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京都府道州制に関する研究会 京都府道州制に関する研究会 地域主権型道州制と 地域主権型道州制と 基礎自治体のあり方 基礎自治体のあり方 20131126政策シンクタンクPHP総研 荒田英知 資料1-1 2 松下幸之助の道州制論 松下幸之助の道州制論 1968年「廃県置州で新たな繁栄を」 1969年「続・廃県置州論」 小を大にする 小を大にする1970年「廃県置州から置州簡県へ」 大を小にする 大を小にする「いうなれば中央集権を非常に独立性の高い地方分権 に変えるということであり、府県合併によって小を大に する方向とは、かたちは同じでも逆の考え方であろう」

地域主権型道州制と 基礎自治体のあり方 · 道州制と基礎自治体中心主義 中央集権(2005年歳出) 地域主権型道州制 40 60 : 国 49兆円(42%)

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京都府道州制に関する研究会京都府道州制に関する研究会

地域主権型道州制と地域主権型道州制と基礎自治体のあり方基礎自治体のあり方

2013年11月26日

政策シンクタンクPHP総研 荒田英知

資料1-1

2

松下幸之助の道州制論松下幸之助の道州制論

1968年「“廃県置州”で新たな繁栄を」

1969年「続・廃県置州論」

““小を大にする小を大にする““

1970年「廃県置州から置州簡県へ」

““大を小にする大を小にする””「いうなれば中央集権を非常に独立性の高い地方分権

に変えるということであり、府県合併によって小を大に

する方向とは、かたちは同じでも逆の考え方であろう」

3

今、なぜ道州制なのか今、なぜ道州制なのか

1890(明治23)以来、120年以上変わらない都道府県の枠(市町村数は40分の1に)

生活圏・経済圏の拡大、広域課題の増加

過度の中央集権と画一・重複行政の弊害

東京一極集中と地方の衰退

人口減少社会の到来、財政危機の深刻化

グローバルな経済・政治動向からの疎外

国の存立に関わる課題の重要化、複雑化

4

道州制の諸類型道州制の諸類型

①都道府県合併型~中央集権は維持

②連邦型~日本にはなじまない

③地方庁型~国の出先機関統合型

④地域主権型~地方自治型、地方政府型

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旧自公政権での道州制検討状況旧自公政権での道州制検討状況

2003年 小泉内閣「道州制導入の検討」

2006年 第28次地制調「道州制導入が適当」

2007年 安倍内閣「道州制担当大臣」

2008年 道州制ビジョン懇談会中間報告

「地域主権型道州制」「地域主権型道州制」

自民党、経済界からも相次ぐ提言

2009年 政権交代

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道州制ビジョン懇中間報告道州制ビジョン懇中間報告(2008(2008年年33月月))

「地方分権の総仕上げ」&「究極の構造改革」

明治以来の中央集権体制の解体・再編

新しい国のかたち=「地域主権型道州制」

繁栄の拠点の多極化と日本全体の活性化

国際競争力の強化と経済財政基盤の確立

地方政府による住民本位の地域経営

効率的、効果的行政と責任ある財政運営

諸機能の分散による国家的安全性の強化

最終報告(基本法・税財政・区割り)は出せず

7

「地域主権型道州制「地域主権型道州制 国民への報告書」国民への報告書」

『地域主権型道州制~国民への報告書』 (株)PHP研究所 税込8,400円書店ではお求めになれませんので、直接お問合せください

第1部 道州制ビジョン懇談会「中間報告」

第2部 「道州制基本法」の制定

道州制の実現までの工程表を盛り込んだ、「道州制基本法」の私案を提起

第3部 道州制における税財政システム

道州制の導入時点と定着時点を想定した税財政システムとして、各々2案を提示

第4部 道州の区割り案

既存の区割り案をもとに、県の分割や 大都市の独立などを含んだ30案を提示

8

「道州制基本法」の工程表私案「道州制基本法」の工程表私案

初年度 道州制基本法(スケジュール法)道州制基本法(スケジュール法)

道州制特区推進法改正

2年後 道州制準備本部

3年後 道州制実施法(ないしは内政基本法)道州制実施法(ないしは内政基本法)

4年後 道州設立準備会議(各道州毎)

5年後 道州設立準備会議の意見集約

6年後 道州制法道州制法

7年後 道州制移管事務局

8年後 道州制完全実施道州制完全実施(2018(2018年年))

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道州制の税財政制度私案道州制の税財政制度私案

税財政制度を考える際の基本原則

① 国・道州・基礎自治体が明確に役割分担し、

それぞれが役割に応じた財源を確保する

② 社会保障の大部分を地方が担うため、

消費税は道州・基礎自治体の基幹税とする

③ 「共同財源」を置いてナショナルミニマムの

財源保障や、州間の財政調整を行う

10

地域主権型道州制での役割分担地域主権型道州制での役割分担集権・融合から分権・分離へ集権・融合から分権・分離へ

11

道州制と基礎自治体中心主義道州制と基礎自治体中心主義

中央集権中央集権(2005(2005年歳出年歳出)) 地域主権型道州制地域主権型道州制

4040

6060

::

国国4949兆円兆円(42(42%%))

都道府県31兆円(26%)

市町村

37兆円(32%)

1515

8585

::

国国1717兆円兆円(15(15%%))

道州40兆円(35%)

基礎自治体

60兆円(50%)

基礎自治体中心主義基礎自治体中心主義

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地域主権型道州制の税財政イメージ地域主権型道州制の税財政イメージ

国の関与“大” 国の関与“小”

13

道州の区割りの考え方道州の区割りの考え方

北海道、九州、沖縄などは確定的だが・・・

① 既存の都道府県を分割するか否か

静岡県、福井県、三重県、山口県など

② 選択肢が多様な場合にどう決めるか

長野県、新潟県、埼玉県など

③ 大都市をどう位置づけるか

東京都(首都かつ税収が集中)新たな大都市制度(ポスト指定都市)

道州との関係、州都問題

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道州制の区割り道州制の区割り(PHP30(PHP30案案))

東北

四国

沖縄

北関東

南関東

北陸信越

関西

中国

九州

北海道

東海

東北

四国

沖縄沖縄

北関東

南関東

北陸信越

関西

中国

九州

北海道

東海

地域で決める手続きが必要

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20122012年衆院選の各党公約から年衆院選の各党公約から

自民党~道州制基本法の早期成立を図り、

制定後5年以内の道州制導入を目指す

公明党~早期に道州制基本法を制定、

道州制国民会議で幅広い意見を集約

民主党~中長期的な視点で道州制を検討

維新の会~中央集権の打破=究極は道州制

みんなの党~10年以内に地域主権型道州制移行

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各党候補者の道州制に対する考え各党候補者の道州制に対する考え

2012衆院選時の朝日新聞・東京大学による調査結果の相対的位置関係

Q.都道府県に代えて道州制を導入すべきだ

賛成どちらとも言えない 反対

自民公明

維新

みんな

民主

社民

共産

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道州制基本法をめぐる動き道州制基本法をめぐる動き

2012年9月 自民党道州制推進本部が骨子案

「道州制基本法(骨子案)」

・国家機能の集約、限定を図る

・道州は地域経営の主体として構築

・基礎自治体は地域完結性を有する主体として構築

内閣に道州制推進本部、内閣府に道州制国民会議

を置き、諮問後3年以内に答申、答申に基づき2年を

目途に必要な法制を整備

18

自民党道州制基本法骨子案自民党道州制基本法骨子案

道州制国民会議への諮問事項道州制国民会議への諮問事項

ア 道州の区割り、事務所の所在地その他道州の設置に関すること。イ 国、道州及び基礎自治体の事務分担に関すること。ウ 国の機構の再編並びに国の道州及び基礎自治体への関与の在り方に関するこ

と。エ 国、道州及び基礎自治体の立法権限及びその相互関係に関すること。オ 道州及び基礎自治体の税制その他の財政制度並びに財政調整制度に関するこ

と。カ 道州及び基礎自治体の公務員制度並びに道州制の導入に伴う公務員の身分の

変更等に関すること。キ 道州及び基礎自治体の議会の在り方並びに長と議会の関係に関すること。ク 基礎自治体の名称、規模及び編成の在り方並びに基礎自治体における地域コ

ミュニティに関すること。ケ 道州及び基礎自治体の組織に関すること。コ 首都及び大都市の在り方に関すること。サ 道州制の導入に関する国の法制の整備に関すること。シ 都道府県の事務の道州及び基礎自治体への承継手続その他の道州制の導入

に伴い検討が必要な事項に関すること。

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道州制基本法をめぐる動き道州制基本法をめぐる動き

2013年1月 【主張】道州制「地域主権型」の確立を

公明党は、まず、首相の諮問機関として道州制国民会議を設置し、約3年かけて議論を深め、その後2年をめどに移行への法的措置を講じるプランを提示した。自民党は、道州制基本法案骨子案(昨年9月)の中で、首相の諮問に応じて調査審議をするための道州制国民会議の設置を定めている。改革を国民本位の姿勢で進める考え方は一致している。

道州制の具体像は20年以上前からさまざまに議論されてきたが、2007年2月に道州制担当相の下に設置された「道州制ビジョン懇談会」の中間報告(08年3月)が一つのイメージを提起している。道州制推進知事・指定都市市長連合の村井嘉浩共同代表(宮城県知事)も昨年、山口代表との会談で「自公政権の時につくったビジョン懇・報告書のような形にしなければならない」と評価した。

(公明党ホームページから)

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道州制基本法案をめぐる動き道州制基本法案をめぐる動き

新藤総務相が道州制導入に意欲 法案提出時期は明言せず(2012/12/27産経)

新藤義孝総務相は27日の記者会見で、道州制について「大きな方向として必要と思っている。今後、法律の制定も含めて進めていくべき課題だ」と導入に意欲を示した。ただ、道州制基本法案の提出時期は「議論を深めないといけない」と明言を避けた。

道州制 与党、基本法案の今国会提出で合意(2013/5/13毎日)

都道府県を廃止し10程度の道と州に再編する道州制導入の基本法案について、自民、公明

両党は実務者レベルで今国会に提出することを確認した。安倍晋三首相の強い意向を受けたもので、前向きな日本維新の会とみんなの党に歩み寄り、憲法改正論議とともに参院選に向けた野党分断の思惑も見え隠れする。

自公、道州制法案の今国会提出断念…地方に配慮(2013/6/23読売)

. 自民、公明両党は議員立法による道州制推進基本法案を秋の臨時国会に提出する方針を

固めた。今国会への提出を検討していたが、地方自治体などに道州制導入への慎重論が強く、7月の参院選への影響を懸念する自民党内の意見にも配慮し、先送りする。

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全国知事会「道州制の基本法案について」全国知事会「道州制の基本法案について」2013/7/92013/7/9

道州制の基本法案については、日本維新の会・みんなの党が既に国会に提出し自由民主党・公明党においては本年秋の臨時国会提出する動きがある。

全国知事会では、これまで「道州制に関する基本的考え方」をとりまとめ、道州制の検討に当たっては我々の考えを十分踏まえるよう求めてきた。

現在、我が国は東日本大震災からの復興をはじめ、経済の再生、エネルギー問題、少子高齢時代における持続可能で安定的な社会保障制度の構築、近い将来に発生が懸念されている巨大地震対策など多くの喫緊の課題への対応を迫られている。それだけに今、道州制を議論するというのであれば、基本法案には、道州制の必要性、理念や姿が具体的かつ明確に示されなければならない。その上で、国の出先機関の廃止や中央府省の解体再編を含む国と地方双方のあり方を見直す抜本的な改革であることが明記されなければならない。

自由民主党をはじめとする4党において統治機構改革という最重要課題について積極的に問題提起されていることは評価するものの、基本法案においてこうした事項が明確にされていない。こうした状況では、全国知事会として問題点を指摘せざるを得ないと考え、改めて基本法案のあり方についての意見を述べるものである。

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関西広域連合関西広域連合「道州制のあり方研究会(中間報告)」「道州制のあり方研究会(中間報告)」

2013/7/102013/7/10

1.道州制のあり方研究会の設置の背景等

国における道州制をめぐる動きに対応して、全国で唯一の府県を越える広域連合として地方分権改革を推進する観点から、道州制のあり方について調査・検討を行う機関として設置。

2.研究会の検討の方向性等

○ 国主導で中央集権型道州制の導入が進まぬよう、今後、政府が進めるであろう道州制検討に係る課題・問題点をあぶり出す。

○ 具体的な事務に即して、国と地方の扱うべき事務や執行のあり方、国の関与、道州と基礎自治体の関係、基礎自治体の様々な補完のあり方などについて議論を行う。

○ 道州制基本法案の問題点など、演繹的な議論も並行して行う。

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首都機能移転の顛末首都機能移転の顛末

1990年 国会等の移転に関する決議

1992年 国会等の移転に関する法律

1996年 国会等移転審議会が発足

移転先候補地を調査審議

1999年 3つの候補地を選定

栃木・福島、岐阜・愛知、三重・畿央

2003年 特別委員会「絞り込み見送り」

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九州地域戦略会議の取り組み九州地域戦略会議の取り組み

2008年10月 道州制の「九州モデル」答申

2009年 6月 「九州が目指す姿、将来ビジョン」提言

① 生 活 安心できる暮らし・九州

② 人 材 人材と文化が育つ・九州

③ 経 済 地域資源を活かして成長する・九州

④ 安 全 安全対策先進地域・九州

⑤ 環 境 環境対策先進地域・九州

⑥ 地域づくり 多極分散型圏土・九州

⑦ 国 際 アジアとともに発展する・九州

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道州制における基礎自治体像道州制における基礎自治体像

2009年10月 九州市長会「九州府実現計画」

九州府における基礎自治体のあり方

「人口規模に関わらず、住民生活に直結する

全ての事務を自己完結的に担う必要がある」

①大都市型~大都市制度を適用

②中核都市型~単独で行政能力を確保

③連携都市型~水平連携で行政能力を確保

④補完都市型~九州府の補完で行政能力を確保

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京都府における基礎自治体像京都府における基礎自治体像

①大都市型~京都市による特別自治市検討

府県制から道州制で高くなる“天井”

②中核都市型~(中核市、特例市)

③連携都市型~(定住自立圏)

④補完都市型~京都府の補完で行政能力を確保

(例)里力アクションプラン「里の仕事人」

⇒基礎自治体の「京都モデル」の検討

・道州の支所による補完機能の研究

・滋賀県の基礎自治体像との親和性の研究

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道州制推進知事・指定都市市長連合道州制推進知事・指定都市市長連合平成平成2424年年44月発足月発足

<知事> <指定都市市長>○ 共同代表

宮城県知事 村井嘉浩 大阪市長 橋下 徹○ 副代表

佐賀県知事 古川 康 (川崎市長 阿部孝夫)○ 構成メンバー

北海道知事 高橋はるみ さいたま市長 清水勇人新潟県知事 泉田裕彦 千葉市長 熊谷俊人山梨県知事 横内正明 横浜市長 林 文子愛知県知事 大村秀章 相模原市長 加山俊夫大阪府知事 松井一郎 静岡市長 田辺信宏熊本県知事 蒲島郁夫 浜松市長 鈴木康友

名古屋市長 河村たかし

京都市長 門川大作堺市長 竹山修身

岡山市長 髙谷茂男北九州市長 北橋健治

福岡市長 髙島宗一郎熊本市長 幸山政史

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基本法案に対する地域からの基本法案に対する地域からの取り組みポイント取り組みポイント

1.道州制は「小を大へ」ではなく「大を小へ」

2.国民会議に地域から活発な提案を

3.基礎自治体、議会を巻き込んだ議論に

4.独自の地域モデル、地域ビジョンを描く

5.地域住民の関心喚起、合意形成へ