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Copyright © 2011. Oracle. All Rights Reserved © Copyright 2011 Hewlett-Packard Development Company,L.P. . 20113Oracle Database 移行の概要 HP 9000 サーバーからHP Integrity サーバーへ

Oracle Database 移行の概要...Business Copy によるデータ ファイルのコ ピー N/A 小 有 不要 不可 中 Continuous Access によ るデータファ イルのコピー

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2011年 3月

Oracle Database 移行の概要

HP 9000 サーバーからHP Integrity サーバーへ

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Oracle Database の移行

HP 9000 サーバーから HP Integrity サーバーへ

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はじめに

日本ヒューレット・パッカード株式会社(代表取締役 社長執行役員:小出 伸一、本社:東京都千

代田区、以下日本HP)と日本オラクル株式会社(代表執行役社長 最高経営責任者:遠藤 隆雄、

本社:東京都港区、以下日本オラクル)は、日本オラクル社内のIT基盤検証施設「Oracle GRID

Center」を活用して、ソリューションの開発、提案から保守、最新技術情報の市場への提供を行う

など、協業を強化することに合意しています。「Oracle GRID Center」を活用した両社の協業強化

によって、「HP+Oracle」ならではの堅牢でハイパフォーマンスなITインフラストラクチャを提案

し、IT投資の効率化、コスト削減を実現することで、お客様のビジネスにも貢献してまいります。

すでにHPとオラクルは28年を超える製品開発から販売、保守に至る全方位での密接な協調関係を

通じ全世界で14万社を超えるお客様に共同でシステム導入してきました。その結果として、

「Oracle Database」においても「Oracle Applications」の稼動プラットフォームとしてもHPサーバー

がもっとも多く利用され、HP自身が世界最大規模のオラクル導入ユーザーでもあります。これら

の強固な関係にもとづき、最新データベース Oracle Database 11g Release 2 においても引き続き

HP-UXはオラクルの重要プラットフォームの一つとして位置づけられています。

国内においても、日本HPと日本オラクルは相互に重要パートナーの一社として、20年にわたって

強力なパートナーシップを構築してきました。特に、企業のIT基盤の構築について、HP-UX搭載サ

ーバーと「Oracle Database」や「Oracle Fusion Middleware」の組み合わせを中心としたプラットフ

ォームの提案を行い、日本市場でのオープン・エンタープライズシステムの普及を加速してきまし

た。また、両社は、HP-UX搭載サーバー、オラクルのデータベース技術を中核に、次世代データ

センターやプライベートクラウドのような最新エンタープライズシステムの在り方を追求し、お客

様の経営課題、情報システムの課題を解決する提案を行っています。

日本HPと日本オラクルは、Oracle Database 11g Release 2 (11.2)へのバージョンアップと共に、HP

9000 サーバーからHP Integrity サーバーへの移行検証を Oracle GRID Center で実施しました。本

書を含む一連の資料はその一部の内容を説明しています。

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Oracle Database の移行

HP 9000 サーバーから HP Integrity サーバーへ

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概要 ................................................................................................... 3

移行全体の流れ ................................................................................. 3

新機能の把握 ..................................................................................... 3

Oracle Database の移行方法の決定 ................................................. 4

対象バージョンに直接移行する方法.................................................. 5

エクスポート/インポート ............................................................ 6

データベースリンク ...................................................................... 6

トランスポータブル表領域 ............................................................ 6

同じバージョンで移行した後にアップグレードする方法 .................. 6

データファイルの移動あるいはコピー .......................................... 7

データファイルの移動あるいはコピーに必要な HP-UX の要件 ... 8

データファイルの移動あるいはコピーによる移行例 ..................... 9

Oracle Database 11g Release 2 (11.2) での RAW デバイスの扱い10

RAW デバイスから他の記憶域への変更 ......................................... 10

Enterprise Manager 11gを使用したアップグレード前後での性能向上10

SQL Performance Analyzer (SPA) ............................................... 11

SQL Plan Management (SPM) .................................................... 11

SQL Tuning Advisor (STA) .......................................................... 11

移行前後における実行計画変化に伴う性能の変化の確認方法 ..... 12

Enterprise Manager 11gを使用したSQL文のチューニング ......... 12

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HP 9000 サーバーから HP Integrity サーバーへ

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概要

本書は、Oracle Database の移行方法、特に HP 9000 サーバーからHP Integrity サーバーに移行方

法の概要を理解するための資料です。

移行全体の流れ

HP 9000 サーバーからHP Integrity サーバーに移行する1つの方法を以下に示します。

業務稼働

業務稼動

業務停止

リハーサル環境の準備

• ハードウェアの準備• クラスターの準備• Oracle Database のインストール

• 新機能の把握• 移行方法の決定

バックアップの取得

リストア

バックアップの取得

リストア

• 移行手順の確認

• アップグレード前情報ツールの実行

• 実行計画と性能の事前確認

移行作業

• 移行元でのアーカイブの出力

• 移行元でのシャットダウン

• 移行先でのアーカイブの適用

• 移行先でのオープン

• 移行先でのアップグレード

• 移行先でのチューニング

• 移行先でのその他の作業

性能情報の取得

• 性能• ストアド・アウトライン• トレース• マッピングファイル

リハーサル環境

移行元 (HP9000 サーバー)

移行先 (HP Integrityサーバー)

チューニング結果

図1 HP 9000 サーバーから HP Integrty サーバーへの移行例

移行には様々な方法がありますが、ここでは業務停止時間が短くなる一例を示しています。まず移

行先の環境を準備し、移行元のバックアップを移行先にリストアして、リハーサルを行う環境(リ

ハーサル環境)を整えます。これにより、本番と同等のデータを持つリハーサル環境で入念な準備

を行うことができ、移行時のエラーの解消、実行計画や性能の事前確認が行え、より安全な移行が

実現可能です。

新機能の把握

Oracle Database を移行する場合、OS、クラスター、Oracle Database のバージョンが新しくなるこ

とが多いため、必要であればどのような新機能があるか最初に把握します。HP-UX、クラスター

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に関する情報は各バージョンのリリースノートを、Oracle Database に関する情報は各バージョン

の新機能ガイドを参照します。特に Oracle Database の新機能については非常に数が多いため、My

Oracle Support に用意されたドキュメント Oracle Database (version) Upgrade Companion のセクショ

ン Behavior Changes を利用してアップグレード時に発生する共通した問題のみを最初に把握し、

後から新機能を理解するのも1つの方法です。なお、移行先で使用するバージョンまでに複数のバ

ージョンが存在する場合は、そのすべてのバージョン情報を参照します。

Oracle Database の移行方法の決定

Oracle Database の移行方法には様々な方法が存在するためそれぞれの移行方法における特徴を以

下にまとめます。ここでは、移行時のシステム停止時間、移行時に中間ファイルを必要とし追加の

ディスクが必要かどうか、移行元と移行先で異なるディスクを用いた移行が可能かどうか、ASM

環境への移行が可能かどうか、自作スクリプトの作成や事前準備の量について比較しています。移

行方法は、対象バージョンに直接移行する方法と、同じバージョンのまま移行しその後にアップグ

レードを行う方法の大きく2つに分類されます。

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対象バージョンに直接移行する方法

HOT

Migration

or

COLD

Migration

システム停止時間

アップグレード作業

の有無

中間ファイルの

必要性

移行元と移行先で

異なるディスクを

用いた移行

AS

M

環境への移行

を含む異なる記憶域

への移行

自作スクリプトの作

成や事前準備の量

エクスポート

/インポート

Full Database

モード N/A 大 無 必要 可 可 尐

User モード N/A 中 無 必要 可 可 中

データベース

リンク +

ダイレクトロ

ード

N/A 中 無 不要 可 可 多

トランスポー

タブル表領域

ftp 等による

データファイ

ルのコピー

N/A 中 有 不要 可 不可 中

Recovery

Manager

( 以降 RMAN)

によるデータ

ファイルのコ

ピー

N/A 中 有 不要 可 可 中

Business Copy

によるデータ

ファイルのコ

ピー

N/A 小 有 不要 不可 不可 中

Continuous

Access に よ

るデータファ

イルのコピー

N/A 小 有 不要 可 不可 多

表1 Oracle Database の移行方法(その1)

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エクスポート/インポート

Oracle Database の移行の最も一般的な方法として用いられています。移行元と移行先のバージョ

ンが異なる、あるいは移行元と移行先のプラットフォームが異なったとしても、移行したいバージ

ョンに直接移行することが可能です。エクスポート及びインポート実行時にデータベースを停止す

る必要があり、大規模データベースではシステム停止時間が長くなる傾向があります。全データベ

ース・モードとユーザー・モードとで行う方法があります。

データベースリンク

移行元からスキーマの情報を取り出し、移行先に事前に同じスキーマを作成します。その後データ

ベースリンクを作成し、移行元のデータをネットワーク経由で移行先にコピーする移行方法です。

読み取り専用の表から順次移行が可能でデータベースを停止する時間は短縮できますが、多大な移

行工数が必要です。

トランスポータブル表領域

移行元にあるデータファイルを移行先に移動あるいはコピーし、トランポータブル表領域を用いて

移行先にデータを取り込む移行方法です。移行元と移行先のバージョンが異なる場合は、通常は移

行先(移行元でも可)でアップグレードが必要となります。Oracle Database 10g より前のバージョ

ンでは、同じプラットフォーム間でのみトランスポータブル表領域を利用可能でしたが、Oracle

Database 10g 以降では異なるフラットフォーム間でもトランスポータブル表領域の利用が可能で

す。

同じバージョンで移行した後にアップグレードする方法

次に同じバージョンのまま移行を行い、その後にアップグレードを行う方法を示します。なお、以

下に示す「データファイルの移動あるいはコピー」の移行方法は、同一OSでの移行、あるいは

HP 9000 サーバーから HP Integrity サーバーへの移行またはその逆の場合に使用可能です。表の項

目に記述されている HOT Migration と COLD Migration については後述します。

HOT

Migration

or

COLD

Migration

システム停止時間

アップグレード作業

の有無

中間ファイルの必要

性 移行元と移行先で異

なるディスクを用い

た移行

AS

M

環境への移行を

含む異なる記憶域へ

の移行

自作スクリプトの作

成や事前準備量

データファ

イルの移動

あるいはコ

ピー

ftp 等による

コピー

COLD 中 有 不要 可 不可 中

RMANによる

DUPLICATE

COLD 中 有 不要 可 不可 尐

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Business Copy

によるコピー

COLD 小 有 不要 不可 不可 中

Continuous

Access による

コピー

COLD 小 有 不要 可 不可 多

バックアップ

からのリスト

ア・リカバリ

ー(RMAN)

HOT 小 有 不要 可 可 中

バックアップ

からのリスト

ア・リカバリ

ー(手動)

HOT 小 有 不要 可 不可 中

表2 Oracle Database の移行方法(その2)

データファイルの移動あるいはコピー

インテル® Itanium® プロセッサーで用いられている IA-64 アーキテクチャーの共同設計におい

て、 HP が持っていた大きな目標の1つは PA-RISC に基づいた HP-UX 環境の高い互換性を維

持することでした。この互換性により、HP 9000 サーバー上に作成されたデータベースは、デー

タ変換することなしに HP Integrity サーバー上でも動作します。このため、HP 9000 サーバーから

HP Integrity サーバーへの移行は、移行元となるHP 9000 サーバーのデータベースを停止し、移行

先となる HP Integrity サーバーにデータベース・ファイルを移動し起動するといった方法を用いる

ことが可能となっています。また、移行元のバックアップを移行先にリストアし、一連の手順を踏

んで立ち上げることで、システム停止時間を最小にすることも可能です。移行元と移行先のバージ

ョンが異なる場合は、通常は移行先(移行元でも可)でアップグレードが必要となります。

HOT Migration は、移行元で標準のサポートされた方法により Oracle Database をバックアップ

し、移行先でリストアする移行方法を意味します。このバックアップ・リストアを用いた方法の優

位点は、移行元でオンライン・バックアップを行ない、移行先に移行元の REDO ログを適用する

まで移行元を動かし続けることができ、短いシステム停止時間で移行が可能です。HP

StorageWorks Business Copy や Continuous Access のようなディスクアレイのコピー機能を使っ

て、移行元から移行先に最新の REDO の更新を反映させることも可能です。

COLD Migration は、移行元のインスタンスをシャットダウンし、制御ファイル、UNDO 表領域用

のデータファイルやオンライン REDO ログファイルを含むデータファイルを移行先にコピーある

いは移動し、移行先でインスタンスを立ち上げる移行方法を意味します。RMAN の DUPLICATE

による移行方法は、移行元のインスタンスはオープンされていますが、DUPLICATE 実行中は業

務を遂行できないという理由によりこちらに分類しています。

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データファイルを移行先に移動する場合、移動あるいはコピーどちらの方法も選択できますが、コ

ピーを行えば移行元にデータベースをそのまま保つことができ、移行時に何か問題が発生してもす

ぐに移行元のデータベースを立ち上げるメリットがあります。データファイルの移動には、ディス

クの LUN (Logical Unit Number) のプレゼンテーションを変更する論理的な方法や、再配線や移行

元から線を抜き移行先に結線する物理的な方法などがあります。データファイルのコピーには、

HP StorageWorks Business Copy や Continuous Access などのディスクアレイの機能を用いた方法

や、伝統的な ftp や rcp などによる方法があります。

データファイルの移動あるいはコピーに必要な HP-UX の要件

HP 9000 サーバーから HP Integrity サーバーに Oracle Database を移行するためには、HP-UX に

関する以下の最低要件を満たす必要があります。以下に記述した HP-UX のリリース識別子は、

必要となる最低限のバージョンを示していますので、それ以降のバージョンを用いることも可能で

す。例えば”11i v1 (11.11) または 11i v2 (11.23)”という記述は、HP-UX 11i v1 (11.11) はサポート

される、HP-UX 11.22 はサポートされない、HP-UX 11i v2 (11.23) と HP-UX 11i v2 (11.23) よりそ

の後の HP-UX 11i v3 (11.31) はサポートされることを意味します。

Oracle Version HP-UX の最低要件

8i (8.1.7) COLD Migration が可能(データベースをオープンする前に 9i

にアップグレードする必要あり)

HP 9000 サーバー - 11.0

HP Integrity サーバー - 11i v2 (11.23)

9i (9.2.0.2 またはそれ以降) COLD Migration が可能

HP 9000 サーバー - 11.0

HP Integrity サーバー - 11i v2 (11.23)

9i (9.2.0.7 またはそれ以降) HOT Migration が可能

HP 9000 サーバー - 11i v1 (11.11) or

11i v2 September 2004 (11.23)

HP Integrity サーバー - 11i v2 September 2004 (11.23)

10g (10.2.0.2 またはそれ以降) COLD Migration 及び HOT Migration が可能

HP 9000 サーバー - 11i v1 (11.11) または

11i v2 September 2004 (11.23)

HP Integrity サーバー - 11i v2 September 2004 (11.23)

11g (11.1.0.6 またはそれ以降) COLD Migration 及び HOT Migration が可能

HP 9000 サーバー - 11i v2 March 2007 (11.23)

HP Integrity サーバー - 11i v2 March 2007 (11.23)

11g (11.2.0.1 またはそれ以降) COLD Migration 及び HOT Migration が可能

HP 9000 サーバー - 11i v3

HP Integrity サーバー - 11i v3

表3 データファイルの移動あるいはコピーに必要な HP-UX の要件

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使用している HP-UX が HP-UX 11i v2 September 2004 以降であるかどうかを確認するためには、

swlist コマンドを次のように使用し、

# swlist -l bundle | grep BUNDLE11i

BUNDLE11i のバージョンが B11.23.0409.3 以上であることを確認します。また、HP-UX 11i v2

March 2007 以降が動作しているかどうかは、BUNDLE11i のバージョンが B.11.23.0703 以上であ

ることを確認します。

データファイルの移動あるいはコピーによる移行例

HP 9000 サーバーから HP Integrity サーバーへの移行に伴うシステム停止時間をできるだけ尐なく

するために、移行元の HP 9000 サーバーのオンライン・バックアップを移行先の HP Integrity サ

ーバーでリストアする「データファイルの移動あるいはコピー」の「バックアップからのリスト

ア・リカバリー(手動)」による移行例を示します。

移行先の HP Integrity サーバーに、移行を行う為のディスク構成、ディスク容量、ファイルシステ

ム、Serviceguardクラスター構成等の設定を行います。

移行先の HP Integrity サーバーに、パッチを含め Oracle Database をインストールし、インスタン

スを稼動させます。Serviceguard や Oracle Clusterware が存在する場合は、それらも動作させま

す。

移行先の HP Integrity サーバーに、HP 9000 サーバーで取得したオンライン・バックアップのデー

タファイルをリストアします。

移行先の HP Integrity サーバーでデータベースをマウント状態にします。

移行元の HP 9000 サーバーのアーカイブを、移行先の HP Integrity サーバーで適用します。

リハーサルを行う場合は以下の項番6、リハーサルを行わない場合は項番9を実施します。

【リハーサル】移行先の HP Integrity サーバーでリハーサルを行う場合は、移行先のデータベース

をオープンします。

【リハーサル】移行先の HP Integrity サーバーで、アップグレード時に実行する DBUA で確認さ

れる項目を事前に確認するために、Oracle Database 11g Release 2 (11.2) のアップグレード前情報ツ

ール utlu112i.sql を実行します。エラーや警告が出た場合は、移行先の HP Integrity サーバーで事

前に解消しておきます。

【リハーサル】アップグレード前後で生じる実行計画とパフォーマンスの変化を確認します。

【リハーサル】リハーサルが終了したら項番3に戻ります。

移行元の HP 9000 サーバーの業務を停止します。

移行元の HP 9000 サーバーでアーカイブを出力し、インスタンスをシャットダウンします。

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移行元の HP 9000 サーバーに存在するすべてのアーカイブを、HP Integrity サーバーで適用しま

す。

移行先の HP Integrity サーバーでデータベースをオープンします。

移行先の HP Integrity サーバーのデータベースに、ネイティブにコンパイルされたオブジェクトが

存在する場合は、これらのオブジェクトは無効になっているため有効にする必要があります。

PL/SQL プロシージャのリコンパイルを行う場合と Java クラスのリコンパイルを行う場合があり

ます。詳細な手順は KROWN 133392 を参照してください。

移行先の HP Integrity サーバーで最新のバージョンにアップグレードします。

Oracle Database 11g Release 2 (11.2) での RAW デバイスの扱い

Oracle Database 11g Release 2 (11.2) から Oracle Universal Installer (OUI) や Database Configuration

Assistant (DBCA) を使用してデータベースを作成する際、RAW デバイスをデータベースファイル

に指定してデータベースを作成する事はサポートされなくなりました。Oracle Real Application

Clusters (RAC) の OCR や Voting ディスクについても同様です。このため、データベースファイ

ルは Oracle Automatic Storage Management (ASM)、ファイルシステム、NFS 上に作成することがで

き、Oracle Real Application Clusters (RAC) 環境では、ASM、クラスターファイルシステム、サーテ

ィファイされている NFS 上にデータベースファイルを作成することができます。

過去のリリースにて RAW デバイス上に作成したデータベースをアップグレードする場合は、

RAW デバイス上で引き続き使用することができます。また Oracle Enterprise Manager でもアップ

グレードした RAW デバイス上のデータベースを使用可能です。RAW デバイスへのファイル移

動やファイル作成も可能です。

参考:http://support.oracle.co.jp/krown_external/oisc_showDoc.do?id=136879

RAW デバイスから他の記憶域への変更

RAWデバイスから ASM を含む他の記憶域にデータベースを変更するためには、エクスポート/

インポートあるいは RMAN を利用して行うことができます。エクスポート/インポートであれば

COLD Migration 、RMAN であれば HOT Migration あるいは COLD Migration が可能です。

なお、RAW デバイスからファイルシステムにコピーを行う場合は、dd (1) コマンドを利用するこ

とも可能です。以下に例を示します。

# dd if=/dev/vgdb1/rlvol1 of=/fs1/rlvol1 bs=1024k

Enterprise Manager 11gを使用したアップグレード前後での性能向上

SQL 実行計画とは、SQL 文を実行するための物理的なデータアクセスの方法や、ユーザーへ結果

を返す際のデータ行の準備の方法を意味します。SQL 実行計画の変化は、アプリケーションのパ

フォーマンスに大きな影響を及ぼす可能性があります。

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Oracle Database のオプティマイザは、バージョンが上がるごとにより優れた実行計画を生成でき

るよう改善されているため、移行やアップグレードの前後で、実行計画が変化する可能性がありま

す。しかし、実行計画の変化によって、まれにパフォーマンスが劣化する場合があります。そのた

め、移行やアップグレード後のデータベースで業務を開始する前に実行計画の変化を把握し、パフ

ォーマンスが劣化するようであれば、チューニングを行う必要があります。以下にその方法を記述

しますが、はじめに Oracle Enterprise Manager 11g(以降、Enterprise Manager 11g)上で活用できる

Oracle Database の機能について記述します。

SQL Performance Analyzer (SPA)

SQL Performance Analyzer(以下 SPA )では、システム環境の変化前後で SQL を実行すること

で、その変化が SQL の実行計画とパフォーマンスに及ぼす影響を詳細に提示します。システム環

境の変化には、初期化パラメータの設定変更、ハードウェアやデータベース構成の変更などが挙げ

られます。

SPA は、別環境でキャプチャした大量の SQL 文(SQLワークロード)を用いて SQL の実行を

再現することができるため、テスト環境でアプリケーションを実際に稼働させる必要はありませ

ん。また SPA を用いると、システム環境の変化がパフォーマンスに及ぼす影響を把握する作業が

自動化かつ簡素化されます。さらに、SPA は下記で述べる STA および SPM と密接に連携して

おり、パフォーマンスの変化が報告された SQL 文については、Enterprise Manager 11g 上でそれ

らの機能にナビゲートされ、容易にチューニングを行うことも可能です。

SPA を用いて移行元の SQL 実行を再現するためには、移行元で SQL トレースおよびマッピン

グ表を取得し、SQL Tuning Set を作成します。また、SPA をご利用になる場合は、Real

Application Testing オプションが必要となります。

SQL Plan Management (SPM)

SQL Plan Management(以下 SPM )は、オプティマイザ自身が実行計画を時間経過とともに履歴

として記録し、評価する管理メカニズムです。SPM を用いると、オプティマイザは実行計画を自

動的に管理し、SQL ごとに最初に取得された実行計画または検証を通じて管理者により承認され

た実行計画のみを使用します。これは、該当する実行計画を元に SQL 計画ベースラインを作成す

ることにより実現され、たとえ SQL 文に新しい実行計画が生成されたとしても、現在の実行計画

と同等またはそれ以上のパフォーマンスを管理者が確認し SQL 計画ベースラインに追加するま

で、その新しい実行計画が使用されることはありません。これによりパフォーマンスを劣化させる

実行計画の使用を事前に防ぐことが可能となります。移行元の実行計画を SQL 計画ベースライン

に追加する方法は後述します。また、SPM は Enterprise Edition の機能です。

SQL Tuning Advisor (STA)

SQL Tuning Advisor(以下 STA )では、SQL の分析を行ない、パフォーマンスを最適化するチュ

ーニングの方法、例えば欠落している統計の再取得、より高速なアクセス・パスを実現するための

索引の作成などを提示します。DBA は Enterprise Manager 11g 上で STA によって提示された推

奨事項を受け入れるかどうかを判断するだけで、容易に推奨事項を実装することができます。

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STAでチューニングを行う際に移行元で事前に取得しておく情報はありません。また、STA をご

利用になる場合は、Oracle Tuning Pack オプションが必要となります。

移行前後における実行計画変化に伴う性能の変化の確認方法

移行前後の実行計画の変化を移行実施前に確実に把握するために、移行元と同じデータを持つリハ

ーサル環境で、移行元で使用されていた実行計画と移行先で生成される実行計画の両方を使用して

比較します。それによって、移行前後における実行計画の変化に伴うパフォーマンスの変化を確認

することができます。

移行実行前にリハーサル環境で、移行元と移行先の実行計画を再現する方法には、以下の2つの方

法があります。

OPTIMIZER_FEATURES_ENABLE 指定による実行計画の再現方法

初期化パラメータ OPTIMIZER_FEATURES_ENABLE は、Oracle Database のリリース番号に基づ

いたオプティマイザ機能を制御するパラメータです。例えば、このパラメータの値に「9.2.0」を指

定すれば、Oracle9i Database Release 2(9.2.0)のオプティマイザ機能を提供します。そのため、

このパラメータの指定により、移行元の実行計画を再現することができます。また、このパラメー

タの値に「11.2.0.2」を指定することで、移行先で生成される実行計画を用いて SQL を実行しま

す。

SQL 計画ベースライン作成による実行計画の再現方法

移行元から業務稼動中にストアド・アウトライン、あるいは SQL トレースおよびマッピング表を

取得し、そのいずれかを利用して移行先で SQL 計画ベースラインを作成します。これにより、移

行元で使用されていた実行計画をそのまま再現することができます。また、リハーサル環境の

Oracle Database のバージョンが 移行先と同じく11.2.0.2 であれば、移行先の実行計画を再現させ

るための特別な操作は必要ありません。但し、この際、実行される SQL に対する実行計画(例え

ば、移行元の実行計画)が既に SQL 計画ベースラインに追加されている場合は、その実行計画を

用いて SQL 文が実行されないよう、SQL 計画ベースラインの使用を無効にするか、あるいは該

当する実行計画が追加されていない状態で SQL を実行する必要があります。

Enterprise Manager 11g を使用した SQL 文のチューニング

SPA を用いると、移行に伴うパフォーマンスの変化の把握が自動化かつ簡素化され、実行計画や

パフォーマンスが変化した SQL を容易に見つけることができます。またパフォーマンスの劣化が

報告された SQL 文については、Enterprise Manager 11g 上で STA、SPM にナビゲートされ、容易

にチューニングを行うこともできます。これにより、移行後もパフォーマンスを維持、または向上

させることができます。

実際には、リハーサル環境で SPA、SPM、STA などを用いて十分なテストおよびチューニングを

実施し、移行先での予期せぬ実行計画の変化によるパフォーマンス劣化を防ぐ作業を行います。な

お、作成した SQL 計画ベースラインを別環境に移動するためには、ステージング表を作成し、そ

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Oracle Database の移行

HP 9000 サーバーから HP Integrity サーバーへ

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のステージング表を別環境に移します。また、リハーサル環境で行った STA によるチューニング

結果も、移行先に施す必要があります。

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Oracle Database の移行

HP 9000 サーバーから HP Integrity サーバーへ

2011年 3月

日本ヒューレット・パッカード株式会社

東京都千代田区五番町七番地

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ますのでご了承ください。記載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。

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2011年 3月

著者: 王 小芬

共著者: 佐々木 亨

日本オラクル株式会社

東京都港区北青山2-5-8

オラクル青山センター

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