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2018年第404/23/18 著作権© 2018 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN ® の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。 NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ® ) NCCN腫瘍学臨床診療ガイドライン) 腎 癌 201842018423NCCN.org NCCN Guidelines for Patients ® www.nccn.org/patients にてご利用になれます。

Practice Guidelines in Oncology...Mayer Fishman, MD, PhD † Þ ‡ Moffitt Cancer Center Thomas H. Gallagher, MD Þ Fred Hutchinson Cancer Research Center/ CancerCareAlliance Saby

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NCCN Guidelines Version 4.2018 腎癌

ガイドライン索引 目次 考察

2018年第4版 04/23/18 著作権 © 2018 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®) (NCCN腫瘍学臨床診療ガイドライン)

腎 癌

2018年 第4版 ― 2018年4月23日

NCCN.org

NCCN Guidelines for Patients®はwww.nccn.org/patients にてご利用になれます。

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NCCN Guidelines Version 4.2018 腎癌

ガイドライン索引 目次 考察

2018年第4版 04/23/18 著作権 © 2018 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

NCCNガイドライン委員会に関する情報開示

*Robert J. Motzer, MD/Chair † Þ Memorial Sloan Kettering Cancer Center

*Eric Jonasch, MD/Vice-chair † The University of Texas MD Anderson Cancer Center

Neeraj Agarwal, MD ‡ † Huntsman Cancer Institute at the University of Utah

Sam Bhayani, MD ω Siteman Cancer Center at Barnes- Jewish Hospital and Washington University School of Medicine

William P. Bro ¥ Kidney Cancer Association

Sam S. Chang, MD ω Vanderbilt-Ingram Cancer Center

Toni K. Choueiri, MD † Þ Dana-Farber/Brigham and Women’s Cancer Center

Brian A. Costello, MD, MS † Mayo Clinic Cancer Center

Ithaar H. Derweesh, MD ω UC San Diego Moores Cancer Center

Rodney Ellis, MD § Case Comprehensive Cancer Center/ University Hospitals Seidman Cancer Center and Cleveland Clinic Taussig Cancer Institute

Mayer Fishman, MD, PhD † Þ ‡ Moffitt Cancer Center

Thomas H. Gallagher, MD Þ Fred Hutchinson Cancer Research Center/ Seattle Cancer Care Alliance

Saby George, MD † Roswell Park Comprehensive Cancer Center

John L. Gore, MD, MS ω Fred Hutchinson Cancer Research Center/ Seattle Cancer Care Alliance

Steven L. Hancock, MD § Þ Stanford Cancer Institute

Michael R. Harrison, MD † Duke Cancer Institute

Won Kim, MD † UCSF Helen Diller Family Comprehensive Cancer Center

Christos Kyriakopoulos, MD ‡ University of Wisconsin Carbone Cancer Center

Chad LaGrange, MD ω Fred & Pamela Buffett Cancer Center

Elaine T. Lam, MD † University of Colorado Cancer Center

Clayton Lau, MD ω City of Hope Comprehensive Cancer Center

Andrew McDonald, MD, MS § University of Alabama at Birmingham Comprehensive Cancer Center

M. Dror Michaelson, MD, PhD † Massachusetts General Hospital Cancer Center

Thomas Olencki, DO † The Ohio State University Comprehensive Cancer Center - James Cancer Hospital and Solove Research Institute

Phillip M. Pierorazio, MD ω The Sidney Kimmel Comprehensive Cancer Center at Johns Hopkins

Elizabeth R. Plimack, MD, MS † Þ Fox Chase Cancer Center

Bruce G. Redman, DO † University of Michigan Comprehensive Cancer Center

Brian Shuch, MD ω Yale Cancer Center/Smilow Cancer Hospital

Brad Somer, MD † ‡ St. Jude Children’s Research Hospital/ University of Tennessee Cancer Institute

Guru Sonpavde, MD † University of Alabama at Birmingham Comprehensive Cancer Center

Jeffrey Sosman, MD ‡ Robert H. Lurie Comprehensive Cancer Center of Northwestern University

NCCN Mary Dwyer, MS Lisa Gurski, PhD Rashmi Kumar, PhD Griselda Zuccarino-Catania, PhD

† 腫瘍内科学

‡ 血液学/血液腫瘍学

§ 放射線療法/放射線腫瘍学

Þ 内科学

ω 泌尿器科学

≠ 病理学

¥ 患者擁護団体

* 考察セクション執筆委員会メンバー

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NCCN Guidelines Version 4.2018 腎癌

ガイドライン索引 目次 考察

2018年第4版 04/23/18 著作権 © 2018 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

NCCN腎癌委員会メンバー

ガイドライン更新の要約

初回精査(KID-1)

I~III期症例に対する初回治療およびフォローアップ(KID-1)

IV期症例に対する初回治療(KID-2)

再発例または外科的に切除不能のIV期症例 淡明細胞型優位の腎細胞癌に対する一次治療および二次治療(KID-3)

淡明細胞型優位の腎細胞癌に対する二次治療(KID-4)

非淡明細胞型の腎細胞癌に対する全身療法(KID-5)

手術療法の原則(KID-A)

フォローアップ(KID-B)

治療指針を得るためのリスクモデル(KID-C)

病期分類(ST-1)

NCCNガイドライン®は、エビデンスと現在受け入れられている治療方針に対する見解についての著者らの合意を記述したものである。NCCNガイドラインを適用または参照する臨床医には、患者のケアまたは治療法の決定において、個々の臨床状況に応じた独自の医学的判断を行うことが期待される。National Comprehensive Cancer Network®(NCCN®)は、その内容、使用、または適用に関して、意見陳述ないし保証を行うものではなく、いかなる場合においても、その適用または使用について一切責任を負わない。NCCNガイドラインの著作権はNational Comprehensive Cancer Network®

にある。無断転載を禁止する。NCCNの明示の書面による許諾なく、NCCNガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。©2018

臨床試験:NCCNは、すべてのがん患

者にとって最良の管理法は臨床試験に

あると考えている。臨床試験への参加

が特に推奨される。

NCCN加盟施設における臨床試験のオ

ンライン検索はこちらから:

nccn.org/clinical_trials/clinicians.html

NCCNのエビデンスとコンセンサスに

よるカテゴリー:特に指定のない限り、

すべての推奨はカテゴリー2Aである。

NCCNのエビデンスとコンセンサスに

よるカテゴリーを参照

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ガイドライン索引 目次 考察

2018年第4版 04/23/18 著作権 © 2018 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

NCCN 腎癌ガイドライン 2018 年第 3 版から 2018 年第 4 版への更新内容は以下の通りである:

KID-3

• 再発例または外科的に切除不能の IV 期症例、淡明細胞型優位、一次治療

「イピリムマブ+ニボルマブ」が中リスク群および高リスク群にはカテゴリー1 の望ましい推奨として、低リスク群にはカテゴリー2B の推奨と

して追加された。

KID-4

• 再発例または外科的に切除不能の IV 期症例、淡明細胞型優位、二次治療

「イピリムマブ+ニボルマブ」がカテゴリー2Aの推奨として追加された。

MS-1

• アルゴリズムの変更を反映させるべく考察の節が更新された。

NCCN 腎癌ガイドライン 2018 年第 2 版から 2018 年第 3 版への更新内容は以下の通りである:

MS-1

• アルゴリズムの変更を反映させるべく考察の節が更新された。

UPDATES

続く

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ガイドライン索引 目次 考察

2018年第4版 04/23/18 著作権 © 2018 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

UPDATES

NCCN 腎癌ガイドライン 2018 年第 1 版から 2018 年第 2 版への更新内容は以下の通りである: KID-1 • 「初回治療」の後の「補助療法」に以下が追加された。 I 期について:「サーベイランス」 II 期、III 期について: 「淡明細胞型かつ高リスク:臨床試験(望ましい)またはサーベイランスまたはスニチニブによる補助療法 e(カテゴリー2B)」および「その他すべて:臨床試験またはサーベイランス」

対応する脚注が追加された。 脚注 d:「高リスクの定義は以下の通りである:III 期以上、所属リンパ節転移あり、またはこれら両方。」 脚注 e:「スニチニブによる補助療法の用法・用量:50mg/日で 4 週オン/2 週オフを 1 年間。」

NCCN 腎癌ガイドライン 2017 年第 2 版から 2018 年第 1 版への更新内容は以下の通りである: KID-2 • IV 期 記述が「原発巣が外科的に切除可能で、孤立性少数転移を認める場合」に変更された。

原発巣が外科的に切除可能で、少数転移を認める場合の初回治療が次の選択肢の追加により変更された:「手術適応がない限定された患者では転移巣に対するアブレーション治療」

KID-3 • 淡明細胞型優位 一次治療 「Cabozantinib(高リスク群および中リスク群)」が追加された。 「限定された無症状の患者に対する active surveillance」が追加された。 「限定された患者にはソラフェニブ」が削除された。

• 脚注 脚注 f が「予後不良の患者は、予後不良の予測因子を 3 つ以上認める患者と定義される。テムシロリムス投与症例の選択に用いられる予後不良の予測因子(KID-C)を参照のこと。」から「治療指針を得るためのリスクモデル(テムシロリムス投与症例の選択に用いられる予後不良の予測因子)(KID-C)を参照のこと。」に変更された(KID-5 も同様)

脚注 g が追加された:「治療指針を得るためのリスクモデル(IMDC 基準)(KID-C)を参照のこと。」

脚注 iが追加された:「Rini BI, Dorff TB, Elson P, et al. Active surveillance in metastatic renal-cell carcinoma: a prospective, phase 2 trial. Lancet Oncol 2016;17:1317-1324.」

脚注jが変更された:「最善の支持療法には、緩和的放射線療法、転移巣切

除術、少数転移例に対するアブレーション治療、骨転移巣に対するビスホ

スホネート系薬剤または RANKL 阻害薬を含めることができる。」(KID-4

および KID-5 も同様)

KID-5

• 非淡明細胞型

全身療法

「HLRCC を含む限定された乳頭状 RCC の進行例にはベバシズマブ

+エルロチニブ」がカテゴリー2Aとして追加された。

「HLRCC を含む限定された乳頭状 RCC の進行例にはベバシズマブ

+エベロリムス」がカテゴリー2Aとして追加された。

「HLRCC:遺伝性平滑筋腫症・腎細胞癌症候群」がページに追加さ

れた。

KID-C

• ページのタイトルが「治療指針を得るためのリスクモデル」と明確化

された。

• ページに 2つのモデルが追加された:

Memorial Sloan Kettering Cancer Center(MSKCC)の予後予測

モデル

International Metastatic Renal Cell Carcinoma Database

Consortium(IMDC)の基準

ST-1

• AJCC による腎癌の TNM 病期分類が第 8 版に更新された。

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ガイドライン索引 目次 考察

2018年第4版 04/23/18 著作権 © 2018 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

KID-1

フォローアップ f

(カテゴリー2B)

初回精査

病期

初回治療 c

腎部分切除術

(望ましい)

または

根治的腎摘除術

(部分切除術が不可能な場合または腫瘍が中心部に位置する場合)

または

限定された患者では

active surveillance

または

限定された患者では

アブレーション治療

補助療法

a 臨床的に適応がある場合は造影剤を用いた画像検査。 b 小径病変に対しては、悪性腫瘍の診断または確定診断を下してサーベイランス、凍結療法およびラジオ波焼灼術(アブレーション治療)による管理戦略の指針とするべく、生検を考

慮してもよい。 c 手術療法の原則(KID-A)を参照。 d 高リスクの定義は以下の通りである:III 期以上、所属リンパ節転移あり、またはこれら両方。 e スニチニブによる補助療法の用法・用量:50mg/日で 4週オン/2週オフを 1年間。 f 単独ですべての患者に適切となるようなフォローアップ計画は存在しない。フォローアップは患者毎の要件に応じて個別化すべきである。

• 病歴と診察

• 全血算、生化学検査(comprehensive

metabolic panel)

• 検尿

• 腹部±骨盤部CT aまたは腹部 MRI a

• 胸部 X 線

• 臨床的に適応がある場合

骨スキャン 脳 MRI a

胸部 CT a

針生検を考慮 b

• 尿路上皮癌が疑われる

場合(例、腎中心部の

腫瘤)

尿細胞診、尿管鏡検査 を考慮

I 期

(pT1a)

サーベイランス

疑わしい

腫瘤 淡明細胞型かつ 高リスク d:

• 臨床試験(望ましい)

または

• サーベイランス

または

• スニチニブによる補助療

法 e(カテゴリー2B)

再発

一次治療

(KID-3)

を参照

腎部分切除術

または

根治的腎摘除術

I 期

(pT1b)

II 期、

III 期

その他すべて: • 臨床試験

または

• サーベイランス

IV 期

KID-2を参照

根治的腎摘除術

または

臨床的に適応がある場合は腎部分切除術

フォローアッ

プ(KID-B を参

照)

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注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

病期 初回治療 c

原発巣が外科的に切除可能

で、少数転移を認める場合

再発 一次治療

(KID-3)を参照

原発巣が外科的に切除可能で g、2 ヵ所以上の転移巣を認める場合

限定された患者では

cytoreductive nephrectomy IV 期

外科的に切除不能の場合 g 一次治療

(KID-3)を参照

c 手術療法の原則(KID-A)を参照。 f 単独ですべての患者に適切となるようなフォローアップ計画は存在しない。フォローアップは患者毎の要件に応じて個別化すべきである。 g 症状と転移巣の進展度に応じて個別化した治療を行う。

KID-2

一次治療

(KID-3)を参照

組織採取

腎摘除術+転移巣切除術 f

または

手術適応がない限定され

た患者では転移巣に対す

るアブレーション治療

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2018年第4版 04/23/18 著作権 © 2018 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

一次治療

(カテゴリー+望ましさ別にアルファベット順)

淡明細胞型

優位

再発例または

外科的に切除

不能のIV期症例

全身療法(KID-5)を参照 非淡明細胞型

KID-3

• 臨床試験

• パゾパニブ(カテゴリー1、望ましい)

• スニチニブ(カテゴリー1、望ましい)

• イピリムマブ+ニボルマブ(中リスク群および高

リスク群ではカテゴリー1、望ましい、低リスク群ではカテゴリー2B)i

• ベバシズマブ+インターフェロン α-2b

(カテゴリー1)

• テムシロリムス(高リスク群 hではカテゴリー1、その他のリスク群の限定された患者ではカテゴリー2B)

• アキシチニブ

• Cabozantinib(高リスク群および中リスク群)i

• 限定された患者には高用量 IL-2 j

• 限定された無症状の患者に対する

active surveillancek

および

最善の支持療法 l:

NCCN Guidelines for Palliative Care を参照

h 治療指針を得るためのリスクモデル(テムシロリムス投与症例の選択に用いられる予後不良の予測因子)(KID-C)を参照のこと。 i 治療指針を得るためのリスクモデル(IMDC 基準)(KID-C)を参照のこと。 j 一般全身状態が非常に良好で臓器機能が正常な患者。 k Rini BI, Dorff TB, Elson P, et al. Active surveillance in metastatic renal-cell carcinoma: a prospective, phase 2 trial. Lancet Oncol 2016;17:1317-1324. l 最善の支持療法には、緩和的放射線療法、転移巣切除術、少数転移例に対するアブレーション治療、骨転移巣に対するビスホスホネート系薬剤または RANKL 阻害薬を含めることがで

きる。

フォローアップ(KID-B を参照)

淡明細胞型優位の腎細胞癌

に対する二次治療(KID-4)

を参照

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注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

KID-4

二次治療 m

(カテゴリー+望ましさ別にアルファベット順)

• 臨床試験

• Cabozantinib(カテゴリー1、望ましい)n

• ニボルマブ(カテゴリー1、望ましい)n

• アキシチニブ(カテゴリー1)

• レンバチニブ+エベロリムス(カテゴリー1)

• エベロリムス

• イピリムマブ+ニボルマブ

• パゾパニブ

• ソラフェニブ

• スニチニブ

• ベバシズマブ(カテゴリー2B)

• 限定された患者には高用量 IL-2 j (カテゴリー2B)

• テムシロリムス(カテゴリー2B)

および

最善の支持療法 l:

NCCN Guidelines for Palliative Care を参照

再発例または

外科的に切除

不能のIV期症例

淡明細胞型 優位

j 一般全身状態が非常に良好で臓器機能が正常な患者。 l 最善の支持療法には、緩和的放射線療法、転移巣切除術、少数転移例に対するアブレーション治療、骨転移巣に対するビスホスホネート系薬剤または RANKL 阻害薬を含めることが

できる。 m 肉腫様型優位の淡明細胞型および非淡明細胞型 RCC については、ゲムシタビン+ドキソルビシン(カテゴリー2B)およびゲムシタビン+スニチニブ(カテゴリー2B)の有益性が示

されている。 n 第 III 相試験の結果に基づくと、適格な患者にはエベロリムスではなく、この薬剤の投与するのが望ましい。考察を参照のこと。

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注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

KID-5

全身療法 m,o

(カテゴリー+望ましさ別にアルファベット順)

• 臨床試験(望ましい)

• スニチニブ(望ましい)

• アキシチニブ

• ベバシズマブ

• HLRCC を含む限定された乳頭状 RCC の進行例には

ベバシズマブ+エルロチニブ

• HLRCC を含む限定された乳頭状 RCC の進行例には

ベバシズマブ+エベロリムス

• Cabozantinib

• エルロチニブ

• エベロリムス

• レンバチニブ+エベロリムス

• ニボルマブ

• パゾパニブ

• ソラフェニブ

• テムシロリムス(高リスク群 hではカテゴリー1、

その他のリスク群ではカテゴリー2A) および

最善の支持療法 l:NCCN Guidelines for Palliative Care を参照

再発例または

外科的に切除

不能のIV期症例 非淡明細胞型

フォローアップ(KID-B を参照)

HLRCC:遺伝性平滑筋腫症・腎細胞癌症候群 h治療指針を得るためのリスクモデル(テムシロリムス投与症例の選択に用いられる予後不良の予測因子)(KID-C)を参照のこと。 l 最善の支持療法には、緩和的放射線療法、転移巣切除術、少数転移例に対するアブレーション治療、骨転移巣に対するビスホスホネート系薬剤または RANKL 阻害薬を含めることがで

きる。 m 肉腫様型優位の淡明細胞型および非淡明細胞型 RCC については、ゲムシタビン+ドキソルビシン(カテゴリー2B)およびゲムシタビン+スニチニブ(カテゴリー2B)の有益性が示

されている。 o集合管癌と髄質癌では細胞傷害性薬剤(カルボプラチン+ゲムシタビン、カルボプラチン+パクリタキセル、またはシスプラチン+ゲムシタビン)による部分奏効が認められている。

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注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

手術療法の原則

KID-A

• 例えば次のような場合など、限定された患者では腎温存手術(腎部分切除術)が適応となる:

技術的に可能な片側性の I~III 期腫瘍

単腎状態、腎不全、両側腎腫瘤および家族性腎細胞癌

• 根治的腎摘除術および腎部分切除術では、開腹下、腹腔鏡下またはロボット支援下の術式を用いることができる。

• 所属リンパ節郭清術は任意であるが、術前の画像検査でリンパ節腫脹が認められた患者や手術時に触知/目視可能なリンパ節腫脹が認められた

患者では推奨される。

• 副腎への浸潤がない場合、副腎摘除は省略してもよい。

• 広範な下大静脈腫瘍血栓に対する手術には心血管外科チームの援助が必要となる場合もある。

• 経過観察またはアブレーション治療(凍結療法、ラジオ波焼灼術など):

臨床病期 T1 の限定された患者ではこれらを考慮してもよい。

小径病変に対しては、悪性腫瘍の診断または確定診断を下してサーベイランス、凍結療法およびラジオ波焼灼術による管理戦略の指針とする

べく、生検を考慮してもよい。

ランダム化第 III 相試験による外科的切除(開腹下または腹腔鏡下での根治的腎摘除術または腎部分切除術)との比較は行われていない。

アブレーション治療を受けた患者の局所再発率は従来の手術と比べて高い a,b。

• 一般に、次のような患者では全身療法の施行前に cytoreductive nephrectomy が適応となる:

一般全身状態が非常に良好(ECOG PS < 2)

脳転移なし

a Campbell SC, Novick AC, Belldegrun A, et al. Practice Guidelines Committee of the American Urological Association. Guideline for management of the clinical

T1 renal mass. J Urol 2009;182:1271-1279. b Kunkle DA, Uzzo RG. Cryoablation or radiofrequency ablation of the small renal mass: A meta-analysis. Cancer 2008;113:2671-2680.

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NCCN Guidelines Version 4.2018 腎癌

ガイドライン索引 目次 考察

2018年第4版 04/23/18 著作権 © 2018 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

フォローアップ a,b

(カテゴリー2B) I 期(pT1a)

Active surveillance 中のフォローアップ c

• 病歴聴取と身体診察を 2 年間は 6 ヵ月毎、その後は診断から最長 5 年後まで 1 年毎

• 適応があれば、生化学検査(comprehensive metabolic panel)とその他の検査を最初の 2 年間は 6 ヵ月毎、その後は診断から最長 5 年後

まで 1 年毎

• 腹部画像検査:

サーベイランスの開始から 6 ヵ月以内に腹部 CT または MRI を施行し、それ以降は CT、MRI または US を少なくとも年 1 回

• 胸部画像検査:

生検で RCC 陽性の場合、肺転移について評価するための胸部 X 線または CT を年 1 回

• 臨床的な適応に従って、骨盤部 CT または MRI

• 臨床的な適応に従って、頭部 CT または MRI もしくは脊椎 MRI

• 臨床的な適応に従って、骨スキャン

アブレーション治療後のフォローアップ c

• 2 年間は 6 ヵ月毎、その後は診断から最長 5 年後まで 1 年毎に病歴聴取と身体診察

• 適応があれば、生化学検査(comprehensive metabolic panel)とその他の検査を最初の 2 年間は 6 ヵ月毎、その後は診断から最長 5 年後

まで 1 年毎

• 腹部画像検査:

他に禁忌がない限り、アブレーション治療の 3~6 ヵ月後時点で腹部 CT または MRI、その後 5 年間は CT、MRI または US を 1 年毎

• 胸部画像検査:

生検で証明された低リスク RCC の患者、生検で診断に至らなかった患者、および過去に生検を受けていない患者には、胸部 X 線または CT を 5 年間にわた

り 1 年毎

• 再生検:

造影剤で増強する陰影が新たに出現した場合、アブレーションを行った腫瘍が増大した場合、治療した領域またはその周辺に新たに小結節の形成が認めら

れた場合、治療した病変で経時的な退縮が得られない場合、およびサテライトまたはポート部位に病変が認められた場合

• 臨床的な適応に従って、骨盤部 CT または MRI

• 臨床的な適応に従って、頭部 CT または MRI もしくは脊椎 MRI

• 臨床的な適応に従って、骨スキャン

a Donat SM, Diaz M, Bishoff JT, et al. Follow-up for clinically localized renal neoplasms: AUA Guideline. J Urol 2013;190:407-416. b 単独ですべての患者に適切となるようなフォローアップ計画は存在しない。フォローアップの頻度および期間は患者毎の要件に応じて個別化すべきであり、医師の判断で5年を超えて継続してもよい。

最適なフォローアップ期間の決定には、更なる研究が必要である。 c 臨床的に適応がある場合は造影剤を用いた画像検査。

KID-B 1 OF 4

続く

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NCCN Guidelines Version 4.2018 腎癌

ガイドライン索引 目次 考察

2018年第4版 04/23/18 著作権 © 2018 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

KID-B 2 OF 4

I 期(pT1a および pT1bc)

腎部分切除術または根治的腎摘除術後のフォローアップ

• 病歴聴取と身体診察を 2 年間は 6 ヵ月毎、その後は腎手術から最長 5 年後まで 1 年毎

• 適応があれば、生化学検査(comprehensive metabolic panel)とその他の検査を 2 年間は 6 ヵ月毎、その後は腎手術から最長 5 年後まで 1 年毎

• 腹部画像検査:

腎部分切除術後:

ベースラインの腹部 CT、MRI または US を手術後 3~12 ヵ月以内に施行する

術後最初の画像検査が陰性となった場合は、各患者の危険因子に基づいて 3 年にわたる 1 年毎の腹部 CT、MRI または US を考慮

してもよい

根治的腎摘除術後:

術後 3~12 ヵ月以内に腹部 CT、MRI または US を施行すべきである

術後最初の画像検査が陰性となった場合は、12 ヵ月以降の腹部画像検査は担当医の判断で施行できる

• 胸部画像検査:胸部 X 線または CT を 3 年間は 1 年毎、その後は臨床的な適応に従って

• 臨床的な適応に従って、骨盤部 CT または MRI

• 臨床的な適応に従って、頭部 CT または MRI もしくは脊椎 MRI

• 臨床的な適応に従って、骨スキャン

a Donat SM, Diaz M, Bishoff JT, et al. Follow-up for clinically localized renal neoplasms: AUA Guideline. J Urol 2013;190:407-416. b 単独ですべての患者に適切となるようなフォローアップ計画は存在しない。フォローアップの頻度および期間は患者毎の要件に応じて個別化すべきであり、医師の判断で5年を超

えて継続してもよい。 最適なフォローアップ期間の決定には、更なる研究が必要である。 c 臨床的に適応がある場合は造影剤を用いた画像検査。

フォローアップ a,b

(カテゴリー2B)

続く

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ガイドライン索引 目次 考察

2018年第4版 04/23/18 著作権 © 2018 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

KID-B 3 OF 4

フォローアップ a,b

(カテゴリー2B)

II または III 期

根治的腎摘除術後のフォローアップ c

• 病歴聴取と身体診察を 3 年間は 3~6 ヵ月毎、その後は根治的腎摘除術から最長 5 年後まで 1 年毎、以降は臨床的な適応に従って

• 適応があれば、生化学検査(comprehensive metabolic panel)とその他の検査を 2 年間は 6 ヵ月毎、その後は根治的腎摘除術から

最長 5 年後まで 1 年毎、以降は臨床的な適応に従って

• 腹部画像検査:

ベースラインの腹部 CT または MRI を 3~6 ヵ月以内に施行し、その後は CT、MRI または US(III 期では US はカテゴリー2B)を

少なくとも 3 年間は 3~6 ヵ月毎、以降は最長 5 年まで 1 年毎に施行する

5 年以降の画像検査:臨床的な適応に従って施行する

特定部位の画像検査:症状から妥当と判断した時点で施行する

• 胸部画像検査:

ベースラインの胸部 CT を根治的腎摘除術後 3~6 ヵ月以内に施行し、その後は画像検査(CT または胸部 X 線)を少なくとも 3 年間は 3~6

ヵ月毎、以降は最長 5 年まで 1 年毎の頻度で継続する

5 年以降の画像検査:各患者の特徴と腫瘍の危険因子に基づき臨床的に適応ありと判断した時点で施行する

• 臨床的な適応に従って、骨盤部 CT または MRI

• 臨床的な適応に従って、頭部 CT または MRI もしくは脊椎 MRI

• 臨床的な適応に従って、骨スキャン

a Donat SM, Diaz M, Bishoff JT, et al. Follow-up for clinically localized renal neoplasms: AUA Guideline. J Urol 2013;190:407-416. b 単独ですべての患者に適切となるようなフォローアップ計画は存在しない。フォローアップの頻度および期間は患者毎の要件に応じて個別化すべきであり、医師の判断で5年を超

えて継続してもよい。 最適なフォローアップ期間の決定には、更なる研究が必要である。 c 臨床的に適応がある場合は造影剤を用いた画像検査。

続く

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注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

KID-B 4 OF 4

再発例または外科的に切除不能の IV 期症例に対するフォローアップ c

• 全身療法を受けている患者には病歴聴取と身体診察を 6~16 週毎に行い、臨床的に適応があればより頻回に行い、受けている全身療法の種類に

応じて調整する。

• 使用中の治療薬に対する要件に応じた臨床検査

• 胸部、腹部および骨盤の画像検査:

治療前または経過観察前のベースライン評価を行うための CT または MRI

医師の判断と患者の臨床状態に応じて 6~16 週間毎にフォローアップの画像検査。病状の変化の速さと活動性疾患がみられる部位に応じて画

像検査の実施間隔を調整する。

• ベースライン時および臨床的に適応となった時点で頭部 CT または MRI を考慮する。医師の判断で 1 年毎にサーベイランス目的の画像検査を施

行する。

• 臨床的な適応に従って脊椎 MRI

• 臨床的な適応に従って骨スキャン

c 臨床的に適応がある場合は造影剤を用いた画像検査。 d 単独ですべての患者に適切となるようなフォローアップ計画は存在しない。フォローアップは、治療スケジュール、副作用、併存症および症状に基づいて個別化すべ

きである。

フォローアップ a,b

(カテゴリー2B)

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ガイドライン索引 目次 考察

2018年第4版 04/23/18 著作権 © 2018 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

KID-C

治療指針を得るためのリスクモデル

Memorial Sloan Kettering Cancer Center(MSKCC)の予後予測モデル a

予後因子

• 診断から治療までの期間が 1 年未満

• Karnofsky の一般全身状態スコアが 80%未満

• 血清乳酸脱水素酵素(LDH)値が正常上限値(ULN)の 1.5 倍を超える

• 補正血清カルシウム濃度が ULN を超える

• 血清ヘモグロビン値が正常下限値(LLN)未満

予後リスク群

• 低リスク群(low-risk):予後因子なし

• 中リスク群(intermediate-risk):予後因子が 1 つまたは 2 つ

• 高リスク群(poor-risk):予後因子が 3 つ以上

テムシロリムス投与症例の選択に用いられる予後不良の予測因子 b

•乳酸脱水素酵素値>正常上限値の 1.5 倍

• ヘモグロビン値<正常下限値

• 補正血清カルシウム濃度>10mg/dL(2.5mmol/L)

• 最初の診断から全身療法の開始までの期間が 1 年未満

• Karnofsky の一般全身状態スコア≦70

• 2 ヵ所以上に臓器転移を認める

• 高リスク群(poor-prognosis):予後不良の予測因子が 3 つ以上

International Metastatic Renal Cell Carcinoma Database Consortium(IMDC)の基準 c

予後因子

1. 診断から全身療法までの期間が 1 年未満

2. 一般全身状態スコアが 80%未満(Karnofsky)

3. ヘモグロビン値<正常下限値(正常下限:120g/L または 12g/dL)

4. カルシウム値>正常上限値(正常範囲:8.5~10.2mg/dL)

5. 好中球数>正常上限値(正常範囲:2.0~7.0×109/L)

6. 血小板数>正常上限値(正常範囲:150,000~400,000)

予後リスク群

• 低リスク群(favorable-risk):予後因子なし

• 中リスク群(intermediate-risk):予後因子が 1 つまたは 2 つ

• 高リスク群(poor-risk):予後因子が 3 つから 6 つ

aMotzer RJ, Bacik J, Murphy BA, et al. Interferon-alfa as a comparative treatment for clinical trials of new therapies against advanced renal cell carcinoma. J Clin Oncol 2002;20:289-296. bHudes G, Carducci M, Tomczak P, et al. Temsirolimus, interferon alfa, or both for advanced renal-cell carcinoma. N Engl J Med 2007;356:2271-2281. cHeng DY, Xie W, Regan MM, Warren MA, et al. Prognostic factors for overall survival in patients with metastatic renal cell carcinoma treated with vascular endothelial growth factor-targeted

agents: Results from a large, multicenter study. J Clin Oncol 2009;27:5794-5799.

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NCCN Guidelines Version 4.2018 腎癌

ガイドライン索引 目次 考察

2018年第4版 04/23/18 著作権 © 2018 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

ST-1

表 1. American Joint Committee on Cancer (AJCC)

腎癌の TNM 病期分類(2016 年第 8 版)

T 原発腫瘍

TX 原発腫瘍の評価が不可能である

T0 原発腫瘍を認めない

T1 腫瘍の最大径が 7cm以下であり、かつ腎臓に限局している

T1a 腫瘍の最大径が 4cm以下であり、かつ腎臓に限局している

T1b 腫瘍の最大径が 4cmを超えるが 7cm は超えず、かつ腎臓に限局して

いる

T2 腫瘍の最大径が 7cmを超えており、かつ腎臓に限局している

T2a 腫瘍の最大径が 7cmを超えているが 10cmは超えず、かつ腎臓に

限局している

T2b 腫瘍の最大径が 10cmを超えており、かつ腎臓に限局している

T3 主要な静脈内への進展または腎周囲組織への浸潤を認めるが、

同側副腎への浸潤はなく、Gerota 筋膜は越えていない

T3a 腎静脈またはその領域内の分枝への進展を認めるか、腎盂腎杯へ

の浸潤を認めるか、周囲および/または腎洞脂肪組織への浸潤を

認めるが、Gerota 筋膜は越えていない

T3b 横隔膜までの下大静脈内への進展を認める

T3c 横隔膜を越える下大静脈内への進展または下大静脈壁への浸潤を

認める

T4 腫瘍が Gerota 筋膜を越えて浸潤している(同側副腎への連続

的な進展を含む)

表 2. AJCC 予後分類

イリノイ州シカゴの American College of Surgeons の許可を得て使用。この情報の原本は、Springer International Publishing 発行の AJCC Cancer Staging

Manual 第 8 版(2017 年)である。

T N M

I 期 T1 N0 M0

II 期 T2 N0 M0

III 期 T1-T2 N1 M0

T3 N0-N1 M0

IV 期 T4 すべての N M0

すべての T すべての N M1

N 所属リンパ節

NX 所属リンパ節の評価が不可能である

N0 所属リンパ節転移を認めない

N1 所属リンパ節に転移を認める

M 遠隔転移

M0 遠隔転移を認めない

M1 遠隔転移を認める

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MS-1 2018年第4版 04/23/2018 著作権 © 2018 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

NCCN Guidelines Version 4.2018 腎癌

ガイドライン索引 目次 考察

考察

NCCN のエビデンスとコンセンサスによるカテゴリー

カテゴリー1:高レベルのエビデンスに基づいており、その介入が適切

であるという NCCN の統一したコンセンサスが存在する。

カテゴリー2A:比較的低レベルのエビデンスに基づいており、その介

入が適切であるという NCCN の統一したコンセンサスが存在する。

カテゴリー2B:比較的低レベルのエビデンスに基づいており、その介

入が適切であるという NCCN のコンセンサスが存在する。

カテゴリー3:いずれかのレベルのエビデンスに基づいてはいるが、そ

の介入が適切であるかという点で NCCN 内に大きな意見の不一致があ

る。

特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

目次

概要 ................................................................................................ MS-2

文献検索の基準とガイドラインの更新の方法 ................................ MS-2

初回評価および病期分類 ................................................................ MS-2

限局例に対する治療 ....................................................................... MS-3

I 期(pT1a)症例の管理 ............................................................ MS-5

I 期(pT1b)症例の管理 ............................................................ MS-5

II 期および III 期症例の管理 ........................................................ MS-5

淡明細胞型かつ高リスクの限局性 RCC に対する補助療法.... MS-6

限局例に対する治療後のフォローアップ ................................... MS-7

進行例または IV 期症例の管理 ........................................................ MS-8

予後予測モデル .......................................................................... MS-9

再発または IV 期症例および切除不能症例に対する一次治療 .... MS-10

淡明細胞型優位の腎癌患者に対する一次治療 .......................... MS-10

淡明細胞型優位の腎癌患者に対する二次治療 .......................... MS-16

非淡明細胞癌の患者に対する全身療法 ..................................... MS-21

再発または IV 期症例および切除不能症例に対するフォローアップに

関する推奨事項 ........................................................................ MS-25

支持療法 ....................................................................................... MS-25

参考文献 ....................................................................................... MS-27

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MS-2 2018年第4版 04/23/2018 著作権 © 2018 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

NCCN Guidelines Version 4.2018 腎癌

ガイドライン索引 目次 考察

概要

2018年に米国において腎癌と診断される米国人の数は 65,340人、腎癌

で死亡する米国人の数は 14,970 人と推定されている 1。腎細胞癌

(RCC)は新たに診断される悪性腫瘍全体の約 3.8%を占めており、診

断時年齢の中央値は 64 歳である。腎腫瘍の約 90%が RCC であり、そ

の約 80%は淡明細胞型である 2,3。その他の比較的まれな細胞型として

は、乳頭状、嫌色素性、転座型、ベリニ管(集合管)癌などがある。腎

髄質癌(medullary renal carcinoma)は集合管癌の亜型であり、最初は

鎌状赤血球形質を認める患者に発生すると記載された。

RCC 発生の危険因子としては喫煙と肥満が確立されている。遺伝性の

RCC もいくつか存在するが、その中ではフォンヒッペル-リンドウ

(VHL)病が最も頻度が高い。VHL 病は、VHL 遺伝子の構造的変異によ

り引き起こされ、常染色体優性遺伝し、淡明細胞型 RCC やその他の増

殖性血管病変を発生させる 4,5。SEER データベースの解析により、腎

細胞癌の発生率は 2005年から 2014年にかけて毎年平均 0.7%の上昇を

続けており、死亡率は毎年平均 0.9%低下し続けていることが示されて

いる 6。限局例の 5年生存率は 88.4%(1992~1995年)から 92.6%(2007

~2013 年)へ、進行例では 7.3%(1992~1995 年)から 11.7%(2007

~2013 年)へとそれぞれ上昇している 7。5 年生存率に影響する最も重

要な予後規定因子は、腫瘍の病期、異型度、腫瘍の局所進展度、所属

リンパ節転移の有無および受診時の転移巣の有無である 8-17。RCCの主

な転移部位は肺、リンパ節、骨、肝臓、副腎および脳である 5。

文献検索の基準とガイドラインの更新の方法

NCCN 腎癌ガイドラインの本版の更新に先立ち、「Renal Cell

Carcinoma or Kidney Cancer」を検索語とし、腎癌に関する重要文献を

対象として、PubMedデータベース上で電子検索を行った。PubMedデ

ータベースは、医学文献の情報源として現在も最も広く使用されてい

るものであり、また査読された生物医学文献のみがインデックス化さ

れているため選択した 18。

得られた検索結果から、英語で発表されたヒトを対象とする研究のみ

に絞り込んだ。採用する論文の種類は、第 II 相臨床試験、第 III 相臨床

試験、第 IV 相臨床試験、ガイドライン、ランダム化比較試験、メタア

ナリシス、系統的レビュー、バリデーション研究に限定した。

PubMed での検索結果の潜在的関連性を検討した。本版の考察の節に

は、これら PubMed 上の重要論文に加えて、追加の情報源(例えば、

印刷版掲載前の電子出版物、会議抄録)のうち当委員会が本ガイドラ

インと関連性があると判断したものや議論の対象としたものから収集

した文献のデータを記載している。高水準のエビデンスがない推奨に

ついては、比較的低水準のエビデンスについての当委員会のレビュー

結果と専門家の意見に基づいている。

NCCN ガイドラインの策定および更新の完全な詳細については、

www.NCCN.orgに記載されている。

初回評価および病期分類

RCC 患者では、放射線検査(CT[コンピュータ断層撮影]である場合

が多い)で発見された腎臓の疑わしい腫瘤を理由として受診するのが典

型的である。画像診断法(例えば、腹部 CT または腹部および骨盤部

CT、超音波検査[US])の活用が普及してきたことにより、偶発的に

RCC が発見される症例が増えてきており 19,20、典型的な三徴(血尿、側

腹部腫瘤、側腹部痛)で受診する患者は比較的少ない。

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MS-3 2018年第4版 04/23/2018 著作権 © 2018 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

NCCN Guidelines Version 4.2018 腎癌

ガイドライン索引 目次 考察

頻度は低くなるが、骨痛やリンパ節腫脹、肺実質または縦隔転移に起因

する肺症状など、転移巣が原因で生じる症候を理由に受診する場合もあ

る。その他の症状としては、発熱、体重減少、貧血、精索静脈瘤などが

ある。比較的若年(46 歳以下)での RCC の発生は遺伝性疾患の可能性

を意味するものであり 21、そのような患者については、更なる評価のた

めに遺伝性腫瘍を専門とする診療科に紹介するべきである。

十分な病歴聴取とともに入念な身体診察を行うべきである。臨床検査

としては、全血算と生化学検査(comprehensive metabolic panel:補正

血清カルシウム、血清クレアチニン、肝機能検査、検尿など)を施行す

る。生化学検査としては、血清補正カルシウム値、血清クレアチニン

値、肝機能検査、尿検査などを行う。

初回精査では腹部 CT または腹部および骨盤部 CT と胸部 X 線が必須と

なる 22。転移の評価のためには最低でも胸部X線検査が必須であるが、

胸部の病期分類を行う上では胸部X線よりも胸部CTの方が正確である23,24。

下大静脈への進展が疑われる場合には、その評価のために腹部 MRI(磁

気共鳴画像法)が用いられ、またアレルギーや中等度の腎不全のために

造影剤を投与できない場合には、腎腫瘤の検出および病期分類のため

に CTの代わりに MRIを利用することができる 25,26。いずれの画像検査

も、適応がある場合は造影剤を用いて施行してもよい。

腎中心部の腫瘤は尿路上皮癌の存在を意味している可能性があり、こ

の場合には、尿細胞診、尿管鏡検査および生検を考慮すべきである。

大半の骨および脳転移例では診断時に症状がみられる。そのため、骨ス

キャンは、血清アルカリホスファターゼ(ALP)値の上昇か骨痛の訴えが

ない限り、ルーチンには施行しない 27。臨床徴候、臨床像および症状から

脳転移が示唆される場合は、脳の CTまたは MRIを施行してもよい。

推奨される腹部画像検査は診断精度が高い。したがって、術前の針生

検は必ずしも必要ではなく、画像検査で明らかな所見を認める患者で

は特にその可能性が高い。限定された患者では、RCC の診断を確定し

て、積極的なサーベイランスおよびアブレーション治療(凍結療法やラ

ジオ波焼灼術など)の戦略を立てる上での指針とするべく、小径病変に

対して針生検を考慮してもよい 28。前述のように、画像検査で腎中心

部の病変や腎実質の均質な浸潤が認められた場合にも、それぞれ尿路

上皮癌またはリンパ腫を除外するために生検を考慮すべきである。

RCC における PET(ポジトロン断層撮影)の価値については、依然と

して不明確なままである。現時点で PET 単独は、腎癌の診断や腎摘除

術後の再発所見のフォローアップに標準的に用いられる検査法にはな

っていない 29。

最新の TNM分類 30と組織型分類 31の適用が治療上の判断に重要である。

限局例に対する治療

臨床的限局性 RCC では依然として外科的切除が有効な治療法であり、

その選択肢としては(以降で詳述するように)根治的腎摘除術と腎温存

手術がある。これらの治療法にはそれぞれに有益性とリスクがあり、

それらのバランスを取ることで長期的な腎機能や無病生存期間を最適

化していくべきである。

腎温存手術および根治的腎摘除術

根治的腎摘除術では、腎臓、腎周囲脂肪組織、所属リンパ節および同

側副腎を腎筋膜ごと切除する。腫瘍が下大静脈に進展している場合は、

根治的腎摘除術が望ましい治療法となる。根治的腎摘除術は開腹下、

腹腔鏡下またはロボット支援下の術式を用いることができる。長期成

績のデータによると、腹腔鏡下と開腹下で根治的腎摘除術の無病生存

率は同等であることが示唆されている 32-39。

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MS-4 2018年第4版 04/23/2018 著作権 © 2018 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

NCCN Guidelines Version 4.2018 腎癌

ガイドライン索引 目次 考察

腎部分切除術(腎温存手術)については、当初は根治的腎摘除術では機

能的無腎となり透析が必要となる状況でのみ適応があるとされていた。

そのような状況としては、単腎症例で発生した RCC、対側腎機能が不

十分な状態で一側の腎に発生したRCC、両側同時性のRCCなどが挙げ

られる。

腎部分切除術については、根治的腎摘除術に匹敵する十分な成績デー

タが収集されている 40-45。根治的腎摘除術は慢性腎臓病のリスクを増

加させる可能性があり 46,47、心血管系の合併症および死亡のリスク増大

を伴うことが集団ベースの研究 48 から報告されている。根治的腎摘除

術と比較した場合、腎部分切除術は腎機能を温存でき、全死亡率や心

血管イベントの頻度も抑制できる 48-52。VHL 病などの遺伝性 RCC の患

者でも腎温存手術を考慮すべきである。T1a および T1b(すなわち最大

径 7cm 以下)の腎腫瘍患者では、対側腎が正常でも腎温存手術を施行

することが増えてきており、根治的腎摘除術と同等の成績が得られて

いる 43,53-55。腎温存手術が可能な場合は、根治的腎摘除術は採用すべき

でない。より最近の研究では、Medicare 受益者の早期腎癌患者におい

て、根治的腎摘除術より腎部分切除術の方がより生存期間の改善に寄

与することが示されている 56。

追跡期間の短い研究結果によると、腎温存手術の腫瘍学的成績は腹

腔鏡下と開腹下で同程度のようである 57,58。術後 7 年の腫瘍学的成

績を検討した研究では、腹腔鏡下および開腹下腎温存手術での無転

移生存率がそれぞれ 97.5%と 97.3%(P=0.47)となることが判明

した 59。

腎温存手術の目標は、虚血時間を理想的には 30 分未満に抑えつつ、最

大限の局所制御を達成することである 60。しかしながら、限局性 RCC

患者の中には、浸潤性の腫瘍増殖や腫瘍が不都合な部位にあるために

腎温存手術が適応とならない例もある。腹腔鏡下、ロボット支援下、

開腹下のいずれの術式であっても、熟練した外科医が施行すれば同等

の成績が得られている。医学的に十分に良好な状態にある I~III 期の患

者には、腫瘍の外科的切除が行われるべきである。

リンパ節郭清

リンパ節郭清については、一貫して治療上の有益性が示されているわ

けではない。EORTCによる第 III相試験では、完全なリンパ節郭清を伴

う根治的腎摘除術が根治的腎摘除術単独と比較された。解析の結果、

全生存期間(OS)、無増悪期間、無増悪生存期間(PFS)のいずれにつ

いても両群間に有意差は認められなかった 61。しかしながら、核異型

度、肉腫様成分、腫瘍の大きさ、病期、腫瘍壊死の有無といった原発

腫瘍の病理学的特徴は、いずれも根治的腎摘除術の際に所属リンパ節

転移の可能性を判定する上での有用な因子であった 62。リンパ節の状

態は、画像検査(CT/MRI)での腫大と手術時の直接の触診に基づいて

評価する。CT/MRI では、正常なリンパ節における小転移が検出されな

い可能性がある 63。

NCCN 腎癌委員会は、触知可能または術前の画像検査で腫大したリン

パ節が検出された患者について所属リンパ節郭清を推奨する。

副腎摘除術

上極に大きな腫瘍が存在する場合と CT 上で副腎に異常を認める場合に

は、同側副腎の摘除を考慮すべきである 64-66。画像検査で副腎が正常

と判定される場合や腫瘍の大きさと位置から高リスクではないと判断

される場合は、副腎摘除術は適応とならない 67。

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ガイドライン索引 目次 考察

Active surveillance およびアブレーション治療

Active surveillance68,69 は、初期段階で腹部画像検査を用いて腫瘍をモ

ニタリングすることで、適応となる時点まで介入を遅らせることと定

義される。高齢の患者と腎腫瘤が小さく他に併存症を有する患者は

RCC特異的死亡率が低い場合が多い 70。Active surveillance と凍結療法

やラジオ波焼灼術などのアブレーション治療は、限定された患者(特に

高齢患者や競合する健康上のリスクが認められる患者)に対する代替の

治療戦略である。

アブレーション治療と外科的切除(すなわち、開腹下または腹腔鏡下で

の根治的腎摘除術または腎部分切除術)についてランダム化第 III 相試

験による比較は行われていない。

NCCN 腎癌委員会は、限局例に対する上記各治療法の有用性を病期(I

期[pT1a および pT1b]、II 期および III 期)に応じて議論してきた。

I 期(pT1a)症例の管理

当 NCCN 委員会は、臨床病期 I 期(pT1a)の腎腫瘤に対する管理方針

としては、腎部分切除術による腫瘍の外科的切除が望ましいと考えて

いる。ここでは十分な専門知識・技能と慎重な患者選択が重要となる。

腎部分切除術は、片側のみに小径腫瘍を認める患者と腎機能の温存が

最優先の課題となる患者(単腎、腎不全、両側腎腫瘤、家族性 RCC な

ど)に最も適している。腎部分切除術は開腹下と腹腔鏡下のどちらを採

用してもよく、腫瘍の大きさと位置および外科医の専門知識・技能に

応じて決定する。

限局性腎腫瘍であっても腎部分切除術が不可能な場合もあり、その

ような症例には根治的腎摘除術が推奨される。本 NCCN ガイドライ

ンでは、腎部分切除術が技術的に不可能であると泌尿器科医が判断

した I 期(pT1a)RCC 患者への代替治療として、根治的腎摘除術を

挙げている。

限定された I 期(T1a)RCC 症例におけるその他の選択肢としては、

active surveillance とアブレーション治療がある。active surveillance は

限局性腎腫瘤の患者を対象とした選択肢であり、期待余命が短い患者

や重度の併存症のため侵襲性の高い介入による過剰なリスクに曝され

る可能性のある患者では、この戦略をまず第一に考慮すべきである。

腫瘍学的な短期および中期の成績に従えば、最初は小径の腎腫瘤に対

するモニタリングを行い、進行時に必要に応じた治療を開始するのが

適切な方針となる 68。

アブレーション治療と従来の手術の無遠隔再発生存率は同等であるが、

アブレーション治療は局所再発リスクが高いことが指摘されている71-74。こうした低侵襲の治療法を選択する際には、現在もなお慎重な患

者選択とカウンセリングが最も重要である。

本 NCCN ガイドラインでは、限定された I 期(T1a)RCC 患者のみを対

象に active surveillance とアブレーション治療を推奨している。

I 期(pT1b)症例の管理

限局性 RCCに対する腎部分切除術では、腫瘍学的に見て T1b症例に対

する根治手術と同程度の成績が得られている 75,76。NCCN腎癌委員会の

見解では、臨床病期が T1b の症例では、腎部分切除術(可能である限

り)または根治的腎摘除術が標準治療である。

II 期および III 期症例の管理

II期および III期の患者で治癒を望める治療法は、依然として根治的腎摘

除術となっている 38。根治的腎摘除術は、腫瘍が下大静脈に進展して

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ガイドライン索引 目次 考察

いる場合に選択される治療法である。下大静脈または心房の血栓摘除

術には、しばしば心血管外科医の援助が必要となるが、これは原発腫瘍

の局所進展度と下大静脈進展の程度によっては治療関連死亡率が 10%

にも達するためである。一般に局所進行例では、腎部分切除術は適切

な治療法とならない。しかしながら、技術的に可能で臨床的に適応が

ある場合は、この手術を局所進行例に施行してもよい。例えば、片側

腎の上極または下極に小さな腫瘍がみられる患者には、腎部分切除術

が考慮される場合がある。

当 NCCN委員会は、実施可能で適応がある場合は、根治的腎摘除術また

は腎部分切除術を II期および III期の腫瘍に対する選択肢としている。

淡明細胞型かつ高リスクの限局性 RCC に対する補助療法

限局性 RCC 患者の大半について、腫瘍が完全切除された場合の腎摘除

後の補助療法の役割は確立されていない。例外は、III 期の淡明細胞型で

再発リスクの高い症例が対象の場合である。このような患者には、スニ

チニブによる補助療法(カテゴリー2B)を 1 年間施行してもよい。分

子標的療法による補助療法の効果を検討する臨床試験がいくつか進行

している。適格な患者にはランダム化臨床試験への参加を提案すべきで

ある。腎摘除術後の補助放射線療法については、リンパ節転移を来した

患者や腫瘍の切除が不完全に終わった患者でさえも有益性は実証され

ていない。

これまでに、補助療法を検討したいくつかの試験において、再発の可能

性を低下させる効果は示されていない。完全切除を受けた局所進行性

RCC 患者においてインターフェロン α(IFN-α)または高用量インター

ロイキン 2(IL-2)もしくはサイトカイン併用療法による補助療法を経

過観察のみの場合と比較したランダム化試験では、補助療法群に再発ま

での期間の延長も生存率の改善も認められなかった 77。T1b 以上の high

grade 腫瘍を有する患者を対象とした第 III 相多施設共同試験

(ASSURE;ECOG-ACRIN E2805)では、腎摘除術後の補助療法として

のスニチニブまたはソラフェニブの使用はプラセボとの比較で無病生

存期間(DFS)または OS の延長効果が認められなかった 78。さらに、

ASSURE 試験のサブグループ解析でも、腫瘍の予後カテゴリー(すな

わち高リスクかつ淡明細胞型の患者集団)や治療の用量強度で調整して

も、当初報告された DFS や OS の差がないという事実は変わらないこ

とも示された 79。同様に、高リスクの局所進行 RCC 患者を対象とした

第 III 相試験である PROTECT 試験の主要解析でも、パゾパニブによる

補助療法を受けた患者についてプラセボとの比較で DFS の有意な延長

は報告されなかった 80。

対照的に、第 III 相試験の S-TRAC 試験では、RCC における腎摘除術後

の補助療法による DFS の延長が初めて示された。S-TRAC 試験は、局

所進行または所属リンパ節転移、もしくはその両方を有する高リスク淡

明細胞癌患者 615 例にスニチニブによる補助療法(50mg 1 日 1 回;4

週オン/2 週オフ)またはプラセボ投与を行った多施設共同ランダム化

試験である。スニチニブによる治療を受けた患者では、プラセボ投与を

受けた患者よりも DFS の中央値が長かった(6.8 年 vs 5.6 年;P=0.03)。

Grade 3 以上の有害事象は、スニチニブ群では 63.4%の患者に生じたの

に対し、プラセボ群では 21.7%であった 81。S-TRAC 試験に参加した患

者を対象とするその後のサブグループ解析では、スニチニブによる補助

療法の有益性が全サブグループで認められた 82。これらの発表ではいず

れも、OS の中央値はスニチニブとプラセボともに未到達であった 81,82。

当 NCCN 委員会は、S-TRAC 試験で示された DFS の延長に基づき、再

発リスクが高い患者における補助療法の選択肢にスニチニブを含める

ことを推奨している。毒性の強さ、OS の延長が実証されてないこと、

および ASSURE 試験と S-TRAC 試験の結果の矛盾に対する一部委員の

懸念により、この決定が適切であるという一貫したコンセンサスは得ら

れておらず、そのためカテゴリー2B の推奨となっている。

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限局例に対する治療後のフォローアップ

限局例に対して外科的切除が施行された場合、20~30%の患者が再発

を経験する。遠隔再発としては肺転移が最も多く、50~60%の患者に

みられる。手術から再発までの期間の中央値は 1~2 年であり、再発の

ほとんどは 3 年以内に起こっている 83。

当 NCCN 委員会は、小径腎腫瘤のサーベイランスを受けている患者お

よび原発性 RCC の手術またはアブレーション治療を受けた患者に対す

るフォローアップの枠組みを提示している。当 NCCN 委員会は、単独

ですべての患者に適切となるフォローアップ計画は存在せず、フォロ

ーアップは臨床判断により患者毎に変更すべきであることを脚注で繰

り返し強調している。最適なフォローアップ計画について委員会内で

一貫したコンセンサスが得られていないため、それらの推奨はカテゴ

リー2B としている。また、腎摘除術後最初の 5 年間のフォローアップ

について指針を示しており、担当医の判断でフォローアップ評価を 5

年以降も延長できるとしている。後ろ向き解析の結果から、一部の患

者では原発性 RCC に対する手術から 5 年以降に再発が起きることが示

されている 84。その解析では、一部の患者では5年以降のフォローアッ

プ/サーベイランスの継続に潜在的な価値がある可能性が示唆されてい

る。より長期間のフォローアップを必要とする高リスク患者集団の同

定についてはまだ確立されておらず、RCC 患者のフォローアップ戦略

を改善するために更なる研究が必要である。

本NCCNガイドラインには、集中的なサーベイランスおよび/またはフ

ォローアップ画像検査の必要性が最も高い患者を対象として、リスク

で層別化した画像検査の適用を導入している。

pT1a 症例に対する active surveillance 中のフォローアップ

Active surveillance中のフォローアップについては、当NCCN委員会は、

病歴聴取と身体診察、生化学検査、およびその他の検査を 2 年間は 6 ヵ

月毎、その後は診断から最長 5 年後まで 1 年毎に行うよう推奨している。

当 NCCN委員会は、腫瘍の増殖速度を明らかにするために、腹部画像検

査(CT または MRIによる)を active surveillanceの開始から 6ヵ月以内

に施行することを推奨しており、それ以降の画像検査(CT、MRIまたは

US による)は年 1 回施行すればよい。3 つの方法(US、CT、MRI)は

いずれも病理学的な腫瘍の大きさを正確に予測できることが、後ろ向き

解析で明らかにされている 85。したがって、画像検査の方法は最善の臨

床判断によって選択すべきである。生検で RCC 陽性と判定された患者

には、胸部画像検査(胸部 X線または胸部 CT)による 1年毎の肺転移の

評価が推奨される。当委員会は、骨盤の画像検査、神経症状を認める場

合は頭部または脊椎の CT または MRI、ならびに ALP上昇、骨痛または

放射線学的異常所見を認める場合は骨スキャンを推奨する。

pT1a 症例に対するアブレーション治療後のフォローアップ

当 NCCN 委員会が採用したアブレーション治療後のフォローアップ検

査の大半は、active surveillance に含まれるフォローアップ検査と同様

である。アブレーション治療後の画像検査については、当 NCCN 委員

会は、他に禁忌がない限り、治療に対する反応を評価するために 3~6

ヵ月時点で腹部 CT または MRI(静注造影剤を使用または不使用)を施

行し、その後 5年間は 1年毎に腹部CTまたはMRIを施行することを推

奨する。当NCCN委員会は、生検で証明された低リスクRCCの患者、

生検で診断に至らなかった患者、および過去に肝転移を評価する生検

を受けていない患者に対して、肺転移の評価のために 5年間にわたり 1

年毎に胸部X線またはCTを施行することを推奨する。アブレーション

を行った腫瘍に(造影剤による増強の有無は問わず)進行性の増大を示

す所見が認められた場合、治療した領域またはその周辺に新たに小結

節の形成が認められた場合、治療した病変で経時的な退縮が得られな

い場合、およびサテライトまたはポート部位に病変が認められた場合

については、当委員会は再生検を勧める。

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I~III 期症例に対する腎摘除術後のフォローアップ

腎部分切除術または根治的腎摘除術が施行された pT1a および pT1b 症例

について、当 NCCN 委員会は、病歴聴取と身体診察、生化学検査、およ

びその他の検査を2年間は6ヵ月毎、その後は腎摘除術から最長5年後ま

で 1 年毎に行うよう推奨している。当委員会は、腎部分切除術または根

治的腎摘除術を受けた患者には、腎手術後 3~12 ヵ月以内にベースライ

ンの腹部画像検査(CT、MRIまたは US)を施行することを推奨する。術

後最初の画像検査が陰性となった場合は、根治的腎摘除術を受けた患者

では 12 ヵ月以降の腹部画像検査は担当医の判断で施行してもよい。腎部

分切除術を受けた患者には各患者の危険因子に基づいて 3 年にわたる 1

年毎の腹部画像検査(CT、MRIまたは US)を考慮できる。腎部分切除術

後の局所再発率は、比較的小さい腫瘍で 1.4~2%、比較的大きい腫瘍で

10%である 86-88。

当委員会は、その後も臨床的な適応に従って3年間にわたり1年毎に胸

部画像検査(胸部 X 線または CT)を施行することを推奨し、また臨床

的な適応に従って骨盤の画像検査、頭部または脊椎のCTまたはMRI、

骨スキャンを施行することを推奨する。

根治的腎摘除術後の II~III 期症例には、大きい腫瘍ほど局所および転移

再発のリスクが著しく高くなるため、pT1a または pT1b 症例より高頻

度の検査が推奨される。当 NCCN 委員会は、病歴聴取と身体診察を 3

年間は 3~6 ヵ月毎、その後は根治的腎摘除術から 5 年後まで 1 年毎に

行うよう推奨している。臨床的に適応があれば、担当医の判断でフォ

ローアップ評価を 5 年以降も継続することができる。臨床的に適応が

あれば、生化学検査およびその他の検査を2年間は6ヵ月毎、その後は

根治的腎摘除術から5年後まで1年毎、それ以降は臨床的な適応に従っ

て施行することが推奨される。

当委員会は、術後 3~6 ヵ月以内にベースラインの胸部画像検査(CT に

よる)および腹部画像検査(CT または MRI)を施行し、その後は少な

くとも 3 年間は 6 ヵ月毎、以降は根治的腎摘除術から最長 5 年後まで 1

年毎に継続的な画像検査(胸部 CT または X 線、腹部 CT、MRI または

US)を施行することを推奨する 89。フォローアップの画像検査に US

を用いることは低リスク患者向けの選択肢であるが、再発リスクの高

い患者では CT が望ましい方法である。III 期症例における US の有用性

について委員会内で見解の相違があることから、特に II 期症例に対す

る推奨度はカテゴリー2B としている。当委員会は、臨床的な適応に従

って 5 年以降も画像検査を施行してよいこと、および症状から妥当と

判断されれば特定部位の画像検査を施行してよいことを指摘している。

臨床的に適応があれば、骨盤の画像検査、頭部または脊椎の CT または

MRI、骨スキャンなどの他の検査が推奨される。

University of California Los Angeles(UCLA)Integrated Staging System

(UISS)90 に基づくサーベイランスプロトコルなど、上記以外のサーベ

イランスプログラムも提案されている。UISS はエビデンスに基づいた

システムであり、限局性または局所進行性 RCC に対する外科治療施行

後の再発または転移リスクについて、1997年のTNM病期分類、異型度

および ECOG の一般全身状態スコアから患者を低、中、高のリスク群

に層別化するものである 90。

進行例または IV 期症例の管理

IV 期の患者でも手術が有益となる場合がある。例えば、CT 上でリンパ

節転移が疑われる場合であっても、ただの過形成であって腫瘍の転移で

はない可能性もあるため、微小な所属リンパ節腫脹の存在は手術の実施

を妨げるものではない。また少数ではあるが、少数転移があり原発巣と

それらの転移巣が外科的に切除できる可能性がある一部の患者では、腎

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摘除術+転移巣切除術またはアブレーション治療(転移巣切除術の適応

がない限定された患者のみ)よる転移巣の管理が適応となりうる。具体

的には、1)初診時から RCC の原発巣とともに少数転移巣を認める患者

や、2)腎摘除術後の長期無病期間後に少数転移を来した患者などが挙げ

られる。このアプローチが可能となりうる少数転移の部位としては、肺、

骨、脳が挙げられる。原発巣と転移巣の切除は、一期的または二期的な

手術で行う。少数転移に対する局所治療を受けた患者のほとんどが再発

を経験するが、それらの患者では長期の無増悪生存が報告されている。

予後予測モデル

転移性 RCC 患者の生存予後について、独立した予後因子を組み合わせ

ることで患者のリスク群を分類するスコア式の予後評価システムが開

発された。

最も広く用いられている予後因子モデルは、Memorial Sloan Kettering

Cancer Center(MSKCC)のものである。このモデルは、臨床試験に登

録されて IFN による治療を受けた転移性 RCC 患者(n=463)の予後因

子を検討することにより開発された 91。多変量解析の変数として5つの

予後因子(診断から治療までの期間が 1 年未満、Karnofsky の一般全身

状態スコアが 80%未満、血清乳酸脱水素酵素[LDH]値が正常上限値

[ULN]の 1.5 倍以上、補正血清カルシウム濃度が ULN を超える、血清

ヘモグロビン値が正常下限値[LLN]未満)が採用された。これらの因

子を 1 つも認めない患者は低リスクまたは予後良好群に、1 つまたは 2

つ認める患者は中リスク群に、3つ以上認める患者は高リスク群に分類

される。MSKCC の基準については、Cleveland Clinic において独立し

た別のグループにより更なる妥当性検証が行われた 92。

血管内皮増殖因子(VEGF)標的療法を受けた転移性 RCC 患者のデ

ータに基づく予後予測モデルが最近開発され、 International

Metastatic RCC Database Consortium(IMDC)モデルあるいは Heng

モデルとして広く知られている 93。このモデルはスニチニブ、ソラ

フェニブまたはベバシズマブ+インターフェロンによる治療を受け

た転移性 RCC 患者 645 例の後ろ向き研究によって開発された。この

解析には以前に免疫療法を受けた(すなわち二次治療として分子標的

療法を受けた)患者も含まれていた。この解析により、患者を予後良

好群、予後中間群、予後不良群に層別化するための臨床パラメータ

が 6つ同定された。MSKCCが以前に同定した 5つの予後不良因子の

うち 4 つ(ヘモグロビン値が LLN 未満、補正血清カルシウム濃度が

ULN を超える、Karnofsky の一般全身状態スコアが 80%未満、初回

診断から治療開始までの期間が 1 年未満)は、ここでも独立した予後

不良因子であった。このモデルで新たに妥当性が確認された独立し

た予後不良因子は、ULN を超える好中球数増加と ULN を超える血小

板数増加である 93。

同定された 6 つの予後不良因子を 1 つも認めない患者は低リスク群(n

=133;22.7%)に分類され、OSの中央値は未到達で、2 年 OSは 75%

であった(95%CI 65%~82%)。次に、予後不良因子を 1 つまたは 2

つ認める患者は中リスク群(n=301;51.4%)に分類され、OS の中央

値は 27 ヵ月、2 年 OS は 53%であった(95%CI 46%~59%)。最後

に、予後不良因子を 3~6 つ認める患者は高リスク群(n=152;25.9%)

に分類され、OS の中央値は 8.8 ヵ月、2 年 OS は 7%であった(95%

CI 2%~16%)93。このモデルについては最近、独立したデータセット

で妥当性が検証された 94。

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再発または IV 期症例および切除不能症例に対する一次治療

外科的に切除できる可能性がある原発巣の腫瘤に対しては、一般に

全身療法の開始前に cytoreductive nephrectomyを施行することが推

奨される。手術後に IFN 療法が施行された患者における

cytoreductive nephrectomy の有益性はランダム化試験によって示さ

れている。互いに類似した第 III 相試験である Southwest Oncology

Group(SWOG)や EORTC の研究では、有転移症例が腎摘除術と

IFN-α療法を受ける群と IFN-α療法のみを受ける群にランダム化され

た 95-97。これらの試験を統合した解析によると、生存期間の中央値

は手術+IFN-α群の方が良好であった(13.6 ヵ月 vs 7.8 ヵ月[IFN-α

単独群])95-98。

Cytoreductive な治療法が有益となりやすい患者を同定するための患者

選択が重要である。全身療法施行前の cytoreductive nephrectomy が有

益となる可能性が最も高いのは、転移が肺のみに限られ、予後良好因

子を認め、一般全身状態が良好な患者である 99。高用量 IL-2 療法(下記

参照)が適応となる患者については同様のデータが得られていないもの

の、UCLA の腎癌データベースや他のグループによる種々の研究報告

のデータからは、その他の免疫療法を受けている患者にも腎摘除術は

有益である可能性が示唆されている 100。分子標的療法(以降で詳細に

検討する)が考慮されている転移例での腎摘除術の役割については、現

在ランダム化試験が進行中であるが、IMDC のデータからは、VEGF に

対する分子標的薬が投与された患者でも cytoreductive nephrectomy が

なお一定の役割を果たすことが示唆されている 101。血尿を始めとする

原発巣と関係のある症状を認め、かつ手術適応がある転移例には、症

状の緩和を目的とした腎摘除術を考慮してもよい。腫瘍が外科的に切

除不能の患者には、当 NCCN 委員会は、組織型を判定し以降の管理の

指針を得ることを目的として、RCC の診断を確定するために組織採取

を行うことを推奨する。

淡明細胞型優位の腎癌患者に対する一次治療

淡明細胞型優位の腎癌に対する一次治療としての高用量 IL-2 療法

IL-2 をベースとした免疫療法については、長期間持続する完全または部

分寛解が少数の患者群で報告されている。高用量 IL-2療法にはかなりの

毒性が伴い、この治療法が奏効しやすい腫瘍側または患者側の因子を明

らかにする試みも現在のところすべて不成功に終わっている 102-104。し

たがって、IL-2 療法の対象患者を選択するための最良の基準は、大部分

が安全性に基づく内容となっており、その具体的な要素としては、一般

全身状態、併存症、組織型(淡明細胞型優位)、MSKCC または Survival

After Nephrectomy and Immunotherapy(SANI)リスクスコア 91,100,105、

リスクに対する患者の考え方などが挙げられる。

NCCN 腎癌委員会の見解では、淡明細胞型腎癌の再発例または IV 期の

切除不能例に高度に限定すれば、高用量 IL-2 は一次治療における選択

肢の 1 つであり、その推奨度はカテゴリー2A としている。

免疫チェックポイント阻害療法

免疫チェックポイント阻害薬は、免疫細胞と抗原提示細胞(腫瘍細胞

を含む)の相互作用を変化させる。この種の薬剤は抗腫瘍免疫応答を

増強することができ、多数の腫瘍において有望な成績を示している。

最近の研究により、進行腎細胞癌患者に対する二次治療における免疫

チェックポイント阻害薬のニボルマブによる単剤療法(「淡明細胞型

優位の腎癌患者に対する二次治療 」の節に記載)と一次治療における

ニボルマブとイピリムマブの併用(この直後に記載)について有効性

が示されている。

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淡明細胞型優位の中リスクおよび高リスク腎癌患者に対する一次治療としてのニボルマブとイピリムマブの併用

ニボルマブは、PD-1(programmed death-1;活性化 T 細胞の表面に発

現する)とそのリガンド(免疫細胞および腫瘍細胞の表面に発現する)

との相互作用を選択的に遮断する抗体である。イピリムマブは、負の

調節因子である CTLA-4(cytotoxic T-lymphocyte antigen 4;活性化 T

細胞の表面に早期から発現する)とそのリガンド CD80/CD86(免疫細

胞の表面に発現する)との相互作用を選択的に遮断する抗体である。

第 III 相オープンラベル多施設共同試験(CheckMate 214)において、

進行腎細胞癌患者を対象として、ニボルマブ(3mg/kg)+イピリムマ

ブ(1mg/kg)を 3 週毎に 4 回静脈内投与した後にニボルマブ(3mg/kg)

を単剤で 2 週毎に投与する治療がスニチニブ 50mg による単剤療法(4

週オン/2 週オフスケジュール)と比較された 119。1096 例がニボルマ

ブ+イピリムマブ群とスニチニブ単剤群にランダムに割り付けられた

(1:1)。治療を受けた患者のうち 425 例が中リスク、422 例が高リス

クであった。ニボルマブ+イピリムマブの併用では、スニチニブ単剤

よりも高い客観的奏効率(42% vs 27%、P<0.001)と高い完全奏効

率(9% vs 1%、P<0.001)が得られた。18 ヵ月 OS 率はニボルマブ

+イピリムマブ群で 75%(95%CI 70~78)、スニチニブ群で 60%(95%

CI 55~65)であった。PFS の中央値(11.6 ヵ月 vs 8.4 ヵ月;HR 0.82;

P=0.03)は、P 値が事前に規定された閾値の 0.009 を下回らず、統計

学的に有意ではなかった 119。治療関連有害事象はニボルマブ+イピリ

ムマブの投与を受けた患者の 93%とスニチニブの投与を受けた患者の

97%で認められ、Grade 3 または 4 の有害事象はそれぞれ 46%および

63%の患者に生じた。治療関連有害事象により投与が中止された患者

の割合は、それぞれ 22%と 12%であった 119。

低リスク患者の一次治療におけるニボルマブ+イピリムマブの併用に

関するデータは一貫していない 119,120。CheckMate 214 試験の

intent-to-treat 集団には、ニボルマブ+イピリムマブ(n=125)または

スニチニブ(n=124)による治療を受けた低リスク患者も含まれており、

その合計数はそれぞれ 550 例と 546 例であった 119。Intent-to-treat 集団

における 18 ヵ月 OS 率はニボルマブ+イピリムマブの方がスニチニブ

より良好であったが(78% vs 68%)、低リスク患者のみを対象とする探

索的解析では、スニチニブの方が良好であった(88% vs 93%)。この

研究では、客観的奏効率(29%および 52%;P<0.001)と PFS の中央

値(14.3 ヵ月および 25.1 ヵ月;HR 2.18;99.1%CI、1.29~3.68;P<

0.001)も、スニチニブよりニボルマブ+イピリムマブが投与された低

リスク患者の方が低かった。別の第 I 相試験(CheckMate 016)では、

淡明細胞成分を有する進行または転移性 RCC の確定診断受けた全リス

ク群の患者におけるニボルマブ+イピリムマブの使用を支持する結果

が得られた 120。この研究には、MSKCC リスク分類の高リスク(poor

risk;n=47)、中リスク(intermediate risk;n=47)、低リスク(favorable

risk;n=6)患者が含まれていた。低リスク患者では、ニボルマブ

(3mg/kg)+イピリムマブ(1mg/kg)またはニボルマブ(1mg/kg)+

イピリムマブ(3mg/kg)の投与を 3 週毎に 4 回受け、その後増悪また

は毒性発現までニボルマブ 3mg/kg の単剤療法を 2 週毎に受けた患者が

それぞれ 44.7%を占めた。低リスク患者のみのデータは公表されていな

いが、コホート全体の 2 年 OS 率はそれぞれ 67.3%と 69.6%であった。

中央値 22.3 ヵ月間の追跡時点での本コホートにおける奏効率は両群で

同じであった(40.4%)120。

これらのデータに基づき、NCCN 腎癌委員会は、ニボルマブ+イピリム

マブの併用を未治療、再発または切除不能、淡明細胞型優位、IV 期腎癌

の中リスクおよび高リスク患者に対する一次治療の望ましい選択肢と

して、カテゴリー1 の推奨とした。低リスク患者については、第 I 相試

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ガイドライン索引 目次 考察

験と第 III相試験のデータが一貫しないことから、NCCN腎癌委員会は、

これらの患者に対する一次治療ではニボルマブ+イピリムマブの併用

をカテゴリー2B の選択肢として推奨している。ニボルマブ+イピリム

マブの併用についての FDA の承認範囲はより狭く、中リスクまたは高

リスクの RCC 患者のみが対象とされている。

分子標的療法

チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)および/または抗 VEGF 抗体による分

子標的療法が一次および二次治療に広く用いられている。mTOR

(mammalian target of rapamycin)を標的とする薬剤もこの状況で使用

されている。一次治療および/または二次治療における進行 RCC の治

療薬として、いくつかの分子標的薬が FDA の承認を受けている:スニ

チニブ、ソラフェニブ、パゾパニブ、アキシチニブ、テムシロリムス、

エベロリムス、ベバシズマブ(インターフェロンと併用)、cabozantinib

およびレンバチニブ(+エベロリムス)。

分子標的療法の選択においては、腫瘍の組織型と患者のリスク判定が

重要である。RCC の組織学的診断は、腎腫瘍の外科的切除後または生

検後に確定となる。世界保健機関(WHO)の分類に従えば、RCC で最

も頻度の高い 3 つの組織型は、淡明細胞型 RCC、乳頭状 RCC、嫌色素

性RCCである 106。転移例におけるリスク層別化用に予後予測システム

が用いられている 91,93。

淡明細胞型優位の腎癌に対する一次治療としてのパゾパニブ

パゾパニブは、VEGFR-1、VEGFR-2、VEGFR-3、PDGFR-α、PDGFR-β

および c-KIT を標的とする経口用の血管新生阻害薬である。パゾパニブ

の安全性および有効性については、第 III 相のオープンラベル国際多施

設共同試験にて評価された。病変が計測可能で、未治療もしくは治療歴

がサイトカイン療法 1 回のみの淡明細胞型の進行性 RCC 患者 435 人が

パゾパニブ群とプラセボ群に 2:1 の比率でランダム化された。被験者

全体ではパゾパニブ投与により PFS の有意な延長が認められ、平均す

るとプラセボ群の 4.2 ヵ月に対してパゾパニブ群では 9.2 ヵ月であった107。パゾパニブ群とプラセボ群に 2:1 の比率でランダム化された 233

人の未治療患者のみの集団では、PFS の中央値はパゾパニブ群の 11.1

ヵ月に対してプラセボ群では 2.8 ヵ月であった 107。客観的奏効率はパゾ

パニブ群で 30%、プラセボ群で 3%であった(すべての結果が統計学的

に有意)。パゾパニブの有害反応(Grade は問わない)としては、下痢、

高血圧、毛髪の変色、悪心、食欲不振、嘔吐、疲労、筋力低下、腹痛、

頭痛などがある。注目すべき Grade 3 の毒性は、アラニン(30%)およ

びアスパラギン酸(21%)の上昇で示される肝毒性であった。したがっ

て、本薬剤による治療前および治療中には肝機能のモニタリングを行う

ことが非常に重要となる。

パゾパニブの OS および最新の安全性結果の最終解析では、OS に対し

て統計学的に有意な効果は示されなかった 108。OS と PFS の間に相関

がみられなかったことは、並行して実施されたオープンラベルの拡大試

験でプラセボ群の被験者がパゾパニブ群に多数クロスオーバーされた

ことと、両群とも増悪後に他の抗癌治療が行われたことによるものであ

る 108。最新の解析では 108、それまでの報告と比較して、有害事象の頻

度および重症度やGrade 3/4の有害事象の頻度に差は認められなかった107。

スニチニブとパゾパニブを比較した大規模な非劣性試験(COMPARZ)

の結果から、この 2 剤は有効性プロファイルは類似しているが、安全

性プロファイルには差があることが示された 109。転移性の淡明細胞型

RCC患者 1,110人がパゾパニブ群とスニチニブ群にランダムに割り付

けられ、パゾパニブ群では PFS の中央値が 8.4 ヵ月であったのに対し、

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スニチニブ群では 9.5 ヵ月であった(ハザード比[HR]1.047)。全

奏効率(ORR)はパゾパニブ群で 31%、スニチニブ群で 25%であっ

た。パゾパニブ群では、スニチニブ群と比べて、疲労、手足症候群、

味覚変化、血小板減少症が少なかった。しかし、パゾパニブ群ではス

ニチニブ群よりトランスアミナーゼ値の上昇が多く認められた 109。

OS の最終解析の結果は両群で同程度であった(パゾパニブとスニチ

ニブで比較した死亡の HR 0.92;95%CI 0.79~1.06)110。リスク分類

に基づくサブグループ解析が行われた。低リスク患者における OS の

中央値は、パゾパニブ群の 42.5 ヵ月に対してスニチニブ群では 43.6

ヵ月であった。中リスク患者における OS の中央値は、パゾパニブ群

で 26.9 ヵ月、スニチニブ群で 26.1 ヵ月であった。高リスク患者にお

ける OS の中央値は、パゾパニブ群で 9.9 ヵ月、スニチニブ群で 7.7

ヵ月であった 110。

COMPARZ 試験の結果は 109,110、別の比較的小規模な第 III 相試験

(PISCES)の結果によって裏付けられている 111。PISCES試験では、169

人の患者が盲検下の一次治療として、パゾパニブ 800mg を 10 週間投与

後に 2 週間の中断(プラセボ)を置いてからスニチニブ 50mg を 10 週

間(4 週オン/2 週オフスケジュール)投与する群と、これらを逆の順序

で投与する群にランダムに割り付けられた。主要エンドポイントは 22

週後時点で評価した患者の意向とされた。一方の薬剤を選択した理由を

質問したところ、約 70%が生活の質(QOL)がより良好であったことを

理由にパゾパニブを選択したのに対し、スニチニブを選択した患者は

22%で、残る 8%はどちらも選択しなかった。パゾパニブ投与中の患者

の約 50%が疲労が少ないと報告したのに対し、スニチニブ投与中の患者

でそう報告した割合は約 15%であった。また、パゾパニブ投与中の患者

の約 45%が薬剤による味覚の変化が少ないと報告したのに対し、スニチ

ニブ投与中の患者でそう報告した割合は約 10%であった 111。

NCCN 腎癌委員会は、パゾパニブを淡明細胞型優位の腎癌の再発例お

よび IV 期の切除不能例に対する一次治療の望ましい選択肢としてカ

テゴリー1 の推奨とした。

淡明細胞型優位の腎癌に対する一次治療としてのスニチニブ

スニチニブはマルチキナーゼ阻害薬であり、血小板由来成長因子受容

体(PDGFR-α、PDGFR-β)、VEGF 受容体(VEGFR-1、VEGFR-2、

VEGFR-3)、幹細胞因子受容体(c-KIT)、FMS 様チロシンキナーゼ

(FLT-3)、コロニー刺激因子(CSF-1R)、神経栄養因子受容体(RET)

など、複数の受容体型チロシンキナーゼを標的とする 112,113。

前臨床研究のデータから、スニチニブには、血管新生阻害と細胞増殖

阻害の両方に由来すると考えられる抗腫瘍活性のあることが示唆され

た 114,115。第 I相および第 II相試験で有望なデータが得られたことを受

けて、未治療の転移性 RCC 患者におけるスニチニブの有効性を検討

する大規模な第 III 相国際臨床試験が開始され、淡明細胞型の転移性

RCC 患者 750 人(すべてのリスク群を含む)がスニチニブ投与群と

IFN-α投与群とにランダム化された 112。この試験では、全身療法によ

る治療歴がなく、一般全身状態が良好で、かつ計測可能な病変を有す

る患者が選択された。主要エンドポイントは無増悪生存期間(PFS)

とされ、副次エンドポイントは患者関連アウトカム、全生存期間

(OS)、奏効率および安全性とされた。PFS の中央値は、スニチニブ群

で 11ヵ月、IFN-α群で 5 ヵ月であった。独立審査によって評価された

客観的奏効率は、スニチニブ群では 31%、IFN-α 群では 6%であった。

重度の有害事象(Grade 3~4 の毒性)は許容可能なものであり、スニ

チニブ群では好中球減少症、血小板減少症、高アミラーゼ血症、下痢、

手足症候群および高血圧が目立ち、疲労については IFN-α 群でより多

くみられた。その後の追加報告では、一次治療におけるスニチニブの

優位性を強く示唆する傾向が全生存期間でも実証された(26.4 ヵ月 vs

21.81 ヵ月、P=0.051)116。また、対象を広げて実施された試験の結

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ガイドライン索引 目次 考察

果により、脳転移のある患者、非淡明細胞型の患者および一般全身状

態が不良の患者においても、スニチニブは許容可能な安全性プロファ

イルと一定の効果を示すことが明らかにされている 117。

IMDC のデータを用いた後ろ向き研究では、スニチニブによる一次治

療の有効性が集団ベースレベルでパゾパニブと比較された。2 つの治

療選択肢間で OSに差は認められなかった(それぞれ 22.3 ヵ月 vs 22.6

ヵ月、P=0.65)118。さらに、PFS および奏効率にも 2 つの治療選択

肢間で差は認められなかった 118。

以上の研究結果と本剤の忍容性に基づき、NCCN 腎癌委員会は、スニ

チニブも淡明細胞型腎癌の再発例および IV 期の切除不能例に対する一

次治療の望ましい選択肢としてカテゴリー1 の推奨とした。

淡明細胞型優位の腎癌に対する一次治療としてのベバシズマブとインターフェロンの併用

ベバシズマブは組換えヒト化モノクローナル抗体であり、遊離

VEGF-A に結合してこれを中和する。多施設共同の第 III 相試験

(AVOREN)により、ベバシズマブ+IFN-αとプラセボ+IFN-αとの比較

が行われた。これはランダム化二重盲検試験であった。649 人の患者

がランダム化された(うち治療を受けたのは 641 人)121。IFN-αへのベ

バシズマブの追加は PFS(10.2 ヵ月 vs 5.4 ヵ月)および客観的奏効率

(30.6% vs 12.4%)の有意な改善をもたらした。IFN-αを単独投与した

場合と比較して、併用による有害作用の有意な増加や新たな有害作用

の発現は観察されなかった。さらに、統計学的に有意な差ではなかっ

たものの、OS の改善傾向も観察された(ベバシズマブ+IFN-α群 23.3

ヵ月 vs IFN-α群 21.3 ヵ月)121。

米国において Cancer and Leukemia Group B(CALGB)により同様

の試験が実施され、732 人の未治療患者が IFN-α 単独群とベバシズマ

ブ+IFN-α併用群に 1:1の比率でランダム化された。ベバシズマブと

IFN-αの併用は、PFS(8.5 ヵ月 vs 5.2 ヵ月)と客観的奏効率(25.5%

vs 13.1%)で IFN-α単独よりも優れた成績を示した。しかし、併用療

法群では毒性が高率にみられた 122。両群の生存期間中央値に有意差

は認められなかった(ベバシズマブ+IFN-α群 18.3 ヵ月 vs IFN-α単独

群 17.4 ヵ月)123。

NCCN腎癌委員会は、IFN-α併用下でのベバシズマブの使用を淡明細胞

型腎癌の再発例および IV 期の切除不能例に対する一次治療の選択肢と

してカテゴリー1 の推奨としている。

淡明細胞型優位の腎癌に対する一次治療としてのテムシロリムス

テムシロリムスは、mTOR(mammalian target of rapamycin)蛋白に対す

る阻害薬である。mTOR は、シグナル経路の下流にある様々な蛋白への

作用によって、微量栄養素、細胞増殖、アポトーシス、血管新生などを

調節している。テムシロリムスの有効性および安全性は、6 つの予後不

良因子のうち3つ以上を認める未治療の進行性RCC患者を対象とした第

III 相の多施設共同ランダム化オープンラベル試験である ARCC 試験の 2

回目の中間解析において実証された 124。この試験で採用された予後因子

は、診断から全身療法開始までの期間が1年未満、Karnofskyの一般全身

状態スコアが60~70、ヘモグロビン値が正常下限値未満、補正カルシウ

ム値が 10mg/dL 以上、LDH 値が正常上限値の 1.5 倍以上、1 ヵ所以上の

臓器への転移ありの6つであった。626人の患者が IFN-α単独群、テムシ

ロリムス単独群、テムシロリムス+IFN-α 併用群の 3 群に均等にランダ

ム化された。テムシロリムスを含む 2群の患者には、infusion reactionの

予防として抗ヒスタミン薬による前投薬が推奨された。腎摘除術の治療

歴と地域によって患者の層別化が行われた。被験者構成は 65 歳未満が

70%、男性患者が 69%であった。IFN-α単独群および 2 剤併用群と比較

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ガイドライン索引 目次 考察

して、テムシロリムスのみを投与された群で有意な OS の改善が認めら

れた。OS の中央値は、テムシロリムス単独群で 10.9 ヵ月であったのに

対し、IFN-α単独群では 7.3ヵ月であった。PFS(この試験の副次エンド

ポイント)の中央値でも、IFN-α単独群の 3.1ヵ月からテムシロリムス単

独群の5.5ヵ月へと延長が認められた。テムシロリムスと IFN-αの併用に

ついては、OS と PFS のどちらにも有意な延長が認められなかったばか

りか、Grade 3 または 4 の発疹、口内炎、疼痛、感染、末梢浮腫、血小

板減少症と好中球減少症、高脂血症、高コレステロール血症、高血糖な

ど、複数の有害事象について頻度の増加が認められた。

これらのデータに基づき NCCN 腎癌委員会は、テムシロリムスを予後

不良な淡明細胞型腎癌の再発例および IV 期の切除不能例に対する一次

治療の選択肢としてカテゴリー1 の推奨とした。

ソラフェニブ

トシル酸ソラフェニブは、細胞内セリン/スレオニンキナーゼの複数の

アイソフォームや RAF のほか、VEGFR-1、VEGFR-2、VEGFR-3、

PDGFR-β、FLT-3、c-KIT、RET などの受容体型チロシンキナーゼを阻

害する低分子薬である 125-129。

第 II相のランダム化試験において、未治療の淡明細胞型RCC患者を対象

として、ソラフェニブと IFN-α との有効性および安全性の比較が行われ

た 130。189人の患者が経口ソラフェニブ(400mg 1日 2回)か IFN-αの

継続投与を受ける 2 群にランダム化され、病勢進行時にはソラフェニブ

の増量(600mg 1日 2回)か IFN-αからソラフェニブ(400mg 1日 2回)

へのクロスオーバーを選択できるものとされた。主要エンドポイントは

PFS とされた。ソラフェニブ群では、PFS の中央値は IFN-α群の 5.6 ヵ

月に対して 5.7 ヵ月であった。解析の結果、ソラフェニブの投与を受け

た患者の方が腫瘍の退縮がより多く認められたことが判明した(68.2%

vs 39.0%)130。有害事象については、ソラフェニブの投与を受けた患者

で皮膚毒性(発疹および手足皮膚反応)と下痢の頻度がより高く、IFN-α

群で感冒様症候群の頻度がより高かったものの、全体的にみた有害事象

の発生頻度は両群間で同程度であった。

複数の代替選択肢があり、また当 NCCN委員会のメンバー間で一次治療

としての臨床使用の実績がないことに基づき、NCCN 腎癌委員会は、ソ

ラフェニブを淡明細胞型優位の腎癌の再発例または IV 期の切除不能例

に対する一次治療としてもはや推奨していない。ソラフェニブについ

ては、特定の人口統計学的特性を有する集団(アジア人など)に対する

相対的な費用の低さと良好な臨床的有効性および安全性により、国際

的に現在も広く用いられている 131,132。このため、ソラフェニブはそれ

らの国では現在も一次治療の適切な選択肢となっている。

淡明細胞型優位の腎癌に対する一次治療としてのアキシチニブ

アキシチニブは、VEGFR1、VEGFR2 および VEGFR3 を標的とする第

二世代の選択的 VEGFR 阻害薬である 133。淡明細胞型優位の腎癌患者

に対する二次治療として、アキシチニブによる治療はソラフェニブに

よる治療と比較して高い客観的奏効率と長い PFS の中央値を明確に示

した。この結果が一次治療にも当てはまるどうかを判断するべく、ラ

ンダム化オープンラベル第 III 相試験が実施され、新たに診断された患

者がアキシチニブ(5mg 1 日 2 回)またはソラフェニブ(400mg 1 日 2

回)に 2:1 の比率でランダムに割り付けられた 134。PFS の中央値は、

アキシチニブ群で 10.1 ヵ月(95%CI 7.2~12.1)、ソラフェニブ群で 6.5

ヵ月(95%CI 4.7~8.3)であった 134。アキシチニブ群でソラフェニブ

群より高頻度にみられた(差が 10%以上)有害事象は下痢、高血圧、

体重減少、食欲減退、発声障害、甲状腺機能低下症および上腹部痛で、

ソラフェニブ群でより高頻度にみられた有害事象は手掌・足底発赤知

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NCCN Guidelines Version 4.2018 腎癌

ガイドライン索引 目次 考察

覚不全、発疹、脱毛症および紅斑であった 134。アキシチニブ群とソラ

フェニブ群の PFS の差は統計学的に有意ではなかったが、本試験の結

果から一次治療におけるアキシチニブの臨床活性と許容可能な毒性プ

ロファイルが実証された。

別のランダム化多施設共同第 II 相試験では、新たに診断された転移性

RCC 患者を対象として、アキシチニブの用量漸増の有効性および安全

性が評価された 135。この試験では、すべての患者がまずアキシチニブ

5mg 1日 2回の投与を 4週間受けた。その後、プラセボの漸増投与を受

ける群とアキシチニブの 1 日 2 回投与を段階的に 7mg まで、さらに耐

えられれば最高 1 日 10mg まで漸増する群に 1:1 の比率で割り付けら

れた。アキシチニブ漸増群ではプラセボ群より多くの患者で奏効が達

成された(54% vs 34%)。

これらの結果に基づき、当 NCCN 委員会はアキシチニブを一次治療に

おける選択肢の 1 つとした(カテゴリー2A)。

淡明細胞型優位の腎癌に対する一次治療としての cabozantinib

Cabozantinib は、VEGF 受容体、MET、AXL などのチロシンキナーゼを

標的とする低分子阻害薬である。第 II 相オープンラベル試験

(CABOSUN)において、進行 RCC患者 157人が cabozantinib(60mg 1

日 1回)またはスニチニブ(50mg 1日 1回;4週オン/2週オフ)のいず

れかによる一次治療にランダムに割り付けられた 136。CABOSUN試験に

登録された患者は IMDC 基準の中リスクと高リスクのいずれかであった。

Cabozantinib 群の患者では、スニチニブ群の患者と比べて、PFS の中央

値が有意に延長した(8.2ヵ月 vs 5.6ヵ月)。また cabozantinib群では、

スニチニブ群と比べて ORRも有意に高かった(46% vs 18%)。Grade 3

または 4 の全有害事象は、cabozantinib 群では 67%、スニチニブ群では

68%の患者でみられ、下痢、疲労、高血圧、手掌・足底発赤知覚不全お

よび血液学的異常が最も多く報告された 136。

これらの結果に基づき、当 NCCN 委員会は、cabozantinib を高および中

リスク群に対する一次治療の選択肢としてカテゴリー2Aの推奨とした。

Cabozantinib に対する FDA の承認範囲はより広く、すべての進行 RCC

患者が対象とされているが、当NCCN委員会では、CABOSUN試験の対

象が高リスクおよび中リスク群の患者であったことから、推奨の対象を

これらの患者群に限定している。

限定された無症状かつ淡明細胞型優位の腎癌患者に対する active

surveillance

進行 RCC患者の一部は、疾患の進行が緩徐であり、全身療法の毒性や根

治が難しいという理由から、当初から active surveillanceを行う方針が有

益となる可能性がある。未治療かつ無症状の転移性 RCC患者を対象とし

た第 II 相試験では、全身療法開始の判断が下されるまで、一定の間隔で

画像評価によるactive surveillanceを受ける患者が前向きに追跡された 137。

解析対象となった 48例において、登録から全身療法開始までのサーベイ

ランス期間の中央値は 14.9 ヵ月であった。この研究により、進行 RCC

患者の一部では全身療法の開始まで安全に active surveillanceを継続でき

ることが実証された。そのため、当 NCCN委員会は、active surveillance

を限定された無症状かつ淡明細胞型優位のRCC患者に対する選択肢の 1

つとした。

淡明細胞型優位の腎癌患者に対する二次治療

淡明細胞型優位の腎癌に対する二次治療としての cabozantinib

ランダム化第 III相試験(METEOR)では、TKI療法後に進行した患者 658

人が割り付けられ、cabozantinib 60mg/日(n=331)またはエベロリムス

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NCCN Guidelines Version 4.2018 腎癌

ガイドライン索引 目次 考察

10mg/日(n=321)の経口投与を受けた 138。PFS の中央値は、

cabozantinib群で 7.4ヵ月、エベロリムス群で 3.8ヵ月と推定された(HR

0.58;95%CI 0.45~0.75;P<0.001)。客観的奏効率は cabozantinib群

で 21%、エベロリムス群で 5%であった(P<0.001)138。

METEOR 試験の最終解析により、cabozantinib 群における OS の統計

学的に有意な延長が示されている 139。cabozantinib 群の患者で示され

た OS の中央値は 21.4 ヵ月であり、エベロリムス群の患者で示された

OS の中央値は 16.5 ヵ月であった(HR 0.66;95%CI 0.53~0.83;P

=0.00026)139。独立したレビューにより、cabozantinib による治療は

PFS の改善(HR 0.51;95%CI 0.41~0.62;P<0.0001)と統計学的

に有意な客観的奏効率の上昇(17% vs 3%;P<0.001)ももたらした

ことが確認された 139。ベースライン時点で骨転移があった患者を対象

とするMETEOR試験のサブグループ解析では、cabozantinib群におい

てエベロリムス群との比較で PFS、OS、ORR の改善が認められた。

Cabozantinib とエベロリムスについて、PFS の中央値はそれぞれ 7.4

ヵ月 vs 2.7 ヵ月(HR 0.33;95%CI 0.21~0.51)、OS の中央値は 20.1

ヵ月 vs 12.1 ヵ月(HR 0.54;95%CI 0.34~0.84)、ORR は 17% vs 0%

であった 140。

この試験の cabozantinib 群で最も多く報告された Grade 3 または 4 の治

療関連有害事象は、高血圧、下痢および疲労で、エベロリムス群では貧

血、疲労および高血糖であった。有害作用のために投与を中止した患者

の割合は両群で同程度であった(cabozantinib群 9% vs エベロリムス群

10%)。エベロリムスと比べて cabozantinibの方が PFSおよび OSが長

かったことから、進行 RCC患者に対する二次治療では cabozantinibが望

ましい選択肢となっている。

METEOR 試験の結果に基づき 138,139、当 NCCN 委員会は、cabozantinib

を二次治療の望ましい選択肢としてカテゴリー1の推奨とした。

淡明細胞型優位の腎癌に対する二次治療としてのニボルマブ

第 III 相試験(CheckMate 025)では、1 レジメン以上の治療歴(mTOR

阻害薬は除く)を有する進行淡明細胞型 RCC 患者(N=821)が、ニボ

ルマブ(体重 1kg 当たり 3mg)を 2 週毎に静脈内投与する群とエベロ

リムス 10mg/日を経口投与する群に(1:1 の比率で)ランダムに割り

付けられた 141。試験の主要エンドポイントはOSとされた。OSの中央

値は、ニボルマブ群の方がエベロリムス群より 5.4 ヵ月長かった(25.0

ヵ月 vs 19.6 ヵ月)。ニボルマブとエベロリムスで比較した死亡(原因

を問わない)の HR は 0.73(P=0.002)であった。ORR もニボルマブ

の方が 5 倍高かったと報告された(25% vs 5%;オッズ比 5.98;95%

CI 3.68~9.72;P<0.001)141。

治療に関連した有害事象(grade は問わない)は、ニボルマブ群では

79%、エベロリムス群では 88%の患者に認められ、Grade 3~4の事象

はそれぞれ 19%および 37%で発現した。最も頻度が高かった Grade 3

~4 の事象は、ニボルマブでは疲労(2%)、エベロリムスでは貧血(8%)

であった。毒性により投与の中止は、それぞれ 8%および 13%の患者

でみられた。エベロリムス群では 2 例の死亡が報告され、ニボルマブ

群では治療関連死は認められなかった 141。

転移巣の数および部位、リスク群、前治療の数、前治療の内容(すなわ

ちスニチニブ、パゾパニブ、IL-2)などのベースライン因子がニボルマ

ブをベースとする治療法の有効性に及ぼす影響を明らかにするため、独

立解析が実施された。すべてのベースライン因子間で一貫した OS 延長

効果および ORR が認められた 142。

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NCCN Guidelines Version 4.2018 腎癌

ガイドライン索引 目次 考察

FKSI-DRS143質問票を用いて、同試験に登録された患者の QOL スコア

が得られた。ニボルマブ群では、FKSI-DRS スコアのベースラインか

らの変化量の中央値が経時的に増加し、同群の患者の QOL が有意かつ

一貫して改善したことが示唆された 141。二次治療では OS でエベロリ

ムスよりニボルマブが優れていることが示されていることから、血管

新生薬阻害による治療後の進行 RCC に対する二次治療では、ニボルマ

ブはエベロリムスより望ましい選択肢である。

免疫療法に対する反応のパターンは従来の全身療法のそれと異なるこ

とから、CheckMate 025 試験の登録患者のうちニボルマブによる治療中

に増悪がみられた患者を対象として、ニボルマブによる継続的治療の効

果が後ろ向きに検討された 144。その結果から、初回増悪後もニボルマ

ブによる治療を継続した進行RCC患者の約50%で腫瘍量の減少がみら

れ、13%では 30%以上の腫瘍量の減少が達成されたことが示された。

ただし、増悪後もニボルマブによる治療を受けた患者は、初回増悪後に

治療を中止した患者と比べて概して疾患特性が良好であったことに注

意すべきである。増悪後もニボルマブの投与を受けた患者では、有害事

象(Grade は問わない)の発生頻度は増悪前より増悪後の方が低かった。

これらのデータは、一部の患者では増悪後の治療継続が有益となること

を示唆しているが、このアプローチについては前向きに検証する必要が

ある 144。

エベロリムスとの比較でニボルマブによるOSが良好であることを実証

した CheckMate 025 試験の結果に基づき 141、当 NCCN 委員会は、ニボ

ルマブを二次治療の望ましい選択肢としてカテゴリー1 の推奨とした。

淡明細胞型優位の腎癌の二次治療としてのレンバチニブとエベロリムスの併用

レンバチニブは、当初は標準治療に抵抗性を示す分化型甲状腺癌を対象

として開発されたマルチターゲット型の TKI である。

第 II 相試験では、前治療で抗血管新生療法を受けた淡明細胞型 RCC の

転移例または切除不能局所進行例 153 例がレンバチニブ+エベロリム

ス、レンバチニブ単剤、エベロリムス単剤のいずれかにランダムに割り

付けられた 145。PFS は、レンバチニブ+エベロリムス群でエベロリム

ス群と比べて有意に延長した(中央値 14.6 ヵ月 vs 5.5 ヵ月;HR 0.40;

95%CI 0.24~0.68)145。OS の中央値も、レンバチニブ+エベロリムス

群でエベロリムス単剤療法群と比べて延長した(25.5 ヵ月 vs 15.4 ヵ

月;HR 0.67;0.42~1.08)146。レンバチニブ単剤群の OS の中央値は

18.4 ヵ月であった 146。

レンバチニブ+エベロリムスについて、NCCN 腎癌委員会は二次療法と

してカテゴリー1 の推奨としている。

淡明細胞型優位の腎癌に対する二次治療としてのアキシチニブ

第 III 相多施設共同ランダム化試験(AXIS)において、一次治療で全身

療法(主にサイトカインまたはスニチニブ)を受けた患者の二次治療と

してアキシチニブとソラフェニブが比較された 147。被験者(n=723)

は一般全身状態と前治療の種類により層別化され、アキシチニブ群

(5mg 1 日 2 回)とソラフェニブ群(400mg 1 日 2 回)に 1:1 の比率

でランダム化された 147。全体での PFS の中央値はアキシチニブ群で

6.7 ヵ月、ソラフェニブ群で 4.7 ヵ月(HR 0.665;P<0.0001)、奏効率

はアキシチニブ治療群で 19%、ソラフェニブ治療群で 9%(P=0.0001)

であった。先にサイトカイン療法を受けていた患者(12.1 ヵ月 vs 6.5

ヵ月;P<0.0001)と先にスニチニブによる治療を受けていた患者(4.8

ヵ月 vs 3.4 ヵ月;P=0.01)のいずれでも、PFS はアキシチニブ群の方

が良好であった 147。すべての重症度を含めてアキシチニブ群で多くみ

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NCCN Guidelines Version 4.2018 腎癌

ガイドライン索引 目次 考察

られた有害事象は、高血圧、疲労、発声障害、甲状腺機能低下であっ

た。ソラフェニブ群で多くみられた有害事象は、手足症候群、発疹、

脱毛症、貧血であった。

最近報告された同試験の最新結果では、OS の中央値がアキシチニブ群

で 20.1 ヵ月(95%CI 16.7~23.4)、ソラフェニブ群で 19.2 ヵ月(17.5

~22.3)であった(HR 0.969;95%CI 0.800~1.174)148。OS には 2

群間に有意差はみられなかったが、試験責任医師の判定による PFS の

中央値は、アキシチニブ群で 8.3 ヵ月(95%CI 6.7~9.2)、ソラフェニ

ブ群で 5.7 ヵ月(4.7~6.5)であった(HR 0.656;95%CI 0.552~0.779)148。患者報告アウトカムは、二次治療としてのアキシチニブとソラフ

ェニブで同等であった 143。

サイトカイン抵抗性の転移性 RCC 患者を対象とした第 II 相試験では、

追跡期間中央値 5.9 年の時点でアキシチニブ投与群の 5 年生存率は

20.6%(95%CI 10.9%~32.4%)であった 149。

NCCN 腎癌委員会は、アキシチニブを二次治療の選択肢としてカテゴ

リー1 の推奨としている。

淡明細胞型優位の腎癌に対する二次治療としてのエベロリムス

エベロリムス(RAD001)は経口用のmTOR阻害薬である。第 III相の国際

多施設共同二重盲検ランダム化試験である RECORD 1 試験において、ス

ニチニブまたはソラフェニブによる治療で増悪をみた転移性 RCC 患者に

対する治療としてエベロリムスとプラセボの比較が行われた 150。410人の

患者が 2:1 の比率でエベロリムス群とプラセボ群にランダム化され、主

要エンドポイントは PFS とされた。独立審査委員会によって評価された

PFSの中央値は、4.0ヵ月 vs 1.9ヵ月でエベロリムス群の方が良好であっ

た 150。エベロリムス群で最も多く報告された有害事象(ほとんどが軽度ま

たは中等度であった)は、口内炎(40% vs 8%[プラセボ群])、発疹(25%

vs 4%)および疲労(20% vs 16%)であった 150。この試験の最新の結果

によれば、独立中央審査によるPFSの中央値はエベロリムス群で4.9ヵ月、

プラセボ群で 1.9ヵ月(95%CI 1.8~1.9)であった 151。

エベロリムスは、本 NCCN ガイドラインでは二次治療の選択肢としてカ

テゴリー2Aの推奨となっている。最近の2つのランダム化第 III相試験(前

項で考察)でエベロリムスの有効性がニボルマブおよび cabozantinibと比

較されていることに注目すべきである。CheckMate 025 141 試験では、OS

についてニボルマブがエベロリムスより優れていることが示された。

METEOR試験 138では、エベロリムスと比べて cabozantinibの方がPFSお

よびOSが長かった。これら 2つの第 III相試験の結果に基づくと、適格な

患者はエベロリムスではなく、ニボルマブまたは cabozantinibの投与を受

けることが望ましい。

淡明細胞型優位の腎癌に対する二次療法としてのニボルマブ+イピリムマブの併用

上述の第 I相試験(CheckMate 016)は、前治療を 1レジメン受けた患者

を対象としたものであった。この試験により、リスクに関係なく、淡明細

胞成分がみられる進行または転移性 RCC と確定診断された患者における

ニボルマブ+イピリムマブによる治療後の安全性と持続的な効果が実証

された 120。各患者の有効性に関する結果は、リスクを考慮せずに、治療状

況により層別化された。ニボルマブ(3mg/kg)+イピリムマブ(1mg/kg)

群の 22 例とニボルマブ(1mg/kg)+イピリムマブ(3mg/kg)群の 26 例

が前治療を受けていた。前治療を受けていた患者における全奏効率は、そ

れぞれ 45.5%と 38.5%であった 120。

上記のデータに基づき、NCCN腎癌委員会は、ニボルマブ+イピリムマブ

を淡明細胞型優位の腎癌患者に対する二次治療の選択肢としてカテゴリ

ー2Aの推奨とした。

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NCCN Guidelines Version 4.2018 腎癌

ガイドライン索引 目次 考察

淡明細胞型優位の腎癌に対する二次治療としてのソラフェニブ

第 III 相のプラセボ対照ランダム化試験である TARGET 試験において、

一次治療(主にサイトカイン療法)後に病勢進行となった患者における

ソラフェニブの有効性が検討された 152,153。この試験では 903 人の患者

が登録された。病変が計測可能であり、組織型が淡明細胞型であり、

過去8ヵ月間で1回の全身療法歴があり、ECOGの一般全身状態スコア

が0または1であり、かつ予後分類が良好または中等度である患者が選

択された。ほぼすべての患者がすでに腎摘除術を受けていた。試験の

主要エンドポイントは OS、副次エンドポイントは PFS とされた。

独立した評価により実施された中間解析では、ソラフェニブ群のPFSがプ

ラセボ群より有意に長かったことが報告された(それぞれ 5.5 ヵ月 vs 2.8

ヵ月、HR 0.44;95%CI 0.35~0.55;P=0.000001)153。この試験の最終

解析では OS の延長効果が実証されなかったが、この点については、中間

解析でPFSに大きな群間差が観察されたためにソラフェニブ群へのクロス

オーバーが推奨されたことが原因となった可能性が高い。クロスオーバー

を打ち切りとしたデータによると、ソラフェニブによる治療はプラセボと

比較して生存期間の改善と関連していたことが判明し、それぞれ17.8ヵ月

と 14.3ヵ月(HR 0.78;95%CI 0.62~0.97;P=0.0287)であった 153。プ

ラセボ群よりソラフェニブ群で多く報告された高頻度のGrade 3~4の有害

作用は、手足症候群、疲労および高血圧であった 153。この試験により、ソ

ラフェニブの有効性は主にサイトカイン療法による前治療後に進行した患

者で認められることが示された。ソラフェニブは一次治療でスニチニブま

たはベバシズマブの投与を受けた患者の二次治療としても研究されており、

安全かつ実施可能で有効であることが認められている 154,155。ソラフェニブ

は二次治療の選択肢としてカテゴリー2Aの推奨となっている。

淡明細胞型優位の腎癌に対する二次治療としてのスニチニブ

サイトカイン療法の後に病勢進行となった転移性 RCC 患者に対する二

次治療としては、スニチニブにも相当の抗腫瘍活性のあることが実証

されている 113,156。スニチニブとソラフェニブの連続使用について検討

した研究は、その大半が後ろ向きの研究である。これらのチロシンキ

ナーゼ阻害薬間の交差耐性については、ソラフェニブによる治療後に

スニチニブが無効となる場合であれ、その逆の場合であれ、完全な交

差耐性は生じないことを示唆した前向きデータが(わずかではあるが)

存在する。この知見は、これら 2 剤の標的特異性が異なることや、毒

性スペクトルにわずかな差(ときに一方の忍容性が他方のそれよりも良

好となる)があることと整合している 155,157-160。スニチニブは二次治療

におけるカテゴリー2Aの選択肢とされている。

淡明細胞型優位の腎癌に対する二次治療としてのパゾパニブ

「淡明細胞型優位の腎癌に対する一次治療としてのパゾパニブ」の節で

詳述したパゾパニブとプラセボを比較した第 III 相試験では、サイトカ

イン療法による治療歴のある患者 202 人が対象とされた。これらの患

者における PFS の中央値は、プラセボ群の 4.2 ヵ月に対してパゾパニ

ブ群では 7.4 ヵ月であった 107。

第 II 相試験では、分子標的薬による治療歴がある進行した転移性 RCC

患者 56 人を対象として、パゾパニブ(800mg 連日経口投与)による二

次治療の有効性および毒性が前向きに検討された 161。この試験に登録

された患者は、過去にスニチニブ(n=39)またはベバシズマブ(n=

16)による一次治療を受けていた。治療の 8 週後に、RECIST を用いて

治療に対する反応が評価された。この試験では、パゾパニブにより

27%の患者(n=15)で客観的奏効が得られ、49%(n=27)が病勢安

定となったことが示された 161。中央値で16.7ヵ月の追跡後のPFSの中

央値は 7.5 ヵ月(95%CI 5.4~9.4 ヵ月)であった 161。前治療がスニチ

ニブとベバシズマブのどちらであっても PFS は同程度であった。24 ヵ

月時点の OS 率は 43%と推定された 161。

別の後ろ向き解析では、過去に 2 レジメン以上の分子標的療法を受け

た転移性 RCC 患者 93 人のデータが報告された 162。この試験の評価可

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NCCN Guidelines Version 4.2018 腎癌

ガイドライン索引 目次 考察

能患者(n=85)のうち、15%(n=13)で部分奏効が得られ、PFS の

中央値は 6.5 ヵ月であった(95%CI 4.5~9.7)。

上記のデータに基づき、NCCN 腎癌委員会は、パゾパニブを二次治療

の選択肢としてカテゴリー2A の推奨としている。

淡明細胞型優位の腎癌に対する二次治療としてのその他の薬剤

第 II 相試験により、サイトカインによる一次治療後のテムシロリムス

およびベバシズマブ単剤療法の有益性が示されている 163。ベバシズマ

ブは、二次治療の選択肢としてカテゴリー2B の推奨となっている。

ある第 II 相試験において、サイトカイン療法後のテムシロリムス療法

の有益性が示唆された 164。第 III 相試験(INTORSECT)では、RCC 患

者の治療法としてスニチニブによる一次治療後のテムシロリムスの有

効性がソラフェニブと比較された 165。この試験には一般全身状態が 0

か1の淡明細胞型または非淡明細胞型の腎細胞癌患者512人が登録され

た。被験者はソラフェニブ 400mg 1 日 2 回とテムシロリムス静注

25mg/週のいずれかにランダムに割り付けられた。この試験の主要エ

ンドポイントとされた PFS に統計学的に有意な群間差は認められなか

った(P=0.1933)。PFS はテムシロリムス群の 4.28 ヵ月に対し、ソ

ラフェニブ群では3.91ヵ月であった。OSはソラフェニブの方が統計学

的に有意に良好であった。OS の中央値はテムシロリムス群の 12.27 ヵ

月に対し、ソラフェニブ群では 16.64 ヵ月であった(P=0.0144)165。

しかしながら、スニチニブによる治療を最長 180 日間受けた後にソラ

フェニブによる治療を受けた患者のサブグループでは、生存期間の延

長が認められなかった。この試験結果に基づき、TKIによる一次治療で

奏効期間が短かった患者では、二次治療として mTOR 阻害を考慮して

もよい 166。当 NCCN 委員会は、テムシロリムスを二次治療の選択肢と

してカテゴリー2B の推奨としている。

AXIS 試験の事後解析により、スニチニブまたはサイトカインによる治

療歴がある患者において、前治療に対する反応別、前治療の期間別お

よび腫瘍量別にアキシチニブおよびソラフェニブの有効性が評価され

た 167。この解析では、一次治療での奏効期間が長い患者ほど良好な成

績が得られることが示唆されたが、一次治療で反応が得られないこと

で二次治療の TKI で臨床に良好な結果が得られる可能性が否定される

わけではない 167。

第 II 相試験である RECORD-3 試験の主要目的は、一次治療におけるス

ニチニブに対するエベロリムスの非劣性を PFS を指標として評価する

ことと、転移性RCCに対する一次治療でのmTOR阻害薬の役割を明ら

かにすることであった 168。一次治療後の PFS の中央値は、スニチニブ

の 10.71 ヵ月に対し、エベロリムスでは 7.85 ヵ月であった。一次治療

で進行した患者は代替療法にクロスオーバーすることとして、2つの治

療順序間でも PFS が比較された。その結果、エベロリムスに続いてス

ニチニブが投与された患者の PFS の中央値が 21.13 ヵ月であったのに

対し、スニチニブに続いてエベロリムスが投与された患者では25.79ヵ

月であった(HR 1.4;95%CI 1.2~1.8)168。OSの中央値は、エベロリ

ムスに続いてスニチニブを投与する一次治療では22.41ヵ月、スニチニ

ブに続いてエベロリムスを投与する一次治療では 32.03 ヵ月であった

(HR 1.2;95%CI 0.9~1.6)168。

二次治療としての高用量 IL-2 は、一般全身状態が非常に良好で臓器機

能が正常な限定された患者に対する二次治療の選択肢の 1 つである(カ

テゴリー2B)。

非淡明細胞癌の患者に対する全身療法

淡明細胞型 RCC の有病率が高いため、分子標的薬の臨床試験は非淡明

細胞型より淡明細胞型の腎細胞癌患者を主な対象として実施されてい

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NCCN Guidelines Version 4.2018 腎癌

ガイドライン索引 目次 考察

る。非淡明細胞型 RCC における分子標的薬の役割については、更なる

検討が必要である。そのため当NCCN委員会は、非淡明細胞型RCCに

対する治療戦略としては臨床試験への登録が望ましいと考えている。

淡明細胞型 RCCに対して承認された分子標的療法が非淡明細胞型 RCC

にも有益となる可能性を示したデータが得られている。さらに、非淡明

細胞型 RCC 患者において全身療法の効果を示した第 II 相ランダム化試

験もある。分子標的薬に関する系統的レビュー、第 II 相試験のメタアナ

リシス、後ろ向き研究でも、非淡明細胞型 RCC 患者における若干の効

果が示されている。しかしながら、これらの薬剤による奏効率は、淡明

細胞型の場合と比較して非淡明細胞型腎癌では有意に低くなっている。

非淡明細胞癌に対するスニチニブ

対象を広げた試験と第 II 相試験および後ろ向き解析のデータから、非淡

明細胞型 RCC に対するスニチニブの臨床的有効性が裏付けられている169-175。非淡明細胞型 RCC患者 31 人にスニチニブを投与した第 II 相試験

では、ORRが 36%(95%CI 19%~52%)、PFSの中央値が 6.4ヵ月(95%

CI 4.2~8.6ヵ月)と報告された 172。非淡明細胞型 RCC(乳頭状または嫌

色素性)患者 53 人を対象とした別の研究では、スニチニブまたはソラフ

ェニブで 23%のORRが得られ、PFSの中央値は 10.6ヵ月であった 170。

最近報告された他の2つの第 II相試験でスニチニブによる治療がエベロリ

ムスと比較された。ASPEN試験では、未治療患者 108人がエベロリムス

とスニチニブにランダムに割り付けられた 176。試験の主要エンドポイン

トとされた PFSの中央値は、全体ではスニチニブ群の方が長かった(8.3

ヵ月 vs 5.6ヵ月)。リスク分類に基づいて結果を解析した場合には、低リ

スクおよび中リスク患者では、PFS の中央値はスニチニブ群の方が長か

った(14.0ヵ月 vs 5.7ヵ月および 6.5ヵ月 vs 4.9ヵ月)。しかしながら、

高リスク患者ではエベロリムス群の方がスニチニブ群より長かった(中央

値、6.1 ヵ月 vs, 4.0 ヵ月)176。ESPN 試験では、非淡明細胞型の転移性

RCC患者がエベロリムスとスニチニブにランダムに割り付けられた 177。

68 例を対象とした中間解析では、スニチニブによる一次治療によって中

央値で 6.1 ヵ月の PFS が得られたのに対し、エベロリムスによる一次治

療では 4.1ヵ月であった(P=0.6)。2つの治療群間で最終的な OSに統

計学的有意差は認められなかった(スニチニブによる一次治療で 16.2 ヵ

月 vs エベロリムスで 14.9ヵ月、P=0.18)177。腫瘍に肉腫様成分がない

患者(n=49)では、OSの中央値がスニチニブで 31.6ヵ月、エベロリムス

で 10.5ヵ月という結果であった(P=0.075)。

スニチニブは、IV 期の非淡明細胞型腎癌の未治療患者に対する望ましい

選択肢としてカテゴリー2Aの推奨とされている。

非淡明細胞癌に対するテムシロリムス

Global ARCC Trial の後ろ向きのサブセット解析から、淡明細胞型だけ

でなく非淡明細胞型の RCC においてもテムシロリムスの有益性が実証

されている 124,178。非淡明細胞型 RCC 患者(主に乳頭状 RCC)では、

OS の中央値はテムシロリムス群で 11.6 ヵ月、IFN-α群で 4.3 ヵ月であ

った。これは非淡明細胞型 RCC 患者を対象として唯一報告されている

第 III 相試験である。

まれな患者集団を対象とするランダム化臨床試験はしばしば困難とな

る。上記の第 III 相試験の結果と一致して、スニチニブに抵抗性を示し

た転移性の嫌色素性 RCC の症例報告において、テムシロリムスによる

治療で 20 ヵ月に及ぶ持続的な臨床的奏効が達成された 179。

テムシロリムスの推奨度は、予後不良因子(MSKCC リスク分類に基づ

く)を認める非淡明細胞癌患者ではカテゴリー1、それ以外の予後リス

ク群に属する非淡明細胞癌患者ではカテゴリー2A である。

非淡明細胞癌に対するエベロリムス

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非淡明細胞型 RCC 患者におけるエベロリムスの有益性に関するデータ

は限られている。対象を広げた試験のサブグループ解析と症例報告の

データから、非淡明細胞型 RCC 患者におけるエベロリムスの臨床使用

が支持されている 180-182。

転移性の非淡明細胞型 RCC 患者におけるエベロリムスの有効性および安

全性が RAD1001 Expanded Access Clinical Trial in RCC(REACT)に登

録された患者のサブグループ(n=75)で評価された 180。エベロリムスの

投与期間の中央値は、非淡明細胞型サブグループと REACT 試験対象集団

全体において同程度であった(それぞれ 12.14週 vs 14.0週)。ORR(1.3%

vs 1.7%)および病勢安定率(49.3% vs 51.6%)も同程度で、淡明細胞型

RCCと非淡明細胞型RCCにおいて有効性が同程度であることが示唆され

た 180。非淡明細胞型 RCCサブグループで最も多く報告されたGrade 3お

よび 4の有害事象は、貧血(9.3%および 8.0%)、胸水(9.3%および 0%)、

呼吸困難(8.0%および 2.7%)、疲労(8.0%および 0%)、無力症(4.0%お

よび 1.3%)、口内炎(4.0%および 0%)、肺臓炎(4.0%および 0%)など

であった 180。

ある第 II相試験では、前治療でスニチニブまたはソラフェニブの投与を受

けた非淡明細胞型RCC患者49人を対象として、病勢進行または許容でき

ない毒性が生じるまでエベロリムス10mgが連日経口投与された 182。登録

患者の組織型は乳頭状(n=29)、嫌色素性(n=8)、集合管(n=2)、肉腫

様(n=4)、未分類(n=6)であった。PFSの中央値は 5.2ヵ月であった。

客観的奏効率は 10.2%で、奏効はすべて部分奏効であった。25人(51%)

は病勢安定となり、16人(32.7%)はエベロリムスの投与後も進行した。

この試験で報告されたGrade 3を超える有害事象は、貧血(10.2%)、高血

糖(8.2%)、感染症(6.1%)、肺臓炎(4.1%)などであった 182。

第 II相試験(RAPTOR)の最終結果では、エベロリムス(10mg 1日 1回)

が未治療の乳頭状 RCC の進行例で抗腫瘍効果をもたらすことが示唆され

ている 183。組織型が 1型および 2型の患者における PFSの中央値は、そ

れぞれ 7.9ヵ月(95%CI 2.1~11.0)と 5.1ヵ月(95%CI 3.3~5.5)であ

った。OSの中央値は1型で28.0ヵ月(95%CI 7.6~評価不能)、2型で24.2

ヵ月(95%CI 15.8~32.8)であった。最も多くみられたGrade 2以上の有

害事象は無力症、貧血、疲労などであった 183。

これらの試験結果に基づき、当 NCCN委員会は、エベロリムスを非淡明細

胞型 RCC患者に対する選択肢の 1つとした(カテゴリー2A)。

遺伝性平滑筋腫症・腎細胞癌症候群(HLRCC)を含む進行性乳頭状RCC

に対するベバシズマブ+エルロチニブまたはベバシズマブ+エベロリムス

遺伝性平滑筋腫症・腎細胞癌症候群(hereditary leiomyomatosis and

RCC:HLRCC)は、罹患者において皮膚および子宮の平滑筋腫と進行

の速い乳頭状腎癌の発生リスクが上昇する遺伝性疾患である 184。現在、

ベバシズマブとエルロチニブまたはエベロリムスとの併用がHLRCCを

含む進行性乳頭状 RCC の治療法として検討されている。

ある抄録で、ベバシズマブ+エルロチニブによる治療を受けた進行乳頭

状 RCC患者 41例(HLRCC-associated RCC[n=20]または散発性の乳

頭状 RCC[n=21])を対象とした第 II 相試験の結果が報告されている185。本研究の患者のうち19例は少なくとも1レジメンの前治療を受けて

いた。ORR は HLRCC 患者では 60%であったのに対し、散発性乳頭状

RCC患者では 29%であった。PFSの中央値は HLRCC群では 24.2 ヵ月

であったのに対し、散発性乳頭状RCC群では 7.4ヵ月であった。大半の

有害事象は Grade 1または 2で、最も頻度の高かった Grade 3および 4

の有害事象は、高血圧(24.3%)と蛋白尿(12%)であった。1例がベバ

シズマブとの関連が否定できない消化管出血により死亡した 185。

転移性の非淡明細胞型 RCC の未治療患者を対象とした第 II 相試験により、

ベバシズマブ+エベロリムスによる治療の有効性および安全性が検討さ

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れた 186。34 例の評価可能例では、PFS および OS の中央値はそれぞれ

11.0ヵ月と18.5ヵ月、ORRは29%であった。腫瘍に乳頭状または嫌色素

性成分が有意な割合で含まれていた患者は、他の組織型の患者より PFS

および ORRが高かった(P<0.001)。最も多くみられた Grade 3以上の

有害事象は、高血糖(11%)、高トリグリセリド血症(14%)、リンパ球

減少症(20%)、高血圧(29%)および蛋白尿(18%)であった 187。

これらの結果に基づき、当 NCCN 委員会は、限定された進行性乳頭状

RCC(HLRCCを含む)患者に対してベバシズマブ+エルロチニブまたは

ベバシズマブ+エベロリムスを推奨している(どちらもカテゴリー2A)。

非淡明細胞癌に対するソラフェニブ

第 II 相試験および後ろ向き解析のデータから、非淡明細胞型の RCC 患

者におけるソラフェニブ 188,189の臨床的有効性が裏付けられている。ス

ニチニブと同様に、データによると、これらの薬剤の臨床的有効性は

非淡明細胞型 RCC 患者では淡明細胞型 RCC の場合より低くなるよう

である。非淡明細胞型 RCC(乳頭状または嫌色素性)患者 53 人を対象

とした別の研究では、スニチニブまたはソラフェニブによる ORR が

23%となり、PFS の中央値は 10.6 ヵ月であった 170。

ソラフェニブは、未治療の IV 期非淡明細胞癌患者に対するカテゴリー

2A の選択肢とされている。

非淡明細胞癌に対するパゾパニブおよびアキシチニブ

非淡明細胞型腎癌患者におけるパゾパニブとアキシチニブの臨床的有

益性はまだ確立されていない。非淡明細胞癌患者を対象として一次お

よび二次治療としてのパゾパニブおよびアキシチニブの有効性を評価

する臨床試験が進行中である 190-192。非淡明細胞型 RCC 患者に関する

イタリアの多施設共同コホートの後ろ向き解析では、パゾパニブによる

治療が有効かつ安全であることが認められた 187。

NCCN 腎癌委員会は、外挿に基づき、これらの治療法を非淡明細胞型

腎癌の再発例および IV 期の切除不能例に対する一次治療の選択肢とし

て推奨している(カテゴリー2A)。

非淡明細胞癌に対するエルロチニブ

経口用の上皮成長因子受容体(EGFR)TKIであるエルロチニブについては、

乳頭状 RCC の進行例において有効性の検討が行われている 193。この研究

では、52人の患者に対してエルロチニブの 1日 1回経口投与による治療が

施行された。ORR は 11%(45 人中 5 人、95%CI 3~24%)、疾患制御率

(RECISTに基づく 6週間の病勢安定か部分または完全奏効が確認された場

合と定義)は 64%であった。OSの中央値は 27ヵ月であった 193。この試験

により、疾患制御および生存期間で見たエルロチニブ単剤投与の効果が実

証され、さらに毒性プロファイルが予想通りであったことも確認された。

NCCN 腎癌委員会は、エルロチニブを非淡明細胞型腎癌の再発例およ

び IV期の切除不能例に対する一次治療の選択肢として推奨している(カ

テゴリー2A)。

非淡明細胞癌に対するその他の治療法

小規模な第 II 相試験により、乳頭状 RCC 患者に対するベバシズマブの

単剤療法が検討された。この試験は被験者登録のペースが遅く、5例と

いう規模の小ささから早期に終了となり、5 例中 3 例は前治療として腎

摘除術を、1 例は肝転移巣の切除を、1 例はテムシロリムスによる治療

を受けていた。患者毎に報告された PFSは 25、15、11、10、6ヵ月で

あった。報告された主な毒性は Grade 1~2 で、高血圧、クレアチニン

値上昇、蛋白尿などであった 194。当 NCCN 委員会は、ベバシズマブを

非淡明細胞型 RCC 患者に対する治療選択肢の 1 つとしている(カテゴ

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リー2A)。当 NCCN 委員会は、ニボルマブ、cabozantinib、およびレン

バチニブ+エベロリムスを非淡明細胞型腎癌患者に対する治療選択肢

(カテゴリー2A)として追加した。

転移性腎細胞癌に対する化学療法

肉腫様型および非淡明細胞型 RCC の治療は、依然として困難である。

肉腫様型はあらゆる組織型でみられる進行の速い RCC である 195。

肉腫様型 RCC は予後不良である 196-199。化学療法は様々な肉腫の管

理において一定の役割を果たしていることから、肉腫様型 RCC 患者

における使用が検討されている。ゲムシタビンとドキソルビシンま

たはカペシタビンとの併用について、肉腫様成分を認める非淡明細

胞型または淡明細胞型 RCC 患者において若干の有効性が示されてい

る 200-205。ゲムシタビンと併用するときのスニチニブの潜在的役割が、

肉腫様型RCCを対象とする第 II相試験で検討されている 206。その結

果から、この併用の忍容性は良好で、進行が急速な患者で特に有効

であることが示された 206。肉腫様型患者を対象にスニチニブとゲム

シタビンの併用をスニチニブ単剤と比較する試験が複数進行中であ

る 207。

非淡明細胞型の RCC の中でも、腎髄質癌は極めてまれであり、若年

者における原発性腎腫瘍全体の約 2%を占める 208,209。95%の患者で

受診時から転移が認められる 208,209。この亜型に対する治療法は、現

在も化学療法が中心であるが、予後は依然として極めて不良であ

る。

集合管癌も非常にまれな非淡明細胞型 RCC であり、受診時から進行

している場合が多い。初診時から 40%に達する患者で転移がみられ、

大半の患者が初回診断から 1~3 年以内に死亡する 210-213。集合管癌

には、尿路上皮癌と同じ生物学的特徴が認められる。ある多施設共

同の前向き研究において、未治療の患者 23 人にゲムシタビンとシス

プラチンまたはカルボプラチンとの併用治療が施行された 214。その

結果は奏効率 26%、OS 10.5 ヵ月であった 214。

NCCN 腎癌委員会は、肉腫様型が優位な淡明細胞型および非淡明細

胞型 RCC の治療では化学療法が 1 つの選択肢であることを脚注に記

載している。肉腫様型が優位な患者で一定の有益性を示されている

化学療法レジメンとしては、ゲムシタビンとドキソルビシンまたは

スニチニブとの併用療法(いずれもカテゴリー2B)がある。さらに

当委員会は、集合管癌や腎髄質癌などの他の非淡明細胞型 RCC の患

者において細胞傷害性薬剤を用いた化学療法(ゲムシタビンとカルボ

プラチンまたはシスプラチンの併用もしくはパクリタキセルとカル

ボプラチンの併用)により部分奏効が得られていることに注目してい

る。

再発または IV 期症例および切除不能症例に対するフォローアッ

プに関する推奨事項

当 NCCN 委員会は、全身療法を受けている患者には病歴聴取と身体診

察を 6~16 週毎、あるいは臨床的に適応があればより頻回に行うよう

推奨している。他の臨床検査は、使用中の治療薬に対する要件に応じ

て行えばよい。

全身治療/経過観察を開始する前に CT や MRI などの画像検査を施行

すべきであり、その後は医師の判断と患者の臨床状態に応じて 6~

16 週毎に画像検査を施行する。画像検査の頻度は、病状の変化の速

さと活動性疾患がみられる部位に応じて変更すべきである。当委員

会は、頭部または脊椎の CT または MRI などの追加の画像検査と、

ベースライン時および以降の臨床的に適応となった時点での骨スキ

ャンを推奨する。

支持療法

転移性 RCC 患者では例外なく支持療法が治療の要となることに変わり

はない(NCCN Guidelines for Palliative Careを参照)。支持療法には、

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頭蓋外病変が十分に制御され、脳に少数転移がある患者に対する手術

も含まれる。体積の限られた脳転移例では、定位放射線療法が可能で

あれば手術に代わる選択肢となり、多発性脳転移を認める患者には全

脳照射が推奨される 215。

また、悪性腫瘍による脊髄圧迫や荷重骨の切迫骨折または骨折を認

める限定された患者においても、腫瘍の残存量がわずかな場合また

は症状が続く場合には、手術が適切となることがある。さらに症状

の緩和、特に有痛性骨転移の緩和を目的として、ビスホスホネート

系薬剤と放射線療法の併用も考慮される 。患者の受診頻度と画像お

よび臨床検査の実施頻度については、個々の症例の必要性に応じて

判断する。

進行性RCC患者の 30~40%では骨転移が生じる 216-218。RCC患者の骨

病変は溶骨性のことが多く、重大な合併症を引き起こし、手術または

放射線療法を必要とする骨痛、高カルシウム血症、病的骨折、脊髄圧

迫などの骨関連事象(SRE)につながる。骨転移を来した患者を対象と

した 2 つの研究から、様々な放射線療法による骨痛の改善が示されて

いる 219,220。

このような状況においては、ビスホスホネート系薬剤(例えばゾレドロ

ン酸)などの骨修飾薬(bone-modifying agent)の役割が十分に確立さ

れている 221,222。RANKL 阻害薬であるデノスマブは、骨転移を来した

RCC 患者への使用が承認された新規の骨修飾薬である。第 III 相ランダ

ム化試験では、多発性骨髄腫患者と固形腫瘍(乳癌および前立腺癌を除

く)の骨転移患者を対象として、デノスマブ投与時とゾレドロン酸投与

時で SRE の発生率が直接比較された。この試験には、様々な癌から骨

転移を来した患者が 1776 例登録されたが、ビスホスホネート未使用の

RCC 患者(6%)を含んでいる 223。試験期間中の最初の SRE 発生まで

の期間についてデノスマブがゾレドロン酸に劣らないことが報告され

た(HR 0.84;95%CI 0.71~0.98;P=0.0007)223。

NCCN 腎癌委員会は、骨転移があり、30mL/min 以上のクレアチニンク

リアランスを有する限定された患者において、ビスホスホネート系薬

剤または RANKL阻害薬の使用を推奨している。毎日のカルシウムおよ

びビタミン D 補充が強く推奨される。症状の緩和を目的とした治療に

は、特に一般全身状態が不良で転移巣の存在が明らかな患者では、最

善の疼痛管理も含まれる(NCCN Guidelines for Adult Cancer Painを参

照)。

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