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サービス管理責任者研修テキスト
分野別演習
「サービス提供プロセス
の管理に関する演習」
<地域生活(知的・精神)>
1
平成27年12月17日(木)~18日(金)
・12月21日(月)~22日(火)
2
13:30
演習2の変更要因の確定
演習2の事例の概要説明
個別支援計画の発表(15分+10)
4 時間
○分野別演習の説明
○グループ毎に個別支援計画を作成
○支援上の課題をグループ内で共有、整理
○事前課題(課題の整理表)の発表
○事例①の説明
○自己紹介、役割分担の決定
○リーダー講師のスーパーバイズ
○受講者全員から演習①について1人(30秒)
一言コメント。
○演習講師のコメント
○作成した個別支援計画の発表
○演習2の事例(精神障害者事例)の概要及び支援
計画を説明
○演習2(支援計画の中間評価と修正)の実施内容
と方法についてのガイダンス)
○翌日のロールプレイの配役を決める
○演習2の事例の変更要因をグループで協議し、翌
日の演習準備を行う。
演習1「サービス提供プロセスの管理の実際 :事例研究①」
13:45 15:10 16:20 17:30
休憩(10分)
ガイダンス
演習1
17:10
(15分+45分) (30分) (20分)(15分)
休憩(10分)
15:20 16:30
課題の整理の共有化
受講者コメント/総括
(30分+5分)
14:45 15:45
個別支援計画の作成(25分)
自己紹介
ガイダンス
演習2
(10分)
分野別1日目(午後) ①13:30~15:10
《演習1》 サービス提供プロセスの実際 事例研究
時間(分) 項 目 内 容 担当
13:30~13:45(15分) 演習のガイダンス演習1についてのオリエンテーション
渡部
13:45~14:00(15分) 自己紹介、役割分担の決定事前課題の自己紹介を行う。司会者、記録、発表者を決める。
渡部
14:00~14:45(45分) 事前課題1の発表と共有化
事例の概要説明。事前課題2(課題の整理表)の発表を行い、各自の問題意識を共有するとともに、グループで計画を作成することを前提に、共通の課題を整理する。
飯野
14:45~15:10(25分) 個別支援計画の作成グループ毎に個別支援計画を作成する。
飯野
14:45~15:10(10分) 休 憩
3
(目 次)
1.演習のねらい、内容、実施方法
2.演習1:サービス提供プロセスの管理の実際 :事例研究①(アセスメント編&個別支援計画編)
(1)アセスメントの実施と課題の整理(2)時間軸に配慮した到達目標を含む個別支援計画の作成
3.演習2:サービス提供プロセスの管理の実際 :事例研究(個別支援計画編&模擬会議)
(1)中間評価と計画修正の演習のガイダンス(2)演習事例の情報提供、変更要因の検討(モニタリング)(3)個別支援会議のロールプレイ演習(4)個別支援計画の修正
4.演習3:サービス内容のチェックとマネジメントの実際(エコマップ作成編)(1)サービス提供者への指導助言(サービス提供プロセス全般の評価)(2)サービス管理責任者の業務整理(3)関係機関との連携(4)サービス管理責任者の役割と業務の総括
5.参考資料
サービス提供プロセスの管理の実際(分野別演習)
4
1.演習のねらい、内容、実施方法
5
(1) 研修受講者全員が主体的に参加する。
(2) 多様な職種の受講者間での意見交換により幅広い視点を持つ。
(3) グループごとの結論を導くための協働作業を展開する。
(4) 司会進行、記録、発表等の役割を分担して担う。
(5) 効果的なプレゼンテーション技術を学ぶ。
(6) 他者への助言をする者としての配慮や深い洞察力を養う。
分野別演習のねらい
・サービス提供プロセス全般の流れ(手順)について、事例を活用しながら検証す
る。
・アセスメント、目標設定、個別支援計画の作成、モニタリングや評価による支援
方針の変更などに関する具体的な技術を習得する。
・サービス提供職員への助言や指導のあり方を理解し、指導・助言の方法を学ぶ。
6
○演習1:サービス提供プロセスの管理の実際 :事例研究①(アセスメント編・個別支援計画編)
※ 標準的なサービス提供のプロセスに沿って支援が実施された事例に基づき、支援方針の基本的な方向
性やサービス内容を左右する利用者像の把握や目標設定などの事項に重点を置いて演習を展開する。・正確な利用者像の把握のために必要となるアセスメントの実際について検討・時間軸の設定(標準的な支援モデルを参考に達成に要する期間を設定)・短期目標や到達すべき目標(ゴール)などの段階的な目標設定の必要性・サービス等利用計画の目標に沿った個別支援計画の作成
○演習2:サービス提供プロセスの管理の実際 :事例研究②(個別支援計画編・模擬会議編)
※ 事例研究①と同様に、障害内容等の異なるより困難な事例を用いて、アセスメント結果がすでに明らかとなっている状況から正確な個別支援計画書を作成・修正できるかと言った観点から演習を展開する。
※ 個別支援計画の作成に係る会議をシミュレーションし、模擬会議を演習する。・サービス開始後のモニタリング結果を踏まえ、個別支援計画書を適切に修正・次のステージへの移行も想定した終了時評価の実施
○演習3:サービス内容のチェックとマネジメントの実際(エコマップ編)
※ 演習2を踏まえて、サービス管理責任者としてサービス提供者が展開する様々なサービス内容をチェックし、支援チームに対するマネジメントの方法についてエコマップ作成を行いながら演習する。・サービス管理責任者としての姿勢の確認をする。更に、職員への指導助言や関係機関の連携(地域自立支援協議会への参画)等、サービス管理責任者の業務、役割について再確認し、演習を総括する。
分野別演習の内容
7
(1)グループに分かれて実施研修者を8人程度のグループに分けて実施。メンバー構成は、出身地、職種などにより偏りがでないように事前に組み分けする(幅広い視点を養う観点から演習ごとにメンバーを組み直して良い)。また、各グループでは、演習ごとに司会進行、記録、発表の担当者を決める。
(2)演習方式研修参加者全員が参加意識をもち、相互の意見交換により効率的に研修効果を挙げるよう小グループで検討するバズセッション方式を基本とする。展開に応じて個別支援会議のロールプレイを取り入れる。
(3)演習スタッフ講師となる演習スタッフは、全体進行と助言を担当する統括する演習リーダー1名、会場内で各グループに対する助言などサポートを担当する者(ファシリテーター)を配置する。
(4)プレゼンテーションと全体総括各演習とも、途中で1~2回の全体発表(プレゼンテーション)を実施し、グループ間での意見交換と演習リーダーからの助言に基づいて総括を行う。
演 習 の 実 施 方 法
8
2.演習1:サービス提供プロセスの管理の実際:事例研究①(アセスメント編)
9
演習事例① 課題の整理
10
課題整理のポイント
• 課題整理の目的
• 課題整理のポイント
1. 利用者の意向に沿っているか
2. 人生の一部分としてとらえているか
3. 全体像をとらえているか
4. 多面的にとらえているか
5. 複数の立場、職種の意見が反映されているか
6. 課題は検証可能か
11
課題整理の記入についての工夫
• アセスメントでは、できることとできないことをチェックしているうちに、ご本人の全体像がぼやけてしまう
ことがある。⇒アセスメントを100字程度で要約してみる。
• ご本人の意向等のニーズを、一つひとつ整理しながらも、支援課題を全体的に整理する。⇒全体像の把
握のために、課題整理表のニーズごとの横線を省いた。
• ご本人の能力、家族、インフォーマルな支援等の状況等は、利用者の状況、環境の状況に整理する。
• 支援者の気になることや推測できることには、ご本人の強さ、可能性、揺れ具合も含めた見立てとして整
理する。
• 支援者の見立てのうえで、ご本人の希望に即した支援を行うためには、もう一度、ご本人の全体像を確
認する。⇒「○○さんって、どんな人」ということを、100字程度でまとめてみる(箇条書きでも可)。
• ご本人の全体像をふまえて、ご本人の希望に即した支援を行うための解決すべき課題を整理する。
• ご本人の解決すべき課題から目標を導き出し、それが、なぜご本人にとって大切なのかを整理する。
• 事例研究①では、(1)アセスメントの実施と課題の整理 (2)時間軸に配慮した到達目標を含む個別支
援計画の作成が目的である。
• 都道府県の研修では、ケアマネジメントのアセスメント、課題整理、ご本人の希望に即した個別支援計画
の作成について、再確認する機会となる。
• 全体像の把握(要約)は記入様式に示していないが、全体像の把握、要約の有効性を確認するため、以
下の要領を参考にして記入すると、その差異が確認出来る。
12
個別支援計画
具体的
到達目標
本人の役割 支援内容(内容・留意点等)
支援期間(頻度・時間・期間等)
担当者 優先
順位
具体的な到達目標及び支援計画等
利用者氏名: 作成年月日 / /
平成 年 月 日 利用者氏名 印 サービス管理責任者氏名 印
サービス等利用計画の総合的な方針
到達目標
長期目標(内容・期間等) *必要に応じてサービス利用終了時の目標を加える。
短期目標(内容・期間等)
記入様式
13
計画作成のポイント
• サービス等利用計画に基づき個別支援計画を作る• 本人のニーズがきちんと反映されているか?支援者側の押し付けになっていないか?
• 本人を中心とした計画を、本人と一緒に作っていく過程こそが大切→自分の支援計画をラフスケッチする力をつける→自分の人生に責任を持つという視点
• 本人が分かりやすい言葉で書く• 支援内容を抽象的な言葉でごまかさない(安定した生活、楽しい暮らし、薬がちゃんと飲めるように・・・etc)
• 具体的な目標、期間を設定する。数量化出来るように努める。→定期的に評価を行う
• 小さなステップを踏むような計画になっているか
分野別講義テキストを参照
14
分野別1日目(午後)② 15:20~16:30
《演習1-②》 サービス提供プロセスの実際 事例研究
時間(分) 項 目 内 容 担当
15:20~15:35(15分) 個別支援計画の発表作成した個別支援計画について4グループ×4分発表
飯野
15:35~15:45(10分) 演習講師のコメント発表内容に関して各演習講師からコメント
飯野
15:45~16:15(30分) 受講者コメント受講者全員から演習①について1人(30秒)一言コメント
飯野
16:15~16:20(5分)リーダー講師のスーパーバ
イズリーダー講師から、演習①を総括
飯野
16:20~16:30(10分) 休 憩
15
16
3.演習2:サービス提供プロセスの管理の実際
(中間評価と計画修正)
《獲得目標》
個別支援計画の中間評価(モニタリング)を行い、個別支援会議の運営、個別支援計画の修正に関する知識と技術を習得する。
《内 容》
事例を使用して、グループ毎に変更要因を検討し、本人や環境の変化等に対応した個別支援計画の修正のポイントを明確にする。
分野別1日目(午後)③ 16:30~17:30
《演習2ー①》 サービス提供プロセスの管理の実際(変更要因、ロールプレイの配役決定)
時間(分) 項 目 内 容 担当
16:30~16:40(10分) 演習②のガイダンス演習②(支援計画の中間評価と修正)の実施内容と方法についてのガイダンス
樋渡
16:40~17:10(30分) 演習②の事例の概要説明演習②の事例(精神障害者事例)の概要及び支援計画を説明
樋渡
17:10~17:30(20分) 演習②の変更要因の確定演習②の事例の変更要因をグループで協議し、翌日のロールプレイの配役を決める。
樋渡
17
※会場は17:30で退出をお願いします。変更要因、配役が決まっていない場合は、外部の喫茶店等に移動して行って頂きます。
模擬個別支援会議のロールプレイ演習2-①の流れ
【演習2】
演習内容 所要時間
1 準備(変更要因、配役) 〈1日目〉 20分
2 ロールプレイ (その①) 〈2日目〉 (25分)
3 振り返り (その①) 〈2日目〉 (5分)
4 サービス管理責任者の役割確認 〈2日目〉 (20分)
5 ロールプレイ (その②) 〈2日目〉 (25分)
6 振り返り (その②) 〈2日目〉 (5分)
18
演習2の変更要因の確定(12/17~18)
19
グループ 変更要因
1G 本人が再婚して、子ども達と暮らしたい。
2G 父親の援助がなくなり、グループホームでの生活が出来なくなった。
3G薬の飲み忘れが進み服薬できなくなった。GHの部屋から出られなくなる日が多くなり、作業所へ通えなくなった。
4G 姑が大腿部骨折のため1ヶ月間入院することに。
5G 姑が子供たちを放置したままいなくなる。民生委員が発見し、連絡。
6G 姑が3週間後、胃がんのため入院手術をすることに。
7G誤薬・飲み忘れ、過剰摂取の問題が起こり、服薬の自己管理が出来なくなった。家事等日常の動作全般に無気力になった。
8G 夫に再婚相手が現れ、親権を争うことに。
演習2の変更要因の確定(12/21~22)
20
グループ 変更要因
1G失踪していた夫が突然あらわれ、離婚の条件に子供を引き取りたいといってきた。
2G 姑に末期のすい臓ガンが見つかり余命半年と宣告される。
3G 姑が脳梗塞で倒れ、入院。退院の目途はたっていない。
4G 本人が薬を飲まなくなった。
5G 長男が母と暮らしたいがなかなか実現できず学校を休みぐれていく
6G 姑が入院することになり、子どもを養育できなくなった。
7G 姑がくも膜下出血の為、入院してしまう。
8G 多量に薬を飲んでしまった。
① 準備(20分間)
(1)変更要因を決定
演習2の事例の変更要因をグループで協議し、翌日の演習準備を行う。
(2)配役
グループ毎に支援会議の出席者を決め、配役し、役柄設定を確認する。
(3)設定確認
「変更要因を踏まえてのサービス調整会議や個別支援計画会議の場面」であることを全員で確認する。
【演習2ー①】
21
模擬支援会議 配役検討資料役名 役柄 配役(氏名)
本人
母親
姉
サービス管理責任者
生活支援員
世話人
相談支援専門員
【演習2ー①】
席上配布
22
9:30
ロールプレイ演習(80分)個別支援計画の変更修正
3時間
○ロールプレイ演習の目的、方法、効果等
○サービス利用計画作成の変更のための担当者会
議のロールプレイを実施。あわせて果たした役割の
「振り返り」を行う。
○ロールプレイ演習から当該事業所の役割を確認
し、事業所内の個別支援会議で検討すべき課題を
整理する。
○○果たした役割「振り返り」を行う。
個別支援会議の個別支援計画の変更修正に向けた
検討を行うロールプレイを実施する。
○ロールプレイを通じて確認された情報をもとに
状況変化に対応した個別支援計画の修正を行う。
○受講者全員から演習②について1人(30秒)一
言コメント
○修正した個別支援計画について4分×
4Gが発
表。
○全般的に講師からコメント
演習2ー②「サービス提供プロセスの管理の実際 :事例研究②」
9:40 12:2011:30 12:30
演習の講義
10:10 11:00
全体発表とコメント(50分) 総
括
(30分) (10分)(10分)
役割確認(20
分)
23
発表(20分)
受講者コメント
(30分)
ロールプレイ演習(1回目)(25分
+5分)
10:30
ロールプレイ演習(2回目)(25分
+5分)
分野別2日目(午前) 9:30~12:30
《演習2ー②》 サービス提供プロセスの実際 事例研究②
時間(分) 項 目 内 容 担当
9:30~9:40(10分) ロールプレイ演習の講義ロールプレイ演習の目的、方法、効果等
末田
9:40~11:00(80分) ロールプレイ演習
サービス担当者会議、個別支援会議のロールプレイを行い、修正項目(本人のニーズの変化、環境の変化等)の情報を整理。
末田
11:00~11:30(30分) 個別支援計画の変更修正ロールプレイを通じて確認された情報をもとに状況変化に対応した個別支援計画の修正。
末田
11:30~11:50(20分)修正した個別支援計画の発
表修正した個別支援計画について4分×4Gが発表。
末田
11:50~12:20(30分) 受講者コメント受講者全員から演習②について1人(30秒)一言コメント
川嶋
12:20~12:30(10分) 演習講師のコメント 全般的に講師からコメント 飯野
利用者名
達成状況の評価 今後の対応(支援内容・方法の変更等)
達成 ほぼ達成 未達成
達成 ほぼ達成 未達成
達成 ほぼ達成 未達成
達成 ほぼ達成 未達成
達成 ほぼ達成 未達成
達成 ほぼ達成 未達成
3
4
到達目標
1
2
5
6
達成されない原因の分析
個別支援計画の中間評価(参考様式)
25
中間時の評価等
(1)当初目標の達成状況とそれに要した期間
(2)次のステップとして利用者が希望する生活とその後の実際
①本人の希望
②評価時の実際の生活状況
(3)サービス提供事業者との連携状況
(参考様式) 中間評価のための確認表
26
4.演習2:サービス管理責任者の役割と業務の検討
27
【獲得目標】・ 模擬支援会議を通じて、サービス管理責任者の視点、あり方について学ぶ。・ これまでの演習を通じて、サービス提供プロセスの管理、サービスの質の確保、関係機関との連携(協議会への参画)等、サービス管理責任者の業務と役割について再確認する。
【内 容】演習1又は2において作成した個別支援計画を、本人・家族に説明する場面を想
定して模擬支援会議を実施し、利用者本人の意向を踏まえた計画になっているか確認する。サービス管理責任者としてのサービス内容チェック、マネジメント方法について検討する。・アセスメントから終了時評価までの支援全体を振り返り評価する・関係機関との連携等について討議する・今回の事例を通じて、サービス管理責任者としての役割と業務の総括
ロールプレイについて(概 要)1.ロールプレイとは○現実に起こる場面を想定して、複数の人がそれぞれ役を演じ、疑似体験を通じて、ある事柄が実際に起こったときに適切に対応できるようにする学習方法の一つである。○学習者は、役割を演じなければならないが、演じ方はたいてい演者の自由である。○対人関係や態度・行動を通して行われる学習に用いられる。
2.ロールプレイのメリット○意志決定過程にみられるような物事のプロセスについて学ぶ可能性が高くなる。
3.ロールプレイの方法1)事前準備○シナリオ:準備の段階でシナリオを作成するか、役割だけを決めて自由に行うか、目的によって決定する。
○時間:決まっているわけではない○オリエンテーション:実施する前に学習者にその目的を十分に説明する。
2)実施○実施中にロールプレイをビデオに録画しておけば、後で見直すことができる。
3)フィードバック○ロールプレイ終了後、気づきや学びを話し合うことで、学習を深め、広げることが大切
28
ロールプレイ(ロールプレイイング)の目的日常生活の中で、人は必ず様々な役割を背負って暮らしていることを考えますと、人生はまさにドラマと言えます。その中で、常に同じような役割ばかりをこなしていますと、新たな人間関係を作り出すことは大変難しくなります。
ロールプレイとは、参加者が自由な雰囲気の中で、あるテーマについて即興的に役割を演じ、
協同して、役割行動の変容を図るもので、日常生活におけるそれぞれの役割を見直し、新しい状況に応じられるようになることを目的としています。
(1) 日常生活における自分の役割を見直し、日常生活での課題を解決する手がかりを得ます。
(2) 参加者全員が、感情の解放をします。
(3) 新しい、突発的な状況に応ずることができます。
したがって、ロールプレイは日常生活のリハーサルとも言えるでしょう。参加者はうまく演ずる
必要はありません。大切なのは、いかに自分なりに自発性を発揮して演ずるかです。
自発性が回復されれば、ロールプレイでの新鮮な役割体験は、新しい役割を日常生活に取り入れる原動力となります。自発性とは、新しい状況においても、周囲と自分自身にとって、より適切な、望ましい対応ができるということです。一般に、人は、新しい状況に対しては、他人の意見や自分の既有の体験をよりどころとして対応してしまいがちです。自発性は、そのような自分の外側から規制してしまうのではなく、自然に自分の中から自分を動かしていくことです。
自発性は、まず役割をとること(役割取得)から、自発的に個性的に演ずること(役割演技)、
さらに、新しい役割を創造すること(役割創造)へと段階的に高まっていきます。
29
ロールプレイを行う上での注意1)ロールプレイを理解しているファシリテーターをグループごとに配置すること
2)事前準備(オリエンテーション):参加者が主体的に関われるように情報や知識の整理
3)役割別の準備:各役割ごとに自分たちの役作りを行い,場面設定を話し合う
4)役割演技・討議:役になりきって演ずる。時間内で場面を変えて複数回実施しても良い
5)誰か一人が時間を占領しないこと
6)振り返り(フィードバック):必ず自分の役やほかの役について感じたこと、考えたこと
を振り返る時間をとり、ロールプレイの後,他の人へ感情・しこりが残らないよう配慮
30
模擬個別支援会議のロールプレイ演習2ー②の流れ
【演習2】 90分(110分)
演習内容 所要時間
1 準備(変更要因、配役) 〈1日目〉 (20分)
2 ロールプレイ演習の講義 9:30~9:40 10分
3 ロールプレイ (その①) 9:40~10:05 25分
4 振り返り (その①) 10:05~10:10 5分
5 サービス利用計画の決定 10:10~10:30 20分
6 ロールプレイ (その②) 10:30~10:55 25分
7 振り返り (その②) 10:55~11:00 5分
31
小道具の活用
①名立て
自己紹介した後で、「ところであなたは誰でしたっけ?」とは聞き難いもの。
②イエローカード
「どうですか?」って言われても意味が解らない時や、(嫌だって言い難いな…)と言う時に出してもらう。
【演習2】 90分
32
② ロールプレイ演習(その1)(25分間)
(1)配役には名札を分かりやすい場所に付ける。
(2)配役の位置関係を検討する。
(3)ロールプレイ実施(25分間)
【演習2】 90分
33
③ロールプレイ(その1)の振り返り(5分間)
●サービス管理責任者の役割、その他の各役柄の気持ち等について意見や感想を述べ合う。
●振り返ることで“気付き”を“学び”にする。
【演習2】 90分
34
⑤ ロールプレイ演習(その2)(25分間)
(1)配役が変更になった場合は席を移動する。
(2)新しい配役が加わった場合も席を移動する。
(3)配役の位置関係を検討する。
(4)ロールプレイ実施(25分間)
【演習2】 90分
35
⑥ロールプレイ(その2)の振り返り(5分間)
●サービス管理責任者の役割、各役柄の気持ち等について意見や感想を述べ合う。
●振り返ることで“気付き”を“学び”にする。
【演習2】 90分
36
振り返り(フィードバック)
役割を演じて体験したこと考えたことを全員が言葉にして分かち合う。…例えば
・ ○○役として、自分自身が感じたこと…
・ ○○役として、他者の役について、いつもの自分とは感じ方、見方、考え方が違ったところ…
・ ○○役として、△△役の言動に抱いた感情……等
●演技であっても、思ったより内面が動かされることを経験する。その内面のざわつき、揺れ、感情的な反応を表現し共有することでロールプレイによる気付きは深くなる。その気付きが今後の会議の機能を上げていく。
●分かち合うことで、役から離れられる(終わることが出来る)効果もある。
⇒だから、時間が足りなくても省かず、必ず最後に振り返りを行いましょう。
37
さあ、ロールプレイを始めましょう!(30分間)
★今回の設定の確認★
サビ管が支援チームを代表して、利用者本人とその家族(≒キーパーソン)に、●「個別支援計画(案)」の中身を説明し、●利用者本人と家族の気持ちと本音を汲み取り、意向を確認しながら、
●支援チームの知恵を引き出して「個別支援計画 (案) 」を修正して、
● 「個別支援計画」を作成し、同意を得る、…場面です。
【演習2】 90分
38
39
13:30
講師総括1人一言コメント
3 時間
○演習3の実施内容、方法についてガイダンス
○地域自立支援協議会への参画に向けた足がかり
の協議を行う。
○演習を通じて、地域の社会資源を活用して個別
支援計画をさらに充実させることを目指し、どん
な社会資源が必要か、どのように本人と社会資源
をつなげるのか等具体的に検討する。
(3)関係機関との連携の3点について整理する。
(2)従事者への指導助言、
(1)支援プロセスの管理
○演習を通じて、サービス提供責任者が果した業
務について
○グループごとに発表
壁にB紙を貼り、8グループ×
5分発表
○1人1分、研修を通してのコメント
○質疑応答、アンケート記入
○研修を終えて、講師から総括
演習3「サービス内容のチェックとマネジメントの実際」
13:40 15:20 16:30
ガイダンス
演習3
(60分) (10分)(10分)
16:20
サービス管理責任者の業務整理
関係機関との連携演習3の発表
(40分)
14:40
(個人ワーク10分)(グループワーク50分)
分野別2日目(午後) 13:30~16:30(180分)
《演習3》 サービス提供プロセスの実際 事例研究③
時間(分) 項 目 内 容 担当
13:30~13:40(10分) 講師ガイダンス演習3の実施内容、方法についてガイダンス
樋渡
13:40~14:40(60分)
サービス管理責任者の業務整理
関係機関との連携(個人ワーク10分)
(グループワーク50分)
・サービス提供責任者が果した業務について整理する。
・地域の社会資源を活用して個別支援計画をさらに充実させることを目指し、どんな社会資源が必要か、どのように本人と社会資源をつなげるのか等。
樋渡
14:40~15:20(40分) 演習3の発表壁にB紙を貼り、8グループ×4
分発表樋渡
15:20~16:20(60分) 1人一言コメント 1人1分、研修を通してのコメント 飯野
16:20~16:30(10分) 講師総括研修を終えて、講師から総括。終了式(代表で終了証書授与式)アンケート記入
渡部
【演習3】サービス管理責任者の役割
●【演習1~2】では、サービス管理責任者の業務の中から主に「サービス提供のプロセスと管理」を取り上げました。この時間では、多岐にわたるサービス管理責任者の業務と役割を再確認し、全体像の理解へとつなげます。
●【演習3】では、共通講義「障害者総合支援法とサービス管理責任者の役割」の内容を、受講生が自分の職場でのあり様を考え、現場感を持って理解することを目指して下さい。
41
【演習3】
サービス管理責任者となる方へ
42
「今だって大変なのに、そんな大変なこと自分にできる訳ない…」と思われがちなサビ管業務。しかし、利用者への直接支援だけではなく、人材育成、事業所運営、さらに地域社会へと活躍が期待されるとてもやりがいがある仕事です。
サビ管となったからには、事業所内部から関係機関へ、そして地域社会へと目を向け足を運びましょう。
サービス管理責任者業務の要点整理【演習3】
サービス管理責任者の業務整理
43
外部の関係機関 地域社会(地域自立協議会)
事業所内
①支援プロセスの管理
・進行管理 ・課題の整理 ・個別支援計画の修正
②職員への指導助言
・指導と助言 ・人材育成・質の向上
③関係機関との連携
・連携の要 ・地域社会への発信・社会資源の創出
④その他 ・利用者満足度の向上・第三者評価の導入 など
サービス管理責任者業務の要点整理【演習3】
①支援プロセスの管理
●進行管理・支援計画と時間軸はセットで提供・時間軸の妥当性のチェックとタイムキーパー役・ゴール設定(長期目標と短期目標)の妥当性のチェック●個別支援会議の開催●支援課題の整理と大方針の設定●個別支援計画の作成(←最も重要!!)・サービス管理責任者には最終的な責任がある。署名と押印で責任の明確化を!
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⇒個別支援の質を担保する役割
サービス管理責任者業務の要点整理【演習3】
②職員への指導助言●適宜のスーパーバイズ
●「個別支援会議(事業所内カンファレンス)」の進行役として、議論を深める
●「サービス利用計画書」に基づく、事業所としての「個別支援計画」の作成
●研修等で off the job trainingを行う
●利用者面接、家族面接、見学案内に同席する等on the job trainingを行う
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サービス管理責任者業務の要点整理
⇒人材育成を担い、後進を育てる役割
【演習3】
ところで、OJTとは?●伝統的な徒弟制度や準備なく現場に放り込むこととは異なる。
●その職場の上司(先輩)が部下(後輩)に対し、実際の業務遂行を通して、意図的・計画的・継続的に、必要な知識・技術・態度などを修得させる一連の活動のこと。
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サービス管理責任者業務の要点整理
…やってみせ、言って聞かせて、させてみて、 ほめてやらねば人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず…。 山本五十六
OJTはただ単に「やりながら覚える」と言う意味ではありません。以下の言葉は、元々は米沢藩主上杉鷹山の言葉をヒントにしていますが、OJTの神髄を表していると言われています。
【演習3】
③関係機関との連携(その1)
●「サービス担当者会議(サービス利用計画作成会議)」への参加
・相談支援専門員と連携し、支援チームによるネットワーク構築に寄与
⇒「サービス等利用計画」をもとに「個別支援計画」を作成することで、 地域や外部につながる支援になっていく
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つまり、顔の見える関係の“顔”になるってことですね!
サービス管理責任者業務の要点整理【演習3】
③関係機関との連携(その2)
●(自立支援)協議会への参画 例えば…
・必要なサービスが福祉計画に盛り込まれるように働き掛ける(ボトムアップ)、
・地域の工夫と知恵で、足りない資源を創出する、
・事例検討会を定例化し、地域の課題を地域で解決する仕組みを作る、
・事業所の顔として地域活動や行事に積極的かつまめに参加し、利用者が地域に溶け込む呼び水となる、
・事業の対象や効果を外部に解り易く説明し、PRする…
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⇒事業所、利用者、障害者を地域社会へつなげる役割
サービス管理責任者業務の要点整理【演習3】
•サービス管理責任者は、自立訓練・共同生活援助の事業だけで、本人を支えるのではなく、様々な資源の中の1つであることを自覚しておこう。→自分達だけで、本人を支えようとしない事が大事!!
•より豊かな本人の暮らしを支援していくためには、いろいろな社会資源を知っておこう。→ 自分達の地域の地域診断をしてみよう!!
•サービス管理責任者は、本人と周囲とを繋いでいくコーディネータの役割がある。その時には、地域にある(自立支援)協議会をうまく活用しよう。→資源が足りない時には作っていく事がコーディネーターの役割。このような場合には(自立支援)協議会と連携していく事が重要!!
•何かあったら個別支援会議を開こう。→誰が声をかけても良い会議。問題に気付いた人が声をかけよう。サービス管理責任者はその一人。スムーズに会議が行えるように、日頃から関係機関との良好な関係を築いておくことも大事な仕事!!
関係機関との連携についての指導ポイント
分野別講義テキストを参照
【演習3】 サービス管理責任者業務の要点整理
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④その他
●利用者満足度調査の実施
支援者の自己満足に陥らないよう“利用者満足度”に注目して事業所を見直す
●第三者評価の導入
客観的な評価に基づく質の向上へ
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【演習3】 サービス管理責任者業務の要点整理
(参考)サービス管理責任者の業務整理表①
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業務内容 取組状況 課題 ウエイト
(1)支援プロセスの管理
見学案内
アセスメント
家族面談
支援計画の作成
支援計画案の修正
利用者・家族への支援計画の説明
モニタリング
支援の進行管理
参考資料【演習3】
(参考)サービス管理責任者の業務整理表②
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業務内容 取組状況 課題 ウエイト
(2)職員への指導助言
利用者面接への同席
家族面接への同席
アセスメントへの指導と助言
課題の整理への指導と助言
支援計画作成への指導と助言
モニタリング
支援の進捗への助言
参考資料【演習3】
(参考)サービス管理責任者の業務整理表③
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業務内容 取組状況 課題 ウエイト
(3)関係機関との連携
個別支援会議への出席
次ステージへの引継支援
地域自立支援協議会への参画
地域での連携事業への協力
施設見学・実習の受入れ
地域や他機関への事業PR
地域住民への普及啓発
社会資源の創出
参考資料【演習3】
4.演習3:サービス内容のチェックとマネジメントの実際(模擬会議)
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○演習3:サービス内容のチェックとマネジメントの実際(エコマップ作成)【獲得目標】・ 模擬支援会議を通じて、サービス管理責任者の視点、あり方について学ぶ。
・ これまでの演習を通じて、サービス提供プロセスの管理、サービスの質の確保、関係機関との連携(協議会への参画)等、サービス管理責任者の業務と役割について再確認する。
【内 容】演習2において作成した個別支援計画を、利用者本人の意向を踏まえた計画になっているか確認する。サービス管理責任者としてのサービス内容チェック、マネジメント方法について検討する。・アセスメントから終了時評価までの支援全体を振り返り評価する・関係機関との連携等について討議する・今回の事例を通じて、サービス管理責任者としての役割と業務の総括
エコマップを活用しよう
「エコマップ」は、自分が書いて役に立つというより、家族や個人を支援する側が、支援する家族を理解するために、描かれることが多い
ものです。
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〈エコマップを活用した例〉
②全体発表の様子(昨年度)
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②全体発表(40分間)
・5分間以内で、全グループが発表します。
・エコマップを作成する中でどのようなストーリーが生まれたのか、どんな議論に基づいて描いたかを中心に発表してください。
40分
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1人一言コメント(60分)
• 1人1分、研修を通してのコメント
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スピーチは「気づき」が大切
講師総括(10分)
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本当に皆さんお疲れ様でした。福祉現場に帰っても頑張りましょう!
私たちサビ管の仕事って・・・