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「看看連携で安心まちづくりを」...地域完結型医療を目指す 他市町村からの救急搬送18% 救急お断り件数49件 平均稼働率93.4% 平均在院日数13.2日

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【抄録】

「看看連携で安心まちづくりを」

豊川市医師会 在宅医療サポートセンター

コンダクター 岩間 三枝子

団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年は、私たちが経験したことがない超高齢社会になると予測されており、

在宅医療の推進を始めとした地域包括ケアシステムの構築は、地域にとって欠かせない課題となっている。

このような状況から愛知県は、平成 27 年 4 月から県下全ての郡市区医師会に在宅医療サポートセンター(以後

サポートセンターと略す)を設置し、全ての市町村に在宅医療提供体制の整備を図るとともに、平成 30 年度まで

に在宅医療・介護の推進が図られるように市町村を支援することになった。市町村単位の医師会にはコンダクタ

ー、二次医療圏の中心的医師会にはコーディネーターを配置し、地域事情に合わせた活動を始めている。

豊川市は愛知県の東部に位置し、人口約 18 万、高齢化率は平成 28 年 4 月段階で 24.8%である。

市は健康福祉部介護高齢課に在宅医療連携推進センターを設置し、平成 25.26年度は在宅医療連携拠点推進事業、

26~28 年度は地域包括ケアの医師会モデル事業と、2 つの県のモデル事業を受託して取り組んでいる。また平成

26年 10月から患者情報を共有するためのICT(情報通信技術)を導入した。平成 28年 3月現在、患者登録数

323 人、患者記事合計数は 3663 件に増えている。多職種連携のツールとしても活用しており、記事数は 1474 件

に上っている。

サポートセンターは、在宅医療連携推進センター・基幹型地域包括支援センターと同じ建物内に事務所を構え、

一体的に在宅医療・介護の連携推進活動を進めている。平成 27年 7月に開設した相談窓口は、3センターで協働

ルールに基づき役割分担調整を行いながら、市民及び関係職種への対応をしている。サポートセンターに入った

相談のうち約 4割近くを連携により対応した。

昨年度、基幹病院である豊川市民病院の看護師と地域で活動する訪問看護師が協働して行った二つの事業を支

援した。一つは、病院の看護師が地域での訪問看護に研修として同行する、訪問看護同行研修の実施。もう一つ

は、病院の皮膚排泄ケア認定看護師が、真皮を超えた褥瘡の保有者を対象に同行訪問看護を実施する仕組みづく

りである。訪問看護同行研修については、看護局が、患者を生活者と捉え退院後の生活をイメージした退院支援

ができる看護師の育成を検討していたこと、同時に地域の訪問看護師が、病院の看護師と気兼ねなく相談しあえ

る関係づくりを望んでいたことからスタートした。認定看護師が同行訪問看護を行う仕組みづくりについては、

サポートセンターが看護局から、認定看護師のアウトリーチ活動の推進として、地域とのネットワークを作りた

いという依頼を受けスタートした。患者の安心につながり、また、患者を支援するチームとしても使いやすい制

度となるよう、医師やケアマネジャー・行政と協働し、少ない会議の補完には電子@連絡帳を有効活用した。

今年度は、病院の看護師と地域の訪問看護師のさらなる連携強化の支援をしていく。看看連携をとおして関係す

る多職種との連携に繋げることにより、将来、多職種の壁が取り払われ、現在よりはるかに連携が取りやすい地

域になっていくことを目指したい。また、同時に医師を対象にした在宅医療導入研修を実施し、在宅医療に参入

する若い医師を増やすことが課題である。

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全国在宅療養支援診療所連絡会第4回全国大会シンポジウム「いざ、在宅へ」

看看連携で安心まちづくりを

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目 次

1 愛知県医師会における「在宅医療サポートセンター事業」

2 豊川市の特徴

3 看看連携の二つの取り組み

4 まとめ

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全ての医師会にサポートセンター

在宅患者が住み慣れた地域で、質の高い医療サービスを

安心して受けられるよう、

県内すべての医師会に 在宅医療サポートセンターを設置

在宅医療支援体制を構築

地域事情にあわせて

県内全域の在宅医療を提供する体制を整備

目的

1. 在宅医療サポートセンター事業愛知県医師会H27年4月~H30年3月

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全ての医師会にサポートセンター

・ 切れ目のない在宅医療提供体制の構築支援

・在宅医療導入研修を実施

・ かかりつけ医の普及啓発を推進

・ 在宅医療相談機能を開設

コンダクターを1名配置

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中心的医師会に中核センター

・ 後方支援病院の確保

・退院から在宅医療へ円滑な移行を構築

・ かかりつけ医普及啓発講習会の開催を支援

・ 在宅医療連携システムの互換性の支援

コーディネーターを1名配置コンダクターと協力して以下の業務を行う

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2. 豊川市の特徴

2)センター間の施設内連携

3)ICT(電子@連絡帳)の活用状況

4)豊川市民病院と地域との関係

1)在宅医療・介護連携推進事業の流れ

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愛知県

東三河北部

東三河南部

名古屋市

豊川市面 積: 161.14k㎡人 口 :約18万人高齢化率 : 24.8%

本宮山

三河湾

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1)在宅医療・介護連携推進事業の流れ

H25年度 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度

在宅医療サポートセンター事業

人材育成事業 在

宅医療・

介護連携推進事業

在宅医療・介護連携推進事業

地域包括ケア医師会モデル事業

在宅医療連携推進拠点モデル事業

市(行政)

医師会

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2)センター間の施設内連携

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南部高齢者相談センター

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在宅医療サポートセンター

在宅医療連携推進センター

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センター間相談機能開設H27年7月~

1. 各センターの相談機能の役割を分担

2. 運営ルールを共有

3. 相談対応のフローに基づく対応

在宅医療と介護の連携支援を強化

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3)ICT(電子@連絡帳)の活用状況

高齢者相談センターで出前講座

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電子@連絡帳による患者登録合計数と患者記事合計数

157204

392

453

500

549

2,5433,045

4,334

5,536

7,159

8,514

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

0

100

200

300

400

500

600

2016年1月 2016年2月 2016年3月 2016年4月 2016年5月 2016年6月

(件)(人)

患者登録合計数 患者記事合計数

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電子@連絡帳によるプロジェクト登録合計数とプロジェクト記事合計数

64 67 6874 74

801,3281,416

1,5061,613

1,7331,828

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

2,000

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

2016年1月 2016年2月 2016年3月 2016年4月 2016年5月 2016年6月

(件)(件)

プロジェ クト 登録合計数 プロジェ クト 記事合計数

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無条件での救急受入可能は豊川市民病院のみ

東三河の急性期中核病院

地域完結型医療を目指す

他市町村からの救急搬送18%

救急お断り件数49件

平均稼働率93.4%

平均在院日数13.2日 一般病棟のみ

退院調整対象患者3割

4)豊川市民病院と地域との関係

病院を地域資源として捉え地域と共に支えあう

(数字に関するデータはすべて平成26年度のもの)

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3. 看看連携の二つの取り組み

1)市民病院看護師対象の訪問看護同行研修実施

2)皮膚・排泄ケア認定看護師によるアウトリーチ活動の仕組みづくり

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1)市民病院看護師対象の訪問看護同行研修

短い在院期間の内に患者の退院準備は

進められ退院決定がでてしまう

看護師が在宅をイメージした退院支援が

できる看護師を育成

訪問看護同行研修実施H27年10~11月

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豊川市民病院主任看護師17名訪問看護ステーション2カ所

研修2~3日目

訪問看護同行研修の実際

研修1日目

病院内地域連携センター 訪問看護ステーション

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研修生の気づきと変化

病院での看護は医療者が主体であったことに気づいた。

在宅療養は難しいと思っていた患者でも、支援の仕方や環境を整えれば在宅

で生活できるのではないか、と考え方が変わった。

自分の意思で生活することは、こうもよい顔つきに変わるのかと気づかされた。

カンファレンスで体験談を発言する。

病院では行ったことのない呼吸器装着患者の入浴を支援し、思いに寄り添う対応を学んだ。

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今年度の研修計画

対象者 研修先 目的

病院看護師

訪問看護師

訪問看護ステーション

病院病棟

在宅をイメージした退院支援ができる能力を養う

退院支援・調整検討カンファレンスで在宅療養を前提に意見交換を行う。

顔を覚え、気軽に相談しあえる関係づくり

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訪問看護部会H28.6.29 64%事業所出席

訪問看護師との意見交換会

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退院後の生活環境にあった看護の提供が受けられる

褥瘡が完治しないうちに

退院を余儀なくされることもある

認定看護師が、入院後早期に関わり

訪問看護師と連絡しあう

退院後初回の訪問看護に同行する

2)皮膚・排泄ケア認定看護師によるアウトリーチ活動の仕組みづくり

(1)入院患者で真皮を超える褥瘡を持ちながら

退院を余儀なくされることもある

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在宅で専門的な相談や支援が受けられる

(2)在宅療養者で真皮を超える褥瘡保有者

患部の治癒遅延・悪化の可能性

訪問看護師の依頼により、認定看護師

が訪問看護に同行する

2)皮膚・排泄ケア認定看護師によるアウトリーチ活動の仕組みづくり

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H27.12 H28.2 H28.3 H28.4

仕組みづくりまでの連携の流れ

合同会議(看護局 + 訪問看護師 + 在宅サポセン)

ケアマネジャーが合流

行政が合流

電子@連絡帳にて

日常的な意見交換

在宅医療実施医師が合流

医師会理事・介護関係者に説明

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電子@連絡帳運用手順

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電子@連絡帳運用手順 「皮膚・排泄ケア認定看護師による同行訪問看護 予約カレンダー」

から同行訪問可能な日程を確認し、「在宅患者認定看護師同行訪問

皮膚・排泄 依頼連絡票」の予約希望欄に入力します。

認定看護師同行訪問 皮膚・排泄 依頼連絡票

皮膚・排泄ケア認定看護師による同行訪問看護 予約カレンダー

別紙5

在宅患者 認定看護師同行訪問看護 依頼連絡票(豊川市民病院) 平成 年 月 日

依頼施設情報

施設名 〇〇訪問看護ステーション 依頼者名 〇〇〇〇

住 所 〇〇市〇〇町〇〇番地〇〇 電話番号 〇〇-〇〇〇〇

患者情報

フ リ ガ ナ 〇〇〇〇 生年月日

明治・大正・昭和・平成

〇〇年〇〇月〇〇日 患 者 氏 名 〇〇〇〇

性 別 男 ・ 女

住 所

電 話 番 号

〒〇〇〇-〇〇〇〇 TEL(〇〇〇〇)〇〇-〇〇〇〇

〇〇市〇〇町〇〇番地〇〇

在宅医師名 〇〇〇〇 医療機関名 〇〇クリニック

疾 患 名 〇〇〇〇

介 護 保 険 無 有( 要支援 1 ・ 2 要介護 1 ・ 2 ・ 3 ・ 4 ・ 5 )

被保険者証

保険者番

号 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 公費負担者番号 子ども・障害・母子・特疾・その他

記 号

番 号 受給者番号 上限管理票 無 ・ 有

本人 ・ 家族 負担割合 割

褥瘡関連 ※褥瘡部位の写真がある場合は、本票を電子連絡帳の特別便で送信する際に添付してください。

褥瘡発生部位 脊椎部 仙骨部 尾骨部 坐骨部 腸骨部 大転子部 踵骨部 その他( )

褥瘡の発生状況と

現在の状態

骨突出が著明であり、車イスに乗っていることが多かったため、褥瘡が発

生しました。現在はポケットを形成しています。

現在の処置方法

ドレッシング(〇〇〇〇 )

外用薬 (〇〇〇〇 )

その他 ( 外科的治療 ラップ療法 )

体圧分散寝具 □ 使用している (寝具名称 )

■ 使用していない

依頼内容

局所ケア

予防ケア

その他

褥瘡にポケットがありますが、なかなか小さくなりませ

ん。外用薬の種類やポジショニング方法の相談をお願いし

ます。

訪問希望日時 ※予約カレンダーから同行訪問可能な日時を確認し、利用者宅を訪問する時間を記入してください。

第一希望 平成28年〇〇月〇〇日〇〇時〇〇分

第二希望 平成28年〇〇月〇〇日〇〇時〇〇分

*訪問希望日時については、調整をさせていただくことがありますのでご承知おきください。

同行訪問開始までの連絡先:豊川市民病院看護局室

記 入 例

訪問日の調整は随時行います。

午前

10:00~11:30 13:00~14:30 15:00~16:30

4 13

27

5 11

25

6 8

22

皮膚・排泄ケア認定看護師による同行訪問看護 予約カレンダー

下表は平成28年度のカレンダーで、空欄は予約可能です。/は予約が入っています。 (/は予約不可)

午後

訪問看護の実施可能日 原則として、毎月 第2・4水曜日

日月

記入例

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電子@連絡帳運用手順 電子@連絡帳にて当該患者の画面を開き、「文書作成」により

記録を入力し、チームのメンバーと情報共有します。

認定看護師同行訪問 皮膚・排泄 報告書

(訪問看護師 ← 認定看護師)

認定看護師同行訪問看護報告書

利用者名 豊川 太郎

訪問日 2016 年 6 月 20 日

時間 10 : 00 ~ 11 : 00

現在の局所治療 ■外用薬( ゲーベンクリーム )

□創傷被覆剤( )

□その他( )

褥瘡部の写真

DESIGN-R

相談内容

現在の問題点

1日に下痢が 6-7回あり、特に経腸栄養後に多い。褥瘡部が肛門部に近い

位置にあるため、排便時に汚染してしまう。また、肛門周囲から臀部に

かけて発赤やびらんが見られるようになってきた。

指導内容

■体圧分散寝具について 経腸栄養中はギャッチアップ姿勢となり、褥瘡部周囲に

圧迫やずれが生じます。現在使用しているエアーマットに

「背上げ」機能があるため、経腸栄養を開始する前にこの

モードを使用してください。

□ポジショニング方法

■スキンケア 肛門周囲から臀部にかけて排便の刺激による皮膚障害が

見られます。排便の刺激を避けるため、発赤やびらんが

ある部位に撥水剤(亜鉛華軟膏、チンク油など)を塗り、

皮膚を保護してください。また、排便後に撥水剤が薄く

なってしまった部位には重ね塗りをしてください。

■失禁ケア 下痢の原因に合わせ、可能であれば止痢剤、整腸剤の

使用をお願いします。

■栄養補給について 下痢の原因が経腸栄養剤であれば、栄養剤の種類、形状

等をご検討ください。

■その他 皮膚の状態と現在の季節を考えますと、真菌感染を生じ

やすいです。皮膚の浸軟、鱗屑が見られる時は真菌感染を

疑ってください。

下痢が続き、褥瘡部に外用薬を塗布するのが困難であれ

ば、臀部と同様に撥水剤で創面を保護することも可能と

考えます。

サイン 枡谷左紀子

記入例

同行訪問決定後は、患者タブに患者の新規登録を行い、該当患者

画面の左側にある「担当者/グループ」の「編集」により、チームの

メンバーに「豊川市民病院認定看護師」を追加します。

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介護保険関係事業者連絡会H28.4.26 86%事業所出席

介護関係者への説明会

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認定看護師の今年度のアウトリーチ活動

皮膚・排泄ケア認定看護師による同行訪問看護の実施

がん性疼痛・緩和ケア認定看護師による同行訪問看護の運用開始

認定看護師と訪問看護師合同による事例検討会開催予定

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まとめ1 市民病院看護師を対象とした訪問看護同行研修は、訪問看護部会の協力により実現した。

2 研修に参加した主任看護師は、在宅療養者の生活実態を知ることができ、体験を基に後輩指導に役立てている。

3 皮膚・排泄ケア認定看護師は、関係多職種の協力を得て、真皮を超える褥瘡保有者に対するアウトリーチ活動を行うためのしくみ作りを行った。

5 病院看護師と訪問看護師の連携体制の仕組みづくりにより、関係する多職種との連携推進に繋がっている。

4 認定看護師のアウトリーチ活動は、他の専門分野が加わり活動が広がっている。

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看看連携をとおして、医師を中心とする、関係する

多職種との連携強化に繋げることで、多職種間の壁

が取り払われ、現在より、はるかに連携がとりやすい

安心のまちづくりをめざしていきたい。

おわりに

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