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土壌診断マニュアル ~土壌測定診断室における分析法~ 平成19年1月 山口県農林水産部

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土壌診断マニュアル~土壌測定診断室における分析法~

平成19年1月

山口県農林水産部

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目次

第1 土壌の化学分析 ページ

1.試料の調製 1

2.水分 1

3.pH 1

4.中和石灰量 2

5.電気伝導度(EC) 3

6.陽イオン交換容量(CEC)の浸出 4

7.陽イオン交換容量(CEC)の測定-ホルモル法 6

8.交換性塩基(Ca,Mg)原子吸光光度法 7

9.交換性塩基(K)炎光光度法 8

10.腐植(チューリン法) 9

11.リン酸吸収係数 11

12.有効態リン酸(トルオーグ法) 12

13.有効態珪酸(湛水静置・酢酸緩衝液浸出法) 14

14.遊離酸化鉄 16

15.アンモニア態窒素、硝酸態窒素(ブレムナー法・コンウェイ法) 18

第2 土壌の簡易分析

1.生土容積法 21

2.硝酸態窒素(サリチル硫酸法) 22

3.アンモニア態窒素(インドフェノール法) 23

4.腐植(土壌有機物含量) 25

5.水田土壌の可給態窒素 26

第3 化学物質・有害廃棄物の安全管理

1.特別管理産業廃棄物管理責任者を置くべき事業所 27

2.特別管理産業廃棄物管理責任者の資格 27

3.特別管理産業廃棄物管理責任者の役割 28

4.安全上の注意 28

第4 付表・資料

1.原子量表 30

2.係数・逆数表 31

3.代表物質のg分子、g当量およびモル、規定の関係 34

4.試薬の濃度 34

5.培養液等の単位の変換方法 35

6.pH標準溶液(緩衝溶液) 35

7.酸・塩基指示薬 35

8.作物に欠乏症または過剰症の出る各要素の土壌中含有量 36

9.アレニウス氏表による酸性矯正炭酸カルシウム施用量 37

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第1 土壌の化学分析

1.試料の調製

(1) 採土診断するほ場内の5カ所程度を無作為に選

び、それぞれから 100gずつ採り、混合して

500g程度のサンプルとする。

採取方法は、表層を図-1のようにV字型

に移植ごてで掘り、斜面に沿って一定の厚さ 図-1

の土壌を採取する。

(2) 調製持ち帰った土壌は室内で新聞紙の上にうすく広げ、大きな土塊を砕いてなるべく速やかに風乾す

る。風乾した土壌は、粉砕して2mmの篩を通過させた風乾細土を試料とする。

2.水分

(1) 操作測定しようとする土壌(原土)10 ~20gを小型蒸発皿にとり、105~110℃で5時間乾燥後秤量

(乾土重量)し、水分や乾土率を算出する。

原土重量-乾土重量水分(%) = ×100

原土重量

乾土重量乾 土 率 = ×100

原土重量

3.pH(1) 概要・原理

土壌のpHとは、本来は土壌水のpHのことであるが、通常は「乾土1に対して水 2.5の割合の

懸濁液pH」と規定されている。

水の代わりに同量の1N塩化カリウム液を用いる方法もあり、水を加えて測定するpHをpH

(H O)、塩化カリウム液を加えて測定するpHをpH(KCl) と表す。2

pH(H O)は未風乾新鮮土ないし風乾細土で測定するが、なるべく採土直後の未風乾新鮮土2

で測定することが望ましい。pH(KCl) は風乾細土で測定する。

なお、pH(KCl) は一般の土壌でpH(H O)より 0.5~1.0 程度低くなり、0.5 以下の場2

合は土壌中の塩類濃度が高いことが考えられるため、注意する必要がある。

pHは化学的性質を表す最も基本的なもので、水溶液中の水素イオン濃度で

示され、次式によって定義される。+pH=-log〔H〕

ただし、〔H〕 は水素イオン濃度(グラムイオン/1,000ml)+

地表面

下層土

表層土

V字型の溝の側面に沿って採土する

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(2) 試薬

1) 1N塩化カリウム液

塩化カリウム(KCl) 74.5gを水に溶かして 1,000mlとする。0.1N程度の希水酸化カリウム液

でpH 7.0 に調整する。

(3) 操作

1) pH(H O)2

新鮮土または風乾細土 20gを 100ml容量の振とうビンにとり、水 50mlを加え 30分振とう後、

1時間以上放置する(新鮮土の場合は水分相当量を差し引く)。

測定前に軽く振とうして懸濁液とし、ガラス電極を静かに液中へ浸し、30秒以上経過してpH

分析計の表示値が安定するのを待って、pH指示値を読みとる。

測定が終われば蒸留水でガラス電極をよく洗い、使用後は電極が乾かないように水につけて保

存する。

2) pH(KCl)

風乾細土 20gを 100ml容量の振とうビンにとり、1N塩化カリウム液 50mlを加え、上記と同

様の操作を行う。

4. 中和石灰量(1) 概要・原理

土壌の酸性を中和するには石灰質資材の施用が必要であり、その必要量を算定しなければならな

い。算出方法には全酸度(3Y ただしY は交換酸度)相当量、緩衝曲線法、陽イオン交換容量1 1

(CEC)と塩基飽和度から求める方法があるが、一般には緩衝曲線法が用いられる場合が多い。

緩衝曲線法は土壌に水酸化ナトリウム、または炭酸カルシウムを加えて緩衝曲

線を作り、目的のpHに矯正するための所要量を読みとって、石灰資材量に換算

する方法である。

水酸化ナトリウムの添加量から算出した施用量は、実際の必要量より少なめで

目標pHまで到達しない場合が多く、炭酸カルシウムを用いた場合の方が必要量

を正確に算定できる。

ここでは、一般的な炭酸カルシウム添加・通気法について説明する。

(2) 試薬

炭酸カルシウム(CaCO ) 粉末3

(3) 操作

100ml容量のスチロール管瓶に風乾細土 20gを添加炭酸カルシウムの段階数とり、炭酸カルシウ

ム粉末をそれぞれ 0mg、20mg、40mg、60mg、80mg、120mgと段階的に加え、さらに水 50mlを加えて

よく混和した後、室温で 24時間静置する。

静置後さらに5時間振とうし土壌と炭酸カルシウム粉末を十分に反応させ、次いで細口のガラス

管を通じてエアコンプレッサーで毎分約 2,000mlの割合で2分間空気を土壌懸濁液中に吹き込み、

過剰の二酸化炭素を追い出す。

通気終了後、直ちに土壌懸濁液のpHを測定し、緩衝曲線を作成する。

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(4) 計算

緩衝曲線から読みとった目標pHに相当する炭カル(CaCO )の量をAmgとすると、10a×深3

さ10cm当りの炭カル施用量は、土壌の仮比重をBとすれば、Amg: 20g=Xkg:1,000㎡×0.1m×

Bから、以下のとおり求められる。

炭カル施用量 (kg/10a) Xkg =A×B×5

* 仮比重は一般の土壌では 0.9 ~ 1.2程度である。

5.電気伝導度(EC)(1) 概要・原理

ECは電気伝導度ともいい、土壌中の水溶性塩類の総量を表す。通常、硝酸態窒素含量との間に

正の相関関係がみられ、土壌中の硝酸態窒素含量の推定に有効である。

また、塩類過多による作物の生育障害は、通常土壌溶液の浸透圧増加による作物根の養水分の吸

収阻害が主な原因とされているので、土壌溶液を採取し、その伝導度を測る方法は作物障害との関

係を知るうえで、重要な手法となっている。

土壌浸出液における水の添加割合は、乾土重の2倍量 (1:2)、5倍量 (1:5)などが行われている

が、ここでは一般に行われている5倍量 (1:5)とする。

(2) 操作

風乾細土 10gを 100ml容量の振とうビンにとり、水 50mlを加えて振とう器で 30分間振とうし

た後、懸濁液を測定液として電気伝導度計で測定する。

測定結果はミリジーメンス( または )で表す。m S / c m d S / m

(注1)電極の中に気泡が残らないよう十分撹はん浸漬する。

(注2)温度自動補正機能のない機器を使用した場合は、温度が1℃上昇するとECは約2%増加

するので、温度補正ダイアルで 25℃における値に補正する。

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6.陽イオン交換容量(CEC)の浸出〔ショーレンベルガー法〕

(1) 概要・原理

陽イオン交換容量(cation exchange capacity,CEC)または、塩基置換容量(base exchange

capacity)とも言う。

CECとは、土壌の持つ負の電荷(negative charge)の総量をいい、陽イオンを交換できる量

を表す。

この原理は、浸出管に土壌を入れ、酢酸アンモニウム液で陽イオンを交換浸出した後、メ

タノールで過剰のアンモニウムイオンを洗浄、次いでアンモニウムイオン〔NH 〕 で飽和4

されている試料を塩化ナトリウム液で浸出し、その交換浸出されたアンモニウムイオンを定

量して、CECを算出するものである。

(2) 試薬

1) 1N酢酸アンモニウム液(pH 7.0)

2Nアンモニア液と2N酢酸液を等量混合して、ガラス電極法でpH 7.0となるようアンモニ

ア水または酢酸を添加して調整する。

① 2Nアンモニア液(2N-NH OH)4

アンモニア水(28%) 1,400mlに水を加えて 10,000mlとする(アンモニアは力価が低下しやすい

ので、その場合は 1,400mlより多めにする。)。

この溶液を 20倍希釈して5mlをとり、0.05N硫酸を 15ml加えてメチルレッドを指示薬とし、

N/10-NaOHで滴定する。別にブランクとして 0.05N硫酸を 15mlをとったものを滴定し、ブ

ランクの滴定値からサンプルの滴定値を差し引いて力価を求め、2N-NH OHを調整する。4

② 2N酢酸液(2N-CH COOH)3

酢酸 1,200mlに水を加えて 10,000mlとする。

この溶液を 20倍希釈し、フェノールフタレンを指示薬としてN/10-NaOHで滴定し、力価

を求め、2N-CH COOH調製する。3

なお本液は、酢酸アンモニウム 77.08gを水に溶かして 1,000mlにした後、ガラス電極法で

pH 7.0 に調整することもできる。この場合酢酸アンモニウムは吸湿しやすく、正確な濃度

となるよう注意する。

2) 80%メチルアルコール(pH 7.0)

メチルアルコール(CH OH)8,000mlをとり水を加えて 10,000mlとした後、BTB(ブロ3

ムチモールブルー)指示薬又はpH試験紙を用いてpHが 7.0になるよう希アンモニア水で調整

する。

3) 10%NaCl

NaCl 1,000gに水を加え 10,000mlとする。

4) 充填用ろ紙

ミキサーにろ紙と水を適当量入れて細断する。

なお、セルロースパウダーを水に混ぜて用いてもよい。

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(3) 操作

1) 土壌浸出

浸出は図の浸出装置を用いる。

洗浄液容器(A)

浸 出 管(B)

受 器(C)

風乾細土8g(粘質土壌の場合は5g)を薬包紙に

秤量する。

Bの浸出管に脱脂綿の小片を入れ、 その上に充填用

ろ紙を注入し、厚さ4㎜位になるよう詰めて平らなろ

過面をつくる(一度に分析する点数をあらかじめ準備

しておく)。

浸出装置のA(洗浄液容器)に1N-酢酸アンモニ

ウム液 100mlを入れておく。

浸出管の下部を小指で押さえAから酢酸アンモニウ

ム液を少量(管の約半分の高さ)注入する。

この状態で、秤量した土(8または5g)を上から

静かに加える(気泡が残らないようにする)。

浸出管(B)と洗浄液容器(A)および受器(C)

を連結し、洗浄液容器(A)から酢酸アンモニウムを

滴下して洗浄を始める。

洗浄液容器(A)のコックを操作し、4~ 20時間(5~ 10秒に1滴)で浸透が終わるように

調節する(流下時間は少なくとも 30分間以上)。浸出後受器(C)に栓をして2~3回ふり混ぜ、

交換性Ca、Mg、Kの定量に供する(上層と下層の濃度差が大きいので混和すること)。

2) 洗浄

CH OH系列の洗浄液容器(A)にpH 7.0・80%-CH OH 50mlをメスシリンダーまたは3 3

分注器を用いて採取する。

塩基の浸出を終わった浸出管(B)の内壁を採取したアルコールで洗いながら(1)と同様にセッ

トし、4~20時間で浸出し、過剰のアンモニアを洗浄する(この液は不要)。

3) 陽イオン交換容量の浸出

NaCl系列の洗浄液容器(A)にpH 7.0・10%-NaCl 100mlをメスシリンダーまたは分

注器を用いて採取する。

アルコール洗浄の終わった浸出管(B)を(1)と同様にセットし、NaClを滴下し、吸着されて

いるNH を交換浸出する。この液を陽イオン交換容量測定の供試液とする(上層と下層の濃度4+

差が大きいので混和すること)。

分析試料

ろ紙パルプ

脱脂綿

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7.陽イオン交換容量(CEC)の測定-ホルモル法(1) 試薬

1) 1:1 ホルマリン

ホルマリン1容量を水1容量に(例えばホルマリン 200mlを水 200mlに)加える(2~3日間

使用が可能、使用の都度調整する)。

2) チモールブルー(T・B指示薬)

チモールブルー 1.0gを精秤し、100ml容量のメスフラスコにとり 0.1N-NaOH 21.5mlを

正確に加え、さらにエチルアルコール 20mlを加えて水で定容する。

3) 1:600 HCl

600mlの水に濃塩酸1mlを加える。

4) 0.04 N-NaOH

市販の1N-NaOHを 40mlホールピペットで 1,000ml容量のメスフラスコにとり、純水で定

容する。

これを 0.1Nシュウ酸標準液で評定し力価を求めておく(0.1Nシュウ酸標準液5mlを正確に三

角フラスコに取り、フェノールフタレインを数滴加え、0.04N-NaOHで滴定する。ピンクの

色が消えないときが終点となる。)。

(2) 操作

NaCl浸出液 25mlを 200ml容量の三角フラスコにとり、水 75mlを加えた後、メチルレッド2滴

を加える。

1:600 HCl 液を注意して加え、うすい桃色にする。

これに1:1ホルマリン液 10mlを分注器を用いて加えた後、T・B指示薬5~6滴を加えて

0.04N-NaOHで滴定する。

ブランクとして 10%-NaCl 25mlをとり同様に処理する。

終点 橙黄色→汚灰色(青~赤紫)

(3) 計算

100 100CEC(meq/乾土100g)=N×f×(S-B)× × ÷乾土率

8 25

N: NaOH標準液の規定度

f: NaOH標準液の力価

B: ブランク滴定値(ml)

S: サンプル滴定値(ml)

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8.交換性塩基(Ca,Mg)-原子吸光光度法(1) 試薬

1) Ca,Mg標準液

市販のCa、Mg 1,000ppm原子吸光用標準液を用いて、Ca 100ppm、Mg 10ppmの混合標準

液を作る。

100ml容量のメスフラスコにホールピペットで上記混合標準液 0ml、2ml、4ml、6ml、8ml、

10ml、15mlをとる。

さらに 20,000ppmストロンチウム液5mlを加え、純水で定容とする。

標準液は100ml容量のポリ容器に入れて冷蔵保存が可能である(保存期間は1年以内)。

この検量液は表のような濃度になる。

100ml容量のメスフラスコに採取した混合標準液量

0ml 2ml 4ml 6ml 8ml 10ml 15ml

Ca濃度 0ppm 2ppm 4ppm 6ppm 8ppm 10ppm 15ppm

Mg濃度 0ppm 0.2ppm 0.4ppm 0.6ppm 0.8ppm 1.0ppm 1.5ppm

2) 20,000ppmストロンチウム液

塩化ストロンチウム6水和物(SrCl ・6H O)61gを水に溶かして 1,000mlとする。2 2

(2) 操作

試料液 0.5 ~ 2.0mlをマイクロピペットで試験管にとり、20,000ppmストロンチウム液1mlを加

えた後、分注器で純水を 17 ~ 18.5ml 加えて合計で 20mlになるようにする(原子吸光供試液中

のストロンチウム濃度は 1,000ppmとする)。

試料液量は土壌中の塩基含量により調節する。

液 量 (ml) 測定範囲 (CaO) 摘 要

2ml 20~200mg/100g 一 般 水 田 土 壌

1ml 50~400mg/100g ハ ウ ス 土 壌

0.5ml 100~800mg/100g ハウス塩類集積土壌

(3) 計算

CaO含量(mg/乾土100g)

20ml 100ml 100g CaO= 測定Ca濃度(ppm)× × × × (1.4)÷乾土率

1,000ml 2ml 8g Ca

(採取量) (採土量)

MgO含量(mg/乾土100g)

20ml 100ml 100g MgO= 測定Mg濃度(ppm)× × × × (1.66)÷乾土率

1,000ml 2ml 8g Mg

(採取量) (採土量)

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9.交換性塩基(K)-炎光光度法(1) 試薬

1) K標準液

市販のK標準液(K1,000ppm)から0ppm、10ppm、20ppm、30ppm、40ppm、60ppmの標準液を1

N-CH COONH で希釈して調整する。3 4

調整した溶液は100ml容量のポリ試薬ビンに入れて、冷蔵庫に保存する。

(2) 操作

陽イオン交換容量の測定にあたって得られた1N-CH COONH 浸出液はそのままK測定用フ3 4

ィルターを用いて炎光光度計で測定し、同時に標準液で作成した検量線と比較して、K濃度(ppm)

を求める。

(3) 計算

K O(mg/乾土100g)2

100ml 100g K O2

= 試料液K濃度(ppm)× × × (1.20)÷ 乾土率1000ml 8g 2K

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10.腐植(チューリン法)(1) 概要・原理

腐植は土壌中の炭素含量(有機物量)から求められる。炭素は重クロム酸カリウムの濃硫酸溶液

(クロム酸・硫酸混合液)を加熱すると、次式のように酸化される。

2Cr O +3C+16H =4Cr +3CO +8H O2 7 2 22- + 3+

重クロム酸は、反応した炭素量に応じて消費されるため、あらかじめ既知量の過剰の

重クロム酸を加えておき、反応後残っている重クロム酸を標準鉄(Ⅱ)溶液で滴定する

ことで、有機物の酸化により消費された重クロム酸の量が求められ、それから炭素含量

を算出するものである。

(2) 試薬

1) 0.4Nクロム硫酸

重クロム酸カリ(K Cr O )40gを1,000mlの水に溶かし、発熱しないように流水で冷やし2 2 7

ながら、徐々に濃硫酸(H S0 )1,000mlを加える(途中発熱すると針状の結晶が生じて力価が2 4

低下し使用できなくなるので注意が必要)。

2) 0.2N重クロム酸カリウム標準液

105℃で乾燥した特級重クロム酸カリウム粉末 9.807gを水に溶かして正確に 1,000mlとする。

3) 0.2N硫酸第一鉄アンモニウム

硫酸第一鉄アンモニウム(モール塩)〔Fe(NH ) (SO ) ・6H O〕80gを、硫酸20mlを4 2 4 2 2

含む水 1,000mlに溶かす。

本液は保存中に力価が低下するため、使用する日ごとに 0.2N重クロム酸カリウム標準液を滴

定して補正係数(f)を求める。すなわち、0.2N重クロム酸カリウム標準液 20mlに硫酸(1+2)

10mlを加え、更に 0.2%フェニルアントラニル酸液 0.5mlを加え、本液で滴定する。20を滴定数

で除すとfが得られる。

4) 硫酸(1+2)

硫酸1容量を水2容量に加える。

5) 0.2%フェニルアントラニル酸液

N-フェニルアントラニル酸(C H O N) 200mgと無水炭酸ナトリウム 200mgを 100ml容13 11 2

量のビーカーに取り、水5mlを加えて溶かし、更に水を加えて 100mlとする。

(3) 操作

風乾細土1~2gを乳鉢でさらに細かく砕いた土壌 0.2~0.3gを化学天秤で秤取し、100ml容量

の三角フラスコに取る。

これに 0.4Nクロム硫酸液10mlをホールピペット(サッカーで吸引し)で加え、小ロートを乗せ

る。別に石英砂約 0.5gを取り、同様の操作を行いブランクとする。

約 200℃に調節したホットプレート上で加熱し、フラスコの底から一様に泡が出はじめてから正

確に5分間加熱する。

冷却後、少量の水(約20ml)で小ロート及び三角フラスコ内壁を洗い込み、滴定直前にフェニル

アントラニル酸5滴を加え、0.2N硫酸第一鉄アンモニウム溶液で滴定する(この際、スターラー

を用いるとよい)。

溶液の色が暗赤紫色から明緑色になった点を終点とする。

加えた 0.4Nクロム硫酸溶液の半分以上が消費されているとき(すなわち、滴定値がブランクの

半分以下になったとき)は、試料の量を減らすか、または 0.4Nクロム硫酸液の量を増して行う。

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(4) 計算

C(%)=(B-S)×0.6×f/供試土量(mg)×100

B:ブランクの滴定量(ml)

S:サンプルの滴定量(ml)

0.6:0.2Nモール塩1mlと反応するCのmg

なお、腐植はC%に 1.724を乗じて算出する。

炭素含量(%)と試料量(mg)及びクロム硫酸液量(ml)

風乾土中 試 料 0 . 4 N - ク ロ ム 硫 酸炭素含量 腐植(%)

(%) 採取量(mg) 消費量(ml) 添加すべき量(ml)

2 3.45 250 4.175 105 8.62 100 4.175 1010 17.24 100 8.350 20

滴定の際、誤って過剰の硫酸第一鉄アンモニウム液を加えてしまった場合は、0.2N重クロム酸カ

リウム標準液を正確に1ml追加し、滴定を続けて終点を読み、その滴定数から1/fを差し引けば

正しい滴定値が得られる。

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11.リン酸吸収係数(1) 概要・原理

リン酸吸収係数は土壌の燐酸肥沃度に関係があり、火山灰土壌とその他の土壌を区別する一指標

として用いられる。

火山灰土壌はリン酸の固定力が大きいために作物はリン酸欠乏を起こしやすくなる。

リン酸の固定は活性アルミニウムが肥料中のリン酸と化合して不溶性リン酸アルミニウムが形成

されるためで、作物に吸収されにくくなる。

測定法の概要は、土壌にリン酸アンモニウム液を加え、一定時間後に溶液中のリン酸濃度

を測定し、その濃度の減少分を土壌に保持されたリン酸とするものである。

(2) 試薬

1) リン酸吸収原液(2.5%リン酸アンモニウム液)

特級リン酸二アンモニウム〔(NH ) HPO 〕25gを水 1,000mlに溶かす。この液のpHは4 2 4

約 8.0になるので、リン酸希釈液(市販のリン酸液を1:1に希釈)を用いてpH 7.0に調整する。

pH 7.0に調整した後、リン酸濃度を調整する。この状態では目標とするP O 濃度(13,4402 5

ppm)より高いので、リン酸濃度を測定し、最終的にP O として 13,440ppm(Pとして 5,8692 5

ppm) 液をつくる(Pの濃度 0ppm、10ppm、20ppmの標準液で比色する)。

P O 濃度がAppmのとき、その液 1,000mlに対して加える水の量W(ml)は次のようになる。2 5

W(加える水の量(ml))=(A-13,440)/13,440 ×1,000(ml)

2) バナドモリブデン酸液

特級メタバナジン酸アンモニウム〔NH VO 〕1.25gを沸騰した水 250mlに溶かし、室温ま4 3

4 6 7 24で冷却後、特級硝酸 250mlを加える。一方特級モリブデン酸アンモニウム〔(NH ) Mo O

・4H O〕25gを熱水 400mlに溶かし、室温まで冷却後、前者の液に注ぐ。更に水を加えて2

1,000mlとし、褐色瓶に保存する。

3) リン酸標準液(P O 1,000ppm)2 5

特級リン酸一カリウム〔KH PO 〕を 110℃で一夜間乾燥後、1.9175gを 1,000ml容量のメ2 4

スフラスコにとり、純水で定容としたのちポリ容器に保存する。

(3) 操作

1) 抽出

風乾細土 10gを 100ml容量の三角フラスコにとり、2.5%リン酸アンモニウム液 20mlを正確に

加え、時々振り混ぜながら室温で 24時間放置した後、ろ紙No6を用いてろ過する。

2) 発色

上記のろ液1mlを試験管に取り、水 19mlを加えてうすめる(良く振り混ぜる)。

さらに、うすめた液1mlを試験管に取り、水 19mlを加えた後、発色液5mlを加える。

10分~3時間の間に波長 440nm(総合分析計は 422.7nm)の吸光度を測定する。2.5%リン酸ア

ンモニウム液についても同様の操作により発色させ比色する。

(4) 計算

ブランクを0、原液を 26.88ppmとして試料の濃度(ppm)を読みとる。

リン酸吸収係数(P O mg/100g)= 2,688-X ppm×1002 5

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12.有効態リン酸(トルオーグ法)(1) 概要・原理

土壌中に含まれるリン酸のうち、作物が吸収可能なリン酸の定量を目的とした多くの研究が行わ

れ、その中で様々な可給態リン酸の測定法が提案されている。

しかしながら、その絶対値を求めることは困難である。実際には土壌中のリン酸の一部を適当な

溶液で抽出することによって可給態リン酸の指標に用いられることが多い。

ここでは、わが国で最も良く使われているトルオーグ法を説明する。

(2) 試薬

1) 抽出用硫酸液

市販の1N硫酸溶液 20mlをホールピペットでとり、水を加えて約 9,000mlとし、これに特級硫

酸アンモニウム〔(NH ) SO〕を 30g溶かして 10,000mlとする。4 2 4

この液の硫酸濃度は 0.002N、pHは 3.0である。

2) リン酸標準液

市販標準原液(P1,000ppm)を 10mlをホールピペットで 100ml容量のメスフラスコにとり、水

で定容とする(P100ppm)。この液を0ml、2ml、4ml、6ml、8mlずつ、100ml容量のメスフラ

スコにとり水で定容とする。(Pで0ppm、2ppm、4ppm、6ppm、8ppmとなる)

3) 5N硫酸

特級硫酸約 140mlを水(約 800ml)にかき混ぜながらゆっくり加え、放冷後水を加えて 1,000ml

とする。

4) 4%モリブデン酸アンモニウム液

特級モリブデン酸アンモニウム〔(NH ) MoO ・4H O〕40gを熱水(約 900ml)に溶かし、4 6 7 2 4 2

冷却後、水を加えて 1,000mlとする(6カ月間程度の保存が可能。保存中に沈澱が生じたものは

使用できない)。

5) アスコルビン酸液

特級L-アスコルビン酸 1.76gを水に溶かして 100mlとする。1日以内に使用する。

6) 酒石酸アンチモニルカリウム液

特級酒石酸アンチモニルカリウム 0.27gを水に溶かして 100mlとする。長期間の保存が可能だ

が稀にカビが生えるので注意する。

7) 混合発色液

5N硫酸 150mlに4%モリブデン酸アンモニウム液 45mlを加えてかき混ぜた後、アスコルビン

酸液 90mlと酒石酸アンチモニルカリウム液 15mlを加えて混合する。1日以内に使用する(発色

液 300mlで約 60点の分析が可能)。

(3) 操作

1) 抽出

風乾細土 1.0gを 250mlのポリビンに取り、抽出液 200mlを加えて 30分間振とう後、ろ過する

(ろ紙No6)。

2) 発色

上記のろ液 10ml(水田土壌の場合)をピペットマンで 25ml容量の試験管に取り、分注器で水を

6mlを加える。これに混合発色液4mlを加えてよく振り混ぜる(20mlとなる)。

検量線は標準液各2mlをとり、水 14mlを加えた後、混合発色液4mlを加える(Pで0ppm、0.2

ppm、0.4ppm、0.6ppm、0.8ppmとなる)。

10分間放置した後 710nmの波長で比色する。

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(4) 計算

有効態リン酸(P O )(mg/100g)2 5

2 520ml 200ml 100g P O= 測定P濃度(ppm) × × × × (2.29)

1000ml 10ml 1g 2P

(ろ液量)

ろ液量 と測定範囲* )

ろ液量(ml) 測定範囲(P O ) 摘 要2 5

10 8~80 mg/100g 一般土壌(水田)

5 16~160 ハ ウ ス 土 壌

2 40~400 ハ ウ ス 土 壌

*)試料のリン酸含量によりろ液の採取量を変え、加える水

の量も変える。

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13.有効態珪酸(湛水静置・酢酸緩衝液浸出法)(1) 概要・原理

土壌中の可給態珪酸を分析する方法としては、酢酸緩衝液浸出法が最も広く利用され、水田土壌

の有効態珪酸の指標とされてきた。しかし、この方法は、土壌中の天然珪酸について開発されたも

ので、珪酸質資材を施用した場合には、時には異常に高い値を出し、水稲の珪酸吸収とほとんど相

関関係を示さなくなる。浸出条件が強過ぎて、資材中の不可給態珪酸まで溶出してしまうためと推

定される。

土壌中の可給態養分は、可能な限り作物の根圏環境に近い条件で測定するのが望ましい。このよ

うな見地から、湛水保温静置条件下で土壌から溶出する水溶性珪酸の測定が試みられ、その量は水

稲の珪酸吸収とよく対応した。

そこで、ここでは「湛水保温静置法」について説明する。また、事業によって酢酸緩衝液浸出法

が指示されている場合や継続的な診断を行っている場合もあるため、「酢酸緩衝液浸出法」も併記

する。

A 湛水保温静置法

(2) 試薬

1) 0.25N-HCl

市販の1N-HClを4倍に希釈する。

または 35%HCl 21.7mlに水を加えて 1,000mlとする。

2) モリブデン酸アンモニウム液

特級モリブデン酸アンモニウム〔(NH ) MoO ・4H O〕102gを水に溶かして 1,000mlと4 6 7 2 4 2

する。

3) 亜硫酸ナトリウム液

無水亜硫酸ナトリウム(Na SO )170gを水 1,000mlに加えて溶かす(水を攪拌しながら、2 3

徐々に試薬を加えていくこと)。

(3) 操作

1) 抽出

風乾細土 10gを 100ml容量のポリビンにとり、水 60mlを加えて、軽く振り混ぜて脱気し、密

栓をして 40℃定温器中に静置する。一週間後取り出して上澄み液をとり、試料液とする。上水が

濁っている時はろ過して濁りを除去する。

2) 発色・吸光度測定

試料液 10mlを 50ml容量の三角フラスコにとり、0.25N-HCl 5ml及びモリブデン酸アンモ

ニウム液5mlを加えて3分間放置する。次いで、亜硫酸ナトリウム液10mlを加えて軽く攪拌し、

10分以上放置して 650nm(総合分析計では 693nm)で比色する。

検量線は標準液(Si100ppm、50ppm)2mlを試験管にとり水8mlを加えた後、同様に操作して

発色 させる(この液はSi6.66ppm、3.33ppmとなる)。

(4) 計算

有効態珪酸(SiO )(mg/100g)2

30 60 100 60.08= 測定Si濃度(ppm) × × × × (2.14)

1,000 10 10 28.08

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B 酢酸緩衝液浸出法

(2) 試薬

1) 土壌抽出液(pH4酢酸緩衝液)

氷酢酸 42.9mlと無水酢酸ナトリウム 14.8gを水に溶かして 1,000mlとし、1N酢酸または1

N酢酸ナトリウム液を用いてpH 4.0に正確に調整する。

2) 0.6N-HCl

市販の1N-HCl液 600mlに水を加えて 1,000mlとする。

または 38%HCl 48mlに水を加えて 1,000mlとする。

3) モリブデン酸アンモニウム液

特級モリブデン酸アンモニウム 102gを熱水約 800mlに溶かして放冷後 1,000mlとする。

4) 亜硫酸ナトリウム液

無水亜硫酸ナトリウム(Na SO )170gを水 1,000mlに加えて溶かす(水を攪拌しながら、2 3

徐々に試薬を加えていくこと)。

(3) 操作

1) 抽出

風乾細土 5.0gをガラスビンにとり土壌抽出液(pH4酢酸緩衝液)50mlを加えて、時々振と

うしながら40℃定温水槽に5時間保つ。ろ紙No6でろ過する。

2) 発色・吸光度測定

ろ液5mlを試験管にとり、0.6N-HCl2.5ml及びモリブデン酸アンモニウム液2.5mlを加えて

3分間放置する、次いで亜硫酸ナトリウム液5mlを加えて軽く攪拌し、10分以上放置して 650nm

(総合分析計では 693nm)で比色する。

検量線は標準液(Si100ppm、50ppm)1mlを試験管にとりpH4酢酸緩衝液4mlを加えた後、

同様に操作して発色させる(この液はSi6.66ppm、3.33ppmとなる)。

(4) 計算

有効態珪酸(SiO )(mg/100g)2

15 50 100 60.08= 測定Si濃度(ppm)× × × × (2.14)

1,000 5 5 28.08

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14.遊離酸化鉄(1) 概要・原理

浅見・熊田(Na S 0 -EDTA)により測定する。2 2 4

本法の原理は、ハイドロサルファイト(Na S 0 )が亜硫酸に酸化されるときの還元力を2 2 4

利用して鉄を還元し、キレートで還元された鉄を溶解抽出するものである(原子吸光法は抽出液

を希釈して直接測定する)。

また鉄の比色は、溶液中にEDTAのようなキレート物質が共存する場合にはO-フェナント

ロリンの発色阻害を生じることがあるが、溶液のpHを 5.5付近に調製して、発色操作後一定の

時間を置くことにより発色阻害を防止できる。

A 原子吸光法

(2) 試薬

1) 鉄標準液(Fe100ppm)

市販品(原子吸光分析用Fe標準液:Fe 1,000ppm)をうすめてFe100ppm液を作る(濃硫酸

を2~3滴加える)。

検量液はこの液をうすめてFe 0.5ppm、1.0ppm、2.0ppmのものを作る。

2) ハイドロサルファイトナトリウム(Na S O )2 2 4

市販のハイドロサルファイトナトリウム(購入1年以内のものを使用する)

3) 0.02M-EDTA(0.02Mエチレンジアミン四酢酸2-ナトリウム)

EDTA粉末(EDTA-2Na塩)14.88gを水 2,000mlに溶かす。

(3) 操作

1) 抽出

風乾細土 0.5g(粗天秤)を200ml容量の三角フラスコにとる。

ハイドロサルファイトナトリウム(Na S O )3.0g(粗天秤)と0.02M-EDTA液50ml2 2 4

(メスシリンダー)を加える。

沸騰している湯煎の上(または恒温水槽中)に置き、時々攪拌しながら、液中の温度を約70℃

に15分間保った後放冷する(この間加温条件が均一となるよう、位置を変える)。

この液を250ml容量のメスフラスコにロートを用いて、土を含めてすべて洗い込む。

水で定容後、No6ろ紙で 100ml容量の三角フラスコでろ過し試料液とする。

2) 原子吸光度測定

試料液2~5mlを試験管にとり水を加えて 20mlとする。

鉄標準液(Fe100ppm)を 100ml容量のメスフラスコに0ml、1ml、2ml、4ml、6mlずつと

り水で定容とし、検量液とする(この液はFeで0ppm、1ppm、2ppm、4ppm、6ppmとなる)。

試料液、検量液は原子吸光光度計に噴霧させ 248.3nmで吸光度を求める。

(4) 計算

Fe O (%)2 3

2 3250 20 1 Fe O=測定Fe濃度(ppm)× × × × 100× (1.43)

1,000 2ml 500 2Fe

(採取量)

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B オルトフェナントロリンによる比色法

(2) 試薬

1) 0.02M EDTA2Na

2) ハイドロサルファイトナトリウム(Na S O )2 2 4

3) 0.1%オルトフェナントロリン

オルトフェナントロリン 0.2gを 200mlビーカーにとり、水に溶かして 200mlにする。

4) 5%塩酸ヒドロキシルアミン

塩酸ヒドロキシルアミン5gを 100mlビーカーにとり、水に溶かして 100mlにする。

5) 酢酸緩衝液(pH6.0)

無水酢酸ナトリウム(CH COONa)172gを加熱しながら溶かして、冷却後 500mlとし、3

酢酸6mlを加える。

6) 検量液

標準液(Fe100ppm)をうすめてFe5ppm、10ppm、20ppmを調整する。

(3) 操作

1) 抽出

原子吸光法と同様に行う。

2) 発色・吸光度測定

試験管に抽出液2mlをとり、1mlの塩酸ヒドロキシルアミン、2mlの 0.1%オルトフェナント

ロリンおよび2mlの酢酸緩衝液を加える。水を加えて 20mlとし、30分以上放置して 510nm(総合

分析計では 518.4nm)で比色する。

検量線は検量液(Fe5ppm、10ppm、20ppm )2mlをとり、抽出液と同様に発色させる(この

液はそれぞれFeで0.5ppm、1.0ppm、2.0ppmとなる)。

(4)計算

Fe O (%)2 3

2 3250 20 1 Fe O=測定Fe濃度(ppm)× × × × 100× (1.43)

1,000 2 500 2Fe

2 3Fe O=A × 0.5 × = A × 0.5 ×1.43

2Fe

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15.アンモニア態窒素 硝酸態窒素(ブレムナー法・コンウェイ法)、

(1) 概要・原理

土壌中の硝酸態窒素の定量法としては、硝酸態窒素をデバルタ合金で還元してアンモニウム態

窒素にし、それを水蒸気蒸留法(ブレムナー法)または、微量拡散法(コンウェイ法)によって測

定する方法、フェノール硫酸法、イオンメーターによる方法、紫外部吸収による方法等各種の方

法がある。

ここでは、ブレムナー法とコンウェイ法を説明する。

A 水蒸気蒸留法(ブレムナー法)

(1) 装 置

図に示したブレムナー蒸留装置を用いる。

蒸留フラスコは、デバルタ合金投入口の付い

たものを用いる。

(2) 試薬

1) 酸化マグネシウム

重質酸化マグネシウムを電気炉にて 600~70

0℃で2時間加熱したもの。

2) 2%ほう酸液

特級ほう酸 20gを温水 700mlに溶かして、

冷却後エタノール 200mlと混合指示薬20mlを加

えた後 1,000mlとする。

3) 混合指示薬

ブロムクレゾールグリーン 0.066gとメチル

レッド 0.033gをエタノール100mlに溶かす。

4) デバルタ合金粉末

市販のものを使う。

5) N/200硫酸標準液

市販の1N硫酸5mlに水を加え1,000mlと

する。

(3) 操作

風乾細土 10gに10%KCl 100ml を加えて 30分間振とうし、上澄み液をろ過して試料液とする

(浸出後直ちに分析する場合には、上澄み液をそのまま試料液としてもよい)。

50ml容量の三角フラスコに2%ほう酸5mlをとり蒸留装置の冷却管の下に置く。

ろ過した試料液 20mlを蒸留フラスコにとり、MgOを 0.2g加え蒸留を行う。

約7~8分間で三角フラスコの液が 30mlになったら蒸留をやめ、冷却器の先を洗いNH-Nを4

定量する液とする。

次に新たにほう酸5mlを入れた三角フラスコを冷却管の下に置き、蒸留フラスコにデバルタ合金

0.2gを加え、前と同様に蒸留を行う。

留出液を滴定してNO-Nの量を求める。3

C

E

廃液

D

A

B

水蒸気

C

BC

F

H

A:蒸留フラスコB:すり合わせ脱着部分C:ストップコックD:冷却管E:スチームとラップF:デバルタ合金を用い る場合の蒸留フラスコG:デバルタ合金投入口H:受器

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(4) 計算

硝酸態窒素(mg/100g)

100+土壌中の水分(ml) 100=0.07×f×(t-b)× × ×k

試料液(ml) 分析試料

ただし、

分析試料の滴定値 =t ml N/200-H SO 標準液 1ml= 0.07mgN2 4

ブランクの滴定値 =b ml N/200-H SO 標準液のファクター = f2 4

分析試料(生土重又は風乾土重)/乾土重(105℃乾燥) = k

(参考文献)「土壌標準分析・測定法」p114~116

「土壌環境基礎調査における土壌、水質、及び作物体分析法」p71~73

B 微量拡散法(コンウェイ法)

(1) 装置・器具

1) コンウェイ微量拡散分析用ユニット

図に示したアクリル樹脂製の改良型コンウェイ微量拡散分析装置(ユニット)を用いる。

2) ミクロビューレット

3) かき混ぜ棒

(2)試薬

1) 10%塩化カリウム

100gの塩化カリウム(KCl)を 1,000ml容量のビーカーに取り、水 1,000ml(メスシリンダ

ー)に溶かす(1N-KCl:74.6g/1,000mlを使用してもよい)。

2) 0.005規定硫酸(N/200-H SO )2 4

市販の1N-H SO 5ml(ホールピペット)を 1,000ml容量のメスフラスコにとり、水で定2 4

容とする。この液1mlは、N(窒素)0.07mgに相当する。

3) 2%ほう酸液

特級ほう酸の結晶 20gをエタノール 200ml及び蒸留水 700mlの混合液に溶かす。

この液に混合指示薬(ブロムクレゾールグリーン 0.033g及びメチルレッド 0.066gをエタノ

ール 100mlに溶かしたもの)20mlを加える。

この液に0.05N水酸化ナトリウム液を溶液の色が薄桃色になるまで注意深く滴下した後、蒸留

水を加えて 1,000mlとする。

4) 飽和炭酸カリウム液

特級無水炭酸カリウム 110gを蒸留水 100mlに溶かして、冷却後 1000ml容量の三角フラスコに

入れ、数個のガラス玉を入れて約10分間煮沸し、冷却後ゴム栓をして保存する。

内室

外室

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5) アラビアゴム膠着剤

乳鉢にアラビアゴム粉末 100gと水 150mlを徐々に加えてこね合わせる.次にグリセリン 50ml

および飽和炭酸カリウム液 50mlを加えてかき混ぜ、分液漏斗に移して一夜放置し、下層の部分の

みを分取して試薬瓶中に貯える(ゴム栓に小型の平絵筆を付けたもので、ユニットの縁を塗れば

便利である。)。

6) デバルタ合金けん濁液

市販の特級粉末デバルタ合金を使用する。

使用直前に50~100mg/mlの蒸留水けん濁液を調整する。

7) 標準液

NH -N:1000ppm NH Cl 3.891gを純水に溶かして 1,000mlとする。4 4

NO -N:1000ppm KNO 7.220gを純水に溶かして 1,000mlとする(それぞれ10ppm、203 3

ppm、30ppmをつくっておく)。

(3) 操作

風乾細土 10gに10%KCl 100mlを加えて 30分間振とうし、上澄み液をろ過して試料液とする

(浸出後直ちに分析する場合には、上澄み液をそのまま試料液としてもよい)。

ユニットの縁にアラビアゴムをぬり、浸出液を外室に入れる。

内室に吸収剤(2%ほう酸液)2mlを入れ、ついで外室に1mlのアルカリ剤(飽和炭酸カリ)と

1mlのデバルタ合金けん濁液を注意深く加え、直ちにフタをする。

ユニットを静かに水平面上で回転させ、浸出液とアルカリ剤を混合する。

ユニットを25℃定温器中に入れ、24時間後にN/200-H SO で滴定する。2 4

ここで得られた値は、アンモニア態窒素と硝酸態窒素の合量であるので、別に求めたアンモニア

態窒素の量を差し引いて硝酸態窒素の量とする。

なお、アンモニア態窒素はデバルタ合金を加えないで同様に操作すれば求められる。

また、試料液の定量と同時に、標準液(NH -N及びNO -Nの10~30ppm)及び試料液を加4 3

えない試薬のみのブランクを2連で行う必要がある。

(4) 計算

硝酸態窒素(mg/100g)

100+土壌中の水分(ml) 100=0.07×f×(t-b)× × ×k

試料液(ml) 分析試料

ただし、

分析試料の滴定値 =t ml N/200-H SO 標準液 1ml= 0.07mgN2 4

ブランクの滴定値 =b ml N/200-H SO 標準液のファクター = f2 4

分析試料(生土重又は風乾土重)/乾土重(105℃乾燥) = k

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第2.土壌の簡易分析

1.生土容積法(pH、EC、 、 )NO-N NO-N3 2

(1) 概要

正規の土壌分析では、採取した土壌を乾燥して2mmの篩を通過したものを定量するため、調整作

業に多大な時間が必要となる。そこで、畑の土をそのまま、しかも重量でなく容積により定量する

ことで、効率的に分析できる生土容積法を説明する。

(2) 操作

約 200ml容量のふた付き広口ポリエチレン瓶を準備し、140mlと 162mlの2か所に印を付ける。

その後、140mlの線まで水を入れておき、そこに生土を 162mlの線になるまで入れる(下図)。こ

れで乾土(g):水(ml)の比がおおむね1:5の懸濁液ができる。

この土壌懸濁液を5分間程度よく振り混ぜ、まず、ECとpHを測定する。次いで、硝酸、亜硝

酸をメルククアント試験紙で測定する。RQフレックスがある場合は、硝酸の濃度はより正確に測

定できる。硝酸濃度が濃すぎて判定が困難な場合は、懸濁液を1/10に希釈して測定する。

(3) 備考(土壌の容量を 22ml、水の容積を 140mlとした理由)

作物栽培中における畑土壌の水分は 20~30%で、火山灰土壌ではやや水分含有率が高く、鉱質

土壌では低い傾向にあるが、平均して 25%のものが多い。また、土壌の真比重も火山灰土は小さ

く。鉱質の土は高い値を示すが、2.3 ~ 2.7の範囲にあり、2.5を代表値としても実用上さしつか

えない。

計算法の根拠は、水分が 25%の生土 40gは、乾土 30gと水 10gからなるため、気相を除いた体

積は、乾土の体積 12ml(乾土 30g÷土の真比重 2.5)+水の体積 10ml= 22mlである。EC測定

用の1:5とするためには、土壌 30gの5倍の水 150mlが必要であるが、生土の中にすでに 10ml

の水が含まれているので、140mlでよい。したがって、容積比で示すと 22ml:140mlとなる。また、

簡易な別の方法として、写真フィルム容器(容量 30ml)に供試生土をしっかりと詰め、ポリエチ

レン容器に加えた後、水140mlを加えてもよい。

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2.硝酸態窒素(サリチル硫酸法)(1) 概要

畑作物や園芸作物の適正な施肥管理には、硝酸態窒素の測定が必須である。従来、硝酸態窒素の

測定は煩雑であったが、近年、簡易測定法が種々検討され、いくつかの方法が提案されている。

利用面で一長一短があり、各々の利用場面にあった測定法を採用することが望ましいが、ここで

は大量の試料を迅速で安価に処理する代表的な方法として、Cataldo法(サリチル硫酸法)を説明

する。

(2) 試薬

1) 5%サリチル酸-硫酸液

サリチル酸5gを 100mlの濃硫酸に溶かす(密栓して1週間以内に使用する)。

2) 2N-NaOH水溶液

水酸化ナトリウム 80gを 1,000mlの水に溶かす。

(3) 操作

40ml容量の試験管に、試料溶液 0.1mlをマイクロピペットでとり、5%サリチル酸-硫酸液0.4

mlを加えて発熱させる。放冷後、2N-NaOH 9.5ml(10mlでも可)を加えて、よく混和する

(発色の安 定性は数日間良好)。

1) 比色定量

分光光度計の測定波長を 420nm付近に設定して(島津製SPAD総合分析計の場合は原子吸光

ランプCaの共鳴線 422.7nmを利用)、常法により比色定量する。

2) 検量線

NO で 10 ~ 1,000ppm(NO-Nで 2.26 ~ 226ppm)の範囲で硝酸濃度5段階以上のものを3 3

調整して検量線用標準液とする。

(4) 計算

土壌20gを100mlで浸出した液(1:5浸出液)を測定した場合

硝酸態窒素(mg/100g)

100 100 14= 測定NO 濃度(ppm) × × × (0.23)3

1,000 20 62

(5) 備考

1)検量線はNO で 0 ~ 1,000ppmの範囲で良好な直線性が得られる。3

2)NO で 10ppm程度以下(NO-Nで 2.26ppm以下)の場合は信頼性が乏しい。3 3

3)塩素イオンを多量に含む試料溶液の場合(KCl抽出液等)は定量値が著しく低下する。

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3.アンモニア態窒素(インドフェノール法)(1) 概要・原理

アンモニウムは次亜塩素酸ナトリウムと反応してモノクロロアミン(NHCl)を生成し、この2

1分子がフェノール2分子と反応してインドフェノールとなり、アルカリ性溶液により酸解離して

青色(インドフェノールブルー)を呈する。

この反応はニトロプルシドナトリウム(ペンタシアノニトロシル鉄酸ナトリウム)などで促進

されて高感度となる。

(2) 試薬

1) 使用試薬

リン酸三ナトリウム(12水塩)(NaPO ・12H 0) 試薬特級3 4 2

クエン酸三ナトリウム(N a C H 0 ・2H 0) 試薬特級3 6 5 7 2

EDTA 2N a(エチレンジアミン四酢酸ニナトリウム) 試薬特級

(C H N 0 Na ・2H 0)1 0 1 4 2 8 2 2

フェノール(石炭酸)(C H 0H) 試薬特級 (劇物)6 5

ニトロプルシッドナトリウム 試薬特級 (毒物)

(NaFe(CN)5NO・2H 0)2 2

水酸化ナトリウム (NaOH) 試薬特級

次亜塩素酸ナトリウム溶液(NaClO) 一級品

塩化アンモニウム(NHCl) 試薬特級4

2) 緩衝液

リン酸三ナトリウム 30g

クエン酸三ナトリウム 30g

EDTA-2Na 3g

それぞれを水に溶かして混合し、水を加えて 1,000mlとする。

3) フェノール溶液

フェノール 60gに 2) の緩衝液を加えて 1,000mlとする。

冷蔵庫に保有すると1年間は有効である。

4) 発色液A(フェノール・ニトロプルシッドナトリウム溶液)

必ず使用する日に調製する。

分注器等にニトロプルシッドナトリウム 0.02gを入れて、3) のフェノール溶液 100mlを加えて

完全に溶かす。

5) 発色液B(次亜塩素酸ナトリウム溶液)

水酸化ナトリウム 16gを水(500ml程度)に溶かして、放冷する。

この溶液に次亜塩素酸ナトリウム溶液 10mlを加え、その後水を加えて 1,000mlにする。

冷蔵庫に保存すると1年間は有効である。

6) アンモニア標準原液

100℃で1時間乾燥させた塩化アンモニウム 0.3819gを水に溶かして 100mlにする。

この溶液 1mlはアンモニア態窒素の 1mgに相当する(1,000ppm)。

アンモニア標準原液を希釈して、0ppm、0.5ppm、1ppm、2ppm、5ppm、10ppmの検量線用標準

液を調整する。

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(3) 操作

1)検量線

試験管に検量線用標準液をそれぞれ1mlずつとり、水4mlを加える。次に発色液Aを2ml加え

る。さらに発色液Bを3ml加えよく混合して1時間以上放置し、693nmで吸光度を測定し、検量線

を作成する。

2)試料の分析

ポリ容器に土壌 10gをとり、10%塩化カリウム水溶液 100mlを加えて1時間振とうする。一夜

放置して、上澄液を必要量とり(急ぐ場合はろ過でも良い)、必要に応じて希釈して測定液とする。

(4) 計算

アンモニア態窒素(mg/100g)

1 100 100= 測定アンモニア態窒素濃度(ppm) × × ×

a 1,000 10

a:浸出液の採取量(ml)

(5) 備考

この測定法は土壌浸出液以外にも以下の溶液のNH-N濃度が測定できる。4

1) CEC

塩化ナトリウムまたは塩化カリウム浸出液を必要に応じて希釈し、測定液とする。

2) 土壌溶液、水耕培養液

必要に応じて希釈し、測定液とする。

3) 全窒素

硫酸分解液を必要に応じて希釈し、測定試料とする。この際、水酸化ナトリウム溶液でpHを

調整することが必要である。

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4.腐植(土壌有機物含量) (エコファーマー認定用)(1) 概要・原理

土壌の腐植含量は、精度が高いチューリン法をよく用いられるが、分解や定量に時間がかかり煩

雑である。そこで、エコファーマー認定にも利用できる効率的な手法として、精度はやや低いもの

の迅速性、簡便性を優先した比色法(熊田法を基にしたSPAD簡便法)を説明する。

ただし、本法では腐植が 10%を超える土壌や未分解の有機物が多く残っている土壌では適応で

きない。

また、本法は吸光度(ABS)を測定して腐植含量に換算するため、吸光度(ABS)が表示できない

機器では分析できない。

(2) 試薬

抽出液

A液 特級ピロ燐酸ナトリウム(N a P O・10H O)22.3gを約 400mlの水に溶かす。4 2 7 2

B液 特級NaOH 10gを約 400mlの水に溶かす。

A液とB液を混合し水を加えて 1,000mlに定容し、抽出液とする。

(3) 操作

土壌(風乾土)2g(100mlポリ容器)

抽出液 20mlを加える

3分間 振とうする

ろ過

ろ液を1ml(25ml試験管)

純水 11mlを加え合計 12mlとする

分光光度計(530nm)で吸光度を測定する

(4) 計算

SPAD法の条件で、腐植(%)をY、吸光度をXとすると、回帰式はY=46.141X-0.974、ただし、

Yが12を超える場合は適応できない。

* この推定式は土壌の種類によって異なる。既知資料がある場合には、検量線を作成して測定する

ことが望ましい。

(5) 備考(補足説明)

土壌の腐植含量は通常炭素含有率(%)(機器分析法またはチューリン法による)の値を 1.724

倍したものをいう。一方、本法は狭義の腐植含量を測るものと考えられ、未分解の泥炭を多く含む

サンプルやきわめて多量の腐植を含むサンプルには適用できない。

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5.水田土壌の可給態窒素 (エコファーマー認定用)(1) 概要・原理

水田土壌は本来、密栓インキュベーション法で測定すべきであるが、長期間の定温静置が必要

であったり、アンモニアの定量を行うなど煩雑である。そこで、小川らのリン酸緩衝液抽出法で

可給態窒素を測定する方法を説明する。

また、本法は吸光度(ABS)を測定し、窒素含量に換算するため、吸光度(ABS)が表示できない

機器では分析できない。

(2) 溶液、試薬の作り方

抽出液(pH7.0 リン酸緩衝液)

1/15Mリン酸一カリウムと1/15Mリン酸二ナトリウムを39:61で混合する。

→リン酸一カリウム(KHPO )3.54gとリン酸二ナトリウム(NaHPO ・12H O)14.57gを2 4 2 4 2

1,000mlに溶かす。

(3) 操作

土壌(風乾土)10g(100mlポリ容器)

pH7リン酸緩衝液 50mlを加える

1時間 振とうする(室温)

ろ過(TOYO No6)

ろ液

分光光度計(420nm)で吸光度を測定する

(4) 計算

小川らの方法で、抽出液中窒素量(mg/100g)をY、吸光度をXとすると、回帰式は

Y=1.09+17.41X

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第3 化学物質・有害廃棄物の安全管理

1.特別管理産業廃棄物管理責任者を置くべき事業場

「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」では、「その事業活動に伴い特別管理産業廃棄物を生ずる

事業場を設置している事業者は、当該事業場ごとに、当該事業場に係る当該特別管理産業廃棄物の処

理に関する業務を適切に行わせるため、特別管理産業廃棄物管理責任者を置かなければならない」と

規定している。

特別管理産業廃棄物とは下表の左欄に掲げる廃棄物であり、当該特別管理産業廃棄物を排出する事

業場とは下表の右欄に掲げるような事業場であり、分析実験室も含まれる。

特別管理産業廃棄物の種類

種 類 性 状 及 び 具 体 例

揮発油類、灯油類、軽油類の燃えやすい廃油

廃 油 ≪関連事業≫紡績、新聞、香料製造、医療品製造、電気めっき、洗濯、科学技

術研究、その他(引火点が常温以上)

廃 酸 pH2.0以下の酸性廃液、PH12.5以上のアルカリ性廃液(生コンPH3)

≪関連事業≫カセイソーダ製造、無機顔料製造、無機・有機化学工業製品製

廃 ア ル カ リ 造、アセチレン誘導品製造、医薬・試薬・農薬製造、金属製品製造、石油化学

工業製品製造、非鉄金属製造、ガラス・窯業、科学技術研究、その他

感染性産業廃棄物 感染性病原体を含むか、その恐れのある産業廃棄物

(血液の付着した注射針、採血管など)

≪関連事業≫病院、診療所、衛生検査所、老人保健施設、その他

○廃PCB及びPCBを含む廃油

○PCBが塗布若しくは染み込んだ紙くず、PCBが染み込んだ木くず、若しくは繊

廃 P C B 等 維くず、又はPCBが付着若しくは封入された廃プラスチック類や金属くず

○廃PCB等又はPCB汚染物を処分するために処理したもの(厚生省令で定める基

準に適合しないものに限る。)

特 ○建築物から除去した飛散性の吹き付け石綿・石綿含有保温材、及びその除去

定 工事から排出されるプラスチックシートなどで、石綿が付着しているおそれの

有 廃 石 綿 等 あるもの

害 (アスベスト) ○大気汚染防止法の特定粉じん発生施設を有する事業所の集じん装置で集めら

産 れたものなど

業 水銀、カドミウム、鉛、有機燐化合物、六価クロム、砒素、シアン、PCB、卜リ

廃 クロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2

棄 -ジクロロエタン、1,1-ジクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレ

物 有害産業廃棄物 ン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、1,3-ジクロ

ロプロペン、チウラム、シマジン、チオペンカルプ、ベンゼン、セレン又はそ

の化合物が基準値を超えて含まれる、汚泥、鉱さい、廃油、廃酸、廃アルカ

リ、燃え殻、ぱいじんなど

(注1)この表に記載した廃棄物の具体例と関連事業は代表的なものである。

(注2) 上表の「有害産業廃棄物」とは金属等を判定基準を超えて含む産業廃棄物のことを称する。

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2.特別管理産業廃棄物管理責任者の資格

① 厚生労働大臣が認定する講習を修了した者

② 厚生労働大臣が認定する講習を修了した者と同等以上の知識を有すると認められる者

3.特別管理産業廃棄物管理責任者の役割

特別管理産業廃棄物に関する業務を廃棄物処理法に基づき適正に遂行すること。

① 特別管理産業廃棄物の排出状況の把握

② 処理計画の立案

(保管状況の確認、委託業者の選定や適正な委託の実施、管理票の交付・保管等)③ 適正な処理の確保

<参考>

有 害 廃 棄 物 の 分 類 (北 海 道 大 学 , 昭 和 5 7 年 )

種 類 濃 度

Ⅰ . 特 殊 廃 液

① ク ロ ム 酸 混 液 ( 一 次 洗 浄 水 を 含 む ) 使 用 済 み の も の 全 量

② 水 銀 化 合 物 溶 液 H g 0 . 1 m g / 1 , 0 0 0 m l以 上

③ 一 般 金 属 化 合 物 溶 液 ( C d , P b , C r , C u , 1 0 m g / 1 , 0 0 0 m l以 上い ず れ か の 金 属

Z n , F e , M n ,そ の 他 重 金 属 )

④ 写 真 用 定 着 液 使 用 済 み の も の 全 量

⑤ シ ア ン 化 合 物 溶 液 C N 1 O m g / 1 , 0 0 0 m l以 上

⑥ ヒ 素 化 合 物 溶 液 A s 1 O m g / 1 , 0 0 0 m l以 上

⑦ フ ッ 素 化 合 物 溶 液 F 1 O O m g / 1 , 0 0 0 m l以 上

⑧ 有 機 リ ン 化 合 物 溶 液 有 機 リ ン 1 0 m g / 1 , 0 0 0 m l以 上

⑨ 写 真 用 現 像 液 使 用 済 み の も の 全 量

Ⅱ . 廃 油 使 用 済 み の も の 全 量

Ⅲ . 廃 有 機 溶 剤 使 用 済 み の も の 全 量

* pHやCODなどの生活関連項目は、排液量が日量 50m /日以下の施設では規制対象外であるが、シ3

ア ン化合物、水銀、6価クロムなどの健康項目は規制対象となる。

4.安全上の注意化学薬品には条件により発火や爆発を起こしたり、吸入や接触により人体に有害な作用を持つもの

がある。化学分析にはこれら薬品やガラス器具、機器など種々のものを使用するが、その扱いを誤る

と事故につながる危険性がある。このため、以下の点に十分留意して分析を行う。

(1)薬品の購入

薬品は分析の年間計画などに従って計画的に購入する。保管などの安全管理面から必要以上の購

入はしないようにし、特に変質や吸湿しやすい薬品は買いだめをしない。購入年月日を必ずラベル

に記入しておく。

また、ラベルのない容器に入った薬品類は、使用した本人以外には内容物が不明であり、廃棄が

困難となるため、薬品類には必ずその物質名を書いたラベルを貼っておく。

(2)薬品の保管

化学薬品は実験台などに放置せず、積み重ねないようにして薬品保管庫に保管する。薬品保管庫

は壁や床に金具で固定したり、上下の棚を金具で止めるなどの措置をとる。また、中に保管する容

器についても薬品箱に入れるなどして転倒しないようにする。

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発火性や有毒性など危険性の高い薬品については、薬品棚の上段に保管すると落下の恐れがある

ので、必要に応じて薬品箱などに保管する。また、可燃性の危険物は金属製など不燃性の薬品保管

庫で保管する。

薬品を小分けにする場合は、購入したときと同じ保存状態で、一般に中ぶた付きの容器を用いて

密閉保管する。

(3)白衣、手袋の着用

酸やアルカリの試薬の作成や使用時には、試薬が飛散して皮膚や衣服を損傷する恐れがあるため、

分析業務に際しては白衣を着用するとともに、試薬作成時には薄手のゴム手袋を使用することが望

ましい。

<毒物劇物の適正な管理・保管>

「毒物及び劇物取締法」第11条に基づき、毒物劇物は鍵のかかる保管庫内で適正に保管してくだ

さい。

また、帳簿などで在庫量や使用量を把握する等の管理を行い、万一、毒物劇物が盗難にない、又は

紛失したときは、直ちにその旨を警察署に届け出てください。

(参考:毒物及び劇物取締法第11条抜粋)

第十一条 毒物劇物営業者及び特定毒物研究者は、毒物又は劇物が盗難にあい、又は紛失すること

を防ぐのに必要な措置を講じなければならない。

2 毒物劇物営業者及び特定毒物研究者は、毒物若しくは劇物又は毒物若しくは劇物を含有

する物であつて政令で定めるものがその製造所、営業所若しくは店舗又は研究所の外に飛

散し、漏れ、流れ出、若しくはしみ出、又はこれらの施設の地下にしみ込むことを防ぐの

に必要な措置を講じなければならない。

3 毒物劇物営業者及び特定毒物研究者は、その製造所、営業所若しくは店舗又は研究所の

外において毒物若しくは劇物又は前項の政令で定める物を運搬する場合には、これらの物

が飛散し、漏れ、流れ出、又はしみ出ることを防ぐのに必要な措置を講じなければならな

い。

4 毒物劇物営業者及び特定毒物研究者は、毒物又は厚生労働省令で定める劇物については、

その容器として、飲食物の容器として通常使用される物を使用してはならない。

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第4 付表・資料

1.原子量表

原子量表(1991年) Ar(12C)= 1原子量 原子量元素名 元素 原子 元素名 元素 原子

記号 番号 記号 番号水 素 H 1 1.00794(7) モリブデン Mo 42 95.94(1)

ヘリウム He 2 4.002602(2) テクネチウム* Tc 43

リチウム Li 3 6.941(2) ルテニウム Ru 44 101.07(2)

ベリリウム Be 4 9.012182(3) ロジウム Rh 45 102.90550(3)

ホウ素 B 5 10.811(5) パラジウム Pd 46 106.42(1)

炭 素 C 6 12.011(1) 銀 Ag 47 107.8682(2)

窒 素 N 7 14.00674(7) カドミウム Cd 48 112.411(8)

酸 素 O 8 15.9994(3) インジウム In 49 114.818(3)

フッ素 F 9 18.9984032(9) スズ Sn 50 118.710(7)

ネオン Ne 10 20.1797(6) アンチモン Sb 51 121.757(3)

ナトリウム Na 11 22.989768 (6) テルル Te 52 127.60(3)

マグネシウム Mg 12 24.3050(6) ヨウ素 I 53 126.90447(3)

アルミニウム Al 13 26.981539 (5) キセノン Xe 54 131.29(2)

ケイ素 Si 14 28.0855(3) セシウム Cs 55 132.90543(5)

リン P 15 30.973762 (4) バリウム Ba 56 137.327(7)

硫 黄 S 16 32.066(6) ランタン La 57 138.9055(2)

塩 素 Cl 17 35.4527(9) セリウム Ce 58 140.115(4)

アルゴン Ar 18 39.948(1) プラセオジム Pr 59 140.90765(3)

カリウム K 19 39.0983(1) ネオジム Nd 60 144.24(3)

カルシウム Ca 20 40.078(4) プロメチウム* Pm 61

スカンジウム Sc 21 44.955910 (9) サマリウム Sm 62 150.36(3)

チタン Ti 22 47.88(3) ユウロピウム Eu 63 151.965(9)

バナジウム V 23 50.9415(1) ガドリニウム Gd 64 157.25(3)

クロム Cr 24 51.9961(6) テルビウム Tb 65 158.92534(3)

マンガン Mn 25 54.93805(1) ジスプロシウム Dy 66 162.50(3)

鉄 Fe 26 55.847(3) ホルミウム Ho 67 164.93032(3)

コバルト Co 27 58.93320(1) エルビウム Er 68 167.26(3)

ニッケル Ni 28 58.6934(2) ツリウム Tm 69 168.93421(3)

銅 Cu 29 63.546(3) イッテルビウム Yb 70 173.04(3)

亜 鉛 Zn 30 65.39(2) ルテチウム Lu 71 174.967(1)

ガリウム Ga 31 69.723(4) ハフニウム Hf 72 178.49(2)

ゲルマニウム Ge 32 72.61(2) タンタル Ta 73 180.9479(1)

ヒ素 As 33 74.92159(2) タングステン W 74 183.84(1)

セレン Se 34 78.96(3) レニウム Re 75 186.207(1)

臭 素 Br 35 79.904(1) オスミウム Os 76 190.23(3)

クリプトン Kr 36 83.80(1) イリジウム Ir 77 192.22(3)

ルビジウム Rb 37 85.4678(3) 白 金 Pt 78 195.08(3)

ストロンチウム Sr 38 87.62(1) 金 Au 79 196.96654(3)

イットリウム Y 39 88.90585(2) 水 銀 Hg 80 200.59(3)

ジルコニウム Zr 40 91.224(2) タリウム Tl 81 204.3833(2)

ニオブ Nb 41 92.90638(2) 鉛 Pb 82 207.2(1)

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- 3 1 -

2.係数・逆数表

係 数 逆 数 係 数 逆 数元素 定量元素 元素 定量元素0.2024 4.9419 0.2474 4.0426Al AlCl Cl AgCl3

0.5293 1.8895 0.7976 1.2537AlO AlCl2 3 3

0.2212 4.5199 0.3405 2.9368AlPO BaCl4 2

0.1577 6.3405 0.2903 3.4449Al (SO ) BaCl ・2H O2 4 3 2 2

0.9612 1.0404 0.6389 1.5652As AsH CaCl3 2

0.7574 1.3203 0.4823 2.0734AsO CaCl ・2H O2 3 2 2

0.6519 1.5339 0.3237 3.0897AsO CaCl ・8H O2 5 2 2

0.6090 1.6420 0.5594 1.7876AsS FeCl2 3 2

0.1594 6.2720 0.6557 1.5251B BF FeCl3 3

0.3106 3.2199 0.9724 1.0284B O HCl2 3

0.1748 5.7195 0.4756 2.1028HBO KCl3 3

0.2149 4.6531 0.7447 1.3428N a B O MgCl2 4 4 2

0.1134 8.8191 0.5634 1.7748N a B O・10H O MnCl2 4 4 2 2

0.6595 1.5163 0.6628 1.5088Ba BaCl NHCl2 4

0.5622 1.7787 0.6066 1.6485BaCl・4H O NaCl2 2

0.8957 1.1165 0.6842 1.4616BaO Cr C r O2 3

0.5884 1.6995 0.2652 3.7713BaSO Cr(SO)4 2 4 3

0.0609 16.4299 0.2678 3.7347C BaCO KCrO3 2 4

0.2729 3.6641 0.3535 2.8289CO K C r O2 2 2 7

0.2000 5.0000 0.7989 1.2518CO(NH) Cu CuO2 2

0.1200 8.3330 0.2545 3.9292CaCO CuSO ・5H O3 4 2

0.0869 11.5066 0.8406 1.1897KCO F BF2 3 3

0.1200 8.3353 0.4867 2.0548KHCO CaF3 2

0.1425 7.0197 0.9496 1.0531MgCO HF3

0.1250 7.9998 0.3270 3.0580(NH)CO KF4 2 3

0.1133 8.8243 0.4525 2.2101NaCO NaF2 3

0.1430 6.9942 0.7302 1.3696NaHCO SiF3 4

0.5003 1.9987 0.7911 1.2641Ca CaCN HSiF2 2 6

0.4004 2.4973 0.5175 1.9324CaCO KSiF3 2 6

0.2743 3.6457 0.6062 1.6497CaCO・H O NaSiF2 4 2 2 6

0.3611 2.7692 0.4406 2.2696CaCl Fe FeCl2 2

0.2726 3.6682 0.3443 2.9045CaCl・2H O FeCl2 2 3

0.1829 5.4662 0.7773 1.2865CaCl・8H O FeO2 2

0.5133 1.9481 0.6994 1.4297CaF F e O2 2 3

0.2442 4.0942 0.3703 2.7006Ca(NO) FePO3 2 4

0.1697 5.8922 0.3676 2.7201Ca(NO ) ・4H O FeSO3 2 2 4

0.7147 1.3992 0.2793 3.5802CaO Fe(SO)2 4 3

0.5409 1.8487 0.5658 1.7674Ca(OH) K KCO2 2 3

0.3876 2.5798 0.3905 2.5606Ca(PO) KHCO3 4 2 3

0.2946 3.3948 0.5244 1.9068CaHPO KCl4

0.2329 4.2938 0.2822 3.5436CaHPO・2H O KClO4 2 4

0.1712 5.8399 0.3867 2.5859CaH(PO) KNO4 4 2 3

0.1590 6.2894 0.8301 1.2046CaH (PO )・H O K O4 4 2 2 2

0.2944 3.3969 0.6969 1.4350CaSO KOH4

0.2328 4.2959 0.5526 1.8097CaSO・2H O KPO4 2 3 4

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- 3 2 -

係 数 逆 数 係 数 逆 数元素 定量元素 元素 定量元素K 0.4490 2.2274 N 0.5488 1.8223KHPO C H N O2 4 2 8 4

0.2873 3.4806 0.28 3.5713KHPO C H N O・HPO2 4 2 8 4 3 4

0.4734 2.1122 0.3497 2.8594K P O CaCN4 2 7 2

0.3311 3.0198 0.1707 5.8575KPO Ca(NO)3 3 2

0.4487 2.2285 0.1186 8.4299KSO Ca(NO )・ H O2 4 3 2 4 2

0.2871 3.4828 0.2979 3.3565KHSO HNO4 2

0.2883 3.4690 0.2223 4.4988Mg MgCO HNO3 3

0.2553 3.9173 0.1385 7.2182MgCl KNO2 3

0.1196 8.3647 0.102 9.8035MgCl・6H O MgNHPO2 2 4 4

0.6030 1.6583 0.05708 17.5207MgO MgNHPO ・8H O4 4 2

0.4168 2.3995 0.8224 1.2159Mg(OH) NH2 3

0.2774 3.6050 0.1817 5.5033Mg (PO ) NHCH ・CO3 4 2 4 3 2

0.2021 4.9490 0.2915 3.43MgHPO (NH)CO4 4 2 3

0.0986 10.1375 0.2618 3.819MgHPO・7H O NHCl4 2 4

0.1113 8.9808 0.35 2.8573MgH(PO) NHNO4 4 2 4 3

0.0893 11.2045 0.3997 2.5021MgH (PO )・3H O NHOH4 4 2 2 4

0.1770 5.6497 0.2818 3.548MgNHPO (NH)PO4 4 4 3 4

0.1565 6.3909 0.2121 4.714MgNHPO ・H O (NH ) HPO4 4 2 4 2 4

0.0990 10.0970 0.1218 8.2122MgNHPO ・6H O NHHPO4 4 2 4 2 4

0.2184 4.5783 0.212 4.717M g P O (NH)SO2 2 7 4 2 4

0.1334 7.4984 0.1217 8.2182Mg(PO) NHHSO3 2 4 4

0.2019 4.9524 0.203 4.9259MgSO NaNO4 2

0.0986 10.1409 0.1648 6.0681MgSO・7H O NaNO4 2 3

0.4779 2.0923Mn MnCO3

0.4366 2.2907 0.4338 2.3051MnCl Na NaCO2 3

0.2776 3.6023 0.2737 3.6541MnCl・4H O NaHCO2 2 3

0.7745 1.2912 0.3934 2.5421MnO NaCl0.6319 1.5825 0.2705 3.6971MnO NaNO2 3

0.696 1.4368 0.7419 1.348MnO N a O2 3 2

0.7203 1.3883 0.5748 1.7398MnO NaOH3 4

0.3871 2.5831 0.4207 2.377M n P O NaPO2 2 4 3 4

0.3638 2.7486 0.3239 3.0874MnSO NaHPO4 2 4

0.2463 4.0603 0.1916 5.2187MnSO・4H O NaHPO4 2 2 4

0.458 2.1833 0.3458 2.8915HMnO N a P O4 4 2 4

0.3476 2.8766 0.3125 3.2002KMnO N a P O4 5 3 1 0

0.6665 1.5003 0.2255 4.4351Mo MoO NaPO3 3

0.5434 1.8402 0.3237 3.0893(NH ) MoO ・4H O NaSO4 8 4 2 4 2 2 4

0.4659 2.1463 0.3212 3.1130NaMoO Ni Ni(NO)2 4 3 2

0.3965 2.5219 0.2018 4.9547NaMoO ・2H O Ni(NO )・8H O2 4 2 3 2 2

0.6663 1.5007 0.7858 1.2726N CN・NH NiO2

0.7114 1.4058 0.4364 2.2914CNH(NH) P P O2 2 2 5

0.4665 2.1438 0.3261 3.0662CO(NH) PO2 2 4

0.368 2.7171 0.2540 3.9373CS(NH) AlPO2 2 4

0.6663 1.5007 0.1548 6.4600(CN・NH ) C H N O・HPO2 2 2 6 4 3 4

0.4076 2.4531 0.1997 5.0071(CO・NH ) NH Ca (PO )2 2 3 4 2

0.347 2.8819 0.2277 4.3927(CO・NH ) NH・H O CaHPO2 2 2 4

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係 数 逆 数 係 数 逆 数元素 定量元素 元素 定量元素0.1800 5.5559 0.5005 1.9979P CaHPO・2H O S SO4 2 2

0.2647 3.7782 0.4005 2.4969CaH(PO) SO4 4 2 3

0.2458 4.0691 0.2812 3.5568CaH (PO )・H O Al (SO )4 4 2 2 2 4 3

0.2438 4.1018 0.1374 7.2785C a P O BaSO2 2 4 4

0.3128 3.1966 0.2355 4.2457Ca(PO) CaSO3 2 4

0.2054 4.8692 0.2111 4.7374FePO FeSO4 4

0.1733 5.7708 0.2406 4.1569Fe(PO) Fe(SO)3 4 2 2 4 3

0.3161 3.1638 0.3907 2.5597HPO HSO3 4 2 3

0.3481 2.8730 0.3269 3.0587H P O HSO4 2 4 2 4

0.3602 2.7761 0.1840 5.4344H P O KSO5 3 10 2 4

0.3873 2.5822 0.2355 4.2465HPO KHSO3 4

0.1459 6.8531 0.2664 3.7538KPO MgSO3 4 4

0.1778 5.6233 0.2124 4.7091KHPO MnSO2 4 4

0.2276 4.3936 0.2427 4.1209KHPO (NH)SO2 4 4 2 4

0.1875 5.3325 0.2786 3.5899K P O NHHSO4 2 4 4 4

0.2623 3.8119 0.2257 4.4297KPO NaSO3 2 4

0.2357 4.2432 0.2698 3.7058Mg(PO) Si SiF3 4 2 4

0.2575 3.8834 0.1949 5.1305MgHPO HSiF4 2 8

0.1257 7.9548 0.1275 7.8429MgHPO・4H O KSiF4 2 2 8

0.2838 3.5236 0.1493 6.6958MgH(PO) NaSiF4 4 2 2 8

0.2275 4.3961 0.4674 2.1393MgH (PO )・3H O SiO4 4 2 2 2

0.2256 4.4333 0.3596 2.7808MgNHPO HSiO4 4 2 3

0.1262 7.9230 0.2922 3.4222MgNHPO ・8H O HSiO4 4 2 4 4

0.2783 3.5926 0.2301 4.3461MgPO4 NaSiO2 2 2 3

0.3399 2.9420 0.1526 6.5529Mg(PO) NaSiO3 2 4 4

0.2183 4.5816 0.8034 1.2447M n P O Zn ZnO2 2 4

0.2078 4.8133 0.6578 1.5202(NH)PO Zn(OH)4 3 4 2

0.1525 6.5582 0.4050 2.4691(NH ) PO・3H O ZnSO4 3 4 2 4

0.2346 4.2635(NH)HPO4 2 4

0.2693 3.7137NHHPO4 2 4

0.2517 3.9727(NH)BO4 4 7

0.3193 3.1320NHPO4 3

0.01651 60.5785(NH ) PO・12MoO4 3 4 3

0.1889 5.2929NaPO3 4

0.08148 12.2725NaPO ・12H O3 4 2

0.2182 4.5832NaHPO2 4

0.1740 5.7465NaHPO ・2H O2 4 2

0.08648 11.5628NaHPO ・12H O2 4 2

0.2582 3.8735NaHPO2 4

0.2245 4.4551NaHPO ・H O2 4 2

0.1985 5.0368NaHPO ・2H O2 4 2

0.2330 4.2924N a P O4 2 4

0.2526 3.9589N a P O5 3 10

0.3038 3.2919NaPO3

0.6256 1.5985Pb Pb(NO)3 2

0.9283 1.0772PbO

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3.代表物質のg分子、g当量およびモル、規定の関係

種 物 質 分子式 1g分子 1g当量 モル(M)と規定

類 (N)の関係

塩酸 HCl 36.5 36.5 1M=1N

硝酸 HNO 63.0 63.03

酸 硫酸 HSO 98.1 49.1 1M=2N2 4

炭酸 HCO 62.0 31.02 3

りん酸 HPO 98.0 32.7 1M=3N3 4

ア 水酸化ナトリウム NaOH 40.0 40.0 1M=1N

ル 水酸化カリウム KOH 56.1 56.1

カ アンモニア水 NH 0H 35.0 35.04

リ 水酸化カルシウム Ca(OH) 74.1 37.1 1M=2N2

塩化ナトリウム NaCl 58.4 58.4 1M=1N

塩化カリウム KCl 74.6 74.6

塩化アンモニウム NH4Cl 53.5 53.5

硝酸カリウム KNO 101.1 101.13

硝酸アンモニウム NH4NO 80.0 80.03

酢酸アンモニウム CHCOONH 77.1 77.13 4

塩 硫酸ナトリウム NaSO 142.0 71.0 1M=2N2 4

硫酸カリウム KSO 174.3 87.22 4

硫酸アンモニウム (NH4) SO 132.1 66.12 4

硝酸カルシウム Ca(NO ) 164.1 82.13 2

炭酸ナトリウム NaCO 106.0 53.02 3

りん酸ナトリウム NaPO 164.0 54.7 1M=3N3 4

りん酸カリウム KPO 212.3 70.83 4

4.試薬の濃度

試 薬 比重 %(重量) g/L 規定度(N)

氷酢酸[CHCOOH] 1.05 99.0< 1,042 17.43

塩酸[HCl] 1.19 37.23 443 12.2

過塩素酸[HC1O ] 1.54 60.00 924 9.24

硝酸[HNO ] 1.40 65.30 914 14.53

りん酸[HPO ] 1.70 84.72 1,445 44.23 4

硫酸[HSO ] 1.84 95.60 1,759 35.92 4

アンモニア水 NHOH 0.90 28.33 255 15.0[ ]4* *

として* NH4

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5.培養液等の単位の変換方法

成 分

単位の変換 NH4-N NO3-N P K Ca Mg S

元素--〉酸化物 ×2.29 ×1.20 ×1.40 ×1.66 ×2.50

酸化物--〉元素 /2.29 /1.20 /1.40 /1.66 /2.50

mM --〉 me ×1 ×1 ×3 ×1 ×2 ×2 ×2

mM --〉 ppm ×14 ×14 ×31.0 ×39.1 ×40.1 ×24.3 ×32.1

me --〉 mM /1 /1 /3 /1 /2 /2 /2

me --〉 ppm ×14 ×14 ×10.3 ×39.1 ×20.0 ×12.2 ×16.0

ppm --〉 mM /14 /14 /31.0 /39.1 /40.1 /24.3 /32.1

ppm --〉 me /14 /14 /10.3 /39.1 /20.0 /12.2 /16.0

6.pH標準溶液(緩衝溶液)

標準液の略称 PHの値 調製法

フタル酸塩標準溶液 4.01 0.05molフタル酸水素カリウムC H (COOK)COOH水溶6 4

中性リン酸塩標準溶液 6.86 リン酸二水素カリウムKHPO 0.025molとリン酸水2 4

素ニナトリウムNaHPO ・2H 0 0.025molを水で溶2 4 2

かして1 にする。000ml

ホウ酸塩標準溶液 9.18 0.01mol四ホウ酸ナトリウムNa B 0 水溶液2 4 7

7. 酸・塩基指示薬

指示薬 PKa 変色pH 酸性側 アルカ 調整方法

20℃ リ側( )

チモールブルー(酸性側) 1.65 1.2~2.8 赤 黄 0.1%の20%エタノール水溶液

メチルオレンジ 3.46 3.1~4.4 赤 黄 0.1%の水溶液

メチルレッド 5.00 4.4~6.2 赤 黄 0.1%のエタノール溶液

ブロムチモールブルー 7.30 6.0~7.6 黄 青 0.1%の20%エタノール水溶液

フェノールレッド 8.00 6.8~8.4 黄 赤 0.1%の20%エタノール水溶液

チモールブルー アルカリ側 9.20 8 . 0~ 9. 6 黄 青 0.1%の20%エタノール水溶液( )

フェノールフタレイン ~9.7 8.3~10.0 無 赤 1%のエタノール溶液

チモールフタレイン 9.7 9.3~10.5 黄 青 0.1%のエタノール溶液

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8.作物に欠乏症または過剰症の出る各要素の土壌中含有量(高橋ら)

要素名 欠乏症のでやすい含量 過剰症のでやすい含量健全土壌の含量

硝酸態 0.5mg以下 3~8mg 砂質土10mg、粘質土20mg以上

窒素 アンモニア態 2.5mg以下 5~15mg 20mg以上

リン酸 有効態 8~20mg以下 30~100mg 300~500mg以上

カ リ 交換性 10mg以下 15~20mg 30~40mg以上

( )野菜は10~20mg以下

カルシ 交換性 100mg以下 200~400mg 500mg以上

ウム

マグネ 交換性 10~15mg以下 25~50mg

シウム

ケイ酸 有効態 10mg以下 15mg以上 過剰症なし

ホウ素 有効態 0.4ppm以下 0.8~2.Oppm 7ppm以上

マン 易還元性 50~60ppm以下 100~250ppm 300ppm以上

ガン 交換性 2~3ppm以下 4~8ppm 10ppm以上

鉄 交換性 4~8ppm以下 8~10ppm

亜鉛 可溶性 4ppm以下 8~40ppm 100ppm以上

銅 可溶性 0.5ppm以下 0.8~1.5ppm 5ppm以上

モリブ 有効態 0.03ppm以下 0.05~0.4ppm

デン

注)1.多量要素は乾土100g中mg、微量要素は乾土1,000g中mg

. 、 。2 上記の数字はだいたいの目安であり 実際には高い含有量でも過剰害がおきない場合がある

3.とくにリン酸の場合は、作物の種類によって著しく異なるほか、栽培様式によって大幅に変

動する。また、地域差(温度の高低)による相違も大きい。

Page 39: 土壌診断マニュアルds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~yunion/news/%93y%8f%eb%90f%92f.pdf土壌診断マニュアル ~土壌測定診断室における分析法~ 平成19年1月 山口県農林水産部

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9 . ア レ ニ ウ ス 氏 表 に よ る 酸 性 矯 正 炭 酸 カ ル シ ウ ム 施 用 量

〔矯正目標pH6.5(H2O)に要する10a当たリkg、深さ10cm〕 (kg/10a)

土 P H 4 . 0 4 . 2 4 . 4 4 . 6 4 . 8 5 . 0 5 . 2 5 . 4 5 . 6 5 . 8 6 . 0 6 . 2 6 . 4

性 腐 植

砂 含 む 4 2 4 3 9 0 3 5 6 3 2 3 2 8 9 2 5 5 2 2 1 1 8 8 1 5 4 1 2 0 8 6 5 3 1 5

壌 富 む 6 3 4 5 8 1 5 3 3 4 8 0 4 3 1 3 7 9 3 3 0 2 7 8 2 2 9 1 7 6 1 2 8 7 5 2 6

土 9 8 6 9 0 8 8 2 9 7 5 0 6 7 1 5 9 3 5 1 4 4 3 5 3 5 6 2 7 8 1 9 9 1 2 0 4 1す こ ぶ る 富 む

壌 含 む 6 3 4 5 8 1 5 3 3 4 8 0 4 3 1 3 7 9 3 3 0 2 7 8 2 2 9 1 7 6 1 2 8 7 5 2 6

土 富 む 8 4 4 7 7 6 7 0 9 6 4 1 5 7 4 5 0 6 4 3 9 3 7 1 3 0 4 2 3 6 1 6 9 1 0 1 3 4

1 , 2 6 8 1 , 1 6 6 1 , 0 6 5 9 6 4 8 6 3 7 6 1 6 6 0 5 5 9 4 5 8 3 5 6 2 5 5 1 5 4 5 3す こ ぶ る 富 む

埴 含 む 8 4 4 7 7 6 7 0 9 6 4 1 5 7 4 5 0 6 4 3 9 3 7 1 3 0 4 2 3 6 1 6 9 1 0 1 3 4

壌 富 む 1 , 0 5 4 9 7 1 8 8 5 8 0 3 7 1 6 6 3 4 5 4 8 4 6 5 3 7 9 2 9 6 2 1 0 1 2 8 4 1

土 1 , 5 4 9 1 , 4 2 5 1 , 3 0 l 1 , 1 7 8 1 , 0 5 4 9 3 0 8 0 6 6 8 3 5 5 9 4 3 5 3 1 5 1 8 8 6 4すこぶ る 富 む

埴 含 む 1 , 0 5 4 9 7 1 8 8 5 8 0 3 7 1 6 6 3 4 5 4 8 4 6 5 3 7 9 2 9 6 2 1 0 1 2 8 4 1

土 富 む 1 , 2 6 8 1 , 1 6 6 1 , 0 6 5 9 6 4 8 6 3 7 6 1 6 6 0 5 5 9 4 5 8 3 5 6 2 5 5 1 5 4 5 3

1 , 8 3 0 1 , 6 8 4 1 , 5 3 8 1 , 3 9 1 1 , 2 4 5 1 , 0 9 9 9 5 3 8 0 6 6 6 0 5 1 4 3 6 8 2 2 1 7 5す こ ぶ る 富 む

腐 植 土 2 , 0 6 3 1 , 8 9 8 1 , 7 3 3 1 , 5 6 8 1 , 4 0 3 1 , 2 3 8 1 , 0 7 3 9 0 8 7 4 3 5 7 0 4 1 3 2 4 8 8 3

注)消石灰使用の際は を掛けた量を施用する。火山灰土のばあいは普通土壌(鉱質土壌)より比重が小さい0.74

ので、この量より %くらいを減じたほうがよい。30