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- 75 - 小学校の歌唱の基礎・基本の力を高めるための指導法の研究 「歌唱スキルトレーニング」を取り入れた導入の工夫 長期研修員 岩間 敦子 研究の概要 この研究は,小学校5年生の音楽科歌唱指導において,基礎・基本を身に付けることを目的とした 「歌唱スキルトレーニング」を開発し,指導の改善,工夫を試みたものである。具体的には,授業の 導入時に 歌唱スキルトレーニング を位置づけ 繰り返して行うことにより 歌唱の基礎・基本 心・意欲・態度,呼吸及び発声法,曲想表現)の定着をねらったものである。 キーワード 基礎・基本 「歌唱スキルトレーニング」 歌唱指導 小学校音楽科 主題設定の理由 (1) 学習指導要領から 教育課程審議会の答申における音楽科の改善の基本方針は,次のように示されている 「表現及び 鑑賞にかかわる幅広い活動を通して,音楽を愛好する心情と音楽に対する感性を育て,音楽活動の基 本的な能力を伸ばし,豊かな情操を養う指導が一層充実して行われるようにする 」これは,心情, 感性,能力の育成について述べており,音楽教育のすべての過程において,常に,音楽の情意面と能 力面とを同時に育てるべきことの重要性を強調したものである。 小学校学習指導要領の音楽科の目標においても同様である。 表現及び鑑賞の活動を通して,音楽を愛好する心情と音楽に対する感性を育てるとともに,音 楽活動の基礎的な能力を培い,豊かな情操を養う。 この目標には,子どもたちが音楽とのかかわりあいを豊かにすることによって,どのような人間に 育って欲しいのかという音楽科の教育的意義が凝縮された形で述べられている。この目標を実現して いくためには,子どもたちが,生涯にわたって音楽にかかわり親しんでいくことができる力を身に付 けたり,自ら学ぶ力を身に付けたりすることが大切である。 音楽科の基礎的・基本的な内容を子どもの側に立ってとらえ,子ども一人一人の自己実現に生きて 働くよう,個に応じ,個を生かすような音楽的な資質や能力の質を高めていくことをこれからの音楽 指導の中核に位置付ける必要があると考える。 このように小学校で培われた音楽の基礎・基本が中学校段階で伸長され,さらに音楽を愛好する心 情と音楽に対する感性を培い,それが生涯を通して音楽に親しむことにつながるとよいと考える。 (2) 児童の実態から 今までの自分自身の音楽指導を振り返ると,導入時の指導が十分ではなかった。授業の雰囲気づく

小学校の歌唱の基礎・基本の力を高めるための指導法の研究 · 小学校の歌唱の基礎・基本の力を高めるための指導法の研究 「歌唱スキルトレーニング」を取り入れた導入の工夫

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小学校の歌唱の基礎・基本の力を高めるための指導法の研究

「歌唱スキルトレーニング」を取り入れた導入の工夫

長期研修員 岩間 敦子

研究の概要

この研究は,小学校5年生の音楽科歌唱指導において,基礎・基本を身に付けることを目的とした

「歌唱スキルトレーニング」を開発し,指導の改善,工夫を試みたものである。具体的には,授業の

導入時に 歌唱スキルトレーニング を位置づけ 繰り返して行うことにより 歌唱の基礎・基本 関「 」 , , (

心・意欲・態度,呼吸及び発声法,曲想表現)の定着をねらったものである。

キーワード

基礎・基本 「歌唱スキルトレーニング」 歌唱指導 小学校音楽科

1 主題設定の理由

(1) 学習指導要領から教育課程審議会の答申における音楽科の改善の基本方針は,次のように示されている 「表現及び。

鑑賞にかかわる幅広い活動を通して,音楽を愛好する心情と音楽に対する感性を育て,音楽活動の基

本的な能力を伸ばし,豊かな情操を養う指導が一層充実して行われるようにする 」これは,心情,。

感性,能力の育成について述べており,音楽教育のすべての過程において,常に,音楽の情意面と能

力面とを同時に育てるべきことの重要性を強調したものである。

小学校学習指導要領の音楽科の目標においても同様である。

表現及び鑑賞の活動を通して,音楽を愛好する心情と音楽に対する感性を育てるとともに,音

楽活動の基礎的な能力を培い,豊かな情操を養う。

この目標には,子どもたちが音楽とのかかわりあいを豊かにすることによって,どのような人間に

育って欲しいのかという音楽科の教育的意義が凝縮された形で述べられている。この目標を実現して

いくためには,子どもたちが,生涯にわたって音楽にかかわり親しんでいくことができる力を身に付

けたり,自ら学ぶ力を身に付けたりすることが大切である。

音楽科の基礎的・基本的な内容を子どもの側に立ってとらえ,子ども一人一人の自己実現に生きて

働くよう,個に応じ,個を生かすような音楽的な資質や能力の質を高めていくことをこれからの音楽

指導の中核に位置付ける必要があると考える。

このように小学校で培われた音楽の基礎・基本が中学校段階で伸長され,さらに音楽を愛好する心

情と音楽に対する感性を培い,それが生涯を通して音楽に親しむことにつながるとよいと考える。

(2) 児童の実態から

今までの自分自身の音楽指導を振り返ると,導入時の指導が十分ではなかった。授業の雰囲気づく

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りのみに時間を費やし,本時の目標を意識した導入を考えていなかったのである。このような反省か

ら導入の大切さ,必要性を感じた。また,子どもたち一人一人には 「歌を歌いたい」という気持ち,

があるにもかかわらず,高学年になるにつれて歌唱活動に対して消極的になる傾向にあったことも本

研究主題設定の理由である。

所属校において 「音楽が好きですか」と「歌うことが好きですか」について実態調査を行った。,

図1と図2で示した棒グラフの結果を見ると 「好き」の割合がほぼ同じ形になっていることが分か,

る 「歌が好き」ということは 「音楽が好き」につながっているのではないか。歌唱指導の大切さ。 ,

が分かる。

「好き」な理由で多かったものは 「歌っていると楽しい 「気分がよくなる 「気持ちがよい」な, 」 」

どであった。中には「いやなことも忘れられる」という,歌うことによる精神的な開放感・満足感を

表した回答もあった 「きらい」な理由は 「音痴だから 「高い声がでないから」などの,技術的な。 , 」

側面から苦手意識を抱いている児童もいた。さらに「音楽の授業が楽しい」と感じる時は 「歌唱活,

動や器楽活動が上達した時である」と多くの児童が回答した。自分自身で「上手くできた」という達

成感・成就感を味わうと意欲がでてくることも分かった。高学年になると,友達とグループ活動をし

たり,発表したりすることも好んでいるようである。

歌唱活動に関しては,低学年からの積み重ねが大切であると思う。日常的に歌を歌う活動を取り入

れていかなければならないと感じた。アンケートの結果から,児童には,達成感や成就感を味わうよ

うな歌唱指導の大切さが分かった。

「段階的な合唱指導 (教育出版)において,竹内秀男氏(活水女子大学教授)は,歌唱について」

次のように述べている。

「小学校の表現における諸活動のうち 『歌う』ことは,音楽の最も根源的な表現活動でありなが,

ら,その指導においてはいろいろな問題が指摘されています。これは,歌による表現が楽器による表

現と違って,ひとりひとりの個性や能力をそのまま声として表出してしまうというところに一番要因

。 ,『 』 ,があるのかもしれません もちろん 楽しく歌えさえすればそれでよい という意見もありますが

それは,音楽科の指導をごく小さな側面でとらえた言い方だと思います。音楽科の目標を達成するた

めには,楽しくうたわせることと同時に『いかに音楽的により優れた表現を身に付けさせることがで

きるか』という課題が解決されなければなりません。そのための指導の方法を模索していく過程のな

かにこそ 『楽しく歌う』という心情だけでは解決できない『基礎能力』や『感性』の育成という側,

面が含まれているのではないかと考えます 」。

児童が歌唱活動の中で 「上手にできた」という達成感・成就感を味わうことで次の学習への意欲,

が高まり,音楽の時間を心待ちにするようになる。達成感・成就感を味わうためには,音楽の基礎・

基本が大切になってくる。歌唱の基礎・基本を身に付けていくためには,授業への意欲付けを高める

とともに,毎時間の目標につながり個々の課題解決ができるスキルの獲得が必要である。よって,基

( )図1 ( )図2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

2年

3年

4年

5年

6年

歌うことが好きですか

好き

ふつう

きらい

0% 20% 40% 60% 80% 100%

2年

3年

4年

5年

6年

音楽が好きですか

好き

ふつう

きらい

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礎・基本の力を高めるためにスキルトレーニングを繰り返し行っていくことが必要であると考える。

2 研究のねらい

小学校の歌唱活動において,導入時に授業への意欲付けができ,毎時間の目標達成につながり,個

々の課題解決ができる「歌唱スキルトレーニング」を位置づけることにより,基礎・基本の力が身に

付くことを明らかにする。

3 研究の基本的な考え方

(1) 歌唱における基礎・基本

音楽科の基礎・基本をふまえながら,歌唱における基礎・基本を考えると次の3つになる。

ア 歌唱活動に対する関心・意欲・態度

学習指導要領では,基礎的・基本的な内容の重視,自己表現力の育成,そして個性を生かす教育の

充実を重視しているが,これらのことを学習指導の中で実現していくには,まず,子どもの積極的で

主体的な学習意欲を育てていくことが重要である。歌唱活動においては,歌唱活動に対する興味・関

心・意欲など,個々の子どものよい面を積極的に見いだしていくことが大切である。

イ 呼吸及び発声の仕方を身に付ける

「小学校学習指導要領解説 音楽編 (文部科学省)では 「歌い方や楽器の演奏の仕方を身に付」 ,

けようとする 」という目標の中で次のように示されている 「呼吸や発声,声の出し方に気をつけ。 。

て歌うことは豊かに音楽を表現して楽しむことの基盤となるものである。指導においては,技能習得

の必要性を児童一人一人が感じとれるようにするとともに,個々のもつ表現意欲を大事にしながら,

能力に応じ,個性を生かした学習を進めるようにする必要がある 」。

歌唱指導の中で基礎となる指導が声作りであり,具体的には,姿勢・呼吸法・発音・共鳴等が身に

付くように指導していく必要がある。

ウ 曲想表現の工夫

音楽の学習においては,歌詞の内容や曲の特徴を生かして曲想を工夫し,豊かな表現をしようとす

る心を育てることが大切である。歌詞の内容を理解して表現に生かすためには,歌詞を繰り返し読む

ことで,言葉の意味を理解し,自分なりのイメージを持つことが大切である。そこから気持ちを込め

て歌うことで豊かな表現につながる。また,曲の構成を理解して表現に生かすためには,曲全体の流

れの中で発想記号(強弱記号等の楽譜上で表記されたさまざまな記号)を理解したり,その意味を感

じたりしながら曲想を表現していくことが大切である。

(2) 基礎・基本を身に付けるための学習過程

① 導入の工夫

授業においては,一時間一時間の導入部分の工夫が必要であると考える。その理由として三つのこ

とがあげられる。まず第一に,授業への意欲付けができることである。遊び歌など楽しい活動を取り

入れることで,興味・関心を高め,意欲的な活動や学習の達成感を感じる雰囲気作りができると考え

る。さらに「楽しい・できた」という活動経験を繰り返すことにより,学習活動を主体的に行ってい

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くことができる。第二に,今日の授業で押さえたい目標を児童に明確に示し,学習のねらいをつかま

せることである。ねらいをつかむことで,学習活動がより活発になる。第三に,短い時間での継続的

な学習の繰り返しによって,基礎的な技能を身に付けていくことである。基礎的な技能は,繰り返す

ことによって定着していく。

表1は音楽科の1時間の指導過程における活動やねらいを心情面・能力面・活動面・教師の働きか

けに分けて表にしたものである。本研究では,特に児童の心情面・能力面に焦点を当て導入の指導を

工夫した学習計画を立て,基礎・基本を定着させたいと考えた。 (表1)

心情面 能力面 活動面 教師の働きかけ興味・関心をもつ 雰囲気をつかむ 学習課題を共有する 気づきを促す導意欲的な学習活動 無理のない発声法 聴き取れる 学習を予感する 認める入学習のねらいをつかむ 個々に目標を自覚する 見通しをもてるようにする

挑戦・創造 思考・判断・応用 学習の個別化 励ます展やってみる 音楽的技能の習得 学習形態の工夫 ヒントを与える開

自信をもたせる

満足感・達成感 イメージの感化 集団として ほめるまできた喜び 感じて表現する 個人として確かめる 認めると次への期待 共感するめ

② 歌唱スキルトレーニングの工夫

「 」( ) , ( ) ,鎌田典三郎の合唱教育 音楽之友社 で 鎌田典三郎氏 元西六郷少年少女合唱団指導者 は

毎日の授業の進め方について次のように述べている。

「練習中のステップが小さく,大きな飛躍がないこと,進歩を自分で確かめられることも大事だ。

つまり,小さな努力を絶えず積み重ねていく,そのプロセス自体も楽しくて,毎回,音楽的に充実し

ている。そしてやがて大きな満足がもたらされる 」。

そこで,ねらい,条件,内容を考え,表2のような歌唱指導を考え「歌唱スキルトレーニング」と

名付けた。なお,授業の中では,音楽ドリルとして児童に指導した。

(表2)

(表3)

「 」 , 。表3に示した 歌唱スキルトレーニング は 個々の児童の実態に応じて変則的に取り入れていく

, , 。一時間毎の評価と ふりかえりのカードなどで個々の課題を把握し 次の目標を設定し実施していく

題材に入って最初の段階では,意欲付けをするための「歌唱スキルトレーニング1」と,毎時間ご

との目標につながっている「歌唱スキルトレーニング2」を中心に取り入れていく。学習が進むにつ

「歌唱スキルトレーニング1」

◎授業への意欲付けができる。

A 首の運動

B 肩の上げ下げ

C 腕回し

D 全身脱力

E 口形

F 姿勢・呼吸法

「歌唱スキルトレーニング2」

◎毎時間の目標につながる。

A 発声法

B 高音からの発声

C レガート唱

D カノン

E 曲想表現

F 終止形合唱

「 」歌唱スキルトレーニング3

◎個々の課題解決を図る。

A 個人で

B ペアで

C グループで

D 全体で

ア 授業への意欲付けができる (歌唱スキルトレーニング1)。

発声の基礎である姿勢,呼吸法,口形などを取り入れたもの。音楽に合わせて体操感覚で発声法を学ぶ。

イ 目標につながる (歌唱スキルトレーニング2)。

毎時間の学習のねらいにそったもの。音の跳躍,高音の出し方,ハーモニー感覚,カノン,終止形合唱な

どを内容とする。

ウ 個々の課題解決を図る (歌唱スキルトレーニング3)。

個々の課題に応じ,無理のない目標を設定し,意欲的に取り組めるもの。

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れて,個々の課題を教師と児童が共有し,その課題に応じた「歌唱スキルトレーニング3」に重点を

おいて,グループ学習やペア学習・個人学習を進めていく。

4 研究の仮説

(1) 概括的仮説

導入時において「歌唱スキルトレーニング」を継続的に取り入れることにより,歌唱の基礎・基本

の力が身に付くであろう。

(2) 研究の具体的仮説

, 〔 〕 ,「 」小学校音楽科5年生の歌唱指導において 学習過程 1 の導入時に 歌唱スキルトレーニング

〔2〕を継続的に繰り返すことによって,歌唱の基礎・基本の力〔3〕が身に付くであろう。

〔1〕学習過程 〔2〕歌唱スキルトレーニング学習活動に楽しく取り組 歌唱スキルトレーニング1

導 む雰囲気づくり,基礎づ ◎授業への意欲付けができるスキルトレーニング1

くりをし,学習のねらい A 首の運動 B 肩の上げ下げ

入 をつかむ。 C 腕回し D 全身脱力

E 口形 F 姿勢・呼吸法

曲想を工夫し,表現をね 歌唱スキルトレーニング2

展 りあげる。 ◎毎時間の目標につながるスキルトレーニング2

歌う楽しさや美しさの歌 A 発声法 B 高音からの発声

開 唱体験をひろげる。 C レガート唱 D カノン

E 曲想表現

ま 歌う喜びの感動を体験し F 終止形合唱,

と 表現を深める。 歌唱スキルトレーニング3

◎個々の課題解決のためのスキルトレーニング3め 次時の意欲を高める。

A 個人で

B ペアで

C グループで

D 全体で

〔3〕歌唱における基礎・基本の力 (本研究で重視する点)○関心・意欲・態度 自主性,向上心,興味・関心

呼吸及び発声法 姿勢,呼吸法,共鳴,口形,発声○

音程,リズム,ハーモニー,○曲想表現

テンポ,歌詞の理解・イメージ

5 研究の方法と内容

(1) 研究の方法

① 研究方法 授業研究

② 研究対象 塩山市立塩山南小学校 5年3組(男子12名,女子19名,合計31名)

③ 実施期間 平成15年10月~11月

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④ 授業時数 全7時間,事前・事後のテスト2時間,事前授業1時間,計10時間

⑤ 結果の処理方法 ア 歌唱テスト(事前・事後)

イ 意識調査

ウ 自己評価,相互評価,学習カード

エ 授業者・協力員による授業観察

(2) 研究の内容

① 題材名 「音の響きを感じ取って合唱しよう (全7時間)」

② 題材について

中学年の発声指導では,呼吸や発音の仕方に気をつけた自然で無理のない声で歌うことへの関心を

高め,このような歌い方に慣れるようにすることに重点がおかれている。高学年では,歌詞の内容や

楽曲の構成にふさわしい曲想表現への意欲が高まるため,中学年の歌い方をより発展させ,曲想表現

に合う呼吸や発音の仕方も工夫して,豊かな響きのある声で歌わせることが大切である。

児童一人一人が響きのある声で,また合唱の響きを味わいながら生き生きと歌うようにするには,

毎時間の学習の中で「歌えるようになった 「もう一度歌いたい 「歌うことが楽しい」と感じ,意」 」

欲的に活動できる場面をたくさん作ることが必要である。

そこで,本題材では,1学期に学習した「音の重なりやよく響き合う声を工夫すること」をグルー

, , 。プ練習や個人練習でさらに定着させ 響き合いを感じながら 曲想表現を生かした合唱を目指したい

③ 題材の目標

(ア)旋律の流れや合唱の響きに関心をもって,聴いたり歌ったりすることができる。

(関心・意欲・態度)

(イ)歌詞の内容を理解し,曲想を生かした歌い方が工夫できる (音楽的な感受や表現の工夫)。

(ウ)発声や発音の仕方を工夫し,豊かで響きのある自然で無理のない声で歌うことができる。

(表現の技能)

(エ)人の声の特徴を感じ取って聴いたり,合唱の響きを味わって表現に生かすことができる。

(鑑賞の能力)

④ 教材について

「星の世界」 作詞 川路柳虹 作曲 コンバース

( ) ,「 」アメリカ生まれのコンバース 1789~1860 が作曲した賛美歌で いつくしみ深き友なるイエス

が原曲である。歌詞は,秋の夜のあまた星空,無限に広がる宇宙の神秘を歌っている。A(a,a')B

(b,a')の整った形式と,美しい旋律によるこの曲によくあった歌詞である。美しい夜空に輝く星

を思い浮かべながら表情豊かに合唱したり,ハーモニーの素晴らしさに気づかせたりできる教材であ

る。

「花」 作詞 武島羽衣 作曲 滝廉太郎

明治33年に出版された組歌「四季」の中の1曲で,伴奏付きの女声二部合唱として作曲された。桜

の名所として知られている東京の隅田川の春の様子を描いた歌詞である。

「荒城の月」 作詞 土井晩翠 作曲 滝廉太郎

明治22・33年ごろの作曲と言われている。原曲は,旋律のみで無伴奏である。そのため,さまざま

に編曲されて歌われているが,本教材は混声四部合唱で扱っている。

「箱根八里」 作詞 鳥居 忱 作曲 滝廉太郎

明治33年に作曲され,翌年「荒城の月」とともに「中学唱歌」に掲載された。当時,1番は第1楽

「 」, 「 」 。 ,章 昔の箱根 2番は第2楽章 今の箱根 と題させていた 原曲は旋律のみであったこともあり

いろいろな編曲で歌われているが,この曲が力強い行進曲調であることや,歌詞の内容からも,男声

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合唱で歌われることが多い。

これら3曲の滝廉太郎の作品については,曲趣を充分に味わい比較し,曲想と音楽的なかかわりを

, , 。理解し 自分たちの表現に生かしたり 大人の声の種類や特徴を理解したりできる優れた教材である

⑤ 評価について

【題材の評価規準】関心・意欲・態度 感受・表現の工夫 表現の技能 鑑賞の能力

・旋律の流れや合唱の ・音の重なり合う響きを感じ ・拍の流れにのって,音程やリ ・いろいろな演奏形態による響きに関心をもって, 取り,歌い方や表現の仕方の ズムを正しく歌うことができる 響きや音色の違いを感じ取り。聴いたり歌ったりしよ 工夫をする。 ・自然で無理のない声で歌って ながら聴いている。うとしている。 ・歌詞の内容を理解し,曲想 いる。 ・歌詞の内容を理解し曲想を・いろいろな形態の合 を生かした歌い方を工夫して 味わって聴いている。唱の響きに関心をもち いる。楽しんで聴こうとしている。・滝廉太郎の歌曲に関心をもって聴こうとしている。

【学習活動における具体的な評価規準】

A:十分満足できる B:おおむね満足できる Bに到達させるための支援音 ①歌唱スキルトレーニングに興味をも ①歌唱スキルトレーニングに興味をもち楽 ①言葉がけや個別指導をすることによっ楽 ち,意欲的に歌唱活動に取り組んでい しく歌唱活動をしている。 て意欲をもつようにさせる。へ る。の ②範唱の歌声にあわせて表情豊かに口 ②範唱の歌声にあわせて歌詞を口ずさんで ②旋律を少しずつ繰り返し歌いながら,関 ずさんでいる。 いる。 曲のよさを感じるような投げかけをし,心 興味をもたせるようにする。意欲態度音 ①フレーズや発音に気をつけ,旋律を ①旋律をなめらかに歌うよう気をつけ,歌 ①個人指導をしながら,上達するたびに楽 なめらかに歌う工夫をしている。 い方を工夫している。 誉め,励ます。的 ②歌詞の表す情景や気持ちを想像した ②歌詞の表す情景や気持ちを想像したり, ②歌詞の表す情景や気持ちを想像したな り,言葉の意味や歌詞の内容を理解し 言葉の意味や歌詞の内容を理解している。 り,言葉の意味や 歌詞の内容を繰り返感 ている。 すことによってイメージをもたせる。受 ③友達の歌声を聞いて曲想表現 強弱 ③友達の歌声を聞いて,曲想表現(強弱, ③友達や教師の声を聴いて,歌い方の工( ,や テンポ,音の重なりなど)の工夫がた テンポ 音の重なりなど の工夫が分かり 夫が分かるようにヒントを与えたり支援, ) ,表 くさん分かり,自分が歌うときに積極 自分が歌うときに表現を工夫している。 したりする。現 的に取り入れ表現を工夫している。の工夫①範唱や範奏から,リズムや音程,歌 ①範唱や範奏から,リズムや音程,歌詞や ①教師がそばで歌うことによって違いを詞や旋律の流れ,歌詞の発音などの豊 旋律の流れ,歌詞の発音などの表現を聴き 感じとれるように個別指導をする。かな表現を聴き取って歌っている。 取って歌っている。

表 ②自分の声の持ち味を生かし,拍の流 ②拍の流れにのって伸び伸びとした歌声で ②曲の感じが変わるところを意識させ歌現 れにのって伸び伸びとした歌声で歌う 歌ったり 曲想にあった歌い方をしている い方のアドバイスをする。, 。の とともに曲想に合った自然な歌い方を技 工夫して歌っている。能 ③友達や教師の歌声に耳を傾け,みん ③友達や教師の歌声に耳を傾け,みんなの ③教師や友達の声を聴きながら,自分のなの声と合わせて歌ったり伴奏や他の 声と合わせて歌ったり,伴奏や他のパート 歌い方に生かすようにアドバイスする。パートを聴いたりしながら工夫して歌 を聴いたりしている。っている。

鑑 ①様々な演奏形態や,強弱・速度・音 ①様々な演奏形態や,強弱・速度・音色・ ①演奏形態や強弱・速度・音色・表情に賞 色・表情などが曲想と深く結びつきな 表情などを理解し,曲想と深く結びついて ついて教科書やビデオを見ながらさらにの がら音楽全体の美しさを生み出してい いることを感じ取って聴いている。 説明し,理解できるようにアドバイスす能 ることを感じ取って聴いている。 る。力

⑥ 児童の実態

5月に行ったアンケートをみると,音楽が好きな児童が全体の73.0%を占めている 「歌うことが。

好きかどうか」については,63.0%の児童が好きだと答えており,日常的に歌を歌うことが好きなよ

うである。アニメソングや流行の歌を好んで歌っている様子が見られるが,中には,教科書で学習し

た曲も好んで歌っている児童もいる。音楽の授業は,80.0%の児童が好きと答えており,歌唱・器楽

鑑賞など,どれをとっても好きである。授業中も積極的に発言したり,身体表現や合奏・合唱に取り

組んでいる児童が多い。積極的な児童もいる反面,一方では自己主張が苦手で自分の意見を発表する

ことや,自己表現をすることに苦手意識をもっている児童もいる。自己表現が苦手な児童にも,歌を

歌う活動を通して少しでも自分の声に自信をもち,意欲的に活動できるようになるとよいと考えてい

る。そのためには,一人一人の声(個性)をそれぞれに応じて伸ばしていく指導を心がけていくこと

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で解決につながっていくと考える。

⑦ 題材の指導・評価計画

ア 評価の観点について 評価欄の〈 〉は四観点

〈関〉音楽への関心・意欲・態度 〈感〉音楽的な感受や表現の工夫

〈表〉表現の技能 〈鑑〉鑑賞の能力

イ 評価の方法について

評価カード・・・ 自己評価カード,鑑賞カード,児童の相互評価カード

教師の観察・・・ 表情の観察,活動観察,発言・つぶやきの観察

ウ 教材名【太字】

次 時 目標と主な学習活動 主な指導 評価の観点と 評価方法

間 内容 具体的な評価規準

事 ○オリエンテーション

前 ・声を出す仕組みを知る。

・歌唱スキルトレーニングについて知る。

( )歌唱スキルトレーニング ・歌う姿勢 ・歌唱スキルトレーニングに興 表現・活動の観察

第 1-A(首の運動 ,B(肩の上げ下げ) ・呼吸法 味をもち楽しく歌唱活動をして ・歌唱スキルトレー)

1 C 腕回し D 全身 ,E 口形 , ・発声法 いる。 ニングへの取り組み( ), ( ) ( )

時 F(姿勢・呼吸法) ・高音からの 〈関〉-① の様子。

2-A(発声法 , B(高音からの発声) 発声)

・主な旋律の (活動の観察)【星の世界】

○範唱CDを聴き,全体の様子をつかむ。 音取り ・範唱の歌声にあわせて歌詞を ・歌唱の様子。

・曲の様子をつかむ。 ・高音からの 口ずさんでいる 〈関〉ー②。

○範唱CDに合わせ主旋律を口ずさむ。 発声 ・自己評価カード

○音程に気をつけ,レガートで主旋律の歌詞

唱をする。

( )2 歌唱スキルトレーニング ・高音からの ・歌唱スキルトレーニングに興 表情・活動の観察

時 1-A(首の運動 ,B(肩の上げ下げ) 発声 味をもち楽しく歌唱活動をして ・歌唱スキルトレー)

C(腕回し ,D(全身),E(口形) ・レガート唱 いる。 ニングへの取り組み)

F(姿勢・呼吸法) 〈関〉-① の様子。

2-A(発声法 , B (高音からの発声))

C (レガート唱)

【星の世界】

○範唱に合わせて主旋律を口ずさむ。 ・正確な音程 ・範唱や範奏から,リズムや音 (活動の観察)

○リズムの構成を知る。 ・リズム 程歌詞や旋律の流れ,歌詞の発 ・歌唱の様子

○レガートで主旋律の歌詞唱をする。 ・レガート唱 音などの表現を聴き取って歌っ

ている。

〈表〉ー①

・旋律をなめらかに歌うよう気

, 。を付け 歌い方を工夫している

〈感〉- ①

( )3 歌唱スキルトレーニング ・高音 ・歌唱スキルトレーニングに興 表情・活動の観察

時 1-A(首の運動 , B(肩の上げ下げ) ・レガート唱 味をもち楽しく歌唱活動をして ・歌唱スキルトレー)

C(腕回し , D(全身),E(口形) いる。 ニングへの取り組み)

F(姿勢・呼吸法) 〈関〉-① の様子。

2-A(発声法 B (高音からの発声)),C (レガート唱)

【滝 廉太郎の歌曲】

○合唱の響きと音色の特徴を感じて「箱根八 ・滝廉太郎に

里] 「花 「荒城の月」を聴く。 ついて ・様々な演奏形態や,強弱・速 (発言・つぶやき・, 」,

・合唱の種類 度・音色・表情などを理解し, 活動の観察)

・声の種類 曲想と深く結びついていること ・鑑賞の様子

・速度 を感じ取って聴いている。 ・発言

一次

歌声や合唱への関心を深め,あこがれをもって合唱の響きを味わう

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・強弱 〈鑑〉-① ・鑑賞カード

・表現の工夫

【星の世界】

○鑑賞曲をもとに 「星の世界」の曲想にふ ・速度,

さわしい表現の工夫を考える。 ・強弱

・表現の工夫 ・自己評価カード

二 第

( )次 4 歌唱スキルトレーニング ・曲想表現 ・歌唱スキルトレーニングに興 表情・活動の観察

時 1-A(首の運動 B(肩の上げ下げ) ・課題解決 味をもち楽しく歌唱活動をして ・歌唱スキルトレー),曲 C(腕回し ,D(全身),E(口形), いる。 ニングへの取り組み)

想 F(姿勢・呼吸法) 〈関〉-① の様子。

を 2-A(発声法 , B (高音からの発声))

生 C (レガート唱) E (曲想表現),か 3-D (全体で),C(グループで)

【星の世界】な

が ○「星の世界」の表現の工夫をする。 ・速度

ら ○課題ごとに練習する。 ・強弱 ・歌詞の表す情景や気持ちを想 (発言・つぶやき・

各 ・表現の工夫 像したり,言葉の意味や歌詞の 活動の観察)

声 内容を理解している。 ・歌唱の様子。

部 〈感〉-② ・友達の発表を聴く

を 態度。

歌 ・発言やつぶやき。

え ・友達への発言。

る ・自己評価カード

よ 第

う 5 歌唱スキルトレーニング ・カノン ・歌唱スキルトレーニングに興 (活動の観察)

に 時 1-A(首の運動), B(肩の上げ下げ) ・曲想表現 味をもち楽しく歌唱活動をして ・歌唱スキルトレー

す C(腕回し),D(全身),E(口形), ・課題解決 いる。 ニングへの取り組み

る F(姿勢・呼吸法) 〈関〉-① の様子。

2-A(発声法) B (高音からの発声),C (レガート唱) D(カノン),E(曲想表現)

3-B(ペアで) C(グループで),

・正確な音程【星の世界】

○音程に気を付けて,副次的な旋律の歌詞 や重なり ・拍の流れにのって,伸び伸び (活動の観察)

唱をする。 とした歌声で歌ったり,曲想に ・歌唱の様子。

あった歌い方をしている。

〈表〉-② ・自己評価カード

三 第

( )次 6 歌唱スキルトレーニング ・カノン ・歌唱スキルトレーニングに興 表情・活動の観察

時 1-A(首の運動), B(肩の上げ下げ) ・曲想表現 味をもち楽しく歌唱活動をして ・歌唱スキルトレー

美 C(腕回し), D(全身),E(口形) ・課題解決 いる。 ニングへの取り組み

し F(姿勢・呼吸法) 〈関〉-① の様子。

い 2-A(発声法), B (高音からの発声)

響 C (レガート唱) , D(カノン)

き E(曲想表現)

を 3-A(個人で),B(ペアで)

求 C (グループで)

【星の世界】め

て ○旋律・副次的旋律のグループに分かれ,各 ・強弱

合 グループごとに学習のめあてを決める。 ・表現の工夫 ・友達や教師の歌声に耳を傾け (発言・つぶやき・,

唱 ○グループ練習をする。 ・2部合唱 みんなの声と合わせて歌ったり 活動の観察),

を ・歌詞のもつ味わいを生かして歌う工夫をす 伴奏や他のパートを聴いたりし ・歌唱の様子。

作 る。 ている。 ・友達と協力する態

り 〈表〉-③ 度。

上 ・友達の歌声を聴く

げ 態度。

る ・発言やつぶやき。

- 84 -

・友達への発言。

・自己評価カード

( )7 歌唱スキルトレーニング ・カノン ・歌唱スキルトレーニングに興 表情・活動の観察

時 1-A(首の運動) ,B(肩の上げ下げ) ・曲想表現 味をもち楽しく歌唱活動をして ・歌唱スキルトレー

C(腕回し, D(全身),E(口形), ・終止形合唱 いる。 ニングへの取り組み

F(姿勢・呼吸法) ・課題解決 〈関〉-① の様子。

2-A(発声法), B (高音からの発声)

C (レガート唱),D(カノン),

E(曲想表現)

3-A(個人で) ,B(ペアで)

C (グループで)

【星の世界】

○グループごとに発表をする。 ・合唱のまと

・相互評価をし,お互いのよいところを自分 め ・友達の歌声を聴いて,曲想表 (発言・つぶやき・

の表現に生かす。 現(強弱,テンポ,音の重なり 活動の観察)

○学習のまとめをする。 など)の工夫が分かり,自分が ・歌唱の様子。

歌うときに表現を工夫している ・友達の発表を聴く。

〈感〉-③ 態度。

・発言やつぶやき様

子。

・友達への発言。

・相互評価カード

・自己評価カード

⑧ 学習授業案(第3次 第2時)

ア 目標

◎友達の発表を聴いて,自分の歌声に生かすことができる。

イ 歌唱スキルトレーニングのねらい

◎終止形合唱では,他の声部をよく聴いて,ハーモニーの美しさを感じ取って歌うことができる。

◎自分の課題に向かって取り組み,解決ができる。

ウ 活動場所 音楽室

エ 準備するもの 模造紙

オ 展開

〈観点 (評価方法)〉

過 主な活動と内容 主な支援 形態 評価の方法と観程 点

( )表情・活動の観察

○声の良くなる体操をする。 全 ・歌唱スキルトレー

,(歌唱スキルトレーニング1) ●リラックスして行うように声をか ニングに関心をもち

・音楽に合わせて声の良くなる体操をしましょう。呼 ける。 楽しく歌唱活動をし

吸法のところを特にしっかりやりましょう。 ●お腹を意識させて呼吸法を行うよ ている。

うに声をかける。 〈関〉-①

○課題の解決をする。 ●考えられる課題

(歌唱スキルトレーニング3,2) ・姿勢・口形・強弱・高音

・前の時間出来なかったことやもっと学習してみたい ・テンポ・表情 など

導 ことを課題に分かれて活動します。 ●リーダーが中心となり,ペア・グ グ ル

入 ループ活動させる中で,課題を解決 ープ

15 させる。一人一人の課題が達成でき ペア

分 ・課題の解決の確認のため 「ふじ山」を歌う。 るように活動を支援する。,

○カノンをする。

(歌唱スキルトレーニング2) 全

・ 山の朝」を歌いましょう。 ●フレーズの終わりでフェルマータ「

・3つに分かれて(3声)歌います。 をつけ,音を伸ばし,お互いにハー

- 85 -

・フレーズの最後の音を伸ばしましょう。 モニーや響きを感じるようにする。

○終止形合唱をする。

(歌唱スキルトレーニング2) ●終止形合唱では,他の声部を良く

・ それは地球」の4段目を歌う。 聴いて,ハーモニーの美しさを感じ「

取って歌うように活動を支援する。

友達の発表を聴いて,自分の歌声に生かそう。 グ ル (発言・つぶやき・

ープ 活動の観察)【星の世界】

○グループ練習をする。 ●一人一人のよいところを見つけ励 ・友達の歌声を聞い

, ( ,展 ○グループごとに発表をする。 ます。 て 曲想表現 強弱

開 ・相互評価をし,お互いのよいところを自分の表現に ●児童の意見を共感的に聴き,意見 テンポ,音の重なり

25 生かす。 が出やすい雰囲気を作る。 など)の工夫が分か

分 ・友達からのアドバイスを取り入れて歌ってみる。 ●よいところを具体的に説明し,一 り,自分が歌うとき

人一人の表現に生かす支援をする。 に表現を工夫してい

●良かった点をみんなで認め合い, る。

○全員で合唱する。 進歩を喜び合うようにする。 〈感〉-③

●学習のまとめとして,最後に合唱 ・相互評価カード

をしてまとめとする。

ま ○学習カードに本時での取り組みの反省をし,まとめ ●自他のよさや成果に目を向けさせ 個 ・自己評価カード

と る る。

め ●個々への声掛けと励ましをする。

5 ・自己評価カードを記入する。

⑨ 学習カード〈1時間目〉 〈7時間目〉

児童には 「音楽ドリル」という名前で授業を行ったので,この学習カードには 「音楽ドリル」, ,

と書いてあるが,これは「歌唱スキルトレーニング」のことである。

- 86 -

6 研究の結果と考察

研究目標である歌唱の基礎・基本すなわち 「関心・意欲・態度 「呼吸及び発声法 「曲想表現」, 」 」

について事前・事後アンケート,学習カード,協力員による授業観察,歌唱テスト,相互評価カード

を用いてその達成状況を分析した。 学習カードについては,児童がより具体的な評価をしやすいよ

うに工夫し点数化した。学習カードの感想欄・相互評価カードからは,目標の達成状況に関する事項

。 , , 。を集約した また アンケートや歌唱テストについては 調査結果をそれぞれ事前・事後で比較した

(1) 関心・意欲・態度の変容

① 事前・事後アンケートから

事前・事後に行った 「音楽や音楽の学習」に関するアンケート調査の結果は次の通りである。,

表4,表5,表6,からも分かるように,児童

が 「歌を歌うこと 「音楽の時間が好き 「音楽, 」, 」,

が好き」の項目において 「どちらでもない 「き, 」,

らい」より「好き」と多く答えるようになった。

。歌唱スキルトレーニングの成果の表れだと感じる

事後アンケートの感想欄の中に「声のよくなる

体操がとても楽しく取り組めた 「正しい姿勢ができるようになった 「ヒントカードを見ながら」, 」,

歌の学習ができた 「音楽ドリルで楽しく学習ができた」などが書かれていた。それらの感想から」,

「音楽の時間が楽しかった 「音楽の時間が楽しみだった」と答えるようになったと思われる。」,

また,学習ノートと歌唱スキルトレーニング1,2,3を併用して学習することによって,歌を歌

うことに対して「うまく歌えない」などの技能面や「歌うことが恥ずかしい」などの心情面を克服さ

せ,一人一人が自信を持ち意欲をもって活動できたと考えられる。

以上のことから音楽の時間が好きになったり,歌を歌うことが好きになったりするなど,関心・意

欲・態度が高まったと考えられる。

② 学習カードから

学習カードの感想欄には,初めは,授業中にできるようになったことやできなかったことについて

書くことが大部分だったが,時間がたつにつれて 「表情ができるようになった。次は,テンポをよ,

くやりたい 」のように,少しずつ「○○をやりたい」という内容が多くなり,自分から積極的に課。

題に挑戦する意欲がうかがえるようになってきた。各自が設定する課題も,呼吸法や姿勢ができるよ

うになると曲想表現へと課題が変わっていった。また 「Aさんが口を大きく開けていた 「Bさん, 」,

が,表情がよかったので真似したいと思った」など,友達の活動の様子を書いたり,友達の活動を認

める中で,自分の活動に生かそうとする内容を書いている児童が多くなった。また 「口や目を開け,

( ) ( )表4 表5

歌を歌うこと 事前 % 事後 % 音楽の時間が好き 事前 % 事後 %( ) ( ) ( )人 人 (人) 人

3 好き 20 65 31 100 3 好き 23 74 30 97

2 どちらでも 10 32 0 0 2 どちらでも 7 23 1 3

1 きらい 1 3 0 0 1 きらい 1 3 0 0

(表6)

音楽が好き 事前 % 事後 %( ) ( )人 人

3好き 20 65 31 100

2どちらでも 11 35 0 0

1きらい 0 0 0 0

- 87 -

ると笑顔が作れないのですが,どうすればいいのですか 「低い声をきれいに出したい(地声にな」,

らないようにする)のですが,どうしたら低い音が

きれいに出せますか」など,活動の中で解決できな

い課題についても,積極的に質問する児童が多くな

ってきた。これは,課題に向かって真剣に取り組ん

でいる姿を表しているものであり 「歌をうまく歌,

いたい」という気持ちの表れだと考えられる。

図3,図4は,1時間目から3時間目の活動にお

いて 「音楽ドリルに楽しく取り組めましたか」と,

「 」 ( )自分から進んで学習できましたか という2項目に 図3

ついて自己評価した状況をグラフにまとめたもので

ある。歌唱スキルトレーニングの内容が理解でき技

能が定着するにつれて,積極的に学習活動に取り組

むようになっている状況がうかがえる。

図3では,2時間目の活動が77.0%から74.0%へ3

ポイント下がっている。原因としては,2時間目の

歌唱スキルトレーニングの項目が多すぎたことが原

因と考えられる。

( )③ 家庭での児童の様子から 図4

研究授業を行った1ヶ月の間に「家庭で音楽の授業が話題になったか 「子どもにどんな姿が見」,

られたか」について評価を依頼したところ,31世帯のうち22世帯から回答があった。主な内容は次の

通りである。

ア,その日の音楽の授業や指導の様子を話してくれた。3/22件

イ,習った歌を口ずさんでいた。7/22件

ウ,鏡を見て口を開ける練習をしていた。9/22件

エ,技術的なポイントなどについて話題になった。2/22件

オ,音楽を楽しみにしている様子がうかがわれた。8/22件

カ,歌が上手くなったのが感じられた。8/22件

アからカの状況から,音楽の時間に学習したことを家庭においても引き続き継続して行おうと意欲

的に取り組んでいることがうかがえる。

④ 協力員による授業観察から

協力員による授業観察では,1時間目と7時間目の「関心・意欲・態度」について,5段階で点数

をつけ,その平均を出した。同時に,グループ毎に児童を観察し,授業での活動の様子を記入しても

。 。 ( )らった 表7はその状況である 表7

関心・意欲・態度 1時間目 7時間目平均 3.5 4.5

, 。( ) 。( ) 。おもな記述 ・意欲的 音楽に対して積極的である 5人 ・表情や姿勢がよくなった 9人 ・意欲がみえた

・声をひびかせようとしている ・積極的に声 (8人 ・意識が前向き(6人 ・ 曲を感じて表現し。 ) )

を出している ・教師の言ったことによく反応 ている (2人 ・心で音楽を感じている (1人)。 。 ) 。

している 2人 ・表情が硬い 乏しい 7人 ・穏やかな顔つき,一生懸命さが伝わる (1人)。( ) , ( ) 。

・消極的である (2人) ・表情が乏しい (2人)。 。

1時間目の授業では,授業の流れが把握できていないためか表情も固く,緊張してしまった児童も

0%

20%

40%

60%

80%

1時間目 2時間目 3時間目

自分から進んで学習できましたか

3:全ての活動を自分から積極的に行った。

2:自分から進んでやることが多かった。

1:先生や友達に言われて学習していた。

0%

50%

100%

1時間目 2時間目 3時間目

音楽ドリルに楽しく取り決めましたか

3:興味をもってとても楽しく活動できた。

2:楽しく活動できた。

1:興味が持てず全然楽しくなかった。

- 88 -

何人か見られた。しかし,7時間目になり,歌唱スキルトレーニングを中心に繰り返し行うようにな

ると学習の定着が高まり,積極性や自主性もでてきたといえる。学習感想にも 「高い声の出し方が,

分かった 「次の音楽の時間が楽しみです」という記述が多くなっていった。」,

協力員の観察で出された「表情が乏しい」という児童に関しても 「歌う姿勢は見えた」との記述,

があり,意欲の高まりを感じることができた。

⑤ 課題解決について

図5,6は,児童が4時間目から7時間目において 「課題が見つけられたか」と「課題が解決,

できたか」を各時間ごとにまとめたものである。5時間目から課題を見つけられない児童がいなくな

った。友達や教員からのアドバイスで課題を見つ

けた児童の数も5人から3人に減り,7時間目に

は全員が課題を自分で見つけることができた。こ

れは,1時間目から学習カードの感想欄にできる

ようになったことや次の時間の課題を記入するこ

とにより,課題について意識し,課題を克服しよ

うとする方法や手だてが理解できたからである。

課題については,1時間ずつ違う課題に取り組

んでいる児童は6人だけで,その他の児童は2~

。 ( )3時間続けて同じ課題に挑戦して課題が達成できた 図5

課題に対しての解決方法は,学習ノートにあるヒ

ントカードを参考にし,グループやペアで課題を

解決しながら取り組んでいった。

授業の1,2時間目においてDさんは 「口を開,

けられるようにしたい 「目を大きく開けたい ,」, 」

「声を出したい」という内容を学習のノートの感

想欄に書いていた これが3時間目の授業では 表。 ,「

情がどうしたら上手にできるか分かった」という

書き方に変わっていった。課題の解決法が分かる

と,次の課題についても自分が改善したらよいとこ (図6)

ろが分かり,積極的な態度で課題に臨むようになった。このことは 「下を向かないようにして姿勢,

を直したい 「口が半分しか開かないので,口を大きく開けて歌いたい」というその後の記述から」,

も明らかに分かる。7時間目の感想には 「出来ないことが出来るようになってうれしかった」と書,

いてあった。

以上のことから,歌唱スキルトレーニングは,関心・意欲・態度(自主性,向上心,興味・関心)

において有効であったといえる。

(2) 呼吸法及び発声法について

① 事前・事後アンケートから

姿勢,呼吸法,共鳴,口形について 「できた・時,

」 ,々できた・できない という3項目の中から選ばせ

0%

50%

100%

4時間目 5時間目 6時間目 7時間目

課題が見つけられましたか

3:課題を自分で見つけられた。

2:友達や先生のアドバイスで見つけられた

1:見つけられなかった

0%

50%

100%

4時間目 5時間目 6時間目 7時間目

課題は解決できましたか

3:課題が完全に解決できた。

2:だいたい解決できたが,完全ではなかった。

1:課題が解決できなかった。

(表8)

姿勢 呼吸法 共鳴 口形

事前 % 68 52 6 35

事後 % 100 94 77 87

- 89 -

できた と回答した児童の割合を事前と事後で比較してみた 表8 事後のアンケートの中で 一「 」 ( )。 「

番できるようになったことは何ですか」との問いには,「口が大きく開けられるようになった (24」

人 「姿勢がよくなった (15人)という答えが多かった。授業を通して歌唱スキルトレーニングを), 」

意識して取り組んできたことを,児童が成果として実感していることが分かった。歌唱スキルトレー

ニングを繰り返し練習することにより技能が高まり,また,自己の進歩の状況を児童が自覚できるよ

うになることが確認できた。発声については,歌唱テストの項で考察をする。

② 歌唱テストから

事前・事後に歌唱テストを実施し,その結果を5

段階で評価し平均点を出した。図7からも分かるよ

, 。うに 各項目において事前より得点が上回っている

,歌唱スキルトレーニングの自己評価カードによると

発声法は4時間目で全ての児童が出だしの音が正確

にとれるようになっている。

このように姿勢,呼吸法,口形,発声を意識させて

きた結果,これらの技能が身に付いていったのではないかと考えられる。

③ 学習カードから

授業の終わりに出来るようになったことや次の時間の課題を学習カードに書いたものを,観点ごと

に整理したものが表9である (表9)。

姿勢 ・姿勢はもうくせのように,いつも肩幅をひらいて歌えた ・姿勢がよくなるときれいな声が出ることが分かった ・姿。 。

, 。 , ,勢を直したい どうしてかというと下を向いてしまったりするから ・今日の授業だけでなく 今までの授業でドリル1

2,3を学習して最初は出来なかったけど,先生とやっていくうちに口の開け方や姿勢が出来るようになった。

呼吸法 ・息の吸い方,吐き方が分かった ・お腹から声を出して大きく高い声を出したい。。

・お腹を意識して歌いたい。

共鳴 ・目を大きく開いて,顔から声を出すことが分かった。

・口を大きくあける。身体をまっすぐ,目を大きくすることが分かった。笑顔で歌うことが大切だと分かった ・語りか。

けるように歌えた ・口が大きく開けられように意識して取り組みたい ・口を開けると大きな声で歌えることが分かっ。 。

。 。 。 。 , ,口形 た ・口を開けようと意識した ・口を縦に大きく開けたい ・口の開け方がよく分かった 初めは 恥ずかしかったけど

いまは,恥ずかしくない ・目を大きく開ける。まゆ毛を上げる ・静かに歌うところも大きな口を開けて歌えばいいと。 。

思った ・表情をやってますます歌が好きになりました。歌が上手になった気がしました。。

発声 ・低い声をきれいに出したい。 ・言葉をはっきり言うことが大切だ。

学習感想の中に呼吸法や発声法に全くふれていない児童はいなかった。表9の記述から,児童が自

己の進歩に気付きながら,呼吸法や発声法を身に付けている様子が分かる。

以上のことから,歌唱スキルトレーニングは,呼吸及び発声法を身に付けることに有効であったと

いえる。

(3) 曲想表現

① 事前・事後アンケートから

リズム,ハーモニー,テンポ,歌詞の理解・イ

メージについて,「できた・時々できた・できな

い」という3項目の中から選ばせ 「できた」と,

事 前 ・ 事 後 歌 唱 テ ス ト

0

1

2

3

4

5

姿 勢   呼 吸 法 共 鳴 口 形 発 声

事 前

事 後

( )図7

(表10)

音程 リズム ハーモニー テンポ 歌詞の理解

イメージ

事前% 55 61 61 52 65

事後% 94 71 94 90 87

- 90 -

回答した児童の割合を事前と事後で比較してみた(表10)。事前に比べて事後は,自己評価の値が著

しく高くなっていることが分かった。また,事後のアンケートの中の記述欄では 「できるようにな,

ったことは何ですか」の問いに対して次のような回答が見られた。

・高い音が上手く出せるようになった。(16人 ・低い声がていねいに出せるようになった。(14人))

・強弱の歌い方が良くできるようになった (13人 ・テンポがとれるようになった (4人)。 ) 。

・リズムがわかった (2人 ・中音の音がとれるようになった (2人)。 ) 。

・大きな声が出せるようになった (2人)。

特に,音程やハーモニーについては,アンケートの記述欄にも「できるようになったこと」として

書かれている人数が多かった。

② 歌唱テストから

事前・事後に歌唱テストを実施し,その結果

を5段階で評価し平均点を出した。図8からも

分かるように,事前に比べて事後が平均点が上

がっている。特に,リズムや歌詞の理解・イメ

ージにおいては,伸びが高かった。2時間目の

授業で「 星の世界』のリズムの特徴が分かりま『

したか」という評価項目においても,77.0%の児 (図8)

童が「リズムの特徴がよく分かった」と答えることができた。学習カードの感想にも 「 星の世界』,『

の曲のリズムの特徴がよく分かった「リズムに乗って歌うことができた」という記述が見られた。

また 『星の世界』を歌う時に,歌唱スキルトレーニング2で学習した『富士山』の表現の工夫を,

生かして歌うことができていた。歌唱の事後テストにおいても,テンポや強弱に気を付けて歌うこと

ができていた。

③ 相互評価カードから

7時間目の各グループの発表の際に感想を書いたものをまとめてみた。口形や姿勢などの目に見え

て分かることを書いてある感想もあったが,歌詞からのイメージや,曲想表現に結びつけた感想が書

かれているものが多かった。

「最初に4人だけで歌っていたが,星がきらめいているように聞こえた。みんなになると迫力が出

てきた 「途中からみんなで歌っていくと,星の世界のイメージが大きくなった 「星が増えてい。」, 」,

く感じの工夫がしてあった 「音(低い音,高い音)がきれいに重なっていた 「3段目をやさし」, 」,

く歌っていた 「3段目から強弱がしっかりつけられていた 「最後をゆっくり歌って星が消えて」, 」,

いく様子が分かった 「問いかけるように歌っていた ,このような感想が書けたのは,歌唱スキル」, 」

トレーニング2の学習で 『富士山』を歌うことで学習したことを『星の世界』に生かして歌えたこ,

とや,個々の課題についての解決方法が理解できていたからと考える。

以上のことから,歌唱スキルトレーニングは,曲想表現を身に付けることにおいて有効であったと

いえる。

7 研究の成果と今後の課題

「授業の導入時に『歌唱スキルトレーニング』を取り入れ,繰り返し活動することにより,音楽の

事前・事後歌唱テスト

0.0

1 .0

2 .0

3 .0

4 .0

5 .0

音程 リ ズ ム ハーモニー テン ポ 歌詞 ・ イ メージ

事前

事後

- 91 -

基礎・基本(関心・意欲・態度,呼吸及び発声法,曲想表現)が身に付くであろう」という考えに立

ち授業検証を行ってきた。成果としては,①歌わされているという意識ではなく,自分から進んで歌

唱活動をしている様子が感じられたこと,②授業への意欲付けをし,楽しく活動することによって歌

うことの抵抗感がなくなっていったこと,③導入時に1時間の目標につながる活動をすれば,展開時

においても目標を意識し,学習活動が活発化し定着したこと,④個々の課題を解決する過程で,自分

の苦手とする課題に向かって挑戦し,友達と教え合ったり話し合ったりしながら解決方法を見つけて

いったことがあげられる。

しかし今後の課題としていくつか残された。まず第一に,歌唱スキルトレーニング2の内容が多岐

にわたってしまい,児童の定着度に差が出てしまったのではないかという点である。一つの教材の目

標は多くても2つか3つだと考えると,本研究で扱った6つの項目は,導入時の短い時間では多かっ

たのではないかと感じる。定着を図る,繰り返し学習するという点で,前時の活動も意識しながら新

しいスキルトレーニングも行っていったので時間がかかり,児童の集中力が途切れがちになる場面も

あった。6つの中から学年や児童の実態にあった項目だけをピックアップし,系統性を考えながら取

り入れていく必要性を感じた。

第二に,歌唱スキルトレーニング3での課題についての取り組み方法である。一人一人の課題が解

決できる場を作り,課題にあった活動を自主的に行うことがその目的であったが,どのような方法や

手順を考えれば課題が解決できるのかを,一人一人の児童が完全に理解できなかったということであ

る。グループで課題を解決しようとするとき,一人一人が課題解決法を分かっていないと集団での解

。 ,決は難しいのではないかと感じる 学習ノートの中にヒントカードを取り入れて学習を進めてきたが

使い切っていない様子も見受けられた。更に改善を加えて使いやすいものにしていきたい。

参考文献 研究協力校

・小学校学習指導要領音楽編 文部科学省 塩山南小学校 校長 大沢 守

・新しい学力観に立つ音楽科の授業の工夫

文部科学省

・段階的な合唱指導 研究協力員

竹内秀男著 教育出版 齊藤 恵子 塩山南小学校教諭

・鎌田典三郎の合唱教育 下條 剛 湯田小学校教諭

尾見敦子著 音楽之友社 丸茂 和也 竜王北小学校教諭

・音楽の授業に役立つ指導のヒント集 宮川 寿美 甲府東小学校教諭

金本正武著 明治図書 宮田 洋美 玉諸小学校教諭

・新しい音楽科よい授業の条件 吉岡 弘子 春日居小学校教諭

東洋館出版社小原光一・中山千秋・清水和著

・小学校音楽科 基礎・基本と学習指導の実際 研究指導者

金本正武著 東洋館出版社 大久保 久美 教育指導部研修主事

平成14年度小学校音楽科観点別学習状況の新評価基準表・

北尾倫彦・伊藤俊彦著 図書文化

・心を育てる合唱指導

渡瀬昌治著 教育芸術社

平成15年度 山梨県総合教育センター

長期研修員研究報告書

執 筆 者 長期研修員 岩間 敦子

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