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合同会社DELTA 代表 岡田 友輔 [email protected]

合同会社DELTA 代表 岡田 友輔 [email protected]球団は 田中投手をどのように 評価したのか? 勝利数? 防御率? 勝率?9 能力 ≠ 防御率

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合同会社DELTA 代表 岡田 友輔

[email protected]

「球団は金で“選手”ではなく、“勝利”を買うべきだ」

球団運営における基本指針

勝利

3

MLB球団は 田中投手をどのように 評価したのか?

4

Bill James(ビル・ジェイムズ) 1977年 Baseball Abstractを発表 野球の構造をデータから迫っていく研究を 『SABRmetrics』と命名し体系化 現在はボストンレッドソックスのシニア・アドバイザー 2003年に就任してから11年で3度ワールドチャンピオン

チームが勝つために必要なこと ●野球に勝つことの構造的な理解

前提 勝敗は得点と失点の関係により成立 発見 得点/失点と勝率には強い相関がある チーム勝率=得点のn乗/(得点のn乗+失点のn乗)

統計手法の導入

◎チームが勝利を得るためには得失点を大きくするのが基本 ⇒得点・失点に関係が強い指標で選手を評価する

Break Through

☆目的 チームの勝利 ◎アプローチ 野球に勝つための仕組みを考察

B.ジェイムズ

得点の構造

B.ジェイムズ

出塁 進塁

得点

機会数

「出塁」と「進塁させる力」 この二つの要素が得点を挙げる原動力 得点モデル指標は幾度も改良されるが、 ビル・ジェイムズのコンセプト(出塁と進塁)は 継承され続け、得点の構造を説明する 最も一般的な考え方となっている。

得点が生み出されるモデル(Runs Created)

7

MLB球団は 田中投手をどのように 評価したのか?

勝利数?

防御率?

勝率?

9

能力 ≠

防御率

投手がコントロールできる範囲~打球別年度間相関

投手がコントロールできる範囲打球(フライ)~年度間相関

投手がコントロールできる範囲打球(ゴロ)~年度間相関

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MLB球団は 田中投手をどのように 評価したのか?

奪三振%

四球%

ゴロ%

24.9%

26.0%

20.4%

22.3%

18.2%

2.2%

2.0%

2.3%

2.8%

3.4%

33.5%

31.7%

30.8%

43.3%

35.6%

18.2%

14.9%

21.4%

22.4%

26.1%

12.3%

16.6%

14.3%

4.3%

5.3%

4.8%

3.9%

7.6%

3.9%

8.5%

3.7%

2.8%

2.3%

0.7%

1.9%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

2015 田中

2014 田中

MLB 平均

2013 田中

NPB 平均

三振% 内野F% ゴロ% 外野F% ライナー% 四球% 死球% HR%

リスク増減

■選手の能力評価 控えに比べてどれだけ失点を防ぐ

WAR(Wins Above Replacement) 田中投手の奪三振・与四死球・被本塁打・打球管理面から 失点を抑えた働きを評価。 控え(Replacement Level)に比べ2年で4.2勝チームに貢献

※7/10現在

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控え選手に比べた勝利貢献(Wins Above Replacement) 現在は1WARあたり$5,500,000~ 2014~5年は4.2WAR×5.5M=23.1M

1年毎に4~5WARの貢献を見込んで $155,000,000~(Opt-out付)の契約を結ぶ

■選手の価値 改善した得失点から勝利への貢献を算出し、MLB1勝当たりのコストを掛け合わせる

■選手の能力評価 控えに比べてどれだけ失点を防ぐ

33.2%

26.1%

22.3%

18.2%

3.1%

2.5%

2.8%

3.4%

36.4%

37.6%

43.3%

35.6%

15.9%

22.5%

22.4%

26.1%

2.8%

4.5%

4.3%

5.3%

8.0%

5.5%

3.9%

8.5%

0.3%

0.9%

0.7%

1.9%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

2015 大谷

2014 大谷

2013 田中

NPB 平均

三振% 内野F% ゴロ% 外野F% ライナー% 四球% 死球% HR%

リスク増減

勝利への貢献(WAR)による選手評価~2012年のMVP論争~

20 40 80 60 100

打撃 53.7

打撃 50.1 走塁 14.1

走塁 -7.3

守備 13.3

守備 -9.7

控え選手比較 18.9

控え選手比較 20.6

打たれにくいボールの物理的な解析

ボールの回転数が与える結果への影響

捕手のキャッチング能力(Framing)

新たな知見を利用しやすい組織づくり

数理的な分析が理解出来る人材によるマネジメント データ分析によるアドバンテージを最大化する組織作り

データ分析を現場に落とし込み運用できる人材の重要性(Pirates)

市場規模小/既存の戦略・戦術で競争力UPは困難→分析活用

監督(GM)が選手コーチと分析者の関係をサポート

守備の優れた選手の獲得や守備シフトの導入で失点抑止に成功

20年にも及ぶ低迷期から脱出 強豪チームに変化

進化するデータ分析によってもたらされた戦略的な球団運営で

様々なハンデを乗り越え強豪球団に変貌

どの業界でも同じことが可能になるはず・・・

現状を振りかえり、データから再考する機会