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「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集

「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

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Page 1: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

平 成 2 4 年 3 月

「食品産業の将来ビジョン」

参考資料集

参 考

Ⅰ 食品産業をめぐる状況変化 1 国内市場の構造変化(将来推計人口における高齢者の質の変化) 1 2 国内外の原料の調達リスクの高まり 4 3 市場のグローバル化 6 4 東日本大震災の影響 8 Ⅱ 食品産業の位置付け現状 1 最終消費からみた飲食費の流れ 10 2 食品関連産業の地位 11 3 食品産業の位置付け 13 4 食品産業の業種別構造 16 5 海外市場への展開 22 6 商品先物取引 25 Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組 1 農林漁業の成長産業化 26 2 農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設 27 3 6次産業化の推進 29 4 緑と水の環境技術革命-イノベーションを科学技術で- 34 5 イノベーションによる新たな需要市場の開拓 36 6 輸出戦略の立て直し 46 7 医療介護福祉と食農の連携 49 8 フードチェーン当事者間における取引情報の共通化 50 9 食品の品質管理信頼性向上への対応 51 10 食品中の放射性物質への対応 52 11 持続可能な資源循環型社会の構築 54 12 協働の枠組み(プラットフォーム)の構築 58

目 次

10000

12000

14000

16000

18000

20000

22000

24000

26000

2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050

65~74歳 75歳以上

(千人)

団塊の世代 (1947~49年生まれ)

2020年の高齢者人口(65歳以上)は総人口の約3割を占める 2022年に団塊の世代(1947年生まれ)が75歳になりそれ以後後期高齢者が急速に増加

資料国立社会保障人口問題研究所「全国将来推計人口」(平成24年1月) 注出生中位死亡中位の場合

1国内市場の構造変化(将来推計人口における高齢者の質の変化)

2022 (年)

~ ~ 0

年 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050

総人口(千人) 127768 128057 126597 124100 120659 116618 112124 107276 102210 97076

割合 ()

65~74歳 111 119 138 140 123 121 133 153 157 142

75歳以上 91 111 130 151 181 195 200 207 221 246

計 202 230 268 291 303 316 334 361 377 388

Ⅰ 食品産業をめぐる状況変化

人口減高齢化等によりこれまで食品産業が基盤としてきた国内市場の縮小が見込まれるしかしながら高齢者になるに従ってエンゲル係数は上昇する傾向

また一世帯当たりの人員減少に伴う世帯数の増加等により商品の少量化や小口化が進む等消費構造も変化

1国内市場の構造変化(高齢化に伴う消費構造の変化)

国民1人1日当たりのエネルギー摂取量

世帯数と1世帯当たり人員の推移

世帯主の年齢階層別食費支出額(年額)

世帯主の年齢階層別消費支出に占める食費支出の割合

資料 総務省 「家計調査」(平成22年)

0

200000

400000

600000

800000

1000000

~29歳 30~39 40~49 50~59 60~69 70~

575471

751569

929313 950664 940254

835611

09 12 16 22 30 39 48

23 30

34 35 37 39

42 44 45 47

41

34 33 32 31 30 28 27 26 24

00 05 10 15 20 25 30 35 40 45

0

10

20

30

40

50

60

1960年 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010

資料総務省「国勢調査」 注高齢者世帯数は65歳以上の単身世帯数(調査は1980年から開始)

1世帯当たり人員

(人)

(百万)

全世帯数

世帯数

一世帯当たり人員

高齢者世帯数 00

200

400

600

800

1000

食料品支出額()

その他支出額()

208 232 241 232 274 293

792 768 759 768 726 707

1国内市場の構造変化(食料品アクセス問題)

0

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900

1000

全国 三大都市圏 東京圏 名古屋圏 大阪圏 地方圏

全年齢 65歳以上

出典農林水産政策研究所「食料品アクセス問題の現状と対応方向」

生鮮食料品店までの距離が500m以上でかつ自動車を持たない人口

資料農林水産省「食料品アクセス問題に関するアンケート調査」 (注)政令指定都市及び東京都特別区については対策を実施中50のうち政令 指定都市は43東京都特別区は57対策を実施検討していない29の うち政令指定都市は25東京都特別区は75

対策を必要とする市町村の割合

飲食料品店の減少大型商業施設の郊外化等に伴い都市部においても高齢者を中心に食料品の購入や飲食に不便や 苦労を感じる「食料品アクセス問題」が顕在化 農林水産政策研究所の推計によれば生鮮食料品店までの距離が500m以上かつ自動車を持たない人口は910万人うち 65歳以上は350万人にのぼり特に高齢者に大きな負担 全国の市町村を対象に行ったアンケート調査によれば「何らかの対策を必要」とする市町村は約4分の3にのぼりそのうち の3割程度の市町村が対策の検討にさえ着手できていない状況

対策を必要とする市町村の対策の実施状況 対策を実施検討していない

万人

農家世帯員農業就業人口基幹的農業従事者数等の動向(販売農家)

農業従事者の減少や高齢化による国内農業生産力の低下により国産志向等多様な消費者ニーズに対応できないおそれ 人口の増加や途上国の経済発展バイオ燃料等非食用の需要増大地球規模の気候変動の影響等により原料農産物の

国際価格の上昇が見込まれるとともに原料産地が限定される産品等に調達の懸念

2国内外の原料の調達リスクの高まり

中国の経済発展による食料需要の増大

1563 1388

1204 1047

837 650 543 482 414 389 335 261 346 293 256 240 224 205

195

268

397

512 574

611

0

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20

30

40

50

60

70

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1200

1400

1600

1985 1990 1995 2000 2005 2010

農家世帯員数 農業就業人口 基幹的農業従事者数 65歳以上の基幹的農業従事者の割合 hellip

資料農林水産省「農林業センサス」

万人

世界のバイオエタノール生産量の見通し

(参 考)穀物等の国際価格の動向(ドルトン)

穀物等の国際価格は2010年7月以降再び上昇し現在は2006年秋頃に比べ16~34倍の水準 昨年夏以降ロシアの穀物輸出禁止措置とうもろこしのバイオ燃料向け需要の増大中国の旺盛な大豆輸入等により穀物

等の需給は引き締まり価格が上昇したとうもろこしは2011年4月11日に3055ドルトンと史上最高値を更新 現在米国コーンベルトの降雨によるとうもろこし等の作付遅れや欧州の乾燥による小麦等の作柄が懸念

0

100

200

300

400

500

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1000

1970 1972 1974 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012

ドルトン

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2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

(ドルト

ン )

4880ドル24倍

過去最高6092ドル(200873)

注小麦とうもろこし大豆は各月ともシカゴ商品取引所の第1金曜日の期近価格である

米はタイ国家貿易取引委員会公表による各月第1水曜日のタイうるち精米1002等のFOB価格である

大豆

小麦

1972

世界同時不作

1973

米国大豆禁輸措置

1980

米国熱波

1981

中国イラン等の米の

不作によりタイ米需要急増

1982

世界的な米の豊作

1988

米国大干ばつ

1989

中国インドネシア等の米の輸入需要増大

日本の冷害による米の緊急輸入

米国大洪水

1993

1995

米国天候不順

中国が米の輸出禁止措置

フィリピンインドネシアタイで洪水

2002

米国カナダ豪州同時不作

1999

世界の米生産量が史上最高

2003

米国高温乾燥中国輸入急増

2004

世界の米在庫量が約20年ぶりの低水準

2594ドル29倍

過去最高3098ドル(2011610)

2465ドル18倍

過去最高4703ドル(2008227)

5740ドル18倍

過去最高1038ドル(2008521)

注1各月第1金曜日(米は第1水曜日)に加え直近の最終金曜日(米は最終水曜日の価格)を記載

注2過去最高価格については米はタイ国家貿易取引委員会の公表する価格の最高価格米以外はシカゴ商品取引所の全ての取引日における最高価格

注3図中の倍率は2006年秋頃と比較した直近の価格水準

2012年3月2日現在

2006

豪州大干ばつ

2007

欧州天候不順豪州干ばつ

小麦

2008

世界的な小麦等の豊作

大豆

とうもろこしとうもろこし

2010

ロシアで干ばつ

2011

タイで担保融資制度導入

米国で高温乾燥

WTO農業交渉のこれまでの経緯

3市場のグローバル化(WTO農業交渉)

経済連携協定の提携等により市場のグローバル化が進んでいる

発効(10月)

(注1)ASEAN全体とのEPAは2008年12月に日本とシンガポールラオスベトナム及びミャンマー2009年1月にブルネイ同2月にマレーシア同6月にタイ同12月

にカンボジア2010年7月にフィリピンとの間で発効未発効国はインドネシアのみ (注2)韓国とは2004年11月以降交渉が中断2008年6月に「日韓経済連携協定締結交渉再開に向けた検討及び環境醸成のための実務協議」を開催し現在までに5回開催 (注3)GCC(湾岸協力理事会)加盟国バーレーンクウェートオマーンカタールサウジアラビアアラブ首長国連邦

締結

署名

交渉完了

交渉中

発効(9月)

2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年

ASEAN全体(注1)

ブルネイ

フィリピン

ベトナム スイス

インドネシア タイ チリ マレーシア メキシコ シンガポール

韓国(注2) GCC(注3)

インド

豪州

交渉(11月~)

交渉(1月~)

交渉(2月~)

交渉(2月~)

交渉(7月~)

交渉(6月~)

見直し交渉 (4月~)

交渉(4月~)

交渉(2月~)

交渉(5月~)

交渉(12月~)

交渉(9月~)

交渉(1月~)

交渉(4月~)

署名 (3月)

署名 (9月)

署名 (12月)

署名 (3月) 署名 (4月)

署名(8月)

署名(6月)

署名完了 (4月)

署名(9月)

署名 (2月)

発効(9月)

発効(9月)

発効(4月)

発効(11月) 署名(1月)

発効(7月)

発効(11月)

発効(7月)

発効(7月)

発効(12月)

発効(12月)

交渉(1月~) 署名 (12月)

2010年

我が国はアジアを中心に13の国や地域とEPAを締結署名交渉完了また韓国GCC豪州と交渉中

ペルー 交渉(5月~)

2011年

署名(2月)

交渉完了(11月)

再協議(9月~) 実質合意 (2月)

3市場のグローバル化(我が国のEPAFTAの進捗状況)

水産業関係被害 農林業関係被害

被害額合計1兆2637 億円

漁船(28612隻) 1822億円

漁港施設(319漁港) 8230億円

養殖関係 (内 養殖施設) (内 養殖物)

1335億円 (738億円) (597億円)

共同利用施設(1725施設) 1249億円

被害額合計1兆1631億円

農地(18174箇所) 4006億円

農業用施設等(17502箇所) (水路揚水機集落排水施設等)

4835億円

農作物家畜等 142億円

農業畜産関係施設等 (農業倉庫ハウス畜舎堆肥舎等)

493億円

林野関係 (林地荒廃治山施設林道施設木材加工流通施設等)

2155億円

全国の漁業生産量の5割を占める7道県(北海道青森県岩手県宮城県福島県茨城県千葉県)を中心に大きな被害

特に津波によって6県(青森県岩手県宮城県福島県茨城県千葉県)を中心に総計 24万haに及ぶ範囲に被害が発生

(資料)「津波により流失や冠水等の被害を受けた農地の推定面積(平成23年3月)」

4東日本大震災の影響(農林水産関係の被害状況)

東日本大震災における農林水産関係の被害額(平成24年3月5日現在)は2兆4268億円

【資金調達の円滑化】 被災した農林漁業者等が資金を調達できるよう円滑な融資等を関係団体に依頼 農業共済掛金の払込期限等の延長共済金の早期支払いに向けて共済団体に指導

【排水設備の貸出】 農地等の湛水排除や応急的な取水に対応するため災害応急用ポンプを地方農政局土地

改良技術事務所から搬送し供用宮城県福島県栃木県の3県で延べ90台を供用

【手続きの簡素化】 救援活動等に最優先で取組めるよう農業者戸別所得補償制度の申請期限等を延長

【燃料用物資の供給】 東北森林管理局から大船渡市陸前高田市釜石市大槌町等へ薪ストーブ113台を提供 関係団体等の協力の下宮城県福島県へ木炭26t木炭コンロ1300個を供給

その他の応急対応

災害応急用ポンプによる排水作業(宮城県名取市)

福貴浦漁港における水産庁漁業取締船による救援物資の引き渡し(宮城県石巻市)

今回の震災では200社を超

える食品メーカー等の協力の下食料2584万食育児用調整粉乳53万缶飲料762万本を調達ピーク時には1日で約154万食分の食料を調達

水産庁の漁業取締船等の 計10隻が民間漁船と協力して 海上から物資(食料燃料日用 品医薬品)を輸送

被災地域への食料供給

工場の被災により供給不足となった配合飼料の供給確保を支援するため

①飼料関係団体に対し九州や北海道等からの配送(内航船運搬トラック輸送)の要請

②備蓄飼料穀物(35万トン)の無償無担保での貸付 等

を措置

被災した配合飼料工場とサイロ(岩手県釜石市)

被災地域の飼料不足への対応

4東日本大震災の影響(震災直後の応急の対応)

121

食用農水産 物の輸入

【12兆円】

94兆円

外食産業向け

06兆円 【01兆円】

食品製造業向け

58兆円 【07兆円】

最終消費向け

30兆円 【03兆円】

食品製造業

301兆円

最終製品の輸入 【39兆円】

一次加工品の輸入 【14兆円】

生鮮品等

209兆円 (285)

391兆円 (532)

135兆円 (184)

資料総務省他9府省庁「平成17年産業連関表」を基に農林水産省で試算 1【 】内の数値は輸入分の数値 2精穀(精米精麦等)と畜(各種肉類)及び冷凍魚介類は加工度が低いため最終消費においては「生鮮品等」として取り扱っている 3旅館ホテル病院等での食事は「外食」に計上せず使用された食材費を最終消費額としてそれぞれ「生鮮品等」及び「加工品」に計上している

外食産業

209兆円

食品小売業

(加工品) 391兆円

(生鮮品等) 135兆円

飲食料の 最終消費額 736兆円

食品産業

加工食品 卸売業

食用農水産物 106兆円

( 生産から消費に至る流れ )

卸売市場

食品産業(流通業食品製造業外食中食産業)は食用農水産物106兆円と輸入加工品52兆円を食材として

736兆円の食品市場を形成

1最終消費からみた飲食費の流れ(2005年)

飲食料の 最終消費額 795兆円

[2000年] 食用農水産物

118兆円 ( 生産から消費に至る流れ )

10

6兆円

Ⅱ 食品産業の位置付け現状

食品関連産業の国内生産額の推移

食品関連産業の国内生産額は約96兆円(2009年度)で全産業(876兆円)の約11であり我が国産業の最大のセクターの一つである近年は食料品価格の値下げ等により1990年代後半をピークに減少傾向

食品関連産業の就業者数は1061万人で全産業の就業者総数(6257万人)の約17 生産額及び就業者数でみた食品産業の位置づけ

2食品関連産業の地位

96兆円

消費者物価指数の推移 就業者数(2010年)

資料総務省「労働力調査」(2010年)

90

92

94

96

98

100

102

平成

2 3 4 5 6 7 8 9 10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

総合

食料

991

11

1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 資料総務省「消費者物価指数年報」 注1998年を100としている食料には酒類外食を含む

964

資料農林水産省「農業食料関連産業の経済計算」(2009年度)

生産額(2009年度)

0 20 40 60 80 100

農漁業 112兆円 (1)

食品関連 製造業

372兆円 (4)

飲食業 242兆円 (2)

食品関連 流通業

209兆円 (3)

関連投資 209兆円 (03)

食品関連産業 957兆円(11)

産業全体 8760兆円(100)

食品関連産業を除く産業全体 7804兆円 (89)

電気機械製造業

建設業 金融保険業 等

0 20 40 60 80 100

食品製造業 150万人 (2)

外食産業 329万人 (5)

食品流通業 338万人 (5)

農漁業 244万人 (4)

食品関連産業を除く産業全体 5196万人 (83)

食品関連産業 1061万人(17)

就業者総数(産業全体) 6257万人(100)

農林水産業 117兆円 (134)

鉱業 08兆円 (009)

製造業 2601兆円 (2971)

建設業 556兆円 (636)

電気ガス水道業 240兆円 (274)

卸売小売業 976兆円 (1115)

金融保険業 366兆円 (418)

不動産業 688兆円 (786)

運輸業 398兆円 (455)

情報通信業 465兆円 (531)

サービス業 1541兆円 (1760)

その他 798兆円 (911)

(参 考) 我が国の国内生産額(876兆円)に占める各産業の割合

農漁業 112兆円

(1175)

関連製造業 371兆円

(3879)

関連投資 23兆円

(239)

関連流通業 242兆円

(2527)

飲食店 209兆円

(2180)

資料 平成21年度 農林水産省大臣官房統計部「農業食料関連産業の経済計算」

資料 平成21年 内閣府「国民経済計算」

農業食料関連産業の国内生産額 957兆円(全産業の109)

12

333

317

601

616

67

66

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

食品産業仕向 683最終消費仕向

(06)

(64) (07)

食品製造業仕向 外食産業仕向

(30) (58)

(35)

国産農水産物の用途別仕向割合 食品製造業の加工原材料調達割合(国産輸入)

国産農水産物の23が食品産業仕向けとなっており食品産業は国産農水産物の最大の仕向け先であるまた食品 製造業が利用する原材料(農水産物加工品)のうち7割強が国産農水産物となっている

771

734

84

89

145

177

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

国産農水産物

(58)

(07) (12)

(07)

輸入農水産物

輸入一次加工品

(64)

(14)2005年 2005年

2000年 2000年

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

括弧内は調達額(兆円)

3食品産業の位置づけ①

13

括弧内は調達額(兆円)

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

地方と都市圏の食品製造業の製造品出荷額従業者数と全製造業に占める割合

食品産業は製造卸売小売外食産業のいずれも中小零細企業比率が98~99であり事業所の総数は90万をこえているそのうち食品製造業は地域経済において地場産業として大きなウエイト特に北海道鹿児島沖縄では製造品出荷額の約3割雇用の面では製造業の従事者の過半近くを占めるなど地域経済の安定に重要な役割

14

出所経済産業省「工業統計表」(平成21年) 注零細企業従業者数3人以下の事業所 中小企業従業者数299人以下の事業所 大企業300人以上の事業所

食品製造業の構造 資料経済産業省「工業統計表(4人以上の事業所)」(平成21年) 注1食品製造業は食料品製造業及び飲料たばこ飼料製造業(たばこ製造業飼料有機質肥料製造業を除く)の合計である 注2工業統計における製造品出荷額は一部個々の事業者の秘密が漏れるおそれから秘匿された数字があるため実態とズレがある可能性がある

3食品産業の位置づけ②

製造品出荷額 従業員数

金額(億円) 全製造業に占める

割合() 人数(人)

全製造業に占める 割合()

製造品出荷額の占める割合の高い都道府県

鹿児島 7562

(全国13位) 441

(全国1位) 29438

(全国14位) 413

(全国3位)

北海道 20390

(全国1位) 392

(全国2位) 86343

(全国1位) 488

(全国2位)

沖縄 1686

(全国39位) 308

(全国3位) 12434

(全国34位) 501

(全国1位)

三大 都市圏

東京 7467

(全国14位) 93

(全国28位) 35080

(全国12位) 108

(全国40位)

大阪 11377

(全国9位) 77

(全国33位) 49671

(全国8位) 102

(全国41位)

愛知 17271

(全国2位) 50

(全国44位) 71557

(全国2位) 89

(全国43位)

全国平均 105 全国平均 157

大企業

533

中小企業

34075

零細企業

17955 339

10

99が中小零細企業

650

全産業に占める外食業の割合が高い都道府県

全小売業に占める食品小売業の割合が高い都道府県

全卸売業に占める食品卸売業の割合が高い都道府県

割合 事業所数

①兵庫県 ②愛知県 ③大阪府 ④東京都 ⑤京都府

902 883 882 823 818

21540ヶ所 29627ヶ所 37768ヶ所 56850ヶ所 10528ヶ所

全国平均 703

割合 事業所数

①長崎県 ②鹿児島県 ③沖縄県 ④高知県 ⑤秋田県

398 397 385 380 380

6656ヶ所 7848ヶ所 5767ヶ所 3713ヶ所 4938ヶ所

全国平均 343

割合 事業所数

①高知県 ②和歌山県 ③長崎県 ④青森県 ⑤熊本県

353 351 350 348 322

680ヶ所 937ヶ所

1296ヶ所 1222ヶ所 1342ヶ所

全国平均 227

15

01

999

大企業 355ヶ所

中小企業 415356ヶ所

大企業 9003ヶ所

中小企業 380829ヶ所

2

98

大企業 597ヶ所

中小企業 75461ヶ所

1

99

食品小売業の構造 食品卸売業の構造 外食業の構造

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用 中小企業従業者数49人以下の事業所 大企業従業者数50人以上の事業所

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用

3食品産業の位置づけ③

食品製造業は安定的に利益をあげているものの収益率は低く過当競争状態にあると言われている 法人企業統計調査によれば売上高経常利益率はやや横ばいで推移しているものの自己資本比率はリーマンショック

前の2007年度の水準まで回復していない

16

4食品製造業の業種別構造①

日刊経済通信社の分類による企業数等の状況

資料日刊経済通信社調査部編「平成19年度 酒類食品産業の生産販売シェア」 (注)製パンは8社食用植物油脂は5社のシェアの数値

分類 市場規模(上位10社計) 上位10社の生産販売シェア 企業数

しょうゆ 603660(キロリットル) 635 (出荷量) 1600

冷凍食品 7701(億円) 669 (販売額) 880

即席めん類 4960(億円) 965 (販売額) 58

製パン 7076(億円) 813 (販売高) -

食肉加工品 432500(トン) 806 (販売量) 165

チョコレート 2546(億円) 834 (生産額) -

小麦粉 4083000(トン) 837 (販売量) 100

食用植物油脂 2245700(トン) 856 (販売量) -

資料法人企業統計調査(財務省)

() ()

売上高経常利益率の推移 自己資本比率の推移

-2

0

2

4

6

8

10

12

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

30

35

40

45

50

55

60

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

資料法人企業統計調査(財務省)

食品のカテゴリーの公的な分類の一つに工業統計表があり食品関係では2桁分類が24桁分類が496桁分類が 116公正取引委員会の生産出荷集中度調査はこの工業統計表の6桁分類を参考に区分しており細かい分類であるため集中度が高くなる傾向にある

他方食品市場全体でみると諸外国と比べ上位企業の寡占度が低いというデータもある

工業統計表における産業分類

資料経済産業省「工業統計表」 注)2桁の「飲料たばこ飼料」は4桁分類においてこの他に 「たばこ」「飼料有機質肥料」を含むがこの表では含めない 17

4食品産業の業種別構造(食品製造業②)

2桁 4桁 6桁

食料品 部分肉冷凍肉 部分肉冷凍肉

肉加工品 肉缶詰瓶詰つぼ詰

処理牛乳乳飲料 処理牛乳

水産缶詰瓶詰 まぐろ缶詰

海藻加工 寒天

水産練製品 魚肉ハムソーセージ

野菜缶詰果実缶詰 農産保存食料品

野菜缶詰

野菜漬物 野菜漬物

味そ 味そ

しょう油食用アミノ酸 しょう油食用アミノ酸

ソース ウスター中濃濃厚ソース

砂糖製造 粗糖

砂糖精製 精製糖

ぶどう糖水あめ異性化糖 ぶどう糖

精米精麦 精米

小麦粉 小麦粉

その他の精穀製粉 こんにゃく粉

パン 食パン

生菓子 洋生菓子

ビスケット類干菓子 ビスケット類干菓子

動植物油脂 大豆油

食用油脂 ショートニング油

でんぷん でんぷん

めん類 即席めん類

豆腐油揚 豆腐しみ豆腐油揚げ類

飲料たばこ飼料

清涼飲料 炭酸飲料

果実酒 果実酒

ビール類 ビール

清酒 清酒

製茶 荒茶緑茶

コーヒー コーヒー

製氷 人造氷

2 49 116

30

20

10

()

米国

英国

フランス

ドイツ

日本

加工食品市場における上位10社の寡占度 (2008年)

資料平成22年5月16日付日本経済新聞朝刊より抜粋

(注)ユーロモニターのデータをもとにボストンコンサルティンググループが分析

32

26

16

公正取引委員会の生産出荷集中度調査における区分(食品関連品目80品目)のうち「競争を実質的に制限することとなるおそれが小さい」とされる基準()を超えている品目の一覧

マヨネーズドレッシング類

ルウ類

カレールウ

シチュールウ

シチューミクスを除くシチュールウ

チューインガム

スポーツドリンク

ビール

発泡酒

ウイスキー

ビール風酒類

インスタントコーヒー

(注) 工業統計表の6桁分類を参考に公正取引委員会にて区分したもの () 「企業結合ガイドライン」が「競争を実質的に制限することとなるおそ

れが小さい場合」として挙げている ① 企業結合後のHHIが2500以下 ② 企業結合後の当事会社グループの市場シェアが35以下のう

ち①を基に「HHIが2500以下かどうか」を今回基準として設定 資料公正取引委員会「平成1920年生産出荷集中度調査」

構造改革のメリット ― 利益ある成長へ ① 国内事業の競争緩和② 商品開発力の向上 ③ 価格交渉力の向上④ 収益性の向上 ⑤ 国内基盤の安定リスク分散⑥原料調達力の向上

(10817)(11863)(11701)(13505)(14303)

(3320) (5202) (5990) (6622) (7048)

158516751668167018881804

178651848517691187071762316096

43684427384177039628

3663128226

495316

275573

323087344343

380752384899

449190

338707

385985405472

440757441041

0

20000

40000

60000

80000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

0

100000

200000

300000

400000

500000

卸売業

18

食品卸売業

外側商品販売額

内側事業所数

23

4253739952

43653

38300 39485 37844

53687

4748550723

45295 45054

38214

349514257840256

5028451416

56954

406984381244017

494474643247381

0

20000

40000

60000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

30000

50000

70000

90000

(事業所数)

食品卸売業事業所数(カ所)商品販売額(10億円)の推移

業全体に占める食品関連事業者の割合は卸売業では約2割小売業では約3割となっている 食品卸小売業については近年事業所数商品販売額とも減少傾向で推移特に食品小売業についてはコンビニエン

スストアは増加傾向にあるものの中小規模の食料品スーパーや食料品専門店中心店においては減少傾向で推移

資料経済産業省「商業統計表」

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

食料品スーパー取扱商品販売額のうち食料品が70以上食料品専門店取扱商品販売額のうち食料品が90以上食料品中心店取扱商品販売額のうち食料品が50以上

農畜産物水産物卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 米麦雑穀豆類野菜食肉生鮮魚介等の卸売業 食料飲料卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 味噌醤油乾物菓子類飲料茶類等の卸売業

食品小売業事業所数の推移

業全体に占める割合()

(5850)(6509)(6360)(7957)(8906)

(5862) (8791) (9544) (10538) (11257)9336 9957

8850 8515 84067447

13198 14768

1674815904

17047 17106

40115223

6135 6714 69227007

19881 16578

1588714187

1338712608

441684576245320

476204652646426

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

25000

30000

35000

40000

45000

50000

【事業所数】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

【商品販売額】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

食品小売業商品販売額の推移(10億円)

合計(右目盛)

総合スーパー(左目盛)

コンビニエンスストア(左目盛)

食料品専門店 中心店(左図右目盛 右図左目盛)

食料品スーパー(左目盛) 大規模 中小規模

注従業員数50人未満を中小規模 50人以上を大規模とした

(商品販売額)

〈食飲卸事業所数〉

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

〈農水卸事業所数〉

〈食飲卸商品販売額〉

〈農水卸商品販売額〉

(1) 食品卸小売業

18

小売業

18

2 4

24 5

9

総合スーパー食料品スーパー

コンビニエンスストア

食料品専門店中心店

外側商品販売額

内側事業所数

【食品小売業】

注平成19年のデータを利用

【食品卸売業】

卸 売 業123 億円 食 品 卸 売 業100 億円

小 売 業12 億円 食料品専門店中心店05 億円

(一事業所当たり商品販売金額) (一事業所当たり商品販売金額)

4食品産業の業種別構造(食品流通業)

1990 1997 1999 2002 2004 2007

1990 1997 1999 2002 2004 2007 1990 1997 1999 2002 2004 2007

卸売市場は野菜果物魚肉など日々の食卓に欠かすことのできない生鮮食料品等を国民に円滑かつ安定的に供給するための基幹的なインフラとして多種大量の物品の効率的かつ継続的な集分荷公正で透明性の高い価格形成など重要な機能を有している

青果水産物の6割程度が卸売市場を経由している(国産青果物では約9割)加工品や輸入品など卸売市場を経由することが少ない物品の流通割合が増加していること等により市場経由率は低下傾向にあったがここ数年は横ばいで推移している

生鮮食料品等の主要な流通経路

卸売市場の数取扱金額市場関係業者数

卸売市場経由率の推移(推計)

(2)卸売市場

区分 市場数

取扱金額 (億円)

卸売業 者数

仲卸業 者数

売買参 加者数

中央卸売市場 74 41208 210 4305 35828

うち青 果 60 19102 85 1629 16111

水産物 46 18275 78 2472 6210

食 肉 10 2158 10 80 1833

花 き 22 1402 28 102 11067

その他 7 271 9 22 607

地方卸売市場 1185 31953 1384 2053 132938

資料農林水産省食料産業局食品製造卸売課調べ 注(中央) 市場数卸売業者数22年度末他の業者数21年度末取扱金額21年度(H21年10月1日 に地方卸売市場へ転換した市場についてはH21年9月までの取扱金額を含めている) なおH23年4月現在の市場数は全体で72となっている

(地方)市場数業者数21年度当初取扱金額20年度

資料農林水産省「食料需給表」「青果物卸売市場調査報告」等により推計 注卸売市場経由率は国内で流通した加工品を含む国産及び輸入の青果水産物等のうち卸売市場(水産物に ついてはいわゆる産地市場の取扱量は除く)を経由したものの数量割合(花きについては金額割合)の推計値 なお国産青果物の卸売市場経由率は約9割となっている

中央卸売市場 地方卸売市場

特徴

公正かつ効率的な流通の確保を目的とした広域的な生鮮食料品等流通の中核的な拠点

都道府県や一定規模以上の都市が開設者となって厳格な取引規制の下指標となる価格形成等重要な機能を果たしている

地域における生鮮食料品等の集配拠点

開設者の主体に制限はなく法律上の規制も緩やかとなっており地域の実情に応じた運営がなされている

機能

① 集荷(品揃え)分荷機能全国各地から多種大量の物品を集荷するとともに実需者の ニーズに応じて迅速かつ効率的に必要な品目量へと分荷 ② 価格形成機能需給を反映した公正で透明性の高い価格形成 ③ 代金決済機能販売代金の出荷者への迅速確実な決済 ④ 情報受発信機能需給に係る情報を収集し川上川下にそれぞれ伝達

卸売市場の種類と主要な機能

商社 輸入

消費者

直売所青空市場宅配など

産地直接取引など

出荷者(農協個人等)

卸売業者

仲卸業者

売買参加者

卸売市場 製造業者小売業者外食業者等

(年度)

827

630

853

738

780

457

746

584

830 840

235

98

00

100

200

300

400

500

600

20

40

60

80

H元 H5 H10 H15 H18 H19 H20

(単位)

青果

(野菜)

(果実)

水産物

花き

食肉

(食肉)

19

500万円未満

62

500万~

1千万円

14

1千~

3千万円

21

3千~5千万円

2

5千万円以上

71601社

単身世帯の増加女性の雇用者の増加等社会情勢の変化の中で食に関して簡便化志向の高まりや外部化が進行 外食産業は個人経営が総店舗数の5分の3を占め法人形態であっても資本金1千万円未満のものが4分の3を占め

るなど中小零細な事業者が多い従業員についても約290万人の大きな雇用機会を創出しているものの常勤雇用者に占めるパートアルバイトの割合が高い

710

381

290

619

0

20

40

60

80

100

飲食店 小売卸売業

法人

個人

資料平成21年経済センサス

外食産業における法人の資本別割合(2009年)

事業所数 (千ケ所) 673

従業員数 (千人) 4421

常勤雇用者に占める正社員正職員以外の割合(2009年)

製造業 207

卸小売業 458

宿泊業飲食サービス業 733

飲食店 769

ハンバーガー店 946

資料平成21年経済センサス

資料(財)食の安全安心財団附属機関 外食産業総合調査研究センターによる推計

20

4食品産業の業種別構造(外食産業)

資料平成21年経済センサス

資料平成21年経済センサス

外食率 = 外 食 産 業 市 場 規 模

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

食の外部化率 = 外食産業市場規模 + 料理品小売業

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

278

318

335 349

358 366

369 377

378

375

373

367

365

375

378 366

356

356

358

355

354

352

360

366

368

366

359

362

284

334

354

370 381

393 398 412

415

413

412

406 406 419

425

422

419

421

428

428

430

428

441 450

452

449

443

449

25

30

35

40

45

50

外食率

食の外部化率

外食率食の外部化率の推移

事業所数従業員数(2009年)

外食産業(飲食店)の経営組織別事業所数の比率(2009年)

4食品産業の業種別構造(関連産業) 食品製造業は物流のほか製造用機械容器など食品の製造に必要な資材等を提供する裾野産業に支えられている

従前より食品産業全体については高い物流コストや過剰包装等が問題

食品機械の輸出入実績推移

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

(製造品出荷額等)

百万円

(輸出入額)

百万円

輸出 輸入 製造品出荷額等

売上高物流コスト比率(業種小分類別)

21

(資料財団法人日本包装技術協会)

資料社団法人日本食品機械工業会 物流コスト削減策

注回答企業数196社 資料2009年度物流コスト調査報告書(社団法人日本ロジステックスシステム協会)

製造業

食品(要冷)

石鹸洗剤塗料

食品(常温)

繊維

化粧品

電気製品

医薬品

卸売業

卸売業(繊維衣料品系)

卸売業(日用雑貨系)

卸売業(食品飲料系)

その他卸売業

卸売業(機器系)

卸売業(総合商社)

小売業

小売業(通販)

小売業(生協)

小売業(コンビニエンスストア)

その他小売業

その他

建設

000 200 400 600 800 1000 1200 1400

在庫削減SCM

在庫削減

アイテム数の整理

物流システムネットワークの見直し

物流拠点の見直し(廃止統合新設)

直送化

輸配送の共同化

商品設計包装の見直し

包装容器の再使用通い箱の利用等

包装の簡素化変更

物流オペレーションの改善保管仕分け等

保管の効率化

物流オペレーションの改善輸配送

積載率の向上(混載化帰り便の利用等)

輸配送経路の見直し

105 58

101 77

62

61 60

88

95 75

0 50 100 150 (数)

()

アジア地域の実質経済成長率は今後5を超える高水準で推移する見通しであり特に中国とインドは8~9台の高水準で伸びる見通し高成長を支え今後の市場規模に大きな影響を与える中高所得者層(世帯可処分所得5000ドル以上)の人口は今後10年で現在の2倍程度に増加する見通し

製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況

5海外市場への展開

加速する我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

資料「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

2位 東南アジア(341)

4位 タイ (295)

3位 台湾 (318)

1位 中国 (659)

海外出店を積極化する又は今後進出を予定して いる企業の出店先は中国がトップ(複数回答あり)

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

2009年度(233千法人)

全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

食品製造業

国内法人数に対する現地法人数の割合

11

その他の製造業 32

資料「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省 資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」 東洋経済新報社

世帯可処分所得5000ドル以上の人口の推移

出所NIRA研究報告書(所得別の家計比率はEuromonitor International World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した 2008 年までの人口はIMF International Financial Statistics2010 年以降はUN WorldPopulation Prospects を参照)

35億人

1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

見通し(NIRA推計)

+10億人 2倍増

アジア太平洋主要国別の経済成長見通し

22

30 25

20 15 10 5

0

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

全製造業に占める食品 製造業の法人数の割合

国内法人数に対する 現地法人数の割合

資料「工業統計表(2009年企業統計編)」経済産業省

資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」東洋経済新報社

35

12

0 1 2 3 4 0 100 200 300

2009年度(212千法人)

849

151

食品製造業 =約32千法人

その他の製造業 =約180千法人

(千法人)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国

インド

ベトナム

インドネシア

マレーシア

出典World Economic Outlook 2011年9月版(IMF)

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
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  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
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  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
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  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
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  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 2: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

Ⅰ 食品産業をめぐる状況変化 1 国内市場の構造変化(将来推計人口における高齢者の質の変化) 1 2 国内外の原料の調達リスクの高まり 4 3 市場のグローバル化 6 4 東日本大震災の影響 8 Ⅱ 食品産業の位置付け現状 1 最終消費からみた飲食費の流れ 10 2 食品関連産業の地位 11 3 食品産業の位置付け 13 4 食品産業の業種別構造 16 5 海外市場への展開 22 6 商品先物取引 25 Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組 1 農林漁業の成長産業化 26 2 農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設 27 3 6次産業化の推進 29 4 緑と水の環境技術革命-イノベーションを科学技術で- 34 5 イノベーションによる新たな需要市場の開拓 36 6 輸出戦略の立て直し 46 7 医療介護福祉と食農の連携 49 8 フードチェーン当事者間における取引情報の共通化 50 9 食品の品質管理信頼性向上への対応 51 10 食品中の放射性物質への対応 52 11 持続可能な資源循環型社会の構築 54 12 協働の枠組み(プラットフォーム)の構築 58

目 次

10000

12000

14000

16000

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20000

22000

24000

26000

2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050

65~74歳 75歳以上

(千人)

団塊の世代 (1947~49年生まれ)

2020年の高齢者人口(65歳以上)は総人口の約3割を占める 2022年に団塊の世代(1947年生まれ)が75歳になりそれ以後後期高齢者が急速に増加

資料国立社会保障人口問題研究所「全国将来推計人口」(平成24年1月) 注出生中位死亡中位の場合

1国内市場の構造変化(将来推計人口における高齢者の質の変化)

2022 (年)

~ ~ 0

年 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050

総人口(千人) 127768 128057 126597 124100 120659 116618 112124 107276 102210 97076

割合 ()

65~74歳 111 119 138 140 123 121 133 153 157 142

75歳以上 91 111 130 151 181 195 200 207 221 246

計 202 230 268 291 303 316 334 361 377 388

Ⅰ 食品産業をめぐる状況変化

人口減高齢化等によりこれまで食品産業が基盤としてきた国内市場の縮小が見込まれるしかしながら高齢者になるに従ってエンゲル係数は上昇する傾向

また一世帯当たりの人員減少に伴う世帯数の増加等により商品の少量化や小口化が進む等消費構造も変化

1国内市場の構造変化(高齢化に伴う消費構造の変化)

国民1人1日当たりのエネルギー摂取量

世帯数と1世帯当たり人員の推移

世帯主の年齢階層別食費支出額(年額)

世帯主の年齢階層別消費支出に占める食費支出の割合

資料 総務省 「家計調査」(平成22年)

0

200000

400000

600000

800000

1000000

~29歳 30~39 40~49 50~59 60~69 70~

575471

751569

929313 950664 940254

835611

09 12 16 22 30 39 48

23 30

34 35 37 39

42 44 45 47

41

34 33 32 31 30 28 27 26 24

00 05 10 15 20 25 30 35 40 45

0

10

20

30

40

50

60

1960年 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010

資料総務省「国勢調査」 注高齢者世帯数は65歳以上の単身世帯数(調査は1980年から開始)

1世帯当たり人員

(人)

(百万)

全世帯数

世帯数

一世帯当たり人員

高齢者世帯数 00

200

400

600

800

1000

食料品支出額()

その他支出額()

208 232 241 232 274 293

792 768 759 768 726 707

1国内市場の構造変化(食料品アクセス問題)

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

全国 三大都市圏 東京圏 名古屋圏 大阪圏 地方圏

全年齢 65歳以上

出典農林水産政策研究所「食料品アクセス問題の現状と対応方向」

生鮮食料品店までの距離が500m以上でかつ自動車を持たない人口

資料農林水産省「食料品アクセス問題に関するアンケート調査」 (注)政令指定都市及び東京都特別区については対策を実施中50のうち政令 指定都市は43東京都特別区は57対策を実施検討していない29の うち政令指定都市は25東京都特別区は75

対策を必要とする市町村の割合

飲食料品店の減少大型商業施設の郊外化等に伴い都市部においても高齢者を中心に食料品の購入や飲食に不便や 苦労を感じる「食料品アクセス問題」が顕在化 農林水産政策研究所の推計によれば生鮮食料品店までの距離が500m以上かつ自動車を持たない人口は910万人うち 65歳以上は350万人にのぼり特に高齢者に大きな負担 全国の市町村を対象に行ったアンケート調査によれば「何らかの対策を必要」とする市町村は約4分の3にのぼりそのうち の3割程度の市町村が対策の検討にさえ着手できていない状況

対策を必要とする市町村の対策の実施状況 対策を実施検討していない

万人

農家世帯員農業就業人口基幹的農業従事者数等の動向(販売農家)

農業従事者の減少や高齢化による国内農業生産力の低下により国産志向等多様な消費者ニーズに対応できないおそれ 人口の増加や途上国の経済発展バイオ燃料等非食用の需要増大地球規模の気候変動の影響等により原料農産物の

国際価格の上昇が見込まれるとともに原料産地が限定される産品等に調達の懸念

2国内外の原料の調達リスクの高まり

中国の経済発展による食料需要の増大

1563 1388

1204 1047

837 650 543 482 414 389 335 261 346 293 256 240 224 205

195

268

397

512 574

611

0

10

20

30

40

50

60

70

0

200

400

600

800

1000

1200

1400

1600

1985 1990 1995 2000 2005 2010

農家世帯員数 農業就業人口 基幹的農業従事者数 65歳以上の基幹的農業従事者の割合 hellip

資料農林水産省「農林業センサス」

万人

世界のバイオエタノール生産量の見通し

(参 考)穀物等の国際価格の動向(ドルトン)

穀物等の国際価格は2010年7月以降再び上昇し現在は2006年秋頃に比べ16~34倍の水準 昨年夏以降ロシアの穀物輸出禁止措置とうもろこしのバイオ燃料向け需要の増大中国の旺盛な大豆輸入等により穀物

等の需給は引き締まり価格が上昇したとうもろこしは2011年4月11日に3055ドルトンと史上最高値を更新 現在米国コーンベルトの降雨によるとうもろこし等の作付遅れや欧州の乾燥による小麦等の作柄が懸念

0

100

200

300

400

500

600

700

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900

1000

1970 1972 1974 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012

ドルトン

0

100

200

300

400

500

600

700

800

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1000

2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

(ドルト

ン )

4880ドル24倍

過去最高6092ドル(200873)

注小麦とうもろこし大豆は各月ともシカゴ商品取引所の第1金曜日の期近価格である

米はタイ国家貿易取引委員会公表による各月第1水曜日のタイうるち精米1002等のFOB価格である

大豆

小麦

1972

世界同時不作

1973

米国大豆禁輸措置

1980

米国熱波

1981

中国イラン等の米の

不作によりタイ米需要急増

1982

世界的な米の豊作

1988

米国大干ばつ

1989

中国インドネシア等の米の輸入需要増大

日本の冷害による米の緊急輸入

米国大洪水

1993

1995

米国天候不順

中国が米の輸出禁止措置

フィリピンインドネシアタイで洪水

2002

米国カナダ豪州同時不作

1999

世界の米生産量が史上最高

2003

米国高温乾燥中国輸入急増

2004

世界の米在庫量が約20年ぶりの低水準

2594ドル29倍

過去最高3098ドル(2011610)

2465ドル18倍

過去最高4703ドル(2008227)

5740ドル18倍

過去最高1038ドル(2008521)

注1各月第1金曜日(米は第1水曜日)に加え直近の最終金曜日(米は最終水曜日の価格)を記載

注2過去最高価格については米はタイ国家貿易取引委員会の公表する価格の最高価格米以外はシカゴ商品取引所の全ての取引日における最高価格

注3図中の倍率は2006年秋頃と比較した直近の価格水準

2012年3月2日現在

2006

豪州大干ばつ

2007

欧州天候不順豪州干ばつ

小麦

2008

世界的な小麦等の豊作

大豆

とうもろこしとうもろこし

2010

ロシアで干ばつ

2011

タイで担保融資制度導入

米国で高温乾燥

WTO農業交渉のこれまでの経緯

3市場のグローバル化(WTO農業交渉)

経済連携協定の提携等により市場のグローバル化が進んでいる

発効(10月)

(注1)ASEAN全体とのEPAは2008年12月に日本とシンガポールラオスベトナム及びミャンマー2009年1月にブルネイ同2月にマレーシア同6月にタイ同12月

にカンボジア2010年7月にフィリピンとの間で発効未発効国はインドネシアのみ (注2)韓国とは2004年11月以降交渉が中断2008年6月に「日韓経済連携協定締結交渉再開に向けた検討及び環境醸成のための実務協議」を開催し現在までに5回開催 (注3)GCC(湾岸協力理事会)加盟国バーレーンクウェートオマーンカタールサウジアラビアアラブ首長国連邦

締結

署名

交渉完了

交渉中

発効(9月)

2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年

ASEAN全体(注1)

ブルネイ

フィリピン

ベトナム スイス

インドネシア タイ チリ マレーシア メキシコ シンガポール

韓国(注2) GCC(注3)

インド

豪州

交渉(11月~)

交渉(1月~)

交渉(2月~)

交渉(2月~)

交渉(7月~)

交渉(6月~)

見直し交渉 (4月~)

交渉(4月~)

交渉(2月~)

交渉(5月~)

交渉(12月~)

交渉(9月~)

交渉(1月~)

交渉(4月~)

署名 (3月)

署名 (9月)

署名 (12月)

署名 (3月) 署名 (4月)

署名(8月)

署名(6月)

署名完了 (4月)

署名(9月)

署名 (2月)

発効(9月)

発効(9月)

発効(4月)

発効(11月) 署名(1月)

発効(7月)

発効(11月)

発効(7月)

発効(7月)

発効(12月)

発効(12月)

交渉(1月~) 署名 (12月)

2010年

我が国はアジアを中心に13の国や地域とEPAを締結署名交渉完了また韓国GCC豪州と交渉中

ペルー 交渉(5月~)

2011年

署名(2月)

交渉完了(11月)

再協議(9月~) 実質合意 (2月)

3市場のグローバル化(我が国のEPAFTAの進捗状況)

水産業関係被害 農林業関係被害

被害額合計1兆2637 億円

漁船(28612隻) 1822億円

漁港施設(319漁港) 8230億円

養殖関係 (内 養殖施設) (内 養殖物)

1335億円 (738億円) (597億円)

共同利用施設(1725施設) 1249億円

被害額合計1兆1631億円

農地(18174箇所) 4006億円

農業用施設等(17502箇所) (水路揚水機集落排水施設等)

4835億円

農作物家畜等 142億円

農業畜産関係施設等 (農業倉庫ハウス畜舎堆肥舎等)

493億円

林野関係 (林地荒廃治山施設林道施設木材加工流通施設等)

2155億円

全国の漁業生産量の5割を占める7道県(北海道青森県岩手県宮城県福島県茨城県千葉県)を中心に大きな被害

特に津波によって6県(青森県岩手県宮城県福島県茨城県千葉県)を中心に総計 24万haに及ぶ範囲に被害が発生

(資料)「津波により流失や冠水等の被害を受けた農地の推定面積(平成23年3月)」

4東日本大震災の影響(農林水産関係の被害状況)

東日本大震災における農林水産関係の被害額(平成24年3月5日現在)は2兆4268億円

【資金調達の円滑化】 被災した農林漁業者等が資金を調達できるよう円滑な融資等を関係団体に依頼 農業共済掛金の払込期限等の延長共済金の早期支払いに向けて共済団体に指導

【排水設備の貸出】 農地等の湛水排除や応急的な取水に対応するため災害応急用ポンプを地方農政局土地

改良技術事務所から搬送し供用宮城県福島県栃木県の3県で延べ90台を供用

【手続きの簡素化】 救援活動等に最優先で取組めるよう農業者戸別所得補償制度の申請期限等を延長

【燃料用物資の供給】 東北森林管理局から大船渡市陸前高田市釜石市大槌町等へ薪ストーブ113台を提供 関係団体等の協力の下宮城県福島県へ木炭26t木炭コンロ1300個を供給

その他の応急対応

災害応急用ポンプによる排水作業(宮城県名取市)

福貴浦漁港における水産庁漁業取締船による救援物資の引き渡し(宮城県石巻市)

今回の震災では200社を超

える食品メーカー等の協力の下食料2584万食育児用調整粉乳53万缶飲料762万本を調達ピーク時には1日で約154万食分の食料を調達

水産庁の漁業取締船等の 計10隻が民間漁船と協力して 海上から物資(食料燃料日用 品医薬品)を輸送

被災地域への食料供給

工場の被災により供給不足となった配合飼料の供給確保を支援するため

①飼料関係団体に対し九州や北海道等からの配送(内航船運搬トラック輸送)の要請

②備蓄飼料穀物(35万トン)の無償無担保での貸付 等

を措置

被災した配合飼料工場とサイロ(岩手県釜石市)

被災地域の飼料不足への対応

4東日本大震災の影響(震災直後の応急の対応)

121

食用農水産 物の輸入

【12兆円】

94兆円

外食産業向け

06兆円 【01兆円】

食品製造業向け

58兆円 【07兆円】

最終消費向け

30兆円 【03兆円】

食品製造業

301兆円

最終製品の輸入 【39兆円】

一次加工品の輸入 【14兆円】

生鮮品等

209兆円 (285)

391兆円 (532)

135兆円 (184)

資料総務省他9府省庁「平成17年産業連関表」を基に農林水産省で試算 1【 】内の数値は輸入分の数値 2精穀(精米精麦等)と畜(各種肉類)及び冷凍魚介類は加工度が低いため最終消費においては「生鮮品等」として取り扱っている 3旅館ホテル病院等での食事は「外食」に計上せず使用された食材費を最終消費額としてそれぞれ「生鮮品等」及び「加工品」に計上している

外食産業

209兆円

食品小売業

(加工品) 391兆円

(生鮮品等) 135兆円

飲食料の 最終消費額 736兆円

食品産業

加工食品 卸売業

食用農水産物 106兆円

( 生産から消費に至る流れ )

卸売市場

食品産業(流通業食品製造業外食中食産業)は食用農水産物106兆円と輸入加工品52兆円を食材として

736兆円の食品市場を形成

1最終消費からみた飲食費の流れ(2005年)

飲食料の 最終消費額 795兆円

[2000年] 食用農水産物

118兆円 ( 生産から消費に至る流れ )

10

6兆円

Ⅱ 食品産業の位置付け現状

食品関連産業の国内生産額の推移

食品関連産業の国内生産額は約96兆円(2009年度)で全産業(876兆円)の約11であり我が国産業の最大のセクターの一つである近年は食料品価格の値下げ等により1990年代後半をピークに減少傾向

食品関連産業の就業者数は1061万人で全産業の就業者総数(6257万人)の約17 生産額及び就業者数でみた食品産業の位置づけ

2食品関連産業の地位

96兆円

消費者物価指数の推移 就業者数(2010年)

資料総務省「労働力調査」(2010年)

90

92

94

96

98

100

102

平成

2 3 4 5 6 7 8 9 10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

総合

食料

991

11

1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 資料総務省「消費者物価指数年報」 注1998年を100としている食料には酒類外食を含む

964

資料農林水産省「農業食料関連産業の経済計算」(2009年度)

生産額(2009年度)

0 20 40 60 80 100

農漁業 112兆円 (1)

食品関連 製造業

372兆円 (4)

飲食業 242兆円 (2)

食品関連 流通業

209兆円 (3)

関連投資 209兆円 (03)

食品関連産業 957兆円(11)

産業全体 8760兆円(100)

食品関連産業を除く産業全体 7804兆円 (89)

電気機械製造業

建設業 金融保険業 等

0 20 40 60 80 100

食品製造業 150万人 (2)

外食産業 329万人 (5)

食品流通業 338万人 (5)

農漁業 244万人 (4)

食品関連産業を除く産業全体 5196万人 (83)

食品関連産業 1061万人(17)

就業者総数(産業全体) 6257万人(100)

農林水産業 117兆円 (134)

鉱業 08兆円 (009)

製造業 2601兆円 (2971)

建設業 556兆円 (636)

電気ガス水道業 240兆円 (274)

卸売小売業 976兆円 (1115)

金融保険業 366兆円 (418)

不動産業 688兆円 (786)

運輸業 398兆円 (455)

情報通信業 465兆円 (531)

サービス業 1541兆円 (1760)

その他 798兆円 (911)

(参 考) 我が国の国内生産額(876兆円)に占める各産業の割合

農漁業 112兆円

(1175)

関連製造業 371兆円

(3879)

関連投資 23兆円

(239)

関連流通業 242兆円

(2527)

飲食店 209兆円

(2180)

資料 平成21年度 農林水産省大臣官房統計部「農業食料関連産業の経済計算」

資料 平成21年 内閣府「国民経済計算」

農業食料関連産業の国内生産額 957兆円(全産業の109)

12

333

317

601

616

67

66

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

食品産業仕向 683最終消費仕向

(06)

(64) (07)

食品製造業仕向 外食産業仕向

(30) (58)

(35)

国産農水産物の用途別仕向割合 食品製造業の加工原材料調達割合(国産輸入)

国産農水産物の23が食品産業仕向けとなっており食品産業は国産農水産物の最大の仕向け先であるまた食品 製造業が利用する原材料(農水産物加工品)のうち7割強が国産農水産物となっている

771

734

84

89

145

177

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

国産農水産物

(58)

(07) (12)

(07)

輸入農水産物

輸入一次加工品

(64)

(14)2005年 2005年

2000年 2000年

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

括弧内は調達額(兆円)

3食品産業の位置づけ①

13

括弧内は調達額(兆円)

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

地方と都市圏の食品製造業の製造品出荷額従業者数と全製造業に占める割合

食品産業は製造卸売小売外食産業のいずれも中小零細企業比率が98~99であり事業所の総数は90万をこえているそのうち食品製造業は地域経済において地場産業として大きなウエイト特に北海道鹿児島沖縄では製造品出荷額の約3割雇用の面では製造業の従事者の過半近くを占めるなど地域経済の安定に重要な役割

14

出所経済産業省「工業統計表」(平成21年) 注零細企業従業者数3人以下の事業所 中小企業従業者数299人以下の事業所 大企業300人以上の事業所

食品製造業の構造 資料経済産業省「工業統計表(4人以上の事業所)」(平成21年) 注1食品製造業は食料品製造業及び飲料たばこ飼料製造業(たばこ製造業飼料有機質肥料製造業を除く)の合計である 注2工業統計における製造品出荷額は一部個々の事業者の秘密が漏れるおそれから秘匿された数字があるため実態とズレがある可能性がある

3食品産業の位置づけ②

製造品出荷額 従業員数

金額(億円) 全製造業に占める

割合() 人数(人)

全製造業に占める 割合()

製造品出荷額の占める割合の高い都道府県

鹿児島 7562

(全国13位) 441

(全国1位) 29438

(全国14位) 413

(全国3位)

北海道 20390

(全国1位) 392

(全国2位) 86343

(全国1位) 488

(全国2位)

沖縄 1686

(全国39位) 308

(全国3位) 12434

(全国34位) 501

(全国1位)

三大 都市圏

東京 7467

(全国14位) 93

(全国28位) 35080

(全国12位) 108

(全国40位)

大阪 11377

(全国9位) 77

(全国33位) 49671

(全国8位) 102

(全国41位)

愛知 17271

(全国2位) 50

(全国44位) 71557

(全国2位) 89

(全国43位)

全国平均 105 全国平均 157

大企業

533

中小企業

34075

零細企業

17955 339

10

99が中小零細企業

650

全産業に占める外食業の割合が高い都道府県

全小売業に占める食品小売業の割合が高い都道府県

全卸売業に占める食品卸売業の割合が高い都道府県

割合 事業所数

①兵庫県 ②愛知県 ③大阪府 ④東京都 ⑤京都府

902 883 882 823 818

21540ヶ所 29627ヶ所 37768ヶ所 56850ヶ所 10528ヶ所

全国平均 703

割合 事業所数

①長崎県 ②鹿児島県 ③沖縄県 ④高知県 ⑤秋田県

398 397 385 380 380

6656ヶ所 7848ヶ所 5767ヶ所 3713ヶ所 4938ヶ所

全国平均 343

割合 事業所数

①高知県 ②和歌山県 ③長崎県 ④青森県 ⑤熊本県

353 351 350 348 322

680ヶ所 937ヶ所

1296ヶ所 1222ヶ所 1342ヶ所

全国平均 227

15

01

999

大企業 355ヶ所

中小企業 415356ヶ所

大企業 9003ヶ所

中小企業 380829ヶ所

2

98

大企業 597ヶ所

中小企業 75461ヶ所

1

99

食品小売業の構造 食品卸売業の構造 外食業の構造

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用 中小企業従業者数49人以下の事業所 大企業従業者数50人以上の事業所

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用

3食品産業の位置づけ③

食品製造業は安定的に利益をあげているものの収益率は低く過当競争状態にあると言われている 法人企業統計調査によれば売上高経常利益率はやや横ばいで推移しているものの自己資本比率はリーマンショック

前の2007年度の水準まで回復していない

16

4食品製造業の業種別構造①

日刊経済通信社の分類による企業数等の状況

資料日刊経済通信社調査部編「平成19年度 酒類食品産業の生産販売シェア」 (注)製パンは8社食用植物油脂は5社のシェアの数値

分類 市場規模(上位10社計) 上位10社の生産販売シェア 企業数

しょうゆ 603660(キロリットル) 635 (出荷量) 1600

冷凍食品 7701(億円) 669 (販売額) 880

即席めん類 4960(億円) 965 (販売額) 58

製パン 7076(億円) 813 (販売高) -

食肉加工品 432500(トン) 806 (販売量) 165

チョコレート 2546(億円) 834 (生産額) -

小麦粉 4083000(トン) 837 (販売量) 100

食用植物油脂 2245700(トン) 856 (販売量) -

資料法人企業統計調査(財務省)

() ()

売上高経常利益率の推移 自己資本比率の推移

-2

0

2

4

6

8

10

12

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

30

35

40

45

50

55

60

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

資料法人企業統計調査(財務省)

食品のカテゴリーの公的な分類の一つに工業統計表があり食品関係では2桁分類が24桁分類が496桁分類が 116公正取引委員会の生産出荷集中度調査はこの工業統計表の6桁分類を参考に区分しており細かい分類であるため集中度が高くなる傾向にある

他方食品市場全体でみると諸外国と比べ上位企業の寡占度が低いというデータもある

工業統計表における産業分類

資料経済産業省「工業統計表」 注)2桁の「飲料たばこ飼料」は4桁分類においてこの他に 「たばこ」「飼料有機質肥料」を含むがこの表では含めない 17

4食品産業の業種別構造(食品製造業②)

2桁 4桁 6桁

食料品 部分肉冷凍肉 部分肉冷凍肉

肉加工品 肉缶詰瓶詰つぼ詰

処理牛乳乳飲料 処理牛乳

水産缶詰瓶詰 まぐろ缶詰

海藻加工 寒天

水産練製品 魚肉ハムソーセージ

野菜缶詰果実缶詰 農産保存食料品

野菜缶詰

野菜漬物 野菜漬物

味そ 味そ

しょう油食用アミノ酸 しょう油食用アミノ酸

ソース ウスター中濃濃厚ソース

砂糖製造 粗糖

砂糖精製 精製糖

ぶどう糖水あめ異性化糖 ぶどう糖

精米精麦 精米

小麦粉 小麦粉

その他の精穀製粉 こんにゃく粉

パン 食パン

生菓子 洋生菓子

ビスケット類干菓子 ビスケット類干菓子

動植物油脂 大豆油

食用油脂 ショートニング油

でんぷん でんぷん

めん類 即席めん類

豆腐油揚 豆腐しみ豆腐油揚げ類

飲料たばこ飼料

清涼飲料 炭酸飲料

果実酒 果実酒

ビール類 ビール

清酒 清酒

製茶 荒茶緑茶

コーヒー コーヒー

製氷 人造氷

2 49 116

30

20

10

()

米国

英国

フランス

ドイツ

日本

加工食品市場における上位10社の寡占度 (2008年)

資料平成22年5月16日付日本経済新聞朝刊より抜粋

(注)ユーロモニターのデータをもとにボストンコンサルティンググループが分析

32

26

16

公正取引委員会の生産出荷集中度調査における区分(食品関連品目80品目)のうち「競争を実質的に制限することとなるおそれが小さい」とされる基準()を超えている品目の一覧

マヨネーズドレッシング類

ルウ類

カレールウ

シチュールウ

シチューミクスを除くシチュールウ

チューインガム

スポーツドリンク

ビール

発泡酒

ウイスキー

ビール風酒類

インスタントコーヒー

(注) 工業統計表の6桁分類を参考に公正取引委員会にて区分したもの () 「企業結合ガイドライン」が「競争を実質的に制限することとなるおそ

れが小さい場合」として挙げている ① 企業結合後のHHIが2500以下 ② 企業結合後の当事会社グループの市場シェアが35以下のう

ち①を基に「HHIが2500以下かどうか」を今回基準として設定 資料公正取引委員会「平成1920年生産出荷集中度調査」

構造改革のメリット ― 利益ある成長へ ① 国内事業の競争緩和② 商品開発力の向上 ③ 価格交渉力の向上④ 収益性の向上 ⑤ 国内基盤の安定リスク分散⑥原料調達力の向上

(10817)(11863)(11701)(13505)(14303)

(3320) (5202) (5990) (6622) (7048)

158516751668167018881804

178651848517691187071762316096

43684427384177039628

3663128226

495316

275573

323087344343

380752384899

449190

338707

385985405472

440757441041

0

20000

40000

60000

80000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

0

100000

200000

300000

400000

500000

卸売業

18

食品卸売業

外側商品販売額

内側事業所数

23

4253739952

43653

38300 39485 37844

53687

4748550723

45295 45054

38214

349514257840256

5028451416

56954

406984381244017

494474643247381

0

20000

40000

60000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

30000

50000

70000

90000

(事業所数)

食品卸売業事業所数(カ所)商品販売額(10億円)の推移

業全体に占める食品関連事業者の割合は卸売業では約2割小売業では約3割となっている 食品卸小売業については近年事業所数商品販売額とも減少傾向で推移特に食品小売業についてはコンビニエン

スストアは増加傾向にあるものの中小規模の食料品スーパーや食料品専門店中心店においては減少傾向で推移

資料経済産業省「商業統計表」

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

食料品スーパー取扱商品販売額のうち食料品が70以上食料品専門店取扱商品販売額のうち食料品が90以上食料品中心店取扱商品販売額のうち食料品が50以上

農畜産物水産物卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 米麦雑穀豆類野菜食肉生鮮魚介等の卸売業 食料飲料卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 味噌醤油乾物菓子類飲料茶類等の卸売業

食品小売業事業所数の推移

業全体に占める割合()

(5850)(6509)(6360)(7957)(8906)

(5862) (8791) (9544) (10538) (11257)9336 9957

8850 8515 84067447

13198 14768

1674815904

17047 17106

40115223

6135 6714 69227007

19881 16578

1588714187

1338712608

441684576245320

476204652646426

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

25000

30000

35000

40000

45000

50000

【事業所数】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

【商品販売額】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

食品小売業商品販売額の推移(10億円)

合計(右目盛)

総合スーパー(左目盛)

コンビニエンスストア(左目盛)

食料品専門店 中心店(左図右目盛 右図左目盛)

食料品スーパー(左目盛) 大規模 中小規模

注従業員数50人未満を中小規模 50人以上を大規模とした

(商品販売額)

〈食飲卸事業所数〉

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

〈農水卸事業所数〉

〈食飲卸商品販売額〉

〈農水卸商品販売額〉

(1) 食品卸小売業

18

小売業

18

2 4

24 5

9

総合スーパー食料品スーパー

コンビニエンスストア

食料品専門店中心店

外側商品販売額

内側事業所数

【食品小売業】

注平成19年のデータを利用

【食品卸売業】

卸 売 業123 億円 食 品 卸 売 業100 億円

小 売 業12 億円 食料品専門店中心店05 億円

(一事業所当たり商品販売金額) (一事業所当たり商品販売金額)

4食品産業の業種別構造(食品流通業)

1990 1997 1999 2002 2004 2007

1990 1997 1999 2002 2004 2007 1990 1997 1999 2002 2004 2007

卸売市場は野菜果物魚肉など日々の食卓に欠かすことのできない生鮮食料品等を国民に円滑かつ安定的に供給するための基幹的なインフラとして多種大量の物品の効率的かつ継続的な集分荷公正で透明性の高い価格形成など重要な機能を有している

青果水産物の6割程度が卸売市場を経由している(国産青果物では約9割)加工品や輸入品など卸売市場を経由することが少ない物品の流通割合が増加していること等により市場経由率は低下傾向にあったがここ数年は横ばいで推移している

生鮮食料品等の主要な流通経路

卸売市場の数取扱金額市場関係業者数

卸売市場経由率の推移(推計)

(2)卸売市場

区分 市場数

取扱金額 (億円)

卸売業 者数

仲卸業 者数

売買参 加者数

中央卸売市場 74 41208 210 4305 35828

うち青 果 60 19102 85 1629 16111

水産物 46 18275 78 2472 6210

食 肉 10 2158 10 80 1833

花 き 22 1402 28 102 11067

その他 7 271 9 22 607

地方卸売市場 1185 31953 1384 2053 132938

資料農林水産省食料産業局食品製造卸売課調べ 注(中央) 市場数卸売業者数22年度末他の業者数21年度末取扱金額21年度(H21年10月1日 に地方卸売市場へ転換した市場についてはH21年9月までの取扱金額を含めている) なおH23年4月現在の市場数は全体で72となっている

(地方)市場数業者数21年度当初取扱金額20年度

資料農林水産省「食料需給表」「青果物卸売市場調査報告」等により推計 注卸売市場経由率は国内で流通した加工品を含む国産及び輸入の青果水産物等のうち卸売市場(水産物に ついてはいわゆる産地市場の取扱量は除く)を経由したものの数量割合(花きについては金額割合)の推計値 なお国産青果物の卸売市場経由率は約9割となっている

中央卸売市場 地方卸売市場

特徴

公正かつ効率的な流通の確保を目的とした広域的な生鮮食料品等流通の中核的な拠点

都道府県や一定規模以上の都市が開設者となって厳格な取引規制の下指標となる価格形成等重要な機能を果たしている

地域における生鮮食料品等の集配拠点

開設者の主体に制限はなく法律上の規制も緩やかとなっており地域の実情に応じた運営がなされている

機能

① 集荷(品揃え)分荷機能全国各地から多種大量の物品を集荷するとともに実需者の ニーズに応じて迅速かつ効率的に必要な品目量へと分荷 ② 価格形成機能需給を反映した公正で透明性の高い価格形成 ③ 代金決済機能販売代金の出荷者への迅速確実な決済 ④ 情報受発信機能需給に係る情報を収集し川上川下にそれぞれ伝達

卸売市場の種類と主要な機能

商社 輸入

消費者

直売所青空市場宅配など

産地直接取引など

出荷者(農協個人等)

卸売業者

仲卸業者

売買参加者

卸売市場 製造業者小売業者外食業者等

(年度)

827

630

853

738

780

457

746

584

830 840

235

98

00

100

200

300

400

500

600

20

40

60

80

H元 H5 H10 H15 H18 H19 H20

(単位)

青果

(野菜)

(果実)

水産物

花き

食肉

(食肉)

19

500万円未満

62

500万~

1千万円

14

1千~

3千万円

21

3千~5千万円

2

5千万円以上

71601社

単身世帯の増加女性の雇用者の増加等社会情勢の変化の中で食に関して簡便化志向の高まりや外部化が進行 外食産業は個人経営が総店舗数の5分の3を占め法人形態であっても資本金1千万円未満のものが4分の3を占め

るなど中小零細な事業者が多い従業員についても約290万人の大きな雇用機会を創出しているものの常勤雇用者に占めるパートアルバイトの割合が高い

710

381

290

619

0

20

40

60

80

100

飲食店 小売卸売業

法人

個人

資料平成21年経済センサス

外食産業における法人の資本別割合(2009年)

事業所数 (千ケ所) 673

従業員数 (千人) 4421

常勤雇用者に占める正社員正職員以外の割合(2009年)

製造業 207

卸小売業 458

宿泊業飲食サービス業 733

飲食店 769

ハンバーガー店 946

資料平成21年経済センサス

資料(財)食の安全安心財団附属機関 外食産業総合調査研究センターによる推計

20

4食品産業の業種別構造(外食産業)

資料平成21年経済センサス

資料平成21年経済センサス

外食率 = 外 食 産 業 市 場 規 模

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

食の外部化率 = 外食産業市場規模 + 料理品小売業

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

278

318

335 349

358 366

369 377

378

375

373

367

365

375

378 366

356

356

358

355

354

352

360

366

368

366

359

362

284

334

354

370 381

393 398 412

415

413

412

406 406 419

425

422

419

421

428

428

430

428

441 450

452

449

443

449

25

30

35

40

45

50

外食率

食の外部化率

外食率食の外部化率の推移

事業所数従業員数(2009年)

外食産業(飲食店)の経営組織別事業所数の比率(2009年)

4食品産業の業種別構造(関連産業) 食品製造業は物流のほか製造用機械容器など食品の製造に必要な資材等を提供する裾野産業に支えられている

従前より食品産業全体については高い物流コストや過剰包装等が問題

食品機械の輸出入実績推移

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

(製造品出荷額等)

百万円

(輸出入額)

百万円

輸出 輸入 製造品出荷額等

売上高物流コスト比率(業種小分類別)

21

(資料財団法人日本包装技術協会)

資料社団法人日本食品機械工業会 物流コスト削減策

注回答企業数196社 資料2009年度物流コスト調査報告書(社団法人日本ロジステックスシステム協会)

製造業

食品(要冷)

石鹸洗剤塗料

食品(常温)

繊維

化粧品

電気製品

医薬品

卸売業

卸売業(繊維衣料品系)

卸売業(日用雑貨系)

卸売業(食品飲料系)

その他卸売業

卸売業(機器系)

卸売業(総合商社)

小売業

小売業(通販)

小売業(生協)

小売業(コンビニエンスストア)

その他小売業

その他

建設

000 200 400 600 800 1000 1200 1400

在庫削減SCM

在庫削減

アイテム数の整理

物流システムネットワークの見直し

物流拠点の見直し(廃止統合新設)

直送化

輸配送の共同化

商品設計包装の見直し

包装容器の再使用通い箱の利用等

包装の簡素化変更

物流オペレーションの改善保管仕分け等

保管の効率化

物流オペレーションの改善輸配送

積載率の向上(混載化帰り便の利用等)

輸配送経路の見直し

105 58

101 77

62

61 60

88

95 75

0 50 100 150 (数)

()

アジア地域の実質経済成長率は今後5を超える高水準で推移する見通しであり特に中国とインドは8~9台の高水準で伸びる見通し高成長を支え今後の市場規模に大きな影響を与える中高所得者層(世帯可処分所得5000ドル以上)の人口は今後10年で現在の2倍程度に増加する見通し

製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況

5海外市場への展開

加速する我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

資料「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

2位 東南アジア(341)

4位 タイ (295)

3位 台湾 (318)

1位 中国 (659)

海外出店を積極化する又は今後進出を予定して いる企業の出店先は中国がトップ(複数回答あり)

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

2009年度(233千法人)

全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

食品製造業

国内法人数に対する現地法人数の割合

11

その他の製造業 32

資料「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省 資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」 東洋経済新報社

世帯可処分所得5000ドル以上の人口の推移

出所NIRA研究報告書(所得別の家計比率はEuromonitor International World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した 2008 年までの人口はIMF International Financial Statistics2010 年以降はUN WorldPopulation Prospects を参照)

35億人

1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

見通し(NIRA推計)

+10億人 2倍増

アジア太平洋主要国別の経済成長見通し

22

30 25

20 15 10 5

0

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

全製造業に占める食品 製造業の法人数の割合

国内法人数に対する 現地法人数の割合

資料「工業統計表(2009年企業統計編)」経済産業省

資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」東洋経済新報社

35

12

0 1 2 3 4 0 100 200 300

2009年度(212千法人)

849

151

食品製造業 =約32千法人

その他の製造業 =約180千法人

(千法人)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国

インド

ベトナム

インドネシア

マレーシア

出典World Economic Outlook 2011年9月版(IMF)

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 3: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

10000

12000

14000

16000

18000

20000

22000

24000

26000

2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050

65~74歳 75歳以上

(千人)

団塊の世代 (1947~49年生まれ)

2020年の高齢者人口(65歳以上)は総人口の約3割を占める 2022年に団塊の世代(1947年生まれ)が75歳になりそれ以後後期高齢者が急速に増加

資料国立社会保障人口問題研究所「全国将来推計人口」(平成24年1月) 注出生中位死亡中位の場合

1国内市場の構造変化(将来推計人口における高齢者の質の変化)

2022 (年)

~ ~ 0

年 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050

総人口(千人) 127768 128057 126597 124100 120659 116618 112124 107276 102210 97076

割合 ()

65~74歳 111 119 138 140 123 121 133 153 157 142

75歳以上 91 111 130 151 181 195 200 207 221 246

計 202 230 268 291 303 316 334 361 377 388

Ⅰ 食品産業をめぐる状況変化

人口減高齢化等によりこれまで食品産業が基盤としてきた国内市場の縮小が見込まれるしかしながら高齢者になるに従ってエンゲル係数は上昇する傾向

また一世帯当たりの人員減少に伴う世帯数の増加等により商品の少量化や小口化が進む等消費構造も変化

1国内市場の構造変化(高齢化に伴う消費構造の変化)

国民1人1日当たりのエネルギー摂取量

世帯数と1世帯当たり人員の推移

世帯主の年齢階層別食費支出額(年額)

世帯主の年齢階層別消費支出に占める食費支出の割合

資料 総務省 「家計調査」(平成22年)

0

200000

400000

600000

800000

1000000

~29歳 30~39 40~49 50~59 60~69 70~

575471

751569

929313 950664 940254

835611

09 12 16 22 30 39 48

23 30

34 35 37 39

42 44 45 47

41

34 33 32 31 30 28 27 26 24

00 05 10 15 20 25 30 35 40 45

0

10

20

30

40

50

60

1960年 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010

資料総務省「国勢調査」 注高齢者世帯数は65歳以上の単身世帯数(調査は1980年から開始)

1世帯当たり人員

(人)

(百万)

全世帯数

世帯数

一世帯当たり人員

高齢者世帯数 00

200

400

600

800

1000

食料品支出額()

その他支出額()

208 232 241 232 274 293

792 768 759 768 726 707

1国内市場の構造変化(食料品アクセス問題)

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

全国 三大都市圏 東京圏 名古屋圏 大阪圏 地方圏

全年齢 65歳以上

出典農林水産政策研究所「食料品アクセス問題の現状と対応方向」

生鮮食料品店までの距離が500m以上でかつ自動車を持たない人口

資料農林水産省「食料品アクセス問題に関するアンケート調査」 (注)政令指定都市及び東京都特別区については対策を実施中50のうち政令 指定都市は43東京都特別区は57対策を実施検討していない29の うち政令指定都市は25東京都特別区は75

対策を必要とする市町村の割合

飲食料品店の減少大型商業施設の郊外化等に伴い都市部においても高齢者を中心に食料品の購入や飲食に不便や 苦労を感じる「食料品アクセス問題」が顕在化 農林水産政策研究所の推計によれば生鮮食料品店までの距離が500m以上かつ自動車を持たない人口は910万人うち 65歳以上は350万人にのぼり特に高齢者に大きな負担 全国の市町村を対象に行ったアンケート調査によれば「何らかの対策を必要」とする市町村は約4分の3にのぼりそのうち の3割程度の市町村が対策の検討にさえ着手できていない状況

対策を必要とする市町村の対策の実施状況 対策を実施検討していない

万人

農家世帯員農業就業人口基幹的農業従事者数等の動向(販売農家)

農業従事者の減少や高齢化による国内農業生産力の低下により国産志向等多様な消費者ニーズに対応できないおそれ 人口の増加や途上国の経済発展バイオ燃料等非食用の需要増大地球規模の気候変動の影響等により原料農産物の

国際価格の上昇が見込まれるとともに原料産地が限定される産品等に調達の懸念

2国内外の原料の調達リスクの高まり

中国の経済発展による食料需要の増大

1563 1388

1204 1047

837 650 543 482 414 389 335 261 346 293 256 240 224 205

195

268

397

512 574

611

0

10

20

30

40

50

60

70

0

200

400

600

800

1000

1200

1400

1600

1985 1990 1995 2000 2005 2010

農家世帯員数 農業就業人口 基幹的農業従事者数 65歳以上の基幹的農業従事者の割合 hellip

資料農林水産省「農林業センサス」

万人

世界のバイオエタノール生産量の見通し

(参 考)穀物等の国際価格の動向(ドルトン)

穀物等の国際価格は2010年7月以降再び上昇し現在は2006年秋頃に比べ16~34倍の水準 昨年夏以降ロシアの穀物輸出禁止措置とうもろこしのバイオ燃料向け需要の増大中国の旺盛な大豆輸入等により穀物

等の需給は引き締まり価格が上昇したとうもろこしは2011年4月11日に3055ドルトンと史上最高値を更新 現在米国コーンベルトの降雨によるとうもろこし等の作付遅れや欧州の乾燥による小麦等の作柄が懸念

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

1970 1972 1974 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012

ドルトン

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

(ドルト

ン )

4880ドル24倍

過去最高6092ドル(200873)

注小麦とうもろこし大豆は各月ともシカゴ商品取引所の第1金曜日の期近価格である

米はタイ国家貿易取引委員会公表による各月第1水曜日のタイうるち精米1002等のFOB価格である

大豆

小麦

1972

世界同時不作

1973

米国大豆禁輸措置

1980

米国熱波

1981

中国イラン等の米の

不作によりタイ米需要急増

1982

世界的な米の豊作

1988

米国大干ばつ

1989

中国インドネシア等の米の輸入需要増大

日本の冷害による米の緊急輸入

米国大洪水

1993

1995

米国天候不順

中国が米の輸出禁止措置

フィリピンインドネシアタイで洪水

2002

米国カナダ豪州同時不作

1999

世界の米生産量が史上最高

2003

米国高温乾燥中国輸入急増

2004

世界の米在庫量が約20年ぶりの低水準

2594ドル29倍

過去最高3098ドル(2011610)

2465ドル18倍

過去最高4703ドル(2008227)

5740ドル18倍

過去最高1038ドル(2008521)

注1各月第1金曜日(米は第1水曜日)に加え直近の最終金曜日(米は最終水曜日の価格)を記載

注2過去最高価格については米はタイ国家貿易取引委員会の公表する価格の最高価格米以外はシカゴ商品取引所の全ての取引日における最高価格

注3図中の倍率は2006年秋頃と比較した直近の価格水準

2012年3月2日現在

2006

豪州大干ばつ

2007

欧州天候不順豪州干ばつ

小麦

2008

世界的な小麦等の豊作

大豆

とうもろこしとうもろこし

2010

ロシアで干ばつ

2011

タイで担保融資制度導入

米国で高温乾燥

WTO農業交渉のこれまでの経緯

3市場のグローバル化(WTO農業交渉)

経済連携協定の提携等により市場のグローバル化が進んでいる

発効(10月)

(注1)ASEAN全体とのEPAは2008年12月に日本とシンガポールラオスベトナム及びミャンマー2009年1月にブルネイ同2月にマレーシア同6月にタイ同12月

にカンボジア2010年7月にフィリピンとの間で発効未発効国はインドネシアのみ (注2)韓国とは2004年11月以降交渉が中断2008年6月に「日韓経済連携協定締結交渉再開に向けた検討及び環境醸成のための実務協議」を開催し現在までに5回開催 (注3)GCC(湾岸協力理事会)加盟国バーレーンクウェートオマーンカタールサウジアラビアアラブ首長国連邦

締結

署名

交渉完了

交渉中

発効(9月)

2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年

ASEAN全体(注1)

ブルネイ

フィリピン

ベトナム スイス

インドネシア タイ チリ マレーシア メキシコ シンガポール

韓国(注2) GCC(注3)

インド

豪州

交渉(11月~)

交渉(1月~)

交渉(2月~)

交渉(2月~)

交渉(7月~)

交渉(6月~)

見直し交渉 (4月~)

交渉(4月~)

交渉(2月~)

交渉(5月~)

交渉(12月~)

交渉(9月~)

交渉(1月~)

交渉(4月~)

署名 (3月)

署名 (9月)

署名 (12月)

署名 (3月) 署名 (4月)

署名(8月)

署名(6月)

署名完了 (4月)

署名(9月)

署名 (2月)

発効(9月)

発効(9月)

発効(4月)

発効(11月) 署名(1月)

発効(7月)

発効(11月)

発効(7月)

発効(7月)

発効(12月)

発効(12月)

交渉(1月~) 署名 (12月)

2010年

我が国はアジアを中心に13の国や地域とEPAを締結署名交渉完了また韓国GCC豪州と交渉中

ペルー 交渉(5月~)

2011年

署名(2月)

交渉完了(11月)

再協議(9月~) 実質合意 (2月)

3市場のグローバル化(我が国のEPAFTAの進捗状況)

水産業関係被害 農林業関係被害

被害額合計1兆2637 億円

漁船(28612隻) 1822億円

漁港施設(319漁港) 8230億円

養殖関係 (内 養殖施設) (内 養殖物)

1335億円 (738億円) (597億円)

共同利用施設(1725施設) 1249億円

被害額合計1兆1631億円

農地(18174箇所) 4006億円

農業用施設等(17502箇所) (水路揚水機集落排水施設等)

4835億円

農作物家畜等 142億円

農業畜産関係施設等 (農業倉庫ハウス畜舎堆肥舎等)

493億円

林野関係 (林地荒廃治山施設林道施設木材加工流通施設等)

2155億円

全国の漁業生産量の5割を占める7道県(北海道青森県岩手県宮城県福島県茨城県千葉県)を中心に大きな被害

特に津波によって6県(青森県岩手県宮城県福島県茨城県千葉県)を中心に総計 24万haに及ぶ範囲に被害が発生

(資料)「津波により流失や冠水等の被害を受けた農地の推定面積(平成23年3月)」

4東日本大震災の影響(農林水産関係の被害状況)

東日本大震災における農林水産関係の被害額(平成24年3月5日現在)は2兆4268億円

【資金調達の円滑化】 被災した農林漁業者等が資金を調達できるよう円滑な融資等を関係団体に依頼 農業共済掛金の払込期限等の延長共済金の早期支払いに向けて共済団体に指導

【排水設備の貸出】 農地等の湛水排除や応急的な取水に対応するため災害応急用ポンプを地方農政局土地

改良技術事務所から搬送し供用宮城県福島県栃木県の3県で延べ90台を供用

【手続きの簡素化】 救援活動等に最優先で取組めるよう農業者戸別所得補償制度の申請期限等を延長

【燃料用物資の供給】 東北森林管理局から大船渡市陸前高田市釜石市大槌町等へ薪ストーブ113台を提供 関係団体等の協力の下宮城県福島県へ木炭26t木炭コンロ1300個を供給

その他の応急対応

災害応急用ポンプによる排水作業(宮城県名取市)

福貴浦漁港における水産庁漁業取締船による救援物資の引き渡し(宮城県石巻市)

今回の震災では200社を超

える食品メーカー等の協力の下食料2584万食育児用調整粉乳53万缶飲料762万本を調達ピーク時には1日で約154万食分の食料を調達

水産庁の漁業取締船等の 計10隻が民間漁船と協力して 海上から物資(食料燃料日用 品医薬品)を輸送

被災地域への食料供給

工場の被災により供給不足となった配合飼料の供給確保を支援するため

①飼料関係団体に対し九州や北海道等からの配送(内航船運搬トラック輸送)の要請

②備蓄飼料穀物(35万トン)の無償無担保での貸付 等

を措置

被災した配合飼料工場とサイロ(岩手県釜石市)

被災地域の飼料不足への対応

4東日本大震災の影響(震災直後の応急の対応)

121

食用農水産 物の輸入

【12兆円】

94兆円

外食産業向け

06兆円 【01兆円】

食品製造業向け

58兆円 【07兆円】

最終消費向け

30兆円 【03兆円】

食品製造業

301兆円

最終製品の輸入 【39兆円】

一次加工品の輸入 【14兆円】

生鮮品等

209兆円 (285)

391兆円 (532)

135兆円 (184)

資料総務省他9府省庁「平成17年産業連関表」を基に農林水産省で試算 1【 】内の数値は輸入分の数値 2精穀(精米精麦等)と畜(各種肉類)及び冷凍魚介類は加工度が低いため最終消費においては「生鮮品等」として取り扱っている 3旅館ホテル病院等での食事は「外食」に計上せず使用された食材費を最終消費額としてそれぞれ「生鮮品等」及び「加工品」に計上している

外食産業

209兆円

食品小売業

(加工品) 391兆円

(生鮮品等) 135兆円

飲食料の 最終消費額 736兆円

食品産業

加工食品 卸売業

食用農水産物 106兆円

( 生産から消費に至る流れ )

卸売市場

食品産業(流通業食品製造業外食中食産業)は食用農水産物106兆円と輸入加工品52兆円を食材として

736兆円の食品市場を形成

1最終消費からみた飲食費の流れ(2005年)

飲食料の 最終消費額 795兆円

[2000年] 食用農水産物

118兆円 ( 生産から消費に至る流れ )

10

6兆円

Ⅱ 食品産業の位置付け現状

食品関連産業の国内生産額の推移

食品関連産業の国内生産額は約96兆円(2009年度)で全産業(876兆円)の約11であり我が国産業の最大のセクターの一つである近年は食料品価格の値下げ等により1990年代後半をピークに減少傾向

食品関連産業の就業者数は1061万人で全産業の就業者総数(6257万人)の約17 生産額及び就業者数でみた食品産業の位置づけ

2食品関連産業の地位

96兆円

消費者物価指数の推移 就業者数(2010年)

資料総務省「労働力調査」(2010年)

90

92

94

96

98

100

102

平成

2 3 4 5 6 7 8 9 10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

総合

食料

991

11

1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 資料総務省「消費者物価指数年報」 注1998年を100としている食料には酒類外食を含む

964

資料農林水産省「農業食料関連産業の経済計算」(2009年度)

生産額(2009年度)

0 20 40 60 80 100

農漁業 112兆円 (1)

食品関連 製造業

372兆円 (4)

飲食業 242兆円 (2)

食品関連 流通業

209兆円 (3)

関連投資 209兆円 (03)

食品関連産業 957兆円(11)

産業全体 8760兆円(100)

食品関連産業を除く産業全体 7804兆円 (89)

電気機械製造業

建設業 金融保険業 等

0 20 40 60 80 100

食品製造業 150万人 (2)

外食産業 329万人 (5)

食品流通業 338万人 (5)

農漁業 244万人 (4)

食品関連産業を除く産業全体 5196万人 (83)

食品関連産業 1061万人(17)

就業者総数(産業全体) 6257万人(100)

農林水産業 117兆円 (134)

鉱業 08兆円 (009)

製造業 2601兆円 (2971)

建設業 556兆円 (636)

電気ガス水道業 240兆円 (274)

卸売小売業 976兆円 (1115)

金融保険業 366兆円 (418)

不動産業 688兆円 (786)

運輸業 398兆円 (455)

情報通信業 465兆円 (531)

サービス業 1541兆円 (1760)

その他 798兆円 (911)

(参 考) 我が国の国内生産額(876兆円)に占める各産業の割合

農漁業 112兆円

(1175)

関連製造業 371兆円

(3879)

関連投資 23兆円

(239)

関連流通業 242兆円

(2527)

飲食店 209兆円

(2180)

資料 平成21年度 農林水産省大臣官房統計部「農業食料関連産業の経済計算」

資料 平成21年 内閣府「国民経済計算」

農業食料関連産業の国内生産額 957兆円(全産業の109)

12

333

317

601

616

67

66

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

食品産業仕向 683最終消費仕向

(06)

(64) (07)

食品製造業仕向 外食産業仕向

(30) (58)

(35)

国産農水産物の用途別仕向割合 食品製造業の加工原材料調達割合(国産輸入)

国産農水産物の23が食品産業仕向けとなっており食品産業は国産農水産物の最大の仕向け先であるまた食品 製造業が利用する原材料(農水産物加工品)のうち7割強が国産農水産物となっている

771

734

84

89

145

177

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

国産農水産物

(58)

(07) (12)

(07)

輸入農水産物

輸入一次加工品

(64)

(14)2005年 2005年

2000年 2000年

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

括弧内は調達額(兆円)

3食品産業の位置づけ①

13

括弧内は調達額(兆円)

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

地方と都市圏の食品製造業の製造品出荷額従業者数と全製造業に占める割合

食品産業は製造卸売小売外食産業のいずれも中小零細企業比率が98~99であり事業所の総数は90万をこえているそのうち食品製造業は地域経済において地場産業として大きなウエイト特に北海道鹿児島沖縄では製造品出荷額の約3割雇用の面では製造業の従事者の過半近くを占めるなど地域経済の安定に重要な役割

14

出所経済産業省「工業統計表」(平成21年) 注零細企業従業者数3人以下の事業所 中小企業従業者数299人以下の事業所 大企業300人以上の事業所

食品製造業の構造 資料経済産業省「工業統計表(4人以上の事業所)」(平成21年) 注1食品製造業は食料品製造業及び飲料たばこ飼料製造業(たばこ製造業飼料有機質肥料製造業を除く)の合計である 注2工業統計における製造品出荷額は一部個々の事業者の秘密が漏れるおそれから秘匿された数字があるため実態とズレがある可能性がある

3食品産業の位置づけ②

製造品出荷額 従業員数

金額(億円) 全製造業に占める

割合() 人数(人)

全製造業に占める 割合()

製造品出荷額の占める割合の高い都道府県

鹿児島 7562

(全国13位) 441

(全国1位) 29438

(全国14位) 413

(全国3位)

北海道 20390

(全国1位) 392

(全国2位) 86343

(全国1位) 488

(全国2位)

沖縄 1686

(全国39位) 308

(全国3位) 12434

(全国34位) 501

(全国1位)

三大 都市圏

東京 7467

(全国14位) 93

(全国28位) 35080

(全国12位) 108

(全国40位)

大阪 11377

(全国9位) 77

(全国33位) 49671

(全国8位) 102

(全国41位)

愛知 17271

(全国2位) 50

(全国44位) 71557

(全国2位) 89

(全国43位)

全国平均 105 全国平均 157

大企業

533

中小企業

34075

零細企業

17955 339

10

99が中小零細企業

650

全産業に占める外食業の割合が高い都道府県

全小売業に占める食品小売業の割合が高い都道府県

全卸売業に占める食品卸売業の割合が高い都道府県

割合 事業所数

①兵庫県 ②愛知県 ③大阪府 ④東京都 ⑤京都府

902 883 882 823 818

21540ヶ所 29627ヶ所 37768ヶ所 56850ヶ所 10528ヶ所

全国平均 703

割合 事業所数

①長崎県 ②鹿児島県 ③沖縄県 ④高知県 ⑤秋田県

398 397 385 380 380

6656ヶ所 7848ヶ所 5767ヶ所 3713ヶ所 4938ヶ所

全国平均 343

割合 事業所数

①高知県 ②和歌山県 ③長崎県 ④青森県 ⑤熊本県

353 351 350 348 322

680ヶ所 937ヶ所

1296ヶ所 1222ヶ所 1342ヶ所

全国平均 227

15

01

999

大企業 355ヶ所

中小企業 415356ヶ所

大企業 9003ヶ所

中小企業 380829ヶ所

2

98

大企業 597ヶ所

中小企業 75461ヶ所

1

99

食品小売業の構造 食品卸売業の構造 外食業の構造

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用 中小企業従業者数49人以下の事業所 大企業従業者数50人以上の事業所

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用

3食品産業の位置づけ③

食品製造業は安定的に利益をあげているものの収益率は低く過当競争状態にあると言われている 法人企業統計調査によれば売上高経常利益率はやや横ばいで推移しているものの自己資本比率はリーマンショック

前の2007年度の水準まで回復していない

16

4食品製造業の業種別構造①

日刊経済通信社の分類による企業数等の状況

資料日刊経済通信社調査部編「平成19年度 酒類食品産業の生産販売シェア」 (注)製パンは8社食用植物油脂は5社のシェアの数値

分類 市場規模(上位10社計) 上位10社の生産販売シェア 企業数

しょうゆ 603660(キロリットル) 635 (出荷量) 1600

冷凍食品 7701(億円) 669 (販売額) 880

即席めん類 4960(億円) 965 (販売額) 58

製パン 7076(億円) 813 (販売高) -

食肉加工品 432500(トン) 806 (販売量) 165

チョコレート 2546(億円) 834 (生産額) -

小麦粉 4083000(トン) 837 (販売量) 100

食用植物油脂 2245700(トン) 856 (販売量) -

資料法人企業統計調査(財務省)

() ()

売上高経常利益率の推移 自己資本比率の推移

-2

0

2

4

6

8

10

12

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

30

35

40

45

50

55

60

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

資料法人企業統計調査(財務省)

食品のカテゴリーの公的な分類の一つに工業統計表があり食品関係では2桁分類が24桁分類が496桁分類が 116公正取引委員会の生産出荷集中度調査はこの工業統計表の6桁分類を参考に区分しており細かい分類であるため集中度が高くなる傾向にある

他方食品市場全体でみると諸外国と比べ上位企業の寡占度が低いというデータもある

工業統計表における産業分類

資料経済産業省「工業統計表」 注)2桁の「飲料たばこ飼料」は4桁分類においてこの他に 「たばこ」「飼料有機質肥料」を含むがこの表では含めない 17

4食品産業の業種別構造(食品製造業②)

2桁 4桁 6桁

食料品 部分肉冷凍肉 部分肉冷凍肉

肉加工品 肉缶詰瓶詰つぼ詰

処理牛乳乳飲料 処理牛乳

水産缶詰瓶詰 まぐろ缶詰

海藻加工 寒天

水産練製品 魚肉ハムソーセージ

野菜缶詰果実缶詰 農産保存食料品

野菜缶詰

野菜漬物 野菜漬物

味そ 味そ

しょう油食用アミノ酸 しょう油食用アミノ酸

ソース ウスター中濃濃厚ソース

砂糖製造 粗糖

砂糖精製 精製糖

ぶどう糖水あめ異性化糖 ぶどう糖

精米精麦 精米

小麦粉 小麦粉

その他の精穀製粉 こんにゃく粉

パン 食パン

生菓子 洋生菓子

ビスケット類干菓子 ビスケット類干菓子

動植物油脂 大豆油

食用油脂 ショートニング油

でんぷん でんぷん

めん類 即席めん類

豆腐油揚 豆腐しみ豆腐油揚げ類

飲料たばこ飼料

清涼飲料 炭酸飲料

果実酒 果実酒

ビール類 ビール

清酒 清酒

製茶 荒茶緑茶

コーヒー コーヒー

製氷 人造氷

2 49 116

30

20

10

()

米国

英国

フランス

ドイツ

日本

加工食品市場における上位10社の寡占度 (2008年)

資料平成22年5月16日付日本経済新聞朝刊より抜粋

(注)ユーロモニターのデータをもとにボストンコンサルティンググループが分析

32

26

16

公正取引委員会の生産出荷集中度調査における区分(食品関連品目80品目)のうち「競争を実質的に制限することとなるおそれが小さい」とされる基準()を超えている品目の一覧

マヨネーズドレッシング類

ルウ類

カレールウ

シチュールウ

シチューミクスを除くシチュールウ

チューインガム

スポーツドリンク

ビール

発泡酒

ウイスキー

ビール風酒類

インスタントコーヒー

(注) 工業統計表の6桁分類を参考に公正取引委員会にて区分したもの () 「企業結合ガイドライン」が「競争を実質的に制限することとなるおそ

れが小さい場合」として挙げている ① 企業結合後のHHIが2500以下 ② 企業結合後の当事会社グループの市場シェアが35以下のう

ち①を基に「HHIが2500以下かどうか」を今回基準として設定 資料公正取引委員会「平成1920年生産出荷集中度調査」

構造改革のメリット ― 利益ある成長へ ① 国内事業の競争緩和② 商品開発力の向上 ③ 価格交渉力の向上④ 収益性の向上 ⑤ 国内基盤の安定リスク分散⑥原料調達力の向上

(10817)(11863)(11701)(13505)(14303)

(3320) (5202) (5990) (6622) (7048)

158516751668167018881804

178651848517691187071762316096

43684427384177039628

3663128226

495316

275573

323087344343

380752384899

449190

338707

385985405472

440757441041

0

20000

40000

60000

80000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

0

100000

200000

300000

400000

500000

卸売業

18

食品卸売業

外側商品販売額

内側事業所数

23

4253739952

43653

38300 39485 37844

53687

4748550723

45295 45054

38214

349514257840256

5028451416

56954

406984381244017

494474643247381

0

20000

40000

60000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

30000

50000

70000

90000

(事業所数)

食品卸売業事業所数(カ所)商品販売額(10億円)の推移

業全体に占める食品関連事業者の割合は卸売業では約2割小売業では約3割となっている 食品卸小売業については近年事業所数商品販売額とも減少傾向で推移特に食品小売業についてはコンビニエン

スストアは増加傾向にあるものの中小規模の食料品スーパーや食料品専門店中心店においては減少傾向で推移

資料経済産業省「商業統計表」

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

食料品スーパー取扱商品販売額のうち食料品が70以上食料品専門店取扱商品販売額のうち食料品が90以上食料品中心店取扱商品販売額のうち食料品が50以上

農畜産物水産物卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 米麦雑穀豆類野菜食肉生鮮魚介等の卸売業 食料飲料卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 味噌醤油乾物菓子類飲料茶類等の卸売業

食品小売業事業所数の推移

業全体に占める割合()

(5850)(6509)(6360)(7957)(8906)

(5862) (8791) (9544) (10538) (11257)9336 9957

8850 8515 84067447

13198 14768

1674815904

17047 17106

40115223

6135 6714 69227007

19881 16578

1588714187

1338712608

441684576245320

476204652646426

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

25000

30000

35000

40000

45000

50000

【事業所数】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

【商品販売額】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

食品小売業商品販売額の推移(10億円)

合計(右目盛)

総合スーパー(左目盛)

コンビニエンスストア(左目盛)

食料品専門店 中心店(左図右目盛 右図左目盛)

食料品スーパー(左目盛) 大規模 中小規模

注従業員数50人未満を中小規模 50人以上を大規模とした

(商品販売額)

〈食飲卸事業所数〉

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

〈農水卸事業所数〉

〈食飲卸商品販売額〉

〈農水卸商品販売額〉

(1) 食品卸小売業

18

小売業

18

2 4

24 5

9

総合スーパー食料品スーパー

コンビニエンスストア

食料品専門店中心店

外側商品販売額

内側事業所数

【食品小売業】

注平成19年のデータを利用

【食品卸売業】

卸 売 業123 億円 食 品 卸 売 業100 億円

小 売 業12 億円 食料品専門店中心店05 億円

(一事業所当たり商品販売金額) (一事業所当たり商品販売金額)

4食品産業の業種別構造(食品流通業)

1990 1997 1999 2002 2004 2007

1990 1997 1999 2002 2004 2007 1990 1997 1999 2002 2004 2007

卸売市場は野菜果物魚肉など日々の食卓に欠かすことのできない生鮮食料品等を国民に円滑かつ安定的に供給するための基幹的なインフラとして多種大量の物品の効率的かつ継続的な集分荷公正で透明性の高い価格形成など重要な機能を有している

青果水産物の6割程度が卸売市場を経由している(国産青果物では約9割)加工品や輸入品など卸売市場を経由することが少ない物品の流通割合が増加していること等により市場経由率は低下傾向にあったがここ数年は横ばいで推移している

生鮮食料品等の主要な流通経路

卸売市場の数取扱金額市場関係業者数

卸売市場経由率の推移(推計)

(2)卸売市場

区分 市場数

取扱金額 (億円)

卸売業 者数

仲卸業 者数

売買参 加者数

中央卸売市場 74 41208 210 4305 35828

うち青 果 60 19102 85 1629 16111

水産物 46 18275 78 2472 6210

食 肉 10 2158 10 80 1833

花 き 22 1402 28 102 11067

その他 7 271 9 22 607

地方卸売市場 1185 31953 1384 2053 132938

資料農林水産省食料産業局食品製造卸売課調べ 注(中央) 市場数卸売業者数22年度末他の業者数21年度末取扱金額21年度(H21年10月1日 に地方卸売市場へ転換した市場についてはH21年9月までの取扱金額を含めている) なおH23年4月現在の市場数は全体で72となっている

(地方)市場数業者数21年度当初取扱金額20年度

資料農林水産省「食料需給表」「青果物卸売市場調査報告」等により推計 注卸売市場経由率は国内で流通した加工品を含む国産及び輸入の青果水産物等のうち卸売市場(水産物に ついてはいわゆる産地市場の取扱量は除く)を経由したものの数量割合(花きについては金額割合)の推計値 なお国産青果物の卸売市場経由率は約9割となっている

中央卸売市場 地方卸売市場

特徴

公正かつ効率的な流通の確保を目的とした広域的な生鮮食料品等流通の中核的な拠点

都道府県や一定規模以上の都市が開設者となって厳格な取引規制の下指標となる価格形成等重要な機能を果たしている

地域における生鮮食料品等の集配拠点

開設者の主体に制限はなく法律上の規制も緩やかとなっており地域の実情に応じた運営がなされている

機能

① 集荷(品揃え)分荷機能全国各地から多種大量の物品を集荷するとともに実需者の ニーズに応じて迅速かつ効率的に必要な品目量へと分荷 ② 価格形成機能需給を反映した公正で透明性の高い価格形成 ③ 代金決済機能販売代金の出荷者への迅速確実な決済 ④ 情報受発信機能需給に係る情報を収集し川上川下にそれぞれ伝達

卸売市場の種類と主要な機能

商社 輸入

消費者

直売所青空市場宅配など

産地直接取引など

出荷者(農協個人等)

卸売業者

仲卸業者

売買参加者

卸売市場 製造業者小売業者外食業者等

(年度)

827

630

853

738

780

457

746

584

830 840

235

98

00

100

200

300

400

500

600

20

40

60

80

H元 H5 H10 H15 H18 H19 H20

(単位)

青果

(野菜)

(果実)

水産物

花き

食肉

(食肉)

19

500万円未満

62

500万~

1千万円

14

1千~

3千万円

21

3千~5千万円

2

5千万円以上

71601社

単身世帯の増加女性の雇用者の増加等社会情勢の変化の中で食に関して簡便化志向の高まりや外部化が進行 外食産業は個人経営が総店舗数の5分の3を占め法人形態であっても資本金1千万円未満のものが4分の3を占め

るなど中小零細な事業者が多い従業員についても約290万人の大きな雇用機会を創出しているものの常勤雇用者に占めるパートアルバイトの割合が高い

710

381

290

619

0

20

40

60

80

100

飲食店 小売卸売業

法人

個人

資料平成21年経済センサス

外食産業における法人の資本別割合(2009年)

事業所数 (千ケ所) 673

従業員数 (千人) 4421

常勤雇用者に占める正社員正職員以外の割合(2009年)

製造業 207

卸小売業 458

宿泊業飲食サービス業 733

飲食店 769

ハンバーガー店 946

資料平成21年経済センサス

資料(財)食の安全安心財団附属機関 外食産業総合調査研究センターによる推計

20

4食品産業の業種別構造(外食産業)

資料平成21年経済センサス

資料平成21年経済センサス

外食率 = 外 食 産 業 市 場 規 模

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

食の外部化率 = 外食産業市場規模 + 料理品小売業

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

278

318

335 349

358 366

369 377

378

375

373

367

365

375

378 366

356

356

358

355

354

352

360

366

368

366

359

362

284

334

354

370 381

393 398 412

415

413

412

406 406 419

425

422

419

421

428

428

430

428

441 450

452

449

443

449

25

30

35

40

45

50

外食率

食の外部化率

外食率食の外部化率の推移

事業所数従業員数(2009年)

外食産業(飲食店)の経営組織別事業所数の比率(2009年)

4食品産業の業種別構造(関連産業) 食品製造業は物流のほか製造用機械容器など食品の製造に必要な資材等を提供する裾野産業に支えられている

従前より食品産業全体については高い物流コストや過剰包装等が問題

食品機械の輸出入実績推移

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

(製造品出荷額等)

百万円

(輸出入額)

百万円

輸出 輸入 製造品出荷額等

売上高物流コスト比率(業種小分類別)

21

(資料財団法人日本包装技術協会)

資料社団法人日本食品機械工業会 物流コスト削減策

注回答企業数196社 資料2009年度物流コスト調査報告書(社団法人日本ロジステックスシステム協会)

製造業

食品(要冷)

石鹸洗剤塗料

食品(常温)

繊維

化粧品

電気製品

医薬品

卸売業

卸売業(繊維衣料品系)

卸売業(日用雑貨系)

卸売業(食品飲料系)

その他卸売業

卸売業(機器系)

卸売業(総合商社)

小売業

小売業(通販)

小売業(生協)

小売業(コンビニエンスストア)

その他小売業

その他

建設

000 200 400 600 800 1000 1200 1400

在庫削減SCM

在庫削減

アイテム数の整理

物流システムネットワークの見直し

物流拠点の見直し(廃止統合新設)

直送化

輸配送の共同化

商品設計包装の見直し

包装容器の再使用通い箱の利用等

包装の簡素化変更

物流オペレーションの改善保管仕分け等

保管の効率化

物流オペレーションの改善輸配送

積載率の向上(混載化帰り便の利用等)

輸配送経路の見直し

105 58

101 77

62

61 60

88

95 75

0 50 100 150 (数)

()

アジア地域の実質経済成長率は今後5を超える高水準で推移する見通しであり特に中国とインドは8~9台の高水準で伸びる見通し高成長を支え今後の市場規模に大きな影響を与える中高所得者層(世帯可処分所得5000ドル以上)の人口は今後10年で現在の2倍程度に増加する見通し

製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況

5海外市場への展開

加速する我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

資料「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

2位 東南アジア(341)

4位 タイ (295)

3位 台湾 (318)

1位 中国 (659)

海外出店を積極化する又は今後進出を予定して いる企業の出店先は中国がトップ(複数回答あり)

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

2009年度(233千法人)

全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

食品製造業

国内法人数に対する現地法人数の割合

11

その他の製造業 32

資料「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省 資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」 東洋経済新報社

世帯可処分所得5000ドル以上の人口の推移

出所NIRA研究報告書(所得別の家計比率はEuromonitor International World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した 2008 年までの人口はIMF International Financial Statistics2010 年以降はUN WorldPopulation Prospects を参照)

35億人

1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

見通し(NIRA推計)

+10億人 2倍増

アジア太平洋主要国別の経済成長見通し

22

30 25

20 15 10 5

0

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

全製造業に占める食品 製造業の法人数の割合

国内法人数に対する 現地法人数の割合

資料「工業統計表(2009年企業統計編)」経済産業省

資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」東洋経済新報社

35

12

0 1 2 3 4 0 100 200 300

2009年度(212千法人)

849

151

食品製造業 =約32千法人

その他の製造業 =約180千法人

(千法人)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国

インド

ベトナム

インドネシア

マレーシア

出典World Economic Outlook 2011年9月版(IMF)

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 4: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

人口減高齢化等によりこれまで食品産業が基盤としてきた国内市場の縮小が見込まれるしかしながら高齢者になるに従ってエンゲル係数は上昇する傾向

また一世帯当たりの人員減少に伴う世帯数の増加等により商品の少量化や小口化が進む等消費構造も変化

1国内市場の構造変化(高齢化に伴う消費構造の変化)

国民1人1日当たりのエネルギー摂取量

世帯数と1世帯当たり人員の推移

世帯主の年齢階層別食費支出額(年額)

世帯主の年齢階層別消費支出に占める食費支出の割合

資料 総務省 「家計調査」(平成22年)

0

200000

400000

600000

800000

1000000

~29歳 30~39 40~49 50~59 60~69 70~

575471

751569

929313 950664 940254

835611

09 12 16 22 30 39 48

23 30

34 35 37 39

42 44 45 47

41

34 33 32 31 30 28 27 26 24

00 05 10 15 20 25 30 35 40 45

0

10

20

30

40

50

60

1960年 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010

資料総務省「国勢調査」 注高齢者世帯数は65歳以上の単身世帯数(調査は1980年から開始)

1世帯当たり人員

(人)

(百万)

全世帯数

世帯数

一世帯当たり人員

高齢者世帯数 00

200

400

600

800

1000

食料品支出額()

その他支出額()

208 232 241 232 274 293

792 768 759 768 726 707

1国内市場の構造変化(食料品アクセス問題)

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

全国 三大都市圏 東京圏 名古屋圏 大阪圏 地方圏

全年齢 65歳以上

出典農林水産政策研究所「食料品アクセス問題の現状と対応方向」

生鮮食料品店までの距離が500m以上でかつ自動車を持たない人口

資料農林水産省「食料品アクセス問題に関するアンケート調査」 (注)政令指定都市及び東京都特別区については対策を実施中50のうち政令 指定都市は43東京都特別区は57対策を実施検討していない29の うち政令指定都市は25東京都特別区は75

対策を必要とする市町村の割合

飲食料品店の減少大型商業施設の郊外化等に伴い都市部においても高齢者を中心に食料品の購入や飲食に不便や 苦労を感じる「食料品アクセス問題」が顕在化 農林水産政策研究所の推計によれば生鮮食料品店までの距離が500m以上かつ自動車を持たない人口は910万人うち 65歳以上は350万人にのぼり特に高齢者に大きな負担 全国の市町村を対象に行ったアンケート調査によれば「何らかの対策を必要」とする市町村は約4分の3にのぼりそのうち の3割程度の市町村が対策の検討にさえ着手できていない状況

対策を必要とする市町村の対策の実施状況 対策を実施検討していない

万人

農家世帯員農業就業人口基幹的農業従事者数等の動向(販売農家)

農業従事者の減少や高齢化による国内農業生産力の低下により国産志向等多様な消費者ニーズに対応できないおそれ 人口の増加や途上国の経済発展バイオ燃料等非食用の需要増大地球規模の気候変動の影響等により原料農産物の

国際価格の上昇が見込まれるとともに原料産地が限定される産品等に調達の懸念

2国内外の原料の調達リスクの高まり

中国の経済発展による食料需要の増大

1563 1388

1204 1047

837 650 543 482 414 389 335 261 346 293 256 240 224 205

195

268

397

512 574

611

0

10

20

30

40

50

60

70

0

200

400

600

800

1000

1200

1400

1600

1985 1990 1995 2000 2005 2010

農家世帯員数 農業就業人口 基幹的農業従事者数 65歳以上の基幹的農業従事者の割合 hellip

資料農林水産省「農林業センサス」

万人

世界のバイオエタノール生産量の見通し

(参 考)穀物等の国際価格の動向(ドルトン)

穀物等の国際価格は2010年7月以降再び上昇し現在は2006年秋頃に比べ16~34倍の水準 昨年夏以降ロシアの穀物輸出禁止措置とうもろこしのバイオ燃料向け需要の増大中国の旺盛な大豆輸入等により穀物

等の需給は引き締まり価格が上昇したとうもろこしは2011年4月11日に3055ドルトンと史上最高値を更新 現在米国コーンベルトの降雨によるとうもろこし等の作付遅れや欧州の乾燥による小麦等の作柄が懸念

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

1970 1972 1974 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012

ドルトン

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

(ドルト

ン )

4880ドル24倍

過去最高6092ドル(200873)

注小麦とうもろこし大豆は各月ともシカゴ商品取引所の第1金曜日の期近価格である

米はタイ国家貿易取引委員会公表による各月第1水曜日のタイうるち精米1002等のFOB価格である

大豆

小麦

1972

世界同時不作

1973

米国大豆禁輸措置

1980

米国熱波

1981

中国イラン等の米の

不作によりタイ米需要急増

1982

世界的な米の豊作

1988

米国大干ばつ

1989

中国インドネシア等の米の輸入需要増大

日本の冷害による米の緊急輸入

米国大洪水

1993

1995

米国天候不順

中国が米の輸出禁止措置

フィリピンインドネシアタイで洪水

2002

米国カナダ豪州同時不作

1999

世界の米生産量が史上最高

2003

米国高温乾燥中国輸入急増

2004

世界の米在庫量が約20年ぶりの低水準

2594ドル29倍

過去最高3098ドル(2011610)

2465ドル18倍

過去最高4703ドル(2008227)

5740ドル18倍

過去最高1038ドル(2008521)

注1各月第1金曜日(米は第1水曜日)に加え直近の最終金曜日(米は最終水曜日の価格)を記載

注2過去最高価格については米はタイ国家貿易取引委員会の公表する価格の最高価格米以外はシカゴ商品取引所の全ての取引日における最高価格

注3図中の倍率は2006年秋頃と比較した直近の価格水準

2012年3月2日現在

2006

豪州大干ばつ

2007

欧州天候不順豪州干ばつ

小麦

2008

世界的な小麦等の豊作

大豆

とうもろこしとうもろこし

2010

ロシアで干ばつ

2011

タイで担保融資制度導入

米国で高温乾燥

WTO農業交渉のこれまでの経緯

3市場のグローバル化(WTO農業交渉)

経済連携協定の提携等により市場のグローバル化が進んでいる

発効(10月)

(注1)ASEAN全体とのEPAは2008年12月に日本とシンガポールラオスベトナム及びミャンマー2009年1月にブルネイ同2月にマレーシア同6月にタイ同12月

にカンボジア2010年7月にフィリピンとの間で発効未発効国はインドネシアのみ (注2)韓国とは2004年11月以降交渉が中断2008年6月に「日韓経済連携協定締結交渉再開に向けた検討及び環境醸成のための実務協議」を開催し現在までに5回開催 (注3)GCC(湾岸協力理事会)加盟国バーレーンクウェートオマーンカタールサウジアラビアアラブ首長国連邦

締結

署名

交渉完了

交渉中

発効(9月)

2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年

ASEAN全体(注1)

ブルネイ

フィリピン

ベトナム スイス

インドネシア タイ チリ マレーシア メキシコ シンガポール

韓国(注2) GCC(注3)

インド

豪州

交渉(11月~)

交渉(1月~)

交渉(2月~)

交渉(2月~)

交渉(7月~)

交渉(6月~)

見直し交渉 (4月~)

交渉(4月~)

交渉(2月~)

交渉(5月~)

交渉(12月~)

交渉(9月~)

交渉(1月~)

交渉(4月~)

署名 (3月)

署名 (9月)

署名 (12月)

署名 (3月) 署名 (4月)

署名(8月)

署名(6月)

署名完了 (4月)

署名(9月)

署名 (2月)

発効(9月)

発効(9月)

発効(4月)

発効(11月) 署名(1月)

発効(7月)

発効(11月)

発効(7月)

発効(7月)

発効(12月)

発効(12月)

交渉(1月~) 署名 (12月)

2010年

我が国はアジアを中心に13の国や地域とEPAを締結署名交渉完了また韓国GCC豪州と交渉中

ペルー 交渉(5月~)

2011年

署名(2月)

交渉完了(11月)

再協議(9月~) 実質合意 (2月)

3市場のグローバル化(我が国のEPAFTAの進捗状況)

水産業関係被害 農林業関係被害

被害額合計1兆2637 億円

漁船(28612隻) 1822億円

漁港施設(319漁港) 8230億円

養殖関係 (内 養殖施設) (内 養殖物)

1335億円 (738億円) (597億円)

共同利用施設(1725施設) 1249億円

被害額合計1兆1631億円

農地(18174箇所) 4006億円

農業用施設等(17502箇所) (水路揚水機集落排水施設等)

4835億円

農作物家畜等 142億円

農業畜産関係施設等 (農業倉庫ハウス畜舎堆肥舎等)

493億円

林野関係 (林地荒廃治山施設林道施設木材加工流通施設等)

2155億円

全国の漁業生産量の5割を占める7道県(北海道青森県岩手県宮城県福島県茨城県千葉県)を中心に大きな被害

特に津波によって6県(青森県岩手県宮城県福島県茨城県千葉県)を中心に総計 24万haに及ぶ範囲に被害が発生

(資料)「津波により流失や冠水等の被害を受けた農地の推定面積(平成23年3月)」

4東日本大震災の影響(農林水産関係の被害状況)

東日本大震災における農林水産関係の被害額(平成24年3月5日現在)は2兆4268億円

【資金調達の円滑化】 被災した農林漁業者等が資金を調達できるよう円滑な融資等を関係団体に依頼 農業共済掛金の払込期限等の延長共済金の早期支払いに向けて共済団体に指導

【排水設備の貸出】 農地等の湛水排除や応急的な取水に対応するため災害応急用ポンプを地方農政局土地

改良技術事務所から搬送し供用宮城県福島県栃木県の3県で延べ90台を供用

【手続きの簡素化】 救援活動等に最優先で取組めるよう農業者戸別所得補償制度の申請期限等を延長

【燃料用物資の供給】 東北森林管理局から大船渡市陸前高田市釜石市大槌町等へ薪ストーブ113台を提供 関係団体等の協力の下宮城県福島県へ木炭26t木炭コンロ1300個を供給

その他の応急対応

災害応急用ポンプによる排水作業(宮城県名取市)

福貴浦漁港における水産庁漁業取締船による救援物資の引き渡し(宮城県石巻市)

今回の震災では200社を超

える食品メーカー等の協力の下食料2584万食育児用調整粉乳53万缶飲料762万本を調達ピーク時には1日で約154万食分の食料を調達

水産庁の漁業取締船等の 計10隻が民間漁船と協力して 海上から物資(食料燃料日用 品医薬品)を輸送

被災地域への食料供給

工場の被災により供給不足となった配合飼料の供給確保を支援するため

①飼料関係団体に対し九州や北海道等からの配送(内航船運搬トラック輸送)の要請

②備蓄飼料穀物(35万トン)の無償無担保での貸付 等

を措置

被災した配合飼料工場とサイロ(岩手県釜石市)

被災地域の飼料不足への対応

4東日本大震災の影響(震災直後の応急の対応)

121

食用農水産 物の輸入

【12兆円】

94兆円

外食産業向け

06兆円 【01兆円】

食品製造業向け

58兆円 【07兆円】

最終消費向け

30兆円 【03兆円】

食品製造業

301兆円

最終製品の輸入 【39兆円】

一次加工品の輸入 【14兆円】

生鮮品等

209兆円 (285)

391兆円 (532)

135兆円 (184)

資料総務省他9府省庁「平成17年産業連関表」を基に農林水産省で試算 1【 】内の数値は輸入分の数値 2精穀(精米精麦等)と畜(各種肉類)及び冷凍魚介類は加工度が低いため最終消費においては「生鮮品等」として取り扱っている 3旅館ホテル病院等での食事は「外食」に計上せず使用された食材費を最終消費額としてそれぞれ「生鮮品等」及び「加工品」に計上している

外食産業

209兆円

食品小売業

(加工品) 391兆円

(生鮮品等) 135兆円

飲食料の 最終消費額 736兆円

食品産業

加工食品 卸売業

食用農水産物 106兆円

( 生産から消費に至る流れ )

卸売市場

食品産業(流通業食品製造業外食中食産業)は食用農水産物106兆円と輸入加工品52兆円を食材として

736兆円の食品市場を形成

1最終消費からみた飲食費の流れ(2005年)

飲食料の 最終消費額 795兆円

[2000年] 食用農水産物

118兆円 ( 生産から消費に至る流れ )

10

6兆円

Ⅱ 食品産業の位置付け現状

食品関連産業の国内生産額の推移

食品関連産業の国内生産額は約96兆円(2009年度)で全産業(876兆円)の約11であり我が国産業の最大のセクターの一つである近年は食料品価格の値下げ等により1990年代後半をピークに減少傾向

食品関連産業の就業者数は1061万人で全産業の就業者総数(6257万人)の約17 生産額及び就業者数でみた食品産業の位置づけ

2食品関連産業の地位

96兆円

消費者物価指数の推移 就業者数(2010年)

資料総務省「労働力調査」(2010年)

90

92

94

96

98

100

102

平成

2 3 4 5 6 7 8 9 10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

総合

食料

991

11

1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 資料総務省「消費者物価指数年報」 注1998年を100としている食料には酒類外食を含む

964

資料農林水産省「農業食料関連産業の経済計算」(2009年度)

生産額(2009年度)

0 20 40 60 80 100

農漁業 112兆円 (1)

食品関連 製造業

372兆円 (4)

飲食業 242兆円 (2)

食品関連 流通業

209兆円 (3)

関連投資 209兆円 (03)

食品関連産業 957兆円(11)

産業全体 8760兆円(100)

食品関連産業を除く産業全体 7804兆円 (89)

電気機械製造業

建設業 金融保険業 等

0 20 40 60 80 100

食品製造業 150万人 (2)

外食産業 329万人 (5)

食品流通業 338万人 (5)

農漁業 244万人 (4)

食品関連産業を除く産業全体 5196万人 (83)

食品関連産業 1061万人(17)

就業者総数(産業全体) 6257万人(100)

農林水産業 117兆円 (134)

鉱業 08兆円 (009)

製造業 2601兆円 (2971)

建設業 556兆円 (636)

電気ガス水道業 240兆円 (274)

卸売小売業 976兆円 (1115)

金融保険業 366兆円 (418)

不動産業 688兆円 (786)

運輸業 398兆円 (455)

情報通信業 465兆円 (531)

サービス業 1541兆円 (1760)

その他 798兆円 (911)

(参 考) 我が国の国内生産額(876兆円)に占める各産業の割合

農漁業 112兆円

(1175)

関連製造業 371兆円

(3879)

関連投資 23兆円

(239)

関連流通業 242兆円

(2527)

飲食店 209兆円

(2180)

資料 平成21年度 農林水産省大臣官房統計部「農業食料関連産業の経済計算」

資料 平成21年 内閣府「国民経済計算」

農業食料関連産業の国内生産額 957兆円(全産業の109)

12

333

317

601

616

67

66

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

食品産業仕向 683最終消費仕向

(06)

(64) (07)

食品製造業仕向 外食産業仕向

(30) (58)

(35)

国産農水産物の用途別仕向割合 食品製造業の加工原材料調達割合(国産輸入)

国産農水産物の23が食品産業仕向けとなっており食品産業は国産農水産物の最大の仕向け先であるまた食品 製造業が利用する原材料(農水産物加工品)のうち7割強が国産農水産物となっている

771

734

84

89

145

177

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

国産農水産物

(58)

(07) (12)

(07)

輸入農水産物

輸入一次加工品

(64)

(14)2005年 2005年

2000年 2000年

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

括弧内は調達額(兆円)

3食品産業の位置づけ①

13

括弧内は調達額(兆円)

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

地方と都市圏の食品製造業の製造品出荷額従業者数と全製造業に占める割合

食品産業は製造卸売小売外食産業のいずれも中小零細企業比率が98~99であり事業所の総数は90万をこえているそのうち食品製造業は地域経済において地場産業として大きなウエイト特に北海道鹿児島沖縄では製造品出荷額の約3割雇用の面では製造業の従事者の過半近くを占めるなど地域経済の安定に重要な役割

14

出所経済産業省「工業統計表」(平成21年) 注零細企業従業者数3人以下の事業所 中小企業従業者数299人以下の事業所 大企業300人以上の事業所

食品製造業の構造 資料経済産業省「工業統計表(4人以上の事業所)」(平成21年) 注1食品製造業は食料品製造業及び飲料たばこ飼料製造業(たばこ製造業飼料有機質肥料製造業を除く)の合計である 注2工業統計における製造品出荷額は一部個々の事業者の秘密が漏れるおそれから秘匿された数字があるため実態とズレがある可能性がある

3食品産業の位置づけ②

製造品出荷額 従業員数

金額(億円) 全製造業に占める

割合() 人数(人)

全製造業に占める 割合()

製造品出荷額の占める割合の高い都道府県

鹿児島 7562

(全国13位) 441

(全国1位) 29438

(全国14位) 413

(全国3位)

北海道 20390

(全国1位) 392

(全国2位) 86343

(全国1位) 488

(全国2位)

沖縄 1686

(全国39位) 308

(全国3位) 12434

(全国34位) 501

(全国1位)

三大 都市圏

東京 7467

(全国14位) 93

(全国28位) 35080

(全国12位) 108

(全国40位)

大阪 11377

(全国9位) 77

(全国33位) 49671

(全国8位) 102

(全国41位)

愛知 17271

(全国2位) 50

(全国44位) 71557

(全国2位) 89

(全国43位)

全国平均 105 全国平均 157

大企業

533

中小企業

34075

零細企業

17955 339

10

99が中小零細企業

650

全産業に占める外食業の割合が高い都道府県

全小売業に占める食品小売業の割合が高い都道府県

全卸売業に占める食品卸売業の割合が高い都道府県

割合 事業所数

①兵庫県 ②愛知県 ③大阪府 ④東京都 ⑤京都府

902 883 882 823 818

21540ヶ所 29627ヶ所 37768ヶ所 56850ヶ所 10528ヶ所

全国平均 703

割合 事業所数

①長崎県 ②鹿児島県 ③沖縄県 ④高知県 ⑤秋田県

398 397 385 380 380

6656ヶ所 7848ヶ所 5767ヶ所 3713ヶ所 4938ヶ所

全国平均 343

割合 事業所数

①高知県 ②和歌山県 ③長崎県 ④青森県 ⑤熊本県

353 351 350 348 322

680ヶ所 937ヶ所

1296ヶ所 1222ヶ所 1342ヶ所

全国平均 227

15

01

999

大企業 355ヶ所

中小企業 415356ヶ所

大企業 9003ヶ所

中小企業 380829ヶ所

2

98

大企業 597ヶ所

中小企業 75461ヶ所

1

99

食品小売業の構造 食品卸売業の構造 外食業の構造

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用 中小企業従業者数49人以下の事業所 大企業従業者数50人以上の事業所

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用

3食品産業の位置づけ③

食品製造業は安定的に利益をあげているものの収益率は低く過当競争状態にあると言われている 法人企業統計調査によれば売上高経常利益率はやや横ばいで推移しているものの自己資本比率はリーマンショック

前の2007年度の水準まで回復していない

16

4食品製造業の業種別構造①

日刊経済通信社の分類による企業数等の状況

資料日刊経済通信社調査部編「平成19年度 酒類食品産業の生産販売シェア」 (注)製パンは8社食用植物油脂は5社のシェアの数値

分類 市場規模(上位10社計) 上位10社の生産販売シェア 企業数

しょうゆ 603660(キロリットル) 635 (出荷量) 1600

冷凍食品 7701(億円) 669 (販売額) 880

即席めん類 4960(億円) 965 (販売額) 58

製パン 7076(億円) 813 (販売高) -

食肉加工品 432500(トン) 806 (販売量) 165

チョコレート 2546(億円) 834 (生産額) -

小麦粉 4083000(トン) 837 (販売量) 100

食用植物油脂 2245700(トン) 856 (販売量) -

資料法人企業統計調査(財務省)

() ()

売上高経常利益率の推移 自己資本比率の推移

-2

0

2

4

6

8

10

12

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

30

35

40

45

50

55

60

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

資料法人企業統計調査(財務省)

食品のカテゴリーの公的な分類の一つに工業統計表があり食品関係では2桁分類が24桁分類が496桁分類が 116公正取引委員会の生産出荷集中度調査はこの工業統計表の6桁分類を参考に区分しており細かい分類であるため集中度が高くなる傾向にある

他方食品市場全体でみると諸外国と比べ上位企業の寡占度が低いというデータもある

工業統計表における産業分類

資料経済産業省「工業統計表」 注)2桁の「飲料たばこ飼料」は4桁分類においてこの他に 「たばこ」「飼料有機質肥料」を含むがこの表では含めない 17

4食品産業の業種別構造(食品製造業②)

2桁 4桁 6桁

食料品 部分肉冷凍肉 部分肉冷凍肉

肉加工品 肉缶詰瓶詰つぼ詰

処理牛乳乳飲料 処理牛乳

水産缶詰瓶詰 まぐろ缶詰

海藻加工 寒天

水産練製品 魚肉ハムソーセージ

野菜缶詰果実缶詰 農産保存食料品

野菜缶詰

野菜漬物 野菜漬物

味そ 味そ

しょう油食用アミノ酸 しょう油食用アミノ酸

ソース ウスター中濃濃厚ソース

砂糖製造 粗糖

砂糖精製 精製糖

ぶどう糖水あめ異性化糖 ぶどう糖

精米精麦 精米

小麦粉 小麦粉

その他の精穀製粉 こんにゃく粉

パン 食パン

生菓子 洋生菓子

ビスケット類干菓子 ビスケット類干菓子

動植物油脂 大豆油

食用油脂 ショートニング油

でんぷん でんぷん

めん類 即席めん類

豆腐油揚 豆腐しみ豆腐油揚げ類

飲料たばこ飼料

清涼飲料 炭酸飲料

果実酒 果実酒

ビール類 ビール

清酒 清酒

製茶 荒茶緑茶

コーヒー コーヒー

製氷 人造氷

2 49 116

30

20

10

()

米国

英国

フランス

ドイツ

日本

加工食品市場における上位10社の寡占度 (2008年)

資料平成22年5月16日付日本経済新聞朝刊より抜粋

(注)ユーロモニターのデータをもとにボストンコンサルティンググループが分析

32

26

16

公正取引委員会の生産出荷集中度調査における区分(食品関連品目80品目)のうち「競争を実質的に制限することとなるおそれが小さい」とされる基準()を超えている品目の一覧

マヨネーズドレッシング類

ルウ類

カレールウ

シチュールウ

シチューミクスを除くシチュールウ

チューインガム

スポーツドリンク

ビール

発泡酒

ウイスキー

ビール風酒類

インスタントコーヒー

(注) 工業統計表の6桁分類を参考に公正取引委員会にて区分したもの () 「企業結合ガイドライン」が「競争を実質的に制限することとなるおそ

れが小さい場合」として挙げている ① 企業結合後のHHIが2500以下 ② 企業結合後の当事会社グループの市場シェアが35以下のう

ち①を基に「HHIが2500以下かどうか」を今回基準として設定 資料公正取引委員会「平成1920年生産出荷集中度調査」

構造改革のメリット ― 利益ある成長へ ① 国内事業の競争緩和② 商品開発力の向上 ③ 価格交渉力の向上④ 収益性の向上 ⑤ 国内基盤の安定リスク分散⑥原料調達力の向上

(10817)(11863)(11701)(13505)(14303)

(3320) (5202) (5990) (6622) (7048)

158516751668167018881804

178651848517691187071762316096

43684427384177039628

3663128226

495316

275573

323087344343

380752384899

449190

338707

385985405472

440757441041

0

20000

40000

60000

80000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

0

100000

200000

300000

400000

500000

卸売業

18

食品卸売業

外側商品販売額

内側事業所数

23

4253739952

43653

38300 39485 37844

53687

4748550723

45295 45054

38214

349514257840256

5028451416

56954

406984381244017

494474643247381

0

20000

40000

60000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

30000

50000

70000

90000

(事業所数)

食品卸売業事業所数(カ所)商品販売額(10億円)の推移

業全体に占める食品関連事業者の割合は卸売業では約2割小売業では約3割となっている 食品卸小売業については近年事業所数商品販売額とも減少傾向で推移特に食品小売業についてはコンビニエン

スストアは増加傾向にあるものの中小規模の食料品スーパーや食料品専門店中心店においては減少傾向で推移

資料経済産業省「商業統計表」

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

食料品スーパー取扱商品販売額のうち食料品が70以上食料品専門店取扱商品販売額のうち食料品が90以上食料品中心店取扱商品販売額のうち食料品が50以上

農畜産物水産物卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 米麦雑穀豆類野菜食肉生鮮魚介等の卸売業 食料飲料卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 味噌醤油乾物菓子類飲料茶類等の卸売業

食品小売業事業所数の推移

業全体に占める割合()

(5850)(6509)(6360)(7957)(8906)

(5862) (8791) (9544) (10538) (11257)9336 9957

8850 8515 84067447

13198 14768

1674815904

17047 17106

40115223

6135 6714 69227007

19881 16578

1588714187

1338712608

441684576245320

476204652646426

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

25000

30000

35000

40000

45000

50000

【事業所数】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

【商品販売額】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

食品小売業商品販売額の推移(10億円)

合計(右目盛)

総合スーパー(左目盛)

コンビニエンスストア(左目盛)

食料品専門店 中心店(左図右目盛 右図左目盛)

食料品スーパー(左目盛) 大規模 中小規模

注従業員数50人未満を中小規模 50人以上を大規模とした

(商品販売額)

〈食飲卸事業所数〉

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

〈農水卸事業所数〉

〈食飲卸商品販売額〉

〈農水卸商品販売額〉

(1) 食品卸小売業

18

小売業

18

2 4

24 5

9

総合スーパー食料品スーパー

コンビニエンスストア

食料品専門店中心店

外側商品販売額

内側事業所数

【食品小売業】

注平成19年のデータを利用

【食品卸売業】

卸 売 業123 億円 食 品 卸 売 業100 億円

小 売 業12 億円 食料品専門店中心店05 億円

(一事業所当たり商品販売金額) (一事業所当たり商品販売金額)

4食品産業の業種別構造(食品流通業)

1990 1997 1999 2002 2004 2007

1990 1997 1999 2002 2004 2007 1990 1997 1999 2002 2004 2007

卸売市場は野菜果物魚肉など日々の食卓に欠かすことのできない生鮮食料品等を国民に円滑かつ安定的に供給するための基幹的なインフラとして多種大量の物品の効率的かつ継続的な集分荷公正で透明性の高い価格形成など重要な機能を有している

青果水産物の6割程度が卸売市場を経由している(国産青果物では約9割)加工品や輸入品など卸売市場を経由することが少ない物品の流通割合が増加していること等により市場経由率は低下傾向にあったがここ数年は横ばいで推移している

生鮮食料品等の主要な流通経路

卸売市場の数取扱金額市場関係業者数

卸売市場経由率の推移(推計)

(2)卸売市場

区分 市場数

取扱金額 (億円)

卸売業 者数

仲卸業 者数

売買参 加者数

中央卸売市場 74 41208 210 4305 35828

うち青 果 60 19102 85 1629 16111

水産物 46 18275 78 2472 6210

食 肉 10 2158 10 80 1833

花 き 22 1402 28 102 11067

その他 7 271 9 22 607

地方卸売市場 1185 31953 1384 2053 132938

資料農林水産省食料産業局食品製造卸売課調べ 注(中央) 市場数卸売業者数22年度末他の業者数21年度末取扱金額21年度(H21年10月1日 に地方卸売市場へ転換した市場についてはH21年9月までの取扱金額を含めている) なおH23年4月現在の市場数は全体で72となっている

(地方)市場数業者数21年度当初取扱金額20年度

資料農林水産省「食料需給表」「青果物卸売市場調査報告」等により推計 注卸売市場経由率は国内で流通した加工品を含む国産及び輸入の青果水産物等のうち卸売市場(水産物に ついてはいわゆる産地市場の取扱量は除く)を経由したものの数量割合(花きについては金額割合)の推計値 なお国産青果物の卸売市場経由率は約9割となっている

中央卸売市場 地方卸売市場

特徴

公正かつ効率的な流通の確保を目的とした広域的な生鮮食料品等流通の中核的な拠点

都道府県や一定規模以上の都市が開設者となって厳格な取引規制の下指標となる価格形成等重要な機能を果たしている

地域における生鮮食料品等の集配拠点

開設者の主体に制限はなく法律上の規制も緩やかとなっており地域の実情に応じた運営がなされている

機能

① 集荷(品揃え)分荷機能全国各地から多種大量の物品を集荷するとともに実需者の ニーズに応じて迅速かつ効率的に必要な品目量へと分荷 ② 価格形成機能需給を反映した公正で透明性の高い価格形成 ③ 代金決済機能販売代金の出荷者への迅速確実な決済 ④ 情報受発信機能需給に係る情報を収集し川上川下にそれぞれ伝達

卸売市場の種類と主要な機能

商社 輸入

消費者

直売所青空市場宅配など

産地直接取引など

出荷者(農協個人等)

卸売業者

仲卸業者

売買参加者

卸売市場 製造業者小売業者外食業者等

(年度)

827

630

853

738

780

457

746

584

830 840

235

98

00

100

200

300

400

500

600

20

40

60

80

H元 H5 H10 H15 H18 H19 H20

(単位)

青果

(野菜)

(果実)

水産物

花き

食肉

(食肉)

19

500万円未満

62

500万~

1千万円

14

1千~

3千万円

21

3千~5千万円

2

5千万円以上

71601社

単身世帯の増加女性の雇用者の増加等社会情勢の変化の中で食に関して簡便化志向の高まりや外部化が進行 外食産業は個人経営が総店舗数の5分の3を占め法人形態であっても資本金1千万円未満のものが4分の3を占め

るなど中小零細な事業者が多い従業員についても約290万人の大きな雇用機会を創出しているものの常勤雇用者に占めるパートアルバイトの割合が高い

710

381

290

619

0

20

40

60

80

100

飲食店 小売卸売業

法人

個人

資料平成21年経済センサス

外食産業における法人の資本別割合(2009年)

事業所数 (千ケ所) 673

従業員数 (千人) 4421

常勤雇用者に占める正社員正職員以外の割合(2009年)

製造業 207

卸小売業 458

宿泊業飲食サービス業 733

飲食店 769

ハンバーガー店 946

資料平成21年経済センサス

資料(財)食の安全安心財団附属機関 外食産業総合調査研究センターによる推計

20

4食品産業の業種別構造(外食産業)

資料平成21年経済センサス

資料平成21年経済センサス

外食率 = 外 食 産 業 市 場 規 模

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

食の外部化率 = 外食産業市場規模 + 料理品小売業

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

278

318

335 349

358 366

369 377

378

375

373

367

365

375

378 366

356

356

358

355

354

352

360

366

368

366

359

362

284

334

354

370 381

393 398 412

415

413

412

406 406 419

425

422

419

421

428

428

430

428

441 450

452

449

443

449

25

30

35

40

45

50

外食率

食の外部化率

外食率食の外部化率の推移

事業所数従業員数(2009年)

外食産業(飲食店)の経営組織別事業所数の比率(2009年)

4食品産業の業種別構造(関連産業) 食品製造業は物流のほか製造用機械容器など食品の製造に必要な資材等を提供する裾野産業に支えられている

従前より食品産業全体については高い物流コストや過剰包装等が問題

食品機械の輸出入実績推移

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

(製造品出荷額等)

百万円

(輸出入額)

百万円

輸出 輸入 製造品出荷額等

売上高物流コスト比率(業種小分類別)

21

(資料財団法人日本包装技術協会)

資料社団法人日本食品機械工業会 物流コスト削減策

注回答企業数196社 資料2009年度物流コスト調査報告書(社団法人日本ロジステックスシステム協会)

製造業

食品(要冷)

石鹸洗剤塗料

食品(常温)

繊維

化粧品

電気製品

医薬品

卸売業

卸売業(繊維衣料品系)

卸売業(日用雑貨系)

卸売業(食品飲料系)

その他卸売業

卸売業(機器系)

卸売業(総合商社)

小売業

小売業(通販)

小売業(生協)

小売業(コンビニエンスストア)

その他小売業

その他

建設

000 200 400 600 800 1000 1200 1400

在庫削減SCM

在庫削減

アイテム数の整理

物流システムネットワークの見直し

物流拠点の見直し(廃止統合新設)

直送化

輸配送の共同化

商品設計包装の見直し

包装容器の再使用通い箱の利用等

包装の簡素化変更

物流オペレーションの改善保管仕分け等

保管の効率化

物流オペレーションの改善輸配送

積載率の向上(混載化帰り便の利用等)

輸配送経路の見直し

105 58

101 77

62

61 60

88

95 75

0 50 100 150 (数)

()

アジア地域の実質経済成長率は今後5を超える高水準で推移する見通しであり特に中国とインドは8~9台の高水準で伸びる見通し高成長を支え今後の市場規模に大きな影響を与える中高所得者層(世帯可処分所得5000ドル以上)の人口は今後10年で現在の2倍程度に増加する見通し

製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況

5海外市場への展開

加速する我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

資料「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

2位 東南アジア(341)

4位 タイ (295)

3位 台湾 (318)

1位 中国 (659)

海外出店を積極化する又は今後進出を予定して いる企業の出店先は中国がトップ(複数回答あり)

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

2009年度(233千法人)

全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

食品製造業

国内法人数に対する現地法人数の割合

11

その他の製造業 32

資料「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省 資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」 東洋経済新報社

世帯可処分所得5000ドル以上の人口の推移

出所NIRA研究報告書(所得別の家計比率はEuromonitor International World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した 2008 年までの人口はIMF International Financial Statistics2010 年以降はUN WorldPopulation Prospects を参照)

35億人

1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

見通し(NIRA推計)

+10億人 2倍増

アジア太平洋主要国別の経済成長見通し

22

30 25

20 15 10 5

0

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

全製造業に占める食品 製造業の法人数の割合

国内法人数に対する 現地法人数の割合

資料「工業統計表(2009年企業統計編)」経済産業省

資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」東洋経済新報社

35

12

0 1 2 3 4 0 100 200 300

2009年度(212千法人)

849

151

食品製造業 =約32千法人

その他の製造業 =約180千法人

(千法人)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国

インド

ベトナム

インドネシア

マレーシア

出典World Economic Outlook 2011年9月版(IMF)

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
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  • スライド番号 14
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  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
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  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 5: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

1国内市場の構造変化(食料品アクセス問題)

0

100

200

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400

500

600

700

800

900

1000

全国 三大都市圏 東京圏 名古屋圏 大阪圏 地方圏

全年齢 65歳以上

出典農林水産政策研究所「食料品アクセス問題の現状と対応方向」

生鮮食料品店までの距離が500m以上でかつ自動車を持たない人口

資料農林水産省「食料品アクセス問題に関するアンケート調査」 (注)政令指定都市及び東京都特別区については対策を実施中50のうち政令 指定都市は43東京都特別区は57対策を実施検討していない29の うち政令指定都市は25東京都特別区は75

対策を必要とする市町村の割合

飲食料品店の減少大型商業施設の郊外化等に伴い都市部においても高齢者を中心に食料品の購入や飲食に不便や 苦労を感じる「食料品アクセス問題」が顕在化 農林水産政策研究所の推計によれば生鮮食料品店までの距離が500m以上かつ自動車を持たない人口は910万人うち 65歳以上は350万人にのぼり特に高齢者に大きな負担 全国の市町村を対象に行ったアンケート調査によれば「何らかの対策を必要」とする市町村は約4分の3にのぼりそのうち の3割程度の市町村が対策の検討にさえ着手できていない状況

対策を必要とする市町村の対策の実施状況 対策を実施検討していない

万人

農家世帯員農業就業人口基幹的農業従事者数等の動向(販売農家)

農業従事者の減少や高齢化による国内農業生産力の低下により国産志向等多様な消費者ニーズに対応できないおそれ 人口の増加や途上国の経済発展バイオ燃料等非食用の需要増大地球規模の気候変動の影響等により原料農産物の

国際価格の上昇が見込まれるとともに原料産地が限定される産品等に調達の懸念

2国内外の原料の調達リスクの高まり

中国の経済発展による食料需要の増大

1563 1388

1204 1047

837 650 543 482 414 389 335 261 346 293 256 240 224 205

195

268

397

512 574

611

0

10

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30

40

50

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0

200

400

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800

1000

1200

1400

1600

1985 1990 1995 2000 2005 2010

農家世帯員数 農業就業人口 基幹的農業従事者数 65歳以上の基幹的農業従事者の割合 hellip

資料農林水産省「農林業センサス」

万人

世界のバイオエタノール生産量の見通し

(参 考)穀物等の国際価格の動向(ドルトン)

穀物等の国際価格は2010年7月以降再び上昇し現在は2006年秋頃に比べ16~34倍の水準 昨年夏以降ロシアの穀物輸出禁止措置とうもろこしのバイオ燃料向け需要の増大中国の旺盛な大豆輸入等により穀物

等の需給は引き締まり価格が上昇したとうもろこしは2011年4月11日に3055ドルトンと史上最高値を更新 現在米国コーンベルトの降雨によるとうもろこし等の作付遅れや欧州の乾燥による小麦等の作柄が懸念

0

100

200

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1000

1970 1972 1974 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012

ドルトン

0

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800

900

1000

2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

(ドルト

ン )

4880ドル24倍

過去最高6092ドル(200873)

注小麦とうもろこし大豆は各月ともシカゴ商品取引所の第1金曜日の期近価格である

米はタイ国家貿易取引委員会公表による各月第1水曜日のタイうるち精米1002等のFOB価格である

大豆

小麦

1972

世界同時不作

1973

米国大豆禁輸措置

1980

米国熱波

1981

中国イラン等の米の

不作によりタイ米需要急増

1982

世界的な米の豊作

1988

米国大干ばつ

1989

中国インドネシア等の米の輸入需要増大

日本の冷害による米の緊急輸入

米国大洪水

1993

1995

米国天候不順

中国が米の輸出禁止措置

フィリピンインドネシアタイで洪水

2002

米国カナダ豪州同時不作

1999

世界の米生産量が史上最高

2003

米国高温乾燥中国輸入急増

2004

世界の米在庫量が約20年ぶりの低水準

2594ドル29倍

過去最高3098ドル(2011610)

2465ドル18倍

過去最高4703ドル(2008227)

5740ドル18倍

過去最高1038ドル(2008521)

注1各月第1金曜日(米は第1水曜日)に加え直近の最終金曜日(米は最終水曜日の価格)を記載

注2過去最高価格については米はタイ国家貿易取引委員会の公表する価格の最高価格米以外はシカゴ商品取引所の全ての取引日における最高価格

注3図中の倍率は2006年秋頃と比較した直近の価格水準

2012年3月2日現在

2006

豪州大干ばつ

2007

欧州天候不順豪州干ばつ

小麦

2008

世界的な小麦等の豊作

大豆

とうもろこしとうもろこし

2010

ロシアで干ばつ

2011

タイで担保融資制度導入

米国で高温乾燥

WTO農業交渉のこれまでの経緯

3市場のグローバル化(WTO農業交渉)

経済連携協定の提携等により市場のグローバル化が進んでいる

発効(10月)

(注1)ASEAN全体とのEPAは2008年12月に日本とシンガポールラオスベトナム及びミャンマー2009年1月にブルネイ同2月にマレーシア同6月にタイ同12月

にカンボジア2010年7月にフィリピンとの間で発効未発効国はインドネシアのみ (注2)韓国とは2004年11月以降交渉が中断2008年6月に「日韓経済連携協定締結交渉再開に向けた検討及び環境醸成のための実務協議」を開催し現在までに5回開催 (注3)GCC(湾岸協力理事会)加盟国バーレーンクウェートオマーンカタールサウジアラビアアラブ首長国連邦

締結

署名

交渉完了

交渉中

発効(9月)

2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年

ASEAN全体(注1)

ブルネイ

フィリピン

ベトナム スイス

インドネシア タイ チリ マレーシア メキシコ シンガポール

韓国(注2) GCC(注3)

インド

豪州

交渉(11月~)

交渉(1月~)

交渉(2月~)

交渉(2月~)

交渉(7月~)

交渉(6月~)

見直し交渉 (4月~)

交渉(4月~)

交渉(2月~)

交渉(5月~)

交渉(12月~)

交渉(9月~)

交渉(1月~)

交渉(4月~)

署名 (3月)

署名 (9月)

署名 (12月)

署名 (3月) 署名 (4月)

署名(8月)

署名(6月)

署名完了 (4月)

署名(9月)

署名 (2月)

発効(9月)

発効(9月)

発効(4月)

発効(11月) 署名(1月)

発効(7月)

発効(11月)

発効(7月)

発効(7月)

発効(12月)

発効(12月)

交渉(1月~) 署名 (12月)

2010年

我が国はアジアを中心に13の国や地域とEPAを締結署名交渉完了また韓国GCC豪州と交渉中

ペルー 交渉(5月~)

2011年

署名(2月)

交渉完了(11月)

再協議(9月~) 実質合意 (2月)

3市場のグローバル化(我が国のEPAFTAの進捗状況)

水産業関係被害 農林業関係被害

被害額合計1兆2637 億円

漁船(28612隻) 1822億円

漁港施設(319漁港) 8230億円

養殖関係 (内 養殖施設) (内 養殖物)

1335億円 (738億円) (597億円)

共同利用施設(1725施設) 1249億円

被害額合計1兆1631億円

農地(18174箇所) 4006億円

農業用施設等(17502箇所) (水路揚水機集落排水施設等)

4835億円

農作物家畜等 142億円

農業畜産関係施設等 (農業倉庫ハウス畜舎堆肥舎等)

493億円

林野関係 (林地荒廃治山施設林道施設木材加工流通施設等)

2155億円

全国の漁業生産量の5割を占める7道県(北海道青森県岩手県宮城県福島県茨城県千葉県)を中心に大きな被害

特に津波によって6県(青森県岩手県宮城県福島県茨城県千葉県)を中心に総計 24万haに及ぶ範囲に被害が発生

(資料)「津波により流失や冠水等の被害を受けた農地の推定面積(平成23年3月)」

4東日本大震災の影響(農林水産関係の被害状況)

東日本大震災における農林水産関係の被害額(平成24年3月5日現在)は2兆4268億円

【資金調達の円滑化】 被災した農林漁業者等が資金を調達できるよう円滑な融資等を関係団体に依頼 農業共済掛金の払込期限等の延長共済金の早期支払いに向けて共済団体に指導

【排水設備の貸出】 農地等の湛水排除や応急的な取水に対応するため災害応急用ポンプを地方農政局土地

改良技術事務所から搬送し供用宮城県福島県栃木県の3県で延べ90台を供用

【手続きの簡素化】 救援活動等に最優先で取組めるよう農業者戸別所得補償制度の申請期限等を延長

【燃料用物資の供給】 東北森林管理局から大船渡市陸前高田市釜石市大槌町等へ薪ストーブ113台を提供 関係団体等の協力の下宮城県福島県へ木炭26t木炭コンロ1300個を供給

その他の応急対応

災害応急用ポンプによる排水作業(宮城県名取市)

福貴浦漁港における水産庁漁業取締船による救援物資の引き渡し(宮城県石巻市)

今回の震災では200社を超

える食品メーカー等の協力の下食料2584万食育児用調整粉乳53万缶飲料762万本を調達ピーク時には1日で約154万食分の食料を調達

水産庁の漁業取締船等の 計10隻が民間漁船と協力して 海上から物資(食料燃料日用 品医薬品)を輸送

被災地域への食料供給

工場の被災により供給不足となった配合飼料の供給確保を支援するため

①飼料関係団体に対し九州や北海道等からの配送(内航船運搬トラック輸送)の要請

②備蓄飼料穀物(35万トン)の無償無担保での貸付 等

を措置

被災した配合飼料工場とサイロ(岩手県釜石市)

被災地域の飼料不足への対応

4東日本大震災の影響(震災直後の応急の対応)

121

食用農水産 物の輸入

【12兆円】

94兆円

外食産業向け

06兆円 【01兆円】

食品製造業向け

58兆円 【07兆円】

最終消費向け

30兆円 【03兆円】

食品製造業

301兆円

最終製品の輸入 【39兆円】

一次加工品の輸入 【14兆円】

生鮮品等

209兆円 (285)

391兆円 (532)

135兆円 (184)

資料総務省他9府省庁「平成17年産業連関表」を基に農林水産省で試算 1【 】内の数値は輸入分の数値 2精穀(精米精麦等)と畜(各種肉類)及び冷凍魚介類は加工度が低いため最終消費においては「生鮮品等」として取り扱っている 3旅館ホテル病院等での食事は「外食」に計上せず使用された食材費を最終消費額としてそれぞれ「生鮮品等」及び「加工品」に計上している

外食産業

209兆円

食品小売業

(加工品) 391兆円

(生鮮品等) 135兆円

飲食料の 最終消費額 736兆円

食品産業

加工食品 卸売業

食用農水産物 106兆円

( 生産から消費に至る流れ )

卸売市場

食品産業(流通業食品製造業外食中食産業)は食用農水産物106兆円と輸入加工品52兆円を食材として

736兆円の食品市場を形成

1最終消費からみた飲食費の流れ(2005年)

飲食料の 最終消費額 795兆円

[2000年] 食用農水産物

118兆円 ( 生産から消費に至る流れ )

10

6兆円

Ⅱ 食品産業の位置付け現状

食品関連産業の国内生産額の推移

食品関連産業の国内生産額は約96兆円(2009年度)で全産業(876兆円)の約11であり我が国産業の最大のセクターの一つである近年は食料品価格の値下げ等により1990年代後半をピークに減少傾向

食品関連産業の就業者数は1061万人で全産業の就業者総数(6257万人)の約17 生産額及び就業者数でみた食品産業の位置づけ

2食品関連産業の地位

96兆円

消費者物価指数の推移 就業者数(2010年)

資料総務省「労働力調査」(2010年)

90

92

94

96

98

100

102

平成

2 3 4 5 6 7 8 9 10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

総合

食料

991

11

1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 資料総務省「消費者物価指数年報」 注1998年を100としている食料には酒類外食を含む

964

資料農林水産省「農業食料関連産業の経済計算」(2009年度)

生産額(2009年度)

0 20 40 60 80 100

農漁業 112兆円 (1)

食品関連 製造業

372兆円 (4)

飲食業 242兆円 (2)

食品関連 流通業

209兆円 (3)

関連投資 209兆円 (03)

食品関連産業 957兆円(11)

産業全体 8760兆円(100)

食品関連産業を除く産業全体 7804兆円 (89)

電気機械製造業

建設業 金融保険業 等

0 20 40 60 80 100

食品製造業 150万人 (2)

外食産業 329万人 (5)

食品流通業 338万人 (5)

農漁業 244万人 (4)

食品関連産業を除く産業全体 5196万人 (83)

食品関連産業 1061万人(17)

就業者総数(産業全体) 6257万人(100)

農林水産業 117兆円 (134)

鉱業 08兆円 (009)

製造業 2601兆円 (2971)

建設業 556兆円 (636)

電気ガス水道業 240兆円 (274)

卸売小売業 976兆円 (1115)

金融保険業 366兆円 (418)

不動産業 688兆円 (786)

運輸業 398兆円 (455)

情報通信業 465兆円 (531)

サービス業 1541兆円 (1760)

その他 798兆円 (911)

(参 考) 我が国の国内生産額(876兆円)に占める各産業の割合

農漁業 112兆円

(1175)

関連製造業 371兆円

(3879)

関連投資 23兆円

(239)

関連流通業 242兆円

(2527)

飲食店 209兆円

(2180)

資料 平成21年度 農林水産省大臣官房統計部「農業食料関連産業の経済計算」

資料 平成21年 内閣府「国民経済計算」

農業食料関連産業の国内生産額 957兆円(全産業の109)

12

333

317

601

616

67

66

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

食品産業仕向 683最終消費仕向

(06)

(64) (07)

食品製造業仕向 外食産業仕向

(30) (58)

(35)

国産農水産物の用途別仕向割合 食品製造業の加工原材料調達割合(国産輸入)

国産農水産物の23が食品産業仕向けとなっており食品産業は国産農水産物の最大の仕向け先であるまた食品 製造業が利用する原材料(農水産物加工品)のうち7割強が国産農水産物となっている

771

734

84

89

145

177

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

国産農水産物

(58)

(07) (12)

(07)

輸入農水産物

輸入一次加工品

(64)

(14)2005年 2005年

2000年 2000年

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

括弧内は調達額(兆円)

3食品産業の位置づけ①

13

括弧内は調達額(兆円)

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

地方と都市圏の食品製造業の製造品出荷額従業者数と全製造業に占める割合

食品産業は製造卸売小売外食産業のいずれも中小零細企業比率が98~99であり事業所の総数は90万をこえているそのうち食品製造業は地域経済において地場産業として大きなウエイト特に北海道鹿児島沖縄では製造品出荷額の約3割雇用の面では製造業の従事者の過半近くを占めるなど地域経済の安定に重要な役割

14

出所経済産業省「工業統計表」(平成21年) 注零細企業従業者数3人以下の事業所 中小企業従業者数299人以下の事業所 大企業300人以上の事業所

食品製造業の構造 資料経済産業省「工業統計表(4人以上の事業所)」(平成21年) 注1食品製造業は食料品製造業及び飲料たばこ飼料製造業(たばこ製造業飼料有機質肥料製造業を除く)の合計である 注2工業統計における製造品出荷額は一部個々の事業者の秘密が漏れるおそれから秘匿された数字があるため実態とズレがある可能性がある

3食品産業の位置づけ②

製造品出荷額 従業員数

金額(億円) 全製造業に占める

割合() 人数(人)

全製造業に占める 割合()

製造品出荷額の占める割合の高い都道府県

鹿児島 7562

(全国13位) 441

(全国1位) 29438

(全国14位) 413

(全国3位)

北海道 20390

(全国1位) 392

(全国2位) 86343

(全国1位) 488

(全国2位)

沖縄 1686

(全国39位) 308

(全国3位) 12434

(全国34位) 501

(全国1位)

三大 都市圏

東京 7467

(全国14位) 93

(全国28位) 35080

(全国12位) 108

(全国40位)

大阪 11377

(全国9位) 77

(全国33位) 49671

(全国8位) 102

(全国41位)

愛知 17271

(全国2位) 50

(全国44位) 71557

(全国2位) 89

(全国43位)

全国平均 105 全国平均 157

大企業

533

中小企業

34075

零細企業

17955 339

10

99が中小零細企業

650

全産業に占める外食業の割合が高い都道府県

全小売業に占める食品小売業の割合が高い都道府県

全卸売業に占める食品卸売業の割合が高い都道府県

割合 事業所数

①兵庫県 ②愛知県 ③大阪府 ④東京都 ⑤京都府

902 883 882 823 818

21540ヶ所 29627ヶ所 37768ヶ所 56850ヶ所 10528ヶ所

全国平均 703

割合 事業所数

①長崎県 ②鹿児島県 ③沖縄県 ④高知県 ⑤秋田県

398 397 385 380 380

6656ヶ所 7848ヶ所 5767ヶ所 3713ヶ所 4938ヶ所

全国平均 343

割合 事業所数

①高知県 ②和歌山県 ③長崎県 ④青森県 ⑤熊本県

353 351 350 348 322

680ヶ所 937ヶ所

1296ヶ所 1222ヶ所 1342ヶ所

全国平均 227

15

01

999

大企業 355ヶ所

中小企業 415356ヶ所

大企業 9003ヶ所

中小企業 380829ヶ所

2

98

大企業 597ヶ所

中小企業 75461ヶ所

1

99

食品小売業の構造 食品卸売業の構造 外食業の構造

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用 中小企業従業者数49人以下の事業所 大企業従業者数50人以上の事業所

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用

3食品産業の位置づけ③

食品製造業は安定的に利益をあげているものの収益率は低く過当競争状態にあると言われている 法人企業統計調査によれば売上高経常利益率はやや横ばいで推移しているものの自己資本比率はリーマンショック

前の2007年度の水準まで回復していない

16

4食品製造業の業種別構造①

日刊経済通信社の分類による企業数等の状況

資料日刊経済通信社調査部編「平成19年度 酒類食品産業の生産販売シェア」 (注)製パンは8社食用植物油脂は5社のシェアの数値

分類 市場規模(上位10社計) 上位10社の生産販売シェア 企業数

しょうゆ 603660(キロリットル) 635 (出荷量) 1600

冷凍食品 7701(億円) 669 (販売額) 880

即席めん類 4960(億円) 965 (販売額) 58

製パン 7076(億円) 813 (販売高) -

食肉加工品 432500(トン) 806 (販売量) 165

チョコレート 2546(億円) 834 (生産額) -

小麦粉 4083000(トン) 837 (販売量) 100

食用植物油脂 2245700(トン) 856 (販売量) -

資料法人企業統計調査(財務省)

() ()

売上高経常利益率の推移 自己資本比率の推移

-2

0

2

4

6

8

10

12

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

30

35

40

45

50

55

60

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

資料法人企業統計調査(財務省)

食品のカテゴリーの公的な分類の一つに工業統計表があり食品関係では2桁分類が24桁分類が496桁分類が 116公正取引委員会の生産出荷集中度調査はこの工業統計表の6桁分類を参考に区分しており細かい分類であるため集中度が高くなる傾向にある

他方食品市場全体でみると諸外国と比べ上位企業の寡占度が低いというデータもある

工業統計表における産業分類

資料経済産業省「工業統計表」 注)2桁の「飲料たばこ飼料」は4桁分類においてこの他に 「たばこ」「飼料有機質肥料」を含むがこの表では含めない 17

4食品産業の業種別構造(食品製造業②)

2桁 4桁 6桁

食料品 部分肉冷凍肉 部分肉冷凍肉

肉加工品 肉缶詰瓶詰つぼ詰

処理牛乳乳飲料 処理牛乳

水産缶詰瓶詰 まぐろ缶詰

海藻加工 寒天

水産練製品 魚肉ハムソーセージ

野菜缶詰果実缶詰 農産保存食料品

野菜缶詰

野菜漬物 野菜漬物

味そ 味そ

しょう油食用アミノ酸 しょう油食用アミノ酸

ソース ウスター中濃濃厚ソース

砂糖製造 粗糖

砂糖精製 精製糖

ぶどう糖水あめ異性化糖 ぶどう糖

精米精麦 精米

小麦粉 小麦粉

その他の精穀製粉 こんにゃく粉

パン 食パン

生菓子 洋生菓子

ビスケット類干菓子 ビスケット類干菓子

動植物油脂 大豆油

食用油脂 ショートニング油

でんぷん でんぷん

めん類 即席めん類

豆腐油揚 豆腐しみ豆腐油揚げ類

飲料たばこ飼料

清涼飲料 炭酸飲料

果実酒 果実酒

ビール類 ビール

清酒 清酒

製茶 荒茶緑茶

コーヒー コーヒー

製氷 人造氷

2 49 116

30

20

10

()

米国

英国

フランス

ドイツ

日本

加工食品市場における上位10社の寡占度 (2008年)

資料平成22年5月16日付日本経済新聞朝刊より抜粋

(注)ユーロモニターのデータをもとにボストンコンサルティンググループが分析

32

26

16

公正取引委員会の生産出荷集中度調査における区分(食品関連品目80品目)のうち「競争を実質的に制限することとなるおそれが小さい」とされる基準()を超えている品目の一覧

マヨネーズドレッシング類

ルウ類

カレールウ

シチュールウ

シチューミクスを除くシチュールウ

チューインガム

スポーツドリンク

ビール

発泡酒

ウイスキー

ビール風酒類

インスタントコーヒー

(注) 工業統計表の6桁分類を参考に公正取引委員会にて区分したもの () 「企業結合ガイドライン」が「競争を実質的に制限することとなるおそ

れが小さい場合」として挙げている ① 企業結合後のHHIが2500以下 ② 企業結合後の当事会社グループの市場シェアが35以下のう

ち①を基に「HHIが2500以下かどうか」を今回基準として設定 資料公正取引委員会「平成1920年生産出荷集中度調査」

構造改革のメリット ― 利益ある成長へ ① 国内事業の競争緩和② 商品開発力の向上 ③ 価格交渉力の向上④ 収益性の向上 ⑤ 国内基盤の安定リスク分散⑥原料調達力の向上

(10817)(11863)(11701)(13505)(14303)

(3320) (5202) (5990) (6622) (7048)

158516751668167018881804

178651848517691187071762316096

43684427384177039628

3663128226

495316

275573

323087344343

380752384899

449190

338707

385985405472

440757441041

0

20000

40000

60000

80000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

0

100000

200000

300000

400000

500000

卸売業

18

食品卸売業

外側商品販売額

内側事業所数

23

4253739952

43653

38300 39485 37844

53687

4748550723

45295 45054

38214

349514257840256

5028451416

56954

406984381244017

494474643247381

0

20000

40000

60000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

30000

50000

70000

90000

(事業所数)

食品卸売業事業所数(カ所)商品販売額(10億円)の推移

業全体に占める食品関連事業者の割合は卸売業では約2割小売業では約3割となっている 食品卸小売業については近年事業所数商品販売額とも減少傾向で推移特に食品小売業についてはコンビニエン

スストアは増加傾向にあるものの中小規模の食料品スーパーや食料品専門店中心店においては減少傾向で推移

資料経済産業省「商業統計表」

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

食料品スーパー取扱商品販売額のうち食料品が70以上食料品専門店取扱商品販売額のうち食料品が90以上食料品中心店取扱商品販売額のうち食料品が50以上

農畜産物水産物卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 米麦雑穀豆類野菜食肉生鮮魚介等の卸売業 食料飲料卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 味噌醤油乾物菓子類飲料茶類等の卸売業

食品小売業事業所数の推移

業全体に占める割合()

(5850)(6509)(6360)(7957)(8906)

(5862) (8791) (9544) (10538) (11257)9336 9957

8850 8515 84067447

13198 14768

1674815904

17047 17106

40115223

6135 6714 69227007

19881 16578

1588714187

1338712608

441684576245320

476204652646426

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

25000

30000

35000

40000

45000

50000

【事業所数】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

【商品販売額】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

食品小売業商品販売額の推移(10億円)

合計(右目盛)

総合スーパー(左目盛)

コンビニエンスストア(左目盛)

食料品専門店 中心店(左図右目盛 右図左目盛)

食料品スーパー(左目盛) 大規模 中小規模

注従業員数50人未満を中小規模 50人以上を大規模とした

(商品販売額)

〈食飲卸事業所数〉

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

〈農水卸事業所数〉

〈食飲卸商品販売額〉

〈農水卸商品販売額〉

(1) 食品卸小売業

18

小売業

18

2 4

24 5

9

総合スーパー食料品スーパー

コンビニエンスストア

食料品専門店中心店

外側商品販売額

内側事業所数

【食品小売業】

注平成19年のデータを利用

【食品卸売業】

卸 売 業123 億円 食 品 卸 売 業100 億円

小 売 業12 億円 食料品専門店中心店05 億円

(一事業所当たり商品販売金額) (一事業所当たり商品販売金額)

4食品産業の業種別構造(食品流通業)

1990 1997 1999 2002 2004 2007

1990 1997 1999 2002 2004 2007 1990 1997 1999 2002 2004 2007

卸売市場は野菜果物魚肉など日々の食卓に欠かすことのできない生鮮食料品等を国民に円滑かつ安定的に供給するための基幹的なインフラとして多種大量の物品の効率的かつ継続的な集分荷公正で透明性の高い価格形成など重要な機能を有している

青果水産物の6割程度が卸売市場を経由している(国産青果物では約9割)加工品や輸入品など卸売市場を経由することが少ない物品の流通割合が増加していること等により市場経由率は低下傾向にあったがここ数年は横ばいで推移している

生鮮食料品等の主要な流通経路

卸売市場の数取扱金額市場関係業者数

卸売市場経由率の推移(推計)

(2)卸売市場

区分 市場数

取扱金額 (億円)

卸売業 者数

仲卸業 者数

売買参 加者数

中央卸売市場 74 41208 210 4305 35828

うち青 果 60 19102 85 1629 16111

水産物 46 18275 78 2472 6210

食 肉 10 2158 10 80 1833

花 き 22 1402 28 102 11067

その他 7 271 9 22 607

地方卸売市場 1185 31953 1384 2053 132938

資料農林水産省食料産業局食品製造卸売課調べ 注(中央) 市場数卸売業者数22年度末他の業者数21年度末取扱金額21年度(H21年10月1日 に地方卸売市場へ転換した市場についてはH21年9月までの取扱金額を含めている) なおH23年4月現在の市場数は全体で72となっている

(地方)市場数業者数21年度当初取扱金額20年度

資料農林水産省「食料需給表」「青果物卸売市場調査報告」等により推計 注卸売市場経由率は国内で流通した加工品を含む国産及び輸入の青果水産物等のうち卸売市場(水産物に ついてはいわゆる産地市場の取扱量は除く)を経由したものの数量割合(花きについては金額割合)の推計値 なお国産青果物の卸売市場経由率は約9割となっている

中央卸売市場 地方卸売市場

特徴

公正かつ効率的な流通の確保を目的とした広域的な生鮮食料品等流通の中核的な拠点

都道府県や一定規模以上の都市が開設者となって厳格な取引規制の下指標となる価格形成等重要な機能を果たしている

地域における生鮮食料品等の集配拠点

開設者の主体に制限はなく法律上の規制も緩やかとなっており地域の実情に応じた運営がなされている

機能

① 集荷(品揃え)分荷機能全国各地から多種大量の物品を集荷するとともに実需者の ニーズに応じて迅速かつ効率的に必要な品目量へと分荷 ② 価格形成機能需給を反映した公正で透明性の高い価格形成 ③ 代金決済機能販売代金の出荷者への迅速確実な決済 ④ 情報受発信機能需給に係る情報を収集し川上川下にそれぞれ伝達

卸売市場の種類と主要な機能

商社 輸入

消費者

直売所青空市場宅配など

産地直接取引など

出荷者(農協個人等)

卸売業者

仲卸業者

売買参加者

卸売市場 製造業者小売業者外食業者等

(年度)

827

630

853

738

780

457

746

584

830 840

235

98

00

100

200

300

400

500

600

20

40

60

80

H元 H5 H10 H15 H18 H19 H20

(単位)

青果

(野菜)

(果実)

水産物

花き

食肉

(食肉)

19

500万円未満

62

500万~

1千万円

14

1千~

3千万円

21

3千~5千万円

2

5千万円以上

71601社

単身世帯の増加女性の雇用者の増加等社会情勢の変化の中で食に関して簡便化志向の高まりや外部化が進行 外食産業は個人経営が総店舗数の5分の3を占め法人形態であっても資本金1千万円未満のものが4分の3を占め

るなど中小零細な事業者が多い従業員についても約290万人の大きな雇用機会を創出しているものの常勤雇用者に占めるパートアルバイトの割合が高い

710

381

290

619

0

20

40

60

80

100

飲食店 小売卸売業

法人

個人

資料平成21年経済センサス

外食産業における法人の資本別割合(2009年)

事業所数 (千ケ所) 673

従業員数 (千人) 4421

常勤雇用者に占める正社員正職員以外の割合(2009年)

製造業 207

卸小売業 458

宿泊業飲食サービス業 733

飲食店 769

ハンバーガー店 946

資料平成21年経済センサス

資料(財)食の安全安心財団附属機関 外食産業総合調査研究センターによる推計

20

4食品産業の業種別構造(外食産業)

資料平成21年経済センサス

資料平成21年経済センサス

外食率 = 外 食 産 業 市 場 規 模

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

食の外部化率 = 外食産業市場規模 + 料理品小売業

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

278

318

335 349

358 366

369 377

378

375

373

367

365

375

378 366

356

356

358

355

354

352

360

366

368

366

359

362

284

334

354

370 381

393 398 412

415

413

412

406 406 419

425

422

419

421

428

428

430

428

441 450

452

449

443

449

25

30

35

40

45

50

外食率

食の外部化率

外食率食の外部化率の推移

事業所数従業員数(2009年)

外食産業(飲食店)の経営組織別事業所数の比率(2009年)

4食品産業の業種別構造(関連産業) 食品製造業は物流のほか製造用機械容器など食品の製造に必要な資材等を提供する裾野産業に支えられている

従前より食品産業全体については高い物流コストや過剰包装等が問題

食品機械の輸出入実績推移

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

(製造品出荷額等)

百万円

(輸出入額)

百万円

輸出 輸入 製造品出荷額等

売上高物流コスト比率(業種小分類別)

21

(資料財団法人日本包装技術協会)

資料社団法人日本食品機械工業会 物流コスト削減策

注回答企業数196社 資料2009年度物流コスト調査報告書(社団法人日本ロジステックスシステム協会)

製造業

食品(要冷)

石鹸洗剤塗料

食品(常温)

繊維

化粧品

電気製品

医薬品

卸売業

卸売業(繊維衣料品系)

卸売業(日用雑貨系)

卸売業(食品飲料系)

その他卸売業

卸売業(機器系)

卸売業(総合商社)

小売業

小売業(通販)

小売業(生協)

小売業(コンビニエンスストア)

その他小売業

その他

建設

000 200 400 600 800 1000 1200 1400

在庫削減SCM

在庫削減

アイテム数の整理

物流システムネットワークの見直し

物流拠点の見直し(廃止統合新設)

直送化

輸配送の共同化

商品設計包装の見直し

包装容器の再使用通い箱の利用等

包装の簡素化変更

物流オペレーションの改善保管仕分け等

保管の効率化

物流オペレーションの改善輸配送

積載率の向上(混載化帰り便の利用等)

輸配送経路の見直し

105 58

101 77

62

61 60

88

95 75

0 50 100 150 (数)

()

アジア地域の実質経済成長率は今後5を超える高水準で推移する見通しであり特に中国とインドは8~9台の高水準で伸びる見通し高成長を支え今後の市場規模に大きな影響を与える中高所得者層(世帯可処分所得5000ドル以上)の人口は今後10年で現在の2倍程度に増加する見通し

製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況

5海外市場への展開

加速する我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

資料「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

2位 東南アジア(341)

4位 タイ (295)

3位 台湾 (318)

1位 中国 (659)

海外出店を積極化する又は今後進出を予定して いる企業の出店先は中国がトップ(複数回答あり)

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

2009年度(233千法人)

全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

食品製造業

国内法人数に対する現地法人数の割合

11

その他の製造業 32

資料「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省 資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」 東洋経済新報社

世帯可処分所得5000ドル以上の人口の推移

出所NIRA研究報告書(所得別の家計比率はEuromonitor International World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した 2008 年までの人口はIMF International Financial Statistics2010 年以降はUN WorldPopulation Prospects を参照)

35億人

1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

見通し(NIRA推計)

+10億人 2倍増

アジア太平洋主要国別の経済成長見通し

22

30 25

20 15 10 5

0

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

全製造業に占める食品 製造業の法人数の割合

国内法人数に対する 現地法人数の割合

資料「工業統計表(2009年企業統計編)」経済産業省

資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」東洋経済新報社

35

12

0 1 2 3 4 0 100 200 300

2009年度(212千法人)

849

151

食品製造業 =約32千法人

その他の製造業 =約180千法人

(千法人)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国

インド

ベトナム

インドネシア

マレーシア

出典World Economic Outlook 2011年9月版(IMF)

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 6: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

農家世帯員農業就業人口基幹的農業従事者数等の動向(販売農家)

農業従事者の減少や高齢化による国内農業生産力の低下により国産志向等多様な消費者ニーズに対応できないおそれ 人口の増加や途上国の経済発展バイオ燃料等非食用の需要増大地球規模の気候変動の影響等により原料農産物の

国際価格の上昇が見込まれるとともに原料産地が限定される産品等に調達の懸念

2国内外の原料の調達リスクの高まり

中国の経済発展による食料需要の増大

1563 1388

1204 1047

837 650 543 482 414 389 335 261 346 293 256 240 224 205

195

268

397

512 574

611

0

10

20

30

40

50

60

70

0

200

400

600

800

1000

1200

1400

1600

1985 1990 1995 2000 2005 2010

農家世帯員数 農業就業人口 基幹的農業従事者数 65歳以上の基幹的農業従事者の割合 hellip

資料農林水産省「農林業センサス」

万人

世界のバイオエタノール生産量の見通し

(参 考)穀物等の国際価格の動向(ドルトン)

穀物等の国際価格は2010年7月以降再び上昇し現在は2006年秋頃に比べ16~34倍の水準 昨年夏以降ロシアの穀物輸出禁止措置とうもろこしのバイオ燃料向け需要の増大中国の旺盛な大豆輸入等により穀物

等の需給は引き締まり価格が上昇したとうもろこしは2011年4月11日に3055ドルトンと史上最高値を更新 現在米国コーンベルトの降雨によるとうもろこし等の作付遅れや欧州の乾燥による小麦等の作柄が懸念

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

1970 1972 1974 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012

ドルトン

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

(ドルト

ン )

4880ドル24倍

過去最高6092ドル(200873)

注小麦とうもろこし大豆は各月ともシカゴ商品取引所の第1金曜日の期近価格である

米はタイ国家貿易取引委員会公表による各月第1水曜日のタイうるち精米1002等のFOB価格である

大豆

小麦

1972

世界同時不作

1973

米国大豆禁輸措置

1980

米国熱波

1981

中国イラン等の米の

不作によりタイ米需要急増

1982

世界的な米の豊作

1988

米国大干ばつ

1989

中国インドネシア等の米の輸入需要増大

日本の冷害による米の緊急輸入

米国大洪水

1993

1995

米国天候不順

中国が米の輸出禁止措置

フィリピンインドネシアタイで洪水

2002

米国カナダ豪州同時不作

1999

世界の米生産量が史上最高

2003

米国高温乾燥中国輸入急増

2004

世界の米在庫量が約20年ぶりの低水準

2594ドル29倍

過去最高3098ドル(2011610)

2465ドル18倍

過去最高4703ドル(2008227)

5740ドル18倍

過去最高1038ドル(2008521)

注1各月第1金曜日(米は第1水曜日)に加え直近の最終金曜日(米は最終水曜日の価格)を記載

注2過去最高価格については米はタイ国家貿易取引委員会の公表する価格の最高価格米以外はシカゴ商品取引所の全ての取引日における最高価格

注3図中の倍率は2006年秋頃と比較した直近の価格水準

2012年3月2日現在

2006

豪州大干ばつ

2007

欧州天候不順豪州干ばつ

小麦

2008

世界的な小麦等の豊作

大豆

とうもろこしとうもろこし

2010

ロシアで干ばつ

2011

タイで担保融資制度導入

米国で高温乾燥

WTO農業交渉のこれまでの経緯

3市場のグローバル化(WTO農業交渉)

経済連携協定の提携等により市場のグローバル化が進んでいる

発効(10月)

(注1)ASEAN全体とのEPAは2008年12月に日本とシンガポールラオスベトナム及びミャンマー2009年1月にブルネイ同2月にマレーシア同6月にタイ同12月

にカンボジア2010年7月にフィリピンとの間で発効未発効国はインドネシアのみ (注2)韓国とは2004年11月以降交渉が中断2008年6月に「日韓経済連携協定締結交渉再開に向けた検討及び環境醸成のための実務協議」を開催し現在までに5回開催 (注3)GCC(湾岸協力理事会)加盟国バーレーンクウェートオマーンカタールサウジアラビアアラブ首長国連邦

締結

署名

交渉完了

交渉中

発効(9月)

2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年

ASEAN全体(注1)

ブルネイ

フィリピン

ベトナム スイス

インドネシア タイ チリ マレーシア メキシコ シンガポール

韓国(注2) GCC(注3)

インド

豪州

交渉(11月~)

交渉(1月~)

交渉(2月~)

交渉(2月~)

交渉(7月~)

交渉(6月~)

見直し交渉 (4月~)

交渉(4月~)

交渉(2月~)

交渉(5月~)

交渉(12月~)

交渉(9月~)

交渉(1月~)

交渉(4月~)

署名 (3月)

署名 (9月)

署名 (12月)

署名 (3月) 署名 (4月)

署名(8月)

署名(6月)

署名完了 (4月)

署名(9月)

署名 (2月)

発効(9月)

発効(9月)

発効(4月)

発効(11月) 署名(1月)

発効(7月)

発効(11月)

発効(7月)

発効(7月)

発効(12月)

発効(12月)

交渉(1月~) 署名 (12月)

2010年

我が国はアジアを中心に13の国や地域とEPAを締結署名交渉完了また韓国GCC豪州と交渉中

ペルー 交渉(5月~)

2011年

署名(2月)

交渉完了(11月)

再協議(9月~) 実質合意 (2月)

3市場のグローバル化(我が国のEPAFTAの進捗状況)

水産業関係被害 農林業関係被害

被害額合計1兆2637 億円

漁船(28612隻) 1822億円

漁港施設(319漁港) 8230億円

養殖関係 (内 養殖施設) (内 養殖物)

1335億円 (738億円) (597億円)

共同利用施設(1725施設) 1249億円

被害額合計1兆1631億円

農地(18174箇所) 4006億円

農業用施設等(17502箇所) (水路揚水機集落排水施設等)

4835億円

農作物家畜等 142億円

農業畜産関係施設等 (農業倉庫ハウス畜舎堆肥舎等)

493億円

林野関係 (林地荒廃治山施設林道施設木材加工流通施設等)

2155億円

全国の漁業生産量の5割を占める7道県(北海道青森県岩手県宮城県福島県茨城県千葉県)を中心に大きな被害

特に津波によって6県(青森県岩手県宮城県福島県茨城県千葉県)を中心に総計 24万haに及ぶ範囲に被害が発生

(資料)「津波により流失や冠水等の被害を受けた農地の推定面積(平成23年3月)」

4東日本大震災の影響(農林水産関係の被害状況)

東日本大震災における農林水産関係の被害額(平成24年3月5日現在)は2兆4268億円

【資金調達の円滑化】 被災した農林漁業者等が資金を調達できるよう円滑な融資等を関係団体に依頼 農業共済掛金の払込期限等の延長共済金の早期支払いに向けて共済団体に指導

【排水設備の貸出】 農地等の湛水排除や応急的な取水に対応するため災害応急用ポンプを地方農政局土地

改良技術事務所から搬送し供用宮城県福島県栃木県の3県で延べ90台を供用

【手続きの簡素化】 救援活動等に最優先で取組めるよう農業者戸別所得補償制度の申請期限等を延長

【燃料用物資の供給】 東北森林管理局から大船渡市陸前高田市釜石市大槌町等へ薪ストーブ113台を提供 関係団体等の協力の下宮城県福島県へ木炭26t木炭コンロ1300個を供給

その他の応急対応

災害応急用ポンプによる排水作業(宮城県名取市)

福貴浦漁港における水産庁漁業取締船による救援物資の引き渡し(宮城県石巻市)

今回の震災では200社を超

える食品メーカー等の協力の下食料2584万食育児用調整粉乳53万缶飲料762万本を調達ピーク時には1日で約154万食分の食料を調達

水産庁の漁業取締船等の 計10隻が民間漁船と協力して 海上から物資(食料燃料日用 品医薬品)を輸送

被災地域への食料供給

工場の被災により供給不足となった配合飼料の供給確保を支援するため

①飼料関係団体に対し九州や北海道等からの配送(内航船運搬トラック輸送)の要請

②備蓄飼料穀物(35万トン)の無償無担保での貸付 等

を措置

被災した配合飼料工場とサイロ(岩手県釜石市)

被災地域の飼料不足への対応

4東日本大震災の影響(震災直後の応急の対応)

121

食用農水産 物の輸入

【12兆円】

94兆円

外食産業向け

06兆円 【01兆円】

食品製造業向け

58兆円 【07兆円】

最終消費向け

30兆円 【03兆円】

食品製造業

301兆円

最終製品の輸入 【39兆円】

一次加工品の輸入 【14兆円】

生鮮品等

209兆円 (285)

391兆円 (532)

135兆円 (184)

資料総務省他9府省庁「平成17年産業連関表」を基に農林水産省で試算 1【 】内の数値は輸入分の数値 2精穀(精米精麦等)と畜(各種肉類)及び冷凍魚介類は加工度が低いため最終消費においては「生鮮品等」として取り扱っている 3旅館ホテル病院等での食事は「外食」に計上せず使用された食材費を最終消費額としてそれぞれ「生鮮品等」及び「加工品」に計上している

外食産業

209兆円

食品小売業

(加工品) 391兆円

(生鮮品等) 135兆円

飲食料の 最終消費額 736兆円

食品産業

加工食品 卸売業

食用農水産物 106兆円

( 生産から消費に至る流れ )

卸売市場

食品産業(流通業食品製造業外食中食産業)は食用農水産物106兆円と輸入加工品52兆円を食材として

736兆円の食品市場を形成

1最終消費からみた飲食費の流れ(2005年)

飲食料の 最終消費額 795兆円

[2000年] 食用農水産物

118兆円 ( 生産から消費に至る流れ )

10

6兆円

Ⅱ 食品産業の位置付け現状

食品関連産業の国内生産額の推移

食品関連産業の国内生産額は約96兆円(2009年度)で全産業(876兆円)の約11であり我が国産業の最大のセクターの一つである近年は食料品価格の値下げ等により1990年代後半をピークに減少傾向

食品関連産業の就業者数は1061万人で全産業の就業者総数(6257万人)の約17 生産額及び就業者数でみた食品産業の位置づけ

2食品関連産業の地位

96兆円

消費者物価指数の推移 就業者数(2010年)

資料総務省「労働力調査」(2010年)

90

92

94

96

98

100

102

平成

2 3 4 5 6 7 8 9 10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

総合

食料

991

11

1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 資料総務省「消費者物価指数年報」 注1998年を100としている食料には酒類外食を含む

964

資料農林水産省「農業食料関連産業の経済計算」(2009年度)

生産額(2009年度)

0 20 40 60 80 100

農漁業 112兆円 (1)

食品関連 製造業

372兆円 (4)

飲食業 242兆円 (2)

食品関連 流通業

209兆円 (3)

関連投資 209兆円 (03)

食品関連産業 957兆円(11)

産業全体 8760兆円(100)

食品関連産業を除く産業全体 7804兆円 (89)

電気機械製造業

建設業 金融保険業 等

0 20 40 60 80 100

食品製造業 150万人 (2)

外食産業 329万人 (5)

食品流通業 338万人 (5)

農漁業 244万人 (4)

食品関連産業を除く産業全体 5196万人 (83)

食品関連産業 1061万人(17)

就業者総数(産業全体) 6257万人(100)

農林水産業 117兆円 (134)

鉱業 08兆円 (009)

製造業 2601兆円 (2971)

建設業 556兆円 (636)

電気ガス水道業 240兆円 (274)

卸売小売業 976兆円 (1115)

金融保険業 366兆円 (418)

不動産業 688兆円 (786)

運輸業 398兆円 (455)

情報通信業 465兆円 (531)

サービス業 1541兆円 (1760)

その他 798兆円 (911)

(参 考) 我が国の国内生産額(876兆円)に占める各産業の割合

農漁業 112兆円

(1175)

関連製造業 371兆円

(3879)

関連投資 23兆円

(239)

関連流通業 242兆円

(2527)

飲食店 209兆円

(2180)

資料 平成21年度 農林水産省大臣官房統計部「農業食料関連産業の経済計算」

資料 平成21年 内閣府「国民経済計算」

農業食料関連産業の国内生産額 957兆円(全産業の109)

12

333

317

601

616

67

66

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

食品産業仕向 683最終消費仕向

(06)

(64) (07)

食品製造業仕向 外食産業仕向

(30) (58)

(35)

国産農水産物の用途別仕向割合 食品製造業の加工原材料調達割合(国産輸入)

国産農水産物の23が食品産業仕向けとなっており食品産業は国産農水産物の最大の仕向け先であるまた食品 製造業が利用する原材料(農水産物加工品)のうち7割強が国産農水産物となっている

771

734

84

89

145

177

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

国産農水産物

(58)

(07) (12)

(07)

輸入農水産物

輸入一次加工品

(64)

(14)2005年 2005年

2000年 2000年

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

括弧内は調達額(兆円)

3食品産業の位置づけ①

13

括弧内は調達額(兆円)

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

地方と都市圏の食品製造業の製造品出荷額従業者数と全製造業に占める割合

食品産業は製造卸売小売外食産業のいずれも中小零細企業比率が98~99であり事業所の総数は90万をこえているそのうち食品製造業は地域経済において地場産業として大きなウエイト特に北海道鹿児島沖縄では製造品出荷額の約3割雇用の面では製造業の従事者の過半近くを占めるなど地域経済の安定に重要な役割

14

出所経済産業省「工業統計表」(平成21年) 注零細企業従業者数3人以下の事業所 中小企業従業者数299人以下の事業所 大企業300人以上の事業所

食品製造業の構造 資料経済産業省「工業統計表(4人以上の事業所)」(平成21年) 注1食品製造業は食料品製造業及び飲料たばこ飼料製造業(たばこ製造業飼料有機質肥料製造業を除く)の合計である 注2工業統計における製造品出荷額は一部個々の事業者の秘密が漏れるおそれから秘匿された数字があるため実態とズレがある可能性がある

3食品産業の位置づけ②

製造品出荷額 従業員数

金額(億円) 全製造業に占める

割合() 人数(人)

全製造業に占める 割合()

製造品出荷額の占める割合の高い都道府県

鹿児島 7562

(全国13位) 441

(全国1位) 29438

(全国14位) 413

(全国3位)

北海道 20390

(全国1位) 392

(全国2位) 86343

(全国1位) 488

(全国2位)

沖縄 1686

(全国39位) 308

(全国3位) 12434

(全国34位) 501

(全国1位)

三大 都市圏

東京 7467

(全国14位) 93

(全国28位) 35080

(全国12位) 108

(全国40位)

大阪 11377

(全国9位) 77

(全国33位) 49671

(全国8位) 102

(全国41位)

愛知 17271

(全国2位) 50

(全国44位) 71557

(全国2位) 89

(全国43位)

全国平均 105 全国平均 157

大企業

533

中小企業

34075

零細企業

17955 339

10

99が中小零細企業

650

全産業に占める外食業の割合が高い都道府県

全小売業に占める食品小売業の割合が高い都道府県

全卸売業に占める食品卸売業の割合が高い都道府県

割合 事業所数

①兵庫県 ②愛知県 ③大阪府 ④東京都 ⑤京都府

902 883 882 823 818

21540ヶ所 29627ヶ所 37768ヶ所 56850ヶ所 10528ヶ所

全国平均 703

割合 事業所数

①長崎県 ②鹿児島県 ③沖縄県 ④高知県 ⑤秋田県

398 397 385 380 380

6656ヶ所 7848ヶ所 5767ヶ所 3713ヶ所 4938ヶ所

全国平均 343

割合 事業所数

①高知県 ②和歌山県 ③長崎県 ④青森県 ⑤熊本県

353 351 350 348 322

680ヶ所 937ヶ所

1296ヶ所 1222ヶ所 1342ヶ所

全国平均 227

15

01

999

大企業 355ヶ所

中小企業 415356ヶ所

大企業 9003ヶ所

中小企業 380829ヶ所

2

98

大企業 597ヶ所

中小企業 75461ヶ所

1

99

食品小売業の構造 食品卸売業の構造 外食業の構造

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用 中小企業従業者数49人以下の事業所 大企業従業者数50人以上の事業所

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用

3食品産業の位置づけ③

食品製造業は安定的に利益をあげているものの収益率は低く過当競争状態にあると言われている 法人企業統計調査によれば売上高経常利益率はやや横ばいで推移しているものの自己資本比率はリーマンショック

前の2007年度の水準まで回復していない

16

4食品製造業の業種別構造①

日刊経済通信社の分類による企業数等の状況

資料日刊経済通信社調査部編「平成19年度 酒類食品産業の生産販売シェア」 (注)製パンは8社食用植物油脂は5社のシェアの数値

分類 市場規模(上位10社計) 上位10社の生産販売シェア 企業数

しょうゆ 603660(キロリットル) 635 (出荷量) 1600

冷凍食品 7701(億円) 669 (販売額) 880

即席めん類 4960(億円) 965 (販売額) 58

製パン 7076(億円) 813 (販売高) -

食肉加工品 432500(トン) 806 (販売量) 165

チョコレート 2546(億円) 834 (生産額) -

小麦粉 4083000(トン) 837 (販売量) 100

食用植物油脂 2245700(トン) 856 (販売量) -

資料法人企業統計調査(財務省)

() ()

売上高経常利益率の推移 自己資本比率の推移

-2

0

2

4

6

8

10

12

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

30

35

40

45

50

55

60

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

資料法人企業統計調査(財務省)

食品のカテゴリーの公的な分類の一つに工業統計表があり食品関係では2桁分類が24桁分類が496桁分類が 116公正取引委員会の生産出荷集中度調査はこの工業統計表の6桁分類を参考に区分しており細かい分類であるため集中度が高くなる傾向にある

他方食品市場全体でみると諸外国と比べ上位企業の寡占度が低いというデータもある

工業統計表における産業分類

資料経済産業省「工業統計表」 注)2桁の「飲料たばこ飼料」は4桁分類においてこの他に 「たばこ」「飼料有機質肥料」を含むがこの表では含めない 17

4食品産業の業種別構造(食品製造業②)

2桁 4桁 6桁

食料品 部分肉冷凍肉 部分肉冷凍肉

肉加工品 肉缶詰瓶詰つぼ詰

処理牛乳乳飲料 処理牛乳

水産缶詰瓶詰 まぐろ缶詰

海藻加工 寒天

水産練製品 魚肉ハムソーセージ

野菜缶詰果実缶詰 農産保存食料品

野菜缶詰

野菜漬物 野菜漬物

味そ 味そ

しょう油食用アミノ酸 しょう油食用アミノ酸

ソース ウスター中濃濃厚ソース

砂糖製造 粗糖

砂糖精製 精製糖

ぶどう糖水あめ異性化糖 ぶどう糖

精米精麦 精米

小麦粉 小麦粉

その他の精穀製粉 こんにゃく粉

パン 食パン

生菓子 洋生菓子

ビスケット類干菓子 ビスケット類干菓子

動植物油脂 大豆油

食用油脂 ショートニング油

でんぷん でんぷん

めん類 即席めん類

豆腐油揚 豆腐しみ豆腐油揚げ類

飲料たばこ飼料

清涼飲料 炭酸飲料

果実酒 果実酒

ビール類 ビール

清酒 清酒

製茶 荒茶緑茶

コーヒー コーヒー

製氷 人造氷

2 49 116

30

20

10

()

米国

英国

フランス

ドイツ

日本

加工食品市場における上位10社の寡占度 (2008年)

資料平成22年5月16日付日本経済新聞朝刊より抜粋

(注)ユーロモニターのデータをもとにボストンコンサルティンググループが分析

32

26

16

公正取引委員会の生産出荷集中度調査における区分(食品関連品目80品目)のうち「競争を実質的に制限することとなるおそれが小さい」とされる基準()を超えている品目の一覧

マヨネーズドレッシング類

ルウ類

カレールウ

シチュールウ

シチューミクスを除くシチュールウ

チューインガム

スポーツドリンク

ビール

発泡酒

ウイスキー

ビール風酒類

インスタントコーヒー

(注) 工業統計表の6桁分類を参考に公正取引委員会にて区分したもの () 「企業結合ガイドライン」が「競争を実質的に制限することとなるおそ

れが小さい場合」として挙げている ① 企業結合後のHHIが2500以下 ② 企業結合後の当事会社グループの市場シェアが35以下のう

ち①を基に「HHIが2500以下かどうか」を今回基準として設定 資料公正取引委員会「平成1920年生産出荷集中度調査」

構造改革のメリット ― 利益ある成長へ ① 国内事業の競争緩和② 商品開発力の向上 ③ 価格交渉力の向上④ 収益性の向上 ⑤ 国内基盤の安定リスク分散⑥原料調達力の向上

(10817)(11863)(11701)(13505)(14303)

(3320) (5202) (5990) (6622) (7048)

158516751668167018881804

178651848517691187071762316096

43684427384177039628

3663128226

495316

275573

323087344343

380752384899

449190

338707

385985405472

440757441041

0

20000

40000

60000

80000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

0

100000

200000

300000

400000

500000

卸売業

18

食品卸売業

外側商品販売額

内側事業所数

23

4253739952

43653

38300 39485 37844

53687

4748550723

45295 45054

38214

349514257840256

5028451416

56954

406984381244017

494474643247381

0

20000

40000

60000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

30000

50000

70000

90000

(事業所数)

食品卸売業事業所数(カ所)商品販売額(10億円)の推移

業全体に占める食品関連事業者の割合は卸売業では約2割小売業では約3割となっている 食品卸小売業については近年事業所数商品販売額とも減少傾向で推移特に食品小売業についてはコンビニエン

スストアは増加傾向にあるものの中小規模の食料品スーパーや食料品専門店中心店においては減少傾向で推移

資料経済産業省「商業統計表」

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

食料品スーパー取扱商品販売額のうち食料品が70以上食料品専門店取扱商品販売額のうち食料品が90以上食料品中心店取扱商品販売額のうち食料品が50以上

農畜産物水産物卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 米麦雑穀豆類野菜食肉生鮮魚介等の卸売業 食料飲料卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 味噌醤油乾物菓子類飲料茶類等の卸売業

食品小売業事業所数の推移

業全体に占める割合()

(5850)(6509)(6360)(7957)(8906)

(5862) (8791) (9544) (10538) (11257)9336 9957

8850 8515 84067447

13198 14768

1674815904

17047 17106

40115223

6135 6714 69227007

19881 16578

1588714187

1338712608

441684576245320

476204652646426

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

25000

30000

35000

40000

45000

50000

【事業所数】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

【商品販売額】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

食品小売業商品販売額の推移(10億円)

合計(右目盛)

総合スーパー(左目盛)

コンビニエンスストア(左目盛)

食料品専門店 中心店(左図右目盛 右図左目盛)

食料品スーパー(左目盛) 大規模 中小規模

注従業員数50人未満を中小規模 50人以上を大規模とした

(商品販売額)

〈食飲卸事業所数〉

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

〈農水卸事業所数〉

〈食飲卸商品販売額〉

〈農水卸商品販売額〉

(1) 食品卸小売業

18

小売業

18

2 4

24 5

9

総合スーパー食料品スーパー

コンビニエンスストア

食料品専門店中心店

外側商品販売額

内側事業所数

【食品小売業】

注平成19年のデータを利用

【食品卸売業】

卸 売 業123 億円 食 品 卸 売 業100 億円

小 売 業12 億円 食料品専門店中心店05 億円

(一事業所当たり商品販売金額) (一事業所当たり商品販売金額)

4食品産業の業種別構造(食品流通業)

1990 1997 1999 2002 2004 2007

1990 1997 1999 2002 2004 2007 1990 1997 1999 2002 2004 2007

卸売市場は野菜果物魚肉など日々の食卓に欠かすことのできない生鮮食料品等を国民に円滑かつ安定的に供給するための基幹的なインフラとして多種大量の物品の効率的かつ継続的な集分荷公正で透明性の高い価格形成など重要な機能を有している

青果水産物の6割程度が卸売市場を経由している(国産青果物では約9割)加工品や輸入品など卸売市場を経由することが少ない物品の流通割合が増加していること等により市場経由率は低下傾向にあったがここ数年は横ばいで推移している

生鮮食料品等の主要な流通経路

卸売市場の数取扱金額市場関係業者数

卸売市場経由率の推移(推計)

(2)卸売市場

区分 市場数

取扱金額 (億円)

卸売業 者数

仲卸業 者数

売買参 加者数

中央卸売市場 74 41208 210 4305 35828

うち青 果 60 19102 85 1629 16111

水産物 46 18275 78 2472 6210

食 肉 10 2158 10 80 1833

花 き 22 1402 28 102 11067

その他 7 271 9 22 607

地方卸売市場 1185 31953 1384 2053 132938

資料農林水産省食料産業局食品製造卸売課調べ 注(中央) 市場数卸売業者数22年度末他の業者数21年度末取扱金額21年度(H21年10月1日 に地方卸売市場へ転換した市場についてはH21年9月までの取扱金額を含めている) なおH23年4月現在の市場数は全体で72となっている

(地方)市場数業者数21年度当初取扱金額20年度

資料農林水産省「食料需給表」「青果物卸売市場調査報告」等により推計 注卸売市場経由率は国内で流通した加工品を含む国産及び輸入の青果水産物等のうち卸売市場(水産物に ついてはいわゆる産地市場の取扱量は除く)を経由したものの数量割合(花きについては金額割合)の推計値 なお国産青果物の卸売市場経由率は約9割となっている

中央卸売市場 地方卸売市場

特徴

公正かつ効率的な流通の確保を目的とした広域的な生鮮食料品等流通の中核的な拠点

都道府県や一定規模以上の都市が開設者となって厳格な取引規制の下指標となる価格形成等重要な機能を果たしている

地域における生鮮食料品等の集配拠点

開設者の主体に制限はなく法律上の規制も緩やかとなっており地域の実情に応じた運営がなされている

機能

① 集荷(品揃え)分荷機能全国各地から多種大量の物品を集荷するとともに実需者の ニーズに応じて迅速かつ効率的に必要な品目量へと分荷 ② 価格形成機能需給を反映した公正で透明性の高い価格形成 ③ 代金決済機能販売代金の出荷者への迅速確実な決済 ④ 情報受発信機能需給に係る情報を収集し川上川下にそれぞれ伝達

卸売市場の種類と主要な機能

商社 輸入

消費者

直売所青空市場宅配など

産地直接取引など

出荷者(農協個人等)

卸売業者

仲卸業者

売買参加者

卸売市場 製造業者小売業者外食業者等

(年度)

827

630

853

738

780

457

746

584

830 840

235

98

00

100

200

300

400

500

600

20

40

60

80

H元 H5 H10 H15 H18 H19 H20

(単位)

青果

(野菜)

(果実)

水産物

花き

食肉

(食肉)

19

500万円未満

62

500万~

1千万円

14

1千~

3千万円

21

3千~5千万円

2

5千万円以上

71601社

単身世帯の増加女性の雇用者の増加等社会情勢の変化の中で食に関して簡便化志向の高まりや外部化が進行 外食産業は個人経営が総店舗数の5分の3を占め法人形態であっても資本金1千万円未満のものが4分の3を占め

るなど中小零細な事業者が多い従業員についても約290万人の大きな雇用機会を創出しているものの常勤雇用者に占めるパートアルバイトの割合が高い

710

381

290

619

0

20

40

60

80

100

飲食店 小売卸売業

法人

個人

資料平成21年経済センサス

外食産業における法人の資本別割合(2009年)

事業所数 (千ケ所) 673

従業員数 (千人) 4421

常勤雇用者に占める正社員正職員以外の割合(2009年)

製造業 207

卸小売業 458

宿泊業飲食サービス業 733

飲食店 769

ハンバーガー店 946

資料平成21年経済センサス

資料(財)食の安全安心財団附属機関 外食産業総合調査研究センターによる推計

20

4食品産業の業種別構造(外食産業)

資料平成21年経済センサス

資料平成21年経済センサス

外食率 = 外 食 産 業 市 場 規 模

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

食の外部化率 = 外食産業市場規模 + 料理品小売業

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

278

318

335 349

358 366

369 377

378

375

373

367

365

375

378 366

356

356

358

355

354

352

360

366

368

366

359

362

284

334

354

370 381

393 398 412

415

413

412

406 406 419

425

422

419

421

428

428

430

428

441 450

452

449

443

449

25

30

35

40

45

50

外食率

食の外部化率

外食率食の外部化率の推移

事業所数従業員数(2009年)

外食産業(飲食店)の経営組織別事業所数の比率(2009年)

4食品産業の業種別構造(関連産業) 食品製造業は物流のほか製造用機械容器など食品の製造に必要な資材等を提供する裾野産業に支えられている

従前より食品産業全体については高い物流コストや過剰包装等が問題

食品機械の輸出入実績推移

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

(製造品出荷額等)

百万円

(輸出入額)

百万円

輸出 輸入 製造品出荷額等

売上高物流コスト比率(業種小分類別)

21

(資料財団法人日本包装技術協会)

資料社団法人日本食品機械工業会 物流コスト削減策

注回答企業数196社 資料2009年度物流コスト調査報告書(社団法人日本ロジステックスシステム協会)

製造業

食品(要冷)

石鹸洗剤塗料

食品(常温)

繊維

化粧品

電気製品

医薬品

卸売業

卸売業(繊維衣料品系)

卸売業(日用雑貨系)

卸売業(食品飲料系)

その他卸売業

卸売業(機器系)

卸売業(総合商社)

小売業

小売業(通販)

小売業(生協)

小売業(コンビニエンスストア)

その他小売業

その他

建設

000 200 400 600 800 1000 1200 1400

在庫削減SCM

在庫削減

アイテム数の整理

物流システムネットワークの見直し

物流拠点の見直し(廃止統合新設)

直送化

輸配送の共同化

商品設計包装の見直し

包装容器の再使用通い箱の利用等

包装の簡素化変更

物流オペレーションの改善保管仕分け等

保管の効率化

物流オペレーションの改善輸配送

積載率の向上(混載化帰り便の利用等)

輸配送経路の見直し

105 58

101 77

62

61 60

88

95 75

0 50 100 150 (数)

()

アジア地域の実質経済成長率は今後5を超える高水準で推移する見通しであり特に中国とインドは8~9台の高水準で伸びる見通し高成長を支え今後の市場規模に大きな影響を与える中高所得者層(世帯可処分所得5000ドル以上)の人口は今後10年で現在の2倍程度に増加する見通し

製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況

5海外市場への展開

加速する我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

資料「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

2位 東南アジア(341)

4位 タイ (295)

3位 台湾 (318)

1位 中国 (659)

海外出店を積極化する又は今後進出を予定して いる企業の出店先は中国がトップ(複数回答あり)

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

2009年度(233千法人)

全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

食品製造業

国内法人数に対する現地法人数の割合

11

その他の製造業 32

資料「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省 資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」 東洋経済新報社

世帯可処分所得5000ドル以上の人口の推移

出所NIRA研究報告書(所得別の家計比率はEuromonitor International World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した 2008 年までの人口はIMF International Financial Statistics2010 年以降はUN WorldPopulation Prospects を参照)

35億人

1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

見通し(NIRA推計)

+10億人 2倍増

アジア太平洋主要国別の経済成長見通し

22

30 25

20 15 10 5

0

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

全製造業に占める食品 製造業の法人数の割合

国内法人数に対する 現地法人数の割合

資料「工業統計表(2009年企業統計編)」経済産業省

資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」東洋経済新報社

35

12

0 1 2 3 4 0 100 200 300

2009年度(212千法人)

849

151

食品製造業 =約32千法人

その他の製造業 =約180千法人

(千法人)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国

インド

ベトナム

インドネシア

マレーシア

出典World Economic Outlook 2011年9月版(IMF)

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
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  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 7: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

(参 考)穀物等の国際価格の動向(ドルトン)

穀物等の国際価格は2010年7月以降再び上昇し現在は2006年秋頃に比べ16~34倍の水準 昨年夏以降ロシアの穀物輸出禁止措置とうもろこしのバイオ燃料向け需要の増大中国の旺盛な大豆輸入等により穀物

等の需給は引き締まり価格が上昇したとうもろこしは2011年4月11日に3055ドルトンと史上最高値を更新 現在米国コーンベルトの降雨によるとうもろこし等の作付遅れや欧州の乾燥による小麦等の作柄が懸念

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

1970 1972 1974 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012

ドルトン

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

(ドルト

ン )

4880ドル24倍

過去最高6092ドル(200873)

注小麦とうもろこし大豆は各月ともシカゴ商品取引所の第1金曜日の期近価格である

米はタイ国家貿易取引委員会公表による各月第1水曜日のタイうるち精米1002等のFOB価格である

大豆

小麦

1972

世界同時不作

1973

米国大豆禁輸措置

1980

米国熱波

1981

中国イラン等の米の

不作によりタイ米需要急増

1982

世界的な米の豊作

1988

米国大干ばつ

1989

中国インドネシア等の米の輸入需要増大

日本の冷害による米の緊急輸入

米国大洪水

1993

1995

米国天候不順

中国が米の輸出禁止措置

フィリピンインドネシアタイで洪水

2002

米国カナダ豪州同時不作

1999

世界の米生産量が史上最高

2003

米国高温乾燥中国輸入急増

2004

世界の米在庫量が約20年ぶりの低水準

2594ドル29倍

過去最高3098ドル(2011610)

2465ドル18倍

過去最高4703ドル(2008227)

5740ドル18倍

過去最高1038ドル(2008521)

注1各月第1金曜日(米は第1水曜日)に加え直近の最終金曜日(米は最終水曜日の価格)を記載

注2過去最高価格については米はタイ国家貿易取引委員会の公表する価格の最高価格米以外はシカゴ商品取引所の全ての取引日における最高価格

注3図中の倍率は2006年秋頃と比較した直近の価格水準

2012年3月2日現在

2006

豪州大干ばつ

2007

欧州天候不順豪州干ばつ

小麦

2008

世界的な小麦等の豊作

大豆

とうもろこしとうもろこし

2010

ロシアで干ばつ

2011

タイで担保融資制度導入

米国で高温乾燥

WTO農業交渉のこれまでの経緯

3市場のグローバル化(WTO農業交渉)

経済連携協定の提携等により市場のグローバル化が進んでいる

発効(10月)

(注1)ASEAN全体とのEPAは2008年12月に日本とシンガポールラオスベトナム及びミャンマー2009年1月にブルネイ同2月にマレーシア同6月にタイ同12月

にカンボジア2010年7月にフィリピンとの間で発効未発効国はインドネシアのみ (注2)韓国とは2004年11月以降交渉が中断2008年6月に「日韓経済連携協定締結交渉再開に向けた検討及び環境醸成のための実務協議」を開催し現在までに5回開催 (注3)GCC(湾岸協力理事会)加盟国バーレーンクウェートオマーンカタールサウジアラビアアラブ首長国連邦

締結

署名

交渉完了

交渉中

発効(9月)

2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年

ASEAN全体(注1)

ブルネイ

フィリピン

ベトナム スイス

インドネシア タイ チリ マレーシア メキシコ シンガポール

韓国(注2) GCC(注3)

インド

豪州

交渉(11月~)

交渉(1月~)

交渉(2月~)

交渉(2月~)

交渉(7月~)

交渉(6月~)

見直し交渉 (4月~)

交渉(4月~)

交渉(2月~)

交渉(5月~)

交渉(12月~)

交渉(9月~)

交渉(1月~)

交渉(4月~)

署名 (3月)

署名 (9月)

署名 (12月)

署名 (3月) 署名 (4月)

署名(8月)

署名(6月)

署名完了 (4月)

署名(9月)

署名 (2月)

発効(9月)

発効(9月)

発効(4月)

発効(11月) 署名(1月)

発効(7月)

発効(11月)

発効(7月)

発効(7月)

発効(12月)

発効(12月)

交渉(1月~) 署名 (12月)

2010年

我が国はアジアを中心に13の国や地域とEPAを締結署名交渉完了また韓国GCC豪州と交渉中

ペルー 交渉(5月~)

2011年

署名(2月)

交渉完了(11月)

再協議(9月~) 実質合意 (2月)

3市場のグローバル化(我が国のEPAFTAの進捗状況)

水産業関係被害 農林業関係被害

被害額合計1兆2637 億円

漁船(28612隻) 1822億円

漁港施設(319漁港) 8230億円

養殖関係 (内 養殖施設) (内 養殖物)

1335億円 (738億円) (597億円)

共同利用施設(1725施設) 1249億円

被害額合計1兆1631億円

農地(18174箇所) 4006億円

農業用施設等(17502箇所) (水路揚水機集落排水施設等)

4835億円

農作物家畜等 142億円

農業畜産関係施設等 (農業倉庫ハウス畜舎堆肥舎等)

493億円

林野関係 (林地荒廃治山施設林道施設木材加工流通施設等)

2155億円

全国の漁業生産量の5割を占める7道県(北海道青森県岩手県宮城県福島県茨城県千葉県)を中心に大きな被害

特に津波によって6県(青森県岩手県宮城県福島県茨城県千葉県)を中心に総計 24万haに及ぶ範囲に被害が発生

(資料)「津波により流失や冠水等の被害を受けた農地の推定面積(平成23年3月)」

4東日本大震災の影響(農林水産関係の被害状況)

東日本大震災における農林水産関係の被害額(平成24年3月5日現在)は2兆4268億円

【資金調達の円滑化】 被災した農林漁業者等が資金を調達できるよう円滑な融資等を関係団体に依頼 農業共済掛金の払込期限等の延長共済金の早期支払いに向けて共済団体に指導

【排水設備の貸出】 農地等の湛水排除や応急的な取水に対応するため災害応急用ポンプを地方農政局土地

改良技術事務所から搬送し供用宮城県福島県栃木県の3県で延べ90台を供用

【手続きの簡素化】 救援活動等に最優先で取組めるよう農業者戸別所得補償制度の申請期限等を延長

【燃料用物資の供給】 東北森林管理局から大船渡市陸前高田市釜石市大槌町等へ薪ストーブ113台を提供 関係団体等の協力の下宮城県福島県へ木炭26t木炭コンロ1300個を供給

その他の応急対応

災害応急用ポンプによる排水作業(宮城県名取市)

福貴浦漁港における水産庁漁業取締船による救援物資の引き渡し(宮城県石巻市)

今回の震災では200社を超

える食品メーカー等の協力の下食料2584万食育児用調整粉乳53万缶飲料762万本を調達ピーク時には1日で約154万食分の食料を調達

水産庁の漁業取締船等の 計10隻が民間漁船と協力して 海上から物資(食料燃料日用 品医薬品)を輸送

被災地域への食料供給

工場の被災により供給不足となった配合飼料の供給確保を支援するため

①飼料関係団体に対し九州や北海道等からの配送(内航船運搬トラック輸送)の要請

②備蓄飼料穀物(35万トン)の無償無担保での貸付 等

を措置

被災した配合飼料工場とサイロ(岩手県釜石市)

被災地域の飼料不足への対応

4東日本大震災の影響(震災直後の応急の対応)

121

食用農水産 物の輸入

【12兆円】

94兆円

外食産業向け

06兆円 【01兆円】

食品製造業向け

58兆円 【07兆円】

最終消費向け

30兆円 【03兆円】

食品製造業

301兆円

最終製品の輸入 【39兆円】

一次加工品の輸入 【14兆円】

生鮮品等

209兆円 (285)

391兆円 (532)

135兆円 (184)

資料総務省他9府省庁「平成17年産業連関表」を基に農林水産省で試算 1【 】内の数値は輸入分の数値 2精穀(精米精麦等)と畜(各種肉類)及び冷凍魚介類は加工度が低いため最終消費においては「生鮮品等」として取り扱っている 3旅館ホテル病院等での食事は「外食」に計上せず使用された食材費を最終消費額としてそれぞれ「生鮮品等」及び「加工品」に計上している

外食産業

209兆円

食品小売業

(加工品) 391兆円

(生鮮品等) 135兆円

飲食料の 最終消費額 736兆円

食品産業

加工食品 卸売業

食用農水産物 106兆円

( 生産から消費に至る流れ )

卸売市場

食品産業(流通業食品製造業外食中食産業)は食用農水産物106兆円と輸入加工品52兆円を食材として

736兆円の食品市場を形成

1最終消費からみた飲食費の流れ(2005年)

飲食料の 最終消費額 795兆円

[2000年] 食用農水産物

118兆円 ( 生産から消費に至る流れ )

10

6兆円

Ⅱ 食品産業の位置付け現状

食品関連産業の国内生産額の推移

食品関連産業の国内生産額は約96兆円(2009年度)で全産業(876兆円)の約11であり我が国産業の最大のセクターの一つである近年は食料品価格の値下げ等により1990年代後半をピークに減少傾向

食品関連産業の就業者数は1061万人で全産業の就業者総数(6257万人)の約17 生産額及び就業者数でみた食品産業の位置づけ

2食品関連産業の地位

96兆円

消費者物価指数の推移 就業者数(2010年)

資料総務省「労働力調査」(2010年)

90

92

94

96

98

100

102

平成

2 3 4 5 6 7 8 9 10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

総合

食料

991

11

1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 資料総務省「消費者物価指数年報」 注1998年を100としている食料には酒類外食を含む

964

資料農林水産省「農業食料関連産業の経済計算」(2009年度)

生産額(2009年度)

0 20 40 60 80 100

農漁業 112兆円 (1)

食品関連 製造業

372兆円 (4)

飲食業 242兆円 (2)

食品関連 流通業

209兆円 (3)

関連投資 209兆円 (03)

食品関連産業 957兆円(11)

産業全体 8760兆円(100)

食品関連産業を除く産業全体 7804兆円 (89)

電気機械製造業

建設業 金融保険業 等

0 20 40 60 80 100

食品製造業 150万人 (2)

外食産業 329万人 (5)

食品流通業 338万人 (5)

農漁業 244万人 (4)

食品関連産業を除く産業全体 5196万人 (83)

食品関連産業 1061万人(17)

就業者総数(産業全体) 6257万人(100)

農林水産業 117兆円 (134)

鉱業 08兆円 (009)

製造業 2601兆円 (2971)

建設業 556兆円 (636)

電気ガス水道業 240兆円 (274)

卸売小売業 976兆円 (1115)

金融保険業 366兆円 (418)

不動産業 688兆円 (786)

運輸業 398兆円 (455)

情報通信業 465兆円 (531)

サービス業 1541兆円 (1760)

その他 798兆円 (911)

(参 考) 我が国の国内生産額(876兆円)に占める各産業の割合

農漁業 112兆円

(1175)

関連製造業 371兆円

(3879)

関連投資 23兆円

(239)

関連流通業 242兆円

(2527)

飲食店 209兆円

(2180)

資料 平成21年度 農林水産省大臣官房統計部「農業食料関連産業の経済計算」

資料 平成21年 内閣府「国民経済計算」

農業食料関連産業の国内生産額 957兆円(全産業の109)

12

333

317

601

616

67

66

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

食品産業仕向 683最終消費仕向

(06)

(64) (07)

食品製造業仕向 外食産業仕向

(30) (58)

(35)

国産農水産物の用途別仕向割合 食品製造業の加工原材料調達割合(国産輸入)

国産農水産物の23が食品産業仕向けとなっており食品産業は国産農水産物の最大の仕向け先であるまた食品 製造業が利用する原材料(農水産物加工品)のうち7割強が国産農水産物となっている

771

734

84

89

145

177

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

国産農水産物

(58)

(07) (12)

(07)

輸入農水産物

輸入一次加工品

(64)

(14)2005年 2005年

2000年 2000年

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

括弧内は調達額(兆円)

3食品産業の位置づけ①

13

括弧内は調達額(兆円)

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

地方と都市圏の食品製造業の製造品出荷額従業者数と全製造業に占める割合

食品産業は製造卸売小売外食産業のいずれも中小零細企業比率が98~99であり事業所の総数は90万をこえているそのうち食品製造業は地域経済において地場産業として大きなウエイト特に北海道鹿児島沖縄では製造品出荷額の約3割雇用の面では製造業の従事者の過半近くを占めるなど地域経済の安定に重要な役割

14

出所経済産業省「工業統計表」(平成21年) 注零細企業従業者数3人以下の事業所 中小企業従業者数299人以下の事業所 大企業300人以上の事業所

食品製造業の構造 資料経済産業省「工業統計表(4人以上の事業所)」(平成21年) 注1食品製造業は食料品製造業及び飲料たばこ飼料製造業(たばこ製造業飼料有機質肥料製造業を除く)の合計である 注2工業統計における製造品出荷額は一部個々の事業者の秘密が漏れるおそれから秘匿された数字があるため実態とズレがある可能性がある

3食品産業の位置づけ②

製造品出荷額 従業員数

金額(億円) 全製造業に占める

割合() 人数(人)

全製造業に占める 割合()

製造品出荷額の占める割合の高い都道府県

鹿児島 7562

(全国13位) 441

(全国1位) 29438

(全国14位) 413

(全国3位)

北海道 20390

(全国1位) 392

(全国2位) 86343

(全国1位) 488

(全国2位)

沖縄 1686

(全国39位) 308

(全国3位) 12434

(全国34位) 501

(全国1位)

三大 都市圏

東京 7467

(全国14位) 93

(全国28位) 35080

(全国12位) 108

(全国40位)

大阪 11377

(全国9位) 77

(全国33位) 49671

(全国8位) 102

(全国41位)

愛知 17271

(全国2位) 50

(全国44位) 71557

(全国2位) 89

(全国43位)

全国平均 105 全国平均 157

大企業

533

中小企業

34075

零細企業

17955 339

10

99が中小零細企業

650

全産業に占める外食業の割合が高い都道府県

全小売業に占める食品小売業の割合が高い都道府県

全卸売業に占める食品卸売業の割合が高い都道府県

割合 事業所数

①兵庫県 ②愛知県 ③大阪府 ④東京都 ⑤京都府

902 883 882 823 818

21540ヶ所 29627ヶ所 37768ヶ所 56850ヶ所 10528ヶ所

全国平均 703

割合 事業所数

①長崎県 ②鹿児島県 ③沖縄県 ④高知県 ⑤秋田県

398 397 385 380 380

6656ヶ所 7848ヶ所 5767ヶ所 3713ヶ所 4938ヶ所

全国平均 343

割合 事業所数

①高知県 ②和歌山県 ③長崎県 ④青森県 ⑤熊本県

353 351 350 348 322

680ヶ所 937ヶ所

1296ヶ所 1222ヶ所 1342ヶ所

全国平均 227

15

01

999

大企業 355ヶ所

中小企業 415356ヶ所

大企業 9003ヶ所

中小企業 380829ヶ所

2

98

大企業 597ヶ所

中小企業 75461ヶ所

1

99

食品小売業の構造 食品卸売業の構造 外食業の構造

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用 中小企業従業者数49人以下の事業所 大企業従業者数50人以上の事業所

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用

3食品産業の位置づけ③

食品製造業は安定的に利益をあげているものの収益率は低く過当競争状態にあると言われている 法人企業統計調査によれば売上高経常利益率はやや横ばいで推移しているものの自己資本比率はリーマンショック

前の2007年度の水準まで回復していない

16

4食品製造業の業種別構造①

日刊経済通信社の分類による企業数等の状況

資料日刊経済通信社調査部編「平成19年度 酒類食品産業の生産販売シェア」 (注)製パンは8社食用植物油脂は5社のシェアの数値

分類 市場規模(上位10社計) 上位10社の生産販売シェア 企業数

しょうゆ 603660(キロリットル) 635 (出荷量) 1600

冷凍食品 7701(億円) 669 (販売額) 880

即席めん類 4960(億円) 965 (販売額) 58

製パン 7076(億円) 813 (販売高) -

食肉加工品 432500(トン) 806 (販売量) 165

チョコレート 2546(億円) 834 (生産額) -

小麦粉 4083000(トン) 837 (販売量) 100

食用植物油脂 2245700(トン) 856 (販売量) -

資料法人企業統計調査(財務省)

() ()

売上高経常利益率の推移 自己資本比率の推移

-2

0

2

4

6

8

10

12

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

30

35

40

45

50

55

60

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

資料法人企業統計調査(財務省)

食品のカテゴリーの公的な分類の一つに工業統計表があり食品関係では2桁分類が24桁分類が496桁分類が 116公正取引委員会の生産出荷集中度調査はこの工業統計表の6桁分類を参考に区分しており細かい分類であるため集中度が高くなる傾向にある

他方食品市場全体でみると諸外国と比べ上位企業の寡占度が低いというデータもある

工業統計表における産業分類

資料経済産業省「工業統計表」 注)2桁の「飲料たばこ飼料」は4桁分類においてこの他に 「たばこ」「飼料有機質肥料」を含むがこの表では含めない 17

4食品産業の業種別構造(食品製造業②)

2桁 4桁 6桁

食料品 部分肉冷凍肉 部分肉冷凍肉

肉加工品 肉缶詰瓶詰つぼ詰

処理牛乳乳飲料 処理牛乳

水産缶詰瓶詰 まぐろ缶詰

海藻加工 寒天

水産練製品 魚肉ハムソーセージ

野菜缶詰果実缶詰 農産保存食料品

野菜缶詰

野菜漬物 野菜漬物

味そ 味そ

しょう油食用アミノ酸 しょう油食用アミノ酸

ソース ウスター中濃濃厚ソース

砂糖製造 粗糖

砂糖精製 精製糖

ぶどう糖水あめ異性化糖 ぶどう糖

精米精麦 精米

小麦粉 小麦粉

その他の精穀製粉 こんにゃく粉

パン 食パン

生菓子 洋生菓子

ビスケット類干菓子 ビスケット類干菓子

動植物油脂 大豆油

食用油脂 ショートニング油

でんぷん でんぷん

めん類 即席めん類

豆腐油揚 豆腐しみ豆腐油揚げ類

飲料たばこ飼料

清涼飲料 炭酸飲料

果実酒 果実酒

ビール類 ビール

清酒 清酒

製茶 荒茶緑茶

コーヒー コーヒー

製氷 人造氷

2 49 116

30

20

10

()

米国

英国

フランス

ドイツ

日本

加工食品市場における上位10社の寡占度 (2008年)

資料平成22年5月16日付日本経済新聞朝刊より抜粋

(注)ユーロモニターのデータをもとにボストンコンサルティンググループが分析

32

26

16

公正取引委員会の生産出荷集中度調査における区分(食品関連品目80品目)のうち「競争を実質的に制限することとなるおそれが小さい」とされる基準()を超えている品目の一覧

マヨネーズドレッシング類

ルウ類

カレールウ

シチュールウ

シチューミクスを除くシチュールウ

チューインガム

スポーツドリンク

ビール

発泡酒

ウイスキー

ビール風酒類

インスタントコーヒー

(注) 工業統計表の6桁分類を参考に公正取引委員会にて区分したもの () 「企業結合ガイドライン」が「競争を実質的に制限することとなるおそ

れが小さい場合」として挙げている ① 企業結合後のHHIが2500以下 ② 企業結合後の当事会社グループの市場シェアが35以下のう

ち①を基に「HHIが2500以下かどうか」を今回基準として設定 資料公正取引委員会「平成1920年生産出荷集中度調査」

構造改革のメリット ― 利益ある成長へ ① 国内事業の競争緩和② 商品開発力の向上 ③ 価格交渉力の向上④ 収益性の向上 ⑤ 国内基盤の安定リスク分散⑥原料調達力の向上

(10817)(11863)(11701)(13505)(14303)

(3320) (5202) (5990) (6622) (7048)

158516751668167018881804

178651848517691187071762316096

43684427384177039628

3663128226

495316

275573

323087344343

380752384899

449190

338707

385985405472

440757441041

0

20000

40000

60000

80000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

0

100000

200000

300000

400000

500000

卸売業

18

食品卸売業

外側商品販売額

内側事業所数

23

4253739952

43653

38300 39485 37844

53687

4748550723

45295 45054

38214

349514257840256

5028451416

56954

406984381244017

494474643247381

0

20000

40000

60000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

30000

50000

70000

90000

(事業所数)

食品卸売業事業所数(カ所)商品販売額(10億円)の推移

業全体に占める食品関連事業者の割合は卸売業では約2割小売業では約3割となっている 食品卸小売業については近年事業所数商品販売額とも減少傾向で推移特に食品小売業についてはコンビニエン

スストアは増加傾向にあるものの中小規模の食料品スーパーや食料品専門店中心店においては減少傾向で推移

資料経済産業省「商業統計表」

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

食料品スーパー取扱商品販売額のうち食料品が70以上食料品専門店取扱商品販売額のうち食料品が90以上食料品中心店取扱商品販売額のうち食料品が50以上

農畜産物水産物卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 米麦雑穀豆類野菜食肉生鮮魚介等の卸売業 食料飲料卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 味噌醤油乾物菓子類飲料茶類等の卸売業

食品小売業事業所数の推移

業全体に占める割合()

(5850)(6509)(6360)(7957)(8906)

(5862) (8791) (9544) (10538) (11257)9336 9957

8850 8515 84067447

13198 14768

1674815904

17047 17106

40115223

6135 6714 69227007

19881 16578

1588714187

1338712608

441684576245320

476204652646426

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

25000

30000

35000

40000

45000

50000

【事業所数】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

【商品販売額】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

食品小売業商品販売額の推移(10億円)

合計(右目盛)

総合スーパー(左目盛)

コンビニエンスストア(左目盛)

食料品専門店 中心店(左図右目盛 右図左目盛)

食料品スーパー(左目盛) 大規模 中小規模

注従業員数50人未満を中小規模 50人以上を大規模とした

(商品販売額)

〈食飲卸事業所数〉

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

〈農水卸事業所数〉

〈食飲卸商品販売額〉

〈農水卸商品販売額〉

(1) 食品卸小売業

18

小売業

18

2 4

24 5

9

総合スーパー食料品スーパー

コンビニエンスストア

食料品専門店中心店

外側商品販売額

内側事業所数

【食品小売業】

注平成19年のデータを利用

【食品卸売業】

卸 売 業123 億円 食 品 卸 売 業100 億円

小 売 業12 億円 食料品専門店中心店05 億円

(一事業所当たり商品販売金額) (一事業所当たり商品販売金額)

4食品産業の業種別構造(食品流通業)

1990 1997 1999 2002 2004 2007

1990 1997 1999 2002 2004 2007 1990 1997 1999 2002 2004 2007

卸売市場は野菜果物魚肉など日々の食卓に欠かすことのできない生鮮食料品等を国民に円滑かつ安定的に供給するための基幹的なインフラとして多種大量の物品の効率的かつ継続的な集分荷公正で透明性の高い価格形成など重要な機能を有している

青果水産物の6割程度が卸売市場を経由している(国産青果物では約9割)加工品や輸入品など卸売市場を経由することが少ない物品の流通割合が増加していること等により市場経由率は低下傾向にあったがここ数年は横ばいで推移している

生鮮食料品等の主要な流通経路

卸売市場の数取扱金額市場関係業者数

卸売市場経由率の推移(推計)

(2)卸売市場

区分 市場数

取扱金額 (億円)

卸売業 者数

仲卸業 者数

売買参 加者数

中央卸売市場 74 41208 210 4305 35828

うち青 果 60 19102 85 1629 16111

水産物 46 18275 78 2472 6210

食 肉 10 2158 10 80 1833

花 き 22 1402 28 102 11067

その他 7 271 9 22 607

地方卸売市場 1185 31953 1384 2053 132938

資料農林水産省食料産業局食品製造卸売課調べ 注(中央) 市場数卸売業者数22年度末他の業者数21年度末取扱金額21年度(H21年10月1日 に地方卸売市場へ転換した市場についてはH21年9月までの取扱金額を含めている) なおH23年4月現在の市場数は全体で72となっている

(地方)市場数業者数21年度当初取扱金額20年度

資料農林水産省「食料需給表」「青果物卸売市場調査報告」等により推計 注卸売市場経由率は国内で流通した加工品を含む国産及び輸入の青果水産物等のうち卸売市場(水産物に ついてはいわゆる産地市場の取扱量は除く)を経由したものの数量割合(花きについては金額割合)の推計値 なお国産青果物の卸売市場経由率は約9割となっている

中央卸売市場 地方卸売市場

特徴

公正かつ効率的な流通の確保を目的とした広域的な生鮮食料品等流通の中核的な拠点

都道府県や一定規模以上の都市が開設者となって厳格な取引規制の下指標となる価格形成等重要な機能を果たしている

地域における生鮮食料品等の集配拠点

開設者の主体に制限はなく法律上の規制も緩やかとなっており地域の実情に応じた運営がなされている

機能

① 集荷(品揃え)分荷機能全国各地から多種大量の物品を集荷するとともに実需者の ニーズに応じて迅速かつ効率的に必要な品目量へと分荷 ② 価格形成機能需給を反映した公正で透明性の高い価格形成 ③ 代金決済機能販売代金の出荷者への迅速確実な決済 ④ 情報受発信機能需給に係る情報を収集し川上川下にそれぞれ伝達

卸売市場の種類と主要な機能

商社 輸入

消費者

直売所青空市場宅配など

産地直接取引など

出荷者(農協個人等)

卸売業者

仲卸業者

売買参加者

卸売市場 製造業者小売業者外食業者等

(年度)

827

630

853

738

780

457

746

584

830 840

235

98

00

100

200

300

400

500

600

20

40

60

80

H元 H5 H10 H15 H18 H19 H20

(単位)

青果

(野菜)

(果実)

水産物

花き

食肉

(食肉)

19

500万円未満

62

500万~

1千万円

14

1千~

3千万円

21

3千~5千万円

2

5千万円以上

71601社

単身世帯の増加女性の雇用者の増加等社会情勢の変化の中で食に関して簡便化志向の高まりや外部化が進行 外食産業は個人経営が総店舗数の5分の3を占め法人形態であっても資本金1千万円未満のものが4分の3を占め

るなど中小零細な事業者が多い従業員についても約290万人の大きな雇用機会を創出しているものの常勤雇用者に占めるパートアルバイトの割合が高い

710

381

290

619

0

20

40

60

80

100

飲食店 小売卸売業

法人

個人

資料平成21年経済センサス

外食産業における法人の資本別割合(2009年)

事業所数 (千ケ所) 673

従業員数 (千人) 4421

常勤雇用者に占める正社員正職員以外の割合(2009年)

製造業 207

卸小売業 458

宿泊業飲食サービス業 733

飲食店 769

ハンバーガー店 946

資料平成21年経済センサス

資料(財)食の安全安心財団附属機関 外食産業総合調査研究センターによる推計

20

4食品産業の業種別構造(外食産業)

資料平成21年経済センサス

資料平成21年経済センサス

外食率 = 外 食 産 業 市 場 規 模

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

食の外部化率 = 外食産業市場規模 + 料理品小売業

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

278

318

335 349

358 366

369 377

378

375

373

367

365

375

378 366

356

356

358

355

354

352

360

366

368

366

359

362

284

334

354

370 381

393 398 412

415

413

412

406 406 419

425

422

419

421

428

428

430

428

441 450

452

449

443

449

25

30

35

40

45

50

外食率

食の外部化率

外食率食の外部化率の推移

事業所数従業員数(2009年)

外食産業(飲食店)の経営組織別事業所数の比率(2009年)

4食品産業の業種別構造(関連産業) 食品製造業は物流のほか製造用機械容器など食品の製造に必要な資材等を提供する裾野産業に支えられている

従前より食品産業全体については高い物流コストや過剰包装等が問題

食品機械の輸出入実績推移

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

(製造品出荷額等)

百万円

(輸出入額)

百万円

輸出 輸入 製造品出荷額等

売上高物流コスト比率(業種小分類別)

21

(資料財団法人日本包装技術協会)

資料社団法人日本食品機械工業会 物流コスト削減策

注回答企業数196社 資料2009年度物流コスト調査報告書(社団法人日本ロジステックスシステム協会)

製造業

食品(要冷)

石鹸洗剤塗料

食品(常温)

繊維

化粧品

電気製品

医薬品

卸売業

卸売業(繊維衣料品系)

卸売業(日用雑貨系)

卸売業(食品飲料系)

その他卸売業

卸売業(機器系)

卸売業(総合商社)

小売業

小売業(通販)

小売業(生協)

小売業(コンビニエンスストア)

その他小売業

その他

建設

000 200 400 600 800 1000 1200 1400

在庫削減SCM

在庫削減

アイテム数の整理

物流システムネットワークの見直し

物流拠点の見直し(廃止統合新設)

直送化

輸配送の共同化

商品設計包装の見直し

包装容器の再使用通い箱の利用等

包装の簡素化変更

物流オペレーションの改善保管仕分け等

保管の効率化

物流オペレーションの改善輸配送

積載率の向上(混載化帰り便の利用等)

輸配送経路の見直し

105 58

101 77

62

61 60

88

95 75

0 50 100 150 (数)

()

アジア地域の実質経済成長率は今後5を超える高水準で推移する見通しであり特に中国とインドは8~9台の高水準で伸びる見通し高成長を支え今後の市場規模に大きな影響を与える中高所得者層(世帯可処分所得5000ドル以上)の人口は今後10年で現在の2倍程度に増加する見通し

製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況

5海外市場への展開

加速する我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

資料「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

2位 東南アジア(341)

4位 タイ (295)

3位 台湾 (318)

1位 中国 (659)

海外出店を積極化する又は今後進出を予定して いる企業の出店先は中国がトップ(複数回答あり)

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

2009年度(233千法人)

全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

食品製造業

国内法人数に対する現地法人数の割合

11

その他の製造業 32

資料「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省 資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」 東洋経済新報社

世帯可処分所得5000ドル以上の人口の推移

出所NIRA研究報告書(所得別の家計比率はEuromonitor International World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した 2008 年までの人口はIMF International Financial Statistics2010 年以降はUN WorldPopulation Prospects を参照)

35億人

1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

見通し(NIRA推計)

+10億人 2倍増

アジア太平洋主要国別の経済成長見通し

22

30 25

20 15 10 5

0

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

全製造業に占める食品 製造業の法人数の割合

国内法人数に対する 現地法人数の割合

資料「工業統計表(2009年企業統計編)」経済産業省

資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」東洋経済新報社

35

12

0 1 2 3 4 0 100 200 300

2009年度(212千法人)

849

151

食品製造業 =約32千法人

その他の製造業 =約180千法人

(千法人)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国

インド

ベトナム

インドネシア

マレーシア

出典World Economic Outlook 2011年9月版(IMF)

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

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  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 8: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

WTO農業交渉のこれまでの経緯

3市場のグローバル化(WTO農業交渉)

経済連携協定の提携等により市場のグローバル化が進んでいる

発効(10月)

(注1)ASEAN全体とのEPAは2008年12月に日本とシンガポールラオスベトナム及びミャンマー2009年1月にブルネイ同2月にマレーシア同6月にタイ同12月

にカンボジア2010年7月にフィリピンとの間で発効未発効国はインドネシアのみ (注2)韓国とは2004年11月以降交渉が中断2008年6月に「日韓経済連携協定締結交渉再開に向けた検討及び環境醸成のための実務協議」を開催し現在までに5回開催 (注3)GCC(湾岸協力理事会)加盟国バーレーンクウェートオマーンカタールサウジアラビアアラブ首長国連邦

締結

署名

交渉完了

交渉中

発効(9月)

2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年

ASEAN全体(注1)

ブルネイ

フィリピン

ベトナム スイス

インドネシア タイ チリ マレーシア メキシコ シンガポール

韓国(注2) GCC(注3)

インド

豪州

交渉(11月~)

交渉(1月~)

交渉(2月~)

交渉(2月~)

交渉(7月~)

交渉(6月~)

見直し交渉 (4月~)

交渉(4月~)

交渉(2月~)

交渉(5月~)

交渉(12月~)

交渉(9月~)

交渉(1月~)

交渉(4月~)

署名 (3月)

署名 (9月)

署名 (12月)

署名 (3月) 署名 (4月)

署名(8月)

署名(6月)

署名完了 (4月)

署名(9月)

署名 (2月)

発効(9月)

発効(9月)

発効(4月)

発効(11月) 署名(1月)

発効(7月)

発効(11月)

発効(7月)

発効(7月)

発効(12月)

発効(12月)

交渉(1月~) 署名 (12月)

2010年

我が国はアジアを中心に13の国や地域とEPAを締結署名交渉完了また韓国GCC豪州と交渉中

ペルー 交渉(5月~)

2011年

署名(2月)

交渉完了(11月)

再協議(9月~) 実質合意 (2月)

3市場のグローバル化(我が国のEPAFTAの進捗状況)

水産業関係被害 農林業関係被害

被害額合計1兆2637 億円

漁船(28612隻) 1822億円

漁港施設(319漁港) 8230億円

養殖関係 (内 養殖施設) (内 養殖物)

1335億円 (738億円) (597億円)

共同利用施設(1725施設) 1249億円

被害額合計1兆1631億円

農地(18174箇所) 4006億円

農業用施設等(17502箇所) (水路揚水機集落排水施設等)

4835億円

農作物家畜等 142億円

農業畜産関係施設等 (農業倉庫ハウス畜舎堆肥舎等)

493億円

林野関係 (林地荒廃治山施設林道施設木材加工流通施設等)

2155億円

全国の漁業生産量の5割を占める7道県(北海道青森県岩手県宮城県福島県茨城県千葉県)を中心に大きな被害

特に津波によって6県(青森県岩手県宮城県福島県茨城県千葉県)を中心に総計 24万haに及ぶ範囲に被害が発生

(資料)「津波により流失や冠水等の被害を受けた農地の推定面積(平成23年3月)」

4東日本大震災の影響(農林水産関係の被害状況)

東日本大震災における農林水産関係の被害額(平成24年3月5日現在)は2兆4268億円

【資金調達の円滑化】 被災した農林漁業者等が資金を調達できるよう円滑な融資等を関係団体に依頼 農業共済掛金の払込期限等の延長共済金の早期支払いに向けて共済団体に指導

【排水設備の貸出】 農地等の湛水排除や応急的な取水に対応するため災害応急用ポンプを地方農政局土地

改良技術事務所から搬送し供用宮城県福島県栃木県の3県で延べ90台を供用

【手続きの簡素化】 救援活動等に最優先で取組めるよう農業者戸別所得補償制度の申請期限等を延長

【燃料用物資の供給】 東北森林管理局から大船渡市陸前高田市釜石市大槌町等へ薪ストーブ113台を提供 関係団体等の協力の下宮城県福島県へ木炭26t木炭コンロ1300個を供給

その他の応急対応

災害応急用ポンプによる排水作業(宮城県名取市)

福貴浦漁港における水産庁漁業取締船による救援物資の引き渡し(宮城県石巻市)

今回の震災では200社を超

える食品メーカー等の協力の下食料2584万食育児用調整粉乳53万缶飲料762万本を調達ピーク時には1日で約154万食分の食料を調達

水産庁の漁業取締船等の 計10隻が民間漁船と協力して 海上から物資(食料燃料日用 品医薬品)を輸送

被災地域への食料供給

工場の被災により供給不足となった配合飼料の供給確保を支援するため

①飼料関係団体に対し九州や北海道等からの配送(内航船運搬トラック輸送)の要請

②備蓄飼料穀物(35万トン)の無償無担保での貸付 等

を措置

被災した配合飼料工場とサイロ(岩手県釜石市)

被災地域の飼料不足への対応

4東日本大震災の影響(震災直後の応急の対応)

121

食用農水産 物の輸入

【12兆円】

94兆円

外食産業向け

06兆円 【01兆円】

食品製造業向け

58兆円 【07兆円】

最終消費向け

30兆円 【03兆円】

食品製造業

301兆円

最終製品の輸入 【39兆円】

一次加工品の輸入 【14兆円】

生鮮品等

209兆円 (285)

391兆円 (532)

135兆円 (184)

資料総務省他9府省庁「平成17年産業連関表」を基に農林水産省で試算 1【 】内の数値は輸入分の数値 2精穀(精米精麦等)と畜(各種肉類)及び冷凍魚介類は加工度が低いため最終消費においては「生鮮品等」として取り扱っている 3旅館ホテル病院等での食事は「外食」に計上せず使用された食材費を最終消費額としてそれぞれ「生鮮品等」及び「加工品」に計上している

外食産業

209兆円

食品小売業

(加工品) 391兆円

(生鮮品等) 135兆円

飲食料の 最終消費額 736兆円

食品産業

加工食品 卸売業

食用農水産物 106兆円

( 生産から消費に至る流れ )

卸売市場

食品産業(流通業食品製造業外食中食産業)は食用農水産物106兆円と輸入加工品52兆円を食材として

736兆円の食品市場を形成

1最終消費からみた飲食費の流れ(2005年)

飲食料の 最終消費額 795兆円

[2000年] 食用農水産物

118兆円 ( 生産から消費に至る流れ )

10

6兆円

Ⅱ 食品産業の位置付け現状

食品関連産業の国内生産額の推移

食品関連産業の国内生産額は約96兆円(2009年度)で全産業(876兆円)の約11であり我が国産業の最大のセクターの一つである近年は食料品価格の値下げ等により1990年代後半をピークに減少傾向

食品関連産業の就業者数は1061万人で全産業の就業者総数(6257万人)の約17 生産額及び就業者数でみた食品産業の位置づけ

2食品関連産業の地位

96兆円

消費者物価指数の推移 就業者数(2010年)

資料総務省「労働力調査」(2010年)

90

92

94

96

98

100

102

平成

2 3 4 5 6 7 8 9 10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

総合

食料

991

11

1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 資料総務省「消費者物価指数年報」 注1998年を100としている食料には酒類外食を含む

964

資料農林水産省「農業食料関連産業の経済計算」(2009年度)

生産額(2009年度)

0 20 40 60 80 100

農漁業 112兆円 (1)

食品関連 製造業

372兆円 (4)

飲食業 242兆円 (2)

食品関連 流通業

209兆円 (3)

関連投資 209兆円 (03)

食品関連産業 957兆円(11)

産業全体 8760兆円(100)

食品関連産業を除く産業全体 7804兆円 (89)

電気機械製造業

建設業 金融保険業 等

0 20 40 60 80 100

食品製造業 150万人 (2)

外食産業 329万人 (5)

食品流通業 338万人 (5)

農漁業 244万人 (4)

食品関連産業を除く産業全体 5196万人 (83)

食品関連産業 1061万人(17)

就業者総数(産業全体) 6257万人(100)

農林水産業 117兆円 (134)

鉱業 08兆円 (009)

製造業 2601兆円 (2971)

建設業 556兆円 (636)

電気ガス水道業 240兆円 (274)

卸売小売業 976兆円 (1115)

金融保険業 366兆円 (418)

不動産業 688兆円 (786)

運輸業 398兆円 (455)

情報通信業 465兆円 (531)

サービス業 1541兆円 (1760)

その他 798兆円 (911)

(参 考) 我が国の国内生産額(876兆円)に占める各産業の割合

農漁業 112兆円

(1175)

関連製造業 371兆円

(3879)

関連投資 23兆円

(239)

関連流通業 242兆円

(2527)

飲食店 209兆円

(2180)

資料 平成21年度 農林水産省大臣官房統計部「農業食料関連産業の経済計算」

資料 平成21年 内閣府「国民経済計算」

農業食料関連産業の国内生産額 957兆円(全産業の109)

12

333

317

601

616

67

66

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

食品産業仕向 683最終消費仕向

(06)

(64) (07)

食品製造業仕向 外食産業仕向

(30) (58)

(35)

国産農水産物の用途別仕向割合 食品製造業の加工原材料調達割合(国産輸入)

国産農水産物の23が食品産業仕向けとなっており食品産業は国産農水産物の最大の仕向け先であるまた食品 製造業が利用する原材料(農水産物加工品)のうち7割強が国産農水産物となっている

771

734

84

89

145

177

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

国産農水産物

(58)

(07) (12)

(07)

輸入農水産物

輸入一次加工品

(64)

(14)2005年 2005年

2000年 2000年

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

括弧内は調達額(兆円)

3食品産業の位置づけ①

13

括弧内は調達額(兆円)

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

地方と都市圏の食品製造業の製造品出荷額従業者数と全製造業に占める割合

食品産業は製造卸売小売外食産業のいずれも中小零細企業比率が98~99であり事業所の総数は90万をこえているそのうち食品製造業は地域経済において地場産業として大きなウエイト特に北海道鹿児島沖縄では製造品出荷額の約3割雇用の面では製造業の従事者の過半近くを占めるなど地域経済の安定に重要な役割

14

出所経済産業省「工業統計表」(平成21年) 注零細企業従業者数3人以下の事業所 中小企業従業者数299人以下の事業所 大企業300人以上の事業所

食品製造業の構造 資料経済産業省「工業統計表(4人以上の事業所)」(平成21年) 注1食品製造業は食料品製造業及び飲料たばこ飼料製造業(たばこ製造業飼料有機質肥料製造業を除く)の合計である 注2工業統計における製造品出荷額は一部個々の事業者の秘密が漏れるおそれから秘匿された数字があるため実態とズレがある可能性がある

3食品産業の位置づけ②

製造品出荷額 従業員数

金額(億円) 全製造業に占める

割合() 人数(人)

全製造業に占める 割合()

製造品出荷額の占める割合の高い都道府県

鹿児島 7562

(全国13位) 441

(全国1位) 29438

(全国14位) 413

(全国3位)

北海道 20390

(全国1位) 392

(全国2位) 86343

(全国1位) 488

(全国2位)

沖縄 1686

(全国39位) 308

(全国3位) 12434

(全国34位) 501

(全国1位)

三大 都市圏

東京 7467

(全国14位) 93

(全国28位) 35080

(全国12位) 108

(全国40位)

大阪 11377

(全国9位) 77

(全国33位) 49671

(全国8位) 102

(全国41位)

愛知 17271

(全国2位) 50

(全国44位) 71557

(全国2位) 89

(全国43位)

全国平均 105 全国平均 157

大企業

533

中小企業

34075

零細企業

17955 339

10

99が中小零細企業

650

全産業に占める外食業の割合が高い都道府県

全小売業に占める食品小売業の割合が高い都道府県

全卸売業に占める食品卸売業の割合が高い都道府県

割合 事業所数

①兵庫県 ②愛知県 ③大阪府 ④東京都 ⑤京都府

902 883 882 823 818

21540ヶ所 29627ヶ所 37768ヶ所 56850ヶ所 10528ヶ所

全国平均 703

割合 事業所数

①長崎県 ②鹿児島県 ③沖縄県 ④高知県 ⑤秋田県

398 397 385 380 380

6656ヶ所 7848ヶ所 5767ヶ所 3713ヶ所 4938ヶ所

全国平均 343

割合 事業所数

①高知県 ②和歌山県 ③長崎県 ④青森県 ⑤熊本県

353 351 350 348 322

680ヶ所 937ヶ所

1296ヶ所 1222ヶ所 1342ヶ所

全国平均 227

15

01

999

大企業 355ヶ所

中小企業 415356ヶ所

大企業 9003ヶ所

中小企業 380829ヶ所

2

98

大企業 597ヶ所

中小企業 75461ヶ所

1

99

食品小売業の構造 食品卸売業の構造 外食業の構造

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用 中小企業従業者数49人以下の事業所 大企業従業者数50人以上の事業所

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用

3食品産業の位置づけ③

食品製造業は安定的に利益をあげているものの収益率は低く過当競争状態にあると言われている 法人企業統計調査によれば売上高経常利益率はやや横ばいで推移しているものの自己資本比率はリーマンショック

前の2007年度の水準まで回復していない

16

4食品製造業の業種別構造①

日刊経済通信社の分類による企業数等の状況

資料日刊経済通信社調査部編「平成19年度 酒類食品産業の生産販売シェア」 (注)製パンは8社食用植物油脂は5社のシェアの数値

分類 市場規模(上位10社計) 上位10社の生産販売シェア 企業数

しょうゆ 603660(キロリットル) 635 (出荷量) 1600

冷凍食品 7701(億円) 669 (販売額) 880

即席めん類 4960(億円) 965 (販売額) 58

製パン 7076(億円) 813 (販売高) -

食肉加工品 432500(トン) 806 (販売量) 165

チョコレート 2546(億円) 834 (生産額) -

小麦粉 4083000(トン) 837 (販売量) 100

食用植物油脂 2245700(トン) 856 (販売量) -

資料法人企業統計調査(財務省)

() ()

売上高経常利益率の推移 自己資本比率の推移

-2

0

2

4

6

8

10

12

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

30

35

40

45

50

55

60

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

資料法人企業統計調査(財務省)

食品のカテゴリーの公的な分類の一つに工業統計表があり食品関係では2桁分類が24桁分類が496桁分類が 116公正取引委員会の生産出荷集中度調査はこの工業統計表の6桁分類を参考に区分しており細かい分類であるため集中度が高くなる傾向にある

他方食品市場全体でみると諸外国と比べ上位企業の寡占度が低いというデータもある

工業統計表における産業分類

資料経済産業省「工業統計表」 注)2桁の「飲料たばこ飼料」は4桁分類においてこの他に 「たばこ」「飼料有機質肥料」を含むがこの表では含めない 17

4食品産業の業種別構造(食品製造業②)

2桁 4桁 6桁

食料品 部分肉冷凍肉 部分肉冷凍肉

肉加工品 肉缶詰瓶詰つぼ詰

処理牛乳乳飲料 処理牛乳

水産缶詰瓶詰 まぐろ缶詰

海藻加工 寒天

水産練製品 魚肉ハムソーセージ

野菜缶詰果実缶詰 農産保存食料品

野菜缶詰

野菜漬物 野菜漬物

味そ 味そ

しょう油食用アミノ酸 しょう油食用アミノ酸

ソース ウスター中濃濃厚ソース

砂糖製造 粗糖

砂糖精製 精製糖

ぶどう糖水あめ異性化糖 ぶどう糖

精米精麦 精米

小麦粉 小麦粉

その他の精穀製粉 こんにゃく粉

パン 食パン

生菓子 洋生菓子

ビスケット類干菓子 ビスケット類干菓子

動植物油脂 大豆油

食用油脂 ショートニング油

でんぷん でんぷん

めん類 即席めん類

豆腐油揚 豆腐しみ豆腐油揚げ類

飲料たばこ飼料

清涼飲料 炭酸飲料

果実酒 果実酒

ビール類 ビール

清酒 清酒

製茶 荒茶緑茶

コーヒー コーヒー

製氷 人造氷

2 49 116

30

20

10

()

米国

英国

フランス

ドイツ

日本

加工食品市場における上位10社の寡占度 (2008年)

資料平成22年5月16日付日本経済新聞朝刊より抜粋

(注)ユーロモニターのデータをもとにボストンコンサルティンググループが分析

32

26

16

公正取引委員会の生産出荷集中度調査における区分(食品関連品目80品目)のうち「競争を実質的に制限することとなるおそれが小さい」とされる基準()を超えている品目の一覧

マヨネーズドレッシング類

ルウ類

カレールウ

シチュールウ

シチューミクスを除くシチュールウ

チューインガム

スポーツドリンク

ビール

発泡酒

ウイスキー

ビール風酒類

インスタントコーヒー

(注) 工業統計表の6桁分類を参考に公正取引委員会にて区分したもの () 「企業結合ガイドライン」が「競争を実質的に制限することとなるおそ

れが小さい場合」として挙げている ① 企業結合後のHHIが2500以下 ② 企業結合後の当事会社グループの市場シェアが35以下のう

ち①を基に「HHIが2500以下かどうか」を今回基準として設定 資料公正取引委員会「平成1920年生産出荷集中度調査」

構造改革のメリット ― 利益ある成長へ ① 国内事業の競争緩和② 商品開発力の向上 ③ 価格交渉力の向上④ 収益性の向上 ⑤ 国内基盤の安定リスク分散⑥原料調達力の向上

(10817)(11863)(11701)(13505)(14303)

(3320) (5202) (5990) (6622) (7048)

158516751668167018881804

178651848517691187071762316096

43684427384177039628

3663128226

495316

275573

323087344343

380752384899

449190

338707

385985405472

440757441041

0

20000

40000

60000

80000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

0

100000

200000

300000

400000

500000

卸売業

18

食品卸売業

外側商品販売額

内側事業所数

23

4253739952

43653

38300 39485 37844

53687

4748550723

45295 45054

38214

349514257840256

5028451416

56954

406984381244017

494474643247381

0

20000

40000

60000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

30000

50000

70000

90000

(事業所数)

食品卸売業事業所数(カ所)商品販売額(10億円)の推移

業全体に占める食品関連事業者の割合は卸売業では約2割小売業では約3割となっている 食品卸小売業については近年事業所数商品販売額とも減少傾向で推移特に食品小売業についてはコンビニエン

スストアは増加傾向にあるものの中小規模の食料品スーパーや食料品専門店中心店においては減少傾向で推移

資料経済産業省「商業統計表」

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

食料品スーパー取扱商品販売額のうち食料品が70以上食料品専門店取扱商品販売額のうち食料品が90以上食料品中心店取扱商品販売額のうち食料品が50以上

農畜産物水産物卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 米麦雑穀豆類野菜食肉生鮮魚介等の卸売業 食料飲料卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 味噌醤油乾物菓子類飲料茶類等の卸売業

食品小売業事業所数の推移

業全体に占める割合()

(5850)(6509)(6360)(7957)(8906)

(5862) (8791) (9544) (10538) (11257)9336 9957

8850 8515 84067447

13198 14768

1674815904

17047 17106

40115223

6135 6714 69227007

19881 16578

1588714187

1338712608

441684576245320

476204652646426

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

25000

30000

35000

40000

45000

50000

【事業所数】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

【商品販売額】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

食品小売業商品販売額の推移(10億円)

合計(右目盛)

総合スーパー(左目盛)

コンビニエンスストア(左目盛)

食料品専門店 中心店(左図右目盛 右図左目盛)

食料品スーパー(左目盛) 大規模 中小規模

注従業員数50人未満を中小規模 50人以上を大規模とした

(商品販売額)

〈食飲卸事業所数〉

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

〈農水卸事業所数〉

〈食飲卸商品販売額〉

〈農水卸商品販売額〉

(1) 食品卸小売業

18

小売業

18

2 4

24 5

9

総合スーパー食料品スーパー

コンビニエンスストア

食料品専門店中心店

外側商品販売額

内側事業所数

【食品小売業】

注平成19年のデータを利用

【食品卸売業】

卸 売 業123 億円 食 品 卸 売 業100 億円

小 売 業12 億円 食料品専門店中心店05 億円

(一事業所当たり商品販売金額) (一事業所当たり商品販売金額)

4食品産業の業種別構造(食品流通業)

1990 1997 1999 2002 2004 2007

1990 1997 1999 2002 2004 2007 1990 1997 1999 2002 2004 2007

卸売市場は野菜果物魚肉など日々の食卓に欠かすことのできない生鮮食料品等を国民に円滑かつ安定的に供給するための基幹的なインフラとして多種大量の物品の効率的かつ継続的な集分荷公正で透明性の高い価格形成など重要な機能を有している

青果水産物の6割程度が卸売市場を経由している(国産青果物では約9割)加工品や輸入品など卸売市場を経由することが少ない物品の流通割合が増加していること等により市場経由率は低下傾向にあったがここ数年は横ばいで推移している

生鮮食料品等の主要な流通経路

卸売市場の数取扱金額市場関係業者数

卸売市場経由率の推移(推計)

(2)卸売市場

区分 市場数

取扱金額 (億円)

卸売業 者数

仲卸業 者数

売買参 加者数

中央卸売市場 74 41208 210 4305 35828

うち青 果 60 19102 85 1629 16111

水産物 46 18275 78 2472 6210

食 肉 10 2158 10 80 1833

花 き 22 1402 28 102 11067

その他 7 271 9 22 607

地方卸売市場 1185 31953 1384 2053 132938

資料農林水産省食料産業局食品製造卸売課調べ 注(中央) 市場数卸売業者数22年度末他の業者数21年度末取扱金額21年度(H21年10月1日 に地方卸売市場へ転換した市場についてはH21年9月までの取扱金額を含めている) なおH23年4月現在の市場数は全体で72となっている

(地方)市場数業者数21年度当初取扱金額20年度

資料農林水産省「食料需給表」「青果物卸売市場調査報告」等により推計 注卸売市場経由率は国内で流通した加工品を含む国産及び輸入の青果水産物等のうち卸売市場(水産物に ついてはいわゆる産地市場の取扱量は除く)を経由したものの数量割合(花きについては金額割合)の推計値 なお国産青果物の卸売市場経由率は約9割となっている

中央卸売市場 地方卸売市場

特徴

公正かつ効率的な流通の確保を目的とした広域的な生鮮食料品等流通の中核的な拠点

都道府県や一定規模以上の都市が開設者となって厳格な取引規制の下指標となる価格形成等重要な機能を果たしている

地域における生鮮食料品等の集配拠点

開設者の主体に制限はなく法律上の規制も緩やかとなっており地域の実情に応じた運営がなされている

機能

① 集荷(品揃え)分荷機能全国各地から多種大量の物品を集荷するとともに実需者の ニーズに応じて迅速かつ効率的に必要な品目量へと分荷 ② 価格形成機能需給を反映した公正で透明性の高い価格形成 ③ 代金決済機能販売代金の出荷者への迅速確実な決済 ④ 情報受発信機能需給に係る情報を収集し川上川下にそれぞれ伝達

卸売市場の種類と主要な機能

商社 輸入

消費者

直売所青空市場宅配など

産地直接取引など

出荷者(農協個人等)

卸売業者

仲卸業者

売買参加者

卸売市場 製造業者小売業者外食業者等

(年度)

827

630

853

738

780

457

746

584

830 840

235

98

00

100

200

300

400

500

600

20

40

60

80

H元 H5 H10 H15 H18 H19 H20

(単位)

青果

(野菜)

(果実)

水産物

花き

食肉

(食肉)

19

500万円未満

62

500万~

1千万円

14

1千~

3千万円

21

3千~5千万円

2

5千万円以上

71601社

単身世帯の増加女性の雇用者の増加等社会情勢の変化の中で食に関して簡便化志向の高まりや外部化が進行 外食産業は個人経営が総店舗数の5分の3を占め法人形態であっても資本金1千万円未満のものが4分の3を占め

るなど中小零細な事業者が多い従業員についても約290万人の大きな雇用機会を創出しているものの常勤雇用者に占めるパートアルバイトの割合が高い

710

381

290

619

0

20

40

60

80

100

飲食店 小売卸売業

法人

個人

資料平成21年経済センサス

外食産業における法人の資本別割合(2009年)

事業所数 (千ケ所) 673

従業員数 (千人) 4421

常勤雇用者に占める正社員正職員以外の割合(2009年)

製造業 207

卸小売業 458

宿泊業飲食サービス業 733

飲食店 769

ハンバーガー店 946

資料平成21年経済センサス

資料(財)食の安全安心財団附属機関 外食産業総合調査研究センターによる推計

20

4食品産業の業種別構造(外食産業)

資料平成21年経済センサス

資料平成21年経済センサス

外食率 = 外 食 産 業 市 場 規 模

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

食の外部化率 = 外食産業市場規模 + 料理品小売業

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

278

318

335 349

358 366

369 377

378

375

373

367

365

375

378 366

356

356

358

355

354

352

360

366

368

366

359

362

284

334

354

370 381

393 398 412

415

413

412

406 406 419

425

422

419

421

428

428

430

428

441 450

452

449

443

449

25

30

35

40

45

50

外食率

食の外部化率

外食率食の外部化率の推移

事業所数従業員数(2009年)

外食産業(飲食店)の経営組織別事業所数の比率(2009年)

4食品産業の業種別構造(関連産業) 食品製造業は物流のほか製造用機械容器など食品の製造に必要な資材等を提供する裾野産業に支えられている

従前より食品産業全体については高い物流コストや過剰包装等が問題

食品機械の輸出入実績推移

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

(製造品出荷額等)

百万円

(輸出入額)

百万円

輸出 輸入 製造品出荷額等

売上高物流コスト比率(業種小分類別)

21

(資料財団法人日本包装技術協会)

資料社団法人日本食品機械工業会 物流コスト削減策

注回答企業数196社 資料2009年度物流コスト調査報告書(社団法人日本ロジステックスシステム協会)

製造業

食品(要冷)

石鹸洗剤塗料

食品(常温)

繊維

化粧品

電気製品

医薬品

卸売業

卸売業(繊維衣料品系)

卸売業(日用雑貨系)

卸売業(食品飲料系)

その他卸売業

卸売業(機器系)

卸売業(総合商社)

小売業

小売業(通販)

小売業(生協)

小売業(コンビニエンスストア)

その他小売業

その他

建設

000 200 400 600 800 1000 1200 1400

在庫削減SCM

在庫削減

アイテム数の整理

物流システムネットワークの見直し

物流拠点の見直し(廃止統合新設)

直送化

輸配送の共同化

商品設計包装の見直し

包装容器の再使用通い箱の利用等

包装の簡素化変更

物流オペレーションの改善保管仕分け等

保管の効率化

物流オペレーションの改善輸配送

積載率の向上(混載化帰り便の利用等)

輸配送経路の見直し

105 58

101 77

62

61 60

88

95 75

0 50 100 150 (数)

()

アジア地域の実質経済成長率は今後5を超える高水準で推移する見通しであり特に中国とインドは8~9台の高水準で伸びる見通し高成長を支え今後の市場規模に大きな影響を与える中高所得者層(世帯可処分所得5000ドル以上)の人口は今後10年で現在の2倍程度に増加する見通し

製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況

5海外市場への展開

加速する我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

資料「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

2位 東南アジア(341)

4位 タイ (295)

3位 台湾 (318)

1位 中国 (659)

海外出店を積極化する又は今後進出を予定して いる企業の出店先は中国がトップ(複数回答あり)

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

2009年度(233千法人)

全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

食品製造業

国内法人数に対する現地法人数の割合

11

その他の製造業 32

資料「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省 資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」 東洋経済新報社

世帯可処分所得5000ドル以上の人口の推移

出所NIRA研究報告書(所得別の家計比率はEuromonitor International World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した 2008 年までの人口はIMF International Financial Statistics2010 年以降はUN WorldPopulation Prospects を参照)

35億人

1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

見通し(NIRA推計)

+10億人 2倍増

アジア太平洋主要国別の経済成長見通し

22

30 25

20 15 10 5

0

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

全製造業に占める食品 製造業の法人数の割合

国内法人数に対する 現地法人数の割合

資料「工業統計表(2009年企業統計編)」経済産業省

資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」東洋経済新報社

35

12

0 1 2 3 4 0 100 200 300

2009年度(212千法人)

849

151

食品製造業 =約32千法人

その他の製造業 =約180千法人

(千法人)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国

インド

ベトナム

インドネシア

マレーシア

出典World Economic Outlook 2011年9月版(IMF)

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
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  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
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  • スライド番号 36
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  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
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  • スライド番号 44
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  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 9: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

発効(10月)

(注1)ASEAN全体とのEPAは2008年12月に日本とシンガポールラオスベトナム及びミャンマー2009年1月にブルネイ同2月にマレーシア同6月にタイ同12月

にカンボジア2010年7月にフィリピンとの間で発効未発効国はインドネシアのみ (注2)韓国とは2004年11月以降交渉が中断2008年6月に「日韓経済連携協定締結交渉再開に向けた検討及び環境醸成のための実務協議」を開催し現在までに5回開催 (注3)GCC(湾岸協力理事会)加盟国バーレーンクウェートオマーンカタールサウジアラビアアラブ首長国連邦

締結

署名

交渉完了

交渉中

発効(9月)

2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年

ASEAN全体(注1)

ブルネイ

フィリピン

ベトナム スイス

インドネシア タイ チリ マレーシア メキシコ シンガポール

韓国(注2) GCC(注3)

インド

豪州

交渉(11月~)

交渉(1月~)

交渉(2月~)

交渉(2月~)

交渉(7月~)

交渉(6月~)

見直し交渉 (4月~)

交渉(4月~)

交渉(2月~)

交渉(5月~)

交渉(12月~)

交渉(9月~)

交渉(1月~)

交渉(4月~)

署名 (3月)

署名 (9月)

署名 (12月)

署名 (3月) 署名 (4月)

署名(8月)

署名(6月)

署名完了 (4月)

署名(9月)

署名 (2月)

発効(9月)

発効(9月)

発効(4月)

発効(11月) 署名(1月)

発効(7月)

発効(11月)

発効(7月)

発効(7月)

発効(12月)

発効(12月)

交渉(1月~) 署名 (12月)

2010年

我が国はアジアを中心に13の国や地域とEPAを締結署名交渉完了また韓国GCC豪州と交渉中

ペルー 交渉(5月~)

2011年

署名(2月)

交渉完了(11月)

再協議(9月~) 実質合意 (2月)

3市場のグローバル化(我が国のEPAFTAの進捗状況)

水産業関係被害 農林業関係被害

被害額合計1兆2637 億円

漁船(28612隻) 1822億円

漁港施設(319漁港) 8230億円

養殖関係 (内 養殖施設) (内 養殖物)

1335億円 (738億円) (597億円)

共同利用施設(1725施設) 1249億円

被害額合計1兆1631億円

農地(18174箇所) 4006億円

農業用施設等(17502箇所) (水路揚水機集落排水施設等)

4835億円

農作物家畜等 142億円

農業畜産関係施設等 (農業倉庫ハウス畜舎堆肥舎等)

493億円

林野関係 (林地荒廃治山施設林道施設木材加工流通施設等)

2155億円

全国の漁業生産量の5割を占める7道県(北海道青森県岩手県宮城県福島県茨城県千葉県)を中心に大きな被害

特に津波によって6県(青森県岩手県宮城県福島県茨城県千葉県)を中心に総計 24万haに及ぶ範囲に被害が発生

(資料)「津波により流失や冠水等の被害を受けた農地の推定面積(平成23年3月)」

4東日本大震災の影響(農林水産関係の被害状況)

東日本大震災における農林水産関係の被害額(平成24年3月5日現在)は2兆4268億円

【資金調達の円滑化】 被災した農林漁業者等が資金を調達できるよう円滑な融資等を関係団体に依頼 農業共済掛金の払込期限等の延長共済金の早期支払いに向けて共済団体に指導

【排水設備の貸出】 農地等の湛水排除や応急的な取水に対応するため災害応急用ポンプを地方農政局土地

改良技術事務所から搬送し供用宮城県福島県栃木県の3県で延べ90台を供用

【手続きの簡素化】 救援活動等に最優先で取組めるよう農業者戸別所得補償制度の申請期限等を延長

【燃料用物資の供給】 東北森林管理局から大船渡市陸前高田市釜石市大槌町等へ薪ストーブ113台を提供 関係団体等の協力の下宮城県福島県へ木炭26t木炭コンロ1300個を供給

その他の応急対応

災害応急用ポンプによる排水作業(宮城県名取市)

福貴浦漁港における水産庁漁業取締船による救援物資の引き渡し(宮城県石巻市)

今回の震災では200社を超

える食品メーカー等の協力の下食料2584万食育児用調整粉乳53万缶飲料762万本を調達ピーク時には1日で約154万食分の食料を調達

水産庁の漁業取締船等の 計10隻が民間漁船と協力して 海上から物資(食料燃料日用 品医薬品)を輸送

被災地域への食料供給

工場の被災により供給不足となった配合飼料の供給確保を支援するため

①飼料関係団体に対し九州や北海道等からの配送(内航船運搬トラック輸送)の要請

②備蓄飼料穀物(35万トン)の無償無担保での貸付 等

を措置

被災した配合飼料工場とサイロ(岩手県釜石市)

被災地域の飼料不足への対応

4東日本大震災の影響(震災直後の応急の対応)

121

食用農水産 物の輸入

【12兆円】

94兆円

外食産業向け

06兆円 【01兆円】

食品製造業向け

58兆円 【07兆円】

最終消費向け

30兆円 【03兆円】

食品製造業

301兆円

最終製品の輸入 【39兆円】

一次加工品の輸入 【14兆円】

生鮮品等

209兆円 (285)

391兆円 (532)

135兆円 (184)

資料総務省他9府省庁「平成17年産業連関表」を基に農林水産省で試算 1【 】内の数値は輸入分の数値 2精穀(精米精麦等)と畜(各種肉類)及び冷凍魚介類は加工度が低いため最終消費においては「生鮮品等」として取り扱っている 3旅館ホテル病院等での食事は「外食」に計上せず使用された食材費を最終消費額としてそれぞれ「生鮮品等」及び「加工品」に計上している

外食産業

209兆円

食品小売業

(加工品) 391兆円

(生鮮品等) 135兆円

飲食料の 最終消費額 736兆円

食品産業

加工食品 卸売業

食用農水産物 106兆円

( 生産から消費に至る流れ )

卸売市場

食品産業(流通業食品製造業外食中食産業)は食用農水産物106兆円と輸入加工品52兆円を食材として

736兆円の食品市場を形成

1最終消費からみた飲食費の流れ(2005年)

飲食料の 最終消費額 795兆円

[2000年] 食用農水産物

118兆円 ( 生産から消費に至る流れ )

10

6兆円

Ⅱ 食品産業の位置付け現状

食品関連産業の国内生産額の推移

食品関連産業の国内生産額は約96兆円(2009年度)で全産業(876兆円)の約11であり我が国産業の最大のセクターの一つである近年は食料品価格の値下げ等により1990年代後半をピークに減少傾向

食品関連産業の就業者数は1061万人で全産業の就業者総数(6257万人)の約17 生産額及び就業者数でみた食品産業の位置づけ

2食品関連産業の地位

96兆円

消費者物価指数の推移 就業者数(2010年)

資料総務省「労働力調査」(2010年)

90

92

94

96

98

100

102

平成

2 3 4 5 6 7 8 9 10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

総合

食料

991

11

1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 資料総務省「消費者物価指数年報」 注1998年を100としている食料には酒類外食を含む

964

資料農林水産省「農業食料関連産業の経済計算」(2009年度)

生産額(2009年度)

0 20 40 60 80 100

農漁業 112兆円 (1)

食品関連 製造業

372兆円 (4)

飲食業 242兆円 (2)

食品関連 流通業

209兆円 (3)

関連投資 209兆円 (03)

食品関連産業 957兆円(11)

産業全体 8760兆円(100)

食品関連産業を除く産業全体 7804兆円 (89)

電気機械製造業

建設業 金融保険業 等

0 20 40 60 80 100

食品製造業 150万人 (2)

外食産業 329万人 (5)

食品流通業 338万人 (5)

農漁業 244万人 (4)

食品関連産業を除く産業全体 5196万人 (83)

食品関連産業 1061万人(17)

就業者総数(産業全体) 6257万人(100)

農林水産業 117兆円 (134)

鉱業 08兆円 (009)

製造業 2601兆円 (2971)

建設業 556兆円 (636)

電気ガス水道業 240兆円 (274)

卸売小売業 976兆円 (1115)

金融保険業 366兆円 (418)

不動産業 688兆円 (786)

運輸業 398兆円 (455)

情報通信業 465兆円 (531)

サービス業 1541兆円 (1760)

その他 798兆円 (911)

(参 考) 我が国の国内生産額(876兆円)に占める各産業の割合

農漁業 112兆円

(1175)

関連製造業 371兆円

(3879)

関連投資 23兆円

(239)

関連流通業 242兆円

(2527)

飲食店 209兆円

(2180)

資料 平成21年度 農林水産省大臣官房統計部「農業食料関連産業の経済計算」

資料 平成21年 内閣府「国民経済計算」

農業食料関連産業の国内生産額 957兆円(全産業の109)

12

333

317

601

616

67

66

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

食品産業仕向 683最終消費仕向

(06)

(64) (07)

食品製造業仕向 外食産業仕向

(30) (58)

(35)

国産農水産物の用途別仕向割合 食品製造業の加工原材料調達割合(国産輸入)

国産農水産物の23が食品産業仕向けとなっており食品産業は国産農水産物の最大の仕向け先であるまた食品 製造業が利用する原材料(農水産物加工品)のうち7割強が国産農水産物となっている

771

734

84

89

145

177

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

国産農水産物

(58)

(07) (12)

(07)

輸入農水産物

輸入一次加工品

(64)

(14)2005年 2005年

2000年 2000年

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

括弧内は調達額(兆円)

3食品産業の位置づけ①

13

括弧内は調達額(兆円)

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

地方と都市圏の食品製造業の製造品出荷額従業者数と全製造業に占める割合

食品産業は製造卸売小売外食産業のいずれも中小零細企業比率が98~99であり事業所の総数は90万をこえているそのうち食品製造業は地域経済において地場産業として大きなウエイト特に北海道鹿児島沖縄では製造品出荷額の約3割雇用の面では製造業の従事者の過半近くを占めるなど地域経済の安定に重要な役割

14

出所経済産業省「工業統計表」(平成21年) 注零細企業従業者数3人以下の事業所 中小企業従業者数299人以下の事業所 大企業300人以上の事業所

食品製造業の構造 資料経済産業省「工業統計表(4人以上の事業所)」(平成21年) 注1食品製造業は食料品製造業及び飲料たばこ飼料製造業(たばこ製造業飼料有機質肥料製造業を除く)の合計である 注2工業統計における製造品出荷額は一部個々の事業者の秘密が漏れるおそれから秘匿された数字があるため実態とズレがある可能性がある

3食品産業の位置づけ②

製造品出荷額 従業員数

金額(億円) 全製造業に占める

割合() 人数(人)

全製造業に占める 割合()

製造品出荷額の占める割合の高い都道府県

鹿児島 7562

(全国13位) 441

(全国1位) 29438

(全国14位) 413

(全国3位)

北海道 20390

(全国1位) 392

(全国2位) 86343

(全国1位) 488

(全国2位)

沖縄 1686

(全国39位) 308

(全国3位) 12434

(全国34位) 501

(全国1位)

三大 都市圏

東京 7467

(全国14位) 93

(全国28位) 35080

(全国12位) 108

(全国40位)

大阪 11377

(全国9位) 77

(全国33位) 49671

(全国8位) 102

(全国41位)

愛知 17271

(全国2位) 50

(全国44位) 71557

(全国2位) 89

(全国43位)

全国平均 105 全国平均 157

大企業

533

中小企業

34075

零細企業

17955 339

10

99が中小零細企業

650

全産業に占める外食業の割合が高い都道府県

全小売業に占める食品小売業の割合が高い都道府県

全卸売業に占める食品卸売業の割合が高い都道府県

割合 事業所数

①兵庫県 ②愛知県 ③大阪府 ④東京都 ⑤京都府

902 883 882 823 818

21540ヶ所 29627ヶ所 37768ヶ所 56850ヶ所 10528ヶ所

全国平均 703

割合 事業所数

①長崎県 ②鹿児島県 ③沖縄県 ④高知県 ⑤秋田県

398 397 385 380 380

6656ヶ所 7848ヶ所 5767ヶ所 3713ヶ所 4938ヶ所

全国平均 343

割合 事業所数

①高知県 ②和歌山県 ③長崎県 ④青森県 ⑤熊本県

353 351 350 348 322

680ヶ所 937ヶ所

1296ヶ所 1222ヶ所 1342ヶ所

全国平均 227

15

01

999

大企業 355ヶ所

中小企業 415356ヶ所

大企業 9003ヶ所

中小企業 380829ヶ所

2

98

大企業 597ヶ所

中小企業 75461ヶ所

1

99

食品小売業の構造 食品卸売業の構造 外食業の構造

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用 中小企業従業者数49人以下の事業所 大企業従業者数50人以上の事業所

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用

3食品産業の位置づけ③

食品製造業は安定的に利益をあげているものの収益率は低く過当競争状態にあると言われている 法人企業統計調査によれば売上高経常利益率はやや横ばいで推移しているものの自己資本比率はリーマンショック

前の2007年度の水準まで回復していない

16

4食品製造業の業種別構造①

日刊経済通信社の分類による企業数等の状況

資料日刊経済通信社調査部編「平成19年度 酒類食品産業の生産販売シェア」 (注)製パンは8社食用植物油脂は5社のシェアの数値

分類 市場規模(上位10社計) 上位10社の生産販売シェア 企業数

しょうゆ 603660(キロリットル) 635 (出荷量) 1600

冷凍食品 7701(億円) 669 (販売額) 880

即席めん類 4960(億円) 965 (販売額) 58

製パン 7076(億円) 813 (販売高) -

食肉加工品 432500(トン) 806 (販売量) 165

チョコレート 2546(億円) 834 (生産額) -

小麦粉 4083000(トン) 837 (販売量) 100

食用植物油脂 2245700(トン) 856 (販売量) -

資料法人企業統計調査(財務省)

() ()

売上高経常利益率の推移 自己資本比率の推移

-2

0

2

4

6

8

10

12

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

30

35

40

45

50

55

60

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

資料法人企業統計調査(財務省)

食品のカテゴリーの公的な分類の一つに工業統計表があり食品関係では2桁分類が24桁分類が496桁分類が 116公正取引委員会の生産出荷集中度調査はこの工業統計表の6桁分類を参考に区分しており細かい分類であるため集中度が高くなる傾向にある

他方食品市場全体でみると諸外国と比べ上位企業の寡占度が低いというデータもある

工業統計表における産業分類

資料経済産業省「工業統計表」 注)2桁の「飲料たばこ飼料」は4桁分類においてこの他に 「たばこ」「飼料有機質肥料」を含むがこの表では含めない 17

4食品産業の業種別構造(食品製造業②)

2桁 4桁 6桁

食料品 部分肉冷凍肉 部分肉冷凍肉

肉加工品 肉缶詰瓶詰つぼ詰

処理牛乳乳飲料 処理牛乳

水産缶詰瓶詰 まぐろ缶詰

海藻加工 寒天

水産練製品 魚肉ハムソーセージ

野菜缶詰果実缶詰 農産保存食料品

野菜缶詰

野菜漬物 野菜漬物

味そ 味そ

しょう油食用アミノ酸 しょう油食用アミノ酸

ソース ウスター中濃濃厚ソース

砂糖製造 粗糖

砂糖精製 精製糖

ぶどう糖水あめ異性化糖 ぶどう糖

精米精麦 精米

小麦粉 小麦粉

その他の精穀製粉 こんにゃく粉

パン 食パン

生菓子 洋生菓子

ビスケット類干菓子 ビスケット類干菓子

動植物油脂 大豆油

食用油脂 ショートニング油

でんぷん でんぷん

めん類 即席めん類

豆腐油揚 豆腐しみ豆腐油揚げ類

飲料たばこ飼料

清涼飲料 炭酸飲料

果実酒 果実酒

ビール類 ビール

清酒 清酒

製茶 荒茶緑茶

コーヒー コーヒー

製氷 人造氷

2 49 116

30

20

10

()

米国

英国

フランス

ドイツ

日本

加工食品市場における上位10社の寡占度 (2008年)

資料平成22年5月16日付日本経済新聞朝刊より抜粋

(注)ユーロモニターのデータをもとにボストンコンサルティンググループが分析

32

26

16

公正取引委員会の生産出荷集中度調査における区分(食品関連品目80品目)のうち「競争を実質的に制限することとなるおそれが小さい」とされる基準()を超えている品目の一覧

マヨネーズドレッシング類

ルウ類

カレールウ

シチュールウ

シチューミクスを除くシチュールウ

チューインガム

スポーツドリンク

ビール

発泡酒

ウイスキー

ビール風酒類

インスタントコーヒー

(注) 工業統計表の6桁分類を参考に公正取引委員会にて区分したもの () 「企業結合ガイドライン」が「競争を実質的に制限することとなるおそ

れが小さい場合」として挙げている ① 企業結合後のHHIが2500以下 ② 企業結合後の当事会社グループの市場シェアが35以下のう

ち①を基に「HHIが2500以下かどうか」を今回基準として設定 資料公正取引委員会「平成1920年生産出荷集中度調査」

構造改革のメリット ― 利益ある成長へ ① 国内事業の競争緩和② 商品開発力の向上 ③ 価格交渉力の向上④ 収益性の向上 ⑤ 国内基盤の安定リスク分散⑥原料調達力の向上

(10817)(11863)(11701)(13505)(14303)

(3320) (5202) (5990) (6622) (7048)

158516751668167018881804

178651848517691187071762316096

43684427384177039628

3663128226

495316

275573

323087344343

380752384899

449190

338707

385985405472

440757441041

0

20000

40000

60000

80000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

0

100000

200000

300000

400000

500000

卸売業

18

食品卸売業

外側商品販売額

内側事業所数

23

4253739952

43653

38300 39485 37844

53687

4748550723

45295 45054

38214

349514257840256

5028451416

56954

406984381244017

494474643247381

0

20000

40000

60000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

30000

50000

70000

90000

(事業所数)

食品卸売業事業所数(カ所)商品販売額(10億円)の推移

業全体に占める食品関連事業者の割合は卸売業では約2割小売業では約3割となっている 食品卸小売業については近年事業所数商品販売額とも減少傾向で推移特に食品小売業についてはコンビニエン

スストアは増加傾向にあるものの中小規模の食料品スーパーや食料品専門店中心店においては減少傾向で推移

資料経済産業省「商業統計表」

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

食料品スーパー取扱商品販売額のうち食料品が70以上食料品専門店取扱商品販売額のうち食料品が90以上食料品中心店取扱商品販売額のうち食料品が50以上

農畜産物水産物卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 米麦雑穀豆類野菜食肉生鮮魚介等の卸売業 食料飲料卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 味噌醤油乾物菓子類飲料茶類等の卸売業

食品小売業事業所数の推移

業全体に占める割合()

(5850)(6509)(6360)(7957)(8906)

(5862) (8791) (9544) (10538) (11257)9336 9957

8850 8515 84067447

13198 14768

1674815904

17047 17106

40115223

6135 6714 69227007

19881 16578

1588714187

1338712608

441684576245320

476204652646426

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

25000

30000

35000

40000

45000

50000

【事業所数】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

【商品販売額】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

食品小売業商品販売額の推移(10億円)

合計(右目盛)

総合スーパー(左目盛)

コンビニエンスストア(左目盛)

食料品専門店 中心店(左図右目盛 右図左目盛)

食料品スーパー(左目盛) 大規模 中小規模

注従業員数50人未満を中小規模 50人以上を大規模とした

(商品販売額)

〈食飲卸事業所数〉

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

〈農水卸事業所数〉

〈食飲卸商品販売額〉

〈農水卸商品販売額〉

(1) 食品卸小売業

18

小売業

18

2 4

24 5

9

総合スーパー食料品スーパー

コンビニエンスストア

食料品専門店中心店

外側商品販売額

内側事業所数

【食品小売業】

注平成19年のデータを利用

【食品卸売業】

卸 売 業123 億円 食 品 卸 売 業100 億円

小 売 業12 億円 食料品専門店中心店05 億円

(一事業所当たり商品販売金額) (一事業所当たり商品販売金額)

4食品産業の業種別構造(食品流通業)

1990 1997 1999 2002 2004 2007

1990 1997 1999 2002 2004 2007 1990 1997 1999 2002 2004 2007

卸売市場は野菜果物魚肉など日々の食卓に欠かすことのできない生鮮食料品等を国民に円滑かつ安定的に供給するための基幹的なインフラとして多種大量の物品の効率的かつ継続的な集分荷公正で透明性の高い価格形成など重要な機能を有している

青果水産物の6割程度が卸売市場を経由している(国産青果物では約9割)加工品や輸入品など卸売市場を経由することが少ない物品の流通割合が増加していること等により市場経由率は低下傾向にあったがここ数年は横ばいで推移している

生鮮食料品等の主要な流通経路

卸売市場の数取扱金額市場関係業者数

卸売市場経由率の推移(推計)

(2)卸売市場

区分 市場数

取扱金額 (億円)

卸売業 者数

仲卸業 者数

売買参 加者数

中央卸売市場 74 41208 210 4305 35828

うち青 果 60 19102 85 1629 16111

水産物 46 18275 78 2472 6210

食 肉 10 2158 10 80 1833

花 き 22 1402 28 102 11067

その他 7 271 9 22 607

地方卸売市場 1185 31953 1384 2053 132938

資料農林水産省食料産業局食品製造卸売課調べ 注(中央) 市場数卸売業者数22年度末他の業者数21年度末取扱金額21年度(H21年10月1日 に地方卸売市場へ転換した市場についてはH21年9月までの取扱金額を含めている) なおH23年4月現在の市場数は全体で72となっている

(地方)市場数業者数21年度当初取扱金額20年度

資料農林水産省「食料需給表」「青果物卸売市場調査報告」等により推計 注卸売市場経由率は国内で流通した加工品を含む国産及び輸入の青果水産物等のうち卸売市場(水産物に ついてはいわゆる産地市場の取扱量は除く)を経由したものの数量割合(花きについては金額割合)の推計値 なお国産青果物の卸売市場経由率は約9割となっている

中央卸売市場 地方卸売市場

特徴

公正かつ効率的な流通の確保を目的とした広域的な生鮮食料品等流通の中核的な拠点

都道府県や一定規模以上の都市が開設者となって厳格な取引規制の下指標となる価格形成等重要な機能を果たしている

地域における生鮮食料品等の集配拠点

開設者の主体に制限はなく法律上の規制も緩やかとなっており地域の実情に応じた運営がなされている

機能

① 集荷(品揃え)分荷機能全国各地から多種大量の物品を集荷するとともに実需者の ニーズに応じて迅速かつ効率的に必要な品目量へと分荷 ② 価格形成機能需給を反映した公正で透明性の高い価格形成 ③ 代金決済機能販売代金の出荷者への迅速確実な決済 ④ 情報受発信機能需給に係る情報を収集し川上川下にそれぞれ伝達

卸売市場の種類と主要な機能

商社 輸入

消費者

直売所青空市場宅配など

産地直接取引など

出荷者(農協個人等)

卸売業者

仲卸業者

売買参加者

卸売市場 製造業者小売業者外食業者等

(年度)

827

630

853

738

780

457

746

584

830 840

235

98

00

100

200

300

400

500

600

20

40

60

80

H元 H5 H10 H15 H18 H19 H20

(単位)

青果

(野菜)

(果実)

水産物

花き

食肉

(食肉)

19

500万円未満

62

500万~

1千万円

14

1千~

3千万円

21

3千~5千万円

2

5千万円以上

71601社

単身世帯の増加女性の雇用者の増加等社会情勢の変化の中で食に関して簡便化志向の高まりや外部化が進行 外食産業は個人経営が総店舗数の5分の3を占め法人形態であっても資本金1千万円未満のものが4分の3を占め

るなど中小零細な事業者が多い従業員についても約290万人の大きな雇用機会を創出しているものの常勤雇用者に占めるパートアルバイトの割合が高い

710

381

290

619

0

20

40

60

80

100

飲食店 小売卸売業

法人

個人

資料平成21年経済センサス

外食産業における法人の資本別割合(2009年)

事業所数 (千ケ所) 673

従業員数 (千人) 4421

常勤雇用者に占める正社員正職員以外の割合(2009年)

製造業 207

卸小売業 458

宿泊業飲食サービス業 733

飲食店 769

ハンバーガー店 946

資料平成21年経済センサス

資料(財)食の安全安心財団附属機関 外食産業総合調査研究センターによる推計

20

4食品産業の業種別構造(外食産業)

資料平成21年経済センサス

資料平成21年経済センサス

外食率 = 外 食 産 業 市 場 規 模

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

食の外部化率 = 外食産業市場規模 + 料理品小売業

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

278

318

335 349

358 366

369 377

378

375

373

367

365

375

378 366

356

356

358

355

354

352

360

366

368

366

359

362

284

334

354

370 381

393 398 412

415

413

412

406 406 419

425

422

419

421

428

428

430

428

441 450

452

449

443

449

25

30

35

40

45

50

外食率

食の外部化率

外食率食の外部化率の推移

事業所数従業員数(2009年)

外食産業(飲食店)の経営組織別事業所数の比率(2009年)

4食品産業の業種別構造(関連産業) 食品製造業は物流のほか製造用機械容器など食品の製造に必要な資材等を提供する裾野産業に支えられている

従前より食品産業全体については高い物流コストや過剰包装等が問題

食品機械の輸出入実績推移

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

(製造品出荷額等)

百万円

(輸出入額)

百万円

輸出 輸入 製造品出荷額等

売上高物流コスト比率(業種小分類別)

21

(資料財団法人日本包装技術協会)

資料社団法人日本食品機械工業会 物流コスト削減策

注回答企業数196社 資料2009年度物流コスト調査報告書(社団法人日本ロジステックスシステム協会)

製造業

食品(要冷)

石鹸洗剤塗料

食品(常温)

繊維

化粧品

電気製品

医薬品

卸売業

卸売業(繊維衣料品系)

卸売業(日用雑貨系)

卸売業(食品飲料系)

その他卸売業

卸売業(機器系)

卸売業(総合商社)

小売業

小売業(通販)

小売業(生協)

小売業(コンビニエンスストア)

その他小売業

その他

建設

000 200 400 600 800 1000 1200 1400

在庫削減SCM

在庫削減

アイテム数の整理

物流システムネットワークの見直し

物流拠点の見直し(廃止統合新設)

直送化

輸配送の共同化

商品設計包装の見直し

包装容器の再使用通い箱の利用等

包装の簡素化変更

物流オペレーションの改善保管仕分け等

保管の効率化

物流オペレーションの改善輸配送

積載率の向上(混載化帰り便の利用等)

輸配送経路の見直し

105 58

101 77

62

61 60

88

95 75

0 50 100 150 (数)

()

アジア地域の実質経済成長率は今後5を超える高水準で推移する見通しであり特に中国とインドは8~9台の高水準で伸びる見通し高成長を支え今後の市場規模に大きな影響を与える中高所得者層(世帯可処分所得5000ドル以上)の人口は今後10年で現在の2倍程度に増加する見通し

製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況

5海外市場への展開

加速する我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

資料「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

2位 東南アジア(341)

4位 タイ (295)

3位 台湾 (318)

1位 中国 (659)

海外出店を積極化する又は今後進出を予定して いる企業の出店先は中国がトップ(複数回答あり)

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

2009年度(233千法人)

全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

食品製造業

国内法人数に対する現地法人数の割合

11

その他の製造業 32

資料「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省 資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」 東洋経済新報社

世帯可処分所得5000ドル以上の人口の推移

出所NIRA研究報告書(所得別の家計比率はEuromonitor International World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した 2008 年までの人口はIMF International Financial Statistics2010 年以降はUN WorldPopulation Prospects を参照)

35億人

1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

見通し(NIRA推計)

+10億人 2倍増

アジア太平洋主要国別の経済成長見通し

22

30 25

20 15 10 5

0

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

全製造業に占める食品 製造業の法人数の割合

国内法人数に対する 現地法人数の割合

資料「工業統計表(2009年企業統計編)」経済産業省

資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」東洋経済新報社

35

12

0 1 2 3 4 0 100 200 300

2009年度(212千法人)

849

151

食品製造業 =約32千法人

その他の製造業 =約180千法人

(千法人)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国

インド

ベトナム

インドネシア

マレーシア

出典World Economic Outlook 2011年9月版(IMF)

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
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  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
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  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 10: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

水産業関係被害 農林業関係被害

被害額合計1兆2637 億円

漁船(28612隻) 1822億円

漁港施設(319漁港) 8230億円

養殖関係 (内 養殖施設) (内 養殖物)

1335億円 (738億円) (597億円)

共同利用施設(1725施設) 1249億円

被害額合計1兆1631億円

農地(18174箇所) 4006億円

農業用施設等(17502箇所) (水路揚水機集落排水施設等)

4835億円

農作物家畜等 142億円

農業畜産関係施設等 (農業倉庫ハウス畜舎堆肥舎等)

493億円

林野関係 (林地荒廃治山施設林道施設木材加工流通施設等)

2155億円

全国の漁業生産量の5割を占める7道県(北海道青森県岩手県宮城県福島県茨城県千葉県)を中心に大きな被害

特に津波によって6県(青森県岩手県宮城県福島県茨城県千葉県)を中心に総計 24万haに及ぶ範囲に被害が発生

(資料)「津波により流失や冠水等の被害を受けた農地の推定面積(平成23年3月)」

4東日本大震災の影響(農林水産関係の被害状況)

東日本大震災における農林水産関係の被害額(平成24年3月5日現在)は2兆4268億円

【資金調達の円滑化】 被災した農林漁業者等が資金を調達できるよう円滑な融資等を関係団体に依頼 農業共済掛金の払込期限等の延長共済金の早期支払いに向けて共済団体に指導

【排水設備の貸出】 農地等の湛水排除や応急的な取水に対応するため災害応急用ポンプを地方農政局土地

改良技術事務所から搬送し供用宮城県福島県栃木県の3県で延べ90台を供用

【手続きの簡素化】 救援活動等に最優先で取組めるよう農業者戸別所得補償制度の申請期限等を延長

【燃料用物資の供給】 東北森林管理局から大船渡市陸前高田市釜石市大槌町等へ薪ストーブ113台を提供 関係団体等の協力の下宮城県福島県へ木炭26t木炭コンロ1300個を供給

その他の応急対応

災害応急用ポンプによる排水作業(宮城県名取市)

福貴浦漁港における水産庁漁業取締船による救援物資の引き渡し(宮城県石巻市)

今回の震災では200社を超

える食品メーカー等の協力の下食料2584万食育児用調整粉乳53万缶飲料762万本を調達ピーク時には1日で約154万食分の食料を調達

水産庁の漁業取締船等の 計10隻が民間漁船と協力して 海上から物資(食料燃料日用 品医薬品)を輸送

被災地域への食料供給

工場の被災により供給不足となった配合飼料の供給確保を支援するため

①飼料関係団体に対し九州や北海道等からの配送(内航船運搬トラック輸送)の要請

②備蓄飼料穀物(35万トン)の無償無担保での貸付 等

を措置

被災した配合飼料工場とサイロ(岩手県釜石市)

被災地域の飼料不足への対応

4東日本大震災の影響(震災直後の応急の対応)

121

食用農水産 物の輸入

【12兆円】

94兆円

外食産業向け

06兆円 【01兆円】

食品製造業向け

58兆円 【07兆円】

最終消費向け

30兆円 【03兆円】

食品製造業

301兆円

最終製品の輸入 【39兆円】

一次加工品の輸入 【14兆円】

生鮮品等

209兆円 (285)

391兆円 (532)

135兆円 (184)

資料総務省他9府省庁「平成17年産業連関表」を基に農林水産省で試算 1【 】内の数値は輸入分の数値 2精穀(精米精麦等)と畜(各種肉類)及び冷凍魚介類は加工度が低いため最終消費においては「生鮮品等」として取り扱っている 3旅館ホテル病院等での食事は「外食」に計上せず使用された食材費を最終消費額としてそれぞれ「生鮮品等」及び「加工品」に計上している

外食産業

209兆円

食品小売業

(加工品) 391兆円

(生鮮品等) 135兆円

飲食料の 最終消費額 736兆円

食品産業

加工食品 卸売業

食用農水産物 106兆円

( 生産から消費に至る流れ )

卸売市場

食品産業(流通業食品製造業外食中食産業)は食用農水産物106兆円と輸入加工品52兆円を食材として

736兆円の食品市場を形成

1最終消費からみた飲食費の流れ(2005年)

飲食料の 最終消費額 795兆円

[2000年] 食用農水産物

118兆円 ( 生産から消費に至る流れ )

10

6兆円

Ⅱ 食品産業の位置付け現状

食品関連産業の国内生産額の推移

食品関連産業の国内生産額は約96兆円(2009年度)で全産業(876兆円)の約11であり我が国産業の最大のセクターの一つである近年は食料品価格の値下げ等により1990年代後半をピークに減少傾向

食品関連産業の就業者数は1061万人で全産業の就業者総数(6257万人)の約17 生産額及び就業者数でみた食品産業の位置づけ

2食品関連産業の地位

96兆円

消費者物価指数の推移 就業者数(2010年)

資料総務省「労働力調査」(2010年)

90

92

94

96

98

100

102

平成

2 3 4 5 6 7 8 9 10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

総合

食料

991

11

1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 資料総務省「消費者物価指数年報」 注1998年を100としている食料には酒類外食を含む

964

資料農林水産省「農業食料関連産業の経済計算」(2009年度)

生産額(2009年度)

0 20 40 60 80 100

農漁業 112兆円 (1)

食品関連 製造業

372兆円 (4)

飲食業 242兆円 (2)

食品関連 流通業

209兆円 (3)

関連投資 209兆円 (03)

食品関連産業 957兆円(11)

産業全体 8760兆円(100)

食品関連産業を除く産業全体 7804兆円 (89)

電気機械製造業

建設業 金融保険業 等

0 20 40 60 80 100

食品製造業 150万人 (2)

外食産業 329万人 (5)

食品流通業 338万人 (5)

農漁業 244万人 (4)

食品関連産業を除く産業全体 5196万人 (83)

食品関連産業 1061万人(17)

就業者総数(産業全体) 6257万人(100)

農林水産業 117兆円 (134)

鉱業 08兆円 (009)

製造業 2601兆円 (2971)

建設業 556兆円 (636)

電気ガス水道業 240兆円 (274)

卸売小売業 976兆円 (1115)

金融保険業 366兆円 (418)

不動産業 688兆円 (786)

運輸業 398兆円 (455)

情報通信業 465兆円 (531)

サービス業 1541兆円 (1760)

その他 798兆円 (911)

(参 考) 我が国の国内生産額(876兆円)に占める各産業の割合

農漁業 112兆円

(1175)

関連製造業 371兆円

(3879)

関連投資 23兆円

(239)

関連流通業 242兆円

(2527)

飲食店 209兆円

(2180)

資料 平成21年度 農林水産省大臣官房統計部「農業食料関連産業の経済計算」

資料 平成21年 内閣府「国民経済計算」

農業食料関連産業の国内生産額 957兆円(全産業の109)

12

333

317

601

616

67

66

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

食品産業仕向 683最終消費仕向

(06)

(64) (07)

食品製造業仕向 外食産業仕向

(30) (58)

(35)

国産農水産物の用途別仕向割合 食品製造業の加工原材料調達割合(国産輸入)

国産農水産物の23が食品産業仕向けとなっており食品産業は国産農水産物の最大の仕向け先であるまた食品 製造業が利用する原材料(農水産物加工品)のうち7割強が国産農水産物となっている

771

734

84

89

145

177

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

国産農水産物

(58)

(07) (12)

(07)

輸入農水産物

輸入一次加工品

(64)

(14)2005年 2005年

2000年 2000年

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

括弧内は調達額(兆円)

3食品産業の位置づけ①

13

括弧内は調達額(兆円)

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

地方と都市圏の食品製造業の製造品出荷額従業者数と全製造業に占める割合

食品産業は製造卸売小売外食産業のいずれも中小零細企業比率が98~99であり事業所の総数は90万をこえているそのうち食品製造業は地域経済において地場産業として大きなウエイト特に北海道鹿児島沖縄では製造品出荷額の約3割雇用の面では製造業の従事者の過半近くを占めるなど地域経済の安定に重要な役割

14

出所経済産業省「工業統計表」(平成21年) 注零細企業従業者数3人以下の事業所 中小企業従業者数299人以下の事業所 大企業300人以上の事業所

食品製造業の構造 資料経済産業省「工業統計表(4人以上の事業所)」(平成21年) 注1食品製造業は食料品製造業及び飲料たばこ飼料製造業(たばこ製造業飼料有機質肥料製造業を除く)の合計である 注2工業統計における製造品出荷額は一部個々の事業者の秘密が漏れるおそれから秘匿された数字があるため実態とズレがある可能性がある

3食品産業の位置づけ②

製造品出荷額 従業員数

金額(億円) 全製造業に占める

割合() 人数(人)

全製造業に占める 割合()

製造品出荷額の占める割合の高い都道府県

鹿児島 7562

(全国13位) 441

(全国1位) 29438

(全国14位) 413

(全国3位)

北海道 20390

(全国1位) 392

(全国2位) 86343

(全国1位) 488

(全国2位)

沖縄 1686

(全国39位) 308

(全国3位) 12434

(全国34位) 501

(全国1位)

三大 都市圏

東京 7467

(全国14位) 93

(全国28位) 35080

(全国12位) 108

(全国40位)

大阪 11377

(全国9位) 77

(全国33位) 49671

(全国8位) 102

(全国41位)

愛知 17271

(全国2位) 50

(全国44位) 71557

(全国2位) 89

(全国43位)

全国平均 105 全国平均 157

大企業

533

中小企業

34075

零細企業

17955 339

10

99が中小零細企業

650

全産業に占める外食業の割合が高い都道府県

全小売業に占める食品小売業の割合が高い都道府県

全卸売業に占める食品卸売業の割合が高い都道府県

割合 事業所数

①兵庫県 ②愛知県 ③大阪府 ④東京都 ⑤京都府

902 883 882 823 818

21540ヶ所 29627ヶ所 37768ヶ所 56850ヶ所 10528ヶ所

全国平均 703

割合 事業所数

①長崎県 ②鹿児島県 ③沖縄県 ④高知県 ⑤秋田県

398 397 385 380 380

6656ヶ所 7848ヶ所 5767ヶ所 3713ヶ所 4938ヶ所

全国平均 343

割合 事業所数

①高知県 ②和歌山県 ③長崎県 ④青森県 ⑤熊本県

353 351 350 348 322

680ヶ所 937ヶ所

1296ヶ所 1222ヶ所 1342ヶ所

全国平均 227

15

01

999

大企業 355ヶ所

中小企業 415356ヶ所

大企業 9003ヶ所

中小企業 380829ヶ所

2

98

大企業 597ヶ所

中小企業 75461ヶ所

1

99

食品小売業の構造 食品卸売業の構造 外食業の構造

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用 中小企業従業者数49人以下の事業所 大企業従業者数50人以上の事業所

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用

3食品産業の位置づけ③

食品製造業は安定的に利益をあげているものの収益率は低く過当競争状態にあると言われている 法人企業統計調査によれば売上高経常利益率はやや横ばいで推移しているものの自己資本比率はリーマンショック

前の2007年度の水準まで回復していない

16

4食品製造業の業種別構造①

日刊経済通信社の分類による企業数等の状況

資料日刊経済通信社調査部編「平成19年度 酒類食品産業の生産販売シェア」 (注)製パンは8社食用植物油脂は5社のシェアの数値

分類 市場規模(上位10社計) 上位10社の生産販売シェア 企業数

しょうゆ 603660(キロリットル) 635 (出荷量) 1600

冷凍食品 7701(億円) 669 (販売額) 880

即席めん類 4960(億円) 965 (販売額) 58

製パン 7076(億円) 813 (販売高) -

食肉加工品 432500(トン) 806 (販売量) 165

チョコレート 2546(億円) 834 (生産額) -

小麦粉 4083000(トン) 837 (販売量) 100

食用植物油脂 2245700(トン) 856 (販売量) -

資料法人企業統計調査(財務省)

() ()

売上高経常利益率の推移 自己資本比率の推移

-2

0

2

4

6

8

10

12

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

30

35

40

45

50

55

60

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

資料法人企業統計調査(財務省)

食品のカテゴリーの公的な分類の一つに工業統計表があり食品関係では2桁分類が24桁分類が496桁分類が 116公正取引委員会の生産出荷集中度調査はこの工業統計表の6桁分類を参考に区分しており細かい分類であるため集中度が高くなる傾向にある

他方食品市場全体でみると諸外国と比べ上位企業の寡占度が低いというデータもある

工業統計表における産業分類

資料経済産業省「工業統計表」 注)2桁の「飲料たばこ飼料」は4桁分類においてこの他に 「たばこ」「飼料有機質肥料」を含むがこの表では含めない 17

4食品産業の業種別構造(食品製造業②)

2桁 4桁 6桁

食料品 部分肉冷凍肉 部分肉冷凍肉

肉加工品 肉缶詰瓶詰つぼ詰

処理牛乳乳飲料 処理牛乳

水産缶詰瓶詰 まぐろ缶詰

海藻加工 寒天

水産練製品 魚肉ハムソーセージ

野菜缶詰果実缶詰 農産保存食料品

野菜缶詰

野菜漬物 野菜漬物

味そ 味そ

しょう油食用アミノ酸 しょう油食用アミノ酸

ソース ウスター中濃濃厚ソース

砂糖製造 粗糖

砂糖精製 精製糖

ぶどう糖水あめ異性化糖 ぶどう糖

精米精麦 精米

小麦粉 小麦粉

その他の精穀製粉 こんにゃく粉

パン 食パン

生菓子 洋生菓子

ビスケット類干菓子 ビスケット類干菓子

動植物油脂 大豆油

食用油脂 ショートニング油

でんぷん でんぷん

めん類 即席めん類

豆腐油揚 豆腐しみ豆腐油揚げ類

飲料たばこ飼料

清涼飲料 炭酸飲料

果実酒 果実酒

ビール類 ビール

清酒 清酒

製茶 荒茶緑茶

コーヒー コーヒー

製氷 人造氷

2 49 116

30

20

10

()

米国

英国

フランス

ドイツ

日本

加工食品市場における上位10社の寡占度 (2008年)

資料平成22年5月16日付日本経済新聞朝刊より抜粋

(注)ユーロモニターのデータをもとにボストンコンサルティンググループが分析

32

26

16

公正取引委員会の生産出荷集中度調査における区分(食品関連品目80品目)のうち「競争を実質的に制限することとなるおそれが小さい」とされる基準()を超えている品目の一覧

マヨネーズドレッシング類

ルウ類

カレールウ

シチュールウ

シチューミクスを除くシチュールウ

チューインガム

スポーツドリンク

ビール

発泡酒

ウイスキー

ビール風酒類

インスタントコーヒー

(注) 工業統計表の6桁分類を参考に公正取引委員会にて区分したもの () 「企業結合ガイドライン」が「競争を実質的に制限することとなるおそ

れが小さい場合」として挙げている ① 企業結合後のHHIが2500以下 ② 企業結合後の当事会社グループの市場シェアが35以下のう

ち①を基に「HHIが2500以下かどうか」を今回基準として設定 資料公正取引委員会「平成1920年生産出荷集中度調査」

構造改革のメリット ― 利益ある成長へ ① 国内事業の競争緩和② 商品開発力の向上 ③ 価格交渉力の向上④ 収益性の向上 ⑤ 国内基盤の安定リスク分散⑥原料調達力の向上

(10817)(11863)(11701)(13505)(14303)

(3320) (5202) (5990) (6622) (7048)

158516751668167018881804

178651848517691187071762316096

43684427384177039628

3663128226

495316

275573

323087344343

380752384899

449190

338707

385985405472

440757441041

0

20000

40000

60000

80000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

0

100000

200000

300000

400000

500000

卸売業

18

食品卸売業

外側商品販売額

内側事業所数

23

4253739952

43653

38300 39485 37844

53687

4748550723

45295 45054

38214

349514257840256

5028451416

56954

406984381244017

494474643247381

0

20000

40000

60000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

30000

50000

70000

90000

(事業所数)

食品卸売業事業所数(カ所)商品販売額(10億円)の推移

業全体に占める食品関連事業者の割合は卸売業では約2割小売業では約3割となっている 食品卸小売業については近年事業所数商品販売額とも減少傾向で推移特に食品小売業についてはコンビニエン

スストアは増加傾向にあるものの中小規模の食料品スーパーや食料品専門店中心店においては減少傾向で推移

資料経済産業省「商業統計表」

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

食料品スーパー取扱商品販売額のうち食料品が70以上食料品専門店取扱商品販売額のうち食料品が90以上食料品中心店取扱商品販売額のうち食料品が50以上

農畜産物水産物卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 米麦雑穀豆類野菜食肉生鮮魚介等の卸売業 食料飲料卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 味噌醤油乾物菓子類飲料茶類等の卸売業

食品小売業事業所数の推移

業全体に占める割合()

(5850)(6509)(6360)(7957)(8906)

(5862) (8791) (9544) (10538) (11257)9336 9957

8850 8515 84067447

13198 14768

1674815904

17047 17106

40115223

6135 6714 69227007

19881 16578

1588714187

1338712608

441684576245320

476204652646426

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

25000

30000

35000

40000

45000

50000

【事業所数】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

【商品販売額】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

食品小売業商品販売額の推移(10億円)

合計(右目盛)

総合スーパー(左目盛)

コンビニエンスストア(左目盛)

食料品専門店 中心店(左図右目盛 右図左目盛)

食料品スーパー(左目盛) 大規模 中小規模

注従業員数50人未満を中小規模 50人以上を大規模とした

(商品販売額)

〈食飲卸事業所数〉

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

〈農水卸事業所数〉

〈食飲卸商品販売額〉

〈農水卸商品販売額〉

(1) 食品卸小売業

18

小売業

18

2 4

24 5

9

総合スーパー食料品スーパー

コンビニエンスストア

食料品専門店中心店

外側商品販売額

内側事業所数

【食品小売業】

注平成19年のデータを利用

【食品卸売業】

卸 売 業123 億円 食 品 卸 売 業100 億円

小 売 業12 億円 食料品専門店中心店05 億円

(一事業所当たり商品販売金額) (一事業所当たり商品販売金額)

4食品産業の業種別構造(食品流通業)

1990 1997 1999 2002 2004 2007

1990 1997 1999 2002 2004 2007 1990 1997 1999 2002 2004 2007

卸売市場は野菜果物魚肉など日々の食卓に欠かすことのできない生鮮食料品等を国民に円滑かつ安定的に供給するための基幹的なインフラとして多種大量の物品の効率的かつ継続的な集分荷公正で透明性の高い価格形成など重要な機能を有している

青果水産物の6割程度が卸売市場を経由している(国産青果物では約9割)加工品や輸入品など卸売市場を経由することが少ない物品の流通割合が増加していること等により市場経由率は低下傾向にあったがここ数年は横ばいで推移している

生鮮食料品等の主要な流通経路

卸売市場の数取扱金額市場関係業者数

卸売市場経由率の推移(推計)

(2)卸売市場

区分 市場数

取扱金額 (億円)

卸売業 者数

仲卸業 者数

売買参 加者数

中央卸売市場 74 41208 210 4305 35828

うち青 果 60 19102 85 1629 16111

水産物 46 18275 78 2472 6210

食 肉 10 2158 10 80 1833

花 き 22 1402 28 102 11067

その他 7 271 9 22 607

地方卸売市場 1185 31953 1384 2053 132938

資料農林水産省食料産業局食品製造卸売課調べ 注(中央) 市場数卸売業者数22年度末他の業者数21年度末取扱金額21年度(H21年10月1日 に地方卸売市場へ転換した市場についてはH21年9月までの取扱金額を含めている) なおH23年4月現在の市場数は全体で72となっている

(地方)市場数業者数21年度当初取扱金額20年度

資料農林水産省「食料需給表」「青果物卸売市場調査報告」等により推計 注卸売市場経由率は国内で流通した加工品を含む国産及び輸入の青果水産物等のうち卸売市場(水産物に ついてはいわゆる産地市場の取扱量は除く)を経由したものの数量割合(花きについては金額割合)の推計値 なお国産青果物の卸売市場経由率は約9割となっている

中央卸売市場 地方卸売市場

特徴

公正かつ効率的な流通の確保を目的とした広域的な生鮮食料品等流通の中核的な拠点

都道府県や一定規模以上の都市が開設者となって厳格な取引規制の下指標となる価格形成等重要な機能を果たしている

地域における生鮮食料品等の集配拠点

開設者の主体に制限はなく法律上の規制も緩やかとなっており地域の実情に応じた運営がなされている

機能

① 集荷(品揃え)分荷機能全国各地から多種大量の物品を集荷するとともに実需者の ニーズに応じて迅速かつ効率的に必要な品目量へと分荷 ② 価格形成機能需給を反映した公正で透明性の高い価格形成 ③ 代金決済機能販売代金の出荷者への迅速確実な決済 ④ 情報受発信機能需給に係る情報を収集し川上川下にそれぞれ伝達

卸売市場の種類と主要な機能

商社 輸入

消費者

直売所青空市場宅配など

産地直接取引など

出荷者(農協個人等)

卸売業者

仲卸業者

売買参加者

卸売市場 製造業者小売業者外食業者等

(年度)

827

630

853

738

780

457

746

584

830 840

235

98

00

100

200

300

400

500

600

20

40

60

80

H元 H5 H10 H15 H18 H19 H20

(単位)

青果

(野菜)

(果実)

水産物

花き

食肉

(食肉)

19

500万円未満

62

500万~

1千万円

14

1千~

3千万円

21

3千~5千万円

2

5千万円以上

71601社

単身世帯の増加女性の雇用者の増加等社会情勢の変化の中で食に関して簡便化志向の高まりや外部化が進行 外食産業は個人経営が総店舗数の5分の3を占め法人形態であっても資本金1千万円未満のものが4分の3を占め

るなど中小零細な事業者が多い従業員についても約290万人の大きな雇用機会を創出しているものの常勤雇用者に占めるパートアルバイトの割合が高い

710

381

290

619

0

20

40

60

80

100

飲食店 小売卸売業

法人

個人

資料平成21年経済センサス

外食産業における法人の資本別割合(2009年)

事業所数 (千ケ所) 673

従業員数 (千人) 4421

常勤雇用者に占める正社員正職員以外の割合(2009年)

製造業 207

卸小売業 458

宿泊業飲食サービス業 733

飲食店 769

ハンバーガー店 946

資料平成21年経済センサス

資料(財)食の安全安心財団附属機関 外食産業総合調査研究センターによる推計

20

4食品産業の業種別構造(外食産業)

資料平成21年経済センサス

資料平成21年経済センサス

外食率 = 外 食 産 業 市 場 規 模

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

食の外部化率 = 外食産業市場規模 + 料理品小売業

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

278

318

335 349

358 366

369 377

378

375

373

367

365

375

378 366

356

356

358

355

354

352

360

366

368

366

359

362

284

334

354

370 381

393 398 412

415

413

412

406 406 419

425

422

419

421

428

428

430

428

441 450

452

449

443

449

25

30

35

40

45

50

外食率

食の外部化率

外食率食の外部化率の推移

事業所数従業員数(2009年)

外食産業(飲食店)の経営組織別事業所数の比率(2009年)

4食品産業の業種別構造(関連産業) 食品製造業は物流のほか製造用機械容器など食品の製造に必要な資材等を提供する裾野産業に支えられている

従前より食品産業全体については高い物流コストや過剰包装等が問題

食品機械の輸出入実績推移

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

(製造品出荷額等)

百万円

(輸出入額)

百万円

輸出 輸入 製造品出荷額等

売上高物流コスト比率(業種小分類別)

21

(資料財団法人日本包装技術協会)

資料社団法人日本食品機械工業会 物流コスト削減策

注回答企業数196社 資料2009年度物流コスト調査報告書(社団法人日本ロジステックスシステム協会)

製造業

食品(要冷)

石鹸洗剤塗料

食品(常温)

繊維

化粧品

電気製品

医薬品

卸売業

卸売業(繊維衣料品系)

卸売業(日用雑貨系)

卸売業(食品飲料系)

その他卸売業

卸売業(機器系)

卸売業(総合商社)

小売業

小売業(通販)

小売業(生協)

小売業(コンビニエンスストア)

その他小売業

その他

建設

000 200 400 600 800 1000 1200 1400

在庫削減SCM

在庫削減

アイテム数の整理

物流システムネットワークの見直し

物流拠点の見直し(廃止統合新設)

直送化

輸配送の共同化

商品設計包装の見直し

包装容器の再使用通い箱の利用等

包装の簡素化変更

物流オペレーションの改善保管仕分け等

保管の効率化

物流オペレーションの改善輸配送

積載率の向上(混載化帰り便の利用等)

輸配送経路の見直し

105 58

101 77

62

61 60

88

95 75

0 50 100 150 (数)

()

アジア地域の実質経済成長率は今後5を超える高水準で推移する見通しであり特に中国とインドは8~9台の高水準で伸びる見通し高成長を支え今後の市場規模に大きな影響を与える中高所得者層(世帯可処分所得5000ドル以上)の人口は今後10年で現在の2倍程度に増加する見通し

製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況

5海外市場への展開

加速する我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

資料「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

2位 東南アジア(341)

4位 タイ (295)

3位 台湾 (318)

1位 中国 (659)

海外出店を積極化する又は今後進出を予定して いる企業の出店先は中国がトップ(複数回答あり)

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

2009年度(233千法人)

全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

食品製造業

国内法人数に対する現地法人数の割合

11

その他の製造業 32

資料「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省 資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」 東洋経済新報社

世帯可処分所得5000ドル以上の人口の推移

出所NIRA研究報告書(所得別の家計比率はEuromonitor International World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した 2008 年までの人口はIMF International Financial Statistics2010 年以降はUN WorldPopulation Prospects を参照)

35億人

1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

見通し(NIRA推計)

+10億人 2倍増

アジア太平洋主要国別の経済成長見通し

22

30 25

20 15 10 5

0

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

全製造業に占める食品 製造業の法人数の割合

国内法人数に対する 現地法人数の割合

資料「工業統計表(2009年企業統計編)」経済産業省

資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」東洋経済新報社

35

12

0 1 2 3 4 0 100 200 300

2009年度(212千法人)

849

151

食品製造業 =約32千法人

その他の製造業 =約180千法人

(千法人)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国

インド

ベトナム

インドネシア

マレーシア

出典World Economic Outlook 2011年9月版(IMF)

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
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  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 11: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

【資金調達の円滑化】 被災した農林漁業者等が資金を調達できるよう円滑な融資等を関係団体に依頼 農業共済掛金の払込期限等の延長共済金の早期支払いに向けて共済団体に指導

【排水設備の貸出】 農地等の湛水排除や応急的な取水に対応するため災害応急用ポンプを地方農政局土地

改良技術事務所から搬送し供用宮城県福島県栃木県の3県で延べ90台を供用

【手続きの簡素化】 救援活動等に最優先で取組めるよう農業者戸別所得補償制度の申請期限等を延長

【燃料用物資の供給】 東北森林管理局から大船渡市陸前高田市釜石市大槌町等へ薪ストーブ113台を提供 関係団体等の協力の下宮城県福島県へ木炭26t木炭コンロ1300個を供給

その他の応急対応

災害応急用ポンプによる排水作業(宮城県名取市)

福貴浦漁港における水産庁漁業取締船による救援物資の引き渡し(宮城県石巻市)

今回の震災では200社を超

える食品メーカー等の協力の下食料2584万食育児用調整粉乳53万缶飲料762万本を調達ピーク時には1日で約154万食分の食料を調達

水産庁の漁業取締船等の 計10隻が民間漁船と協力して 海上から物資(食料燃料日用 品医薬品)を輸送

被災地域への食料供給

工場の被災により供給不足となった配合飼料の供給確保を支援するため

①飼料関係団体に対し九州や北海道等からの配送(内航船運搬トラック輸送)の要請

②備蓄飼料穀物(35万トン)の無償無担保での貸付 等

を措置

被災した配合飼料工場とサイロ(岩手県釜石市)

被災地域の飼料不足への対応

4東日本大震災の影響(震災直後の応急の対応)

121

食用農水産 物の輸入

【12兆円】

94兆円

外食産業向け

06兆円 【01兆円】

食品製造業向け

58兆円 【07兆円】

最終消費向け

30兆円 【03兆円】

食品製造業

301兆円

最終製品の輸入 【39兆円】

一次加工品の輸入 【14兆円】

生鮮品等

209兆円 (285)

391兆円 (532)

135兆円 (184)

資料総務省他9府省庁「平成17年産業連関表」を基に農林水産省で試算 1【 】内の数値は輸入分の数値 2精穀(精米精麦等)と畜(各種肉類)及び冷凍魚介類は加工度が低いため最終消費においては「生鮮品等」として取り扱っている 3旅館ホテル病院等での食事は「外食」に計上せず使用された食材費を最終消費額としてそれぞれ「生鮮品等」及び「加工品」に計上している

外食産業

209兆円

食品小売業

(加工品) 391兆円

(生鮮品等) 135兆円

飲食料の 最終消費額 736兆円

食品産業

加工食品 卸売業

食用農水産物 106兆円

( 生産から消費に至る流れ )

卸売市場

食品産業(流通業食品製造業外食中食産業)は食用農水産物106兆円と輸入加工品52兆円を食材として

736兆円の食品市場を形成

1最終消費からみた飲食費の流れ(2005年)

飲食料の 最終消費額 795兆円

[2000年] 食用農水産物

118兆円 ( 生産から消費に至る流れ )

10

6兆円

Ⅱ 食品産業の位置付け現状

食品関連産業の国内生産額の推移

食品関連産業の国内生産額は約96兆円(2009年度)で全産業(876兆円)の約11であり我が国産業の最大のセクターの一つである近年は食料品価格の値下げ等により1990年代後半をピークに減少傾向

食品関連産業の就業者数は1061万人で全産業の就業者総数(6257万人)の約17 生産額及び就業者数でみた食品産業の位置づけ

2食品関連産業の地位

96兆円

消費者物価指数の推移 就業者数(2010年)

資料総務省「労働力調査」(2010年)

90

92

94

96

98

100

102

平成

2 3 4 5 6 7 8 9 10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

総合

食料

991

11

1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 資料総務省「消費者物価指数年報」 注1998年を100としている食料には酒類外食を含む

964

資料農林水産省「農業食料関連産業の経済計算」(2009年度)

生産額(2009年度)

0 20 40 60 80 100

農漁業 112兆円 (1)

食品関連 製造業

372兆円 (4)

飲食業 242兆円 (2)

食品関連 流通業

209兆円 (3)

関連投資 209兆円 (03)

食品関連産業 957兆円(11)

産業全体 8760兆円(100)

食品関連産業を除く産業全体 7804兆円 (89)

電気機械製造業

建設業 金融保険業 等

0 20 40 60 80 100

食品製造業 150万人 (2)

外食産業 329万人 (5)

食品流通業 338万人 (5)

農漁業 244万人 (4)

食品関連産業を除く産業全体 5196万人 (83)

食品関連産業 1061万人(17)

就業者総数(産業全体) 6257万人(100)

農林水産業 117兆円 (134)

鉱業 08兆円 (009)

製造業 2601兆円 (2971)

建設業 556兆円 (636)

電気ガス水道業 240兆円 (274)

卸売小売業 976兆円 (1115)

金融保険業 366兆円 (418)

不動産業 688兆円 (786)

運輸業 398兆円 (455)

情報通信業 465兆円 (531)

サービス業 1541兆円 (1760)

その他 798兆円 (911)

(参 考) 我が国の国内生産額(876兆円)に占める各産業の割合

農漁業 112兆円

(1175)

関連製造業 371兆円

(3879)

関連投資 23兆円

(239)

関連流通業 242兆円

(2527)

飲食店 209兆円

(2180)

資料 平成21年度 農林水産省大臣官房統計部「農業食料関連産業の経済計算」

資料 平成21年 内閣府「国民経済計算」

農業食料関連産業の国内生産額 957兆円(全産業の109)

12

333

317

601

616

67

66

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

食品産業仕向 683最終消費仕向

(06)

(64) (07)

食品製造業仕向 外食産業仕向

(30) (58)

(35)

国産農水産物の用途別仕向割合 食品製造業の加工原材料調達割合(国産輸入)

国産農水産物の23が食品産業仕向けとなっており食品産業は国産農水産物の最大の仕向け先であるまた食品 製造業が利用する原材料(農水産物加工品)のうち7割強が国産農水産物となっている

771

734

84

89

145

177

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

国産農水産物

(58)

(07) (12)

(07)

輸入農水産物

輸入一次加工品

(64)

(14)2005年 2005年

2000年 2000年

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

括弧内は調達額(兆円)

3食品産業の位置づけ①

13

括弧内は調達額(兆円)

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

地方と都市圏の食品製造業の製造品出荷額従業者数と全製造業に占める割合

食品産業は製造卸売小売外食産業のいずれも中小零細企業比率が98~99であり事業所の総数は90万をこえているそのうち食品製造業は地域経済において地場産業として大きなウエイト特に北海道鹿児島沖縄では製造品出荷額の約3割雇用の面では製造業の従事者の過半近くを占めるなど地域経済の安定に重要な役割

14

出所経済産業省「工業統計表」(平成21年) 注零細企業従業者数3人以下の事業所 中小企業従業者数299人以下の事業所 大企業300人以上の事業所

食品製造業の構造 資料経済産業省「工業統計表(4人以上の事業所)」(平成21年) 注1食品製造業は食料品製造業及び飲料たばこ飼料製造業(たばこ製造業飼料有機質肥料製造業を除く)の合計である 注2工業統計における製造品出荷額は一部個々の事業者の秘密が漏れるおそれから秘匿された数字があるため実態とズレがある可能性がある

3食品産業の位置づけ②

製造品出荷額 従業員数

金額(億円) 全製造業に占める

割合() 人数(人)

全製造業に占める 割合()

製造品出荷額の占める割合の高い都道府県

鹿児島 7562

(全国13位) 441

(全国1位) 29438

(全国14位) 413

(全国3位)

北海道 20390

(全国1位) 392

(全国2位) 86343

(全国1位) 488

(全国2位)

沖縄 1686

(全国39位) 308

(全国3位) 12434

(全国34位) 501

(全国1位)

三大 都市圏

東京 7467

(全国14位) 93

(全国28位) 35080

(全国12位) 108

(全国40位)

大阪 11377

(全国9位) 77

(全国33位) 49671

(全国8位) 102

(全国41位)

愛知 17271

(全国2位) 50

(全国44位) 71557

(全国2位) 89

(全国43位)

全国平均 105 全国平均 157

大企業

533

中小企業

34075

零細企業

17955 339

10

99が中小零細企業

650

全産業に占める外食業の割合が高い都道府県

全小売業に占める食品小売業の割合が高い都道府県

全卸売業に占める食品卸売業の割合が高い都道府県

割合 事業所数

①兵庫県 ②愛知県 ③大阪府 ④東京都 ⑤京都府

902 883 882 823 818

21540ヶ所 29627ヶ所 37768ヶ所 56850ヶ所 10528ヶ所

全国平均 703

割合 事業所数

①長崎県 ②鹿児島県 ③沖縄県 ④高知県 ⑤秋田県

398 397 385 380 380

6656ヶ所 7848ヶ所 5767ヶ所 3713ヶ所 4938ヶ所

全国平均 343

割合 事業所数

①高知県 ②和歌山県 ③長崎県 ④青森県 ⑤熊本県

353 351 350 348 322

680ヶ所 937ヶ所

1296ヶ所 1222ヶ所 1342ヶ所

全国平均 227

15

01

999

大企業 355ヶ所

中小企業 415356ヶ所

大企業 9003ヶ所

中小企業 380829ヶ所

2

98

大企業 597ヶ所

中小企業 75461ヶ所

1

99

食品小売業の構造 食品卸売業の構造 外食業の構造

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用 中小企業従業者数49人以下の事業所 大企業従業者数50人以上の事業所

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用

3食品産業の位置づけ③

食品製造業は安定的に利益をあげているものの収益率は低く過当競争状態にあると言われている 法人企業統計調査によれば売上高経常利益率はやや横ばいで推移しているものの自己資本比率はリーマンショック

前の2007年度の水準まで回復していない

16

4食品製造業の業種別構造①

日刊経済通信社の分類による企業数等の状況

資料日刊経済通信社調査部編「平成19年度 酒類食品産業の生産販売シェア」 (注)製パンは8社食用植物油脂は5社のシェアの数値

分類 市場規模(上位10社計) 上位10社の生産販売シェア 企業数

しょうゆ 603660(キロリットル) 635 (出荷量) 1600

冷凍食品 7701(億円) 669 (販売額) 880

即席めん類 4960(億円) 965 (販売額) 58

製パン 7076(億円) 813 (販売高) -

食肉加工品 432500(トン) 806 (販売量) 165

チョコレート 2546(億円) 834 (生産額) -

小麦粉 4083000(トン) 837 (販売量) 100

食用植物油脂 2245700(トン) 856 (販売量) -

資料法人企業統計調査(財務省)

() ()

売上高経常利益率の推移 自己資本比率の推移

-2

0

2

4

6

8

10

12

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

30

35

40

45

50

55

60

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

資料法人企業統計調査(財務省)

食品のカテゴリーの公的な分類の一つに工業統計表があり食品関係では2桁分類が24桁分類が496桁分類が 116公正取引委員会の生産出荷集中度調査はこの工業統計表の6桁分類を参考に区分しており細かい分類であるため集中度が高くなる傾向にある

他方食品市場全体でみると諸外国と比べ上位企業の寡占度が低いというデータもある

工業統計表における産業分類

資料経済産業省「工業統計表」 注)2桁の「飲料たばこ飼料」は4桁分類においてこの他に 「たばこ」「飼料有機質肥料」を含むがこの表では含めない 17

4食品産業の業種別構造(食品製造業②)

2桁 4桁 6桁

食料品 部分肉冷凍肉 部分肉冷凍肉

肉加工品 肉缶詰瓶詰つぼ詰

処理牛乳乳飲料 処理牛乳

水産缶詰瓶詰 まぐろ缶詰

海藻加工 寒天

水産練製品 魚肉ハムソーセージ

野菜缶詰果実缶詰 農産保存食料品

野菜缶詰

野菜漬物 野菜漬物

味そ 味そ

しょう油食用アミノ酸 しょう油食用アミノ酸

ソース ウスター中濃濃厚ソース

砂糖製造 粗糖

砂糖精製 精製糖

ぶどう糖水あめ異性化糖 ぶどう糖

精米精麦 精米

小麦粉 小麦粉

その他の精穀製粉 こんにゃく粉

パン 食パン

生菓子 洋生菓子

ビスケット類干菓子 ビスケット類干菓子

動植物油脂 大豆油

食用油脂 ショートニング油

でんぷん でんぷん

めん類 即席めん類

豆腐油揚 豆腐しみ豆腐油揚げ類

飲料たばこ飼料

清涼飲料 炭酸飲料

果実酒 果実酒

ビール類 ビール

清酒 清酒

製茶 荒茶緑茶

コーヒー コーヒー

製氷 人造氷

2 49 116

30

20

10

()

米国

英国

フランス

ドイツ

日本

加工食品市場における上位10社の寡占度 (2008年)

資料平成22年5月16日付日本経済新聞朝刊より抜粋

(注)ユーロモニターのデータをもとにボストンコンサルティンググループが分析

32

26

16

公正取引委員会の生産出荷集中度調査における区分(食品関連品目80品目)のうち「競争を実質的に制限することとなるおそれが小さい」とされる基準()を超えている品目の一覧

マヨネーズドレッシング類

ルウ類

カレールウ

シチュールウ

シチューミクスを除くシチュールウ

チューインガム

スポーツドリンク

ビール

発泡酒

ウイスキー

ビール風酒類

インスタントコーヒー

(注) 工業統計表の6桁分類を参考に公正取引委員会にて区分したもの () 「企業結合ガイドライン」が「競争を実質的に制限することとなるおそ

れが小さい場合」として挙げている ① 企業結合後のHHIが2500以下 ② 企業結合後の当事会社グループの市場シェアが35以下のう

ち①を基に「HHIが2500以下かどうか」を今回基準として設定 資料公正取引委員会「平成1920年生産出荷集中度調査」

構造改革のメリット ― 利益ある成長へ ① 国内事業の競争緩和② 商品開発力の向上 ③ 価格交渉力の向上④ 収益性の向上 ⑤ 国内基盤の安定リスク分散⑥原料調達力の向上

(10817)(11863)(11701)(13505)(14303)

(3320) (5202) (5990) (6622) (7048)

158516751668167018881804

178651848517691187071762316096

43684427384177039628

3663128226

495316

275573

323087344343

380752384899

449190

338707

385985405472

440757441041

0

20000

40000

60000

80000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

0

100000

200000

300000

400000

500000

卸売業

18

食品卸売業

外側商品販売額

内側事業所数

23

4253739952

43653

38300 39485 37844

53687

4748550723

45295 45054

38214

349514257840256

5028451416

56954

406984381244017

494474643247381

0

20000

40000

60000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

30000

50000

70000

90000

(事業所数)

食品卸売業事業所数(カ所)商品販売額(10億円)の推移

業全体に占める食品関連事業者の割合は卸売業では約2割小売業では約3割となっている 食品卸小売業については近年事業所数商品販売額とも減少傾向で推移特に食品小売業についてはコンビニエン

スストアは増加傾向にあるものの中小規模の食料品スーパーや食料品専門店中心店においては減少傾向で推移

資料経済産業省「商業統計表」

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

食料品スーパー取扱商品販売額のうち食料品が70以上食料品専門店取扱商品販売額のうち食料品が90以上食料品中心店取扱商品販売額のうち食料品が50以上

農畜産物水産物卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 米麦雑穀豆類野菜食肉生鮮魚介等の卸売業 食料飲料卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 味噌醤油乾物菓子類飲料茶類等の卸売業

食品小売業事業所数の推移

業全体に占める割合()

(5850)(6509)(6360)(7957)(8906)

(5862) (8791) (9544) (10538) (11257)9336 9957

8850 8515 84067447

13198 14768

1674815904

17047 17106

40115223

6135 6714 69227007

19881 16578

1588714187

1338712608

441684576245320

476204652646426

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

25000

30000

35000

40000

45000

50000

【事業所数】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

【商品販売額】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

食品小売業商品販売額の推移(10億円)

合計(右目盛)

総合スーパー(左目盛)

コンビニエンスストア(左目盛)

食料品専門店 中心店(左図右目盛 右図左目盛)

食料品スーパー(左目盛) 大規模 中小規模

注従業員数50人未満を中小規模 50人以上を大規模とした

(商品販売額)

〈食飲卸事業所数〉

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

〈農水卸事業所数〉

〈食飲卸商品販売額〉

〈農水卸商品販売額〉

(1) 食品卸小売業

18

小売業

18

2 4

24 5

9

総合スーパー食料品スーパー

コンビニエンスストア

食料品専門店中心店

外側商品販売額

内側事業所数

【食品小売業】

注平成19年のデータを利用

【食品卸売業】

卸 売 業123 億円 食 品 卸 売 業100 億円

小 売 業12 億円 食料品専門店中心店05 億円

(一事業所当たり商品販売金額) (一事業所当たり商品販売金額)

4食品産業の業種別構造(食品流通業)

1990 1997 1999 2002 2004 2007

1990 1997 1999 2002 2004 2007 1990 1997 1999 2002 2004 2007

卸売市場は野菜果物魚肉など日々の食卓に欠かすことのできない生鮮食料品等を国民に円滑かつ安定的に供給するための基幹的なインフラとして多種大量の物品の効率的かつ継続的な集分荷公正で透明性の高い価格形成など重要な機能を有している

青果水産物の6割程度が卸売市場を経由している(国産青果物では約9割)加工品や輸入品など卸売市場を経由することが少ない物品の流通割合が増加していること等により市場経由率は低下傾向にあったがここ数年は横ばいで推移している

生鮮食料品等の主要な流通経路

卸売市場の数取扱金額市場関係業者数

卸売市場経由率の推移(推計)

(2)卸売市場

区分 市場数

取扱金額 (億円)

卸売業 者数

仲卸業 者数

売買参 加者数

中央卸売市場 74 41208 210 4305 35828

うち青 果 60 19102 85 1629 16111

水産物 46 18275 78 2472 6210

食 肉 10 2158 10 80 1833

花 き 22 1402 28 102 11067

その他 7 271 9 22 607

地方卸売市場 1185 31953 1384 2053 132938

資料農林水産省食料産業局食品製造卸売課調べ 注(中央) 市場数卸売業者数22年度末他の業者数21年度末取扱金額21年度(H21年10月1日 に地方卸売市場へ転換した市場についてはH21年9月までの取扱金額を含めている) なおH23年4月現在の市場数は全体で72となっている

(地方)市場数業者数21年度当初取扱金額20年度

資料農林水産省「食料需給表」「青果物卸売市場調査報告」等により推計 注卸売市場経由率は国内で流通した加工品を含む国産及び輸入の青果水産物等のうち卸売市場(水産物に ついてはいわゆる産地市場の取扱量は除く)を経由したものの数量割合(花きについては金額割合)の推計値 なお国産青果物の卸売市場経由率は約9割となっている

中央卸売市場 地方卸売市場

特徴

公正かつ効率的な流通の確保を目的とした広域的な生鮮食料品等流通の中核的な拠点

都道府県や一定規模以上の都市が開設者となって厳格な取引規制の下指標となる価格形成等重要な機能を果たしている

地域における生鮮食料品等の集配拠点

開設者の主体に制限はなく法律上の規制も緩やかとなっており地域の実情に応じた運営がなされている

機能

① 集荷(品揃え)分荷機能全国各地から多種大量の物品を集荷するとともに実需者の ニーズに応じて迅速かつ効率的に必要な品目量へと分荷 ② 価格形成機能需給を反映した公正で透明性の高い価格形成 ③ 代金決済機能販売代金の出荷者への迅速確実な決済 ④ 情報受発信機能需給に係る情報を収集し川上川下にそれぞれ伝達

卸売市場の種類と主要な機能

商社 輸入

消費者

直売所青空市場宅配など

産地直接取引など

出荷者(農協個人等)

卸売業者

仲卸業者

売買参加者

卸売市場 製造業者小売業者外食業者等

(年度)

827

630

853

738

780

457

746

584

830 840

235

98

00

100

200

300

400

500

600

20

40

60

80

H元 H5 H10 H15 H18 H19 H20

(単位)

青果

(野菜)

(果実)

水産物

花き

食肉

(食肉)

19

500万円未満

62

500万~

1千万円

14

1千~

3千万円

21

3千~5千万円

2

5千万円以上

71601社

単身世帯の増加女性の雇用者の増加等社会情勢の変化の中で食に関して簡便化志向の高まりや外部化が進行 外食産業は個人経営が総店舗数の5分の3を占め法人形態であっても資本金1千万円未満のものが4分の3を占め

るなど中小零細な事業者が多い従業員についても約290万人の大きな雇用機会を創出しているものの常勤雇用者に占めるパートアルバイトの割合が高い

710

381

290

619

0

20

40

60

80

100

飲食店 小売卸売業

法人

個人

資料平成21年経済センサス

外食産業における法人の資本別割合(2009年)

事業所数 (千ケ所) 673

従業員数 (千人) 4421

常勤雇用者に占める正社員正職員以外の割合(2009年)

製造業 207

卸小売業 458

宿泊業飲食サービス業 733

飲食店 769

ハンバーガー店 946

資料平成21年経済センサス

資料(財)食の安全安心財団附属機関 外食産業総合調査研究センターによる推計

20

4食品産業の業種別構造(外食産業)

資料平成21年経済センサス

資料平成21年経済センサス

外食率 = 外 食 産 業 市 場 規 模

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

食の外部化率 = 外食産業市場規模 + 料理品小売業

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

278

318

335 349

358 366

369 377

378

375

373

367

365

375

378 366

356

356

358

355

354

352

360

366

368

366

359

362

284

334

354

370 381

393 398 412

415

413

412

406 406 419

425

422

419

421

428

428

430

428

441 450

452

449

443

449

25

30

35

40

45

50

外食率

食の外部化率

外食率食の外部化率の推移

事業所数従業員数(2009年)

外食産業(飲食店)の経営組織別事業所数の比率(2009年)

4食品産業の業種別構造(関連産業) 食品製造業は物流のほか製造用機械容器など食品の製造に必要な資材等を提供する裾野産業に支えられている

従前より食品産業全体については高い物流コストや過剰包装等が問題

食品機械の輸出入実績推移

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

(製造品出荷額等)

百万円

(輸出入額)

百万円

輸出 輸入 製造品出荷額等

売上高物流コスト比率(業種小分類別)

21

(資料財団法人日本包装技術協会)

資料社団法人日本食品機械工業会 物流コスト削減策

注回答企業数196社 資料2009年度物流コスト調査報告書(社団法人日本ロジステックスシステム協会)

製造業

食品(要冷)

石鹸洗剤塗料

食品(常温)

繊維

化粧品

電気製品

医薬品

卸売業

卸売業(繊維衣料品系)

卸売業(日用雑貨系)

卸売業(食品飲料系)

その他卸売業

卸売業(機器系)

卸売業(総合商社)

小売業

小売業(通販)

小売業(生協)

小売業(コンビニエンスストア)

その他小売業

その他

建設

000 200 400 600 800 1000 1200 1400

在庫削減SCM

在庫削減

アイテム数の整理

物流システムネットワークの見直し

物流拠点の見直し(廃止統合新設)

直送化

輸配送の共同化

商品設計包装の見直し

包装容器の再使用通い箱の利用等

包装の簡素化変更

物流オペレーションの改善保管仕分け等

保管の効率化

物流オペレーションの改善輸配送

積載率の向上(混載化帰り便の利用等)

輸配送経路の見直し

105 58

101 77

62

61 60

88

95 75

0 50 100 150 (数)

()

アジア地域の実質経済成長率は今後5を超える高水準で推移する見通しであり特に中国とインドは8~9台の高水準で伸びる見通し高成長を支え今後の市場規模に大きな影響を与える中高所得者層(世帯可処分所得5000ドル以上)の人口は今後10年で現在の2倍程度に増加する見通し

製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況

5海外市場への展開

加速する我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

資料「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

2位 東南アジア(341)

4位 タイ (295)

3位 台湾 (318)

1位 中国 (659)

海外出店を積極化する又は今後進出を予定して いる企業の出店先は中国がトップ(複数回答あり)

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

2009年度(233千法人)

全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

食品製造業

国内法人数に対する現地法人数の割合

11

その他の製造業 32

資料「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省 資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」 東洋経済新報社

世帯可処分所得5000ドル以上の人口の推移

出所NIRA研究報告書(所得別の家計比率はEuromonitor International World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した 2008 年までの人口はIMF International Financial Statistics2010 年以降はUN WorldPopulation Prospects を参照)

35億人

1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

見通し(NIRA推計)

+10億人 2倍増

アジア太平洋主要国別の経済成長見通し

22

30 25

20 15 10 5

0

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

全製造業に占める食品 製造業の法人数の割合

国内法人数に対する 現地法人数の割合

資料「工業統計表(2009年企業統計編)」経済産業省

資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」東洋経済新報社

35

12

0 1 2 3 4 0 100 200 300

2009年度(212千法人)

849

151

食品製造業 =約32千法人

その他の製造業 =約180千法人

(千法人)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国

インド

ベトナム

インドネシア

マレーシア

出典World Economic Outlook 2011年9月版(IMF)

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
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  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
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  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
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  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 12: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

121

食用農水産 物の輸入

【12兆円】

94兆円

外食産業向け

06兆円 【01兆円】

食品製造業向け

58兆円 【07兆円】

最終消費向け

30兆円 【03兆円】

食品製造業

301兆円

最終製品の輸入 【39兆円】

一次加工品の輸入 【14兆円】

生鮮品等

209兆円 (285)

391兆円 (532)

135兆円 (184)

資料総務省他9府省庁「平成17年産業連関表」を基に農林水産省で試算 1【 】内の数値は輸入分の数値 2精穀(精米精麦等)と畜(各種肉類)及び冷凍魚介類は加工度が低いため最終消費においては「生鮮品等」として取り扱っている 3旅館ホテル病院等での食事は「外食」に計上せず使用された食材費を最終消費額としてそれぞれ「生鮮品等」及び「加工品」に計上している

外食産業

209兆円

食品小売業

(加工品) 391兆円

(生鮮品等) 135兆円

飲食料の 最終消費額 736兆円

食品産業

加工食品 卸売業

食用農水産物 106兆円

( 生産から消費に至る流れ )

卸売市場

食品産業(流通業食品製造業外食中食産業)は食用農水産物106兆円と輸入加工品52兆円を食材として

736兆円の食品市場を形成

1最終消費からみた飲食費の流れ(2005年)

飲食料の 最終消費額 795兆円

[2000年] 食用農水産物

118兆円 ( 生産から消費に至る流れ )

10

6兆円

Ⅱ 食品産業の位置付け現状

食品関連産業の国内生産額の推移

食品関連産業の国内生産額は約96兆円(2009年度)で全産業(876兆円)の約11であり我が国産業の最大のセクターの一つである近年は食料品価格の値下げ等により1990年代後半をピークに減少傾向

食品関連産業の就業者数は1061万人で全産業の就業者総数(6257万人)の約17 生産額及び就業者数でみた食品産業の位置づけ

2食品関連産業の地位

96兆円

消費者物価指数の推移 就業者数(2010年)

資料総務省「労働力調査」(2010年)

90

92

94

96

98

100

102

平成

2 3 4 5 6 7 8 9 10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

総合

食料

991

11

1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 資料総務省「消費者物価指数年報」 注1998年を100としている食料には酒類外食を含む

964

資料農林水産省「農業食料関連産業の経済計算」(2009年度)

生産額(2009年度)

0 20 40 60 80 100

農漁業 112兆円 (1)

食品関連 製造業

372兆円 (4)

飲食業 242兆円 (2)

食品関連 流通業

209兆円 (3)

関連投資 209兆円 (03)

食品関連産業 957兆円(11)

産業全体 8760兆円(100)

食品関連産業を除く産業全体 7804兆円 (89)

電気機械製造業

建設業 金融保険業 等

0 20 40 60 80 100

食品製造業 150万人 (2)

外食産業 329万人 (5)

食品流通業 338万人 (5)

農漁業 244万人 (4)

食品関連産業を除く産業全体 5196万人 (83)

食品関連産業 1061万人(17)

就業者総数(産業全体) 6257万人(100)

農林水産業 117兆円 (134)

鉱業 08兆円 (009)

製造業 2601兆円 (2971)

建設業 556兆円 (636)

電気ガス水道業 240兆円 (274)

卸売小売業 976兆円 (1115)

金融保険業 366兆円 (418)

不動産業 688兆円 (786)

運輸業 398兆円 (455)

情報通信業 465兆円 (531)

サービス業 1541兆円 (1760)

その他 798兆円 (911)

(参 考) 我が国の国内生産額(876兆円)に占める各産業の割合

農漁業 112兆円

(1175)

関連製造業 371兆円

(3879)

関連投資 23兆円

(239)

関連流通業 242兆円

(2527)

飲食店 209兆円

(2180)

資料 平成21年度 農林水産省大臣官房統計部「農業食料関連産業の経済計算」

資料 平成21年 内閣府「国民経済計算」

農業食料関連産業の国内生産額 957兆円(全産業の109)

12

333

317

601

616

67

66

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

食品産業仕向 683最終消費仕向

(06)

(64) (07)

食品製造業仕向 外食産業仕向

(30) (58)

(35)

国産農水産物の用途別仕向割合 食品製造業の加工原材料調達割合(国産輸入)

国産農水産物の23が食品産業仕向けとなっており食品産業は国産農水産物の最大の仕向け先であるまた食品 製造業が利用する原材料(農水産物加工品)のうち7割強が国産農水産物となっている

771

734

84

89

145

177

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

国産農水産物

(58)

(07) (12)

(07)

輸入農水産物

輸入一次加工品

(64)

(14)2005年 2005年

2000年 2000年

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

括弧内は調達額(兆円)

3食品産業の位置づけ①

13

括弧内は調達額(兆円)

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

地方と都市圏の食品製造業の製造品出荷額従業者数と全製造業に占める割合

食品産業は製造卸売小売外食産業のいずれも中小零細企業比率が98~99であり事業所の総数は90万をこえているそのうち食品製造業は地域経済において地場産業として大きなウエイト特に北海道鹿児島沖縄では製造品出荷額の約3割雇用の面では製造業の従事者の過半近くを占めるなど地域経済の安定に重要な役割

14

出所経済産業省「工業統計表」(平成21年) 注零細企業従業者数3人以下の事業所 中小企業従業者数299人以下の事業所 大企業300人以上の事業所

食品製造業の構造 資料経済産業省「工業統計表(4人以上の事業所)」(平成21年) 注1食品製造業は食料品製造業及び飲料たばこ飼料製造業(たばこ製造業飼料有機質肥料製造業を除く)の合計である 注2工業統計における製造品出荷額は一部個々の事業者の秘密が漏れるおそれから秘匿された数字があるため実態とズレがある可能性がある

3食品産業の位置づけ②

製造品出荷額 従業員数

金額(億円) 全製造業に占める

割合() 人数(人)

全製造業に占める 割合()

製造品出荷額の占める割合の高い都道府県

鹿児島 7562

(全国13位) 441

(全国1位) 29438

(全国14位) 413

(全国3位)

北海道 20390

(全国1位) 392

(全国2位) 86343

(全国1位) 488

(全国2位)

沖縄 1686

(全国39位) 308

(全国3位) 12434

(全国34位) 501

(全国1位)

三大 都市圏

東京 7467

(全国14位) 93

(全国28位) 35080

(全国12位) 108

(全国40位)

大阪 11377

(全国9位) 77

(全国33位) 49671

(全国8位) 102

(全国41位)

愛知 17271

(全国2位) 50

(全国44位) 71557

(全国2位) 89

(全国43位)

全国平均 105 全国平均 157

大企業

533

中小企業

34075

零細企業

17955 339

10

99が中小零細企業

650

全産業に占める外食業の割合が高い都道府県

全小売業に占める食品小売業の割合が高い都道府県

全卸売業に占める食品卸売業の割合が高い都道府県

割合 事業所数

①兵庫県 ②愛知県 ③大阪府 ④東京都 ⑤京都府

902 883 882 823 818

21540ヶ所 29627ヶ所 37768ヶ所 56850ヶ所 10528ヶ所

全国平均 703

割合 事業所数

①長崎県 ②鹿児島県 ③沖縄県 ④高知県 ⑤秋田県

398 397 385 380 380

6656ヶ所 7848ヶ所 5767ヶ所 3713ヶ所 4938ヶ所

全国平均 343

割合 事業所数

①高知県 ②和歌山県 ③長崎県 ④青森県 ⑤熊本県

353 351 350 348 322

680ヶ所 937ヶ所

1296ヶ所 1222ヶ所 1342ヶ所

全国平均 227

15

01

999

大企業 355ヶ所

中小企業 415356ヶ所

大企業 9003ヶ所

中小企業 380829ヶ所

2

98

大企業 597ヶ所

中小企業 75461ヶ所

1

99

食品小売業の構造 食品卸売業の構造 外食業の構造

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用 中小企業従業者数49人以下の事業所 大企業従業者数50人以上の事業所

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用

3食品産業の位置づけ③

食品製造業は安定的に利益をあげているものの収益率は低く過当競争状態にあると言われている 法人企業統計調査によれば売上高経常利益率はやや横ばいで推移しているものの自己資本比率はリーマンショック

前の2007年度の水準まで回復していない

16

4食品製造業の業種別構造①

日刊経済通信社の分類による企業数等の状況

資料日刊経済通信社調査部編「平成19年度 酒類食品産業の生産販売シェア」 (注)製パンは8社食用植物油脂は5社のシェアの数値

分類 市場規模(上位10社計) 上位10社の生産販売シェア 企業数

しょうゆ 603660(キロリットル) 635 (出荷量) 1600

冷凍食品 7701(億円) 669 (販売額) 880

即席めん類 4960(億円) 965 (販売額) 58

製パン 7076(億円) 813 (販売高) -

食肉加工品 432500(トン) 806 (販売量) 165

チョコレート 2546(億円) 834 (生産額) -

小麦粉 4083000(トン) 837 (販売量) 100

食用植物油脂 2245700(トン) 856 (販売量) -

資料法人企業統計調査(財務省)

() ()

売上高経常利益率の推移 自己資本比率の推移

-2

0

2

4

6

8

10

12

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

30

35

40

45

50

55

60

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

資料法人企業統計調査(財務省)

食品のカテゴリーの公的な分類の一つに工業統計表があり食品関係では2桁分類が24桁分類が496桁分類が 116公正取引委員会の生産出荷集中度調査はこの工業統計表の6桁分類を参考に区分しており細かい分類であるため集中度が高くなる傾向にある

他方食品市場全体でみると諸外国と比べ上位企業の寡占度が低いというデータもある

工業統計表における産業分類

資料経済産業省「工業統計表」 注)2桁の「飲料たばこ飼料」は4桁分類においてこの他に 「たばこ」「飼料有機質肥料」を含むがこの表では含めない 17

4食品産業の業種別構造(食品製造業②)

2桁 4桁 6桁

食料品 部分肉冷凍肉 部分肉冷凍肉

肉加工品 肉缶詰瓶詰つぼ詰

処理牛乳乳飲料 処理牛乳

水産缶詰瓶詰 まぐろ缶詰

海藻加工 寒天

水産練製品 魚肉ハムソーセージ

野菜缶詰果実缶詰 農産保存食料品

野菜缶詰

野菜漬物 野菜漬物

味そ 味そ

しょう油食用アミノ酸 しょう油食用アミノ酸

ソース ウスター中濃濃厚ソース

砂糖製造 粗糖

砂糖精製 精製糖

ぶどう糖水あめ異性化糖 ぶどう糖

精米精麦 精米

小麦粉 小麦粉

その他の精穀製粉 こんにゃく粉

パン 食パン

生菓子 洋生菓子

ビスケット類干菓子 ビスケット類干菓子

動植物油脂 大豆油

食用油脂 ショートニング油

でんぷん でんぷん

めん類 即席めん類

豆腐油揚 豆腐しみ豆腐油揚げ類

飲料たばこ飼料

清涼飲料 炭酸飲料

果実酒 果実酒

ビール類 ビール

清酒 清酒

製茶 荒茶緑茶

コーヒー コーヒー

製氷 人造氷

2 49 116

30

20

10

()

米国

英国

フランス

ドイツ

日本

加工食品市場における上位10社の寡占度 (2008年)

資料平成22年5月16日付日本経済新聞朝刊より抜粋

(注)ユーロモニターのデータをもとにボストンコンサルティンググループが分析

32

26

16

公正取引委員会の生産出荷集中度調査における区分(食品関連品目80品目)のうち「競争を実質的に制限することとなるおそれが小さい」とされる基準()を超えている品目の一覧

マヨネーズドレッシング類

ルウ類

カレールウ

シチュールウ

シチューミクスを除くシチュールウ

チューインガム

スポーツドリンク

ビール

発泡酒

ウイスキー

ビール風酒類

インスタントコーヒー

(注) 工業統計表の6桁分類を参考に公正取引委員会にて区分したもの () 「企業結合ガイドライン」が「競争を実質的に制限することとなるおそ

れが小さい場合」として挙げている ① 企業結合後のHHIが2500以下 ② 企業結合後の当事会社グループの市場シェアが35以下のう

ち①を基に「HHIが2500以下かどうか」を今回基準として設定 資料公正取引委員会「平成1920年生産出荷集中度調査」

構造改革のメリット ― 利益ある成長へ ① 国内事業の競争緩和② 商品開発力の向上 ③ 価格交渉力の向上④ 収益性の向上 ⑤ 国内基盤の安定リスク分散⑥原料調達力の向上

(10817)(11863)(11701)(13505)(14303)

(3320) (5202) (5990) (6622) (7048)

158516751668167018881804

178651848517691187071762316096

43684427384177039628

3663128226

495316

275573

323087344343

380752384899

449190

338707

385985405472

440757441041

0

20000

40000

60000

80000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

0

100000

200000

300000

400000

500000

卸売業

18

食品卸売業

外側商品販売額

内側事業所数

23

4253739952

43653

38300 39485 37844

53687

4748550723

45295 45054

38214

349514257840256

5028451416

56954

406984381244017

494474643247381

0

20000

40000

60000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

30000

50000

70000

90000

(事業所数)

食品卸売業事業所数(カ所)商品販売額(10億円)の推移

業全体に占める食品関連事業者の割合は卸売業では約2割小売業では約3割となっている 食品卸小売業については近年事業所数商品販売額とも減少傾向で推移特に食品小売業についてはコンビニエン

スストアは増加傾向にあるものの中小規模の食料品スーパーや食料品専門店中心店においては減少傾向で推移

資料経済産業省「商業統計表」

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

食料品スーパー取扱商品販売額のうち食料品が70以上食料品専門店取扱商品販売額のうち食料品が90以上食料品中心店取扱商品販売額のうち食料品が50以上

農畜産物水産物卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 米麦雑穀豆類野菜食肉生鮮魚介等の卸売業 食料飲料卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 味噌醤油乾物菓子類飲料茶類等の卸売業

食品小売業事業所数の推移

業全体に占める割合()

(5850)(6509)(6360)(7957)(8906)

(5862) (8791) (9544) (10538) (11257)9336 9957

8850 8515 84067447

13198 14768

1674815904

17047 17106

40115223

6135 6714 69227007

19881 16578

1588714187

1338712608

441684576245320

476204652646426

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

25000

30000

35000

40000

45000

50000

【事業所数】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

【商品販売額】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

食品小売業商品販売額の推移(10億円)

合計(右目盛)

総合スーパー(左目盛)

コンビニエンスストア(左目盛)

食料品専門店 中心店(左図右目盛 右図左目盛)

食料品スーパー(左目盛) 大規模 中小規模

注従業員数50人未満を中小規模 50人以上を大規模とした

(商品販売額)

〈食飲卸事業所数〉

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

〈農水卸事業所数〉

〈食飲卸商品販売額〉

〈農水卸商品販売額〉

(1) 食品卸小売業

18

小売業

18

2 4

24 5

9

総合スーパー食料品スーパー

コンビニエンスストア

食料品専門店中心店

外側商品販売額

内側事業所数

【食品小売業】

注平成19年のデータを利用

【食品卸売業】

卸 売 業123 億円 食 品 卸 売 業100 億円

小 売 業12 億円 食料品専門店中心店05 億円

(一事業所当たり商品販売金額) (一事業所当たり商品販売金額)

4食品産業の業種別構造(食品流通業)

1990 1997 1999 2002 2004 2007

1990 1997 1999 2002 2004 2007 1990 1997 1999 2002 2004 2007

卸売市場は野菜果物魚肉など日々の食卓に欠かすことのできない生鮮食料品等を国民に円滑かつ安定的に供給するための基幹的なインフラとして多種大量の物品の効率的かつ継続的な集分荷公正で透明性の高い価格形成など重要な機能を有している

青果水産物の6割程度が卸売市場を経由している(国産青果物では約9割)加工品や輸入品など卸売市場を経由することが少ない物品の流通割合が増加していること等により市場経由率は低下傾向にあったがここ数年は横ばいで推移している

生鮮食料品等の主要な流通経路

卸売市場の数取扱金額市場関係業者数

卸売市場経由率の推移(推計)

(2)卸売市場

区分 市場数

取扱金額 (億円)

卸売業 者数

仲卸業 者数

売買参 加者数

中央卸売市場 74 41208 210 4305 35828

うち青 果 60 19102 85 1629 16111

水産物 46 18275 78 2472 6210

食 肉 10 2158 10 80 1833

花 き 22 1402 28 102 11067

その他 7 271 9 22 607

地方卸売市場 1185 31953 1384 2053 132938

資料農林水産省食料産業局食品製造卸売課調べ 注(中央) 市場数卸売業者数22年度末他の業者数21年度末取扱金額21年度(H21年10月1日 に地方卸売市場へ転換した市場についてはH21年9月までの取扱金額を含めている) なおH23年4月現在の市場数は全体で72となっている

(地方)市場数業者数21年度当初取扱金額20年度

資料農林水産省「食料需給表」「青果物卸売市場調査報告」等により推計 注卸売市場経由率は国内で流通した加工品を含む国産及び輸入の青果水産物等のうち卸売市場(水産物に ついてはいわゆる産地市場の取扱量は除く)を経由したものの数量割合(花きについては金額割合)の推計値 なお国産青果物の卸売市場経由率は約9割となっている

中央卸売市場 地方卸売市場

特徴

公正かつ効率的な流通の確保を目的とした広域的な生鮮食料品等流通の中核的な拠点

都道府県や一定規模以上の都市が開設者となって厳格な取引規制の下指標となる価格形成等重要な機能を果たしている

地域における生鮮食料品等の集配拠点

開設者の主体に制限はなく法律上の規制も緩やかとなっており地域の実情に応じた運営がなされている

機能

① 集荷(品揃え)分荷機能全国各地から多種大量の物品を集荷するとともに実需者の ニーズに応じて迅速かつ効率的に必要な品目量へと分荷 ② 価格形成機能需給を反映した公正で透明性の高い価格形成 ③ 代金決済機能販売代金の出荷者への迅速確実な決済 ④ 情報受発信機能需給に係る情報を収集し川上川下にそれぞれ伝達

卸売市場の種類と主要な機能

商社 輸入

消費者

直売所青空市場宅配など

産地直接取引など

出荷者(農協個人等)

卸売業者

仲卸業者

売買参加者

卸売市場 製造業者小売業者外食業者等

(年度)

827

630

853

738

780

457

746

584

830 840

235

98

00

100

200

300

400

500

600

20

40

60

80

H元 H5 H10 H15 H18 H19 H20

(単位)

青果

(野菜)

(果実)

水産物

花き

食肉

(食肉)

19

500万円未満

62

500万~

1千万円

14

1千~

3千万円

21

3千~5千万円

2

5千万円以上

71601社

単身世帯の増加女性の雇用者の増加等社会情勢の変化の中で食に関して簡便化志向の高まりや外部化が進行 外食産業は個人経営が総店舗数の5分の3を占め法人形態であっても資本金1千万円未満のものが4分の3を占め

るなど中小零細な事業者が多い従業員についても約290万人の大きな雇用機会を創出しているものの常勤雇用者に占めるパートアルバイトの割合が高い

710

381

290

619

0

20

40

60

80

100

飲食店 小売卸売業

法人

個人

資料平成21年経済センサス

外食産業における法人の資本別割合(2009年)

事業所数 (千ケ所) 673

従業員数 (千人) 4421

常勤雇用者に占める正社員正職員以外の割合(2009年)

製造業 207

卸小売業 458

宿泊業飲食サービス業 733

飲食店 769

ハンバーガー店 946

資料平成21年経済センサス

資料(財)食の安全安心財団附属機関 外食産業総合調査研究センターによる推計

20

4食品産業の業種別構造(外食産業)

資料平成21年経済センサス

資料平成21年経済センサス

外食率 = 外 食 産 業 市 場 規 模

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

食の外部化率 = 外食産業市場規模 + 料理品小売業

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

278

318

335 349

358 366

369 377

378

375

373

367

365

375

378 366

356

356

358

355

354

352

360

366

368

366

359

362

284

334

354

370 381

393 398 412

415

413

412

406 406 419

425

422

419

421

428

428

430

428

441 450

452

449

443

449

25

30

35

40

45

50

外食率

食の外部化率

外食率食の外部化率の推移

事業所数従業員数(2009年)

外食産業(飲食店)の経営組織別事業所数の比率(2009年)

4食品産業の業種別構造(関連産業) 食品製造業は物流のほか製造用機械容器など食品の製造に必要な資材等を提供する裾野産業に支えられている

従前より食品産業全体については高い物流コストや過剰包装等が問題

食品機械の輸出入実績推移

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

(製造品出荷額等)

百万円

(輸出入額)

百万円

輸出 輸入 製造品出荷額等

売上高物流コスト比率(業種小分類別)

21

(資料財団法人日本包装技術協会)

資料社団法人日本食品機械工業会 物流コスト削減策

注回答企業数196社 資料2009年度物流コスト調査報告書(社団法人日本ロジステックスシステム協会)

製造業

食品(要冷)

石鹸洗剤塗料

食品(常温)

繊維

化粧品

電気製品

医薬品

卸売業

卸売業(繊維衣料品系)

卸売業(日用雑貨系)

卸売業(食品飲料系)

その他卸売業

卸売業(機器系)

卸売業(総合商社)

小売業

小売業(通販)

小売業(生協)

小売業(コンビニエンスストア)

その他小売業

その他

建設

000 200 400 600 800 1000 1200 1400

在庫削減SCM

在庫削減

アイテム数の整理

物流システムネットワークの見直し

物流拠点の見直し(廃止統合新設)

直送化

輸配送の共同化

商品設計包装の見直し

包装容器の再使用通い箱の利用等

包装の簡素化変更

物流オペレーションの改善保管仕分け等

保管の効率化

物流オペレーションの改善輸配送

積載率の向上(混載化帰り便の利用等)

輸配送経路の見直し

105 58

101 77

62

61 60

88

95 75

0 50 100 150 (数)

()

アジア地域の実質経済成長率は今後5を超える高水準で推移する見通しであり特に中国とインドは8~9台の高水準で伸びる見通し高成長を支え今後の市場規模に大きな影響を与える中高所得者層(世帯可処分所得5000ドル以上)の人口は今後10年で現在の2倍程度に増加する見通し

製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況

5海外市場への展開

加速する我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

資料「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

2位 東南アジア(341)

4位 タイ (295)

3位 台湾 (318)

1位 中国 (659)

海外出店を積極化する又は今後進出を予定して いる企業の出店先は中国がトップ(複数回答あり)

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

2009年度(233千法人)

全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

食品製造業

国内法人数に対する現地法人数の割合

11

その他の製造業 32

資料「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省 資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」 東洋経済新報社

世帯可処分所得5000ドル以上の人口の推移

出所NIRA研究報告書(所得別の家計比率はEuromonitor International World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した 2008 年までの人口はIMF International Financial Statistics2010 年以降はUN WorldPopulation Prospects を参照)

35億人

1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

見通し(NIRA推計)

+10億人 2倍増

アジア太平洋主要国別の経済成長見通し

22

30 25

20 15 10 5

0

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

全製造業に占める食品 製造業の法人数の割合

国内法人数に対する 現地法人数の割合

資料「工業統計表(2009年企業統計編)」経済産業省

資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」東洋経済新報社

35

12

0 1 2 3 4 0 100 200 300

2009年度(212千法人)

849

151

食品製造業 =約32千法人

その他の製造業 =約180千法人

(千法人)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国

インド

ベトナム

インドネシア

マレーシア

出典World Economic Outlook 2011年9月版(IMF)

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 13: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

食品関連産業の国内生産額の推移

食品関連産業の国内生産額は約96兆円(2009年度)で全産業(876兆円)の約11であり我が国産業の最大のセクターの一つである近年は食料品価格の値下げ等により1990年代後半をピークに減少傾向

食品関連産業の就業者数は1061万人で全産業の就業者総数(6257万人)の約17 生産額及び就業者数でみた食品産業の位置づけ

2食品関連産業の地位

96兆円

消費者物価指数の推移 就業者数(2010年)

資料総務省「労働力調査」(2010年)

90

92

94

96

98

100

102

平成

2 3 4 5 6 7 8 9 10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

総合

食料

991

11

1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 資料総務省「消費者物価指数年報」 注1998年を100としている食料には酒類外食を含む

964

資料農林水産省「農業食料関連産業の経済計算」(2009年度)

生産額(2009年度)

0 20 40 60 80 100

農漁業 112兆円 (1)

食品関連 製造業

372兆円 (4)

飲食業 242兆円 (2)

食品関連 流通業

209兆円 (3)

関連投資 209兆円 (03)

食品関連産業 957兆円(11)

産業全体 8760兆円(100)

食品関連産業を除く産業全体 7804兆円 (89)

電気機械製造業

建設業 金融保険業 等

0 20 40 60 80 100

食品製造業 150万人 (2)

外食産業 329万人 (5)

食品流通業 338万人 (5)

農漁業 244万人 (4)

食品関連産業を除く産業全体 5196万人 (83)

食品関連産業 1061万人(17)

就業者総数(産業全体) 6257万人(100)

農林水産業 117兆円 (134)

鉱業 08兆円 (009)

製造業 2601兆円 (2971)

建設業 556兆円 (636)

電気ガス水道業 240兆円 (274)

卸売小売業 976兆円 (1115)

金融保険業 366兆円 (418)

不動産業 688兆円 (786)

運輸業 398兆円 (455)

情報通信業 465兆円 (531)

サービス業 1541兆円 (1760)

その他 798兆円 (911)

(参 考) 我が国の国内生産額(876兆円)に占める各産業の割合

農漁業 112兆円

(1175)

関連製造業 371兆円

(3879)

関連投資 23兆円

(239)

関連流通業 242兆円

(2527)

飲食店 209兆円

(2180)

資料 平成21年度 農林水産省大臣官房統計部「農業食料関連産業の経済計算」

資料 平成21年 内閣府「国民経済計算」

農業食料関連産業の国内生産額 957兆円(全産業の109)

12

333

317

601

616

67

66

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

食品産業仕向 683最終消費仕向

(06)

(64) (07)

食品製造業仕向 外食産業仕向

(30) (58)

(35)

国産農水産物の用途別仕向割合 食品製造業の加工原材料調達割合(国産輸入)

国産農水産物の23が食品産業仕向けとなっており食品産業は国産農水産物の最大の仕向け先であるまた食品 製造業が利用する原材料(農水産物加工品)のうち7割強が国産農水産物となっている

771

734

84

89

145

177

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

国産農水産物

(58)

(07) (12)

(07)

輸入農水産物

輸入一次加工品

(64)

(14)2005年 2005年

2000年 2000年

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

括弧内は調達額(兆円)

3食品産業の位置づけ①

13

括弧内は調達額(兆円)

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

地方と都市圏の食品製造業の製造品出荷額従業者数と全製造業に占める割合

食品産業は製造卸売小売外食産業のいずれも中小零細企業比率が98~99であり事業所の総数は90万をこえているそのうち食品製造業は地域経済において地場産業として大きなウエイト特に北海道鹿児島沖縄では製造品出荷額の約3割雇用の面では製造業の従事者の過半近くを占めるなど地域経済の安定に重要な役割

14

出所経済産業省「工業統計表」(平成21年) 注零細企業従業者数3人以下の事業所 中小企業従業者数299人以下の事業所 大企業300人以上の事業所

食品製造業の構造 資料経済産業省「工業統計表(4人以上の事業所)」(平成21年) 注1食品製造業は食料品製造業及び飲料たばこ飼料製造業(たばこ製造業飼料有機質肥料製造業を除く)の合計である 注2工業統計における製造品出荷額は一部個々の事業者の秘密が漏れるおそれから秘匿された数字があるため実態とズレがある可能性がある

3食品産業の位置づけ②

製造品出荷額 従業員数

金額(億円) 全製造業に占める

割合() 人数(人)

全製造業に占める 割合()

製造品出荷額の占める割合の高い都道府県

鹿児島 7562

(全国13位) 441

(全国1位) 29438

(全国14位) 413

(全国3位)

北海道 20390

(全国1位) 392

(全国2位) 86343

(全国1位) 488

(全国2位)

沖縄 1686

(全国39位) 308

(全国3位) 12434

(全国34位) 501

(全国1位)

三大 都市圏

東京 7467

(全国14位) 93

(全国28位) 35080

(全国12位) 108

(全国40位)

大阪 11377

(全国9位) 77

(全国33位) 49671

(全国8位) 102

(全国41位)

愛知 17271

(全国2位) 50

(全国44位) 71557

(全国2位) 89

(全国43位)

全国平均 105 全国平均 157

大企業

533

中小企業

34075

零細企業

17955 339

10

99が中小零細企業

650

全産業に占める外食業の割合が高い都道府県

全小売業に占める食品小売業の割合が高い都道府県

全卸売業に占める食品卸売業の割合が高い都道府県

割合 事業所数

①兵庫県 ②愛知県 ③大阪府 ④東京都 ⑤京都府

902 883 882 823 818

21540ヶ所 29627ヶ所 37768ヶ所 56850ヶ所 10528ヶ所

全国平均 703

割合 事業所数

①長崎県 ②鹿児島県 ③沖縄県 ④高知県 ⑤秋田県

398 397 385 380 380

6656ヶ所 7848ヶ所 5767ヶ所 3713ヶ所 4938ヶ所

全国平均 343

割合 事業所数

①高知県 ②和歌山県 ③長崎県 ④青森県 ⑤熊本県

353 351 350 348 322

680ヶ所 937ヶ所

1296ヶ所 1222ヶ所 1342ヶ所

全国平均 227

15

01

999

大企業 355ヶ所

中小企業 415356ヶ所

大企業 9003ヶ所

中小企業 380829ヶ所

2

98

大企業 597ヶ所

中小企業 75461ヶ所

1

99

食品小売業の構造 食品卸売業の構造 外食業の構造

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用 中小企業従業者数49人以下の事業所 大企業従業者数50人以上の事業所

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用

3食品産業の位置づけ③

食品製造業は安定的に利益をあげているものの収益率は低く過当競争状態にあると言われている 法人企業統計調査によれば売上高経常利益率はやや横ばいで推移しているものの自己資本比率はリーマンショック

前の2007年度の水準まで回復していない

16

4食品製造業の業種別構造①

日刊経済通信社の分類による企業数等の状況

資料日刊経済通信社調査部編「平成19年度 酒類食品産業の生産販売シェア」 (注)製パンは8社食用植物油脂は5社のシェアの数値

分類 市場規模(上位10社計) 上位10社の生産販売シェア 企業数

しょうゆ 603660(キロリットル) 635 (出荷量) 1600

冷凍食品 7701(億円) 669 (販売額) 880

即席めん類 4960(億円) 965 (販売額) 58

製パン 7076(億円) 813 (販売高) -

食肉加工品 432500(トン) 806 (販売量) 165

チョコレート 2546(億円) 834 (生産額) -

小麦粉 4083000(トン) 837 (販売量) 100

食用植物油脂 2245700(トン) 856 (販売量) -

資料法人企業統計調査(財務省)

() ()

売上高経常利益率の推移 自己資本比率の推移

-2

0

2

4

6

8

10

12

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

30

35

40

45

50

55

60

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

資料法人企業統計調査(財務省)

食品のカテゴリーの公的な分類の一つに工業統計表があり食品関係では2桁分類が24桁分類が496桁分類が 116公正取引委員会の生産出荷集中度調査はこの工業統計表の6桁分類を参考に区分しており細かい分類であるため集中度が高くなる傾向にある

他方食品市場全体でみると諸外国と比べ上位企業の寡占度が低いというデータもある

工業統計表における産業分類

資料経済産業省「工業統計表」 注)2桁の「飲料たばこ飼料」は4桁分類においてこの他に 「たばこ」「飼料有機質肥料」を含むがこの表では含めない 17

4食品産業の業種別構造(食品製造業②)

2桁 4桁 6桁

食料品 部分肉冷凍肉 部分肉冷凍肉

肉加工品 肉缶詰瓶詰つぼ詰

処理牛乳乳飲料 処理牛乳

水産缶詰瓶詰 まぐろ缶詰

海藻加工 寒天

水産練製品 魚肉ハムソーセージ

野菜缶詰果実缶詰 農産保存食料品

野菜缶詰

野菜漬物 野菜漬物

味そ 味そ

しょう油食用アミノ酸 しょう油食用アミノ酸

ソース ウスター中濃濃厚ソース

砂糖製造 粗糖

砂糖精製 精製糖

ぶどう糖水あめ異性化糖 ぶどう糖

精米精麦 精米

小麦粉 小麦粉

その他の精穀製粉 こんにゃく粉

パン 食パン

生菓子 洋生菓子

ビスケット類干菓子 ビスケット類干菓子

動植物油脂 大豆油

食用油脂 ショートニング油

でんぷん でんぷん

めん類 即席めん類

豆腐油揚 豆腐しみ豆腐油揚げ類

飲料たばこ飼料

清涼飲料 炭酸飲料

果実酒 果実酒

ビール類 ビール

清酒 清酒

製茶 荒茶緑茶

コーヒー コーヒー

製氷 人造氷

2 49 116

30

20

10

()

米国

英国

フランス

ドイツ

日本

加工食品市場における上位10社の寡占度 (2008年)

資料平成22年5月16日付日本経済新聞朝刊より抜粋

(注)ユーロモニターのデータをもとにボストンコンサルティンググループが分析

32

26

16

公正取引委員会の生産出荷集中度調査における区分(食品関連品目80品目)のうち「競争を実質的に制限することとなるおそれが小さい」とされる基準()を超えている品目の一覧

マヨネーズドレッシング類

ルウ類

カレールウ

シチュールウ

シチューミクスを除くシチュールウ

チューインガム

スポーツドリンク

ビール

発泡酒

ウイスキー

ビール風酒類

インスタントコーヒー

(注) 工業統計表の6桁分類を参考に公正取引委員会にて区分したもの () 「企業結合ガイドライン」が「競争を実質的に制限することとなるおそ

れが小さい場合」として挙げている ① 企業結合後のHHIが2500以下 ② 企業結合後の当事会社グループの市場シェアが35以下のう

ち①を基に「HHIが2500以下かどうか」を今回基準として設定 資料公正取引委員会「平成1920年生産出荷集中度調査」

構造改革のメリット ― 利益ある成長へ ① 国内事業の競争緩和② 商品開発力の向上 ③ 価格交渉力の向上④ 収益性の向上 ⑤ 国内基盤の安定リスク分散⑥原料調達力の向上

(10817)(11863)(11701)(13505)(14303)

(3320) (5202) (5990) (6622) (7048)

158516751668167018881804

178651848517691187071762316096

43684427384177039628

3663128226

495316

275573

323087344343

380752384899

449190

338707

385985405472

440757441041

0

20000

40000

60000

80000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

0

100000

200000

300000

400000

500000

卸売業

18

食品卸売業

外側商品販売額

内側事業所数

23

4253739952

43653

38300 39485 37844

53687

4748550723

45295 45054

38214

349514257840256

5028451416

56954

406984381244017

494474643247381

0

20000

40000

60000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

30000

50000

70000

90000

(事業所数)

食品卸売業事業所数(カ所)商品販売額(10億円)の推移

業全体に占める食品関連事業者の割合は卸売業では約2割小売業では約3割となっている 食品卸小売業については近年事業所数商品販売額とも減少傾向で推移特に食品小売業についてはコンビニエン

スストアは増加傾向にあるものの中小規模の食料品スーパーや食料品専門店中心店においては減少傾向で推移

資料経済産業省「商業統計表」

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

食料品スーパー取扱商品販売額のうち食料品が70以上食料品専門店取扱商品販売額のうち食料品が90以上食料品中心店取扱商品販売額のうち食料品が50以上

農畜産物水産物卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 米麦雑穀豆類野菜食肉生鮮魚介等の卸売業 食料飲料卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 味噌醤油乾物菓子類飲料茶類等の卸売業

食品小売業事業所数の推移

業全体に占める割合()

(5850)(6509)(6360)(7957)(8906)

(5862) (8791) (9544) (10538) (11257)9336 9957

8850 8515 84067447

13198 14768

1674815904

17047 17106

40115223

6135 6714 69227007

19881 16578

1588714187

1338712608

441684576245320

476204652646426

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

25000

30000

35000

40000

45000

50000

【事業所数】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

【商品販売額】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

食品小売業商品販売額の推移(10億円)

合計(右目盛)

総合スーパー(左目盛)

コンビニエンスストア(左目盛)

食料品専門店 中心店(左図右目盛 右図左目盛)

食料品スーパー(左目盛) 大規模 中小規模

注従業員数50人未満を中小規模 50人以上を大規模とした

(商品販売額)

〈食飲卸事業所数〉

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

〈農水卸事業所数〉

〈食飲卸商品販売額〉

〈農水卸商品販売額〉

(1) 食品卸小売業

18

小売業

18

2 4

24 5

9

総合スーパー食料品スーパー

コンビニエンスストア

食料品専門店中心店

外側商品販売額

内側事業所数

【食品小売業】

注平成19年のデータを利用

【食品卸売業】

卸 売 業123 億円 食 品 卸 売 業100 億円

小 売 業12 億円 食料品専門店中心店05 億円

(一事業所当たり商品販売金額) (一事業所当たり商品販売金額)

4食品産業の業種別構造(食品流通業)

1990 1997 1999 2002 2004 2007

1990 1997 1999 2002 2004 2007 1990 1997 1999 2002 2004 2007

卸売市場は野菜果物魚肉など日々の食卓に欠かすことのできない生鮮食料品等を国民に円滑かつ安定的に供給するための基幹的なインフラとして多種大量の物品の効率的かつ継続的な集分荷公正で透明性の高い価格形成など重要な機能を有している

青果水産物の6割程度が卸売市場を経由している(国産青果物では約9割)加工品や輸入品など卸売市場を経由することが少ない物品の流通割合が増加していること等により市場経由率は低下傾向にあったがここ数年は横ばいで推移している

生鮮食料品等の主要な流通経路

卸売市場の数取扱金額市場関係業者数

卸売市場経由率の推移(推計)

(2)卸売市場

区分 市場数

取扱金額 (億円)

卸売業 者数

仲卸業 者数

売買参 加者数

中央卸売市場 74 41208 210 4305 35828

うち青 果 60 19102 85 1629 16111

水産物 46 18275 78 2472 6210

食 肉 10 2158 10 80 1833

花 き 22 1402 28 102 11067

その他 7 271 9 22 607

地方卸売市場 1185 31953 1384 2053 132938

資料農林水産省食料産業局食品製造卸売課調べ 注(中央) 市場数卸売業者数22年度末他の業者数21年度末取扱金額21年度(H21年10月1日 に地方卸売市場へ転換した市場についてはH21年9月までの取扱金額を含めている) なおH23年4月現在の市場数は全体で72となっている

(地方)市場数業者数21年度当初取扱金額20年度

資料農林水産省「食料需給表」「青果物卸売市場調査報告」等により推計 注卸売市場経由率は国内で流通した加工品を含む国産及び輸入の青果水産物等のうち卸売市場(水産物に ついてはいわゆる産地市場の取扱量は除く)を経由したものの数量割合(花きについては金額割合)の推計値 なお国産青果物の卸売市場経由率は約9割となっている

中央卸売市場 地方卸売市場

特徴

公正かつ効率的な流通の確保を目的とした広域的な生鮮食料品等流通の中核的な拠点

都道府県や一定規模以上の都市が開設者となって厳格な取引規制の下指標となる価格形成等重要な機能を果たしている

地域における生鮮食料品等の集配拠点

開設者の主体に制限はなく法律上の規制も緩やかとなっており地域の実情に応じた運営がなされている

機能

① 集荷(品揃え)分荷機能全国各地から多種大量の物品を集荷するとともに実需者の ニーズに応じて迅速かつ効率的に必要な品目量へと分荷 ② 価格形成機能需給を反映した公正で透明性の高い価格形成 ③ 代金決済機能販売代金の出荷者への迅速確実な決済 ④ 情報受発信機能需給に係る情報を収集し川上川下にそれぞれ伝達

卸売市場の種類と主要な機能

商社 輸入

消費者

直売所青空市場宅配など

産地直接取引など

出荷者(農協個人等)

卸売業者

仲卸業者

売買参加者

卸売市場 製造業者小売業者外食業者等

(年度)

827

630

853

738

780

457

746

584

830 840

235

98

00

100

200

300

400

500

600

20

40

60

80

H元 H5 H10 H15 H18 H19 H20

(単位)

青果

(野菜)

(果実)

水産物

花き

食肉

(食肉)

19

500万円未満

62

500万~

1千万円

14

1千~

3千万円

21

3千~5千万円

2

5千万円以上

71601社

単身世帯の増加女性の雇用者の増加等社会情勢の変化の中で食に関して簡便化志向の高まりや外部化が進行 外食産業は個人経営が総店舗数の5分の3を占め法人形態であっても資本金1千万円未満のものが4分の3を占め

るなど中小零細な事業者が多い従業員についても約290万人の大きな雇用機会を創出しているものの常勤雇用者に占めるパートアルバイトの割合が高い

710

381

290

619

0

20

40

60

80

100

飲食店 小売卸売業

法人

個人

資料平成21年経済センサス

外食産業における法人の資本別割合(2009年)

事業所数 (千ケ所) 673

従業員数 (千人) 4421

常勤雇用者に占める正社員正職員以外の割合(2009年)

製造業 207

卸小売業 458

宿泊業飲食サービス業 733

飲食店 769

ハンバーガー店 946

資料平成21年経済センサス

資料(財)食の安全安心財団附属機関 外食産業総合調査研究センターによる推計

20

4食品産業の業種別構造(外食産業)

資料平成21年経済センサス

資料平成21年経済センサス

外食率 = 外 食 産 業 市 場 規 模

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

食の外部化率 = 外食産業市場規模 + 料理品小売業

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

278

318

335 349

358 366

369 377

378

375

373

367

365

375

378 366

356

356

358

355

354

352

360

366

368

366

359

362

284

334

354

370 381

393 398 412

415

413

412

406 406 419

425

422

419

421

428

428

430

428

441 450

452

449

443

449

25

30

35

40

45

50

外食率

食の外部化率

外食率食の外部化率の推移

事業所数従業員数(2009年)

外食産業(飲食店)の経営組織別事業所数の比率(2009年)

4食品産業の業種別構造(関連産業) 食品製造業は物流のほか製造用機械容器など食品の製造に必要な資材等を提供する裾野産業に支えられている

従前より食品産業全体については高い物流コストや過剰包装等が問題

食品機械の輸出入実績推移

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

(製造品出荷額等)

百万円

(輸出入額)

百万円

輸出 輸入 製造品出荷額等

売上高物流コスト比率(業種小分類別)

21

(資料財団法人日本包装技術協会)

資料社団法人日本食品機械工業会 物流コスト削減策

注回答企業数196社 資料2009年度物流コスト調査報告書(社団法人日本ロジステックスシステム協会)

製造業

食品(要冷)

石鹸洗剤塗料

食品(常温)

繊維

化粧品

電気製品

医薬品

卸売業

卸売業(繊維衣料品系)

卸売業(日用雑貨系)

卸売業(食品飲料系)

その他卸売業

卸売業(機器系)

卸売業(総合商社)

小売業

小売業(通販)

小売業(生協)

小売業(コンビニエンスストア)

その他小売業

その他

建設

000 200 400 600 800 1000 1200 1400

在庫削減SCM

在庫削減

アイテム数の整理

物流システムネットワークの見直し

物流拠点の見直し(廃止統合新設)

直送化

輸配送の共同化

商品設計包装の見直し

包装容器の再使用通い箱の利用等

包装の簡素化変更

物流オペレーションの改善保管仕分け等

保管の効率化

物流オペレーションの改善輸配送

積載率の向上(混載化帰り便の利用等)

輸配送経路の見直し

105 58

101 77

62

61 60

88

95 75

0 50 100 150 (数)

()

アジア地域の実質経済成長率は今後5を超える高水準で推移する見通しであり特に中国とインドは8~9台の高水準で伸びる見通し高成長を支え今後の市場規模に大きな影響を与える中高所得者層(世帯可処分所得5000ドル以上)の人口は今後10年で現在の2倍程度に増加する見通し

製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況

5海外市場への展開

加速する我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

資料「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

2位 東南アジア(341)

4位 タイ (295)

3位 台湾 (318)

1位 中国 (659)

海外出店を積極化する又は今後進出を予定して いる企業の出店先は中国がトップ(複数回答あり)

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

2009年度(233千法人)

全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

食品製造業

国内法人数に対する現地法人数の割合

11

その他の製造業 32

資料「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省 資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」 東洋経済新報社

世帯可処分所得5000ドル以上の人口の推移

出所NIRA研究報告書(所得別の家計比率はEuromonitor International World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した 2008 年までの人口はIMF International Financial Statistics2010 年以降はUN WorldPopulation Prospects を参照)

35億人

1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

見通し(NIRA推計)

+10億人 2倍増

アジア太平洋主要国別の経済成長見通し

22

30 25

20 15 10 5

0

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

全製造業に占める食品 製造業の法人数の割合

国内法人数に対する 現地法人数の割合

資料「工業統計表(2009年企業統計編)」経済産業省

資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」東洋経済新報社

35

12

0 1 2 3 4 0 100 200 300

2009年度(212千法人)

849

151

食品製造業 =約32千法人

その他の製造業 =約180千法人

(千法人)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国

インド

ベトナム

インドネシア

マレーシア

出典World Economic Outlook 2011年9月版(IMF)

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 14: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

農林水産業 117兆円 (134)

鉱業 08兆円 (009)

製造業 2601兆円 (2971)

建設業 556兆円 (636)

電気ガス水道業 240兆円 (274)

卸売小売業 976兆円 (1115)

金融保険業 366兆円 (418)

不動産業 688兆円 (786)

運輸業 398兆円 (455)

情報通信業 465兆円 (531)

サービス業 1541兆円 (1760)

その他 798兆円 (911)

(参 考) 我が国の国内生産額(876兆円)に占める各産業の割合

農漁業 112兆円

(1175)

関連製造業 371兆円

(3879)

関連投資 23兆円

(239)

関連流通業 242兆円

(2527)

飲食店 209兆円

(2180)

資料 平成21年度 農林水産省大臣官房統計部「農業食料関連産業の経済計算」

資料 平成21年 内閣府「国民経済計算」

農業食料関連産業の国内生産額 957兆円(全産業の109)

12

333

317

601

616

67

66

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

食品産業仕向 683最終消費仕向

(06)

(64) (07)

食品製造業仕向 外食産業仕向

(30) (58)

(35)

国産農水産物の用途別仕向割合 食品製造業の加工原材料調達割合(国産輸入)

国産農水産物の23が食品産業仕向けとなっており食品産業は国産農水産物の最大の仕向け先であるまた食品 製造業が利用する原材料(農水産物加工品)のうち7割強が国産農水産物となっている

771

734

84

89

145

177

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

国産農水産物

(58)

(07) (12)

(07)

輸入農水産物

輸入一次加工品

(64)

(14)2005年 2005年

2000年 2000年

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

括弧内は調達額(兆円)

3食品産業の位置づけ①

13

括弧内は調達額(兆円)

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

地方と都市圏の食品製造業の製造品出荷額従業者数と全製造業に占める割合

食品産業は製造卸売小売外食産業のいずれも中小零細企業比率が98~99であり事業所の総数は90万をこえているそのうち食品製造業は地域経済において地場産業として大きなウエイト特に北海道鹿児島沖縄では製造品出荷額の約3割雇用の面では製造業の従事者の過半近くを占めるなど地域経済の安定に重要な役割

14

出所経済産業省「工業統計表」(平成21年) 注零細企業従業者数3人以下の事業所 中小企業従業者数299人以下の事業所 大企業300人以上の事業所

食品製造業の構造 資料経済産業省「工業統計表(4人以上の事業所)」(平成21年) 注1食品製造業は食料品製造業及び飲料たばこ飼料製造業(たばこ製造業飼料有機質肥料製造業を除く)の合計である 注2工業統計における製造品出荷額は一部個々の事業者の秘密が漏れるおそれから秘匿された数字があるため実態とズレがある可能性がある

3食品産業の位置づけ②

製造品出荷額 従業員数

金額(億円) 全製造業に占める

割合() 人数(人)

全製造業に占める 割合()

製造品出荷額の占める割合の高い都道府県

鹿児島 7562

(全国13位) 441

(全国1位) 29438

(全国14位) 413

(全国3位)

北海道 20390

(全国1位) 392

(全国2位) 86343

(全国1位) 488

(全国2位)

沖縄 1686

(全国39位) 308

(全国3位) 12434

(全国34位) 501

(全国1位)

三大 都市圏

東京 7467

(全国14位) 93

(全国28位) 35080

(全国12位) 108

(全国40位)

大阪 11377

(全国9位) 77

(全国33位) 49671

(全国8位) 102

(全国41位)

愛知 17271

(全国2位) 50

(全国44位) 71557

(全国2位) 89

(全国43位)

全国平均 105 全国平均 157

大企業

533

中小企業

34075

零細企業

17955 339

10

99が中小零細企業

650

全産業に占める外食業の割合が高い都道府県

全小売業に占める食品小売業の割合が高い都道府県

全卸売業に占める食品卸売業の割合が高い都道府県

割合 事業所数

①兵庫県 ②愛知県 ③大阪府 ④東京都 ⑤京都府

902 883 882 823 818

21540ヶ所 29627ヶ所 37768ヶ所 56850ヶ所 10528ヶ所

全国平均 703

割合 事業所数

①長崎県 ②鹿児島県 ③沖縄県 ④高知県 ⑤秋田県

398 397 385 380 380

6656ヶ所 7848ヶ所 5767ヶ所 3713ヶ所 4938ヶ所

全国平均 343

割合 事業所数

①高知県 ②和歌山県 ③長崎県 ④青森県 ⑤熊本県

353 351 350 348 322

680ヶ所 937ヶ所

1296ヶ所 1222ヶ所 1342ヶ所

全国平均 227

15

01

999

大企業 355ヶ所

中小企業 415356ヶ所

大企業 9003ヶ所

中小企業 380829ヶ所

2

98

大企業 597ヶ所

中小企業 75461ヶ所

1

99

食品小売業の構造 食品卸売業の構造 外食業の構造

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用 中小企業従業者数49人以下の事業所 大企業従業者数50人以上の事業所

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用

3食品産業の位置づけ③

食品製造業は安定的に利益をあげているものの収益率は低く過当競争状態にあると言われている 法人企業統計調査によれば売上高経常利益率はやや横ばいで推移しているものの自己資本比率はリーマンショック

前の2007年度の水準まで回復していない

16

4食品製造業の業種別構造①

日刊経済通信社の分類による企業数等の状況

資料日刊経済通信社調査部編「平成19年度 酒類食品産業の生産販売シェア」 (注)製パンは8社食用植物油脂は5社のシェアの数値

分類 市場規模(上位10社計) 上位10社の生産販売シェア 企業数

しょうゆ 603660(キロリットル) 635 (出荷量) 1600

冷凍食品 7701(億円) 669 (販売額) 880

即席めん類 4960(億円) 965 (販売額) 58

製パン 7076(億円) 813 (販売高) -

食肉加工品 432500(トン) 806 (販売量) 165

チョコレート 2546(億円) 834 (生産額) -

小麦粉 4083000(トン) 837 (販売量) 100

食用植物油脂 2245700(トン) 856 (販売量) -

資料法人企業統計調査(財務省)

() ()

売上高経常利益率の推移 自己資本比率の推移

-2

0

2

4

6

8

10

12

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

30

35

40

45

50

55

60

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

資料法人企業統計調査(財務省)

食品のカテゴリーの公的な分類の一つに工業統計表があり食品関係では2桁分類が24桁分類が496桁分類が 116公正取引委員会の生産出荷集中度調査はこの工業統計表の6桁分類を参考に区分しており細かい分類であるため集中度が高くなる傾向にある

他方食品市場全体でみると諸外国と比べ上位企業の寡占度が低いというデータもある

工業統計表における産業分類

資料経済産業省「工業統計表」 注)2桁の「飲料たばこ飼料」は4桁分類においてこの他に 「たばこ」「飼料有機質肥料」を含むがこの表では含めない 17

4食品産業の業種別構造(食品製造業②)

2桁 4桁 6桁

食料品 部分肉冷凍肉 部分肉冷凍肉

肉加工品 肉缶詰瓶詰つぼ詰

処理牛乳乳飲料 処理牛乳

水産缶詰瓶詰 まぐろ缶詰

海藻加工 寒天

水産練製品 魚肉ハムソーセージ

野菜缶詰果実缶詰 農産保存食料品

野菜缶詰

野菜漬物 野菜漬物

味そ 味そ

しょう油食用アミノ酸 しょう油食用アミノ酸

ソース ウスター中濃濃厚ソース

砂糖製造 粗糖

砂糖精製 精製糖

ぶどう糖水あめ異性化糖 ぶどう糖

精米精麦 精米

小麦粉 小麦粉

その他の精穀製粉 こんにゃく粉

パン 食パン

生菓子 洋生菓子

ビスケット類干菓子 ビスケット類干菓子

動植物油脂 大豆油

食用油脂 ショートニング油

でんぷん でんぷん

めん類 即席めん類

豆腐油揚 豆腐しみ豆腐油揚げ類

飲料たばこ飼料

清涼飲料 炭酸飲料

果実酒 果実酒

ビール類 ビール

清酒 清酒

製茶 荒茶緑茶

コーヒー コーヒー

製氷 人造氷

2 49 116

30

20

10

()

米国

英国

フランス

ドイツ

日本

加工食品市場における上位10社の寡占度 (2008年)

資料平成22年5月16日付日本経済新聞朝刊より抜粋

(注)ユーロモニターのデータをもとにボストンコンサルティンググループが分析

32

26

16

公正取引委員会の生産出荷集中度調査における区分(食品関連品目80品目)のうち「競争を実質的に制限することとなるおそれが小さい」とされる基準()を超えている品目の一覧

マヨネーズドレッシング類

ルウ類

カレールウ

シチュールウ

シチューミクスを除くシチュールウ

チューインガム

スポーツドリンク

ビール

発泡酒

ウイスキー

ビール風酒類

インスタントコーヒー

(注) 工業統計表の6桁分類を参考に公正取引委員会にて区分したもの () 「企業結合ガイドライン」が「競争を実質的に制限することとなるおそ

れが小さい場合」として挙げている ① 企業結合後のHHIが2500以下 ② 企業結合後の当事会社グループの市場シェアが35以下のう

ち①を基に「HHIが2500以下かどうか」を今回基準として設定 資料公正取引委員会「平成1920年生産出荷集中度調査」

構造改革のメリット ― 利益ある成長へ ① 国内事業の競争緩和② 商品開発力の向上 ③ 価格交渉力の向上④ 収益性の向上 ⑤ 国内基盤の安定リスク分散⑥原料調達力の向上

(10817)(11863)(11701)(13505)(14303)

(3320) (5202) (5990) (6622) (7048)

158516751668167018881804

178651848517691187071762316096

43684427384177039628

3663128226

495316

275573

323087344343

380752384899

449190

338707

385985405472

440757441041

0

20000

40000

60000

80000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

0

100000

200000

300000

400000

500000

卸売業

18

食品卸売業

外側商品販売額

内側事業所数

23

4253739952

43653

38300 39485 37844

53687

4748550723

45295 45054

38214

349514257840256

5028451416

56954

406984381244017

494474643247381

0

20000

40000

60000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

30000

50000

70000

90000

(事業所数)

食品卸売業事業所数(カ所)商品販売額(10億円)の推移

業全体に占める食品関連事業者の割合は卸売業では約2割小売業では約3割となっている 食品卸小売業については近年事業所数商品販売額とも減少傾向で推移特に食品小売業についてはコンビニエン

スストアは増加傾向にあるものの中小規模の食料品スーパーや食料品専門店中心店においては減少傾向で推移

資料経済産業省「商業統計表」

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

食料品スーパー取扱商品販売額のうち食料品が70以上食料品専門店取扱商品販売額のうち食料品が90以上食料品中心店取扱商品販売額のうち食料品が50以上

農畜産物水産物卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 米麦雑穀豆類野菜食肉生鮮魚介等の卸売業 食料飲料卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 味噌醤油乾物菓子類飲料茶類等の卸売業

食品小売業事業所数の推移

業全体に占める割合()

(5850)(6509)(6360)(7957)(8906)

(5862) (8791) (9544) (10538) (11257)9336 9957

8850 8515 84067447

13198 14768

1674815904

17047 17106

40115223

6135 6714 69227007

19881 16578

1588714187

1338712608

441684576245320

476204652646426

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

25000

30000

35000

40000

45000

50000

【事業所数】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

【商品販売額】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

食品小売業商品販売額の推移(10億円)

合計(右目盛)

総合スーパー(左目盛)

コンビニエンスストア(左目盛)

食料品専門店 中心店(左図右目盛 右図左目盛)

食料品スーパー(左目盛) 大規模 中小規模

注従業員数50人未満を中小規模 50人以上を大規模とした

(商品販売額)

〈食飲卸事業所数〉

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

〈農水卸事業所数〉

〈食飲卸商品販売額〉

〈農水卸商品販売額〉

(1) 食品卸小売業

18

小売業

18

2 4

24 5

9

総合スーパー食料品スーパー

コンビニエンスストア

食料品専門店中心店

外側商品販売額

内側事業所数

【食品小売業】

注平成19年のデータを利用

【食品卸売業】

卸 売 業123 億円 食 品 卸 売 業100 億円

小 売 業12 億円 食料品専門店中心店05 億円

(一事業所当たり商品販売金額) (一事業所当たり商品販売金額)

4食品産業の業種別構造(食品流通業)

1990 1997 1999 2002 2004 2007

1990 1997 1999 2002 2004 2007 1990 1997 1999 2002 2004 2007

卸売市場は野菜果物魚肉など日々の食卓に欠かすことのできない生鮮食料品等を国民に円滑かつ安定的に供給するための基幹的なインフラとして多種大量の物品の効率的かつ継続的な集分荷公正で透明性の高い価格形成など重要な機能を有している

青果水産物の6割程度が卸売市場を経由している(国産青果物では約9割)加工品や輸入品など卸売市場を経由することが少ない物品の流通割合が増加していること等により市場経由率は低下傾向にあったがここ数年は横ばいで推移している

生鮮食料品等の主要な流通経路

卸売市場の数取扱金額市場関係業者数

卸売市場経由率の推移(推計)

(2)卸売市場

区分 市場数

取扱金額 (億円)

卸売業 者数

仲卸業 者数

売買参 加者数

中央卸売市場 74 41208 210 4305 35828

うち青 果 60 19102 85 1629 16111

水産物 46 18275 78 2472 6210

食 肉 10 2158 10 80 1833

花 き 22 1402 28 102 11067

その他 7 271 9 22 607

地方卸売市場 1185 31953 1384 2053 132938

資料農林水産省食料産業局食品製造卸売課調べ 注(中央) 市場数卸売業者数22年度末他の業者数21年度末取扱金額21年度(H21年10月1日 に地方卸売市場へ転換した市場についてはH21年9月までの取扱金額を含めている) なおH23年4月現在の市場数は全体で72となっている

(地方)市場数業者数21年度当初取扱金額20年度

資料農林水産省「食料需給表」「青果物卸売市場調査報告」等により推計 注卸売市場経由率は国内で流通した加工品を含む国産及び輸入の青果水産物等のうち卸売市場(水産物に ついてはいわゆる産地市場の取扱量は除く)を経由したものの数量割合(花きについては金額割合)の推計値 なお国産青果物の卸売市場経由率は約9割となっている

中央卸売市場 地方卸売市場

特徴

公正かつ効率的な流通の確保を目的とした広域的な生鮮食料品等流通の中核的な拠点

都道府県や一定規模以上の都市が開設者となって厳格な取引規制の下指標となる価格形成等重要な機能を果たしている

地域における生鮮食料品等の集配拠点

開設者の主体に制限はなく法律上の規制も緩やかとなっており地域の実情に応じた運営がなされている

機能

① 集荷(品揃え)分荷機能全国各地から多種大量の物品を集荷するとともに実需者の ニーズに応じて迅速かつ効率的に必要な品目量へと分荷 ② 価格形成機能需給を反映した公正で透明性の高い価格形成 ③ 代金決済機能販売代金の出荷者への迅速確実な決済 ④ 情報受発信機能需給に係る情報を収集し川上川下にそれぞれ伝達

卸売市場の種類と主要な機能

商社 輸入

消費者

直売所青空市場宅配など

産地直接取引など

出荷者(農協個人等)

卸売業者

仲卸業者

売買参加者

卸売市場 製造業者小売業者外食業者等

(年度)

827

630

853

738

780

457

746

584

830 840

235

98

00

100

200

300

400

500

600

20

40

60

80

H元 H5 H10 H15 H18 H19 H20

(単位)

青果

(野菜)

(果実)

水産物

花き

食肉

(食肉)

19

500万円未満

62

500万~

1千万円

14

1千~

3千万円

21

3千~5千万円

2

5千万円以上

71601社

単身世帯の増加女性の雇用者の増加等社会情勢の変化の中で食に関して簡便化志向の高まりや外部化が進行 外食産業は個人経営が総店舗数の5分の3を占め法人形態であっても資本金1千万円未満のものが4分の3を占め

るなど中小零細な事業者が多い従業員についても約290万人の大きな雇用機会を創出しているものの常勤雇用者に占めるパートアルバイトの割合が高い

710

381

290

619

0

20

40

60

80

100

飲食店 小売卸売業

法人

個人

資料平成21年経済センサス

外食産業における法人の資本別割合(2009年)

事業所数 (千ケ所) 673

従業員数 (千人) 4421

常勤雇用者に占める正社員正職員以外の割合(2009年)

製造業 207

卸小売業 458

宿泊業飲食サービス業 733

飲食店 769

ハンバーガー店 946

資料平成21年経済センサス

資料(財)食の安全安心財団附属機関 外食産業総合調査研究センターによる推計

20

4食品産業の業種別構造(外食産業)

資料平成21年経済センサス

資料平成21年経済センサス

外食率 = 外 食 産 業 市 場 規 模

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

食の外部化率 = 外食産業市場規模 + 料理品小売業

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

278

318

335 349

358 366

369 377

378

375

373

367

365

375

378 366

356

356

358

355

354

352

360

366

368

366

359

362

284

334

354

370 381

393 398 412

415

413

412

406 406 419

425

422

419

421

428

428

430

428

441 450

452

449

443

449

25

30

35

40

45

50

外食率

食の外部化率

外食率食の外部化率の推移

事業所数従業員数(2009年)

外食産業(飲食店)の経営組織別事業所数の比率(2009年)

4食品産業の業種別構造(関連産業) 食品製造業は物流のほか製造用機械容器など食品の製造に必要な資材等を提供する裾野産業に支えられている

従前より食品産業全体については高い物流コストや過剰包装等が問題

食品機械の輸出入実績推移

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

(製造品出荷額等)

百万円

(輸出入額)

百万円

輸出 輸入 製造品出荷額等

売上高物流コスト比率(業種小分類別)

21

(資料財団法人日本包装技術協会)

資料社団法人日本食品機械工業会 物流コスト削減策

注回答企業数196社 資料2009年度物流コスト調査報告書(社団法人日本ロジステックスシステム協会)

製造業

食品(要冷)

石鹸洗剤塗料

食品(常温)

繊維

化粧品

電気製品

医薬品

卸売業

卸売業(繊維衣料品系)

卸売業(日用雑貨系)

卸売業(食品飲料系)

その他卸売業

卸売業(機器系)

卸売業(総合商社)

小売業

小売業(通販)

小売業(生協)

小売業(コンビニエンスストア)

その他小売業

その他

建設

000 200 400 600 800 1000 1200 1400

在庫削減SCM

在庫削減

アイテム数の整理

物流システムネットワークの見直し

物流拠点の見直し(廃止統合新設)

直送化

輸配送の共同化

商品設計包装の見直し

包装容器の再使用通い箱の利用等

包装の簡素化変更

物流オペレーションの改善保管仕分け等

保管の効率化

物流オペレーションの改善輸配送

積載率の向上(混載化帰り便の利用等)

輸配送経路の見直し

105 58

101 77

62

61 60

88

95 75

0 50 100 150 (数)

()

アジア地域の実質経済成長率は今後5を超える高水準で推移する見通しであり特に中国とインドは8~9台の高水準で伸びる見通し高成長を支え今後の市場規模に大きな影響を与える中高所得者層(世帯可処分所得5000ドル以上)の人口は今後10年で現在の2倍程度に増加する見通し

製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況

5海外市場への展開

加速する我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

資料「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

2位 東南アジア(341)

4位 タイ (295)

3位 台湾 (318)

1位 中国 (659)

海外出店を積極化する又は今後進出を予定して いる企業の出店先は中国がトップ(複数回答あり)

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

2009年度(233千法人)

全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

食品製造業

国内法人数に対する現地法人数の割合

11

その他の製造業 32

資料「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省 資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」 東洋経済新報社

世帯可処分所得5000ドル以上の人口の推移

出所NIRA研究報告書(所得別の家計比率はEuromonitor International World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した 2008 年までの人口はIMF International Financial Statistics2010 年以降はUN WorldPopulation Prospects を参照)

35億人

1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

見通し(NIRA推計)

+10億人 2倍増

アジア太平洋主要国別の経済成長見通し

22

30 25

20 15 10 5

0

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

全製造業に占める食品 製造業の法人数の割合

国内法人数に対する 現地法人数の割合

資料「工業統計表(2009年企業統計編)」経済産業省

資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」東洋経済新報社

35

12

0 1 2 3 4 0 100 200 300

2009年度(212千法人)

849

151

食品製造業 =約32千法人

その他の製造業 =約180千法人

(千法人)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国

インド

ベトナム

インドネシア

マレーシア

出典World Economic Outlook 2011年9月版(IMF)

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
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  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 15: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

333

317

601

616

67

66

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

食品産業仕向 683最終消費仕向

(06)

(64) (07)

食品製造業仕向 外食産業仕向

(30) (58)

(35)

国産農水産物の用途別仕向割合 食品製造業の加工原材料調達割合(国産輸入)

国産農水産物の23が食品産業仕向けとなっており食品産業は国産農水産物の最大の仕向け先であるまた食品 製造業が利用する原材料(農水産物加工品)のうち7割強が国産農水産物となっている

771

734

84

89

145

177

0 20 40 60 80 100

平成12年

平成17年

国産農水産物

(58)

(07) (12)

(07)

輸入農水産物

輸入一次加工品

(64)

(14)2005年 2005年

2000年 2000年

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

括弧内は調達額(兆円)

3食品産業の位置づけ①

13

括弧内は調達額(兆円)

資料総務省他9府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で試算

地方と都市圏の食品製造業の製造品出荷額従業者数と全製造業に占める割合

食品産業は製造卸売小売外食産業のいずれも中小零細企業比率が98~99であり事業所の総数は90万をこえているそのうち食品製造業は地域経済において地場産業として大きなウエイト特に北海道鹿児島沖縄では製造品出荷額の約3割雇用の面では製造業の従事者の過半近くを占めるなど地域経済の安定に重要な役割

14

出所経済産業省「工業統計表」(平成21年) 注零細企業従業者数3人以下の事業所 中小企業従業者数299人以下の事業所 大企業300人以上の事業所

食品製造業の構造 資料経済産業省「工業統計表(4人以上の事業所)」(平成21年) 注1食品製造業は食料品製造業及び飲料たばこ飼料製造業(たばこ製造業飼料有機質肥料製造業を除く)の合計である 注2工業統計における製造品出荷額は一部個々の事業者の秘密が漏れるおそれから秘匿された数字があるため実態とズレがある可能性がある

3食品産業の位置づけ②

製造品出荷額 従業員数

金額(億円) 全製造業に占める

割合() 人数(人)

全製造業に占める 割合()

製造品出荷額の占める割合の高い都道府県

鹿児島 7562

(全国13位) 441

(全国1位) 29438

(全国14位) 413

(全国3位)

北海道 20390

(全国1位) 392

(全国2位) 86343

(全国1位) 488

(全国2位)

沖縄 1686

(全国39位) 308

(全国3位) 12434

(全国34位) 501

(全国1位)

三大 都市圏

東京 7467

(全国14位) 93

(全国28位) 35080

(全国12位) 108

(全国40位)

大阪 11377

(全国9位) 77

(全国33位) 49671

(全国8位) 102

(全国41位)

愛知 17271

(全国2位) 50

(全国44位) 71557

(全国2位) 89

(全国43位)

全国平均 105 全国平均 157

大企業

533

中小企業

34075

零細企業

17955 339

10

99が中小零細企業

650

全産業に占める外食業の割合が高い都道府県

全小売業に占める食品小売業の割合が高い都道府県

全卸売業に占める食品卸売業の割合が高い都道府県

割合 事業所数

①兵庫県 ②愛知県 ③大阪府 ④東京都 ⑤京都府

902 883 882 823 818

21540ヶ所 29627ヶ所 37768ヶ所 56850ヶ所 10528ヶ所

全国平均 703

割合 事業所数

①長崎県 ②鹿児島県 ③沖縄県 ④高知県 ⑤秋田県

398 397 385 380 380

6656ヶ所 7848ヶ所 5767ヶ所 3713ヶ所 4938ヶ所

全国平均 343

割合 事業所数

①高知県 ②和歌山県 ③長崎県 ④青森県 ⑤熊本県

353 351 350 348 322

680ヶ所 937ヶ所

1296ヶ所 1222ヶ所 1342ヶ所

全国平均 227

15

01

999

大企業 355ヶ所

中小企業 415356ヶ所

大企業 9003ヶ所

中小企業 380829ヶ所

2

98

大企業 597ヶ所

中小企業 75461ヶ所

1

99

食品小売業の構造 食品卸売業の構造 外食業の構造

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用 中小企業従業者数49人以下の事業所 大企業従業者数50人以上の事業所

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用

3食品産業の位置づけ③

食品製造業は安定的に利益をあげているものの収益率は低く過当競争状態にあると言われている 法人企業統計調査によれば売上高経常利益率はやや横ばいで推移しているものの自己資本比率はリーマンショック

前の2007年度の水準まで回復していない

16

4食品製造業の業種別構造①

日刊経済通信社の分類による企業数等の状況

資料日刊経済通信社調査部編「平成19年度 酒類食品産業の生産販売シェア」 (注)製パンは8社食用植物油脂は5社のシェアの数値

分類 市場規模(上位10社計) 上位10社の生産販売シェア 企業数

しょうゆ 603660(キロリットル) 635 (出荷量) 1600

冷凍食品 7701(億円) 669 (販売額) 880

即席めん類 4960(億円) 965 (販売額) 58

製パン 7076(億円) 813 (販売高) -

食肉加工品 432500(トン) 806 (販売量) 165

チョコレート 2546(億円) 834 (生産額) -

小麦粉 4083000(トン) 837 (販売量) 100

食用植物油脂 2245700(トン) 856 (販売量) -

資料法人企業統計調査(財務省)

() ()

売上高経常利益率の推移 自己資本比率の推移

-2

0

2

4

6

8

10

12

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

30

35

40

45

50

55

60

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

資料法人企業統計調査(財務省)

食品のカテゴリーの公的な分類の一つに工業統計表があり食品関係では2桁分類が24桁分類が496桁分類が 116公正取引委員会の生産出荷集中度調査はこの工業統計表の6桁分類を参考に区分しており細かい分類であるため集中度が高くなる傾向にある

他方食品市場全体でみると諸外国と比べ上位企業の寡占度が低いというデータもある

工業統計表における産業分類

資料経済産業省「工業統計表」 注)2桁の「飲料たばこ飼料」は4桁分類においてこの他に 「たばこ」「飼料有機質肥料」を含むがこの表では含めない 17

4食品産業の業種別構造(食品製造業②)

2桁 4桁 6桁

食料品 部分肉冷凍肉 部分肉冷凍肉

肉加工品 肉缶詰瓶詰つぼ詰

処理牛乳乳飲料 処理牛乳

水産缶詰瓶詰 まぐろ缶詰

海藻加工 寒天

水産練製品 魚肉ハムソーセージ

野菜缶詰果実缶詰 農産保存食料品

野菜缶詰

野菜漬物 野菜漬物

味そ 味そ

しょう油食用アミノ酸 しょう油食用アミノ酸

ソース ウスター中濃濃厚ソース

砂糖製造 粗糖

砂糖精製 精製糖

ぶどう糖水あめ異性化糖 ぶどう糖

精米精麦 精米

小麦粉 小麦粉

その他の精穀製粉 こんにゃく粉

パン 食パン

生菓子 洋生菓子

ビスケット類干菓子 ビスケット類干菓子

動植物油脂 大豆油

食用油脂 ショートニング油

でんぷん でんぷん

めん類 即席めん類

豆腐油揚 豆腐しみ豆腐油揚げ類

飲料たばこ飼料

清涼飲料 炭酸飲料

果実酒 果実酒

ビール類 ビール

清酒 清酒

製茶 荒茶緑茶

コーヒー コーヒー

製氷 人造氷

2 49 116

30

20

10

()

米国

英国

フランス

ドイツ

日本

加工食品市場における上位10社の寡占度 (2008年)

資料平成22年5月16日付日本経済新聞朝刊より抜粋

(注)ユーロモニターのデータをもとにボストンコンサルティンググループが分析

32

26

16

公正取引委員会の生産出荷集中度調査における区分(食品関連品目80品目)のうち「競争を実質的に制限することとなるおそれが小さい」とされる基準()を超えている品目の一覧

マヨネーズドレッシング類

ルウ類

カレールウ

シチュールウ

シチューミクスを除くシチュールウ

チューインガム

スポーツドリンク

ビール

発泡酒

ウイスキー

ビール風酒類

インスタントコーヒー

(注) 工業統計表の6桁分類を参考に公正取引委員会にて区分したもの () 「企業結合ガイドライン」が「競争を実質的に制限することとなるおそ

れが小さい場合」として挙げている ① 企業結合後のHHIが2500以下 ② 企業結合後の当事会社グループの市場シェアが35以下のう

ち①を基に「HHIが2500以下かどうか」を今回基準として設定 資料公正取引委員会「平成1920年生産出荷集中度調査」

構造改革のメリット ― 利益ある成長へ ① 国内事業の競争緩和② 商品開発力の向上 ③ 価格交渉力の向上④ 収益性の向上 ⑤ 国内基盤の安定リスク分散⑥原料調達力の向上

(10817)(11863)(11701)(13505)(14303)

(3320) (5202) (5990) (6622) (7048)

158516751668167018881804

178651848517691187071762316096

43684427384177039628

3663128226

495316

275573

323087344343

380752384899

449190

338707

385985405472

440757441041

0

20000

40000

60000

80000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

0

100000

200000

300000

400000

500000

卸売業

18

食品卸売業

外側商品販売額

内側事業所数

23

4253739952

43653

38300 39485 37844

53687

4748550723

45295 45054

38214

349514257840256

5028451416

56954

406984381244017

494474643247381

0

20000

40000

60000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

30000

50000

70000

90000

(事業所数)

食品卸売業事業所数(カ所)商品販売額(10億円)の推移

業全体に占める食品関連事業者の割合は卸売業では約2割小売業では約3割となっている 食品卸小売業については近年事業所数商品販売額とも減少傾向で推移特に食品小売業についてはコンビニエン

スストアは増加傾向にあるものの中小規模の食料品スーパーや食料品専門店中心店においては減少傾向で推移

資料経済産業省「商業統計表」

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

食料品スーパー取扱商品販売額のうち食料品が70以上食料品専門店取扱商品販売額のうち食料品が90以上食料品中心店取扱商品販売額のうち食料品が50以上

農畜産物水産物卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 米麦雑穀豆類野菜食肉生鮮魚介等の卸売業 食料飲料卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 味噌醤油乾物菓子類飲料茶類等の卸売業

食品小売業事業所数の推移

業全体に占める割合()

(5850)(6509)(6360)(7957)(8906)

(5862) (8791) (9544) (10538) (11257)9336 9957

8850 8515 84067447

13198 14768

1674815904

17047 17106

40115223

6135 6714 69227007

19881 16578

1588714187

1338712608

441684576245320

476204652646426

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

25000

30000

35000

40000

45000

50000

【事業所数】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

【商品販売額】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

食品小売業商品販売額の推移(10億円)

合計(右目盛)

総合スーパー(左目盛)

コンビニエンスストア(左目盛)

食料品専門店 中心店(左図右目盛 右図左目盛)

食料品スーパー(左目盛) 大規模 中小規模

注従業員数50人未満を中小規模 50人以上を大規模とした

(商品販売額)

〈食飲卸事業所数〉

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

〈農水卸事業所数〉

〈食飲卸商品販売額〉

〈農水卸商品販売額〉

(1) 食品卸小売業

18

小売業

18

2 4

24 5

9

総合スーパー食料品スーパー

コンビニエンスストア

食料品専門店中心店

外側商品販売額

内側事業所数

【食品小売業】

注平成19年のデータを利用

【食品卸売業】

卸 売 業123 億円 食 品 卸 売 業100 億円

小 売 業12 億円 食料品専門店中心店05 億円

(一事業所当たり商品販売金額) (一事業所当たり商品販売金額)

4食品産業の業種別構造(食品流通業)

1990 1997 1999 2002 2004 2007

1990 1997 1999 2002 2004 2007 1990 1997 1999 2002 2004 2007

卸売市場は野菜果物魚肉など日々の食卓に欠かすことのできない生鮮食料品等を国民に円滑かつ安定的に供給するための基幹的なインフラとして多種大量の物品の効率的かつ継続的な集分荷公正で透明性の高い価格形成など重要な機能を有している

青果水産物の6割程度が卸売市場を経由している(国産青果物では約9割)加工品や輸入品など卸売市場を経由することが少ない物品の流通割合が増加していること等により市場経由率は低下傾向にあったがここ数年は横ばいで推移している

生鮮食料品等の主要な流通経路

卸売市場の数取扱金額市場関係業者数

卸売市場経由率の推移(推計)

(2)卸売市場

区分 市場数

取扱金額 (億円)

卸売業 者数

仲卸業 者数

売買参 加者数

中央卸売市場 74 41208 210 4305 35828

うち青 果 60 19102 85 1629 16111

水産物 46 18275 78 2472 6210

食 肉 10 2158 10 80 1833

花 き 22 1402 28 102 11067

その他 7 271 9 22 607

地方卸売市場 1185 31953 1384 2053 132938

資料農林水産省食料産業局食品製造卸売課調べ 注(中央) 市場数卸売業者数22年度末他の業者数21年度末取扱金額21年度(H21年10月1日 に地方卸売市場へ転換した市場についてはH21年9月までの取扱金額を含めている) なおH23年4月現在の市場数は全体で72となっている

(地方)市場数業者数21年度当初取扱金額20年度

資料農林水産省「食料需給表」「青果物卸売市場調査報告」等により推計 注卸売市場経由率は国内で流通した加工品を含む国産及び輸入の青果水産物等のうち卸売市場(水産物に ついてはいわゆる産地市場の取扱量は除く)を経由したものの数量割合(花きについては金額割合)の推計値 なお国産青果物の卸売市場経由率は約9割となっている

中央卸売市場 地方卸売市場

特徴

公正かつ効率的な流通の確保を目的とした広域的な生鮮食料品等流通の中核的な拠点

都道府県や一定規模以上の都市が開設者となって厳格な取引規制の下指標となる価格形成等重要な機能を果たしている

地域における生鮮食料品等の集配拠点

開設者の主体に制限はなく法律上の規制も緩やかとなっており地域の実情に応じた運営がなされている

機能

① 集荷(品揃え)分荷機能全国各地から多種大量の物品を集荷するとともに実需者の ニーズに応じて迅速かつ効率的に必要な品目量へと分荷 ② 価格形成機能需給を反映した公正で透明性の高い価格形成 ③ 代金決済機能販売代金の出荷者への迅速確実な決済 ④ 情報受発信機能需給に係る情報を収集し川上川下にそれぞれ伝達

卸売市場の種類と主要な機能

商社 輸入

消費者

直売所青空市場宅配など

産地直接取引など

出荷者(農協個人等)

卸売業者

仲卸業者

売買参加者

卸売市場 製造業者小売業者外食業者等

(年度)

827

630

853

738

780

457

746

584

830 840

235

98

00

100

200

300

400

500

600

20

40

60

80

H元 H5 H10 H15 H18 H19 H20

(単位)

青果

(野菜)

(果実)

水産物

花き

食肉

(食肉)

19

500万円未満

62

500万~

1千万円

14

1千~

3千万円

21

3千~5千万円

2

5千万円以上

71601社

単身世帯の増加女性の雇用者の増加等社会情勢の変化の中で食に関して簡便化志向の高まりや外部化が進行 外食産業は個人経営が総店舗数の5分の3を占め法人形態であっても資本金1千万円未満のものが4分の3を占め

るなど中小零細な事業者が多い従業員についても約290万人の大きな雇用機会を創出しているものの常勤雇用者に占めるパートアルバイトの割合が高い

710

381

290

619

0

20

40

60

80

100

飲食店 小売卸売業

法人

個人

資料平成21年経済センサス

外食産業における法人の資本別割合(2009年)

事業所数 (千ケ所) 673

従業員数 (千人) 4421

常勤雇用者に占める正社員正職員以外の割合(2009年)

製造業 207

卸小売業 458

宿泊業飲食サービス業 733

飲食店 769

ハンバーガー店 946

資料平成21年経済センサス

資料(財)食の安全安心財団附属機関 外食産業総合調査研究センターによる推計

20

4食品産業の業種別構造(外食産業)

資料平成21年経済センサス

資料平成21年経済センサス

外食率 = 外 食 産 業 市 場 規 模

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

食の外部化率 = 外食産業市場規模 + 料理品小売業

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

278

318

335 349

358 366

369 377

378

375

373

367

365

375

378 366

356

356

358

355

354

352

360

366

368

366

359

362

284

334

354

370 381

393 398 412

415

413

412

406 406 419

425

422

419

421

428

428

430

428

441 450

452

449

443

449

25

30

35

40

45

50

外食率

食の外部化率

外食率食の外部化率の推移

事業所数従業員数(2009年)

外食産業(飲食店)の経営組織別事業所数の比率(2009年)

4食品産業の業種別構造(関連産業) 食品製造業は物流のほか製造用機械容器など食品の製造に必要な資材等を提供する裾野産業に支えられている

従前より食品産業全体については高い物流コストや過剰包装等が問題

食品機械の輸出入実績推移

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

(製造品出荷額等)

百万円

(輸出入額)

百万円

輸出 輸入 製造品出荷額等

売上高物流コスト比率(業種小分類別)

21

(資料財団法人日本包装技術協会)

資料社団法人日本食品機械工業会 物流コスト削減策

注回答企業数196社 資料2009年度物流コスト調査報告書(社団法人日本ロジステックスシステム協会)

製造業

食品(要冷)

石鹸洗剤塗料

食品(常温)

繊維

化粧品

電気製品

医薬品

卸売業

卸売業(繊維衣料品系)

卸売業(日用雑貨系)

卸売業(食品飲料系)

その他卸売業

卸売業(機器系)

卸売業(総合商社)

小売業

小売業(通販)

小売業(生協)

小売業(コンビニエンスストア)

その他小売業

その他

建設

000 200 400 600 800 1000 1200 1400

在庫削減SCM

在庫削減

アイテム数の整理

物流システムネットワークの見直し

物流拠点の見直し(廃止統合新設)

直送化

輸配送の共同化

商品設計包装の見直し

包装容器の再使用通い箱の利用等

包装の簡素化変更

物流オペレーションの改善保管仕分け等

保管の効率化

物流オペレーションの改善輸配送

積載率の向上(混載化帰り便の利用等)

輸配送経路の見直し

105 58

101 77

62

61 60

88

95 75

0 50 100 150 (数)

()

アジア地域の実質経済成長率は今後5を超える高水準で推移する見通しであり特に中国とインドは8~9台の高水準で伸びる見通し高成長を支え今後の市場規模に大きな影響を与える中高所得者層(世帯可処分所得5000ドル以上)の人口は今後10年で現在の2倍程度に増加する見通し

製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況

5海外市場への展開

加速する我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

資料「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

2位 東南アジア(341)

4位 タイ (295)

3位 台湾 (318)

1位 中国 (659)

海外出店を積極化する又は今後進出を予定して いる企業の出店先は中国がトップ(複数回答あり)

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

2009年度(233千法人)

全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

食品製造業

国内法人数に対する現地法人数の割合

11

その他の製造業 32

資料「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省 資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」 東洋経済新報社

世帯可処分所得5000ドル以上の人口の推移

出所NIRA研究報告書(所得別の家計比率はEuromonitor International World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した 2008 年までの人口はIMF International Financial Statistics2010 年以降はUN WorldPopulation Prospects を参照)

35億人

1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

見通し(NIRA推計)

+10億人 2倍増

アジア太平洋主要国別の経済成長見通し

22

30 25

20 15 10 5

0

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

全製造業に占める食品 製造業の法人数の割合

国内法人数に対する 現地法人数の割合

資料「工業統計表(2009年企業統計編)」経済産業省

資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」東洋経済新報社

35

12

0 1 2 3 4 0 100 200 300

2009年度(212千法人)

849

151

食品製造業 =約32千法人

その他の製造業 =約180千法人

(千法人)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国

インド

ベトナム

インドネシア

マレーシア

出典World Economic Outlook 2011年9月版(IMF)

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
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  • スライド番号 6
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  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
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  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
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  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
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  • スライド番号 44
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  • スライド番号 47
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  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 16: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

地方と都市圏の食品製造業の製造品出荷額従業者数と全製造業に占める割合

食品産業は製造卸売小売外食産業のいずれも中小零細企業比率が98~99であり事業所の総数は90万をこえているそのうち食品製造業は地域経済において地場産業として大きなウエイト特に北海道鹿児島沖縄では製造品出荷額の約3割雇用の面では製造業の従事者の過半近くを占めるなど地域経済の安定に重要な役割

14

出所経済産業省「工業統計表」(平成21年) 注零細企業従業者数3人以下の事業所 中小企業従業者数299人以下の事業所 大企業300人以上の事業所

食品製造業の構造 資料経済産業省「工業統計表(4人以上の事業所)」(平成21年) 注1食品製造業は食料品製造業及び飲料たばこ飼料製造業(たばこ製造業飼料有機質肥料製造業を除く)の合計である 注2工業統計における製造品出荷額は一部個々の事業者の秘密が漏れるおそれから秘匿された数字があるため実態とズレがある可能性がある

3食品産業の位置づけ②

製造品出荷額 従業員数

金額(億円) 全製造業に占める

割合() 人数(人)

全製造業に占める 割合()

製造品出荷額の占める割合の高い都道府県

鹿児島 7562

(全国13位) 441

(全国1位) 29438

(全国14位) 413

(全国3位)

北海道 20390

(全国1位) 392

(全国2位) 86343

(全国1位) 488

(全国2位)

沖縄 1686

(全国39位) 308

(全国3位) 12434

(全国34位) 501

(全国1位)

三大 都市圏

東京 7467

(全国14位) 93

(全国28位) 35080

(全国12位) 108

(全国40位)

大阪 11377

(全国9位) 77

(全国33位) 49671

(全国8位) 102

(全国41位)

愛知 17271

(全国2位) 50

(全国44位) 71557

(全国2位) 89

(全国43位)

全国平均 105 全国平均 157

大企業

533

中小企業

34075

零細企業

17955 339

10

99が中小零細企業

650

全産業に占める外食業の割合が高い都道府県

全小売業に占める食品小売業の割合が高い都道府県

全卸売業に占める食品卸売業の割合が高い都道府県

割合 事業所数

①兵庫県 ②愛知県 ③大阪府 ④東京都 ⑤京都府

902 883 882 823 818

21540ヶ所 29627ヶ所 37768ヶ所 56850ヶ所 10528ヶ所

全国平均 703

割合 事業所数

①長崎県 ②鹿児島県 ③沖縄県 ④高知県 ⑤秋田県

398 397 385 380 380

6656ヶ所 7848ヶ所 5767ヶ所 3713ヶ所 4938ヶ所

全国平均 343

割合 事業所数

①高知県 ②和歌山県 ③長崎県 ④青森県 ⑤熊本県

353 351 350 348 322

680ヶ所 937ヶ所

1296ヶ所 1222ヶ所 1342ヶ所

全国平均 227

15

01

999

大企業 355ヶ所

中小企業 415356ヶ所

大企業 9003ヶ所

中小企業 380829ヶ所

2

98

大企業 597ヶ所

中小企業 75461ヶ所

1

99

食品小売業の構造 食品卸売業の構造 外食業の構造

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用 中小企業従業者数49人以下の事業所 大企業従業者数50人以上の事業所

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用

3食品産業の位置づけ③

食品製造業は安定的に利益をあげているものの収益率は低く過当競争状態にあると言われている 法人企業統計調査によれば売上高経常利益率はやや横ばいで推移しているものの自己資本比率はリーマンショック

前の2007年度の水準まで回復していない

16

4食品製造業の業種別構造①

日刊経済通信社の分類による企業数等の状況

資料日刊経済通信社調査部編「平成19年度 酒類食品産業の生産販売シェア」 (注)製パンは8社食用植物油脂は5社のシェアの数値

分類 市場規模(上位10社計) 上位10社の生産販売シェア 企業数

しょうゆ 603660(キロリットル) 635 (出荷量) 1600

冷凍食品 7701(億円) 669 (販売額) 880

即席めん類 4960(億円) 965 (販売額) 58

製パン 7076(億円) 813 (販売高) -

食肉加工品 432500(トン) 806 (販売量) 165

チョコレート 2546(億円) 834 (生産額) -

小麦粉 4083000(トン) 837 (販売量) 100

食用植物油脂 2245700(トン) 856 (販売量) -

資料法人企業統計調査(財務省)

() ()

売上高経常利益率の推移 自己資本比率の推移

-2

0

2

4

6

8

10

12

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

30

35

40

45

50

55

60

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

資料法人企業統計調査(財務省)

食品のカテゴリーの公的な分類の一つに工業統計表があり食品関係では2桁分類が24桁分類が496桁分類が 116公正取引委員会の生産出荷集中度調査はこの工業統計表の6桁分類を参考に区分しており細かい分類であるため集中度が高くなる傾向にある

他方食品市場全体でみると諸外国と比べ上位企業の寡占度が低いというデータもある

工業統計表における産業分類

資料経済産業省「工業統計表」 注)2桁の「飲料たばこ飼料」は4桁分類においてこの他に 「たばこ」「飼料有機質肥料」を含むがこの表では含めない 17

4食品産業の業種別構造(食品製造業②)

2桁 4桁 6桁

食料品 部分肉冷凍肉 部分肉冷凍肉

肉加工品 肉缶詰瓶詰つぼ詰

処理牛乳乳飲料 処理牛乳

水産缶詰瓶詰 まぐろ缶詰

海藻加工 寒天

水産練製品 魚肉ハムソーセージ

野菜缶詰果実缶詰 農産保存食料品

野菜缶詰

野菜漬物 野菜漬物

味そ 味そ

しょう油食用アミノ酸 しょう油食用アミノ酸

ソース ウスター中濃濃厚ソース

砂糖製造 粗糖

砂糖精製 精製糖

ぶどう糖水あめ異性化糖 ぶどう糖

精米精麦 精米

小麦粉 小麦粉

その他の精穀製粉 こんにゃく粉

パン 食パン

生菓子 洋生菓子

ビスケット類干菓子 ビスケット類干菓子

動植物油脂 大豆油

食用油脂 ショートニング油

でんぷん でんぷん

めん類 即席めん類

豆腐油揚 豆腐しみ豆腐油揚げ類

飲料たばこ飼料

清涼飲料 炭酸飲料

果実酒 果実酒

ビール類 ビール

清酒 清酒

製茶 荒茶緑茶

コーヒー コーヒー

製氷 人造氷

2 49 116

30

20

10

()

米国

英国

フランス

ドイツ

日本

加工食品市場における上位10社の寡占度 (2008年)

資料平成22年5月16日付日本経済新聞朝刊より抜粋

(注)ユーロモニターのデータをもとにボストンコンサルティンググループが分析

32

26

16

公正取引委員会の生産出荷集中度調査における区分(食品関連品目80品目)のうち「競争を実質的に制限することとなるおそれが小さい」とされる基準()を超えている品目の一覧

マヨネーズドレッシング類

ルウ類

カレールウ

シチュールウ

シチューミクスを除くシチュールウ

チューインガム

スポーツドリンク

ビール

発泡酒

ウイスキー

ビール風酒類

インスタントコーヒー

(注) 工業統計表の6桁分類を参考に公正取引委員会にて区分したもの () 「企業結合ガイドライン」が「競争を実質的に制限することとなるおそ

れが小さい場合」として挙げている ① 企業結合後のHHIが2500以下 ② 企業結合後の当事会社グループの市場シェアが35以下のう

ち①を基に「HHIが2500以下かどうか」を今回基準として設定 資料公正取引委員会「平成1920年生産出荷集中度調査」

構造改革のメリット ― 利益ある成長へ ① 国内事業の競争緩和② 商品開発力の向上 ③ 価格交渉力の向上④ 収益性の向上 ⑤ 国内基盤の安定リスク分散⑥原料調達力の向上

(10817)(11863)(11701)(13505)(14303)

(3320) (5202) (5990) (6622) (7048)

158516751668167018881804

178651848517691187071762316096

43684427384177039628

3663128226

495316

275573

323087344343

380752384899

449190

338707

385985405472

440757441041

0

20000

40000

60000

80000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

0

100000

200000

300000

400000

500000

卸売業

18

食品卸売業

外側商品販売額

内側事業所数

23

4253739952

43653

38300 39485 37844

53687

4748550723

45295 45054

38214

349514257840256

5028451416

56954

406984381244017

494474643247381

0

20000

40000

60000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

30000

50000

70000

90000

(事業所数)

食品卸売業事業所数(カ所)商品販売額(10億円)の推移

業全体に占める食品関連事業者の割合は卸売業では約2割小売業では約3割となっている 食品卸小売業については近年事業所数商品販売額とも減少傾向で推移特に食品小売業についてはコンビニエン

スストアは増加傾向にあるものの中小規模の食料品スーパーや食料品専門店中心店においては減少傾向で推移

資料経済産業省「商業統計表」

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

食料品スーパー取扱商品販売額のうち食料品が70以上食料品専門店取扱商品販売額のうち食料品が90以上食料品中心店取扱商品販売額のうち食料品が50以上

農畜産物水産物卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 米麦雑穀豆類野菜食肉生鮮魚介等の卸売業 食料飲料卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 味噌醤油乾物菓子類飲料茶類等の卸売業

食品小売業事業所数の推移

業全体に占める割合()

(5850)(6509)(6360)(7957)(8906)

(5862) (8791) (9544) (10538) (11257)9336 9957

8850 8515 84067447

13198 14768

1674815904

17047 17106

40115223

6135 6714 69227007

19881 16578

1588714187

1338712608

441684576245320

476204652646426

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

25000

30000

35000

40000

45000

50000

【事業所数】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

【商品販売額】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

食品小売業商品販売額の推移(10億円)

合計(右目盛)

総合スーパー(左目盛)

コンビニエンスストア(左目盛)

食料品専門店 中心店(左図右目盛 右図左目盛)

食料品スーパー(左目盛) 大規模 中小規模

注従業員数50人未満を中小規模 50人以上を大規模とした

(商品販売額)

〈食飲卸事業所数〉

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

〈農水卸事業所数〉

〈食飲卸商品販売額〉

〈農水卸商品販売額〉

(1) 食品卸小売業

18

小売業

18

2 4

24 5

9

総合スーパー食料品スーパー

コンビニエンスストア

食料品専門店中心店

外側商品販売額

内側事業所数

【食品小売業】

注平成19年のデータを利用

【食品卸売業】

卸 売 業123 億円 食 品 卸 売 業100 億円

小 売 業12 億円 食料品専門店中心店05 億円

(一事業所当たり商品販売金額) (一事業所当たり商品販売金額)

4食品産業の業種別構造(食品流通業)

1990 1997 1999 2002 2004 2007

1990 1997 1999 2002 2004 2007 1990 1997 1999 2002 2004 2007

卸売市場は野菜果物魚肉など日々の食卓に欠かすことのできない生鮮食料品等を国民に円滑かつ安定的に供給するための基幹的なインフラとして多種大量の物品の効率的かつ継続的な集分荷公正で透明性の高い価格形成など重要な機能を有している

青果水産物の6割程度が卸売市場を経由している(国産青果物では約9割)加工品や輸入品など卸売市場を経由することが少ない物品の流通割合が増加していること等により市場経由率は低下傾向にあったがここ数年は横ばいで推移している

生鮮食料品等の主要な流通経路

卸売市場の数取扱金額市場関係業者数

卸売市場経由率の推移(推計)

(2)卸売市場

区分 市場数

取扱金額 (億円)

卸売業 者数

仲卸業 者数

売買参 加者数

中央卸売市場 74 41208 210 4305 35828

うち青 果 60 19102 85 1629 16111

水産物 46 18275 78 2472 6210

食 肉 10 2158 10 80 1833

花 き 22 1402 28 102 11067

その他 7 271 9 22 607

地方卸売市場 1185 31953 1384 2053 132938

資料農林水産省食料産業局食品製造卸売課調べ 注(中央) 市場数卸売業者数22年度末他の業者数21年度末取扱金額21年度(H21年10月1日 に地方卸売市場へ転換した市場についてはH21年9月までの取扱金額を含めている) なおH23年4月現在の市場数は全体で72となっている

(地方)市場数業者数21年度当初取扱金額20年度

資料農林水産省「食料需給表」「青果物卸売市場調査報告」等により推計 注卸売市場経由率は国内で流通した加工品を含む国産及び輸入の青果水産物等のうち卸売市場(水産物に ついてはいわゆる産地市場の取扱量は除く)を経由したものの数量割合(花きについては金額割合)の推計値 なお国産青果物の卸売市場経由率は約9割となっている

中央卸売市場 地方卸売市場

特徴

公正かつ効率的な流通の確保を目的とした広域的な生鮮食料品等流通の中核的な拠点

都道府県や一定規模以上の都市が開設者となって厳格な取引規制の下指標となる価格形成等重要な機能を果たしている

地域における生鮮食料品等の集配拠点

開設者の主体に制限はなく法律上の規制も緩やかとなっており地域の実情に応じた運営がなされている

機能

① 集荷(品揃え)分荷機能全国各地から多種大量の物品を集荷するとともに実需者の ニーズに応じて迅速かつ効率的に必要な品目量へと分荷 ② 価格形成機能需給を反映した公正で透明性の高い価格形成 ③ 代金決済機能販売代金の出荷者への迅速確実な決済 ④ 情報受発信機能需給に係る情報を収集し川上川下にそれぞれ伝達

卸売市場の種類と主要な機能

商社 輸入

消費者

直売所青空市場宅配など

産地直接取引など

出荷者(農協個人等)

卸売業者

仲卸業者

売買参加者

卸売市場 製造業者小売業者外食業者等

(年度)

827

630

853

738

780

457

746

584

830 840

235

98

00

100

200

300

400

500

600

20

40

60

80

H元 H5 H10 H15 H18 H19 H20

(単位)

青果

(野菜)

(果実)

水産物

花き

食肉

(食肉)

19

500万円未満

62

500万~

1千万円

14

1千~

3千万円

21

3千~5千万円

2

5千万円以上

71601社

単身世帯の増加女性の雇用者の増加等社会情勢の変化の中で食に関して簡便化志向の高まりや外部化が進行 外食産業は個人経営が総店舗数の5分の3を占め法人形態であっても資本金1千万円未満のものが4分の3を占め

るなど中小零細な事業者が多い従業員についても約290万人の大きな雇用機会を創出しているものの常勤雇用者に占めるパートアルバイトの割合が高い

710

381

290

619

0

20

40

60

80

100

飲食店 小売卸売業

法人

個人

資料平成21年経済センサス

外食産業における法人の資本別割合(2009年)

事業所数 (千ケ所) 673

従業員数 (千人) 4421

常勤雇用者に占める正社員正職員以外の割合(2009年)

製造業 207

卸小売業 458

宿泊業飲食サービス業 733

飲食店 769

ハンバーガー店 946

資料平成21年経済センサス

資料(財)食の安全安心財団附属機関 外食産業総合調査研究センターによる推計

20

4食品産業の業種別構造(外食産業)

資料平成21年経済センサス

資料平成21年経済センサス

外食率 = 外 食 産 業 市 場 規 模

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

食の外部化率 = 外食産業市場規模 + 料理品小売業

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

278

318

335 349

358 366

369 377

378

375

373

367

365

375

378 366

356

356

358

355

354

352

360

366

368

366

359

362

284

334

354

370 381

393 398 412

415

413

412

406 406 419

425

422

419

421

428

428

430

428

441 450

452

449

443

449

25

30

35

40

45

50

外食率

食の外部化率

外食率食の外部化率の推移

事業所数従業員数(2009年)

外食産業(飲食店)の経営組織別事業所数の比率(2009年)

4食品産業の業種別構造(関連産業) 食品製造業は物流のほか製造用機械容器など食品の製造に必要な資材等を提供する裾野産業に支えられている

従前より食品産業全体については高い物流コストや過剰包装等が問題

食品機械の輸出入実績推移

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

(製造品出荷額等)

百万円

(輸出入額)

百万円

輸出 輸入 製造品出荷額等

売上高物流コスト比率(業種小分類別)

21

(資料財団法人日本包装技術協会)

資料社団法人日本食品機械工業会 物流コスト削減策

注回答企業数196社 資料2009年度物流コスト調査報告書(社団法人日本ロジステックスシステム協会)

製造業

食品(要冷)

石鹸洗剤塗料

食品(常温)

繊維

化粧品

電気製品

医薬品

卸売業

卸売業(繊維衣料品系)

卸売業(日用雑貨系)

卸売業(食品飲料系)

その他卸売業

卸売業(機器系)

卸売業(総合商社)

小売業

小売業(通販)

小売業(生協)

小売業(コンビニエンスストア)

その他小売業

その他

建設

000 200 400 600 800 1000 1200 1400

在庫削減SCM

在庫削減

アイテム数の整理

物流システムネットワークの見直し

物流拠点の見直し(廃止統合新設)

直送化

輸配送の共同化

商品設計包装の見直し

包装容器の再使用通い箱の利用等

包装の簡素化変更

物流オペレーションの改善保管仕分け等

保管の効率化

物流オペレーションの改善輸配送

積載率の向上(混載化帰り便の利用等)

輸配送経路の見直し

105 58

101 77

62

61 60

88

95 75

0 50 100 150 (数)

()

アジア地域の実質経済成長率は今後5を超える高水準で推移する見通しであり特に中国とインドは8~9台の高水準で伸びる見通し高成長を支え今後の市場規模に大きな影響を与える中高所得者層(世帯可処分所得5000ドル以上)の人口は今後10年で現在の2倍程度に増加する見通し

製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況

5海外市場への展開

加速する我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

資料「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

2位 東南アジア(341)

4位 タイ (295)

3位 台湾 (318)

1位 中国 (659)

海外出店を積極化する又は今後進出を予定して いる企業の出店先は中国がトップ(複数回答あり)

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

2009年度(233千法人)

全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

食品製造業

国内法人数に対する現地法人数の割合

11

その他の製造業 32

資料「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省 資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」 東洋経済新報社

世帯可処分所得5000ドル以上の人口の推移

出所NIRA研究報告書(所得別の家計比率はEuromonitor International World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した 2008 年までの人口はIMF International Financial Statistics2010 年以降はUN WorldPopulation Prospects を参照)

35億人

1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

見通し(NIRA推計)

+10億人 2倍増

アジア太平洋主要国別の経済成長見通し

22

30 25

20 15 10 5

0

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

全製造業に占める食品 製造業の法人数の割合

国内法人数に対する 現地法人数の割合

資料「工業統計表(2009年企業統計編)」経済産業省

資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」東洋経済新報社

35

12

0 1 2 3 4 0 100 200 300

2009年度(212千法人)

849

151

食品製造業 =約32千法人

その他の製造業 =約180千法人

(千法人)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国

インド

ベトナム

インドネシア

マレーシア

出典World Economic Outlook 2011年9月版(IMF)

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 17: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

全産業に占める外食業の割合が高い都道府県

全小売業に占める食品小売業の割合が高い都道府県

全卸売業に占める食品卸売業の割合が高い都道府県

割合 事業所数

①兵庫県 ②愛知県 ③大阪府 ④東京都 ⑤京都府

902 883 882 823 818

21540ヶ所 29627ヶ所 37768ヶ所 56850ヶ所 10528ヶ所

全国平均 703

割合 事業所数

①長崎県 ②鹿児島県 ③沖縄県 ④高知県 ⑤秋田県

398 397 385 380 380

6656ヶ所 7848ヶ所 5767ヶ所 3713ヶ所 4938ヶ所

全国平均 343

割合 事業所数

①高知県 ②和歌山県 ③長崎県 ④青森県 ⑤熊本県

353 351 350 348 322

680ヶ所 937ヶ所

1296ヶ所 1222ヶ所 1342ヶ所

全国平均 227

15

01

999

大企業 355ヶ所

中小企業 415356ヶ所

大企業 9003ヶ所

中小企業 380829ヶ所

2

98

大企業 597ヶ所

中小企業 75461ヶ所

1

99

食品小売業の構造 食品卸売業の構造 外食業の構造

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用 中小企業従業者数49人以下の事業所 大企業従業者数50人以上の事業所

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用 中小企業従業者数99人以下の事業所 大企業従業者数100人以上の事業所

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品卸売業」の数値を使用

出所経済産業省「平成19年商業統計」 注「飲食料品小売業」の数値を使用

出所総務省「平成18年事業所企業統計調査」 注「一般飲食店」の数値を使用

3食品産業の位置づけ③

食品製造業は安定的に利益をあげているものの収益率は低く過当競争状態にあると言われている 法人企業統計調査によれば売上高経常利益率はやや横ばいで推移しているものの自己資本比率はリーマンショック

前の2007年度の水準まで回復していない

16

4食品製造業の業種別構造①

日刊経済通信社の分類による企業数等の状況

資料日刊経済通信社調査部編「平成19年度 酒類食品産業の生産販売シェア」 (注)製パンは8社食用植物油脂は5社のシェアの数値

分類 市場規模(上位10社計) 上位10社の生産販売シェア 企業数

しょうゆ 603660(キロリットル) 635 (出荷量) 1600

冷凍食品 7701(億円) 669 (販売額) 880

即席めん類 4960(億円) 965 (販売額) 58

製パン 7076(億円) 813 (販売高) -

食肉加工品 432500(トン) 806 (販売量) 165

チョコレート 2546(億円) 834 (生産額) -

小麦粉 4083000(トン) 837 (販売量) 100

食用植物油脂 2245700(トン) 856 (販売量) -

資料法人企業統計調査(財務省)

() ()

売上高経常利益率の推移 自己資本比率の推移

-2

0

2

4

6

8

10

12

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

30

35

40

45

50

55

60

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

資料法人企業統計調査(財務省)

食品のカテゴリーの公的な分類の一つに工業統計表があり食品関係では2桁分類が24桁分類が496桁分類が 116公正取引委員会の生産出荷集中度調査はこの工業統計表の6桁分類を参考に区分しており細かい分類であるため集中度が高くなる傾向にある

他方食品市場全体でみると諸外国と比べ上位企業の寡占度が低いというデータもある

工業統計表における産業分類

資料経済産業省「工業統計表」 注)2桁の「飲料たばこ飼料」は4桁分類においてこの他に 「たばこ」「飼料有機質肥料」を含むがこの表では含めない 17

4食品産業の業種別構造(食品製造業②)

2桁 4桁 6桁

食料品 部分肉冷凍肉 部分肉冷凍肉

肉加工品 肉缶詰瓶詰つぼ詰

処理牛乳乳飲料 処理牛乳

水産缶詰瓶詰 まぐろ缶詰

海藻加工 寒天

水産練製品 魚肉ハムソーセージ

野菜缶詰果実缶詰 農産保存食料品

野菜缶詰

野菜漬物 野菜漬物

味そ 味そ

しょう油食用アミノ酸 しょう油食用アミノ酸

ソース ウスター中濃濃厚ソース

砂糖製造 粗糖

砂糖精製 精製糖

ぶどう糖水あめ異性化糖 ぶどう糖

精米精麦 精米

小麦粉 小麦粉

その他の精穀製粉 こんにゃく粉

パン 食パン

生菓子 洋生菓子

ビスケット類干菓子 ビスケット類干菓子

動植物油脂 大豆油

食用油脂 ショートニング油

でんぷん でんぷん

めん類 即席めん類

豆腐油揚 豆腐しみ豆腐油揚げ類

飲料たばこ飼料

清涼飲料 炭酸飲料

果実酒 果実酒

ビール類 ビール

清酒 清酒

製茶 荒茶緑茶

コーヒー コーヒー

製氷 人造氷

2 49 116

30

20

10

()

米国

英国

フランス

ドイツ

日本

加工食品市場における上位10社の寡占度 (2008年)

資料平成22年5月16日付日本経済新聞朝刊より抜粋

(注)ユーロモニターのデータをもとにボストンコンサルティンググループが分析

32

26

16

公正取引委員会の生産出荷集中度調査における区分(食品関連品目80品目)のうち「競争を実質的に制限することとなるおそれが小さい」とされる基準()を超えている品目の一覧

マヨネーズドレッシング類

ルウ類

カレールウ

シチュールウ

シチューミクスを除くシチュールウ

チューインガム

スポーツドリンク

ビール

発泡酒

ウイスキー

ビール風酒類

インスタントコーヒー

(注) 工業統計表の6桁分類を参考に公正取引委員会にて区分したもの () 「企業結合ガイドライン」が「競争を実質的に制限することとなるおそ

れが小さい場合」として挙げている ① 企業結合後のHHIが2500以下 ② 企業結合後の当事会社グループの市場シェアが35以下のう

ち①を基に「HHIが2500以下かどうか」を今回基準として設定 資料公正取引委員会「平成1920年生産出荷集中度調査」

構造改革のメリット ― 利益ある成長へ ① 国内事業の競争緩和② 商品開発力の向上 ③ 価格交渉力の向上④ 収益性の向上 ⑤ 国内基盤の安定リスク分散⑥原料調達力の向上

(10817)(11863)(11701)(13505)(14303)

(3320) (5202) (5990) (6622) (7048)

158516751668167018881804

178651848517691187071762316096

43684427384177039628

3663128226

495316

275573

323087344343

380752384899

449190

338707

385985405472

440757441041

0

20000

40000

60000

80000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

0

100000

200000

300000

400000

500000

卸売業

18

食品卸売業

外側商品販売額

内側事業所数

23

4253739952

43653

38300 39485 37844

53687

4748550723

45295 45054

38214

349514257840256

5028451416

56954

406984381244017

494474643247381

0

20000

40000

60000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

30000

50000

70000

90000

(事業所数)

食品卸売業事業所数(カ所)商品販売額(10億円)の推移

業全体に占める食品関連事業者の割合は卸売業では約2割小売業では約3割となっている 食品卸小売業については近年事業所数商品販売額とも減少傾向で推移特に食品小売業についてはコンビニエン

スストアは増加傾向にあるものの中小規模の食料品スーパーや食料品専門店中心店においては減少傾向で推移

資料経済産業省「商業統計表」

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

食料品スーパー取扱商品販売額のうち食料品が70以上食料品専門店取扱商品販売額のうち食料品が90以上食料品中心店取扱商品販売額のうち食料品が50以上

農畜産物水産物卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 米麦雑穀豆類野菜食肉生鮮魚介等の卸売業 食料飲料卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 味噌醤油乾物菓子類飲料茶類等の卸売業

食品小売業事業所数の推移

業全体に占める割合()

(5850)(6509)(6360)(7957)(8906)

(5862) (8791) (9544) (10538) (11257)9336 9957

8850 8515 84067447

13198 14768

1674815904

17047 17106

40115223

6135 6714 69227007

19881 16578

1588714187

1338712608

441684576245320

476204652646426

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

25000

30000

35000

40000

45000

50000

【事業所数】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

【商品販売額】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

食品小売業商品販売額の推移(10億円)

合計(右目盛)

総合スーパー(左目盛)

コンビニエンスストア(左目盛)

食料品専門店 中心店(左図右目盛 右図左目盛)

食料品スーパー(左目盛) 大規模 中小規模

注従業員数50人未満を中小規模 50人以上を大規模とした

(商品販売額)

〈食飲卸事業所数〉

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

〈農水卸事業所数〉

〈食飲卸商品販売額〉

〈農水卸商品販売額〉

(1) 食品卸小売業

18

小売業

18

2 4

24 5

9

総合スーパー食料品スーパー

コンビニエンスストア

食料品専門店中心店

外側商品販売額

内側事業所数

【食品小売業】

注平成19年のデータを利用

【食品卸売業】

卸 売 業123 億円 食 品 卸 売 業100 億円

小 売 業12 億円 食料品専門店中心店05 億円

(一事業所当たり商品販売金額) (一事業所当たり商品販売金額)

4食品産業の業種別構造(食品流通業)

1990 1997 1999 2002 2004 2007

1990 1997 1999 2002 2004 2007 1990 1997 1999 2002 2004 2007

卸売市場は野菜果物魚肉など日々の食卓に欠かすことのできない生鮮食料品等を国民に円滑かつ安定的に供給するための基幹的なインフラとして多種大量の物品の効率的かつ継続的な集分荷公正で透明性の高い価格形成など重要な機能を有している

青果水産物の6割程度が卸売市場を経由している(国産青果物では約9割)加工品や輸入品など卸売市場を経由することが少ない物品の流通割合が増加していること等により市場経由率は低下傾向にあったがここ数年は横ばいで推移している

生鮮食料品等の主要な流通経路

卸売市場の数取扱金額市場関係業者数

卸売市場経由率の推移(推計)

(2)卸売市場

区分 市場数

取扱金額 (億円)

卸売業 者数

仲卸業 者数

売買参 加者数

中央卸売市場 74 41208 210 4305 35828

うち青 果 60 19102 85 1629 16111

水産物 46 18275 78 2472 6210

食 肉 10 2158 10 80 1833

花 き 22 1402 28 102 11067

その他 7 271 9 22 607

地方卸売市場 1185 31953 1384 2053 132938

資料農林水産省食料産業局食品製造卸売課調べ 注(中央) 市場数卸売業者数22年度末他の業者数21年度末取扱金額21年度(H21年10月1日 に地方卸売市場へ転換した市場についてはH21年9月までの取扱金額を含めている) なおH23年4月現在の市場数は全体で72となっている

(地方)市場数業者数21年度当初取扱金額20年度

資料農林水産省「食料需給表」「青果物卸売市場調査報告」等により推計 注卸売市場経由率は国内で流通した加工品を含む国産及び輸入の青果水産物等のうち卸売市場(水産物に ついてはいわゆる産地市場の取扱量は除く)を経由したものの数量割合(花きについては金額割合)の推計値 なお国産青果物の卸売市場経由率は約9割となっている

中央卸売市場 地方卸売市場

特徴

公正かつ効率的な流通の確保を目的とした広域的な生鮮食料品等流通の中核的な拠点

都道府県や一定規模以上の都市が開設者となって厳格な取引規制の下指標となる価格形成等重要な機能を果たしている

地域における生鮮食料品等の集配拠点

開設者の主体に制限はなく法律上の規制も緩やかとなっており地域の実情に応じた運営がなされている

機能

① 集荷(品揃え)分荷機能全国各地から多種大量の物品を集荷するとともに実需者の ニーズに応じて迅速かつ効率的に必要な品目量へと分荷 ② 価格形成機能需給を反映した公正で透明性の高い価格形成 ③ 代金決済機能販売代金の出荷者への迅速確実な決済 ④ 情報受発信機能需給に係る情報を収集し川上川下にそれぞれ伝達

卸売市場の種類と主要な機能

商社 輸入

消費者

直売所青空市場宅配など

産地直接取引など

出荷者(農協個人等)

卸売業者

仲卸業者

売買参加者

卸売市場 製造業者小売業者外食業者等

(年度)

827

630

853

738

780

457

746

584

830 840

235

98

00

100

200

300

400

500

600

20

40

60

80

H元 H5 H10 H15 H18 H19 H20

(単位)

青果

(野菜)

(果実)

水産物

花き

食肉

(食肉)

19

500万円未満

62

500万~

1千万円

14

1千~

3千万円

21

3千~5千万円

2

5千万円以上

71601社

単身世帯の増加女性の雇用者の増加等社会情勢の変化の中で食に関して簡便化志向の高まりや外部化が進行 外食産業は個人経営が総店舗数の5分の3を占め法人形態であっても資本金1千万円未満のものが4分の3を占め

るなど中小零細な事業者が多い従業員についても約290万人の大きな雇用機会を創出しているものの常勤雇用者に占めるパートアルバイトの割合が高い

710

381

290

619

0

20

40

60

80

100

飲食店 小売卸売業

法人

個人

資料平成21年経済センサス

外食産業における法人の資本別割合(2009年)

事業所数 (千ケ所) 673

従業員数 (千人) 4421

常勤雇用者に占める正社員正職員以外の割合(2009年)

製造業 207

卸小売業 458

宿泊業飲食サービス業 733

飲食店 769

ハンバーガー店 946

資料平成21年経済センサス

資料(財)食の安全安心財団附属機関 外食産業総合調査研究センターによる推計

20

4食品産業の業種別構造(外食産業)

資料平成21年経済センサス

資料平成21年経済センサス

外食率 = 外 食 産 業 市 場 規 模

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

食の外部化率 = 外食産業市場規模 + 料理品小売業

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

278

318

335 349

358 366

369 377

378

375

373

367

365

375

378 366

356

356

358

355

354

352

360

366

368

366

359

362

284

334

354

370 381

393 398 412

415

413

412

406 406 419

425

422

419

421

428

428

430

428

441 450

452

449

443

449

25

30

35

40

45

50

外食率

食の外部化率

外食率食の外部化率の推移

事業所数従業員数(2009年)

外食産業(飲食店)の経営組織別事業所数の比率(2009年)

4食品産業の業種別構造(関連産業) 食品製造業は物流のほか製造用機械容器など食品の製造に必要な資材等を提供する裾野産業に支えられている

従前より食品産業全体については高い物流コストや過剰包装等が問題

食品機械の輸出入実績推移

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

(製造品出荷額等)

百万円

(輸出入額)

百万円

輸出 輸入 製造品出荷額等

売上高物流コスト比率(業種小分類別)

21

(資料財団法人日本包装技術協会)

資料社団法人日本食品機械工業会 物流コスト削減策

注回答企業数196社 資料2009年度物流コスト調査報告書(社団法人日本ロジステックスシステム協会)

製造業

食品(要冷)

石鹸洗剤塗料

食品(常温)

繊維

化粧品

電気製品

医薬品

卸売業

卸売業(繊維衣料品系)

卸売業(日用雑貨系)

卸売業(食品飲料系)

その他卸売業

卸売業(機器系)

卸売業(総合商社)

小売業

小売業(通販)

小売業(生協)

小売業(コンビニエンスストア)

その他小売業

その他

建設

000 200 400 600 800 1000 1200 1400

在庫削減SCM

在庫削減

アイテム数の整理

物流システムネットワークの見直し

物流拠点の見直し(廃止統合新設)

直送化

輸配送の共同化

商品設計包装の見直し

包装容器の再使用通い箱の利用等

包装の簡素化変更

物流オペレーションの改善保管仕分け等

保管の効率化

物流オペレーションの改善輸配送

積載率の向上(混載化帰り便の利用等)

輸配送経路の見直し

105 58

101 77

62

61 60

88

95 75

0 50 100 150 (数)

()

アジア地域の実質経済成長率は今後5を超える高水準で推移する見通しであり特に中国とインドは8~9台の高水準で伸びる見通し高成長を支え今後の市場規模に大きな影響を与える中高所得者層(世帯可処分所得5000ドル以上)の人口は今後10年で現在の2倍程度に増加する見通し

製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況

5海外市場への展開

加速する我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

資料「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

2位 東南アジア(341)

4位 タイ (295)

3位 台湾 (318)

1位 中国 (659)

海外出店を積極化する又は今後進出を予定して いる企業の出店先は中国がトップ(複数回答あり)

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

2009年度(233千法人)

全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

食品製造業

国内法人数に対する現地法人数の割合

11

その他の製造業 32

資料「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省 資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」 東洋経済新報社

世帯可処分所得5000ドル以上の人口の推移

出所NIRA研究報告書(所得別の家計比率はEuromonitor International World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した 2008 年までの人口はIMF International Financial Statistics2010 年以降はUN WorldPopulation Prospects を参照)

35億人

1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

見通し(NIRA推計)

+10億人 2倍増

アジア太平洋主要国別の経済成長見通し

22

30 25

20 15 10 5

0

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

全製造業に占める食品 製造業の法人数の割合

国内法人数に対する 現地法人数の割合

資料「工業統計表(2009年企業統計編)」経済産業省

資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」東洋経済新報社

35

12

0 1 2 3 4 0 100 200 300

2009年度(212千法人)

849

151

食品製造業 =約32千法人

その他の製造業 =約180千法人

(千法人)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国

インド

ベトナム

インドネシア

マレーシア

出典World Economic Outlook 2011年9月版(IMF)

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 18: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

食品製造業は安定的に利益をあげているものの収益率は低く過当競争状態にあると言われている 法人企業統計調査によれば売上高経常利益率はやや横ばいで推移しているものの自己資本比率はリーマンショック

前の2007年度の水準まで回復していない

16

4食品製造業の業種別構造①

日刊経済通信社の分類による企業数等の状況

資料日刊経済通信社調査部編「平成19年度 酒類食品産業の生産販売シェア」 (注)製パンは8社食用植物油脂は5社のシェアの数値

分類 市場規模(上位10社計) 上位10社の生産販売シェア 企業数

しょうゆ 603660(キロリットル) 635 (出荷量) 1600

冷凍食品 7701(億円) 669 (販売額) 880

即席めん類 4960(億円) 965 (販売額) 58

製パン 7076(億円) 813 (販売高) -

食肉加工品 432500(トン) 806 (販売量) 165

チョコレート 2546(億円) 834 (生産額) -

小麦粉 4083000(トン) 837 (販売量) 100

食用植物油脂 2245700(トン) 856 (販売量) -

資料法人企業統計調査(財務省)

() ()

売上高経常利益率の推移 自己資本比率の推移

-2

0

2

4

6

8

10

12

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

30

35

40

45

50

55

60

食料品製造業

化学工業

鉄鋼業

電気機械製造業

輸送機械製造業

資料法人企業統計調査(財務省)

食品のカテゴリーの公的な分類の一つに工業統計表があり食品関係では2桁分類が24桁分類が496桁分類が 116公正取引委員会の生産出荷集中度調査はこの工業統計表の6桁分類を参考に区分しており細かい分類であるため集中度が高くなる傾向にある

他方食品市場全体でみると諸外国と比べ上位企業の寡占度が低いというデータもある

工業統計表における産業分類

資料経済産業省「工業統計表」 注)2桁の「飲料たばこ飼料」は4桁分類においてこの他に 「たばこ」「飼料有機質肥料」を含むがこの表では含めない 17

4食品産業の業種別構造(食品製造業②)

2桁 4桁 6桁

食料品 部分肉冷凍肉 部分肉冷凍肉

肉加工品 肉缶詰瓶詰つぼ詰

処理牛乳乳飲料 処理牛乳

水産缶詰瓶詰 まぐろ缶詰

海藻加工 寒天

水産練製品 魚肉ハムソーセージ

野菜缶詰果実缶詰 農産保存食料品

野菜缶詰

野菜漬物 野菜漬物

味そ 味そ

しょう油食用アミノ酸 しょう油食用アミノ酸

ソース ウスター中濃濃厚ソース

砂糖製造 粗糖

砂糖精製 精製糖

ぶどう糖水あめ異性化糖 ぶどう糖

精米精麦 精米

小麦粉 小麦粉

その他の精穀製粉 こんにゃく粉

パン 食パン

生菓子 洋生菓子

ビスケット類干菓子 ビスケット類干菓子

動植物油脂 大豆油

食用油脂 ショートニング油

でんぷん でんぷん

めん類 即席めん類

豆腐油揚 豆腐しみ豆腐油揚げ類

飲料たばこ飼料

清涼飲料 炭酸飲料

果実酒 果実酒

ビール類 ビール

清酒 清酒

製茶 荒茶緑茶

コーヒー コーヒー

製氷 人造氷

2 49 116

30

20

10

()

米国

英国

フランス

ドイツ

日本

加工食品市場における上位10社の寡占度 (2008年)

資料平成22年5月16日付日本経済新聞朝刊より抜粋

(注)ユーロモニターのデータをもとにボストンコンサルティンググループが分析

32

26

16

公正取引委員会の生産出荷集中度調査における区分(食品関連品目80品目)のうち「競争を実質的に制限することとなるおそれが小さい」とされる基準()を超えている品目の一覧

マヨネーズドレッシング類

ルウ類

カレールウ

シチュールウ

シチューミクスを除くシチュールウ

チューインガム

スポーツドリンク

ビール

発泡酒

ウイスキー

ビール風酒類

インスタントコーヒー

(注) 工業統計表の6桁分類を参考に公正取引委員会にて区分したもの () 「企業結合ガイドライン」が「競争を実質的に制限することとなるおそ

れが小さい場合」として挙げている ① 企業結合後のHHIが2500以下 ② 企業結合後の当事会社グループの市場シェアが35以下のう

ち①を基に「HHIが2500以下かどうか」を今回基準として設定 資料公正取引委員会「平成1920年生産出荷集中度調査」

構造改革のメリット ― 利益ある成長へ ① 国内事業の競争緩和② 商品開発力の向上 ③ 価格交渉力の向上④ 収益性の向上 ⑤ 国内基盤の安定リスク分散⑥原料調達力の向上

(10817)(11863)(11701)(13505)(14303)

(3320) (5202) (5990) (6622) (7048)

158516751668167018881804

178651848517691187071762316096

43684427384177039628

3663128226

495316

275573

323087344343

380752384899

449190

338707

385985405472

440757441041

0

20000

40000

60000

80000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

0

100000

200000

300000

400000

500000

卸売業

18

食品卸売業

外側商品販売額

内側事業所数

23

4253739952

43653

38300 39485 37844

53687

4748550723

45295 45054

38214

349514257840256

5028451416

56954

406984381244017

494474643247381

0

20000

40000

60000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

30000

50000

70000

90000

(事業所数)

食品卸売業事業所数(カ所)商品販売額(10億円)の推移

業全体に占める食品関連事業者の割合は卸売業では約2割小売業では約3割となっている 食品卸小売業については近年事業所数商品販売額とも減少傾向で推移特に食品小売業についてはコンビニエン

スストアは増加傾向にあるものの中小規模の食料品スーパーや食料品専門店中心店においては減少傾向で推移

資料経済産業省「商業統計表」

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

食料品スーパー取扱商品販売額のうち食料品が70以上食料品専門店取扱商品販売額のうち食料品が90以上食料品中心店取扱商品販売額のうち食料品が50以上

農畜産物水産物卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 米麦雑穀豆類野菜食肉生鮮魚介等の卸売業 食料飲料卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 味噌醤油乾物菓子類飲料茶類等の卸売業

食品小売業事業所数の推移

業全体に占める割合()

(5850)(6509)(6360)(7957)(8906)

(5862) (8791) (9544) (10538) (11257)9336 9957

8850 8515 84067447

13198 14768

1674815904

17047 17106

40115223

6135 6714 69227007

19881 16578

1588714187

1338712608

441684576245320

476204652646426

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

25000

30000

35000

40000

45000

50000

【事業所数】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

【商品販売額】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

食品小売業商品販売額の推移(10億円)

合計(右目盛)

総合スーパー(左目盛)

コンビニエンスストア(左目盛)

食料品専門店 中心店(左図右目盛 右図左目盛)

食料品スーパー(左目盛) 大規模 中小規模

注従業員数50人未満を中小規模 50人以上を大規模とした

(商品販売額)

〈食飲卸事業所数〉

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

〈農水卸事業所数〉

〈食飲卸商品販売額〉

〈農水卸商品販売額〉

(1) 食品卸小売業

18

小売業

18

2 4

24 5

9

総合スーパー食料品スーパー

コンビニエンスストア

食料品専門店中心店

外側商品販売額

内側事業所数

【食品小売業】

注平成19年のデータを利用

【食品卸売業】

卸 売 業123 億円 食 品 卸 売 業100 億円

小 売 業12 億円 食料品専門店中心店05 億円

(一事業所当たり商品販売金額) (一事業所当たり商品販売金額)

4食品産業の業種別構造(食品流通業)

1990 1997 1999 2002 2004 2007

1990 1997 1999 2002 2004 2007 1990 1997 1999 2002 2004 2007

卸売市場は野菜果物魚肉など日々の食卓に欠かすことのできない生鮮食料品等を国民に円滑かつ安定的に供給するための基幹的なインフラとして多種大量の物品の効率的かつ継続的な集分荷公正で透明性の高い価格形成など重要な機能を有している

青果水産物の6割程度が卸売市場を経由している(国産青果物では約9割)加工品や輸入品など卸売市場を経由することが少ない物品の流通割合が増加していること等により市場経由率は低下傾向にあったがここ数年は横ばいで推移している

生鮮食料品等の主要な流通経路

卸売市場の数取扱金額市場関係業者数

卸売市場経由率の推移(推計)

(2)卸売市場

区分 市場数

取扱金額 (億円)

卸売業 者数

仲卸業 者数

売買参 加者数

中央卸売市場 74 41208 210 4305 35828

うち青 果 60 19102 85 1629 16111

水産物 46 18275 78 2472 6210

食 肉 10 2158 10 80 1833

花 き 22 1402 28 102 11067

その他 7 271 9 22 607

地方卸売市場 1185 31953 1384 2053 132938

資料農林水産省食料産業局食品製造卸売課調べ 注(中央) 市場数卸売業者数22年度末他の業者数21年度末取扱金額21年度(H21年10月1日 に地方卸売市場へ転換した市場についてはH21年9月までの取扱金額を含めている) なおH23年4月現在の市場数は全体で72となっている

(地方)市場数業者数21年度当初取扱金額20年度

資料農林水産省「食料需給表」「青果物卸売市場調査報告」等により推計 注卸売市場経由率は国内で流通した加工品を含む国産及び輸入の青果水産物等のうち卸売市場(水産物に ついてはいわゆる産地市場の取扱量は除く)を経由したものの数量割合(花きについては金額割合)の推計値 なお国産青果物の卸売市場経由率は約9割となっている

中央卸売市場 地方卸売市場

特徴

公正かつ効率的な流通の確保を目的とした広域的な生鮮食料品等流通の中核的な拠点

都道府県や一定規模以上の都市が開設者となって厳格な取引規制の下指標となる価格形成等重要な機能を果たしている

地域における生鮮食料品等の集配拠点

開設者の主体に制限はなく法律上の規制も緩やかとなっており地域の実情に応じた運営がなされている

機能

① 集荷(品揃え)分荷機能全国各地から多種大量の物品を集荷するとともに実需者の ニーズに応じて迅速かつ効率的に必要な品目量へと分荷 ② 価格形成機能需給を反映した公正で透明性の高い価格形成 ③ 代金決済機能販売代金の出荷者への迅速確実な決済 ④ 情報受発信機能需給に係る情報を収集し川上川下にそれぞれ伝達

卸売市場の種類と主要な機能

商社 輸入

消費者

直売所青空市場宅配など

産地直接取引など

出荷者(農協個人等)

卸売業者

仲卸業者

売買参加者

卸売市場 製造業者小売業者外食業者等

(年度)

827

630

853

738

780

457

746

584

830 840

235

98

00

100

200

300

400

500

600

20

40

60

80

H元 H5 H10 H15 H18 H19 H20

(単位)

青果

(野菜)

(果実)

水産物

花き

食肉

(食肉)

19

500万円未満

62

500万~

1千万円

14

1千~

3千万円

21

3千~5千万円

2

5千万円以上

71601社

単身世帯の増加女性の雇用者の増加等社会情勢の変化の中で食に関して簡便化志向の高まりや外部化が進行 外食産業は個人経営が総店舗数の5分の3を占め法人形態であっても資本金1千万円未満のものが4分の3を占め

るなど中小零細な事業者が多い従業員についても約290万人の大きな雇用機会を創出しているものの常勤雇用者に占めるパートアルバイトの割合が高い

710

381

290

619

0

20

40

60

80

100

飲食店 小売卸売業

法人

個人

資料平成21年経済センサス

外食産業における法人の資本別割合(2009年)

事業所数 (千ケ所) 673

従業員数 (千人) 4421

常勤雇用者に占める正社員正職員以外の割合(2009年)

製造業 207

卸小売業 458

宿泊業飲食サービス業 733

飲食店 769

ハンバーガー店 946

資料平成21年経済センサス

資料(財)食の安全安心財団附属機関 外食産業総合調査研究センターによる推計

20

4食品産業の業種別構造(外食産業)

資料平成21年経済センサス

資料平成21年経済センサス

外食率 = 外 食 産 業 市 場 規 模

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

食の外部化率 = 外食産業市場規模 + 料理品小売業

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

278

318

335 349

358 366

369 377

378

375

373

367

365

375

378 366

356

356

358

355

354

352

360

366

368

366

359

362

284

334

354

370 381

393 398 412

415

413

412

406 406 419

425

422

419

421

428

428

430

428

441 450

452

449

443

449

25

30

35

40

45

50

外食率

食の外部化率

外食率食の外部化率の推移

事業所数従業員数(2009年)

外食産業(飲食店)の経営組織別事業所数の比率(2009年)

4食品産業の業種別構造(関連産業) 食品製造業は物流のほか製造用機械容器など食品の製造に必要な資材等を提供する裾野産業に支えられている

従前より食品産業全体については高い物流コストや過剰包装等が問題

食品機械の輸出入実績推移

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

(製造品出荷額等)

百万円

(輸出入額)

百万円

輸出 輸入 製造品出荷額等

売上高物流コスト比率(業種小分類別)

21

(資料財団法人日本包装技術協会)

資料社団法人日本食品機械工業会 物流コスト削減策

注回答企業数196社 資料2009年度物流コスト調査報告書(社団法人日本ロジステックスシステム協会)

製造業

食品(要冷)

石鹸洗剤塗料

食品(常温)

繊維

化粧品

電気製品

医薬品

卸売業

卸売業(繊維衣料品系)

卸売業(日用雑貨系)

卸売業(食品飲料系)

その他卸売業

卸売業(機器系)

卸売業(総合商社)

小売業

小売業(通販)

小売業(生協)

小売業(コンビニエンスストア)

その他小売業

その他

建設

000 200 400 600 800 1000 1200 1400

在庫削減SCM

在庫削減

アイテム数の整理

物流システムネットワークの見直し

物流拠点の見直し(廃止統合新設)

直送化

輸配送の共同化

商品設計包装の見直し

包装容器の再使用通い箱の利用等

包装の簡素化変更

物流オペレーションの改善保管仕分け等

保管の効率化

物流オペレーションの改善輸配送

積載率の向上(混載化帰り便の利用等)

輸配送経路の見直し

105 58

101 77

62

61 60

88

95 75

0 50 100 150 (数)

()

アジア地域の実質経済成長率は今後5を超える高水準で推移する見通しであり特に中国とインドは8~9台の高水準で伸びる見通し高成長を支え今後の市場規模に大きな影響を与える中高所得者層(世帯可処分所得5000ドル以上)の人口は今後10年で現在の2倍程度に増加する見通し

製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況

5海外市場への展開

加速する我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

資料「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

2位 東南アジア(341)

4位 タイ (295)

3位 台湾 (318)

1位 中国 (659)

海外出店を積極化する又は今後進出を予定して いる企業の出店先は中国がトップ(複数回答あり)

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

2009年度(233千法人)

全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

食品製造業

国内法人数に対する現地法人数の割合

11

その他の製造業 32

資料「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省 資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」 東洋経済新報社

世帯可処分所得5000ドル以上の人口の推移

出所NIRA研究報告書(所得別の家計比率はEuromonitor International World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した 2008 年までの人口はIMF International Financial Statistics2010 年以降はUN WorldPopulation Prospects を参照)

35億人

1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

見通し(NIRA推計)

+10億人 2倍増

アジア太平洋主要国別の経済成長見通し

22

30 25

20 15 10 5

0

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

全製造業に占める食品 製造業の法人数の割合

国内法人数に対する 現地法人数の割合

資料「工業統計表(2009年企業統計編)」経済産業省

資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」東洋経済新報社

35

12

0 1 2 3 4 0 100 200 300

2009年度(212千法人)

849

151

食品製造業 =約32千法人

その他の製造業 =約180千法人

(千法人)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国

インド

ベトナム

インドネシア

マレーシア

出典World Economic Outlook 2011年9月版(IMF)

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 19: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

食品のカテゴリーの公的な分類の一つに工業統計表があり食品関係では2桁分類が24桁分類が496桁分類が 116公正取引委員会の生産出荷集中度調査はこの工業統計表の6桁分類を参考に区分しており細かい分類であるため集中度が高くなる傾向にある

他方食品市場全体でみると諸外国と比べ上位企業の寡占度が低いというデータもある

工業統計表における産業分類

資料経済産業省「工業統計表」 注)2桁の「飲料たばこ飼料」は4桁分類においてこの他に 「たばこ」「飼料有機質肥料」を含むがこの表では含めない 17

4食品産業の業種別構造(食品製造業②)

2桁 4桁 6桁

食料品 部分肉冷凍肉 部分肉冷凍肉

肉加工品 肉缶詰瓶詰つぼ詰

処理牛乳乳飲料 処理牛乳

水産缶詰瓶詰 まぐろ缶詰

海藻加工 寒天

水産練製品 魚肉ハムソーセージ

野菜缶詰果実缶詰 農産保存食料品

野菜缶詰

野菜漬物 野菜漬物

味そ 味そ

しょう油食用アミノ酸 しょう油食用アミノ酸

ソース ウスター中濃濃厚ソース

砂糖製造 粗糖

砂糖精製 精製糖

ぶどう糖水あめ異性化糖 ぶどう糖

精米精麦 精米

小麦粉 小麦粉

その他の精穀製粉 こんにゃく粉

パン 食パン

生菓子 洋生菓子

ビスケット類干菓子 ビスケット類干菓子

動植物油脂 大豆油

食用油脂 ショートニング油

でんぷん でんぷん

めん類 即席めん類

豆腐油揚 豆腐しみ豆腐油揚げ類

飲料たばこ飼料

清涼飲料 炭酸飲料

果実酒 果実酒

ビール類 ビール

清酒 清酒

製茶 荒茶緑茶

コーヒー コーヒー

製氷 人造氷

2 49 116

30

20

10

()

米国

英国

フランス

ドイツ

日本

加工食品市場における上位10社の寡占度 (2008年)

資料平成22年5月16日付日本経済新聞朝刊より抜粋

(注)ユーロモニターのデータをもとにボストンコンサルティンググループが分析

32

26

16

公正取引委員会の生産出荷集中度調査における区分(食品関連品目80品目)のうち「競争を実質的に制限することとなるおそれが小さい」とされる基準()を超えている品目の一覧

マヨネーズドレッシング類

ルウ類

カレールウ

シチュールウ

シチューミクスを除くシチュールウ

チューインガム

スポーツドリンク

ビール

発泡酒

ウイスキー

ビール風酒類

インスタントコーヒー

(注) 工業統計表の6桁分類を参考に公正取引委員会にて区分したもの () 「企業結合ガイドライン」が「競争を実質的に制限することとなるおそ

れが小さい場合」として挙げている ① 企業結合後のHHIが2500以下 ② 企業結合後の当事会社グループの市場シェアが35以下のう

ち①を基に「HHIが2500以下かどうか」を今回基準として設定 資料公正取引委員会「平成1920年生産出荷集中度調査」

構造改革のメリット ― 利益ある成長へ ① 国内事業の競争緩和② 商品開発力の向上 ③ 価格交渉力の向上④ 収益性の向上 ⑤ 国内基盤の安定リスク分散⑥原料調達力の向上

(10817)(11863)(11701)(13505)(14303)

(3320) (5202) (5990) (6622) (7048)

158516751668167018881804

178651848517691187071762316096

43684427384177039628

3663128226

495316

275573

323087344343

380752384899

449190

338707

385985405472

440757441041

0

20000

40000

60000

80000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

0

100000

200000

300000

400000

500000

卸売業

18

食品卸売業

外側商品販売額

内側事業所数

23

4253739952

43653

38300 39485 37844

53687

4748550723

45295 45054

38214

349514257840256

5028451416

56954

406984381244017

494474643247381

0

20000

40000

60000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

30000

50000

70000

90000

(事業所数)

食品卸売業事業所数(カ所)商品販売額(10億円)の推移

業全体に占める食品関連事業者の割合は卸売業では約2割小売業では約3割となっている 食品卸小売業については近年事業所数商品販売額とも減少傾向で推移特に食品小売業についてはコンビニエン

スストアは増加傾向にあるものの中小規模の食料品スーパーや食料品専門店中心店においては減少傾向で推移

資料経済産業省「商業統計表」

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

食料品スーパー取扱商品販売額のうち食料品が70以上食料品専門店取扱商品販売額のうち食料品が90以上食料品中心店取扱商品販売額のうち食料品が50以上

農畜産物水産物卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 米麦雑穀豆類野菜食肉生鮮魚介等の卸売業 食料飲料卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 味噌醤油乾物菓子類飲料茶類等の卸売業

食品小売業事業所数の推移

業全体に占める割合()

(5850)(6509)(6360)(7957)(8906)

(5862) (8791) (9544) (10538) (11257)9336 9957

8850 8515 84067447

13198 14768

1674815904

17047 17106

40115223

6135 6714 69227007

19881 16578

1588714187

1338712608

441684576245320

476204652646426

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

25000

30000

35000

40000

45000

50000

【事業所数】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

【商品販売額】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

食品小売業商品販売額の推移(10億円)

合計(右目盛)

総合スーパー(左目盛)

コンビニエンスストア(左目盛)

食料品専門店 中心店(左図右目盛 右図左目盛)

食料品スーパー(左目盛) 大規模 中小規模

注従業員数50人未満を中小規模 50人以上を大規模とした

(商品販売額)

〈食飲卸事業所数〉

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

〈農水卸事業所数〉

〈食飲卸商品販売額〉

〈農水卸商品販売額〉

(1) 食品卸小売業

18

小売業

18

2 4

24 5

9

総合スーパー食料品スーパー

コンビニエンスストア

食料品専門店中心店

外側商品販売額

内側事業所数

【食品小売業】

注平成19年のデータを利用

【食品卸売業】

卸 売 業123 億円 食 品 卸 売 業100 億円

小 売 業12 億円 食料品専門店中心店05 億円

(一事業所当たり商品販売金額) (一事業所当たり商品販売金額)

4食品産業の業種別構造(食品流通業)

1990 1997 1999 2002 2004 2007

1990 1997 1999 2002 2004 2007 1990 1997 1999 2002 2004 2007

卸売市場は野菜果物魚肉など日々の食卓に欠かすことのできない生鮮食料品等を国民に円滑かつ安定的に供給するための基幹的なインフラとして多種大量の物品の効率的かつ継続的な集分荷公正で透明性の高い価格形成など重要な機能を有している

青果水産物の6割程度が卸売市場を経由している(国産青果物では約9割)加工品や輸入品など卸売市場を経由することが少ない物品の流通割合が増加していること等により市場経由率は低下傾向にあったがここ数年は横ばいで推移している

生鮮食料品等の主要な流通経路

卸売市場の数取扱金額市場関係業者数

卸売市場経由率の推移(推計)

(2)卸売市場

区分 市場数

取扱金額 (億円)

卸売業 者数

仲卸業 者数

売買参 加者数

中央卸売市場 74 41208 210 4305 35828

うち青 果 60 19102 85 1629 16111

水産物 46 18275 78 2472 6210

食 肉 10 2158 10 80 1833

花 き 22 1402 28 102 11067

その他 7 271 9 22 607

地方卸売市場 1185 31953 1384 2053 132938

資料農林水産省食料産業局食品製造卸売課調べ 注(中央) 市場数卸売業者数22年度末他の業者数21年度末取扱金額21年度(H21年10月1日 に地方卸売市場へ転換した市場についてはH21年9月までの取扱金額を含めている) なおH23年4月現在の市場数は全体で72となっている

(地方)市場数業者数21年度当初取扱金額20年度

資料農林水産省「食料需給表」「青果物卸売市場調査報告」等により推計 注卸売市場経由率は国内で流通した加工品を含む国産及び輸入の青果水産物等のうち卸売市場(水産物に ついてはいわゆる産地市場の取扱量は除く)を経由したものの数量割合(花きについては金額割合)の推計値 なお国産青果物の卸売市場経由率は約9割となっている

中央卸売市場 地方卸売市場

特徴

公正かつ効率的な流通の確保を目的とした広域的な生鮮食料品等流通の中核的な拠点

都道府県や一定規模以上の都市が開設者となって厳格な取引規制の下指標となる価格形成等重要な機能を果たしている

地域における生鮮食料品等の集配拠点

開設者の主体に制限はなく法律上の規制も緩やかとなっており地域の実情に応じた運営がなされている

機能

① 集荷(品揃え)分荷機能全国各地から多種大量の物品を集荷するとともに実需者の ニーズに応じて迅速かつ効率的に必要な品目量へと分荷 ② 価格形成機能需給を反映した公正で透明性の高い価格形成 ③ 代金決済機能販売代金の出荷者への迅速確実な決済 ④ 情報受発信機能需給に係る情報を収集し川上川下にそれぞれ伝達

卸売市場の種類と主要な機能

商社 輸入

消費者

直売所青空市場宅配など

産地直接取引など

出荷者(農協個人等)

卸売業者

仲卸業者

売買参加者

卸売市場 製造業者小売業者外食業者等

(年度)

827

630

853

738

780

457

746

584

830 840

235

98

00

100

200

300

400

500

600

20

40

60

80

H元 H5 H10 H15 H18 H19 H20

(単位)

青果

(野菜)

(果実)

水産物

花き

食肉

(食肉)

19

500万円未満

62

500万~

1千万円

14

1千~

3千万円

21

3千~5千万円

2

5千万円以上

71601社

単身世帯の増加女性の雇用者の増加等社会情勢の変化の中で食に関して簡便化志向の高まりや外部化が進行 外食産業は個人経営が総店舗数の5分の3を占め法人形態であっても資本金1千万円未満のものが4分の3を占め

るなど中小零細な事業者が多い従業員についても約290万人の大きな雇用機会を創出しているものの常勤雇用者に占めるパートアルバイトの割合が高い

710

381

290

619

0

20

40

60

80

100

飲食店 小売卸売業

法人

個人

資料平成21年経済センサス

外食産業における法人の資本別割合(2009年)

事業所数 (千ケ所) 673

従業員数 (千人) 4421

常勤雇用者に占める正社員正職員以外の割合(2009年)

製造業 207

卸小売業 458

宿泊業飲食サービス業 733

飲食店 769

ハンバーガー店 946

資料平成21年経済センサス

資料(財)食の安全安心財団附属機関 外食産業総合調査研究センターによる推計

20

4食品産業の業種別構造(外食産業)

資料平成21年経済センサス

資料平成21年経済センサス

外食率 = 外 食 産 業 市 場 規 模

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

食の外部化率 = 外食産業市場規模 + 料理品小売業

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

278

318

335 349

358 366

369 377

378

375

373

367

365

375

378 366

356

356

358

355

354

352

360

366

368

366

359

362

284

334

354

370 381

393 398 412

415

413

412

406 406 419

425

422

419

421

428

428

430

428

441 450

452

449

443

449

25

30

35

40

45

50

外食率

食の外部化率

外食率食の外部化率の推移

事業所数従業員数(2009年)

外食産業(飲食店)の経営組織別事業所数の比率(2009年)

4食品産業の業種別構造(関連産業) 食品製造業は物流のほか製造用機械容器など食品の製造に必要な資材等を提供する裾野産業に支えられている

従前より食品産業全体については高い物流コストや過剰包装等が問題

食品機械の輸出入実績推移

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

(製造品出荷額等)

百万円

(輸出入額)

百万円

輸出 輸入 製造品出荷額等

売上高物流コスト比率(業種小分類別)

21

(資料財団法人日本包装技術協会)

資料社団法人日本食品機械工業会 物流コスト削減策

注回答企業数196社 資料2009年度物流コスト調査報告書(社団法人日本ロジステックスシステム協会)

製造業

食品(要冷)

石鹸洗剤塗料

食品(常温)

繊維

化粧品

電気製品

医薬品

卸売業

卸売業(繊維衣料品系)

卸売業(日用雑貨系)

卸売業(食品飲料系)

その他卸売業

卸売業(機器系)

卸売業(総合商社)

小売業

小売業(通販)

小売業(生協)

小売業(コンビニエンスストア)

その他小売業

その他

建設

000 200 400 600 800 1000 1200 1400

在庫削減SCM

在庫削減

アイテム数の整理

物流システムネットワークの見直し

物流拠点の見直し(廃止統合新設)

直送化

輸配送の共同化

商品設計包装の見直し

包装容器の再使用通い箱の利用等

包装の簡素化変更

物流オペレーションの改善保管仕分け等

保管の効率化

物流オペレーションの改善輸配送

積載率の向上(混載化帰り便の利用等)

輸配送経路の見直し

105 58

101 77

62

61 60

88

95 75

0 50 100 150 (数)

()

アジア地域の実質経済成長率は今後5を超える高水準で推移する見通しであり特に中国とインドは8~9台の高水準で伸びる見通し高成長を支え今後の市場規模に大きな影響を与える中高所得者層(世帯可処分所得5000ドル以上)の人口は今後10年で現在の2倍程度に増加する見通し

製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況

5海外市場への展開

加速する我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

資料「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

2位 東南アジア(341)

4位 タイ (295)

3位 台湾 (318)

1位 中国 (659)

海外出店を積極化する又は今後進出を予定して いる企業の出店先は中国がトップ(複数回答あり)

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

2009年度(233千法人)

全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

食品製造業

国内法人数に対する現地法人数の割合

11

その他の製造業 32

資料「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省 資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」 東洋経済新報社

世帯可処分所得5000ドル以上の人口の推移

出所NIRA研究報告書(所得別の家計比率はEuromonitor International World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した 2008 年までの人口はIMF International Financial Statistics2010 年以降はUN WorldPopulation Prospects を参照)

35億人

1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

見通し(NIRA推計)

+10億人 2倍増

アジア太平洋主要国別の経済成長見通し

22

30 25

20 15 10 5

0

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

全製造業に占める食品 製造業の法人数の割合

国内法人数に対する 現地法人数の割合

資料「工業統計表(2009年企業統計編)」経済産業省

資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」東洋経済新報社

35

12

0 1 2 3 4 0 100 200 300

2009年度(212千法人)

849

151

食品製造業 =約32千法人

その他の製造業 =約180千法人

(千法人)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国

インド

ベトナム

インドネシア

マレーシア

出典World Economic Outlook 2011年9月版(IMF)

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
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  • スライド番号 14
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  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 20: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

(10817)(11863)(11701)(13505)(14303)

(3320) (5202) (5990) (6622) (7048)

158516751668167018881804

178651848517691187071762316096

43684427384177039628

3663128226

495316

275573

323087344343

380752384899

449190

338707

385985405472

440757441041

0

20000

40000

60000

80000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

0

100000

200000

300000

400000

500000

卸売業

18

食品卸売業

外側商品販売額

内側事業所数

23

4253739952

43653

38300 39485 37844

53687

4748550723

45295 45054

38214

349514257840256

5028451416

56954

406984381244017

494474643247381

0

20000

40000

60000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

30000

50000

70000

90000

(事業所数)

食品卸売業事業所数(カ所)商品販売額(10億円)の推移

業全体に占める食品関連事業者の割合は卸売業では約2割小売業では約3割となっている 食品卸小売業については近年事業所数商品販売額とも減少傾向で推移特に食品小売業についてはコンビニエン

スストアは増加傾向にあるものの中小規模の食料品スーパーや食料品専門店中心店においては減少傾向で推移

資料経済産業省「商業統計表」

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

食料品スーパー取扱商品販売額のうち食料品が70以上食料品専門店取扱商品販売額のうち食料品が90以上食料品中心店取扱商品販売額のうち食料品が50以上

農畜産物水産物卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 米麦雑穀豆類野菜食肉生鮮魚介等の卸売業 食料飲料卸売業 「日本標準産業分類」(総務省)上の区分であり 味噌醤油乾物菓子類飲料茶類等の卸売業

食品小売業事業所数の推移

業全体に占める割合()

(5850)(6509)(6360)(7957)(8906)

(5862) (8791) (9544) (10538) (11257)9336 9957

8850 8515 84067447

13198 14768

1674815904

17047 17106

40115223

6135 6714 69227007

19881 16578

1588714187

1338712608

441684576245320

476204652646426

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

H6年 H9年 H11年 H14年 H16年 H19年

25000

30000

35000

40000

45000

50000

【事業所数】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

【商品販売額】 農畜産物水産物卸売業(農水卸) 食料飲料卸売業(食飲卸)

食品小売業商品販売額の推移(10億円)

合計(右目盛)

総合スーパー(左目盛)

コンビニエンスストア(左目盛)

食料品専門店 中心店(左図右目盛 右図左目盛)

食料品スーパー(左目盛) 大規模 中小規模

注従業員数50人未満を中小規模 50人以上を大規模とした

(商品販売額)

〈食飲卸事業所数〉

注商品販売額には食品以外の販売額も含む

〈農水卸事業所数〉

〈食飲卸商品販売額〉

〈農水卸商品販売額〉

(1) 食品卸小売業

18

小売業

18

2 4

24 5

9

総合スーパー食料品スーパー

コンビニエンスストア

食料品専門店中心店

外側商品販売額

内側事業所数

【食品小売業】

注平成19年のデータを利用

【食品卸売業】

卸 売 業123 億円 食 品 卸 売 業100 億円

小 売 業12 億円 食料品専門店中心店05 億円

(一事業所当たり商品販売金額) (一事業所当たり商品販売金額)

4食品産業の業種別構造(食品流通業)

1990 1997 1999 2002 2004 2007

1990 1997 1999 2002 2004 2007 1990 1997 1999 2002 2004 2007

卸売市場は野菜果物魚肉など日々の食卓に欠かすことのできない生鮮食料品等を国民に円滑かつ安定的に供給するための基幹的なインフラとして多種大量の物品の効率的かつ継続的な集分荷公正で透明性の高い価格形成など重要な機能を有している

青果水産物の6割程度が卸売市場を経由している(国産青果物では約9割)加工品や輸入品など卸売市場を経由することが少ない物品の流通割合が増加していること等により市場経由率は低下傾向にあったがここ数年は横ばいで推移している

生鮮食料品等の主要な流通経路

卸売市場の数取扱金額市場関係業者数

卸売市場経由率の推移(推計)

(2)卸売市場

区分 市場数

取扱金額 (億円)

卸売業 者数

仲卸業 者数

売買参 加者数

中央卸売市場 74 41208 210 4305 35828

うち青 果 60 19102 85 1629 16111

水産物 46 18275 78 2472 6210

食 肉 10 2158 10 80 1833

花 き 22 1402 28 102 11067

その他 7 271 9 22 607

地方卸売市場 1185 31953 1384 2053 132938

資料農林水産省食料産業局食品製造卸売課調べ 注(中央) 市場数卸売業者数22年度末他の業者数21年度末取扱金額21年度(H21年10月1日 に地方卸売市場へ転換した市場についてはH21年9月までの取扱金額を含めている) なおH23年4月現在の市場数は全体で72となっている

(地方)市場数業者数21年度当初取扱金額20年度

資料農林水産省「食料需給表」「青果物卸売市場調査報告」等により推計 注卸売市場経由率は国内で流通した加工品を含む国産及び輸入の青果水産物等のうち卸売市場(水産物に ついてはいわゆる産地市場の取扱量は除く)を経由したものの数量割合(花きについては金額割合)の推計値 なお国産青果物の卸売市場経由率は約9割となっている

中央卸売市場 地方卸売市場

特徴

公正かつ効率的な流通の確保を目的とした広域的な生鮮食料品等流通の中核的な拠点

都道府県や一定規模以上の都市が開設者となって厳格な取引規制の下指標となる価格形成等重要な機能を果たしている

地域における生鮮食料品等の集配拠点

開設者の主体に制限はなく法律上の規制も緩やかとなっており地域の実情に応じた運営がなされている

機能

① 集荷(品揃え)分荷機能全国各地から多種大量の物品を集荷するとともに実需者の ニーズに応じて迅速かつ効率的に必要な品目量へと分荷 ② 価格形成機能需給を反映した公正で透明性の高い価格形成 ③ 代金決済機能販売代金の出荷者への迅速確実な決済 ④ 情報受発信機能需給に係る情報を収集し川上川下にそれぞれ伝達

卸売市場の種類と主要な機能

商社 輸入

消費者

直売所青空市場宅配など

産地直接取引など

出荷者(農協個人等)

卸売業者

仲卸業者

売買参加者

卸売市場 製造業者小売業者外食業者等

(年度)

827

630

853

738

780

457

746

584

830 840

235

98

00

100

200

300

400

500

600

20

40

60

80

H元 H5 H10 H15 H18 H19 H20

(単位)

青果

(野菜)

(果実)

水産物

花き

食肉

(食肉)

19

500万円未満

62

500万~

1千万円

14

1千~

3千万円

21

3千~5千万円

2

5千万円以上

71601社

単身世帯の増加女性の雇用者の増加等社会情勢の変化の中で食に関して簡便化志向の高まりや外部化が進行 外食産業は個人経営が総店舗数の5分の3を占め法人形態であっても資本金1千万円未満のものが4分の3を占め

るなど中小零細な事業者が多い従業員についても約290万人の大きな雇用機会を創出しているものの常勤雇用者に占めるパートアルバイトの割合が高い

710

381

290

619

0

20

40

60

80

100

飲食店 小売卸売業

法人

個人

資料平成21年経済センサス

外食産業における法人の資本別割合(2009年)

事業所数 (千ケ所) 673

従業員数 (千人) 4421

常勤雇用者に占める正社員正職員以外の割合(2009年)

製造業 207

卸小売業 458

宿泊業飲食サービス業 733

飲食店 769

ハンバーガー店 946

資料平成21年経済センサス

資料(財)食の安全安心財団附属機関 外食産業総合調査研究センターによる推計

20

4食品産業の業種別構造(外食産業)

資料平成21年経済センサス

資料平成21年経済センサス

外食率 = 外 食 産 業 市 場 規 模

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

食の外部化率 = 外食産業市場規模 + 料理品小売業

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

278

318

335 349

358 366

369 377

378

375

373

367

365

375

378 366

356

356

358

355

354

352

360

366

368

366

359

362

284

334

354

370 381

393 398 412

415

413

412

406 406 419

425

422

419

421

428

428

430

428

441 450

452

449

443

449

25

30

35

40

45

50

外食率

食の外部化率

外食率食の外部化率の推移

事業所数従業員数(2009年)

外食産業(飲食店)の経営組織別事業所数の比率(2009年)

4食品産業の業種別構造(関連産業) 食品製造業は物流のほか製造用機械容器など食品の製造に必要な資材等を提供する裾野産業に支えられている

従前より食品産業全体については高い物流コストや過剰包装等が問題

食品機械の輸出入実績推移

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

(製造品出荷額等)

百万円

(輸出入額)

百万円

輸出 輸入 製造品出荷額等

売上高物流コスト比率(業種小分類別)

21

(資料財団法人日本包装技術協会)

資料社団法人日本食品機械工業会 物流コスト削減策

注回答企業数196社 資料2009年度物流コスト調査報告書(社団法人日本ロジステックスシステム協会)

製造業

食品(要冷)

石鹸洗剤塗料

食品(常温)

繊維

化粧品

電気製品

医薬品

卸売業

卸売業(繊維衣料品系)

卸売業(日用雑貨系)

卸売業(食品飲料系)

その他卸売業

卸売業(機器系)

卸売業(総合商社)

小売業

小売業(通販)

小売業(生協)

小売業(コンビニエンスストア)

その他小売業

その他

建設

000 200 400 600 800 1000 1200 1400

在庫削減SCM

在庫削減

アイテム数の整理

物流システムネットワークの見直し

物流拠点の見直し(廃止統合新設)

直送化

輸配送の共同化

商品設計包装の見直し

包装容器の再使用通い箱の利用等

包装の簡素化変更

物流オペレーションの改善保管仕分け等

保管の効率化

物流オペレーションの改善輸配送

積載率の向上(混載化帰り便の利用等)

輸配送経路の見直し

105 58

101 77

62

61 60

88

95 75

0 50 100 150 (数)

()

アジア地域の実質経済成長率は今後5を超える高水準で推移する見通しであり特に中国とインドは8~9台の高水準で伸びる見通し高成長を支え今後の市場規模に大きな影響を与える中高所得者層(世帯可処分所得5000ドル以上)の人口は今後10年で現在の2倍程度に増加する見通し

製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況

5海外市場への展開

加速する我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

資料「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

2位 東南アジア(341)

4位 タイ (295)

3位 台湾 (318)

1位 中国 (659)

海外出店を積極化する又は今後進出を予定して いる企業の出店先は中国がトップ(複数回答あり)

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

2009年度(233千法人)

全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

食品製造業

国内法人数に対する現地法人数の割合

11

その他の製造業 32

資料「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省 資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」 東洋経済新報社

世帯可処分所得5000ドル以上の人口の推移

出所NIRA研究報告書(所得別の家計比率はEuromonitor International World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した 2008 年までの人口はIMF International Financial Statistics2010 年以降はUN WorldPopulation Prospects を参照)

35億人

1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

見通し(NIRA推計)

+10億人 2倍増

アジア太平洋主要国別の経済成長見通し

22

30 25

20 15 10 5

0

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

全製造業に占める食品 製造業の法人数の割合

国内法人数に対する 現地法人数の割合

資料「工業統計表(2009年企業統計編)」経済産業省

資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」東洋経済新報社

35

12

0 1 2 3 4 0 100 200 300

2009年度(212千法人)

849

151

食品製造業 =約32千法人

その他の製造業 =約180千法人

(千法人)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国

インド

ベトナム

インドネシア

マレーシア

出典World Economic Outlook 2011年9月版(IMF)

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 21: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

卸売市場は野菜果物魚肉など日々の食卓に欠かすことのできない生鮮食料品等を国民に円滑かつ安定的に供給するための基幹的なインフラとして多種大量の物品の効率的かつ継続的な集分荷公正で透明性の高い価格形成など重要な機能を有している

青果水産物の6割程度が卸売市場を経由している(国産青果物では約9割)加工品や輸入品など卸売市場を経由することが少ない物品の流通割合が増加していること等により市場経由率は低下傾向にあったがここ数年は横ばいで推移している

生鮮食料品等の主要な流通経路

卸売市場の数取扱金額市場関係業者数

卸売市場経由率の推移(推計)

(2)卸売市場

区分 市場数

取扱金額 (億円)

卸売業 者数

仲卸業 者数

売買参 加者数

中央卸売市場 74 41208 210 4305 35828

うち青 果 60 19102 85 1629 16111

水産物 46 18275 78 2472 6210

食 肉 10 2158 10 80 1833

花 き 22 1402 28 102 11067

その他 7 271 9 22 607

地方卸売市場 1185 31953 1384 2053 132938

資料農林水産省食料産業局食品製造卸売課調べ 注(中央) 市場数卸売業者数22年度末他の業者数21年度末取扱金額21年度(H21年10月1日 に地方卸売市場へ転換した市場についてはH21年9月までの取扱金額を含めている) なおH23年4月現在の市場数は全体で72となっている

(地方)市場数業者数21年度当初取扱金額20年度

資料農林水産省「食料需給表」「青果物卸売市場調査報告」等により推計 注卸売市場経由率は国内で流通した加工品を含む国産及び輸入の青果水産物等のうち卸売市場(水産物に ついてはいわゆる産地市場の取扱量は除く)を経由したものの数量割合(花きについては金額割合)の推計値 なお国産青果物の卸売市場経由率は約9割となっている

中央卸売市場 地方卸売市場

特徴

公正かつ効率的な流通の確保を目的とした広域的な生鮮食料品等流通の中核的な拠点

都道府県や一定規模以上の都市が開設者となって厳格な取引規制の下指標となる価格形成等重要な機能を果たしている

地域における生鮮食料品等の集配拠点

開設者の主体に制限はなく法律上の規制も緩やかとなっており地域の実情に応じた運営がなされている

機能

① 集荷(品揃え)分荷機能全国各地から多種大量の物品を集荷するとともに実需者の ニーズに応じて迅速かつ効率的に必要な品目量へと分荷 ② 価格形成機能需給を反映した公正で透明性の高い価格形成 ③ 代金決済機能販売代金の出荷者への迅速確実な決済 ④ 情報受発信機能需給に係る情報を収集し川上川下にそれぞれ伝達

卸売市場の種類と主要な機能

商社 輸入

消費者

直売所青空市場宅配など

産地直接取引など

出荷者(農協個人等)

卸売業者

仲卸業者

売買参加者

卸売市場 製造業者小売業者外食業者等

(年度)

827

630

853

738

780

457

746

584

830 840

235

98

00

100

200

300

400

500

600

20

40

60

80

H元 H5 H10 H15 H18 H19 H20

(単位)

青果

(野菜)

(果実)

水産物

花き

食肉

(食肉)

19

500万円未満

62

500万~

1千万円

14

1千~

3千万円

21

3千~5千万円

2

5千万円以上

71601社

単身世帯の増加女性の雇用者の増加等社会情勢の変化の中で食に関して簡便化志向の高まりや外部化が進行 外食産業は個人経営が総店舗数の5分の3を占め法人形態であっても資本金1千万円未満のものが4分の3を占め

るなど中小零細な事業者が多い従業員についても約290万人の大きな雇用機会を創出しているものの常勤雇用者に占めるパートアルバイトの割合が高い

710

381

290

619

0

20

40

60

80

100

飲食店 小売卸売業

法人

個人

資料平成21年経済センサス

外食産業における法人の資本別割合(2009年)

事業所数 (千ケ所) 673

従業員数 (千人) 4421

常勤雇用者に占める正社員正職員以外の割合(2009年)

製造業 207

卸小売業 458

宿泊業飲食サービス業 733

飲食店 769

ハンバーガー店 946

資料平成21年経済センサス

資料(財)食の安全安心財団附属機関 外食産業総合調査研究センターによる推計

20

4食品産業の業種別構造(外食産業)

資料平成21年経済センサス

資料平成21年経済センサス

外食率 = 外 食 産 業 市 場 規 模

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

食の外部化率 = 外食産業市場規模 + 料理品小売業

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

278

318

335 349

358 366

369 377

378

375

373

367

365

375

378 366

356

356

358

355

354

352

360

366

368

366

359

362

284

334

354

370 381

393 398 412

415

413

412

406 406 419

425

422

419

421

428

428

430

428

441 450

452

449

443

449

25

30

35

40

45

50

外食率

食の外部化率

外食率食の外部化率の推移

事業所数従業員数(2009年)

外食産業(飲食店)の経営組織別事業所数の比率(2009年)

4食品産業の業種別構造(関連産業) 食品製造業は物流のほか製造用機械容器など食品の製造に必要な資材等を提供する裾野産業に支えられている

従前より食品産業全体については高い物流コストや過剰包装等が問題

食品機械の輸出入実績推移

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

(製造品出荷額等)

百万円

(輸出入額)

百万円

輸出 輸入 製造品出荷額等

売上高物流コスト比率(業種小分類別)

21

(資料財団法人日本包装技術協会)

資料社団法人日本食品機械工業会 物流コスト削減策

注回答企業数196社 資料2009年度物流コスト調査報告書(社団法人日本ロジステックスシステム協会)

製造業

食品(要冷)

石鹸洗剤塗料

食品(常温)

繊維

化粧品

電気製品

医薬品

卸売業

卸売業(繊維衣料品系)

卸売業(日用雑貨系)

卸売業(食品飲料系)

その他卸売業

卸売業(機器系)

卸売業(総合商社)

小売業

小売業(通販)

小売業(生協)

小売業(コンビニエンスストア)

その他小売業

その他

建設

000 200 400 600 800 1000 1200 1400

在庫削減SCM

在庫削減

アイテム数の整理

物流システムネットワークの見直し

物流拠点の見直し(廃止統合新設)

直送化

輸配送の共同化

商品設計包装の見直し

包装容器の再使用通い箱の利用等

包装の簡素化変更

物流オペレーションの改善保管仕分け等

保管の効率化

物流オペレーションの改善輸配送

積載率の向上(混載化帰り便の利用等)

輸配送経路の見直し

105 58

101 77

62

61 60

88

95 75

0 50 100 150 (数)

()

アジア地域の実質経済成長率は今後5を超える高水準で推移する見通しであり特に中国とインドは8~9台の高水準で伸びる見通し高成長を支え今後の市場規模に大きな影響を与える中高所得者層(世帯可処分所得5000ドル以上)の人口は今後10年で現在の2倍程度に増加する見通し

製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況

5海外市場への展開

加速する我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

資料「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

2位 東南アジア(341)

4位 タイ (295)

3位 台湾 (318)

1位 中国 (659)

海外出店を積極化する又は今後進出を予定して いる企業の出店先は中国がトップ(複数回答あり)

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

2009年度(233千法人)

全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

食品製造業

国内法人数に対する現地法人数の割合

11

その他の製造業 32

資料「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省 資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」 東洋経済新報社

世帯可処分所得5000ドル以上の人口の推移

出所NIRA研究報告書(所得別の家計比率はEuromonitor International World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した 2008 年までの人口はIMF International Financial Statistics2010 年以降はUN WorldPopulation Prospects を参照)

35億人

1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

見通し(NIRA推計)

+10億人 2倍増

アジア太平洋主要国別の経済成長見通し

22

30 25

20 15 10 5

0

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

全製造業に占める食品 製造業の法人数の割合

国内法人数に対する 現地法人数の割合

資料「工業統計表(2009年企業統計編)」経済産業省

資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」東洋経済新報社

35

12

0 1 2 3 4 0 100 200 300

2009年度(212千法人)

849

151

食品製造業 =約32千法人

その他の製造業 =約180千法人

(千法人)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国

インド

ベトナム

インドネシア

マレーシア

出典World Economic Outlook 2011年9月版(IMF)

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 22: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

500万円未満

62

500万~

1千万円

14

1千~

3千万円

21

3千~5千万円

2

5千万円以上

71601社

単身世帯の増加女性の雇用者の増加等社会情勢の変化の中で食に関して簡便化志向の高まりや外部化が進行 外食産業は個人経営が総店舗数の5分の3を占め法人形態であっても資本金1千万円未満のものが4分の3を占め

るなど中小零細な事業者が多い従業員についても約290万人の大きな雇用機会を創出しているものの常勤雇用者に占めるパートアルバイトの割合が高い

710

381

290

619

0

20

40

60

80

100

飲食店 小売卸売業

法人

個人

資料平成21年経済センサス

外食産業における法人の資本別割合(2009年)

事業所数 (千ケ所) 673

従業員数 (千人) 4421

常勤雇用者に占める正社員正職員以外の割合(2009年)

製造業 207

卸小売業 458

宿泊業飲食サービス業 733

飲食店 769

ハンバーガー店 946

資料平成21年経済センサス

資料(財)食の安全安心財団附属機関 外食産業総合調査研究センターによる推計

20

4食品産業の業種別構造(外食産業)

資料平成21年経済センサス

資料平成21年経済センサス

外食率 = 外 食 産 業 市 場 規 模

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

食の外部化率 = 外食産業市場規模 + 料理品小売業

(家計の食料飲料煙草支出-煙草販売額)+外食産業市場規模

278

318

335 349

358 366

369 377

378

375

373

367

365

375

378 366

356

356

358

355

354

352

360

366

368

366

359

362

284

334

354

370 381

393 398 412

415

413

412

406 406 419

425

422

419

421

428

428

430

428

441 450

452

449

443

449

25

30

35

40

45

50

外食率

食の外部化率

外食率食の外部化率の推移

事業所数従業員数(2009年)

外食産業(飲食店)の経営組織別事業所数の比率(2009年)

4食品産業の業種別構造(関連産業) 食品製造業は物流のほか製造用機械容器など食品の製造に必要な資材等を提供する裾野産業に支えられている

従前より食品産業全体については高い物流コストや過剰包装等が問題

食品機械の輸出入実績推移

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

(製造品出荷額等)

百万円

(輸出入額)

百万円

輸出 輸入 製造品出荷額等

売上高物流コスト比率(業種小分類別)

21

(資料財団法人日本包装技術協会)

資料社団法人日本食品機械工業会 物流コスト削減策

注回答企業数196社 資料2009年度物流コスト調査報告書(社団法人日本ロジステックスシステム協会)

製造業

食品(要冷)

石鹸洗剤塗料

食品(常温)

繊維

化粧品

電気製品

医薬品

卸売業

卸売業(繊維衣料品系)

卸売業(日用雑貨系)

卸売業(食品飲料系)

その他卸売業

卸売業(機器系)

卸売業(総合商社)

小売業

小売業(通販)

小売業(生協)

小売業(コンビニエンスストア)

その他小売業

その他

建設

000 200 400 600 800 1000 1200 1400

在庫削減SCM

在庫削減

アイテム数の整理

物流システムネットワークの見直し

物流拠点の見直し(廃止統合新設)

直送化

輸配送の共同化

商品設計包装の見直し

包装容器の再使用通い箱の利用等

包装の簡素化変更

物流オペレーションの改善保管仕分け等

保管の効率化

物流オペレーションの改善輸配送

積載率の向上(混載化帰り便の利用等)

輸配送経路の見直し

105 58

101 77

62

61 60

88

95 75

0 50 100 150 (数)

()

アジア地域の実質経済成長率は今後5を超える高水準で推移する見通しであり特に中国とインドは8~9台の高水準で伸びる見通し高成長を支え今後の市場規模に大きな影響を与える中高所得者層(世帯可処分所得5000ドル以上)の人口は今後10年で現在の2倍程度に増加する見通し

製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況

5海外市場への展開

加速する我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

資料「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

2位 東南アジア(341)

4位 タイ (295)

3位 台湾 (318)

1位 中国 (659)

海外出店を積極化する又は今後進出を予定して いる企業の出店先は中国がトップ(複数回答あり)

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

2009年度(233千法人)

全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

食品製造業

国内法人数に対する現地法人数の割合

11

その他の製造業 32

資料「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省 資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」 東洋経済新報社

世帯可処分所得5000ドル以上の人口の推移

出所NIRA研究報告書(所得別の家計比率はEuromonitor International World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した 2008 年までの人口はIMF International Financial Statistics2010 年以降はUN WorldPopulation Prospects を参照)

35億人

1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

見通し(NIRA推計)

+10億人 2倍増

アジア太平洋主要国別の経済成長見通し

22

30 25

20 15 10 5

0

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

全製造業に占める食品 製造業の法人数の割合

国内法人数に対する 現地法人数の割合

資料「工業統計表(2009年企業統計編)」経済産業省

資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」東洋経済新報社

35

12

0 1 2 3 4 0 100 200 300

2009年度(212千法人)

849

151

食品製造業 =約32千法人

その他の製造業 =約180千法人

(千法人)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国

インド

ベトナム

インドネシア

マレーシア

出典World Economic Outlook 2011年9月版(IMF)

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
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  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
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  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
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  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 23: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

4食品産業の業種別構造(関連産業) 食品製造業は物流のほか製造用機械容器など食品の製造に必要な資材等を提供する裾野産業に支えられている

従前より食品産業全体については高い物流コストや過剰包装等が問題

食品機械の輸出入実績推移

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

(製造品出荷額等)

百万円

(輸出入額)

百万円

輸出 輸入 製造品出荷額等

売上高物流コスト比率(業種小分類別)

21

(資料財団法人日本包装技術協会)

資料社団法人日本食品機械工業会 物流コスト削減策

注回答企業数196社 資料2009年度物流コスト調査報告書(社団法人日本ロジステックスシステム協会)

製造業

食品(要冷)

石鹸洗剤塗料

食品(常温)

繊維

化粧品

電気製品

医薬品

卸売業

卸売業(繊維衣料品系)

卸売業(日用雑貨系)

卸売業(食品飲料系)

その他卸売業

卸売業(機器系)

卸売業(総合商社)

小売業

小売業(通販)

小売業(生協)

小売業(コンビニエンスストア)

その他小売業

その他

建設

000 200 400 600 800 1000 1200 1400

在庫削減SCM

在庫削減

アイテム数の整理

物流システムネットワークの見直し

物流拠点の見直し(廃止統合新設)

直送化

輸配送の共同化

商品設計包装の見直し

包装容器の再使用通い箱の利用等

包装の簡素化変更

物流オペレーションの改善保管仕分け等

保管の効率化

物流オペレーションの改善輸配送

積載率の向上(混載化帰り便の利用等)

輸配送経路の見直し

105 58

101 77

62

61 60

88

95 75

0 50 100 150 (数)

()

アジア地域の実質経済成長率は今後5を超える高水準で推移する見通しであり特に中国とインドは8~9台の高水準で伸びる見通し高成長を支え今後の市場規模に大きな影響を与える中高所得者層(世帯可処分所得5000ドル以上)の人口は今後10年で現在の2倍程度に増加する見通し

製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況

5海外市場への展開

加速する我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

資料「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

2位 東南アジア(341)

4位 タイ (295)

3位 台湾 (318)

1位 中国 (659)

海外出店を積極化する又は今後進出を予定して いる企業の出店先は中国がトップ(複数回答あり)

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

2009年度(233千法人)

全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

食品製造業

国内法人数に対する現地法人数の割合

11

その他の製造業 32

資料「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省 資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」 東洋経済新報社

世帯可処分所得5000ドル以上の人口の推移

出所NIRA研究報告書(所得別の家計比率はEuromonitor International World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した 2008 年までの人口はIMF International Financial Statistics2010 年以降はUN WorldPopulation Prospects を参照)

35億人

1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

見通し(NIRA推計)

+10億人 2倍増

アジア太平洋主要国別の経済成長見通し

22

30 25

20 15 10 5

0

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

全製造業に占める食品 製造業の法人数の割合

国内法人数に対する 現地法人数の割合

資料「工業統計表(2009年企業統計編)」経済産業省

資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」東洋経済新報社

35

12

0 1 2 3 4 0 100 200 300

2009年度(212千法人)

849

151

食品製造業 =約32千法人

その他の製造業 =約180千法人

(千法人)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国

インド

ベトナム

インドネシア

マレーシア

出典World Economic Outlook 2011年9月版(IMF)

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

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  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 24: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

アジア地域の実質経済成長率は今後5を超える高水準で推移する見通しであり特に中国とインドは8~9台の高水準で伸びる見通し高成長を支え今後の市場規模に大きな影響を与える中高所得者層(世帯可処分所得5000ドル以上)の人口は今後10年で現在の2倍程度に増加する見通し

製造業の中でみると食品製造業の海外進出が遅れている状況

5海外市場への展開

加速する我が国外食産業の海外展開(日経MJ新聞調査結果より)

資料「第36回飲食業調査(2009年)」日経MJ新聞

2位 東南アジア(341)

4位 タイ (295)

3位 台湾 (318)

1位 中国 (659)

海外出店を積極化する又は今後進出を予定して いる企業の出店先は中国がトップ(複数回答あり)

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

2009年度(233千法人)

全製造業に占める食品製造業の法人数の割合

食品製造業

国内法人数に対する現地法人数の割合

11

その他の製造業 32

資料「工業統計表(2007年企業統計編)」経済産業省 資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」 東洋経済新報社

世帯可処分所得5000ドル以上の人口の推移

出所NIRA研究報告書(所得別の家計比率はEuromonitor International World Consumer Lifestyle Databook 2009 から計算した 2008 年までの人口はIMF International Financial Statistics2010 年以降はUN WorldPopulation Prospects を参照)

35億人

1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 年

見通し(NIRA推計)

+10億人 2倍増

アジア太平洋主要国別の経済成長見通し

22

30 25

20 15 10 5

0

我が国食品産業(食品製造業)の海外展開の遅れ

全製造業に占める食品 製造業の法人数の割合

国内法人数に対する 現地法人数の割合

資料「工業統計表(2009年企業統計編)」経済産業省

資料「海外進出企業総覧(2009年実績)」東洋経済新報社

35

12

0 1 2 3 4 0 100 200 300

2009年度(212千法人)

849

151

食品製造業 =約32千法人

その他の製造業 =約180千法人

(千法人)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国

インド

ベトナム

インドネシア

マレーシア

出典World Economic Outlook 2011年9月版(IMF)

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 25: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

食品企業のグローバル化が進む中世界食品メーカーの売上高をみると上位50位以内の日本企業は12社となっている(うちビールメーカーが3社)

しかしながらその日本企業の営業利益率は全て10に届かない状況(平均44)にあり製品別にみても世界平均とかけ離れた状況にある

世界食品メーカー売上高ランキング(08年度) 地域別の利益率の比較

主製品別の利益率の比較

23

金額100万

08 07 金額 伸率 金額 伸率

1 1 ネスレ スイス 103313 12 14735 43 総合飲料

2 2 プロクターギャンブル 米国 79029 34 16123 31 総合洗剤

3 5 日本たばこ産業 日本 75914 65 4042 156 総合タバコ

4 7 アーチャーダニエルミッドランド 米国 69207 09 2453 288 穀粉加工グロサリー

5 4 ユニリーバ 英蘭 55353 17 6977 300 総合洗剤

6 6 ブリティシュアメリカンタバコ 英国 48846 293 5352 842 タバコ

7 8 ペプシコ 米国 43251 95 8475 56 総合飲料

8 9 クラフトフーズ 米国 42201 167 3817 38 総合乳製品

9 16 アンヒューザーブッシュインベブ ベルギー 39000 na na na ビール

10 10 コカコーラ 米国 31944 107 8446 264 飲料

14 19 キリンホールディングス 日本 25595 278 1622 210 ビール

20 22 サントリー 日本 16811 12 903 80 酒類

21 24 アサヒビール 日本 16253 01 1050 86 ビール

25 29 味の素 日本 13226 22 454 326 総合

30 33 日本ハム 日本 11427 04 238 224 食肉加工

35 37 マルハニチロホールディングス 日本 9971 62 173 194 水産物ほか

37 42 山崎製パン 日本 9019 49 287 251 パン菓子

39 46 明治ホールディングス 日本 7904 06 156 na 乳製品菓子

45 50 森永乳業 日本 6488 06 128 475 乳製品

46 - 日本水産 日本 5613 54 35 564 水産物ほか

47 - 伊藤ハム 日本 5412 60 27 nc 食肉加工

編国際流通研究所

注は推定naは不明ncは前期または今期が赤字で算出不能

営業利益主製品

順位企業名 国名

売上高 各国食品メーカーの利益率(売上高ランキング50位以内企業)

米国 120

日本 44

英国 115

オランダ 101

フランス 160

資料国際流通研究所

主製品別の利益率(売上高ランキング50位以内企業)酒類 世界平均 91

キリンホールディングス 63サントリー 54アサヒビール 65

食品総合 世界平均 150味の素 34

乳製品 世界平均 61明治乳業 20森永乳業 20

タバコ 世界平均 95日本たばこ産業 53

食肉加工 世界平均 32日本ハム 21伊藤ハム -05

資料国際流通研究所

(参考1)欧米企業の状況

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 26: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

営業利益率

営業利益10億円 (注)1円の大きさは時価総額の規模を表す 2通貨は全て円ベース1ドル=935円(2010年3月31日終値)で換算 出所Financial Times「Global 500 March 2010」日本企業各社は直近の会計年度最終日またはそれに準ずる日の株価を基 に時価総額を算出

青丸欧米の食品メーカー 赤丸日本の食品メーカー

24

(参考2)欧米及び国内の主な食品メーカーの規模比較(営業利益営業利益率)

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
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  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
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  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
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  • スライド番号 50
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  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 27: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

6商品先物取引

商品先物市場は公正な価格形成価格変動のリスクヘッジ在庫調整等の機能の提供により食品企業生産者流通業者等の活動をサポートする役割

農産物取引所の取組高に占める生産流通等関係業者の利用割合は商品により平均で2~4割程度を占め現物の受渡しも行われ現物市場を補完する役割

数次の法改正による商品先物業者に対する勧誘規制の強化等により苦情相談件数は大幅に減少他方FX(外国為替証拠金取引)等の登場や勧誘規制の強化等もあり近年取引所の出来高は大幅に減少

商品先物取引の機能及び利用例 我が国の商品取引所

商品先物取引を巡る状況

出来高の推移

行為規制の強化

消費者からの苦情相談件数の推移

東京工業品取引所(工業品)

東京穀物商品取引所(農産品)

中部大阪商品取引所 (23年1月に解散)

関西商品取引所(農産品) ②価格変動リスクのヘッジ機能

(a)トウモロコシの輸入商社が先物市場で「売り」を入れ輸送期間中に販売先が確定した時点でその都度反対売買により「売り」を解消することにより輸送中の値下がりリスクや為替変動リスクを回避

- 現物取引を行う際の公正かつ中立的な指標価格を提供

- 先物市場では取引最終日に現物を受け渡す機能があるため在庫調整に利用することが可能でありまた現物受渡しを通じて現物市場を補完

ゴム金銀白金パラジウムガソリン灯油軽油原油アルミニウム 日経東工取指数

米穀大豆(一般大豆Non-GMO大豆)小豆とうもろこしアラビカコーヒー生豆ロブスタコーヒー生豆精糖粗糖

米穀大豆(米国産大豆 Non-GMO大豆)小豆とうもろこし冷凍えび精糖粗糖国際穀物等指数コーヒー指数

2004年改正委託者に対する再勧誘の禁止等 2006年改正不当な広告等の禁止断定的判断の提供の禁止等 2009年改正不招請勧誘(注)の禁止等 (注)不招請勧誘勧誘の要請をしていない顧客に対する訪問電話による勧誘

(b)豆腐製造メーカーが原料である大豆について先物市場で「買い」を入れ実際に輸入業者から必要数量を購入した時点でその都度反対売買により「買い」を解消することにより安定した価格数量で原料を調達

2008年度 2009年度 2010年度商品取引所全体 4631 3426 3179

うち農水産物 651 451 339

単位万枚

2002年度(A) 2010年度(B) BA国内取引所取引 5181 件 267 件 5

①透明かつ公正な価格形成機能

③在庫調整機能

④資産運用機能

- 商品先物取引は株式等と相関が低く少額の証拠金取引による分散投資が可能 25

- 先物市場を利用することにより農産品の仕入れ又は売渡し価格を固定し現物市場における価格変動リスクを回避

米穀については23年7月1日に試験上場が認可された

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
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  • スライド番号 12
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  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
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  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
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  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 28: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

農林漁業の成長産業化のためには分断されている1次2次3次産業の価値連鎖を結合し農林水産業農山漁村の資源に対して各プロセスで価値(バリュー)を引き継ぎまた付け加えていくことが必要これにより成長産業を生み出し日本を元気にする

一次産業資源 二次産業 三次産業

医療福祉(医薬品園芸療法) 建設業 栽培施設 発電施設 直売施設 体験施設

バイオマス 木材家畜糞尿 資源作物

農産物 林産物 水産物

風景文化 体験人材

教育(食育体験学習)

観光娯楽(宿泊飲食農村体験)

農業 林業

水産業 エネルギー(電気水道ガス)

市場物流販売(直売小売)外食輸出

物流不動産金融保険研究開発情報通信

双方向の連鎖結合

製造業 食品加工 林産加工 加工機械 発電機械 土地

水光 風空気 農山

漁村

Ⅲ 食品産業の持続的発展に向けた具体的取組

1農林漁業の成長産業化

26

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 29: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

農林漁業の成長産業化を実現させるため官民共同のファンドを創設し成長資本の提供と併せて経営支援の充実を一体的に実施

農林漁業者による農林水産物の加工販売農山漁村の環境資源を活かした観光商品化等に取り組む 6次産業化事業者への成長資本の提供や (経営支援を一体的に実施するため国及び民間の出資により農林漁業成長産業化ファンド(仮称)を創設

地域における農林漁業の成長産業化の取組を推進するため公募により選定された地域ファンドに対しファンド及び地元企業地方公共団体等から出資を行い地域ファンドが6次産業化事業者に出資を行うことを基本としたファンド運用を行う

ファンドの運用

農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

6次産業化事業者へのファンドからの出資と併せて経営支援を一体的に実施 更に6次産業化の先達であるボランタリープランナーによる経営診断6次産業化プランナーによる販路支援や6次産業化施策の活用等のアドバイスやモニタリングを実施することにより6次産業化施策との連携によるサポート体制の実施を図る

経営支援及び6次産業化施策との連携

10

2農林漁業成長産業化ファンド(仮称)の創設

27

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 30: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

(1)6次産業化に取り組む狙い

bull 6次産業化によって1次産業と2次3次産業との価値連鎖を結合し6次産業の持つポテンシャルを拡大

農林漁業者による主体的な価値連鎖の取組みの課題

bull 他産業とのマッチングコストの大きさ

bull 農林漁業者の過小資本性など

農山漁村は様々な地域資源(バイオマス水等)の宝庫 健康安全安心など生命を司る1次産業への関心や期待の高まり

1次産業(農林水産業)

約10兆円2次産業

(関連製造業)3次産業

(流通飲食業)

約90兆円

1次産業と2次3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱い

これまでの1次産業

1次産業(農林水産業)

約10兆円

約100兆円

6次産業の持つポテンシャルは非常に大きく1次産業の生産額は10兆円規模だが消費段階では100兆円規模に至る2次3次産業による付加価値を有している

6次産業の持つポテンシャル

2次産業(関連製造業)

3次産業(流通飲食業)

約90兆円

価値連鎖

+20~30兆円

36次産業化の推進

28

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 31: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

(2)6次産業化へ向けた成長拡大に資する取組み

bull これまでの取組みでは形成困難な異業種とのより強力な結びつきをファンドによる戦略的連携で実現

29

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
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  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 32: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

(3)農業経営の発展段階とファンド支援領域

bull ファンドは主に企業的経営移行期から自立的発展期への経営の発展を支援

経営課題

金融支援等

気候土壌疾病等の農林漁業固有の生産条件に適合した作目の選択や生産ノウハウの獲得など安定的な生産の確立が課題

コスト削減や規模拡大に加え契約栽培や初期の6次産業化へのチャレンジ期 生産管理営業人事財務等の企業的経営の確立が課題

加工販売事業等事業の多角化を確立する時期他産業のノウハウも活用し自ら生産した農林水産物の価値を高める6次産業化への本格対応が課題

6次産業化の確立によって経営のリスク分散がなされ自立的な発展が可能となる

効率的な経営に資する施設に対する設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通

規模拡大や多角化へのチャレンジに係る設備投資への補助金長期低利の政策貸付及び民間金融機関による資金の融通 ボランタリープランナー等によるアドバイス等

他産業との連携新たな事業への多角化に本格対応していくための資本金の供給や経営支援加えて民間金融機関の協調融資等の活用

企業的な経営ガバナンスと経営の多角化による安定により民間金融機関からの金融支援にて経営 一部の企業では直接市場(株式市場)を通して広く資金調達を行う

10年~15年の集中育成へ

経営発展の段階

生産確立期

企業的経営移行期

6次産業化確立期

自立的発展期

1次産業 アーリー 6次産業 シード

1次産業 エクスパンション 6次産業 スタートアップ

1次産業 レイター 6次産業 アーリー

1次産業 - 6次産業 エクスパンション

は主たるファンド活用のステージ

先進事例では6次産業化確立期前後の過程に20年~30年近くの長期を要している

売上高

発展段階

30

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
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  • スライド番号 6
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  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
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  • スライド番号 36
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  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 33: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

bull 農林漁業者等と異業種の6次産業化パートナー企業の合弁事業体に対して地域ファンドから出資 bull 六次産業化法の計画認定の取得を要件とすることを想定

注)六次産業化法による計画認定を受けるため農林漁業者等(JAグループなど)が主たる経営者であることが必要そのためファンド以外の出資比率は原則(議決権ベース)A≧Bである必要

戦略的連携構築の実現

6次産業化事業体 (合弁事業体)

農林漁業者出資分 (主たる経営者)

(A)

連携企業出資分

(B) ≧ 地域ファンド出資分

(上限50)

高品質生産

大規模供給能力

トレサビリティ対応力

生産者グループ形成力

etc

成長資金 +

農産物供給

地域ファンド

テーマファンド

農林漁業成長 産業化支援機構

出資 農林漁業者等

販売ネットワーク

マーケティング力

物流ノウハウ

IT技術 etc

6次産業化 パートナー企業

出資 (上限50)

民間等

地域金融機関

地元企業等

成長資本と経営支援の一体提供

出資

マッチング提案 マッチング提案

成長資金 +

販路ノウハウ

(4)農林漁業成長産業化ファンドの支援対象事業者

31

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

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(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

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資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
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  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
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  • スライド番号 36
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  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
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  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 34: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

高付加価値な食品 (アップルパイ機能性食品

乳児食介護食)

加工に適したリンゴ 食品メーカーの 得意先小売店

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

地域テーマファンド

合弁事業体(リンゴ使用高付加価値食品製造販売)

bull 消費者ニーズを把握している食品メーカーの技術ノウハウを活用し素材を活かした高付加価値食品を製造

bull 合弁事業で製造した食品をメーカーのブランドも活用しメーカーの販路を利用して販売

合弁事業の概要

マッチング

出資

生産 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 製造会社との長期的な資本結合によって加工に適したより付加価値の高い品種の生産に取組むことが可能にリンゴを高い価格で販売でき所得向上に寄与することが期待される

bull ファンド資金によって新規事業のリスクが低減され原料の安定確保により長期的な事業に取組むことが可能となる原材料にこだわった商品ブランドの開発に取り組める

リンゴ生産 グループ組合

食品メーカー

出資 出資

販売 販売

(5)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ① <アップルパイ製造販売>

32

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 35: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

間伐材等を利用した 環境に優しいトイレ用砂(猫砂)

間伐材木くず ホームセンター等 小売店

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

合弁事業体(間伐材活用のペット用品製造販売)

bull ファンドのマッチング機能を活用し複数の林業経営体をグループ化し間伐材等の安定供給を確保

bull 木質系のペットのトイレ用砂(猫砂)を製造しペット用品製造会社のブランドで得意先(販路)へ販売

合弁事業の概要

出資

生産 製造技術 販路提供

ファンド活用による効果(メリット)

bull 市場が拡大しているペット市場において間伐材や木くずを原材料とする商品の販売が広がることで林業林産加工業者の所得向上山村の雇用創出が期待される

bull 間伐材や木くずの安定供給を受けることで環境やペットに優しい木質系素材を活用した商品を市場に投入し既存の鉱物系素材に対し差別化を図ることで収益の拡大が見込まれる

林業経営体 林産加工者組合

ペット用品 製造会社

出資 出資

販売 販売

マッチング

地域テーマファンド

(6)農林漁業成長産業化ファンドの活用イメージ② <間伐材を活用したペット用品製造販売>

33

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 36: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

潜在力を最大限活用し

低炭素社会の実現

農山漁村の活性化

を達成するために

新たな技術の開発導入による新産業の育成が必要

農林水産業農山漁村には

未利用のバイオマス

太陽光水力などの再生

可能エネルギー

等国民生活に新たな恩恵を

与え得る資源が多く存在

現 状 課 題

藻類

木質バイオマス

バイオ燃料

こうした「緑と水の環境技術革命」は農業農村の6次産業化の一つの柱として食料農業農村基本計画(2010年3月閣議決定)に位置付けられたところ

また新成長戦略(2010年6月2011年1月閣議決定)においても「農林水産分野の成長産業化」「観光地域活性化」への取組として位置付けられている

ナノカーボン

4 「緑と水の環境技術革命」 -イノベーションを科学技術でー

農林水産業農山漁村に存在する豊富な資源は他産業の持つ革新的技術と融合することにより素材エネルギー医薬品等の新たな産業の創出を通じて農山漁村の活性化に大きく貢献する可能性

34

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
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  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
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  • スライド番号 36
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  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
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  • スライド番号 44
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  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 37: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

(参考)「緑と水の環境技術革命総合戦略」で推進する重点分野

農林水産物バイオマスなどの農山漁村の資源を活用した新たな素材新商品の開拓

農山漁村資源の新規用途開拓 農林水産物等の生産流通販売等の各工程において革新的な技術を導入することにより新たな事業機会を創出

農林水産業の新たな事業機会の創出

他の作物と比較して繁殖速度が圧倒的 に早く日本が技術的蓄積を有する藻類 等について燃料飼料及び水質浄化等の多様な分野における利用

林地残材稲わらさとうきび残渣余剰 てん菜等食料供給と両立するバイオマス のエネルギー製品利用併せてバイオ マス以外の再生可能エネルギーを総合的 に利用

生物由来の医療用素材等の新たな 素材医療研究用実験動物など動物 や植物等が有する生物機能の高度利用

藻類等の新規資源作物の利用

未利用バイオマスのエネルギー製品利用

生物機能の高度利用 高度な温度管理技術による青果物等 の鮮度保持により生鮮農林水産物の 需給バランスの安定化物流網の効率化輸出拡大等に貢献しうる超長期鮮度保持技術

ITLED等の人工光源ロボット技術 ヒートポンプ等の「工」の技術を「農」に 活用することで周年計画生産を可能とし 露地栽培や施設栽培の補完的な役割等を果たしうる農林水産物の高度生産管理システム

超長期鮮度保持技術

農林水産物の高度生産管理システム

例医療実験用ミニ豚

〈さとうきび〉

残渣等

世界的需要を背景とし天然資源の 枯渇が懸念されるクロマグロ等の 完全養殖技術

クロマグロ等の完全養殖

35

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 38: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

資料老人医療費は厚生労働省「平成18年度老人 医療事業報告」有業率と農業者率は総務省 「平成19年度就業構造基本調査」 注1) 図中の数値と球の大きさは農業者率() 2) 有業率と農業者率はそれぞれ65歳以上人口に 占める有業者数農業就業者数の割合

(株)いろどり(上勝町出資の第三セクター) 野山の木の葉や草花が高級料亭の盛りつけなどに使用 される「つまもの」として多く利用されていることに着目し 全国の料亭に出荷する事業を実施 平均年齢70歳の約190人がこの事業に参加

一人当たり老人医療費と有業率

113

97 05

53 53 109 123 83 49 91 85 68

102 72 81 78 71 91 51 12 80 77 75 95 87 05

23 74 37 22

42 47 23

15

17

19

21

23

25

27

29

31

60 70 80 90 100 110

有業率

老人医療費 万円

長野県

山梨県

東京都 静岡県

福井県 岩手県

鹿児島県

鳥取県

農業者非農業者の総コレステロール

男性65-69歳

徳島県上勝町の事例

人口約2000人高齢化率(65歳以上の人口比率)は約50 徳島県24市町村中最も平均年齢が高い高齢化地域林野率は85 一人当たりの老人医療費は62万6922円と県内最低県内1位との格差は31万円

松森ら「農村における高齢化と農作業が有する高齢者の疾病予防に関する検討」 畑地農業2009606号

老人医療費と65歳以上の有業率農業者率の関係をみると有業率が高い県(長野山梨等)は総じて一人当たり老人医療費が低い傾向また農業者率が高い県(鳥取長野岩手等)は一人当たり老人医療費が低い傾向にある

初年度 4年後

186

188

190

192

194

196

198

200

1913

1995 1975

1909

1991

1961

mgdl

初年度 4年後

2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180

2081

2150 2166

2085

2159 2172

mgdl

「いろどり」の商品

女性65-69歳

(1) 福祉 5イノベーションによる新たな需要市場の開拓

36

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 39: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

森林浴が人にもたらす生理的効果について研究が進められた結果森林は都市よりもリラックス 効果をもたらすことや森林浴により免疫機能が活性化することが科学的に解明 科学的データを基に森林の癒し効果を客観的に評価し健康増進に活用する取組が各地で行 われておりそれぞれの地域の特色を活かしたプログラムやツアーの提供が行われている

0 01 02 03 04 05

森林 都市

(μgdl) ストレスホルモン濃度の比較

森林浴の生理的効果

0

5

10

15

20

25

30

森林浴前 1日後 2日後 7日後 30日後

()

森林環境(ブナ林)と都市環境における人の唾液中のスト レスホルモン濃度 資料独立行政法人森林総合研究所

NK細胞活性の変化

森林浴による人の免疫機能の向上(NK細胞とはガン細 胞やウィルスから体を守る免疫細胞の一種) 資料日本医科大学 李卿

森林の癒し効果を活用した取組事例

山形県小国町にある「ブナの森温身平」は飯豊朝日連峰の麓磐梯朝日国立公園内に位置しておりブナ原生林を中心とした自然環境を背景に平成18年日本初の森林セラピー基地として認定 林内には子供からお年寄りまで安全に森林浴を楽しむことができるなだらかで道幅の広いメインロードや自然地形をそのまま活かした道など総延長55kmの散策路が延び目的や体力に応じてルート選択が可能

山の民(マタギ)が生活文化の解説や森林散策の案内をするなど地域特有の取組を実施 同基地内の滞在施設では天然温泉が楽しめるとともに地元産の食材を活かした健康食が提供されており地域の観光振興にも貢献

散策路(山形県小国町)

出典平成22年度23年度 森林林業白書

(2) 森林の癒し効果の活用

37

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
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  • スライド番号 14
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  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 40: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

6次産業化からの観光事例

【秋田県】株式会社秋田ニューバイオファーム

平成7年から農業生産農産物加工販売 観光農園やレストランなどの多角経営を展開

ハーブを核としたまちづくりを推進

【岡山県】有限会社くぼ観光農園

岡山のぶどう狩り栗拾い市民農園のほかキャンプまで田舎を満喫できる観光農園

旅行代理店への売り込みにより現在来客の7割が県外からのツアー客

観光に取り組む農業経営体数の推移

アジアを中心とする海外からの観光客のグリーンツーリズムへの取込み

0

50

100

150 訪日中国人観光客の推移

(万人)

日本の食の 美味しさの認知

日本の農山漁村の 魅力の認知

輸出促進

グリーンツー リズムの促進

農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針において農家民宿等のグリーンツーリズムのための施設の年間延べ宿泊者数を平成32年に1050万人にする目標を設定

取 組 2005年 2010年

貸農園体験農園等 4023 5840

観光農園 7579 8768

農家民宿 1492 2006

農家レストラン 826 1248

(3) 観光 ー農山漁村の景観や自然環境文化等の多面的機能の活用ー

多面的機能の評価

農業農村が有する保健休養やすらぎ機能

23758 億円

森林の保養効果 22546 億円

日本学術会議による評価額

多面的機能の評価額の一部を抜粋

34 38

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
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  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
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  • スライド番号 36
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  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 41: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

全国で80箇所程度が稼動中 太陽光利用型を中心に農業生産法人による取組が3割を占める

植物工場の運営主体(H23年3月)

太陽光利用型 (太陽光人工光併用型)

完全人工光型

11施設 (69)

5施設 (31)

完全人工光64箇所 太陽光利用型(太陽光人工光併用型)16箇所

稼働中の主な植物工場(H23年3月)

サラダ菜リーフレタスハーブ類等の葉菜類花き野菜花きの苗等 =いずれも生育期間が短く年間で多くのサイクルが可能

植物工場における生産品目

rarr農業生産法人による取組が80施設中25施設

45施設 (70)

14施設 (22)

5施設 (8)

(4) 植物工場

35 39

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 42: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

作物の状態 栽培環境

センサーを 介して 日々の情報を送信

<AIシステムとは> 1『日々の情報を記録するデータベース』と 2 『確立した技術に関する文字情報』と 3 『AIエンジン』で構成

① 過去のある状態(日時作物ほ場 気候)の時に ② ある行為(農作業)をした結果 ③ どういう状態に変化したかを蓄積

作業内容を入力

データを解析して一定の判断を行う学習型アルゴリズム

「AIエンジン」が過去のデータベースを参照 解析し行うべき作業を送信

農業者は目指す経営の方向を AIシステムに登録

①~④のプロセスが多数繰り返されデータベースが充実自律的に精度が高まっていく仕組み

端末 「」することを

お勧めします

AIシステムは農業者から送られてくるデータに基づきデータベースと当該農業者の現在の状態を比較解析し最適なアドバイス(将棋の「次の一手」のようなもの)を提供

送られて来た情報に基づき農作業を実施

AIシステム

熟練農家の技や農作業に関する過去の文献など

自動 モニタリング

データマイニング 技術

センサーによる作物の状態栽培環境のモニタリングとデータマイニング技術を組み合わせることにより篤農家の「経験」や「勘」に基づく「暗黙知」を「形式知」化する 「AIシステム」を開発中農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用

センサー

(5) AIシステムによる「匠の技」の継承

40

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 43: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

(6) 新食品 -難消化性デンプンを含む米ー

事 業 化

研究成果の概要 デンプン特性構造の解明 動物実験による機能性解析

wxae米の遺伝的背景の検証と品種 特性の解析 (品種と収量の保証 ) wxae米の機能性試験 (機能の明確化 付加価値の付与) 製粉法の検討と炊飯米としての 可能性の評価 (主食としての米の調理 最適製粉法の確立)

wxae米と米粉を用いた新規加工 食品の試作 (加工特性と市場調査)

平成21年

新需要創造対策による支援

全国推進事業

研 究 開 発

wxae米に含まれるすべての

デンプンが難消化性であるため低カロリー食品の開発が可能 糊化温度が高くゲル化しやす

いにもかかわらず物性を制御しやすい 動物実験ヒト試験により血糖値脂質関連の機能性を確認 ナッツ様の独特の香りがあり米飯としての利用も可能

wxae米の特徴

難消化性米品種(wxae米)を育成

新品種の育成

wxae稲

難消化性米 「アミロモチ」 rarr品種登録申請中 (九州大学)

権 利 化 「難消化性の米穀及び難消化性デンプン」 rarr特許登録 「高脂血及び内臓脂肪予防食品」 rarr特許出願中 (大阪府立大学

(有)IPE(九州大学))

権 利 化

平成22年~

新需要創造対策による支援

原料安定供給体制の確立 栽培マニュアルの作成 機能性成分の分析 wxae米の栽培実証

地区推進事業

生産農家 契 約 民間企業

21年度栽培面積20a (山梨県富士吉田市ほか) darr 山梨県笛吹市新潟県上越市滋賀県近江八幡市等へ拡大

民間企業による機能性を活かした新商品開発

実施主体WXAE米推進協議会

普 及 拡 大

実施主体大阪府立大学

41

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
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  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
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  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
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  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
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  • スライド番号 36
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  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 44: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

(7) 新素材 -メチル化カテキンβークリプトキサンチンー

高メチル化カテキン茶

メチル化カテキンを多く含む茶の新品種「べにふうき」の

機能性を活かした入浴剤ボディソープベビーパウダー

ローションティッシュペットボトル飲料等が商品化

βークリプトキサンチン高含有新食品新素材

うんしゅうみかんの果汁加工残渣に含まれるβ-クリプト

キサンチンを活かしたドリンク剤サプリメント用粉末剤が

商品化オーラルスキンケア美白化粧品等を開発中 ウンシュウミカン粉末製品

42

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
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  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
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  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 45: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

農山漁村の生物資源(バイオマス)の活用により農山漁村の活性化新産業創出地球温暖化防止を推進

2020年の目標 ①約2600万トン(炭素量換算)のバイオマス活用②約5000億円規模の新産業創出

③全都道府県及び600市町村でバイオマス活用推進計画を策定

これまでの取組国産バイオ燃料製品(エタノールディーゼル燃料ガスプラスチック)の技術開発実証事業化を推進

設置場所 北海道上川郡清水町 (ホクレン清水製糖工場内) 施設能力 15万KL年 原 料 余剰てん菜規格外小麦

オエノンホールディングス(株)

北海道バイオエタノール(株) (ホクレンJA道中央会 等)

設置場所 北海道苫小牧市 (合同酒精(株)苫小牧工場) 施設能力 15万KL年 原 料 非食用米

1バイオエタノール(約3万KLを生産)

バイオエタノール事業採択地区

2バイオディーゼル燃料(約14万KLを生産)

福島県いわき市 (年間500KL程度製造) トラック等(計16台)にB100利用

富山県富山市 (年間250KL程度製造)

ごみ収集車等(約120台)にB100利用

宮城県塩釜市 (年間330KL程度製造) 水産加工業共同組合員の配送車市公用車循環バス等(約190台)にB100利用

前提

全国農業協同組合連合会 (JA全農)

設置場所 新潟県新潟市 (コープケミカル新潟工場内) 施設能力 01万KL年 原 料 非食用米

バイオマス活用推進基本計画 (H2212閣議決定)

【B100B20B5とは】 軽油へのBDF燃料の混合率を示す

B100 100BDF B20 20BDF B5 5BDF

年間走行距離10000km燃費10kmL

自動車1台当りの必要なガソリン1000L年を バイオエタノールを3含む燃料(E3)で

賄うと 1台当たり30L年のバイオエタノールが必要

バイオエタノール3万KLdivide30L=約100万台

【バイオエタノールが3万KLあればhellip】 約100万台の自動車をバイオエタノールを3含む燃料(E3)にすることができる

北海道帯広市 (年間210KL程度製造) ごみ収集車(2台)コープさっぽろ(約300台)コカコーラ(4台)の配送者にB100及びB5利用

京都府京都市 (年間1500KL程度製造) ごみ収集車(約160台)にB100市バス(93台)にB20利用

市内BDF製造会社は欧州航空会社にバイオジェット燃料の原料として販売

(8) バイオマス

43

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

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  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 46: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

4木質ペレット 安全性や利便性の点からペレットストーブでの利用も増加傾向にあり灯油や重油の代替燃料となるため原油価格高騰対策として効果を発揮温室効果ガスの排出削減にも寄与

3バイオガス

家畜排せつ物や生ごみ等をガス化し熱や電力として利用したり余剰電力を売電

士幌町バイオガスプラント(南地区) ~北海道士幌町~

発酵残渣である消化液については自家ほ場に還元及び周辺農家に販売

鹿追町環境保全センター

家畜ふん尿の適正処理生ゴミや集落排水汚泥等の有効活用を図るためバイオガスプラント堆肥化施設を整備し既存の汚泥処理施設と併せて「環境保全センター」を設置

~北海道鹿追町~

乳用牛の家畜排せつ物(6570トン年)をメタン発酵し発生し

たメタンガスを利用して発電電力は主に施設内で利用し一部売電

未利用の間伐材を含む林地残材等を原料とするペレットを役場敷 地内のボイラーで燃料として活用し同敷地内の多目的施設や 消防庁舎の暖房等の熱源として利用

【ペレット製造施設】 【ボイラーを導入した施設の外観及びペレットボイラー】

~北海道足寄町~ とかちペレット協同組合

木質ペレット工場の分布

木質ペレット工場 平成21年度末75施設(林野庁調べ)

区分 H19 H20 H21 総生産量 (千t)

30 36 51

施設数

(施設) 47 63 75

1工場当たり

生産量(t) 637 578 676

木質ペレットの生産量

46

これにより地域のバイオマス資源を活用し消化液や堆肥として農地還元する循環型農業を実現また製造されるガスや熱を環境保全センターや畜舎温室ハウス自動車等で地域利用

44

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
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  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
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  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 47: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

食品成分や機能性成分の作用を活用した生活習慣病

等の予防

機能性成分について有用性の科学的な実証

標的細胞機能性成分農産物 消化吸収

標的細胞での

作用機構を解明

<生物機能を活用した医療分野への展開>

我が国の研究機関が外来遺伝子をカイコに導入しタンパク質を生産する技術を開発(2000年)権利化

遺伝子組換えカイコ等の生産する絹糸等を用いて人工血管軟骨角膜再生用素材創傷被覆材等の開発実用化を推進

活用

農林水産物食品の機能性成分や生物が有する機能の解明活用技術の開発等を推進それらを活用して疾病予防等に貢献する「新たな農林水産業」を創出高齢化が進む中今後の医療費増加の抑制にも寄与

<農林水産物食品の機能性成分の活用>

農林水産物等の機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積

個々の健康状態に応じた食生活の実現 機能性を活用した抗アレルギー食品等の 高品質な食品の開発

活用

開発中の人工血管

医療用素材(イメージ)

遺伝子組換えカイコ

閉鎖系施設での飼育風景

農学(生産)医学(疫学機能解析)工学(計測)の連携

(9) 医療福祉に貢献する原材料

45

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
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  • スライド番号 20
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  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
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  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
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  • スライド番号 48
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  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 48: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

目指すべき姿 輸出の拡大による我が国の農林水産業食品産業の経営基盤の発展強化

農林水産物食品の輸出額一兆円水準を実現(2020年) 目標達成時期は「日本再生の基本戦略」(平成23年12月24日閣議決定)による

1ジャパンブランドの確立と輸出促進体制の整備 2日本ならではのストーリーを重視 3事業者支援の充実サポート体制の強化

国家戦略的なマーケティング

【戦略2】

確かな安全性品質の確保と貿易実務上 のリスク等への適確な対応

【戦略4】

1グローバルスタンダードの追求 2ジャパンブランドの保全向上 3貿易実務上のリスクへの対応

1ファンドの創設など輸出支援スキームの構築 2輸出の拡大高度化に向けたビジネスモデルの構築

ビジネスとしての輸出を支える仕組みづくり

【戦略3】

1世界無形遺産への登録 2観光など他分野他産業との連携 3文化発信機能の強化 4世界に誇れる人材の顕彰育成

海外での日本の食文化の発信 【戦略5】

国と民間が協力して粘り強くタイムリーに誠実丁寧に対応

原発事故の影響への対応 【戦略1】

輸出戦略の具体像

6輸出戦略の立て直し

~農林水産物食品輸出の拡大に向けて(農林水産物食品輸出戦略検討会とりまとめ)~

46

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
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  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
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  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
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  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 49: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

日本食文化の世界無形遺産登録に向けて

検討会

有形文化遺産 無形文化遺産

世界遺産とは

4件

平 泉

12件

文化遺産 自然遺産

歌舞伎 祇園祭

20件

小笠原

メキシコの伝統料理

世界における食の分野の無形文化遺産

地中海料理

(有識者) 大学教授 料亭 主人 すし職人 調理学校経営者 食品産業 等

(オブザーバー) 外務省 文化庁 厚生労働省 経済産業省 観光庁 (主催) 農林水産省

11月4日

取りまとめ

3月

ユネスコに申請

23年 24年

22年11月に登録済 22年11月に登録済

22年11月に登録済

申請に必要なこと ①日本食文化の内容の整理 ②食文化を次世代に受け継ぐための体制方法 ③多くの関係者(国民)の賛同

フランスメキシコ地中海(スペイン等4カ国)に続き世界無形遺産登録を目指す

(会長)熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)

フランスの美食術

トルコのケシケキの伝統

23年11月に登録済

文化審議会文化財分科会

無形文化遺産保護条約に

関する特別委員会

(参考1) 食文化の活用

47

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
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  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
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  • 1農林漁業の成長産業化
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  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
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  • スライド番号 61
Page 50: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

多様な料理と美しい盛付け しつらいへのこだわり おもてなしの精神

【関係する社会集団】 【地理的位置と対象範囲】

会席料理

① 多様で豊富な旬の食材そのものを活かす工夫

四季折々の気候と多様な地域に基づく豊富な 旬の食材 新鮮な食材を活かす工夫 活けじめ 片刃包丁 抗菌(わさび酢醤油 等)

④ 年中行事や人生儀礼との結合

② 栄養バランスのとれた食事構成

「一汁三菜」 米飯を中心に汁多種類のおかず漬けものという基本構成 栄養バランスのよい健康的な食事 多様な食材を摂取しうま味を活用して動物性油脂を多用しない 調理法

日本料理の要素

③ 出汁のうま味と発酵食品

うま味を抽出し素材の味を活かす出汁 調味料漬けもの日本酒等日本独自に発展した 多様な発酵食品

日本国民全体 会席料理を頂点とする日本料理関係する料理人飲食事業者 食器や調度品を作成する職人 会席の基本となる家庭料理(和食)家庭や学校教育の中で伝承

日本国内全ての地域 例)京都の懐石東京の寿司蕎麦大阪の割烹料理うどん等 その他にも地域に根付いた郷土料理があり相互に関連し発展 諸外国にも幅広く浸透

季節の節目節目に行われる様々な年中行事や人生儀礼の核 共食により地域コミュニティや家族友人を結びつける役割 自然の恵みと食材への感謝の気持ち きれいに食べるマナー「もったいない」「いたきまます」

洗練凝縮

(参考2) 日本料理の内容

48

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

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  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
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  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
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  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
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Page 51: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

全国500地区でモデル的な取組

経験的に言われていること 農林水産業農山漁村の 癒し効果

農林水産物等の持つ 健康への効果

医 (福祉介護を含む)

健康チェック 福祉 介護

食事(食品摂取) rarr健康維持 配食サービスの提供

農作業(身体活動) rarr健康維持リハビリ 食の素材の生産

ニーズ

ニーズに応じた食の素材の提供

健康チェック結果に 基づく食の提示

望ましい食による 生活の質の改善向上

健康チェック結果に 基づく農作業の提示

農に触れることによる 生活の質の改善向上

「食」と「農」を基盤とした健康長寿社会の構築

【実現しようとする姿】

機能性に関する研究の情報提供 生産現場に対する生薬の品質保持等に資する研究成果の提供 品質安定化作業省力化に必要な栽培技術の指導

経験則から科学的立証へ(エビデンスの蓄積)

H22作成の「食」に関する将来ビジョンにより医食農が連携した取組を10年後に500地区で実施

7医療介護福祉と食農の連携

49

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

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356

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

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  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
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Page 52: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

食品の供給行程(フードチェーン)には製造卸売小売など多くの業種の食品産業事業者が多数携わっていることに加え食品の種類や商品数が多くライフサイクルも比較的短期間であるため売り手と買い手の間で伝達される情報量が膨大になる傾向があるさらに近年の食品に関する事件事故への対応として情報の量ややり取りの頻度が増加している

細分化複雑化した情報の伝達確認に伴う作業量が膨大になりフードチェーンの透明性向上効率化の妨げとなるとともに社会的コスト増大につながっているともいわれている

取引情報の共通化(イメージ)

取引情報に関する食品事業者の声

50

230

356

0

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100

150

200

250

300

350

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2002年 2007年 2008年

商品仕様書作成につき必要な情報の項目数

製品数が多いため業務中で規格書等の情報管理の業務量の割合が多くなっている1商品当たりの規格書における情報量も以前より増えている(製造A社)

現在は情報を集めることイコール安全安心で情報を広く集めることが優先される傾向にあるそうではなくて情報がサプライチェーンの中でスムーズに流れることを重視すべきである(製造B社)

将来的にどのような情報を共有するかのルール標準化の項目が集約されればという希望があるがまずは現在の情報共有の方法について改善していくべき点がある(製造C社)

法律(食品衛生法やJAS法など)をベースとした商品仕入基準を設けておりベース部分は企業による相違はあまりないと考えるしかし用いる言葉項目書式の違いなどがあり戸惑う取引先もある現状がある(小売A社)

取引相手先との情報共有はサプライチェーンとして大きなテーマである(卸売A社)

農林水産省によるヒアリング調査(平成20年度)

1商品あたりの商品情報項目数

売り手と買い手の間でやり取りされる情報量は年々増加傾向にある

8フードチェーン当事者間における取引情報等の共通化

平成20年3月農林水産省「食料供給コスト縮減検証委員会」資料より

(注)本資料は主要卸からの共同出資により設立した企業の商品仕様書における項目数の推移を表したものであり企業の取組の一例である

50

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
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  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 53: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

9食品の品質管理信頼性向上への対応

食品産業事業者におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底等を通じた消費者の信頼を確保し国内市場の活性化を図るための取組を支援

期待される効果

食品業界の現状

食中毒の発生等食品衛生に関する事故件数が横ばいで推移

賞味期限の改ざんや産地偽装等の不祥事が多発

必要とされていることと問題点

HACCP手法の導入の加速化

コンプライアンス(法令遵守企業内社会倫理遵守等)体制の確立

消費者の食品産業に対する原料原産地表示の要請に応じた取組

工場の改築等新たな設備投資が必要 製造現場でHACCP手法を導入実践できる人材が不足 直ちにHACCP手法の導入が困難な 零細事業者に対して一般的衛生管理の徹底が必要

消費者基点の経営意識の欠如 危機管理体制の遅れ 経営陣と生産現場との情報の途絶

コスト負担が大 複雑な関係法令表示のルールを事業者が理解

する必要

品質管理信頼性向上の取組を支援

研修会意見交換会の開催

製造現場の実態に即した品質管理向上対策の 検討普及

調査分析

食品産業における一般的衛生管理の徹底コンプライアンスの確立原料原産地表示の推進に関する一体的な研修会の実施

食品の種類や施設の現状に即したHACCPの低コスト導入手法の構築専門家による助言指導によるHACCP計画作成支援

一般的衛生管理の徹底に必要な手法の検討

HACCP手法に関する情報の収集整備発信 食品産業事業者におけるコンプライアンスの取組事例の調査 原料原産地表示の取組状況の調査分析

HACCP責任者指導者養成研修等の強化自治体HACCP取得支援など食品製造事業者のHACCP認証取得を推進

原料原産地表示に関する消費者との意見交換会の実施

食品産業事業者における消費者の信頼確保のための方策 中小規模層へのHACCP手法の導入の加速化 零細規模層への一般的衛生管理の徹底 コンプライアンス体制の確立 企業行動規範事故対応マニュアル等の策定実行 原料原産地表示の普及

食の安全に対する消費者の不安

食品の品質管理の向上と消費者の信頼確保

51

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 54: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

食品の新たな基準値の設定について 1見直しの考え方 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価され安全は確保され ているがより一層食品の安全と安心を確保する観点から現在の暫定規制値で許容している年間線 量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる 年間1ミリシーベルトとするのは ①食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の現在の指標で年間1ミリシーベルトを超えな いように設定されていること ②モニタリング検査の結果で多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向に あること 特別な配慮が必要と考えられる「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」は区分を設けそれ以外の食品を 「一般食品」とし全体で4区分とする

2基準値の見直しの内容(新基準値は平成24年4月施行予定一部品目については経過措置を適用)

放射性セシウムの暫定規制値1

食品群 規制値

飲料水 200

牛乳乳製品 200

野菜類

500 穀類

肉卵魚その他

食品群 基準値

飲料水 10

牛乳 50

一般食品 100

乳児用食品 50

放射性セシウムの新基準値2

1 放射性ストロンチウムを含めて規制値を設定 2 放射性ストロンチウムプルトニウム等を含めて基準値を設定

(単位ベクレル)

10食品中の放射性物質への対応

52

(単位ベクレル)

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
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  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 55: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

食品中の放射性物質の検査計画の策定 上記計画に基づく検査の実施 食品の出荷制限摂取制限の実施

「検査計画出荷制限等の品目区域の設定解除の考え方」の策定 食品の出荷制限摂取制限の設定解除

原子力災害対策本部

関係都道府県等 厚生労働省

支援

報告

要請

指示

農林水産省 検査計画策定への助言

検査機器の整備への助成(消費安全対策交付金)

検査協力

食品の検査の企画立案への協力

連携

(参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応

食品

食品の暫定規制値の設定 検査結果の情報集約公表

食品中の放射性物質に関する食品健康影響評価

食品安全委員会

その他

環境中(土壌空間線量海水等)の放射線モニタリング

文部科学省 農地土壌の検査 資材(肥料土壌改良資材培土飼料)中の暫定許容値の設定

資材の検査の企画立案 検査結果の情報収集解析

農林水産省

検査機器の整備を助成

消費者庁 支援

放射性物質拡散シミュレーション 気象庁

53

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

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  • スライド番号 1
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  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
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  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
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  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 56: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

【参考1】発生抑制の目標値について

発生抑制の目標値= (基準発生原単位) 売上高製造数量等

分母は業種業態ごとに異なる

食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断 の基準となるべき事項を定める省令 (平成13年財務厚労農水経産 国土環境省令第4号) (食品廃棄物等の発生抑制) 第3条 (略) 2 食品関連事業者は食品廃棄物等の発生の抑制を促進するため 主務大臣が定める期間ごとに当該年度における食品廃棄物等の発 生原単位が主務大臣が定める基準発生原単位以下になるよう努める ものとする

食品廃棄物等の発生量

目標値の設定に当たっては平成20年度及び21年度の2カ年平均 値に標準偏差を加味した値を目標値として設定これにより目標値を クリアしている事業者は7割程度となる

【参考2】 本格実施の際(2年後)に目標値を設定する業種について (発生抑制の重要性は高いが今回はデータ不足により設定を見送る業種)

発生抑制の目標値一覧 【H244~H263】

業種 業種区分

密接な関

係をもつ

値の名称

暫定目標値

食品製造業 肉加工品製造業 売上高 113 kg百万円

牛乳乳製品製造業 売上高 108 kg百万円

醤油製造業 売上高 895 kg百万円

味噌製造業 売上高 191 kg百万円

ソース製造業 製造量 598 kgt

パン製造業 売上高 194 kg百万円

めん類製造業 売上高 270 kg百万円

豆腐油揚製造業 売上高 2560 kg百万円

冷凍調理食品製造業 売上高 363 kg百万円

そう菜製造業 売上高 403 kg百万円

すし弁当調理パン製造

業 売上高 224 kg百万円

食品卸売業 食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものに限る) 売上高 148 kg百万円

食料飲料卸売業(飲料を中心

とするものを除く) 売上高 478 kg百万円

食品小売業 各種食料品小売業 売上高 656 kg百万円

菓子パン小売業 売上高 106 kg百万円

コンビニエンスストア 売上高 441 kg百万円

業種 業種区分

食品製造業 水産缶詰瓶詰製造業水産練製品製造業野菜缶詰果実缶詰農産保存食料品製造業野菜漬物製造業菓子製造業食用油脂加工業レトルト食品製造業清涼飲料製造業

食品卸売業 食肉卸売業

食品小売業 食肉小売業卵鳥肉小売業

外食産業 食堂レストラン居酒屋等喫茶店ファーストフード店その他の飲食店持ち帰り配達飲食サービス業給食事業結婚式場業旅館業

11持続可能な資源循環型社会の構築

54

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

2 57

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

4 59

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • スライド番号 15
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
  • スライド番号 42
  • スライド番号 43
  • スライド番号 44
  • スライド番号 45
  • スライド番号 46
  • スライド番号 47
  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 57: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

環境負荷の低減及び資源の 有効利用の促進

全ての食品関連事業者に対する指導 助言

食品の売れ残りや食べ残しにより又は食品の製造過程において発生している食品廃棄物について①発生抑制と減量化により最終処 分量の減少を図るとともに②資源として飼料や肥料等に再生利用又は熱回収するため食品関連事業者による再生利用等の取組を促進する

趣 旨

食品関連事業者(製造流通外食等) 消費者等 国地方公共団体

関係者の責務

発生抑制減量再生利用等 発生抑制再生利用製品の使用 再生利用の促進施策実施

再生利用等の促進の基本的方向 再生利用等を実施すべき量に関する目標 等

主務大臣による基本方針の策定

【我が国全体での業種別の再生利用等実施率目標(目標年次 平成24年度)】 食品製造業(85) 食品卸売業(70) 食品小売業(45) 外食産業(40)

主務大臣による判断基準の提示(省令) 再生利用等を行うに当たっての基準 個々の事業者毎の取組目標の設定 発生抑制の目標設定 等

再生利用等の促進

主務大臣あてに食品廃棄物等発生量等の定期報告義務(発生量が年間100トン以上の者)

事業者の再生利用等の円滑化 「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成確保 「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクルループ)の形成

指導勧告等の措置 前年度の食品廃棄物等の発生量が100ト ン以上の者に対する勧告公表命令罰金 (取組が著しく不十分な場合)

(平成12年法律第116号〔平成19年12月改正法施行後の内容〕)

55

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

415

130

14222

15064

1

569

570

70

15

3 2353

2441

40

16 9

489

553

2265

901

108

816

4091

0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

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食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

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  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
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  • スライド番号 6
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  • スライド番号 14
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  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
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  • スライド番号 36
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  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 58: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

食品廃棄物等の発生量(平成21年度) 食品循環資源の再生利用等実施率(平成21年度)

資料 「食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者からの定期報告結果」及び「食品循環資源の再生利用等実態調査報告」による農林水産省統計部の推計結果より計算

食品廃棄物等の発生量は平成21年度で22718千トンとなっておりこのうち食品製造業が約8割を占めている

食品循環資源の再生利用等実施率は食品流通の川下に至るほど分別が難しくなることから食品製造業の再生利用等実施率は高いものの食

品卸売業食品小売業外食産業の順に低下している

登録再生利用事業者は平成23年末で208業者となっており再生利用事業別にみると肥料化事業が約6割となっている

平成19年度に措置された再生利用事業計画(食品リサイクルループ)については平成23年末で36件認定されている

(参考)食品リサイクル制度における取組の優先順位 ①発生抑制 ②再生利用(飼料化を優先) ③熱回収 ④減量

登録再生利用事業者数(平成23年12月末現在)

発生量合計 22718千トン

食品廃棄物等の再生利用等実施量(平成21年度)

296

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0 20 40 60 80 100

外食産業

食品小売業

食品卸売業

食品製造業

食品産業計

再生利用 熱回収 減量 再生利用以外 処分量

(単位千トン)

業 種 年 間 発生量 (千t)

業種別 実施率目標()

再生利用等実施率()

発生 抑制

再生 利用

(用途別仕向先)

熱回収 減量 飼料 肥料

エネルギー等

食品製造業 18449 85 93 8 71 77 18 6 3 12 食品卸売業 250 70 58 10 47 29 54 17 0 1 食品小売業 1348 45 36 6 29 48 34 18 0 1 外食産業 2672 40 16 3 11 31 32 37 0 3

食品産業計 22718 - 81 7 62 74 19 7 2 10

(注)1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である 2「再生利用以外」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床暗渠疎水材かき養殖用資材等である 3「登録再生利用事業者数」については事業別に集計しているため実際の登録数とは合致しない

飼料化55(26)

事業者数計 208業者

肥料化122(59)

炭化1(0)

油脂化20(10)

油脂製品化2(1) メタン化8(4)

食品製造業 18449千トン

(81)

食品卸売業 250千トン

(1)

食品小売業 1348千トン

(6)

外食産業 2672千トン

(12)

56

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

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食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

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  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
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  • スライド番号 8
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  • スライド番号 10
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  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
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  • スライド番号 48
  • スライド番号 49
  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
  • スライド番号 53
  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
  • スライド番号 57
  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 59: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

資料 「平成20年度食料需給表」(農林水産省大臣官房)

「平成22年食品循環資源の再生利用等実態調査報告(平成20年度実績(推計))」(農林水産省統計部)

「平成21年度食品ロス統計調査」(農林水産省統計部)隔年調査のため20年度実績なし

「一般廃棄物の排出及び処理状況産業廃棄物の排出及び処理状況等」(平成20年度実績環境省試算)

を基に食料産業局において試算の上作成

注1「エネルギー等」とは食品リサイクル法で定めるメタンエタノール炭化の過程を経て製造される

燃料及び還元剤油脂及び油脂製品である

2「その他(セメント等)」とは食品リサイクル法で定める再生利用手法以外のものでセメントきのこ菌床

暗渠疎水材かき養殖用資材等である

食品資源の利用主体

食品廃棄物等排出量 【発生量-減量量】 (2051万トン)

事業系廃棄物 (779万トン)

有価取引される製造副産物 大豆ミールふすま等

(1272万トン)

食品由来の廃棄物

(1851万トン)

① 食品関連事業者

食品製造業

食品卸売業

食品小売業

外食産業

うち可食部分と考えられる量 規格外品返品 売れ残り食べ残し

(300~500万トン)

うち可食部分と考えられる量 (500~900万トン) いわゆる「食品ロス」

飼 料 化 1120万トン

肥 料 化 284万トン

エネルギー等 93万トン

熱回収 56万トン

55万トン

1017万トン

家庭系廃棄物 (1072万トン)

うち可食部分と考えられる量 食べ残し過剰除去 直接破棄

(200~400万トン)

②一般家庭

食品リサイクル法における食品廃棄物等

食用仕向量 (8672万トン) 粗食料+加工用

(肥料エネルギー等)

その他(セメント等) 56万トン

焼却埋立 442万トン

(1553万トン)

(498万トン)

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食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

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  • スライド番号 1
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  • スライド番号 18
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  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • 1農林漁業の成長産業化
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
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  • スライド番号 50
  • スライド番号 51
  • スライド番号 52
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  • スライド番号 54
  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
  • スライド番号 56
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  • スライド番号 58
  • スライド番号 59
  • スライド番号 60
  • スライド番号 61
Page 60: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

食に対する消費者の信頼向上のため食品産業事業者や関連事業者との間でネットワークを構築し 食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけ こうした取組が取引先や消費者により適正に評価される機会が増えるよう促す

「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」を推進 FCPの基本的な考え方

食に対する消費者の信頼向上のためにはメーカー卸 小売等の業種を越えて意欲ある食品産業事業者等が フードチェーン全体の透明性向上に取り組み相互に情報 のやり取りを円滑化適正な評価を実現することが効果的 このため農水省は多様な関係者に「協働」の場を提供 社会的なコストを抑制し情報の信頼度を増す「標準化」な どの主体的な活動を促進

メーカー卸小売等の食品産業事業者を始め地方公共団体や金 融機関検査機関等との間でネットワークを構築情報意識を共有 (H24年2月末現在約1200社団体参加) H20年度には食品産業事業者の取組を開示し評価するための共 通の項目「協働の着眼点」の整理(延べ42回のワークショップに約 390名の食品産業事業者が自主的に参画) 共通項目「協働の着眼点」を活用してフードチェーンの透明性を高 め適正な評価機会を増やすための研究活動等を民間事業者等 が主体的に展開関係者の利害関係が複雑な「協働」の場は農水省 が運営(例えば消費者との効果的な対話手法の検討や商談会 出展者とバイヤーの間で伝達が必要な情報の標準化工場監査の 際に確認が必要な情報の標準化などがテーマ)

FCPの概要

H23年度の主な取組

H23年度には食品産業事業者等からのテーマ提案を受 け以下の研究活動を展開手あげ方式の参加でワーク ショップを開催協働作業を実施 (カッコ内はH24年2月末 時点での参加企業数) FCP普及戦略研究会(25社) アセスメント研究会(9社) 消費者との対話のあり方研究会(37社) 工場監査項目の標準化共有化研究会(40社) 商品情報の効率的なやりとり研究会(27社) マッチングフェア商談会の活用研究会(22社) 県との連携によりFCPの普及を推進 FCPの趣旨に賛同する都道府県の提案を受け各県独自 の課題解決に取り組む「地域ブランチ」の展開(H24年2月 末時点で9地域) 大学等との連携により実践報告情報共有を実施 FCPの仕組みを活用した実際のビジネス展開について情 報共有 各研究会の活動や地域ブランチの取組について情報共有 H22年度は東京大学食の安全研究センターと報告会を共催 58

(1) 消費者の信頼確保に向けた協働の取組 「フードコミュニケーションプロジェクト(FCP)」

12協働の枠組み(プラットフォーム)の構築

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

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  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
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  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
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  • 1農林漁業の成長産業化
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  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
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Page 61: 「食品産業の将来ビジョン」 参考資料集 · (参 考)穀物等の国際価格の動向(ドル/トン) 穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006年秋頃に比べ1.6~3.4倍の水準。

様々な知見の共有と創発によりイノベーションを進める場として産業連携のネットワークを構築現在産業界農林水産業界金融研究消費者行政等の多様な分野から600を超える団体企業個人が参画

(2) 産業連携ネットワーク

目指す姿

多 様 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 取 組 に よ る 知 恵 の 結 集

農林漁業の成長産業化

農林水産業界

ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築

ネットワーク事務局(農林水産省食料産業局産業連携課)

『 取 組 方 針 』

知の結集 幅広い分野の英知を結集して農山漁村に「パワー」を

知の結集を現場の「形」にする

「民間」が主体事務局(農林水産省)は多様なステークホルダーが参集する「場」を運営

課題解決型

協働

ネットワークへの参加 課題や問題認識の共有 農水省からの情報提供 darruarr

農水省への提案

課題ごとの交流検討の場への参加 【コラボレーションの場】 会員の提案による交流検討の場を設定(例) ものづくりのノウハウを農林水産業に活かすには 交流促進のために出来ることは何か 生産性向上を図る資材サービスの活用手法

Step 1 Step 2

全国への情報発信 広がりを持った取組へ

プロジェクトの実施 新たなビジネスモデルの構築 生産資材やサービスの生産 販売現場での活用

Step 3

当面のスケジュール

地方もブロックごとにネットワークを構築

2011年12月 設立総会 会員意向調査

2012年1月 意向調査集計 幹事会の開催 (運営方針の決定)

3月 交流会等の提案参加者募集 会員プロジェクトの活動開始 産業連携フォーラムの設置

5月以降 幹事会の開催 (活動報告等)

検証改善

プロジェクトの実践開始

詳細は農水省ホームページを参照してくださいhttpwwwmaffgojpjshokusansankisanrenhtml

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  • 4食品産業の業種別構造(関連産業)
  • スライド番号 24
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  • 1農林漁業の成長産業化
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  • (参考)食品等の放射性物質に関する関係省庁の対応
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