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自民党IT戦略特命員会「社会保障に関する情報システム小委員会」 ヒアリング説明資料
日本薬剤師会が構築中の電子お薬手帳について
平成27年6月10日
はじめに
本会とお薬手帳の関わり
• 平成8~9年、都道府県や地域の薬剤師会が中心となり、お薬手帳が普及し始める。
• 平成10年、「日薬版・お薬手帳」を作成し、全国普及に着手。
• 現在では、患者への情報提供の他、重複投薬抑制や(有害な)薬物相互作用の発生防止、禁忌薬・アレルギーの把握等に利用され、患者・国民のみならず、医療関係者からも、必要とされている。
• 東日本大震災では、多くのカルテが利用不能となった中で、お薬手帳は貴重な医療情報として利用された。
• このように、本会では、患者・国民の医薬品の安全な使用のため、 お薬手帳の利用を推進している。
本会での電子お薬手帳の検討
• 平成21年~ 電子お薬手帳に関する基礎検討を開始• 平成22年~ IT戦略本部医療情報化タスクフォース
(医療TF)に参加し、具体的議論を開始• 平成24年2月 医療TFで、電子お薬手帳のプロトタイプ
をデモ• 平成24年9月 保健医療福祉情報システム工業会の電子
お薬手帳フォーマットの公開に合わせ、日薬版電子お薬手帳アプリ(試用版)を公開
• 平成25年~ 試用版評価に平行し、大阪府薬剤師会開発の電子お薬手帳との相互運用性確保を検討
• 平成27年7月 日薬版電子お薬手帳公開(予定)[大阪府薬剤師会と相互運用可能な形での構築・提供]
現在の展開状況
• 本会と相互運用可能な形な大阪府薬剤師会開発の電子お薬手帳は、東京都、大阪府、京都府等、20都府県の薬剤師会で導入されている。
• 利用者(アプリダウンロード数)は約9万人。• 来月には、本会の電子お薬手帳がそれに加わるので、全国規模での普及が見込まれる。
電子お薬手帳が備えるべき要件
• 国民の医薬品の安全な使用のため、電子お薬手帳は、紙のお薬手帳と同等以上の機能を具備する必要がある。
• 紙のお薬手帳と同じように、希望する国民の誰もが利用でき、閲覧が必要な医療関係者の誰もが閲覧できる環境を構築する必要がある(特定の者のみ利用可能とするのでは、そもそもお薬手帳の用をなさない)。
• 事業者による情報の囲い込みを排するため、標準的なデータ形式を採用すべきである。
• 集積されたデータの二次利用は、個人情報保護法等に従った上で、国民が納得する利用(公正な利用)に限るべきである。
公正な利用とは
• その時代に則し、その時代の多くの国民が明白で正しいと納得する利用であること。
• 国民のためになる利用であること。• 医療関係者の信義に照らし、適正な利用であること。• 医学の発展や新薬の開発等、最終的に国民に還元される
利用であること。
公正な利用の必要性
• 情報の二次利用を一律に否定するものではない。• 一方、医療・健康に係る情報は
• 漏洩した場合の個人の地位回復が難しい。• 一定程度の匿名化では、個人が特定される恐れが残る。• 情報量の大小に関わりなく利用可能である。という特性を持ち、慎重に取り扱うべき情報である。
• しかし、現状、患者・国民が、これらを十分に理解しているとは考えにくい。
• 個人情報保護法等に則った上で、患者・国民が明白で正しいと納得する利用にしなければ、最終的に患者・国民の不信感に繋がる。
構築中の電子お薬手帳
基本コンセプト
• 今現在、必要とされている仕組みであり、早期の開発が、患者・国民の混乱を避けるために必要である。
• 紙のお薬手帳と同様に、患者・国民が自分の情報を自己コントロール可能な仕組みとする。
• 大規模災害等を念頭に、インターネット環境が無くとも、一定の機能を有する仕組みとする。
• スマホ利用を想定するものの、スマホを持たない患者・国民に対する運用も可能とする(一部機能制限あり)。
• マイナンバー(医療等ID)が普及し、全国に地域医療情報連携基盤が構築されるまでの間、その一部機能を代替できるシステムとして構築する。
基本的な運用方法
基本的な運用
患者にお薬手帳のデータを渡す
A薬局
B薬局
C薬局
基本的な運用
患者にお薬手帳のデータを渡す
A薬局
B薬局
C薬局
患者がスマホに取り込む※スマホの利用が難しい場合等、患者の依頼を受け、薬局が代行して登録するケースも想定有り
基本的な運用
患者にお薬手帳のデータを渡す
A薬局
B薬局
C薬局
患者がスマホに取り込む
患者のデータ
日薬版電子お薬手帳システム
患者が登録(バックアップ)
患者の許可を受けて閲覧
※スマホの利用が難しい場合等、患者の依頼を受け、薬局が代行して登録するケースも想定有り
基本的な運用
A薬局
B薬局
C薬局
患者がスマホに取り込む
患者のデータ
日薬版電子お薬手帳システム
患者が登録(バックアップ)
患者の許可を受けて閲覧
※スマホの利用が難しい場合等、患者の依頼を受け、薬局が代行して登録するケースも想定有り
患者にお薬手帳のデータを渡す
患者に渡すデータ形式
• データ形式は、本業界の事実上の標準である「電子版お薬手帳データフォーマット 」を利用している。
• 本規格は、一般社団法人 保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)が制定し、標準文書類の一つとして公開している。
• 調剤(薬局)のみならず、医療機関・病院での利用も可能な規格である。
• 日本の薬局の大多数で、本形式によるQRコードの印刷は可能と認識している。
※JAHISは、薬局や病院、診療所のシステムのみならず、保健医療福祉情報を取扱う372社が参加し、医療等の情報の標準化や共通基盤の確立等を推進している団体である。
患者へのデータ提供方法の詳細
患者へのデータ提供方法-QRコードを利用した提供-
調剤レセコン出力例 医科レセコン出力例
※データ形式は、事実上の標準である「電子版お薬手帳データフォーマット仕様書」(保健医療福祉情報システム工業会策定)による
※日本の薬局の大多数で、標準形式によるQRコードの印刷は可能と認識。
実際に取り込む様子
患者へのデータ提供方法-おサイフケータイ®機能を利用した提供-
• スマートフォン(アンドロイド携帯)に、電子版お薬手帳のデータをタッチ転送
薬局内システム
TOUCH!
※「おサイフケータイ®」は、データがICチップ内に格納される仕様だが、お薬手帳のデータは、サイズが大きいので、スマホ本体のメモリに転送する仕様である。
データ転送用端末の例
別種のデータ転送用端末をパソコンに接続しての運用も可能だが、少ない接地面積でも対応可能なように、設計した端末例。
データを転送はタッチだけ
患者へのデータ提供方法-オンラインによる提供-
A薬局
B薬局
C薬局
患者
患者のデータ
日薬版電子お薬手帳システム
スマホに取り込み代行して
登録
薬局での閲覧
基本的な運用
A薬局
B薬局
C薬局
患者がスマホに取り込む
患者のデータ
日薬版電子お薬手帳システム
患者が登録(バックアップ)
患者の許可を受けて閲覧
※スマホの利用が難しい場合等、患者の依頼を受け、薬局が代行して登録するケースも想定有り
患者にお薬手帳のデータを渡す
薬局での閲覧
• 薬局は、薬局のパソコン等で閲覧。• 患者のスマホは預からない。• 薬局での閲覧には、患者の同意が必要。• 当面、閲覧許可には、ワンタイムパスワードを利用予定
だが、マイナンバーカード等をキーとして利用する方法も実現可能である。(マイナンバーカード内への全データ格納は、容量的に現状では困難)
薬局の閲覧画面
本会の使命として
国民のための幅広い展開へ
全体像
全体像
A薬局
B薬局
C薬局
日薬版電子お薬手帳システム
登録
患者の許可を受けて閲覧
患者
全体像
A薬局
B薬局
C薬局
日薬版電子お薬手帳システム
登録
患者の許可を受けて閲覧
患者
他の電子お薬手帳システム
全体像
A薬局
B薬局
C薬局
日薬版電子お薬手帳システム
登録
患者の許可を受けて閲覧
患者
他の電子お薬手帳システム
すでに複数の運営主体と協議を重ね、概ね賛同を得ている。
他の電子お薬手帳等との連携の詳細
リンク付けサーバーによる連携
34
A薬局B薬局
C薬局
運営主体B
X薬局Y薬局
Z薬局
リンク付けサーバー
医療情報交換の標準規格に対応し、拡張性を確保
運営主体X
ポリシーが異なれば繋げない
地域医療情報連携基盤・疾病管理手帳等
運営主体A患者
運営主体Aに保存されている患者のデータを閲覧
リンク付けサーバーの必要性
• 患者が複数の運営主体にデータを分散して保管している場合でも、国民の医薬品の安全な使用のためには、一元的に閲覧できる環境を整えることが重要である。
• 薬局での閲覧には、患者の許可を有するものの、希望する患者であれば、全国どの薬局でも患者のお薬手帳の情報を一元的に閲覧することが可能となる。
• 公益に資する仕組みを構築・提供することは、公益社団法人の使命の一つでもある。
全体像(続き)
A薬局
B薬局
C薬局
日薬版電子お薬手帳システム
登録
患者の許可を受けて閲覧
患者
他の電子お薬手帳システム
すでに複数の運営主体と協議を重ね、概ね賛同を得ている。
全体像
A薬局
B薬局
C薬局
日薬版電子お薬手帳システム
登録
患者の許可を受けて閲覧
患者
薬剤師・他の医療関係者等
データ提供等
閲覧等
他の電子お薬手帳システム
すでに複数の運営主体と協議を重ね、概ね賛同を得ている。
全体像
A薬局
B薬局
C薬局
日薬版電子お薬手帳システム
登録
患者の許可を受けて閲覧
患者
薬剤師・他の医療関係者等
データ提供等
閲覧等
他の電子お薬手帳システム
すでに複数の運営主体と協議を重ね、概ね賛同を得ている。
JAHISと協議し、規格修正を要請中
全体像
A薬局
B薬局
C薬局
日薬版電子お薬手帳システム
登録
患者の許可を受けて閲覧
患者
薬剤師・他の医療関係者等
データ提供等
閲覧等
医療機関等での閲覧
地域医療情報連携基盤・疾病管理手帳等
他の電子お薬手帳システム
すでに複数の運営主体と協議を重ね、概ね賛同を得ている。
JAHISと協議し、規格修正を要請中
全体像
A薬局
B薬局
C薬局
日薬版電子お薬手帳システム
登録
患者の許可を受けて閲覧
患者
薬剤師・他の医療関係者等
データ提供等
閲覧等
医療機関等での閲覧
地域医療情報連携基盤・疾病管理手帳等
他の電子お薬手帳システム
すでに複数の運営主体と協議を重ね、概ね賛同を得ている。
JAHISと協議し、規格修正を要請中
標準的手法を用いた連携(次頁)
地域医療情報連携基盤との連携
• リンク付けサーバーと地域医療情報連携基盤の接続は、医療情報連携の国際標準規約のひとつであるIHE XDS統合プロファイルに準拠している。
• 本規約は、厚労省、総務省、経産省等で実施されたICTによる地域医療情報連携基盤の構築の際に利用される規約であり、本邦における医療情報連携の標準的手法として、関係者が了知している。
• そのため、マイナンバー(医療等ID)が普及し、地域医療情報連携基盤が確立された場合にも、スムーズな移行が可能である。
• 実際に、総務省が実施したマイナンバーカードの実証事業での運用も経験済みである。
全体の開発状況(予定)
A薬局
B薬局
C薬局
患者
日薬版電子お薬手帳システム
登録
患者の許可を受けて閲覧
薬剤師・他の医療関係者等
データ提供等
閲覧等
医療機関等での閲覧
他の電子お薬手帳システム
地域医療情報連携基盤・疾病管理手帳等
全体の開発状況(予定)
A薬局
B薬局
C薬局
患者
日薬版電子お薬手帳システム
登録
患者の許可を受けて閲覧
薬剤師・他の医療関係者等
データ提供等
閲覧等
医療機関等での閲覧
他の電子お薬手帳システム
地域医療情報連携基盤・疾病管理手帳等
全体の開発状況(予定)
A薬局
B薬局
C薬局
患者
日薬版電子お薬手帳システム
登録
患者の許可を受けて閲覧
薬剤師・他の医療関係者等
データ提供等
閲覧等
医療機関等での閲覧
他の電子お薬手帳システム
地域医療情報連携基盤・疾病管理手帳等
全体の開発状況(予定)
A薬局
B薬局
C薬局
患者
日薬版電子お薬手帳システム
登録
患者の許可を受けて閲覧
薬剤師・他の医療関係者等
データ提供等
閲覧等
医療機関等での閲覧
他の電子お薬手帳システム
地域医療情報連携基盤・疾病管理手帳等
全体の開発状況(予定)
A薬局
B薬局
C薬局
患者
日薬版電子お薬手帳システム
登録
患者の許可を受けて閲覧
薬剤師・他の医療関係者等
データ提供等
閲覧等
医療機関等での閲覧
他の電子お薬手帳システム
地域医療情報連携基盤・疾病管理手帳等
全体の開発状況(予定)
A薬局
B薬局
C薬局
患者
日薬版電子お薬手帳システム
登録
患者の許可を受けて閲覧
薬剤師・他の医療関係者等
データ提供等
閲覧等
医療機関等での閲覧
他の電子お薬手帳システム
地域医療情報連携基盤・疾病管理手帳等
本会は患者・国民のため、医薬品の安全使用、医療の向上のための施策を進めてまいります。