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「道路における建設資材調達に関する あり方検討委員会」 説明資料 令和元年11月29日 資料③

「道路における建設資材調達に関する あり方検討委員会 ... - …...23.0% 77.0% アスファルト合材 (再生合材) その他施工費用 34. 6% 23. %

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「道路における建設資材調達に関するあり方検討委員会」 説明資料

令和元年11月29日

資料③

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Ⅰ.アスファルト合材の生産・供給・流通状況について

Ⅱ.アスファルト合材の品質確保、技術開発について

1.アスファルト合材の生産・供給状況(生産又は使用量、価格等の動向)及びその変動要因

目 次

2.アスファルト合材の生産・供給体制及び流通体制(原材料調達状況、工場等での生産状況、輸送状況、保管状況等)

3.アスファルト合材の生産・供給等に係わる設備投資状況

4.アスファルト合材の海外での生産・供給状況と比較

5.アスファルト合材の全国各地での供給・流通体制(地域差など)

6.道路以外の他分野の利用(需要)の現状と見通し

1.再生材(リサイクル)の現状、見通し

2.高機能材料など技術開発の現状、見通し

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Ⅰ.アスファルト合材の生産・供給・流通状況について

1.アスファルト合材の生産・供給状況(生産又は使用量、価格等の動向)及びその変動要因

①アスファルト合材の生産量推移(出荷先別) 【図-1】参照2018年度の生産量は、約4,100万トンとなっている。1998年度と比較すると約4割減となっている。民間は、ここ10年増加傾向にあるが、公共は減少傾向にある。

②アスファルト合材の供給可能数量 【図-2】参照アスファルト合材プラントの全国の製造能力は約1億トン/年(2018年度)となっている。稼働率は、約40%(2018年度)となっており、供給能力としては余裕がある。

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【図-1】アスファルト合材生産量推移(出荷先別)

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

アスファルト合材生産量

民間

公共(道路以外)

高速

市町村(道路)

都道府県(道路)

国(道路)

( 万ton)

H10 H30H20

(出荷先)

( 年度)

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1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

製造能力 13,797 13,940 13,686 13,758 13,393 13,053 12,613 12,067 11,774 11,404 11,356 11,390 11,225 11,022 10,959 11,149 10,955 10,608 10,492 10,414

稼働率 51.8% 50.9% 50.7% 49.5% 47.6% 46.1% 45.7% 47.4% 46.6% 43.6% 43.8% 39.3% 40.7% 43.0% 45.7% 40.5% 38.3% 39.3% 40.1% 39.7%

13,797 13,940 13,686 13,758

13,393 13,053

12,613

12,067 11,774

11,404 11,356 11,390 11,225 11,022 10,959 11,149 10,955

10,608 10,492 10,414 51.8% 50.9% 50.7% 49.5%

47.6% 46.1% 45.7%47.4% 46.6%

43.6% 43.8%

39.3% 40.7%43.0%

45.7%

40.5%38.3% 39.3% 40.1% 39.7%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

3,000

5,000

7,000

9,000

11,000

13,000

15,000

製造能力

稼働率

製造能力(t/年)

稼働率(%)

【図-2】アスファルト合材供給可能数量4

(万t/年)

【製造能力(t/年)=時間製造能力/h×5時間×20日×12ヶ月 として算出】

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③アスファルト合材価格の構成 【図-3】参照ストレート・アスファルトは、原油の精製物でありその価格構成は、原油+精製費+輸送費等である。アスファルト合材に占めるストレート・アスファルトの価格費は、約23%(再生材)~35%(バージン材)となっている。なお、ストレート・アスファルトは、原油精製の蒸留残渣として発生していたが、精製技術の向上もあり2010年の「エネルギー供給構造高度化法」以降、目的生産物としてストレート・アスファルトを製造している。

④ストレート・アスファルト及びアスファルト合材の価格変動 【図-4】参照ストレート・アスファルト価格は、国際情勢等の影響を大きく受け、原油価格の変動に直接連動している。一方で、アスファルト合材価格は、原油価格及びストレート・アスファルト価格に追随しておらず、価格形成が安定してないと言える。

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【ストレート・アスファルト価格構成】

【アスファルト合材価格構成(バージン)】

【アスファルト合材価格構成(再生材)】

【舗装修繕工事における価格構成(バージン合材使用)】

【舗装修繕工事における価格構成(再生合材使用)】

【図-3】アスファルト価格の構成イメージ

(各グラフの比率は、材料種類、地域、運搬距離及び工事内容等の諸条件により変わります。)

62.0% 38.0%原油価格 諸経費(精製費・船運賃・基地経費・ローリー運賃・業者経費)

25.0% 75.0%

アスファルト合材(バージン合材)

その他施工費用

23.2% 15.8% 14.7% 6.3% 40.0%

砕石ストレートアスファルト 砂再生砕石

23.0% 77.0%

アスファルト合材(再生合材)

その他施工費用

34.6% 23.6% 11.8% 30.0%

ストレートアスファルト 砕石 砂その他(電力燃料費・プラント損料、修繕費、*一般管理費、運搬費等)

*利益は一般管理費に含みます。

その他(電力燃料費・プラント損料、修繕費、*一般管理費、運搬費等)

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1.原油価格ストレートアスファルト価格の推移

グラフ表示データ(経済調査会「積算資料」、建設物価調査会「建設物価」、世界経済のネタ帳「ドバイ原油価格の推移」のデータを加工)

2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 201826,200 27,000 29,300 41,700 53,800 60,250 80,960 53,330 72,580 84,170 87,290 95,330 93,170 80,750 63,330 67,000 77,25018,660 19,490 22,780 34,240 44,910 50,460 61,660 36,230 43,050 53,220 54,680 64,700 63,920 38,960 28,060 37,490 48,0505,900 5,900 5,950 6,480 7,080 7,291 8,590 9,350 9,410 9,500 9,500 9,790 10,130 10,200 9,800 9,400 9,100

※ (ストアス価格:東京地区)  (ドバイ原油価格) (再生密粒13mm:東京地区)

西暦アスファルト原油

(単位:円/t)

再生密粒13

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000

90,000

100,000

2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

平均単価

原油・アスファルト

アスファルト

原油

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

10,000

11,000

2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

平均単価

アスファルト合材(再生密粒13mm)

再生密粒13

平均単価(円/t)

平均単価(円/t)

【図-4】原油・アスファルトおよびアスファルト合材価格の推移

原油・ストレートアスファルト

ストレートアスファルト

原油

ストレートアスファルト

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⑤アスファルト合材価格の単価アスファルト合材の単価は、各社で材料ごとの原価の積み上げにより基本単価を算出し、販売先との交渉のうえ、最終単価を決めている。例えば、少量の取引先については、基本単価よりも高い単価となる傾向がある。また、地方部で生産量の少ない地域では、生産コストが上がるため、単価は高くなる傾向がある。

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2.アスファルト合材の生産・供給体制及び流通体制(原材料調達状況、工場等での生産状況、輸送状況、保管状況等)

①アスファルト合材の生産に必要な材料の調達状況

・ストレート・アスファルトの調達ストレート・アスファルトの国内製造元は、大手3社でほぼシェアを占めてる。国産のストレート・アスファルトは、原油を輸入し国内の精製所で製造しているため、原油価格の変動に影響され価格が安定しない。その他、例えば韓国産のストレート・アスファルトは、韓国の精製所で製造されたものを、日本の商社が保温装置付きタンカーで日本に輸送している。

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・骨材の調達骨材となる採石や砂は、アスファルト合材工場のある地域の山(採掘場)から調達しているが、採石場も減少傾向(ここ10年で約2割減少)にあり、年々品質が安定した製品の確保が困難となっている。したがって、遠隔地の採掘場から調達せざるを得ないことから運搬費が上がり、調達価格は上昇傾向にある。

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②プラント(工場)の基数の推移、搬送や保管の状況・課題

・プラント(工場)の基数の推移 【図-5】参照プラントは、1991年度の約2000基から2018年度の約1000基と半減している。

・輸送や保管の状況・課題アスファルト合材の現場到着温度を一定以上とするため、搬送時間は概ね1時間30分以内、搬送距離は20~30km圏内となる。なお、アスファルト合材のサイロによる保管は、材料の性質上長時間はできない。需要の減少により採算性が低下し、プラントの運営が厳しい地域もあり、今後、プラント閉鎖による搬送不能地域の発生の恐れもある。また、搬送ダンプの慢性的な不足が続いており、搬送コストが上昇している。

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【図-5】プラント(工場)の基数の推移12

1,963

1,782 1,726

1,652

1,531

1,335

1,197 1,158 1,145

1,043

0

500

1000

1500

2000

2500

1991

H3

1994

H6

1997

H9

2000

H12

2003

H15

2006

H18

2009

H21

2012

H24

2015

H27

2018

H30

プラント基数(基)

年 度

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3.アスファルト合材の生産・供給等に係わる設備投資状況

①新規プラント(工場)の建設・設備投資やそれに関する課題、事例紹介

プラントの老朽化が進んでいるが、新規プラントの建設は、需要の減少、建設コストの上昇などから困難となっている。対策として、近隣のプラントと採算性の維持を目的としたプラントの統廃合による協業化が進んでいる。

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4.アスファルト合材の海外での生産・供給状況と比較

①海外で生産されたアスファルト合材を日本で活用できるのか

アスファルト合材(加熱合材)は、温度管理の問題もあり、海外品の活用は現実的に難しい。アスファルト合材(常温合材)については、海外からの運搬は可能であるが、海外からの輸入手間と運賃で高価となり、輸入するメリットは少ない。

②海外で生産され日本で活用できるものはあるか

ストレート・アスファルトは、外国からの輸入実績がある。外国のストレート・アスファルトは、国産の価格と大きく変わらず、安定供給が常時可能かという懸念があるため、国産を主体とせざるを得ない。

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5.アスファルト合材の全国各地での供給・流通体制(地域差など)

地方部では、合材プラントの採算性の低下から、協業化(JV)が進んでいる。今後、プラント数が減少すると、供給が困難な地域が発生する可能性もある。価格については、需要の大きい都市部と需要の少ない地方部で異なり、例えば、東京都では8,500円/トン(再生密粒13の大口大型現着)、鳥取県では13,300円/トン(同)となっている。

6.道路以外の他分野の利用(需要)の現状と見通し

工場や民間施設の駐車場等の需要があるが、今後の需要予測は難しい。

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Ⅱ.アスファルト合材の品質確保、技術開発について

1.再生材(リサイクル)の現状、見通し

・アスファルト合材の再生材の活用状況

アスファルト合材は、99.5%リサイクルされている。道路舗装においては、概ねリサイクル材を利用している。リサイクル材の利用率は75%に達している。 【図-6】参照

・製品の品質を確保するための工夫

所定の品質を確保するために、再生材に新規の骨材とストレート・アスファルト等を混入している。

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【図-6】再生合材と新規合材の生産量の推移

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再生合材

新規合材

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

再生合材 39,107 41,671 43,392 43,800 42,280 41,442 40,554 41,473 39,813 36,393 36,234 32,573 33,253 34,781 37,992 33,725 31,858 31,648 31,527 30,971

新規合材 32,293 29,292 25,978 24,301 21,503 18,764 17,030 15,745 15,084 13,366 13,454 12,236 12,454 12,629 12,063 11,424 10,130 9,992 10,524 10,366

45.2%41.3%

37.4% 35.7%33.7%

31.2% 29.6% 27.5% 27.5% 26.9% 27.1% 27.3% 27.2% 26.6% 24.1% 25.3% 24.1% 24.0% 25.0% 25.1%

54.8%58.7%

62.6%64.3%

66.3%66.8%

70.4% 72.5%72.5%

73.1% 72.9%72.7% 72.8% 73.4% 75.9%

74.7%75.9% 76.0% 75.0% 74.9%

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000(千トン)

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2.高機能材料など技術開発の現状、見通し

①高機能化、高耐久化に向けた資材開発

これまで、社会のニーズに応えた以下の材料などを開発してきた。・排水性舗装(雨天時の路面排水性及び視認性の向上、路面騒音の低減)・遮熱性舗装(路面の温度低減)・保水性舗装(路面の温度低減)・中温化アスファルト混合物(製造温度の低減によるCO2の削減)・トップコート工法(舗装表面の強化)

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②今後の資材開発・常温合材は各社で開発されているが、非常に高価であるため、緊急補修用に用途が限定されている。今後、安価で耐久性のある常温合材の開発が課題となっている。・長寿命化に向けた材料の開発は推進しているが、初期コストと耐用年数、維持管理費用などを含めたライフサイクルコストの低減を実現することが課題となっている。

③ 施工機材の高機能化、新工法の開発日本道路建設業協会では、2017年度に i-Pavement推進本部を設置し、舗装工事の効率化・省力化・安全性の向上のためのICTの導入を積極的に進めている。 【写真-1】

④ 製品のプレキャスト化今後、舗装工事における生産性の向上等を図るため、積極的に取り組むべき課題として検討中である。

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【写真-1】ICT舗装の施工状況

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