24
S14 コンクリートの強度管理の基準 に関する検討 日本大学,ものつくり大学,東京都市大学,東京大学大学院 (株)長谷工コーポレーション,三井住友建設(株) 鉄建建設(株),(株)奥村組,五洋建設(株),東洋建設(株) (共同研究:(独)建築研究所) 平成26年度 建築基準整備促進事業

S14コンクリートの強度管理の基準 に関する検討 - MLIT · 2015-05-01 · jis a 1108:2006 標準養生供試体 - - 3 - - 3 3 - 3 現場水中養生供試体 - 3

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S14 コンクリートの強度管理の基準に関する検討

日本大学,ものつくり大学,東京都市大学,東京大学大学院

(株)長谷工コーポレーション,三井住友建設(株)

鉄建建設(株),(株)奥村組,五洋建設(株),東洋建設(株)

(共同研究:(独)建築研究所)

平成26年度 建築基準整備促進事業

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1コンクリートの強度管理の基準

国土交通大臣が定める基準に適合するもの

【建築基準法施行令 第74条】設計基準強度との関係において安全上必要なコンクリートの強度を確認する場合

【建築基準法施行令 第76条】現場打ちコンクリートの型枠を取り外す場合

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JASS 5

コンクリートの設計基準強度と実強度との関係に関する基準

建設省告示第1102号 (S56)<安全上必要なコンクリートの強度の基準 >

一 現場水中養生供試体の材齢28日圧縮強度 ≧ Fc

二 コア供試体(または現場封かん養生供試体)の材齢28日圧縮強度 ≧ 0.7Fc & 材齢91日圧縮強度 ≧ Fc

現行基準とその課題

0.7Fc

28 91

Fc

圧縮

強度

(N/m

m2)

材齢(日)

構造体コンクリート(コア)

現場水中養生

標準養生

現場封かん養生

・打込み時期・部材寸法・セメント種類etc.

乖離するケースの例・高強度や部材寸法が大きく水和熱が高い場合

・冬期の打込みにおける低発熱形セメント

建築基準法施行令 第74条

現場水中養生現場封かん養生⇕乖離

構造体(コア)

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建設省告示第110号 (S46)<現場打ちコンクリートの型枠の取り外しに関する基準 >

せき板の取り外しは、規定の存置日数以上経過または規定の圧縮強度以上(規定のあるセメントの種類:H,N,混合セメントA種およびB種)

現行基準とその課題

コンクリートの型枠の取り外しに関する基準

・セメントの種類が限定⇒ 低発熱形のセメント & 混合

セメントC種について規定なし

・日数と圧縮強度に基づく以外の方法について規定なし⇒ その他の方法の可能性

(積算温度など)

せき板の存置期間 脱型

規定の存置日数 or 規定の圧縮強度⇑

建築基準法施行令 第76条

(型枠の設計・施工指針 +) JASS 5

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■ 構造体コンクリートの強度管理の合理化■ 近年の環境配慮に伴うセメント種類の多様化への対応

調査目的および検討項目

☑ 調査目的

☑ 検討項目

a.コンクリートの設計基準強度と実強度の関係に関する検討

【せき板の取り外しに関する基準の検討】b.コンクリートのせき板の脱型におけるセメント種類に関する

区分の見直しc.積算温度などを用いた強度推定法を型枠の脱型に関す

る判定手法に用いることの実用性の検討d.せき板の存置期間の相違がコンクリートの耐久性に及ぼす

影響に関する検討

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実施体制5

最終成果物(調査報告書)作成・提出

詳細実験計画・実験実施①コンクリートの設計基準強度と実強度との関係に関する実験②積算温度を用いた強度推定手法の実用性に関する実験③脱型時期におけるセメントの種類に関する区分見直しに関する実験④版下および梁下のせき板の取外しに関する実験

調査研究計画立案

実験計画素案の作成

②積算温度を用いた強度推定手法の実用性についての実験計画

③セメントの種類に関する区分の見直しについての実験計画

④版下および梁下のせき板の取外しについての実験計画

<コンクリート型枠の取外しに関する基準についての検討>

①設計基準強度と実強度との関係に関する基準についての実験計画

実験全体・結果まとめ

報告書作成①設計基準強度と実強度の関係

報告書作成②積算温度を用いた強度推定手法の実用性

報告書作成③セメントの種類に関する区分の見直し④版下および梁下のせき板の取外し

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実験概要6

表 実験の要因と水準

要因 水準([]内には略記を示す)

結合材の種類

セメント普通ポルトランドセメント[N]中庸熱ポルトランドセメント[M]低熱ポルトランドセメント[L]

混和材高炉スラグ微粉末4000[BF]フライアッシュⅡ種[FA]

水結合材比 W/B=37%,W/B=47%,W/B=60%

打込み時期夏 期 [H]:2014年08月12日 ~ 08月26日標準期[S] :2014年10月18日 ~ 11月04日冬 期 [C]:2014年12月19日 ~ 12月30日

部材の種類および寸法

模擬柱部材[柱]:W1.0×D1.0×H1.1m模擬壁部材[壁]:W1.9×D0.205×H0.9m模擬床部材[床]:W1.0×D1.0×H0.205m

せき板の存置期間

柱 夏期:2日,標準期:3日,冬期:4日

壁 2日(3日),4日,7日,10日,14日

床 7日,14日,28日

管理用供試体の養生方法

標準養生,現場水中養生,現場封かん養生

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コンクリートの種類7

表 コンクリートの調合条件

結合材の種類

N M LN+BF N+FA

高炉セメント フライアッシュセメントB種相当 C種相当 B種相当 C種相当

混和材の置換率

- - -結合材

(kg/m3)×45%

結合材(kg/m3)×70%

結合材(kg/m3)×20%

結合材(kg/m3)×30%

水結合材比

([]内は調合記号を示す)

37%[N37]

47%[N47]

60%[N60]

37%[M37]

47%[M47]

37%[L37]

47%[L47]

47%[N+BF(45)47]

60%[N+BF(45)60]

47%[N+BF(70)47]

47%[N+FA(20)47]

60%[N+FA(20)60]

47%[N+FA(30)47]

フレッシュコンクリートの目標値

【W/B=37%】 スランプフロー:50±7.5cm 空気量:4.5±1.5%

【W/B=47%,60%】 スランプ:18±2.5cm 空気量:4.5±1.5%

打込み時期夏 期 [H]:2014年08月12日 ~ 08月26日標準期[S] :2014年10月18日 ~ 11月04日冬 期 [C]:2014年12月19日 ~ 12月30日

打込み時期ごとに全13調合について検討

※結合材に混和材を置換する調合はNセメントをベースに混合セメントのB種およびC種相当となる置換率を定めた

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模擬柱部材の概要8

b)断面図

1,000

200

50

200

200

200

200

50

1,100

200

200

5

4

3

2

1

採取深さ150

採取深さ350

採取深さ550

採取深さ750

採取深さ950

断熱材

中央部 外周部

5

4

3

2

1

a)平面図

コア供試体採取位置

1,000

500500

1,000

中央部

外周部

熱電対

1W

8W

4W

8W

1W

13W 13W 4W

表面温度センサ

50 225 225

r=150

r=400

250150150 100250100

(単位:mm)

図 模擬柱部材の概要

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模擬壁部材の概要9

475

(単位:mm)200 2.52.5

b)断面図

900

150

450

表面温度センサ

50 50

102.5

200

表面温度センサ

a)立面図

コア供試体採取位置

950

熱電対

nW

nW

nW

4W

4W

4W

13W

13W

13W

nW

nW

nW

4W

4W

4W

13W

13W

13W

せき板の存置期間n日 せき板の存置期間n日

950 200200

断熱材 断熱材

100

350

350

100

475 250

図 模擬壁部材の概要

せき板の存置期間:2日(3日),4日,7日,10日,14日(2水準/1部材)

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模擬床部材の概要10

b)断面図

1,000 200200

2.5

2.5

200

熱電対

表面温度センサ

50

50 102.5

a)平面図

コア供試体採取位置

1,0

00

200200 500500

1,400

13W

13W

nW

nW

nW 13W

4W

4W 4W

熱電対

断熱材

中央部

外周部

r=150

r=400

200

200

250150150 100250100

(単位:mm)

図 模擬床部材の概要

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圧縮強度試験の概要11

表 管理用供試体およびコア供試体の圧縮強度試験の概要

打込み時期

試験項目および方法

対象とする管理用供試体および模擬部材

試験材齢および採取本数(本)

2d※1 4d※1 7d 10d 2w 4w 6w 8w 13w※2

夏期[H]

標準期[S]

冬期[C]

圧縮強度試験

JIS A 1108:2006

標準養生供試体 - - 3 - - 3 3 - 3

現場水中養生供試体 - 3 3 3 - 3 - - 3

現場封かん養生供試体 3 3 3 3 - 3 - - 3

コアの採取方法および

圧縮強度試験

JIS A 1107:2012

模擬柱部材

せき板の存置期間

H:2日S:3日C:4日

- - 10 - - 10 - 10 10

模擬壁部材

せき板の存置期間

※3

2日 3 - - - - 3 - - 3

4日 - 3 - - - 3 - - 3

7日 - - 3 - - 3 - - 3

10日 - - - 3 - 3 - - 3

模擬床部材

せき板の存置期間

7日 - - 3 - - 3 - - 3

14日 - - - - 3 3 - - 3

28日 - - - - - 3 - - 3

※1 試験材齢2~4日の供試体の端面仕上げは,アンボンドキャッピングとした。

※2 冬期の試験材齢13wの圧縮強度試験は未実施

※3 冬期の結合材にLを用いた調合のせき板の存置期間は,3日(試験材齢3d,4w),4日(試験材齢4d,4w),7日(試験材齢7d,4w),10日(試験材齢10d,4w)とした。

冬期の結合材にBFおよびFAを用いた調合のせき板の存置期間は,4日(試験材齢4d,4w),7日(試験材齢7d,4w),10日(試験材齢10d,4w),14日(試験材齢14d,4w)とした。

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耐久性に関する試験の概要12

コア供試体の採取位置

中性化深さの測定

細孔径分布の測定

a)立面図

コア供試体採取位置

950

nW

nW

nW

4W

4W

4W

13W

13W

13W

nW

nW

nW

4W

4W

4W

13W

13W

13W

せき板の存置期間n日 せき板の存置期間n日

950 200200

断熱材

275

275

350

(単位:mm)

図 耐久性試験に供するコア供試体の採取位置

せき板の存置期間の相違がコンクリートの耐久性に及ぼす影響

測定項目:中性化深さ,細孔径分布(水銀圧入法)

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各種養生した供試体の圧縮強度13

現場水中養生供試体とコア供試体の圧縮強度の関係

y = 1.0853x

y = 0.7532x

y = 1.4174x

0

20

40

60

80

0 20 40 60 80

コア

供試

体の

材齢

91日

の圧

縮強

度(N

/m

m2)

現場水中養生供試体の

材齢28日の圧縮強度 (N/mm2)

標準期

95%信頼上限

95%信頼下限

○柱 △壁 □床

y = 1.0153x

y = 0.8034x

y = 1.2271x

0

20

40

60

80

0 20 40 60 80

コア

供試

体の

材齢

91日

の圧

縮強

度(N

/m

m2)

現場水中養生供試体の

材齢28日の圧縮強度 (N/mm2)

夏 期

95%信頼上限

95%信頼下限

○柱 △壁 □床

図 現場水中養生供試体の材齢28日の圧縮強度とコア供試体の材齢91日の圧縮強度の関係

【全体的な傾向】 現水28日強度 ≦ コア91日強度【模擬床部材の傾向】 結合材の種類によっては、現水28日強度 > コア91日強度

※一部の模擬柱部材においても同様の傾向が見られた

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14各種養生した供試体の圧縮強度

現場封かん養生供試体の圧縮強度

y = 0.9089x

y = 0.7827x

y = 1.0351x

0

20

40

60

80

0 20 40 60 80

現場

封か

ん養

生供

試体

材齢

28日

の圧

縮強

度(N

/m

m2)

現場封かん養生供試体の

材齢91日の圧縮強度 (N/mm2)

95%信頼上限

95%信頼下限

夏 期

y = 0.6125x

y = 0.9496x

y = 0.781x

0

20

40

60

80

0 20 40 60 80

現場

封か

ん養

生供

試体

材齢

28日

の圧

縮強

度(N

/m

m2)

現場封かん養生供試体の

材齢91日の圧縮強度 (N/mm2)

95%信頼上限

95%信頼下限

標準期

図 現場封かん養生供試体の材齢91日の圧縮強度と現場封かん養生供試体の材齢28日の圧縮強度の関係

【夏期の傾向】 現封28日強度は、現封91日強度の0.8倍~結合材の種類によって

は同等程度を発現している

【標準期の傾向】 現封28日強度は、現封91日強度×0.7以下になる可能性[有]

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15各種養生した供試体の圧縮強度

各模擬部材から採取したコア供試体の圧縮強度

y = 0.9119x

y = 0.8047x

y = 1.0192x

0

20

40

60

80

0 20 40 60 80

コア

供試

体の

材齢

28日

の圧

縮強

度(N

/m

m2)

コア供試体の

材齢91日の圧縮強度 (N/mm2)

夏 期

95%信頼上限

95%信頼下限

○柱 △壁 □床

y = 0.7731x

y = 0.6507x

y = 0.8955x

0

20

40

60

80

0 20 40 60 80

コア

供試

体の

材齢

28日

の圧

縮強

度(N

/m

m2)

コア供試体の

材齢91日の圧縮強度 (N/mm2)

標準期

95%信頼上限

95%信頼下限

○柱 △壁 □床

【夏期の傾向】 コア28日強度は、コア91日強度の0.8倍~結合材の種類によっては

同等程度を発現している

【標準期の傾向】 現封28日強度は、現封91日強度×0.7以下になる可能性[有]

図 コア供試体の材齢91日の圧縮強度とコア供試体の材齢28日の圧縮強度の関係

現場封かん養生供試体と同様

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16積算温度と圧縮強度の関係

図 積算温度と各模擬部材から採取したコア供試体の圧縮強度の関係

いずれの温度(躯体内部,躯体表面,外気温)を用いた積算温度においても、

部材の種類にかかわらず同調合では、積算温度と圧縮強度に相関[有]

0

10

20

30

40

50

60

10 100 1,000

圧縮

強度

(N/m

m2)

積算温度(°D・D)

躯体温度N37-壁N37-床N37-柱N47-壁N47-床N47-柱N60-壁N60-床N60-柱

0

10

20

30

40

50

60

10 100 1,000

積算温度(°D・D)

躯体表面温度N37-壁N37-床N37-柱N47-壁N47-床N47-柱N60-壁N60-床N60-柱

0

10

20

30

40

50

60

10 100 1,000

積算温度(°D・D)

外気温N37-壁N37-床N37-柱N47-壁N47-床N47-柱N60-壁N60-床N60-柱

N N N

0

10

20

30

40

10 100 1,000

圧縮

強度

(N/m

m2)

積算温度(°D・D)

躯体温度N+FA(20)47-壁N+FA(20)47-床N+FA(20)47-柱N+FA(20)60-壁N+FA(20)60-床N+FA(20)60-柱N+FA(30)47-壁N+FA(30)47-床N+FA(30)47-柱

0

10

20

30

40

10 100 1,000

積算温度(°D・D)

躯体表面温度N+FA(20)47-壁N+FA(20)47-床N+FA(20)47-柱N+FA(20)60-壁N+FA(20)60-床N+FA(20)60-柱N+FA(30)47-壁N+FA(30)47-床N+FA(30)47-柱

0

10

20

30

40

10 100 1,000

積算温度(°D・D)

外気温N+FA(20)47-壁N+FA(20)47-床N+FA(20)47-柱N+FA(20)60-壁N+FA(20)60-床N+FA(20)60-柱N+FA(30)47-壁N+FA(30)47-床N+FA(30)47-柱

N+FA N+FA N+FA

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17積算温度と圧縮強度比の関係

図 積算温度とコア供試体の材齢28日に対する各材齢のコア供試体の圧縮強度比の関係

いずれの温度(躯体内部,躯体表面,外気温)を用いた積算温度においても、

部材の種類にかかわらず同結合材では、積算温度と圧縮強度比に相関[有]

y = 0.2285ln(x) - 0.4664

R² = 0.64810

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

10 100 1,000

28日

強度

に対

する

比率

積算温度(°D・D)

躯体温度N37-壁N37-床N37-柱N47-壁N47-床N47-柱N60-壁N60-床N60-柱

y = 0.2151ln(x) - 0.3786

R² = 0.62140

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

1.E+01 1.E+02 1.E+03

積算温度(°D・D)

躯体表面温度N37-壁N37-床N37-柱N47-壁N47-床N47-柱N60-壁N60-床N60-柱

y = 0.1825ln(x) - 0.179

R² = 0.55480

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

10 100 1,000

積算温度(°D・D)

外気温N37-壁N37-床N37-柱N47-壁N47-床N47-柱N60-壁N60-床N60-柱

N N N

y = 0.1996ln(x) - 0.3848

R² = 0.56210

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

10 100 1,000

28日

強度

に対

する

比率

積算温度(°D・D)

躯体温度N+FA(20)47-壁N+FA(20)47-床N+FA(20)47-柱N+FA(20)60-壁N+FA(20)60-床N+FA(20)60-柱N+FA(30)47-壁N+FA(30)47-床N+FA(30)47-柱

y = 0.216ln(x) - 0.469

R² = 0.6294

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

10 100 1,000

積算温度(°D・D)

躯体表面温度N+FA(20)47-壁N+FA(20)47-床N+FA(20)47-柱N+FA(20)60-壁N+FA(20)60-床N+FA(20)60-柱N+FA(30)47-壁N+FA(30)47-床N+FA(30)47-柱

y = 0.193ln(x) - 0.3275

R² = 0.5947

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

10 100 1,000

積算温度(°D・D)

外気温N+FA(20)47-壁N+FA(20)47-床N+FA(20)47-柱N+FA(20)60-壁N+FA(20)60-床N+FA(20)60-柱N+FA(30)47-壁N+FA(30)47-床N+FA(30)47-柱

N+FA N+FA N+FA

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18せき板の取り外し時の圧縮強度

0

2

4

6

8

10

1.0 1.5 2.0 2.5 3.0圧縮

強度

5N/m

m2が

得ら

れる

材齢

(日)

結合材水比(B/W)

存置期間中の平均気温○15℃ △5℃ □2℃

結合材の種類:N

5℃未満

15℃未満5℃以上

15℃以上

告示第110号の日数(Nセメント)

0

2

4

6

8

10

1.0 1.5 2.0 2.5 3.0

結合材水比(B/W)

存置期間中の平均気温○15℃ △5℃ □2℃

結合材の種類:■色:L, ■色:M

0

2

4

6

8

10

1.0 1.5 2.0 2.5 3.0

圧縮

強度

5N/m

mが

得ら

れる

材齢

(日)

結合材水比 (B/W)

存置期間中の平均気温○15℃ △5℃ □2℃

結合材の種類:■色:N+BF(45) (BB相当)■色:N+BF(70) (BC相当)

5℃未満

15℃未満5℃以上

15℃以上

告示第110号の日数(混合セメントB種)

0

2

4

6

8

10

1.0 1.5 2.0 2.5 3.0

結合材水比 (B/W)

存置期間中の平均気温○15℃ △5℃ □2℃

結合材の種類:■色:N+FA(20) (FB相当)■色:N+FA(30) (FC相当)

5℃未満

15℃未満5℃以上

15℃以上

告示第110号の日数(混合セメントB種)

図 結合材水比(B/W)と圧縮強度5N/mm2が得られる材齢の関係

圧縮強度5N/mm2が得られる材齢は...

【告示に規定されている結合材】 告示の存置日数の基準と比べて[早い]【告示に規定されていない結合材】 MはNと同等程度 , Lおよび混合セメントのC種相当(N+BF(70),N+FA(30))は混合セメントのB種相当(N+BF(45),N+FA(20))と同等程度

外気温を用いた積算温度とコア供試体の圧縮強度との関係式から圧縮強度5N/mm2が得られる材齢を算出した。

※塗りつぶしの凡例(●, ▲, ■, ●, ▲, ■):各種指針のW/B(W/C)の最大値において推定される材齢

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19せき板の取り外し時の圧縮強度

0

4

8

12

16

20

0 5 10 15 20

Fc×

0.5

の圧

縮強

度が

得ら

れる

材齢

(日)

存置期間中の平均気温(℃)

告示第110号の日数(Nセメント)

○N37 △N47 □N60

5℃未満

15℃未満5℃以上

15℃以上

0

4

8

12

16

20

0 5 10 15 20

存置期間中の平均気温(℃)

○M37 △M47□L37 ☓L47

0

4

8

12

16

20

0 5 10 15 20

Fc×

0.5

の圧

縮強

度が

得ら

れる

材齢

(日)

存置期間中の平均気温(℃)

告示第110号の日数(混合セメントB種)

5℃未満

15℃未満5℃以上

15℃以上

○N+BF(45)47 △N+BF(45)60□N+FA(20)47 ☓N+FA(20)60

0

4

8

12

16

20

0 5 10 15 20

存置期間中の平均気温(℃)

○N+BF(70)47□N+FA(30)47

外気温を用いた積算温度とコア供試体の圧縮強度との関係式からFc×0.5の圧縮強度が得られる材齢を算出した。

図 存置期間中の平均気温とFc×0.5の圧縮強度が得られる材齢の関係

Fc×0.5の圧縮強度が得られる材齢は...

【告示に規定されている結合材】 告示の存置日数の基準と比べて[早い]【告示に規定されていない結合材】 MはNと同等程度 , 混合セメントのC種相当(N+BF(70),N+FA(30))は混合セメントのB種相当(N+BF(45),N+FA(20))と同等程度

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20せき板の存置期間の相違による細孔構造

0

20

40

60

80

100

0

5

10

15

20

25

1 10 100 1000 100001000001000000

累計

細孔

量(m

m3/g)

細孔半径(nm)

内部95~105mm

1 10 102 103 104 105 106

0

20

40

60

80

100

0

5

10

15

20

25

1 10 100 1000 100001000001000000

細孔

量(m

m3/g)

細孔半径(nm)

1 10 102 103 104 105 106

表層0~10mm

0

20

40

60

80

100

0

5

10

15

20

25

1 10 100 1000 100001000001000000

細孔半径(nm)

1 10 102 103 104 105 106

表層10~20mm

L47 L47

L47

細孔量累計細孔量

2日

せき板の存置期間

7日

0

20

40

60

80

100

0

5

10

15

20

25

1 10 100 1000 100001000001000000

累計

空隙

容積

(mm

3/g)

細孔半径(nm)

内部95~105mm

1 10 102 103 104 105 1060

20

40

60

80

100

0

5

10

15

20

25

1 10 100 1000 100001000001000000

細孔

量(m

m3/g)

細孔半径(nm)

1 10 102 103 104 105 106

表層0~10mm

0

20

40

60

80

100

0

5

10

15

20

25

1 10 100 1000 100001000001000000

細孔半径(nm)

表層10~20mm

1 10 102 103 104 105 106

N+FA(30)47 N+FA(30)47

N+FA(30)47

細孔量累計細孔量

2日

せき板の存置期間

7日

図 せき板の存置期間の相違による表層から内部における細孔径分布

いずれの結合材においても、せき板の存置期間が長くなると特に表層部の細孔径

分布が小径側へとシフト[細孔構造が緻密]

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21設計基準強度と実強度の関係に関する基準

(1)構造体コンクリートの強度を表すものとして長らく現場水中養生供試体が採用されてきたが,本来はコア供試体の強度で表すべきであり“現水28日強度>コア91日強度”となるコンクリートが多々あることが確認された。このことから,構造体コンクリートの強度と見なされるコア供試体の材齢91日の圧縮強度を上回ることが起こり得る現場水中養生供試体の材齢28日の圧縮強度によって構造体コンクリート強度を管理する告示第1102号第1項第1号の基準は危険側の管理となっていることが考えられる。

(2)低発熱形の結合材を用いたコンクリートの現場封かん養生供試体およびコア供試体に関しては,材齢91日の圧縮強度に対して材齢28日の圧縮強度が10分の7以上発現しないコンクリートが少なからずあることが確認された。このことから,構造体コンクリートの強度が構造性能として要求される設計基準強度を材齢91日で満足していても結合材の種類や打込み時期,部材の寸法によっては告示第1102号第1項第2号における材齢28日で要求される基準である設計基準強度の0.7を下回り,告示に適合することができないものと考えられる。

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22せき板の取り外しに関する強度管理

(1)コンクリートのせき板の取り外しに関する存置日数の基準と圧縮強度による基準の関係は,規定の存置日数よりも規定の圧縮強度が得られる材齢の方が短くなることが確認された。規定の存置日数による基準が大幅に安全側となる傾向を示しており,現在のコンクリートに対応しているものとは言い難い。

(2)構造体コンクリートの圧縮強度がせき板の取り外し時に所要の強度に達したことの判定は,これまでのコア供試体またはこれと類似の強度特性を有する供試体の圧縮強度試験以外の方法として,外気温またはコンクリートの履歴温度に基づく積算温度方式などを用いて推定した強度を用いることが,これらの指標の一つとなる可能性が本実験結果より示唆された。

(3)今後,多種多様なコンクリートの材料が変化することを考えると存置日数を明記するのは難しい面もあるが,一方の見方をするとこれまでのように明記されるべき面もある。

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23強度管理の基準における改正の方向性

本検討の実験結果を総合的に勘案して、強度管理の関連法令に関する改正の方向性のポイントを以下に挙げる。

(1)構造体コンクリートの圧縮強度は,構造体コンクリートから切り取ったコア供試体の圧縮強度で表す。

(2)構造体コンクリートの圧縮強度は,材齢91日以内に設計基準強度に達しなければならない。

(3)型枠の取り外しや養生の打ち切り時に,構造体コンクリートの圧縮強度は所要の強度に達していなければならない。

(4)構造体コンクリートの圧縮強度が材齢91日以内に設計基準強度に達したことの判定は,構造体コンクリートから切り取ったコア供試体又はこれと類似の強度特性を有する供試体の圧縮強度あるいは強度補正値などを用いて標準養生した供試体の圧縮強度をもとに推定される値が設計基準強度以上であることとする。

(5)構造体コンクリートの圧縮強度がせき板の取り外し時や養生の打ち切り時に所要の強度に達したことの判定は,構造体コンクリートと類似の強度特性を有する供試体の圧縮強度,強度補正値などを用いて標準養生した供試体の圧縮強度をもとに推定される値,積算温度方式などを用いて推定した強度が所要の強度以上であることとする。