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2008年8月作成(第2版) 日本標準商品分類番号:871143,873399 医薬品インタビューフォーム 日本病院薬剤師会のIF記載要領(1998年9月)に準拠して作成 解熱・鎮痛・消炎剤 川崎病用剤 粉末製剤 規格・含量 アスピリン「バイエル」:1g中,日局 アスピリン1g含有 一 般 名 和名:アスピリン(JAN) 洋名:Aspirin(JAN) 製造・輸入承認年月日 薬価基準収載・ 発売年月日 製造・輸入承認年月日:2005年10月31日 薬価基準収載年月:2006年 3月 日:2006年 3月27日 開発・製造・ 輸入・発売・提携・ 販売会社名 製造販売元:バイエル薬品株式会社 担当者の連絡先・ 電話番号・FAX番号 本IFは2008年8月改訂の添付文書の記載に基づき作成した.

医薬品インタビューフォーム洋名:Aspirin(JAN) 製造・輸入承認年月日 薬価基準収載・ 発売年月日 製造・輸入承認年月日 :2005年10月31日

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2008年8月作成(第2版) 日本標準商品分類番号:871143,873399

医薬品インタビューフォーム

日本病院薬剤師会のIF記載要領(1998年9月)に準拠して作成

解熱・鎮痛・消炎剤

川崎病用剤

剤 形 粉末製剤

規格・含量 アスピリン「バイエル」:1g中,日局 アスピリン1g含有

一 般 名 和名:アスピリン(JAN)

洋名:Aspirin(JAN)

製造・輸入承認年月日

薬価基準収載・

発売年月日

製造・輸入承認年月日 :2005年10月31日

薬 価 基 準 収 載 年 月:2006年 3月

発 売 年 月 日 :2006年 3月27日

開発・製造・

輸入・発売・提携・

販売会社名

製造販売元:バイエル薬品株式会社

担当者の連絡先・

電話番号・FAX番号

本IFは2008年8月改訂の添付文書の記載に基づき作成した.

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IF利用の手引きの概要

-日本病院薬剤師会-

1. 医薬品インタビューフォーム作成の経緯

当該医薬品について製薬企業の医薬情報担当者(以下,MRと略す)等にインタビューし,

当該医薬品の評価を行うのに必要な医薬品情報源として使われていたインタビューフォー

ムを,昭和63年日本病院薬剤師会(以下,日病薬と略す)学術第2小委員会が「医薬品イン

タビューフォーム」(以下,IFと略す)として位置付けを明確化し,その記載様式を策定

した.そして,平成10年日病薬学術第3小委員会によって新たな位置付けとIF記載要領が

策定された.

2. IFとは

IFは「医療用医薬品添付文書等の情報を補完し,薬剤師等の医療従事者にとって日常業

務に必要な医薬品の適正使用や評価のための情報あるいは薬剤情報提供の裏付けとなる情

報等が集約された総合的な医薬品解説書として,日病薬が記載要領を策定し,薬剤師等の

ために当該医薬品の製薬企業に作成及び提供を依頼している学術資料」と位置付けられる.

しかし,薬事法の規制や製薬企業の機密等に関わる情報,製薬企業の製剤意図に反した情

報及び薬剤師自らが評価・判断・提供すべき事項等はIFの記載事項とはならない.

3. IFの様式・作成・発行

規格はA4版,横書きとし,原則として9ポイント以上の字体で記載し,印刷は一色刷りと

する.表紙の記載項目は統一し,原則として製剤の投与経路別に作成する.

IFは日病薬が策定した「IF記載要領」に従って記載するが,本IF記載要領は,平成

11年1月以降に承認された新医薬品から適用となり,既発売品については「IF記載要領」

による作成・提供が強制されるものではない.また,再審査及び再評価(臨床試験実施に

よる)がなされた時点ならびに適応症の拡大等がなされ,記載内容が大きく異なる場合に

はIFが改訂・発行される.

4. IFの利用にあたって

IF策定の原点を踏まえ,MRへのインタビュー,自己調査のデータを加えてIFの内容

を充実させ,IFの利用性を高めておく必要がある.MRへのインタビューで調査・補足

する必要がある項目として,開発の経緯,製剤的特徴,薬理作用,臨床成績,非臨床試験

等の項目が挙げられる.また,随時改訂される使用上の注意等に関する事項に関しては,

当該医薬品の製薬企業の協力のもと,医療用医薬品添付文書,お知らせ文書,緊急安全性

情報,Drug Safety Update(医薬品安全対策情報)等により薬剤師等自らが加筆,整備す

る.そのための参考として,表紙下段にIF作成の基となった添付文書の作成又は改訂年

月を記載している.

なお,適正使用や安全確保の点から記載されている「臨床成績」や「主な海外での発売状

況」に関する項目等には承認外の用法・用量 ,効能・効果が記載されている場合があり,

その取扱いには慎重を要する.

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目 次

Ⅰ. 概要に関する項目 1. 開発の経緯 ···························· 1

2. 製品の特徴及び有用性 ·················· 2

Ⅱ. 名称に関する項目 1. 販売名

1 - 1. 和 名 ·························· 3

1 - 2. 洋 名 ·························· 3

2. 一般名

2 - 1. 和 名(命名法) ················· 3

2 - 2. 洋 名(命名法) ················· 3

3. 構造式又は示性式 ······················ 3

4. 分子式及び分子量 ······················ 3

5. 化学名(命名法)······················· 3

6. 慣用名,別名,略号,記号番号 ·········· 3

7. CAS登録番号 ························ 3

Ⅲ. 有効成分に関する項目 1. 有効成分の規制区分 ···················· 4

2. 物理化学的性質

2 - 1. 外観・性状 ······················ 4

2 - 2. 溶 解 性 ······················ 4

2 - 3. 吸 湿 性 ······················ 4

2 - 4. 融点(分解点),沸点,凝固点 ····· 4

2 - 5. 酸塩基解離定数 ·················· 4

2 - 6. 分配係数 ························ 4

2 - 7. その他の主な示性値 ·············· 4

3. 有効成分の各種条件下における

安定性 ································ 5

4. 有効成分の確認試験法 ·················· 5

5. 有効成分の定量法 ······················ 5

Ⅳ. 製剤に関する項目 1. 剤 形

1 - 1. 剤形の区別及び性状 ·············· 6

2. 製剤の組成

2 - 1. 有効成分(活性成分)の含量 ········ 6

2 - 2. 添加物 ·························· 6

3. 製剤の各種条件下における安定性 ········6

4. 他剤との配合変化(物理化学的変化) ·····6

5. 混入する可能性のある夾雑物 ············6

6. 製剤中の有効成分の確認試験法 ··········7

7. 製剤中の有効成分の定量法 ··············7

8. 容器の材質 ····························7

Ⅴ. 治療に関する項目 1. 効能又は効果 ··························8

2. 用法及び用量 ··························8

3. 臨床成績

3 - 1. 臨床効果 ························9

3 - 2. 臨床薬理試験:忍容性試験 ········9

3 - 3. 探索的試験:用量反応探索試験 ····9

3 - 4. 検証的試験 ·····················10

3 - 5. 治療的使用 ·····················10

Ⅵ. 薬効薬理に関する項目

1. 薬理学的に関連ある化合物又は

化合物群 ·····························11

2. 薬理作用

2 - 1. 作用部位・作用機序 ·············11

2 - 2. 薬効を裏付ける試験成績

(臨床薬理) ·····················12

Ⅶ. 薬物動態に関する項目

1. 血中濃度の推移・測定法

1 - 1. 治療上有効な血中濃度 ···········14

1 - 2. 最高血中濃度到達時間 ···········14

1 - 3. 通常用量での血中濃度 ···········14

1 - 4. 中毒症状を発現する血中濃度 ·····15

2. 薬物速度論的パラメータ

2 - 1. 吸収速度定数 ···················16

2 - 2. バイオアベイラビリティ ·········16

2 - 3. 消失速度定数 ···················16

2 - 4. クリアランス ···················16

2 - 5. 分布容積 ·······················16

2 - 6. 血漿蛋白結合率 ·················16

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3. 吸 収 ······························· 16

4. 分 布

4 - 1. 血液-脳関門通過性 ············· 16

4 - 2. 胎児への移行性 ················· 16

4 - 3. 乳汁中への移行性 ··············· 17

4 - 4. 髄液への移行性 ················· 17

4 - 5. その他の組織への移行性 ········· 17

5. 代 謝

5 - 1. 代謝部位及び代謝経路 ··········· 17

5 - 2. 代謝に関与する酵素(CYP450等)

の分子種 ······················· 17

5 - 3. 初回通過効果の有無及び

その割合 ······················· 17

5 - 4. 代謝物の活性の有無及び比率 ····· 17

6. 排 泄

6 - 1. 排泄部位 ······················· 18

6 - 2. 排 泄 率 ······················· 18

6 - 3. 排泄速度 ······················· 18

7. 透析等による除去率

7 - 1. 腹膜透析 ······················· 18

7 - 2. 血液透析 ······················· 18

7 - 3. 直接血液灌流 ··················· 18

Ⅷ. 安全性(使用上の注意等)に関する

項目 1. 警告内容とその理由 ··················· 19

2. 禁忌内容とその理由 ··················· 19

3. 効能・効果に関連する使用上の注意と

その理由 ····························· 20

4. 用法・用量に関連する使用上の注意と

その理由 ····························· 20

5. 慎重投与内容とその理由 ··············· 21

6. 重要な基本的注意とその理由及び

処置方法 ····························· 22

7. 相互作用

7 - 1. 併用禁忌とその理由 ············· 23

7 - 2. 併用注意とその理由 ············· 24

8. 副 作 用

8 - 1. 副作用の概要 ··················· 27

8 - 2. 項目別副作用発現頻度及び

臨床検査値異常一覧 ·············28

8 - 3. 基礎疾患,合併症,重症度

及び手術の有無等背景別の

副作用発現頻度 ·················29

8 - 4. 薬物アレルギーに対する注意

及び試験法 ·····················30

9. 高齢者への投与 ·······················30

10. 妊婦,産婦,授乳婦等への投与 ·········30

11. 小児等への投与 ·······················30

12. 過量投与 ·····························31

13. 適用上及び薬剤交付時の注意

(患者等に留意すべき必須事項等) ·······31

14. その他の注意 ·························31

Ⅸ. 非臨床試験に関する項目 1. 一般薬理 ·····························32

2. 毒 性

2 - 1. 単回投与毒性試験 ···············32

2 - 2. 反復投与毒性試験 ···············32

2 - 3. 生殖発生毒性試験 ···············33

2 - 4. その他の特殊毒性 ···············33

Ⅹ. 取扱い上の注意等に関する項目 1. 有効期間又は使用期限 ·················34

2. 貯法・保存条件 ·······················34

3. 薬剤取扱い上の注意点 ·················34

4. 承認条件 ·····························34

5. 包 装 ·····························34

6. 同一成分・同効薬 ·····················34

7. 国際誕生年月日 ·······················34

8. 製造・輸入承認年月日及び承認番号 ·····34

9. 薬価基準収載年月日 ···················34

10. 効能・効果追加,用法・用量変更追加等の

年月日及びその内容 ···················35

11. 再審査結果,再評価結果公表年月日及び

その内容 ·····························35

12. 再審査期間 ···························35

13. 投与期間制限の有無 ···················35

14. 厚生労働省薬価基準収載医薬品コード ···35

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15. 保険給付上の注意 ····················· 35

ⅩⅠ. 文 献 1. 引用文献 ····························· 36

2. その他の参考文献 ····················· 37

3. 文献請求先 ···························· 37

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Ⅰ. 概要に関する項目

1. 開発の経緯

アスピリンはドイツ・バイエル社が 1897 年に開発して以来,すでに 100

年以上の長きにわたって,世界で繁用されている非ステロイド性解熱鎮

痛消炎剤である.本邦においても,アスピリン(粉末)及びアスピリン

錠が解熱鎮痛薬,抗炎症薬及び抗リウマチ薬として日本薬局方に収載さ

れている.

一方,1967年,Weiss, H.J.ら1)によりアスピリンが血小板凝集抑制作用を

有することが見出されて以来,アスピリンの抗血小板剤としての有用性は,

多数の大規模臨床試験によって証明された.現在,アスピリンは世界各国

で抗血小板剤として繁用され,本邦においてもアスピリン腸溶錠(商品名:

バイアスピリン錠100mg)が2000年9月22日付で承認され,2001年1月24日か

ら発売されている.

川崎病に対しても,本邦の医療機関における臨床試験,厚生省川崎病研究

班による無作為化比較試験等によって臨床的に有効かつ安全な治療法であ

ることが実証されていることから,バイエル薬品は,平成11年2月1日付厚

生省医薬審第104号通知「適応外使用に係わる医療用医薬品の取扱いについ

て」の適用条件(下記参照)にバイアスピリン錠100mgが該当すると判断し,

国内外の既存文献を収集して川崎病を同剤の追加効能として一部変更承認

申請を行った.申請後,当該効能追加に関しては日本小児循環器学会から

厚生労働省に対して要望書が出された.一方,川崎病の発症年齢のピーク

は1歳であり,低年齢児の患者に対する治療においては,体重による用量調

整が可能で服用も容易な粉末製剤が必要であると考えられたことから,バ

イエル薬品は日本薬局方アスピリンである本剤アスピリン「バイエル」を

開発し,川崎病の効能追加も含めた承認申請を行い,両剤ともに2005年10

月31日付で承認に至った.

本インタビューフォームの記載内容についての留意点

川崎病の承認申請に用いられた試験では,本剤と異なる剤形・用量の試験

成績が含まれているが,いずれも本剤の承認の際に審査資料とされたもの

である.

厚生省医薬審第 104 号通知の適用条件

適応外使用について関係学会等から要望があり,医政局研究開発振興課よ

り効能追加について検討するよう要請があった場合には,臨床試験等の実

施及びその試験成績等に基づく必要な効能追加の申請を考慮することとな

るが,以下のケースでは効能追加の申請に際して臨床試験の全部又は一部

が省略できることがある.

① 外国において,既に当該効能又は効果等により承認され,医療にお

ける相当の使用実績があり,その審査当局に対する承認申請に添付

されている資料が入手できる場合

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2. 製品の特徴及び有用性

② 外国において,既に当該効能又は効果等により承認され,医療における

相当の使用実績があり,国際的に信頼できる学術雑誌に掲載された科学

的根拠となり得る論文,又は国際機関で評価された総説等がある場合

③ 公的な研究事業の委託研究等により実施されるなどその実施に係る倫

理性,科学性及び信頼性が確認し得る臨床試験の試験成績がある場合

●解熱・鎮痛・消炎剤及び川崎病用剤として承認されたアスピリン製剤

●粉末製剤

本剤は,日本薬局方アスピリンの規格に適合するアスピリン粉末製剤で

ある.

●用量調整が容易である.

患者の多くが幼児及び小児である川崎病の治療には体重による用量調整が

必要となることが多いが,粉末製剤である本剤は用量調整が容易である.

●アスピリン製剤一般の重大な副作用として,ショック,アナフィラキシ

ー様症状,出血,皮膚粘膜眼症候群,中毒性表皮壊死症, 脱性皮膚炎,

再生不良性貧血,血小板減少,白血球減少,喘息発作の誘発,肝機能障

害,黄疸,消化性潰瘍,小腸・大腸潰瘍が報告されている.

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Ⅱ. 名称に関する項目

1. 販売名

1 - 1. 和 名

1 - 2. 洋 名

2. 一 般 名

2 - 1. 和 名(命名法)

2 - 2. 洋 名(命名法)

3. 構造式又は示性式

4. 分子式及び分子量

5. 化 学 名(命名法)

6. 慣用名,別名,略号,

記号番号

7. CAS登録番号

アスピリン「バイエル」

Aspirin Bayer

アスピリン(JAN)

Aspirin(JAN)

分子式:C9H8O4

分子量:180.16

2-Acetoxybenzoic acid(IUPAC)

開発記号:BAY e 4465

別名:アセチルサリチル酸

50-78-2

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Ⅲ. 有効成分に関する項目

1. 有効成分の規制区分

2. 物理化学的性質

2 - 1. 外観・性状

2 - 2. 溶 解 性

2 - 3. 吸 湿 性

2 - 4. 融点(分解点),

沸点,凝固点

2 - 5. 酸塩基解離定数

2 - 6. 分配係数

2 - 7. その他の主な示性値

該当しない

本品は白色の結晶,粒又は粉末である.においはなく,わずかに酸味があ

る.

「日局」によるアスピリンの溶解性

溶媒名

溶質 1g を溶かすに要する

溶媒量(mL)

日局による表現

エタノール(95) 10 溶けやすい

アセトン - 溶けやすい

ジエチルエーテル - やや溶けやすい

水 300 溶けにくい

該当資料なし

融点:約136℃(あらかじめ浴液を130℃に加熱しておく.)

pKa=3.49(25℃)2)

15.49[1-オクタノール/水]

紫外吸収スペクトル2)

UVmax(0.1mol/L H2SO4):229nm〔E 1% 1cm 484〕

UVmax(CHCl3):277nm〔E 1% 1cm 68〕

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3. 有効成分の各種条件下

における安定性

4. 有効成分の確認試験法

5. 有効成分の定量法

本品は湿った空気中では徐々に加水分解し,サリチル酸及び酢酸になる.

有効成分の分解生成物

サリチル酸

安定性から推定される分解生成物及び分解経路

アスピリン サリチル酸 酢酸

「日局」によるアスピリンの確認試験法

(1) 本品0.1gに水5mL を加えて5~6分間煮沸し,冷後,塩化鉄(Ⅲ)試液

1~2滴を加えるとき,液は赤紫色を呈する.

(2) 本品0.5gに炭酸ナトリウム試液 10mLを加えて5分間煮沸し,希硫酸10mL

を加えるとき,酢酸のにおいを発し,白色の沈殿を生じる.また,この

沈殿をろ過して除き,ろ液にエタノール(95)3mL及び硫酸3mLを加えて

加熱するとき,酢酸エチルのにおいを発する.

「日局」によるアスピリンの定量法

本品を乾燥し,その約1.5gを精密に量り,0.5mol/L水酸化ナトリウム液50mL

を正確に加え,二酸化炭素吸収管(ソーダ石灰)を付けた還流冷却器を用

いて10分間穏やかに煮沸する.冷後,直ちに過量の水酸化ナトリウムを

0.25mol/L硫酸で滴定する(指示薬:フェノールフタレイン試液3滴).同様

の方法で空試験を行う.

0.5 mol/L水酸化ナトリウム液1mL = 45.04mg C9H8O4

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- 6 -

Ⅳ. 製剤に関する項目

1. 剤 形

2. 製剤の組成

2 - 1. 有効成分(活性成

分)の含量

2 - 2. 添 加 物

3. 製剤の各種条件下に

おける安定性3)

4. 他剤との配合変化4)

(物理化学的変化)

5. 混入する可能性のあ

る夾雑物

区別:粉末製剤

性状:本品は白色の結晶,粒又は粉末で,においはなく,わずかに酸味が

ある.

アスピリン「バイエル」:1g中 日局アスピリン1gを含有する.

なし

以下の試験結果より,本品は通常の保存条件下において3年以上安定である

と考えられる.

・1週間以内に湿潤するもの:

安息香酸ナトリウムカフェイン,サリチル酸ナトリウムテオブロミン,

炭酸水素ナトリウム,ヘキサミン

・1週間以内に変色するもの:

ジギタリス製剤,ヨウ化物

・品質,保存条件によって1週間以内に湿潤するもの:

アミノ安息香酸エチル,アミノピリン,アンチピリン,スルピリン

・品質,保存条件によって1週間以内に変色するもの:

硫酸鉄

・その他配合変化を起こす薬物:

フェノバルビタールナトリウム,ヨウ化カリウム,酸,水酸化物,

炭酸塩,ステアリン酸塩

副生成物及び分解生成物

保存条件 保存期間 保存形態 結果

40℃

75%RH 6 ヵ月

気密容器

「ポリエチレン袋(500g 入り)+スチール缶(内蓋付き,

乾燥剤 10g 入り)」

6ヵ月保存した結果,サリチル酸の経時的な増加が認められたが,

規格範囲内であった.他の項目では変化は認められなかった.

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- 7 -

6. 製剤中の有効成分の

確認試験法

7. 製剤中の有効成分の

定量法

8. 容器の材質

「日局」によるアスピリンの確認試験法

(「Ⅲ.有効成分に関する項目4.」の項参照)

「日局」によるアスピリンの定量法

(「Ⅲ.有効成分に関する項目5.」の項参照)

内袋:ポリエチレン

缶 :スチール

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- 8 -

Ⅴ. 治療に関する項目

1. 効能又は効果

2. 用法及び用量

①慢性関節リウマチ,リウマチ熱,変形性関節症,強直性脊椎炎,関節周囲炎,

結合織炎,術後疼痛,歯痛,症候性神経痛,関節痛,腰痛症,筋肉痛,捻挫痛,

打撲痛,痛風による痛み,頭痛,月経痛

②下記疾患の解熱・鎮痛

急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)

③川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)

効能・効果①の場合

通常,成人にはアスピリンとして,1回0.5~1.5g,1日1.0~4.5gを経口

投与する.

なお,年齢,疾患,症状により適宜増減する.ただし,上記の最高量ま

でとする.

効能・効果②の場合

通常,成人にはアスピリンとして,1回0.5~1.5gを頓用する.

なお,年齢,症状により適宜増減する.ただし,原則として1日2回まで

とし,1日最大4.5gを限度とする.また,空腹時の投与は避けさせること

が望ましい.

効能・効果③の場合

急性期有熱期間は,アスピリンとして1日体重1kgあたり30~50mgを3回に

分けて経口投与する.解熱後の回復期から慢性期は,アスピリンとして1

日体重1kgあたり3~5mgを1回経口投与する.

なお,症状に応じて適宜増減する.

効能・効果③の用法・用量に関連する使用上の注意

(1) 原則として川崎病の診断がつき次第,投与を開始することが望ま

しい.

(2) 川崎病では発症後数ヵ月間,血小板凝集能が亢進しているので,

川崎病の回復期において,本剤を発症後2~3ヵ月間投与し,その

後断層心エコー図等の冠動脈検査で冠動脈障害が認められない

場合には,本剤の投与を中止すること.冠動脈瘤を形成した症例

では,冠動脈瘤の退縮が確認される時期まで投与を継続すること

が望ましい.

(3) 川崎病の治療において,低用量では十分な血小板機能の抑制が認

められない場合もあるため,適宜,血小板凝集能の測定等を考慮

すること.

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- 9 -

3. 臨床成績

3 - 1.臨床効果

3 - 2. 臨床薬理試験:

忍容性試験

3 - 3. 探索的試験:

用量反応探索試験

川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)

アスピリンの単独療法及びアスピリン+免疫グロブリンの併用療法は,川

崎病に対して有効であることが,他のアスピリン製剤を用いた多くの臨床

試験成績及び無作為化比較試験成績のメタアナリシスにより立証されてい

る5)~21).以下に代表的な成績を示す.

川崎病患者に対しアスピリンを急性期有熱期間中には30~50mg/kg/日(患

者の重症度に応じて免疫グロブリン製剤(IVIG)併用療法又はアスピリン

単独療法を選択),解熱後には5mg/kg/日を投与した試験等において,冠動

脈障害の発生に対する抑制効果が認められた5)21).

川崎病におけるアスピリン単独療法及びIVIG併用療法の臨床効果21)

退院時冠動脈所見発現頻度 群(症例数)

冠動脈瘤冠動脈

一過性拡張

有熱期間 (日)

入院日数(日)

アスピリン(ASA) (58例)

0/58 (0%)

0/58 (0%)

***,† 6.7±1.6

***,†11.0±3.6

ASA+IVIG 2g/kg×1日 (72例)

1/72* (1.4%)

2/72 (2.8%)

** 7.5±1.8

*13.1±6.0

ASA+IVIG 400mg/kg×5日(73例)

7/73 (9.6%)

4/73 (5.6%)

9.2±5.2 15.9±7.2

対象:川崎病患者男女203例

方法:「原田のスコア」3項目以下の症例はアスピリン(ASA)単独療法,4項目以上の症例

はASAとIVIG併用療法とし,IVIGの投与方法は2g/kg×1日と400mg/kg×5日に無作為に

割付けた.

ASAの用量:急性期有熱期間 30mg/kg/日,解熱後 5mg/kg/日(分1)

* :p<0.05,**:p<0.01,***:p<0.001 (ASA+IVIG 400mg/kg×5日群との比較)

†:p<0.05 (ASA+IVIG 2g/kg×1日群との比較) 参考 原田のスコア 1)白血球数: 12,000/mm3以上 2)血小板数: 35×104/mm3未満 3)CRP: 3+以上 4)ヘマトクリット: 35%未満 5)血清アルブミン: 3.5g/dL未満 6)年齢: 12ヵ月以下 7)性: 男

以上7項目のうち4項目以上(経過中の最悪値)を,9病日以内に満たした

場合にIVIGの適応とする.

該当資料なし

該当資料なし

(「Ⅵ.薬効薬理に関する項目2-2」の項参照)

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3 - 4. 検証的試験

3 - 5. 治療的使用

(1) 無作為化平行用量反応試験

該当資料なし

(2) 比較試験

該当資料なし

(3) 安全性試験

該当資料なし

(4) 患者・病態別試験

該当資料なし

(1) 使用成績調査・特別調査・市販後臨床試験

該当しない

(2) 承認条件として実施予定の内容又は実施した試験の概要

該当しない

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- 11 -

Ⅵ. 薬効薬理に関する項目

1. 薬理学的に関連ある化

合物又は化合物群

2. 薬理作用

2 - 1. 作用部位・作用機序

(1) 解熱,鎮痛,消炎作用

非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤

(2) 血小板凝集抑制作用

塩酸チクロピジン

シロスタゾール

ジピリダモール

(1) 解熱作用4) 22)

視床下部の体温調節中枢に作用して,末梢血管を拡張し,血流量を増加させ

て,熱放散を高めることにより解熱する.

(2) 鎮痛作用4) 22)

痛覚などの知覚系通路のシナプスの感受性を低下させ,また,プロスタグ

ランジン(PG)の合成阻害により,鎮痛効果をあらわす.

(3) 消炎作用4) 22)

炎症におけるPGの合成過程において,アラキドン酸からのPGE2などの生成を

阻害することにより,抗炎症作用をあらわす.

(4) 血小板凝集抑制作用23)

アスピリンはシクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)を阻害(セリン残基のアセ

チル化)することにより,トロンボキサンA2(TXA2)の合成を阻害し,血小

板凝集抑制作用を示す.血小板におけるCOX-1阻害作用は,血小板が本酵素

を再合成できないため,不可逆的である.

(詳細は「バイアスピリン錠100mg」のインタビューフォーム参照)

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2 - 2. 薬効を裏付ける試験

成績(臨床薬理)

シクロオキシゲナーゼ経路及びリポキシゲナーゼ経路を介するアラキドン

酸代謝の簡略図.アセチルサリチル酸によるシクロオキシゲナーゼ経路遮

断を示している.

(1) 解熱・鎮痛・消炎作用

該当資料なし

(2) 抗血小板作用

発症後1ヵ月以上経過した川崎病患者41例に対してアスピリン1~50mg/kg/

日を投与した.その結果,アスピリンの投与量に関係なく大多数の症例で,

アドレナリン,ADP及びコラーゲン凝集の抑制並びに血漿中トロンボキサン

B2(TXB2)値の低下が観察されたものの,2.5mg/kg/日以下の投与例では一

部に抑制が認められない症例が存在した24).なお,本剤の『用法・用量に

関連する使用上の注意』において,「川崎病の治療において,低用量では十

分な血小板機能の抑制が認められない場合もあるため,適宜,血小板凝集

能の測定等を考慮すること.」と記載している.

アスピリン

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川崎病の解熱後回復期の患者におけるアスピリンの抗血小板作用

血小板凝集能%

血小板凝集能%血小板凝集能

% 100

80

60

40

20

0非投与時 50 30 10 5 2.0-2.5 1

アスピリン投与時 mg/kg/日

100

80

60

40

20

0非投与時 50 30 10 5 2.0-2.5 1

アスピリン投与時 mg/kg/日

100

80

60

40

20

0非投与時 50 30 10 5 2.5-2.0

5

1

アスピリン投与時 mg/kg/日

血小板凝集能 %

100

80

60

40

20

0非投与時 50 30 10 5 2.0-2.5 1

アスピリン投与時 mg/kg/日

非投与時 50 30 10 5 2.0-2.5アスピリン投与時 mg/kg/日

pg/mL

≧1200

1000

800

600

400

200

50<50

非投与時 50 30 10 5 2.0-2.5アスピリン投与時 mg/kg/日

200

100

0

300

400

500

pg/mL

(ADP 凝集 2μM) (ADP 凝集 10μM)

(血漿中 TXB2値) (血漿中 6-keto-PGF1α値)

(アドレナリン凝集 1μM)

(コラーゲン凝集 2.5μg/mL)

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Ⅶ. 薬物動態に関する項目

1. 血中濃度の推移・測定

1 - 1. 治療上有効な血中

濃度

1 - 2. 最高血中濃度到達

時間

1 - 3. 通常用量での血中

濃度

血漿中サリチル酸濃度として,解熱・鎮痛作用は100μg/mL以下,抗炎症作

用は150~300μg/mL,急性リウマチ熱の治療は300~350μg/mLとされてい

る25).

0.55~0.58時間(アスピリン素錠100~300mg空腹時単回投与)26)

本剤投与時における血漿中濃度に関する成績はない.

ちなみに,アスピリン粉末剤投与とほぼ同様の薬物動態を示すと考えられ

るアスピリン素錠の100mg錠と300mg錠各1錠について,白人健康成人男子24

例(19~39歳)を対象としてアスピリン腸溶錠の100mg錠及び300mg錠各1

錠とクロスオーバー法によりそれぞれ空腹時単回投与した結果26)を以下に

示す.

アスピリン素錠投与後の未変化体(アセチルサリチル酸)のCmax及びAUC

は用量にほぼ比例して増加したが,tmax,t1/2及びMRTには変化は認められ

なかった.

白人健康成人男子におけるアスピリン素錠及び腸溶錠空腹時単回投与時

の血漿中アセチルサリチル酸及びサリチル酸濃度推移

血漿

中濃

度(m

g/L)

血漿

中濃

度(m

g/L)

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1 - 4. 中毒症状を発現す

る血中濃度

白人健康成人男子におけるアスピリン素錠及び腸溶錠空腹時単回投与時

の血漿中アセチルサリチル酸及びサリチル酸の薬物動態学的パラメータ

耳鳴等の過量投与の初期徴候は,血漿中サリチル酸濃度が約200μg/mLに達

すると認められる.重度の毒性作用は400μg/mLを超えると発現する27).

血漿中サリチル酸濃度とその効果,副作用の相関25)

1,000

900

800

700

600

500

400

300

200

100

0

中毒

〔薬理効果〕

リウマチ熱

抗炎症効果

鎮痛効果 解熱効果 血小板凝集能抑制

〔副 作 用〕

腎・呼吸機能不全

心循環器系虚脱

過高熱・意識障害

代謝性アシドーシス

呼吸性アルカローシス・テタニー 過呼吸(呼吸中枢刺激) 嘔気,嘔吐

耳鳴,頭痛,めまい,難聴

消化器症状 アスピリン・アレルギー血液凝固抑制

血漿中サリ

チル酸

濃度(μg/mL)

投与量 製剤 未変化体/代謝物 Cmax [mg/L]

Cmax,norm[kg/L]

tmax [h]

AUC [mg・h/L]

AUCnorm[kg・h/L]

t1/2 [h]

MRT [h]

frel [%]

アセチルサリチル酸 2.53 1.85 0.58 2.60 1.90 0.38 1.08 - 素錠

サリチル酸 5.67 5.41 1.21 21.15 20.18 2.02 3.51 -

アセチルサリチル酸 2.03 1.48 3.43 2.46 1.80 0.37 3.86 94.7 100mg

腸溶錠 サリチル酸 4.74 4.53 4.22 20.50 19.57 2.17 6.57 97.0

アセチルサリチル酸 8.54 2.09 0.55 8.62 2.10 0.34 0.96 - 素錠

サリチル酸 17.80 5.66 1.47 81.63 25.97 2.14 3.99 -

アセチルサリチル酸 3.77 0.91 4.01 6.34 1.54 0.43 4.55 73.5 300mg

腸溶錠 サリチル酸 13.21 4.18 5.27 76.20 24.14 2.64 8.31 93.4

Cmax:最高血中濃度,Cmax,norm:体重当りの投与量(mg/kg)で標準化した Cmax,tmax:最高血中濃度到達時間,

AUC:血中濃度時間曲線下面積,AUCnorm:体重当りの投与量(mg/kg)で標準化した AUC,t1/2:半減期,MRT:平均体内滞留時間, frel:相対的バイオアベイラビリティ

幾何平均値,n=24

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2. 薬物速度論的パラメー

2 - 1. 吸収速度定数

2 - 2. バイオアベイラビ

リティ

2 - 3. 消失速度定数

2 - 4. クリアランス

2 - 5. 分布容積

2 - 6. 血漿蛋白結合率

3. 吸 収

4. 分 布

4 - 1. 血液-脳関門通過性

4 - 2. 胎児への移行性

2.60~8.32h-1 28)

50~70%28)

アスピリン素錠100~300mg投与時26)

アスピリン(アセチルサリチル酸):1.82~2.04h-1

サリチル酸:0.32~0.34h-1

サリチル酸の腎クリアランスは尿pHに大きく依存し,低pHでは5%未満であ

るが,pH>6.5では80%以上になる.たとえば,重炭酸塩の注入によって尿

pHが上昇すると,解離がかなり増加し,したがって排泄も増加する.腎尿

細管によって再吸収されるのは非解離(非イオン)型の分子だけだからであ

る29) 30).尿のアルカリ化は過量投与の処置上重要である.

生体組織と体液におけるアセチルサリチル酸とサリチル酸の分布は主に受

動拡散に依存し,受動拡散はpHと濃度に依存する.したがって,低いpHでは

サリチル酸は生体コンパートメントに蓄積する.

サリチル酸の分布容積は用量に依存する.常用量を投与した場合,分布容積

は約0.2L/kgである.これは,80%から90%という高い血漿蛋白質結合のせい

で,分布は主に細胞外となることを反映している.高用量(中毒量)では,

血漿蛋白質結合が減少し,その結果,組織蛋白質への結合が増加して細胞内

分布が増加するため,分布容積は約0.5L/kgに増加する25) 31).

75~90%25) 28) 31)

吸収部位:胃,小腸上部25) 28)

吸 収 率:80~100%25) 28)

通過性あり32)

移行性あり33)

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O・CONJUG*

4 - 3. 乳汁中への移行性

4 - 4. 髄液への移行性

4 - 5. その他の組織への

移行性

5. 代 謝

5 - 1. 代謝部位及び代謝

経路

5 - 2. 代謝に関与する酵

素(CYP450等)の分

子種

5 - 3. 初回通過効果の有無

及びその割合

5 - 4. 代謝物の活性の有無

及び比率

移行性あり34) 35)

移行性あり32)

関節液,唾液,腹腔液中に移行する36) 37).

代謝部位:肝臓

ヒトにおけるアセチルサリチル酸の推定代謝物経路38)

該当資料なし

初回通過効果あり

約28~35%が肝臓の初回通過効果又はそれ以前に加水分解される28).

代謝物の一部(サリチル酸の約10%)であるゲンチジン酸は解熱鎮痛作用

を有する39).

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6. 排 泄

6 - 1. 排泄部位

6 - 2. 排 泄 率

6 - 3. 排泄速度

7. 透析等による除去率

7 - 1. 腹膜透析

7 - 2. 血液透析

7 - 3. 直接血液灌流

(1) 尿中排泄28)

アスピリンは完全に代謝されるので,未変化体は排泄されない.代謝物は主

に腎濾過と尿細管分泌により尿中に排泄される.

(2) 糞中排泄

該当資料なし

臨床量のアスピリン投与の場合,主要代謝物であるサリチル酸は,グリシン

抱合体(サリチル尿酸 約75%),グルクロン酸抱合体(約5~10%),及び遊

離サリチル酸(約10%)としても尿中に排出される40).

アルカリ性尿で排泄が促進され,酸性尿で抑制される29) 30).

アスピリンの過量投与によって重症な副作用症状が出た場合,腹膜透析,

血液透析等が有効である.

45~90mL/min 41)

35~100mL/min 41) 42)

81mL/min 42)

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Ⅷ. 安全性(使用上の注意等)に関する項目

1. 警告内容とその理由

2. 禁忌内容とその理由

添付文書に該当する記載なし

*禁 忌(次の患者には投与しないこと)

1. 川崎病を除く効能又は効果に使用する場合

(1)本剤又はサリチル酸系製剤に対し過敏症の既往歴のある患者

(2)消化性潰瘍のある患者 [プロスタグランジン生合成抑制作用によ

り,胃の血流量が減少し,消化性潰瘍を悪化させることがある. (た

だし,「Ⅷ.5.慎重投与」の項参照)]

(3)重篤な血液の異常のある患者 [血小板機能障害を起こし,血液の異

常をさらに悪化させるおそれがある.]

(4)重篤な肝障害のある患者[肝障害をさらに悪化させるおそれがある.]

(5)重篤な腎障害のある患者[腎障害をさらに悪化させるおそれがある.]

(6)重篤な心機能不全のある患者[腎のプロスタグランジン生合成抑制

作用により,浮腫,循環体液量の増加が起こり,心臓の仕事量が増

加するため,心機能をさらに悪化させるおそれがある.]

(7)アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘

発)又はその既往歴のある患者 [重篤なアスピリン喘息発作を誘発

させることがある.]

*(8)出産予定日12週以内の妊婦 [「Ⅷ.10.妊婦,産婦,授乳婦等への投

与」の項参照)]

*2006年4月改訂

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3. 効能・効果に関連する

使用上の注意とその理由

4. 用法・用量に関連する

使用上の注意とその理由

2. 川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)に使用する場合

(1)本剤又はサリチル酸系製剤に対し過敏症の既往歴のある患者

(2)消化性潰瘍のある患者[プロスタグランジン生合成抑制作用により,

胃の血流量が減少し,消化性潰瘍を悪化させることがある.(ただし,

「Ⅷ.5.慎重投与」の項参照)]

(3)出血傾向のある患者[血小板機能異常が起こることがあるため,出

血傾向を助長するおそれがある.]

(4)アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘

発)又はその既往歴のある患者[重篤なアスピリン喘息発作を誘発

させることがある.]

(5)出産予定日12週以内の妊婦[「Ⅷ.10.妊婦,産婦,授乳婦等への投与」

の項参照]

添付文書に該当する記載なし

川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)の用法・用量に関連する使

用上の注意

(1)原則として川崎病の診断がつき次第,投与を開始することが望まし

い.

(2)川崎病では発症後数ヵ月間,血小板凝集能が亢進しているので,川

崎病の回復期において,本剤を発症後 2~3 ヵ月間投与し,その後断

層心エコー図等の冠動脈検査で冠動脈障害が認められない場合に

は,本剤の投与を中止すること.冠動脈瘤を形成した症例では,冠

動脈瘤の退縮が確認される時期まで投与を継続することが望まし

い.

(3)川崎病の治療において,低用量では十分な血小板機能の抑制が認めら

れない場合もあるため,適宜,血小板凝集能の測定等を考慮すること.

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5. 慎重投与内容とその理由

*慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

(1)消化性潰瘍の既往歴のある患者[消化性潰瘍を再発させることがあ

る.]

(2)血液の異常又はその既往歴のある患者[血液の異常を悪化又は再発

させるおそれがある.]

(3)出血傾向のある患者[血小板機能異常が起こることがあるため,出

血傾向を助長するおそれがある.効能・効果①及び②の場合]

(4)肝障害又はその既往歴のある患者[肝障害を悪化又は再発させるお

それがある.]

(5)腎障害又はその既往歴のある患者[腎障害を悪化又は再発させるお

それがある.]

(6)心機能異常のある患者[腎のプロスタグランジン生合成抑制作用に

より,浮腫,循環体液量の増加が起こり,心臓の仕事量が増加する

ため,心機能をさらに悪化させるおそれがある.]

(7)過敏症の既往歴のある患者

(8)気管支喘息のある患者[気管支喘息の患者の中にはアスピリン喘息

患者も含まれており,それらの患者では重篤な喘息発作を誘発させ

ることがある.]

*(9)アルコールを常飲している患者 [アルコールと同時に服用すると,

消化管出血を誘発又は増強することがある.(「Ⅷ.7.相互作用」の

項参照)]

(10)高齢者[「Ⅷ.6.重要な基本的注意」及び「Ⅷ.9.高齢者への投与」の

項参照]

*(11)妊婦(ただし,出産予定日12週以内の妊婦は禁忌)又は妊娠して

いる可能性のある婦人 [「Ⅷ.10.妊婦,産婦,授乳婦等への投与」

の項参照]

(12)小児[「Ⅷ.11.小児等への投与」の項参照]

*(13)手術,心臓カテーテル検査又は抜歯前1週間以内の患者 [手術,心

臓カテーテル検査又は抜歯時の失血量を増加させるおそれがある.

(「Ⅷ.6.重要な基本的注意」の項参照)]

*2006年4月改訂

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6. 重要な基本的注意と

その理由及び処置方法

(14)非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者

で,本剤の長期投与が必要であり,かつミソプロストールによる治療

が行われている患者 [ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛

剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが,ミソプロス

トールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあるので,本剤を継

続投与する場合には,十分経過を観察し,慎重に投与すること.]

重要な基本的注意

(1)サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの,米国におい

てサリチル酸系製剤とライ症候群との関連性を示す疫学調査報告が

あるので,本剤を 15 歳未満の水痘,インフルエンザの患者に投与し

ないことを原則とするが,やむを得ず投与する場合には,慎重に投

与し,投与後の患者の状態を十分に観察すること 43). [ライ症候群:

小児において極めてまれに水痘,インフルエンザ等のウイルス性疾

患の先行後,激しい嘔吐,意識障害,痙攣(急性脳浮腫)と肝臓ほ

か諸臓器の脂肪沈着,ミトコンドリア変形,AST(GOT)・ALT(GPT)・

LDH・CK(CPK)の急激な上昇,高アンモニア血症,低プロトロンビ

ン血症,低血糖等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態であ

る.]

(2)解熱鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留

意すること.

(3)慢性疾患(慢性関節リウマチ,変形性関節症等)に対し本剤を用い

る場合には,次の事項を考慮すること.

1)長期投与する場合には,定期的に臨床検査(尿検査,血液検査及

び肝機能検査等)を行うこと.また,異常が認められた場合には

減量,休薬等の適切な措置を講じること.

2)薬物療法以外の療法も考慮すること.

(4)急性疾患に対し本剤を用いる場合には,次の事項を考慮すること.

1)疼痛,発熱の程度を考慮し投与すること.

2)原則として同一の薬剤の長期投与を避けること.

3)原因療法があればこれを行うこと.

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7. 相互作用

7 - 1. 併用禁忌とその理由

(5)患者の状態を十分観察し,副作用の発現に留意すること.過度の体

温下降,虚脱,四肢冷却等があらわれることがあるので,特に高熱

を伴う小児及び高齢者又は消耗性疾患の患者においては,投与後の

患者の状態に十分注意すること.

(6)感染症を不顕性化するおそれがあるので,感染による炎症に対して

用いる場合には適切な抗菌剤を併用し,観察を十分に行い慎重に投

与すること.

(7)他の消炎鎮痛剤との併用を避けることが望ましい.

(8)高齢者及び小児には副作用の発現に特に注意し,必要最小限の使用

にとどめるなど慎重に投与すること.

(9)手術前 1 週間以内にアスピリンを投与した例では失血量が有意に増

加したとの報告があるので,術前の投与は慎重に行うこと.

(10)川崎病の急性期に対して投与する場合には,適宜,肝機能検査を行

い,異常が認められた場合には減量,休薬等の適切な措置を講ずる

こと.

(11)川崎病患者(川崎病による心血管後遺症を含む)に対して長期投与

する場合には,定期的に臨床検査(尿検査,血液検査及び肝機能検

査等)を行うこと.また,異常が認められた場合には減量,休薬等

の適切な措置を講ずること.

添付文書に該当する記載なし

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7 - 2. 併用注意とその理由

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

クマリン系抗凝血剤

ワルファリン

クマリン系抗凝血剤の

作用を増強し,出血時

間の延長,消化管出血

等を起こすことがある

ので,クマリン系抗凝

血剤を減量するなど慎

重に投与すること.

本剤は血漿蛋白に結合

したクマリン系抗凝血

剤と置換し,遊離させ

る.また,本剤は血小

板凝集抑制作用,消化

管刺激による出血作用

を有する.

血小板凝集抑制作用を

有する薬剤

チクロピジン

シロスタゾール等

血栓溶解剤

ウロキナーゼ

チソキナーゼ等

ヘパリン製剤

トロンボキサン合成阻害剤

オザグレルナトリウム

プロスタグランジンE1製

剤及び I2誘導体

出血傾向が増強される

ことがある.

相互に作用を増強する

ことがある.又は増強

すると考えられる.

糖尿病用剤

ヒトインスリン

トルブタミド等

糖尿病用剤の作用を増

強し,低血糖を起こす

ことがあるので,糖尿

病用剤を減量するなど

慎重に投与すること.

本剤は血漿蛋白に結合

した糖尿病用剤と置換

し,遊離させる.また,

本剤は大量で血糖降下

作用を有する.

メトトレキサート メトトレキサートの作

用を増強し,汎血球減

少症等を起こすことが

ある.

本剤は血漿蛋白に結合

したメトトレキサート

と置換し,遊離させる.

また,本剤はメトトレ

キサートの腎排泄を阻

害すると考えられてい

る.

バルプロ酸ナトリウム バルプロ酸ナトリウム

の作用を増強し,振戦

等を起こすことがあ

る.

本剤は血漿蛋白に結合

したバルプロ酸ナトリ

ウムと置換し,遊離さ

せる.

フェニトイン

総フェニトイン濃度を

低下させるが,非結合

型フェニトイン濃度を

低下させないとの報告

があるので,総フェニ

トイン濃度に基づいて

増量する際には臨床症

状等を慎重に観察する

こと.

本剤は血漿蛋白に結合

したフェニトインと置

換し,遊離させる.

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薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

副腎皮質ホルモン剤

ベタメタゾン

プレドニゾロン

メチルプレドニゾロ

ン等

本剤との併用時に副腎

皮質ホルモン剤を減量

すると,サリチル酸中毒

を起こすことが報告さ

れている.また,消化管

出血を増強させること

が考えられる.

機序は不明.

リチウム製剤 リチウム中毒を起こす

ことが報告されてい

る.

本剤は腎のプロスタグ

ランジンの生合成を抑

制し,腎血流量を減少

させることにより,リ

チウムの腎排泄を低下

させることが考えられ

る.

チアジド系利尿剤

ヒドロクロロチアジ

ド等

ループ利尿剤

フロセミド

これらの薬剤の作用を

減弱させることが報告

されている.

本剤は腎のプロスタグ

ランジンの生合成を抑

制して,水,塩類の体

内貯留が生じ,利尿剤

の水,塩類排泄作用に

拮抗するためと考えら

れる.

β遮断剤

プロプラノロール塩

酸塩

ピンドロール等

ACE 阻害剤

エナラプリルマレイ

ン酸塩等

これらの薬剤の作用を

減弱させることが報告

されている.

本剤は血管拡張作用を

有する腎プロスタグラ

ンジンの生合成,遊離

を抑制し,血圧を上昇

させることが考えられ

る.

ニトログリセリン製剤 ニトログリセリンの作

用を減弱させることが

ある.

本剤はプロスタグラン

ジンの生合成を抑制す

ることにより,冠動脈

を収縮させ,ニトログ

リセリンの作用を減弱

させることが考えられ

る.

尿酸排泄促進剤

スルフィンピラゾン

プロベネシド

これらの薬剤の作用を

減弱させることがあ

る.

本剤はこれらの薬剤の

尿酸排泄に拮抗する.

乳酸ナトリウム 本剤の作用を減弱させ

ることがある.

乳酸ナトリウムにより

尿がアルカリ性とな

り,サリチル酸の尿中

排泄が増加し,血中濃

度が治療域以下になる

ことがある.

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薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

非ステロイド性解熱鎮

痛消炎剤

インドメタシン

ジクロフェナクナト

リウム

フェノプロフェン

カルシウム等

出血及び腎機能の低下

を起こすことがある.

作用機序は不明.

イブプロフェン 本剤の血小板凝集抑制

作用を減弱するとの報

告がある.

イブプロフェンが血小

板のシクロオキシゲナ

ーゼ-1(COX-1)と本剤

の結合を阻害するため

と考えられる.

炭酸脱水酵素阻害剤

アセタゾラミド等

アセタゾラミドの副作

用を増強し,嗜眠,錯

乱等の中枢神経系症

状,代謝性アシドーシ

ス等を起こすことが報

告されている.

本剤は血漿蛋白に結合

したアセタゾラミドと

置換し,遊離させる.

塩酸ドネペジル 消化性潰瘍を起こすこ

とがある.

コリン系が賦活され胃

酸分泌が促進される.

タクロリムス水和物,

シクロスポリン

腎障害が発現すること

がある.

腎障害の副作用が相互

に増強されると考えら

れる.

ザフィルルカスト ザフィルルカストの血

漿中濃度が上昇するこ

とがある.

機序不明.

プロスタグランジン

D2,トロンボキサン A2

受容体拮抗剤

ラマトロバン,

セラトロダスト

ヒト血漿蛋白結合に対

する相互作用の検討

(in vitro)において,

本剤によりこれらの薬

剤の非結合型分率が上

昇することがある.

これら薬剤が本剤と血

漿蛋白結合部位で置換

し,遊離型血中濃度が

上昇すると考えられ

る.

選択的セロトニン再取

り込み阻害剤(SSRI)

フルボキサミン等

皮膚の異常出血(斑状

出血,紫斑等),出血症

状(胃腸出血等)が報

告されている.

SSRI の投与により血

小板凝集が阻害され,

本剤との併用により出

血傾向が増強すると考

えられる.

アルコール 消化管出血が増強され

るおそれがある.

アルコールによる胃粘

膜障害と本剤のプロス

タグランジン合成阻害

作用により,相加的に

消化管出血が増強する

と考えられる.

*2006年4月改訂

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*

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8. 副 作 用

8 - 1.副作用の概要

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施してい

ない.

*(1)重大な副作用(頻度不明)

1)ショック,アナフィラキシー様症状:ショックやアナフィラキシー

様症状(呼吸困難,全身潮紅,血管浮腫,蕁麻疹等)があらわれる

ことがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投

与を中止し,適切な処置を行うこと.

*2)出血:

脳出血等の頭蓋内出血:脳出血等の頭蓋内出血(初期症状:頭痛,

悪心・嘔吐,意識障害,片麻痺等)があらわれることがあるので,

観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には投与を中

止し,適切な処置を行うこと.

肺出血,消化管出血,鼻出血,眼底出血等:肺出血,消化管出血,

鼻出血,眼底出血等があらわれることがあるので,観察を十分に行

い,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処

置を行うこと.

3)皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群),中毒性表皮壊死症

(Lyell 症候群), 脱性皮膚炎 :皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson

症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell 症候群),脱性皮膚炎があら

われることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があら

われた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.

*4)再生不良性貧血,血小板減少,白血球減少:再生不良性貧血,血小

板減少,白血球減少があらわれることがあるので,観察を十分に行

い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこ

と.

5)喘息発作の誘発:喘息発作を誘発することがある.

*6)肝機能障害,黄疸:AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTP等の著しい上昇を

伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に

行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど,適切な処置

を行うこと.

*7)消化性潰瘍,小腸・大腸潰瘍:下血(メレナ)を伴う胃潰瘍・十二

指腸潰瘍等の消化性潰瘍があらわれることがある.また,消化管出

血,腸管穿孔を伴う小腸・大腸潰瘍があらわれることがあるので,

観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切

な処置を行うこと.

*2006年4月改訂

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8 - 2. 項目別副作用発現

頻度及び臨床検査

値異常一覧

*(2) その他の副作用

頻度不明 0.1~5%未満 0.1%未満

消化器 食欲不振,胸やけ,

悪心・嘔吐,胃痛,

胃腸障害,腹痛,

便秘,下痢,食道

炎,口唇腫脹,吐

血,胃部不快感等

過敏症注 1) 蕁麻疹 発疹,浮腫,鼻炎

様症状等

血液注 2) 貧血,血小板機能

低下(出血時間延

長)等

皮膚 瘙痒,発汗

精神神経系注3) めまい,頭痛,興

肝 臓 AST(GOT)上昇,

ALT(GPT)上昇

腎 臓 腎障害

循環器 血圧低下,血管炎,

心窩部痛

呼吸器 気管支炎

感覚器 耳鳴,難聴,角膜

結膜炎

その他注 4) 過呼吸,代謝性アシ

ドーシス,倦怠感,

低血糖等

注1)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること. 注2) このような異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.注3)このような症状があらわれた場合には減量又は投与を中止すること. 注4)このような異常が認められた場合には減量又は投与中止すること(血中濃度が

著しく上昇していることが考えられる).

*2006年4月改訂

川崎病における副作用発現状況(他のアスピリン製剤)

本剤については,川崎病における副作用発現状況に関する成績はない.

ちなみに,厚生省川崎病研究班 5)~7)及び日本人患者を対象に実施された無

作為化比較試験に関する公表文献 8) 16)~18) 20) 21)に記載されている副作用の

成績から発現頻度をアスピリン単独療法とアスピリン+免疫グロブリンの

併用療法(IVIG 併用療法)別及び器官分類別に集計した結果は,以下に示

すとおりである.

副作用は,アスピリン単独療法では安全性評価対象例 260 例中 17 例

(6.54%)に,IVIG との併用療法では安全性評価対象例 1,165 例中 50 例

(4.29%)に認められた.

主な副作用としては,アスピリン単独療法においては肝障害が 5.77%に認

められた.IVIG との併用療法では白血球・網内系障害(好酸球上昇,好中

球減少等)2.23%,肝障害 1.55%,一般的全身障害(発熱,悪寒等)1.37%

であった.

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8 - 3. 基礎疾患,合併症,

重症度及び手術の

有無等背景別の副

作用発現頻度

川崎病患者における副作用の発現状況

アスピリン 単独療法

IVIG 併用療法 計

総症例数 260 1165 1425 副作用発現症例数 17 50 67 副作用発現件数 17 79 96 副作用発現症例率(%) 6.54 4.29 4.70

副作用の種類 副作用発現件数(%)

[皮膚・皮膚付属器障害] 0(0) 2(0.17) 2(0.14)

皮疹 2(0.17) 2(0.14)

[中枢・末梢神経系障害] 0(0) 4(0.34) 4(0.28)

振戦 4(0.34) 4(0.28)

[自律神経系障害] 0(0) 2(0.17) 2(0.14)

血圧亢進 1(0.09) 1(0.07) 血圧低下 1(0.09) 1(0.07)

[消化管障害] 0(0) 2(0.17) 2(0.14)

悪心 2(0.17) 2(0.14)

[肝臓・胆管系障害] 15(5.77) 18(1.55) 33(2.32)

肝機能障害 15(5.77) 3(0.26) 18(1.26) GOT 上昇 8(0.69) 8(0.56) GPT 上昇 6(0.52) 6(0.42) LDH 上昇 1(0.09) 1(0.07)

[心・血管障害(一般)] 0(0) 4(0.34) 4(0.28)

チアノーゼ 2(0.17) 2(0.14) 末梢循環不全 1(0.09) 1(0.07) 四肢冷感 1(0.09) 1(0.07)

[赤血球障害] 0(0) 3(0.26) 3(0.21)

直接クームス試験陽性 3(0.26) 3(0.21)

[白血球・網内系障害] 0(0) 26(2.23) 26(1.82)

好酸球上昇 14(1.20) 14(0.98) 好中球減少 7(0.60) 7(0.49) リンパ球上昇 2(0.17) 2(0.14) 無顆粒球症 1(0.09) 1(0.07) 単球上昇 1(0.09) 1(0.07) 好塩基球上昇 1(0.09) 1(0.07)

[血小板・出血凝血障害] 2(0.77) 1(0.09) 3(0.21)

鼻出血 1(0.38) 1(0.07) 血小板減少 1(0.09) 1(0.07) 汎血球減少 1(0.38) 1(0.07)

[一般的全身障害] 0(0) 16(1.37) 16(1.12)

発熱 9(0.77) 9(0.63) 悪寒 6(0.52) 6(0.42) 体温低下 1(0.09) 1(0.07)

[抵抗機構障害] 0(0) 1(0.09) 1(0.07)

CH50 上昇 1(0.09) 1(0.07)

臨床検査値への影響

添付文書に該当する記載なし

該当資料なし

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8 - 4. 薬物アレルギーに

対する注意及び試

験法

9. 高齢者への投与

10. 妊婦,産婦,授乳婦等

への投与

11. 小児等への投与

禁忌(次の患者には投与しないこと)

(1)本剤の成分又はサリチル酸系製剤に対し過敏症の既往歴のある患者

高齢者への投与

高齢者では,副作用があらわれやすいので,少量から投与を開始するな

ど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.[「Ⅷ.6.重要な基本

的注意」の項参照]

*妊婦,産婦,授乳婦等への投与

*(1)出産予定日12週以内の妊婦には投与しないこと.[妊娠期間の延

長,動脈管の早期閉鎖,子宮収縮の抑制,分娩時出血の増加につ

ながるおそれがある.海外での大規模な疫学調査では,妊娠中の

アスピリン服用と先天異常児出産の因果関係は否定的であるが,

長期連用した場合は,母体の貧血,産前産後の出血,分娩時間の

延長,難産,死産,新生児の体重減少・死亡などの危険が高くな

るおそれを否定できないとの報告がある.また,ヒトで妊娠末期

に投与された患者及びその新生児に出血異常があらわれたとの報

告がある.さらに,妊娠末期のラットに投与した実験で,弱い胎

児の動脈管収縮が報告されている.]

*(2)妊婦(ただし,出産予定日12週以内の妊婦は除く)又は妊娠して

いる可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると

判断される場合にのみ投与すること.[動物実験(ラット)で催奇

形性作用があらわれたとの報告がある.妊娠期間の延長,過期産

につながるおそれがある.]

(3)授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること.[母乳中へ

移行することが報告されている.]

小児等への投与

(1)効能・効果①及び②の場合,低出生体重児,新生児,乳児,幼児又

は小児に対する安全性は確立されていない.[「Ⅷ.6.重要な基本的注

意」の項参照]

(2)小児等では,副作用があらわれやすいので,患者の状態を観察しな

がら慎重に投与すること.川崎病の治療において肝機能障害の報告

があるので,適宜,肝機能検査を行い,注意すること.[「Ⅷ.6.重要

な基本的注意」の項参照]

*2006年4月改訂

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12. 過量投与

13. 適用上及び薬剤交付時

の注意(患者等に留意

すべき必須事項等)

14. その他の注意

(3)15歳未満の水痘,インフルエンザの患者に投与しないことを原則と

するが,やむを得ず投与する場合には,慎重に投与し,投与後の患

者の状態を十分に観察すること.[「Ⅷ.6.重要な基本的注意」の項参

照]

(4)本剤投与中の15歳未満の川崎病の患者が水痘,インフルエンザを発

症した場合には,投与を中断することを原則とするが,やむを得ず

投与を継続する場合には,慎重に投与し,投与後の患者の状態を十

分に観察すること.[「Ⅷ.6.重要な基本的注意」の項参照]

過量投与

徴候と症状:耳鳴,めまい,頭痛,嘔吐,難聴,軽度の頻呼吸等の初期

症状から血中濃度の上昇に伴い,重度の過呼吸,呼吸性アルカローシス,

代謝性アシドーシス,痙攣,昏睡,呼吸不全等が認められる.[「Ⅶ.薬

物動態1-4.の項」参照]

処 置:催吐,胃洗浄,活性炭投与(ただし,催吐及び胃洗浄後),

輸液注入によるアシドーシス是正,アルカリ尿促進(ただし,腎機能が

正常の場合),血液透析,腹膜透析を必要に応じて行う.

適用上の注意

服用時:

1) 炭酸水素ナトリウム,炭酸マグネシウム等のアルカリ性製剤と

配合しないこと.

2) 湿潤しやすい製剤との配合は望ましくない.

3) 本剤は空腹時の服用を避けることが望ましい.

その他の注意

(1) In vitroの試験において,アスピリン等のグルクロン酸抱合によ

り代謝される薬剤が抗ウイルス剤(ジドブジン)のグルクロン酸

抱合を阻害したとの報告がある44).

(2) 非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性におい

て,一時的な不妊が認められたとの報告がある.

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Ⅸ. 非臨床試験に関する項目

1. 一般薬理

2. 毒 性

2 - 1. 単回投与毒性試験

2 - 2. 反復投与毒性試験

(1) 解熱作用4) 22)

視床下部の体温調節中枢に作用して,末梢血管を拡張し,血流量を増加さ

せて,熱放散を高めることにより解熱する.

(2) 鎮痛作用4) 22)

痛覚などの知覚系通路のシナプスの感受性を低下させ,また,プロスタグ

ランジン(PG)の合成阻害により,鎮痛効果をあらわす.

(3) 消炎作用4) 22)

炎症におけるPGの合成過程において,アラキドン酸からのPGE2などの生成

を阻害することにより,抗炎症作用をあらわす.

(4) 血小板凝集抑制作用23)

アスピリンはシクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)を阻害(セリン残基のアセ

チル化)することにより,トロンボキサンA2(TXA2)の合成を阻害し,血小

板凝集抑制作用を示す.血小板におけるCOX-1阻害作用は,血小板が本酵素

を再合成できないため,不可逆的である.

(詳細は「バイアスピリン錠100mg」のインタビューフォーム参照)

急性毒性45)

動物種 投与経路 用量 投与量 (mg/kg)

マウス

ラット

ラット

ウサギ

イヌ

経口

経口

腹腔内

経口

経口

LD50

LD50

LD50

LD50

LD

1100

1360

500

1800

2000-4000

亜急性毒性46):

雌雄ラットにアスピリン375,750及び1500mg/kg/日を3ヵ月間連続経口投

与したところ,375mg/kg/日投与群では,体重変化,摂餌量,飲水量,血

液学的検査,血清の生化学的検査,臓器重量,病理組織学的検査その他の

検査項目で,対照群との間に特記すべき変化は認められなかった.

慢性毒性:

該当資料なし

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2 - 3. 生殖発生毒性試験

2 - 4. その他の特殊毒性

母動物及び胎児に対する影響:

ラット(Wistar系)の妊娠9~11日,9~14日及び12~14日にアスピリンの

165,330,660mg/kg/日をそれぞれ経口投与した.その結果,660mg投与群

では,いずれの投与期間においても母動物の死亡が比較的多く,また,胎児

の吸収及び浸軟も極めて多く,生存胎児の全例に何らかの形態異常が認め

られた.330mg投与群では外表奇形及び骨格異常が妊娠9~11日投与で196

例中5例及び15例,9~14日投与で124例中15例及び38例,12~14日投与で

168例中2例及び0例でみられた.330及び660mg投与群でみられた主な異常

は上口唇裂,口蓋裂,無(小)眼症,腹壁裂,手関節屈曲(前腕骨一部欠

損及び短小),肋骨・椎骨異常であった.165mg投与群では妊娠9~11日投与

で1例/173例,9~14日投与で5例/183例に脊椎裂,無(小)眼症がみられた.

なお,165及び660mg投与群の妊娠12~14日投与では外表奇形及び骨格異常

は認められなかった47).

妊娠21日(満期)のラットに100mg/kgを単回経口投与した試験で,弱い胎

児の動脈管収縮が報告されている48).

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Ⅹ. 取扱い上の注意等に関する項目

1. 有効期間又は使用期限

2. 貯法・保存条件

3. 薬剤取扱い上の注意点

4. 承認条件

5. 包 装

6. 同一成分・同効薬

7. 国際誕生年月日

8. 製造・輸入承認年月日

及び承認番号

9. 薬価基準収載年月日

使用期限:3ヵ年

容器に表示

室温,密閉容器に保存

湿った空気中で徐々に分解するので注意すること.

なし

ポリエチレン袋(500g入り)

スチール缶(内蓋付き,乾燥剤10g入り)

同一成分薬:アスピリン腸溶錠

同 効 薬:解熱・鎮痛・消炎剤 非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤

川崎病用剤 人免疫グロブリン

承認年月日:2005年10月31日

承 認 番 号:アスピリン「バイエル」 21700AMY00243

2006年3月

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10. 効能・効果追加,用法・

用量変更追加等の年月

日及びその内容

11. 再審査結果,再評価結

果公表年月日及びその

内容

12. 再審査期間

13. 投与期間制限の有無

14. 厚生労働省薬価基準収

載医薬品コード

15. 保険給付上の注意

該当しない

1994年9月

なし

本剤の適応疾患(効能・効果)のうち,下記については1回30日分投薬が認

められている.

・慢性関節リウマチ,若年性関節炎

・関節症

・強直性脊椎炎

なお,本剤の『用法・用量に関連する使用上の注意』において,「川崎病で

は発症後数ヵ月間,血小板凝集能が亢進しているので,川崎病の回復期に

おいて,本剤を発症後2~3ヵ月間投与し,その後断層心エコー図等の冠動

脈検査で冠動脈障害が認められない場合には,本剤の投与を中止すること.

冠動脈瘤を形成した症例では,冠動脈瘤の退縮が確認される時期まで投与

を継続することが望ましい.」と記載している.

1143001X1015

特になし

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ⅩⅠ. 文 献

1. 引用文献

1) Weiss HJ, Aledort LM: Lancet 2: 495-497, 1967

2) The Merk Index, 12th ed., (Budavari S et al.), p144, Merk & Co., Inc.,

Whitehouse Station, New Jersey, 1996

3) バイエル薬品社内資料

4) 第十四改正日本薬局方解説書(廣川書店): C63-68, 2001

5) 草川三治 他: 日本小児科学会雑誌 87: 2486-2491, 1983

6) 草川三治 他: 日本小児科学会雑誌 89: 814-818, 1985

7) 草川三治 他: 日本小児科学会雑誌 90: 1844-1849, 1986

8) Furusho K et al.: Lancet Ⅱ, 1055-1058, 1984

9) Terai M, Shulman ST: J. Pediatr. 131: 888-893, 1997

10) 久野保夫 他: 日本小児科学会雑誌 94: 97-102, 1990

11) 荻野廣太郎 他: Prog. Med. 10: 29-38, 1990

12) Furusho K et al.: Acta Paediatr. Jpn. 33: 799-804, 1991

13) Harada K et al.: Acta Paediatr. Jpn. 33: 805-810, 1991

14) 岡崎富男 他: 小児科診療 54: 1412-1420, 1991

15) Haneda N, Mori C: Acta Paediatr. Jpn. 35: 294-297, 1993

16) Furukawa S et al.: Eur. J. Pediatr. 153: 663-667, 1994

17) Onouchi Z et al.: Acta Paediatr. Jpn. 37: 40-46, 1995

18) 尾内善四郎 他: Prog. Med. 15: 1269-1279, 1995

19) 篠原真 他: 北関東医学 46(3): 249-256, 1996

20) 長嶋正實 他: 小児科臨床 50: 1771-1780, 1997

21) Sato N et al.: Pediatr. Int. 41: 1-7, 1999

22) Aspirin and Other Salicylates (Vane JR et al.), p35-59 Chapman & Hall

Medical, London, 1992

23) Lecomte M et al.: J. Biol. Chem., 269(18): 13207-13215, 1994

24) 白幡聡 他: 日本小児科学会雑誌 89: 2207-2214, 1985

25) 辻本豪三 他: Medicina, 22(5): 940-946, 1985

26) バイエル薬品社内資料

27) Federal Register: 63(205): 56802-56819, 1998

28) Aspirin and Other Salicylates (Vane JR et al.), p107-137, Chapman & Hall

Medical, London, 1992

29) Levy G, Leonards JR: JAMA 217(1): 81, 1971

30) Levy G: Pediatrics 62 (Suppl.): 867-872, 1978

31) バイエル薬品社内資料

32) Hill JB: N. Engl. J. Med. 288(21): 1110-1113, 1973

33) Garrettson LK et al.: Clin. Pharmacol. Ther. 17(1): 98-103, 1974

34) Findlay JWA et al.: Clin. Pharmacol. Ther. 29(5): 625-633, 1981

35) 菅原和信: 産婦人科治療 73(4): 391-397, 1996

36) Rosenthal RK et al.: Arthritis Rheum. 7(2): 103-109, 1964

37) Roberts MS et al.: Brit. J. Clin. Pharmacol. 6: 429, 1978

38) Wilson JT et al.: Clin. Pharmacol. Ther. 23(6): 635-643, 1978

39) Smith MJH: J. Pharm. Pharmacol. 3: 439-443, 1950

40) グッドマン・ギルマン薬理書 第 10 版(廣川書店), 27 章, p872-935, 2003

41) USP DI: Vol.1, Drug Information for The Health Care Professional,

18th ed., p2549-2563, the United States Pharmacopeial Convention, Inc.,

Rockville, Maryland, 1998

42) Jacobsen D: Human Toxicol. 7: 161-163, 1988

43) 厚生省医薬安全局:医薬品等安全性情報 No.151, 1998

44) Sim SM et al.: Br. J. Clin. Pharmac., 32: 17-21, 1991

45) Spector WS: HANDBOOK of TOXICOLOGY Vol.1, 1956

46) 豊島滋 他: 基礎と臨床 10(8): 1925-1939, 1976

47) 長浜萬蔵 他: 先天異常 6: 20-31, 1966

48) 門間和夫 竹内東光: 臨床と研究 2: 95-101, 1983

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2. その他の参考文献

3. 文献請求先

特になし

主要文献に記載の社内資料につきましても下記までご請求下さい。

バイエル薬品株式会社・学術情報

**〒530-0001 大阪市北区梅田二丁目 4 番 9 号

** 2008 年 8 月改訂

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(2008 年 8 月作成)BAS・50-1.0(MX) 資材記号 ASA・08・9001