21
「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 文部科学省 生涯学習政策局 情報教育課 平成27年6月30日(火曜日) 「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議(第2回) 資料1

「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 · 2019. 11. 15. · 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 文部科学省生涯学習政策局情報教育課

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 · 2019. 11. 15. · 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 文部科学省生涯学習政策局情報教育課

「学びのイノベーション事業」実証研究報告

文部科学省 生涯学習政策局 情報教育課

平成27年6月30日(火曜日)「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議(第2回)

資料1

Page 2: 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 · 2019. 11. 15. · 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 文部科学省生涯学習政策局情報教育課

事業の概要

Page 3: 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 · 2019. 11. 15. · 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 文部科学省生涯学習政策局情報教育課

【教育】

総務省と連携し、一人一台の情報端末や電子黒板、無線LAN等が整備された環境の下で、教科指導や特別支援教育において、ICTを効果的に活用して、子供たちが主体的に学習する「新たな学び」を創造する実証研究を実施

学びのイノベーション事業 (平成23~25年度)ICTを活用した指導方法の開発

教科指導等におけるICT活用の効果・影響の検証

デジタル教科書・教材の開発

(主な取組内容)

学習への関心・意欲を高める学び

画像を拡大したり書きこみながら分かりやすく説明し、学習意欲を高める

学習内容のイメージを深める動画等を視聴し、授業への関心を高める

子供たちが教え合う学び(協働学習)

一人一人の能力や特性に応じた学び(個別学習)

つながり、広がる学び

特別な支援を要する子供の可能性を高める学び

個々の障害の状態に応じた学習(タブレットPCを用いた文字のなぞり書き)

遠隔地の企業との交流授業により、学習内容への理解とコミュニケーション能力を高める

取材内容を写真と文章でまとめ、情報収集力と表現力を高める

画面上で図形を拡大・回転しながら、各自で思考を深める

デジタル教科書を使った英単語の発音練習により個々に学習を進める

図形を画面上で拡大・回転させながら話し合い、互いに考えを深め合う

各自の考えを電子黒板に転送し、多様な考えを一瞬で共有できる

各自の考えを発表し、話し合うことで学習内容への理解を深める

情報通信技術(ICT)が実現する新たな学び

・ 中学校(8校) ・ 特別支援学校(2校)・ 小学校(10校)

(実証校)

2

Page 4: 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 · 2019. 11. 15. · 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 文部科学省生涯学習政策局情報教育課

いしかりしりつこうなん

石狩市立紅南小学校さがえしりつ たかまつ

寒河江市立高松小学校

かつしかくりつ ほんでん

葛飾区立本田小学校

ながのしりつ しおざき

長野市立塩崎小学校

うちなだちょうりつおおねぶ

内灘町立大根布小学校

おおぶしりつ ひがしやま

大府市立東山小学校

みのおしりつ かやの

箕面市立萱野小学校ひがしみよしちょうりつ あしろ

東みよし町立足代小学校

ひろしましりつ ふじのき

広島市立藤の木小学校

さがしりつ にしよか

佐賀市立西与賀小学校

しんちちょうりつ しょうえい

新地町立尚英中学校

よこはまこくりつだいがくふぞくよこはま

横浜国立大学附属横浜中学校

じょうえつきょういくだいがくふぞく

上越教育大学附属中学校

まつさかしりつみくも

松阪市立三雲中学校

わかやましりつ じょうとう

和歌山市立城東中学校

にいみしりつ てっせい

新見市立哲西中学校

とやまけんりつ ふるさとしえん

富山県立ふるさと支援学校

きょうとしりつとうようそうごうしえん

京都市立桃陽総合支援学校さがけんりつ たけおせいりょう

佐賀県立武雄青陵中学校

みやこじましりつ しもじ

宮古島市立下地中学校

実証校一覧小学校: 中学校: 特別支援学校:(平成22年度~) (平成23年度~) (平成23年度~)

3

Page 5: 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 · 2019. 11. 15. · 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 文部科学省生涯学習政策局情報教育課

実証研究報告の概要

Page 6: 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 · 2019. 11. 15. · 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 文部科学省生涯学習政策局情報教育課

小学校、中学校における取組

○各教科等におけるICTの活用例及びその効果

・画像や動画を活用した分かりやすい授業により、興味・関心を高め学習意欲が向上

・児童生徒の学習の習熟度に応じたデジタル教材を活用し、知識・理解の定着

・電子黒板等を用いて発表・話し合いを行うことにより、思考力や表現力が向上 など

○ICT活用の留意点

・デジタル教科書・教材等を提示するだけでなく、観察・実験等の体験的な学習が必要

・ICTを活用して発音や対話の方法を学習するだけでなく、対面でのコミュニケーション活動を合わせて行うことが必要 など

○教員のICT活用指導力の向上・教員間のICT活用事例や教材等の情報共有、授業研究会の実施

・外部講師を招いた研修、ICT支援員との連携など

1 学びのイノベーション事業 実証研究報告書 (概要)文部科学省では、総務省と連携し、一人一台の情報端末、電子黒板、無線LAN等が整備された環境の下で、 ICTを効果的に活用して、子供たちが主体的に学習する「新たな学び」を創造するための実証研究を行い、その成果や課題について、以下の内容を「実証研究報告書」としてとりまとめた。 「学びのイノベーション事業」(平成23年度~25年度)

研究事項: ICTを活用した指導方法の開発、教育の効果・影響の検証、デジタル教科書・教材の開発実証校: 20校(小学校10校、中学校8校、特別支援学校2校)

自分の考えの発表・話合い

教材作成や指導方法の研修

画像や動画による観察の記録

5

【平成26年4月公表】

○特別支援教育におけるICT活用の意義

・障害の状態や特性等に応じたICTの活用は、各教科や自立活動等の指導において、その効果を高めることができる点で極めて有用。

○特別支援学校における取組・重度の障害のある児童生徒の感覚機能、運動機能の向上

・自立支援や基礎的な学力向上に向けた自作教材の開発・活用

・本校と病院内の分教室をTV会議システムで接続することによる協働学習の実現

・入院前の前籍校との交流による不安の解消など復帰への支援 など

○教員のICT活用指導力の向上・一人一人に応じたコンテンツやデジタル教材の自作と共有

・企業や有識者を招いた研修、ICT支援員との連携 など

<重度の障害のある児童生徒の感覚機能、運動機能の向上>

タブレットPCに軽く触れるだけでギターを演奏できる自作ソフトを活用した活動を行う。

顔をタブレットPCの画面に映し出し、顔の画像の輪郭をなぞるなどの活動を行う。(軌線が画面に描かれる)

<本校と病院内の分教室をTV会議システムで接続することによる協働学習>

<入院前の前籍校との交流>

特別支援学校における取組

Page 7: 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 · 2019. 11. 15. · 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 文部科学省生涯学習政策局情報教育課

6

○学習場面ごとのICT活用の類型

○各教科ごとの授業展開例

ICTを活用した指導方法の開発

【10通りに分類】

【上記類型を組み合わせた事例(21事例)を収録】

6

Page 8: 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 · 2019. 11. 15. · 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 文部科学省生涯学習政策局情報教育課

94.2

90.8

94.4

90.8

90.0

83.6

94.7

91.7

92.3

86.3

94.4

90.7

94.7

87.6

0% 20% 40% 60% 80% 100%

楽しく学習することができた

コンピュータを使った授業はわかりやすい

楽しく学習できた

コンピュータを使った授業はわかりやすい

小学校

(3~6年)

中学校

H22年度末 H23年度末 H24年度末 H25年12月

71.7

31.4

95.0

77.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

コンピュータや電子黒板を使った授業は分かりやすいと思いますか

普段の授業では、本やインターネットを使って、グループで調べる活動をよく

行っていると思いますか

全国 実証校

95.2

93.6

85.6

82.4

95.9

92.5

85.7

87.8

95.1

94.4

86.4

90.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

1.生徒の意欲を高めることに効果的だと思いますか

2.生徒の理解を高めることに効果的だと思いますか

3.生徒の表現や技能を高めることに効果的だと思いますか

4.生徒の思考を深めたり広げたりすることに効果的だと思いますか

H23年度末 H24年度末 H25年12月

○全国学力・学習状況調査では、「コンピュータや電子黒板を使った授業は分かりやすい」「本やインターネットを使ってグループで調べる活動をよく行っている」が、特に全国より高い数値となっている。

○ICTを活用した授業は効果的であると、全期間を通じて約8割以上の教員が評価している。

コンピュータや電子黒板を使った授業はわかりやすいと思いますか。

本やインターネットを使ってグループで調べる活動をよく行っている。

小学校(6年)

中学校(3年)

中学校

○約8割の児童生徒が全期間を通じて、授業について肯定的に評価している。

ICTを活用した教育の効果

<児童生徒の意識>

<教員の意識>

楽しく学習することができた

楽しく学習することができた

コンピュータを使った授業はわかりやすい

コンピュータを使った授業はわかりやすい

小学校(3~6年)

中学校

98.9

91.0

85.4

79.1

98.9

93.9

79.6

82.2

97.2

91.8

82.9

84.6

98.7

93.5

84.4

86.8

0% 20% 40% 60% 80% 100%

児童の意欲を高めることに効果的だと思いますか

児童の理解を高めることに効果的だと思いますか

児童の表現や技能を高めることに効果的だと思いますか

児童の思考を深めたり広げたりすることに効果的だと思いますか

H22年度末 H23年度末 H24年度末 H25年12月

児童生徒の理解を高めることに効果的だと思いますか

児童生徒の表現や技能を高めることに効果的だと思いますか

児童生徒の思考を深めたり広げたりすることに効果的だと思いますか

児童生徒の意欲を高めることに効果的だと思いますか

小学校

本やインターネットを使ってグループで調べる活動をよく行っている。

7

Page 9: 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 · 2019. 11. 15. · 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 文部科学省生涯学習政策局情報教育課

67.9

56.3

48.0

80.2

77.6

69.0

80.7

76.1

69.3

0% 20% 40% 60% 80% 100%

教材研究・指導の準備・評価などにICTを活用する能力

授業中にICTを活用して指導する能力

生徒のICT活用を指導する能力

H23年度事業開始当初 H24年度末 H25年12月

1.00 0.88 1.05 1.00 1.07 0.96

0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

3.00

1 2 3

算数 小学4年→小学5年

H23年度H24年度

0.92 0.92 1.05

0.85 0.97 1.04

0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

3.00

1 2 3

国語 小学4年→小学5年

H23年度H24年度

1.73

0.91 0.90

1.251.08

0.88

0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

3.00

1 2 3

算数 小学3年→小学4年

H23年度H24年度

1.38

0.93 0.93 1.00 0.96 1.02

0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

3.00

1 2 3

国語 小学3年→小学4年

H23年度H24年度

1.10 0.99 0.83

1.00 0.911.03

0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

3.00

1-3 4 5

英語 中学1年→中学2年 集団B

H23年度H24年度

1.16

0.78 0.72 1.02 0.93 0.93

0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

3.00

1-3 4 5

数学 中学1年→中学2年 集団B

H23年度H24年度

1.45

0.90 0.70

1.150.86 0.78

0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

3.00

1-3 4 5

国語 中学1年→中学2年 集団B

H23年度H24年度

0.05 0.28

3.48

0.080.38

4.38

0.000.501.001.502.002.503.003.504.004.505.005.506.00

1-3 4 5

英語 中学1年→中学2年 集団A

H23年度H24年度

0.12

0.88

5.19

0.15

0.79

5.46

0.000.501.001.502.002.503.003.504.004.505.005.506.00

1-3 4 5

数学 中学1年→中学2年 集団A

H23年度H24年度

0.06 0.47

2.75

0.09

0.97

4.78

0.000.501.001.502.002.503.003.504.004.505.005.506.00

1-3 4 5

国語 中学1年→中学2年 集団A

H23年度H24年度

○標準学力検査(CRT)の結果を、平成23年度と24年度の経年で全国の状況と比較すると、低い評定の出現率が減少している傾向が見られる。また、中学校においては、高い評定の出現率が多い集団では、更に高くなる傾向も見られた。

中学校

○教員のICT活用指導力は、事業開始当初と比べて向上している。

ICTを活用した教育の効果

<学力の傾向>

小学校 中学校※

※中学校については、各評定の出現状況が、最も高い評定(評定5)に集中している学校(集団A)と比較的出現状況が均一な学校集団(集団B)にわかれるため、それぞれの集団に分けて分析した。

<教員のICT活用指導力>

59.5

51.3

51.1

79.5

76.9

61.5

79.0

79.7

66.6

80.2

79.6

63.8

82.1

77.6

70.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

教材研究・指導の準備・評価などにICTを活用する能力

授業中にICTを活用して指導する能力

児童のICT活用を指導する能力

H22年度事業開始当初 H22年度末 H23年度末 H24年度末 H25年12月

小学校

教材研究・指導の準備、評価などにICTを活用する能力

授業中にICTを活用して指導する能力

児童生徒のICT活用を指導する能力

8

(参考)平成25・26年度の全国学力・学習状況調査においては、中学校について「『コンピュータ等の情報通信技術を活用して、子供同士が教え合い学び合う学習や課題発見・解決型の学習指導を行った』学校の方が、全ての教科(国語・数学)で平均正答率が高い傾向が見られた」とされている。

Page 10: 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 · 2019. 11. 15. · 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 文部科学省生涯学習政策局情報教育課

学習者用デジタル教科書・教材の開発

○ 児童生徒が情報端末で活用する「学習者用デジタル教科書・教材」を開発

・ 教科書の内容に加え、画像や動画、シミュレーション機能、学習履歴の保存等の機能を付加。

○ 学習者用デジタル教科書・教材等の機能の在り方について整理

対象学年: 小学校3学年 ~ 中学校3学年開発教科: 国語、社会、算数(数学)、理科、外国語・外国語活動

・ 多様な情報端末で利用可能、学習の記録を蓄積し・活用できることが必要。

・ 学習者用デジタル教科書・教材、アプリケーション、これらの管理運用システムなど、学びに有効なシステムが連携した学習環境を構築することが必要。

9

(例)「立体を詳しく調べよう」

展開図のシミュレーション画面。右下のボタンを操作することにより、展開したり回転させたりしながら、立体の性質を調べることができる。

デジタル教科書コンテンツ:教科書・教材の内容デジタル教科書ビューア :コンテンツの表示等を行うプログラム

デジタル教科書コンテンツ

デジタル教科書ビューア

学習者用デジタル教科書・教材

英国 社 算 理

アプリケーション

学習記録データ

多様な情報端末、複数OSへ対応できる。

ユーザー情報

学習記録データ

電子黒板等に、複数の画面を表示する機能等

• 学習記録データの蓄積機能等

• ログイン機能等

イメージ図

管理運用システム

※ 本事業の「学習者用デジタル教科書・教材」は、教科書に準拠しているものの、法令上は、教科書とは別の教材と位置づけられる。

Page 11: 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 · 2019. 11. 15. · 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 文部科学省生涯学習政策局情報教育課

学習者用デジタル教科書・教材の開発状況

平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度

※学習者用デジタル教科書・教材は、実証校の授業で活用することから、当該学校で使用している教科書に準拠したものを開発した。また、学年、分野、領域、単元等のバランスに配慮してモデル的に開発が行われ、その後、学年、単元を増やしていった。 10

Page 12: 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 · 2019. 11. 15. · 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 文部科学省生涯学習政策局情報教育課

学習者用デジタル教科書・教材の主な機能

11

Page 13: 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 · 2019. 11. 15. · 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 文部科学省生涯学習政策局情報教育課

拡大機能

12

教科書ビュー

挿絵の一覧画面

「とじる」ボタン「いちらんへ」ボタン

クリック

ダブルクリック

大きく表示した画面

・ 教科書ビュー、大きいビューの挿絵をダブルクリックすると、その挿絵が大きく表示される。・ 「さし絵」ボタンをクリックすると、挿絵の一覧が表示されます。表示したい挿絵をクリックすると、大きく表示される。・ 「いちらんへ」ボタンをクリックすると、挿絵の一覧画面に戻る。・ 「とじる」ボタンをクリックすると、挿絵画面は閉じ、教科書ビュー又は大きいビューの画面に戻る。

Page 14: 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 · 2019. 11. 15. · 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 文部科学省生涯学習政策局情報教育課

書き込み機能・音声再生機能

朗読ツール画面を拡大して表示したり、拡大した画面を動かしたりすることができる。(教科書ビュー・大きいビュー・さし絵のみ)

アルバムにほぞん : 画面(書き込みも含む)をマイアルバムに保存する。 保存した画面は、教員ややほかの児童に送信することもできる。

ファイルほぞん : 画面(書き込みを含む)を画像ファイルとして保存する。デジタル教科書の画面をほかのソフトに貼り付けるときなどに使用する。

画面上にさまざまな書き込みができる。

書き込みツールの種類■ペン、マーカー、とうめいマーカー ■線、四角

■スタンプ

書き込みツール

保存ツール

ここから読む : 本文の朗読音声を再生することができる。指定した文もしくは部分から最後まで続けて再生できる。

ここを読む : 指定した文もしくは部分を読み上げる。脚注や一部の図も指定して再生することができる。

■一部の教材には、二つの朗読音声が収録されており、聞き比べをすることができる。

移動・拡大ツール

■音読記号

■文字スタンプ

音声再生機能

書き込み機能

13

Page 15: 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 · 2019. 11. 15. · 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 文部科学省生涯学習政策局情報教育課

書き込み機能の主な例

14

児童が線を引いた画面は、教員が電子黒板に提示することにより、学級全体で読み取るべき内容を共有したり、各自の読み方の違いに気付いたりすることができる。

上のページに比べ、青色の線が多くなっており、視点が「ごん」から「兵十」に移ったことが、視覚的に分かる。

(4年『ごんぎつね』20~21ページ)

(4年『ごんぎつね』10~11ページ)

○線の引き方の例示赤色の波線: 「ごん」の気持ち赤色のマーカー: 「ごん」の気持ちが分かる

行動や様子青色の波線: 「兵十」の気持ち青色のマーカー: 「兵十」の気持ちが分か

る行動や様子

Page 16: 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 · 2019. 11. 15. · 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 文部科学省生涯学習政策局情報教育課

「天気の変化」

「次の日」をクリックすると、衛星写真とアメダス図が連動して、翌日の気象状況に切り替わる。

小学校 理科(5年)

小学校 外国語活動(5年)

小学校 社会(5年)

「自動車を作る工業」

小学校 国語(5年)小学校 算数(5年)

展開図のシミュレーション画面。右下のボタン展開したり、様々な角度から見ることができる。

発音練習画面。児童が発音したものを音声認識して自動チェックを行う機能などがある。

漢字の書き順確認画面。筆順がアニメーションで表示される。

動画コンテンツ画面。自動車工場の「プレス」「溶接」「塗装」といった動画を閲覧できる。

「発音練習」「立体を詳しく調べよう」 「漢字の筆順」

その他の機能例

15

Page 17: 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 · 2019. 11. 15. · 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 文部科学省生涯学習政策局情報教育課

(1)教科ごとの活用について

16

○小学校

• 「デジタル教科書は使いやすいと思う」について、全教科・全学年で80%以上の児童が肯定的に評価している。

○中学校• 「デジタル教科書は使いやすいと思う」について、全教科・全学年で概ね75%以上の生徒が肯定的に評価している。

• 第1学年の数値が他の学年より比較的高い傾向が見られる。

Page 18: 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 · 2019. 11. 15. · 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 文部科学省生涯学習政策局情報教育課

(2)他の授業への期待

○小学校

• 「もっと多くの授業で、デジタル教科書を使った勉強をしたいと思う」については、全教科・全学年で80%以上の児童が肯定的に回答している。

○中学校• 「もっと多くの授業で、デジタル教科書を使った勉強をしたいと思う」について、全教科・全学年で70%以上の生徒が肯定的に回答している。

• 1学年の数値が、他の学年よりも比較的高い傾向が見られる。

17

Page 19: 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 · 2019. 11. 15. · 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 文部科学省生涯学習政策局情報教育課

(3)授業で使用した機能

18

○小学校• 「画面を大きくしてみること」「画面上に線や文字を書くこと」は、国語科、算数科、理科、社会科で60%以上使用されている。

• 「アニメーションや動画を見ること」は理科、外国語活動で、「紙の教科書にはない写真、絵、資料などを見ること」は、社会科、理科、外国語活動で、約60%以上使用されている。

• 「画面への書き込みなどを保存し、また、見ること」は国語科、算数科で約60%以上で使用されており、他の教科等よりも比較的よく使用されている。

• 外国語活動の「詩や文章の読み上げなどを聞くこと」や、算数科の「画面上で図を動かしたり、数を変えて調べたりすること」では、他の教科より数値が高く、教科等の特性に応じた数値の傾向が見られる。

○中学校• 「画面を大きくしてみること」は、全教科において約70%以上使用されている。

• 「画面上に線や文字を書いたりすること」は数学科、外国語科、理科で、「アニメーションや動画を見ること」は理科、外国語科で、「紙の教科書にはない写真、絵、資料などを見ること」は、国語科、外国語科、理科、社会科で、約60%以上使用されている。

• 国語科、外国語科の「詩の朗読や英語の発音などなどを聞くこと」や、数学科の「画面上で図を動かしたり、数を変えて調べたりすること」では、他の教科より数値が高く、教科の特性に応じた数値の傾向が見られる。

Page 20: 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 · 2019. 11. 15. · 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 文部科学省生涯学習政策局情報教育課

健康面における留意事項

ICTを活用した授業の前後で、児童生徒の身体の調子に顕著な変化は見られないが、タブレットPCや電子黒板の画面への光の反射による映り込みや、児童生徒の姿勢の悪化等への対応が必要

19

○ICT活用による児童生徒の健康面への影響について、特に目の疲労や

姿勢に関する配慮事項を具体的に整理。

・教室の明るさ

遮光カーテンの使用や照明環境の工夫により、状況に応じて教室

内の明るさを調整する。

・電子黒板

遮光カーテンの使用による画面への光の反射の防止や、画面上の

文字の大きさ・色に配慮する。

・タブレットPC

画面の角度を調整することにより、画面への光の反射を防止する。

・児童生徒の姿勢等

机やいすの高さや適切な姿勢に配慮する。

「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック」のポイント

ICT活用に取り組む教員等に向けて、健康への影響等に関して留意すべきポイントを整理

「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック」を作成し、周知

<授業前後における身体の各部位の調子の変化>

<現地訪問調査>• 机の高さが児童生徒の体格にあっていないため、タブレットPC利用時の姿勢が悪化する事例が発生している。

• 机の面積が狭い、視力が低い等で画面と目との距離が近いために前傾姿勢となる事例が発生している。

Page 21: 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 · 2019. 11. 15. · 「学びのイノベーション事業」 実証研究報告 文部科学省生涯学習政策局情報教育課

タブレットPC及び電子黒板の画面の見やすさ

20

<画面の見にくさの要因>

<画面の見にくさの要因>

(小学校)

(中学校)

(小学校)

(中学校)

<タブレットPC>

<電子黒板>(小学校)

(中学校)

(小学校)

(中学校)