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Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 無線通信システム研究会/情報理論研究会/信号処理研究会 三木信彦 (香川大学) 永田聡 (NTTドコモ) 2017.1.19

Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

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Page 1: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

Polar符号の移動通信システムへの適用と5G標準化動向

無線通信システム研究会/情報理論研究会/信号処理研究会

三木信彦 (香川大学)

永田聡 (NTTドコモ)

2017.1.19

Page 2: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

はじめに

本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適用と5G標準化動向について概説• 通信路分極

• 符号化・復号法

• 他のチャネル符号化との比較○ Turbo符号(LDPC符号),畳込み符号

○ 特性評価

• 移動通信に適した構成

• 5G標準化動向:制御チャネルの符号化として合意

香川大学 工学部 電子・情報工学科 2

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3

通信路分極

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W

二元対称通信路離散無記憶であり2元対称通信路(W)が対象

• BSC: Binary Symmetric Channel

• BEC: Binary Erasure Channel

• BIAWGNC: Binary Input AWGN Channel

誤り率特性等の評価はBIAWGNCを用い,通信路分極の説明には説明の簡単さからBECを用いる.

入力xX={0,1},出力yYとした場合の遷移確率 W(y|x)

香川大学 工学部 電子・情報工学科 4

x y

1

Erasure

1

²

²

1-²

1-²

通信路容量

C(W)=1-²

BEC消失率:²

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通信路分極の原理

複数のチャネルをCombine, Splitして,分極化した通信路に変換

香川大学 工学部 電子・情報工学科 5

Erdal Arıkan, “Polar Coding Tutorial”より

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具体的な例

独立な2通信路

香川大学 工学部 電子・情報工学科 6

x0

x1

W

W

y0

y1

u0

u1

x0

x1

W

W

y0

y1

Combining

u0が出力になっ

ている点に注意

u0x0

x1

W

W

y0

y1

u0

u1

x0

x1

W

W

y0

y1

u0

Splitting

入力

出力出力

u1

Page 7: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

具体的な例

通信路 , の通信路容量

香川大学 工学部 電子・情報工学科 7

(y0, y1)のどちらかor両方が消失するとu0は消失u0x0

x1

W

W

y0

y1

入力

出力u1

u0の消失率両方が消失 y0が消失 y1が消失

Page 8: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

具体的な例

通信路 , の通信路容量

香川大学 工学部 電子・情報工学科 8

(y0, y1)のどちらかor両方が消失するとu0は消失u0x0

x1

W

W

y0

y1

入力

出力u1

u0

u1

x0

x1

W

W

y0

y1

u0

出力

入力

(y0, y1)の両方が消失するとu1は消失

u0の消失率

u1の消失率

両方が消失 y0が消失 y1が消失

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具体的な例

通信路 , の通信路容量

香川大学 工学部 電子・情報工学科 9

(y0, y1)のどちらかor両方が消失するとu0は消失u0x0

x1

W

W

y0

y1

入力

出力u1

u0

u1

x0

x1

W

W

y0

y1

u0

出力

入力

(y0, y1)の両方が消失するとu1は消失

u0の消失率

u1の消失率

両方が消失 y0が消失 y1が消失

の順に復号

Page 10: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

具体的な例

通信路 , の通信路容量

香川大学 工学部 電子・情報工学科 10

(y0, y1)のどちらかor両方が消失するとu0は消失u0x0

x1

W

W

y0

y1

入力

出力u1

u0

u1

x0

x1

W

W

y0

y1

u0

出力

入力

(y0, y1)の両方が消失するとu1は消失

u0の消失率

u1の消失率

両方が消失 y0が消失 y1が消失

の順に復号

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具体的な例

独立な4通信路

香川大学 工学部 電子・情報工学科 11

x0 W y0

x1 W y1

x2 W y2

x3 W y3

Page 12: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

具体的な例

独立な4通信路

香川大学 工学部 電子・情報工学科 12

x0 W y0

x1 W y1

x2 W y2

x3 W y3

Page 13: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

具体的な例

独立な4通信路

香川大学 工学部 電子・情報工学科 13

x0 W y0

x1 W y1

x2 W y2

x3 W y3

劣悪な通信路 を結合

良好な通信路 を結合

Page 14: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

具体的な例

独立な4通信路

香川大学 工学部 電子・情報工学科 14

x0 W y0

x1 W y1

x2 W y2

x3 W y3

劣悪な通信路 を結合

良好な通信路 を結合

Page 15: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

具体的な例

独立な4通信路

香川大学 工学部 電子・情報工学科 15

x0 W y0

x1 W y1

x2 W y2

x3 W y3

劣悪な通信路 を結合

良好な通信路 を結合

W

W

W

y3

y0

y1

y2

Wu3

u0

u1

u2

Page 16: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

具体的な例

独立な4通信路

香川大学 工学部 電子・情報工学科 16

x0 W y0

x1 W y1

x2 W y2

x3 W y3

劣悪な通信路 を結合

良好な通信路 を結合

W

W

W

y3

y0

y1

y2

Wu3

u0

u1

u2

W

W

W

y3

y0

y1

y2

Wu3

u0

u1

u2

復号順

Page 17: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

具体的な例

独立な4通信路

香川大学 工学部 電子・情報工学科 17

x0 W y0

x1 W y1

x2 W y2

x3 W y3

劣悪な通信路 を結合

良好な通信路 を結合

W

W

W

y3

y0

y1

y2

Wu3

u0

u1

u2

W

W

W

y3

y0

y1

y2

Wu3

u0

u1

u2

W

W

W

y3

y0

y1

y2

Wu3

u0

u1

u2

復号順 復号順

Page 18: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

具体的な例

独立な4通信路

香川大学 工学部 電子・情報工学科 18

x0 W y0

x1 W y1

x2 W y2

x3 W y3

劣悪な通信路 を結合

良好な通信路 を結合

W

W

W

y3

y0

y1

y2

Wu3

u0

u1

u2

W

W

W

y3

y0

y1

y2

Wu3

u0

u1

u2

W

W

W

y3

y0

y1

y2

Wu3

u0

u1

u2

W

W

W

y3

y0

y1

y2

Wu3

u0

u1

u2

復号順 復号順 復号順

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具体的な例

独立な4通信路

香川大学 工学部 電子・情報工学科 19

x0 W y0

x1 W y1

x2 W y2

x3 W y3

消失率

消失率

Page 20: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

具体的な例

独立な8通信路

香川大学 工学部 電子・情報工学科 20

x0 W y0

x1 W y1

x2 W y2

x3 W y3

x4 W y4

x5 W y5

x6 W y6

x7 W y7

Page 21: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

具体的な例

独立な8通信路

香川大学 工学部 電子・情報工学科 21

x0 W y0

x1 W y1

x2 W y2

x3 W y3

x4 W y4

x5 W y5

x6 W y6

x7 W y7

Page 22: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

具体的な例

独立な8通信路

香川大学 工学部 電子・情報工学科 22

x0 W y0

x1 W y1

x2 W y2

x3 W y3

x4 W y4

x5 W y5

x6 W y6

x7 W y7

を結合

を結合

を結合

を結合

Page 23: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

通信路分極

²=0.4の場合

香川大学 工学部 電子・情報工学科 23

Page 24: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

通信路分極

²=0.4の場合

香川大学 工学部 電子・情報工学科 24

Page 25: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

通信路分極

²=0.4の場合

香川大学 工学部 電子・情報工学科 25

Page 26: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

通信路分極

²=0.4の場合

香川大学 工学部 電子・情報工学科 26

Page 27: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

通信路分極

²=0.4の場合

香川大学 工学部 電子・情報工学科 27

Page 28: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

通信路分極

²=0.4の場合

香川大学 工学部 電子・情報工学科 28

Page 29: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

通信路分極

²=0.4の場合

香川大学 工学部 電子・情報工学科 29

Page 30: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

通信路分極

²=0.4の場合

香川大学 工学部 電子・情報工学科 30

Page 31: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

通信路分極

²=0.4の場合

香川大学 工学部 電子・情報工学科 31

2割程度がC(W)=0

4割程度がC(W)=1

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通信路分極

²=0.4の場合

香川大学 工学部 電子・情報工学科 32

n=0

n=1

n=2

n=4

n=8

n=16

Page 33: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

通信路分極

²=0.4の場合

香川大学 工学部 電子・情報工学科 33

n=0

n=1

n=2

n=4

n=8

n=16

n • C(W)=0 or 1の通信路に収束

• その割合は通信路容量と一致C(W)=1となる通信路のみを用いることでシャノン容量を実現可能- C(W)=1となる通信路:データ- C(W)=0となる通信路:ダミービット

(凍結ビットと呼ぶ)

4割程度がC(W)=0

6割がC(W)=1

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34

符号化・復号法

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符号化法

有限長の場合には,通信路容量は完全に0 or 1に分極していない

通信路容量,誤り率などの指標の良好な通信路を用いて通信

例)BEC (²=0.4), n=3 (N=8ビット)の場合

情報ビットk=4ビットを符号化

(符号化率4/8=1/2)

香川大学 工学部 電子・情報工学科 35

u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

C(W)

0.02

0.24

0.35

0.83

0.50

0.91

0.95

1.00

C(W)の高い4ビット:情報ビット(I)

その他の4ビット:凍結ビット(F)

I

I

I

F

I

F

F

F

Page 36: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

符号化の具体例k =4ビット,符号化後のビット数N=8の場合,情報ビット(u3,u5,u6,u7)=(1,1,0,0)を符号化する場合を説明.

香川大学 工学部 電子・情報工学科 36

u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

0

0

1

0

1

0

0

0

Page 37: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

符号化の具体例k =4ビット,符号化後のビット数N=8の場合,情報ビット(u3,u5,u6,u7)=(1,1,0,0)を符号化する場合を説明.

香川大学 工学部 電子・情報工学科 37

u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

0

0

1

0

1

0

0

00

0

1

1

1

1

0

0

Page 38: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

符号化の具体例k =4ビット,符号化後のビット数N=8の場合,情報ビット(u3,u5,u6,u7)=(1,1,0,0)を符号化する場合を説明.

香川大学 工学部 電子・情報工学科 38

u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

0

0

1

0

1

0

0

00

0

1

1

1

1

0

0

1

1

1

0

1

1

0

1

Page 39: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

符号化の具体例k =4ビット,符号化後のビット数N=8の場合,情報ビット(u3,u5,u6,u7)=(1,1,0,0)を符号化する場合を説明.

香川大学 工学部 電子・情報工学科 39

u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

0

0

1

0

1

0

0

00

0

1

1

1

1

0

0

1

1

1

0

1

1

0

1

1

0

0

1

1

0

0

1

Page 40: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

復号法(システムモデル)

情報系列(u0,u1,u2,u3,u4,u5,u6,u7)を符号化した系列(x0,x1,x2,x3,x4,

x5,x6,x7)を送信し,AWGNが乗算された受信信号された系列より計算した対数尤度比(L0,L1,L2,L3,L4,L5,L6,L7)から情報系列を推定

香川大学 工学部 電子・情報工学科 40

u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

W

W

WW

W

W

W

WW

W

L0

L1

L2

L3

L4

L5

L6

L7

Page 41: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

逐次除去復号法[1]u0u1u2u3u4u5u6u7の順に復号

• 凍結ビットの場合は既知なので復号は不要

尤度は右から左に

香川大学 工学部 電子・情報工学科 41

u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

W

W

WW

W

W

W

WW

W

L0

L1

L2

L3

L4

L5

L6

L7

尤度の流れ

復号

Page 42: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

尤度の基礎計算(LDPC符号と同一)

尤度の流れは以下の2パターン• XORへの入力が既知 or 未知によって決定

香川大学 工学部 電子・情報工学科 42

既知の場合

g

®

¯

0

g

®

¯

1

未知の場合

f ®

¯

Page 43: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

逐次除去復号法u0を復号

香川大学 工学部 電子・情報工学科 43

u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

W

W

WW

W

W

W

WW

W

L0

L1

L2

L3

L4

L5

L6

L7

f

f

f

f

f

f

f

Page 44: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

逐次除去復号法u1を復号

香川大学 工学部 電子・情報工学科 44

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

W

W

WW

W

W

W

WW

W

L0

L1

L2

L3

L4

L5

L6

L7

f

f

f

f

f

f

g

Page 45: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

逐次除去復号法u2を復号

香川大学 工学部 電子・情報工学科 45

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

W

W

WW

W

W

W

WW

W

L0

L1

L2

L3

L4

L5

L6

L7

f

f

f

f

g

g

f

Page 46: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

逐次除去復号法u3を復号

香川大学 工学部 電子・情報工学科 46

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

W

W

WW

W

W

W

WW

W

L0

L1

L2

L3

L4

L5

L6

L7

f

f

f

f

g

g

g

Page 47: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

x1

逐次除去復号法u4を復号

香川大学 工学部 電子・情報工学科 47

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x2

x3

W

W

WW

W

W

W

WW

W

L0

L1

L2

L3

L4

L5

L6

L7

g

g

g

g

f

f

f

Page 48: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

x1

逐次除去復号法u5を復号

香川大学 工学部 電子・情報工学科 48

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x2

x3

W

W

WW

W

W

W

WW

W

L0

L1

L2

L3

L4

L5

L6

L7

g

g

g

g

f

f

g

Page 49: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

x1

逐次除去復号法u6を復号

香川大学 工学部 電子・情報工学科 49

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x2

x3

W

W

WW

W

W

W

WW

W

L0

L1

L2

L3

L4

L5

L6

L7

g

g

g

g

g

g

f

Page 50: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

x1

逐次除去復号法u7を復号

香川大学 工学部 電子・情報工学科 50

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x2

x3

W

W

WW

W

W

W

WW

W

L0

L1

L2

L3

L4

L5

L6

L7

g

g

g

g

g

gg

Page 51: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

逐次除去リスト復号法

逐次除去復号法の問題点• 既知系列の復号誤りに弱い

• 以降の凍結ビットについての考慮がない

逐次除去リスト復号法[2]が提案• 累積メトリックの低いL候補を保存

香川大学 工学部 電子・情報工学科 51

u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

C(W)

0.02

0.24

0.35

0.83

0.50

0.91

0.95

1.00

通信路容量の低いチャネルを先に復号

誤り伝搬の可能性

Page 52: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

CRCを用いる逐次除去リスト復号法[3]

逐次除去リスト復号法ではL個の系列候補が存在• 通常は累積メトリックが最小の系列を復号結果として出力

一方,パケット伝送ではエラーフリー伝送のため,CRCといった誤り検出符号を連接

L個の系列候補のうち,CRCにより誤りが検出されなかった系列を復号結果として出力することで特性改善を図る

香川大学 工学部 電子・情報工学科 52

Page 53: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

53

他のチャネル符号化との比較

Page 54: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

他のチャネル符号化との比較

Turbo符号/LDPC符号:繰り返し復号処理を適用

Polar符号/畳み込符号:系列推定を適用

逐次除去リスト復号法では軟出力が困難• Belief Propagationアルゴリズムを適用

• 逐次除去復号法を拡張して軟出力を得る方法[4]

などが提案

ブロック誤り率特性を比較• Turbo符号との比較:情報ビット長512, 符号化率1/2

• 畳込み符号との比較:情報ビット長64, 符号化率1/2

香川大学 工学部 電子・情報工学科 54

Page 55: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

Turbo符号との比較

香川大学 工学部 電子・情報工学科 55

Received Eb/N0 (dB)

BLE

R

• Polar符号(逐次除去復号法)はTurbo符号に比較して大幅に特性が劣化

Turbo符号

Polar符号(逐次除去復号法)

Page 56: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

Turbo符号との比較

香川大学 工学部 電子・情報工学科 56

Received Eb/N0 (dB)

BLE

R

• Polar符号(逐次除去復号法)はTurbo符号に比較して大幅に特性が劣化

• リスト型逐次除去復号法の適用により大幅に特性が改善 L=8程度で改善は飽和

傾きはいまだ悪い

Polar符号(リスト型逐次除去復号法)

L=1

L=2

L=4

L=8

L=16

Turbo符号

Page 57: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

Turbo符号との比較

香川大学 工学部 電子・情報工学科 57

Received Eb/N0 (dB)

BLE

R

• Polar符号(逐次除去復号法)はTurbo符号に比較して大幅に特性が劣化

• リスト型逐次除去復号法の適用により大幅に特性が改善 L=8程度で改善は飽和

傾きはいまだ悪い

• CRCの適用により更に特性が改善 L=16でも改善は未飽和傾きも大幅に改善

Polar符号(CRCを用いるリスト型逐次除去復号法)

L=1

L=2

L=4

L=8

L=16

Turbo符号一例のみであり,常にこの特性差になるわけではないので注意が必要

Page 58: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

畳込み符号との比較

香川大学 工学部 電子・情報工学科 58

Received Eb/N0 (dB)

BLE

R

• CRCを用いるリスト型逐次除去復号法を適用

• Lが増大するとほぼ同等の特性L=1

L=2

L=4

L=8

L=16

Polar符号畳み込符号

注意:符号化率,情報ビット長により特性の優劣が異なる

Page 59: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

59

移動通信に適した構成

Page 60: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

要求条件

データチャネル• 良好な特性の実現

• 様々な符号化率・情報ビット長の実現

• パケット合成型ハイブリッドARQの実現

• 低処理遅延・処理量の実現

制御チャネル• 良好な特性の実現

• 様々な符号化率・情報ビット長の実現

香川大学 工学部 電子・情報工学科 60

Page 61: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

様々な符号化率・情報ビット長の実現

様々なサイズのデータを様々な符号化率を用いて伝送することが必要

香川大学 工学部 電子・情報工学科 61

u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3情報ビット/凍結ビット数を変更することで,容易に変更可能

符号語のビット数は基本的に2のべき乗に限定

Page 62: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

様々な符号化率・情報ビット長の実現[5]

k=1ビット(符号化率k/N=1/8)の場合• Information bit (I):u7

• Frozen bit (F): u0,u1,u2,u3,u4,u5,u6

香川大学 工学部 電子・情報工学科 62

u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

C(W)

0.02

0.24

0.35

0.83

0.50

0.91

0.95

1.00I

F

F

F

F

F

F

F

I

I

F

F

F

F

F

F

I

I

I

F

F

F

F

F

I

I

I

F

I

F

F

F

I

I

I

I

I

I

I

F

k 1 2 3 4 5 6 7

I

I

I

I

I

F

F

F

I

I

I

I

I

I

F

F

Page 63: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

様々な符号化率・情報ビット長の実現[5]

k=2ビット(符号化率k/N=1/4)の場合• Information bit (I):u6,u7

• Frozen bit (F): u0,u1,u2,u3,u4,u5

香川大学 工学部 電子・情報工学科 63

C(W)

0.02

0.24

0.35

0.83

0.50

0.91

0.95

1.00I

F

F

F

F

F

F

F

I

I

F

F

F

F

F

F

I

I

I

F

F

F

F

F

I

I

I

F

I

F

F

F

I

I

I

I

I

I

I

F

k 1 2 3 4 5 6 7

I

I

I

I

I

F

F

F

I

I

I

I

I

I

F

F u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

Page 64: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

様々な符号化率・情報ビット長の実現[5]

k=3ビット(符号化率k/N=3/8)の場合• Information bit (I):u5,u6,u7

• Frozen bit (F): u0,u1,u2,u3,u4

香川大学 工学部 電子・情報工学科 64

C(W)

0.02

0.24

0.35

0.83

0.50

0.91

0.95

1.00I

F

F

F

F

F

F

F

I

I

F

F

F

F

F

F

I

I

I

F

F

F

F

F

I

I

I

F

I

F

F

F

I

I

I

I

I

I

I

F

k 1 2 3 4 5 6 7

I

I

I

I

I

F

F

F

I

I

I

I

I

I

F

F u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

Page 65: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

様々な符号化率・情報ビット長の実現[5]

k=4ビット(符号化率k/N=1/2)の場合• Information bit (I):u3,u5,u6,u7

• Frozen bit (F): u0,u1,u2,u4

香川大学 工学部 電子・情報工学科 65

C(W)

0.02

0.24

0.35

0.83

0.50

0.91

0.95

1.00I

F

F

F

F

F

F

F

I

I

F

F

F

F

F

F

I

I

I

F

F

F

F

F

I

I

I

F

I

F

F

F

I

I

I

I

I

I

I

F

k 1 2 3 4 5 6 7

I

I

I

I

I

F

F

F

I

I

I

I

I

I

F

F u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

Page 66: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

様々な符号化率・情報ビット長の実現[5]

k=5ビット(符号化率k/N=5/8)の場合• Information bit (I):u3,u4,u5,u6,u7

• Frozen bit (F): u0,u1,u2

香川大学 工学部 電子・情報工学科 66

C(W)

0.02

0.24

0.35

0.83

0.50

0.91

0.95

1.00I

F

F

F

F

F

F

F

I

I

F

F

F

F

F

F

I

I

I

F

F

F

F

F

I

I

I

F

I

F

F

F

I

I

I

I

I

I

I

F

k 1 2 3 4 5 6 7

I

I

I

I

I

F

F

F

I

I

I

I

I

I

F

F u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

Page 67: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

様々な符号化率・情報ビット長の実現[5]

k=6ビット(符号化率k/N=3/4)の場合• Information bit (I):u2,u3,u4,u5,u6,u7

• Frozen bit (F): u0,u1

香川大学 工学部 電子・情報工学科 67

C(W)

0.02

0.24

0.35

0.83

0.50

0.91

0.95

1.00I

F

F

F

F

F

F

F

I

I

F

F

F

F

F

F

I

I

I

F

F

F

F

F

I

I

I

F

I

F

F

F

I

I

I

I

I

F

F

F

I

I

I

I

I

I

I

F

k 1 2 3 4 5 6 7

I

I

I

I

I

I

F

F u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

Page 68: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

様々な符号化率・情報ビット長の実現[5]

k=6ビット(符号化率k/N=7/8)の場合• Information bit (I):u1,u2,u3,u4,u5,u6,u7

• Frozen bit (F): u0

香川大学 工学部 電子・情報工学科 68

C(W)

0.02

0.24

0.35

0.83

0.50

0.91

0.95

1.00I

F

F

F

F

F

F

F

I

I

F

F

F

F

F

F

I

I

I

F

F

F

F

F

I

I

I

F

I

F

F

F

I

I

I

I

I

F

F

F

I

I

I

I

I

I

I

F

k 1 2 3 4 5 6 7

I

I

I

I

I

I

F

F u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

Page 69: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

様々な符号化率・情報ビット長の実現

符号語のビット数を変更する方法として以下の2種類が存在• Puncturing[6]:特定の符号語を未送信.受信側では対数尤度比0として

復号

• Shortening[7]:特定のuiを既知の値(0)とすることで,符号語xjを一意に決定する方法.受信側では対数尤度比として復号

香川大学 工学部 電子・情報工学科 69

u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

Punc

x5

x6

x7

Punc

x1

x2

x3

u0

u1

u2

0

u4

u5

u6

0

x4

x5

0

0

x0

x1

x2

x3

Puncturing Shortening

Page 70: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

様々な符号化率・情報ビット長の実現

凍結ビット/情報ビット数を可変とし,Puncturing/Shorteningを用いることにより様々な符号化率・情報ビット長を実現可能

良好な特性を実現しつつ,様々な符号化率・情報ビット長を一元的に決定する方法の検討が必要

香川大学 工学部 電子・情報工学科 70

²=0.4 ²=0.6

Page 71: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

パケット合成型ハイブリッドARQの実現

エラーフリー伝送の実現のため,ハイブリッド ARQ(チャネル符号化と再送の併用)が必須• 誤ったパケットの軟判定を保存して再送パケットと合成するパケット合成法が有効

HSDPA以降,Incremental redundancy法[8]が採用

○ 再送時に異なる符号化系列を送信し,受信側で合成することによって低符号化率を実現(一般的にPuncturingを用いて実現)

香川大学 工学部 電子・情報工学科 71

u0 u1

x0 x1 x2 x3 x4 x5 x6 x7

x0 x1 x2 x3 x4 x5 x6 x7 x0 x1 x2 x3 x4 x5 x6 x7

情報ビット

符号化ビット

初回送信(符号化率1/2)

Puncturing

再送

Puncturing

x0 x1 x2 x3 x4 x5 x6 x7

符号化率1/4

Page 72: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

パケット合成型ハイブリッドARQの実現

Puncturingを用いる場合の問題点• 初回送信と再送において最適な凍結ビットが変わる可能性

初回送信,再送どちらかで最適化すると特性劣化の懸念

香川大学 工学部 電子・情報工学科 72

u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

Punc

x5

Punc

x7

Punc

x1

Punc

x3

u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

初回送信 再送

Page 73: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

パケット合成型ハイブリッドARQの実現

Incremental Freezing法[9],[10]• 初回送信した情報ビットの一部を再送時に送信

• 正しく復号された場合にそのビットを凍結ビットとして初回送信を復号

(初回送信の符号化率が低減)

香川大学 工学部 電子・情報工学科 73

Reliable

Unre

liable

u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

0

0

v5

v4

v3

v2

v1

v0

凍結

ビット

初回送信(符号化率6/8)

u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

0

0

0

0

0

v5

v4

v3

凍結

ビット

再送(符号化率3/8)

情報

ビット

情報

ビット

Page 74: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

パケット合成型ハイブリッドARQの実現

Incremental Freezing法[9],[10]• 初回送信した情報ビットの一部を再送時に送信

• 正しく復号された場合にそのビットを凍結ビットとして初回送信を復号

(初回送信の符号化率が低減)

香川大学 工学部 電子・情報工学科 74

Reliable

Unre

liable

u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

0

0

v5

v4

v3

v2

v1

v0

情報

ビット

凍結

ビット

初回送信(符号化率6/8)

u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

0

0

0

0

0

v5

v4

v3

凍結

ビット

再送(符号化率3/8)

情報

ビット 0

1

0

Page 75: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

パケット合成型ハイブリッドARQの実現

Incremental Freezing法[9],[10]• 初回送信した情報ビットの一部を再送時に送信

• 正しく復号された場合にそのビットを凍結ビットとして初回送信を復号

(初回送信の符号化率が低減)

香川大学 工学部 電子・情報工学科 75

Reliable

Unre

liable

u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

0

0

v5

v4

v3

v2

v1

v0

情報

ビット

凍結

ビット

初回送信(符号化率6/8)

u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

0

0

0

0

0

v5

v4

v3

凍結

ビット

再送(符号化率3/8)

情報

ビット 0

1

0

0

1

0

Page 76: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

パケット合成型ハイブリッドARQの実現

Incremental Freezing法[9],[10]• 初回送信した情報ビットの一部を再送時に送信

• 正しく復号された場合にそのビットを凍結ビットとして初回送信を復号

(初回送信の符号化率が低減)

香川大学 工学部 電子・情報工学科 76

Reliable

Unre

liable

u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

0

0

v5

v4

v3

v2

v1

v0

情報

ビット

凍結

ビット

初回送信(符号化率6/8)

u0

u1

u2

u3

u4

u5

u6

u7

x4

x5

x6

x7

x0

x1

x2

x3

0

0

0

0

0

v5

v4

v3

凍結

ビット

再送(符号化率3/8)

情報

ビット 0

1

0

0

1

0

符号化率3/8

Page 77: Polar符号の移動通信システム への適用と5G標準化動向 · 本発表では,近年着目されているPolar符号について移動通信の適 用と5G標準化動向について概説

パケット合成型ハイブリッドARQの実現

Incremental Freezing法[9],[10]• Puncturingを適用することなく,再送時に低符号化率の符号語を生成

• Capacity-achievingであることが証明

• しかしながら,再送回数の増大に伴い,復号回数が増大し遅延が増大

(高速伝送が要求されるデータチャネルへの適用時の問題)

香川大学 工学部 電子・情報工学科 77

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5G標準化動向

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標準化動向

87会合のレポート[11]

香川大学 工学部 電子・情報工学科 79

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まとめ

近年注目を集めるPolar符号について簡単に概説するとともに,5Gの標準化動向についてまとめた• enhanced Mobile BroadBand (eMBB)シナリオの制御チャネルの符号化

として採用

香川大学 工学部 電子・情報工学科 80

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参考文献1. E. Arikan, “Channel Polarization: A method for constructing capacity-achieving

Codes for symmetric binary-input memoryless channels,” IEEE Trans. Inf. Theory, vol.55, no.7, pp.3051–3073, Jul. 2009.

2. I. Tal and A. Vardy, “List decoding of polar codes,” 2011IEEE Int. Symp. Inf. Theory Proc., pp.1–5, IEEE, Jul. 2011.

3. K. Niu and K. Chen, “CRC-aided decoding of polar codes,” IEEE Commun. Lett., vol.16, no.10, pp.1668–1671, Oct. 2012.

4. U.U. Fayyaz and J.R. Barry, “Low-complexity soft-output decoding of polar codes,” IEEE J. Sel. Areas Commun., vol.32, no.5, pp.958–966, may 2014.

5. A. Eslami and H. Pishro-Nik, “A practical approach to polar codes,” 2011 IEEE Int. Symp. Inf. Theory Proc., pp.16–20, IEEE, Jul. 2011.

6. K. Niu, K. Chen, and J.-R. Lin, “Beyond turbo codes: Rate-compatible punctured polar codes,” 2013 IEEE Int. Conf. Commun., pp.3423–3427, IEEE Jun. 2013.

香川大学 工学部 電子・情報工学科 三木研究室 81

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参考文献7. R. Wang and R. Liu, “ A novel puncturing scheme for polar codes,” IEEE

Commun. Lett., vol. 18, no. 12, pp. 2081-2084, Dec. 2014.

8. J. Hagenauer, “Rate-compatible punctured convolutional codes (RCPC codes) and their applications,” IEEE Transactions on Communications, vol.36, no.4, pp.389–400, April 1988.

9. B. Li, D. Tse, K. Chen, and H. Shen, “Capacity-achieving rateless polar codes,” 2016 IEEE Int. Symp. Inf. Theory, pp.46–50, Jul. 2016.

10. S. Hong, D. Hui, and I. Maric, “Capacity-achieving rate-compatible polar codes,” Oct. 2015. arxiv:1510.01776

11. Draft Report of 3GPP TSG RAN WG1 #87 v0.2.0

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