2013/9/24

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角膜再生医療のあゆみ

京都府立医科大学

眼科

外園千恵

世界に誇る神戸の再生医療 平成25年9月5日 「角膜」とは・・・

眼球の最前面に位置する

ドーム状の透明な膜

手術前

術後視力 0.9

全層角膜移植術

•角膜混濁

•角膜の変形

全層角膜移植術では治らない角膜混濁がある・・・

角膜上皮幹細胞疲弊症

角膜上皮

•角膜上皮幹細胞が消失

•角膜上への結膜侵入

•通常の角膜移植では再建困難

結膜上皮

角膜上皮

幹細胞

難治性角結膜疾患（角膜上皮幹細胞疲弊症）

角膜上皮

Stevens-Johnson症候群 化学外傷・熱傷 眼類天疱瘡

医薬品副作用で発症 工事、実験中に発症 自己免疫疾患（免疫異常）

•角膜上皮幹細胞が広範囲に障害

•角膜上への結膜侵入による重度の視力障害

•通常の角膜移植では再建困難

視力回復による社会復帰をめざす

角膜の移植

再生角膜の移植 培養角膜上皮シート移植 1999年～

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羊膜上皮

基底膜

羊膜 amniotic membrane

• 子宮の最内層の膜

• 基底膜- IV,V型コラーゲン

• 一層の羊膜上皮細胞

羊膜

胎盤

８年

２年

瘢痕期の化学外傷に対する アロ培養角膜上皮シート移植

術前

Pre

アロ移植からオート移植へ

拒絶反応のリスク

日和見感染症、緑内障

全身合併症への危惧

拒絶反応を生じない

アロ移植

オート移植

自分のからだで治療できる

長期免疫抑制剤の服用

長期維持に壁がある

Amniotic membrane

Cultivation

(10 -14 days)

Feeder cells

(3T3 fibroblasts)

6-mm-diameter biopsy

Transplantation

Before operation

After operation

培養口腔粘膜上皮シート移植

(COMET) 2002年～

角膜上皮の再生医療

Stevens-Johnson症候群 化学外傷・熱傷 眼類天疱瘡

1. 羊膜を基質とした角膜上皮培養法

2. 家兎を用いた自家培養角膜上皮移植

3. 培養角膜上皮移植の臨床応用（1999年～） 4. 口腔粘膜上皮による角膜様上皮シートの作成

5. 患者自身の口腔粘膜を用いた培養粘膜上皮シート移植の臨床応用（2002年～）

TR9 再生医学的手法を用いた角膜疾患治療

2008年1月 先端医療振興財団 橋渡し研究支援プロジェクトに採用 プロジェクト責任者： 木下茂 京都府立医科大学

1. 試験物の名称：自家培養口腔粘膜上皮シート 適応疾患領域：難治性角結膜疾患（角膜上皮幹細胞疲弊症）

2. 開発目標 ①最終目標： 医療機器として市販化 ②本プログラムの目標： 先進医療としての承認

3. 開発ロードマップ

Ｈ20.4月 H21.4月 H23.4月 H22.4月

レトロスペクティブ調査

プロスペクティブプロトコル作成 先進医療

臨床研究準備

幹細胞臨床研究申請 臨床研究 実施

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① 上皮修復 ③ 癒着解除 ② 視力改善

9例9眼10移植 40例46眼47移植 21例22眼22移植

④ 悪性腫瘍（4例4眼6移植） ⑤その他 （1例1眼１移植）

合計 72症例81眼、86移植

急性期 瘢痕期 対象

Corneal reconstruction for vision improvement

40 cases (46 eyes, 47 surgeries) Number of surgeries

One eye (1 time) 33 cases

Both eyes (1 time for each) 6 cases

One eye (two times) 1 case

Stevens-Johnson

syndrome

17 cases, 21 eyes

Ocular

cicatricial

pemphigoid

9 cases,

10 eyes

Others 8 cases, 9 eyes

Idiopathic stem cell deficiency 3

cases, 3 eyes

Radiation keratopathy

1 case, 2 eyes

Graft-versus-host disease

1 case, 1 eye

Congenital aniridia

1case, 1 eye

Salzmann’s corneal degeneration

1case, 1 eye

Drug toxicity 1 eye

Eligible for COMET

(72 cases, 81 eyes, 86 surgeries)

Thermal/chemical

injury

6 cases, 7 eyes

Corneal reconstruction for the

management of acute phase persistent

epithelial defect (PED) 9 cases (10 eyes, 10 surgeries)

Conjunctival fornix reconstruction 21 cases (22 eyes, 22 surgeries)

Others 5cases (5eyes, 7surgeries)

Reconstruction of ocular surface after tumor

resection

4 cases (4 eyes, 6 surgeries)

Cosmetic

1 case (1 eye, 1 surgery)

上皮修復 視力回復

癒着解除

全症例の 臨床統計解析

ＳＪＳ

眼類天疱瘡

化学外傷

術前 術後（６Ｍ） 視力改善

指数弁 / 21 0.02 / 2

手動弁 / 19 0.2 / 4

指数弁 / 13 0.05 / 3 視力 / 眼表面スコア

ＳＪＳ

眼類天疱瘡

熱傷

術前 術後（６Ｍ） 上皮修復

他眼

pre

pre

術前

Stem Cell Protection ～ 上皮疲弊に至る前にレスキュー ～

post

post

術後早期 長期予後

癒着解除 角膜上皮の再生医療

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培養上皮シート移植の橋渡し • 臨床データ解析

• 試験物製造

• 非臨床試験

• 知財の管理

• ヒト幹申請⇒2012年2月承認

• 先進医療の申請（治験申請） ⇒ 2013年6月承認

• 臨床試験（治験実施）

– 登録、モニタリング、データマネジメント、統計解析

先進医療Ｂ

自己口腔粘膜及び羊膜を用いた培養上皮細胞シートの移植術

平成25年7月5日 受理

① スティーブンス・ジョンソン症候群（SJS） ② 眼類天疱瘡 ③ 重症熱・化学腐食

対象疾患

Erlangen Univ. (Germany) Prof. Friedrich E. Kruse

Yonsei Univ. (Korea) Assoc.Prof. Kyoung Yul Seo

Singapore National Eye Center (Singapore) Prof. Donald Tan

• Kyoto prefectural medical univ. • Institute of biological research

and innovation.・・・

Already launched

Under discussion

Candidate

Yonsei大学（韓国）でCOMET技術移転に向け、実務者打ち合わせを開始 Prof. Donald Tan（Singapore）、Prof. Elena Markova（Russia）とも協議中

角膜再建～日本発シーズのグローバル展開

Russian National Research Medical University (Russia )

Prof. Elena Markova

てき￥

医師による医学研究（従来型）

基礎研究

臨床研究

実用化

成果のフィードバック

再生医療の臨床研究

• 安全管理

• 製造管理

• 治療の標準化

• 臨床経過の評価と解析

• 適応と効果の明確化

～再生医療への期待～

治らなかった眼の病気が治るように

長期に治療効果が持続

誰でも受けられる治療へ広げる