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「デジタル時代の新たなIT政策⼤綱(案)」の概要 内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室 令和元年6⽉ 資料1-1

「デジタル時代の新たなIT政策⼤綱(案)」の概要1.「デジタル時代の新たなIT政策 綱」の位置づけ 平成30年12 19 第75回IT戦略本部安倍総理

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Page 1: 「デジタル時代の新たなIT政策⼤綱(案)」の概要1.「デジタル時代の新たなIT政策 綱」の位置づけ 平成30年12 19 第75回IT戦略本部安倍総理

「デジタル時代の新たなIT政策⼤綱(案)」の概要

内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室令和元年6⽉

資料1-1

Page 2: 「デジタル時代の新たなIT政策⼤綱(案)」の概要1.「デジタル時代の新たなIT政策 綱」の位置づけ 平成30年12 19 第75回IT戦略本部安倍総理

1.「デジタル時代の新たなIT政策⼤綱」の位置づけ平成30年12⽉19⽇ 第75回IT戦略本部 安倍総理⼤⾂指⽰事項(要旨)

①⾃由で開かれた国際データ流通圏を世界に広げていくための国際連携を進めてください。

②個⼈情報保護法を始め必要な国内の法令整備と、体制強化に直ちに着⼿してください。③AI時代の⼈材育成や、時代遅れとなったシステムの刷新など、官⺠の緊密な連携の下、

取組を強⼒に推進してください。④各⼤⾂におかれてはこれらの政策に関し、平井⼤⾂を中⼼に来年春を⽬途に、

Society5.0時代に向けた「新たなIT政策⼤綱」を取りまとめ、速やかに実⾏してください。

上記の総理指⽰事項と、①急速に進展するスマホ、SNS、AIなどの「デジタル技術・サービス」、②デジタル技術を駆動させる戦略資源として国際的な獲得競争が進む「データ」、③デジタル技術・サービスにより恩恵を受ける⼀⽅で激しい変化の中にある「国⺠⽣活・ビジネス」、などの現状と実態を踏まえて、

この時代(=デジタル時代)に特に求められる政策を⼤綱としてとりまとめるもの。

「デジタル時代の新たなIT政策⼤綱」の位置づけと意義

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デジタル時代の国際競争の「第2幕」

2.デジタル時代の国際競争は「第2幕」へ移⾏(⼤綱の⽬的①)

第1幕は、 が競争の場。

⽇常の⾏為 を、サイバー空間で可能にするサービスが世界に普及。サイバー空間での が競争の軸。

デジタル時代の国際競争の「第1幕」第2幕は、サイバーとフィジカルの融合が競争の場。

AIで分析したデータを、フィジカル(現場)に適⽤し、ビジネスの⾼度化を図る競争。⽇本の強みである「カイゼン」・「すり合わせ」・「現場⼒」などを⽣かせるチャンス。⼀⽅で、フィジカル空間のデジタル化の競争に負ければ、

⽇本は「勝ち筋」を失うリスクもある。

モビリティ・サービス 健康・医療・介護 農業フィジカル空間

サイバー空間

現場のデータを集積したプラットフォームの構築

現場データの収集

AIなど解析技術

解析データを活⽤したフィジカル空間の⾼度化

「第2幕」で勝つため、デジタル化やデータ活⽤の基盤整備を進める、新たな政策対応が必要。 2

232,877

24,509

136,819

23,651

55,838

7772009

2009

2009

2018

2018

2018Amazon(電⼦商取引等)

Google(Alphabet)(検索等)

Facebook(SNS等)

デジタル技術を活⽤した利便性の⾼いサービスを提供。この10年間で、⼤きく事業を拡⼤。

単位︓100万ドル各社Annual Reportより作成

「第1幕」の競争は、 が世界で事業を拡⼤。

約9.5倍

約5.8倍

約71.8倍

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0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

1950

1955

1960

1965

1970

1975

1980

1985

1990

1995

2000

2005

2010

2015

2017

2020

2025

2030

2035

2040

2045

2050

2055

2060

2065

社会全体のデジタル化による課題解決

3.社会全体のデジタル化による課題解決へ向けて(⼤綱の⽬的②)

⽇本の⾼齢化率は、世界と⽐較しても 。1.少⼦⾼齢化の現状

社会全体のデジタル化を、⼀気に進めるための新たな政策対応が必要。

15〜64歳

0〜14歳

65歳以上

15〜64歳の⼈⼝は減少傾向が続くことが予想されている。

2.戦略的なデジタル⽴国-エストニアの事例1991年の独⽴直後から、

、⼩国だが、 を実現。(⼈⼝132万⼈、国⼟は⽇本の1/9)

⾏政⼿続 99%がオンラインで⼿続可能

IDカード 98%の国⺠が所有

納税 95%はオンラインで納税

99%の⾏政⼿続はネットで完結。⺠間の(「スカイプ」は同国のベンチャー企業が開発)。

会社設⽴ 98%がオンライン設⽴

銀⾏取引 99%がオンライン取引

健康医療 99%の国⺠がデジタルの医療記録を保有

通常国会で成⽴した をきっかけに、⼀気に社会全体のデジタル化を進める。

3.デジタル⼿続法

⾏政⼿続オンライン化法(平成14年)

デジタル⼿続法(令和元年)

①⾏政機関にオンラインの裁量

②システム整備は各省の判断。

③⼾籍など添付書類は紙での提出を求める⼿続が存在

①⾏政機関にオンライン化を義務付け

②オンライン化の対象⼿続を閣議決定(整備計画)

③添付書類撤廃を義務付け

改正

参考となる

モデル

デジタル化に向けた⼤きなステップ

地方のデジタル化

デジタル⼿続法に基づく取組をスピード感を持って進める。

デジタル化を後押し。

民間のデジタル化

国のデジタル化

デジタル化を後押し。

少⼦⾼齢化を克服するためには、⼿続などに時間を取られない、⽣産性が⾼く簡素・効率的で豊かな社会の実現が⼀つの⽅途。

3

年代別の⼈⼝の推移(将来推計)

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4.デジタル時代の新たなIT政策⼤綱(全体像)

②官⺠のデジタル化の推進

①データの安全・安⼼・品質デジタル時代のイノベーションの源泉である「データ」は、「21世紀の⽯油」として戦略資源となっている安全・安⼼を確保する政策により、国⺠や企業が⾃由・安全にデータを活⽤できる環境を整備。

国際的なデータ流通網の構築

DFFTの実現⾃由・安全にデータを活⽤できる環境整備

個⼈情報の安全性確保

サイバーとフィジカルの融合を前提としたセキュリティ対策

重要産業のオペレーションデータ

個⼈情報保護とイノベーションのバランスを考慮し、「個⼈情報保護法・関係法令」の⾒直しを進める

政府・公共調達の安全性確保

政府調達の安全対策の実施政府クラウドの安全性評価基準の策定

⾏政のデジタル化の徹底

官⺠が⼀体となって、レガシーシステムの刷新などを進め、デジタル・トランスフォーメーションを推進。「デジタル時代の第2幕」の国際競争に勝ち抜くため、データやAIを最⼤限活⽤する環境整備を進める。

⺠間のデジタル化の推進

プラットフォーマー型ビジネスに対応したルール整備

AI活⽤型社会の構築

5Gインフラの全国展開

デジタル時代の新しいルール設計

政府情報システム関係予算の⼀括計上マイナンバーカードの利活⽤推進

デジタル化を後押しする「格付制度」の創設

公平・公正なデジタル市場の実現

AIの利活⽤推進AI時代の⼈材育成

きめこまかな5Gの全国展開

アーキテクチャによるルール設計 4

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「デジタル時代の新たなIT政策⼤綱」における各政策の概要

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1.国際的なデータ流通網の構築(DFFT) デジタル時代の競争⼒の源泉である「データ」は、特定の国が抱え込むのではなく、プライバシーやセキュリティ・知的

財産などの安全を確保した上で、原則として国内外において⾃由に流通することが必要。 平成31年1⽉のダボス会議において、⽇本から発信した「データ・フリーフロー・ウィズ・トラスト(DFFT)」のコン

セプトについて国際的に共通認識を得て、その実現を⽬指す。

<今後の進め⽅> 本年、⽇本で開催されるG20貿易・デジタル⼤⾂会合(6⽉8・9⽇)やG20⾸脳会合(6⽉

28・29⽇)などの国際的な議論の場を活⽤し、各国の共通理解を醸成しつつ、⽇本がリーダーシップを発揮してDFFTのコンセプトの共有を進める。

⾃由で開かれたデータ流通 データの安全・安⼼

○WTOに基づく「デジタル貿易ルール」・本年1⽉のWTO電⼦商取引有志国会合で77か国が交渉に参加。

○多国間での制度協⼒・本年1⽉に⽇EU間の個⼈データに係る相互認証枠組みの構築(⼗分性認定)

Data Free Flow with Trust(DFFT)

<取組例>

・CBPRの推進(APEC)

6

本文1‐①p19‐20

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1 個⼈の権利の在り⽅ 事業者負担など多⾯的な検討に留意しつつ、利⽤停⽌等(事業者等に対する個⼈情報の削除・利⽤停⽌請求)に関して個⼈の権利を広げる⽅法などの検討。

2 漏洩報告の在り⽅ 漏洩報告の義務化と軽減措置の在り⽅の検討(現⾏は努⼒義務)

3 個⼈情報保護のための⾃主的な取組

「認定個⼈情報保護団体制度」の機能と役割の拡充などによる、⺠間の⾃主的な取組を促進する仕組の検討。

4 データ利活⽤に関する施策の在り⽅

イノベーションを促進する観点から、より柔軟なパーソナルデータの利活⽤⽅法の検討(個⼈情報と匿名加⼯情報制度の中間的な規律の必要性) など。

5 ペナルティの在り⽅ 現⾏のペナルティ(最⼤1年以下の懲役⼜は50万円以下の罰⾦)では実効性が不⼗分との議論と、事業者に対する萎縮効果なども踏まえ、適切な在り⽅を検討。

6法の域外適⽤(イコール・フッティングの確保)・越境移転の在り⽅

外国事業者に対する法執⾏の域外適⽤・執⾏⼿法について、各国主権との関係整理の視点なども含めて検討(現⾏では外国事業者に対する「報告徴収・⽴⼊検査」や「命令」は規定されていない)。

個⼈データの保護と円滑な流通に向けた国際的な枠組み構築を主導するとともに、越境移転にかかる課題(外国政府による個⼈データへのアクセスや過度なローカライゼーション)への対応検討。

2.個⼈情報保護法の⾒直し等

7

個⼈情報保護法の「いわゆる3年ごとの⾒直し」を⾒据え、本年1⽉より、個⼈情報保護委員会において、実態把握や議論整理等を⾏い、中間整理をとりまとめ、公表(平成31年4⽉25⽇)。

個⼈情報保護とイノベーションを促進する観点とのバランスを考慮しつつ、国内外の事業者のイコール・フッティングを確保するための対応等を含めて検討を進め、令和2年早期の法案提出を⽬指す。

本文1‐②P21‐22

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3.「サイバー・フィジカル・セキュリティ対策フレームワーク」の実装 サイバー空間とフィジカル空間が融合する社会で求められるセキュリティ対策の全体像を「サイバー・フィジカル・セキュリ

ティ対策フレームワーク(CPSF) 」として取りまとめ、公表(平成31年4⽉18⽇)。

産業分野別ガイドラインの策定に加えて、データ区分に応じたセキュリティ対策、IoT機器等のセキュリティ対策及びOSS(※)を含むソフトウェアの管理⼿法についても検討を開始し、考え⽅を整理する。

サイバー空間におけるつながり【第3層】

⾃由に流通し、加⼯・創造されるサービスを創造するためのデータの信頼性を確保

フィジカル空間とサイバー空間のつながり

【第2層】フィジカル・サイバー間を正確に“転写“する機能の信頼性を確保(現実をデータに転換するセンサーや電⼦信号を物理運動に転換するコントローラ等の信頼)

企業間のつながり【第1層】

適切なマネジメントを基盤に各主体の信頼性を確保

サプライチェーンの信頼性を確保する観点から、”Society5.0”における産業社会を3層から捉え、それぞれにおいて守るべきもの、直⾯するリスク源、対応の⽅針等を整理。

サイバー・フィジカル・セキュリティ対策フレームワーク(CPSF)

ビルSWG電⼒SWG

防衛産業SWG

スマートホームSWG⾃動⾞産業SWG

・・・

標準モデル(CPSF)

産業サイバーセキュリティ研究会WG1(経済産業省)

CPSFの具体化・実装に向けた検討を促進

分野

横断

SWG

『第3層』 TF (⇒ データ区分に応じて適切なセキュリティ対策要件 等)

ソフトウェア TF (⇒ OSSを含むソフトウェア管理⼿法 等)

『第2層』 TF (⇒ 機器のラベリングの仕組、認証制度の在り⽅ 等)

産業分野別の検討

分野横断的な検討

(※)OSS︓OpenSourceSoftwareの略

本文1‐③P23‐24

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4.セキュリティ対策を⽀える産業・検証サービス基盤整備 国⺠⽣活・経済活動を⽀える産業のセキュリティ対策においては、そこで利⽤されるデジタル機器やサービスについて、

信頼あるサプライチェーンを確保することが重要。 特に、あらゆるデジタル機器内のデータの管理・処理を担う半導体は、通信インフラ・IoT機器等の性能や競争⼒を

左右するとともに、そのセキュリティを確保する上で、極めて重要な製品。 令和元年度内に、信頼あるサプライチェーンを確保するための政策について検討を⾏い、結論を得る。

半導体

デジタル機器⾃動⾞

通信機器

データセンタ

⽔道業

スマートフォン

医療業

産業機器

パソコン

デジタル機器を⽤いる産業・サービス

製造業運輸業

デジタル機器やサービスのセキュリティ確保

データを管理・処理する半導体のセキュリティ確保

【⼤前提】

⾦融業 電気業情報通信業 等

本文1‐③P24

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5.セキュリティ対策を⽀える産業・検証サービス基盤整備〜 サイバーセキュリティ対策に必要な機器・部品の円滑な調達の実現には、当該機器・部品の安全性・有効性を確認

し、検証する仕組みの構築が不可⽋。

IoT機器等の信頼性を⾼度に検証するハイレベルな検証サービスに関する実証を開始。効果的な検証⼿法の在り⽅などについて整理し、⾼⽔準・⾼信頼のセキュリティ関連機器の検証サービスの基盤を⽇本に構築(Proven in Japan)。

ネットワークキャプチャ

検証⼿法・検証ツール(リバースエンジニアリング・

ネットワークキャプチャ 等)検証事業者

(ホワイトハッカー 等)

①各検証⼿法を⽤いた、対象機器・システムごとの検証結果

⇒IoT機器等毎の効果的な検証⼿法の考え⽅を整理

②検証事業者に求められる、情報管理体制等の考え⽅の整理

⇒信頼できる検証主体を確認する仕組みの検討

③技術開発⽀援などにより、我が国の検証技術の⾼度化

⇒検証サービスの効果向上

・ネットワークに常時接続する端末機器・サイバー攻撃を受けることにより事故に繋がる可能性があるもの 等

検証対象

実証 実証の成果と活⽤のイメージ

検証ビジネスの普及展開

期待される効果

検証サービスの効果・信頼性

向上

検証事業

検証技術等の技術開発(内閣府SIPプロジェクト、AIチッププロジェクト 等)

本文1‐③P24

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6.政府におけるクラウドサービス導⼊に際しての安全性確保

基準の策定 調達前審査 更新審査

監査報告書の提⽰(各省独⾃部分) (共通部分)

クラウドサービス提供者(サービス単位)

監査依頼

監査実施

管理基準

策定

調達を⾏う省庁

監査

登録簿

監督選定

本制度を所掌する政府機関

監査主体⼊札

監査報告書の提⽰サービスの登録申請

登録登録抹消

調達

仕様書の提⽰登録簿への登録を調達要件化

助⾔監督

監査結果を報告

助⾔監督

監査依頼

調達

政府においてもクラウドの活⽤によりシステムの効率化や⾏政サービスの利便性向上を図ることが期待されている。その⼀⽅で、クラウドサービスの導⼊に際しては、⼗分なセキュリティ対策が不可⽋。

そのため、政府がクラウドを導⼊する際の安全性評価の仕組みを策定。令和元年夏から制度についてシミュレーションを実施し、制度により安全性が評価されたクラウドの利⽤が可能となるよう環境整備を進める。

マネジメント基準ガバナンス基準

管理策基準レベル3 レベル2 レベル1

管理基準は管理策基準、マネジメント基準、ガバナンス基準からなる。

管理策基準を中⼼に、求めるセキュリティレベルに応じて基準の項⽬数・強度等に差異を設ける。 11

本文1‐④P25

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⾏政のデジタル化の⽬的は、単に紙をデジタルに置き換えることではなく、業務改⾰(BPR)を進めつつ、デジタル技術を前提とした政策⼿法の改⾰や⾏政サービスの質の向上を図ることにある。

そのためには、政府情報システムの⼀層の改⾰を進め、データの標準化、情報システム間の互換性、スムーズな情報連携、⾼度なセキュリティ対応などの確保を、政府として統⼀性を確保しつつ効率的に実現していくことが必要。

統⼀的な政府情報システムの将来的な在り⽅(グランドデザイン)に基づく横断的かつ業務改⾰(BPR)を意識したサービス視点での政府情報システムの整備・運⽤を実現する観点から、政府情報システムの統⼀的管理のための取組を抜本的に強化。

・現⾏の府省共通システムを中⼼に、政府全体で共通的に利⽤するシステム、基盤、機能等を「デジタルインフラ」と位置づけ、デジタルインフラの整備・運⽤に係る予算は、原則として、内閣官房の下に⼀括計上。令和2年度(2020年度)予算から順次開始。

・内閣官房IT総合戦略室が横断的⾒地から執⾏に関与し、クラウドを始めとするデジタルインフラの活⽤、デザインやデータの標準化、セキュリティ・バイ・デザインなど、統⼀感あるデジタル化を実現。

・政府CIOの指揮の下、IT室が財政当局及び総務省⾏政管理局と連携しつつ、予算要求前から予算査定段階、予算執⾏段階まで、年間を通した⼀元的なプロジェクト管理を令和元年度(2019年度)から⼀部実施し、順次拡⼤。

・経費の妥当性のみならず、デジタルインフラの整備・利⽤、デザイン・データの標準化、セキュリティレベルの共通化等に寄与。

・機動的かつ効率的、効果的なシステム整備に資するよう、契約締結前に、複数事業者と提案内容について技術的対話を可能とする調達・契約⽅法を、令和2年度(2020年度)から試⾏的に開始。

7.政府情報システムの予算要求から執⾏の各段階における⼀元的なプロジェクト管理の強化

情報システム関係予算の⼀括計上 ⼀元的なプロジェクト管理への移⾏

技術的対話を取り⼊れた調達・契約⽅法

12

本文2‐①P26

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8.マイナンバーカードの普及促進等のポイント 国⺠がマイナンバー制度のメリットをより実感できるデジタル社会を早期に実現するため、マイナンバーカードの

普及、その利活⽤を強⼒に促進するとともに、マイナンバーの利活⽤を図る。 関係府省庁が連携し、「マイナンバーカードを活⽤した⾃治体ポイントの実施」や「マイナンバーカードの健康保

険証利⽤の仕組み」など、マイナンバーカードの利便性を実感できる施策を順次実施する。1.⾃治体ポイントの実施 消費税率引き上げに伴う消費活性化策として令和2年度に予定されている⾃治体ポイントの実施にマイナンバー

カードを活⽤。 マイキープラットフォームの改修や制度の具体化・広報、マイナンバーカードを活⽤したキャッシュレス基盤の構築等、

利⽤環境の整備等を着実に進める。

3.マイナンバーカードの円滑な取得・更新の推進等 安全・安⼼で利便性の⾼いデジタル社会をできる限り早期に実現する観点から、令和4年度中にほとんどの住⺠が

マイナンバーカードを保有していることを想定し、国は具体的な⼯程表を8⽉を⽬途に公表。市町村ごとのマイナンバーカード交付円滑化計画の策定の推進と定期的なフォローアップを⾏うとともに必要な⽀援を実施。

マイナンバーカードの利便性、保有メリットの向上、利活⽤シーンの拡⼤。

2.マイナンバーカードの健康保険証利⽤ マイナンバーカードの健康保険証利⽤の仕組みを令和3年3⽉から本格運⽤。 全国の医療機関等ができる限り早期かつ円滑に対応できるよう、令和4年度中に概ね全ての医療機関での導⼊

を⽬指し、具体的な⼯程表を8⽉を⽬途に公表。医療機関等の読み取り端末、システム等の早期整備に対する⼗分な⽀援を実施。

令和4年度末までの具体的な移⾏スケジュールを含め、保険者毎の被保険者のカード取得促進策を本年8⽉を⽬途に公表。国家公務員や地⽅公務員等による本年度中のマイナンバーカードの取得を推進。

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本文2‐①P27

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0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%

⽇本企業の8割が複雑化・ブラックボックス化した「レガシーシステム」を抱え、デジタル・トランスフォーメーションが進まない要因となっている。

デジタル・ガバナンスを強化するための多⾯的な要素を評価軸とする「格付制度」を創設。投資家等の判断材料とすることで、企業経営者に対してデジタル化を進めるインセンティブを与える。

ゴールド シルバー ブロンズ

競争性・効率性と安全性の両⾯から総合的に評価するための基準を策定。

レガシー刷新・DX推進の取組(DX推進指標)

サイバーセキュリティの取組等

「デジタルガバナンスコード」の基準に基づく評価結果に応じて、「格付マーク」を付与。

基準

「格付」が投資家等の判断材料となる。デジタル化に取り組むインセンティブ付与。

企業

9.⺠間のDXの推進(「デジタルガバナンスコード」・「DX格付制度」の創設)

既に⽼朽システムはない

⼀部領域のみ⽼朽システムは残っている半分程度が⽼朽システムである

ほとんどが⽼朽システムである

その他

13.5% 40.9% 25.5% 19.2%

⽇本企業の約8割がレガシーシステムを抱えている。

デジタル・トランスフォーメーションを進める上での「⾜かせ」となっているのみならず、貴重なIT⼈材を新技術開発などの攻めの対応に配置できていない。

出典︓経済産業省 「DXレポート〜ITシステム「2025の崖」の克服とDXの本格的な展開」 14

本文2‐②P29‐30

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10.社会インフラ部⾨等(⽔道等)のシステム共通化 厚⽣労働省と経済産業省は、各⾃治体の⽔道事業体が縦割りで管理するデータの有効活⽤を促すため、共通プ

ラットフォーム構築のための実証実験を実施。 ①縦割りで保有していたシステムの縮⼩・不要化が可能となるため、⽔道事業の広域化・コスト削減が可能に、②

AIなどの活⽤が可能となり⽔道事業の⾼度化・効率化が可能となる、などの効果・メリットを確認。 今後、少⼦⾼齢化による財政的・⼈的なリソース不⾜に直⾯する、下⽔道、病院などの社会インフラ分野や⺠

間のシステム共通化の取組にも応⽤可能。この取組の横展開を図るため、⽀援機能・体制を構築していく。

15

データA データB データC

データの接続仕様が⽔道事業体のシステム毎に異なるため、データ連携・利活⽤が困難

システムを個別に維持管理するため、⼈材やITコストが個別に発⽣し、社会的に⾮効率

⽔道事業体Aのシステム

運⽤コスト

⽔道事業体Bのシステム

⽔道事業体Cのシステム

運⽤コスト 運⽤コスト

データA データB データC

共通プラットフォーム

データ流通の共通ルールを定め、異なる⽔道事業体間のデータ連係・利活⽤を促進

共同利⽤によりITコストを割り勘、低コスト化を、セキュリティの確保も含め実現

⽔道事業体A ⽔道事業体B ⽔道事業体C利⽤ 利⽤ 利⽤

運⽤コスト(プラットフォームを利⽤する⽔道事業体で分散)

本文2‐②P30

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11.実践的なAI・データ⼈材育成

PBL(Project Based Learning※)を⽤いた実践的な⼈材育成プログラム

AI Quest⺠間教育機関(オンライン・通信を含む)

⺠間教育機関(オンライン・通信を含む)

海外⺠間教育機関、海外⼤学海外⺠間教育機関、海外⼤学※実際のデータを基にしたプロジェクトを解くことによる実践的な学習形式のこと

821

2830

3945

0 10 20 30 40 50

適切な相談相⼿が⾒付からない

費⽤対効果が望めない

必要なコストの負担が⼤きい

新技術について理解していない

⾃社の事業への活⽤イメージがわかない

技術・ノウハウを持った⼈材が不⾜している

0 20 40 60

顧客ニーズの適切な把握

売上⾼の増加

⽣産管理、在庫管理の⾼度化・最適化

⼈的ミスの削減

業務の効率化・コスト削減

⾮製造業(n=63) 製造業(n=59)

AI・ビッグデータ・IoTで解決できる中⼩企業の経営課題(業種別)

(出典)中⼩企業の成⻑に向けた事業戦略等に関する調査(2016年11⽉)※AI・ビッグデータ・IoTを活⽤している中⼩企業が実感した効果のアンケート結果(複数回答)

(%)

中⼩企業がAI・ビッグデータ・IoTを活⽤する際の課題

AI Questの事業イメージ(案)

⼈材関連の課題

運営委託国内⼤学・⾼専国内⼤学・⾼専 受講・連携

単位互換 修了後、企業への就職、

AIスタートアップの起業等を想定

課題・データ提供元企業

地⽅版ラボのネットワークを活⽤し、地域の中⼩企業等が連携した課題も発掘

課題・データ提供元企業

地⽅版ラボのネットワークを活⽤し、地域の中⼩企業等が連携した課題も発掘

課題・データ提供

課題の解決策の提供

(%)

AI⼈材の「卵」

〇AI・データを⽤いて解決できる経営課題は多岐にわたる。他⽅、中⼩企業がAI・データを活⽤するには、主に、スキル・ノウハウの不⾜が課題となる。(AIを活⽤している中⼩企業はわずか1.2%(2017年12⽉時点))

〇AI⼈材の「卵」(受講⽣)が、中⼩企業から提供された課題・データを活⽤して、中⼩企業の経営課題等を解決することなどで、スキル・ノウハウを蓄積し、この成果を広く横展開する事業(「AI⼈材育成」と「中⼩企業のAI活⽤」を同時に実現する施策=「課題解決型AI⼈材育成事業(AI Quest)」)の実証を⾏い、成果を国内外へ展開する。また、課題解決型のAI⼈材育成事業を⾏う企業等に対する認定制度も検討・実施予定。

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本文2‐④P33

Page 18: 「デジタル時代の新たなIT政策⼤綱(案)」の概要1.「デジタル時代の新たなIT政策 綱」の位置づけ 平成30年12 19 第75回IT戦略本部安倍総理

Society 5.0時代の基盤となる5G・光ファイバの整備とその利活⽤の好循環を⽣み、地域格差・⼈⼿不⾜解消、⽣産性向上等、地域社会の課題を解決。通信事業者と多様なプレイヤーとの協業による5Gの産業利⽤とイノベーションを促進。

5G基地局とこれを⽀える光ファイバ等の全国早期展開に向けた⽀援、「ローカル5G」の制度化(令和元年内)、ネットワークのセキュリティ対策とともに、円滑・迅速な社会実装に向けたフィールドトライアル型研究開発、産業・ビジネス創出に寄与する産学連携を推進。

遠隔医療・教育テレワーク・サテライトオフィス

場所に縛られない柔軟な働き⽅を実現

企業機能の移転、都会から地⽅への⼈の流れ

4K/8K、AI等活⽤。地域で質の⾼い医療・教育を実現

地域格差の解消

スマートシティ

データの活⽤で地域課題を解決

広域連携の促進

地域課題解決に資する5G開発実証

「5Gの次」を視野に要素技術開発

⇒フィールドトライアル型研究開発

⇒産学連携

・・・

地域のICTインフラ整備を着実に推進

Society 5.0時代の基盤となる5G・光ファイバの整備とその利活⽤

5G環境の整備5Gのサービスを⽀える基地局や、光ファイバ等の情報インフラ整備

⇒ 全都道府県でサービス開始(2年以内)⇒ 条件不利地域⽀援

ローカル5G地域ニーズに応じて、様々な主体が柔軟に構築・利⽤可能な5G

⇒ 制度化(令和元年内)

安全・安⼼なサービス「ネットワーク機器に

つながるIoT機器」激増⇒ セキュリティ対策⇒ 機器識別に不可⽋な番号の

追加的な確保(100億個)

これらを⽀える研究開発

12.5Gを軸とした協業促進によるインフラ再構築

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C市

B市

A市

共通データ連携基盤

さまざまなデータを収集気象気象 観光観光交通交通健康・医療健康・医療

地域課題の解決

農林水産農林水産

N町・・・・・・

本文2‐⑤P34

Page 19: 「デジタル時代の新たなIT政策⼤綱(案)」の概要1.「デジタル時代の新たなIT政策 綱」の位置づけ 平成30年12 19 第75回IT戦略本部安倍総理

13.デジタル時代の新しいルール設計(デジタル時代に適した「アーキテクチャ」に基づくルールの構築)

アーキテクチャ設計

安全・安⼼

フィジカル空間

法⼈・個⼈

アーキテクチャ設計

異なるシステム間の連携促進のための標準的基盤を策定

デジタル空間・フィジカル空間をまたがるビジネスにふさわしいルール

フィジカル空間の中だけのビジネスを前提としたルール

ヒト・⽂書による確認

国がつくる法規範と⺠間主導のデジタル技術規範との在り⽅を同時に検討し、ルールの柔軟性・実効性を確保

専⾨家によるアーキテクチャ設計体制

デジタル技術を活⽤した様々な新技術やサービスが⽣まれる中、各国は「アーキテクチャ」の設計によって、システム間の相互運⽤性と安全性・信頼性を確保しつつ、サービスとものづくりを融合したプラットフォーム型サービスの創造と市場の拡⼤を実現。

安全・安⼼

フィジカル空間AI・データやドローンによる確認

デジタル空間

法⼈・個⼈

⽶・“SmartGridFramework”スマートグリッドに係るガイドラインの策定と、全体として標準化すべき部分の特定。需要の変動予測やエネルギーマネジメントの効率化を実現。

独・“RAMI 4.0”

Industrie 4.0の実現に向け、どのような標準・ユースケースなどが必要かについての共通理解を図るリファレンスモデル。

印・“India Stack”

世界最⼤の公的認証基盤。サービス構造の⾒取り図を整理し、Stackを軸に様々なプレイヤーがサービスを 提供できる環境を整備。

Society 5.0の実現を⽬指す⽇本においても、官⺠で協⼒してアーキテクチャ設計に取り組む本格的な体制を整備するとともに、デジタル時代の市場・サービスの創造にふさわしいルール整備にも反映させる。

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本文2‐⑥P35