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「コロナ倒産」を回避する! 危機対応の資金繰り対策
8 中小企業再生支援協議会の特例リスケジュール
(講師 横田直忠 経済産業省中小企業庁金融課課長補佐)
1 はじめに
経済産業省では、新型コロナウイルス感染症の影響により、資金繰りに悩む中
小企業の皆様に対して、資金繰り支援策を講じております。
今回、経済産業省中小企業庁では、既存の金融機関からの借入れの返済額が大
きいために元金返済をとめる必要があるにもかかわらず、複数いる債権者に対し
て個別に調整を行うことが大変であるといった悩みを抱えている事業者様や、新
型コロナの影響がいつまで続くのか先行きがみえない中で、仮に新規融資を受け
ることが出来たとしても、計画通りの資金繰りを行うことができるのか不安があ
る事業者様を対象に、中小企業再生支援協議会による「新型コロナ特例リスケジ
ュール」という支援策を創設しました。
2 中小企業再生支援協議会(以下、「協議会」といいます。)とは
協議会とは、中小企業の事業再生に向けた取り組みを支援する公的機関として
47都道府県に設置されている、「地域における再生支援のプラットフォーム」
です。中立的立場の第三者機関として、事業者の皆さんと金融機関との間に入っ
て支援をします。ご相談にいらっしゃった事業者様の秘密を守り、事業再生に関
する支援など、事業面の改善を支援しています。
では、協議会にはどのような人がいるのかというと、事業再生の専門家、たと
えば、金融機関経験者、公認会計士、税理士、中小企業診断士、弁護士等が常駐
しています。協議会は、平成15年の設置以来、累計で43,000件以上の相
談実績、14,000件以上の支援完了実績があります。協議会は、いわば「中
小企業の駆け込み寺」として、15年以上支援を行う、信頼のおける機関です。
3 「新型コロナ感染症特例リスケジュール」とは
それでは、協議会が行う新支援とは何かについてお話しします。
① 既往債務の負担軽減支援
まず、新型コロナの影響で売上減少した事業者様に対し、金融機関からの借
入金の返済負担を軽減するために、協議会が主要債権者の支援姿勢を確認の上
で、一括して元金の返済を猶予してもらう要請を行います。特例リスケ計画が
成立すれば、1年間元金の支払いをストップさせることが可能です。
② 資金繰り計画策定における金融機関調整
また、事業者の皆様には、主要な金融機関債権者の協力のもと、資金繰り計
画を作成していただきます。資金繰り計画の作成に当たり、資金が不足するこ
とが判明した場合には、新規の資金調達も必要になります。その場合でも、協
議会が債権者と事業者様の間に入って、新規融資を含めた金融機関調整を行い
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ます。
③ 資金繰りの継続サポート
続いて、新型コロナ特例リスケジュール計画が成立した後も、協議会が毎月
資金繰りを継続的にチェックし、事業者様の相談に応じます。以上の支援は原
則無料で行います。
特例リスケ後、すなわち新型コロナによる事業に対する影響減少後に、協議
会が従来行っている通常の再生支援に移行することも可能です。
4 特例リスケ計画策定支援を受けるには
協議会による新型コロナ特例リスケジュール計画策定支援を受けるには、まず
は、①お近くの協議会にお電話ください。全国の協議会の電話番号については、
資料に QR コードを添付しております。
続いて、②協議会の担当者の指示に従って、相談申込書や売上減の実態が分か
る資料や借入れについてわかる資料を提出してください。なお、中小企業庁のホ
ームページに相談申込書があり、ワード形式でダウンロード可能です。
続いて、③専門家がヒアリングを行った上で、④債権者の支援姿勢を確認し、
⑤速やかに元金返済猶予の要請を行って、元金払いをストップさせます。
その後、⑥のように事業者の皆様が金融機関債権者の協力のもと資金繰り計画
を作成します。資金繰り計画の策定に当たっては、協議会がサポートいたします。
そして、資金繰り計画について債権者からの同意が得られれば、1年間元金払い
をストップさせる計画(特例リスケジュール計画)が成立します。その後も協議
会が毎月の資金繰りを確認し、希望者には再生計画策定支援まで行い、事業改善
までサポートします。
5 まずはお近くの再生支援協議会にご相談ください。
協議会は、新型コロナにより影響が生じた事業者様を、事業改善まで一貫して
サポートすることができる唯一の公的機関です。協議会には再生支援のプロがい
ます。
既存の債務負担があり、将来の資金繰りが不安な方は、是非早めにお近くの協
議会にご相談ください。既にリスケジュール中の方であってもご相談いただけま
す。
新制度
新型コロナ特例リスケジュール
新型コロナの影響による資金繰りに悩む中小企業者のみなさん、
借入金の元金返済を止め、資金繰りを守ります!
これまでの再生計画策定支援だけでなく、
既存の借入に最大1年間返済猶予を行う特例支援が始まります!
資金繰りに悩む事業者
特例リスケ計画策定支援
事業改善の見通しがなければ支援不可
コロナの影響で業況が悪化した事業者の当面の資金繰りを確保
主要債権者(金融機関)の支援姿勢を確認した後、特例リスケジュール要請すでにリスケジュール中の中小企業者も支援可能
資金繰りのために、とにかく借入返済をリスケジュールしたい!もともとの経営不振が新型コロナの影響でさらに悪化。借入の返済計画を大幅に見直せば何とか続けられるかも…
短期間で元金支払いストップ可能!複数の金融機関でもOK!金融機関と経営者の間に入って調整します!
特例リスケ計画策定にかかる助言や
金融機関調整を支援し、経営者の負担軽減!
信用保証協会
債権者(民間金融機関)
政府系金融機関
再生支援協議会が、特例リスケ計画の策定支援。積極的に新規融資を含めた金融機関調整・合意形成を支援します。
中小企業者
新型コロナの先行きが見えない中、資金繰りが心配国の資金繰り支援策(特別貸付等)をフル活用しても間に合わない。既存の金融機関全体を調整して、資金繰りを持たせなといけない…
事業再生の専門家(金融機関経験者、公認会計士、税理士、中小企業診断士、弁護士等)が伴走!コロナ終息後の再生まで資金繰りのサポートをします!
特例リスケ計画を策定後、毎月1回、計画遂行状況をモニタリング。モニタリング終了後の本格的な再生支援にかかる事業再生計画策定費用の事業者負担を引き下げます。 中小企業者を事業改善まで一貫してサポートします。
再生計画策定支援
再生支援協議会
経営者と金融機関の間に入って調整
対象拡充
Before After
開業届提出済みの中小企業であれば、職種を問わずご相談いただけます。なお、個人事業者も対象となります。(但し、法令・公序良俗に反する場合を除く。)
支援の流れ
中小企業再生支援協議会とは?
お近くの再生支援協議会に電話
※①〜⑥は原則無料です!
必要書類を窓口に提出
専門家がヒアリング
専門家が金融機関 (複数銀行可)に電話
支援姿勢の確認・相談申込書・売上減の実態がわかる資料
・借入についてわかる資料
※売上減の実態が分かる資料については柔軟な対応が可能です。
① ② ③ ④
現状の売上高減少と向こう6カ月の資金繰りをヒアリングします。
全国の再生支援協議会窓口▶
複数行一括して元金返済猶予の要請⇒既存債務の元金払いをストップ
資金繰り計画を策定し、特例リスケジュール計画が成立!
毎月資金繰りを確認希望者にはコロナ終息後の事業再生までサポート可能!
⑤ ⑥ その後
ご相談の対象となる事業者
まずはお近くの中小企業再生支援協議会にお気軽にお電話ください。
○○県 中小企業再生支援協議会 検索中小企業再生支援協議会の窓口一覧https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/saisei/kyogikai_ichiran.htm
STOP
○○さんをサポートし、調整させていただきます
中小企業の事業再生に向けた取り組みを支援する「国の公的機関」として47都道府県に設置されている、地域における再生支援のプラットフォームです。平成15年の設置以来、累計で43,000件以上の相談実績、14,000件以上の支援完了実績があります。経験豊富な事業再生支援の専門家が、取引金融機関への対応方法や資金繰り・事業計画の作成でお困りの方、あるいは、自社の企業健康診断をして欲しいという方まで、幅広くご相談を受付けております。秘密は守られますので安心してご相談ください。