Upload
others
View
0
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
各地域の観光振興事業を活⽤した地域独⾃の顧客データ取得・効果検証事業
<RESASを活⽤した実事業への展開>
平成31年3⽉東北経済産業局産業部
地域資源PT
事業概要の報告
地域商社・DMOとして「C」へ直接リーチする手段を一定程度又は最低限保有しない限り、不特定多数に向けた広告宣伝や情報への対応コストの増加(顧客動線の長尺化)により採算性が悪化することとなる。
👇 地域のいろいろなイベントや観光地などの集客施設をテコに、地域独自の顧客データ管理と
蓄積が必須ではないか?
👆 域内に来た顧客を、次の顧客(リピーター)候補と捉え、次のアクション・トランザクションへと繋ぐ
必要がある。
問題意識
各地域の観光振興事業を活⽤した地域独⾃の顧客データ取得・効果検証事業
1
事業効果を⾼めるため、RESASや各種統計データを⽤いて、実証テーマやデータ取得の適地やデータ活⽤の⽅向性を決定した。
RESAS(リーサス):地域経済分析システム(Regional Economy (and) Society Analyzing System)の
略称であり、地方自治体の様々な取り組みを情報面から支援するために、内閣府まち・ひと・しごと創生本部事務局が提供する、産業構造や人口動態、人の流れなどの官民ビッグデータを集約し、可視化するシステムです。
集めた顧客データの活⽤法のイメージその他情報発信
送 客物産販売
地域の物産を販売する
タウン誌の代わりに地域の情報を発信する
集客ポイントから宿泊地へ顧客を誘導させる
(例)宿泊地の割引コードを発行する
アクティビティ
地域のサービスや体験を売る
マチナカの集客ビッグイベント
人気の道の駅
観光名所
顧客データの収集と発信
2
3
①あ・ら伊達な道の駅(道の駅)
②とみざわマルシェ(お祭り)
③気仙沼商店街(商店街)
【顧客データ収集場所】
④地域ブランド⾷(磐梯⼭周辺のカレー店)
送 客 物産販売
【顧客データの活⽤の⽅向性】【RESAS等から抽出した課題】
アクティビティ 物産販売
物産販売
物産販売
その他情報発信
その他情報発信
道の駅に集客が集中。道の駅の⾃家⽤⾞のお客が温泉に⾏っていないので
はないか︖
商業における優良地区において、顧客
データの取得がなされていない。
特定のエリア(観光施設、物産施設)にのみ
⼈が集中している。
宿泊数が12⽉・1⽉で低迷する。他⽅、域内の購買活動は
上昇。観光客を⽇帰りで帰らせているので
はないか︖
【実施主体】
(⼀社)みやぎ⼤崎観光公社
三栄会(商店街振興会)
(⼀社)気仙沼地域戦略(DMO)
磐梯⼭ジオパーク協議会
4
まとめ
【顧客データ取得・効果検証事業】概ね6,000~7,000⼈の来場・イベントがあれば100⼈の会員登録が可能であり、観光地から観光地への送客(クーポンなどによるインセンティブあり)率は10%超え、ECサイトへの誘導も可能であることを実証した。*今回、個⼈情報管理の観点からLINE@を活⽤した。*⼀般的なクーポン使⽤率(3~5%)と想定。
➡顧客データの活⽤は有効であることが理解された。➡顧客動線の短縮ができる(顧客へ直接インセンティブや情報を発信ができる)ことで今後幅広い活⽤が期待できる。
5
実証事業を実施した上での課題と対応
‣顧客データ(=LINE@ともだち登録者)数を増やすことが難しい。➡インセンティブを付けたとしても、思った以上に登録者を集めることが難しい場合も・・。
‣クーポンが使⽤できる店舗を増やすことが難しい。➡仕組み⾃体はいたってシンプルであるものの「⼿間がかかりそう」
「他の店舗も巻き込むと分かりにくくなる」等の現場の意⾒があり、机上でのプランニングとの差異アリ。
地域の⼩売事業者、サービス事業者、宿泊施設経営者からは、顧客データの有⽤性は理解されつつも、現場でのオペレーションを考え、参加に⼆の⾜を踏むケースも多い。
現場にとっては、あくまでも追加作業であるため、よりメリットの実感とオペレーションの簡便さをしっかり説明していく必要がある。
RESAS_ ㈱Agoop「流動⼈⼝データ」
スマートフォンアプリの位置情報をもとに、500mメッシュにおける流動⼈⼝を⽉別・時間帯別で表⽰
ヒートマップ(2016年10⽉ 休⽇)鳴⼦温泉郷周辺
鳴⼦温泉駅周辺
中⼭平温泉駅周辺
鳴⼦御殿場駅周辺(東鳴⼦温泉)
川渡温泉駅周辺
⻤⾸温泉郷周辺
あ・ら・伊達な道の駅周辺
⻤⾸スキー場
周辺
※ 各温泉地・道の駅周辺で、メッシュが暖⾊⾊の地点を選択
まちづくりマップ → 流動⼈⼝メッシュ
⽉別推移(2016年全ての期間)
課題出し︓道の駅に集客が集中。道の駅の⾃家⽤⾞のお
客が温泉に⾏っていないのではないか︖
6
【クーポン発行・送客】一般社団法人みやぎ大崎観光公社
川渡温泉 越後屋旅館
川渡温泉 旅館ゆさ
東鳴子温泉 旅館大沼
鳴子温泉 旅館弁天閣
鳴子温泉 旅館すがわら
送 客
物産販売
道の駅における顧客データの収集と発信
あ・ら・伊達な道の駅における実証事業
ふるさと納税のライン配信は11⽉22⽇から開始。
11⽉1⽇・4⽇にて顧客データを取得
7ライン登録者への属性
【実証事業結果】・年間通じて⼀⽇平均8000⼈前後の来客に対し、1⽇で約100⼈の会員登録となった。・クーポンを318枚発⾏すると道の駅から51⼈送客できた(CVR16%)・会員に対し、ふるさと納税の案内を発信すると販売強化ができた。
富沢地区は30〜49歳の層が厚く、いわばお⾦が回る街である。かつ情報端末の扱いに慣れている世代が多いため、情報発信をした際、⾼いCV率が⾒込めると判断できる。
例年での「とみざわマルシェ」では、富沢公園で年に1回、毎年9⽉下旬に開催。来場者は6000⼈〜7000⼈。構成は以下のとおり。
課題出し︓商業における優良地区において、顧客データの取得が
なされていない。総務省による政府統計e-Stat
8
9
とみざわマルシェ実証事業のイメージ
①QRコードを活⽤し三栄会公式LINEのともだち登録を呼びかける。同時に景品として割引券を渡す。
9⽉23⽇(⽇) とみざわマルシェにて顧客データを収集
マルシェの来場者
当⽇マルシェで使える割引券と後⽇LINE@上で使える電⼦割引券の
計2枚配布ともだち登録
1.会員登録
2.顧客データの継続的な活⽤
三栄会
&
LINE@上で、三栄会店舗で買い物をしたレシート提⽰で、割引クーポンを発⾏
98名のうちクーポン使⽤者が何名かを調査
任意の商店街の個店 LINE@ともだち登録者98名
98名が登録
• 顧客データの活⽤⽅法及び今後の顧客データの収集について、三栄会と協議中。
• 1⽉末までの実証を⾏う。
地域のマルシェ
マルシェ当⽇クーポンと個店クーポンを発⾏
地域の店舗回遊促進
今後の活⽤⽅法
【実証事業結果】・マルシェの集客は約6000名前後。これに対し、98名の会員登録となった。(9⽉23⽇に会員を追加。)・クーポンを98枚発⾏すると、富沢地区の個店へ38名送客できた。
10
2015~2017年度における気仙沼の宿泊実績
「2017年度における気仙沼の購⼊単価層」から推計して域内売上を算定
観光予報プラットフォーム宿泊数が12⽉・1⽉で低迷する。
他⽅、域内の購買活動は上昇。観光客を⽇帰りで帰らせているのではないか︖
11
【実証事業結果】・12⽉、1⽉で低迷する宿泊数を買い物客を誘導することで改善するための体制を構築した。
気仙沼実証事業のイメージ
• 気仙沼では、「気仙沼クルーカード」が運営されている。• 気仙沼の飲⾷店、物産店、宿など「クルーシップ加盟
店」での買い物で、ポイントを加算、使⽤が可能。メンバーだけの特典もある。気仙沼クルーカードは1ポイント=1円として利⽤できる。
• ネットショッピング等のご利⽤で提携サイトのポイントも気仙沼のポイントも貯まるカードとなっている。
• 市⺠証という位置づけであり、地域の⽅以外に観光客なども対象とした「気仙沼ファン」に対するカードとなっている。
今後の活⽤⽅法商店街
地域の宿泊施設
宿泊ポイント発⾏
RESAS_ ㈱Agoop「流動⼈⼝データ」
まちづくりマップ → 流動⼈⼝メッシュ
ヒートマップ(2016年5⽉ 休⽇)
スマートフォンアプリの位置情報をもとに、500mメッシュにおける流動⼈⼝を⽉別・時間帯別で表⽰
<北塩原村周辺>
⾄ 喜多⽅
⾄ 磐梯 ⾄ 猪苗代
五⾊沼、檜原湖観光施設
道の駅 裏磐梯裏磐梯リゾート施設
<磐梯町、猪苗代町中⼼部>⾄ 福島
⾄ 郡⼭⾄ 会津若松
道の駅 磐梯 道の駅 猪苗代
磐梯SA
野⼝英世記念館、ガラス館
スーパー等買い物施設
IC周辺
磐梯駅周辺
課題出し︓特定のエリア(観光施設、物産施設)にのみ⼈が集中している。
12
五⾊沼、檜原湖観光施設
野⼝英世記念館、ガラス館
13
① 顧客データの収集 ② 顧客データの活⽤
ジオパークカレー加盟12店舗で使える300円クーポン割引クーポンを発⾏
【→登録インセンティブ】ともだち登録
&
ジオパーク
カレー12店舗
2町1村観光協会
2町1村の道の駅
QRコード掲載スポット
1⽉12⽇〜2⽉24⽇の間、各地で観光客データを収集
・スキー等の観光客・道の駅来訪者・レストラン来訪者 など不特定多数者を想定(本来であれば⾃社に関係のない⼈を潜在的な顧客に︕)
クーポンの使⽤者数から、顧客データ活⽤のCV率を把握
LINE@上で、1ヶ⽉間使える割引クーポンを発⾏(発⾏主体︓ジオパーク協議会)
来客数〇名のうち、〇名が登録。うち、クーポン使⽤者が〇名か(CV率)を調査12店舗が連携し、同⼀
のアカウントで情報発信
LINE@ともだち登録者〇〇⼈
LINE@クーポン画⾯イメージ【アカウントID→@yne9822p】
地域で独⾃の顧客データを所有することによる
有効性を⽰す︕
今後の活⽤イメージ
地域の顧客(=LINEともだち)へ、・ 加盟店が連携し、クーポン等による
継続的な相互誘客を図る。・ 地域のふるさと納税等の情報発信・ イベントや旅⾏商品等の販売実証
QRコード掲載の様⼦
カフェ煙突の⽊
【実証事業結果】・1/12~2/24に、北塩原村、磐梯町、猪苗代町のレストラン等で顧客データ収集事業を実施。※7920⼈の来客に対し、125⼈の会員登録を得て、クーポンにより37⼈の顧客誘導を実施した。CV率27.6%。
個店連携により、個者単独の集客よりも効果的に顧客データを収集することができる。【→個店連携の有効性】
地域で顧客データを保有することにより、集客ポイントからの新たな⼈の流れ・観光消費を創出することができる。【→顧客データ保有の優位性】
磐梯エリア周遊実証事業のイメージ
道の駅ばんだい会津嶺
14
調査担当者(当時)東北経済産業局 産業部 地域資源プロジェクトチーム 井元 尚充
あ・ら伊達な道の駅地域資源プロジェクトチーム 佐藤 知世
とみざわマルシェ商業・流通サービス産業課 ⻄崎 瑞季
気仙沼商店街観光・コンテンツ産業⽀援室 桑島 ⼤地
磐梯⼭周辺のカレー店