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CSR レポ ート 2012 ダイジェスト 日本化薬グループの

日本化薬グループの C SRレポート 2012 ダイジェスト CSRレポート2012ダイジェストの編集方針 本レポートでは、日本化薬グループの2011年度CSR活

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C S Rレポート2 012 ダイジェスト

日 本 化 薬 グ ル ー プ の

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02

● CSRレポート2012ダイジェストの編集方針 本レポートでは、日本化薬グループの2011年度CSR活動実績と具体的事例を紹介しています。 ステークホルダーの皆さまによりわかりやすく充実した情報開示を目指し、CSR活動を当社の「CSRアクションプラン」(P8-9)に即して整理しなおしダイジェスト版として報告しています。冊子「CSRレポートダイジェスト」では2011年度のCSR活動報告と年次トピックスを中心に掲載し、ウェブサイト「CSR情報」ではCSR活動情報を網羅的かつ詳細に開示しています。

● 報告対象の範囲ならびに期間社会面報告対象範囲:日本化薬株式会社ならびに取り組み状況に応じた範囲でグループ会社を含む報告対象期間:2011年6月1日〜2012年5月31日(一部2012年8月までの情報を含む) 

環境面報告対象範囲:日本化薬株式会社報告対象期間:2011年4月1日〜2012年3月31日

経済面報告対象範囲:日本化薬株式会社ならびにグループ会社

(連結対象子会社:22社、持分法適用会社:3社)報告対象期間:2011年6月1日〜2012年5月31日

02 編集方針

03 トップメッセージ

04 企業ビジョンとCSR活動

06 “世界的すきま発想。”で社会に貢献する

日本化薬グループの事業

08 CSRアクションプラン

10 特集1 エネルギー低消費型企業を目指して

12 特集2 日本化薬グループのBCPへの取り組み

14 コーポレート・ガバナンス

15 コンプライアンス

16 社会的責任を果たすために

お客様への取り組み

社会への取り組み

従業員への取り組み

19 環境責任を果たすために

環境安全衛生品質マネジメントシステム

安全衛生および品質保証に対する取り組み

環境負荷低減の取り組み

22 掲載内容一覧

23 グループ概要

C o n t e n t s ● 目次編 集 方 針

表紙写真について

本報告書の内容および各種環境データなどの詳細情報はウェブサイト上に掲載しています。また、最新の関連ニュースも逐一更新しています。

ウ ェ ブ サ イ ト も ご 覧 く だ さ い

CSR情報へのアクセス方法

◦日本化薬のウェブサイトにアクセス

◦トップページ

の「CSR情報」

をクリック

http://www.nipponkayaku.co.jp/csr/掲載内容一覧(P22)にウェブサイトと冊子の関係を一覧にしています。

タイトル:Hummingbird撮 影 者:Nippon Kayaku America, Inc. 宮田 明撮影場所:カリフォルニア州サニーベール

(Sunnyvale, California)撮影者コメント:体長10cmにも満たない、小さくて動きの素早いハチドリの姿を捉えるのに大変苦労をしました。

その他ツール

 日本化薬グループは、ステークホルダーの皆さまへの情報公開・情報提供の方法として、この「CSRレポート」の他に、ウェブサイトや会社案内、アニュアルレポート、株主向け広報誌

(株主通信)を発行しています。私たちはこれらの媒体を通じてステークホルダーの皆さまに日本化薬グループを理解していただきたいと考えています。

アニュアルレポート会社案内

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 日本化薬グループは、 KAYAKU spirit 「最良の

製品を不断の進歩と良心の結合により社会に提供し

続けること」を私たちの「あるべき姿」=「企業ビジョ

ン」と位置付けています。 KAYAKU spirit の実現

を目指した企業活動を、役員・従業員一人ひとりが

主体的に行うことで、企業の経済的責任・社会的責

任・環境責任を果たし、すべてのステークホルダー

の信頼に応えるCSR経営が達成できるものと考えて

います。

 

 日本化薬グループは、2010年6月より、各事業を

統括するすべての役付執行役員をメンバーとする

CSR経営委員会を設置し、事業活動をCSRの観点

から判断できる体制としています。また、経営企画部

内にCSR推進担当を設置するとともに、組織横断的

なCSRプロジェクトを継続的に運営することによっ

て、グループのCSR経営への意識を高めています。

各事業のCSR活動は、CSRアクションプランとして

設定し、グループ一丸となってCSR経営の実現に向

け、取り組んでいます。現在、日本化薬グループは世

界8カ国にグループ会社を有し、多様な事業を営ん

でおります。今後、事業のグローバル化が進むにつ

れ、私たちの社会的責任もますます大きくなっていく

ものと認識しております。

 

 皆さまの豊かな暮らしに貢献するための製品を

提供し続けることが、私たちの大きな責務です。私

たちは、昨年の大震災以降、有事の際にも企業活動

を継続することの重要さをあらためて認識し、BCP

(Business Continuity Plan:事業継続計画)の

策定・強化に努めてまいりました。また、社会で永続

的に活動する企業として、限られた資源を効率的に

活用することも取り組むべき課題と考えています。本

CSRレポートにおいては、特集としてBCPの策定と

エネルギー低消費型企業へ向けた取り組みを取り

上げ、私たちの活動を紹介しております。

 

 本CSRレポートは、昨年に引き続き、冊子版はダ

イジェスト版とし、わかりやすくまとめる一方、詳細な

データや多くの記事はウェブサイトに掲載し、日本

化薬グループのCSR活動全般を理解していただけ

るよう努めました。読者の皆さまには、今後とも私たち

のCSR活動に一層のご理解とご支援を賜りますよう

お願い申し上げます。

T o p M e s s a g e ● トップメッセージ

日本化薬グループは

グローバルに

C S R 経 営を

進 め てまいります。

代表取締役社長

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04

KAYAKU spirit を実現させるための企業活動としてCSR経営を位置付けています。

● 日本化薬グループの企業ビジョン

 日本化薬グループは、さまざま

な国や地域でさまざまな事業を営

んでいますが、私たちの共通に持

つ「あるべき姿」=「企業ビジョン」

が KAYAKU spirit です。私たち

は、 KAYAKU spirit を経営理念

規程に定め、全役員・従業員に啓発

して徹底することにより、自発的行

動を促し、一致団結して目標に向

かうよう努めています。私たちは、

KAYAKU spirit の実現を目指す

企業活動を展開することで、経済的

責任・社会的責任・環境責任を果た

し、株主・取引先・顧客・従業員・地

域社会など、すべてのステークホ

ルダーの信頼に応えるCSR経営を

達成いたします。

企業ビジョンとC S R 活 動

KAYAKU spirit と CSR経営

私たちは、KAYAKU spirit 「最良の製品を不断の進歩と良心の結合により社会に提供し続けること」を実現することによって、すべてのステークホルダーの信頼に応えるCSR経営を行ってまいります。

わたしたちの全ての事業活動は KAYAKU spirit に基づきます。

KAYAKU spirit の実現を目指したCSR経営を行うことによって全てのステークホルダーの信頼に応えてまいります。

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 2010年6月、社長を委員長とするCSR経営委員会

を設置しました。本委員会は各事業を統括するすべて

の役付執行役員をメンバーとし、すべての事業活動を

CSRの観点から判断できる体制としています。

 CSR推進体制を強化するために2009年より組織横

断的な社内プロジェクトを作り、全社での取り組みを進

めています。

 企業ビジョンの浸透とCSRの意識を全社員に定着さ

せるために、年間数十回に及ぶCSR研修・コンプライア

ンス研修を実施し、特に新入社員研修や中途採用者研

修、管理職研修に組み込んでいます。

 2011年度は、社内報に毎号、 KAYAKU spirit を実

現した具体的な事例を掲載する取り組みも開始しまし

た。また、企業ビジョンを解説した冊子や携帯用のカー

ドは、グループ会社がある6ヵ国語で作成し、日本化薬

グループ全体で共有しており、 KAYAKU spirit ・グ

ループ行働指針を示した“企業ビジョン掲示ボード”の

各国語版も作成し、全日本化薬グループ会社事業所に

掲示する取り組みも行いました。

CSR経営実現のための取り組み

▲企業ビジョンボード

化薬(湖州)安全器材有限公司の取り組み

 化薬(湖州)安全器材有限公司では、「KAYAKU spirit」の中国語版をいち早く作成し、啓発活動の一環として事

務所、組立工室、GG工室、倉庫、食堂の5カ所に掲示しま

した。さらに、課長・主任会議で中堅社員に説明会を行い

ました。しかし、中国人社員が理解するには難しいと判断

し、まず基本的な精神を理解してもらい、各部署での会議

や研修、具体的な仕事の中でその内容を噛み砕いて説明

するようにしています。

 例えば、危険物に関する法令の遵守、種々作業時の危機

対応の徹底、調達業務における適正な取引、企業情報・個

人情報の保護など、コンプライアンス違反になりかねない

事例があれば、事前に指摘し、厳しく対応しています。

 今後は、各事例が KAYAKU spirit のどのグループ行働

指針に該当するかを明確にし、意識付けるとともに通常

の業務の中で自然にその精神を体現できるように浸透さ

せていきます。

▲組立工室記録室に掲示し、通常業務の中での意識を促進

▲無錫先進化薬化工有限公司▲Kayaku Safety Systems de Mexico,S.A. de C.V.

▲Nippon Kayaku Korea Co.,Ltd.

● 日本化薬グループ会社での企業ビジョンボードの掲示

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日本化薬グループの事業で社会に貢献する

車載用ディスプレイ液晶ディスプレイ用フィルム

エンジンエンジンモーター制御半導体用エポキシ樹脂、プリント基板用樹脂

車載用シート染料

デジタルカメラ微細カラーフィルター用着色樹脂、ブラックマトリックス用樹脂

医療医薬品、医療機器、原薬、診断薬

ダンボール染料

ディスプレイ半導体封止材用エポキシ樹脂、液晶シール材、液晶パネルスペーサー用樹脂、カラーフィルター用樹脂、コート用樹脂、プリント基板用樹脂

光ディスク接着剤、コート剤

ふせん接着剤の原料であるアクリル酸製造のための触媒、紙用染料

プリンターインクジェットプリンター用色素プリント用普通紙蛍光染料

プロジェクター偏光フィルム

巨大水槽透明樹脂の原料であるメタクリル酸の製造のための触媒

スマートフォン、タブレットカラーレジスト用樹脂、半導体封止材用エポキシ樹脂、フラッシュLED封止用ハイブリッド樹脂、液晶シール材

アクリル塗料、ライトカバー塗料・部品の原料であるアクリル酸製造のための触媒、樹脂着色剤

シートベルトマイクロガスジェネレータポップアップエンジンフード

マイクロガスジェネレータカーテンエアバッグインフレータサイドエアバッグ インフレータ

エアバッグ インフレータ

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日本化薬グループは“世界的すきま発想。”というコーポレート・スローガンを掲げ、ニッチでも突出した技術で付加

価値の高い製品を開発し、世界になくてはならない企業を目指しています。ここでは4つの中核事業にクローズアッ

プし、どんなところで製品が活用されているのかをご紹介します。

農業殺虫剤、除草剤、土壌くん蒸剤、生物農薬

カレンダー蛍光染料 プラズマディスプレイ

光学機能フィルム、機能性色素

洋服 染料

菓子 品質保持剤

おむつ高吸水性樹脂の原料であるアクリル酸製造のための触媒

トイレットペーパー染料

食品健康食品

 「医薬」の低分子合成技術と「樹脂」の高分子技術を融合した開発中の高分子ミセル化抗がん剤にも日本化薬グループの技術が活きています。

医薬事業

● 高分子ミセル化抗がん剤(開発中)

 乗員を万が一の事故から守るエアバッグ、シートベルトプリテーショナーと歩行者との衝突時に衝撃を緩和するポップアップエンジンフード。これらを事故発生時に作動させる自動車用安全部品にも日本化薬グループの技術が活きています。

セイフティシステムズ事業

● 火薬の技術により作動するエアバッグ

 携帯電話、スマートフォン、パソコンなどの電気製品に使用されている半導体等にも日本化薬グループの技術が活きています。さらに、次世代の環境対応製品や省エネルギー関連製品の開発にも注力しています。

機能化学品事業

● 放熱用接着シート

ボンディングワイヤー

エポキシ封止材

半導体チップ

リード

ダイパッド

◀高耐熱硬化型樹脂に高熱伝導性を付与した「KTMシリーズ」

▶環境対応型封止材を使用した半導体パッケージ

 農作物を病害虫・雑草から守り、生産者の労力を軽減する農

薬。食物生産を助けるこれらの資材にも日本化薬グループの

技術が活きています。

アグロ事業

● ネライストキシン系殺虫剤

▶ネギ、キャベツ等の主要害虫に効果のある「リーフガード顆粒水和剤」

介護事業福祉用具、デイサービス

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C S R アクションプラン

CSR活動 アクションプラン 2011年目標 2011年度結果 評価 2012年目標

基盤となるCSR活動

事業継続性を確保する ■全社事業継続規程ならびに主要事業部門の事業継続マニュアルの策定を完了      ■インフラの整備(災害の際の通信手段と電力の確保)

■BCPに関する全社的な規程および事業部門別の規程4件を策定、本社機能復旧を目指した規程の合計6規程を策定

■インフラ整備(衛星電話を配備し、定期的な通信訓練開始)○ ■BCPに関する規程・マニュアルを充実

■教育・訓練などを実施

企業ビジョン、CSRを啓発する■研修は内容を充実させて継続                          ■企業ビジョン・CSR関連プロジェクトを統合し、運営                  ■会議・社内誌などによる啓発活動(継続)

■CSR教育研修の実施(13回)■企業ビジョンの掲示ボードを全日本化薬グループ会社・事業所へ提示■会議・社内誌などによる啓発活動の継続

○■研修は内容を充実させて継続■CSR関連プロジェクトの組織横断的運営■会議・社内誌などによる啓発活動(継続)

コンプライアンスを啓発する ■65回2,300名にコンプライアンス研修を実施■コンプライアンスアンケートの充実(設問の改正、回収率95%以上)

■コンプライアンス研修を実施(82回2,870名)■コンプライアンス・アンケートの実施(設問改正、回収率97.3%) ○

■全従業員を対象にしたコンプライアンス研修の実践として昨年度実施出来なかった医薬営業所での研修を実施                       

■コンプライアンス・アンケートの更なる改正(設問および選択肢の工夫)事業の課題を主体的に解決する ■集団創造活動テーマ登録件数 : 110件以上 ■集団創造活動テーマ登録件数 : 96件 △ ■集団創造活動テーマ登録件数 : 110件以上

社会的責任を果たすCSR活動

顧客 信頼性を確保する■透明性ガイドラインの指針策定■発生費用の集積および公開方法の確立

■「日本化薬と医療機関などとの関係の透明性に関する指針」策定■経費処理システムを改修し、集計および公開方法確立 ◎ ■公開項目ごとの集計状況確認

■公開へ向けてのシミュレーション実施■農薬安全使用のために現地指導を継続実施 ■農薬安全使用のために現地指導を実施、指導回数 : 昨年比増加 ○ ■農薬安全使用のために現地指導を継続実施

社会社会の健康に貢献する

■ピンクリボン活動の継続■ピンクリボン社内ウェブサイト開設■社員全員へピンクリボン啓発グッズの配布■日本化薬ウェブサイトで動画によるピンクリボン活動啓発

■ピンクリボンバッヂの着用、啓発グッズの社外配布、車用ステッカーの貼付■ピンクリボン社内ウェブサイトを開設(閲覧数3,000名)■グループ会社を含め全従業員に啓発グッズの配布■日本化薬ウェブサイトで動画による啓発

○■ピンクリボン活動の継続■啓発グッズ配布活動を全社へ拡大(3事業場)■ピンクリボン社内ウェブサイトの継続

■「あすなろの家」の継続的管理運営■施設・設備(空調・厨房設備)や、運営体制(人員)の見直し、より使いやすい施設とする

■「あすなろの家」2011年(暦年)利用者 : 133家族■全居室の空調設備の更新 ○ ■「あすなろの家」の継続的な管理運営

■運営体制を見直し、より使いやすい施設とする

地域貢献活動を行う ■工場祭(来場者10,000名)■公開講座や会社見学を積極的に開催

■工場祭 : 6回、来場者9,900名■公開講座、会社見学受入回数 : 7回 ○ ■工場祭(来場者10,000名)

■公開講座や会社見学を積極的に開催

従業員

安全な職場環境を実現する

■全国各拠点の耐震基準を確認し、基準に達していない拠点はすべて移転 ■耐震基準に満たない拠点の移転完了(2支店,6営業所) ◎ ■各拠点での災害対策の拡充

■重大事故災害、休業災害、無傷害事故 : 0件、不休業災害度数率1(5件)以下 ■重大事故災害 : 0件、休業災害 : 1件、無傷害事故 : 0件■不休業災害度数率 : 0.55(3件) ○ ■重大事故災害、休業災害、無傷害事故 : 0件、不休業災害度数率1(5件)以下

■業務上自動車事故率 : 3%以下 ■業務上自動車事故率 : 10.5%(42件) △ ■医薬MR業務上および通勤途上自動車事故率 : 4%以下

■保安教育チェックシート等の活用により継続的に教育を実施 ■火薬類の安全な取扱いに関し、全作業員に対して、火薬安全維持推進チーム活動による教育を毎月計画的に実施 ○ ■安全性のレベル向上を目的とし、安全意識浸透のための教育プログラムにより、火薬

類安全教育を実施する(継続)

ワークライフバランスを充実させる ■半日有休制度の拡充(取得回数、再雇用者への適用)■半日有休休暇制度のシニアパートナーへの導入■半日有給休暇取得可能回数 : 24回から30回へ増加■一人当たり有休取得日数の増

○ ■有給休暇の取得率向上■時差勤務制度・ノー残業デーの合理的な運用

健康的な職場を作る■メンタルヘルス研修 : 3カ年計画受講率100%■健康診断 : 受診率100%■長時間労働者対応 : 面談受診率100%

■メンタルヘルス研修 : 全従業員に実施(3カ年計画完了)■健康診断 : 受診率100%■長時間労働者対応 : 産業医面談 : 100%実施

○■メンタルヘルス研修 : 3カ年計画受講率100%(3カ年計画を再度スタート)■健康診断 : 受診率100%■長時間労働者対応 : 面談受診率100%

多様性のある職場を作る ■障がい者雇用率の向上■ダイバーシティ推進

■障がい者雇用について、養護学校と連携し採用活動を開始■定年到達後、再雇用を希望者の雇用率 : ほぼ100% ○ ■障がい者の積極的な雇用の継続

働きやすい職場を作る ■次世代育成支援諸制度の認知度向上による利用率向上■次世代育成支援対策行動計画(第3回)の策定■「くるみんマーク」基準のクリア■子供のための会社見学会実施(東京事業所、本社)

○ ■次世代育成支援対策推進法ワーキング委員会を中心に、社内環境整備、各種制度を啓発

人権を尊重する ■パワーハラスメントについての研修実施■通報・相談に適切に対応

■パワーハラスメントについての研修は、コンプライアンス研修の中で実施■通報・相談窓口への10件通報・相談に適切に対応 ○ ■社内報に通報・相談Q&Aを掲載し、通報・相談窓口の周知を図る

■通報・相談に適切に対応

社内情報を共有化 ■社内報 : 読まれる紙面づくりを検討■イントラネットなどを用いて情報発信し、社内情報の共有化 ■社内報 : 内容の見直し、レイアウトの変更を行い評価が向上   ○ ■社内報やイントラネットなどを用いて情報発信し、社内情報の共有化

環境責任を果たすCSR活動

顧客 グリーン調達を拡大する ■実績集計および目標設定の検討 ■間接材購買システムでのグリーン調達実績(23年度) 金額24百万円 購入比率5% ○ ■原材料および間接材のグリーン調達実績の集計を実施

社会

化学物質に対する規制を遵守する■MSDS作成システム : GHS改良バージョンへの早期移行と安定運用の推進■RCシステム : MSDgen、R3との連携構築と運用ルールの策定■グリーン調達の充実を図るためサプライチェーン間のコミュニケーションツールを検討

■MSDS作成システム「MSDgen」をバージョンアップし、製品のGHS分類自動化を推進

■「化学物質管理システム」を活用し改正化審法一般化学物質などの届出を実行■REACHのサプライチェーン情報伝達システムOR2ISのプロジェクトに参画し、シ

ステムを導入

新たに発足した化学物質管理室を中心に、■化学物質規制に関する教育プログラムを充実させ、化学品コンプライアンスのボトムアップ■MSDgen運用の効率化を推進し、上市品および開発品(M)SDSの作成・改訂に迅速に対応■OR2ISを用いてサプライチェーン間でREACH輸入者情報を伝達できるよう、サプライヤ、

ユーザへの働きかけを進める

海外生産拠点の環境負荷を低減する廃水のCOD負荷を減らすとともに、脱色を狙う取り組みを実施■招遠先進化工有限公司(中国) : 日本の水処理会社の技術を導入し廃水の電気分解設備を設置■無錫先進化薬化工有限公司(中国) : 同様の方法の有効性検証のため廃水サンプル実験実施

■招遠先進化工有限公司(中国) : 日本メーカーの電気分解設備を設置、廃水処理の条件検討中

■無錫先進化薬化工有限公司(中国) : 上記会社での廃水処理に時間を要し、サンプル実験は保留中、別途新製品導入のための廃水処理検討に工数を配分

△廃水のCOD負荷を減らすとともに、脱色を狙う取り組みをさらに継続■招遠先進化工有限公司(中国) : 廃水の電気分解設備の稼動を開始する■無錫先進化薬化工有限公司(中国) : 活性汚泥処理設備の拡充を図り、新製品導入

に対応する

化学物質排出量を削減する

2020年度までの新中期環境目標を新しく制定■VOC排出量 : 政令および日本化学工業協会で指定される化学物質だけでなく、大気に放出され

るすべての化合物有機化学物質を集計して年間45t以下■COD排出量 : 本項目(COD排出量)を新たに追加し、年間180t以下

■VOC排出量 : 92t(前年度比13%削減。政令報告対象物質 : 22t、日本化学工業協会報告対象物質 : 18t)

■COD排出量 : 123t(前年度比 : 23%削減)○

2020年度までの新中期環境目標■VOC排出量 : 政令および日本化学工業協会で指定される化学物質だけでなく、大気

に放出されるすべての化合物有機化学物質を集計して年間45t以下■COD排出量 : 年間180t以下

廃棄物の発生量を抑える

2020年度までの新中期環境目標を新しく制定■廃棄物発生量 : 30,000t以下■埋立廃棄物量 : ゼロエミッション率3%以下■リサイクル率の向上 : 70%以上

■廃棄物発生量 : 22,298t(前年度比15%削減)■埋立廃棄物量 : ゼロエミッション率13%(前年度比1%増加)■リサイクル率 : 63.5%(前年度比1.4%上昇)

○2020年度までの新中期環境目標■廃棄物発生量 : 30,000t以下■埋立廃棄物量 : ゼロエミッション率3%以下■リサイクル率の向上 : 70%以上

地球温暖化を防止する 2020年度までの新中期環境目標を新しく制定■業務系を加えたエネルギー起源CO2排出量を1990年度比15%以上削減 ■エネルギー起源CO2排出量 : 1990年度比21.2%削減(排出量 : 75.8千t) ◎ 2020年度までの新中期環境目標

■業務系を加えたエネルギー起源CO2排出量を1990年度比15%以上削減排気ガスを削減する ■MRの使用する車両(寒冷地域を除く)を低公害車 : 導入率100% ■MRの使用する全車両(寒冷地域を除く)を低公害車 : 100%導入 ○ 目標を達成したので終了とする

経済的責任を果たすCSR活動

顧客

患者さんに貢献する製品を開発する■高分子ミセル化抗がん剤<NK105>PⅢ開始<NK012>新たな領域でのPⅠ開始■抗体医薬品バイオシミラー : PⅠ/Ⅱ比較試験、臨床試験の実施■血管塞栓用ビーズ : 臨床試験の終了と承認申請

■高分子ミセル化抗がん剤<NK105>PⅢ開始決定<NK012>新たな領域でのPⅠ開始

■抗体医薬品バイオシミラー : PⅠ/Ⅱ比較試験、臨床試験登録終了■血管塞栓用ビーズ : 臨床試験の終了と承認申請

◎■高分子ミセル化抗がん剤<NK105>PⅢ開始<NK012>PⅠの終了とPⅡの検討■抗体医薬品バイオシミラー : 申請準備と新規PⅠ/Ⅱ比較試験、臨床試験計画策定■血管塞栓用ビーズ : 製造承認申請とフォロー

環境にやさしい製品を拡大する

■機能化学品 : 環境対応型半導体封止材の売上比率 : 対前年2%アップ■半導体の市況悪化により、エポキシ樹脂の販売が減少、環境対応型エポキシ樹

脂の売上比率はやや低下■同タイプの普及型エポキシ樹脂と硬化剤を開発中

△ ■機能化学品 : 環境対応型半導体封止材の売上比率 : 対前年2%アップ

■自動車安全部品 : 中期計画に沿ってインフレータ軽量化に向けた開発を推進 ■自動車安全部品 : 燃費の改善による環境負荷低減のため部品の軽量化を推進、開発は計画通り進展 ○ ■自動車安全部品 : 品種毎に軽量化目標を設定し開発を推進(継続) 

■農薬 : 開発中の物理防除剤を農薬として使用できるよう検討 ■物理防除剤(気門封鎖剤)を検討し、農薬登録に向けた作業を実施中 ○ ■食品添加物を用いた新規農薬の検討

情報提供体制を充実させる ■がん専門MR制度の再構築とレベルアップ■新たな情報端末の導入による医療機関の質問への迅速な対応

■がん専門MR制度を再構築し新たな育成システムスタート■新たな情報端末の導入による医療機関の質問への迅速な対応実施 ○ ■新たながん専門MR制度の運用とMRのレベルアップ

■情報端末を活用した迅速な副作用対応体制の確立

最良の製品を提供する ■重大顧客クレーム(損失金額1,000万円以上) : 0件■重大品質工程異常(損失金額1,000万円以上) : 0件

■重大顧客クレーム(損失金額1,000万円以上) : 2件■重大品質工程異常(損失金額1,000万円以上) : 1件 △ ■重大顧客クレーム(損失金額1,000万円以上) : 0件

■重大品質工程異常(損失金額1,000万円以上) : 0件

人にやさしい製品を開発する ― ― ― ■ポップアップエンジンフード、シート座面持ち上げデバイス等に用いるガス発生器の開発進捗を通じ、さらなる自動車の乗員保護技術および歩行者保護技術の発展に貢献する

株主 情報発信力を強化し、情報開示を進める ■継続 : 適切な決算説明会・取材対応・情報開示により株主の信頼を獲得する■機関投資家に対し、半期ごとの業況説明会の実施■IR取材への対応(179回)■WEBサイトへの情報掲載(17回更新)

○ ■継続 : 適切な決算説明会・取材対応・情報開示により株主の信頼を獲得する

Page 9: 日本化薬グループの C SRレポート 2012 ダイジェスト CSRレポート2012ダイジェストの編集方針 本レポートでは、日本化薬グループの2011年度CSR活

09

日本化薬グループの事業活動と連動したCSRアクションプランの自己評価をまとめました。来年度より3カ年の中期

事業計画と連動させた中期CSRアクションプランを策定する予定です。

CSR活動 アクションプラン 2011年目標 2011年度結果 評価 2012年目標

基盤となるCSR活動

事業継続性を確保する ■全社事業継続規程ならびに主要事業部門の事業継続マニュアルの策定を完了      ■インフラの整備(災害の際の通信手段と電力の確保)

■BCPに関する全社的な規程および事業部門別の規程4件を策定、本社機能復旧を目指した規程の合計6規程を策定

■インフラ整備(衛星電話を配備し、定期的な通信訓練開始)○ ■BCPに関する規程・マニュアルを充実

■教育・訓練などを実施

企業ビジョン、CSRを啓発する■研修は内容を充実させて継続                          ■企業ビジョン・CSR関連プロジェクトを統合し、運営                  ■会議・社内誌などによる啓発活動(継続)

■CSR教育研修の実施(13回)■企業ビジョンの掲示ボードを全日本化薬グループ会社・事業所へ提示■会議・社内誌などによる啓発活動の継続

○■研修は内容を充実させて継続■CSR関連プロジェクトの組織横断的運営■会議・社内誌などによる啓発活動(継続)

コンプライアンスを啓発する ■65回2,300名にコンプライアンス研修を実施■コンプライアンスアンケートの充実(設問の改正、回収率95%以上)

■コンプライアンス研修を実施(82回2,870名)■コンプライアンス・アンケートの実施(設問改正、回収率97.3%) ○

■全従業員を対象にしたコンプライアンス研修の実践として昨年度実施出来なかった医薬営業所での研修を実施                       

■コンプライアンス・アンケートの更なる改正(設問および選択肢の工夫)事業の課題を主体的に解決する ■集団創造活動テーマ登録件数 : 110件以上 ■集団創造活動テーマ登録件数 : 96件 △ ■集団創造活動テーマ登録件数 : 110件以上

社会的責任を果たすCSR活動

顧客 信頼性を確保する■透明性ガイドラインの指針策定■発生費用の集積および公開方法の確立

■「日本化薬と医療機関などとの関係の透明性に関する指針」策定■経費処理システムを改修し、集計および公開方法確立 ◎ ■公開項目ごとの集計状況確認

■公開へ向けてのシミュレーション実施■農薬安全使用のために現地指導を継続実施 ■農薬安全使用のために現地指導を実施、指導回数 : 昨年比増加 ○ ■農薬安全使用のために現地指導を継続実施

社会社会の健康に貢献する

■ピンクリボン活動の継続■ピンクリボン社内ウェブサイト開設■社員全員へピンクリボン啓発グッズの配布■日本化薬ウェブサイトで動画によるピンクリボン活動啓発

■ピンクリボンバッヂの着用、啓発グッズの社外配布、車用ステッカーの貼付■ピンクリボン社内ウェブサイトを開設(閲覧数3,000名)■グループ会社を含め全従業員に啓発グッズの配布■日本化薬ウェブサイトで動画による啓発

○■ピンクリボン活動の継続■啓発グッズ配布活動を全社へ拡大(3事業場)■ピンクリボン社内ウェブサイトの継続

■「あすなろの家」の継続的管理運営■施設・設備(空調・厨房設備)や、運営体制(人員)の見直し、より使いやすい施設とする

■「あすなろの家」2011年(暦年)利用者 : 133家族■全居室の空調設備の更新 ○ ■「あすなろの家」の継続的な管理運営

■運営体制を見直し、より使いやすい施設とする

地域貢献活動を行う ■工場祭(来場者10,000名)■公開講座や会社見学を積極的に開催

■工場祭 : 6回、来場者9,900名■公開講座、会社見学受入回数 : 7回 ○ ■工場祭(来場者10,000名)

■公開講座や会社見学を積極的に開催

従業員

安全な職場環境を実現する

■全国各拠点の耐震基準を確認し、基準に達していない拠点はすべて移転 ■耐震基準に満たない拠点の移転完了(2支店,6営業所) ◎ ■各拠点での災害対策の拡充

■重大事故災害、休業災害、無傷害事故 : 0件、不休業災害度数率1(5件)以下 ■重大事故災害 : 0件、休業災害 : 1件、無傷害事故 : 0件■不休業災害度数率 : 0.55(3件) ○ ■重大事故災害、休業災害、無傷害事故 : 0件、不休業災害度数率1(5件)以下

■業務上自動車事故率 : 3%以下 ■業務上自動車事故率 : 10.5%(42件) △ ■医薬MR業務上および通勤途上自動車事故率 : 4%以下

■保安教育チェックシート等の活用により継続的に教育を実施 ■火薬類の安全な取扱いに関し、全作業員に対して、火薬安全維持推進チーム活動による教育を毎月計画的に実施 ○ ■安全性のレベル向上を目的とし、安全意識浸透のための教育プログラムにより、火薬

類安全教育を実施する(継続)

ワークライフバランスを充実させる ■半日有休制度の拡充(取得回数、再雇用者への適用)■半日有休休暇制度のシニアパートナーへの導入■半日有給休暇取得可能回数 : 24回から30回へ増加■一人当たり有休取得日数の増

○ ■有給休暇の取得率向上■時差勤務制度・ノー残業デーの合理的な運用

健康的な職場を作る■メンタルヘルス研修 : 3カ年計画受講率100%■健康診断 : 受診率100%■長時間労働者対応 : 面談受診率100%

■メンタルヘルス研修 : 全従業員に実施(3カ年計画完了)■健康診断 : 受診率100%■長時間労働者対応 : 産業医面談 : 100%実施

○■メンタルヘルス研修 : 3カ年計画受講率100%(3カ年計画を再度スタート)■健康診断 : 受診率100%■長時間労働者対応 : 面談受診率100%

多様性のある職場を作る ■障がい者雇用率の向上■ダイバーシティ推進

■障がい者雇用について、養護学校と連携し採用活動を開始■定年到達後、再雇用を希望者の雇用率 : ほぼ100% ○ ■障がい者の積極的な雇用の継続

働きやすい職場を作る ■次世代育成支援諸制度の認知度向上による利用率向上■次世代育成支援対策行動計画(第3回)の策定■「くるみんマーク」基準のクリア■子供のための会社見学会実施(東京事業所、本社)

○ ■次世代育成支援対策推進法ワーキング委員会を中心に、社内環境整備、各種制度を啓発

人権を尊重する ■パワーハラスメントについての研修実施■通報・相談に適切に対応

■パワーハラスメントについての研修は、コンプライアンス研修の中で実施■通報・相談窓口への10件通報・相談に適切に対応 ○ ■社内報に通報・相談Q&Aを掲載し、通報・相談窓口の周知を図る

■通報・相談に適切に対応

社内情報を共有化 ■社内報 : 読まれる紙面づくりを検討■イントラネットなどを用いて情報発信し、社内情報の共有化 ■社内報 : 内容の見直し、レイアウトの変更を行い評価が向上   ○ ■社内報やイントラネットなどを用いて情報発信し、社内情報の共有化

環境責任を果たすCSR活動

顧客 グリーン調達を拡大する ■実績集計および目標設定の検討 ■間接材購買システムでのグリーン調達実績(23年度) 金額24百万円 購入比率5% ○ ■原材料および間接材のグリーン調達実績の集計を実施

社会

化学物質に対する規制を遵守する■MSDS作成システム : GHS改良バージョンへの早期移行と安定運用の推進■RCシステム : MSDgen、R3との連携構築と運用ルールの策定■グリーン調達の充実を図るためサプライチェーン間のコミュニケーションツールを検討

■MSDS作成システム「MSDgen」をバージョンアップし、製品のGHS分類自動化を推進

■「化学物質管理システム」を活用し改正化審法一般化学物質などの届出を実行■REACHのサプライチェーン情報伝達システムOR2ISのプロジェクトに参画し、シ

ステムを導入

新たに発足した化学物質管理室を中心に、■化学物質規制に関する教育プログラムを充実させ、化学品コンプライアンスのボトムアップ■MSDgen運用の効率化を推進し、上市品および開発品(M)SDSの作成・改訂に迅速に対応■OR2ISを用いてサプライチェーン間でREACH輸入者情報を伝達できるよう、サプライヤ、

ユーザへの働きかけを進める

海外生産拠点の環境負荷を低減する廃水のCOD負荷を減らすとともに、脱色を狙う取り組みを実施■招遠先進化工有限公司(中国) : 日本の水処理会社の技術を導入し廃水の電気分解設備を設置■無錫先進化薬化工有限公司(中国) : 同様の方法の有効性検証のため廃水サンプル実験実施

■招遠先進化工有限公司(中国) : 日本メーカーの電気分解設備を設置、廃水処理の条件検討中

■無錫先進化薬化工有限公司(中国) : 上記会社での廃水処理に時間を要し、サンプル実験は保留中、別途新製品導入のための廃水処理検討に工数を配分

△廃水のCOD負荷を減らすとともに、脱色を狙う取り組みをさらに継続■招遠先進化工有限公司(中国) : 廃水の電気分解設備の稼動を開始する■無錫先進化薬化工有限公司(中国) : 活性汚泥処理設備の拡充を図り、新製品導入

に対応する

化学物質排出量を削減する

2020年度までの新中期環境目標を新しく制定■VOC排出量 : 政令および日本化学工業協会で指定される化学物質だけでなく、大気に放出され

るすべての化合物有機化学物質を集計して年間45t以下■COD排出量 : 本項目(COD排出量)を新たに追加し、年間180t以下

■VOC排出量 : 92t(前年度比13%削減。政令報告対象物質 : 22t、日本化学工業協会報告対象物質 : 18t)

■COD排出量 : 123t(前年度比 : 23%削減)○

2020年度までの新中期環境目標■VOC排出量 : 政令および日本化学工業協会で指定される化学物質だけでなく、大気

に放出されるすべての化合物有機化学物質を集計して年間45t以下■COD排出量 : 年間180t以下

廃棄物の発生量を抑える

2020年度までの新中期環境目標を新しく制定■廃棄物発生量 : 30,000t以下■埋立廃棄物量 : ゼロエミッション率3%以下■リサイクル率の向上 : 70%以上

■廃棄物発生量 : 22,298t(前年度比15%削減)■埋立廃棄物量 : ゼロエミッション率13%(前年度比1%増加)■リサイクル率 : 63.5%(前年度比1.4%上昇)

○2020年度までの新中期環境目標■廃棄物発生量 : 30,000t以下■埋立廃棄物量 : ゼロエミッション率3%以下■リサイクル率の向上 : 70%以上

地球温暖化を防止する 2020年度までの新中期環境目標を新しく制定■業務系を加えたエネルギー起源CO2排出量を1990年度比15%以上削減 ■エネルギー起源CO2排出量 : 1990年度比21.2%削減(排出量 : 75.8千t) ◎ 2020年度までの新中期環境目標

■業務系を加えたエネルギー起源CO2排出量を1990年度比15%以上削減排気ガスを削減する ■MRの使用する車両(寒冷地域を除く)を低公害車 : 導入率100% ■MRの使用する全車両(寒冷地域を除く)を低公害車 : 100%導入 ○ 目標を達成したので終了とする

経済的責任を果たすCSR活動

顧客

患者さんに貢献する製品を開発する■高分子ミセル化抗がん剤<NK105>PⅢ開始<NK012>新たな領域でのPⅠ開始■抗体医薬品バイオシミラー : PⅠ/Ⅱ比較試験、臨床試験の実施■血管塞栓用ビーズ : 臨床試験の終了と承認申請

■高分子ミセル化抗がん剤<NK105>PⅢ開始決定<NK012>新たな領域でのPⅠ開始

■抗体医薬品バイオシミラー : PⅠ/Ⅱ比較試験、臨床試験登録終了■血管塞栓用ビーズ : 臨床試験の終了と承認申請

◎■高分子ミセル化抗がん剤<NK105>PⅢ開始<NK012>PⅠの終了とPⅡの検討■抗体医薬品バイオシミラー : 申請準備と新規PⅠ/Ⅱ比較試験、臨床試験計画策定■血管塞栓用ビーズ : 製造承認申請とフォロー

環境にやさしい製品を拡大する

■機能化学品 : 環境対応型半導体封止材の売上比率 : 対前年2%アップ■半導体の市況悪化により、エポキシ樹脂の販売が減少、環境対応型エポキシ樹

脂の売上比率はやや低下■同タイプの普及型エポキシ樹脂と硬化剤を開発中

△ ■機能化学品 : 環境対応型半導体封止材の売上比率 : 対前年2%アップ

■自動車安全部品 : 中期計画に沿ってインフレータ軽量化に向けた開発を推進 ■自動車安全部品 : 燃費の改善による環境負荷低減のため部品の軽量化を推進、開発は計画通り進展 ○ ■自動車安全部品 : 品種毎に軽量化目標を設定し開発を推進(継続) 

■農薬 : 開発中の物理防除剤を農薬として使用できるよう検討 ■物理防除剤(気門封鎖剤)を検討し、農薬登録に向けた作業を実施中 ○ ■食品添加物を用いた新規農薬の検討

情報提供体制を充実させる ■がん専門MR制度の再構築とレベルアップ■新たな情報端末の導入による医療機関の質問への迅速な対応

■がん専門MR制度を再構築し新たな育成システムスタート■新たな情報端末の導入による医療機関の質問への迅速な対応実施 ○ ■新たながん専門MR制度の運用とMRのレベルアップ

■情報端末を活用した迅速な副作用対応体制の確立

最良の製品を提供する ■重大顧客クレーム(損失金額1,000万円以上) : 0件■重大品質工程異常(損失金額1,000万円以上) : 0件

■重大顧客クレーム(損失金額1,000万円以上) : 2件■重大品質工程異常(損失金額1,000万円以上) : 1件 △ ■重大顧客クレーム(損失金額1,000万円以上) : 0件

■重大品質工程異常(損失金額1,000万円以上) : 0件

人にやさしい製品を開発する ― ― ― ■ポップアップエンジンフード、シート座面持ち上げデバイス等に用いるガス発生器の開発進捗を通じ、さらなる自動車の乗員保護技術および歩行者保護技術の発展に貢献する

株主 情報発信力を強化し、情報開示を進める ■継続 : 適切な決算説明会・取材対応・情報開示により株主の信頼を獲得する■機関投資家に対し、半期ごとの業況説明会の実施■IR取材への対応(179回)■WEBサイトへの情報掲載(17回更新)

○ ■継続 : 適切な決算説明会・取材対応・情報開示により株主の信頼を獲得する

◎:充分に目標を達成、○:ほぼ目標を達成、△:実現に向け努力中

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10

 日本化薬では、エネルギー使用の合理化に関する法

律(以下省エネ法)改正以前から、各事業場単位で、省エ

ネルギー・地球温暖化防止対策に取り組んでいました。

2008年度法律改正以来、社長を委員長とする省エネ

ルギー・地球温暖化対策の全社委員会を組織し、全社的

な取り組みを展開しています。

 さらに2011年度より、中長期環境目標「2020年度

の地球温暖化ガス発生量の1990年比15%削減」を掲

げ、より一層のエネルギー起源温暖化ガスの削減努力

をしてきました。

 しかし、東日本大震災から派生した電力供給不安を

受け、「電力供給不安に負けないエネルギー低消費型

企業を目指す」と宣言し、この活動を特に強化し、推進

してきました。

 合わせて買電電力使用量を削減し、特定電力事業者

からの電力供給不足の影響を避け、継続的に安定生産

できるエネルギーリスクに強い企業を目指すために、

基礎部分の電力設備の見直しを行いました。

❶基礎体力作りとしての電力設備の見直し 電力供給不足への対応として、工場・事業所設備を見

直し、必要に応じて発電機等のバックアップ・補助電源

設備を導入することで、生産を安定化させ、継続的なエ

ネルギー節減に取り組む土台を固めます。

❷既存の省エネ・温暖化防止テーマの促進 省エネ法に基づいて計画し、実施予定のテーマを、確

実に、かつ前倒しで実施しています。

 エネルギー原単位の1%改善を必達として、さらな

る削減に取り組みます。

❸工場のあるべき姿を目指して 2020年の環境目標に向かって、各事業所の将来像

(ゴール)を見据えたエネルギー削減の取り組み姿勢

を、省エネ・温暖化防止対策のマスタープランとして、

工場ごとに作成しています。また、定期的に見直しを行

うこととしています。

❹本質的なエネルギー削減に向けて 大幅なエネルギー削減を目指すには、製造方法を根

本的に見直し、反応プロセスの変更や廃棄物の少ない

製造プロセスの開発など、本質的にエネルギー使用量

の少ない製造方法に変更していく必要があります。

 そのための準備として、生産数量に関わらず、消費す

る固定的な部分と、生産数量に直結して変動する部分

の区分けをしっかりと行う予定です。

 現在、東京工場でエネルギー解析を行い、検討結果を

他工場へ横展開して行く予定です。

❺省エネルギー型・低環境負荷型の新製品開発に向けて

 エネルギー消費量のより少ない新製品や、温暖化ガ

ス発生量のより少ない製造方法を目指して、製品の開

発段階からエネルギーの評価を行う、システムの検討

を開始しました。

 当面は、スケールアップ評価の際には、製造プロセス

の消費エネルギーを推算・評価できるように、研究開発

者に対する省エネルギーの意識改革を目指します。

2011年3月11日発生の東日本大震災と津波の影響による教訓を活かし、

2011年度はエネルギー低消費型企業を目指した取り組み、事業継続計画BCPの見直しを行いました。

エネルギーリスクに強い企業を目指す

5つのテーマでエネルギー低消費を検討

エネルギー低消費型企業を目指す狙い◦電力供給不安への耐力アップ、安定した製品供給◦地球温暖化防止対策の推進◦環境方針の実現◦コストダウン、収益性改善、価格競争力アップ◦製品安定供給、信頼度アップ

エ ネ ル ギ ー 低 消 費 型 企 業を 目 指して特集

1

研究所省エネ委員会事業所省エネ委員会

支社省エネ委員会工場省エネ委員会

エネルギー低消費

プロジェクト

省エネ・地球温暖化対策委員会

Page 11: 日本化薬グループの C SRレポート 2012 ダイジェスト CSRレポート2012ダイジェストの編集方針 本レポートでは、日本化薬グループの2011年度CSR活

11

 従業員が生活の中でエネルギーの無駄遣いを発見し、

省エネ意識を持ってもらうという目的で始めた「わが家

の環境家計簿」は、2011年度で5年目となりました。

 これまでの環境家計簿の結果は以下のようになって

います。

 日本化薬のエネルギー使用量は、2011年度(2011

年4月1日〜2012年3月31日)の1年間で、原油換算

35,943kL(2010年度比94.7%)となり、その結果、

地球温暖化ガス発生量は、1990年度比21.2%の削減

となっています。今後、生産量の増加に伴い悪化が予測

されますが、目標を達成すべく努力します。

 また、エネルギーの原単位改善結果は、2011年度に

ついては2010年度比94.9%でした。

 2011年度は厚狭工場(川東工場)で、ボイラ燃料を

A重油からLNG※1へ転換することが決まり、2013年1

月に竣工の計画で、現在工事中です。

 また、2012年度は、高崎工場にガスコージェネレー

ションシステム(CGS※2)の導入が決定し、2013年6月

竣工を予定しています。

2011年度全社モニター・エネルギー別内訳 第5回は177世帯の日本化薬グループ従業員の家族が参加しました。しかし、2010年度の全国CO2平均

排出量と比較すると、1世帯あたりで約5割CO2排出量

が多い結果となりました。これは、自動車通勤者が多く、

ガソリン使用量が多くなったことが原因です。

日本化薬グループ家庭部門での省エネ度 2010年度の第4回目と2011年度の第5回目の「わ

が家の環境家計簿」を比較し、日本化薬グループ全体の

省エネ度を計算しました。

 日本化薬グループモニターの家庭では、2010年度

と比較して2011年度はCO2排出量10%削減となり、

家庭部門での省エネが進んでいます。なお、灯油の使用

量増加は、暖房時の電気使用を控えて灯油を使用した

ことや、2011年の冬が寒かったことなどが理由として

挙げられます。

日本化薬グループ会社の従業員の省エネ活動 —— わが家の環境家計簿

2011年度の取り組み成果

● わが家の環境家計簿集計結果

実施時期 期間 参加世帯数日本化薬グループCO2平均排出量/1世帯 全国CO2平均排出量/1世帯

全体 1カ月平均 1カ月平均※3

第1回 2009年3月~2009年5月 3カ月 517世帯 1,453 484387※4第2回 2009年10月~2009年12月 3カ月 267世帯 1,735 574

第3回 2010年1月~2010年3月 3カ月 268世帯 1,490 497第4回 2010年4月~2011年3月 1年 191世帯 6,836 570 380※5

第5回 2011年4月~2012年3月 1年 177世帯 6,148 512 未公開※6

※3 出展 : 温室効果ガスインベントリオフィス(全国地球温暖化防止活動推進センター http://www.jccca.org/ より)

※4 公表データより熱、軽油、一般廃棄物より発生するCO2排出量を差し引き、さらに1/4としてCO2平均排出量を計算した。

※5 公表データより熱、軽油、一般廃棄物より発生するCO2排出量を差し引き、さらに1/12としてCO2平均排出量を計算した。

※6 2012年8月末時点で公表されていない。

● 2011年度全社モニター1世帯あたりのCO2排出量

2010年度 2011年度

(kg)

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

800

700

600

500

400

300

200

100

0

● 2010年度と2011年度の比較

電気 都市ガス プロパンガス15%削減 31%削減 21%削減

灯油 ガソリン 水道14%増加 0%削減 25%削減

CO2排出量 10%削減

● 2011年度全社モニター・エネルギー別内訳

電気 40%

水道 2%

ガソリン 38%

灯油 8%

都市ガス 7%プロパンガス 5%

※1 LNG : 液化天然ガス※2 CGS : ガス発電を行い、その廃熱を回収再利用するシステム

(単位:kg)

Page 12: 日本化薬グループの C SRレポート 2012 ダイジェスト CSRレポート2012ダイジェストの編集方針 本レポートでは、日本化薬グループの2011年度CSR活

12

 日本化薬グループ(国内)はこれまでに、新型インフ

ルエンザや自然災害が発生した際に人命や企業資産を

守る体制をまとめた「危機管理マニュアル」と「自然災害

対応規程」を制定していました。東日本大震災ではこの

マニュアルに基づき、中央対策本部を直ちに立ち上げ、

従業員の安否確認や地震発生後の被害状況の確認・報

告の整理等を行うことができました。その一方で、今後

有事が発生した際に一刻も早く通常業務が行えるよう、

より詳細な復旧の手順を決めておくことなど新たな災

害対策の再構築が必要であることを再認識いたしまし

た。

 そこで、2011年度には、内部統制推進部を中心とし

て組織横断的なBCPプロジェクトを立ち上げました。こ

のプロジェクトには、全事業部が参画し、社外コンサル

タントにも加わっていただきました。「危機管理マニュ

アル」で不足していた内容を追加し、有事に際しての

組織的・機能的な復旧活動を可能とする「BCP基本マ

ニュアル」「本社機能復旧BCPマニュアル」「4つの事業

部別BCPマニュアル」を策定しました。この6つのBCP

マニュアルには、従来の防災・減災という目的に加えて

「目標期間内に事業を復旧すること」を追加し、各事業

が最適な形での復旧活動を行うために、事業本部ごと

に対策本部を立ち上げる体制としました。また、それぞ

れ重要業務(中核業務)を制定し、そこに復旧のための

資源を集中配分するようにいたしました。

 これとともに、いくつかの災害対策を開始いたしまし

た。例えば、有事発生の際にも速やかに連絡が取れるよ

う衛星電話を導入し、通信訓練を行っています。また、

情報システムの被災リスク軽減と早期復旧のための設

計を始めました。さらに、これまでの経営的観点からの

在庫管理に加え、BCPの観点を加えた「戦略在庫」を別

途設定し、管理することとしました。

 制定したBCPを速やかに稼働させるためには、従業

員一人ひとりの教育訓練が重要であると認識し、引き

続き全社で取り組んでいきます。

日本化薬グループのBCPへの取り組み

Business Continuity Plan(事業継続計画)の見直し

特集

2

BCP基本マニュアル

本社機能復旧BCPマニュアル

事業部別BCPマニュアル

医薬事業本部BCPマニュアル

セイフティシステムズ事業本部BCPマニュアル

アグロ事業部BCPマニュアル

機能化学品事業本部BCPマニュアル

<事業復旧対応> 災害発生後、約48時間以降を目処に当該対策本部に移行

<初動対応> 約48時間までを目処とする

◆リスク発生直後に設置

◆BCP対応に移行後、現場での指揮官は当該事業本部長とする

◆現地対策本部を設置 ◆各グループ会社は関連事業本部へ連絡し、一体となって対応する

◆各グループ会社は関連事業本部へ連絡し、一体となって対応する

中央災害復旧対策本部(全社)

指揮全般:社長

※本社が甚だしく損傷した場合に設置

本社機能復旧対策本部※

機能化学品事業本部対策本部

医薬事業本部対策本部

セイフティシステムズ事業本部対策本部

アグロ事業対策本部

厚狭現地災害対策本部

姫路現地災害対策本部

福山現地災害対策本部

高崎現地災害対策本部

東京現地災害対策本部

鹿島現地災害対策本部

中央対策本部(全社)

指揮全般:社長

◦安否確認◦全社の被災状況

の情報収集

本社現地対策本部

赤羽現地対策本部

高崎現地対策本部

医薬支店現地対策本部

BCP対応に移行

Page 13: 日本化薬グループの C SRレポート 2012 ダイジェスト CSRレポート2012ダイジェストの編集方針 本レポートでは、日本化薬グループの2011年度CSR活

13

 2011年3月11日の東日本大震災で最も大きな被害

をもたらしたのは、地震そのものではなく津波被害でし

た。茨城県鹿島地区も臨海工業地帯を中心に津波に襲

われました。幸いにも鹿島工場が立地する波崎地区ま

では津波は到達しませんでした。しかし、津波発生時に

いつでも避難できる場所を確保し、従業員の生命を守

り、また近隣の住民が避難を求めてくることを想定し、

鹿島工場ではどのように行動するかを検討しました。

 鹿島工場は海抜9m、海岸から約1.8kmに位置し、近

くに高台がないため、津波警報が発令される前にいち

早く安全な場所を確保し、警報発令からは最初の10分

間で避難することが重要です。そのため、工場内で一番

高い建屋の「農1工場」を避難場所に定めました。

 2012年3月11日の避難訓練では、15m以上の大津

波を想定し、「農1工場」の最上階に避難しました。この

訓練の結果、津波警報から約5分間で全員が避難でき

ることがわかりました。また、通信手段を非常用トラン

シーバーとして、工場の最上階には非常用飲料水や毛

布等を常備しています。

 鹿島工場では今後、3月11日の「震災の日」に津波想

定避難訓練を継続することにより、大震災で得た教訓

を後進に伝えていきます。

 2011年3月11日の東日本大震災以降、東京電力管

内では供給電力量が不足、計画停電の実施やピーク時

電力量の15%削減等の節電が行われました。

 停電や使用できる電力量の不足は、社会生活に多大

な影響をもたらしましたが、工場での製造も例外では

ありませんでした。管内にある高崎工場では、医薬品を

製造しており、安定供給のために製造を継続する必要

がありました。このため、福島原発の事故直後から緊急

用の発電機を各関係会社や、リース会社から確保し、計

画停電に備えました。さらに、生産計画を変更し、勤務

体系を変更したり休日を返上したりするなどして、医薬

品の安定的な製造に努め、供給の確保に繋げました。

 2011年3月に発生した東日本大震災を受けて、全国

各地で勤務する従業員のために、全55カ所の営業所な

どの拠点すべてにウォーターサーバーを配置し、3日分

の水を備蓄いたしました。

 また、MRが使用するすべての営業車に帰宅セットを

常備し、訪問活動中の災害など、万が一の場合に備え、

水や食料を確保できるようにいたしました。今後は、各

医薬支店を中心に食料などの備蓄をさらに進め、万が

一の災害が発生した場合においても従業員の安全を確

保し、事業が継続できるよう対策を進めてまいります。

津波訓練 —— 鹿島工場

製品の安定供給のために —— 高崎工場

全国各拠点での災害対策

▲最上階「農1工場」へ集合し点呼

▲緊急用発電機

▲営業車に常設された帰宅セット(左)と各拠点の水の備蓄(右)

Page 14: 日本化薬グループの C SRレポート 2012 ダイジェスト CSRレポート2012ダイジェストの編集方針 本レポートでは、日本化薬グループの2011年度CSR活

14

 日本化薬グループは取締役会の合議制による意思決

定と監査役制度によるコーポレート・ガバナンスが経

営機能を有効に発揮できるシステムであると考えてい

ます。また、事業変化に迅速に対応し、柔軟な業務執行

を行うために「執行役員制度」を導入しています。経営

の「意思決定・監督機能」と「業務執行機能」の役割を明

確に分離しそれぞれの機能を強化して適切な意思決定

と迅速な業務執行を行っています。

 内部統制推進部では、コンプライアンス担当・リスク

マネジメント担当・J-SOX担当を設置し日本化薬グルー

プ全体の財務を含む内部統制の推進・維持と改善を行っ

ています。

 コンプライアンス担当は、コンプライアンスの行動計

画を策定し各事業場、グループ会社との連携をとって

実施しています。リスクマネジメント担当は、日本化薬

グループ全体のリスクを把握し、リスクごとの責任部署

を定め具体的な対応策を策定し新たに発生したリスク

については速やかに責任部署を定めています。J-SOX

担当は、財務報告の信頼性を確保するための体制を整

備し、定期的に当該体制の整備・運用状況を評価し、代

表取締役に評価の結果報告を行っています。

コーポレート・ガバナンス

日本化薬グループのガバナンス体制および内部統制体制

日本化薬グループは、社会から信頼期待される企業であるために株主・投資家の皆さまへのタイムリーかつ公正な

情報開示、経営の透明性の確保が重要な課題であると認識し自律的なガバナンス体制を整備しています。

監査役会および監査役

代表取締役社長

取締役会 会計監査人

選任・解任 選任・解任

選定・解職・監督

選任・解任

報告

報告

報告

選任・解任

株主総会

社内各部門・各グループ会社

● 内部統制システム概念図

監査 報告

報告

報告

指示

報告監査部

経営会議(役付執行役員)

内部統制推進部

執行役員会議(執行役員)

監査

指示・支援指示

指示

報告

報告

CSR経営委員会

倫理委員会

危機管理委員会

情報開示委員会

研究経営委員会

環境・安全・品質保証経営委員会

省エネルギー・地球温暖化対策委員会

審議・報告

Page 15: 日本化薬グループの C SRレポート 2012 ダイジェスト CSRレポート2012ダイジェストの編集方針 本レポートでは、日本化薬グループの2011年度CSR活

15

 2011年6月「日本化薬グループ行動憲章・日本化薬

グループ行動基準」を制定しました。

 各事業場、グループ各社(国内)の倫理責任者、倫理

担当者は、倫理委員会と連携を取りコンプライアンス

推進活動を実践し着実な運用を図っています。毎年10

月を「コンプライアンス月間」と定め、全役職員のコン

プライアンス意識の向上に取り組んでいます。この推進

月間に合わせて日本化薬グループ(国内)の全従業員

を対象に「コンプライアンス・アンケート」(CSRの内容

も含む)を実施し、社内報にて全社の結果を発表してい

ます。結果をグラフ化しこれまでの傾向を「見える化」し

て、それぞれの強みや弱みを分析しフィードバックをし

ています。これをもとに次年度のコンプライアンス・ア

クションプランを作成しコンプライアンス意識向上の

ためのPDCAサイクルを回しています。

 業務活動におけるコンプライアンス上の「社内通報・

相談窓口」、「社外通報・相談窓口」を設置し、コンプライ

アンス違反の防止に努めています。

コンプライアンス

コンプライアンス体制と推進活動

日本化薬グループは、コンプライアンス(法令や社内規則および企業倫理の遵守)を企業活動における最優先事項

と位置付けています。その実施体制を次の通り整備しています。

江蘇省より商検一類企業に認定——— 無錫先進化薬化工有限公司

 2011年8月に無錫先進化薬化工有限公司(WAC)は、江蘇省

出入境検査検疫支局より、適正な業務を継続して行っているこ

とが評価され、「輸出入に関する商検一類企業」と認定されまし

た。2012年5月現在、無錫市内で一類企業に認定されているの

は40数社で、化学メーカーではWACが初めてです。この認定に

より、WACが輸出を行う際、事前の来社審査がなく、申請資料の

審査のみとなり、審査期間も7日から2日に短縮されました。

 WACは2010年に税関からもA類企業の評価を受けていま

すが、税関、検査局双方の認定を得たことで、税関での検査の軽

減や輸出入時の流通コストが削減され、計画的な出荷ができる

ようになりました。今後も一層コンプライアンスを重視し、従業

員一人ひとりが意識して行動できるよう取り組んでいきます。

李 梅 科長

WACの従業員の長年の努力が実り、今回認定が取

れたことを非常に喜んでいます。しかし、認定取得

は終わりではなく、取得はただの通過点に過ぎませ

ん。これからもこの評価を維持できるよう熱意を

持って仕事に取り組んでいきます。

▼前列右が李 梅 科長

通常のルート

上司・事業場倫理担当者

通報者

通報の受付

相談

職場内での解決

倫理委員会事務局

法律事務所

社内通報・相談窓口

連絡・相談

補足事実の確認

フィードバック

連絡・相談

補足事実の確認

フィードバック

社外通報・相談窓口

指示報告

報告連絡

倫理委員会委員長

● 日本化薬グループ内部通報制度

倫理委員会

調査の実施 是正措置の実施 フォローアップ

日本化薬グループ全体に関わる案件は倫理委員会が協議し対応

Page 16: 日本化薬グループの C SRレポート 2012 ダイジェスト CSRレポート2012ダイジェストの編集方針 本レポートでは、日本化薬グループの2011年度CSR活

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社会的責任を果たすために

日本化薬グループでは、お客様に最良の製品を提供するために、製品やサービスの安全性・信頼性に配慮し、より良

い製品の開発に努めています。

お客様への取り組み

 日本化薬では、調達活動においても環境負荷低減を

積極的に進めています。

 原材料などのグリーン調達については該当する品目

の選定を実施し、品種別、事業別の実績集計や目標設定

が可能となりました。今後も取引先の協力を得てサプ

ライチェーン全体の環境負荷低減に努めます。

 また、間接材の電子購買システムでは、電子カタログ

にエコマーク対象商品や、グリーン購入法対象商品等

の表示を行い、購入する間接材の中から対象商品のみ

を検索することも可能となりました。この新電子購買シ

ステムの使用を促進し、より一層のグリーン調達比率

の向上を図ります。

 さらにCSR推進のためには、サプライチェーンを通

じたCSRの取り組みが重要です。日本化薬はCSR調達

基準の設定などサプライヤーと連携したCSR調達の推

進についても検討を進めています。

 2011年12月に幕張メッセで開催された、太陽光発

電に関する展示会「PVJapan2011」に「色素増感太陽

電池(以下、DSC)」を市場調査の目的で出展しました。

 このDSCは、現在主流のシリコン系太陽電池と異な

り、多くの有機材料で構成され、屋内光に対する高い発

電性能を持っていることや、色調、透過性などデザイン

を選択できるといった特長の新しい太陽電池です。

 「PVJapan2011」は、現在、注目を集める太陽光発電

に関する展示会ということもあり、多様な業種の方が

来訪され、さまざまな意見交換を行い、既存製品との差

別化が重要であることを認識しました。

 日本化薬では、開発競争力に優れた「色素技術」と「樹

脂技術」を融合させ、さらに、これまでの研究で培って

きた「DSCモジュール化技術」と組み合わせることで、

特長あるDSC関連製品の開発を進めています。特に、

発電性能を大きく左右するキーマテリアルの増感色素

においては、性能向上を目指した先端材料開発に取り

組んでいます。また、各種DSC構成要素やモジュール製

造に関する技術を持つ大学や企業との協業も進めてい

ます。こうした新しい太陽電池の関連製品開発による、

太陽光発電市場への挑戦を行うことで、省エネに向け

ての貢献とさらなる技術革新を続けていき、再生可能

エネルギー社会における企業成長の一翼を担うことを

目指します。

 今後は、「PVJapan2011」をはじめとした展示会で来

訪者の声に耳を傾け、世の中のニーズに沿った開発を

行っていきます。

 2012年1月に東京ビッグサイトで「インターネプコ

ン2012」が開催され、機能化学品事業本部は省エネ関

連製品として「放熱絶縁接着シート(KTM)」を出展し紹

介しました。

 半導体の分野では高速・高集積化の流れはさらに加

速され、その結果多量に発せられる熱をいかにマネジ

メントするかが今まで以上に重要となってきています。

展示会には、日本化薬の省エネ関連製品に強い関心を

持たれて来場されるお客様が多く、お客様の生の声を

直接聞ける大切な場でもありました。今後もこのような

展示会に多く出展し、特に環境・省エネ分野でお客様の

ニーズにあった製品を開発し社会の発展に貢献してい

きます。

グリーン調達からCSR調達へ

省エネ関連製品の開発、太陽光発電市場への挑戦

省エネ関連製品「放熱シート」を出展

▶色素増感太陽電池

▶展示ブース

Page 17: 日本化薬グループの C SRレポート 2012 ダイジェスト CSRレポート2012ダイジェストの編集方針 本レポートでは、日本化薬グループの2011年度CSR活

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日本化薬グループはさまざまな地域で事業を営んでいます。さまざまなステークホルダーのひとつである地域の皆さ

まとのコミュニケーションを活発に行い地域に根付いた会社でありたいと願っています。

社会への取り組み

 Kayaku Safety Systems de Mexico, S.A. de C.V.(KSM)

は、メキシコ北部のモンテレイ近郊のサリナスビクトリ

ア市にあります。KSMは日本化薬セイフティシステム

ズ事業本部の海外子会社として、シートベルト用マイク

ロガスジェネレータを2009年から製造しています。

 KSMの工場建設に際して、市の関係者と許認可の打

合せを重ねる中、市所有の救急車が老朽化し、更新の必

要があるが予算がないという情報を得ました。そこで、

KSMは地域貢献のため、市に救急車を寄贈することに

しました。2011年11月の寄贈式典には市長にご来訪

いただき、無事執り行うことができました。

 日本化薬メディカルケア株式会社は、2003年4月

開業した介護サービスを行う会社です。新宿区内でデ

イサービスセンターの運営を4カ所(月延べ利用者数

約2,000名)で行っています。日本化薬という製薬メー

カーから生まれた介護事業会社であることから、運動

機能向上・口腔機能向上等のサービスプログラムは、大

学等の研究機関とタイアップし、完成させてきました。

 介護保険の施行以来、サービスの質と効率が求めら

れています。介護事業運営にとっては、マネジメントを

実行できるリーダーをより多く育成することが重要に

なってきています。

 2009年度には、厚生労働省介護雇用管理改善推進

委託事業「現場管理者の管理能力向上とキャリアアップ

イメージの確立」という研究事業を、日本生活協同組合

連合会、株式会社河合塾および日本化薬メディカルケ

アが受託し、管理者の組織マネジメントの養成プログラ

ムを完成させました。そして日本化薬メディカルケアの

「管理者を育成するプログラム」が各地区の介護事業

を行う経営者から期待されるようになり、これまで介

護に従事する管理者6,000名以上が受講、現場で活躍

する人材を育成するという実績を残してきました。本

業であるデイサービス事業を核に、介護管理者の組織

マネジメントの普及のため、このプログラムを全国の介

護に従事する管理者に普及させていくことが日本化薬

メディカルケアの使命であると考えています。

 北九州の企業・団体が集まり実行委員会を組織し、実

行委員会の中心メンバーである北九州市小倉北区の日

本化薬グループの西港自動車学校を会場として、2012

年6月10日(日)に第1回「311を忘れない“わかちあ

い”市民のチャリティフェア」を開催しました。

 当日は、「震災を忘れないことと継続した(10年間)

被災地支援の目的」のもと、義捐金募金活動とともに、

震災写真パネル展や講演会などの災害学習、東北物産

即売会、東北B級グルメや地元北九州の屋台村の飲食

の出展、チャリティふく引きや小倉祇園太鼓をはじめと

したイベントやさまざまなパフォーマンスなどが繰り広

げられました。来場者数も3,000人を超え、盛況のうち

に終了しました。今後も継続していく予定です。

 なお、今回の集まった義捐金は震災遺児となった子

どもの支援に使用いたします。

サリナスビクトリア市へ救急車を寄贈 —— Kayaku Safety Systems de Mexico, S.A. de C.V.

高齢化社会へ向けた取り組み —— 日本化薬メディカルケア

「311を忘れない“わかちあい”市民のチャリティフェア」 に参加 —— 西港自動車学校

▲KSMが寄贈した救急車と寄贈式典

▶東日本大震災の取材記者の講演

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社会的責任を果たすために

企業活動の主体は“人”。日本化薬グループは、従業員が安心して働ける環境の中で持てる能力を発揮し、仕事を通じ

て社会に貢献することで働きがいを感じることが大切だと考えています。時代の変化を見据えながら社内のさまざまな

仕組みや制度の充実を図っています。

従業員への取り組み

 日本化薬グループは、コンプライアンスやメンタルヘ

ルスケアの観点から、労働時間の適正な把握、状況に応

じた対応を行い、労使協力して労働管理の徹底に取り

組んでいます。さらに、ワーク・ライフ・バランスの充実

という観点からも従業員の所定外労働の削減に向けて

取り組んでいます。2011年度は、2009年度比で一人

当たり、年間約4時間短縮しました。今後も付加価値の

創造や、業務の生産性の向上、また働き方の見直しなど

を進めることで従業員にとってよりよい就業環境とな

るよう引続き努めていきます。

 2年間、取得をしなければ有効期限が切れる年次有給

休暇を積み立て、特定の理由があれば使えるようにす

る「特別有給休暇制度」など、従業員のワーク・ライフ・

バランスのための支援をしています。

 取得にあたり煩雑な手続きが必要なものではなく、

「私傷病であれば医師の診断書や、用途によって、その

事実を証明できるものがあれば申請できる」など、利用

しやすい制度としています。また、一度取得した場合で

も、再び限度日数まで積み立てることができるなど、従

業員の利用しやすさを第一に考えています。

 2006年4月より、改正高年齢者雇用安定法に対応

し、定年到達者の再雇用制度として「日本化薬シニア

パートナー制度」をスタートしました。この制度は心身

ともに健康で、働く意欲があり、担当職務の役割と責任

を全うできる人を対象に、これまで培ったキャリアやノ

ウハウを十分発揮していただき、定年到達後も活躍して

いただく制度です。2011年度では、再雇用を希望する

従業員のほぼ100%がこの制度を利用して、最長65

歳まで働くことが可能です。

 2012年3月22日付で第3回行動計画(2012年4

月1日〜2015年3月31日)を策定し、3月30日に東

京労働局に策定届を提出しました。

 次世代育成支援の一環として、育児介護のために始

業・終業時刻を所定の時刻に対し、前後させる時差勤務

や育児短縮勤務制度を設けていますが、さらに従業員

のこれら制度の活用を促進していきます。

労働時間管理

「特別有給休暇制度」の充実

日本化薬シニアパートナー制度

次世代育成支援対策推進法の一般事業主行動計画

制度の拡充

用途 充当日数

私傷病のための連続4日以上の療養またはリハビリテーション、アフターケアのための通院

(医師の診断書の期間内)最大60日

2等親以内の親族、おじ、おばの介護 45日

研修やボランティア活動に参加 30日

日本化薬カフェテリアプランのアクティブポイント使用に伴う休暇 5日

未就学児童の検診、予防接種のため休暇を必要とする場合 5日

不妊治療のために必要とする場合 60日

育児休職に充当する場合 10日

子ども看護休暇への充当 10日

● 特別有給休暇制度

◀くるみんマーク

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環境責任を果たすために

「環境・安全・品質」をあらゆる経営課題に優先し、グループ全体で環境排出物削減など環境負荷低減に取り組んでいます。

より詳細な情報をご覧になりたい方はhttp://www.nipponkayaku.co.jp/csr/2012/environment/へアクセスください。

環境安全衛生品質マネジメントシステム

 CSR理念とレスポンシブル・ケア精神※1のもと、

日本化薬グループは環境安全、安全衛生の確保

および品質保証の維持・向上に努めるため、「環境

と安全と品質に関する私たちの宣言」を制定し、

組織的な活動を行っています。

「環境と安全と品質に関する私たちの宣言」

 日本化薬グループでは、社長を委員長とする環

境・安全・品質保証経営委員会を中心とした管理

体制により、環境安全衛生の確保、品質保証の維

持と向上のために組織的な活動を行っています。

全社における環境安全衛生・品質管理体制

※1 レスポンシブル・ケア (Responsible Care): 化学物質を製造または扱う企業が化学物質の開発、生産、販売、消費から廃棄に至るまでのすべてのプロセスにおいて、自ら積極的に「環境」「安全」「衛生」面に配慮した対策を行う活動。1985年にカナダで誕生した後、世界に拡がり現在では50カ国で実施されている。

● 環境・安全衛生・品質組織体制

 日本化薬グループでは、優れた品質の製品・

サービスを環境に配慮しながら開発・提供し、お

客様に信頼され満足いただくために、品質保証

の国際規格であるISO9001※2および環境管理

の国際規格であるISO14001※3の取得を進めま

す。品質保証マネジメントシステムISO9001の

認証取得は1995年から工場を中心に開始、そ

の後は事業部、研究開発部門までを含めて取得

を進めています。また環境管理マネジメントシス

テムISO14001についても認証取得を1998

年から開始、日本化薬6工場で認証を取得し、製

造部門のあるグループ会社も認証を取得してい

ます。

品質保証システム・環境管理システムの認証取得状況およびGMPの認可状況

事業場名 主な認可国

高崎工場 日本、アメリカ、ヨーロッパ、カナダ、ブラジル

● GMP※5の認可状況

事業場名 ●ISO9001■ISO/TS16949※4 ISO14001

福山工場 ●1995年 6月 1999年 4月厚狭工場 ●1995年 1月 1998年 9月東京工場 ●1995年 6月 1998年12月高崎工場 ●2003年 7月 2000年 1月姫路工場 ●2007年 9月 2001年 1月鹿島工場 ●1995年12月 1999年 3月機能化学品事業本部 ●2001年 1月 -医薬事業本部 ●2003年 9月 -セイフティシステムズ事業本部 ●2007年9月 -アグロ事業部 ●2003年 9月 -

(株)ポラテクノ ●1999年 1月 2002年 8月日本化薬フードテクノ(株) ●2003年11月 -化薬化工(無錫)有限公司 ●2005年 3月 2006年 8月マイクロケム CORP. ●2002年 4月 -無錫先進化薬化工有限公司 ●2007年 4月 2007年 7月招遠先進化工有限公司 ●2005年 3月 -インデット セイフティシステムズ a. s. ■2002年3月 2002年12月化薬(湖州)安全器材有限公司 ●2010年6月 -カヤク・セイフティシステムズ・デ・メキシコ,S.A. de C.V. ●2010年9月 -

● 品質保証マネジメントシステム・環境管理マネジメントシステム認証取得事業場一覧

※2 ISO9001 : ISO(国際標準化機構)が発行した設計・製造から検査・アフターサービスに至る品質保証システムのための国際規格。

※3 ISO14001 : ISO(国際標準化機構)が発行した組織の活動、製品、サービスを対象とした環境管理システムのための国際規格。

※4 ISO/TS16949 : 国際自動車特別委員会メンバーにより全世界の自動車ユーザーに質の高い製品を提供するために共同開発された世界規格。

※5 GMP : 1980年に厚生省令として公布され、安心して使うことができる品質の良い医薬品、医療機器などを供給するために、製造時の管理・遵守事項を定めた。

環境・安全・品質保証経営委員会事務局会議 事業(本)部

工場

東京事業所・研究所

環境保安部品質保証

(品質管理)部

環境保安部品質保証

(品質管理)部

支社(環境保安担当者)

統合診断チーム

環境安全衛生診断チーム

安全審査委員会

環境保安担当者委員会

危機管理委員会

倫理委員会

社長

監査部

事業(本)部環境安全品質保証委員会

環境・安全・品質保証経営委員会

省エネルギー・地球温暖化対策委員会

品質保証管理責任者会議

品質診断チーム

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環境責任を果たすために

安全衛生および品質保証に対する取り組み

 日本化薬グループは、事故および労働災害撲滅に計画

的に取り組んでいます。その結果、2011年度は休業災害

1件、不休業災害の発生件数は3件となっています。

 交通安全活動は、業務上自動車事故件数は42件と昨

年度より20件も増加しています。これまで実施の安全運

転診断(カメラ付セイフティレコーダー)を継続し、さらに

警察庁方式運転適正検査を組み合わせて安全運転の強

化に努めます。

 また、近道省略行為撲滅のためのチェックリストを配

布し、従業員全員が「近道省略行為防止のため安全宣言」

を行い、各職場内に安全宣言を掲示するなど安全意識の

共有化を図っています。

日本化薬グループでは、さまざまな安全衛生および品質保証活動を展開しています。

新規の作業・設備や既存作業・設備の変更時は、安全審査を実施し、事故や労働災害、環境事故の未然防止に取り組み、

そのなかでリスクアセスメントや潜在危険性要因の把握に努めています。

また、環境安全品質異常などをデータベース化し事業場間の横展開を進めています。各事業場と一部のグループ会社

に対しては、中央総合診断(環境安全衛生・品質診断)を実施しています。

 品質管理技術の教育、普及のために、外部講習への派

遣や統計的手法に関する集合研修、「QC7つ道具」等の工

場出張講習を実施しています。また、「品質改善事例集」を

発行し、実験計画法など統計的手法を含めた品質改善手

法の普及を進めています。

 個々の事業場で抱えている課題を見つけ出し、実際業

務の改善・改革を進めるための実践型研修も行っていま

す。2011年度は福山工場にて「福山工場−良いモノづく

り」として実施しました。

 2011年10月5日鹿島工場は、「平成23年度 厚生労

働大臣優良賞」を受賞いたしました。この賞は、全国より

選び抜かれた事業所の中から「安全衛生活動について特

に優秀であるもの」に与えられる賞で、日本化薬鹿島工

場を含む6事業所が受賞しました。

 この受賞は、操業開始(1982年12月1日)以来

10,000日を越える「連続無災害」の継続や、日々の安全

活動が高く評価された結果であると考えています。これ

からも引き継いできた鹿島工場の安全文化に、新たな安

全活動をうまく融合させ、「安全第一」を最優先で今後の

工場運営を果たし

ます。

安全衛生の取り組みおよび実績

品質保証機能の向上への取り組み

鹿島工場が厚生労働大臣賞を受賞

項目 目標 実績

重大事故・災害 ゼロ 0件

環境重大事故 ゼロ 0件

休業災害 ゼロ 1件

不休業災害労働災害度数率※31以下 0.56

件数5件以下 3件

業務上自動車事故3%以下 10.5%

件数12件以下 42件

無傷害事故 ゼロ 0件

● 2011年度の安全目標および実績

● 安全活動と品質保証活動

※3 労働災害度数率 : 100万時間あたりの休業災害件数。

▶授賞式

*1 5S活動 : 整理、整頓、清掃、清潔、躾の頭文字からとった活動。

*2 TPM活動 : Total Productive Maintenance。装置を正常に維持することによって安全を確保し生産を維持していく活動。

◦リスクアセスメント◦5S活動*1

◦ヒヤリハット活動◦KYT活動◦TPM活動*2

安全活動 品質保証活動◦品質リスクアセスメント◦品質パトロール◦トレンド管理(見える化)◦品質トラブル再発防止運動◦品質技術教育

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環境負荷低減の取り組み

 日本化薬では2011年度から2020年度までの中期環境マスタープランを3分野6項目で制定しました。2011年度は

初年度となります。

中期環境マスタープランの取り組み結果

※1 VOC : Volatile Organic Compounds。揮発性有機化学物質。ただし、集計には政令で報告対象となっている化学物質以外に反応で副生する化学物質等、大気中に放出されるすべての化学物質を含む。

※2 COD : Chemical Oxygen Demand。化学的酸素要求量。排水中の被酸化性物質を一定の条件化で酸化剤により酸化し、そのときに使用した酸化剤の使用量から、被酸化性物質を酸化するため必要な酸素量を換算した指標のこと。CODが高いということは、それだけ水中の酸素を消費する有機化学物質等が多く含まれていることになるので、生物が棲めなくなる他、自然浄化作用が止まってしまうため、水に濁りが生じたり悪臭を放つようになる。

※3 1990年度(96.2千トン)を基準としています。

※4 ゼロエミッション率 : 日本化薬では、廃棄物発生量全体に対する内部および外部埋立量の割合として定義している。

分野 項目(2011年度から2020年度) 目標値 2011年度 内容

化学物質排出量削減

VOC※1排出量  45トン以下 92トン 2010年度と比較して13%削減となりました。

COD※2排出量  180トン以下 123トン 2010年度と比較して23%削減となりました。

地球温暖化防止

エネルギー起源CO2排出量※3

(生産部門+業務部門)  15%以上削減 75.8千トン CO2排出量は2010年度よりも0.8%増加しました。1990年度比では21.2%削減となっています。

廃棄物削減

廃棄物発生量    30,000トン以下 22,298トン 2010年度と比較して15%削減となりました。

リサイクル率    70%以上 63.5% 2010年度と比較して1.4%上昇となりました。

ゼロエミッション率※4     3%以下 13.1% 埋立廃棄物を減らす努力を続けています。なお2011年度は鹿島工場でゼロエミッション率0%を達成しています。

● 中期環境マスタープラン

(トン)140

120

100

80

60

40

20

0(年度)2009 2010 2011

45

目標

● VOC排出量の推移 ①および②以外 日本化学工業協会で指定(②)

(日化協) 政令で指定(①)126.6

105.591.6

※2007年、2008年は未集計

(千トン)120.0

100.0

80.0

60.0

40.0

20.0

0

● エネルギー起源CO2排出量の推移

(年度)2007 目標

業務系 生産系

83.1

2008

77.8

2009

76.7

2010

75.2

2011

75.881.8

(トン) (%)50,000 20.045,000 18.040,000 16.035,000 14.030,000 12.025,000 10.020,000 8.015,000 6.010,000 4.05,000 2.0

0 0

● 廃棄物発生量及び外部埋立率の推移

(年度)2007 目標

廃棄物発生量 埋立率

2008 2009 2010 2011

(トン)300

200

100

0(年度)2007

● COD排出量の推移

240

2008

184

2009

124

2010

159

2011

123

180

目標※目標値は国内のみ

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掲 載 内 容 一 覧

章タイトル 項目 ウェブサイト 冊子掲載ページ

編集方針 編集方針 2トップメッセージ トップメッセージ ○ 3

日本化薬のCSR

企業ビジョンとCSR活動 ○ 4-5化薬(湖州)安全器材有限公司の取り組み ○ 5

CSRアクションプラン ○ 8-9

特集特集1 エネルギー低消費型企業を目指して ○ 10-11特集2 日本化薬グループのBCPへの取り組み ○ 12-13

コーポレート・ガバナンス日本化薬グループのガバナンス体制および内部統制体制 ○ 14

施策の実施状況 ○ ―

コンプライアンス

コンプライアンス体制と推進活動 ○ 15江蘇省より商検一類企業認定 ○ 15コンプライアンスアンケート ○ ―

事業紹介“世界的すきま発想。”で社会に貢献する日本化薬グループの事業 ○ 6-7機能化学事業・医薬事業・セイフティシステムズ事業・アグロ事業・研究開発 ○ ―

社会的責任を果たすために

お客様への取り組み

グリーン調達からCSR調達へ ○ 16省エネ関連製品の開発、太陽光発電市場への挑戦 ○ 16省エネ関連製品「放熱シート」を出展 ○ 16日本化薬と医療機関等との関係における透明性に関する指針 ○ ―先端技術館にインフレータ出展 ○ ―

社会への取り組み

サリナスビクトリア市へ救急車を寄贈 ○ 17高齢化社会へ向けた取り組み ○ 17がん早期診断に役立つ大腸内視鏡の寄贈 ○ ―難病とたたかう子どもと家族の滞在施設「あすなろの家」 ○ ―ピンクリボン活動 ○ ―「子ども化学実験ショー2011」に参加 ○ ―「311を忘れない”わかちあい”市民のチャリティフェア」に参加 ○ 17地域への取り組み ○ ―

従業員への取り組み

自己啓発への取り組み ○ ―ワーク・ライフ・バランスのための制度 ○ ―メンタルヘルスへの対応 ○ ―労働時間管理、「特別有給休暇制度」の充実 ○ 18日本化薬シニアパートナー制度 ○ 18次世代育成支援対策推進法の一般事業主行動計画 ○ 18発明に関する表彰制度 ○ ―

環境責任を果たすために

環境安全・衛生マネジメント

「環境と安全と品質に関する私たちの宣言」 ○ 19全社における環境安全衛生・品質管理体制 ○ 19事業場における管理体制 ○ ―品質保証システム・環境管理システムの認証取得状況およびGMPの認可状況 ○ 19

安全衛生および品質保証に対する取り組み

品質保証機能向上への取り組み ○ 20安全衛生の取り組みおよび実績 ○ 20

「リスクアセスメント」教育の実施 ○ ―2011年度の安全目標および実績 ○ 20鹿島工場が厚生労働大臣賞を受賞 ○ 20労働安全衛生および品質保証の取り組み ○ ―化学物質管理 ○ ―

環境負荷低減の取り組み

中期環境マスタープランの取り組み結果 ○ 21環境負荷低減の取り組み結果 ○ ―土壌汚染調査に関する報告(東京工場の解体撤去にともなう) ○ ―

廃棄物処理施設の維持管理状況 ○ ―第三者意見 第三者意見 ○ ―CSRレポートダウンロード CSRレポートダウンロード ○ ―

ウェブサイトと冊子の関係を一覧にしました。より詳しい情報をご覧になりたい方はhttp://www.nipponkayaku.co.jp/csr/へアクセスください。

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グ ル ー プ 概 要 (2012年5月末現在)

ヨーロッパDejima Tech B.V.Dejima Optical Films B.V.Euro Nippon Kayaku GmbHINDET SAFETY SYSTEMS a.s. アメリカ

MicroChem Corp.Moxtek,Inc.NIPPON KAYAKU AMERICA,INC.

メキシコKayaku Safety Systems de Mexico, S.A. de C.V.

日本株式会社ポラテクノ株式会社日本化薬福山株式会社日本化薬東京株式会社ニッカファインテクノ日本化薬フードテクノ株式会社株式会社TDサポート日本化薬メディカルケア株式会社株式会社ナック株式会社西港自動車学校有限会社YMKサービス和光都市開発株式会社株式会社ニコス株式会社日本人材開発医科学研究所株式会社沖浦ゴルフセンター厚和産業株式会社群南産業株式会社

持分法適用会社化薬アクゾ株式会社カヤク・ジャパン株式会社三光化学工業株式会社

(百万円)150,000

100,000

50,000

0(年度)

144,901

2007

134,353

2008

141,032

2009

147,109

2011

148,879

2010

● 売上高(連結)

(百万円)25,000

20,000

10,000

15,000

5,000

0(年度)

11,405

2007

8,072

2008

16,052

2009

19,916

2011

20,282

2010

● 経常利益(連結)

※化薬(上海)管理有限公司は、2011年12月1日に設立しております。

● 地域別従業員比率

※従業員数は就業人員であり、臨時従業員を含んでいません※対象は日本化薬本体と連結子会社22社です

日本61.2%

アジア(日本を除く) 19.7%

欧州 11.9%

北中米 7.2%

機能化学品 機能性材料、電子情報材料、触媒、色材

医薬 医療用医薬品、医療機器、医薬原薬・中間体、 診断薬、食品品質保持剤、特定保健用食品、 介護事業

セイフティシステムズ 自動車用安全部品

その他 アグロ、不動産賃貸

主 な 事 業 内 容

中国無錫宝来光学科技有限公司Polatechno(Hong Kong)Co.,Ltd.上海恩克福貿易有限公司無錫先進化薬化工有限公司化薬化工(無錫)有限公司招遠先進化工有限公司上海化耀国際貿易有限公司化薬(湖州)安全器材有限公司化薬(上海)管理有限公司

韓国Nippon Kayaku Korea Co.,Ltd.

台湾台湾日化股份有限公司

● 事業別売上比率(連結)

2011年度売上高(連結)

147,109百万円医薬33.6%

セイフティシステムズ13.7%

機能化学品46.3%

アグロ 4.7% その他 1.7%

会社名 日本化薬株式会社

設立 1916年(大正5年)6月5日

資本金 149億3千2百万円

本社所在地 東京都千代田区富士見1-11-2

電話番号 03-3237-5111(代)

従業員数 単体1,871名 連結4,583名

グループ会社 子会社35社  持分法適用会社3社

決算期  5月31日※

会 社 概 要

※2012年8月30日株主総会にて決算期を3月31日に変更。

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〒102-8172

東京都千代田区富士見1-11-2

経営戦略本部 経営企画部TEL:03-3237-5043 FAX:03-3237-5085

http://www.nipponkayaku.co.jp

この印刷物は環境に配慮し、FSCTM認証林および管理された森林からの製品である「FSCTM認証紙」、石油系溶剤を100%植物油成分に置き換えたVOCフリーの印刷インキ、印刷工程で有害な廃液を排出しない「水なし印刷方式」を採用しています。