日本企業のためのセルビア投資

在セルビア日本大使館 平成31年3月

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サバ川対岸から見たベオグラード旧市街

◇ヨーロッパの南東，バルカン半島に位置する内陸国。◇主要都市：首都ベオグラード，北部ボイボディナ自治州の州都ノビ・サド，南部の中心ニシュ。◇ドナウ川が東西に流れ，ベオグラードでサバ川と合流する。

セルビアの位置と地理

ノビ・サド

ニシュ

面積：77,474平方キロメートル（北海道とほぼ同じ）

人口：700万人（２０１７年セルビア統計局）

首都：ベオグラード（人口169万人）

民族：セルビア人（83％），ハンガリー人（4％）等（2011年国勢調査）

言語：セルビア語（公用語），ハンガリー語等

文字：キリル文字（公用文字），ラテン文字を併用

宗教：セルビア正教（84％，セルビア人），カトリック（5％，ハンガリー人等），イスラム教（3％）等

通貨：ディナール（1ディナール＝約1円）

3

基礎データ

紀元前3世紀 ケルト族が支配。

紀元前1世紀頃 ローマ帝国が支配（現セルビア領内で18人のローマ皇帝誕生）。

5世紀末 東西ローマ分裂後は，ビザンチン帝国が支配。

6～7世紀 セルビア人等スラブ系民族がバルカン半島に定住，キリスト教（セルビア人は正教）を受容。

12世紀セルビア王国建国（現在のコソボを含むセルビア南西部が中心），14世紀のドゥシャン王の時代に大いに栄える（コソボは「セルビア民族揺籃の地」）。

1389年 オスマン帝国に敗北（「コソボの戦い」），その支配下となる。

1878年 ベルリン条約によりセルビア王国の独立承認。

1918年第一次世界大戦後，「セルビア人・クロアチア人・スロベニア人王国」（後，「ユーゴスラビア王国」）建国。

1941年 第二次世界大戦中，ナチス・ドイツによる占領。ユーゴスラビア王国消滅。

1945年「ユーゴスラビア連邦人民共和国」（6共和国で構成，1963年に「ユーゴスラビア社会主義連邦共和国」に改名）の1共和国となる。

1992年ボスニア紛争などによるユーゴ解体の中で，モンテネグロとともに「ユーゴスラビア連邦共和国」を建国。

1999年 コソボ紛争により，NATO空爆を受ける。コソボが国連の暫定行政下となる。

2003年 「セルビア・モンテネグロ」に国名変更。

2006年 モンテネグロの独立（6月）により，「セルビア共和国」となる。

2008年 コソボがセルビアからの独立を宣言（2月）。

2014年 EU加盟交渉開始（1月）。4

略史

１．立憲共和国（憲法2006年11月制定）

２．議院内閣制（一院制，250議席，任期4年，全国一区の拘束名簿式比例代表制，選挙権18歳以上，被選挙権18歳以上）

３．大統領制（任期5年，直接選挙，軍統帥権など形式的権限のみに限定）

４．政府（大統領が指名，首相が組閣，議会が承認）

５．三権分立（司法は，最高裁判所を最終審とする三審制。別途，憲法裁判所あり）

６．地方自治（ボイボディナ自治州，27市，147町村）

5

セルビアの政治体制

アレクサンダル・ブチッチ大統領（Mr. Aleksandar Vučić）

１９７０年３月５日生（４８歳）ベオグラード大学法学部卒

略歴テレビ局での勤務を経て，

１９９３年 セルビア急進党（ＳＲＳ）に入党１９９４年 ＳＲＳ事務総長１９９６年 “ピンキー”スポーツセンター所長１９９８年 情報大臣２０００年 ユーゴスラビア議会議員２００４年 セルビア議会議員２００８年 セルビア進歩党（ＳＮＳ）副党首

２０１２年５月 ＳＮＳ党首代行２０１２年７月 セルビア共和国第一副首相兼国防相２０１２年９月 ＳＮＳ党首２０１３年９月 セルビア共和国第一副首相２０１４年４月 セルビア共和国首相２０１７年５月 セルビア共和国大統領

マヤ・ゴイコビッチ議会議長（Ms. Maja Gojković ）

１９６３年５月２２日生（５５歳）ノビ・サド大学法学部卒

略歴弁護士事務所勤務を経て，１９９１年 セルビア急進党（ＳＲＳ）入党１９９６年 ボイボディナ自治州議会議員１９９８年～１９９９年 セルビア政府無任所相１９９９年～２０００年 ユーゴスラビア連邦共和国副首相２００４年～２００８年 ノビ・サド市長２００８年 ＳＲＳを離党し，国民党（ＮＰ）を設立。

ＮＰ党首に就任。２０１０年 ＮＰがセルビア地域連合（ＵＲＳ）に参加。２０１２年 ＮＰがＵＲＳを離脱し，セルビア進歩党

（ＳＮＳ）に合流。ＳＮＳ幹部会メンバーに就任。２０１２年～２０１４年３月 セルビア議会議員２０１４年４月～ セルビア議会議長（２０１６年８月に再任，任期は２０２０年８月まで）

アナ・ブルナビッチ首相（Ms. Ana Brnabić）

１９75年9月28日生（４３歳）ハル大学（英国）MBA取得

略歴２００２年 複数の米国系コンサル企業にて米国国際開発庁

（USAID）実施事業に従事２０１１年 Continental Wind Serbia(CWS)社（米国系風力発電関

連企業）に入社２０１３年 CWS社社長に就任

同年 セルビア地方経済開発連合（NALED：National Alliance for Local Economic Development）運営委員会副議長

２０１６年３月 NALED運営委員会議長に就任２０１６年８月 セルビア共和国行政・地方自治大臣２０１７年６月 セルビア共和国首相

セルビア要人

2018年10月現在

ドベーリ：７

ボシュコ・オブラドビッチ

(Bosko Obradovic)

セルビア急進党（ＳＲＳ）：２２

ボイスラブ・シェシェリ(Vojislav Seselj)親ロシア

「もうたくさんだ」（ＤＪＢ）：７

サシャ・ラドゥロビッチ(Sasa Radulovic)自由主義志向

民主党（ＤＳ）：１５

ドラガン・シュタノバッツ(Dragan Sutanovac)

ボイボディナ社会民主連盟（LSV）・自由民主党（ＬＤＰ）：９

ネナド・チャナク チェドミル・ヨバノビッチ(Nenad Canak) (Cedomir Jovanovic)

社会民主党（ＳＤＳ）：５

ボリス・タディッチ

(Boris Tadic)

セルビア進歩党（ＳＮＳ）：１０４

アレクサンダル・ブチッチ

(AleksandarVucic)

（大統領）

新セルビア（ＮＳ）:５

サンダ・ラシュコビッチ＝イビッチ

（Sanda Raskovic-Ivic)

統一年金者党（ＰＵＰＳ）:９

ミラン・クルコバビッチ（Milan Krkobabic)

セルビア社会民主党（ＳＤＰＳ）：１０

ラシム・リャイッチ（Rasim Ljajic)

セルビア社会党（ＳＰＳ）：２２

イビツァ・ダチッチ(Ivica Dacic)旧共産党系

社会主義者運動（ＰＳ）:５

アレクサンダル・ブリン

（Aleksandar Vulin)

ボイボディナ・ハンガリー同盟（ＳＶＭ）:５

イストバン・パストル(Istvan Pastztor)ハンガリー系少数民族政党

無所属：19

野党（８９議席）

極右右派

中道

中道左派

中道右派

左派議会議長

マヤ・ゴイコビッチ(Maja Gojković)

中道左派

ＥＵ懐疑派

与党（１６１議席）親ＥＵ

セルビア議会勢力図（定数250 主要会派別）

統一セルビア（ＪＳ）:６

ドラガン・マルコビッチ

（Dragan Markovic)

１．アナ・ブルナビッチ首相 (Ms. Ana Brnabić)

２．イビツァ・ダチッチ第一副首相兼外務大臣 (Mr. Ivica Dačić)

３．ネボイシャ・ステファノビッチ副首相兼内務大臣 (Mr. Nebojša Stefanović)

４．ラシム・リャイッチ副首相兼貿易・観光・通信大臣 (Mr. Rasim Ljajić)

５．ゾラナ・ミハイロビッチ副首相兼建設・運輸・インフラ大臣 (Ms. Zorana Mihajlović)

６．シニーシャ・マリ財務大臣 (Mr. Siniša Mali)

７．ゴラン・クネジェビッチ経済大臣 (Mr. Goran Knežević)

８．ブラニスラブ・ネディモビッチ農林水利大臣 (Mr. Branislav Nedimović)

９．ゴラン・トリバン環境保護大臣 (Mr. Goran Trivan)

１０．アレクサンダル・アンティッチ鉱業・エネルギー大臣 (Mr. Aleksandar Antić)

１１．ネラ・クブロビッチ法務大臣 (Ms. Nela Kuburović)

１２．ブランコ・ルジッチ行政・地方自治大臣 (Mr. Branko Ružić)

１３．アレクサンダル・ブリン国防大臣 (Mr. Aleksandar Vulin)

１４．ヤドランカ・ヨクシモビッチ欧州統合大臣 (Ms. Jadranka Joksimović)

１５．ムラデン・シャルチェビッチ教育・科学・技術開発大臣 (Mr. Mladen Šarčević)

１６．ズラティボル・ロンチャル保健大臣 (Mr. Zlatibor Lončar)

１７．ゾラン・ジョルジェビッチ労働・雇用・傷痍軍人・社会問題大臣 (Mr. Zoran Đorđević)

１８．バーニャ・ウドビチッチ青年・スポーツ大臣 (Mr. Vanja Udovičić)

１９．ブラダン・ブコサブリェビッチ文化・メディア大臣 (Mr. Vladan Vukosavljević)

２０．スラビツァ・ジュキッチ＝デヤノビッチ無任所大臣（人口問題担当） (Ms. Slavica Đukić-Dejanović)

２１．ミラン・クルコバビッチ無任所大臣（地域開発担当） (Mr. Milan Krkobabić)

２２．ネナド・ポポビッチ無任所大臣（イノベーション及び技術担当） (Mr. Nenad Popović)

セルビア政府閣僚名簿（２０１８年１２月現在）

１．外交の優先課題は，ＥＵ加盟及び地域協力の推進。（１）ＥＵ加盟

2014年1月に交渉開始。2018年12月時点で，財政規律，司法及び人権など16の個別交渉分野（章）について交渉開始，うち2つにつき交渉を暫定終了。

セルビアのほか，モンテネグロ，ボスニア・ヘルツェゴビナ，マケドニア，コソボ，アルバニアもＥＵ加盟を指向（いわゆる「西バルカン」6カ国）。（２）地域協力

地域諸国間の和解に積極的なブチッチ大統領の働きもあり，クロアチア，ボスニア・ヘルツェゴビナ，コソボ等との関係改善に向けた動きが進んでいるが，民族間の対立感情は根強い。

２．一方，ロシアとの伝統的友好関係を重視。ウクライナ問題に関しては，対露制裁に参加せず。軍事的中立宣言を行い，NATOに加盟する意向無し。セルビ

アはガスの供給につきロシアに依存している。

３．中国との関係が急速に緊密化。2016年6月に習近平中国国家主席がセルビアを訪問，「包括的戦略パートナーシップ」に署名。

中国輸出入銀行からの借款による大型インフラ投資が数多く実施されている。（例）ベオグラード市プピン橋，高速道路建設，コストラッツ火力発電所建設など

9

セルビアを取り巻く国際政治状況１

EU

・現在のセルビアの最重要目標はEU加盟・EU加盟に向けた国内改革を推進・EU加盟交渉を通じて，EUはセルビアに対し大きな影響力を有する

・EU加盟国の大部分がコソボ独立を承認する一方，５か国はコソボ未承認

・EU仲介の下でコソボとの関係正常化に向けた対話を実施中

ロシア

・伝統的友好国・セルビア国民の多くは親露的・同じスラブ民族，正教会・セルビアは対露制裁に参加せず・ロシアはコソボ未承認

中国

・近年，急速に関係が緊密化・習近平国家主席がセルビア訪問（2016年）・包括的戦略パートナーシップ締結（2016年）・中国はコソボ未承認

米国

・ユーゴ紛争，コソボ紛争では敵対・コソボ独立を主導したのは米国であるとセルビアでは見なされている

・現政権は基本的に米国に対し友好的・国民の間では反米感情が根強い

クロアチア

ボスニア・ヘルツェゴビナ

コソボ

・セルビアはコソボ独立を認めず・コソボのセルビア系住民の扱い

・かつての紛争当事国・ボスニア国内セルビア人の分離主義的傾向

・かつての紛争当事国・歴史問題・クロアチア国内セルビア人の扱い

セルビアを取り巻く国際政治状況２

セルビア経済概況１

（１）セルビア経済は，ＧＤＰが欧州債務危機以前のレベルまで回復し，現在は拡大局面に入ったと見られている。成長率は，２０１４年は洪水被害により－１．６％だったものの，２０１５年は１．８％のプラスに回復，その後２０１６年には３．３％，２０１７年は２．０％の成長率を記録。２０１８年の成長率は４％程度と見込まれている（確定値は未発表）（セルビア中銀）。

（２）現政権の積極的な経済施策（①経済改革，②民間部門開発，③財政健全化）により，経済状況は徐々に改善されつつあり，外国投資の獲得にもつながっている。

（３）慢性的な経常赤字への対応，公的債務のマネジメント，低下しない若年層失業率への対処などの問題は依然として残されており，実効性ある対策が求められている。

（４）国営・公営企業の整理・民営化，公的部門の人員削減等の構造改革のための取組，また，不良債権処理をはじめとした金融安定化への取り組みは喫緊の課題となっている。

（５）国内産業は，自動車及び部品，機械製造等の製造分野，電力，ガス等のエネルギー分野が牽引。農業分野も今後の成長可能性がある。

（６） 貿易では，EU諸国，ロシア，近隣諸国等の自由貿易協定締結国が主たる貿易相手国。貿易総額は漸増傾向にあるが，貿易収支は恒常的に輸入超過。

（７）中国公的機関の融資による橋，鉄道等のインフラ事業，大型国営企業（スメデレボ製鉄所，RTBボール）民営化への中国企業参加等，近年は中国の経済進出が顕著。

セルビア経済概況２（１）財政：財政収支は恒常的な財政赤字であったが, 2017年，政府は緊縮財政，徴税の

強化などで支出削減に努め，単年度での財政黒字化を達成した。

（２）経済成長：2014年に洪水被害の影響からマイナス成長となったが，2015年にはプラス成長に転じ，2016年は3.3％，2017年は2.0％の成長を達成した。

2013 2014 2015 2016 2017

ＧＤＰ 364億2,670万 354億6,750万 357億1,600万 367億2,300万 391億8,300万

一人当たりのＧＤＰ 5,082 4,973 5,034 5,203 5,581

実質成長率 2.9% －1.6% 1.8 3.3 2.0（単位：ユーロ）

出典：セルビア財務省※GDPの算定方式の変更により、2015年から2017年のGDP及びそれ以前の数字の単純比較はできない。統計局が修正作業を行っており、過去に遡ってデータが修正される可能性がある。

セルビア経済概況３

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018(Q2)

年間上昇率 12.2% 2.2% 1.7% 1.5% 1.6% 3.0% 2.3%

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018(Q2)

失業率 24.6% 20.8% 19.4% 17.9% 15.3% 13.5% 11.9%

うち若年失業率（15-24歳） N/A 49.4% 47.3% 43.8% 31.9% 34.9% 27.5%

GDPに占める産業別構成（2018年第2四半期） 出典:セルビア財務省

（３）インフレ率：2016年までは物価上昇は緩慢だったが，2017年から上昇傾向。セルビア政府，中央銀行はインフレ目標率

を3.0%（±1.5%）に設定している。

（４）失業率：全体失業率は緩やかな下落傾向，若年失業率は低下傾向にあるものの依然として高水準。

金属鉱業，機械製造、

電気・水道(26.6%)

卸小売，運輸，宿泊，

飲食(19.8%)

公共サービス，防衛，

社会保障，保健・医療(13.1%)

不動産(9.0%)農林水産(7.0%)

研究，科学技術(5.5%)

情報通信(7.0%)

建設(6.2%)

金融・保険(4.0%)

芸術、教養，その他

サービス(3.0%)

貿易１

（１）貿易収支

輸出額及び輸入額共に増加傾向にある。貿易収支は，輸入超過の状態が恒常化している。

貿易２

（２）主要貿易相手国：ＥＵ（イタリア，ドイツ），近隣諸国（B・H，ルーマニア），ロシア等の貿易協定締結国。また，近年,対中貿易額が急拡大している。

2017年1‐12月 貿易総額 輸出額 輸入額 輸出－輸入

1 ドイツ 43億4,390万 18億8,880万 24億5,510万 △5億6,630万

2 イタリア 39億4,640万 19億9,030万 19億5,610万 △3,420万

3 ロシア 22億9,190万 8億8,130万 14億1,060万 △5億2,930万

4 B・H 17億2,650万 12億1,070万 5億1,580万 6億9,490万

5 中国 16億2,270万 5,500万 15億6,770万 △15億1,270万

6 ハンガリー 14億8,920万 5億4,640万 9億4,280万 △3億9,640万

7 ルーマニア 12億9,600万 7億2,600万 5億7,000万 1億5,600万

8 ポーランド 11億7,370万 3億7,460万 7億9,910万 △4億2,450万

9 スロベニア 10億2,730万 4億9,690万 5億3,040万 △3,350万

10 クロアチア 10億2,700万 5億5,070万 4億7,630万 7,440万

出典：セルビア統計局

（単位：ユーロ）

貿易３

（３）主たる貿易対象製品：

輸入では自動車が，輸出では電気機械類・家電が首位を占める。輸入品目ではエネルギー，輸出品目では農業品が上位に含まれている。

2017年1-12月 輸 出 輸 入

1 電気機械類・家電（9.1%） 自動車（7.9%）

2 自動車（8.3%） 石油，石油製品（6.3％）

3 野菜・果物類（5.2%） 電気機械類，家電（5.3%）

4 非鉄金属（4.8%） 医薬品（3.5%）

5 鉄鋼（4.4%） 非鉄金属（3.2％）

出典：セルビア統計局

貿易４

（４）我が国との二国間貿易：

欧州債務危機により貿易額が激減したが，2010年代に入り徐々に回復基調。2012年以降，セルビアの輸出超過の状態が続いている。日本の主な輸出品目は，機械類，自動車，金属製品。セルビアの主な輸出品目は，タバコ（現在の対日輸出額の約９割を占める），果実，野菜・穀物。

2012 2013 2014 2015 2016 2017

貿易総額 61億1800万円

27億5100万円

72億7800万円

259億4,034万円

294億8,499万円

329億2,891万円

輸 出 23億500万円 12億4400万円 27億7200万円 19億3,835万円 16億9,074万円 15億9,602万円

輸 入 38億1300万円 18億4200万円 45億600万円 240億199万円 277億9,425万円 313億3,288万円

貿易

（輸出－輸入）

△15億700万円 △5億9800万円 △17億3400万円△220億6,364万

円△261億350万円

△297億3,586万円

出典：日本財務省（数字は日本から見た輸出・輸入額）

日本企業進出状況（投資事例）

①

②

③

④

⑤

⑥⑦

⑧

社名（製品）

製品 進出都市 進出年

①JTI紙巻きたばこ センタ 2006

②パナソニック照明機器 スビライナッツ 2011

③矢崎総業自動車部品 シャバツ 2017

④ハイレックス

自動車部品 ｽﾚﾑｽｶ･ミトロビﾂｧ

2017

⑤関西ペイント(ﾍﾘｵｽ)塗料 ｺﾞﾙﾆ･ﾐﾗﾉﾊﾞｯﾂ 2017

⑥伊藤忠商事

廃棄物処理発電事業

ベオグラード 2017

⑦伊藤忠商事(Dole Asia Holdings経由）

加工食品 ベオグラード 2017

⑧前川製作所冷蔵･冷凍装置 スメデレボ 2019

日本企業進出状況（業種的分布）

業種 日本企業数

製造業 ７（JTI，矢崎総業等）

製薬 ２（タケダ，アステラス）

医療機器 ４（ニプロ，島津製作所等）

印刷機器 ２（キヤノン，コニカ・ミノルタ）

IT ソリューション，ソフトウェア ４（NTTデータ，SRAホールディングス等）

総合商社 ２（三菱商事，伊藤忠商事）

自動車販売 ２（トヨタ，マツダ）

電子機器 ２（ソニー，三菱電機）

エンジニアリング １（横河電機）

その他 １

セルビア日本商工会（JBAS）

セルビア日本商工会（Japan Business Alliance in Serbia, JBAS）は，セルビアで現在事業を行っている日本企業，日本製品を販売しているセルビア企業，日本・セルビア間の取引を検討する企業などを支援することを目的に２０１７年３月に設立された団体。

主な会員企業：ＪＴＩ，パナソニック，三菱商事，マツダ，アステラス，タケダ，ニプロ，テルモ，横河電機，ヤザキ・セルビア，ＳＲＡ（Soft Road App），伊藤忠，NTTデータ

会員企業数 約３０社（2019年2月現在）

世界各地に存在する日本商工会の一つとして日本商工会議所のウェブサイトに記載されている。

https://www.jcci.or.jp/international/jcci-overseas.html

http://jbas.rs/en/連絡先情報末尾記載

法人税・付加価値税

国名 法人税 付加価値税（VAT）

セルビア １５％ ２０％

クロアチア １８％ ２５％

スロベニア １９％ ２２％

チェコ １９％ ２１％

ポーランド １９％ ２３％

スロバキア ２１％ ２０％

出典：セルビア政府及びEU資料

セルビアに進出している主要外国企業

コンチネンタル(独) 自動車部品

ノーマグループ(独) 自動車部品

ハッチンソン（仏） 自動車部品

フィアット（伊） 自動車

クーパータイヤ(英) タイヤ

ジョンソンエレクトリック（中）

自動車部品

レオーニ（伊）自動車部品

ミシュラン(仏) タイヤ

ユラ（韓） 自動車部品

シーメンス（独） 電気機械類

ハイネケン（蘭） ビール飲料

ｶｰﾙｽﾊﾞｰｸﾞ(ﾃﾞﾝﾏｰｸ） ビール飲料

ﾈｽﾚ（ｽｳｪｰﾃﾞﾝ） 加工食品製造

ﾃﾞﾚｰｽﾞ(ﾍﾞﾙｷﾞｰ) 食品卸小売

テレノル(ﾉﾙｳｪｰ) 電気通信サービス

イケア(ｽｳｪｰﾃﾞﾝ） 家具小売

テトラ・パック（スウェーデン）

包装容器

NCR（米） ATM等

ZUMTOBEL（ｵｰｽﾄﾘｱ）

照明機器

MICROSOFT（米） ソフトウェア

BOSCH（独） 電化製品

SITEL（米） アウトソース事業

BALL（米） パッケージング

GORENJE（ｽﾛﾍﾞﾆｱ） 電化製品

TRELLEBORG（スウェーデン）

ポリマー技術

出典：セルビア開発庁作成資料

為替レート

113.128 113.137

117.306

120.733

123.118

121.337

108.000

110.000

112.000

114.000

116.000

118.000

120.000

122.000

124.000

2012 2013 2014 2015 2016 2017

Exchange rate EUR/RSD

110.460

87.298 83.58289.928

102.66795.853

0.000

20.000

40.000

60.000

80.000

100.000

120.000

2012 2013 2014 2015 2016 2017

Exchange rate JPY/RSD

ユーロ／ディナール為替レート 円／ディナール為替レート

セルビアでは，少子高齢化，人口減が進む傾向にある。

セルビアの人口（2011年国勢調査）合計 割合（%）

総人口 7,186,862 100性別

男性 3,499,176 48.69女性 3,687,686 51.31

年齢層

0－1 4 1,025,278 14.2715-64 4,911,268 68.34

65歳以上 1,250,316 17.40平均年齢 42.2 -

平均寿命

男性 72.6 -女性 77.7 -

出典：セルビア統計局

24出典：セルビア統計局

（人）

約705万人

1.66

1.431.46

セルビアの人口

セルビアの治安

（１）セルビアの国内治安は安定

日本人や日本権益を標的とした犯罪は発生しておらず，治安は安定している。また，近年セルビア国内において民族・宗教対立を理由とする暴動や，テロ行為は発生していない。（スリや置き引きなどには通常の注意が必要。）

セルビア南部，コソボとの国境付近の都市（メドベジャ市，プレシェボ市，ブヤノバツ市）には，セルビア系住民とアルバニア系住民が混在する地域があり，当該地域へ渡航する際には，民族に関する話題などは避ける等の注意を要する。

（２）感染症危険情報なし

セルビアの治安

（３）セルビアの犯罪発生件数

セルビアは，凶悪犯罪及びその他の犯罪の多くで，Ｅ

Ｕ（２８か国）平均を下回っている。

殺人 強盗 強姦

セルビア 1.50 34.23 1.48

EU平均 1.34 50.19 15.09日本（参考） 0.75 1.837 0.779

1.50

34.23

1.48 1.34

50.19

15.09

0.75 1.837 0.7790

20

40

60（件）

人口10万人あたりの犯罪発生件数（2016年 凶悪犯罪）

出典：ユーロスタット，警察庁

（注：件数は認知件数（但し，日本の不法薬物事犯は検挙件数）に基づく。日本は，統計方法が異なるため，参考とした。）

暴行 侵入盗非侵入

盗

不法薬

物

セルビア 18.92 278.04 317.13 99.18

EU平均 102.55 435.27 1288.56 220.1日本（参考） 25.06 60.25 295.02 15.53

18.92

278.04 317.13

99.18 102.55

435.27

1288.56

220.1

25.06 60.25

295.02

15.530

300

600

900

1,200

1,500（件）

人口10万人あたりの犯罪発生件数（2016年 その他の犯罪）

セルビア投資のメリット１

（３）地理上のメリットセルビアは，南東欧ヨーロッパに位置し，西ヨーロッパ，ロシア，トルコ

などにアクセスが良く立地条件に優れた国と言われている。

（２）優秀な労働力セルビアの高等教育の水準は経済発展度に対し高く，優秀な人材

の確保が期待できる。セルビアに進出した日本企業及び外国企業からのセルビアの労働者に対する評価が高い。

また，英語が堪能な国としても知られている。

（１）安価な労働賃金セルビアの平均賃金は，2017年の統計で約400ユーロ/月で

あり，日本企業が多く進出しているポーランド，チェコなどに比べて安価である。

セルビア投資のメリット２（セルビアの賃金）

(2)平均賃金（周辺国との比較）国 年 賃金（ユーロ）

セルビア 2017 399

モンテネグロ 2017 510

ポーランド 2017 752

チェコ 2017 817

ルーマニア 2017 515

ブルガリア 2017 406

出典：セルビア統計局，EUROSTAT他

0

100

200

300

400

500

600

2014 2015 2016 2017ベオグラード ボイボディナ セルビア西部 セルビア南・東部

(1)地域別平均賃金（月当たり、税引き後） （単位：ユーロ）

出典：セルビア統計局

セルビア投資のメリット３（１）奨励金制度

輸出に結びつくような製造部門への投資案件に奨励金が与えられている（詳しくはセルビア開発庁と個別に相談）。

（２）法人税免除企業が１００人以上を新規雇用し，かつ８３０万ユーロ以上投資した場合，法人所

得税が10年間控除される。控除は企業が利益を出した時点から有効。

（３）経済特区（フリーゾーン）・付加価値税（VAT）の免除・経済特区内の建設や物品に対する関税やその他の税の免除（原材料，機器，建設材料などにかかる税）

（４）社会保険料の軽減制度公共職業安定所に６ヶ月以上登録された失業者を雇用した場合，雇用規模に準じて，雇用時点から2019年12月31日までの社会保険料が軽減される。新規雇用 １人～９人 ：６５％控除新規雇用 １０人～９９人 ：７０％控除新規雇用 １００人以上 ：７５％控除（社会保険料軽減制度は，奨励金制度と組み合わせて利用することはできない。）

出典：セルビア開発庁作成資料

周辺市場へのアクセス

（１） EU諸国EUは西バルカン地域の国々と協定を締結し，EU諸国との貿易に係る関税

は多くの分野で撤廃されている。（Stabilization and Association Agreement）。

（２）セルビア周辺地域セルビア，マケドニア，モンテネグロ，ボスニア・ヘルツェゴビナ，アルバニア，

モルドバ，コソボとの間で自由貿易協定が締結されている（CEFTA）。

（３）ロシアセルビアは，CIS以外の国で唯一ロシアと自由貿易協定を締結している。

（４）トルコ，カザフスタン，ベラルーシセルビアは上記国ともFTAを締結。

（４）EFTA地域セルビアは，ノルウェイ，スイス，アイスランド，リヒテンシュタインとの間で自

由貿易協定を締結している（EFTA）。

西バルカン地域市場へのアクセス

・セルビアは，EU非加盟の西バルカン諸国（セルビア，モンテネグロ，ボスニア・ヘルツェゴビナ，コソボ，マケドニア，アルバニア）の中で①貿易額，②対内直接投資額，③GDPにおいて最大。

・上記西バルカン諸国における売上高上位10社のうち，７社がセルビアで事業を展開している（Deloitte CE Top-500(2016)）。

・セルビアは，西バルカン諸国において，外国投資が最も進んでいる国。

＊セルビアは西バルカン地域への進出に当たっての拠点となり得る。

・セルビアのベオグラードには，旧ユーゴスラビアからの首都機能，行政機能が残っている。

セルビアから見た日本

（１）日本からの経済援助：・これまでの経済援助の総額約６５０億円・象徴的な経済援助：ベオグラードの市内交通バス（黄色いバス）。・環境，保健，教育分野を中心に草の根レベルで援助。

（２）日本からの直接投資額：約３３０億円

（３）セルビアは，政府レベルから市民まで非常に親日的。日本の文化・武道の愛好者も多い。

（４）査証：入国後９０日以内の滞在は，査証免除

セルビアに進出するに当たっての窓口１

・セルビア開発庁（RAS）Kneza Milosa 12, 11000 Belgrade, SerbiaTel: + 381 11 3398 900office@ras.gov.rswww.ras.gov.rs/en

投資環境・投資奨励金・投資地域などに関する相談

セルビア開発庁へのご相談は，在東京セルビア大使館から行うことが可能。

・在東京セルビア大使館東京都品川区北品川4-7-24Tel: 03- 3447-3571, 03-3447-3572www.tokyo.mfa.gov.rs/jpn/

セルビアに進出するに当たっての窓口２

・セルビア日本商工会（JBAS）日本商工会議所ウェブサイト上で在外日本人商工会議所と紹介されている。Kosovska 10/V, 11000 Belgrade, SerbiaTel: +381 11 3342 329office@jbas.rswww.jbas.rs/en

セルビアにおける日本企業等の団体

セルビアの会社，取引先開拓などに関する相談

・セルビア商工会議所Resavska 13-15, 11000 Belgrade, SerbiaPhone: +381 11 33 00 920E-mail: eoi@pks.rswww.pks.rs

セルビアに進出するに当たっての窓口３

・ジェトロ・ウィーン事務所Parkring 12a/8/1, 1010 Wien, AustriaTel: +43 1 587 56 28Email:wien_info(at)jetro.go.jpwww.jetro.go.jp/austria

セルビア投資に関する日本語での相談

・在セルビア日本大使館Tresnjinog Cveta 13, 11070 Novi Beograd, SerbiaTel: +381 11 301 2800economy(at)s1.mofa.go.jpwww.yu.emb-japan.go.jp

セルビアに関する総合的な問い合わせ

ご注意

・本資料の作成には，できる限りの正確性を期すよう努力していますが，その正確性を保証するものではありません。本情報の採否はご利用者の判断・責任の下行って下さい。

・万が一，不利益を被る辞退が生じましても当大使館及び日本政府は責任を負うことはできませんので，ご了承下さい。