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平成30年北海道教育大学札幌校フレンドシップ事業(土曜講座) 土曜講座「ゲーム・クリエイターになろう」実施報告 平成 31 年 1 月 5 日(土) 北海道教育大学札幌校 201 教室 小学生 21 名 中学生1名 井上祥史(札幌校教員) 生活創造教育専攻 4年 新庄康祉(代表)、吉田宙史、大竹柊平(企画者) 2年 疋田明日美 1年 三國真奈 理数教育専攻 2年 高舘凌平 本講座では、プログラミング言語学習環境である、Scratch を使用する。この Scratch は、 ・ブロックを組み合わせるだけで容易にプログラムを作成できる ・目標のプログラムに至るまで複数の解答が考えられ、実力に応じて発展課題に挑戦できる といった利点を持っており、この講座を通して、児童の ・プログラミングの学習を通して、論理的思考力や順序立てて問題解決する能力をはぐくむ ・プログラム作成の経験から、身近な機器が計測制御されている仕組みに関心をもたせる ことをねらいとしている。 2 . 1 S c r a t c h 開始のあいさつをし、指導担当を紹介した。配布資料を配り、資料に乗っ取って日程を進めることを伝 えた。 コンピュータはあらかじめログインをして、Scratchの画面を開いた上で子どもを椅子に座らせていた ため、スムーズに始めることができた。 - 69 -

土曜講座「ゲーム・クリエイターになろう」実施報告 · 子どもたち一人ひとりプログラミングに取り組む。 残り時間を意識させ、ゲームが形になることを目標とする。

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Page 1: 土曜講座「ゲーム・クリエイターになろう」実施報告 · 子どもたち一人ひとりプログラミングに取り組む。 残り時間を意識させ、ゲームが形になることを目標とする。

平成30年北海道教育大学札幌校フレンドシップ事業(土曜講座)

土曜講座「ゲーム・クリエイターになろう」実施報告

実施日時

平成 31 年 1 月 5日(土)

実施場所

北海道教育大学札幌校 201 教室

参加人数

小学生 21 名 中学生1名

担当教員

井上祥史(札幌校教員)

指導担当

生活創造教育専攻 4年 新庄康祉(代表)、吉田宙史、大竹柊平(企画者)

2年 疋田明日美

1年 三國真奈

理数教育専攻 2年 高舘凌平

1.講座の目的

本講座では、プログラミング言語学習環境である、Scratch を使用する。この Scratch は、

・ブロックを組み合わせるだけで容易にプログラムを作成できる

・目標のプログラムに至るまで複数の解答が考えられ、実力に応じて発展課題に挑戦できる

といった利点を持っており、この講座を通して、児童の

・プログラミングの学習を通して、論理的思考力や順序立てて問題解決する能力をはぐくむ

・プログラム作成の経験から、身近な機器が計測制御されている仕組みに関心をもたせる

ことをねらいとしている。

2.講座の活動内容

2.1 開始のあいさつ、日程の説明、Scratch の説明

開始のあいさつをし、指導担当を紹介した。配布資料を配り、資料に乗っ取って日程を進めることを伝

えた。

コンピュータはあらかじめログインをして、Scratch の画面を開いた上で子どもを椅子に座らせていた

ため、スムーズに始めることができた。

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Page 2: 土曜講座「ゲーム・クリエイターになろう」実施報告 · 子どもたち一人ひとりプログラミングに取り組む。 残り時間を意識させ、ゲームが形になることを目標とする。

2.2 提示した例題、課題に取り組む

例題①:ネコを動かす

例題②:ネコのコスチュームを切り替え、走らせる

例題③:スペースキーを押したときにネコが走る

以上の例題を提示し、教室前方に教卓のコンピュータ画面を見せながら、全員一緒に取り組んだ。

課題①:左右矢印キーを押したとき、ネコが矢印の方向に走る

課題②:「敵にぶつかったらゲームオーバー」の設定

例題を踏まえながら、各自で課題①に取り組んだ。Scratch に慣れている子どももいて、早く進んだ人

から、定義のブロックを自分で作成し、プログラムを短縮する方法について考えたり、上下矢印キーを押

したときの動作の追加をして、課題②にも取り組んだ。背景やコスチュームを変更する子どもも多くい

た。

これらの例題・課題に取り組むことで、Scratch の使い方に慣れていき、また、プログラムの仕組みに

目を向けることができていた。

2.3 ゲーム開発に取り組む

課題②まで終えると、自分の作りたいゲームを考え、実際にプログラムを作っていった。

プログラムを作成する上で、イメージした動きをするプラグラムの作り方がわからない、という場面や、

考えたプログラムを動かすと、思い通りには動かない、という場面も多くあった。指導担当である学生に

積極的に質問をしていく子どもが多くいた。一緒に考えていくことで解決に導いていく、考えることでさ

らにゲーム開発が楽しくなる、そういった様子を見ることができた。

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2.4 ゲームを見せ合う

①近くの席の人と2~3人で1組となり、ゲームを紹介し合う。

②教室を半分に分け、発表側と見に行く側に分かれて、作品を紹介したり遊んでみたりする。

③全員が自由に移動し合って交流する。

以上の3つの流れで作成したゲームを見せ合った。

③の時間では、他の人からのアドバイスをもとに改良する人もいた。

紹介する方も、ゲームで遊ぶ方も楽しく交流する姿が見られた。特定のゲームに人が集まる様子も見ら

れたため、学生が率先して他のゲームの魅力について声をかけた。

2.5 終了のあいさつ

Scratch は家でもできることを伝え、学生から終了のあいさつをした。

受講者にはアンケートを記入してもらい解散した。

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3.受講者のアンケート結果

4.まとめ

今回の土曜講座を通して、プログラミングの楽しさを子どもたちに伝えることができた。Scratch は、

オンライン上でも使うことができ、ネット環境のある家庭では、自ら学習することができる。そのような

ツールを伝えることができたことで、プログラミングに関心のある子が主体的に学ぶきっかけを作るこ

とができた。

参加者に対して指導担当の人数が少なく、子どもの質問にすぐに対応できなかった場面もあったこと

が反省点である。

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<配布資料>

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土曜講座 当日の日程(2時間30分)

時間 実施内容 備考

13:00

導入

〇開始のあいさつ

〇今日の流れの説明

「わからないことがあったら何でも聞いてください。ただし、間違え

たり失敗することは良いことなので、何度も挑戦してみましょう」

〇Scratch の使い方説明

全員が Scratch の作業画面を開いたことを確認してから以下の 2 点

について解説する。

・横軸がx座標(-240~240)、縦軸がy座標(-180~180)であることを、

マウスポインターでネコを動かしながら確認する

・スプライトと背景の選び方、絵の描き方、プログラム実行の仕方、

ブロックの動かし方について確認する

資料を配布する。

配布資料「Scratch の

使い方①②」参照

13:10

展開①

〇課題①に取り組む

全員一緒に例題①~③に取り組んだ後、各自で課題①、①-2 に取り組

む。

「13:20 まで時間をとるので、課題①に取り組んでください。早くで

きた人は、課題①-2 にも挑戦してみよましょう。」

〇課題②に取り組む

全員一緒に例題④~⑥に取り組んだ後、各自で課題②に取り組む。

出来た人は、

〇課題③に取り組む

課題②までに作ったプログラムを基にしたゲームを一人ひとり考え

る。

・構想ができた人からプログラミングに取り組む

・時間があれば(~13:50)、Scratch の Web サイト「見る」から「ゲー

ム」などと検索して、他の人が作ったプログラムを見ながら考える。

5 分程度時間をとる。

10 分時間をとる。

課題②が各スプライ

トにプログラムを書

く必要があり難しい。

困っている子どもが

いたら声をかける。

14:00

休憩

〇トイレ、飲食(教室内は飲み物のみ〇?)の案内とパソコンを使用し

ないよう注意をする。

「熱中して画面を見すぎると目や頭が疲れるから、この 10 分間はパ

ソコンに触れることを禁止します」

・課題③の構想を考えてワークシートを記入することは許可する。

・教室に残っている子どもがいれば、前半までの感想やほかの人がど

んなゲームを作ろうとしているか聞き、アイディアの交流をする。

・子ども同士や学生も加わってお互いにアイディアを出し合う。

休憩の際はパソコン

の画面を消しておく

休憩時間も子どもに

積極的に声をかける。

初対面でも子ども同

士がプログラミング

を通して交流をして

ほしい

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Page 8: 土曜講座「ゲーム・クリエイターになろう」実施報告 · 子どもたち一人ひとりプログラミングに取り組む。 残り時間を意識させ、ゲームが形になることを目標とする。

14:10

展開②

〇課題③に取り組む

子どもたち一人ひとりプログラミングに取り組む。

残り時間を意識させ、ゲームが形になることを目標とする。

「作業時間は 15 時までの 50 分間です。先にメインのプログラムを完

成させてから、時間があれば色や音楽などに挑戦するようにしましょ

う。」

作業時間終了の 30 分

前、10 分前に声掛け

をする。

配布資料「ヒント集①

②」参照

15:00

交流会

〇プログラミングの紹介をし、お互いのゲームで遊ぶ

15 時で作業を一度止め、発表①~③の説明と発表の仕方を伝える。

「できているところまででいいので、発表会をしましょう。」

発表内容:

・作品名

・遊び方

・工夫したところ

・もう少し工夫したいところ(あれば)

15:04~

15:10~

15:20~

2 分×3

5 分×2

10 分

隣(近くの人)同士 2~3 人 1 組で紹介し合う

教室を半分に分けて、発表側と見に行く側に

分かれて作品を紹介したり遊んでみたりする

全員が自由に移動し合って交流する。

他の人からのアドバイスを基に改良したい人

は作業時間に充てても良い。

時間がなければ発表②は省略して③の時間を延ばしても可。

時間制限をアナウン

スする

15:30

修了

〇終了のあいさつ

学生・先生から軽く挨拶

時間があれば子どもたちにも今日の感想を発表してもらう。

アンケートを記入して退出

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