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http://nodaiweb.university.jp/chemistry
第12回�
有機化学の基礎(2) 有機化合物の命名法
保存版
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☆主な有機化合物の分類
RーH
C=C C=C
C≡C
RーOーR‘
RーOH
RーNH2
R R'
OR H
OR OH
O
R OR'
OR NHR'
O
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飽和炭化水素の名称 CnH2n+2
1:
2:
3:
4:
5:
6:
7:
8:
9:
10:
全てaneで終わる
飽和炭化水素を表す接尾語
ene: alkene yne: alkyne
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☆有機化合物の命名法 (IUPAC命名法) 特性基命名法 (1)置換命名法 (2)基官能命名法 (3)付加命名法
○一つの化合物に数種類の名前 ○一つの名前にはただ一つの化合物が対応
化合物の命名を習得する意義 名前が解るとその化合物の分類、性質を推測することが可能となる
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☆置換命名法の一般原理
化合物は、 ① 主鎖 ② 主基 ③ 置換基
で構成されているものとして表現する
☆ルール
○主鎖:主基(無い場合は不飽和結合)を含み、 を考える
ex. 8
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○主基: → を使う
複数の官能基がある場合、表1の上の方を優先する
OH O 主基 alcohol X ketone ○ ex)
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化合物の種類 式 接頭語 接尾語
カルボン酸 -(C)OOH – -oic acid エステル -(C)OOR – R -oate アルデヒド -(C)HO oxo -al ケトン >(C)=O oxo -one アルコール -OH hydroxy -ol アミン -NH2 amino -amine エーテル -OR R-oxy –
表1.置換命名法で用いられる主基の接尾語と接頭語
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特性基 接頭語
-Br bromo -Cl chloro -F fluoro -I iodo -N3 azido -NO2 nitro -OR R-oxy
表2.接頭語としてのみ呼称される特性基
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○置換基: → を使う
主鎖、主基以外を置換基として考える
OH O 置換基 hydroxy ex)
どうやって表現するか?
CH4: methane → CH3- : methyl CH3CH3: ethane → CH3CH2- : ethyl
↑ ↑ 置換基
→ylを後ろに付けると置換基を表す
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命名してみよう!
1,主基を探し、語尾を書く
4,主鎖に主基の位置番号が最小になるように番号をつける
O
2,主鎖を探す 3,不飽和結合の有無を書く
5,置換基を位置番号と共に接頭語として前に書く
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O
12
37
4
○不飽和結合の位置 hept-3-en-2-one ① ②
③ 3-hepten-2-one も可
○主鎖Noルール補足 主基のNoを小さく:大原則
置換基のアルファベットが先の方の番号を小さく
1
3
O
OH
5 1
3
O
OH
5
不飽和結合がある場合は不飽和結合の番号を小さく(置換基ではない)
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○置換基が複数あったら ☆数詞 1: mono, 2: di, 3: tri, 4: tetra, 5: penta・・・
O
OH O
OOH
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○主基や不飽和結合が複数あったら
OO
O
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☆立体化学を表せ! OH O
O
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R, Sの配置を簡単に判別する方法�
A B
Bのように書いてあればイメージしやすいが、通常化合物はAのような線構造で書かれている。よってAで慣れていく必要がある。まず不斉炭素原子に結合している4つの置換基にCIPルールに従って番号を付ける(AでもBでも)次に4番目を無視して、残りの3つについて1,2,3がどちら回りか確認する。上の場合は右回りなので、暫定的にRとしておく。最後に、最初無視した4番目が紙面の下なのか上なのかを確認する。下だったら暫定的に決めたそのまま、上だったらその逆とする。これで簡単に決められる。 �
左図の場合は、4番目が紙面手前側なので、暫定Rを最後に逆にするとSと決めることができる。 �
OHHOH1
23
41
23
HHOOH1
23
41
23
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命名法の補足ルール集�
hexane cyclohexane 環になってたら、cyclo を前に付けるだけでよい�
O12
34
5
6
置換基がある場合は、主基のある位置を1番とする。置換基の表記はcyclo の前に �
3-methylcyclohexan-1-one 3-methylcyclohexanoneでも可。 �
位置番号が自明の時は、省略しても良い。上記の例では、cyclohexanoneのケトン(カルボニル基)は1番に決まっているので(逆に言えばケトンの部分を1番と定義しているので)、-1-は省略できる。 �
COOH
CHO
カルボン酸やアルデヒドも1番以外あり得ない。 �
hexanoic acid hexanal
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どっちを優先する?�
上の化合物を見比べてみよう。左の化合物は主鎖を決めるのは比較的簡単で、7炭素である。右の化合物はどうか。一番長い鎖は8炭素ある(黒数字)、しかしその鎖上に主要基は存在しない。こういった場合、主鎖を決定する際”一番長い鎖”にこだわる事無く、”主要基を含む鎖”の中で最も長い鎖を主鎖として選択する。よって赤い数字で示した番号が正しい。 �
4-(1’-hydroxyethyl)octane
3-propylheptan-2-ol or
左の化合物の主鎖はどこを選ぶべきだろうか。副たる官能基の水酸基がある鎖か長い鎖か。答えは赤で示した”主基を含みかつ一番長い鎖”である。その際、水酸基を含む鎖はそれ全体が”置換基”として扱われ、水酸基がどこにあるのかを示さなければならない。主鎖に近い方から1’、2’・・とプライムを付けて番号を付けていく。 �
3-butyl-4-hydroxyhexan-2-one 3-(1’-hydoroxypropyl)heptan-2-one
or
OH OH
1
23
45678
12345
67
O
12345
67
HO 1' 2'3'
4 56
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前ページの化合物でも示したように、置換基に置換基がある場合は、括弧でくくってまとめてしまう。例えば上の化合物だったら、主鎖の3位に、2’-に水酸基が結合したプロピル基が結合しているという事を、3-(2’-hydroxypropyl)として表す。立体化学の表示が必要な場合、プライムが付いている方を後に書く。 �
OH2’-hydroxypropyl基�
(2’R,3R)ではなく、(3R,2’R)とする。 �
(3R,2’R) -3-(2’-hydroxypropyl)heptan-2-one
以上、まだまだ細かいルールは沢山ありますが、実際に役立つのはこれくらいまでです。どんな複雑な化合物でも命名できるのです!!�
O
12345
67
1'2'
3'
OH
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O
OH
命名せよ�
次の化合物の構造を書け �
1)(2S,4S,5E)-5-Ethyl-4-methyl-5-octen-2-ol
2)(3R,5S)-3-Ethyl-5-hydroxy-1-cyclohexanone
1)�
2)�
3)� Br
I
OH