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有機農業をめぐる事情 令和2年9月 生産局農業環境対策課 令和2年9月29日更新

有機農業をめぐる事情 - maff.go.jp...10,351 11,698 13,965 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 ニュージーランド 韓国 ブラジル 豪州 日本 オーストリア

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有機農業をめぐる事情

令和2年9月

生産局農業環境対策課

令和2年9月29日更新

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目次有機農業・有機農産物とは?有機農業が環境にもたらす効果に関する

研究・調査事例有機食品市場

①世界の状況 ・・・・・・・・・・②日本の状況 ・・・・・・・・・・

有機農業の取組面積①世界の状況 ・・・・・・・・・・②日本の状況 ・・・・・・・・・・

有機JAS認証取得農地 ・・・・・・・・・・有機JAS認証取得農産物の

国内外での格付状況 ・・・・・・・・有機食品の輸出の動向 ・・・・・・・・・・有機農業に取り組む生産者の状況 ・・・・・・有機農業に取り組む生産者の意識 ・・・・有機農業に取り組む生産者

(課題・経営状況) ・・・・有機農産物の出荷経路 ・・・・・・・・・・有機農産物の流通・加工業者の意識 ・・・・有機農産物の消費の動向 ・・・・・・・・有機農産物の価格の状況 ・・・・・・・・有機農業の推進に関する法律 ・・・・・・・有機農業の推進に関する基本的な方針

(令和2年4月改定)・・・・・・

・ ・ ・ 1

・ ・ ・ 2

・ ・ ・ 3・ ・ ・ 4

・ ・ ・ 5・ ・ ・ 6・ ・ ・ 7

・ ・ ・ 8・ ・ ・ 9・・・10・・・11

・・・12・・・13・・・14・・・15・・・16・・・17

・・・18

農林水産省による取組①有機農業の推進に関する予算 ・・・・・①有機農業の推進に関する予算(人材育成関係)①有機農業の推進に関する予算(人材育成関係)①有機農業の推進に関する予算(産地育成関係)①有機農業の推進に関する予算(産地育成関係)

平成30年度の“オーガニックビジネス実践拠点づくり”の事例

農林水産省による取組①有機農業の推進に関する予算(産地育成関係) ・①有機農業の推進に関する予算(バリューチェーンの構築関係)

①有機農業の推進に関する予算(輸出拡大) ・・“有機JAS認証等取得等支援事業”の事例 ・・・・・農林水産省による取組

②有機畜産の推進に関する予算 ・・③地方自治体の連携促進 ・・・・④諸外国の有機農業施策に関する研究 ・・・⑤優良な取組の顕彰 ・・・・・・

都道府県等における取組① ・・・・・都道府県等における取組② ・・・・・市町村等における取組 ・・・・・・有機農業の教育機関の事例 ・・・・・民間における取組 ・・・・・・・・研究機関における取組

技術開発・実用化に関する取組 ・・・・・

・・・19・・・20・・・21・・・22・・・23

・・・24

・・・25・・・26・・・27・・・28

・・・29・・・30・・・31・・・32・・・33・・・34・・・35・・・36・・・37

・・・38

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【食料・農業・農村基本法(平成11年法律第106号)と有機農業の関連】

第四条 農業については、食料その他の農産物の供給の機能及び多面的機能の重要性にかんがみ、農業の自然循環機能*2が維持増進されることにより、その持続的な発展が図られなければならない。

第三十二条 国は農業の自然循環機能の維持増進を図るため、農薬及び肥料の適正な使用の確保、家畜排せつ物等の有効利用による地力の増進その他必要な施策を講ずる。

*2:農業生産活動が自然界における生物を介在する物質の循環に依存し、かつこれを促進する機能のこと。

「有機農産物の日本農林規格(有機JAS)」には、化学的に合成された肥料及び農薬の使用を避けることを基本として、土壌の性質に由来する農地の生産力を発揮させるとともに、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した栽培管理方法を採用したほ場において、• 周辺から使用禁止資材が飛来し又は流入しないように必要な措置を講じていること

• は種又は植付け前2年以上化学肥料や化学合成農薬を使用しないこと• 組換えDNA技術の利用や放射線照射を行わないことなどが記載されている。

有機農業・有機農産物とは?

有機物

資源の循環多様な生物

健全な土

多様な生物健全な水環境

1

コーデックス委員会*1『有機的に生産される食品の生産、加工、表示及び販売に係るガイドライン(CAC/GL32-1999) 』によると、“有機農業は、生物の多様性、生物的循環及び土壌の生物活性等、農業生態系の健全性を促進し強化する全体的な生産管理システムである”とされている。*1:消費者の健康の保護、食品の公正な貿易の確保等を目的として、1963年にFAO及びWHOにより設置された国際的な政府間機関。国際食品規格の策定等を行っており、我が国は1966年より加盟。

我が国では、有機農業の推進に関する法律(平成18年法律第112号)において、“「有機農業」とは、化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業”と定義されている。

コーデックス委員会のガイドラインに準拠した「有機農産物の日本農林規格(有機JAS規格)」の基準に従って生産された農産物。この基準に適合した生産が行われていることを第三者機関が検査し、認証された事業者は、「有機JASマーク」を使用し、「有機」「オーガニック」等と表示ができる。

認証を受けていない農産物に「有機」「オーガニック」等の表示を行うことはできない

有機農産物

有機農業

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化学肥料・化学農薬の使用

削減による水質汚染防止等が

人々の健康や福祉につながる

令和元年8月28日(国)農研機構プレスリリース「(研究成果) 有機・農薬節減栽培と生物多様性の関係を解明」より

ハインリヒ・フォン・チューネン研究所(ドイツ連邦政府のシンクタンク)の報告

2019年、528の既往の調査文献における2,816件の有機農業と慣行農業の比較調査結果を整理し、有機農業では、水質保全、土壌肥沃度、生物多様性、地球温暖化防止(土壌炭素貯留)、土壌浸食防止、資源(窒素等)の利用効率、動物福祉の面で優位な差がある(有機農業の方が優良)旨整理。(https://literatur.thuenen.de/digbib_extern/dn060722.pdfをもとに農業環境対策課が整理)

環境保全型農業直接支払制度に関する第三者委員会(第11回、令和元年8月22日)資料より農業環境対策課取りまとめ

13,471 12,528

有機農業が環境にもたらす効果に関する最近の研究・調査事例

海外での有機農業の効果に関する研究事例化学肥料・化学農薬の使用削減による水質汚染防止等が人々の健康や福祉につながる

化学物質の水路への流出防止につながる

適切な土壌管理が気候変動の抑制につながる

生態系の維持・生物多様性に貢献できる

生態系の維持・生物多様性に貢献できる

適切な土壌管理が気候変動の抑制につながる

水田における栽培方法と生物群の多様性との関係

有機農業の地球温暖化防止効果の調査結果

有機農業が、生物多様性の保全や地球温暖化防止等に寄与するとの研究・調査結果が公表されている。

生態系の維持・生物多様性

に貢献できる

適切な土壌管理が気候変動

の抑制につながる

有機食品の購入が

持続可能な食料生産への

貢献につながる

IFOAM(国際有機農業運動連盟)による有機農業とSDGsの関係

持続可能な農業システムは

持続可能な食料生産

を促進する

化学物質の水路への

流出防止につながる

※IFOAMジャパンの資料をもとに農業環境対策課作成

(参考)

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512 768 896 1,408

4,224 4,864

6,272 7,424

15,936 16,896 17,408

26,240 29,568

39,936

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000

ブラジル中国韓国日本

ニュージーランドイギリス

豪州イタリアアメリカ

ドイツフランス

オーストリアスウェーデン

スイス

世界平均 1,638円(12.8ユーロ)

*1ユーロを128円に換算し作成

※FiBL&IFOAM The World of Organic Agriculture statistics & Emerging trends 2019をもとに、農業環境対策課作成

有機食品市場 ①世界の状況

※FiBL&IFOAM The World of Organic Agriculture statistics & Emerging trends 2008~2020をもとに、農業環境対策課作成

国別1人あたりの年間有機食品消費額(2018年)

(円*)

日本

世界の有機食品売上の推移

世界の有機食品売上は増加し続けており、2018年では約1,050億ドル(約11.6兆円/1ドル=110円)。米国の売上は5兆円超、独、仏、中国は1兆円超。日本は中国に次いでアジア2位、世界では13番目の有機食品市場規模。

ドイツやフランスでは、有機食品の売上げは一般の店舗が最大。フランスでは有機専門店での売上も上昇傾向。 1人あたりの有機食品消費額の世界平均は1,638円(12.8ユーロ)、スイスや北欧諸国で高い傾向。

198 422 996 1,567 1,816 2,317 2,436 2,945 3,247 3,398 4,458

10,351

11,698

13,965

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

ニュージーランド

韓国

ブラジル

豪州

日本

オーストリア

スペイン

スウェーデン

イギリス

スイス

イタリア

中国

フランス

ドイツ

アメリカ

*1ユーロを128円に換算し作成(億円*)

日本

51,967

※FiBL&IFOAM The World of Organic Agriculture statistics & Emerging trends 2020をもとに、農業環境対策課作成

国別の有機食品売上額(2018年)

欧州各国の小売業態別有機食品売上の推移

※FiBL&IFOAM The World of Organic Agriculture statistics & Emerging trends 2020をもとに、農業環境対策課作成

3,024

3,652

4,478

2,4972,874

3,096

1,215 1,396 1,566

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

5,000

2016年 2017年 2018年 2016年 2017年 2018年 2016年 2017年 2018年

仏(一般の店舗)仏(有機専門店)仏(直販その他)

フランス

5,4555,930

6,430

2,848 2,910 2,930

1,540 1,510 1,550

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

2016年 2017年 2018年 2016年 2017年 2018年 2016年 2017年 2018年

独(一般の店舗)独(有機専門店)独(直販その他)

ドイツ

(単位:百万ユーロ)

15.2 17.9 21.0 23.0 25.5 28.7 33.2 38.6

46.1 50.9 54.9 59.1

64.9 63.8 72.0

80.0 81.6 89.7

97.0 105.0

0102030405060708090

100110

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

(10億USドル)

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有機食品市場 ②日本の状況

推計年度 2009年 2017年①「ほとんどすべて「有機」を購入している」者の

一世帯当たり月平均有機食品の購入金額(円) 11,800円 10,750円 .

②「ほとんどすべて「有機」を購入している」者の割合(%) 0.90% 1.68% 注1

③ 日本全国の世帯数(世帯) 4,900万世帯 5,340万世帯 .

④ 日本全国の「ほとんどすべて「有機」を購入している」者の有機食品購入金額(円) 624億円 1,157億円 注2

⑤日本全国の有機食品市場規模の推計値(円) 1,300億円 1,850億円

我が国の有機食品の市場規模は、消費者アンケートにより、2009年に1,300億円、2017年に1,850億円と推計。 2017年の調査では、週に1回以上有機食品を利用する消費者は17.5%。

我が国の有機食品市場規模の推計状況 (消費者アンケートに基づく)

ほとんどすべて「有機」を購入している

9.6%

ほとんどすべて、「有機」

「減農薬」など、安全や

環境に配慮したものを

購入している。

29.6%

一部、「有機」「減農薬」

など、安全や環境に配慮

したものを購入している。

60.8%

ほぼ毎日

3.3%週に2~3回程度

5.7% 週に1回程度

8.5%

月に2~3回程度

9.1%

月に1回程度

6.5%

月に1回未満

12.1%

ほとんど利用

(購入・外食)

していない

54.8%

5,000円未満

42.6%

5,000円~10,000円未満

28.5%

10,000円~15,000円未満

11.5%

15,000円~20,000円未満

6.3%

20,000円以上 11.1%

有機食品の利用頻度(回答者4,530人)

有機食品の購入状況(回答者523人) 毎月の有機食品に利用している金額

「ほとんどすべて「有機」を購入している者」の有機食品の平均購入額10,750 円/月

週に1回以上有機食品を利用=17.5%消費者アンケート調査の結果

注1:17.5%×9.6% 注2:10,750円×12月×1.68%×5,340万世帯※2009年は、IFOAM ジャパン/オーガニックマーケットリサーチプロジェクトによる推計を、2017年は、農林水産省「有機食品マーケットに関する調査」による推計をもとに、農業環境対策課作成

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0

10

20

30

40

50

60

70

80

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 20180.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

1.4

1.6その他の面積(百万ha)

樹園地の面積(百万ha)

田畑の面積(百万ha)

草地の面積(百万ha)

全耕地面積に占める割合(%)

0.2%

0.6%

0.6%

2.7%

7.3%

9.1%

9.6%

15.8%

0% 2% 4% 6% 8% 10% 12% 14% 16%

日本中国

アメリカイギリスフランス

ドイツスペインイタリア 1,958千ha

2,246千ha

1,521千ha

2,035千ha

457千ha

2,023千ha

3,135千ha

11千ha

※FiBL&IFOAM The World of Organic Agriculture statistics & Emerging trends 2020をもとに、農業環境対策課作成

有機農業の取組面積 ①世界の状況

世界の有機農業の取組面積は1999年から2018年の間に約6.5倍に拡大し、2018年では71.5百万ha、全耕地面積に対する有機農業取組面積割合は約1.5%。田畑や樹園地は安定的に面積が拡大しており、近年永年草地の拡大が顕著。

有機農業の取組面積割合は、欧州諸国では高い一方、アメリカや中国は低く1%に満たない。 有機農業取組面積に対する栽培品目・地目別の割合について、日本は欧米に比べて田畑の割合が高く、草地の割合が低い。

耕地面積に対する有機農業取組面積と面積割合(2018年)

日本 ※取組面積(千ha)※日本は有機JASを取得している面積のみ計上

世界の有機農業取組面積および全耕地面積に占める割合

※FiBL&IFOAM The World of Organic Agriculture statistics & Emerging trends 2019をもとに、農業環境対策課作成

1.5

2004

21.8 22.3 21.9

38.0

48.2 48.3

3.5 5.1 8.0 10.812.013.3

0.9 2.0 3.2 4.6 4.9 4.70

10

20

30

40

50

草地

田畑

樹園地

2004年から2018年までの変化永年草地 約2.2倍田畑 約3.8倍樹園地 約5.2倍

世界の地目ごとの有機農地面積の変化

(百万ha)

※FiBL&IFOAM The World of Organic Agriculture statistics & Emerging trends 2020をもとに、農業環境対策課作成

(百万ha) (%)

2008 2012 2016 20182017

永年草地永年草地の面積(百万ha)

各国の有機農業面積に対する地目別の割合(2017年*)

*米国については2016年のデータ※米国はUSDA Certified Organic Survey 2016 Summaryをもとに、その他はFiBL&IFOAM The World of Organic Agriculture statistics & Emerging trends 2019をもとに、農業環境対策課作成)

49% 45% 54%41%

76%2%

25% 7%

1%

15%48%

29% 39%57%

9%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

米国 イタリア フランス ドイツ 日本

(有機JASのみ)

田畑 樹園地 草地(%)

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有機農業の取組面積 ~日本の状況~平成21年から平成30年の間に有機農業の取組面積は45%、そのうち有機JAS認証を取得している農地は20%増加。有機JAS取得農地の地目別の割合は、47%が普通畑、27%が田、13%が茶畑、8%が牧草地となっている。近年茶畑の面積が大きく拡大している。

※ 有機JAS認証取得農地面積は食品製造課調べ。有機JASを取得していない農地面積は、農業環境対策課による推計(注:有機JASを取得していない農地面積は、H21年、22~26年、27~30年度で調査・推計方法が異なる。また、都道府県ごとにも集計方法が異なる。)

※※ H30年度の有機農業の取組面積にかかる実態調査(農業環境対策課実施)の結果、複数の県で、H27年度以降の「有機JASを取得していない農地面積」が修正されたため、H30年12月より、H27年度以降の有機農業の取組面積合計値を修正。

*( )内の数字は各年度における我が国の耕地面積に占める有機農業取組面積の割合。

日本の有機農業の取組面積 有機JAS取得農地の地目別の面積割合

田 27%

普通畑47%

樹園地(茶畑除く)

4%

茶畑 13%

牧草地 8% その他 2%

▼有機JAS取得農地の地目別面積割合(H30)

2,961 2,863 2,825 2,898 2,964 2,977

4,924 4,940 4,879 4,955 5,096 5,076

1,129 1,170 1,326 1,421 1,599 1,814 804 948 803 968 970 814 118 122 122 124

161 168 9,937 10,043 9,956 10,366

10,792 10,850

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

H25 H26 H27 H28 H29 H30

その他

牧草地

樹園地(茶畑含む)

普通畑

(ha)▼有機JAS取得農地の地目別面積の推移

※農林水産省「有機農産物等の格付実績及び有機ほ場の面積」(食料産業局調べ)をもとに農業環境対策課作成

16,269

0

5

10

15

20

25

H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

23.7千ha(0.5%)*

16.3千ha(0.4%)*

20.4千ha(0.4%)*

有機JAS認証を取得している農地

有機JAS認証を取得してないが有機農業が行われている農地

H21→H30+ 45%

H21→H30+ 20%

(千ha)

(令和2年9月に平成30年度の県別有機JASほ場の面積が訂正されたことを反映)

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0100002000030000400005000060000700008000090000

北海道

青森県

岩手県

宮城県

秋田県

山形県

福島県

茨城県

栃木県

群馬県

埼玉県

千葉県

東京都

神奈川県

山梨県

長野県

静岡県

新潟県

富山県

石川県

福井県

岐阜県

愛知県

三重県

滋賀県

京都府

大阪府

兵庫県

奈良県

和歌山県

鳥取県

島根県

岡山県

広島県

山口県

徳島県

香川県

愛媛県

高知県

福岡県

佐賀県

長崎県

熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島県

沖縄県

全国

その他 茶畑 牧草地

樹園地 普通畑 田

有機JAS認証取得農地

有機JAS取得農地が各都道府県の耕地面積に占める割合(地目別、H30)※すべて農林水産省HP「有機農産物等の格付実績及び有機ほ場の面積」をもとに農業環境対策課作成

有機JASを取得している農地は、北海道が全国の約1/4を占め最大。東北や北陸では田が多く、東京近郊は普通畑が、西日本は普通畑や茶畑が多い。

都道府県別では、田では、耕地面積に占める有機JAS取得農地の割合は、一部を除き0.4%程度以下であるが、普通畑や樹園地では全耕地の1.0%以上の農地で有機JASを取得している府県も存在(鹿児島県の樹園地(茶畑を含む)では約4.4%が有機JASを取得)。

市町村単位でも、有機農業の取組が盛んな地域が存在。

0.00%0.50%1.00%1.50%2.00%2.50%3.00%3.50%4.00%

北海道

青森県

岩手県

宮城県

秋田県

山形県

福島県

茨城県

栃木県

群馬県

埼玉県

千葉県

東京都

神奈川県

山梨県

長野県

静岡県

新潟県

富山県

石川県

福井県

岐阜県

愛知県

三重県

滋賀県

京都府

大阪府

兵庫県

奈良県

和歌山県

鳥取県

島根県

岡山県

広島県

山口県

徳島県

香川県

愛媛県

高知県

福岡県

佐賀県

長崎県

熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島県

沖縄県

全国

有機JAS取得農地が各都道府県の耕地面積に占める割合(普通畑)

県別・地目別で見ると有機JAS認証取得農地だけでも、地目別では、有機ほ場

の面積が全耕地面積の1%以上を占める場合がある。

市町村単位では有機農業取組面積(有機JAS認証を取得していない農地を含む)が

全耕地面積の1%を超える市町村は 80(最も割合が高い市町村では、全耕地面積の7割以上が有機農地と回答)

畑地 樹園地(茶を含む)石川県: 3.0%大分県: 2.5%熊本県: 1.9%

鹿児島県: 4.4%宮崎県: 3.6%島根県: 2.2%

農業環境対策課調べ(平成30年度時点の状況について市町村より聞き取った結果)

平成30年。有機JAS認証取得農地の面積は食料産業局調べ(令和2年7月30日に石川県の地目別面積が修正されたことを反映済)。各都道府県の耕地面積(耕地及び作付面積統計(平成30年7月15日時点))に対する割合を、農業環境対策課が算定。

0.00%

0.10%

0.20%

0.30%

0.40%

0.50%

北海道

青森県

岩手県

宮城県

秋田県

山形県

福島県

茨城県

栃木県

群馬県

埼玉県

千葉県

東京都

神奈川県

山梨県

長野県

静岡県

新潟県

富山県

石川県

福井県

岐阜県

愛知県

三重県

滋賀県

京都府

大阪府

兵庫県

奈良県

和歌山県

鳥取県

島根県

岡山県

広島県

山口県

徳島県

香川県

愛媛県

高知県

福岡県

佐賀県

長崎県

熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島県

沖縄県

全国

有機JAS取得農地が各都道府県の耕地面積に占める割合(田)1.58%

0.00%

1.00%

2.00%

3.00%

4.00%

5.00%

北海道

青森県

岩手県

宮城県

秋田県

山形県

福島県

茨城県

栃木県

群馬県

埼玉県

千葉県

東京都

神奈川県

山梨県

長野県

静岡県

新潟県

富山県

石川県

福井県

岐阜県

愛知県

三重県

滋賀県

京都府

大阪府

兵庫県

奈良県

和歌山県

鳥取県

島根県

岡山県

広島県

山口県

徳島県

香川県

愛媛県

高知県

福岡県

佐賀県

長崎県

熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島県

沖縄県

全国

有機JAS取得農地が各都道府県の耕地面積に占める割合(樹園地(茶畑含む))

800

600

400

200

0

有機JAS取得農地面積(H30 各県別)合計: 2,625ha普通畑:1,734ha樹園地: 45ha牧草地: 74ha

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日本に輸入される有機農産物

* 各区分における国内総生産量に対する有機JAS格付数量の割合

有機JAS認証取得農産物の国内外での格付状況

区分別格付実績(国内)

総生産量に対する有機JAS(国内)の割合*(H30)

区分 総生産(千t)

格付数量(国内)(t)

有機JASの割合*

野菜 11,306 45,839 0.41%

果実 2,833 2,805 0.10%

米 8,208 8,635 0.11%

麦 940 766 0.08%

大豆 211 1,143 0.54%

緑茶(荒茶) 81.5 4,970 6.10%

▼日本に輸入される有機農産物の内訳(H30)

H30年度に国内で有機JAS認証を取得した農産物(格付けされた有機農産物)は年間約7万トンで、野菜が66%、米は12%。 国内の農産物総生産量のうち有機農産物が占める割合は、野菜は約0.4%、米や麦、果実は0.1%程度であるが、茶は6%を超

えており、大豆はH30年度に0.54%となっている。 海外から日本に輸入される有機農産物は年間約5万トン(国内格付け数量の約7割)で、大豆と果実が過半を占める。

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

H25 H26 H27 H28 H29 H30

野菜米果実緑茶(荒茶)大豆麦その他

(t)

▼有機農産物の区分別格付実績(H30)

▼有機農産物の区分別格付実績の推移(H25-H30)

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

H25 H26 H27 H28 H29 H30

大豆

果実

野菜

コーヒー生豆

その他

(t)

▼日本に輸入される有機農産物の推移(H25-H30)

※農林水産省HP「有機農産物等の格付実績及び有機ほ場の面積」をもとに農業環境対策課作成

野菜 5.9%

米 1.4%

果実45.9%大豆

26.4%

麦 4.4%

コーヒー生豆 6.6%

その他 9.5%

H30年度日本に輸入される有機農産物約5万tの内

野菜66.1%

米 12.4%

果実 4.0%,

緑茶 7.2%

大豆 1.6%その他 4.9%

H30年度格付実績

66,824 tの内

※農林水産省HP「有機農産物等の格付実績及び有機ほ場の面積」、作物統計調査「平成30年産工芸農作物の収穫量(茶)」をもとに農業環境対策課作成(令和2年9月に平成30年度の有機大豆の格付数量が訂正されたことを踏まえ記載修正)

(令和2年9月に平成30年度の有機大豆の格付数量が訂正されたことを反映)

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12

有機食品の輸出の動向

米国、EU加盟国、カナダ及びスイス向け有機食品輸出数量(同等性の仕組みを利用した輸出分)の推移

(参考)有機農産物の輸出にあたっては、輸出先国の残留農薬基準を確認しましょう。

※基準値は、調査時点の数値であり、その後変更されていることがあります。輸出前に輸出先国の関係法規を確認して下さい。

品目別の残留農薬基準値についてはこちら(食料産業局輸出促進課のページ)▶

JETROポータルサイト

輸出に関する各種情報

各 国 の 基 礎 的 なマーケット情報、規制を調べられます。

GFP農林水産物・食品輸出プロジェクト

輸出に取り組む農林漁業者、生産者団体、食品事業者の交流のための枠組み。

※農林水産省HP「同等性の仕組み等を利用した有機食品の輸出数量の推移」をもとに農業環境対策課作成※米国向け輸出数量は、2013年分まではレコグニションアグリーメントに基づき農林水産省から認定された認証機関が取りまとめた輸出実績のみを集計。

有機JASで認められている農薬でも、輸出する際は、輸出先国の残留農薬基準値の確認が必要です

39 188 142 215

399

729

974

0

500

1,000

1,500

2,000

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年

EU加盟国

米国

カナダ

スイス

(t)

1,244

品目 輸出数量

茶 754 t

こんにゃく 99 t梅加工品 48 t

味噌 84 t

しょうゆ 1,109 t

2018年の主な有機食品の輸出数量*

*米国、EU加盟国、カナダ及びスイス向け有機食品輸出数量(同等性の仕組みを利用した輸出分)の合計

<有機同等性が認められた場合>日本の事業者は、JAS法に基づく認定を受ければ(有機JAS認証を取得すれば)、外国・地域の有機認証を受けないで、「有機」と表示した農産物等の輸出が可能です。

<有機同等性が認められていない場合>日本の事業者は、外国・地域の有機認証を受けなければ、「有機」と表示した農産物等の輸出ができません。

2,278

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0

100

200

300

北海道

青森県

岩手県

宮城県

秋田県

山形県

福島県

茨城県

栃木県

群馬県

埼玉県

千葉県

東京都

神奈川県

山梨県

長野県

静岡県

新潟県

富山県

石川県

福井県

岐阜県

愛知県

三重県

滋賀県

京都府

大阪府

兵庫県

奈良県

和歌山県

鳥取県

島根県

岡山県

広島県

山口県

徳島県

香川県

愛媛県

高知県

福岡県

佐賀県

長崎県

熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島県

沖縄県

(戸)

有機農業に取り組む生産者の状況

* ( ) 内は総農家数に対する割合

有機農業に取り組んでいる農家数の推計(H22)

有機JASを取得している農家戸数(H30)

全国の総農家数 2,528,000 戸有機農業に取り組んでいる農家戸数 12,000 戸(0.5%)*

有機JASを取得している農家戸数 4,000 戸(0.2%)*

有機JASを取得していない農家戸数 8,000 戸(0.3%)*※新規就農者の就農実態に関する調査(H18, H22, H25, H28 全国農業会議所 全国

新規就農相談センター)に基づき農業環境対策課作成。本調査の調査対象は就農から概ね10年以内の新規参入者。

※新規就農者調査(農林水産省)によると、平成22年、平成25年、平成28年の新規参入者は、各々1,730人、2,900人、3,440人。

新規参入者における有機農業等への取組状況(H28)

*新規参入者とは、土地や資金を独自に調達(相続・贈与等を除く)し、新たに農業経営を開始した経営の責任者及び共同経営者

▼新規参入者のうち有機農業を実施する者の割合

全国の総農家数は2010年世界農林業センサス、有機農業に取り組んでいる農家戸数は、平成22年度有機農業基礎データ作成事業報告書、表示・規格課調べ

全作物で有機農業を実施

一部作物で有機農業を実施

平成22年 20.7% 5.9%平成25年 23.2% 5.7%平成28年 20.8% 5.9%

H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H303,815 3,994 4,009 3,838 3,812 3,634 3,660 3,678 3,718 3,782

▼全国の有機JAS取得農家戸数(戸)の推移

平成22年時点で有機JAS取得農家は約4,000戸、有機JASを取得せずに有機農業に取り組む農家は約8,000戸と推定。 新規参入者のうち有機農業に取組んでいる者は2~3割と高い傾向。 平成30年時点で有機JASを取得している農家数は、北海道、熊本県、鹿児島県で200戸を超えており、12道県で100戸以上。

総戸数は、経年的にはやや減少してきたが、平成26年以降増加に転じ、平成29年から30年にかけて64戸増加。

※農林水産省HP「登録認証機関及び認証事業者」「有機農産物等の格付実績及び有機ほ場の面積(H30年度)」をもとに農業環境対策課作成 10

県別の有機JAS取得農家戸数(H30)

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有機農業に取り組む生産者の意識

慣行栽培従事者の有機栽培等への取組の意向

今後(おおむね5年後)の栽培面積等の生産の意向

生産者が有機栽培や特別栽培等を実践している理由は、「消費者の信頼感を高めたい」が約7割で最も高く、「よりよい農産物を提供したい」が約6割。「地域の環境や地球環境を良くしたい」も約4割。

有機栽培や特別栽培等を行っている者で、今後(おおむね5年後)栽培面積の拡大を希望する者が約3割あるものの、現状維持(栽培方法も変わらない)も約5割と高い。

主に慣行栽培に取り組む農業者の約6割は、有機栽培や特別栽培等へ取り組みたいとの意向あり。

有機栽培または特別栽培等を実践している理由

出典:H27年度農林水産情報交流ネットワーク事業 全国調査「有機農業を含む環境に配慮した農産物に関する意識・意向調査」(平成28年2月)より

18.2 22.0

6.7

8.7

5.1

39.3

16.7

14.2

8.2

19.8

16.4

10.2

9.8

7.3

10.7

60.0%

66.4%

60.0%

35.6%

5.1%

29.1%

農薬・肥料などのコスト低減

消費者の信頼感を高めたい

よりよい農産物を提供したい

地域の環境や地球環境を良くしたい

需要が多い

無回答

行政、JA、周りの農業者等に勧められた

自身の健康のため

販売価格が高いため

その他

29.1%

21.3%

21.1%

15.3%

0.2%

14.2

9.88.4

6.4

4.7

3.1

6.4

7.3

4.2

n = 450

■ 1番目に選択■ 2番目に選択■ 3番目に選択

有機栽培や特別栽培等の面積拡大を希望

計 29.6%

有機栽培や特別栽培等の取組面積・栽培方法は

現状維持計 48.0%

有機栽培等及び特別栽培等へ取り組みたい計 55.1%

2.2 2.0

0.9

11

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有機農業に取り組む生産者(課題・経営状況)

品目単収

(kg/10a)単価

(円/kg)粗収益

(千円/10a)経営費

(千円/10a)所得

(千円/10a)作業時間

(時間/10a)(参考)

時間あたり所得

(円/時間)

慣行 3,986 90 357 140 217 173 1,254

有機 3,000 120 360 90 270 222 1,216

注) 慣行については、大臣官房統計部の「平成19品目別経営統計」におけるにんじん(千葉・冬)のデータを引用。有機については、NPO法人有機農業参入促進協議会が収集した1経営体(千葉県の露地にんじん作農家。調査年である2010

年の作付面積は50a)の経営データを引用した上で、協議会が調査していない農業機械や農業用自動車等に要する経費を、慣行と同額と仮定して経営費に加算して試算。

有機農業等の面積を縮小する理由

2.8

11.1

11.1

8.3

36.1

8.3

13.9

11.1

22.2

8.3

2.8

5.6

8.3

5.6

5.6

0 10 20 30 40 50 60

(50.0)

(36.1)

(30.6)

(30.6)

(13.9)

1位 2位 3位

労力がかかるため

収量や品質が不安定であるため

資材コストがかかるため

期待している販売価格水準となっていないため

販路の確保が困難であるため

有機農業経営と慣行農業経営の比較(露地ニンジン作の事例)

農林水産省「有機農業を含む環境に配慮した農産物に関する意識・意向調査結果」 (平成28年2月)より

(n=36人)

12

有機栽培や特別栽培等を行っている者が取組面積を縮小する際の理由は、「労力がかかる」が最大で、販売価格や販路開拓の課題よりも割合が高い。

有機と慣行とでの経営比較では、有機栽培で単収が下がっても、経営費を押さえ所得を確保している事例はあるものの、除草を含む作業時間が慣行栽培より長く、時間あたりの所得は慣行より不利となっている。

有機農業に取り組む者の労働時間、経営費は様々であるが、一定の単収を確保しつつ、労働時間や経営費を押さえた経営を行っている者もいる状況

有機農業者の経営の状況(有機タマネギ作の事例)

注) NPO法人有機農業参入促進協議会が収集した全国16経営体(経営規模は0.6a~50a)の経営データを下に農業環境対策課作成。

0

200

400

600

800

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000

労働

時間

(時

間/

10a)

単収(kg/10a)

単収と労働時間の分布(有機タマネギ栽培の事例)

0

100

200

300

400

500

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000

経営

費(

千円

/10a

)単収(kg/10a)

単収と経営費の分布(有機タマネギ栽培の事例)

もう1点あり(労働時間 1,010時間)

Page 15: 有機農業をめぐる事情 - maff.go.jp...10,351 11,698 13,965 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 ニュージーランド 韓国 ブラジル 豪州 日本 オーストリア

有機農産物の出荷経路 有機農業で生産された農産物は、消費者への直接販売が6割以上と最大で、次いで農協や集出荷業者の利用。

新規参入者の出荷先では、有機以外に取り組む者は農協出荷が最大であるが、有機農業に取り組む者では消費者へ直接販売が多い(なお消費者への直接販売に取り組む者では、所得が少ない者が比較的多い傾向)。

有機栽培等による農産物の出荷先

新規参入者の出荷先の割合等

0

20

40

60

農協

農協

以外

集出

荷団

卸売

市場

小売

業者

食品

製造

業・

外食

産業

消費

者に

直接

販売

出荷

先の

割合

(%

有農農業(n=594)有機以外(n=1636)

農林水産省「有機農業を含む環境に配慮した農産物に関する意識・意向調査結果」(平成28年2月)より

「全国農業会議所 平成28年度新規就農者の就農実態調査」を元に農林水産省(農業環境対策課)作成

所得額 消費者に直接販売

直接販売以外

100万円未満

42% 31%

100~200万円

40% 35%

n=150 n=388

※出荷額が最大の出荷先のみ集計 有機農業に取り組む新規参入者の最大出荷先の違いによる所得額の相違

13

Page 16: 有機農業をめぐる事情 - maff.go.jp...10,351 11,698 13,965 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 ニュージーランド 韓国 ブラジル 豪州 日本 オーストリア

有機農産物の流通・加工業者の意識

有機農産物を取り扱う上で求める条件

農産物を扱う流通加工業者の約2割は、有機農業で生産された農産物を取り扱っており、約4割は取り扱いを希望。取り扱う理由は、約8割が「安全」を挙げ、「環境」を理由とする者は約3割。

有機農産物を取り扱う上で求める条件としては、「一年を通して一定量が安定的に供給されること」が約6割でもっとも多く、「価格がもっと安くなること」は約3割。

今後の有機農産物等の需要については、約4割が拡大すると考えている。

有機農産物等の取り扱いの意向と取り扱っている(取り扱いたい)理由

出典:H27年度農林水産情報交流ネットワーク事業 全国調査 「有機農業を含む環境に配慮した農産物に関する意識・意向調査」(平成28年2月)

13.5

21.7

72.6

14.6

10.7

11.4

32.7

8.5

4.3

7.8■ 1番目に選択■ 2番目に選択■ 3番目に選択

32.7%

82.9%

56.9%

21.4%

21.7%

7.1

n = 281食味が優れていると思うから

安全だと思うから消費者が求めるものだから

環境に配慮した農業をしている農業者を応援したいから

付加価値の高い農産物で、収益向上が期待できるから

今後の有機農産物等の需要

現在取り扱っている

21.2%

取り扱いたいと思う

42.2%

取り扱いたいと

思わない35.9%

無回答0.7%

流通加工業者(n = 443)

拡大すると思う

44.7%

変わらないと思う

32.5%

縮小すると思う

2.7%

わからない

17.4%

無回答, 2.7%

流通加工業者(n = 443)

5.9

8.0

11.8

17.6

45.5

12.8

5.9

21.4

21.4

9.6

8.6

16.6

14.4

11.8

7.5

27.3%

30.5%

47.6%

50.8%

62.6%

0 10 20 30 40 50 60 70

1番目に選択2番目に選択3番目に選択

食味が優れていること

一年を通して一定量が安定的に供給されること

価格がもっと安くなること

生産履歴が明らかなこと

産地から供給量・時期等の正確な情報が発信されること

n = 281

14

Page 17: 有機農業をめぐる事情 - maff.go.jp...10,351 11,698 13,965 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 ニュージーランド 韓国 ブラジル 豪州 日本 オーストリア

ほぼ毎日 3.3%週に2~3回程度 5.7%

週に1回程度 8.5%月に2~3回程度 9.1%

月に1回程度 6.5%月に1回未満 12.1%

ほとんど利用(購入・

外食)していない

54.8%

有機食品の購入や外食等の頻度

週1回以上有機食品を利用17.5%

有機農産物の消費の動向

有機やオーガニックという言葉の理解度

正確に知っていた 3.7%

大体知っていた 29.1%

言葉は知っていたが、表示に関する規制

があるとは知らなかった 58.1%

言葉を知らなかった, 9.0%

オーガニックという言葉を知っている90.9%

出典:農業環境対策課 「平成29年度有機マーケットに関する調査」(平成30年7月)

有機食品の購入先 (複数回答)

9.4%

9.8%13.4%

15.5%

33.7%

33.8%

87.4%

ネット販売会社

農家から直接

自然食品店

百貨店

生協(店舗、宅配)

直売所

スーパー

生協(店舗・宅配)

農家から直接

購入経験のある有機食材 (複数回答)

17.4%24.1%24.5%

36.7%41.3%43.0%45.7%48.6%

62.5%

ジュース類

緑茶

小麦粉

果物類

みそ

豆腐

パン類

有機米

有機野菜

17.8%

17.8%

18.4%

31.7%

34.2%

31.7%

44.7%

46.1%

47.4%

47.8%

48.6%

54.3%

62.5%

63.9%

65.8%

79.5%

82.8%

86.0%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

環境に負荷をかけていない

おいしい

理念に共鳴できる

健康にいい

価格が高い

安全である

そう思う まぁそう思う

理念に共鳴できる

環境に負担をかけていない

購入している有機食品のイメージ(複数回答)

週に1回以上有機食品を利用する16歳以上の一般消費者を対象に調査 (n=523 )

国内の16歳以上の一般消費者を対象に調査 (n=4,530 )

有機野菜 スーパー

消費者の17.5%が、週に1回以上有機食品を利用(購入や外食)しており、約9割が有機やオーガニックという言葉を知っているものの、表示に関する規制の認知度は低い。

「週に一度以上有機食品を利用している」者では、(1)「有機野菜」を購入したことがある者が6割で最大。約半数がパン、豆腐、みそ等の加工品を購入している。(2)約9割がスーパーで有機食品を購入しており、農家から直接購入している者は約1割。(3)有機農産物に対するイメージは「安全である」「価格が高い」「健康にいい」が主だが、「環境に負担をかけていな

い」との回答も6割。

15

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品目 国産標準品(円/kg)

有機栽培品(円/kg) 比率(%)

根菜類 だいこん 204 315 155にんじん 394 685 174ばれいしょ 385 568 147

葉茎菜類 キャベツ 178 291 163ねぎ 669 960 143たまねぎ 296 536 181

果菜類 トマト 697 1,078 155ピーマン 959 1,793 187

資料:農林水産省大臣官房統計部「平成28年生鮮野菜価格動向調査報告」(平成29年3月)注)1.全国主要都市(21都市)の並列販売店舗における比較である。

2.有機栽培品は、有機JASマークを貼付した商品が該当する。

有機栽培品と国産標準品の販売価格比較(H28)

出典:H27年度農林水産情報交流ネットワーク事業 全国調査「有機農業を含む環境に配慮した農産物に関する意識・意向調査」(平成28年2月)

流通加工業者と消費者の有機農産物等を購入する場合の価格

同じ程度なら購入したい

(購入している)21.7%

1割高までなら購入し

たい(購入している)44.9%

2~3割高までなら購入

したい(購入している)27.5%

4~5割高以上でも購入し

たい(購入している)2.3%

無回答 , 3.7%

消費者(n = 738)

同じ程度なら扱いたい

(扱っている)29.5%

1割高までなら扱いたい

(扱っている)

31.7%

2~3割高までなら扱い

たい(扱っている)25.3%

4~5割高以上でも扱いたい

(扱っている)9.6%

無回答 , 3.9%

流通加工業者

(n = 443)

生産者の有機農産物等の販売価格への満足度

満足

10.9%

どちらかといえば

満足

54.3%

どちらかといえば満

足ではない

26.1%

満足ではない

8.7%

生産者(n = 92)

価格に満足

65.1%

有機農産物の価格の状況 有機栽培品(有機JASマークを貼付)は、国産標準品(慣行栽培品全体)より高価格帯で取り引きされており、一定

の付加価値が市場に認められている。

生産者の約65%は有機農産物等の販売価格について満足している。

流通加工業者や消費者では、1割高まででの価格を希望する者が過半。標準品から4~5割高以上の価格での取り扱いを希望する者は1割未満の状況。

16

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有機農業の推進に関する法律

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国(基本方針) 都道府県(推進計画)

第一条 目的この法律は、有機農業の推進に関し、基本理念を

定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、有機農業の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、有機農業の推進に関する施策を総合的に講じ、もって有機農業の発展を図ることを目的とする。

第二条 定義この法律において、「有機農業」とは、化学的に

合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業をいう。

第四条 国及び地方公共団体の責務(概要)国及び地方公共団体は、基本理念にのっとり、有

機農業の推進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。(以下略)

有機農業の推進に関する法律(平成18年法律第112号)

有機農業を推進するため、超党派による議員立法により「有機農業の推進に関する法律」(有機農業推進法)が平成18年12月に成立。

同法第6条に基づき、「有機農業の推進に関する基本的な方針」を平成19年に策定(平成26年に改定)し、有機農業者の支援、技術開発、消費者の理解と関心の増進、連携・協力体制の整備等を通じ、有機農業の取組拡大を推進。この状況を踏まえ、令和2年4月に本方針を改定。

第六条農林水産大臣は、有機農業の推進に関する基本

的な方針を定めるものとする。(以下略)

第七条都道府県は、基本方針に即し、有機農業の推進

に関する施策についての計画(推進計画)を定めるよう努めなければならない。(以下略)

基本方針において定める事項

1.有機農業の推進に関する基本的な事項2.有機農業の推進及び普及の目標に関する事項3.有機農業の推進に関する施策に関する事項4.その他有機農業の推進に関し必要な事項

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有機農業の推進に関する基本的な方針(令和2年4月改定) 新たな方針(令和2年4月30日公表)では、有機農業に係る人材育成、産地づくり、販売機会の多様化、消費者の理解の

増進、技術開発・調査等を通じ、有機農業の取組拡大を推進。

有機農業の取組拡大は、以下のような特徴から農業施策の推進に貢献。 農業の自然循環機能を大きく増進し、農業生産に由来する環境への負荷を低減、さらに生物多様性保全や地球温暖化防止等に高い効果を示すなど農業施策全体及び農村におけるSDGsの達成に貢献。

国内外での需要の拡大に対し国産による安定供給を図ることが、需要に応じた生産供給や輸出拡大推進に貢献。

基本的な事項

有機農業の拡大に向け、農業者その他の関係者の自主性を尊重しつつ、以下の取組を推進。 有機農業の生産拡大:有機農業者の人材育成、産地づくりを

推進。 有機食品の国産シェア拡大:販売機会の多様化、消費者の理解の増進を推進。

10年後(2030年)を目標年度としつつ、達成状況を随時確認し、5年後を目途に中間評価を行い見直しを検討。中間評価及び見直し

10年後(2030年)の国内外の有機食品の需要拡大を以下のように見通し。<国内の有機食品の需要>1,300億円(2009)→ 1,850億円(2017) → 3,280億円(2030)

< 有機食品の輸出額 >17.5億円(2017) → 210億円(2030)

推進及び普及の目標

この需要に対応し、生産および消費の目標として、以下を設定。【有機農業の取組面積】

23.5千ha (2017) → 63千ha (2030)【有機農業者数】

11.8千人 (2009) → 36千人 (2030)【有機食品の国産シェア】

60% (2017) → 84% (2030)【週1回以上有機食品を利用する消費者の割合】

17.5% (2017) → 25% (2030)

有機農業をSDGsへ貢献するものとして推進し、その特徴を消費者に訴求していくため、人材育成、産地づくり、販売機会の多様化、消費者の理解の増進に関しては、国際水準以上の有機農業の取組を推進。

調査や技術開発等は、国際水準に限らず幅広く推進。

推進に関する施策

※青太字は今次基本方針にて追加された施策

人材育成:就農相談、共同利用施設整備、技術実証、土壌診断DB構築、指導員の育成・現地指導等

産地づくり:拠点の育成、有機農業に適した農地の確保・団地化、地方公共団体のネットワーク構築等

販売機会の多様化:多様な業界との連携、物流の合理化、加工需要の拡大、有機認証取得時の負担軽減等

消費者の理解の増進:表示制度等の普及啓発、食育等との連携、小売事業者等と連携した国産需要喚起等

技術開発・調査:雑草対策、育種等、地域に適した技術体系の確立、各種調査の実施とわかりやすい情報発信等

18

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<対策のポイント>有機農業は、農業の自然循環機能を大きく増進させ、環境負荷を大きく低減するものであるとともに、その農産物の付加価値を高め有利販売につなげることができる取組であ

ることから、その面的拡大に向けた取組を支援します。

【令和2年度予算額 2,513(2,458)百万円の内数】【令和元年度補正予算額 100百万円の内数】

3 環境保全型農業直接支払交付金 2,360(2,360)百万円の内数

農業の持続的な発展と農業の有する多面的機能の発揮を図るために、農業生産に由来する環境負荷を軽減するとともに、地球温暖化防止や生物多様性保全等に効果の高い農業生産活動を支援。第2期対策から、支援対象取組や取組水準等を一部見直し、環境保全効果の高い取組への重点化を図る。

【事業の概要】化学肥料・化学合成農薬を原則5割以上低減する取組と合わせて地球温暖化防止や生物多様性保全等に効果の高い営農活動(有機農業の取組、カバークロップ(緑肥)の作付等)に取り組む場合に、追加的コストを支援

【有機農業の交付単価】

本制度は予算の範囲内で交付金を交付する仕組みです。申請額の全国合計が予算額を上回った場合、交付金が減額されることがあります。

【対象者】農業者の組織する団体、一定の条件を満たす農業者等【支援の対象となる農業者の要件】

▶ 主作物について販売することを目的に生産を行っていること▶ 国際水準GAPを実施していること

※ 指導や研修に基づく取組の実践です。認証取得を求めるものではありません。▶ 環境保全型農業の取組を広げる活動(技術向上や理解促進に係る活動等)に取り組むこと

持続的生産強化対策事業のうち1 有機農業推進総合対策事業 153(98)百万円

国 都道府県 農業者団体等

<3の事業の流れ>定額

市町村等

[お問い合わせ先]生産局農業環境対策課1、2の事業:03-6744-2114、3の事業:03-6744-0499

定額定額

国際水準の有機農業を実施していること※有機JAS認証取得を求めるものではありません。

1.人材育成2.産地育成

3.バリューチェーン構築

共同出荷

・指導員の育成・有機JASの技術習得・営農しやすい環境整備

・地域の状況に応じたビジネス実践拠点の育成強化 ・国産有機農産物の需要喚起

有機農業の面積拡大へ

我が国における国際水準の有機農業の取組を推進するため、① 有機農業指導員の育成② 新たに有機農業に取り組む農業者の技術習得等による人材育成③ オーガニックビジネスの実践拠点づくりによる安定供給体制の構築④ 国産有機農産物の流通、加工、小売等の事業者と連携した需要喚起等を支援。

<1の事業の流れ>

定額都道府県 (①の事業)

定額市町村、民間団体等 (②の事業)

定額、1/2 協議会、民間団体等 (③及び④の事業)

有機農産物・加工食品等の輸出拡大に向け、農業者等による有機JAS認証の取得、輸出向け商談、商品開発、農業機械リースの取組を支援。

グローバル産地づくり緊急対策事業のうち2 有機JAS認証、GAP認証取得等支援 令和元年度補正 100百万円の内数

<2の事業の流れ>

国 民間団体等定額 定額、1/2

農業者等

(関連事業)強い農業・担い手づくり総合支援交付金産地基幹施設等支援タイプにおいて優先枠を設定。

○ そば等の雑穀・飼料作物以外:12,000円/10aこのうち、炭素貯留効果の高い有機農業を実施する場合注)に限り、2,000円を加算。

○ そば等の雑穀・飼料作物:3,000円/10a

注)土壌分析を実施するとともに、堆肥の施用、カバークロップ、リビングマルチ、草生栽培のいずれかを実施していただきます。

農林水産省による取組 ①有機農業の推進に関する予算

19

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持続的生産強化対策事業のうち 有機農業推進総合対策事業農林水産省による取組 ①有機農業の推進に関する予算(人材育成関係)

○ 有機農業推進体制整備交付金国際水準の有機農業に取り組もうとする農業者の指導体制を整備するため、都道府県が、有機JAS制度等に

ついて農業者に指導・助言を行う人材(有機農業指導員)を育成する取組等を支援。

• 本交付金の対象となる取組 • 有機農業指導員・有機農業指導体制のイメージ 地域の熟練農業者や有機JAS認証事業者、有機JAS制度の

知見を有する民間事業者等、多様な専門性を持つ有機農業指導員が、分業・連携して、地域の農業者の多様なニーズに対応することも可

人材育成

【有機農業指導員の育成】国際水準の有機農業及び有機JAS制度の指導に必要な知識を、座学及び現場で習得するのに必要な経費を支援

【有機農業指導員の活動】指導員が農業者を訪問し、指導・助言を行うのに必要な経費等を支援

※有機農業指導員とは以下の①と②の研修等を受講し、有機JAS制度や栽培技術等について指導・助言を行う者①有機JAS検査員向け養成研修②ほ場実地検査を活用した現地講習

有機農業指導体制のイメージ

有機農業指導員の所属 指導対象普及指導員A JAS・技術・経営JA営農指導員B JAS(農産物)・技術(特に野菜)

●●市職員C JAS(農産物)

コンサル会社社員D JAS(農産物、加工)・経営農業者E JAS(農産物)・技術(特に水稲)

農業者F JAS(農産物、加工)・技術(特に野菜)

(ア)普及指導員等の都道府県職員(イ)営農指導員等の農業協同組合職員(ウ)市町村職員

(エ)民間企業の社員(オ)熟練有機農業者

(JAS取得かつ指導実績のある者)(カ)その他(指導農業士など)

地域の人材

20

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持続的生産強化対策事業のうち 有機農業推進総合対策事業

○ 有機農業新規参入者技術習得支援事業国際水準の有機農業に新たに取り組む農業者

が、国際水準の有機農業に関する技術的基準等を習得するため、有機JASに関する研修や初回のほ場実地検査(有機JAS認証検査)を受講・受検する取組を支援

農林水産省による取組 ①有機農業の推進に関する予算(人材育成関係)

○ 有機農地集約化試行支援事業新たに有機農業に取り組む農業者が

営農しやすい環境を整備するため、市町村等が、複数の耕作放棄地等をまとめ、有機的ほ場管理を行い、有機JASほ場に転換する試行的取組を支援

人材育成

イメージ1

複数の耕作放棄地等をまとめて、有機JASほ場に転換する取組を支援

耕作放棄地を有機JASほ場に転換することで、地域の再生に!

イメージ2 有機農業の農地をまとめることにより、必要な緩衝帯を削減。

有機

有機

有機

有機

慣行有機農業を行う圃場

緩衝地帯有機

21

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22

持続的生産強化対策事業のうち 有機農業推進総合対策事業農林水産省による取組 ①有機農業の推進に関する予算(産地育成関係)

産地育成

○ 有機農産物安定供給体制構築事業共同出荷

オーガニックビジネス実践拠点の発展状況に応じて、学校給食等を含む販路確保に向けた取組や生産・出荷拡大に必要な機械リース導入等を支援するとともに、実践拠点と実需者との商談や、各地の拠点に共通する生産・流通課題への対応、自治体ネットワークと連携した活動に関する取組を支援

供給拡大型

補助率:1/2

ビジネス化に向けて、安定供給のための生産・出荷拡大に必要な機械リース導入を含め支援

技術・経営ノウハウを提供

新規参入者転換者

実践拠点

熟 練 有 機農 業 者

JA

地方公共団体

流通業者・レストラン

・スーパー等

連携

加工業者

卸売業者有機ほうれん草の冷凍食品の取扱いを増やしたいから、産地をまとめたいなぁ…

今はサラリーマンですが、有機農業を始めたいです!

有機農業者のネットワーク

研修ほ場

オーガニックビジネス実践拠点づくり事業

販路確保型

補助率:定額

学校給食等を含む販路確保に向けた取組を含め支援

実践拠点の取組を支援

全国推進事業

ステージ移行

を誘導

オーガニックビジネスの拡大支援

産地間・自治体間の連携支援

1.オーガニックビジネス実践拠点づくり事業・有機農業者のネットワークづくり・学校給食等を含む販路確保に向けた取組・栽培技術や経営力向上に向けた研修会等の開催・生産・出荷拡大に必要な機械リース導入

等を支援。

2.全国推進事業① オーガニックビジネス拡大支援事業・オーガニックプロデューサーの派遣・実践拠点と実需者との円滑な商談を促す取組

を支援。② 産地間・自治体間連携支援事業・雑草対策などの生産技術課題への対応実証・流通の効率化など流通技術課題への対応実証・自治体ネットワークと連携した活動を支援。

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過年度の各地域の取組内容は次ページ参照

【販路確保型】

1 かわにし有機農業推進協議会

2 もがみオーガニックビレッジ協議会

3 南陽市有機農業推進協議

4 千葉県有機農業推進協議会

5 さがみサスティナブルコミュニティ

6 小田原有機の里づくり協議会

7 若狭小浜オーガニック推進協議会

8 とやま有機・エコ農業パワーアップ協議会

9 知多の恵み

10 神戸有機農業者CSA推進協議会

11 神戸オーガニック・エコ農業推進協議会

12 丹波市有機の里づくり推進協議会

13 那賀地方有機農業推進協議会

14 大阪オーガニック・エコ農業推進協議会

15 茨木オーガニック農業推進協議会

16 小松島市生物多様性農業推進協議会

17 さぬきオーガニック

18 高知オーガニック

19 くまもと有機農業推進協議会

20 宮崎県有機農業連絡協議会

21 かごしま有機農業推進協議会

【供給拡大型】1 自然と共生する里づくり連絡協議会

2 株式会社いかす

3 名古屋オーガニックアクション協議会

4 生活協同組合コープ自然派奈良

5 京都オーガニックアクション協議会

6 株式会社コミュニティファーム

7 有限会社かごしま有機生産組合

8 株式会社いけちゃん農園

13

1256

39

12

10

11

13

1415

4

5

6

16

17

18

19

207

8

21

2

持続的生産強化対策事業のうち 有機農業推進総合対策事業農林水産省による取組 ①有機農業の推進に関する予算(産地育成関係)

産地育成

○ 令和2年度オーガニックビジネス実践拠点づくり事業実施地域・主体共同出荷

オーガニックビジネス実践拠点連携セミナー

実践拠点づくりに取り組んでいる全国各地の事例等を共有する、オーガニックビジネス実践拠点連携セミナーも開催。

← 令和元年度セミナーの資料はこちら

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自然と共生する里づくり連絡協議会(千葉県いすみ市)

新規参入・転換者3名を対象に、熟練農業者による栽培指導を7月~12月の間実施。

▲太陽熱養生処理実習の様子

▲ 農業体験を通じた環境教育

《取組の特徴》

《取組の成果》 《取組のポイント》

・新規就農者・転換者対象の土づくり実証や栽培指導の実施

・学校給食への有機野菜導入 等

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0

5

10

15

20

25

29年 30年

米 野菜

(米)

(野菜

)

有機の取組面積

学校給食において、地場産有機米全量使用に続き、地元直売所と連携した地場産有機野菜の供給体制を構築。

(ha) (ha)

とやま有機・エコ農業パワーアップ協議会(富山県)

生産者等の理解を深めるため、水田除草機の実演会を開催するとともに、実証ほを設置し、除草効果や収量への影響を検証。

▲ 水田用除草機の実演会

▲ 県内スーパーの顧客を対象とした生き物調査

《取組の特徴》

《取組の成果》 《取組のポイント》

・実証ほの設置・技術研修会の開催・ニーズ調査や産地育成指導による販売力の強化 等

480

490

500

510

0

50

100

150

200

250

27年 29年面積

うち有機JAS取得面積

生産量

首都圏の実需者のニーズの高い品目や価格等の情報収集を実施。また、首都圏のアドバイザーを産地に招き、有機農産物の県外出荷や加工販売のポイントについて学ぶ産地指導を実施。

(ha)(t)有機の取組面積・生産量

▲集荷拠点づくり

京都オーガニックアクション協議会(京都府)

▲生産者同士の技術研鑽

《取組の特徴》

《取組の成果》 《取組のポイント》

0

10

20

30

40

0

10

20

30

40

50

60

事業開始時 H30年度末

有機面積 取組生産者数

(人)(ha)

・共同物流便運行と農産物生産販売計画・取引データ共有

・生産者/実需者の意見交換会および相互訪問 等

farmOを活用し、会員80名のうち、30名が生産や受発注の状況を共有し、実需者が共同購入。

メンバーの業者が連携し、集荷ステーションを設置することでシェア物流便を運行を開始し、物流コストや労働力の低減を目指す。

有機の取組面積・取組人数

▲ 県内外での調査の様子

宮崎県有機農業推進協議会(宮崎県)

有機農業の先進事例を調査し、現在事例集を作成中。

▲ 実証ほの設置

《取組の特徴》

《取組の成果》 《取組のポイント》

・転換者等を対象にした技術実証展示ほの設置・県内農家800名以上を対象に有機JAS認証取得

意向アンケートを実施し、取組をより効果的に 等

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0

2

4

6

8

29年 30年

面積

生産者数

(人)(ha)

有機農業を始める方を対象に、有機栽培技術実証展示ほ(ゆず等)を設置し、8~3月の間栽培指導を実施。

有機の取組面積・取組人数

24

各地の取組事例集はこちら▶平成30年度の“オーガニックビジネス実践拠点づくり”の事例

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持続的生産強化対策事業のうち 有機農業推進総合対策事業 産地育成 共同出荷

○ 生産技術課題・流通技術課題対応実証の事例(令和元年度全国推進事業)有機農業に取り組む際に大きな作業負担となっている雑草対策(除草、抑草等)の実証の取組を支援。▼水田での実証 ▼畑地での実証

有機農産物の流通面の課題(個々の産地だけではロットが小さく流通量が不安定で高コスト等)に関し、流通量の安定化、流通コストの軽減等に向けた実証の取組を支援

より詳しくはこちら →※令和元年度オーガニックビジネス実践拠点連携セミナー(R2.1.31開催)

一般社団法人 日本有機農産物協会作成資料(有機農産物安定供給体制構築事業 産地間・自治体間連携支援事業のうち自治体ネットワーク構築及び流通技術課題対応実証支援事業)より抜粋

農林水産省による取組 ①有機農業の推進に関する予算(産地育成関係)

25

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持続的生産強化対策事業のうち 有機農業推進総合対策事業バリューチェーン構築

○ 国産有機農産物バリューチェーン構築推進事業国産有機農産物の新たな市場を創出していくた

め、流通、加工、小売等の事業者と連携し、国産有機農産物の消費者需要及び加工需要を喚起する取組を支援。

1.国産有機サポーターズ活動推進事業有機食品に対する消費者需要を喚起するため、国産有

機農産物等を取り扱う小売等の事業者と連携して行う取組事例集作成やワークショップの開催などを支援。

2.国産有機加工食品バリューチェーン構築推進事業国産有機農産物の加工需要を拡げるため、有機加工

食品のJAS規格の説明や加工の取組事例を紹介する講習会の開催などを支援。

3.実需者等理解増進活動支援事業有機農業に対する消費者等の理解を促すため、有機農

業や有機食品に関わる多様な民間事業者に対し、有機農業や表示制度等の研修等により、国産有機農産物の理解者として育成する取組を支援。

観光業

加工業者

最近有機食品が人気みたいね。今夜はうちも有機野菜にしようかしら・・

新たな消費の喚起関連産業の成長

国産有機農産物サポーターの取組を・広く紹介します。・増やします。

小売店

有機加工食品に挑戦してみよう!

商品企画担当者

飲食店

材料に国産有機農産物等を使っています!

国産有機サポーター

国産有機農産物って最近よく聞くから、研修を受けて国産オーガニック関係の企画を考えてみよう!

有機農業の特徴、有機食品の表示制度等の情報を伝達

関連産業の成長

・有機加工食品のJAS規格の説明や加工の取組事例を紹介する講習会開催

販路が広がったし、もっと作付を増やそうか!

産 地

国産有機サポーター

本事業のイメージ( の取組を支援)

26

農林水産省による取組 ①有機農業の推進に関する予算(バリューチェーンの構築関係)

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農林水産省による取組 ①有機農業の推進に関する予算(輸出拡大)グローバル産地づくり緊急対策事業のうち 有機JAS認証、GAP認証取得等支援

商談会等へ出展認証の取得

農産物等を輸出するぞ!

農業者等の取組を支援

認証取得、商談の実施等により海外との取引先確保

輸出拡大

○事業イメージ

○成果の周知

事例集は農水省HPへ掲載

有機農畜産物等の輸出拡大に向けて、農業者等や食品製造事業者が行う、有機JAS認証の取得(必須)、商談(必須)、商品開発及び機械等のリース導入の取組に対して必要な経費を支援。

○支援対象者① 農業者、農事組合法人、農地所有適格法人、

農業協同組合等の農業者の組織する団体又は農畜産物の生産を行う事業者

② 有機加工食品の製造に取り組む事業者③ 協議会(構成員に農業者等及び食品製造事

業者、流通・販売事業者等のいずれかが含まれていること)

農業者 + 食品事業者 流通・販売事業者or※③のイメージ

27

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28

日置市有機・輸出茶研究会(鹿児島県日置市)

《取組の特徴》

《取組の成果》 《取組のポイント》

・有機茶園の団地化・新たな商品「抹茶スティック」の開発 等

中山間地に点在する小規模茶園の有機団地化により、農薬飛散リスクを低減するとともに、天敵やフェロモン剤を活用した防除技術の実証に取り組むことで有機茶の生産安定につなげた。

海外での需要が高い抹茶の販売に向け、新たな商品「抹茶スティック」を開発。簡便な飲用形態を提案することで、国内の消費低迷にも対応。

株式会社GreenMind(兵庫県三田市)

《取組の特徴》

《取組の成果》 《取組のポイント》

米の海外でのブランド価値向上とベビーフードの海外需要に応えるため、輸出を目指し有機JAS認証を取得

多言語による商談リーフレットの作成 等

国産米および米加工品の国内外での競争力と価値を高めるために、有機JAS認証を取得。

有機JAS認証取得面積

・海外輸送に適した商品の試作・現地輸入業者との商談等よる販路拡大 等

ヤマキ醸造株式会社(埼玉県神川町)

《取組の特徴》

《取組の成果》 《取組のポイント》

海外の方でも使いやすい味噌だれ等の商品開発に取り組み、試作品を各国のバイヤーに提供し好評価を得た。

輸出先の規制に適合する包材を作成し、有機JAS認証を取得予定。

30年度に、オーストラリア、フランス、ドイツ、デンマーク、ベルギー、オランダの現地輸入業者と商談。日本の食品輸出EXPO(幕張)にも出展。計235件の商談を行い販路を拡大。

有機加工食品の生産量・輸出金額

0

5

10

15

20

29年 30年 31年

有機JAS認証取得面積(ha)

青紫蘇農場株式会社(熊本県合志市)

《取組の特徴》

《取組の成果》 《取組のポイント》

・紫蘇の生産から紫蘇を使用した加工品の開発~加工・販売・輸出を行う・EU,アジア圏への輸出に向けて商談会への出展や商品開発 等

輸出国の基準に合わせた原材料の選定を行い、加工食品(ドリンクや麺類)や加工用素材(エキスや粉末)を開発。原材料の供給増大に対応し、有機圃場を拡大。

輸出量・輸出金額

一番茶単価(2019年)

1,314円(慣行比121%)

国際的に通用する有機JAS認証の取得に加え、多言語による商談リーフレットの作成を行い、国産米と日本の伝統的離乳食文化を発信。

▲ 商談用多言語リーフレット

▲チャトゲコナジラミ天敵の導入

0.0

0.5

1.0

1.5

28年 30年

(ha)

各地の取組事例集はこちら▶

138

140

142

144

146

148

150

650

660

670

680

690

700

29年 30年見込

有機JAS認証取得加工食品の輸出量

輸出金額

(万円)(kg)

紫蘇の加工食品・加工用素材をEU圏へ輸出するため、国内外バイヤーが集まる商談 会 (FOODEX やSMTSなど)へ出展。

▲ 商談会出展

▲ 商談会の様子

4,000

4,200

4,400

4,600

4,800

5,000

680

700

720

740

760

780

800

28年 30年

有機加工食品の生産量

輸出金額

(万円)(t)

“有機JAS認証等取得等支援事業”の事例

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【交付金単価】(ア) 飼料作付面積 1.5万円/1ha(イ)有機飼料作付面積 1.5万円+3万円/1ha(追加交付)

【事業の内容】

2 畜産生産力・生産体制強化対策事業 900(1,383)百万円の内数1 環境負荷軽減型酪農経営支援(エコ酪事業) 6,183(6,285)百万円

環境負荷軽減型酪農経営支援事業

(ア)ふん尿の還元に必要な飼料作付面積を確保しながら環境負荷軽減に取り組んでいる酪農家に対し、飼料作付面積に応じて交付金を交付。

(イ)有機飼料生産の取組に交付金を追加交付。【対象者】

・飼料作付面積が北海道で40a/頭以上、都府県で10a/頭以上・環境負荷軽減に取り組んでいること(9メニュー(※)から2つ選択)

目的 取組メニュー(※)

資源循環促進 ① 堆肥の適正還元の取組② 国産副産物の利用促進③ スラリー等の土中施用④ サイレージ生産の適正管理

地球温暖化防止 ⑤ 温室効果ガス放出量削減の取組⑥ 化学肥料利用量の削減⑦ 連作防止の実施⑧ 放牧の実施

生物多様性保全 ⑨ 農薬使用量の削減

堆肥 施肥設計

有機飼料生産の取組

(追加交付)

国 民間団体等定額

【事業の流れ】

【事業の内容】放牧、未利用資源を利用する取組を支援するとともに、有機畜産物生産の普及の

取組を支援。

[お問い合わせ先]生産局飼料課

(03-6744-7192)

うち、国産飼料資源生産利用拡大対策

■ 現状で有機の飼料生産に近い生産体系にある放牧の取組を有機畜産に発展させるための事例調査

■ 有機飼料の生産・供給の拡大に向けた意向調査・検討会の開催

■ 放牧等により生産された有機畜産物の普及・消費者理解醸成を図るためのセミナーの開催

有機飼料の生産・利用に係る技術的課題を解決し、放牧による有機畜産物生産を拡大するため、以下の取組を実施。

【補助率:定額】

肉用牛・酪農基盤強化対策(放牧活用型)のうち放牧活用型有機畜産推進事業の内容

環境負荷軽減型酪農経営支援推進事業

〇 取組メニューごとに効果を測る指標を設定し、取組実績に応じた効果を測定〇 生産者は、効果の測定に必要なデータを提出(例:堆肥施用量、放牧日数、農薬使用量等)

【事業の内容】

【事業の流れ】

国都道府県協議会

生乳生産者定額

定額

(1の事業)

(2の事業)

[お問い合わせ先]生産局畜産企画課

(03-3502-0874)

環境負荷軽減型酪農経営支援事業の実施のための推進活動、要件確認、事業効果の測定等に必要な経費に対して補助。

29

農林水産省による取組 ②有機畜産の推進に関する予算

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
エコ酪修正内容(R2.2.6) ・金額をR2年度概算決定に修正 ・【対象者】の2ポツ目:9メニュー(※)から選択 → 9メニュー(※)から2つ選択
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有機農業と地域振興を考える自治体ネットワーク先進自治体の事例を後発自治体が学び、有機農業推進上の課題の解決や、取組の効果増大に資するため、自治体間を直接結ぶネットワークを構築

有機農業を生かして地域振興につなげている又はこれから取り組みたいと考える市町村や、このような市町村をサポートする都道府県、民間企業の情報交換等の場を設けるため、令和元年8月1日に「有機農業と地域振興を考える自治体ネットワーク」を立ち上げ、地方自治体での有機農業推進の取組を促進。

30

会員名簿や自治体ネットワークに関する情報はこちら→

有機推進市町村

有機推進市町村

有機推進市町村

今後有機を推進したい

市町村

今後有機を推進したい

市町村

民間企業都道府県 民間企業都道府県

情 報 交 換

会員間の相互の交流や

進情 報 提 供

★参加は随時受付中★お問合せ先:農林水産省生産局農業環境対策課

Tel 03-6744-2114

新規参入者のうち有機農業を実施する者の割合

全国の市町村における有機農業により生産された農産物の販路確保のための取組状況(H30調査)

取り組んでいる 5%

取り組んでいない91%

未回答 4%• 都道府県による推進活動は多く取り組まれているが、市町村の取組は偏在しており、参考となる事例の入手が困難。

• 慣行農業と比較すると、収量や品質、販路確保等の課題が多岐にわたり、市町村のみでの解決が難しい。

• 就農者確保の可能性(農業への新規参入者は有機農業志向)• 交流やライフスタイル等に生かし、地域振興につながる可能性

推進上の課題

推進により期待される効果

20.7 23.2 20.8

5.9 5.7 5.9

0

10

20

30

H22 H25 H28

全作物で実施(%)

一部作物で実施(%)

有機 自治体ネットワーク 検索

農林水産省による取組 ③地方自治体の連携促進

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農林水産政策研究所の委託研究において、2018年度から3年間、2つの共同グループによる「世界の有機食品市場の動向を踏まえた我が国の有機食品市場の見通しに関する研究」を実施中。

2019年7月にはセミナーを開催し、研究者による本研究の中間報告や在日フランス大使館農務副参事官によるフランスの有機農業に関する状況について発表。

研究概要

立教大学 大山利男准教授

日本の有機農業・有機食品市場の動向と規模を定性的・定量的に把握し、今後の市場動向や有機農業施策の展開方向を展望する。

目的

研究総括者

主な研究内容

・欧米諸国の有機農産物・食品の統計データ分析・国内の有機農産物・食品の生産と市場に関する動向分析

目的

研究総括者

主な研究内容

EU諸国の有機関連政策・制度のリスト化等を行い、我が国と比較・分析し、差違を明確にした上で、我が国に必要とされる施策の要点や枠組の提言を行う。

欧米の有機農業政策及び国内外の有機食品市場の動向と我が国有機農業及び食品市場の展望

有機農産物及び食品の生産振興の諸条件の解明:EUの分析と我が国への示唆

名古屋大学 香坂玲教授

・EU諸国の有機関連政策・制度のリスト化・EUにおける有機産品・食品の供給側の参入条件の解明・EUと比較した我が国の有機産品・食品の供給側の参入条件の解明

テーマ

テーマ

研究内容等の詳細情報はこちら▶

セミナー「EUの有機食品市場の動向と有機農業振興のための戦略」

日 時:令和元年7月26日来場者:121名(生産者、流通・卸関係者、研究機関、大使館など)

2つの研究グループによる初年度の成果の報告とあわせ、在日フランス大使館農務副参事官に御登壇いただき、フランスの状況についてプレゼン。

主なプログラム

「欧州諸国の有機食品市場とデータ収集における課題」(立教大学 大山准教授ら)

「EUの有機農業振興のための戦略~我が国への示唆」(名古屋大学 香坂教授ら)

”State of Organic Agriculture in France” (在日フランス大使館 ガエル・テヴノ農務副参事官)

当日の意見交換の様子当日の資料はこちら▼

農林水産省による取組 ④諸外国の有機農業施策に関する研究

31

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未来につながる持続可能な農業推進コンクール (有機農業・環境保全型農業部門)<<令和元年度の受賞事例>>

いすみ市環境保全型農業連絡部会(千葉県いすみ市)

農林水産大臣賞

面 積: 100ha

構 成 員: 25名 栽培品目: 水稲

(株)しあわせ野菜畑(静岡県掛川市)

生産局長賞

面 積 : 10ha

構成員 : 15名

栽培品目: 野菜 約50品目

(有)北村製茶(長崎県北松浦郡佐々町)面 積 : 8.3ha

構成員 : 11名

取組品目: 茶

鳥越 靖基 氏(熊本県上益城郡山都町)

面 積 : 4ha

栽培品目: ニンジン、ピーマン、ダイコン、カブ、水稲

▲ 香港での試飲会

▲ サポート付きの市民農園を運営

▲ 有機米の給食を食べる児童

▲ 実需者と連携した体験・交流事業

農林水産省による取組 ⑤優良な取組の顕彰

32▲ 学生農業体験

生産局長賞 生産局長賞

● 取組のポイント・ 学校給食への有機米利用を市に提案し、平成

27年に初めて有機米4tを学校給食に提供。28年、全小中学校での給食について、全国で未だ例のない全量有機米使用の方針を市が打ち出したことを受け、29年には学校給食米全量にあたる42tを提供。本取組は、近隣市町村にも波及。

・ 大手総合スーパーや生協等、多様な業種への販売に取り組み、消費者等を対象とした体験・交流の取組を実施して、顧客との優良な関係を構築。

● 取組のポイント・ 多品目の有機野菜を生産して

いることを活かして、有機野菜のセットを消費者へ宅配で発送。有機野菜セットは掛川市のふるさと納税返礼品にも採用。

・『しあわせ野菜新聞』の発行、市民農園の開園など、有機農産物の消費者へのPRや理解促進のため積極的に活動。

● 取組のポイント・ 有機栽培茶の生産・加工・販売の一貫体制を構築し、ブランド化することにより付加価値を向上させ、経費に見合う取引価格を実現、経営を安定化。

・ オーガニック茶への需要が高い香港へ高級茶の輸出を開始し、順調な出荷を継続。

● 取組のポイント・ 自らが土壌分析の技術を

習得し、科学的データに基づいた施肥設計を実施。また、土壌分析の知識と技術を有機農業者仲間と共有。

・ SNSを見て訪れる事業者や消費者に対して農業体験を実施。また、自らの農地を利用して、移住者に有機農業の研修等を実施。

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行っている 19(40%)

行っていない 28(60%)

単位:都道府県

166

1111

27

ア. 行政部局への照会

イ. 有機農業関係団体への照会

ウ. 現地調査、研修会での聞き取り

エ. 農業者との意見交換

オ. 一般公募

カ. その他

3218

1419

36

2216

199

1819

12

ア. 有機農業者イ. 有機農業を推進する民間団体

ウ. 卸売業者エ. 小売業者

オ. レストラン等外食関係者カ. 食品製造業者

キ. 消費者・消費者団体ク. 普及指導員

ケ. 都道府県職員(普及指導員除く)コ. 市町村職員

サ. 農協職員シ. 学識経験者

ス. その他

有機農業推進法第7条に規定する「有機農業の推進に関する施策についての計画(推進計画)」は全ての都道府県で策定。

有機農業の推進に関する都道府県域の協議会等の構成メンバーは、有機農業者や有機関連団体のみならず、小売業者、消費者(団体)、食品製造業者などを含む例が見られる。

有機農業に利用可能な技術開発を行っているのは28都道府県。また、11県では研究テーマ設定の際、農業者との意見交換を行っている。

19県では普及指導員等を対象に有機関連技術についての情報提供や研修を行っている。

出典:農業環境対策課 「都道府県における有機農業に関する推進状況調査」(令和元年9月)

各都道府県における有機農業関連技術の開発状況 普及指導員向けの技術研修の実施状況

33

有機農業関係の研究テーマ設定の際のニーズの把握方法

普及指導員等を対象とした有機農業関連技術に関する情報提供や研修の実施状況

5

2

7

5

16

12

H30

H29

H28

H27

H26

H25以前

単位:都道府県

各都道府県の有機農業の推進計画(平成30年時点)の策定時期 都道府県の有機農業の推進に関する協議会の構成メンバー

技術開発を行っている 28(60%)

行っていない 19(40%)

(単位:都道府県)※複数回答(単位:都道府県)

※複数回答(単位:都道府県)

都道府県等における取組 ①

Page 36: 有機農業をめぐる事情 - maff.go.jp...10,351 11,698 13,965 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 ニュージーランド 韓国 ブラジル 豪州 日本 オーストリア

30都道府県で、販路確保のための取組を実施。商談会等の開催やイベントの開催、出展支援等が多く行われている。

30都道府県で実需者(流通業者、販売事業者、学校関係者、消費者等)の関心を高めるための取組が行われており、シンポジウムの開催の他、有機JAS制度の普及活動が多く行われている。

21都道府県で地域内での消費拡大に向けた取組が行われており、イベントの開催やPRの取組がもっとも多く挙げられている。

出典:農業環境対策課 「都道府県における有機農業に関する推進状況調査」(令和元年9月)

有機農業により生産された農産物の販路確保のための取組

【取組例】• イベントの開催・PR• 県内直売所等での有機農産物コーナーの設置• 有機農業者と消費者との交流イベント• 産婦人科と提携した食事メニューの開発・提供• 小冊子等の作成、配布 等

実需者*の関心を高めるための取組 *流通業者、販売事業者、学校関係者、消費者等

34

取り組んでいる 30(64%)

取り組んでいない 17(36%)

(単位:都道府県)

約6割の県で販路確保のための取組が行われている。

【取組事例】• 商談会等の開催• イベント開催、出展、後援支援• 生産者向け販路拡大セミナーの開催• 実需者に対するニーズ調査の実施• 販売情報のHP掲載 等

取り組んでいる 21(45%)

取り組んでいない 26(55%)

(単位:都道府県)

地域内での消費拡大に向けた取組

7

2

8

1

23

ア. シンポジウムの開催

イ. 優良な取組や農業者の顕彰

ウ. 有機JAS制度の普及

エ. 給食への食材提供

オ. その他

※複数回答(単位:都道府県)

都道府県等における取組 ②

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取り組んでいる 74 (4.4%)

取り組んでいない 1625(95.6%)

(単位:市町村)

販路確保のための取組を実施している市町村は4.4%。イベントの開催、出展支援等が行われている。また、地域内での消費拡大に向けた取組は5.2%の市町村で行われており、地域内でのイベントの開催・出展支援、地域ブランド認定による販売促進等が行われている。

7.2%の市町村で実需者(流通業者、販売事業者、学校関係者、消費者等)の関心を高めるための取組が行われており、給食への食材提供のほか、有機JAS制度の普及等が行われている。

出典:農業環境対策課 「市町村における有機農業に関する推進状況調査」(令和元年9月)

有機農産物(有機JAS認証を取得した農産物)及び有機農業により生産された農産物の販路確保のための取組

約9割の市町村は販路確保のための取組を行っていない。

【取組事例】• 商談会、イベント等への出展支援• 直売所の設置、紹介• ふるさと納税等の返礼品• 市町村の事業による販路拡大支援• 給食への利用• HPで生産者の紹介• 町内外への定期宅配便• 6次産業化への支援 等

地域内での消費拡大に向けた取組

35

取り組んでいる 89 (5.2%)

取り組んでいない 1610(94.8%)

(単位:市町村)

【取組例】• 地域内イベントの開催・出展支援• 地域ブランド認定による販売促進等• 6次産業化への支援• 給食への利用 等

実需者*の関心を高めるための取組

7

2

29

92

39

ア. シンポジウムの開催

イ. 優良な取組や農業者の顕彰

ウ. 有機JAS制度の普及

エ. 給食への食材提供

オ. その他

*流通業者、販売事業者、学校関係者、消費者等

市町村等における取組

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有機農業の教育機関の事例鶴岡市立農業経営者育成学校「SEADS(シーズ)」

(山形県鶴岡市)

有機農業を中心とし、農業技術や営農計画の策定から販路の開拓まで、経営に必要な事項を座学と実践を通じて教育。

行政・JA・民間企業・地域農家・大学が連携し、令和2年度から開校

知識の習得に加え、地域での暮らしや独立就農時の農地や資金などもサポート。

主なカリキュラム

・水稲/枝豆/施設園芸の技術をほ場で学習

・就農プランの策定・自分の目指す就農方法にマッチした農場での学習

(1年目)

詳しくはこちら▶

埼玉県農業大学校(埼玉県)

埼玉県が設置する大学校で、1年課程の短期農業学科に有機農業専攻を設けている。

1年間の修業期間で有機農業の基礎である堆肥づくりと農薬や化学肥料を用いない野菜栽培技術について、主に実習を通じて教育。

主な学習内容

・主な露地野菜の栽培管理方法

・箱枠たい肥の作り方・ぼかし肥料の作り方・コンパニオンプランツの利用方法

詳しくはこちら▶

アグリイノベーション大学校(関東・関西(オンライン学習:全国))

仕事をしながら週末だけ、農業技術の原理原則、実践的な農業経営を学ぶことができる社会人向け農業スクール。

開 講 以 来 、 入 学 者 は 累 計1,800人を超え、卒業生のうち約130名が全国各地で就農し、卒業生のネットワークが全国的に拡大。

学習コース

・アグリイノベーション総合コース

・農業技術専攻コース・オンライン受講コース

詳しくはこちら▶

島根県立農林大学校(島根県)

全国に先駆け、平成24年に有機農業専攻を新設。

水稲・野菜の主な品目について、育苗から収穫までの

全国から学生を募集中。

主な実習内容

・土作り、輪作、天敵利用など有機農業の考え方に沿った栽培

・水稲除草技術:チェーン除草、三回代かき、深水管理など

詳しくはこちら▶

(2年目)

有機栽培の基本技術を講義・実習等により学習。

36

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オーガニック専門スーパー ビオセボンが19号店まで出店!2016年12月にオーガニック専門スーパー「Bio c’Bon」(@港区麻布十番)を開店させたビオセボ

ン・ジャポン(株)は、 2020年8月25日までに東京都内や神奈川県内で19号店まで続々と開店。

ホテルでの活用も ~スーパーホテルの例~(株)スーパーホテルでは、2012年より全国約130店舗の朝食のサラダの全量(一部エリア除く)を

有機JAS認証を取得した野菜に。有機野菜は、グリーン倶楽部(株)を通じて仕入れている。また、各店舗では野菜の産地情報も公開し、消費者と生産者をつなぐ取組も実施。

37

生産者と需要者を結びつけるマッチングサイト~ farmO(ファーモ)~次代の農と食をつくる会と(株)坂ノ途中が運営する、全国の有機農業などを実践している生産者と、

それを扱いたい買い手が、自由につながり、販路開拓や受発注などの流通の課題を解決していくサービス。令和元年7月末現在、登録者は生産者470件、実需者247件、事業開始以降の新規商談件数は892件にの

ぼる。

https://www.farm-o.net/

farmO 検索

東京シティ青果(株)は、豊洲市場内の加工パッケージ施設において有機JAS小分け認証を取得。これにより、同施設内でパッキングやカット野菜の包装作業が出来るため、生産者は袋詰めせず出荷が可能となる。

東京シティ青果(株)が加工パッケージ施設で有機JAS小分け認証を取得

関西を中心に有機農産物の宅配事業を展開する(株)ビオ・マ―ケットは、有機JAS認証を取得した農産物や加工品を販売。

卸やネットショップ、京阪地域の学校給食への提供等にも取り組み、農産物の売上げを増加。

有機宅配業者の動向 ~ビオ・マーケットの例~

直販(宅配)

直販(直営店)

業務用販

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

2015年度 2016年度 2017年度

有機JAS農産物販売推移(百万

民間における取組

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寒冷地水稲有機栽培の研究(2016年)

有機の水稲栽培について、寒冷地の気象条件、土壌条件に対応した雑草対策、病虫害対策、肥培管理に関わる個別技術や、いくつかの個別技術を組み合わせた技術体系の経済性を紹介。

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暖地の水田二毛作体系、ホウレンソウの施設栽培体系および高冷地露地レタス栽培体系の研究成果に基づく安定栽培技術を紹介。

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だれでも有機JAS基準を守って、アブラナ科野菜を生産できるよう、太陽熱利用消毒とネットトンネルを使用した栽培方法を研究。

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太陽熱利用土壌消毒とネットトンネルによるアブラナ科野菜の有機JAS準拠露地栽培(2016年)

有機農業の栽培マニュアル-実践現場における事例と研究成果-(2019年)

農業技術・研究に関する各種情報

農業技術に関する情報を集約。基本的技術から実用化された新技術、さらに研究成果や研究者に関する情報を提供。

農 業 技 術 総 合ポータルサイト

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アグリサーチャー最新の研究成果と研究者の連絡先を簡単に検索できる情報公開(Web)システム。

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「有機農業体系」研究プロジェクト農研機構において実施している有機農業に関する試験研究や技術開発の内容、研究成果等について情報提供。

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機械除草技術を中心とした水稲有機栽培技術マニュアル Ver.2020(2020年)

高精度水田用除草機等を活用した除草体系をはじめ水稲の有機栽培管理技術についてわかりやすく解説したマニュアル。現地実証試験の概要や生産費についても掲載しており、有機栽培を導入する場合等に活用できる。 詳しくはこちら▶

研究機関における取組 技術開発・実用化に関する取組