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1/16 MANUAL TSA ® Research Reagents Caution: For Laboratory Use. A research chemical for research purposes only. TSA Biotin Systems Tyramide Signal Amplification For in situ Hybridization and Immunohistochemistry

TSA Biotin Systems - 株式会社パーキンエルマージャ … バッファーで室温5 分間3 回洗浄する。 TNT バッファーで室温 5 分間3 回洗浄する。 ↓

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MANUAL TSA® Research Reagents

Caution: For Laboratory Use. A research chemical for research purposes only.

TSA Biotin Systems Tyramide Signal Amplification For in situ Hybridization and Immunohistochemistry

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TSA Biotin System Manual NEL700A001KT/ NEL700001KT

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キットの内容 TSA Biotin System NEL700A001KT (50 - 150 スライ

ド分)

1x Amplification Diluent (15mL)

Biotin Tyramide (乾燥品、300µL DMSO で溶解) Streptavidin-HRP (150µL)

ブロッキング試薬 (3g)

NEL700001KT(200 - 600 スラ

イド分)

1x Amplification Diluent (30mL)

Biotin Tyramide (乾燥品、DMSO 1.2mL で溶解) Streptavidin-HRP (2x 150µL)

ブロッキング試薬 (10g)

TSA Biotin Stand Alone Tyramide Kit SAT700001EA (200 - 600 スラ

イド分)

1x Amplification Diluent (60mL)

Biotin Tyramide (乾燥品、DMSO 1.2mL で溶解)

SAT700B001EA (1,000 - 3,000 ス

ライド分)

1x Amplification Diluent (4x 75mL)

Biotin Tyramide (乾燥品、DMSO 1.2mL で溶解、 5 本)

別売製品

FP1020 ブロッキング試薬 (3g)

製品情報 保存条件 遮光下+4°C 安定性 未開封であれば最低 6 か月間は安定です。有効期限は製

品ラベルに表示されています。 注意: ジメチルスルホキシド (DMSO)の蒸気は眼や皮

膚に対し刺激性があるため、安全ゴーグルを着用してド

ラフトチャンバー内で取り扱ってください。また、皮膚

への浸透性が非常に高いため、DMSO で溶けてしまうニ

トリル製グローブではなくラテックス性グローブを着用

してください。

目次

TSA テクノロジーとは ........................................................ 2 必要な試薬 ........................................................................ 3 その他の試薬 .................................................................... 3 溶液の調整 ........................................................................ 3 ビオチンチラミド ストック溶液 ............................. 3 10x TNT バッファー .................................................... 3 TNB (TN Blocking) バッファー .................................. 3 ビオチンチラミド反応液 ............................................. 3

一般的な注意事項など ..................................................... 3 内因性ペルオキシダーゼの不活化 ................................. 3

免疫組織化学染色(IHC)の検出フロー ............................... 4 IHC プロトコール ............................................................. 5

in situ ハイブリダイゼーション (ISH) の検出フロー .... 7 ISH プロトコール ............................................................. 8

トラブルシューティング ................................................... 10 IHC ................................................................................... 10 シグナルが弱い ........................................................... 10 バックグラウンドが高い ........................................... 11

ISH .................................................................................... 13 シグナルが弱い ........................................................... 13 バックグラウンドが高い ........................................... 13

ホルマリン固定パラフィン包埋組織(FFPET)切片の

内因性ペルオキシダーゼ失活法 ................................... 14 参考文献 .............................................................................. 15 関連製品 .............................................................................. 16 TSA テクノロジーとは TSA (Tyramide Signal Amplification) は、免疫組織化学染

色や in situ Hybridization の検出シグナルを、簡便かつ短

時間の反応で特異的に増幅し、染色・蛍光よる検出感度を

向上させる方法です。 キットに含まれるビオチンチラミドは、低濃度の過酸化

水素の存在下、組織上に固定された西洋わさびペルオキ

シダーゼ(HRP)の触媒作用により短命の反応性に富む

中間体に変換され、ごく近傍に露出している芳香族アミ

ノ酸と共有結合を形成します。HRP 分子の近傍に大量の

ビオチン分子が共有結合し、シグナルが増幅されること

になります。

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必要な試薬 どのような検出系を組むのかで異なりますが、TSA シス

テムでは次の様な HRP 標識試薬が必要です。 ビオチン化されたプローブや抗体の検出には、HRP

標識ストレプトアビジン(NEL750001EA) ジゴキシゲニン標識されたプローブや抗体を検出

する場合には、HRP 標識抗ジゴキシゲニン (anti-DIG) 抗体(NEF832001EA)

フルオレセイン標識プローブや抗体を検出する場

合には、HRP 標識抗フルオレセイン抗体 (NEF710001EA)

動物種特異的 HRP 標識二次抗体 HRP 標識抗ウサギ IgG 抗体(ヤギ由来)(NEF812001EA) HRP 標識抗マウス抗体 IgG(ヤギ由来)(NEF822001EA) その他の試薬 DMSO (Molecular biology or HPLC grade)

例えば、Sigma-Aldrich # D 8418 最終検出に使う酵素標識ストレプトアビジン(SA)

および発色基質、あるいは蛍光標識 SA TSA Biotin Stand Alone Tyramide Kit では、ブロッキ

ング試薬 (FP1020) バッファー作成に必要な試薬 溶液の調整 以下のバッファーや試薬はサンプルスライドの準備やシ

グナル増幅に必要です。 ビオチンチラミド ストック溶液 ビオチンチラミドは乾燥品として供給されます。必要量

の DMSO で再構成してストック溶液を作ります。このス

トック溶液は+4°C保存で少なくとも 3か月間は安定です。

DMSO は+4°C で凍結しますので、使用時に解凍して下さ

い。より低温で保管することで安定性が高まるという知

見はありません。 チューブ 1 本当たりの DMSO 添加量は以下の通りです。 製品番号 DMSO 容量 NEL700A001KT 300µL NEL700001KT 1,200µL SAT700001EA, SAT700B001EA 1,200µL 10x TNT バッファー 121.14g Trizma Base 87.6g NaCl 800mL の精製水を加え 6M HCl で pH7.5 に調整します。

10% Tween 20 水溶液 50mL を添加し、精製水で 1L に調

整します。室温で数週間保存可能です。精製水で 10 倍希

釈して使用します。 TNT 以外のバッファー、例えば、PBS に置き換えること

もできます。また、Tween 20 を 0.3% Triton X-100 に置換

することも可能ですので、ご自分で評価しつつ適切なバ

ッファーをお使い下さい。

TNB (TN Blocking) バッファー 1.211g Trizma Base 0.876g NaCl 80mL の精製水を加え、6M HCl で pH7.5 に調整し、精製

水で 100mL とします。撹拌しながら徐々に粉末ブロッキ

ング試薬 0.5g を加えます。撹拌を続けて 55°C まで加熱

して、完全に溶かします。小分けして、-20°C で保存可

能です。一日以上常温で保存した TNB バッファーは廃棄

してください。 ビオチンチラミド反応液 DMSO で溶解したストック溶液を 1x アンプリフィケー

ション希釈液 (1x Amplification diluent)で 50 倍に希釈し

ます。スライド 1 枚当たりの使用量は、100-300µL が目

安です。使わなかった反応液は、再使用せず廃棄します。 一般的な注意事項など 各ステップの途中でスライドが乾燥しないよう注

意して下さい。 インキュベーションは湿潤箱(モイストチャンバー)

内で行って下さい。 希釈や不均一な反応を避けるため、洗浄から反応に

移行する際には、キムワイプなどで、切片の周りを

拭うなどして、できる限りバッファーが残らない様

にして下さい。 切片を充分覆う量の反応液を使って下さい。カバー

スリップを使うことで、反応液量を減らすことが可

能です。 内因性ビオチンがバックグラウンドの原因になっ

ていないかチェックして下さい。 シグナルが高すぎる場合、一次抗体やプローブ、あ

るいは HRP 標識レポーター分子の希釈を試して下

さい。1x アンプリフィケーション希釈液には、過

酸化水素が含まれていますので、ビオチンチラミド

反応液を水などで更に希釈することは避けて下さ

い。 初めて TSA システムを使う際は、他の系で検出が

うまくいっているサンプルで試して下さい。 内因性ペルオキシダーゼの不活化 TSA 反応はペルオキシダーゼによって触媒されます。内

因性ペルオキシダーゼはバックグラウンドを生じますの

で、適切に失活させる必要があります。サンプルに応じ

た失活条件を決めて下さい。一般には、以下の処理をお

勧めします。 0.3%- 3% 過酸化水素を含む PBS で、10- 60 分間イ

ンキュベーションする。 0.3%- 3% 過酸化水素を含むメタノールで、10- 60

分間インキュベーションする。 パラフィン包埋切片の場合、脱パラフィン、再水和の後

にペルオキシダーゼ不活化を行うことができます。凍結

切片あるいは細胞塗沫では固定処理の後、プロテアーゼ

処理の前に不活化を行えます。 不活化処理の後は、TNT あるいは 1x PBS で 5 分間洗浄

します。

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免疫組織化学染色(IHC)の検出フロー

標準的な免

疫染色手法

内因性ペルオキシダーゼの不活化(0.3% H2O2 in PBS for 30min or 3.0% H2O2 in PBS for 5 min) 組織への抗体の浸透性を高める(必要に応じて)

TNB バッファー中で室温 30 分間ブロッキングを行う。

一次抗体と室温で 30- 60 分間反応させる。

TNT バッファーで室温 5 分間 3 回洗浄する。

HRP の導入 HRP 標識第二抗体と室温で 30 分間反応させ

る。

ビオチン標識第二抗体と室温で 30– 60 分間反

応させる。

or TNT バッファーで室温 5 分間 3 回洗浄する。

SA-HRP と室温で 30 分間反応させる。

TNT バッファーで室温 5 分間 3 回洗浄する。

TSA 増幅 水気を切ったのちチラミド反応液を加え室温で 3-10 分間インキュベーションする。

TNT バッファーで室温 5 分間 3 回洗浄する。

蛍光検出 酵素発色検出

↓ ↓

可視化

蛍光標識ストレプトアビジン溶液中で室温 30分間インキュベーションする。

HRP あるいは AP 標識したストレプトアビジン

溶液中で室温 30 分間インキュベーションする

↓ ↓

TNT バッファーで室温 5 分間 3 回洗浄する。 TNT バッファーで室温 5 分間 3 回洗浄する。

↓ ↓

対比染色を行い、蛍光退色防止剤入りマウン

ト剤などで封入し、蛍光顕微鏡で観察する。

発色基質を加え反応させ、適切なバッファーで

洗浄する。対比染色を行い、マウント、顕微鏡

観察する。

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IHC プロトコール 操作 コメント Step 1. 組織切片の準備 通常の固定や包埋方法で組織や細胞を準備する、脱パラ

フィンや親水処理を行う。内因性ペルオキシダーゼの不

活化を行う。

Step 2. ブロッキング TNB バッファーを添加し、湿潤箱内で室温 30-60 分間あ

るいは+4°C でオーバーナイトインキュベーションを行

う。

TNB (TN Blocking) バッファー 0.1M Tris-HCl, pH7.5 0.15M NaCl 0.5% ブロッキング試薬

Step 3. 一次抗体との反応 TNB バッファーを除き、TNB バッファーで希釈した一

次抗体と反応を行う。インキュベーション時間や温度

は、抗体の製造者の指示に従う。通常スライド当たり

100-300µL を用いる。

次の濃度で TSA 検出を試て、予め適切な一次抗体の濃度検

討を行って下さい。 スライド 1: 通常の検出と同じ濃度 スライド 2: スライド 1 の 5 分の 1 濃度 スライド 3: スライド 2 の 5 分の 1 濃度 スライド 4: スライド 3の 5分の 1濃度(必要なら更に希釈

系列を作る) スライド 5: 一次抗体無し(ネガティブコントロール)

Step 4. 洗浄 TNT バッファー内で撹拌しながら、室温 5 分間の洗い

を 3 回繰り返す。

TNT バッファー 0.1M Tris-HCl, pH7.5 0.15M NaCl 0.05% Tween-20

Step 5. HRP の導入 TNB バッファーで希釈した HRP 標識二次抗体と室温で

30 分間あるいは+4°C でオーバーナイトインキュベーシ

ョンを行う。スライド当たり 100-300µL を添加し、湿式

チャンバー内で行う。

HRP 標識抗マウス抗体 (NEF822001EA): 500- 2,000 倍希釈 HRP 標識抗ウサギ抗体 (NEF812001EA): 500- 2,000 倍希釈 ビオチン標識二次抗体の場合は、以下の操作となります。 1) TNB バッファーで希釈して室温で 30- 60 分間反応させ

る。 2) TNT バッファー内で撹拌しながら、室温 5 分間の洗い

を 3 回繰り返す。 3) TBN バッファーで希釈した SA-HRP と室温で 30 分間

あるいは+4°C でオーバーナイトインキュベーション

を行う。 キットに含まれる SA-HRP: 100 倍希釈 SA-HRP (NEL750001EA): 1,250 – 2,500 倍希釈 他社の HRP レポーター分子の場合、推奨されている希釈倍

率よりもより希釈する必要があると思います。

Step 6. 洗浄 TNT バッファー内で撹拌しながら、室温 5 分間の洗い

を 3 回繰り返す。

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Step 7. TSA 増幅 キムワイプなどで、切片の周りをぬぐうなどして、でき

る限り TNT バッファーを除く。ビオチンチラミド反応

液をスライド当たり、100- 300µL 添加する。室温で 3-10分間インキュベーションする。湿潤箱内で行うか、カバ

ースリップを使い乾燥を防ぐ。

ビオチンチラミド反応液 ビオチンチラミド ストック溶液を 1x アンプリフィケーシ

ョンダイリューエントで 50 倍希釈し反応液とします。

Step 8. 洗浄 TNT バッファー内で撹拌しながら、室温 5 分間の洗い

を 3 回繰り返す。

Step 9. 検出(可視化) a) 蛍光検出では、蛍光物質標識ストレプトアビジンを

室温で 30 分間反応させる。TNT バッファーで室温

5 分間 3 回洗浄する b) 発色検出では、TNB バッファーで希釈した HRP あ

るいは AP 標識ストレプトアビジンを室温で 30 分

間反応させる。TNT バッファーで室温 5 分間 3 回

洗浄する。適切な基質を使い酵素発色反応を行う。 常法に従い対比染色やマウントを行う。

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in situ ハイブリダイゼーション (ISH) の検出フロー DIG あるいはビオチン標識プローブ濃度と HRP 標識抗ハプテン分子(例えば HRP 標識抗 DIG 抗体や SA-HRP)の希釈率

を適切に設定することが良い結果を得るために重要です。

in situ ハイブリダイ

ゼーション

内因性ペルオキシダーゼの不活化(必要に応じて) プレハイブリダイゼーション(必要に応じて) プローブハイブリダイゼーション 洗い(Stringency wash)

ブロッキング TNB バッファー中で室温 30 分間インキュベーション する。

HRP の導入 適当な HRP 標識抗ハプテン分子(HRP 標識抗 DIG 抗体、SA-HRP など)と室温で 30 分間インキュベ

ーションする。

TNT バッファーで 5 分間 3 回洗浄する。

TSA 増幅 余分な水分を除き、チラミド反応液を加え室温で 3- 10 分間インキュベーションする。

TNT バッファーで室温 5 分間 3 回洗浄する。

↓ ↓

蛍光検出 酵素発色検出

↓ ↓

可視化

蛍光物質で標識したストレプトアビジン溶

液中で室温 30 分間インキュベーションす

る。

HRP あるいは AP 標識したストレプトアビジン

溶液中で室温 30分間インキュベーションする。

↓ ↓

TNT バッファーで室温 5 分間 3 回洗浄後 TNT バッファーで室温 5 分間 3 回洗浄する。

↓ ↓

対比染色を行い、蛍光退色防止剤入りマウ

ント剤などで封入し、蛍光顕微鏡で観察す

る。

発色基質を加え反応させる。対比染色を行い、

マウント、顕微鏡観察する。

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ISH プロトコール 操作 コメント Step 1. 組織切片の準備 通常の固定や包埋方法で組織や細胞を準備する、脱パラ

フィンや再水和を行う。

Step 2. ISH 常法に従い ISH をおこなう。必要に応じてプレハイブ

リダイゼーションや内因性ペルオキシダーゼの不活性

化を行う。 標識ハプテンは、DIG、ビオチン、DNP、フルオレセイ

ンなど自由に選択可能です。 通常の条件でハイブリダイゼーション後の洗い

(Stringency wash) を行います。

次の濃度で TSA 検出を試て、予め適切なプローブ濃度の検

討を行って下さい。 スライド 1: 通常の検出と同じ濃度のプローブ スライド 2: スライド 1 の 5 分の 1 のプローブ濃度 スライド 3: スライド 2 の 2 分の 1 のプローブ濃度 スライド 4: プローブ無し(ネガティブコントロール) 通常の検出系で十分なシグナルが得られているのであれ

ば、通常の検出法でぎりぎりシグナルが出るくらいまでに

プローブを希釈してから、TSA を使った検出を試みて下さ

い。 普段の検出でも、TSA 増幅を行わないスライドと、プロー

ブを加えずに TSA 増幅を行うネガティブコントロールを常

に置いて下さい。 可能ならば、次のようなコントロールもご検討下さい。 ネガティブコントロール 本来のサンプルで得られたシグナルが特異的であることを

確認するための次の 3 種類のコントロール。 a) Target Control: RNase処理を行いサンプル中のmRNAを分解したもの 1) Hybridization Control: センス鎖プローブによりハイブリダイゼーションを行

ったもの ハプテン標識アンチセンスプローブに大過剰(10 倍程

度)の標識していないアンチセンスプローブを加えて

ハイブリダイゼーションを行ったもの 2) Detection Control: プローブを加えずにハイブリダイゼーション以降の処

理を行ったもの 抗ハプテン抗体を加えずに検出を行ったもの TSA による増幅を行わずに、他の検出系を用いたもの ポジティブコントロール 対象の組織で確実に発現している mRNA に対するプローブ

を用いた TSA 検出を行う。これにより、サンプル由来のパ

ラメーター(プロテアーゼによる浸透性の向上や、内因性

ペルオキシダーゼのクエンチングが適切に行われている

か)を、またプローブの標識反応あるいは免疫学的検出自

体が機能しているかの確認が行えます。

Step 3. ブロッキング TNB バッファーを添加し、湿潤箱内で室温 30-60 分間あ

るいは+4°C でオーバーナイトインキュベーションを行

う。

TNB (TNT Blocking) Buffer 0.1M Tris-HCl, pH7.5 0.15M NaCl 0.5% ブロッキング試薬

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Step 4. HRP の導入 TNB バッファーで希釈した HRP 標識抗ハプテン抗体と

室温で 30分間あるいは+4°Cでオーバーナイトインキュ

ベーションを行う。 スライド当たり 100- 300µL を添加し、湿潤箱内で行う。

キットに含まれる SA-HRP: 100 倍希釈 SA-HRP (NEL750001EA): 250– 1,000 倍希釈 HRP 標識抗 DIG 抗体(NEF832001EA): 500- 5,000 倍希釈 HRP 標識抗フルオレセイン抗体(NEF710001EA): 100- 500 倍

希釈 HRP 標識抗 DNP 抗体(FP1129): 100- 500 倍希釈 他社の HRP 抗ハプテン分子の場合、推奨されている希釈倍

率よりもより希釈する必要があると思います。

Step 5. 洗浄 TNT バッファー内で撹拌しながら、室温 5 分間の洗い

を 3 回繰り返す。

TNT バッファー 0.1M Tris-HCl, pH7.5 0.15M NaCl 0.05% Tween-20

Step 6. TSA 増幅 ビオチンチラミド反応液をスライド当たり、100- 300µL添加する。室温で 3- 10 分間インキュベーションする。

湿潤箱内で行うか、カバースリップを使い乾燥を防ぐ。

ビオチンチラミド反応液 ビオチンチラミド ストック溶液を 1x アンプリフィケーシ

ョン希釈液で 50 倍希釈します。

Step 7. 洗浄 TNT バッファー内で撹拌しながら、室温 5 分間の洗い

を 3 回繰り返す。

Step 8. 検出(可視化) a) 蛍光検出では、蛍光物質標識ストレプトアビジンを

室温で 30 分間反応させる。TNT バッファーで室温

5 分間 3 回洗浄する b) 発色検出では、TNB バッファーで希釈した HRP あ

るいは AP 標識ストレプトアビジンを室温で 30 分

間反応させる。TNT バッファーで室温 5 分間 3 回

洗浄する。適切な基質を使い酵素発色反応を行う。 常法に従い対比染色や適当なマウンティングメディア

を用いてマウントを行う。

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トラブルシューティング IHC シグナルが弱い

原因 対策あるいは確認方法 ターゲット抗原がサンプ

ルで発現していない、ま

たは、一次抗体の反応性

が低い。

同じ組織や細胞で、用いた抗体によりシグナルを得たことがあるのか確認します。

抗原の存在量が非常に低

かった。 TSA による検出を繰り返してみる。例えば、HRP を介した最初のビオチンチラミド反応

を行う。SA-HRP を反応させ、再びビオチンチラミド反応を繰り返してみます。

一次抗体の濃度が低す

ぎ、または高すぎた。 一次抗体の濃度の検討を行います。一次抗体をより高い濃度とより希釈したものの両方で

検討して下さい。濃度の高い場合に、シグナルがでないということは信じがたいことです

が、一次抗体がたくさんサンプルに残ることにより、最終的に HRP が大量に存在すると、

一度に活性化されたチラミド同士が反応してダイマーを作ってしまいサンプルに結合し

ません。

HRP 存在量とチラミドシグナルの関係(模式図) チラミドダイマーは、コラーゲンやエラスチン(Elastin)にアフィニティーがあるという報

告 1)が有ります。このため、チラミドダイマーが形成された場合、結合組織や血管で非特

異的なシグナルが出る可能性が有ります。

検出する抗原に一次抗体

がアクセスし難かった。 一次抗体を抗原にアクセスしやすくするために、以下の方法があります。

a) 何らかの固定が施されたサンプルでは問題ありませんが、凍結切片では抗体の浸透

性をあげるために、ブロッキングバッファーに 0.1% Triton X-100 を添加することが

できます。ただし、核あるいは細胞質マトリクスを構成するタンパク質あるいは、

細胞膜上の抗原検出には、溶出や膜構造の破壊を避けるため、全てのステップで界

面活性剤を含まないバッファーの使用を薦めます。 b) ホルマリン固定パラフィン包埋切片では、エピトープの構造や電荷が変化してしま

い一次抗体がうまく認識できないことがあります。このような場合、抗原賦活化

(antigen retrieval)と呼ばれる操作を行います。賦活化にはいくつかの方法 2-5)がありま

す。脱パラフィン・再水和の後、例えば、10 mM クエン酸 pH 6.0 あるいは、1mM EDTA, pH 8.0 にサンプルスライドを浸し、沸騰水浴中でインキュベーションまたは

電子レンジで沸騰するまで加熱します。蒸留水洗浄 2 分間の後 TBST によるブロッ

キング 10 分間を行います。 BioGenex, DAKO, Vector などから賦活化溶液も市販さ

れています。

チラミド反応が生じない

酵素が使われていた。 HRP 標識二次抗体あるいは SA-HRP をチラミドの反応に用います。アルカリフォスファ

ターゼでは、チラミド反応は起こりません。

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チラミドの調整が適切で

なかった、あるいは分解

していた。

ビオチンチラミドはプロトコールに示された量の DMSO で再構成します。DMSO は、

Molecular Biology grade あるいは HPLC grade を使用して下さい。また、古くなった DMSOは空気中の水分を吸収し、冷蔵保存(+ 4°C)では凍結しなくなります。このような DMSOはチラミドの再構成に適しません。 a) 再構成後の保存は+ 4°C を薦めます。吸湿を防ぐため、保存容器をパラフィルムでラ

ップする、実験台でふたを開けておいておく時間を最低限にするなど心がけて下さ

い。- 80°C で保存することにより安定性が向上する、または分解が進むという知見

は今のところありません。 b) 何回もの凍結融解を避けるため、小分けして保存なさる方もいらっしゃいます。そ

のような場合には、ガラス容器をお勧めします。プラスチック容器の場合、おそら

く DMSO に溶解する成分があるため、問題が生じる場合があります。 c) 再構成した後の使用期間はビオチンの場合 6 ヶ月間を目安にして下さい。

1x アンプリフィケーシ

ョン希釈液で希釈したチ

ラミドの失活の可能性

1x アンプリフィケーション希釈液には過酸化水素が含まれるため、一度調製したチラミ

ド溶液は、ビオチンチラミドでは 24 時間までが使用期限です。使い切れなかったものは、

使用せずに廃棄して下さい。

最終検出が発色反応の場

合、酵素標識二次抗体や

SA の希釈が高すぎた。

発色反応に用いた酵素標識抗体や酵素標識 SA の濃度を再検討して下さい。 2 倍高い濃度を試し下さい。

発色基質が適切に調整さ

れていなかった。 発色基質が適切でなかった、あるいは分解していた可能性のある場合は、発色基質の再調

整や新規購入を検討して下さい。

試薬の使用順序が適切で

なかった。 操作の各ステップの順序や温度時間の再確認を行って下さい。

バックグラウンドが高い 原因 対策あるいは確認方法 内因性ペルオキシダーゼ

活性存在した。 内因性ペルオキシダーゼの不活化を行います。例えば、0.3% から 3%の過酸化水素を含む

メタノールまたは PBS を使い、室温で 10-60 分間処理して、ペルオキシダーゼを失活させ

ます。 チラミドはペルオキシダーゼにより活性化されてサンプル組織に露出しているチロシン

残基と結合します。

もし組織や細胞に自然に含まれるペルオキシダーゼ活性が残っていると、チラミドを活性

化して非特異的なシグナルを生じます。 確認法:サンプル切片にブロッキングだけを行い、ビオチンチラミド反応液を加えてみま

す。ストレプトアビジンを使った検出を行いシグナルが生じていないかを確認します。 対策:バックグラウンドシグナルが生じるのであれば、クエンチングの過酸化水素の濃度

を上げる、または、処理時間を延ばしてみます。また、他のクエンチング条件を試みます6)。ホルマリン固定パラフィン包埋切片では、電子レンジ加熱による抗原の賦活化と同時

に内在性ペルオキシダーゼ失活が行を行った例があります 7)。

内因性ビオチンが存在し

た。 内因性ビオチンは、パラフィン包埋切片の場合よりも凍結切片の場合に問題になることが

あります。サンプルとしては、肝臓、腎臓、消化管、肺、脾臓、脳、乳腺、脂肪組織ある

いはリンパ節などが特に存在量が多いようです。 確認法: a) ブロッキングを行い、蛍光または酵素標識ストレプトアビジンを反応させる。シグ

ナルが生じないかを確認します。

OH

Protein

NH R

O

OH

H2O2 O2 NH R

O

O

NH R

O

C

OH

OH

Protein

NH R

O

OH

Tyrosin residue

Tyramide

R = Biotin, Fluorescence or DNP

Peroxidase+

Isomers

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b) ブロッキングを行い、HRP 標識ストレプトアビジン(SA-HRP)だけを反応させ、さら

にビオチンチラミド反応と検出を行います。シグナルが生じていないかを確認しま

す。 対策:可能であれば、サンプルをパラフィン包埋します。市販の内因性ビオチンブロッキ

ングキット (DAKO X0590, Life Technologies 00-4303)や NeutrAvidin を使用する。あるいは、

ビオチン‐ストレプトアビジンの介在する反応を回避するため、TSA DIG Kit あるいは

TSA Plus DNP kit を検討して下さい。

一次抗体または標識二次

抗体あるいは SA-HRP の

濃度が高かった。

何枚かのスライドを準備し、TSA を用いずに検出していた場合、あるいは抗体の製品説明

書の推奨希釈の、4‐5 倍希釈した一次抗体を検討してみる。一次抗体 100 倍希釈で使用し

ていた場合、1: 100, 1: 500, 1: 2,500 や 1: 12,500 の希釈を検討します。二次抗体であれば、

2 倍希釈を検討します。 確認法:内因性ペルオキシダーゼのクエンチングを行い、一次抗体を用いずに、その後の

全ステップを行ったコントロール切片サンプルで非特異的シグナルが生じていないかを

確認します。 対策:一次抗体をより希釈します。更に、バックグラウンドが出るようであれば、二次抗

体を希釈します。HRP 標識二次抗体をより種特異性の高いものに換えて下さい。

HRP 標識二次抗体や

SA-HRP のストック溶液

に凝集物が含まれ、それ

が切片に沈着してしまっ

た。

ストック溶液を軽く遠心して、上清を希釈して使って下さい。

非特異的結合のブロッキ

ングが不十分だった。 TSA ブロッキング試薬に 2- 10 %の通常血清を組み合わせて使ってみます。通常血清は、

用いる二次抗体の由来動物種と同じものを用います。TSA ブロッキング試薬を、一次抗体、

二次抗体あるいは SA-HRP 希釈液に添加することも、非特異的バックグラウンドを抑える

ため効果があることがあります。 粉末の TSA ブロッキング試薬を溶解する場合、0.1M Tris-HCl, pH7.5, 0.15M NaCl バッファ

ーに徐々に加え、撹拌したまま 55°C 程度に加熱して下さい 8)。30-60 分間撹拌して完全に

溶かして下さい。小分けして-20°C 保存が可能です。

洗浄が不十分だった。

TSA プロトコールに示されている洗いの回数は最低限必要な回数です。回数を増やした

り、時間を延ばしたり、振盪することが効果的であることがあります。細胞表面や/オル

ガネラ膜の染色以外では、洗浄バッファーに界面活性剤を添加します。

切片が部分的に乾燥して

しまった。 組織や細胞の乾燥が起こった場合、(特にサンプルの端で)まだら状の高いバックグラウ

ンドを生じます。 対策:サンプルを覆うのに十分な量の試薬を用います。また、カバースリップを使ったり、

それらの反応インキュベーションを湿潤箱内で行い乾燥を防ぎます。

自家発光を回避する。

内在性リポフスチン(Lipofuscin)やエラスチン由来の可能性や、グルタルアルデヒドあるい

はホルムアルデヒド固定に由来する自家発光が考えられます 9)。 対策: a) 発色による検出に切り替える、あるいは近赤外領域の発光である Cyanine 5 の使用を

検討してみる。 b) アルデヒド固定した切片では自家発光が生じることがあります。これは、修飾され

たε-アミノ基と蛍光物質が結合しているものと思われます。一次抗体の反応の前に、

50mM NH4Cl を含む PBS 中で 10 分間室温インキュベーション後、PBS でリンスしま

す。

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ISH

シグナルが弱い 原因 対処法あるいは確認方法 mRNA が対象サンプルで

発現していない。 RT-PCR で発現を確認してみて下さい。

ターゲットmRNAが分解

してしまった可能性は無

いか。

凍結切片の場合、組織は- 80°C で一ヶ月以上保存しない。クリオスタット切片は 48 時間

以内に使用する。RNase の混入を避ける基本的な操作を行って下さい。

プローブおよびハイブリ

ダイゼーション条件 ブローブの標識効率や濃度の確認を行う。組織や細胞にプローブを浸透しやすくするため

に、プロテアーゼ処理や界面活性剤処理を試みて下さい。

バックグラウンドが高い ISH におけるバックグラウンドの原因は、プローブ標識やハイブリダイゼーションの条件あるいは免疫学的手法を使った

検出のどちらかまたは両方に由来します。 プローブに由来するバックグラウンド プローブ濃度が高すぎた。 静電気によりプローブが非特異的に切片に付着した。 ハイブリダイゼーションやその後の洗いのストリンジェンシーが低かった。 免疫学的手法に由来するバックグラウンド 内因性ペルオキシダーゼまたは内因性ビオチンの影響。 ハプテンを認識する抗体濃度が高い、あるいは凝集物を含んでいた。 ブロッキングや洗いが不十分だった。 用いる試薬の量が不十分で切片の乾燥が生じた。 サンプルの自己蛍光。 確認法:バックグラウンドが何に由来するのかを確認するため、プローブを省くか、センス鎖プローブを使ったコントロ

ールスライドで TSA 検出操作を行ってください。 コントロールスライドでバックグラウンドが見られないのであれば、プローブ濃度あるいはハイブリダイゼーション条

件、洗いのストリンジェンシーを検討して下さい。 バックグラウンドが見られたら、免疫学的検出の条件を検討して下さい。

原因 対処法あるいは確認方法 プローブおよびハイブリ

ダイゼーション条件 a) プローブ濃度を通常の検出の場合の 2‐10 倍に希釈してみる。

b) プレハイブリダイゼーションの時間を延ばす、あるいは行っていなければ行ってみ

る。 c) ハイブリダイゼーション温度を上げる、バッファーのホルムアミド濃度を上げるな

どにより,ストリンジェンシーを上げる。 d) 洗いのストリンジェンシーを上げる(塩濃度を下げる、温度を上げる、SDS 濃度を

上げる)。 e) 静電的なプローブの非特異的結合を減らすため、切片のアセチル化(0.25% acetic

anhydride in 0.1M triethanolamine)を行ってみる。 f) Riboprobe を用いた場合、ハイブリダイゼーションの後に RNase A 処理を行う。 g) T3 プロモーターによるプローブ作成であれば、T7 や SP6 プロモーターに替えてみ

る。

免疫学的検出条件 IHC の項を参照

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ホルマリン固定パラフィン包埋組織(FFPET)切片の内因性ペルオキシダーゼ失活法

Step 1. スライドの準備 通常の固定や包埋方法で組織や細胞を準備する、脱パラ

フィンや再水和処理を行う。 例えば 1) キシレン中で 10 分間、3 回 2) 100% エタノール中 5 分間 3) 95% エタノール中 5 分間 4) 70% エタノール中 2 分間 精製水で洗浄し、TBST 中で 2 分間放置。

普段の検出でも、TSA 増幅を行わないスライドと、一次抗

体やプローブを加えずに TSA 増幅を行うネガティブコント

ロールを常に置いて下さい。 バックグラウンドシグナルを下げるため、オートクレーブ

滅菌した精製水を用いてください。

Step 2. 電子レンジによる加熱 10mM クエン酸水溶液 pH6.0 を満たしたプラスチック

容器にスライドグラスを 1 枚入れ、電子レンジの出力を

最高にして沸騰するまで加熱する。出力を 20%に落と

し、15 分間連続加熱する。放置し、室温まで冷却する。 精製水で洗浄を 2 分間行い、ブロッキングに進む。

電子レンジの出力調整ができなければ、20-30 秒ごとに最大

出力で沸騰させることを繰り返して、適した回数を決めて

下さい。

Step 3. ブロッキング TNB バッファーを添加し、室温で 30-60 分間あるいは

+4°C でオーバーナイトインキュベーションを湿潤箱内

で行う。

TNB (TNT Blocking) Buffer 0.1M Tris-HCl, pH7.5 0.15M NaCl 0.5% ブロッキング試薬

以降は IHC、ISH プロトコールと同じです。

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参考文献 1) Roth, K.A. Tyramide signal amplification strategies for fluorescence labeling [on line]

http://www.uab.edu/medicine/neurosciencecore/images/forms-documents/SfN_Short_Course.pdf 2) McNichol, A.M. & Richmond, J.A. Optimizing immunohistochemistry: antigen retrieval and signal amplification.

Histopathology 32, 97-103 (1998). 3) Loup F., Weinmann O., Yonekawa Y., Aguzzi A., Wieser H.G. & Fritschy J-M. A highly sensitive immunofluorescence

procedure for analyzing the subcellular distribution of GABAA receptor subunits in the human brain. J. Histochem. Cytochem. 46, 1129-1139 (1998).

4) Toda, Y., Kono, K., Abiru, H. Kokuryo, K. Endo, M., Yaegashi, H. & Fukumoto, M. Application of tyramide signal amplification system to immunohistochemistry: A potent method to localize antigens that are not detectable by ordinary method. Pathology International 49, 479-483 (1999).

5) Evans, M. F. Aliesky, H.A. & Cooper, K. Optimization of biotinyl-tyramide-based in situ hybridization for sensitive background-free applications on formalin-fixed, paraffin-embedded tissue specimens. BMC Clinical Pathology 3, 1-17 (2003).

6) Liu, G., Amin, S. Okuhama, N. Liao, G. and Mingle, L.A. A quantitative evaluation of peroxidase inhibitors for tyramide signal amplification mediated cytochemistry and histochemistry. Histochemistry and Cell Biology. 126, 283-291 (2006).

7) Tóth, Z.E. & Mezey, È. 2007 Simultaneous Visualization of Multiple Antigens with Tyramide Signal Amplification using Antibodies from the same Species. J. Histochem. Cytochem. 55, 545-554 (2007).

8) TSA protocol for ISH. [on line] http://www.brainshark.com/caliper/vu?pi=zGYzNSUJrz5ITJz0 9) Autofluorescence: Causes and Cures, Wright Cell Imaging Facility, University Health Network Research. [on line]

http://www.uhnres.utoronto.ca/facilities/wcif/PDF/Autofluorescence.pdf

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DAB Substrate For detection of Horseradish Peroxidase

NEL938001EA

Version 1.03

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