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発行:練馬区立南田中図書館 今月の学校図書館 児童 「世界を本でひとめぐり 1月 中央・南アメリカ、南極」 青少年 「はじめての『新書』」 令和3年(2021年)1月1日発行 第134号 新たな探訪へ 南田中図書館では2階青少年コーナーを一緒に作っていくボランティアメンバー「ユース サポーター in Minamitanaka」を随時募集しています(対象:中学生~20歳程度)詳細は館内のポスター・チラシをご覧いただくか、スタッフまでお尋ねください! 昼休み、多いときは全校生徒の約一割が学校図書館を訪れます。このコロナ禍 において、感染予防に関する意識も高く、来館者は密を避けながら貴重な休み時 間を粛々と読書に勤しんでいます。隔月に発行する図書館だよりでは、当校の先 生や生徒がおすすめする本を紹介するようにしました。その方が親しみを持っ て、本を選ぶ参考にできるようです。図書委員会活動の、さらなる充実にも期待 しています。 学校支援レポート by 石神井東中学校今月のコラム 一般「練馬フォトサロン写真展 『ステキな光彩』」 環境「二酸化炭素の変遷について」 地域「ねりまの野菜を楽しもう」 視聴覚「冬だ!ムードダンスだ!! でムード歌謡曲情報を求める利用者に対し、図書館員が仲介的に資料などを提供することを 「レファレンスサービス」といいます(『図書館情報学用語辞典第5版』丸善出版)。日常の 疑問から昔読んだうろ覚えの本まで、お調べする内容は様々です。 スタッフは「調べ方」のエキスパートですが、人ひとりの知識量には限界があ ります。そんなときは他のスタッフにも頼り、集合知の力を発揮して資料探しに 当たります。 知らない分野の調査に相対したときには、知的好奇心にも似た意欲が湧き上が ります。自分が利用者よりもその分野に明るくない場合がほとんどですから、手 抜かりのないようにと奮って書架へと分け入っていくのです。 幼い頃にもこれだけ勉強への意欲があったら、また違った人生になっていたか もしれません。過去は変えようがありませんが、これからまた一年、皆様の大事 な調べものにご協力させてくださいね。 1月の館内展示 ウチ 昨年は新型コロナ感染拡大に世界中が翻弄された一年となり ました。練馬区立図書館も臨時休館など、ご利用者の皆様にご 不便をお掛けいたしました。 疫病の流行の前には人の無力さを痛感しますが、それを乗り 越える力となるのは思いやりの気持ちのように思います。大切 な家族や友達に感染させてはいけないと、感染予防を心がけた 方も多いのではないでしょうか。改めてそんな気持ちの温かさ を確認し、自分自身も心がけたいと思います。 そんな思いから自分にできることを探していると、当館に置 いてある『ぽけっと(ボランティア・地域福祉推進センター発行)』とい う練馬区のボランティアや市民活動の情報紙に、自宅でできる ボランティアなど、こんな状況下でも安心して参加できる活動 が載っていたので、ぜひ挑戦してみたいと思いました。 以前我が家でも、子供の小学校卒業を機会に参加した活動が あります。今も紛争が続くアフガニスタンの子どもたちへラン ドセルを送る活動と、小児がんなどで髪を失った子どもの ウィッグにするため、髪を寄付する活動です。子供に活動の内 容を話すと、すぐに「やりたい!」と返事がありました。大切 に使ったランドセルや髪など、自分が誰かの役に立てると知っ たことが嬉しかったようでした。 未だに先行きの見えない不安が続きますが、本当に大切なも のを考え直すきっかけの年になるのかも知れません。

今月のコラム 本物を知る入口に 月が綺麗ですね · 地域「自殺予防週間」(9月10日~9月16日) 視聴覚「ベートーヴェン 生誕250周年!!」 児童

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Page 1: 今月のコラム 本物を知る入口に 月が綺麗ですね · 地域「自殺予防週間」(9月10日~9月16日) 視聴覚「ベートーヴェン 生誕250周年!!」 児童

発行:練馬区立南田中図書館

今月の学校図書館

◆児童 「世界を本でひとめぐり 1月

中央・南アメリカ、南極」

◆青少年 「はじめての『新書』」

令和3年(2021年)1月1日発行 第134号

新たな探訪へ

南田中図書館では2階青少年コーナーを一緒に作っていくボランティアメンバー「ユース

サポーター in Minamitanaka」を随時募集しています(対象:中学生~20歳程度)。

詳細は館内のポスター・チラシをご覧いただくか、スタッフまでお尋ねください!

昼休み、多いときは全校生徒の約一割が学校図書館を訪れます。このコロナ禍

において、感染予防に関する意識も高く、来館者は密を避けながら貴重な休み時

間を粛々と読書に勤しんでいます。隔月に発行する図書館だよりでは、当校の先

生や生徒がおすすめする本を紹介するようにしました。その方が親しみを持っ

て、本を選ぶ参考にできるようです。図書委員会活動の、さらなる充実にも期待

しています。 (学校支援レポート by 石神井東中学校)

今月のコラム

◆一般「練馬フォトサロン写真展

『ステキな光彩』」

◆環境「二酸化炭素の変遷について」

◆地域「ねりまの野菜を楽しもう」

◆視聴覚「冬だ!ムードダンスだ!!

おでムード歌謡曲♬」

自 分 に で き る こ と 情報を求める利用者に対し、図書館員が仲介的に資料などを提供することを

「レファレンスサービス」といいます(『図書館情報学用語辞典第5版』丸善出版)。日常の

疑問から昔読んだうろ覚えの本まで、お調べする内容は様々です。

スタッフは「調べ方」のエキスパートですが、人ひとりの知識量には限界があ

ります。そんなときは他のスタッフにも頼り、集合知の力を発揮して資料探しに

当たります。

知らない分野の調査に相対したときには、知的好奇心にも似た意欲が湧き上が

ります。自分が利用者よりもその分野に明るくない場合がほとんどですから、手

抜かりのないようにと奮って書架へと分け入っていくのです。

幼い頃にもこれだけ勉強への意欲があったら、また違った人生になっていたか

もしれません。過去は変えようがありませんが、これからまた一年、皆様の大事

な調べものにご協力させてくださいね。

1月の館内展示

ウ チ

昨年は新型コロナ感染拡大に世界中が翻弄された一年となり

ました。練馬区立図書館も臨時休館など、ご利用者の皆様にご

不便をお掛けいたしました。

疫病の流行の前には人の無力さを痛感しますが、それを乗り

越える力となるのは思いやりの気持ちのように思います。大切

な家族や友達に感染させてはいけないと、感染予防を心がけた

方も多いのではないでしょうか。改めてそんな気持ちの温かさ

を確認し、自分自身も心がけたいと思います。

そんな思いから自分にできることを探していると、当館に置

いてある『ぽけっと(ボランティア・地域福祉推進センター発行)』とい

う練馬区のボランティアや市民活動の情報紙に、自宅でできる

ボランティアなど、こんな状況下でも安心して参加できる活動

が載っていたので、ぜひ挑戦してみたいと思いました。

以前我が家でも、子供の小学校卒業を機会に参加した活動が

あります。今も紛争が続くアフガニスタンの子どもたちへラン

ドセルを送る活動と、小児がんなどで髪を失った子どもの

ウィッグにするため、髪を寄付する活動です。子供に活動の内

容を話すと、すぐに「やりたい!」と返事がありました。大切

に使ったランドセルや髪など、自分が誰かの役に立てると知っ

たことが嬉しかったようでした。

未だに先行きの見えない不安が続きますが、本当に大切なも

のを考え直すきっかけの年になるのかも知れません。

Page 2: 今月のコラム 本物を知る入口に 月が綺麗ですね · 地域「自殺予防週間」(9月10日~9月16日) 視聴覚「ベートーヴェン 生誕250周年!!」 児童

うまれつきある心の小さなとげ(ADHDと自閉症スペクトラム)を

持った男の子のおはなしです。集中力を持ち続けることや、

じっとしていることが苦手であったりします。思っていること

が伝えられなくなってつらい。たくさん伝えたいことや思って

いることが言葉で言えなくても、小さな勇気をもって自分の力

で乗り越えていく姿に思わず応援したくなります。

青春小説の対極にある「玄冬小説」として、2017年の芥川

賞を受賞し話題になった作品です。

夫が亡くなり子供たちとも疎遠になり、寂しい、悲しい。で

も一人で自由になり好きなことができるのは嬉しい。次から次

へと色々なことが東北弁のリズムと共に頭の中を駆け巡る。

「なんとなく前に進んでいく感じ」が、穏やかに楽しげに描

かれています。

著者が絵本の奥深さに気付いたのは、ある悲しい体験がきっ

かけでした。

「大人こそ、絵本を読んでほしい」思いのこもった150冊が

その魅力とともに紹介されており、「こころの転機」など8つ

のジャンルに分かれています。

人生で心が何かを必要としたとき、絵本を開いてみません

か。出会いが、変化のきっかけとなるかもしれません。

そういうことってきっとある

若竹千佐子 著

河出書房新社|2017年

少し寂しいけれど、私は自由だ

大人こそ絵本を

おらおらでひとりいぐも

古くて新しい、こどもの心がストレートに表現されているお

話です。マコチン(まことくん)はほんとうは、このあだ名が好き

ではありません。でもそれを上手く言えません。こどもの体当

たりのエネルギーがはだで感じられます。大人には理解できな

いよくわからない行動や感情、子どもにとっては大切なことが

たくさん詰まっています。

灰谷健次郎 作/長新太 絵 あかね書房|1975年

あのね いっしょにあそぼう

こわいきもちとちょっとのゆうき

たかみやかなえ さく

おばらふうこ え

みらいパブリッシング

2020年

NEW

人生の1冊の絵本

みなさんには、暮らしに根付いて家族の思いが込められたこ

とばがありますか。

幸田露伴を曽祖父に持ち、著者まで四代をつなぐ幸田家のこ

とばが紹介されています。

「終わりよきもの、みんなよし」。途中でつまづいてしまっ

た時の自分が励まされているような気がします。

ことばを懐かしみ、大切にすることを思い出す一冊です。

今 年 も た く さ ん 本 を 読 ん で 、 福 を 呼 び 込 も う !

お正月と言えば……「福袋」。南田中図書館でも「本の福袋」を実施します

(1月5日(火)~11日(月・祝)まで)。福袋の中身は、スタッフが日頃から関心を

持っているテーマで本を選んだり、さまざまなジャンルから意外な本を組み合

わせたり……。どんなテーマを設定して、どんな本を選ぶかは、各々の腕の見

せどころでもあります。福袋にテーマのヒントは書いてあります

が、中にどんな本が入っているかは、借りてからのお楽しみ。

「本の福袋」は個数限定のため、各日先着順でなくなり次第終

了となってしまいます。気になった方はお早めに!

新年の初読みは、ぜひ南田中図書館をご利用ください。今年も

素敵な本との出会いがありますように!

マコチン

柳田邦男 著

岩波書店|2020年

青木奈緒 著

小学館|2017年

ことばを懐かしむ

幸田家のことば 知る知らぬの種をまく

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