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6 No.51 October 2018 Review 総説 河野 武志 Takeshi KAWANO 堀場エステックと半導体プロセス HORIBA STEC Products for Semiconductor Manufacturing Process 1980年,堀場エステックは日本初の純国産マスフローコントローラ(以下MFC) を上市しました。その後,SEC-400シリーズ,SEC-4400シリーズといったMFC がリリースされ,世界各国の半導体製造装置メーカー,半導体デバイスメーカー のお客様にその性能と品質が認知されるようになり,これまでそれぞれの時代 に合った半導体プロセスに求められるMFCを継続して開発,製品化していま す。今日,堀場エステックの半導体プロセス関連の製品群はMFCだけにとどま らず,プロセスチャンバー周辺で使用される流量,圧力,濃度等の測定,制御に 用いられています(Figure 1)。また近年は,単なる部品,コンポーネントだけで はなく,お客様にソリューションを提供すべく,モジュールやサブシステムの 形で提供されている製品も増加しています。 半導体の微細化,集積化に対応するためお客様が製品に期待される性能は年々 高度になっており,品質,信頼性に関する要求も厳しくなっています。特に製品 のバラツキ低減は最も重要な項目で,Wafer to wafer,Tool to tool,Fab to Source Gas Control Source Gas Monitoring Semiconductor Manufacturing Equipment Process Gas Control Mass Flow Module Mass Flow Controller Capacitance Manometer Pressure Controller Liquid Source Vaporization System (Injection Method) Liquid Source Vaporization System (Baking Method) Vaporized Liquid Source Control Pressure Monitoring in Process Chamber Residual Gas Analyzer Liquid Auto Refill System Chamber Cleaning End-point Monitoring He Pressure Controller End-point Detector Advanced Process Control Optical Emission Spectroscopy Multifunctional End-point Monitoring He Gas In-line Gas Monitor Backside Wafer Cooling System Inline Gas Concentration Monitor Figure 1 HORIBA Group products for SEMI

Readout No.51 03 総説 - Horiba1980年,堀場エステックは日本初の純国産マスフローコントローラ(以下MFC) を上市しました。その後,SEC-400シリーズ,SEC-4400シリーズといったMFC

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Page 1: Readout No.51 03 総説 - Horiba1980年,堀場エステックは日本初の純国産マスフローコントローラ(以下MFC) を上市しました。その後,SEC-400シリーズ,SEC-4400シリーズといったMFC

6 No.51 October 2018

Review 総説

河野 武志Takeshi KAWANO

堀場エステックと半導体プロセスHORIBA STEC Products for Semiconductor Manufacturing Process

1980年,堀場エステックは日本初の純国産マスフローコントローラ(以下MFC)を上市しました。その後,SEC-400シリーズ,SEC-4400シリーズといったMFCがリリースされ,世界各国の半導体製造装置メーカー,半導体デバイスメーカーのお客様にその性能と品質が認知されるようになり,これまでそれぞれの時代に合った半導体プロセスに求められるMFCを継続して開発,製品化しています。今日,堀場エステックの半導体プロセス関連の製品群はMFCだけにとどまらず,プロセスチャンバー周辺で使用される流量,圧力,濃度等の測定,制御に用いられています(Figure 1)。また近年は,単なる部品,コンポーネントだけではなく,お客様にソリューションを提供すべく,モジュールやサブシステムの形で提供されている製品も増加しています。

半導体の微細化,集積化に対応するためお客様が製品に期待される性能は年々高度になっており,品質,信頼性に関する要求も厳しくなっています。特に製品のバラツキ低減は最も重要な項目で,Wafer to wafer,Tool to tool,Fab to

Source Gas Control

Source Gas Monitoring

Semiconductor Manufacturing Equipment

Process Gas Control

Mass FlowModule

Mass FlowController

CapacitanceManometer

PressureController

Liquid Source Vaporization System (Injection Method)

Liquid Source Vaporization System (Baking Method)

Vaporized LiquidSource Control

Pressure Monitoringin Process Chamber

Residual Gas Analyzer

Liquid Auto Refill System

Chamber CleaningEnd-point Monitoring

He PressureController

End-point Detector

Advanced Process Control Optical Emission Spectroscopy

Multifunctional End-point Monitoring

He Gas

In-line Gas Monitor

Backside WaferCooling System

Inline Gas Concentration Monitor

Figure 1 HORIBA Group products for SEMI

Page 2: Readout No.51 03 総説 - Horiba1980年,堀場エステックは日本初の純国産マスフローコントローラ(以下MFC) を上市しました。その後,SEC-400シリーズ,SEC-4400シリーズといったMFC

Technical Reports

7No.51 October 2018

Review 総説 fabといった言葉で代表されるように,様々

な装置,場所,機会において同じ性能,品質が確保される事が最も重要とされています。また,装置の稼働が止まる事はお客様の機会損失につながりお客様の利益に直結します。堀場エステックの製品を選んでいただく上で,いかに信頼性の高いロバストな製品であるかも重要なファクターとなっています。

これらの厳しい市場要求に応えるため,堀場エステックでは「Global R&D」体制(Figure 2)をとっています。開発拠点は京都本社,京都福知山テクノロジーセンター,HORIBA Remo Technology Centerの3拠点を有しており,これに加えてHORIBA最先端技術センターとも協業する事で,コア技術を活かした高性能で高品質な製品を継続的に研究開発できる体制を整えています。また,米国,台湾,韓国,中国の各拠点には開発本部から技術者を派遣しており,お客様の声を直接お聞きする事で本当にお客様が望まれている製品に近づけるように努めています。これら「Global R&D」体制に加えて,生産面でも十分な生産キャパをもってお客様の要求にいかに対応していくか,グローバルに展開されている各拠点のお客様にスピーディにサービスを提供できるか等,製品とそれに付随する総合的なサービスを提供できる事が堀場エステックの強みであると考えています。

半導体プロセスの微細化はシングルナノと呼ばれる領域に入り,ALD(Atomic layer deposition),ALE(Atomic layer etching)といったプロセスでは原子層レベルの成膜性能やエッチング性能が議論されています。これにともなう計測技術の先端研究は益々重要になってきています。2018年堀場雅夫賞受賞研究は,いずれも,これらの厳しいプロセス要求に応える計測技術を目指しています。堀場エステックでは,今後もこのような基礎研究を支えるアカデミアとの連携を深めるとともに,MFCで培った経験をグローバルに活かして,お客様に付加価値を提供できるソリューションプロバイダーとして日々努力してまいります。

河野 武志Takeshi KAWANO

株式会社 堀場エステックコーポレートオフィサー 開発本部長Corporate Offi cer General ManagerResearch & Development DivisionHORIBA STEC, Co., Ltd.

Marketing Application development

Global Network

Direction

Research & Development

Product development

Solution

New technology & New product

Synchronize

Output

Operation

InteractiveKyoto Headquarter

HORIBA Reno Technology CenterKyoto Fukuchiyama Technology CenterHORIBA Advanced Technology Center

Kyoto Headquarter

One R&D Operation by Kyoto Headquarters

Customer

Figure 2 HORIBA STEC Global R&D