33
NPO 法人 静岡情報産業協会 令和元年度 海外視察団レポート集 「『中国のシリコンバレー』深(しんせん)」視察 令和元年 6 月 27(木)日~6 月 30 日(日) 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金) ①自動運転バスの乗車体験 ②「DJI」本社の視察 ③キャッシュレススーパー視察 ④無人食堂の視察 ⑤深南山地区の視察 ⑥無人コンビニの体験 ⑦「浩鯨科技」社の視察 6月29日(土)自由視察 6月30日(日)深空港~関西国際空港

令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

NPO 法人 静岡情報産業協会

令和元年度 海外視察団レポート集

「『中国のシリコンバレー』深圳(しんせん)」視察

令和元年 6 月 27(木)日~6 月 30 日(日)

【視察日程】

6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ

6月28日(金) ①自動運転バスの乗車体験

②「DJI」本社の視察

③キャッシュレススーパー視察

④無人食堂の視察

⑤深圳南山地区の視察

⑥無人コンビニの体験

⑦「浩鯨科技」社の視察

6月29日(土)自由視察

6月30日(日)深圳空港~関西国際空港

Page 2: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

【参加者】

《視察団長》 米良 直樹 株式会社浜名湖国際頭脳センター

伊藤 心 株式会社ユニテック

岩堀 久由 株式会社静鉄情報センター

花澤 真平 株式会社 SBS 情報システム

別府込 浩昭 静銀コンピューターサービス株式会社

前田 高宏 株式会社ユニテック

渡部 竜也 株式会社 SBS 情報システム

《添乗員》 後藤 武久 静鉄観光サービス株式会社

【今期視察の特徴】

前回まで数次続いた“COMPUTEX TAIPEI”の視察団派遣から、「中国のシリコンバレー」とも評され

る広東省の深圳市に視察先を変更して参加者を募りましたが、日程等の関係で参加希望者が少なく、

一時は「今期は中止すべき」との議論もあった中で、長年継続してきた当協会の主要事業であり、そ

の大きな効果に期待を寄せられる会員企業の声もあり、参加者を送り出された会員企業の積極的な

後押しもあって、ギリギリのところで実現を見た事業でした。

結局、参加者は「精鋭」7名が各社から送り出されることになりました。当初予定していた視察日程も、

現地到着後に深圳市駐日経済文化交流促進会の「キーマン」の助言により、直前になって参加者の

希望する視察先へ思わぬ変更も実現したこともあって、結果として「普通なら見ることのできない所を

見ることができた」など、参加者からも好評を得るところとなりました。

また、毎年同様の評価をいただいていることの中に、参加者同士が行動を共にする中で、新たな絆

が生まれ、その後の交流など人間的な側面の研修効果も評価が高く、今回の視察に参加されたメン

バーからも、是非この企画は今後も継続すべきとの声が多数ありました。 (文責:桜井俊秀)

■深圳市(しんせんし Shenzhen シェンチェン)中華人民共和国広東省に位置する副省級都市。 香港の新界と接しており、地下鉄

で1時間程度の距離。経済特区に指定。中国屈指の世界都市であり、金融センターとしても機能している。■成立:1979年1月2

3日 ■深圳市の総人口:1400 万人 (実際は 2000 万人程度)世界 15 位 ■高齢化率(65歳以上):2% ■面積:1952,84K

㎡ ■GDP:16,001.98億元 ■世界における深圳:2014年にアメリカのシンクタンクが公表した、ビジネス・人材・文 化・政治などを

対象とした世界都市ランキンにおいて世界 73 位の都市と評価され、中国では北京・上海、広州に次ぐ第四位の都市。

Page 3: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

1

中国・深圳 視察報告書

株式会社浜名湖国際頭脳センター

米良 直樹

1.目的

・「中国のシリコンバレー」と呼ばれる深圳の情報収集

・参加会員との交流

2.視察概要

・行程:2019年6月27日(木)~6月30日(日)

6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ

6月28日(金)①自動運転バスの乗車体験

②「DJI」本社の視察

③キャッシュレススーパー視察

④無人食堂の視察

⑤深圳南山地区の視察

⑥無人コンビニの体験

⑦「浩鯨科技」社の視察

6月29日(土)自由視察

6月30日(日)深圳空港~関西国際空港

・参加人数:全7名

3.視察先の概要

(1)自動運転バスの乗車体験

深圳市福田保税区で、自動運転バスに乗車。

駐車場には数台の自動運転バスが止まれており、実用

化されていることが伺えた。いずれのバスもEVで、駐

車場には充電設備も完備されていた。

乗車すると、補助のための運転士はいるが、ハンドル

を握ることはなく、バスが自動走行していることが分か

る。バスにはいくつかのセン

サーが搭載され、周辺の様子

を感知しながら進んでいっ

た。途中、人がバスの前を横

切る場面があったが、それに

も反応し、停止・再出発もス

ムーズに行われていた。

Page 4: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

2

(2)「DJI」本社の視察

商用ドローンの世界シェアが 70~80%というDJI社を視察。

館内でのデモンストレーションを見学した。展示ブースには、ド

ローン以外にも、常に並行を保つカメラや中国国内で開催される

大会にも使用されている戦車の型をしたロボットも展示案内され

ていた。担当者の説明などからも、DJI社は、ドローンのイメ

ージが先行するものの、本当の強みは画像処理などドローンに付

随する技術であることを知ることができました。

(3)キャッシュレススーパーの視察

アリババが運営しているキャッシュレススーパー

を視察。スマホ決済を利用した支払いのため、支払い

場所には日本のように店員はおらず、専用の機械が並

んでいる。

スーパーのもう1つの特長として配送体制が構築

されていることが挙げられる。スマホからお店に注文

が入ると、店員が品物を集め袋へ。その袋がリフトで運

ばれ、別室で待つ配達員の元に届く。彼らは、送られて

きた品物を、電動自転車で配達する。別室では配達員が

多く待機しており、注文を受けた品物もお店から頻繁に

流れていたことからも、スマホを通じた買い物がたいへん多く利用されていることを

実感した。この「配達員が電動自転車で配達する」光景は、街の至る所でみられ、深

圳で定着していることが分かった。

〈注文された品物がリフトで運ばれ、別室の配達員のところに届く。配達員は黄色の電動自転車で注文先まで配達する。〉

Page 5: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

3

(4)無人食堂の視察(立ち寄り)

移動の途中で無人食堂にも立ち寄った。支払いはスマ

ホ決済。注文すると商品取り出し口から商品で出てくる。

バックヤードも無人のようで、商品も注文があると温

められて取り出し口に送られてくる仕組みのようである。

座席はカウンターで 10 名弱が座れる程度のスペース

であった。

食事が終わったら、何らかの操作をすることで座席前の一部が開き、そこに廃棄す

るシステムなっており、ここでも人の手を介さない。

(5)深圳南山地区の視察

ソフトウェアの産業基地として成り立っている当地区には、創業の目指す企業が中

国国内から数多く集まっている。

当地区の特長は、政策によって創業には充分すぎるくらいの環境が整っている(施

設などハード面やVC、インキュベータ、アクセラレータなど支援面など)ことであ

る。その規模も日本のインキュベート施設の非ではない。

もう1つポイントが、テンセントの本社やパイドゥ、Google のオフィスがあること

である。特長的な技術が目に付けば、これら企業からの支援や連携も可能であるのが、

この地に創業者を集める理由の1つといえる。

Page 6: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

4

(6)無人コンビニの体験

無人コンビニはそれほど大きなスペースではなかったが、入店時にスマホをかざし

て認証され、購入する商品を精算の機械で取り込んでもらうと購入が完了する。商品

1つ1つにはICタグが取り付けられ、また、店内には数多くのカメラが設置されて

いたことも印象的であった。

(7)「浩鯨科技」視察

昨年秋にアリババからの出資を受け、勢力的に活動を

している会社である。

ビッグデータの処理・活用を主業務としており、公的

な仕事が多い。お話からとくに印象に残っているのが、

道路に設置されている監視システムからの画像データ処

理で、交通事故や犯罪の解決にも役立っている。広州市

ではほぼ全ての道路に監視カメラが設置されていて、2分ごとに撮影し、そのデータ

の5年間保管が求められており、5,000 台のサーバーで管理しているとのこと。

4.今回の視察から学んだこと

(1)深圳の現状

今回、初めて中国・深圳に降り立ちました。4日間の移動などで感

じたのは、都市としてのスケールの大きさと成長の勢いです。移動中、

マイクロバスの窓の向こうから見えてきたのは高層ビル群ばかり。さ

らに、建設に着手しているビルが数多く見られ、成長途中であること

も伺えました。その勢いは、自動車の通行量の多さからも感じること

ができ、お世辞にも規律があるとはいえない交通マナーも、「今の深

圳では遠慮をしていては取り残される」という実情の1つでしょうか。

もう1つ深圳の街から感じたのは、若い人が圧倒的に多いということです。街を行き

交う人たちのほとんどが若者で、彼らからは、常に活気を感じました。「人口 2300 万人・

平均年齢約 30 歳」の街が持つ熱量を肌で感じてきました。

Page 7: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

5

(2)先端技術事情

今回の視察で「自動運転バス」「ドローン」「無人食堂」「無人コンビニ」「ビックデー

タ」などを体験し、お話をお聴きしました。いずれも、近年のAIやロボットによる先

端技術が反映された施設設備であり、日本ではまだまだ体験できないもので、日本との

実用化での差を感じました。

また、街全体でもスマホ決済が定着しているなど、先端技術を活かす土台もできてい

ます。露店のような昔ながらの風景に若者がスマホをかざして次々と支払いをする姿は、

とても印象的でした。「50 年前は何もなかった地域」で新たな都市創造をしやすかったと

いう側面もあり、日本では全く同じようにはいかないかもしれません。ただ、このよう

な先端技術を導入している都市や、ここに関わっている企業と競争し、勝っていかない

といけないというのは、事実としてあります。これらの実用化は「まだ先」と、日本の

実状だけを捉えて考えていては、世界との差は開いていくだけだと思います。今回、深

圳を目の当たりにし、スピード感を持って具現化していくことが必要であることを痛感

しました。世界は「待ったなし」の状況です。

5.最後に

深圳の視察では、日本では体験できない、数多くの新

たな刺激を受けました。いつもとは違う環境に身を置く

ことで、新鮮な視点で様々なことを見ることができたと

思います。いつも固定観念に縛られて仕事をしていると

思うので、とても良い経験になりました。

また、視察のメンバーは初めてお会いする方が多く、

視察を通じて交流を図ることができました。仕事の場で

はなかなかお会いできない方とも話ができ、他社の考え方などを学ぶこともあり、多くの

気づきをいただきました。このご縁を今後も大切にしていきたいと思います。

今回、私が団長を務めさせていただき、行きのフライトがG20の大阪開催と被ったり、

台風や大雨もあったりしましたが、事故やトラブルもなく、参加された視察メンバーから

も満足いただけたという声を頂くこともでき、良かったかなと感じています。添乗員の静

鉄観光・後藤様、現地ガイドの皆様、そして視察メンバーの皆様ありがとうございました。

以上

Page 8: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

令和元年 7 ⽉ 4 ⽇ 株式会社ユニテック

伊藤 ⼼

「中国のシリコンバレー」深圳視察レポート

1.⽇程

6 ⽉ 27 ⽇(⽊)︓出国 6 ⽉ 28 ⽇(⾦)︓深圳市内視察 6 ⽉ 29 ⽇(⼟)︓⾃由視察 6 ⽉ 30 ⽇(⽇)︓帰国

2. 深圳について 中国南部に位置し、経済特区となっており中国版のシリコンバレーと呼ばれている都市。ファーウェイ、

テンセント、DJI 社などの中国企業が本社を構えている。⼈⼝ 1300 万⼈、平均年齢 34 歳と若い ⼈がチャイナドリームを求め、起業するために集まる。とても勢いのある街。

3. 深圳市内視察 ①⾃動運転バス試乗 ⾃動運転のバスに試乗。運転⼿も乗⾞するが完全に⾃動運転で公道を⾛⾏する。時速 20km

で⾛⾏し、バス停も⾃動で停まる。⽇本でも実験段階だが中国の⾃動運転の時期はすぐそこまで来ていると感じた。

②DJI 社空撮体験 DJI社は2005年に創業し、スタートアップとして成功した代表的な企業。個⼈的に今回の視察で

⼀番楽しみだったところ。農業⽤に農薬散布できるドローン、⼩型でも⾼性能なドローン、最近よくyoutuber が動画撮影に使⽤している⼩型のカメラ等の商材の説明とデモンストレーションを体験。趣味で写真を撮るので「Osmo Pocket」(動画撮影⽤ジンバル)が⼀番欲しかった。

Page 9: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

③深圳湾創業広場 政府主導のもと、スタートアップをサポートする組織や企業が集まる。インターネット⼤⼿のテンセン

トなど約 50 ものインキュベータが存在。企業を誘致するために住環境、サービスを整備し急速に発展している。

④無⼈コンビニ 無⼈コンビニの⼟地⾯積は⼩規模。お店に⼊るためには認証が必要。商品の補充は⼈の⼿で実

施しているが、商品購⼊はスマートフォンのアプリで決済。⽇本より数段スマートフォンの決済が進んでおり、便利だと感じた。⽇本ではコンビニの 24 時間営業の必要性が話題になるが無⼈コンビニな らこの問題も解決できるのではと思った。

Page 10: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

4.⾃由視察 平安⾦融センターを⽬指し、地下鉄に乗⾞。湖⾙駅から購物公園駅まで移動。地下鉄はとてもきれ

いで⼈⺠元 3 元(⽇本円約 50 円)ととても安い。平安⾦融センターは約 660m の⾼層ビルで展望台まで約 60 秒で到着。展望台からの景⾊は⾹港まで⾒ることができ、深圳の⾼層ビル群を⼀望できた。時間があれば⼣⽇、夜景が⾒たかった。

昼⾷後、華僑北の中国最⼤の電⼦街へ。⽇本の秋葉原といったところ。電化製品がメーカーものでないものが安く揃う。夜は市⺠中⼼駅まで⾏きガイドさんおすすめのビル街のプロジェクションマッピングを使⽤したナイトショーを鑑賞。⽇本ではこの規模のショーを無料で⾒ることはなかなかできないと思う。とてもきれいでしたが、どこが運営しているかは気になった。

5.総括

この視察を通して中国の勢い、ハングリーさ、急成⻑を肌で感じることができ、また中国⼈の⽅のやさしさに触れることができました。本当に良い経験になりました。これを機会に中国語を勉強したいと思いました。 主催された静岡情報産業協会様をはじめ、視察ツアーに参加された皆様、参加させていただいた会社に感謝いたします。ありがとうございました。この経験を活かして今後の業務に活かしていきたいと思います。

Page 11: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

2019 年 7 月 3 日

株式会社静鉄情報センター

岩堀 久由

「中国のシリコンバレー」深圳視察報告

1.HAYLION

自動運転バスで、一般公道を実際に試乗することができた。運転手は運転席に座っているが一切

の操作はせず、信号機もバスが判断して停車するなど、完全な自動運転であった。

走行速度は 20km/h 程度と低速であったが、既に無人での運行は実用段階にある。

2.DJI 社

商用ドローン業界の最大手。同社が開発したドローンの飛行実演を見学した。

この製品の特長は、飛行体が揺れてもカメラ部が制御されて一方向を維持することができること。

さらに、安定して飛行するための技術に優れている。コントローラを使用せず、人間の動きを認識

するモーションセンサーの実演もあった。

3.アリババのスーパー

このスーパーの特長は、スマートフォン等で注文すると自宅まで配達をしてくれるというもの。

注文を受けたスタッフがバッグに商品を入れて、そのバッグをコンベアにセットすると天井に向か

い、そのまま店舗の外まで運搬される。間もなく店舗外の配送室から電動自転車に移され、商品

は各家庭に配送される。

その電動自転車は黄色に塗ってあり、深圳の至る所でその自転車を見た。

4.未来商店

店舗の壁に設置された20インチほどのタッチパネル画面で商品を選ぶ。支払はスマートフォンで

QRコード決済をする。レシートには商品が渡される箱番号が記載される。箱は壁に作られており、

指定された番号の箱にロボットが壁の向こう側から商品を入れるので、購入者はそれを取り出

す。

食品の提供もあり、店内で食事をすることができ、6名ほどのカウンターは半分以上稼働していた。

食事をした後は、ボタンを押すことでカウンターが可動してゴミが落下、回収される。

5.SHENZHEN INVESTMENT HOLDINGS

6.深圳 ソフトウェアパーク

深圳が中国のシリコンバレーと呼ばれるようになった仕組みがここにあった。

広大な土地に所狭しとビルが建ち並ぶ。ここにはスタートアップのインキュベーション機能があり、

住居、オフィスが低料金で提供され投資も積極的に行われている。生活に必要な公共機関、銀行、

Page 12: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

さらに商店街も充実しているとのことであった。

中国の優秀な若者は労働環境が整備された、ここ深圳に集まるのである。

7.無人コンビニ

6畳ほどの店舗スペースで無人営業が行われていた。

商品を精算するために指定の場所に置くと、商品に付けられた RFID により商品を判別しバーコー

ドを読み込ませる手間もなく料金が確定する。支払は QR コード決済のみ対応する。

元々RF タグがついている商品はなく、全ての商品に RF タグを貼付してあった。

8.Whale Cloud

AI を利用した交通管理システム

監視カメラの映像を解析し、事故を AI で検知し緊急車両の手配まで自動で行なわれる。

顔認識システムは、犯罪者の追跡に有効に利用されている。

映像というビッグデータの活用で、安全と治安が手に入る成熟したシステムであった。

9.華強北

日本の秋葉原を模したとされる華強北。

私は趣味で秋葉原に行き電子部品を買い回ることがあるが、その店舗数は秋葉原の比ではない。

世界中からバイヤーが集うらしく、部品販売店では外国人を数多く見た。

所感

この視察でイノベーションという言葉を何回聞いただろうか。

スタートアップがレガシーシステムを保守する必要がないことは、最大の強みであると感じた。

今回の視察において深圳では支払いが現金ではなく、QR コード決済、wechatpay が普通であるこ

とを知り、個人のスマートフォンで利用できる準備をしておいた。

実際に現金で払う人は希なようで、釣りをもらうのに時間がかかり大変不便であり迷惑であった。

一方、wechatpay は QR コードを差し出して一瞬にして決済が終わり快適である。

また、地下鉄に乗車した際にはあらゆる広告に QR コードが印刷されていたことに驚いた。

オフィスビル、マンションの建設、道路の拡幅工事があちらこちらで行われており、猛スピードで発

展している様を見た。

ユニコーン企業を生む都市深圳を知ることができ、また当協会会員の交流が図られ有意義な視

察であった。

-------------------------------------------------------------------------------

最後に、ご同行いただいたメンバーの皆さん、添乗員の後藤さん、現地ガイドの皆さん、深圳市中

日経済文化交流促進会の黄様、そして視察旅行を企画していたいだいた事務局の藤田さんには

大変お世話になりました。誠にありがとうございました。

Page 13: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

報 告 書

記録日 2019 年 7 月 17 日

内 容 NPO 法人 静岡情報産業協会主催 深圳市視察

目 的 「中国のシリコンバレー」 深圳市の視察

情報産業協会会員企業との視察を通した交流

日 時 2019 年 6 月 27 日 ~ 2019 年 6 月 30 日

場 所 中国 深圳市

訪問者 株式会社SBS情報システム 花澤 真平

内 容

NPO 法人静岡情報産業協会主催「中国のシリコンバレー」深圳視察に参加させていただきまし

た。視察内容を以下に報告させていただきます。

■視察先

中華人民共和国 広東省 深圳市

■日程

6 月 27 日(木):1 日目 出国 関西国際空港~深圳宝安国際空港

6 月 28 日(金):2 日目 深圳市視察

①無人運行バス視察

②アリババスーパー視察

③DJI 社ショールーム視察

④無人レストラン視察

⑤南山ソフトウエアパーク視察

⑥無人コンビニ視察

⑦アリババグループ視察

6 月 29 日(土):3 日目 深圳市視察(自由視察)

①地下鉄視察

②平安金融センタービル視察

③電子街視察

6 月 30 日(日):4 日目 帰国 深圳宝安国際空港~関西国際空港

■参加企業

5 社(7 名)

・株式会社浜名湖国際頭脳センター

・株式会社静鉄情報センター

・株式会社静銀コンピューターサービス

・株式会社ユニテック、

・株式会社SBS情報システム

Page 14: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

■深圳視察について

【全体所感】

視察は朝から晩まで目一杯のスケジュールでしたが、目に映るものすべてが新鮮で刺激のあるも

のばかりで、大変充実したものになりました。

深圳市は中国が作った最先端の「国際見本都市」です。訪問する前に抱いていた衛生面や治安の

不安は杞憂でした。街には高層ビルが立ち並び、都市システムは進んだものでした。現金を全く

持っていなくても日常生活に困らないほどスマホを使った支払いサービスが普及しており、テン

セントの「ウィーチャットペイ」・アリババの 「アリペイ」といった大手サービスが普及してい

ました。街中の至るところで、この 2 社のロゴが目につき、交通、買い物、食事など各種サービ

ス結びつき、人々の生活に取り込まれていました。

【2 日目 深圳市視察】

①無人運行バス視察

保税区という貿易エリアにて、無人運行バスに乗車しシステム等の視察をしました。実際に運行

されているバスに乗車し、社員の説明を受けながら体験することができました。バスにはカメラ

とセンサーが装備され、全方位を監視しています。路上駐車や急な飛び出しにもしっかりと対応

し安全運転されていました。但し無人といっても運転席には監視人が座っており完全無人ではあ

りませんでした。現在は比較的短いルートでの検証段階ということでした。

②アリババスーパー「盒馬鮮生(ファーマーションシェン)」視察

深圳市の街中には宅配用の電動スクーターが多く駐車されており、車道・歩道関係なく宅配スク

ーターが走っています。その宅配の一つを利用しているのがアリババ資本のスーパー「盒馬鮮生」

です。品揃え豊富な高級スーパーで、商品はどれも新鮮で綺麗に陳列されていました。店内には

タブレット端末を持つ多くのスタッフがおり、オンラインでの注文を待っています。注文が入る

とスタッフが手早くバッグに入れ、ベルトコンベアに乗せていきます。注文が入るとバックに商

Page 15: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

品が入れられます。そしてバッグは常時動いているコンベアに乗せられ、店舗の天井を伝ってバ

ックヤードへと運び込まれていきます。商品はコンベヤで配達員のところへと送られ、外で待ち

構えている配達スタッフに届くシステムです。配達は半径 3km 以内であれば 30 分以内に届ける

そうです。ちなみに、支払いは現金、クレジットカードなど不可でアリババの「アリペイ」のみ。

競合の「ウィーチャットペイ」は利用できませんでした。今回の視察を通して、アリババやテン

セントといったネット企業が、ネット(オンライン)とリアル店舗(オフライン)の融合を図り、

それを実践していることがよく分かりました。

③DJI 社(商業ドローン)ショールーム視察

深圳市で最も勢いのある企業として知られる商業用ドローンの DJI 社のショールームを視察し

ました。デモ飛行用のスペースがある広々としたショールームで実際に数機種のデモンストレー

ションを見せていただきました。DJI 社のドローンの導入事例紹介では、本年 4 月に発生したフ

ランスノートルダム寺院火災の際に、火災現場の状況確認・調査に使われた事例と、東京都あき

る野市で、土砂崩れの山地調査や救助用のパックの輸送などに利用されている事例が紹介されま

した。デモンストレーションでは小さな玩具用のものから、農業や撮影に利用できる商業用のも

のまで見せていただきましたが、彼らの技術はドローン技術だけでなく、カメラや戦車(玩具)ま

で多岐に渡り、現在も積極的な開発が進められているようです。個人的にはカメラの機能が優れ

ていると感じ、空撮用だけでなく手振れ防止などを取り入れたハンディタイプカメラに惹かれま

した。

Page 16: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

④無人レストラン「F5 未来商店」視察

無人コンビニ、無人レストランなど、数年前から中国は「無人」をキーワードとしたビジネスが注

目を集めており、現在ではその波が一段落し通常のサービスとして定着しているようです。視察

した F5 未来商店(F5 Future Store)は、テレビなどを製造している TCL グループのレストラ

ンです。近代的なオフィス街にあり、店舗には認証なしで自由に入れました。タッチパネルで「ウ

ィーチャットペイ」か「アリペイ」を使って支払い、食事を注文すると自動販売機の扉が開き、

ロボットアームが出て手元に届きます。メニューは冷凍食品をチンしたもののようですが、 視察

時も数人の若者が実際に利用をしていました。

⑤南山ソフトウエアパーク「深圳市投資控股有限公司」視察

中国のシリコンバレーといわれる深圳市の中でも、とくに南山区というのは発展が著しい地区と

いうことです。訪問した「深センソフトウェアパーク(深圳软件产业基地)」は、政府と投資会

社などが官民一体となって、IT関連の創業者を支援するために作ったエリアということです。

視察時も投資会社の方が積極的に説明をしてくれました。外観は近代的で大きさは 3ブロック四

方くらいで、このような開発エリアが南山区には数カ所あるようです。技術を持った企業や人を

盛り上げていく機運が感じられました。

⑥無人コンビニ「ELEVEN SCORE」視察

セブンイレブンに似た名前の「ELEVEN SCORE」ですが、テーマパークの中に完全な無人店舗

として運用されていました。アプリ等がないと入店できません。店舗は小さくて日本のコンビニ

の半分くらいでしたが、天井にある監視カメラは確認できただけで 10 個以上ありました。商品

には IC タグのシールが貼られており、その商品をレジ台に置き自動精算する仕組みです。運用

当初は試行錯誤があったようですが、顔認証技術などの進歩で現在は安全に運用がされているそ

うです。無人コンビニについては、日本においても「買い物難民」といわれる高齢者が多い山間

地区などでの運用に向いていると思いました。

Page 17: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

⑦アリババグループ「浩鯨科技」視察

2 日目最後の視察は、アリババグループの「浩鯨科技」を視察しました。ビックデータをもとに

スマートシティを提供している企業とのこと。ビックデータといっても漠然としていて、どのよ

うなシステムサービスを提供しているのか、うまくイメージできませんでしたが、今回、彼らの

サービスの一つ「交通大脳管理」という都市管理サービスを紹介いただき、概要ですが理解する

ことができました。彼らは実際に上海や深圳などの大都市にて、膨大な交通情報のデータを収

集・分析し、それをもとにインフラの整備・メンテを行っているということでしたが、その情報

の中には、交通カメラで 2 分間に 1 回という間隔で撮られた膨大な写真データがあり、それに顔

認証技術を用いて都市を監視しているそうです。(交通カメラの写真データは、法律で定められ 5

年間保存しているそうです。)サーバーは上海市だけで 5,000 台を運用しており、あらためてそ

の規模に圧倒されました。この監視システムのおかげで警察官不足がカバーされているそうで

す。政府・自治体が求める安全・治安というものに応えたサービスを提供しており、今後も発展

するとのこと。中国ならではのスケールの大きい情報活用の一つを見せられた感がありました。

【3 日目 深圳市視察(自由視察)】

①地下鉄視察

3 日目はまず地下鉄を実際に利用することから始めました。地下鉄は市内に 1 号線、2 号線、・・・

と 10 路線程度通っており、市民の足として運用されています。全体的に近代的で清潔でした。

但しセキュリティは厳しく改札時には、空港のような検査機を用いた、持ち物検査がありました。

購入システムは私たちのような初心者でもなんとかわかるレベルです。乗車システムは切符では

なくICチップが入ったコイン型のものが利用されていました。

Page 18: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

②平安金融中心(センター)ビル視察

深圳市という都市を俯瞰で観察したかったため、深圳市で一番高い(中国でも 2 番目に高い)とい

われている平安金融中心(センター)ビルを訪れました。このセンタービルは中国の生命保険会社

である中国平安保険の本社ビルで市内のちょうど中心に位置しています。高さ 600ⅿを超える超

高層ビルで展望台に上がるまでに派手なプロジェクションマッピングなどがあり、中国らしい演

出がされています。展望台へのチケットは 200 元(日本円で約 3500 円)とかなり高額でしたが、

深圳市という都市全体と、香港まで見渡せる景色は圧倒的でした。四方を見渡すと大きな川と田

園の中に人工的な近代都市が出来あがっているのが分かります。都市計画なのか高層ビルの中に

ゴルフ場があるエリアも見つけられます。今回初めて中国を訪れて気づいたことの一つですが、

私が見た限りでは、深圳市には個人邸宅のような一軒家はありませんでした。ビジネスの街なの

で、桁外れの資産家はいるはずなのですが、皆タワーマンションに住んでいるのでしょうか。街

の形成を見ながら共産主義というものを感じたりもしました。

③華強北視察(中国最大の電子街)

視察の最後は中国最大の電子街である華強北を視察しました。この電子街は規模こそ大きいです

が、日本の秋葉原と大きく変わるものではなく、とくに目新しいものは見受けられませんでした。

Page 19: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

【視察を終えて】

当初、今回視察については、「受け入れ先の都合で急遽中止になる視察先もあるので、大幅変更

も覚悟してください。」ということをうかがっており、はたしてどのくらいの視察ができるのか

と心配していました。しかし実際には、アテンド役を引き受けていただいた深圳市中日経済文

化交流促進会の黄旭 秘書長によって多くの企業や施設をスムーズに視察することができまし

た。訪問先の企業の方に歓迎されて握手する黄秘書長を見ながら中国における政府の力という

ものを強く肌で感じました。すべての視察を終え一番印象に残ったのは、黄秘書長がアポイン

トメント取ってくれたアリババグループの「浩鯨科技」視察でした。通常の観光ではおそらく

うかがい知ることができない中国のビックデータ企業の実情を知れたことは私たち視察団にと

って特別な体験になったと思います。あらためて黄秘書長と現地の中国人ガイドの皆様に御礼

申し上げます。

黄旭 秘書長(左側)と記念撮影

【最後に】

今回、静岡情報産業協会会員企業の一人として、このような視察に参加させていただき深く感

謝いたします。

4 日間という短い期間でしたが、発展著しい中国のシリコンバレー深圳市という都市を視察させ

ていただき、ITに携わるビジネスマンとして大いに刺激を受け、今後の日本そして静岡にお

ける情報産業の技術・サービスについて深く考える契機になりました。

静岡情報産業協会様、事務局様、視察団長の米良様はじめ参加企業の皆様、静鉄観光サービス

の後藤様、関係の皆様に心より御礼申し上げます。

以上

Page 20: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

1

2019年7月8日

静銀コンピューターサービス㈱

別府込 浩昭

静岡情報産業協会主催 「中国のシリコンバレー」深圳視察報告について

標記の件、以下の通りご報告いたします。

1.目的

静岡情報産業協会様が主催する「中国のシリコンバレー」深圳視察 4 日間に参加し、金融とイノベーションの

街に変化を遂げた深圳を視察する。

2.日程

(1)6月 27 日(木)

・関西空港より出国し、中国 深圳空港へ(入国)

・懇親会

(2)6月 28 日(金)

・深圳市内視察

・懇親会

(3)6月 29 日(土)

・終日 自由行動

(4)6月 30 日(日)

・中国 深圳空港より出国し、関西空港へ(帰国)

3.深圳市内視察の内容

(1)6月 28 日(金)

No. 視察内容 視察先

① 無人バス乗車体験(実証実験中) アリババ人工知能有限公司

② スーパーマーケット宅配システムの見学 アリババグループ・スーパー

③ ドローンのデモ、空撮体験 DJI 社

④ 無人商店(レストラン)の見学、利用体験 未来商店

⑤ 深圳湾地区開発に向けた取組み説明 深圳市投資ホールディングス有限公司

⑥ 南山ソフトウェアパークの見学 深圳湾テクノロジー開発有限公司

⑦ 無人コンビニエンスストアの見学、利用体験 11 分

⑧ スマートシティに向けた取組み説明 アリババグループ・浩鯨科技(ハウジン)

(2)6月 29 日(土) ~ 自由行動 ~

No. 視察内容 視察先

① 地下鉄の乗車体験

② 展望台(高さ 599m) 平安金融センター展望台

③ 中国最大・電子街の見学 華北強

④ タクシーの乗車体験

Page 21: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

2

4.感想

(1)深圳を視察都市に選定した経緯

40 年前まで地方の一漁村でしかなかった深圳市は、1980 年に経済特区に指定されて以来、

今では北京市・上海市・広州市に次ぐ中国 4大都市となった。

静岡情報産業協会様においても、急激に発展を遂げる深圳市について注目しており、同協会

の関連部会にて同市を訪問すべく、今回の視察が企画されたとのことであったが、噂に違えず

発展しているハイテクノロジーや街並みについて深く驚きと感銘を受けた。

(2)特に参考になった内容

①無人化への取組み

今回、無人バス、無人商店(ファーストフード店)および無人コンビニエンスストアと、3種類の無人化を体

験したが、まさに SF 映画を彷彿、体感しているような錯覚を感じた。

【無人バス(実証実験中)】

・(運転手ではない)管理者が 1 人乗車しているものの、

ハンドルには一切触らず、事前にプログラミングされた経路に

従い、運行している。

・時速は 10km と、現時点では遅いものの、4 箇所にセンサー

が設置されており、危険(衝突)を察知すると、減速

または停止等の回避運転を行う。

・有人バスと同様、すべてのバス停に停車する。

(日本のように、降車したい場合に降車ボタンを押すもの

ではない)

【無人商店(ファーストフード店)】

・商店設置の端末からメニューを注文し、WeChat Pay または

アリペイで支払う。

・食事が終わったら、テーブルを開き、食べ残しや食器を流

す仕組みとなっている。

Page 22: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

3

【無人コンビニエンスストア】

・お客様は、店舗設置の端末(結算台)に購入したい商

品を置き、同端末は商品に付いている IC チップ(タグ)

を読み込んで清算し、お客様は WeChat Pay で支払う仕

組み。

②深圳市投資ホールディングス有限公司(超高層ビル群)

区画整理(数 km 四方)された土地に、整然と並ぶ超高層ビル群。そこにはハイテク技術、金融

および不動産会社を起業するメンバー、約 5 万人をバックアップするシステムがあり、中国の未来化構

想のなか、政府主導で支援を実施している。

③スマートシティに向けたハウジン社の取組み

同社では、深圳市のほか、北京・上海・広州・南京・杭州等の交通情報・遺失物調査・犯

罪情報収集等の監視システムを開発・運用を行っており、そこで収集されたビッグデータにより、

交通取り締まりや犯罪の未然防止に努めている旨説明を受け、市民が住みやすい豊かな街を

目指す、政府主導のスマートシティ化実現に向けた取組みを実践していると感じた。

5.最後に

静岡情報産業協会様を始め、今回の深圳視察にお世話になった皆様へ感謝の意を表します。

以上

Page 23: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

2019/7/8 株式会社ユニテック

前⽥ ⾼宏

『中国のシリコンバレー 深セン視察 4 ⽇間』視察レポート

1.視察概要 ①⽇程:2019/6/27(⽊)~2019/6/30(⽇)

②視察:ⅰ無⼈バス体験 ⅱ盒⾺鮮⽣(アリババスーパー)視

Page 24: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

2019/7/8

株式会社ユニテック

前田 高宏

『中国のシリコンバレー 深セン視察 4日間』視察レポート

1.視察概要

①日程:2019/6/27(木)~2019/6/30(日)

②視察:ⅰ無人バス体験

ⅱ盒馬鮮生(アリババスーパー)視察

ⅲDJI ドローン視察

ⅳ深セン湾創業広場(スタートアップ、メイカー)訪問

ⅴ11score(無人コンビニ)視察

ⅵ浩鯨科技有限公司(セキュリティソリューション)訪問

2.所感

①中国のモバイル決済普及率は 98%超え?

中国のモバイル決済は、「Alipay」(支付宝)と「WeChatPay」(微信支付)の二大勢力がある。

いずれも決済手段に QR コードを使っていて、主に店舗側で用意したカメラで客の QR コードを読み取る

か(レジ一体型)、印刷した QRコードを店頭に置いて客に読み取らせるか(送金型)で決済する仕組み。

送金型は自分の QRコードだけ用意すればいいので、店舗から屋台、お布施までモバイル決済が普及して

いる。

また、日本と違い現金の信用性がないことも普及を加速する要因といえる。実際、多額となる現金 100

元(≒1500 円)札での支払いは必ず手動、機械による偽札チェックが行われた。

モバイル決済の弊害もある。コンビニではおつりを用意していなく支払にまごついたり、屋台ではそも

そも同理由によってか現金での支払いを拒否される。

QR コードが並ぶ

WeChatPay は、中国で利用できるコミュニケーションアプリ「WeChat」の一機能。

(Line、LinePay と同様だが、中国で Line は使用できない)

自分は日本で WeChat アプリをインストール済み。ただし、中国の銀行口座がない

とオンラインでチャージができない。 そこで、空港にある外貨を電子マネーに

変換するサービス「ポケットチェンジ」を使用してチャージを行った。

WeChatPay の画面

Page 25: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

察 ⅲDJI ドローン視察 ⅳ深セン湾創業広場(スタートアップ、メイカー)訪問 ⅴ11score(無⼈コンビニ)視察 ⅵ浩鯨科技有限公司(セキュリティソリューション)訪問

2.所感 ①中国のモバイル決済普及率は 98%超え? 中国のモバイル決済は、「Alipay」(⽀付宝)と「WeChatPay」(微信⽀付)の⼆⼤勢⼒がある。 いずれも決済⼿段に QR コードを使っていて、主に店舗側で⽤意したカメラで客の QR コードを読み取るか(レジ⼀体型)、印刷した QR コードを店頭に置いて客に読み取らせるか(送⾦型)で決済する仕組み。送⾦型は⾃分の QR コードだけ⽤意すればいいので、店舗から屋台、お布施までモバイル決済が普及している。 また、⽇本と違い現⾦の信⽤性がないことも普及を加速する要因といえる。実際、多額となる現⾦ 100元(≒1500 円)札での⽀払いは必ず⼿動、機械による偽札チェックが⾏われた。 モバイル決済の弊害もある。コンビニではおつりを⽤意していなく⽀払にまごついたり、屋台ではそもそも同理由によってか現⾦での⽀払いを拒否される。

QR コードが並ぶ WeChatPay は、中国で利⽤できるコミュニケーションアプリ「WeChat」の⼀機能。(Line、LinePay と同様だが、中国で Line は使⽤できない) ⾃分は⽇本で WeChat アプリをインストール済み。ただし、中国の銀⾏⼝座がないとオンラインでチャージができない。 そこで、空港にある外貨を電⼦マネーに変換するサービス「ポケットチェンジ」を使⽤してチャージを⾏った。 実際に使ってみたが、確かにこれは便利であった。⽇本では、〇〇Pay が企業ごと乱⽴しており、使える店舗もまちまち。先述の通り、中国では Alipay、WeChatPay の 2 強で、この2つは基本どこでも使えるため、安⼼感があった。 ②先をいく会員制スーパー

アリババ資本の会員制スーパー『盒⾺鮮⽣』、オンラインで注⽂すると 30 分以内に配達してくれる。 ぱっと⾒は普通のスーパーだが、店内にはタブレット端末を持った多くのスタッフがいた。

WeChatPay の画⾯

Page 26: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

注⽂があるとスタッフがバッグに⼊れ、ベルトコンベアに乗せる。 バッグは店舗の天井を伝ってバックヤードに運ばれ、その後、配達員のところへと送られていく。

近くには配達⽤の多数の電気⾃転⾞が停められていた。 (ペダルこそ付いているが、スクーターと同じ乗り⽅)

アリババ資本のスーパーなので、店内で購⼊する場合は Alipay のみ。 セルフレジも⾮常にシンプルな端末で、⽇本のように重量をはかったりはしない。(ただし、防犯カメラは多め) ネットオーダーは 7 割を占めるとのこと。 ⾼温多湿で渋滞の多い深センでは、⾮常に魅⼒的なサービスといえる。 ③深センの街と⼈々 深センという街は、皆さんがイメージする“所謂中国“のような雑多な部分もある⼀⽅で、 ⾼層ビルが⽴ち並びかつ常に建設中と、凄まじいスピードで進化していた。

タブレットを持ったスタッフ 天井を伝うバッグ 待ち構える配達員

(写真 NG だったため遠め)

Page 27: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

そして、深センの⼈たちは皆親切だったことをお伝えしたい。

⽇本で⾒る中国⼈のイメージは、うるさい、マナーが悪い、が多数だと思う。 しかし、深センで⾒た中国⼈のイメージは、うるさいが⼈情味がある、であった。 ⽇本語(英語)はほぼ通じないが、皆翻訳アプリを使いながらとても丁寧に説明してくれた。 3.最後に

今回の視察で、深センの勢い、熱、スピード感を肌で感じることが出来ことは本当によかったと思うと共に、⽇本の安⼼と引き換えに犠牲となっているスピード感を悔しく感じました。 また、4 ⽇間と短い期間ではありましたが、協会企業の皆様と遠い地で交流が図れたことは⼤変有意義でありました。同⾏していただいた協会企業の皆様、両⾏会社の⽅に厚くお礼申し上げます。

以上

360 度のプロジェクションマッピング

Page 28: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

ISO40-020-020.1.2.1

研修会報告書

記録日 2019 年 7 月 18 日

内 容 NPO法人静岡情報産業協会 「中国のシリコンバレー“深圳”視察4日間」

目 的 中国における最新の IT 動向の把握、静岡情報産業協会会員との交流

日 時 2019 年 6 月 27 日(木)~6 月 30 日(日)

場 所 中国広東省 深圳市内

起票者

(受講者) 株式会社 SBS 情報システム 管理本部 渡部竜也

スケジュール・内容、研修の理解度、業務への応用を含めた感想等(別添付として作成)

「NPO 法人 静岡情報産業協会」が主催した『「中国のシリコンバレー」深圳視察 4 日間』に

参加した。

1. 参加企業

㈱浜名湖頭脳センター

㈱静鉄情報センター

㈱静銀コンピュータ

㈱ユニテック(2 名)

㈱SBS情報システム(2 名)

(参加者計 7 名)

2. スケジュール

6 月 27 日(木) 移動日

関西空港~深圳空港(19:05 着)~ホテルチェックイン後、深圳市内にて懇親会

6 月 28 日(金) 深圳市内各所視察

①無人運転バス実証実験視察(haylion 社)

②盒馬鮮生視察(アリババ社の生鮮スーパー)

③各種ドローン見学(DJI 社ショウルーム)

④無人食堂視察(F5 未来商店)~

⑤南山地区視察(深圳控股有限公司視察)~ (深圳湾創業広場)

⑥無人コンビニ視察(11 分智能便利店)

⑦浩鯨科技社訪問(ビッグデータ活用事例など)

Page 29: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

ISO40-020-020.1.2.1

6 月 29 日(土) 深圳市内自由視察

①深圳市地下鉄体験

②深圳平安金融センター(展望台)

③華強北路(深圳電気街)

以降各自自由(個人で深圳市繁華街視察)

6 月 30 日(日) 移動日

ホテルチェックアウト後~深圳空港~関西空港(14:30 着)

3. 視察の感想

【所感】

全体的に視察の日数は少なかったが、見るべきものの多い視察であった。表通りには若

者が多く、非常に活気を感じる街であり、日本では受け取ることができないようなエネル

ギーを受けることができた。

まず生活環境面として、衛生や治安に不安があったが、その不安は全くの杞憂であった。

都市部のみの視察だったこともあるが、近代的なビル群が立ち並び、街のあらゆる場所で

電子マネー決済ができる様は、間違いなく日本よりも先をゆく IT 先端都市であることを

感じた。若者が多く活気があり非常にポジティブなエネルギーに満ちており、今の日本に

足りない部分を強く感じる街でもあった。

【2日目 深圳市内各所視察】

①無人運転バス実証実験視察(haylion 社)

予定にはなかったが初日懇親会にて、現

地コーディネーターがコネをもっている

ということが判明し、急遽無人運転バスの

視察となった。

実際に運行されているバスと同型のバ

スを、時速 15~20km 実際のバスルート上

(公道)で運行していた。中国の運転マナー

は日本よりも悪く、路上駐車や割り込みな

ども多く見受けられるのだが、センサーの

働きで周囲の車両や飛び出してきた歩行者などにもしっかり反応していた。ただし運行速

度や反応スピードを見る限りでは、実用までまだ壁があるようにも感じた。

日本ではこの段階で、公道での走行実験を許すだろうかと考えると、深圳が発展してき

た理由がわかる気がする。

②盒馬鮮生視察(アリババ社の生鮮スーパー)

アリババ社の生鮮スーパーは、表面上は電子決済(アリペイ)のみが使えるキレイな最先

端スーパーとしか見えないが、細かいところを見ていくとそれだけではないことがよく分

Page 30: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

ISO40-020-020.1.2.1

かる。

まず目立つのが、ビル入

口付近の歩道にずらり並

んだ電動バイクと、店舗

までの通路を動くベルト

コンベアである。店舗内

ではタブレットを持った

スタッフが商品のピック

作業をしており、ここか

ら外のバイクに荷物が送られるのだろう。半径 3km 以内であれば 30 分で届けると言う触

れ込みでやっているそうだが、バイクの台数・コンベアで運ばれるコンテナを見るとかな

りの注文を受けているようである。感覚的には「リアル店舗から配達サービス」をしてい

る、というよりネット注文用の「EC 倉庫を店舗」にしているという逆転の組み立てなの

ではないかと感じた。

③各種ドローン見学(DJI 社ショウルーム)

世界最大手のドローンメーカーDJI 社の初の旗艦店を視察

した。子供の玩具レベル(といっても高機能ではあるが)のド

ローンから、農薬散布用の大型ドローンまで幅広い実機のデ

モンストレーションを見ることができた。また実例紹介では、

フランスノートルダム寺院の火災現場や、東京都あきる野市

での災害時活用など、ドローンならではの活用事例を紹介し

ていただいた。

最近ではドローン以外の製品も増えており、戦車型ロボットを用いた大会 (イメージと

しては高専ロボコン)など、若者の研究・教育にも力を入れ始めているとのこと。人材の確

保につなげていくのであろう。

④無人食堂視察(F5 未来商店)

数年前より広州などで店舗を展開している無人食堂、F5 未来商店を視察。店頭のタッチ

パネルでメニューを選んで、電子決済、指定の場所から温かい食事や冷たい飲み物が自動

で提供される仕組みである。特別目新しい技術を使っているわけでもなく、提供されるも

のも冷凍食品のような内容であった。しかし、日本であれば誰か係の人がいるであろうと

ころが無人(常駐の人はいないとのこと)であり、それで店舗運営を成り立たせてしまうと

いう点がやはり日本で真似できないところであると感じた。

Page 31: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

ISO40-020-020.1.2.1

⑤南山地区視察(深圳市投資控股有限公司)~ (深圳湾創業広場)

中国のシリコンバレーと言われる深圳市のなかでもひ

ときわ近代的に整備されたビルが立ち並ぶ区画である南

山区にて、二箇所訪問させていただいた。一箇所目の深圳

市投資控股有限公司は、官民一体となって強力な創業支援

を行っていることを積極的に説明された。コーディネータ

ーは「インキュベータ」ということを力説していたので、

やはり最初の種を芽吹かせることにかなり力を注いでい

るようだった。二箇所目は深圳湾創業広場などを視察、ス

タートアップ企業が入居する施設の管理をする「深圳湾科

技发展有限公司」の方に説明をいただいた。

テンセント社の巨大ビルを背景に「Follow our Party Start

Your Busines」と刻まれたモニュメントや、毛沢東はじめ

中国共産党幹部の銅像など、国家として強い支援をしてい

ることを感じさせるポイントがいくつもある施設であっ

た。

⑥無人コンビニ視察(11 分智能便利店)

非常に小振りな店舗であったが、無人コンビ

ニの視察とオーナーによる説明を受けた。入店

するためにスマホアプリが必要であり、電子決

済のみでの運用、6 畳に満たない店舗内に過剰な

数の監視カメラ、と非常に厳格な運用がされて

いた。ここも基本的に常駐のスタッフはおらず、

商品の補充などを小まめに行うようなことはし

ていなそうだった。(暑い日だったがアイスクリ

ームなど品切れのままであった)

かなり人員の削減もでき、場所によっては日本でも活用できそうな事例はありそうだ

が、顧客側の意識も変わらなければトラブルが多いのではないかと思われる。

⑦浩鯨科技社訪問(ビッグデータ活用事例など)

アリババグループの「浩鯨科技社」を訪問、

ビッグデータ活用の事例として、交通管理シス

テムの事例紹介を受けた。

実際に上海や杭州などの都市部各所にカメラ

を設置、2 分間隔で写真を撮り続け膨大なデー

タを収集しているとのこと。こうして収集した

データを元に、各道路の交通量を算出し信号な

どをコントロールすることで渋滞の解消につな

げている。また、事故の情報も通知され正確な

Page 32: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

ISO40-020-020.1.2.1

情報が警察に提供されるため、警察官の現場の負担が非常に減ったようである。特に杭州

市は、2014 年に渋滞ランキング 2 位と渋滞の街であったのがシステム導入後 2018 年には

ランキングが 57 位まで下落し、渋滞の改善に成功している模様。

海外にもこのシステムは輸出され、試験導入されている地域もあるとのこと。普段の生

活を考えると、ぜひ日本でも導入してほしいところではあるが、常時写真撮影をされ続け

るということが日本で受け入れられるのか?と考えると、超えるべきハードルが多いと感

じた。

【3日目 深圳市内各所視察】

①深圳市地下鉄体験

自由視察ということで、まずは地下鉄の体験から開始した。ガイドにはタクシーの方が

良いだろうと言われていたが、個人的に2日目の深夜に独自で地下鉄を試していたことも

ありメンバー一同地下鉄での移動を試みた。若者が多いとは聞いていたが、そこまで若者

に層が偏っていることもなかった。駅も車

両も非常にキレイで、場所によっては日本

の地下鉄以上であった。

改札前で空港のようなセキュリティチ

ェックがあり、また車両内部にも監視カメ

ラが設置されていることもあり治安の面

での不安は感じることもなく移動は快適

であった。

改札は券売機で IC コインを購入して通過したが、大半の市民は QR コードをかざして

改札を通過する電子決済で乗車しており、ここが最も電子決済の普及状況を感じるところ

でもあった。

②深圳平安金融センター(展望台)

深圳市の新たなランドマークである、深圳平安金融センタービルを訪れ、最上階の展望

台から深圳市全体を見

渡した。

上空から見て改めて、

深圳は無秩序に大きく

なった街ではなく、計画

的にデザインされた街

だと感じた。深圳に降り

立った時から、90 年代に

流行ったシミュレーシ

ョンゲーム「シムシテ

ィ」で作られたような街

に見えたのは間違いで

はなかったようだ。

Page 33: 令和元年度 海外視察団レポート集 - SIIA · 【視察日程】 6月27日(木)関西国際空港~深圳空港、夕食後に宿泊先ホテルへ 6月28日(金)

ISO40-020-020.1.2.1

③華強北路(深圳電気街)

深圳最大の電気街とのことで、視察した。非常に大規模であり、さまざまな電子機器、

デジタルデバイス、電子部品などが所狭しと並んでおり圧倒された。

とはいえ、特に電子機器・部品に詳しくない、興味の薄い人間にとっては店舗数が膨大

すぎて新たな発見を得られる場所ではなかった。(せめて言葉が通じれば、楽しめる部分が

あったかもしれないが)

4. まとめ

今回の深圳視察は、コーディネーターである深圳市中日経済文化交流促進会の黄旭 秘

書長の尽力もあり、多くの施設・企業を視察することができた。

深圳自体が非常に魅力的な街であり、表面上の視察だけでも非常に示唆に富むものにな

ったとは思うが、黄秘書長が多くの訪問先企業の担当者に引き合わせてくださったこと

で、より意味のある視察になったと感じる。黄秘書長と現地の中国人ガイドの皆様に御礼

申し上げたい。

また、改めて感じたのは、中国の懐の深さと、政府の強さである。例えば、実験段階で

公道を走る自動運転バスや、平気で歩道や階段、エスカレーターまで通って配達をするア

リババスーパーの電気バイクなど、日本ではあっという間に炎上しそうな案件が深圳では

許されている。このように、大きな問題が起きるものでなければ「まあこのくらいは良い

だろう」がまかり通っているのか、と驚くことがいくつかあった。

逆に、交通管理システムで街中の写真を撮り続けたり、街中の監視カメラで顔認証シス

テムが稼働しているなど、これも日本では大問題になりそうな案件が導入されている。政

府が推し進めるとなれば、実行に移されるという点も改めて驚きであった。

今回、静岡情報産業協会会員企業の一員として、こうした視察に参加させていただき改

めて感謝の言葉を述べたい。

短い期間であったが、中国最先端の都市を視察させていただき、非常に刺激を受けるこ

とができた。この経験を、自社のビジネスはもちろん、静岡情報産業協会を通じて静岡全

体の情報化に活かせるように

していきたい。

静岡情報産業協会様、事務局

様、視察団長の米良様はじめ参

加企業の皆様、静鉄観光サービ

スの後藤様、視察へ快く送り出

していただいたSBS情報シ

ステムの皆様に心より御礼申

し上げる。

以上