内線 5074 [email protected]

* 製造会社連絡先

株式会社 サムコ

TEL:03-3492-3891 FAX:03-3495-5796

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1. 装置概要

製造会社:株式会社サムコ

名称:液体ソース・プラズマ CVD 装置

型式:型式 PD-10C

本装置は主に装置本体,真空ポンプ,ガス類,排ガス処理装置からなる.装置本体(写真1)には、

成膜が行われる反応器,各弁の開閉を行うためのコントロールパネル,TEOS 配管ヒータ用のコント

ロールパネルがある.

反応室と配管の排気には,ロータリポンプ(RP)とメカニカルブースタポンプ(MBP)により行

われる.これらのポンプは装置の裏側に置かれている(写真2).MBP は成膜時(0.5Torr 以下)に

排気流量を大きくするための装置であり、0.5Torr 以上の圧力で作動させてはならない.RP の油はオ

イルフィルタで常時濾されて循環している.

装置に用いるガスは,成膜用の TEOS と酸素,反応室内に付着した膜やパーティクルを除去する

ための六フッ化エタン(C2F6),排ガス希釈や反応室内を大気圧に戻すための窒素,装置の弁等を作

動させるための圧縮空気がある.TEOS は装置本体内部の高温槽内に置かれ、常時ヒータで 80℃に

加温されている.排ガス処理装置は,ポンプから排気された有害物質を含むガスを無害化する.(RIE

と共通)冷却水は反応室の温度制御ならびに反応室から他の部分に伝わる熱を遮断する.

ガス

コントロールパネル 反応器

TEOS ヒータ

写真1 装置本体

写真2 装置裏側(ポンプ類,冷却水バルブ)

メカニカルブースタポンプ ロータリ

ポンプ

冷却水バルブ

オイルフィルタ

成膜編

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2.起動 *下線部が行う部分

1) TEOS ヒータの確認(写真 3)

*TEOS 用ヒータは常時 ON であり、所定の温度になっているか確認する。TEOS 恒温槽はヒー

タパネルの下にあり TEOS を高温にすることで TEOS を気化させる.常時加温することで,弁,配管

内での TEOS 凝集による配管および弁の詰まりを防ぎ、安定した流量を供給することができる.所定

の温度でない場合は,ヒータブレーカおよびヒータスイッチが ON になっているか確認する.

恒温槽雰囲気:80℃,MFC ヒータ:80℃,タンクヒータ:80℃,配管ヒータ:90℃

2) 装置外周,補機類および除害剤の確認

装置外周に異常がないか確認する.メンテナンス中などの記載がある場合は注意すること.

3) 窒素ガスのバルブを開ける.(反時計回りに 90 度)レギュレータで供給圧力を確認(0.1MPa)

圧縮空気のバルブを開ける.(反時計回りに 90 度)(写真4)

4) 冷却水のバルブを開ける.(反時計回りに 45 度程度)(写真2)

5) 装置のブレーカを ON する.(装置左側面の 2 箇所)(写真5)

6) 装置前面コントロールパネルのメインスイッチを ON する.

写真3 TEOS ヒータパネル

設定値

現在値

ヒータスイッチ

ヒータブレーカ(常時ON)

写真4 圧縮空気,窒素バルブ

圧縮空気 窒素

使用禁止

写真5 装置ブレーカ(2箇所),ガスシリンダ

ガスシリンダ(左 C2F6,右 O2)

装置ブレーカ

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3.加工ガス配管のガス引き,およびガス供給 配管のガス引きはガスラインに残った C2F6および O2ガスの除去のため行う

1) シリンダの元栓を閉める(写真6.1).(C2F6,O2両方) 2) レギュレータの圧力調整弁を閉める(左に回して緩める). 3) レギュレータの下流供給圧力が 0.1MPa 以下であることを確認する. 4) レギュレータの締切弁を開ける.(開ける(閉じる)時は必ず 後まで回す.OPEN(SHUT)が

見えて止めると弁が 後まで開いてない(閉じてない)状態)

5) バルブの状態を確認する(写真6.2)(C2F6のラインのみバルブが(元栓ではない)開いている状態)

装置供給圧力

シリンダ圧力

シリンダ元栓

圧力調整弁 締切弁

写真6.1 レギュレータとシリンダ

UV オゾン装置で使用して

いるため触らない

C2F6のライン

CF4のライン CHF3のライン

バルブ閉

バルブ開

写真6.2 各種シリンダ

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5) コントロールパネルのロータリーポンプ(RP)を ON する.(写真7,8)

6) 自動圧力調整機(APC)のモードを OPEN にする.

7) ベルジャーバルブ(BV)を ON する.

8) 反応室内の圧力が 0.5Torr 以下になるまで待つ.

9) パージバルブ(PV)を ON し,排ガス希釈の為の窒素を流す.

*以下の工程を六フッ化エタン(C2F6)ラインと酸素ラインについて行う.

10)ガスバルブを開ける.(GV13:C2F6,または GV14:O2)

11)10)で開けたガスに対応した流量調整ポテンショメータを開ける(ダイヤル 500 程度)

12)対応するレギュレータの供給側圧力を確認し,負圧になったら,レギュレータの締切弁を閉める.

13)流量計でガスの流量がゼロ程度(+1%程度)になるまで待ち、ゼロになったらポテンショの

ダイヤルをゼロに戻す.

14)ガスバルブを閉める.(GV13 または GV14) 10)に戻る.両方終わったら次に進む.

写真8 コントロールパネル下部

写真7 コントロールパネル上部

ロータリポンプ

(RP)

ベルジャー

バルブ(BV)

リークバルブ

(LV)

ガ ス バ ル ブ

(GV)

TEOS バルブ

パージバルブ

(PV)

メカニカルブースタ

ポンプ(MBP)

真空計

自動圧力調整器

(APC)

モード切替

スイッチ

AUTO モード中の

圧力調整ダイヤル

流量調整器

ヒータスイッチ RF スイッチ

RF ダイヤル

RF タイマー

装 置 電 源

スイッチ 電極ヒータ

上:測定値

下:設定値

ポテンショ

メータ

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ガス供給

1)ガスバルブが閉まっていることを確認する.(GV13,GV14)

2)流量調整機のポテンショメータがゼロであることを確認する.

3)レギュレータの締切弁が閉まっていることを確認する.

4)レギュレータの圧力調整弁が閉まっている(左に回って緩んでいること)ことを確認する.

5)ガスシリンダの元栓を開ける(元栓を一~二回転くらい回す)

6)レギュレータの圧力調整ダイヤルを右へ回し、装置供給圧力を 0.1MPa にする.

7)レギュレータの締切弁を開ける.

*C2F6および O2の両方行う(1-7)

4.成膜前のチャンバークリーニング 成膜前のチャンバークリーニングは,チャンバー内に付着している膜やパーティクルを除去するため

に行う.本プロセスでは,六フッ化エタンと酸素のプラズマにより,チャンバー内に付着した膜をエッチ

ングする.クリーニングはチャンバーが室温の時に行うこと.高温で行うと余計にパーティクルが付着

してしまう.

1)ベルジャーバルブ(BV)が OPEN,自動圧力調整機のモードが OPEN,パージバルブ(PV)が OPEN

であり,反応室内の圧力が 0.5Torr 以下であることを確認する.0.5Torr 以上の場合は待つこと.

2)反応室内の圧力が 0.5Torr 以下であることを確認し,メカニカルブースタポンプを(MBP)ON する.

3)反応室内の圧力が 0.05Torr 以下になるまで待つ.

4)C2F6のガスバルブ(GV13)を開ける.

5)C2F6のポテンショを回して流量を 30sccm(ダイヤルで 600)に設定する.

6)O2のガスバルブ(GV14)を開ける.

7)O2のポテンショを回して流量を 20sccm(ダイヤルで 40)に設定する.

8)所定の流量が流れていることを確認し,自動圧力調整機のモードを AUTO にする.(自動モード

では、設定した反応室内の圧力になるよう調整されている(標準 0.4Torr). 変更する場合は、ロッ

クを解除しダイヤルを回す)

9)反応室内の圧力が所定の圧力で安定するまで1~2分程度待つ.

10)高周波電源のタイマー(RF-Timer)を 20 分にセットする.

11)高周波電源の出力を 300W に調整する.

12)RF スイッチ(RF)を ON する.(再度押すと OFF になる)

13)FWD(進行波電力)が 300W,REF(反射波電力)が 0W 程度であることを確認する.

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14)反応室の観察窓にあるシャッターを開けてプラズマを確認する.(確認後シャッターを忘れずに閉

めること)*プラズマが生成されない場合は以下の確認を行うこと.

・ガスの元栓が開いているか確認(1回転以上)

・圧力調整弁の供給側圧力が 0.1MPa であることおよび、締切弁が 後まで開いているか確認

・ポテンショのダイヤルが設定値であることおよび、所定のガスバルブが開いているか確認

・自動圧力調整機のモードが AUTO であり,設定圧力が 0.4Torr であるか確認.低い場合はダイヤルの

ロックを外して,0.4Torr にする.(MBP を ON してないと圧力は下がらない)

・装置右下にあるパネルを開けて RF 電源の REMOTE CONTROL,REMOTE SIGNAL の二つのラン

プが点灯しているか確認する.両方点灯していない場合はボタンを何度か押すことで点灯する.(写真 9)

15)RF 電源を ON してから 15 分経過時にガスバルブ(G13)を閉め,C2F6の流量調整ポテンショを

ゼロに戻し,C2F6の導入を止める.

16)C2F6の導入停止後,O2の流量調整器を回し O2の流量を 40sccm に設定する.

17)設定時間経過後に RF 電源は自動で OFF になる.その際、ガスの導入は自動で停止しないため,

必ず装置の側にいること.

18)RF 電源が OFF になったらガスバルブ(GV14)を閉め,O2の流量調整ポテンショをゼロに戻し,O2

の導入を止める.

19)自動圧力調整器のモードを OPEN にする.

20)反応室内の圧力が 0.05Torr 以下になるまで待つ.0.05Torr 以下になったらベルジャーバルブ(BV)

を閉める.

21)自動圧力調整器のモードを CLOSE にする.

22)メカニカルブースターポンプ(MBP)を OFF にする.

23)パージバルブ(PV)を閉める.

二つとも点灯して

いることを確認

ここを点灯するま

で何度か押す

装置上にあるマイナス

ドライバーでまわす

写真9 RF 電源

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5.試料のセット,取り出し 1)ベルジャーバルブ(BV)が閉まっていることを確認する.

2)自動圧力調整器(APC)のモードが CLOSE になっていることを確認する.

3)メカニカルブースターポンプ(MBP)が止まっていることを確認する.

4)リークバルブ(LV)を開ける.(反応室内に窒素ガスが導入される)*1~2分程度で大気

5)反応室が大気圧になった後,チャンバーの取っ手を持ち上げてチャンバーを開放する.上端まで

開けるとアーム部のラチェットによって蓋はロックされるので,ゆっくりと手を離す(写真10).

(開かない場合は,反応室内の圧力が大気圧よりも低いのでしばらく待つ.重いのでゆっくりと開け

ること.熱いのでヒータ加熱時は耐熱手袋着用のこと)

6)リークバルブ(LV)を閉める.

7)試料をセットする場合,反応室内と O リングを清掃する.(写真11)*ヒータ加熱時は注意.

8)試料をセットする(または取り出す).(3インチウェハ全体を成膜する場合は,装置右下のパネル内

にある石英の冶具を利用すると成膜が均一になりやすい.)

9)チャンバーの蓋を閉める.(左右の支えのロックを上にスライドさせ,チャンバーを持ち上げるとロ

ックがはずれ蓋を閉めることができる.(写真12)

写真10 反応器蓋の開け方

写真11 反応器内の清掃と試料のセット

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10)リークバルブが閉じていることを確認し,反応室内を真空排気する.(ベルジャーバルブ OPEN,

自動圧力調整器 OPEN)

6.成膜 1)反応室が真空排気されていることを確認する.(ベルジャーバルブ OPEN,自動圧力調整器 OPEN)

2)メカニカルブースタポンプが ON されている場合は OFF にする.

3)反応室内の上部ヒータと下部ヒータを ON する.(設定:上 350℃,下 300℃,変更する場合は SET

ボタンを押し、上下で設定温度を変更する.なお、設定値を測定値よりも低い温度にすると(-20℃

程度)ヒータの過昇温と認識してアラームが鳴るので注意すること。その際は一度ヒータを OFF に

して、設定値よりも低くなってから再度 ON する。アラームはリセットボタンで解除される)設定

温度に安定するまで 2 時間程度かかる.

4)上下ヒータが設定温度で安定した後,反応室内の圧力が 0.5Torr 以下であることを確認してメカニカ

ルブースターポンプ(MBP)を ON する.

5)反応室内の圧力が 0.02Torr 程度であることを確認し排ガス希釈のためのパージバルブ(PV)を開く.

6)O2のガスバルブ(GV14)を開ける.

7)O2の流量調整ポテンショを回して所定の流量を導入する.(参考 20sccm,ポテンショ 40)

8)O2の流量が所定の流量か確認する.

9)TEOS の流量調整器のポテンショを回して所定の流量に設定する.(参考 0.7sccm,ポテンショ 14)

10)ガスバルブ1(GV1)を開け,10 秒後にガスバルブ 3(GV3)を開けて反応室内に TEOS を導入

する.

11)TEOS の流量が所定の流量か確認する.

12)自動圧力調整器のモードを AUTO にする.

写真12 反応器の閉め方

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13)反応室内の圧力が所定の圧力に安定するまで待つ(2~3分).*0.2Torr 以下に設定するとプラ

ズマが着火しない場合がある.その場合は一度 0.4Torr 程度でプラズマを着火させて,その後ダイ

ヤルを回して圧力を低くする.

14)高周波電源のタイマー(RF-Timer)を所定の時間にセットする.

15)RF スイッチ(RF)を ON する.再度押すと OFF になる)

16)進行波電力が所定の値、および反射波電力がおよそ 0W であることを確認する.

17)反応器の観察窓からプラズマが発生していることを確認する.(確認後閉め忘れないように)

*プラズマが発生しない場合は4.チャンバークリーニングの項目(17ページ)を参照.

18)タイマー設定による終了 5 分前になったらガスバルブ 3(GV3)を閉め、10 秒後にガスバルブ

1(GV1)を閉めて TEOS の導入を止める.残りの 5 分間は O2 だけでプラズマを発生させる.5 分以

内の短い成膜などでは O2プラズマだけのプロセスは行わなくても良い.

19)タイマーが切れた後、ガスバルブ(GV14)を閉め、O2の導入を止める.

20)TEOS,O2の流量調整器のポテンショをゼロに戻す.

21)自動圧力調整器(APC)のモードを OPEN にして反応器内を十分真空排気する.

22)メカニカルブースタポンプ(MBP)を止める!!

23)メカニカルブースタポンプ(MBP)が停止しているか確認する.

24)反応器内を N2ガスによりパージする.(a)~(c)の手順を2-3回繰り返す.

(a) ベルジャーバルブを閉める.

(b) リークバルブを 1-2 秒間だけ開けて、チャンバー内に N2を供給する.

(c) ベルジャーバルブ(BV)を開けて真空排気を行う.(0.5Torr 程度まで下がったら(a)に戻る)

25)ベルジャーバルブ(BV)を閉める.

26)自動圧力調整器(APC)のモードを CLOSE にする.

27)パージバルブ(PV)を閉める.

28)5.「試料のセット,取り出し」(9 ページ)に従って試料を取り出す.続けて行う場合は再度試料

をセットして繰り返す.

29)ヒータを使用した場合はヒータを OFF する.

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7.終了作業 1)反応室内を真空排気する.(ベルジャーバルブ OPEN,自動圧力調整器 OPEN

2)パージバルブ(PV)を開き排ガス希釈の為の窒素を流す.

3)メカニカルブースタポンプが ON の場合は OFF にする.

4)TEOS の流量調整器、配管内を以下の手順で窒素パージ後排気する.

(a) TEOS の流量調整器の設定を 大にする.

(b) ガスバルブ1(GV1)を開く.

(c) ガスバルブ 2(GV2)を開く.(GV3,GV4 は閉鎖)

(d) 10 秒経過後ガスバルブ 2(GV2)を閉める.

(e) 流量計で TEOS の流量がゼロ程度になるまで待つ.(数分)

(f) TEOS の流量調整器の設定をゼロに戻す.

(g) ガスバルブ 1(GV1)を閉める.

5)使用したガスラインの真空排気を行う.(3.加工ガスの配管の真空排気を参照する)

6)パージバルブ(PV)が開いている場合はパージバルブを OFF にする.

7)ベルジャーバルブ(BV)を閉める.自動圧力調整器(APC)のモードを CLOSE にする.

8)ロータリポンプ(RP)以外のバルブがすべて閉じていることを確認し、ロータリポンプ(RP)を

OFF にする.

9)5 分程度待つ(この間,ポンプのパージが自動で行われる).

10)正面パネルの電源スイッチを OFF にする.

11)装置側面のブレーカを切る(2箇所).

12)圧縮空気と窒素のバルブを閉める.

13)使用簿に記入する.

14)10 分程度たったら冷却水を止める.

15)装置の外周,補機類,排ガス系に以上がないことを確認する.

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1. 装置概要

製造会社:株式会社サムコ

名称:液体ソース・プラズマ CVD 装置

型式:型式 PD-10C

本装置は主に装置本体,真空ポンプ,ガス類,排ガス処理装置からなる.装置本体(写真1)には、

成膜が行われる反応器,各弁の開閉を行うためのコントロールパネル,TEOS 配管ヒータ用のコント

ロールパネルがある.

反応室と配管の排気には,ロータリポンプ(RP)とメカニカルブースタポンプ(MBP)により行

われる.これらのポンプは装置の裏側に置かれている(写真2).MBP は成膜時(0.5Torr 以下)に

排気流量を大きくするための装置であり、0.5Torr 以上の圧力で作動させてはならない.RP の油はオ

イルフィルタで常時濾されて循環している.

装置に用いるガスは,成膜用の TEOS と酸素,反応室内に付着した膜やパーティクルを除去するた

めの六フッ化エタン(C2F6),フッ化膜の堆積に使用する三フッ化メタン(CHF3),Si のエッチングな

どに使用する四フッ化炭素(CF4),および排ガス希釈や反応室内を大気圧に戻すための窒素,装置の弁

等を作動させるための圧縮空気がある.TEOS は装置本体内部の高温槽内に置かれ、常時ヒータで 80℃

に加温されている.排ガス処理装置は,ポンプから排気された有害物質を含むガスを無害化する.(RIE

と共通)冷却水は反応室の温度制御ならびに反応室から他の部分に伝わる熱を遮断する.

ガス

コントロールパネル 反応器

TEOS ヒータ

写真1 装置本体

写真2 装置裏側(ポンプ類,冷却水バルブ)

メカニカルブースタポンプ ロータリ

ポンプ

冷却水バルブ

オイルフィルタ

エッチング・アッシング編

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2.起動 *下線部が行う部分

1) TEOS ヒータの確認(写真 3)

*TEOS 用ヒータは常時 ON であり、所定の温度になっているか確認する。TEOS 恒温槽はヒー

タパネルの下にあり TEOS を高温にすることで TEOS を気化させる.常時加温することで,弁,配管

内での TEOS 凝集による配管および弁の詰まりを防ぎ、安定した流量を供給することができる.所定

の温度でない場合は,ヒータブレーカおよびヒータスイッチが ON になっているか確認する.

高温槽雰囲気:80℃,MFC ヒータ:80℃,タンクヒータ:80℃,配管ヒータ:90℃

2) 装置外周と補機類の確認

装置外周に異常がないか確認する.メンテナンス中などの記載がある場合は注意すること.

3) 窒素ガスのバルブを開ける.(反時計回りに 90 度)レギュレータで供給圧力を確認(0.1MPa)

圧縮空気のバルブを開ける.(反時計回りに 90 度)(写真4)

4) 冷却水のバルブを開ける.(反時計回りに 45 度程度)(写真2)

6) 装置のブレーカを ON する.(装置左側面の 2 箇所)(写真5)

6) 装置前面コントロールパネルのメインスイッチを ON する.

写真3 TEOS ヒータパネル

設定値

現在値

ヒータスイッチ

ヒータブレーカ(常時ON)

写真4 圧縮空気,窒素バルブ

圧縮空気 窒素

使用禁止

写真5 装置ブレーカ(2箇所),ガスシリンダ

ガスシリンダ(左 C2F6等,右 O2)

装置ブレーカ

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3.加工ガス配管のガス引き,およびガス供給 配管のガス引きはガスラインに残ったガスの除去のため行う

1) シリンダの元栓を閉める(写真6). 2) レギュレータの圧力調整弁を閉める(左に回して緩める). 3) レギュレータの下流供給圧力が 0.1MPa 以下であることを確認する. 4) レギュレータの締切弁を開ける.(開ける(閉じる)時は必ず 後まで回す.OPEN(SHUT)が

見えて止めると弁が 後まで開いてない(閉じてない)状態)

5) コントロールパネルのロータリーポンプ(RP)を ON する.(写真7,8)

6) 自動圧力調整機(APC)のモードを OPEN にする.

7) ベルジャーバルブ(BV)を ON する.

8) 反応室内の圧力が 0.5Torr 以下になるまで待つ.

9) パージバルブ(PV)を ON し,排ガス希釈の為の窒素を流す.

*以下の工程を六フッ化エタン(C2F6)のラインと酸素ラインについて行う.

10)ガスバルブを開ける.(GV13:C2F6,または GV14:O2)

11)10)で開けたガスに対応した流量調整ポテンショメータを開ける(ダイヤル 500 程度)

12)対応するレギュレータの供給側圧力を確認し,負圧になったら,レギュレータの締切弁を閉める.

13)流量計でガスの流量がゼロ程度(+1%程度)になるまで待ち、ゼロになったらポテンショの

ダイヤルをゼロに戻す.

装置供給圧力

シリンダ圧力

シリンダ元栓

圧力調整弁 締切弁

写真6 レギュレータとシリンダ

UV オゾン装置で使用して

いるため触らない

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14)ガスバルブを閉める.(GV13 または GV14) 10)に戻る.両方終わったら次に進む.

ガス供給

1)ガスバルブが閉まっていることを確認する.(GV13,GV14)

2)流量調整機のポテンショメータがゼロであることを確認する.

3)レギュレータの締切弁が閉まっていることを確認する.

4)レギュレータの圧力調整弁が閉まっている(左に回って緩んでいること)ことを確認する.

5)ガスシリンダの元栓を開ける(元栓を一~二回転くらい回す)

6)レギュレータの圧力調整ダイヤルを右へ回し、装置供給圧力を 0.1MPa にする.

7)レギュレータの締切弁をゆっくり開ける.

写真8 コントロールパネル下部

写真7 コントロールパネル上部

ロータリポンプ

(RP)

ベルジャー

バルブ(BV)

リークバルブ

(LV)

ガ ス バ ル ブ

(GV)

TEOS バルブ

パージバルブ

(PV)

メカニカルブースタ

ポンプ(MBP)

真空計

自動圧力調整器

(APC)

モード切替

スイッチ

AUTO モード中の

圧力調整ダイヤル

流量調整器

ヒータスイッチ RF スイッチ

RF ダイヤル

RF タイマー

装 置 電 源

スイッチ 電極ヒータ

上:測定値

下:設定値

ポテンショ

メータ

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*C2F6および O2の両方行う(1-7)

4.エッチング・アッシング前のチャンバークリーニング チャンバークリーニングは,チャンバー内に付着している膜やパーティクルを除去するために行う.

本プロセスでは,六フッ化エタン(C2F6)と酸素のプラズマにより,チャンバー内に付着した膜をエッ

チングする.クリーニングはチャンバーが室温の時に行うこと.高温で行うと余計にパーティクルが付

着してしまう.(直前の使用者が CVD の場合,エッチング条件でプロセスしても汚染が進むので注意)

1)ベルジャーバルブ(BV)が OPEN,自動圧力調整機のモードが OPEN,パージバルブ(PV)が OPEN

であり,反応室内の圧力が 0.5Torr 以下であることを確認する.0.5Torr 以上の場合は待つこと.

2)反応室内の圧力が 0.5Torr 以下であることを確認し,メカニカルブースタポンプを(MBP)ON する.

3)反応室内の圧力が 0.05Torr 以下になるまで待つ.

4)C2F6のガスバルブ(GV13)を開ける.

5)C2F6のポテンショを回して流量を 30sccm(ダイヤルで 600)に設定する.

6)O2のガスバルブ(GV14)を開ける.

7)O2のポテンショを回して流量を 20sccm(ダイヤルで 40)に設定する.

8)所定の流量が流れていることを確認し,自動圧力調整機のモードを AUTO にする.(自動モードで

は、設定した反応室内の圧力になるよう調整されている(標準 0.4Torr).

変更する場合は、ロックを解除しダイヤルを回す)

9)反応室内の圧力が所定の圧力で安定するまで1~2分程度待つ.所定の流量と圧力であること確認

10)高周波電源のタイマー(RF-Timer)を 20 分にセットする.

11)高周波電源の出力を 100W に調整する.(チャンバ温度上昇を気にしない場合は 300W 程度)

12)RF スイッチ(RF)を ON する.(再度押すと OFF になる)

13)FWD(進行波電力)が 100W,REF(反射波電力)が 0W 程度であることを確認する.

14)反応室の観察窓にあるシャッターを開けてプラズマを確認する.(確認後シャッターを忘れずに閉

めること)*プラズマが生成されない場合は以下の確認を行うこと.

・ガスの元栓が開いているか確認(1回転以上)

・圧力調整弁の供給側圧力が 0.1MPa であることおよび、締切弁が 後まで開いているか確認

・ポテンショのダイヤルが設定値であることおよび、所定のガスバルブが開いているか確認

・自動圧力調整機のモードが AUTO であり,設定圧力が 0.4Torr であるか確認.低い場合はダイヤルの

ロックを外して,0.4Torr にする.(MBP を ON してないと圧力は下がらない)

・装置右下にあるパネルを開けて RF 電源の REMOTE CONTROL,REMOTE SIGNAL の二つのラン

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プが点灯しているか確認する.両方点灯していない場合はボタンを何度か押すことで点灯する.(写真 9)

15)RF 電源を ON してから 15 分経過時にガスバルブ(G13)を閉め,C2F6の流量調整ポテンショを

ゼロに戻し,C2F6の導入を止める.

16)C2F6の導入停止後,O2の流量調整器を回し O2の流量を 40sccm に設定する.

17)設定時間経過後に RF 電源は自動で OFF になる.その際、ガスの導入は自動で停止しないため,

必ず装置の側にいること.

18)RF 電源が OFF になったらガスバルブ(GV14)を閉め,O2の流量調整ポテンショをゼロに戻し,O2

の導入を止める.

19)自動圧力調整器のモードを OPEN にする.

20)反応室内の圧力が 0.05Torr 以下になるまで待つ.0.05Torr 以下になったらベルジャーバルブ(BV)

を閉める.

21)自動圧力調整器のモードを CLOSE にする.

22)メカニカルブースターポンプ(MBP)を OFF にする.

23)パージバルブ(PV)を閉める.

二つとも点灯して

いることを確認

ここを点灯するま

で何度か押す

装置上にあるマイナス

ドライバーでまわす

写真9 RF 電源

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5.試料のセット,取り出し 1)ベルジャーバルブ(BV)が閉まっていることを確認する.

2)自動圧力調整器(APC)のモードが CLOSE になっていることを確認する.

3)メカニカルブースターポンプ(MBP)が止まっていることを確認する.

4)リークバルブ(LV)を開ける.(反応室内に窒素ガスが導入される)*1~2分程度で大気圧

5)反応室が大気圧になった後,チャンバーの取っ手を持ち上げてチャンバーを開放する.上端まで

開けるとアーム部のラチェットによって蓋はロックされるので,ゆっくりと手を離す(写真10).

(開かない場合は,反応室内の圧力が大気圧よりも低いのでしばらく待つ.重いのでゆっくりと開け

ること.ヒータ加熱時は耐熱手袋着用のこと)

6)リークバルブ(LV)を閉める.

7)試料をセットする場合,反応室内と O リングを清掃する.(写真11)*ヒータ加熱時は注意.

8)試料をセットする(または取り出す).(3インチウェハ全体を成膜する場合は,装置右下のパネル内

にある石英の冶具を利用すると成膜が均一になりやすい.)

9)チャンバーの蓋を閉める.(左右の支えのロックを上にスライドさせ,チャンバーを持ち上げるとロ

ックがはずれ蓋を閉めることができる.(写真12)

写真10 反応器蓋の開け方

写真11 反応器内の清掃と試料のセット

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10)リークバルブが閉じていることを確認し,反応室内を真空排気する.(ベルジャーバルブ OPEN,

自動圧力調整器 OPEN)

6.各種プロセス 1)反応室が真空排気されていることを確認する.(ベルジャーバルブ OPEN,自動圧力調整器 OPEN)

2)メカニカルブースターポンプ(MBP)が ON されている場合は OFF にする.

3)使用するガスのガスラインを真空排気する.(例:CHF3,SF6,CF4を使用する場合,C2F6のガスラ

インを真空排気する必要がある.酸素を使用する場合は飛ばして可)(C2F6,SF6,CF4,CHF3は共通の

ガスラインである)(写真 13).真空排気の手順は「3.加工ガスの配管の真空排気ならびにガスの供給」

を参照する.

*バルブ操作は,現在開いているガスライン(例 C2F6)の真空排気を行い(元栓の閉め忘れに注意)バ

ルブを閉じた後,使用するガスライン(SF6,CF4または CHF3)のバルブを開き(矢印の向き)真空排

気を行った後、元栓を開けてレギュレータの圧力調整弁を調整し,締切弁を開けてガスを供給する.

写真12 反応器の閉め方

写真13 各種ガスライン

バルブ閉

C2F6のライン

CF4のライン

CHF3のライン

バルブ閉

バルブ開

SF6のライン

*RIE 横

装置へ

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4)ガスラインの真空排気ならびにガスの供給が終了後,反応室内の圧力が 0.5Torr 以下であることを

確認してメカニカルブースターポンプ(MBP)を ON する.

5)反応室内の圧力が 0.02Torr 程度であることを確認し排ガス希釈のためのパージバルブ(PV)を開く.

6)使用するガスのガスバルブ(GV13 または GV14)を開ける.

7)使用するガスの流量調整ポテンショを回して所定の流量を導入する.

*実際の値と差があるため注意.マスフローコントローラは C2F6で調整されているため,C2F6が 50sccm

と表示されている場合、実際には CF4では約 26.9sccm となり CHF3では,約 25sccm となる.

C2F6の表示が 18.6sccm→CF4だと 10sccm,C2F6が 20sccm の場合→CHF3だと 10sccm となる.

C2F6の表示が 18.6sccm→SF6だと 20sccm *コンバージョンファクターを参照.

8)使用するガスの流量が所定の流量か確認する.

9)自動圧力調整器のモードを AUTO にする.

10)反応室内の圧力が所定の圧力に安定するまで待つ(2~3分).*0.2Torr 以下に設定するとプラ

ズマが着火しない場合がある.その場合は一度 0.4Torr 程度でプラズマを着火させて,その後ダイ

ヤルを回して圧力を低くする.

11)高周波電源の出力を所定の値にセットする.

12)高周波電源のタイマー(RF-Timer)を所定の時間にセットする.

13)RF スイッチ(RF)を ON する.(再度押すと OFF になる)

14)進行波電力が所定の値、および反射波電力がおよそ 0W であることを確認する.

15)反応器の観察窓からプラズマが発生していることを確認する.(確認後閉め忘れないように)

*プラズマが発生しない場合は4.チャンバークリーニングの項目(17ページ)を参照.

16)タイマーが終了後,ガスバルブ(GV13 または GV14)を閉め、ガスの導入を止める.

17)使用したガスの流量調整器のポテンショをゼロに戻す.

18)自動圧力調整器(APC)のモードを OPEN にして反応器内を十分真空排気する.(0.02Torr 程度)

19)メカニカルブースタポンプ(MBP)を止める!!

20)メカニカルブースタポンプ(MBP)が停止しているか確認する.

21)反応器内を N2ガスによりパージする.(a)~(c)の手順を2-3回繰り返す.

(a) ベルジャーバルブ(BV)を閉める.

(b) リークバルブ(LV)を 1-2 秒間だけ開けて、チャンバー内に N2を供給する.

(c) ベルジャーバルブ(BV)を開けて真空排気を行う.(0.5Torr 程度まで下がったら(a)に戻る)

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22)ベルジャーバルブ(BV)を閉める.

23)自動圧力調整器(APC)のモードを CLOSE にする.

24)パージバルブ(PV)を閉める.

25)「5.試料のセット,取り出し」に従って試料を取り出す.続けて行う場合は再度試料をセットし

て繰り返す.

26)ヒータを使用した場合はヒータを OFF する.

7.終了作業 1)反応室内を真空排気する.(ベルジャーバルブ OPEN,自動圧力調整器 OPEN

2)パージバルブ(PV)を開き排ガス希釈の為の窒素ガスを流す.

3)メカニカルブースタポンプが ON の場合は OFF にする.

4)使用したガスラインの真空排気を行う.(「3.加工ガスの配管の真空排気」を参照する)

終了する場合は、写真 13 と同じバルブの位置になるよう戻しておく.(20 ページ参照)

5)パージバルブ(PV)が開いている場合はパージバルブを OFF にする.

6)ベルジャーバルブ(BV)を閉める.自動圧力調整器(APC)のモードを CLOSE にする.

7)ロータリポンプ(RP)以外のバルブがすべて閉じていることを確認し、ロータリポンプ(RP)を

OFF にする.

8)5 分程度待つ(この間,ポンプのパージが自動で行われる).

9)正面パネルの電源スイッチを OFF にする.

10)装置側面のブレーカを切る(2箇所).

11)圧縮空気と窒素のバルブを閉める.

12)使用簿に記入する.

13)10 分程度たったら冷却水を止める.

14)装置の外周,補機類,排ガス系に以上がないことを確認する.

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付録 (1) ガス類

CHF3: 三フッ化メタン,トリフルオルメタン,トリフルオロメタン,トリフロロメタン,

フルオロホルム,フロン(フレオン)23

Trifluoromethane, Fluoroform, HFC-23, Freon FE 1301, R23,

Methyl trifluoride,CAS#[75-46-7]

C2F6: 六フッ化エタン,

Hexfluoroethane Perfluoroethane, CAS#[76-16-4]

CF4: 四フッ化メタン,テトラフルオロメタン、フレオン 14

Carbon Tetrafluoride, CAS#[75-73-0]

TEOS; Si(OC2H5)4:テトラエトキシシラン,テオス,珪酸エチル,正珪酸四エチル

Teraethylorthosilicate,Tetraethoxysilane, CAS#[78-10-4]

(2) 装置概要

反応器 :SUS304 製,φ300mm,シリンドリカル型,

放電観測用ビューポート付(くもり止め防止機構付き),蓋の開閉は手動

電極構造 :平行平板(容量結合型)内部電極,

基板 :φ3’’ウェハ一枚葉式,ウェハ固定用石英,

基板加熱 :抵抗加熱式,MAX.400℃(ヒータ性能)異常昇温防止機能付き

高周波電源 :13.56MHz ,MAX.450W 連続可変,水晶制御,オールソリッドステート式

マッチング回路 :インピーダンスオートマッチング

高周波電力計 :通過型高周波電力計,進行波・反射波直読式

排気系 :メカニカルブースターポンプ 90m3/h 合成油(SA-M 仕様)

直結式ロータリポンプ 340L/min 合成油(SA-M 仕様)

排気バルブ :自動圧力調整バルブ(排気コンダクタンス自動制御型),アングルバルブ(エアー駆動)

真空計 :ダイアフラム真空計(10~3×10-2Torr)

ガス導入系 :C2F6,50sccm, CHF3, 大 25sccm,CF4, 大 26.9sccm

O2,500sccm, 液体ソースライン TEOS, 大 50sccm 高温槽・配管加熱機構付

ガス導入バルブ :ベローズシールストップバルブ(手動およびエアー駆動方式)

パージガス導入系:メカニカルフローメータ 1系列 N2, 大 10L/min

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その他 本装置では,C2F6 のライン(GV13, MFC4)に,4 種類のガスラインを接続しているため,使用するガス

ラインの手動バルブのみを開閉して,ガスラインの真空引きおよびガス供給を行うことで,C2F6 以外のガ

スを用いたエッチングが可能となっている.MFC4 は,C2F6 で校正されているため,他のガスを使用する

場合は,換算係数を乗じて,MFC4 に表示上の数値から,実流量を推定する必要がある.

標準クリーニング条件 ・TEOS 系 SiO2 除去

C2F6 = 30 sccm, O2 = 20 sccm, 0.4Torr, 100W(200~300W でも可)

・CFx 系膜の除去

C2F6 = 0 sccm, O2 = 40 sccm, 0.4Torr, 100W(200~300W でも可)

プラズマ放電しない場合は,上記クリーニング条件でプラズマ放電を確認する.

設定値:100 sccm

実流量:100 sccm

設定値:100 sccm

実流量: 50 sccm

設定値:100 sccm

実流量: 53.8 sccm

設定値:100 sccm

実流量:107.6 sccm