Upload
others
View
0
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
中国地域における高度外国人材の採用・活用に関する
現状と取り組みについて
平成31年1月
中国経済産業局地域経済部 産業人材政策課
1.アンケート結果①実施概要②高度外国人材の採用の有無③中国地域で活躍する高度外国人材④高度外国人材の採用目的・求める能力⑤高度外国人材の採用方法⑥高度外国人材の採用による効果⑦高度外国人材の採用後の課題・取り組み⑧高度外国人材の採用経験がない企業(1)(2)
2.採用企業の課題別・具体的取り組みピックアップ(ヒアリング結果から)
3.中国地域の高度外国人材採用企業の好事例(10社)
4.国、県等の高度外国人材に関する取り組み
◆ 目次
第四次産業革命の下での熾烈なグローバル競争に打ち勝つためには、高度/専門的な知識や技術をもつ優秀な外国人材について、より積極的な受入れを図り、イノベーションを加速していくことが必要です。中国地域においても、より多くの高度外国人材の受け入れを拡大するため、中国地域の中小企業3,000社を対象としたアンケート調査や企業へのヒアリングを通して収集した事例を取りまとめた報告書を作成しました。また、中国地域の自治体等における支援の取り組みもご紹介しております。企業等皆さまの外国人材採用活動の参考としてご活用ください。
・・・・P10
・・・・P 1
・・・・P12
・・・・P20
1.アンケート結果 <①実施概要>
>調査目的 中国地域5県の中小企業・小規模事業者に高度外国人材(日本国内や海外の大学等を
卒業し、企業等の中核を担う人材)についての調査を実施し、中小企業がそれらの人材を活用する際の効果的な支援方法等の検討における基礎資料とすることを目的とする。
受託先
調査対象企業 中国地域の従業員21名以上の中小企業3,000社((株)帝国データバンクが保有する企業概要データベースより中小企業基本法の中小企業の定義に当てはまる企業から抽出)
調査方法・期間 郵送配布・郵送回収
698社(回答率:23.2%)回答企業
株式会社帝国データバンク
県別内訳 業種別内訳
1
平成30年6月25日~8月31日(フォローコール期間を含む)
<①高度外国人材の採用の有無>
2
1.アンケート結果 <②高度外国人材の採用の有無>
>
採用したこと
がある
15.0%
(105社)
採用したことがない
84.0%
(586社)
無回答, 1.0%
(7社)
県別内訳
業種別内訳
*採用経験がある企業の所在地と件数は、鳥取県が5社・島根県が7社・岡山県が27社・広島県が52社・山口県が12社。各県ごとの回答数での割合を見ると、岡山県・広島県は回答があった企業の2割を超える企業が採用実績があるという結果。
*回答のあった698社中、全体の15%にあたる105社が高度外国人材を「採用したことがある」と回答、84%にあたる586社が「採用したことが無い」と回答。
<Q高度外国人材の採用の有無>「採用したことがある」と回答した社が
105社で、全体の15%。
*回答数中の割合*鳥取県:回答61件中0.8%島根県:回答125件中0.6%岡山県:回答129件中21%広島県:回答247件中21%山口県:回答133件中0.9%
*製造業内訳*一般機械器具製造業 17社(26.2%)食料品・飼料・飲料等製造業 15社(23.1%)輸送用機械器具製造業 10社(15.4%)電気機械器具製造業 6社(9.2%)金属製品製造業 5社(7.7%)鉄鋼業、非鉄金属製造業 3社(4.6%)衣服・その他繊維製品製造業 2社(3.1%)化学工業 2社(3.1%)ゴム製品製造業 2社(3.1%)木材・木製品製造業(家具を除く)1社(1.5%)パルプ・紙・紙加工品製造業 1社(1.5%)その他の製造業 1社(1.5%)
*業種別では製造業が最も多い65社であり、うち「一般機械器具製造業」と「食料品・飼料・飲料等製造業」が多く見られた。
(単回答/698社)
3
1.アンケート結果 <③中国地域で活躍する高度外国人材>
*配属先は「製造・管理部門」が39%と最も多く、次に「研究・開発部門」が27.6%と続いた。上位2部門はいわゆる「理系」分野を学んだ人材が中心の業務となり、「営業・販売部門」等の「文系」人材が中心の業務に就く者よりも多いという結果となった。
*採用した高度外国人材の国籍は、アジア地域が9割であり、中でも中国が56.2%、ベトナムが29.5%と、2か国で8割以上を占める。
*現在雇用中の高度外国人材は217名。
<Q.出身国・地域>アジア地域国籍が多く、中国が56.2%、
ベトナムが29.5%と、2か国で8割以上
<Q.配属部門>「製造・管理」「研究・開発」といった
理系分野の職種が7割近く
マレーシア、インド、タイ、フィリピンなど
(複数回答/105社) (複数回答/105社)
◆外国人材を採用したことのある企業:105社(698社中)◆現在雇用中の従業員数(※) :217名 ◆これまでの採用人数:328名
(※)アンケート回答(H30.6~9)時点
4
1.アンケート結果 <④高度外国人材の採用目的・求める能力>
*企業は高度外国人材の(日本語以外の)言語能力や専門的なスキルよりも、日本語での円滑なコミュニケーションや「勤労意欲の高さ」「コミュニケーション能力の高さ」「協調性」といった内面性を重要視している。
*自社に必要な能力をもった「優秀な人材」を求めて高度外国人材を採用するという回答が多数であり、人手不足の解消が目的という回答よりも多いという結果となった。
<Q.高度外国人材の採用目的>人手不足を補うためだけではなく、「優秀な人材の確保」「自社に必要な能力をもった人材の確保」という目的を
もって高度外国人材を採用する企業が多数を占めている
*高度外国人にはビジネス中級~上級程度の高い日本語能力が求められている。
<Q.高度外国人材に求める能力>技術・専門性のレベルよりも一緒に働く上で円滑な
コミュニケーションがとれることを望んでいる
<Q.求める日本語能力>ビジネス中級以上の高い日本語能力が
求められている
(複数回答/105社)(複数回答/105社)
(単回答/105社)
5
1.アンケート結果 <⑤高度外国人材の採用方法>
*当地域で働く外国人材の多くを占める中国、ベトナム、その他アジア人材の採用活動方法に注目すると、中国、その他アジアの人材は「大学・専門学校からの紹介」による採用が最も多いのに対し、ベトナム人材については「人材紹介会社からの紹介」が最も多いという結果となった。
*高度外国人材の採用方法としては、「大学・専門学校からの紹介」が最も多い47.6%。次いで、「人材紹介会社(日本)からの紹介」が36.2%。
<Q.高度外国人材の採用方法>「大学・専門学校からの紹介」が最も多く、
続いて、「人材紹介会社(日本)からの紹介」
<Q.うち中国、ベトナム、その他アジア人材の採用方法>
中国、その他アジア人材の半数以上が大学等からの紹介で採用しているのに対し、ベトナム人材は日本・海外の人材紹介会社からの紹介による採用が最も多い。
*参考*日本の新卒学生の採用活動で最も多いのは「誰でもエントリー可能な採用」によるもので、「学校推薦」「特定大学の学生のみ応募可能な選考プロセス」「教授推薦」等、大学・専門学校を通じた採用活動は少数。
((株)リクルートキャリア 就職白書2018 調査より)
(複数回答/105社)
(複数回答/105社)
6
1.アンケート結果 <⑥高度外国人材の採用による効果>
*効果を「特に感じていない」という回答は4.8%にとどまり、高度外国人材を採用した企業の多くが採用による何らかの効果を感じているという結果。
*高度外国人材の採用による効果として、比較的即効性を感じやすい「人手不足の解消・緩和」に効果があったという回答が最も多いものの、「日本人社員への刺激・社内活性化」
「海外を含む販路開拓・取引先拡大」「海外進出に向けた要因として活用」等、外国人材の特性・能力による効果についての回答も多数であった。
<Q.高度外国人材の採用による効果>「人手不足の解消・緩和」を回答した企業が50%以上。
続いて「日本人社員への刺激・社内活性化」「海外事業所・海外取引先との関係の向上」「社内のグローバル化・多様性への理解・意識の向上」等。
外国人材の特性・能力を活かしたことによる効果
企業の声(ヒアリングより)
◆実務的な基礎知識があることから即戦力として活躍している(A社)
◆向上心が高く、日本人社員を含めて周りも良い刺激を受けている(N社)
◆海外取引先との交渉も行っており、顧客との関係向上の一翼を担っている。(F社)
◆役職に就き、海外での展示会の仕切りも全て任せている(T社)
9割の企業が効果を実感
(複数回答/105社)
7
1.アンケート結果 <⑦高度外国人材の採用後の課題・取り組み>
*採用後の課題として「意思の疎通がうまく図れない」「活用するためにコストと時間がかかる」「在留資格申請等の事務負担が過重」との回答がそれぞれ約2割あった。
*一方、高度外国人材の受入れに際し、「外国人社員への日本語コミュニケーション能力の研修」に取り組んでいるとの回答は3割弱であるが、「その他」(取り組みが無いため選択した社が
多数と推定)や「無回答」が合わせて約4割となり、ほとんどの企業が特段の取り組みをしていないことがうかがえる。
<Q.高度外国人材の採用後の課題>「意思の疎通がうまく図れない」「活用するためにコストと時間がかかる」「在留資格申請等の事務負担が過重」がほぼ同数の回答
<Q.採用後の(活用のための)取り組み>「外国人社員への日本語コミュニケーション能力の研修」が
最も多いが、「その他」を選択し「特に何もしていない」と記入した社、「無回答」の社が多数
「その他」を回答した全ての企業が「特に何もしていない」「日本人社員と同じ」と記入。「無回答」も特段
の取り組みが無いため選択した社が多数と思われる
(複数回答/105社)(複数回答/105社)
8
1.アンケート結果 <⑧高度外国人材の採用経験がない企業(1)>
*そのうち「今後高度外国人材の採用を(条件次第で)考えられる」と回答した企業が227社(38.7%)で、採用経験がない企業の約4割。
*回答のあった698社中、84%にあたる586社が高度外国人材の「採用経験がない」と回答。
<Q.高度外国人材の採用経験、今後の採用意向>「採用したことがない」の回答が全体の84%。そのうち、
「今後高度外国人材の採用を(条件次第で)考えられる」と回答した企業が227社で、約38%。
<Q.高度外国人材を採用する条件>「日本語能力が高い」が最も多い75.3%。
続いて、「勤労意欲が高い」「長期雇用が見込まれる」「コミュニケーション能力が高い」。
高度外国人材の採用経験がない企業のうち約4割の企業が採用を視野に入れている(単回答/586社)
*採用の条件としては、「日本語能力が高い」が最も多い75.3%。専門的な知識やスキルよりも、日本語で円滑なコミュニケーションがとれることを重要視する結果。
(複数回答/227社)
外枠:(単回答/698社)内枠:(単回答/586社)
9
1.アンケート結果 <⑧高度外国人材の採用経験がない企業(2)>
*そのうち「今後も高度外国人材の採用を考えられない」と回答した企業が355社(60.5%)で、採用経験がない企業の6割以上。
*回答のあった698社中、84%にあたる586社が高度外国人材の「採用経験がない」と回答。
<Q.高度外国人材の採用経験、今後の採用意向>「採用したことがない」の回答が全体の84%。そのうち、「今後も高度外国人材の採用を考えられない」と回答した
企業が355社で、60.5%。
<Q.高度外国人材の採用を検討できない理由>「社内の受入れ体制が整っていないため」が最も多い71%。続いて、「言語や文化・価値観が異なることが不安なため」。
*その理由としては、「社内の受け入れ体制が整っていないため」が71%と最も多く、続いて「言語や文化・価値観が異なることが不安なため」が43.1%と、制度的・心理的な面で、企業側に受入れる体制が整っていないことが採用のハードルとなっていることがうかがえる。
(複数回答/355社)
外枠:(単回答/698社)内枠:(単回答/586社)
?
10
2.採用企業の課題別・具体的取り組みピックアップ(ヒアリングから)
アンケート等で抽出した高度外国人材の採用経験がある企業13社を訪問し、高度外国人材の受入れにあたっての取り組みについて詳細をヒアリング。各課題に対応した取り組みをまとめました。
「日本語能力の不足」について
◆会社が受講費を全額負担し、地域の研修機関で日本語を勉強させている。 (設計業)◆社長が「先生」となり、週に1回、日本語学習の時間を設けている。(製造業)◆一定程度の日本語検定を取得した者には、資格手当を支給している。 (複数社)◆週に1回、ビジネス日本語の教育をしている。 (建設業)◆日本語の勉強も兼ねて、社長と外国人社員で日記のやりとりをしている。 (製造業)◆日本語力が十分でない社員に対しては、確認をしっかりと行うようにしており、
そのことを日本人社員も理解している。(小売業)
「文化・宗教の違い」について
◆礼拝が必要な宗派の外国人社員に対しては、業務時間中の礼拝を許可している。また、その旨を他の社員にも周知し、会社全体に理解を促している。(電気工事業)
◆日本人社員との交流の場(飲み会、旅行等)を設けている。(複数社)◆中国人社員が講師となって日本人社員に中国語を教えるクラブ活動がある。(製造業)◆毎月1回、外国人社員と日本人社員を集め、勉強会や悩み相談、他国の文化等に
ついて紹介する時間を設けている。(製造業)
11
「生活面のサポート」について
「キャリア・勤続年数」について
◆ (住まい探しが難しいため)会社が借り上げた住まいを安価で提供している。(複数社)◆入社に合わせ、必要最低限の家電を提供している。(複数社)◆入居時にゴミ出しのマナー等の生活ルールをレクチャーしている。(複数社)◆入社1週間前からこちらに呼び寄せ、観光地を案内したり、近隣のスーパーでの
買い物に付き添ったりするなどしている。(インターネット関連)◆ 自動車運転免許を持っていない外国人社員に対しては、移動手段として自転車を
提供するようにしている。(電気工事業)
◆ 給与体系から福利厚生、昇進に至るまで、日本人社員と待遇は同じ。(複数社)◆ 入社時に仕事内容を明確に示しておく。(キャリアパスを明示する)
経験年数や資格取得が給与に反映されることも事前に説明している。(複数社)◆(長く働いて欲しい気持ちはあるが)長く働くことを採用面接時に確認したり、
条件にはしていない。(複数社)◆将来的に帰国を考えている外国人社員にはその国へ進出する際の現地法人の
立ち上げを任せるなど、割り切って考えている。(IT関連)
そのほかのコメント
◆ 外国人だからと特別視せず、普通に接し温かく迎える姿勢が重要。(製造業)◆「労働力」としてではなく、「人材」として欲しいと思って採用している。(小売業)
2.採用企業の課題別・具体的取り組みピックアップ(ヒアリングから)
12
3.中国地域の高度外国人材採用企業の好事例(10社)
株式会社タケウチ建設(広島・地盤改良工事)
デリカウイング株式会社(広島・食料品製造業)
株式会社Fabric Arts(広島・インターネット関連)
株式会社エイワイテック(岡山・機械設計業)
株式会社アミックス(広島・金型/金型部品等製造)
二村自動車株式会社(広島・自動車小売)
株式会社中島商会(岡山・塗料卸)
…P 13
…P 14
…P 15
…P 16
…P 17
…P 17
…P 18
…P 18
…P 19
…P 19
三島食品株式会社(広島・食料品製造業)
株式会社中尾鉄工所(広島県・鉄工業/建設業/上下水機械設備製造業)
株式会社明光堂(広島・針製造/金属加工)
◆株式会社タケウチ建設(広島県・地盤改良工事)
取組内容(サポートなど)
採用による効果
ベトナムの大学で開催された合同企業説明会(日本企業対象)のほか、人材派遣会社、「広島県留学生活躍支援センター」の開催する留学生合同企業説明会などで採用活動を行っている
<企業情報>(平成30年11月時点)
本社所在地:広島県三原市円一町創業年:1990年(平成2年)資本金:50百万円従業員数:64名(外国人24名・ベトナム、ミャンマー、中国)
*採用時に終身雇用であることを伝え、キャリアプランを描きやすいようにしている。
*毎週1回、社内でビジネス日本語の研修を実施。*言葉の壁を低くする意味もあり、日本人社員に対しても毎朝10分間の英語スピーキングレッスンを実施。
*日本人社員や地域との交流を積極的に進め、これまで三原市の祭り「やっさ踊り」に4回出場し、外国人社員がリーダーも務めている。
*東京事務所で働くミャンマー人の女性社員は、現在海外事業担当課長の役職についており、ロサンゼルスやニューヨークの展示会の仕切りも全て任せている。
*設計部で働くべトナム人社員は、TNF工法の設計・解析業務を行い、自社の技術力向上に貢献している
「家庭的雰囲気を持った革新的集団」を外国人にも実践
外国人採用のきっかけ
ベトナムで海外で初めてとなるTNF工法(当社が特許を持つ建築施工方法)を用いた仕事を請け負ったことをきっかけに、ベトナムへの進出を検討。現地で会社を任せる人材を確保・育成するため採用を決めた。
13
◆株式会社エイワイテック(岡山県・機械設計業)
取組内容(サポートなど)
採用による効果
<企業情報>(平成30年11月時点)
本社所在地:岡山県岡山市北区撫川創 業:1992年(平成4年)資本金:30百万円従業員数:45名(外国人10名・ベトナム)
*会社が費用を全額負担し、地域の研修機関での日本語学習をサポートしている。受講日に残業をさせないよう配慮もしている。
*日本語検定N2取得者には資格手当を支給。*給与や福利厚生等の待遇は日本人社員と同じ。
配偶者の母国(ベトナム)での里帰り出産によるベトナム人の育児休業取得者は2名で、3か月の育児休暇を取得した者もいる。
*優秀な人材の確保。顧客対応も任せて
おり、コミュニケーションに問題はなく、今では電話やスカイプだけで仕事の打ち合わせを行っている。
*技術習得も兼ね、他企業への人材派遣を
3か月から2年単位で行っている。これまで3名の外国人社員が派遣され、自社の技術力向上に貢献している。
充実した学習環境・福利厚生で育成・定着に繋げる
採用の方法
◆ベトナムの日本向けの人材紹介会社(教育施設)において、大学卒業後2年間、日本語や日本文化、設計について学んだ10名を採用。
◆ベトナムには当社の現地法人もあり、来日前に事前研修も実施している。
14
◆株式会社アミックス(広島県・金型/金型部品等製造)
<企業情報>(平成30年11月時点)
本社所在地:広島県三原市大和町創業年:1998年(平成10年)資本金:90百万円従業員数:48名(外国人9名・ベトナム)
取組内容(サポートなど)
採用による効果
*外国人社員に対しては家具・家電付きの借り上げアパートを会社で用意。
*入社後約1年間は、社長自らが「先生」となり、毎週1回、日本語を学習する時間を設けている。
*同僚の日本人社員は彼らを外国人だと意識せずに接している。外国人社員もバリアフリーを実感している。
*外国人社員も日本の生活に馴染んでおり、多くの社員が入社後1年程度で自動車運転免許を取り、マイカー通勤をしている。最近では、マイホームも購入した社員もいる。
優秀な人材の確保。現在採用している
外国人社員は機械工学系の実務的な基礎知識があることから即戦力となっている。
採用の方法等
◆ベトナムの国立大学と提携した日本の人材紹介会社を通じて定期的に採用。日本語だけでなく、日本文化や社会常識についても学んでおり、最初から日本人とほぼ同じ感覚で接することができる。
◆5年前から毎年2名づつ採用しており、現在9名のベトナム人が正社員として働いている。
バリアフリー&家族的な雰囲気の下で即戦力として活躍
外国人社員の方のお写真(お仕事中の風景)
CAD/CAM業務を担当している社員は顧客への問い合わせも電話やメールで行っている。機械加工を担当している社員は、機械操作だけではなく個々の金型加工の方法についても改善が提案できるレベルになりつつある。
15
◆株式会社 Fabric Arts(広島県・インターネット関連)
取組内容(サポートなど)
採用による効果
◆将来的な海外展開も考えていたため、それをきっかけに外国人材を対象とした採用を開始。
◆海外の人材会社からの紹介やIT専門学校への求人、外国人スタッフの知人紹介により採用をしている。
<企業情報>(平成30年11月時点)
本社所在地:広島県広島市中区紙屋町創業年:2007年(平成19年)資本金:10百万円従業員数:36名(外国人4名・ベトナム)
*外国人スタッフに対しては、会社が借り上げた住居を安価な家賃で提供。必要最低限の家電も用意している。
*入社前にゴミ出し等の生活マナーについてレクチャーするほか、近隣のスーパーでの買い物に付き添うなど、日本での生活をスタートする際のサポートもしている。
*ベトナム人スタッフも加わり、自社製品
「ecat CLOUD」(顧客管理ソフト)、「ecat COMMERCE」(通販サイト構築ソフト)
の開発に貢献。
*取引先のベトナム企業との交渉も外国人
スタッフが行っており、顧客との関係向上の一翼を担っている。
ベトナム人スタッフ4名も加わり新商品を開発
外国人採用のきっかけ
*技術者の求人を出したところ、他県のIT専門学校のベトナム人留学生から応募があり、採用。
*意識的に外国人材を採用したのではなく、優秀な人材がたまたま外国人だった。
16
◆二村自動車株式会社(広島県・自動車小売)
<企業情報>(平成30年11月時点)
本社所在地:広島県広島市安佐南区長楽寺創 業:1971年(昭和46年)資本金:10百万円従業員数:118名(外国人4名・中国、ベトナム)
「広島県留学生活躍支援センター」が開催する留学生合同企業説明会や、大学内で開催される説明会に積極的に参加し、採用活動を行う
外国人採用のきっかけ
社長から採用人材の幅を広げるよう指示があり、留学生に目を向けたことから
「多様な人材」の活用検討から留学生に注目
採用の効果・取り組みなど
*営業職や自動車整備士として現場で活躍中。
*言語の違いによる伝達ミスがないよう、確認はしっかりと行うことを日本人社員も理解している。
19
◆株式会社中島商会(岡山県・塗料卸)
<企業情報>(平成30年11月時点)
本社所在地:岡山県岡山市北区柳町創 業:1950年(昭和25年)資本金:50百万円従業員数:360名(外国人6名・中国、台湾)
採用による効果
*外国人社員1名は商品企画部門で、ほか5名は営業部門で活躍中。
*向上心が高く、「危険物取扱者」などの資格取得に励む外国人社員も多い。日本人社員も含め、周りも良い刺激を受けている。
外国人採用のきっかけ
就職ポータルサイトを見て、当社の会社説明会や合同企業説明会に参加した学生を採用。
(全て文系学部卒業の人材)
17
通常の新卒公募に応募があり、採用。意識的に外国人材を採用したのではなく、優秀な人材がたまたま外国人だった。
外国人社員の向上心が他の社員の意識も高める
採用の効果・取り組みなど
大学からの紹介・採用
*当社の要となる設計部門で活躍中。現地での実測のため、県外出張もしている。
*日本のビジネスシーンにおける言葉いや顧客からの電話対応等について、社内教育で学んだことを徹底するようにしている。
◆株式会社中尾鉄工所(広島県・鉄工業/建設業/上下水機械設備製造業)
<企業情報>(平成30年11月時点)
本社所在地:広島市南区出島創業年:1946年(昭和21年)資本金:20百万円従業員数(正社員):95名(外国人3名・中国)
設計部門の人材を募集したところ、応募があり、採用。意識的に外国人材を採用したのではなく、意欲のある優秀な人材がたまたま外国人だった。
外国人採用のきっかけ
「会社の要」となる部門で意欲をもって活躍中
◆三島食品株式会社(広島県・食料品製造業)
<企業情報>(平成30年11月時点)
本社所在地:広島市中区南吉島創業年:1949年(昭和24年)資本金:90百万円従業員数:420名(外国人2名・マレーシア、中国)
海外拠点(中国、タイ、アメリカ)との仲介役となり、日本と海外を行き来して研究開発を進めることのできる人材が欲しいという思いから、採用を検討
採用による効果
*外国人社員2名は研究職として、広島市の研究所や東京都の開発本部で活躍中。
*海外との商談や打ち合わせの際には通訳として同席。円滑な商品開発と海外関係先との関係向上に繋がっている。
外国人採用のきっかけ
外国人社員の仲介により商品開発がスムーズに
「広島県留学生活躍支援センター」が開催する合同企業説明会に参加
18
◆株式会社明光堂(広島県・針製造/金属加工)
<企業情報>(平成30年11月時点)
本社所在地:広島県安芸郡府中町大須創 業:1949年(昭和24年)資本金:24百万円従業員数:59名(外国人2名・中国)
大学のキャリアセンターに「中国語ができる人」と、求める人材像を明確にして求人を出したところ
応募があり、採用
外国人採用のきっかけ
求人像の明確化により、必要な人材を長く雇用
採用による効果
*勤続18年の外国人社員は現在上海事務所で管理職として活躍中。海外での販路開拓に取り組んでいる。
*勤続10年の外国人社員は本社の品質管理部門で活躍中。
当時中国に工場があったため、中国語でビジネスができる人材が必要になったことから
19
◆デリカウイング株式会社(広島県・食料品製造業)
<企業情報>(平成30年11月時点)
本社所在地:廿日市市宮内工業団地創業年:1971年(昭和46年)資本金:100百万円従業員数(正社員):170名(外国人2名・中国、ベトナム)
技能実習生の人数が増えたため、通訳や人事管理、仕事や生活面でのサポートをしてくれる人材が
必要となり、採用を検討
採用による効果
外国人採用のきっかけ
◆就職ポータルサイトからの応募・採用◆留学生アルバイトを正社員として採用
技能実習生とのコミュニケーションの仲介役に
*技能実習生らに作業方法を教える際、外国人社員が通訳として立ち合うことで、スムーズに教育が進むようになった。
*マニュアルや掲示物を翻訳することで、技能実習生たちの作業の円滑化につながった。
20
4.国、県等の高度外国人材に関する取り組み
鳥取県
島根県/岡山県/広島県
山口県
法務省
広島県留学生活躍支援センター
公益財団法人岡山県産業振興財団
経済産業省 …P 21
…P 23
…P 24
…P 25
…P 26
…P 27
…P 28
4.高度外国人材に関する取り組み <経済産業省>
「高度外国人材活躍推進プラットフォーム」
◆中堅・中小企業における高度外国人材の採用・定着を支援◆「施策情報のワンストップサービス(ポータルサイトの開設)」「伴走型支援」
「ジョブフェア・セミナーの開催」による3つの支援メニュー
高度外国人材の採用~活用~定着について知りたい!
高度外国人材外国人留学生
中堅、中小企業
アクセス
情報提供
情報提供
関係機関関係省庁
教育機関
情報提供
アクセス高度外国人材活躍推進ポータルサイト
(平成30年12月25日オープン)
◆施策情報の提供各省庁・関係機関の施策やイベント情報等を掲載
◆個別相談対応・専門家派遣(伴走型支援)(※平成31年4月1日以降~)
採用や定着等の相談に対し、担当コーディネーターが個別に対応。相談内容に応じ、専門家をアレンジ・手配。
個別支援留学生むけ就職イベント
やインターンシップについて知りたい!
JETRO
ジョブフェア・セミナーの開催
情報提供
施策情報を提供
21
22
4.高度外国人材に関する取り組み <経済産業省>
中小企業が外国人インターン学生を受入れる際に渡航費用や滞在費用の一部を補助
◆「国際化促進インターンシップ事業」の実施(業務委託先:JETRO、(株)パソナ)
東京都千代田区霞が関1-3-1貿易経済協力局 技術・人材協力課
Tel:03-3501-1937
◆「高度外国人材活躍企業50社」の発行
高度外国人材が活躍する企業の好事例をまとめた事例集を作成
「高度外国人材活躍企業50社」
<URL>http://www.meti.go.jp/press/2018/05/20180525002/20180525002-1.pdf
◆企業向けセミナーの開催
外国人材の活用を検討している企業等を対象にセミナーを開催し、好事例の紹介等を通して高度外国人材の活用を促す
・対象は開発途上国(OECD/DACリスト掲載国」の国籍を有する外国人材(H30年度 220名程度募集)・H29年度は14人のインターン生が受け入れ先の企業に就職(受入れ企業約90社)
「国際化促進インターンシップ事業」HP(平成30年度)事業の流れ
外国人の受入れを希望する中堅・中小企業を公募
事務局にて、受入れ候補の外国人学生・留学生等を募集し、受入れ企業とのマッチングを実施
実施にあたり、受入れ企業向け事前研修の実施、必要経費(往復航空券等の渡航費、滞在費など)の支援 事務局
日本企業
外国人学生・留学生
インターン受入れ(最長3カ月)
支援支援
4.高度外国人材に関する取り組み <法務省>
法務省 入国管理局
◆「高度人材ポイント制」の導入
「高度外国人材」の中でも、一定の専門職に就く外国人材について学歴や年収等に応じてポイントを付与
外国人在留総合インフォメーションセンターTel:0570-013904
・「日本版 高度外国人材グリーンカード」の創設
▶「高度人材ポイント制」において70点以上のポイントを 取得した者は、永住許申請に要する在留期間を5年から3年に短縮
▶高度外国人材の中でも特に高度と認められる80点以上のポイントを取得した者は、1年の在留で永住許可申請が可能(世界最速級の速さ)
・高度外国人材の活動内容を「高度学術研究活動」「高度専門・技術活動」「高度経営・管理活動」の3つに分類し、それぞれの特性に応じて、「学歴」 「職歴」「年収」などの項目ごとにポイントを設定
・70ポイント以上は高度人材として認定され、様々な優遇措置を受けることができる
23
高度専門職1号の場合の優遇措置
①複合的な在留活動の許容②「5年」の在留期間の付与③在留歴に係る永住許可要件の緩和④配偶者の就労⑤親の帯同(一定の要件あり)⑥家事使用人の帯同(一定の要件あり)⑦入国・在留手続きの優先処理
高度専門職2号の場合の優遇措置
a.高度専門職1号の活動と併せてほぼ全ての就労資格の活動を行うことができる
b.在留期間が無期限となるc.左記③から⑥までの優遇措置が受けられる
※「高度専門職2号」は「高度専門職1号」で3年以上活動を行っていた方が対象になります。
詳細やポイント計算表は法務省 入国管理局のHPでご確認ください
25
4.高度外国人材に関する取り組み <県>
鳥取県 鳥取市東町1-220 雇用政策課Tel:0857-26-7699
・高度外国人材を採用するための基礎的な知識や採用後の育成・定着、異文化マネジメント等について説明する企業向けセミナー・ワークショップを開催
・高度外国人材を採用している企業や活用にあたって先進的な取り組みを行っている県内外の企業への企業向け見学会・意見交換会を開催
◆ 企業向け研修・見学会の開催
◆ 外国人雇用サポートデスクの設置
高度外国人材を含む、外国人材の雇用をサポート。募集や採用における留意点や入国管理法の解説、雇用する際の入国管理法上の手続き等の相談に対応。
◆ 合同企業説明会の開催・出展支援
・県内企業を対象とした留学生向け合同企業説明会を鳥取県内の大学で開催
・民間人材会社等が開催する県外での外国人材向け合同企業説明会にブースを設置し、県内企業の出展を募集
◆ 留学生向けインターンシップ支援
「とっとりインターンシップ」に留学生を専門としたコーディネーターを配置し、留学生向けインターンシップのメニューを提供
24
4.高度外国人材に関する取り組み <県>
島根県島根県松江市殿町1 雇用政策課
多様な就業推進室 Tel:0852-22-5309
◆「外国人雇用の基礎知識」パンフレットの作成高度外国人材を含む、外国人を雇用する際の
流れや在留資格、社会保険等の一般的な
基礎知識のほか、相談窓口を紹介
広島県
◆「広島県ものづくりグローバル人財育成協議会」
広島市中区基町10番52号 産業人材課Tel:082-513-3420(代表)
・産学官が連携し、県内企業に就職する意思を有するアジアをはじめとする優秀な理工系留学生を受入れ(受入大学:広島大学大学院工学研究科修士課程)
・各国大学における優秀な理工系留学生の掘り起こし・日本型ものづくり及び日本型企業経営を理解するための教育プログラムを実施
・会員企業での企業訪問、インターンシップを実施・受入留学生へ奨学金を支給(10万円/月)・会員企業の負担金は30万円/社・年度(受入留学生を採用した場合、別途特別負担金50万円/人を納入
岡山県 岡山市北区内山下2丁目4番6号マーケティング推進室 Tel:086-226-7365
◆「留学生等海外人材活用セミナー」の開催(公財)岡山県産業振興財団と連携して、
財団が実施する留学生のための企業説明会と同日に開催
25
27
4.高度外国人材に関する取り組み <県>
山口県<山口県庁>
山口県山口市滝町1番1号労働政策課雇用・労働企画班Tel:083-933-3254
◆ インターンシップ受入れ支援
外国人材コーディネーターがマッチングした県内企業での外国人留学生等のインターンシップ実施に際し、受入企業が留学生に対して支払った旅費・宿泊費相当分を該当企業に対して補助≪補助率≫ 1/2以内
・「山口しごとセンター」に外国人材コーディネーター1名を配置・県内の企業を訪問し、外国人留学生等の就業を希望する県内企業を開拓
・県内の大学を訪問し、県内企業での就職を希望する留学生の情報収集、交流会の案内等を実施
・県内企業に就職した元留学生と面談し、定着のためのフォローを実施
・在学中の留学生だけでなく、就職が決まらないまま大学を卒業した元留学生についても支援
◆ 外国人留学生等活用支援拠点の運営
<山口しごとセンター(外国人材コーディネーター)>山口県山口市吉田1677-1 山口大学学生支援部 国際交流課 留学生支援室内Tel:083-933-5606
◆ 留学生と企業との交流会の開催
・外国人留学生等の県内就業を促進するとともに、中小企業が必要とする人材の確保を支援するため、県内企業・留学生を対象とする交流会を開催
・山口大学、西京銀行と共催企画により実施・平成30年度は2回開催
26
4.高度外国人材に関する取り組み <支援機関>
(公財)岡山県産業振興財団
◆「アジア留学生ビジネスネットワーク構築支援事業」の実施
当財団が実施主体となり、県内4大学(岡山大学、岡山理科大学、岡山商科大学、吉備国際大学)と(一社)岡山経済同友会が連携し、アジア留学生と県内企業の交流を支援する事業。奨学金給付、インターンシップやマッチング支援等を実施。平成29年度からインターンシップと企業説明会へ岡山県立大学と環太平洋大学が参加。
*奨学金「晴れの国スカラシップ」の給付
県内の4大学に在籍するアジア地域出身の留学生を対象に3万円/月(年間36万円)を支給
(県内企業から奨学金原資寄付金を募り、企業名を付した冠奨学金。企業は支援する留学生の選考が可能)
県内企業に就職希望のアジア地域出身の留学生と県内企業を集めた企業説明会を開催
(個別の紹介も行うため、当財団では無料職業紹介事業所の認可を取得)
*インターンシップ支援
岡山市北区芳賀5301 テクノサポート岡山 総務企画課
Tel:086-286-9661
*就職情報の提供、企業説明会の開催
・8~9月の間で約10日間のインターンシップを実施・各大学で行う留学生向けの説明会を行い、参加学生を募集
・インターンシップ前にビジネスマナー講習会を開催・受入れのマッチングにあたっては、両者のミスマッチを防ぐため企業と留学生の面接会を開催
・インターンシップに参加した留学生とその大学関係者、受入れ企業が集まり報告会を実施
受入れ企業の募集
大学説明会(参加学生の募集)
ビジネスマナー講習会
インターンシップ面接選考会
マッチング
インターンシップの実施8月~9月の間で約10日間のインターンシップを実施
インターンシップ報告会27
29
広島県留学生活躍支援センター広島県広島市中区中町8-18広島クリスタルプラザ6F
Tel:082-541-3781
4.高度外国人材に関する取り組み <支援機関>
*県内の留学環境の紹介・広島県の留学環境や学校を紹介する広報資料の作成
・英語・中国語等、多言語に対応したウェブサイトでの情報提供
*進学説明会の開催日本語学校に在籍する留学生の県内大学への入試・進学に関する相談に対応
*「ひろしま留学大使」の実施留学生がSNSを通して広島県での留学の魅力を世界に発信
*生活に関する支援・留学生が民間賃貸住宅を借りる際に同センターが連帯保証人となる「留学生住宅保証制度」を整備
・民間賃貸住宅の情報提供・外国人相談窓口の設置
*勉学に関する支援・私費留学生への奨学金支給・ボランティアの日本語教師紹介による日本語学習支援
*文化・地域交流支援他大学や地域社会との交流支援
*留学生への就職支援・就職セミナーの開催・専任キャリアコンサルタントによる就職活動の個別相談対応・指導
*企業への支援「留学生活用セミナー」の開催(年2回開催)
*留学生・企業双方への支援・「外国人留学生合同企業説明会」の実施(年2回開催)
・企業と留学生の交流会の開催・インターンシップ(県内企業限定・
登録制)の実施
◆受入れサポート ◆勉学・生活サポート ◆就職サポート
28
<問い合わせ>
中国経済産業局地域経済部 産業人材政策課
(TEL:082-224-5683)