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亜寒帯林の人為攪乱後のツツジ科植物の土地乗っ取り戦略
生物環境制御学科・土壌学研究室Tel&Fax:078-803-5848 E-mail: [email protected]
人為攪乱(山火事、皆伐)
大西洋岸北部の亜寒帯地域では木材として価値のあるクロトウヒやバルサムモミが極相林では優先している。木材獲得のための皆閥や山火事等の攪乱後の植生はカルミア(Kalm ia angustifolia)が優先し、亜寒帯林の再生を阻害しヒース(荒れ地)を形成する。この現象の原因はいくつかの複合作用であると言われているが、本研究では、生育阻害物質(アレロケミカル)の単離を試みた。
OAc
CH3
OH
CH3
HO
H
H3C
H3C
HO
HO
HO
H
13
45
6
2
8
16
9
7
11
12
13
10
15
14
19
18
17
20
バイオアッセイ法にはクロトウヒの幼植物試験を用い、アレロケミカルの単離を試みた。植物の部位ごとの水抽出物の生育阻害を検定したところ、葉の抽出物が最もクロトウヒの成長を有意に阻害した。
バイオアッセイをしながら阻害の最も大きい化合物を単離した。
各種スペクトル分析を用いて化合物をグラヤノトキシンIであると同定した。グラヤノトキシンIは「山羊殺し」として知られているカルミアの動物への毒の主成分であるが、植物へも生育阻害を示すことが初めて明らかになった。
はじめにはじめに
カルミアの阻害部位カルミアの阻害部位 アレロケミカルの単離アレロケミカルの単離 アレロケミカルの同定アレロケミカルの同定
亜寒帯極相林(クロトウヒ,バルサムモミ,コケ等)
山火事後15年(カルミア、地衣類)
0
5
10
15
20
蒸留水
有機物層位 葉
根茎
胚軸
長(m
m)
a b
0
5
10
15
20
蒸留水
有機物層位 葉
根茎
根長
(mm)
a b b
蒸留水
有機物層位
葉
根茎エラーバーは標準偏差を示す。異なるアルファベットは5%有意を示す。
カルミア葉500g
酢酸エチル抽出
クロロホルム抽出
シリカゲルカラムクロマト
抽出物
水抽出
CHCl3 と M eOHによる再結晶
LH-20 カラムクロマト
クロロホルム相
酢酸エチル相
ブタノール相
Fr.L
Fr.L1
Fr.L2
Fr.L3
Fr.L3a Fr.L3b
Fr.L3a1
ブタノール抽出
水相
水相
水相
化合物L3a1