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Stage4.派遣労働の終了 50 Q23 雇止め 3ヶ月契約を更新しながら、同じ派遣元で3年以上働いてきました が、「次回の更新はしない」と派遣元から言われてしまいました。受 け入れるしかないのでしょうか。 「雇止め」が簡単には認められない場合もあります。 有期労働契約において雇用期間の満了時に更新を拒否することを雇止め と呼んでいます。契約である以上、期間満了により契約を打ち切られるの が原則です。しかし、契約更新を繰り返し、一定期間雇用を継続した場合 や、期間満了後の継続雇用について労働者の合理的な期待があると認めら れるような場合には、解雇の場合と同様、合理的理由と手続きが必要とな ります(労働契約法第19条)。厚生労働省は、「雇止め」をめぐるトラブ ルを未然に防止するため、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関す る基準」を次のように示しています。 【有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準(概要)】 (平成25年4月1日から適用) ◇雇止めの予告(第1条) 使用者は、期間の定めのある労働契約(雇入れの日から起算して1年 を超えて継続勤務している者に係るものに限り、あらかじめ当該契約を 更新しない旨明示されているものを除く。)を更新しないこととしよう とする場合には、少なくとも当該契約の期間の満了する日の30日前まで に、その予告をしなければならない。 ◇雇止めの理由の明示(第2条) 使用者は、労働者が契約を更新しない理由について証明書を請求した ときは、遅滞なくこれを交付しなければならない。 ◇契約期間についての配慮(第3条) 使用者は、期間の定めのある労働契約(当該契約を1回以上更新し、 かつ、雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務しているものに限 る。)を更新しようとする場合においては、当該契約の実態及び当該労 働者の希望に応じて、契約期間をできる限り長くするよう努めなければ ならない。

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Stage4.派遣労働の終了

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Q23 雇止め 3ヶ月契約を更新しながら、同じ派遣元で3年以上働いてきましたが、「次回の更新はしない」と派遣元から言われてしまいました。受け入れるしかないのでしょうか。

「雇止め」が簡単には認められない場合もあります。

 有期労働契約において雇用期間の満了時に更新を拒否することを雇止めと呼んでいます。契約である以上、期間満了により契約を打ち切られるのが原則です。しかし、契約更新を繰り返し、一定期間雇用を継続した場合や、期間満了後の継続雇用について労働者の合理的な期待があると認められるような場合には、解雇の場合と同様、合理的理由と手続きが必要となります(労働契約法第19条)。厚生労働省は、「雇止め」をめぐるトラブルを未然に防止するため、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」を次のように示しています。

【有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準(概要)】(平成25年4月1日から適用)

◇雇止めの予告(第1条) 使用者は、期間の定めのある労働契約(雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く。)を更新しないこととしようとする場合には、少なくとも当該契約の期間の満了する日の30日前までに、その予告をしなければならない。◇雇止めの理由の明示(第2条)

 使用者は、労働者が契約を更新しない理由について証明書を請求したときは、遅滞なくこれを交付しなければならない。◇契約期間についての配慮(第3条)

 使用者は、期間の定めのある労働契約(当該契約を1回以上更新し、かつ、雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務しているものに限る。)を更新しようとする場合においては、当該契約の実態及び当該労働者の希望に応じて、契約期間をできる限り長くするよう努めなければならない。

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Stage4.派遣労働の終了

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派遣元は、有期雇用の派遣労働者に対し、無期雇用への転換を推進する措置を講じるように努めなければなりません。

 平成24年の派遣法改正により、派遣元は、有期雇用の派遣労働者(派遣元での雇用期間が通算1年以上)の希望に応じて、次のいずれかの措置を講じるように努めなければならないとされました(派遣法第30条、派遣法施行規則第25条)。

・無期雇用の労働者として、又は、無期雇用の通常の労働者として雇用する機会を提供すること・紹介予定派遣による派遣先での直接雇用を推進すること・無期雇用の労働者へ転換するための教育訓練などを実施すること

 また、平成25年4月1日以降に契約期間の初日を迎える有期労働契約が、同一の使用者(派遣元)との間で、5年を超えて反復更新された場合には、使用者から労働者に対して無期の労働契約締結が申し込まれたとみなされるようになります。その場合、労働者側の承諾があれば、期間の定めのない労働契約が成立することになります(労働契約法第18条)。