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有機ハイドライドを用いた水素貯蔵効率の向上に関する研究 Development of Hydrogen Storage Efficiency by Using Organic Hydride 主藤 祐功 * 大久保  天 ** 秀島 好昭 *** 須貝 保徳 **** 櫻元  正 ***** 黒澤  誠 ****** 田邉 克守 ******* Yukoh SHUDO, Takashi OHKUBO, Yoshiaki HIDESHIMA, Yasunori SUGAI, Masashi SAKURAMOTO, Makoto KUROSAWA, and Katsumori TANABE 有機ハイドライドは芳香族化合物を水素化して水素を貯蔵する手法であり、貯蔵密度が高いことか ら燃料電池に水素を供給するための貯蔵及び輸送媒体として注目されている。本研究では水素貯蔵効 率の向上を図るため、トルエン水添反応に用いる固定床触媒の探索試験、水添反応条件の最適化試験、 ならびにWet-dry多相式反応と固定床触媒反応の連続反応による水素貯蔵試験を行い、以下のような 結果を得た。 (1)市販触媒を用いた水添反応試験によって、メチルシクロヘキサンへの転化率が高く、副生成物が 少ない51% Ni / Al 2 O 3 -SiO 2 、0.5% Pt / γAl 2 O 3 、Ru 3% Ru / TiO 2 触媒を選定した。 (2)選定触媒について実証プラントを模擬した条件で試験を行い、転化率が高く、触媒加熱温度の適 用範囲が広く、副生成物が少ない0.5% Pt / γAl 2 O 3 触媒を選定した。 (3)実証プラントを用いたWet-dry多相式反応と固定床触媒反応の連続反応では転化率は約91%まで 向上した。 《キーワード:有機ハイドライド;触媒;水素貯蔵;燃料電池》 Organic hydride is the method of hydrogen storage by hydrogenation of aromatic compounds, and because the storage density is higher, it attracts attention as the storage and transportation medium for hydrogen supply to fuel cell. In this research, in order to aim at improvement of hydrogen storage efficiency, the search examination of the fixed-bed type catalyst used for hydrogenation of toluene, the optimization of hydrogenation conditions, and the hydrogen storage examination by the reaction which the Wet-dry multi-phase reaction and the fixed-bed catalyst reaction were made to follow were done. The results were as follows;(1)By the examination by using marketing catalysts, because the conversion rate to methylcyclohexane was higher and the by-product was little, 51%Ni/Al 2 O 3 -SiO 2 , 0.5%Pt/γ-Al 2 O 3 and 3% Ru/TiO 2 catalysts were selected. (2) By the examination by using selected catalysts on the imitated condition of the demonstration plant, because the conversion rate was higher, the coverage of catalyst temperature was wider and the by-product was little, 0.5%Pt/γ-Al 2 O 3 catalyst was selected.(3)By the examination which the Wet-dry multi-phase reaction and the fixed-bed catalyst reaction were made to follow by using the demonstration plant, the conversion rate was improved to about 91%. 《Keywords:organic hydride;catalyst;hydrogen storage;fuel cell》 報 文 42 北海道開発土木研究所月報 №634 2006年3月

有機ハイドライドを用いた水素貯蔵効率の向上に関 …有機ハイドライドを用いた水素貯蔵効率の向上に関する研究 Development of Hydrogen Storage

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有機ハイドライドを用いた水素貯蔵効率の向上に関する研究

Development of Hydrogen Storage Efficiency by Using Organic Hydride

主藤 祐功 * 大久保  天 ** 秀島 好昭 ***

須貝 保徳 **** 櫻元  正 ***** 黒澤  誠 ****** 田邉 克守 *******

Yukoh SHUDO, Takashi OHKUBO, Yoshiaki HIDESHIMA,

Yasunori SUGAI, Masashi SAKURAMOTO, Makoto KUROSAWA, and Katsumori TANABE

 有機ハイドライドは芳香族化合物を水素化して水素を貯蔵する手法であり、貯蔵密度が高いことから燃料電池に水素を供給するための貯蔵及び輸送媒体として注目されている。本研究では水素貯蔵効率の向上を図るため、トルエン水添反応に用いる固定床触媒の探索試験、水添反応条件の最適化試験、ならびにWet-dry多相式反応と固定床触媒反応の連続反応による水素貯蔵試験を行い、以下のような結果を得た。(1)市販触媒を用いた水添反応試験によって、メチルシクロヘキサンへの転化率が高く、副生成物が少ない51% Ni / Al2O3-SiO2、0.5% Pt / γAl2O3、Ru 3% Ru / TiO2触媒を選定した。(2)選定触媒について実証プラントを模擬した条件で試験を行い、転化率が高く、触媒加熱温度の適用範囲が広く、副生成物が少ない0.5% Pt / γAl2O3触媒を選定した。(3)実証プラントを用いたWet-dry多相式反応と固定床触媒反応の連続反応では転化率は約91%まで向上した。《キーワード:有機ハイドライド;触媒;水素貯蔵;燃料電池》

 Organic hydride is the method of hydrogen storage by hydrogenation of aromatic compounds, and because the storage density is higher, it attracts attention as the storage and transportation medium for hydrogen supply to fuel cell. In this research, in order to aim at improvement of hydrogen storage efficiency, the search examination of the fixed-bed type catalyst used for hydrogenation of toluene, the optimization of hydrogenation conditions, and the hydrogen storage examination by the reaction which the Wet-dry multi-phase reaction and the fixed-bed catalyst reaction were made to follow were done. The results were as follows;(1)By the examination by using marketing catalysts, because the conversion rate to methylcyclohexane was higher and the by-product was little, 51%Ni/Al2O3-SiO2, 0.5%Pt/γ-Al2O3 and 3% Ru/TiO2 catalysts were selected.(2)By the examination by using selected catalysts on the imitated condition of the demonstration plant, because the conversion rate was higher, the coverage of catalyst temperature was wider and the by-product was little, 0.5%Pt/γ-Al2O3 catalyst was selected.(3)By the examination which the Wet-dry multi-phase reaction and the fixed-bed catalyst reaction were made to follow by using the demonstration plant, the conversion rate was improved to about 91%.《Keywords:organic hydride;catalyst;hydrogen storage;fuel cell》

報 文

42 北海道開発土木研究所月報 №634 2006年3月

1.はじめに

 近年、化石資源の枯渇や価格高騰による供給不安の問題が懸念されているとともにエネルギー変換に伴い排出される温室効果ガスの問題がある中で、クリーンエネルギーである水素と熱電同時供給が可能な燃料電池は次世代のエネルギー供給システムとして期待されている。そのような背景から国土交通省の「地域特性を活かしたエネルギー活用社会形成調査」1)では、積雪寒冷地である北海道における地域の電力・熱需要形態に応じたエネルギー地域導入モデルを確立することを目的とした調査の一環として、有機ハイドライドを利用した水素供給と燃料電池によるエネルギー供給システムの実証実験を実施している2)3)。 一方、国内においてはバイオマス・ニッポン総合戦略が推進されており、特に北海道の酪農地域で発生する家畜ふん尿はカーボンニュートラルなエネルギー源として注目されている。北海道開発土木研究所では平成12年度より道東の野付郡別海町に建設された別海資源循環試験施設において大規模集中型バイオガスプラントの技術開発を実施した4)。また、平成15年度からはこのバイオガスプラントに隣接して設置したエネルギー地域自立型実証研究施設において、バイオガスから水素等を製造し5)6)、さらにこの水素で芳香族化合物を水素化し、有機ハイドライドとして貯蔵し、需要に応じて水素を再生して燃料電池によりエネルギー供給を行う要素技術と温室効果ガス削減効果の検証を目的とした実証実験を実施している7)8)9)。 水素の主な貯蔵方法としては、既報10)で述べたように液体水素、圧縮水素、水素貯蔵合金、そして有機ハイドライドを利用した方法が知られている。有機ハイドライドは単位容積あたりの水素貯蔵密度が500 ~700N㎥-H2/㎥(50 ~ 60kg/㎥)、単位重量あたりの水素貯蔵密度が6~ 7wt%と優れている。また、常温・常圧での貯蔵が可能であることから、特に貯蔵容器の容積と重量が大幅に増加することが無く、長期間の貯蔵や輸送性に優れ、ガソリンスタンドやタンクローリーといった従来型のインフラを使用できるという利点により注目されている11)12)。 本報では有機ハイドライドを用いた水素貯蔵設備の概要を述べるとともに、水素貯蔵性能の向上を図るために実施した有機ハイドライド生成触媒条件の最適化調査、および別海エネルギー地域自立型実証研究施設を用いて実施した有機ハイドライド生成試験の結果について述べる。

2.有機ハイドライドを利用した水素貯蔵設備

2.1 有機ハイドライドによる水素貯蔵の原理

 有機ハイドライドによる水素貯蔵は、不飽和の炭化水素である芳香族化合物の二重結合部に水素を添加する化学反応(水添反応)によるものであり、発熱を伴う反応である。また、脱水素反応により水素を放出して芳香族化合物に戻る可逆的な反応である。以下に代表的な系であるナフタレン-デカリン系(式[1])、ベンゼン-シクロヘキサン系(式[2])、トルエン-メチルシクロヘキサン系(式[3])の反応式を記した。

+ 5H2  =           + 319.0kJ/mol [1]

+ 3H2  =           + 205.6kJ/mol [2]

CH3CH3+ 3H2  =           + 206.0kJ/mol [3]

 ナフタレン-デカリン系では、ナフタレン(C10H8)は1分子当り、水素5分子と反応してデカリン(C10H18)を生成するが、これらの系のうちで最も水素貯蔵密度が大きく、容積貯蔵密度が727N㎥-H2/㎥、重量貯蔵密度が7.3wt%になる。ベンゼン-シクロヘキサン系とトルエン-メチルシクロヘキサン系は、ベンゼン(C6H6)あるいはトルエン(C7H8)1分子当り、水素3分子と反応し、それぞれシクロヘキサン(C6H12)あるいはメチルシクロヘキサン(C7H14)を生成し、容積貯蔵密度がそれぞれ622N㎥-H2/㎥、527N㎥-H2/㎥、重量貯蔵密度がそれぞれ7.2wt%、6.2wt%になる。一方、積雪寒冷地で冬季の気温が-20℃以下になる地域での利用を考慮した場合、80℃以下で固化するナフタレンや5℃以下で固化するベンゼンやシクロヘキサンを利用する系は配管閉塞などの問題があって好ましくない。そこで、実証研究においては常温・常圧で無色透明の液体であり、-90℃以下でも固化しないトルエン(TOL)-メチルシクロヘキサン(MCH)系を選択した。

2.2 水素貯蔵設備の概要

 別海エネルギー地域自立型実証研究施設のうち水素貯蔵・脱水素設備の外観を写真-1に示した。右から水添反応器、脱水素反応器、TSA水素精製設備となっている。水素を貯蔵する際には水添反応器を使用し、水素を再生して燃料電池に供給する際には脱水素反応

北海道開発土木研究所月報 №634 2006年3月 43

器とTSA水素精製設備を使用する。TSA水素精製設備を使用するのは再生水素に含まれる微量のTOLやMCHを除去するためであり、これは燃料電池へ導入する水素の仕様が純度99.99%以上であることによる。 水添反応器の外観を写真-2に、水添反応器の概略図を図-1に示した。水添反応器では、屋外タンクから移送されたTOLがリザーバータンクに一時貯留され、噴射側および開放側の作動弁をON/OFFすることによってWet-dry多相式反応器へ間欠的に噴霧される。写真-3に反応器上部からみた原料噴霧の様子を示したが、この反応器をWet-dry多相式と称するのは反応器内に液相と気相が混在していることによる。反応器内には10wt%Pt /活性炭織布触媒を表面に貼り付けたプレートヒーターが設置されている。写真-4

に10wt%Pt /活性炭織布触媒を、写真-5にプレートヒーターの外観を、写真-6にプレートヒーターの

水添反応器脱水素反応器TSA

水素精製設備

写真-1 水素貯蔵・脱水素設備

固定床触媒反応器

Wet‑dry多相式反応器

写真-2 水添反応器

図-1 水添反応器の概略図

写真-3 反応器上部からみた原料噴霧の様子

写真-4 10wt%Pt /活性炭織布触媒

水素

Wet‑ dry多相式反応器

トルエン

冷却器

屋外トルエンタンク

屋外

メチルシクロヘキサンタンク

移送ポンプ

移送ポンプ

移送ポンプ

固定床触媒

反応器

噴射側作動弁

開放側作動弁

背圧弁

密度伝送器

触媒加熱ヒーター

10%Pt/活性炭織布触媒

水素

メチルシクロヘキサン

回収タンク

リザーバー

タンク

パージ

44 北海道開発土木研究所月報 №634 2006年3月

設置の様子を示した。水素を反応器内に導入して、触媒上にTOLを噴霧(供給)すると式[3]の反応によってMCHが生成する。図-2に水添反応の模式図を示したが、活性炭の担体(支持体)上に担持されたPt(白金)粒子の触媒作用により水素分子のH-H結合が切断されて水素原子となり、水素原子はTOL分子の二重結合部に付加されてMCH分子となる。 生成したMCHは固定床触媒反応器を通過後、冷却器で充分に液化されて回収タンクに一時貯留され、屋外タンクに移送される。表-1に水添反応器の仕様を示した。また、水添速度と転化率(TOLがMCHに変化する比率)の目標値をそれぞれ30N㎥/day、85%としているが、目標値を満足させるためTOLを1回噴霧させた後の反応物(MCH/ TOL混合液)を回収タンクに回収した後、リザーバータンクに移送し、混合液を再度噴霧して一層の反応を行わせるプロセスも可能としている。

2.3 水素貯蔵試験結果

 別海施設を用いた試験では、まずWet-dry多相式反応器の触媒温度が転化率に及ぼす影響を調査した。表-

2に試験条件を示したが、空間速度(Space Velocity)は単位時間で単位重量の触媒に供給する原料量を示したものであり、噴霧周期は図-1の噴射側作動弁をOpenにする周期を、噴霧時間は噴射側作動弁をOpenにする時間を示している。また、減圧時間は噴霧を終えた後、図-1の開放側作動弁をOpenにする時間を示している。なお、この試験では固定床触媒反応器に触媒は充填せず、1回噴霧させた後の反応物を回収し、もう1回噴霧させる2サイクルのプロセスにより実施した。 1サイクル目の原料TOL濃度を約80vol%、2サイクル目の原料TOL濃度を約50vol%に調整した時の結果として、図-3に触媒加熱温度と転化率の関係を、

写真-5 プレートヒーターの外観

写真-6 プレートヒーターの設置の様子

図-2 水添反応の模式図

表-1 水添反応器の仕様

担体(活性炭)

Pt (白金)触媒粒子

HH

C

H

CC

C

C

CC

H

H H

H

H

H

H

H

H

H

H

H

H

C

H

CC

C

C

CC

H

H

H

H

H

H

H

H2

H2

トルエン メチルシクロヘキサン

水素 HH

C

H

CC

C

C

CC

H

H H

H

H

H

H

H

H

H

H

H

H

C

H

CC

C

C

CC

H

H H

H

H

H

H

H

H

H

H

H

H

C

H

CC

C

C

CC

H

H

H

H

H

H

H

C

H

CC

C

C

CC

H

H

H

H

H

H

H

H2

H2

触媒種類 10wt%Pt/活性炭織布

触媒重量 158g(内 Pt は 15.8g)

触媒加熱温度 250℃(定格値)

Wet-dry 多相式

反応器

原料噴射口 12 本

固定床触媒反応器

容積 12.5L

反応圧力 0.3MPa(定格値)

目標水添速度 30Nm3/day

目標転化率 85%

北海道開発土木研究所月報 №634 2006年3月 45

ラボ試験結果とともに示した。別海施設の1サイクル転化率は触媒加熱温度200 ~ 275℃の範囲でラボ試験の結果よりも低い値を示した。また、触媒加熱温度225 ~ 250℃間ではラボ試験と同様に転化率が最大となる傾向を示したが、1サイクル目の転化率は60%を若干下回る結果となり、2サイクル目の転化率は50%程度となった。さらに、水添した水素量を、投入した原料TOL量で除して算出した総合転化率は80%を下回る結果となった。図-4に触媒加熱温度と水添速度の関係を示したが、触媒加熱温度が225℃の場合は1サイクル目の水添速度が30N㎥/day以上となり、目標の水添速度を越えたが、2サイクル目の水添速度が20N㎥/day以下となり、平均水添速度は25N㎥/dayを若干上回る程度となった。また、触媒加熱温度が250℃の場合は1サイクル目、2サイクル目、平均水添速度のいずれも225℃の値を上回ったが、顕著な差にはならなかった。

3.固定床触媒による貯蔵効率向上の検討

 Wet-dry多相式による水添反応は、反応圧力が0.3MPa程度、反応温度が225 ~ 250℃であり、従来の水添反応方式13)14)と比較すると反応圧力が低圧であるという利点を有するが、転化率と水添速度を改善して水素貯蔵効率の向上を図りたいところである。そこで、Wet-dry多相式の後段に固定床触媒を設置したときに貯蔵効率の向上が可能であるか検討を行った。

3.1 固定床触媒の探索試験

 固定床触媒を用いた試験の前に触媒探索試験を実施した。触媒は石油化学工業の原料や製品の水素化に用いられている市販触媒のうちNi系、Pt系及びRu系のそれぞれ成分が異なる各6種類、計18種類を選択してスクリーニングを行った。表-3に選択した固定床触媒の仕様を示した。担体はAl2O3-SiO2、γAl2O3、珪藻土、活性炭、TiO2等があり、形状は球状、押出成型体、タブレット状、フレーク状等様々であった。写真-7

に球状触媒、写真-8に押出成型触媒、写真-9にタブレット状触媒、写真-10にフレーク状触媒の例を示した。 試験に使用した装置の概略図を図-5に示したが、触媒の充填容積は8.2㎤とした。試験前には、前処理として300 ~ 400℃に加熱した反応管に水素を流通させて還元処理を行い、触媒を活性化させた。その後、背圧弁BV-1により系内の圧力を所定圧力とし、触媒

表-2 試験条件

図-3 触媒加熱温度と転化率の関係

図-4 触媒加熱温度と水添速度の関係

触媒加熱温度 200、225、250、275℃

1 サイクル目原料濃度

80%TOL-20%MCH

2 サイクル目原料濃度

50%TOL-50% MCH

空間速度 0.52ml/g-cat./min

噴霧周期 5.0sec

噴霧時間 350msec

Wet-dry 多相式

反応器

減圧時間 40msec

固定床触媒反応器 触媒充填は無し

反応圧力 0.3MPa

0

20

40

60

80

100

175 200 225 250 275 300

触媒加熱温度,℃

%,

率化

ラボ1サイクル‑T OL80% 別海1サイクル‑T OL80%

別海2サイクル‑ TOL50% 別海総合転化率

0

10

20

30

40

225 250触媒加熱温度,℃

mN

,度

速添

水3

yad/

1サイクル‑TO L80% 2サイクル‑TO L50%

平均水添速度

46 北海道開発土木研究所月報 №634 2006年3月

加熱温度を温度調整器により所定温度に制御維持させながら、所定供給速度で原料及び水素ガスを流通させて水添反応試験を行った。表-4に試験条件を示したが、この試験ではTOLとMCHのモル濃度比を1対1とした混合液を用いて行った。また、原料供給速度は液空間速度(LHSV;原料供給速度を触媒充填容積で除した値)を別海施設と同じ0.4 h-1としたときに回収量が少なく分析定量が不可能であったため、その8倍の3.2 h-1に相当する1.0ml/minとした。 TOLの水添反応では式[3]の主反応によるMCHの生成のみが起こることが望ましいが、主反応以外の反応によりシクロヘキサンやベンゼン、あるいはペンタン、ヘキサン及びヘプタンといった直鎖系炭化水素が生成する可能性があることから、これらの副生成物の発生状況を把握して触媒評価の指標とした。そして、MCHへの転化率が高く、副生成物のより少ない触媒を最適触媒として選定することとした。

写真-7 球状触媒(0.5% Ni / Al2O3-SiO2)

写真-9 タブレット状触媒(0.5% Pt /γAl2O3)

写真-8 押出成型触媒(51% Ni / Al2O3-SiO2)

写真-10 フレーク状触媒(0.5% Pt /活性炭)

表-3 固定床触媒の仕様

触媒系 成分 形状

0.5%Ni/Al2O3-SiO2 1/3" 球32%Ni/γAl2O3 6.4mm タブレット

50%Ni/珪藻土 3mm タブレット

51%Ni/Al2O3-SiO2 3mm 押出成型

58%Ni/Al2O3-SiO2 1/16" 押出成型

Ni 系

60%Ni/SiO2-MgO 3mm タブレット

0.3%Pt/γAl2O3 3mm タブレット0.5%Pt/γAl2O3 3mm タブレット

0.5%Pt/活性炭 フレーク

1%Pt/γAl2O3 3mm タブレット

2%Pt/γAl2O3 3.2mm タブレット

Pt 系

5%Pt/γAl2O3 3.2mm タブレット

0.5%Ru/γAl2O3 3.2mm タブレット

2%Ru/γAl2O3 3.2mm タブレット

2%Ru/γAl2O3 5mm タブレット

2%Ru/活性炭 3mm タブレット

3%Ru/TiO2 1.5mm タブレット

Ru 系

5%Ru/γAl2O3 3.2mm タブレット

北海道開発土木研究所月報 №634 2006年3月 47

(1)Ni系触媒 Ni系触媒の転化率、及びベンゼン、シクロヘキサン、直鎖系炭化水素の生成状況を図-6に示した。51%Ni/ Al2O3-SiO2と60%Ni / SiO2-MgOは触媒温度が150 ~200℃の範囲で90 ~ 100%の転化率を示した。また、回収した生成物のガスクロマトグラフィー分析では250℃で51%Ni / Al2O3-SiO2においてベンゼンの生成が認められたものの、200℃以下では両者とも認められなかった。シクロヘキサンについては100~ 250℃の範囲で若干の生成が両者に認められた。一方、ペンタンやヘキサン、ヘプタンなどの直鎖系炭化水素の生成については60%Ni / SiO2-MgOにおいて100 ~ 250℃の範囲で認められたのに対して、51%Ni / Al2O3-SiO2で

は150℃以下であれば生成しなかった。したがって、Ni系触媒の中では51%Ni / Al2O3-SiO2触媒を150℃の触媒温度で使用するのが最適であると判断した。

(2)Pt系触媒 Pt系触媒の転化率、及びベンゼン、シクロヘキサン、直鎖系炭化水素の生成状況を図-7に示した。0.3%Pt/ γAl2O3と0.5%Pt /活性炭を除く4触媒において触媒温度が150 ~ 200℃の範囲で90 ~ 100%の転化率を示した。また、回収した生成物の分析では4触媒のいずれもベンゼンの生成は認められなかったが、0.5%Pt/ γAl2O3を除いた3触媒において250℃でシクロヘキサンの生成が若干認められた。なお、直鎖系炭化水素の生成については4触媒いずれも確認されなかった。したがって、Pt系触媒の中では0.5%Pt/ γAl2O3、1%Pt/ γAl2O3、2%Pt / γAl2O3、5%Pt / γAl2O3触媒のいずれも150 ~ 200℃の触媒温度で使用すれば良好な結果が得られるものと推察される。しかしながら、Pt含有量が多くなると触媒コストが高くなることから、Pt系触媒については0.5%Pt / γAl2O3触媒を150 ~ 200℃の触媒温度で使用するのが最適であると判断した。

(3)Ru系触媒 Ru系触媒6種類の転化率、及びベンゼン、シクロヘキサン、直鎖系炭化水素の生成状況をそれぞれ図-

8に示した。2%Ru / γAl2O3と3%Ru / TiO2は触媒

図-5 試験に使用した装置の概略図

表-4 試験条件

触媒充填量 8.2cm3(10.2mmφ×100mmt)

反応圧力 0.3MPa

触媒加熱温度 100~250℃

水素供給速度 0.5L/min

原料濃度 45.5vol%TOL-55.5vol%MCH

原料供給速度 1.0ml/min(LHSV=3.2 h-1)

原料流通時間 30min

48 北海道開発土木研究所月報 №634 2006年3月

温度が150 ~ 200℃の範囲でほぼ100%の転化率を示し、3%Ru / TiO2においては100℃でも100%の転化率を示した。また、回収した生成物の分析では250℃で両者ともにベンゼンの生成が若干認められたものの、200℃以下では認められなかった。シクロヘキサンは200℃以上で両者に生成が認められた。さらに、直鎖系炭化水素の副生が100 ~ 250℃の範囲で両者に認められたことから、Ru系で最適触媒条件を選定するのは困難であった。あえて選ぶならば100 ~ 200℃の範囲でほぼ100%の転化率を示した3%Ru / TiO2触媒が最良と判断した。

3.2 反応条件の最適化試験

 選定した3触媒(Ni系:51%Ni / Al2O3-SiO2、Pt系:0.5%Pt / γAl2O3、Ru系:3%Ru / TiO2)について、別海施設を模擬した反応条件で調査を行った。表-5

に試験条件を示したが、触媒の充填容積は19.2㎤とした。前処理の方法は3.1と同様で、その後、触媒温度を所定温度に維持しながら、系内圧力を減圧弁RV-1により所定圧力とし、所定供給速度で原料を流通させて、反応物を回収タンクに回収した。水素は反応によって消費されると供給されるようにした。原料濃度は3.1と同じとし、原料供給速度はLHSVを別

0

20

40

60

80

100

50 100 150 200 250 300

触媒加熱温度,℃

%,

率化

0.5%Ni/Al2O3‑S iO2 32%Ni/γAl2O3

50%Ni/珪藻土 51%Ni/Al2O3‑ SiO2

58%Ni/Al2O3‑ SiO2 60%Ni/SiO2‑M gO

0.0

0.1

0.2

0.3

50 100 150 200 250 300

触媒加熱温度,℃

L/l

om

,量

成生

HC

0.0

0.5

1.0

1.5

50 100 150 200 250 300

触媒加熱温度,℃

L/l

om

,量

成生

ZB

直鎖系炭化水素の生成・・・●は確認

温度(℃) ◆ ■ ▲ × * ●

100 - - - - - ●

150 - - ● - ● ●

200 - ● ● ● ● ●

250 - ● ● ● ● ●

0

20

40

60

80

100

50 100 150 200 250 300触媒加熱温度,℃

%,

率化

0.3%Pt/γAl2O3 0.5%Pt/γAl2O3

0.5%Pt/活性炭 1%Pt/γAl2O32%Pt/γAl2O3 5%Pt/γAl2O3

0.0

0.1

0.2

0.3

50 100 150 200 250 300

触媒加熱温度,℃

L/l

om

,量

成生

HC

0.0

0.5

1.0

1.5

50 100 150 200 250 300

触媒加熱温度,℃

L/l

om

,量

成生

ZB

直鎖系炭化水素の生成・・・●は確認

温度(℃) ◆ ■ ▲ × * ●

100 - - - - - -

150 - - - - - -

200 - - - - - -

250 - - - - - -

図-6 Ni系触媒における転化率、及びベンゼン(BZ)、

    シクロヘキサン(CH)、直鎖系炭化水素の生成状況

図-7 Pt系触媒における転化率、及びベンゼン(BZ)、

    シクロヘキサン(CH)、直鎖系炭化水素の生成状況

北海道開発土木研究所月報 №634 2006年3月 49

海施設と同一の0.4 h-1とした場合、回収量が少なく分析定量が不可能であったため、その倍の0.8 h-1とした。図-9に最適化試験における転化率、及びベンゼン、シクロヘキサン、直鎖系炭化水素の生成状況を示した。

(1)Ni系触媒 51%Ni / Al2O3-SiO2触媒では加熱温度100℃以上の範囲でほぼ100%の転化率を示した。また、生成物の分析では100℃以下でベンゼン及びシクロヘキサンの生成が確認されず、直鎖系炭化水素の生成は125℃以下では認められなかった。したがって、100℃近傍の

触媒加熱温度で使用するのが適していると判断した。

(2)Pt系触媒 0.5%Pt / γAl2O3触媒では加熱温度が125℃以上の範囲で90%以上の転化率となり、150℃以上でほぼ100%となった。また、生成物の分析ではいずれの触媒温度においてもベンゼン及びシクロヘキサンの生成が確認されず、直鎖系炭化水素の生成も認められなかった。したがって、125℃以上の触媒加熱温度で使用するのが適していると判断した。

(3)Ru系触媒 3%Ru / TiO2触媒では100℃で転化率100%を示したが、生成物の分析では175℃でベンゼン及びシクロヘキサンの生成が確認され、いずれの触媒温度においても直鎖系炭化水素の生成が認められた。したがって、別海施設の反応条件では100℃近傍の狭い範囲で触媒加熱温度を制御する必要があると推察された。

 上記の結果より、例えば、触媒温度100℃において3触媒を比較すると、転化率はどの触媒も十分な性能を示したが、不純物生成という観点から言うとRu系触媒は適正が低いものと判断された。また、Ni系触媒とPt系触媒は、転化率については大差が無いものの、不純物の生成挙動よりPt系触媒の方が優れていると判断された。さらにコストや入手のし易さを考慮すると、51%Ni / Al2O3-SiO2触媒はNi含有量が多く、0.5%Pt/ γAl2O3触媒よりもむしろ高価格となってしまうため、水添反応用の固定床触媒としては0.5%Pt /γAl2O3触媒が最適と判断した。

図-8 Ru系触媒における転化率、及びベンゼン(BZ)、

    シクロヘキサン(CH)、直鎖系炭化水素の生成状況

0

20

40

60

80

100

50 100 150 200 250 300

触媒加熱温度,℃

%,

率化

0.5%Ru/γAl2O3 2%Ru/γAl2O3

2%Ru/γAl2O3 2%Ru/活性炭3%Ru/TiO2 5%Ru/γAl2O3

0.0

0.1

0.2

0.3

50 100 150 200 250 300

触媒加熱温度,℃

L/l

om

,量

成生

HC

0.0

0.5

1.0

1.5

50 100 150 200 250 300

触媒加熱温度,℃

L/l

om

,量

成生

ZB

直鎖系炭化水素の生成・・・●は確認

温度(℃) ◆ ■ ▲ × * ●

100 ● ● ● - ● ●

150 ● ● ● - ● ●

200 ● ● ● ● ● ●

250 ● ● ● ● ● ●

触媒充填量 19.2cm3(22.1mmφ×50mmt)

反応圧力 0.3MPa

触媒温度 50~175℃

水素供給速度 0.5L/min

原料濃度 45.5vol%TOL-55.5vol%MCH

原料供給速度 0.27ml/min(LHSV=0.8 h-1)

原料流通時間 30min

表-5 試験条件

50 北海道開発土木研究所月報 №634 2006年3月

3.3 別海施設を用いた水素貯蔵試験

 Wet-dry多相式反応器後段の固定床触媒反応器に0.5%Pt / γAl2O3触媒を設置して水添反応を行い、転化率に及ぼす影響を調査した。表-6に試験条件を示したが、Wet-dry多相式反応器の触媒加熱温度は225~ 250℃の間で顕著な転化率の差が無く、エネルギー収支は触媒加熱温度が低い方が有利なことから225℃とした。また、固定床反応器に触媒を設置しないときの雰囲気温度が100℃前後であり、固定床触媒の最適温度が125 ~ 200℃の範囲にあるが、Wet-dry多相式反応器より送り込まれる未反応TOLの反応熱により雰囲気温度が上昇することを考慮する必要があった。

そこで、Wet-dry多相式反応器の出口温度を100℃と仮定し、固定床触媒の目標温度を200℃として熱収支を検討した結果、原料濃度を50vol%TOL-50vol%MCHとして供給することとした。なお、実際には反応器系外への放熱量が見込めるため、温度上昇はもう少し小さくなると予想された。試験前には前処理としてWet-dry多相反応触媒は約300℃で、固定床触媒は約260 ~ 300℃で加熱保持したうえで1時間水素を流通させて触媒の還元を行い、活性化させた。また、原料供給速度は約82ml/minとした。この時のLHSVは2.3の試験と同じ0.4h-1である。

表-6 試験条件

触媒 10wt%Pt/活性炭織布 (158g)

触媒加熱温度 225℃

原料濃度 50vol%TOL-50vol%MCH

空間速度 0.52ml/g-cat./min

噴霧周期 5.0sec

噴霧時間 350msec

Wet-dry多相式

反応器

減圧時間 40msec

触媒 0.5%Pt/γAl2O3 (10kg、12.5L)固定床

触媒

反応器 触媒温度 150~200℃

反応圧力 0.3MPa

 反応器内各温度及び添加水素流量の時間変化を図-

10に示した。開始後約90minで各温度は安定し、固定床触媒の温度は約125℃となった。また、発熱による雰囲気温度の上昇はWet-dry多相式反応器下部において最も大きく150℃に到達したが、その後安定した。 TOLに添加された水素量は約35N㎥/dayとなり、生成物のMCH濃度は95.7vol%、TOL濃度が4.3vol%で、他の副生物は検出されなかった。また、50vol%TOL-50vol%MCH原料を用いたときのWet-dry多相式反応の転化率が約49%であるので、固定床反応における転化率は約82%を示し、総合転化率は約91%まで向上した。その結果、Wet-dry多相式反応単独では2サイクル運転によっても当初目標の転化率である85%に満たなかったが、固定床反応器との連結により2サイクル運転をすることなく目標転化率を達成できることを

0

20

40

60

80

100

25 50 75 100 125 150 175 200

触媒加熱温度,℃

%,

率化

51%Ni‑ Al/Si 0.5%Pt‑γ ‑A l2O3

3%Ru/TiO2

0.0

0.1

0.2

0.3

25 50 75 100 125 150 175 200

触媒加熱温度,℃

L/l

om

,量

成生

HC

0.0

0.5

1.0

1.5

25 50 75 100 125 150 175 200

触媒加熱温度,℃

L/lo

m,

量成

生Z

B

直鎖系炭化水素の生成・・・●は確認

温度(℃) ◆ ▲ ●50 - - ●

75 - - ●

100 - - ●

125 ● - ●

150 ● - ●

175 ● - ●

図-9 最適化試験における転化率、及びベンゼン(BZ)、

    シクロヘキサン(CH)、直鎖系炭化水素の生成状況

北海道開発土木研究所月報 №634 2006年3月 51

確認した。今回の試験により反応器系外への放熱量を測定することができたことから、熱収支を検討した結果、次回の試験においては原料TOL濃度を高くして、さらに水添効率の向上を図ることとした。

4.まとめ

 本検討結果を纏め以下に記す。(1)トルエン水添反応のための固定床触媒の探索試験では、Ni系、Pt系、及びRu系市販触媒、計18種類について評価を行い、メチルシクロヘキサンへの転化率が高い点と、ベンゼン、シクロヘキサン、直鎖系炭化水素といった副生成物が少ない点よりNi系では51%Ni / Al2O3-SiO2、Pt系では0.5%Pt / γAl2O3、Ru系では3%Ru / TiO2触媒を選定した。

(2)選定した3触媒について別海施設を模擬した反応条件で評価を行い、転化率が高く、触媒加熱温度の適用範囲が広い点と、ベンゼン、シクロヘキサン、直鎖系炭化水素といった副生成物が少ない点、及び触媒コストよりPt系の0.5%Pt / γAl2O3触媒が最適であると判断した。

(3)別海施設を用いた試験では、Wet-dry多相式反応器後段の固定床触媒反応器に0.5%Pt / γAl2O3触媒を設置して水添反応を行った結果、50vol%トルエン-50vol%メチルシクロヘキサン原料を用いたときの固定床反応における転化率は約82%であり、総合転化率は約91%まで向上した。

(4)反応熱による雰囲気温度の上昇は当初の試算の2

分の1以下となり、反応器からの放熱状況を把握できたことから、今後の水添試験においてはトルエン濃度を高くした原料を使用し、一層の水添効率の向上を図ることとした。

5.おわりに

 水素・燃料電池による効率的なエネルギー供給とそのため社会基盤整備を行ううえで、水素貯蔵プロセスは重要な課題となっている。本研究は実証プラントにおける水素貯蔵効率の向上を図るうえで、大いにその参考になるものであった。今後、実証プラントにおいては長時間運転等を通じて性能向上に対する効果を確認していくとともに、水素貯蔵プロセスの発展の一助としたい。

参考文献

1)地域特性を活かしたエネルギー活用社会形成調査報告書、北海道開発局開発監理部開発調査課、平成16年3月

2)歌川忠、桜元正、須貝保徳、仮屋信子、福岡淳、市川勝:デカリンを用いた水素貯蔵・供給システムの評価報告、第12回日本エネルギー学会大会講演要旨集、P.284-285(2003)

3)歌川忠、田邉克守、名取祐二、須貝保徳、仮屋伸子、市川勝:有機ハイドライドを利用した水素供給装置の実証実験、第13回日本エネルギー学会大会講演要旨集、P.242-243(2004)

4)石渡輝夫、石田哲也、大日方裕、中川靖起、横濱充宏、小野学:別海共同利用型バイオガスプラントの課題と対応、第20回寒地技術シンポジウム 寒地技術論文・報告集Vol.20、P.386-392(2004)

5)主藤祐功、大久保天、秀島好昭、中村諭、垣原肇、伊藤秀明:メタン直接改質における触媒性能の向上に関する研究、北海道開発土木研究所月報No.624、P.31-42(2005)

6)主藤祐功、大久保天、秀島好昭、中村諭、垣原肇、佐藤幸雄、市川勝、小島綾一:バイオガスを利用したエネルギー地域自立型実証研究(3)メタン直接改質法による水素等の製造実証試験、第14回日本エネルギー学会大会講演要旨集、P.118-119(2005)

7)主藤祐功、大久保天、秀島好昭:積雪寒冷地の酪農村に設けた水素エネルギー実験施設の稼動概要第20回寒地技術シンポジウム 寒地技術論文・報告集Vol.20、P.714-718(2004)

100

150

200

250

300

℃,

度温

Wet‑ dry触媒平均 Wet‑ dryヒーター制御

Wet‑ dry上部雰囲気 Wet‑ dry下部雰囲気

固定床触媒平均

0

20

40

60

80

100

0 20 40 60 80 100 120時間,min

%,

率化

0

10

20

30

40

50

mN

,量

素水

加添

3y a

d/転化率

添加水素量

図-10 反応器内各温度及び添加水素量の時間変化

52 北海道開発土木研究所月報 №634 2006年3月

8)大久保天、主藤祐功、秀島好昭:エネルギー地域自立型実証実験施設の稼動概要、北海道開発土木研究所月報No.623、P.42-49(2005)9)主藤祐功、大久保天、秀島好昭、櫻元正、黒澤誠、田邊克守、市川勝:バイオガスを利用したエネルギー地域自立型実証研究(4)有機ハイドライドを用いた水素貯蔵・供給実証試験、第14回日本エネルギー学会大会講演要旨集、P.120-121(2005)10)主藤祐功、大久保天、秀島好昭:水素エネルギーの利用概要と地域での取り組み、北海道開発土木研究所月報No.608、P.41-45(2004)

11)岡田佳巳、斉藤政志、真壁利治、西島裕明:有機ケミカルハイドライド法脱水素触媒の開発-常温・常圧条件での水素貯蔵・輸送技術の確立を目指して-、触媒学会第94回触媒討論会(2004)

12)程島真哉、八ッ橋広光、庄野厚、斉藤泰和:メチルシクロヘキサン・デカリン系有機ハイドライドによる水素貯蔵と過熱液膜型脱水素触媒反応方式による水素供給、触媒学会第96回触媒討論会(2005)

13)芳香族及びタール工業ハンドブック 3版、(社)日本芳香族工業会

14)化学品ハンドブック2005、㈱重化学工業通信社

主藤 祐功*Yukoh SHUDO

北海道開発土木研究所特別研究官付上席主任研究員

大久保  天**Takashi OHKUBO

北海道開発土木研究所特別研究官付研究員

秀島 好昭***Yoshiaki HIDESHIMA

北海道開発土木研究所農業開発部部長(特別研究官兼務)博士(工学)技術士(農業)

須貝 保徳****Yasunori SUGAI

㈱電制研究開発室室長

櫻元  正*****Masashi SAKURAMOTO

㈱電制事業本部新エネグループグループリーダー

黒澤  誠******Makoto KUROSAWA

㈱電制事業本部新エネグループ

田邉 克守*******Katsumori TANABE

㈱フレイン・エナジーマーケティンググループ博士(工学)

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